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1955/05/25 第24回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第024回国会 農林水産委員会 第43号
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1955/05/25 第24回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第024回国会 農林水産委員会 第43号

#1
第024回国会 農林水産委員会 第43号
昭和三十一年五月二十五日(金曜日)
   午前十時五十分開議
 出席委員
   委員長 村松 久義君
   理事 吉川 久衛君 理事 笹山茂太郎君
   理事 白浜 仁吉君 理事 助川 良平君
   理事 田口長治郎君 理事 中村 時雄君
   理事 芳賀  貢君
      赤澤 正道君    足立 篤郎君
      安藤  覺君    五十嵐吉藏君
      伊東 岩男君    石坂  繁君
      大野 市郎君    大森 玉木君
      加藤 精三君    川村善八郎君
      楠美 省吾君    小枝 一雄君
      鈴木 善幸君    中馬 辰猪君
      綱島 正興君    原  捨思君
      本名  武君    松浦 東介君
      松野 頼三君    横井 太郎君
      淡谷 悠藏君    伊瀬幸太郎君
      稲富 稜人君    石田 宥全君
      小川 豊明君    川俣 清音君
      神田 大作君    田中幾三郎君
      中村 英男君    日野 吉夫君
 出席政府委員
        総理府事務官
        (公正取引委員
        会事務局長)  小川清四郎君
        農林政務次官  大石 武一君
        農林事務官
        (農林経済局
        長)      安田善一郎君
        農林事務官
        (農業改良局
        長)      大坪 藤市君
        農林事務官
        (畜産局長)  渡部 伍良君
        通商産業事務官
        (通商局次長) 樋詰 誠明君
 委員外の出席者
        総理府事務官
        (公正取引委員
        会経済部企業課
        長)      高野 正祐君
        農林事務官
        (農林経済局企
        業市場課長)  三宅 康松君
        農林事務官   本多 政治君
        参  考  人
        (中央卸売市場
        場長)     小金井健男君
        参  考  人
        (全国漁業協同
        組合連合会専務
        理事)     岡  尊信君
        参  考  人
        (東京青果協会
        会長)     荒木  孟君
        参  考  人
        (全国青果小売
        商組合連合会会
        長)      大沢常太郎君
        専  門  員 岩隈  博君
    ―――――――――――――
五月二十五日
 委員伊東岩男君、木村文男君及び井谷正吉君辞
 任につき、その補欠として横井太郎君、加藤精
 三君及び川俣清音君が議長の指名で委員に選任
 された。
同 日
 委員横井太郎君辞任につき、その補欠として伊
 東岩男君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 農業委員会等に関する法律の一部を改正する法
 律案(内閣提出第一六三号)
 農林漁業組合再建整備法の一部を改正する法律
 案(芳賀貢君外十二名提出、衆法第五七号)
 中央値売市場法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第九九号)(参議院送付)
 中央卸売市場法の一部を改正する法律案につい
 て参考人より意見聴取
 馬匹輸入に関する件
    ―――――――――――――
#2
○村松委員長 これより会議を開きます。
 去る四月十八日付託になりました、内閣提出農業委員会等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたし、審査に入ります。まず本案の趣旨について政府の説明を求めます。大石政務次官。
#3
○大石(武)政府委員 ただいま上程されました農業委員会等に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
 農業委員会は、御承知の通り、昭和二十六年農業委員会法の制定によって、従来の農地委員会、農業調整委員会、農業改良委員会の三者につき、それらの職能を総合整備するため一委員会として統合し、原則として地方自治体の地域ごとに、当該地方自治体の機関である農業に関する行政委員会として設置せられたものであります。しかして同委員会は、農業生産力の発展及び農業経営の合理化をはかり、農民の地位の向上に寄与するため、農民の意思と希望を反映し得るよう、農民の選挙による委員及び学識経験者たる委員をもって構成され、その職務は、農地、食糧等関係法令に基く所定の事項、農業に関する総合計画の樹立及び実施に関する建議、答申に関する事項等を処理することとせられたのであります。
 かつ、また農業委員会は、当初市町村及び都道府県に設置されたのでありますが、二十九年の改正によりまして都道府県農業委員会はこれが廃止せられ、新たに法人として都道府県農業会議及び全国農業会議所が設けられることになりました。しかしながら市町村の農業委員会につきましては、委員の構成等について若干の変更があったほかはおおむね従前と同様の性格と職務を持って今日に至っているのであります。
 当初においては市町村の農業委員会は、原則として一市町村一委員会の割合で、全国の市町村数に準じて約一万一千設置されていたのでありますが、その後全国的に町村合併が急速に実施せられてきたのに対し、農業委員会については、現行法のもとではこれによる組織その他の実情から、直ちに画一的に合併市町村に一委員会の原則を貫くことについては、事態の推移について慎重な考慮を必要とする状況にありましたため、本年三月一日では、市町村数四千七百七十六に対し、委員会数は八千二十六となっている状況にありまして、一市町村一委員会の原則からは、はなはだしい懸隔を生じている実情にあるのであります。
 しかしながら町村合併の現状にかんがみ、農業委員会が本来市町村の行政機関である性格と、その職務の遂行からして、農業委員会は市町村内一体として強力なものであることが望ましく、これによって合併市町村ごとに行政庁に農民の意思と希望を強力に反映して、域内の農業に関する施策を統一的かつ実効的に惨透するため、原則として合併市町村ごとに一個の農業委員会を設置することが適切であり、急速にこれを実現することが必要となったと考えられるのであります。
 しかるに今日町村合併の現状について見まするに、合併後の市町村の規模は一般に著しく拡大し、かつその域内の産業等の態様にかなりの変化を来たしておりますので、農業委員会と農民その他関係団体等との結びつきを密接にいたしまして、あわせて農業の地域性及び特殊性に応じて、農民及び農業の利害を公正に反映できるように、現行の農業委員会の組織に改正を行う必要があるのであります。
 さらにまたわが国農業の動向と農業委員会の設置及び運営の経緯に照らし、その目的を一そう十分に達成せしめるためには、農業委員会が各種の行政機関及び農業団体等と力を合せて、農業施策を一そう充実させ、またその惨透の徹底を果し得るよう、その所掌事務を必要かつ適正に拡充することが緊要であると考えられるのであります。
 農業委員会について右の改正をいたしますともに、この際都道府県農業会議の組織及び業務の上において、農業委員会との連絡及び協力を緊密にする所要の改正を行い、全国農業会議所とともにその機能を十全に発揮し得るようにいたしたのであります。しかして右の機関及び団体は、農業協同組合、農業共済組合等の農業団体と協調して、おのおのその職分に応じて、農業と農民のため、それぞれの機能を発揮することを期待しているのであります。
 以上の趣旨にのっとりまして、今般農業委員会等に関する法律の一部改正を行うこととした次第であります。以下その内容の主要な点について概略御説明申し上げます。
 第一は、農業委員会を原則として合併後の市町村の地域に合せて設置することとし、その職能の円滑な遂行をはかるため必要な統合を進めることに関する規定を整備したことであります。前に述べましたところにより、合併市町村において農業委員会が職能を極力円滑に発揮するためには、なるべく一市町村一委員会に統合することが望ましいと考えられるのでありますが、現行法においては農業委員会の統合を進めていくため、これに関する所要の規定が不備でありますので、これを整備いたしたのであります。
 第二は、農業委員会の組織についての改正であります。すなわち、現行法においては農業委員会の委員のうち、その根幹となるべき選挙による委員は、農業委員会の全区域を単位として、公職選挙法を準用した選挙により十人ないし十五人選出されることとなっております。しかるにさきに申し上げました通り市町村の地域の拡大と、これに伴う態様の変化に関連しまして、農業委員会の組織は、従前のままでは適切でなくなりましたので、今回これを改め、この種の委員は、おおむねいわゆる部落を基準とした単位区域ごとに選出されることといたしたのであります。
 しかして現行の公職選挙法を多数の右の単位区域に適用いたしますことは、必ずしもわが国農村の実情に即さず、またいたずらに多額の経費が必要となりますので、改正法案においては、市町村条例の定めるところによりおおむね部落を基準とする単位区域ごとに、その地域内に住所を有する農民が委員となるべき農民を推薦し、その推薦された者につき市町村長が委員として選任するという方法にいたしたのであります。
 また現行法の農業委員会は、選挙によらない委員について、市町村長が五人以内を限り、いわゆる総合農業協同組合または農業共済組合から推薦されたその理事、及び市町村議会から推薦された学識経験者の中から委員として選任しているのでありますが、この改正法案においては、農業委員会にいわゆる総合農業協同組合及び農業共済組合の代表者は網羅的に委員として加えるため、これらの団体の推薦したその理事は、組合ごとに必ず一人ずつ市町村長が委員に選任し、さらにまた組織の万全を期しまして、従来の制度を踏襲し、市町村議会の推薦した学識経験者をも五人以内において、これまた市町村長が委員に選任する制度といたしております。
 右の結果によりまして、一農業委員会当りの委員の数は現在に比し相当増加することとなりますので、農業委員会の運営を実情に即し、適切にするために、新たに常任委員の制度を設けることといたしました。すなわち常任委員は、農民の推薦による委員の互選による者が十人ないし十五人とし、その三分の一以内の人数において、条例の定めるところにより、それぞれ農業団体の推薦による委員の互選による者及び学識経験委員の互選による者をもってこれに充てることといたしております。
 この常任委員の設置に伴い、農業委員会におきましては、行政庁の諮問に対する答申、農業及び農村に関する振興計画の事務についての基本方針の決定、並びに会長の選任、及び解任の三事項については、全委員の会議で議決し、その他の事項は常任委員の会議で議決することとしたのであります。第三は、農業委員会の所掌事務について改正を行なったことであります。現行法における農業委員会の所掌事務は、農地法、土地改良法その他の法令により、その権限に属させられた事項を初めとし、農地等の利用関係及び交換分合のあっせん等に関する事務を行い、さらにまた農地、農業技術、農畜産物の処理、農業経営の合理化及び農民生活の改善等にかかる総合計画の樹立及び実施について、市町村長に建議し、その諮問に応じて答申することとなっているのでありますが、改正法案では、前述いたしました趣旨により農業委員会の職能を必要かつ適切に拡充することといたしております。なお当然のことでありますが、その際市町村長及び他の執行機関が権限に基いて行う職分との調整に配意し、また各種農業団体との間には選切な協力連絡を保つことを本旨といたしております。すなわち、その所掌する事務としましては、農地法、土地改良法その他の法令に基き、権限として行う事務は従来の通りとするほか、農地等の利用関係及び交換分合のあっせんに関する事務と、農業及び農村に関する振興計画の樹立及び実施の推進に関する事務のほか、農業技術の改良、農作物の病虫害の防除その他農業生産の増進、農業経営の合理化及び農民生活の改善をはかるために必要な事業の推進に関する事務を行い、農業及び農民に関する事項についての調査研究と啓蒙宣伝を行い、さらに農業及び農民に関する事項について、意見を公表し、行政庁に建議し、その諮問に対し答申を行うことができることとしたのであります。
 第四は、都道府県農業会議の組織に関する改正であります。同農業会議は、本改正法案におきましても従来と同様の性格を有する法人といたしておりますが、その会議員につきましては、現行法では当該都道府県の区域をおおむね部別に十から十五に分けて、その区域ごとに都道府県知事の招集する代表者会議で互選された農業委員会の委員または農業協同組合もしくは農業共済組合の理事一人ずつとして、その合計十人ないし十五人のほか、農業協同組合中央会、農業共済組合連合会、省令で定める農業協同組合及び同連合会、省令で定める農業団体等の推薦する者及び学識経験者で会長の指名するものをもって、構成されることとなっております。
 本改正法案におきましては、さきに述べました通り農業会議と農業委員会の連絡協力の度を増す趣旨に従いまして、各農業委員会の会長はすべて同農業会議の会議員となることとし、その他の会議員は現行通りといたしております。
 その結果会議員の数が大幅に増加いたしますので都道府県農業会議の運用を考慮いたしまして、新たに常任会議員の制度を一設けることといたしました。すなわち農業委員会の会長として会議員となった者の互選により、おおむね十人ないし十五人が常任会議員となり、その他の会議員は、互選によらずそのまま常任会議員に就任し、両者合せておおむね二十人ないし三十人で構成することといたしているのであります。
 しこうして都道府県農業会議の業務に関する議決につきましては、少くとも農地法その他の法令によりその所掌に属させられた事項と農業及び農民に関する意見の公表及び行政庁に対する建議について、もっぱら常任会議員の会議で議決することといたしました。
 最後にこの法律の施行についてでありますが、現在の農業委員会の統合を進める道を開き、本改正法案による方法により委員を選任するために、市町村において所要の準備を完了せしめる期間を予定し、さらに農繁期等の事情を考慮しまして、原則として明年一月一日より施行することとし、委員の各部落等単位区域からの推薦は、本年十二月中に行わせることとしたのであります。
 以上が本法律案の提案理由及びそのおもな内容であります。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
#4
○村松委員長 本案についての質疑は後日に譲ります。
    ―――――――――――――
#5
○村松委員長 次に去る十九日付託になりました芳賀貢君外十二名提出、農林漁業組合再建整備法の一部を改正する法律案を議題といたし、審査に入ります。
 まず本案の趣旨について提出者の説明を求めます。芳賀貢君。
#6
○芳賀委員 ただいま議題と相なりました農林漁業組合再建整備法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
 わが国の農林漁業を振興いたすためには、農林漁業組合の整備強化をはかる必要があることは今さら申すまでもないところであります。このため、昭和二十六年四月に農林漁業組合再建整備法を制定いたし、これに基いて今日まで鋭意これが再建整備をはかって参ったのであります。この法律による再建整備措置は、再建整備期間が指定日から五年ということになっておりまして、本年三月未をもって終了いたしますが、すでに相当の効果を上げるに至っておりますことは御承知の通りでございます。
 すなわち、同法の適用を受けました二千四百八十の農業協同組合、五百十九の漁業協同組合、六百四の森林組合、合計三千六百三の単位組合及び百四十二の農業協同組合連合会、三十五の漁業協同組合連合会、三十九の森林組合連合会、合計二百十六の連合会につきまして、法定目標である増資について、その実績を見ますと、二十九年度末までに、農業協同組合五十三億円、漁業協同組合三十五億円、森林組合三億円、合計して単位組合については九十一億円、連合会については都道府県以上の農業協同組合連合会百八億円、漁業協同組合連合会十億円、森林組合連合会二億円、合計百二十億円の増資が達成されております。従ってすでに再建整備の目標を達成して二十九年度から奨励金の交付を打ち切られたものも相当数に達しております。このように、同法の適用を受けた農林漁業組合の大半は、計画通り再建整備措置が進捗いたしまして、本年三月末の再建整備期間の終了時には、おおむね再建整備の目標を達成するものと信ぜられるのでありますが、遺憾ながら災害その他の原因によって、本年三月末までに再建整備の目標を達成できない組合もなお相当数存在することは事実でございます。しかし、これらの組合も、再建整備の目標達成が全く不可能というわけではなく、本年三月末までには目標の達成ができないにいたしましても、今かすに一、二年の時をもってし、この再建整備措置を続行いたさせますならば、その大部分は目標達成が可能ではなかろうかと思われるのであります。従って、これらの組合の増資等に対する今日までの努力を無にすることなく、今後もできる限り増資を行わせて、その経営の確立に資しますとともに、国の財政支出の効率化をはかるためにも、この際再建整備期間を二年延長することといたしたいのでございます。
 次にいま一つの問題でありますが、それは、再建整備の目標達成後の奨励金の償還を取りやめることに関してであります。再建整備の目標を達成した農林漁業組合と申しましても、今般の再建整備措置により、ようやく健全な経営の基礎ができ上ったにすぎない実情であって、これをもって直ちに経営基礎が十分確立できたものと見ることは困難と思われるのであります。従って現行法に基き、再建整備の目標を達成いたしましてから一年の経過後、利息を加えて奨励金を償還させますことは、政府をして償還につき、いかような配慮を加えさせたとしましても、再建整備組合の現状から見て、再びその経営を危うくするおそれなしとしないのであります。よってこの際、これらの農林漁業組合の経営の基礎を確立するため、奨励金の償還はこれを廃止することにいたしたいのであります。
 次に本法案の内容について御説明申し上げます。
 第四条第一項の改正は、再建整備期間の延長をはかる規定でございまして、現在の五年を二年延長して七年といたすものであります。なおこれは再建整備期間の延長を行うことのみにとどめるのでありまして、三十一年度以降も増資奨励金を交付いたす趣旨ではございません。以下これに関連いたしまして、第十八条第二項、第二十条第
 一項及び第二十二条第一項の規定をそれぞれ改正いたします。
 第十四条の改正は、奨励金の償還を廃止するために、これを削除することにしたものでございまして、第十九条の改正はこれに伴う規定の改正でございます。
 なお本法は公布の日から施行いたしますが、三月三十一日にさかのぼって適用することといたしました。
 以上が本法案の内容及び提案理由でございますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたす次第でございます。
#7
○村松委員長 本案に対する質疑は後日に譲ります。
    ―――――――――――――
#8
○村松委員長 次に中央卸売市場法の一部を改正する法律案につきまして、参考人各位より御意見を聴取いたしたいと存じます。
 参考人各位においてはお忙しいところを御出席下さいましてお礼申し上げます。なお参考人の各位は直接この仕事に御関係になっておりまするので、この際本案に対する忌憚ない御意見を拝聴いたしたいと存じますので、どうか御意見を十分にお述べをいただきたい。なお順序としまして、お並びの順序で一つ御発言を願いたいと思います。御発言に際しましては、委員長を呼ばれて許可を受けられんことを希望いたします。
 最初に中央卸売市場長の小金井健男君に御意見を承わります。小金井君。
#9
○小金井参考人 市場法の改正案につきまして、開設者の立場から二つの点について申し上げたいと存じます。その一つは卸売業務の許可の問題でございます。他の一つは類似市場の規制の問題でございます。結論的に申し上げますと、卸売業務の許可権限は開設者にしていただきたいということと、類伺市場の規制は現在の中央卸売市場の施設及び運営がしやすいような方法で規制をしていただきたいということでございます。このことに関しましては、六大都市開設者各個別に昨年十二月農林省に陳情を申し上げ、本年の二月、六大都市開設者連名をもちまして主務省並びに国会に陳情を申し上げておるわけでございます。なお本年三月、東京都議会あるいは五大市の市議会議長連名をもちまして、あるいは本年五月五大市の市場長連名をもちまして、関係方面に陳情を申し上げましたのも、いずれもこれらの点にかかわるものでございます。
 かような結論を開設者側として得ましたのは、実は昭和二十九年の二月に、農林省の御主宰をもちまして、全国の中央卸売市場開設者会議が持たれたのでございますが、その会議の決定に基きまして、現行の市場法には幾多の欠陥がございますので、これらの点を検討いたさなければならない、これがために市場法改正の小委員会を設けて検討いたすようにということになりまして、農林省御当局と市場開設者を代表いたしまして東京都市場関係者が、十一回にわたりまして市場法を検討いたしました結果、ただいまの二点もまた問題となりまして、この二点についての考え方が大体ただいま申し上げましたようなことになったことによるものでございます。もちろんこの委員会で断定的な結論を出したというものではございませんが、十一回にわたりまする関係者のこの問題に対する考え方といたしましては、大体ただいま申し上げたような結論に傾いておったような次第でございます。改正の法案がこの許可権限を大臣に引き上げられるということにつきまして、開設者側といたしましては、実は非常に驚きまして、そうでございませんように、今申し上げたような陳情をいたした次第でございます。このことは、昨年秋に設けられました中央卸売市場対策協議会の答申に、主務省が中央卸売市場を積極的に指導監督するという答申があるのでございますが、これに多少関係があるかと存じまするけれども、開設者側といたしましては、この点につきましても、答申にございますように、指導監督の積極化というものが、ややもすれば中央集権化を招来するおそれがございまするので、これらの場合においても、ぜひとも市場運営の自主性を害しませんように、尊重していただきますようにお願いをいたし、このことは答申にも載っておるところでございます。私ども開設者側といたしましては、中央におかれまして大局的な立場から積極的に指導監督をいただきますことは、非常にありがたいことであるのでございまするが、翻って現行法を見ますると、これらの指導監督につきましては、主務大臣にきわめて強大な権限を与えられておりまして、どのような御監督でもできないことはないように法律ができておると考えるのでございます。市場の開設を認可し、これを取り消しますことも、あるいは業務規程を認可して、これにまた変更命令を出しますことも、類似市場の閉鎖命令を出しますことも、市場の構造や設備について変更命令を出されることも、その他市場業務に対する監督上必要なる命令をいつでも発せられる権能をお持ちになっておるのでございます。あるいは不都合な市場は業務停止をかけられることもできまするし、卸売人に対しましてもその業務許可を取り消すこともできますし、卸売人の業務を停止することもできる、あるいは卸売市場の開設者あるいは卸売人に対して直接監査することもできるというような規定があるわけでございます。開設者側といたしましては、これら強大な権限に基いて――今後積極的に監督をいただくことを希望いたすものでございまするが、直接に市場の具体的な業務の許可権を主務大臣がお持ちになるということになりますると、実は市場の施設を管理するものは開設者でございまするから、不幸にいたしまして主務省と開設者が意見が異なるときには、業務の許可を受けた卸売人が市場の中に入れないというような事態も、最悪の場合にはあり得るのでございまして、行政上こういうことは不都合、不幸なことでございまするが、予想されるような改正には、一応反対を申し上げないわけにはいかないということでございます。
 それから第二点といたしまして、開設者は申し上げるまでもなく、生産と消費の両面にわたりまして、非常に大きな責任を持っておりまするので、これらの責任を果しますのには、どうしてもこの半面として権能を持っておらなければならない。全国で一千億をこえる取引を行なっておりますが、東京市場では年間六百億の取引をいたしております。魚にして一億一千万貫、蔬菜が二億万貫、果実におきまして七千二百万貫でございます。これを取り扱います会社は、東京だけで三十四、仲買人が二千三百名、売買に参加をいたしております者が六千数百名、なお魚を加えますと、実質的に売買参加をいたしております者が一万二、三百名に上っておるのでございます。その他買出人が数万人にも達しまして、これらの関係を調整いたしまして市場の秩序を維持いたしますということは、非常に難事業であるのでございますが、これらのことが可能となりますのには、どうしてもこれらの権能を持ちますことが必要だと考えておる次第でございます。卸売人に対するこういう権能を喪失いたしますと、実際問題として開設者の指導監督が後退せざるを得ませんし、これに関連いたしまして、一般の指導監督というものが非常に稀薄になり、公正なる取引を保証するということが困難になって、結局は生産者にも消費者にも迷惑をかけるということがあり得ることをおそれておるのでございます。
 次に、集散市場化したということがいわれておりますが、実は主務大臣が、先申し上げましたような強大な監督権限を持ちますことは、一地方に限らず、本来の中央卸売市場の性格が全国的のものであることによるものであることは申すまでもないところでございまして、集散市場的な性格は遠く日本橋時代から持っておったことは申し上げるまでもないことでございます。近時東京市場から関東、甲信越に送り出します生鮮食料品が非常に多いといわれておりますが、これは蔬菜が一割、果実が三割、そして魚類が四割五分でございますけれども、開設者の側といたしましては、実はこれは八百万という固定した大量の需要を東京が持っており、なおまた市場信用が確立しておりますので、経済の法則に従って荷物が東京に集まり、これを、トラックが発達いたしましたので、近県の方方が持っていかれるというように考えておるのでありまして、この基本となります東京の消費市場を破壊いたしますと、市場全体が破壊すると考えておるものでございます。
 次に、中央市場の立場といたしましては、生産者の方々に十分なる保護を加えると申しますか、その恩を感じなければならないことはもちろんでございまして、市場関係の法令を通じまして、生産者を保護する規定に尽きておって、消費者を保護するという規定は一つもないのでございます。ただしかしながら、中央市場は御案内の通り生産と消費の中間にありまして、生産者の支配も受けず、消費者の支配も受けず、厳正中立な立場におきまして、公明な取引を実施することをもって建前といたしておったものでございます。従いまして、この制度はもともと社会制度調査会に諮問せられ、内務省所管から商工省に移管をされて、商工省所管として中央卸売市場は監督を受けて参ったものでございます。そういう観点からいたしまして、生産主管の大臣にこういう卸売人が直属いたしますことは、ややもすれば、ひが目かもしまれせんけれども、生産に片寄るということを開設者といたしましてはおそれておるのでございます。
 なお、この法律上のその性質が国家的の事務であるというお説もございますが、しからば仲買人の免許も明らかに営業の免許で、特権の設定であると考えておりますので、これらの点は、はなはだ僭越でございますが、仲買人も同様なものであると考えておる次第でございます。
 なお、この点につきまして、開設者が権限に拘泥しておるという印象をお与え申しては恐縮だと存じますが、戦後卸売人が乱立したということがしばしば指摘されますが、これは別に開設者がほしいままに何らか利権でも設定したように考えられますことは非常に遺憾なところでございまして、御承知のように戦後の憲法の職業選択自由の基本権を尊重する建前をもちまして、卸売人、仲買人の許可方針といたしまして、従来の市場業者の商権を擁護することなく、企業意欲に燃えておりますところの新人を採用いたしまして、公正で自由な競争をさせるということが公共の福祉に合致するという示達もございまして、これらの方針に基いて、実は結果において乱立を来たしたのでございますが、東京におきましては、その後水産などでは、十九社でございました会社を大手筋の四社に整備統合いたしまして、さようなことのございませんように心がけておるような次第でございます。
 次に類似市場でございます。これは御案内の通り法律は地域を指定いたしまして、そうして地域内に一つの市場を設けることが公共の福祉に合致するものと考えておるの、でございます。開設者側といたしましても、類似市場ができております経済上の事実を否定するものでもなく、ある場合には、国あるいは公共団体がなすべきことをなさない結果これらの市場が出たということも考えられるわけでございまして、ことに公共団体の責任も十分あると思うのでございます。しかしながら、先にも申し上げたように、これらの整備は、既設の中央卸売市場の施設や、あるいは運営がしやすいような方法で規制をしていただきたいと考えておるのでございまして、この点につきましては、現行法の第六条の改正をしていただけば十分じゃないかと考えておるわけでございます。改正法によりますと、主務大臣に届け出ることになるのでございますが、こういう方法で類似市場が認められますと、既設の中央卸売市場あるいは類似市場相互間に不当な競争が起りまして、結局卸売人を乱立するのと同じ結果になり、生産、消費の両面に不測の横書を与えることをおそれるものでございます。なおまた、これによって事業といたしましては国が公認される結果にもなりますし、あるいは同じ大臣のもとに二種類の中央市場が存在するということにもなります。しかして一方は強制収用されて、厳格な監督を受け、一方は単なる届出で、何ら拘束のない事業ができるということになりますと、非常に片手落ちでもあるように考えるのでございます。これらの市場の問題につきまして開設者側も相談をいたしたのでございますが、これらの権限を開設者に与えられましても、地方といたしましては、非常に多数の類似市場でございますので、にわかに監督をいたしますといっても、十分なる徹底をし得られない、かように存じますので、できるだけ既設市場の拡充を国におかれましてもめんどう見ていただきまして、こういう市場が簇出いたしまして、ばっこしませんような措置を願い申し上げたい、かように考えておる次第でございます。
 簡単でございますが、以上でございます。
#10
○村松委員長 なお、あとで一括して質疑を行うことになっておりますから、どうぞお残りを願いたいと思います。
 次に、全国漁業協同組合連合会専務理事、岡尊信君に願います。
#11
○岡参考人 私はこの法律全体について賛成するものであります。今その部分的に少し内容を申し上げてみたいと思います。
 開設者の条項を、従来、財団法人または地方公共団体とあるのを、地方公共団体としているのでございますが、この点も賛成であります。
 次に卸売人の問題について申し上げます。元来中央卸売市場というものは、農山漁村民が生産した品物を無条任で委託をして、販売をしてもらう場所であります。卸売人はその無条任委託を受けた物を市場において仲買人あるいは小売人に売る、こういうきわめて重大な責任のあるものであります。そういうように考えてみますと、これは政府か強力な監督をし、指導をし、さらに保護をする、こういうことによってやらなければならぬということは申すまでもないのであります。水産だけを調べてみましても、東京市場だけでも一億数千万貫で三百数十億円のものを一カ年間に無条件で提供しているのであります。百円になろうと三十円になろうと、無条件委託でありますから、生産者は何らこれに文句を言うことはできないという現状でやっております。こういうところでありますから、卸売人に対しても市場の全体に対しても、行政庁が十分にこれを監督をし、保護をしてこなければならかなったのであります。今から三十数年前の大正十二年に中央卸売市場ができた当時は、政府においても農林省の中に市場の関係の係員が相当数おって、予算も相当のものを作って、保護もし、監督もしておったのでありますが、それが世の中がだんだん進み、人口がふえてきて、市場が非常に大きな性格を持つようになっても、予算はだんだん減るし、監督は十分でなかったように思うのであります。こういう点から考えてみましても、今日の生産者の無条件委託を受けたもの、そしてそれを都市の者あるいは近郊の者の非常に重要な食糧として供給する役目を持っている市場に対しては、政府が十分なる監督をしなければいかぬ。それにはその市場内の一番大切な卸売人は開設者の許可ということでなしに、農林大臣が許可をする。これはただ農林大臣に権限を許可しただけでは意味がないのであります。それだけ農林大臣に責任を持ってもらいたい。ここ三十数年来、東京の市場を見ても、災害その他によってこわれたらこわれたままです。東京都あたりにおいても、相当大きな起債なとしてやっておりますが、まだ十分とは言えません。そういうように考えてくると、政府もこれに対して責任を持って、農林大臣は許可をする、同時に中央市場の改善ということに相当の努力をしていかなければならぬ。私どもの考え方は、卸売人は単なる営利会社でなしに、ある程度公共性を持てたところにしもらいたい。それには、たとえば金融の問題、これなども単に普通の営利会社の社長、重役が金融にのみ飛び歩くようなことをさせないで、政府資金の導入であるとか、あるいは融資のあっせんというようなことを考えてもらいたい。あるいは課税の緩和ということも考えてもらいたい。不当な荷受け競争の禁止ということも考えてもらいたい。そのほか資本の構成などについても、相当政府が監督していくべきではないか。こう考えてみると、農林大臣が許可をし、同時に十分なる指導をし、そして今言ったような資金のあっせんもし、あるいは政府資金の導入もする。こういうことによって市場の改善と同時に、卸売人そのものをも公共性、公益性に近い会社にして、そうして農林大臣が許可すべきものじゃないか。今日はあまり弊害がありませんが、今までには執行権を持つ地方公共団体と、議決権を持つ地方の議会との間に、卸売人の許可などについても相当意見の相違があって、ために市場によくない結果を生じたような場合もないとは言えない。最近はそういうことはないように思っておりますが、いろいろの点から考えてみて、どうしてもこの中央卸売人は農林大臣の許可にして、十分なる監督、保護をしてもらいたい。ただこれに対し、それならば業務の許可と施設の許可とが二人の命令がら出たらば困るのじゃないか、こういう御意見もあるようでありますが、これは農林大臣と地方長官との間、あるいは開設者との間に、その折り合いがつかないものまでも農林大臣が許可したけれども、市場でいるところがないというような、おそらく私はそういう行政措置は行われない、事前に十分地方庁の長官なり、あるいは開設者の意見を聞いてやれば済むものではないかと考えております。
 それからもう一つ卸売人で困ったことには、進駐軍が出てきて以来、無制限自由ということをやった。水産だけでも東京都に十数、二十もあると言っておりますが、これではどうにもならぬ。この会社がつぶれたときにそのしわを寄せられるのは生産者です。生産者はこれでずいぶん泣いております。こういう関係上、これを制限することはできないにしても、だんだんしぼっていって、あるいはその市場の面積その他からいって施設の需要量、すなわち物理的方法によってもしぼれるだろうし、あるいは卸売人の一人当りの取扱い高が、営業費が六分なり五分なりの手数料でまかなえるか、まかなえないかということは、算術計算でも出てくる。いたずらに卸売人を許可して、片っ端からみなつぶれていくようなことをさせるのはいけない。これはしわがみな生産者に来るからいけない。こういうことによってやると、そういう制限もできるのじゃないか。たとえば今日東京都だけにおいても水産だけで十社あります。そのうちABCDという四社が大体において八六%の荷を扱っている。その他の六社が一四%を扱っている。四社だけで八六%やって、あとの六社が一四%しかやらない。こういうことになりますと、今日でもまだ非常によくなってきたのであるけれども、これが十九社あったときでは一%もやらないようなものもあった。こういうのがいたずらに産地にうまいこと言って魚を取って、しまいにはぱっと逃げてしまうというようなことが必ずしもなきにしもあらず、現にありました。こういうことをされるということは、農山漁村民の生産を保護する道ではないと思うのであります。こういうような角度から考えてみましても、一つ大臣許可ということは、この際監督を十分にし指導を十分にし、そのかわりは保護を十分にする。先ほど言った通り、相当の保護をして公共的性格を持った、いわゆる大臣の免許会社というような特殊会社になって、そうして生産者が安んじて無条件委託のできるようにしてもらいたいというのが生産者の考え方であります。
 その次に、いろいろありますが、類似市場の問題が起っているようですから、類似市場について申し上げます。これは今日いろいろ理屈があり、賛否両論があるようでありますが、一体類似市場が今日のごとくどうしてできたかということを探究してみなければいけません。これには政府も中央卸売市場の開設者にも必ずしも責任がないとはいえない。だんだん人口がふえてくれば予算もだんだんふえてくる。施設も普及してくればだんだん予算をふやして、そうしてもう少し国が力を入れてやってくれて、そうして買出人のためにも便利になるということになれば類似市場というものはあまりできない。それが一方政府の予算もあまりない、監督指導も十分でない、あるいはまた非常に都市が大きくなったにもかかわらず一カ所だけで分場が少い。分場でもどんどん設けるということであれば、それにしても予算が足らない。こういうようなことを見る。あるいは市場の現在の位置がその都市の地理的に見て不適当な場所であるというようなところから、適当な場所にこしらえてみたり、あるいは人口がどんどん郊外にふえていくと、買い出しするために大へんな時間がかかる都心へ出てくる。これは政府にも開設者にも責任がないとはいえない。こういうように考えてみれば、今言ったような中央卸売市場を整備強化する以上は、どうしてもある程度こういうものを漸次考えていかなければならない。ただしあるものを全部禁止せよ、閉鎖命令を出す、そんなことはできません。これは実際上からいっても法律上からいっても、今でき上ってせっかくやっておるものを、類似市場のゆえをもって禁止命令を出すなんということはできない。できないとするならば、一面大臣の許可による卸売人の充実あるいは政府の予算措置による市場の施設の強化ということによって漸次これはやる。やる方法としてはどうしたらいいか、底びき船の場合に、無許可のどろぼう船が、無許可船がたくさんいる。許可船を整理していって無許可船をほったらかしておいて、善人は整理されてどろぼう船は整理の対象にならぬというような状況がある。これは法律を作るときにやむを得ぬからその無許可船も一たん許可のワクに入れて、そして今度は全体を見て整理していこうじゃないか、こういうようにしなければいけない。これは法律上できないでしょう。そこで私は、この原案にあるところの届出制というものは、届出制を認めたからといって、中央卸売市場というものを認めないで、どんどん許していくという意味じゃないと思う。一応届出をして、そうして監督をし、監査を十分にして、もし不適当な、不都合なものがあるとすれば閉鎖を命ずる、こういうようにして整理をしていく、あるいはそのうちで非常ないいものである、そうして地理的に見てもどうしてもこれをここに置かなければならぬものであるというならば、中央卸売市場の分場として置こうとも、あるいはいかなる方法を考えようとも、行政措置で私はできると思う。こういうように考えてみると、この類似市場の問題なども、いろいろのこうなった結果から考えてみて、そうして原案のような方法によって漸次監督指導して、そうして吸収、合併するかあるいはどういう方法にするか、やっていかなければ、やる方法がないじゃないか。もしこれよりいい方法があるというなら私どもは賛成しますが、さりとてそう極端に、今あるものをみんな禁止命令を出す、こういうようなことはできないものだ、こういうように考えてみると、この点はやっていかなければならない。
 それから私はもう一つ。この法律上で特に問題になるのは保証金の問題であります。今日保証金というものは、非常に取扱高が少いときに、卸売人が保証金を出すのに大体五十万円くらいの程度のものを出して、その保証金につきましては、市場の使用料、その他が優先的であります。そうして生産者の委託品などは請求権が一番最後です。優先権がない。もし市場に対する借金などがたくさあれば、これを全部引いてしまうと、五十万円ばかりの金では残るものはありまん。そこで私は、これはある程度大きな保証金を取っても、卸売会社が困らない方法があります。たとえば金利を付するとかなんとかいう方法によって、同時にその金は運転しますから、そういうような方法はよってある程度取って、生産者もその会社に対して優先権を持つようにしてもらいたい。これは今度の法律の改正の内容に入っておりませんが、場合によれば業務規程でもできないこともないのでありますから、そういうようにやってもらたい。私はきょうは時間がありませんから、おもなる重要なことだけについて申し上げたのであります。
#12
○村松委員長 どうもありがとうございました。
 次に東京青果協会会長荒木孟君にお願いします。
#13
○荒木参考人 私は率直に申しますと、今度の改正案は、その主要な点におきまして、改正をしてよくなる部分よりも、改悪をして、悪くなる部分の方が多いと思いますので、原案の通りに通ることは非常に不賛成であります。そういう意味で大幅の修正をしなければほんとうの改正にならないと考えるのであります。政府の方で御説明になりました第一、第二、第三、第四、第五がおもな事項でありまして、これに一々多少の意見がございますが、時間もありませんし、主として卸売人の許可の権限のことと類似市場の規制のことについて申し上げたいと思います。このことにつきましては、青果協会としては意見書をしたためまして委員長初委員皆様方に差し上げてあるはずでございますから、ごらんを願いたいと思うのであります。
 第一の卸売人の許可の権限のことにつきましては、ただいま岡さんからも甲されましたように、中央卸売市場というのは、非常に大切な、利害関係の重大なところでありまするし、そのうちの、卸売業務は最も根幹をなすものでありまして、生産者並びに消費者大衆にとって非常に利害関係の多いものでありますから、これに対して主務大臣、政府が、厳重に、周到に監督をすることはもちろんであります。私どもが開設者と同じ意見に立ちまして、この権限は開設者に帰属せしめるのがよろしいと申しますのは、大臣がこの権限を行なっては悪い、成績が上らぬというのではありません。同時にまたこれを知事や開設者が行えば必ず弊害がある。こういうものでもありません。ただものの筋道から、これは特定の公企業の業務を執行するという許可でございますから、その権限は、やはり開設者みずからが、あるいは開設省が自分の身がわりとでも申しますか、適当な者を選択して指定もしくは許可するのが当然であります。国はあくまでも監督、指導の地位に立つ。直接の権限を行う者はやはり開設者である。責任と権限を一致させましてそういう立場をはっきりとすることが必要である。決して国の監督を無用であるとか、国が干渉してはいけないとかいうのではありませんので、これはもう徹底的に監督指導は置くべきものと思います。また現在の実情から申しましても、法律上の権限は地方長官に属することになっておりますが、実際問題としては、開設者と地方長官と十分に協議をして主務大臣の指導を受けて行なっておることでありまして、ですからこれは大まかに言えば、権限がどちらにあっても、結果においてはそう変りはないだろうと思います。今度のように改正いたしましても、主務大臣が単独で、開設者や知事を相手にしてはろくなことはできないから自分一人で独断専行するという建前ではないので、開設者の意見を尊重して、開設者の意見を聞いてやるというのでございますから、ちょうど今の実際を逆にして、現在は開設者や知事が主務大臣の意見を詳しく承わり、とくと尊重して行なっておることを、今度は開設者の意見をお聞きになり、開設者の意見をとくと御尊重になって大臣が行なっていくのでありますから、いわば主客転倒でありまして、どちらが主になった方がいいか問題でありますが、私どもはものの筋道からいって、やはり政府はあくまでも指導監督の立場に立つ、実際の責任と権限を行う者は、公企業の管理者である、営造物の管理者である開設者がこれを行うのが妥当である。実際上の利害問題といたしましては、その人により、そのときの環境、条件によることでありまして、一がいに、開設者にさえやらせておけば必ず間違いなくやるというものでもありません。大臣がやりさえすれば必ず適当であるというものでもない思うのであります。これは三者よく協同し、話し合って適当に行うべきだと思うのでございます。
 類似市場のことにつきましては、これは根本の考え方のことでありますが、中央市場は要するに一定の地区を指定して、その地区内における類似市場を統合吸収して、中央市場という一つの集中市場を作り上げるということが中央市場の根本の問題でございます。従いまして、現行法においても、中央市場を作るときには、その指定された地区内にある類似市場はこれを閉鎖することができる、こういう法律上の一つの根拠を与えておきまして、それに基いて、その地区内における類似市場を統合、集中してでき上ったのが今日の中央市場でございます。従って当然中央市場ができた以上は、その地域内にはその他の類似市場は発生の余地をなからしむべきものであるし、みだりに許すべきものでもない、またみだりにできるべきものでもないのであります。これは、戦争前におきましても、中央市場法では閉鎖することを得という規定があり、それに基いて地方長官が府県令その他によりまして、類似市場は地方長官の許可を受くべきものである。そして実際においては、中央市場の開設された地区においては、みだりに許可はしなかったのであります。それが戦後の情勢の変化によりまして、すべて何もかも自由というようなことのためでありますか、いつの間にか今日見るごとく、あたかも中央市場開設当時を再び現わしたような類似市場乱立の状況を呈しておる。ありますから、これをもう一度再統制して、類似市場を適当に規制しなければ、現在の中央市場の基礎が弱くなるのではないかというのが、中央市場側から見る類似市場規制の根本の要点であります。つまり市場の開設を規制するということが問題の要点でありまして、すでに存在する市場のやり方を監督するとか指導するとかいうことは――これは当然でありましょう、同じ地区内において、中央市場の卸売人だけがむずかしい監督を受け、その他の類似市場はどんな営業がされてもよろしいいうことは間違いでありますから、その営業ぶりを統制することは当然といえば当然でありますが、それより肝心なことは、そういう類似市場をみだりに作らせない。これは中央市場の施設が不完備である、あるいはその他の社会的経済的の必要事情によって、どうしても中央市場外の類似市場がなければならぬ、こういう場合に、類似市場が認められる、許されるということは、現行法においてもその通りの建前であります。それをしいて絶対に禁止しろとか、絶対に許すなとか、また現にあるものを無条件につぶしてしまえ、そういうことは行われ得ないことでありましょう。ただ立法措置としては、法律上の権限において、公けの必要があり、中央市場の基礎を固める上において必要があり、経済、社会情勢から見てもそうした方がよろしいという場合においては、そういう乱立した類似市場を適当に規制するだけの立法の根拠はなくてはならぬと思うのであります。従って開設をするならば、現在の第六条の、ただ中央卸売市場の業務の開始に至るまでの間に閉鎖することを得るというような窮屈な条件をとりまして、中央市場が開設される以上は、その地区内にある類似市場は必要によっては閉鎖することができるというので、決して絶対に禁止するというのではありません。そういうふうな規定にすべきものであろう。それを反対に今度の改正案のように、類似市場は自由開設、ただそのうちの大きいものだけは届け出てくれば監督をする、その他のものは自由放任である、そういうことでは類似市場の規制がつきませんし、またそういうことで現在乱立した類似市場をそのまま放置するならば、中央市場そのものが無用とでもいえるようなことであろうと存ずるのでございます。そういう意味で、類似市場に対しては、やはり立法措置としてはそういうことをとるべきだ。これは決して立法しただけで直ちに類似市場が片づくものではないのでありまして、その法律の根拠に基いて、それではどういうふうに類似市場を整理していくか、また新たに作るというようなものを許すか許さぬか、制限するかしないか、これは全く行政上の処置の問題、実際上の問題であります。われわれの論ずるのは、ただ法律の根拠においてはそういうことが必要であるということでございます。その他の問題につきましても申し上げたいことがあるのでございますが省きまして、ただちょっと今のことに関連して申し上げたいと思いますことは、第一にあげられております地域の指定のことについて、人口の線を引くというようなこと、これは私どもから申しますれば別段実害のないことでありますから、そうなさっても差しつかえはないのでありますが、地域の指定というものは一体何のためにするのか。地域の指定というものの一番大事なことは、中央市場法の第一条をごらんになればわかりますように、都市並びにその隣接の地域を指定するのが、一番地域指定の重要な点であります。東京都なら東京都だけの中央市場を開設しても、そのまわりの町村などに類似市場が自由にあったのでは、中央市場の目的は達せられない。そこで都市並びにその周辺の隣接の地区を含めて、中央市場の開設の区域であるとして指定する。そうしてその指定された地域内において中央市場の分場を置くこともできるし、その区域内における類似市場の閉鎖を命じたり統合することができる。その点が一番地域指定の重要な点でありまして、どの都市を指定するかということは、これはもう大した意味はない。現に四十幾つの都市が三十数年前から指定されておりますが、もう指定された都市もあるいは忘れておるかもしれぬ。農林省の方でも一向指定した都市について特別な指導、奨励、補助等のこともないようでありますから、これはもうただ指定された都市に中央市場開設の意欲を起させよう、あるいは主務省が指定しておいて、その都市に中央市場を開設するように指導、奨励、補助する足がかりを作るというだけのものでありましてこれはもう主務省が必要と認めてどんどん指定されてよろしい。また何ら中央市場のできる可能性のないところに指定する必要もないし、人口が八万であろうが、五万であろうが、中央市場を作りまた、作ろうという実際の動きがあるならば、何も指定の出し惜しみをする必要はないのでありまして、お前のところは人口がまだ八万にならぬから中央市場を作っちゃならぬ、そういうことは何も言う必要はございません。またお前のところは人口三十万だから指定するといったって、その都市が中央市場を作る意思がなければ、指定はただ眠ってるだけ。でありますから、地域指定のほんとうの意味は、ただ都市の行政区域を越えて広い地域を中央市場の開設区域として指定して、その区域内における類似市場を閉鎖統合して集中市場を作るというところに趣旨があるのでありまして、つまりこれは類似市場の問題と関連いたしますから、その点を申すのであります。この二つのことについて原案がかようなことを考えられることによっても、類似市場問題等についてのお考え方が見当が違っておるということを言わざるを得ないのであります。はなはだ言葉が率直でありまして失礼にわたるようでありましたが、以上のことをもって私の意見といたします。
#14
○村松委員長 次に全国青果小売商組合連合会会長大沢常太郎君に伺います。
#15
○大沢参考人 私は御紹介になりましたように全国青果小売商連合会の会長をしております大沢でございます。私ども小売商は消費者をお得意さまといたしまして、商品の仕入れのために中央市場に買い出しをいたすものでございます。その精神はどこまでも消費者の代買人として買い出しをいたしておるのであります。申し上げるまでもなく小売商人の商売でも繁盛いかんというものが元とにありますから、元の仕入れが有利な条件によって買い出しができないということは、消費者にも非常な御迷惑をかけることでございます。そういうような立場から中央市場の問題については、あるいは当局からは軽く見られておる向きがあるかもしれませんが、私どもはこの問題については非常に真剣にいろいろ考えておるわけでございます。
 私どもが取引をいたしますものは、一昨日もごらんになったと思いますが、中央市場の卸売人から買う場合と、それから仲買人から買う場合と二つあります。なるべく安い物を手に入れようといたします立場から、特に東京におきましては、先ほど小金井場長さんからお話がありましたように、私どもの組合員が大部分でありますが、約六千何名という小売商が、仲買人と同様に卸売のせりに参加いたしております。そうして買い出しをいたしておるわけでございます。卸売人から直接買う方が有利か、中間の仲買人の手を経て買う方が有利か、こういうことはもう今さら申し上げる必要もないと存じます。そこで私どもは、なるべく消費者のために代買人として、新鮮な安い物を仕入れたい、こういう考えで直接にせりに参加をいたしておるのであります。そういう関係で、この卸売人の問題については真剣にいろいろ考えております。
 そこで、今回の独禁法除外の問題でありますが、これも一昨日の御視察のときちょっと申し上げておきましたけれども、農林省が最初に考えました原案のような、業務上だけの独禁法除外でありますならば私どもは賛成をいたしておるわけであります。けれども、これが卸売人の合併あるいは譲渡というようなことまでも除外をされるというようなことになりますと、どうしても単一になりやすい。先月の九日でしたか、参議院でちょうどこういうふうな会がございまして、私どもも参考人としてお呼ばれを受けたのでございますが、そうときに、きょうは来ておりませんが、卸売人の代表の方から、もし独禁法を除外してくれるようなことになれば、京阪神の卸売会社は今すぐでも単一になれるんだ、合併ができるんだと申しまして、こういうふうな点について非常に熱心な御要望があったのであります。そういうことを私どもは非常におそれておるわけでございます。卸売会社は御承知の通り営利会社でありますから、そういうような立場から楽な商売をしたいということは、これはまことに人情でございます。ただ単一になりますと、今までの経験によりますと、どうしても生産者や小売商に対するサービスが低下する。またすべてに横暴になりやすい。目前に競争者のないということは非常に能率を妨げる。ひいては消費者にも非常な不利益を与える。それから先回も申し上げましたが、もし市場に卸売人が一つあるというような場合に、不都合があってこれを営業停止をするという規則がありましても、一つの場合には営業停止ができない。ことに東京は、御案内でもありましょうが、たくさんの中央市場がありまして、その市場ごとに買出人、いわゆる小売商というものが結びついております。神田は神田の専属の小売商ということになっておりまして、二カ所三カ所の小売商の買い出しは許されておりません。そういうような関係でありますから、もしもそういうことがありますととんでもない結果になってしまう。それから独占によるサービスの低下の例はたくさんありますけれども、これは一般的に申し上げますと、公営企業であるガス、電気、水道のようなものでも、昔そういう方面の会社が複数であったときには、消費者にいろいろなサービスがあって、非常に便利だったものですが、今日東京のように一つの会社になりますと、なかなか消費者の考えているようにいかないところがたくさんある。冬ガスを引きたいと思っても、ストーブを買ってくれというようなことを言われる場合もありまして、昔の複数時代に比較しますと、今日は非常に独占、横暴の状態にある。それからラジオのような場合でも、NHKだけの場合と、今日のような民間放送が許されておる場合、テレビの場合も同じことですが、消費者にとっては、サービスがよくて、有利な放送が聞かれるというようなことになっております。そういうような点から比較いたしましても、われわれは全く単数であってはならない、複数でなければならない、かように考えておるわけであります。それから、複数にすると非常に弊害が起るというようなことを単数主張者はよく言われるわけでありますが、複数による弊害よりも、単数による独占の弊害の方がはるかに大きいということは、これまでの長い経験から見ましても、私ども承知をいたしておるわけであります。そういうような意味でもって、私どもは単数になることをおそれまして――あるいは農林省当局は単数にするんじゃないんだということを申されるかもしれませんけれども、どうもそういう工合に進みやすいので、合併、譲渡の場合における独禁法の除外ということには、絶対に反対をいたします。
 それから先ほど岡さんのお話にありましたが、生産者が卸売人に委託いたしまして、それがつぶれたりなんかして大損害をこうむったというお話があったのですが、青果の方でもそういうことはないでもないと思うのです。私は私どもの会社の株主ですから、いろいろ会社の考課状なんかを調べてみますと、このごろ生産者側に倒されることが相多に当い。一つの会社でもって三千万、四千万から倒されておる。前渡金としてやったものが、品物が入ってこない。ほとんどそれが敷金みたいなものになってしまって、そのために会社が金利にきゅうきゅうとして困っておるというような例があることをお考え願いたいと思うのであります。それから、それに反しまして小売商と卸売商の取引。昨年は東京だけで約三百億の取引がありました。そのうちの半分は小売商が卸売人から面接買っております。けれども、この取引におきましては、組合が一切の責任を負っておりますから、一銭も不払いがない。きょう買った品物は、会社の請求が翌日出まして、その翌日には、組合員が払おうと払うまいと、組合でもってすべて代払いをしてしまうということでありますから、買手と卸売人との取引においてはほとんど貸し借りはありません。こういうことであります。
 それから次は、かねて御陳情申し上げたのでありますが、小売商の法文化の問題です。これは昨年の暮から始まりました中央市場の運営協議会におきまして、農林大臣の諮問に答えるために、いろいろと各代表の人が審議をされました結果、仲買人も重要であるから法文化するが、小売商も市場の重要性にかんがみて法文化する、こういうような答申をいたしてあるのであります。けれども、現実の当局のお考えといたしましては、仲買人だけが法文化されることになっておりまして、小売商の方は、せっかく御審議を願ったのでありますが、認められておらない。これは非常に残念だと小売商は申しておりますので、ぜひそういうことにしてほしいと思います。
 それから類似市場の問題でありますが、これは先ほど岡さんからもいろいろお話がありましたけれども、また私どもの会長の荒木さんからもお話しがありましたけれども、閉鎖をするというようなことでなくて、分場なり配給場なりを必要に応じて作って、そこに収容していただくということに私どもは希望をいたしております。ただ状況ですけれども、私どもは、今度河野さんが農林大臣になりまして、長年の懸案であった中央卸売市場法が相当の大きな予算をもって思い切って改正をされるのじゃないかということを実は考えておったのであります。ところが、残念ながら予算は昨年度よりも今年の方が少いというようなことで、予算でなくしてそんな思うような施設の改善もその他のこともできない。そういうような事情から考えますと、農林省がお考えになっているようなことはやむを得ないのではないかというようなこともわれわれは感じられるわけであります。
 大体法律改正に対する私ども小売商の意見といたしましては、以上申し上げたことであります。何か御質問がありましたら、お答えいたします。
#16
○村松委員長 ありがとうございました。これにて参考人による意見の陳述は終了いたしました。
 これより参考人に対する質疑を主といたしまして、関連したる問題について政府に対しても質疑をすることにいたします。質疑の通告がございますから、これを許します。横井太郎君。
#17
○横井委員 最初に小金井参考人に承わりたいと思います。卸売業者の認可について反対の御意見がございました。いろいろ述べられましたが、今の都道府県の認可を国が取り上げるということはなぜいかぬのであるかということはわかりましたが、それではなぜ開設者に許可権を許さなければいかぬかという積極的な意見をおっしゃいませんでしたのでわかりませんでしたが、その点を一つ承わりたいと思います。
 それからもう一つ、小金井さんは、東京を中心としての御意見であったように思いますが、どうも中央卸売市場はどこの県でも許し得るものでございまして、しかも現在は五大都市にも許されている。そこで実際なるほど五大都市もあなたの説に賛成しているようでございますが、一体現状はどうかということを聞きますと、開設者が持つということはむしろいけないことだというようなことをわれわれ聞くのでございます。と申しますのは、現在でさえも相当ボスが許可権を取るのに暗躍する。利権の対象になる。それを開設者しかも小都市の開設者に許可権を許すとボスの暗躍が非常に多くなるのじゃないか、こういうことをわれわれ聞いているのであります。この点を一つあなたの見解を承りたい。それから現実の問題といたしまして、相当ボスが暗躍して許可権を取る。ところがそういうのは実際において無理をして取った卸売でございますので弱体である。従ってその弱体の会社がつぶれると、勢いそれは生産者に非常に迷惑をかける。これが現状である。これは現にあった。それが相当戦後にはあった。だからこういう観点をどう考えておられるか。むしろそれよりも中央で許可してもらった方が安気でよろしいというようなことも聞くのでございますが、先ほど東京々々とおっしゃっておりましたが、これは東京ばかりではございませんので、全国に中央市場というものは許可されているものでございますので、この点を一つ承わりたい。
#18
○小金井参考人 私は東京と申し上げて大へん恐縮でございますが、最初に申し上げましたように、私の申し上げておりますことは、昭和二十九年二月に全国の開設者会議が農林省御主宰で持たれたときに、市場法改正の小委員会を作ろう、こういうことで、農林省の御当局とそうして代表として東京が御一緒になってこれらの問題点を検討したその際の考え方に基いて申し上げたということでございまして、別段私どもは東京でどうだということを個人的あるいは独断的に申し上げている覚えはないのでございます。この経過はその都度五大市あるいは全国の市場開設者会議に報告を申し上げまして、御賛同を得て、ぜひそれをやっていただきたい。こういう二十九年からの経過がございますものですから申し上げておりますので、現在の状況のもとにおきましても、大体各都市とも東京にお願いをするということを申されておりますので、開設者といたしましては代表して申し上げて差しつかえない、かように考えている次第でございます。私どもは、第一の御質問の開設者としなければならない理由につきましては、これはやはり小委員会におきまして、市場業務の円滑を期する上から申せば開設者がよろしい。しかしいろいろ第二点の御質疑のございましたように、情実その他の点が考慮されれば、知事でもやむを得ないだろう、こういう考え方に傾いておったと先ほど申し上げたのでございますが、かような考えで実は各都市とも農林省にお願いをして二十九年から参ったわけでございます。こういう事情がございますので、業務の実際を担当いたします立場から申し上げますと、さようにお願いを申したい、かように申しているわけでございます。
 それから第二点の御質問でございますが、これらの許可が利権視せられまして、許可と関連していろいろなボスが暗躍する余地があるのじゃないかというお話につきましては、まことにごもっともでございまして、開設者といたしましては、終始この点を戒心いたさなければならないところでございます。さようなことも、長い間には各都市とも絶無ではなかったかと存じますけれども、今日の現状からいたしまして、卸売人を許可するというようなことは、どこの角度から考えましても、ここ五年十年、私は考えられないと思うのでございます。業界に置かれましても乱立の弊に悩んでおられまして、独占禁止法の適用を除外していただくことが法案でお願いされておりますのも、この趣旨でございまして、私どもといたしましては、これらの権限をいただいたからといって、これを行使されるようなところはまずない。新たに市場を開設されるところにはあると思いますが、すでに開設されておりまする市場といたしましては、さような問題はないのでございまして、しかしかりにあったときに、どうするかという問題がございますが、これらの点につきましては十分戒心をいたしまして、さようなことのないように気をつけなければならない、かように存じております。最初にも申し上げましたように非常に乱立をしておる、これは開設者がだらしがないからであるということでもないかもしれませんが、私どもにはさように聞かれる議論を伺うのでございますが、実は終戦後の事情に基いてかような結果を招いたのでございますが、開設者といたしましては一社でも少くして、健全な会社で生産者に御迷惑をかけないように心がけておることは、ここで申し上げるまでもないところでございます。なお会社がつぶれますと、生産者だけが御迷惑を受けるようにおとりになる方もおありかと存じますが、これはそうではないのでございまして、使用料優先とは書いてございますけれども、開設者といたしましても東京において四千万近くとれない会社が出てつぶれて参っておりますが、関連いたします銀行といたしましても、何千万、何億というようなしょい込みになって、開設者側といたしましては、万難を排してできるだけ多くの割合を、そういう場合でも生産者に差し上げなければならぬ、かようなつもりでやっておるような状況でございます。
#19
○横井委員 それではその次に生産者の方にちょっとお伺いをいたします。終戦後生産者に業者が非常に迷惑をかけたという点もお話になり、また業者の方からはあべこべに生産者にやられたという面もあると思います。私らはこれは両方だと思っておりますが、そこでこの取引の面において、中央卸売市場法ができました大正十二年と今日とは、これはあとで当局からも承わりたいと思っておりますが、時代が変って参りまして、中央卸売市場そのものの性格が変ってきた。というのは、先ほどのお言葉にありました集散市場的の性格を帯びて参った。そこであなた方から中央卸売市場へ送ってこられる荷物の行方でございますが、今の集散市場的性格になりますと、一たん中央市場へ入ったものが他の府県とかあるいは地方へも流れていくのでございます。そこでそういう場合に、一体だれが責任を持つかという問題が非常に起るのでございますが、生産者としては卸売業者にそれを扱わせられるのか、仲買い業者に扱わせられるのか、こういう面が非常に起ってくる。そこで責任の所在というような問題があるのだが、あなた方としては、一体あなた方が送ってこられた荷物はだれにおまかせになるのか、だれが扱うのが一番合法的か、こういうあなた方のお気持を聞かせていただきたい。
#20
○岡参考人 ただいまの御質問のうちの取引上において生産者があべこべに倒す場合もあるし、あるいはまた生産者が倒される場合もある、これはいろいろの点で考えなければならぬと思いますが、なるほど一時生産者は船を作る場合の金がいろいろ要るために前渡金というものを借りるというようなこともあります。また市場の卸売人の方でも、今日競争が激しくなって荷引競争というものをやりまして、貸してもいいような――押しつけては貸しに来ないかもしれないけれども、金はいつで も貸してもいいような顔をしますからつい借りにいく、そのうちにとれない金が出る、いろいろ原因があると思いますが、この点は両方の問題がある。
 それからその次に集散市場的性格を持っておる、なるほど今東京都の場合などでも、四十六府県から東京へ集まってきた品物のうちの五七%は東京でありまして、そうしてあとのものは他府県への流通が四三%ぐらいある。ほとんど他府県へみな行っておる、こういう状況であります。しかし生産者としては、この荷受け機関すなわち卸売人に無条件委託した以上は、それから先は何ら条件も何もつけません。全くの無条件ですから、卸売人がこれは東京の荷が多いから大阪へ回そうという場合もあるし、あるいは仲買人が買って、これを甲府へ回すとかあるいは群馬県へ回すとかどこへ回すとかいうことはありますが、生産者は、卸売人に対して全然無条件委託でやっておりまするから、行先のことはわからない。大きな荷ならば大体わかるかもしれませんが、大部分わからぬのではないか、こう思います。
#21
○横井委員 小売の方に承わりたいと思います。大沢さんは青果の方の代表でございますが、魚の方の代表はお見えになりませんがやはり同じ問題が今小売業界で取り上げられておるというように聞いております。それは小売商の法文化の問題でございます。今お話かございました通りに、なるほど小売の地位を高める意味において、仲買いも条文に、取り上げられておるのだから小売も当然取り上げてしかるべきじゃないか、こういうお考えだと思うのでございます。なるほど中央卸売市場の一つの機関として卸仲買い、小売、この三者は鼎立するものでございまして、そういう純理論的に言えば、そういうことも言い得るし、またそういうこともあるだろうとも考えますが、ここでお伺いいたしたいことは、そういたしますると権利は主張なさるのですが、勢い規制の面でも相当規制されてくると思いますが、それでもよろしいか、こういうことでございます。たとえて申し上げますると、現在実際において、同じ都市において卸売市場もあり類似市場もある。そういうことを言うと、あなた方は煙たいかもしれませんが、小売の連中は買い回りをやる。甲の市場で買っておいて金を払わぬで、乙の市場へいく、乙の市場で買っておいて行き詰まると、今度は丙の市場へいく、こうやって買い回りをやる悪質なものも相当にある。従って小売り自体の規制をして、相当の数とかあるいは認可をしなければいかぬとかいう問題が出てくると思います。とにかく終戦後は、魚屋か八百屋をやれば何とか食っていけるというので、みんなやってきた。従ってあなた方の部面というものは、数的にも多くなり、競争も激しくなってきて、生活もしなければならぬので勢い――失礼でありますが、中にはそういった相当悪いものも出てきた。そういうような場合に、法的に一つの地位を得るということはよろしいでしょうが、従ってそういう場合には、規制の面もせられるということは、あなた方の部面において、払わぬ者が出てくれば仲買いが倒れる、仲買いが倒れれば卸にくい、やがて生産者のところにいく関連性がありまするので、これはあらゆる部面から、検討いたしていかぬといかぬ問題でございますが、規制をされてもよろしいか、こういうことを承わりたいと思います。
#22
○大沢参考人 今のお尋ねにお答えしたいと思います。魚とはちょっと事情が違っておりますが、東京の魚屋さんは、卸売の線に参加してはおりません。さっき業者のお話になったのは、青果のお話でございます。従って卸と青果の方の小売りは団体同士で支払いの協約をしておりまして、個人を対象にしておりません。個人が払わなければ組合が払う、一日に何千万という金を全部払ってくれます。一銭も倒れはありません。これはここに荒木さんもおいでになりますが、東京の青果におきましては、買手が卸売人を倒したという例はないはずです。生産者に倒した例はたくさんあります。さっき申し上げた通りに、一つの会社で何千万ですから、東京全体の卸売会社で全部倒れたら何億ですね。おそらく東京全体の卸売会社の総資本額ぐらいは倒れているのじゃないか。小売と仲買いでは倒れたのは一銭もありません。これは私が立証を申します。
 それから今の買い回りの問題ですが、これは規制されて差しつかえありません。組合が責任を持って代払いをしているものを、それを不払いでもって、類似市場に走って買うような者は、悪例になりますから、組合で除名したいくらいなものです。それから中央市場におきましては、先ほど申し上げました通り、神田で買い出しはできない、小売商というものは他の市場で買い出しができない。ワクがきまっておる。ですから、不払いをすればすぐ市場の入場禁止の通告が行きますから、これはもう中央市場では買えない。だから買えば類似市場です。類似市場へ行って逃げ回って買っているような者は、どんな規制をされましても一向差しつかえありません。
 それからもう一つ、小売商の法文化の問題ですが、今中央市場の規則には、小売商という文字がないのです。卸、仲買い、売買参加者――売買参加者の中には、消費者の大品のものが買い出しをするものがあります。料理屋、そば屋さん、これは小売と一緒なんです。ところが、青果の方ですが、小売商は中央市場で扱うものの、昨年の三百億の半分は直接卸売人から買っておる。それから仲買いが買ったものはだれが買ったかというと、やはり大部分小売商が買っておる。中央市場の取引といむものは、大部分は小売商が買っておるのです。しかも専門家ですから、おそば屋さんや料理屋さんのつまを買うようなものと一緒では情ないというわけです。そこでこの間農林大臣に対する答申にも、小売商も仲買人と同じように重要性がある、法文化したらいいだろうと答申したわけです。ぜひ一つ小売商を法文化してもらいたいというのが、全国小売商の熱望でございます。
#23
○横井委員 もうこれだけでやめますが、小売商を法文化してもらいたい、従って規制されてもかまわぬ、こういうことでございますが、もう一つそれでは突っ込んで申し上げたいと思います。これは耳ざわりになるかもしれませんが、たとえば価格形成の面でございます。これはあなたの方だとは申しません。昨年の夏は非常に野菜が豊富でございまして、従って農村では非常に困られたということを聞いておるのでございますが、この非常に豊富であるときに値段が安くなることは、需要供給の関係からいたし方がないのです。ところがことさらに、それじゃ価格が安いから、都市の連中が安く食っておるかというと、そうじゃない。価格だけは都市の連中は同じような値段で食っておる。これはどういうことかというと、小売の連中が、中央卸売市場へ行くんだけれども、団体を組んで買わないという面がある。従って少し売って、それで価格の操作をやって、自分らの利潤は同じようにあげてくる。従って多いから安いんじゃなくて、そういう操作の面があるから農産物が安くならない、こういう面が出てきて、消費者の方はそれで困っている。同じような値段で食っている。豊富にとれれば豊富に入って、安い値段で買うのが普通でございますが、中間においてそういう面が出てきている。そういう場合に、おそらく条文なんかに書かれると、それは運営の面において、特に開設者あたりも黙っておりはしないし、相当の規制の面も出て来ますが、それでもよろしいかということをお尋ねいたします。
#24
○大沢参考人 価格の形成については、先ほど申し上げましたように、仲買人と一緒にせりに参加している。せりというものは、下についたら買えないから、競争でもって上に出なければ落ちない。ですからこれは人為的にはできないのです。みな安く買ってくれればいいのですが、そうはいかない。競争ですからどうしても高くなります。一番高いところに落ちる。そういう関係ですから、買わないということはない。それから小売の利潤の問題ですが、これはお客様によく言われるのです。まことに残念だと思うのですが、これは何しろ品質によって値幅もあるし、ラジオの放送をお聞きになってもわかりますが、品物によって五円以上あるいは三十円なんという幅のあるものです。ことに腐れものでもありますし、中には三割以上もうかるものもありましょう。しかしながら少いときになりますと一割くらいしかもうからない。これは税務署で調べれば一番いい。東京の小売商は青色申告をしているのが六割以上です。今は徹底的に調べられて、支一部によっては、一軒の八百屋に一人ずつ権衡調査で来ております。その調べました結果、大体二割五分、純益においては二割くらいということに決定をいたしているのであります。これで大体御了承を願いたいと思うのです。一人々々の八百屋の利潤のことはわかりませんが、全体的にみまして、六千人の中で六割以上のものが青色申告をやっている。しかも厳密な税務署の調査によりまして、その調査の結果がそういうような数字になっておりますから、一品々々の何はわかりませんけれども、これで御了承を願いたい。それから青果の小売商はデフレや何かにあまり関係ない。景気が悪くても、食べ物ですし、なくてならぬものですから、おかげさまでそう打撃はありません。けれども、世間が景気がよくたって八百屋に成金なんかありません。もうじじいから子供に至るまで、うちじゅうが総出でかせいでようやくあの程度ですから、どうぞその点御了承を願いたいと思います。
#25
○田口委員 関連。ただいま質疑応答ありましたことは、生鮮食料品の流通過程の核心に触れるものと思うのであります。今日の流通の状態を見てみますと、生産者は場合によっては非常に安い値段で出さなければならぬ。ところがその価格は消費者に一つも皮映しないで、消費者は相かわらず高いものを食っている、こういうことなんでございますが、今大澤さんがお話になりましたように、小売商で倉を建てたものはいない、これは全くそうだと思うのでございますが、しかるにその生産者価格と消費者の購入価格が非常に格段の差がある、これは事実でございますが、この問題につきましては、結局卸売人の手数料の問題もありましょうし、あるいは仲買人の利潤の問題もございましょう。あるいは小売人の数の問題、こういうことが関連して、生産者は安く売っているのに、消費者は高く買わなければならぬ、こういう結果をきたしていると思うのでございます。
 そこで小金井さんにお伺いいたしたいのでございますが、この価格を何とか格差を接近させるような、そういうような方策について中央卸売市場としてはどういう方向に研究をしておられるか。言いかえますと、結局仲買人あるいは小売人の数を限定し、ある程度の減員をしていくようなことでなければ、この問題は解決しないと思うのでございますが、その点について小金井さんの御意見をお伺いいたしたいと思うのであります。それから消費者の立場から申しましても、生産者の立場から申しましても、どうもやむを得ず小売業者の価格がさようになっておると思うのでございますけれども、あまりに格差がひどいために、何か東京都の公設店舗でも開設されて、そうしてきょうのサバの標準値段はこれくらいだ、あるいはカツオはこれくらいだ、こういうことを実際に消費者が目のあたりに見て、そうしてその値段で買える、こういうような施設ができれば、小売店舗の値段を一面的に牽制をし、また消費者のいわゆる頭の切りかえということがこれでできるのだと思うのでございますが、この都の公設店舗、こういうものを開設される御意思がないかどうか、その点お伺いいたしたいと思います。
#26
○小金井参考人 豊作の際に非常に生産者が買いたたかれて、消費者が高いものを食べておるということは、まことに御指摘の通りでございまして、現在中央卸売市場が公正な価格を形成する場所としてきわめて重要な地位を占めておりまするが、それ以上に農漁村の生産者の方々に再生産に稗益いたしますようなところまでお役に立つことができず、なおまた過剰生産物についてもこれを解決するところまで手が伸びておりませんことは、まことに私どもも遺憾に存じておる次第でございます。従いまして、できるだけ取引を厳格にいたしまして、不正不当な利潤などが中間にございまして、小売価格が高くなるというようなことにつきましては、業界の方々の良識に訴え、また買手の方々においても十分生鮮食料品に対する鑑識眼を養っていただくことによりまして、これらのことを防いで参りたい、なおまた各日刊新聞紙、ラジオ放送等を通じまして、できるだけこれらの消費を一般の方々に理解していただくように努めておるような次第でございます。
 それにいたしましても、御指摘の第一点でございまする業界の乱立でございますとか、あるいは不良の会社があるというようなことは、そういうことにもなりがちでございますので、先ほども申し上げましたように、会社の整備統合には全力をあげまして力を注いでおるところでございます。なおまた仲買人につきましても、これも戦後の風潮によって非常に多くなっておりますけれども、昭和二十八年以降不良仲買人の整備に着手いたしまして、二百余名を整備いたしまして、健全な仲買人によりまして、不当な利潤などが得られませんように考慮いたしております。仲買人は、東京のことを申し上げて大へん恐縮でございますが、築地のみにおきましても魚類で千六百数十名おりまして、これらの方が非常にもうけておるという一般のお考えもあるかと存じまするが、実際には激烈な競争が行われまして、一軒が高いものを売るなどのことによって、商売として生存ができないというほど非常に激しい競争が行われておりますから、これらのところで不田に高い利潤などが得られることもないと存じております。
 それから公設の小売市場でございますが、この点につきましてはまことに御指摘の通りでございまして、かつて東京市時代に経営したこともございますが、ただいま区役所の所管となって有名無実になっておりますけれども、できますれば、二十三区各区に二カ所くらいずつの公設市場を設けまして、消費者との間に公正な価格を表示いたします市場を急速に作るべきものであると考えておるのでございますが、実は財源の関係その他で、膨大な経費を要しますので、ただいまそこまで参っておりませんが、できるだけすみやかにそういう方向に進めたいと思います。
#27
○田口委員 関連ですからあと一点だけで終ります。公設市場の問題につきましては、どうしても模範店というものを設置されることが消費者のために一非常にいいことであると思いますから、この上とも一つ御努力願いたいと思います。
 それから仲買人、小売人の数の問題が結局相当値段を高くしておる。これも事実だと思いますが、今日まで相当努力をされてその方向に進んでおられますけれども、その点は一つこの上とも何か工夫をしていただく、こういうことで格差を縮めるということについて何とか考えていただかなければ、流通過程における問題は、抜本的に何か考える必要のある時期がくるかもしれないのでございますから、一つ十分御研究願いたいと思います。
#28
○吉川(久)委員 関連して。荒木さんにお伺いしたらよろしいかと思いますが、青果物、特に果実についてです。私は業界の乱立の関係だと思うのですが、生産地にみんな買いあさりをやる。そこで生産者団体の代表者なんかを盛んに料理屋あたりに呼びましてごちそう政策をやる。そして生産地からは比較的安く買って、消費地に持って参りますと消費者価格を相当に高くする。それは結局ごちそう政策やいろいろした費用をみんな消費価格に売り掛けてやるというようなことで、消費の拡大がはかれないで非常にその市場が狭まって、不適正な取引が行われておるというような現状のように私は見ておりますが、この点についてどういうようにごらんになりますか。
#29
○荒木参考人 複数の会社が産地に向って非常に競争をして荷引きをする、あるいは進んで買付行為をやるというようなことは、確かに複数制の弊害の一面でございます。ただしその結果が、今申されましたように価格をつり上げ、消費者の方に高いものを食べさせる結果になるかと申しますと、それはむしろあるいは逆ではないかと思います。無理をしてでも、とにかく荷を集めれば、やはり市場の価格はそれだけ下る関係にありますから、結局そういう無理なことをして損をするのは、無理なことをした会社自身なんです。その会社が高く買い付けてきて、たくさん荷を持ち出してきて、それを競売にかけた場合に悩んで値が出なければ自分が損をしなければならぬ。委託販売の場合には損はありませんが、生産者に対して大へん有利なようなことを言うて荷を引いてきて、結果は値があまり予期のように出なければ、生産者に期待はずれの感を持たせるということがございます。いずれにしましても複数制の方の弊害の一面を見ますれば、そういうことがあることは確かに事実、でございます。
#30
○吉川(久)委員 理屈はなるほどそうかもしれません。競争をいたしますから、結局生産者に有利に買うんだろうというふうには見えますが、ところが現実はその生産者の団体の代表者の間にはなはだ好ましからざる取引が行われる。従って個々の生産者が非常に割の悪い価格をもって買い上げられるということがあるわけです。ですからそこが理論通りにいっていない。この弊害を是正するにはどうしたらいいかということについて承わりたい。
#31
○荒木参考人 これは実際問題としてはなかなかむずかしいことでございまして、やはり結局はこれは複数会社の自粛に待つのほかないと私どもは考えます。待ってきました品物は会社がいかに高く仕入れて、いかに高く売ろうと思いましても、その市場の需給の関係による仲買人並びに買出人の競争の結果、つける価格以上には出ません。冒険をして非常に高く買い付けたり、何か非常なごちそうをしたり、集荷費用を使ったりして持ってきますれば、いただくだけの手数料では足が出る、あるいは買付の場合には、自分が損失をかぶるということになりますから、結局いかに複数制でも、競争があまり度を過ごせば自他ともに迷惑する、これは自粛自省を待つほかはないと思います。
#32
○村松委員長 午後にまた継続したいと思いますけれども、参考人の方は御都合よろしいですか。――では本会議の関係もありますので、時間は放送をもって、お知らせいたします。
 暫時休憩いたします。
   午後零時五十一分休憩
     ――――◇―――――
   午後二時十八分開議
#33
○村松委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 参考人及び政府に対する質疑を継続いたします。石田宥全君。
#34
○石田(宥)委員 小金井参考人に対しましてお伺いしたいのであります。東京都が開設者になっておりますので、今日は場長ということでなくて、開設者の代表としてお見えになっておるわけでありますが、都として強く主張されております点は、卸売業務の許可権を農林大臣に変更することと、類似市場の問題でありますが、この許可権の問題についてお伺いいたしたいのであります。
 先ほど参考人がお述べになりましたように、現在の中央卸売り市場そのものについては、現行法におきましてもあらゆる面において指導監督ができる規定になっておるわけであります。従って卸売業者の許可権が、開設者にあろうとあるいは大臣にあろうと、実質的には同様なことになるのではないか。今日まで大臣の指導監督権の行使がなおざりにされておったのではないかということを考えられるのです。なぜかというと、従来大臣の指導監督権が強く行われておれば、今その許可権が大臣に移ったからといって、これに反対される理由はないのじゃないか。われわれ側面から見ておりますと、従来は東京都がこの許可権を持っておるということによって、いろいろな利権の問題などがあって、いろいろの弊害があったように承わっておる。今度その許可権が大臣に移るということによって、ある一面から言うと、そういう弊害が除去されるのではないかということが考えられる。その許可を与うるに当りまして、先般来参考人の陳述にもありましたように、時には業者の数が多過ぎるためにいろいろ弊害が起るというようなこともお述べになっておられますが、卸売業者の許可を与うるに当って、その開設者はいかなる機関の審議を経て許可を与えるか、その点を承わりたいと思います。
#35
○小金井参考人 この許可は最近にその例がないのでございますが、当時の状況は関係業界の委員会を作りまして、これに諮って許可をするというような取扱いであったようであります。
#36
○石田(宥)委員 関係業界の委員会と申しますと、業務規程か何かの中にそういう委員会の設置についての規定があって、その規定に基く委員会の審議を経て許可をされるということなんでありますか。
#37
○小金井参考人 当時の事情をはっきり存じませんで申しわけないのですが、法令によるものではなく、東京都の内規による委員会でございます。この委員会であらかじめ定められました資格要件を厳密に検討いたしまして、差しつかえないと認めたものを委員会に諮って許可をするという状況でございます。
#38
○石田(宥)委員 そうしますと、委員会にお諮りになる場合の一つの基準があるはずでございますね。だれでもかれでもというわけではない。いろいろな経済力であるとか、あるいは人格というような面、何か基準があると思うのですが、そういう基準は都における条例か何かできまっておるというのですか。それとも中央卸売市場としての業務規程なのですか。
#39
○小金井参考人 卸売人の資格要件は、現行法令施行令に消極的な要件を列挙してそれぞれ定めておるところでございます。積極的にこれらの要件が規定してございませんことがはなはだ不備であるというので、午前中申し上げました小委員会におきましてこれらの点を具体的に積極的に規定いたしますことが、開設者の自由裁量を少くして公平にいくのであるから、これらの点を改正しなければならぬという議論をしておったような次第でございまして、一応法令に消極的な要件は規定してあるのでございますが、地方的にそれぞれなお具体的な条件を調査いたしまして、委員会に諮るという取扱いでございます。
#40
○石田(宥)委員 そこで先ほど私が申しましたように、大臣の方で相当の権限を持って指導監督ができるのでありますから、それが適切に行われておれば、いろいろな弊害が起らないのじゃないかと思う。今まで政府の指導監督が適切でなかったのじゃないかと考えられるのですが、その点はどうなんでしょうか。
#41
○小金井参考人 大臣のお言葉をかりてははなはだ恐縮でございますが、農林大臣もこれらの監督が非常に不徹底であったということを対策協議会でごあいさつの際伺ったのでございます。これらの点を今後改めて農林省が責任を持って積極的に指導監督をするというごあいさつを伺ったことがございますが、必ずしもこれらの点について積極的にいろいろな点を御指導いただいたということは少かったように考えておるのでございます。ただこの点につきまして私どもとしては、今後積極的に大局的な立場からいろいろと御指導をいただきますことは、まことにありがたいことと存じております。
#42
○石田(宥)委員 それから他の参考人の陳述の中にございましたように、卸売業者が破産、倒産等をしたために、いろいろ弊害が起るようなことがある、あるいはまた生産者の方で前渡金等を受け取っておりながら荷物を渡さないで、ために問題を起しておるような場合がある、こういう陳述があったわけでありますが、私ども農村におりまして、生産者団体として前渡金を受けて荷物を渡さないというようなことはほとんど考えられないのです。そこで実際問題として今御指摘になったわけでありますが、あなたは都の代表であると同時に、場長をしておられるのですから、具体的な例で、どこにどういう実例があったか。私ども考えるところでは、生産者の立場といってもいろいろございまして、農民みずからの団体である農業協同組合とかあるいは果実協会とかいうような団体であるのか、あるいは生産地から送ってくる名前はどういう名前を使わないとも限らないけれども、産地における商人が産地から買い出しをして、その商人が荷を送り届ける、その場合に出荷の約束をしながら前渡金をとるということは考えられるけれども、農民の団体である農協であるとか果実協会であるとかいうような団体が、前渡金をとって御迷惑をかけるようなことはちょっと想像できないのですが、具体的な実例がおわかりになりましたならば、おわかりの範囲で承わっておきたいと思う。
#43
○小金井参考人 業務の実際について詳細に承わっておりませんので、断定的に具体的なことは申し上げられませんけれども、私の方で扱っております中で、商人もございますが、農協などにそういう事例もあるそうでございます。その役員が変更したために、結果においてこげついてしまっておるという実例があるということでございますから、もし具体的に御必要でございましたら、よく調査をいたしまして御報告いたしたいと思います。
#44
○石田(宥)委員 ただいまの問題は、今後の運営について、あるいは法律の改正について重要でございますので、ごめんどうでも、あとで具体的に資料を提供していただきたいと思います。
 それでただいま申しますようなことで、生産者の団体が市場側に対して迷惑をかけるようなことは、われわれはほとんど考えられないのですが、あるとすれば今後法律の改正に当って、十分考慮しなければならない問題だと思うのです。
 それから、この間承わりますと、卸売の方の手数料は、魚類は五彩、青果物は一〇%の手数料ということでありますが、それだけの手数料をおとりになっておられますと、年間どれくらいになりますか。大体ここ一、二年間の概算でよろしいのですが、その金額をお示し願いたいのです。
#45
○小金井参考人 大体手数料は、魚類において六分、果実において八分、蔬菜において一割でございます。その金額は、総取扱い高が魚類において三百三十億、青果物において二百七十億でございますから、私その歩合を計算して金額で申し上げることはできませんけれども、概算はこの計算した結果になるわけでございます。
#46
○石田(宥)委員 中央卸売市場のそういう手数料の収入の面と支出の面――必要経費ですね、そういう面を簡単におわかりの範囲で承わりたい。これもやはり先ほどお願いしました資料と一緒に、ここ二、三年間の経理の内容を一つ資料で御提出を願いたいと思います。
#47
○小金井参考人 承知いたしました。
#48
○石田(宥)委員 次に、類似市場の問題をやはり相当強くおっしゃっておられるようでありますが、なるほど指定地域内といえども、やはり需要供給の関係で必然的に生まれたものであって、必然的な条件が整っておらなければ、一部の業者がいくらそこに市場を開設しようとしても、市場として成り立つものではないわけです。ことに、いわゆる類似市場としての取扱いを受ける地域の業者というものは、非常に零細な業者が多いのじゃないかと思う。そういうふうな関係で、今まですでに相当数に上っておるのです。せんだって類似市場側の人が陳情されましたように、東京都が類似市場というと、何かもぐりか悪いことをしておるように考えるのはけしからぬという陳情がございましたが、全く私はその通りだと思うのです。東京都として今日までその問題に何ら手を触れずに、――あるいは分場にするとか、あるいは配給所にするとかいうことで、その地方の消費者の利益を擁護し、またその業者の立場を保護するためのいかなる方策が講ぜられたか。全く放任しておったのか、あるいは何らかの措置を講ぜられたことがあるのかないのか、これを一つ承わりたいと思います。
#49
○小金井参考人 お尋ねの点につきまして、私どもは類似市場を目のかたきにするものでもなく、じゃまにするものでもないのでございまして、御指摘のように経済上生産者にも消費者にも利益であるところに、類似市場も存在をいたし発展をしておるものと存ずるのでございます。従いまして、これら市場を一がいに禁止するとか閉鎖するとか申しましても、ほとんど不可能なことでございまして、できない相談でございますが、中央卸売市場法の精神なり開設の趣旨から考えまして、これらの市場をできるだけ中央卸売市場のワクの中に吸収をして、一元的に生鮮食料品の流通を取り扱いまして、できるだけ公正な取引を実現いたしたい、かような理想を持っておるわけでありまして、これらの市場が現在どうであるということを申すのではないのでございます。東京のことだけ申して恐縮でございますが、東京の場合で申しますと、周辺に膨張いたしました人口に対応いたしまして、分場を設けることによりまして、これらの市場を収容いたしまして、既設の中央卸売市場として、堂々と営業をいたしていただきたいと考えておるわけでございます。その際には、法律の規定として、収容ができるような措置をとっていただきますことがよろしいのではないかと考えますのと、届出などによって安易にこれらの仕事ができるということになりますと、今後続出するという弊害が非常にこわいのではないかと考えまして、この点を憂慮いたしておるような次第でございます。東京都といたしまして、これらの事業に対して何らかの手を打ったことがあるかというお話でございますが、遺憾ながらこれに対しましては、何らの手を打つことができないで、今日に至っておるような次第でございます。そのことは最初に申し上げましたように、それぞれの必要によって生まれておる市場でございますから、一がいにこれを行政手段によってどうするということもできませんし、さればといって、財政的にこれをどうするということもできない関係から、終戦後今日に至っておるのでございます。ただいま周辺に分場類似の市場を建設しつつございますが、その暁には、これらの市場をここに収容して、ここで堂々と営業していただきたい、かように考えておる次第でございます。
#50
○石田(宥)委員 都の方では届出制にすることに対して非常に反対をなさっておるようでありますが、これは届出制をとるかとらないかということでなくて、すでにそこに市場ができて、業務を遂行しておるものがある。その業務を遂行しておる人たちにとっては、これは既得権であり、そうしてそこに唯一のやはり生存権を確立しなければならないものがあるんだからして、それはかりに将来分場にしあるいは配給所にする、あるいはかりにそれをなくする場合においては、相当の補償措置がなければならないのであって、届出制をとるという政府の今度の考え方は、当然じゃないかと考えられるのです。届出制になったからいけないといっても、新たに作る場合においては、これはやはり都なり政府がたくみに指導というか誘導というか、適切な措置をそこに見い出さなければ、意味がないと思うのです。
  〔委員長退席、吉川(久)委員長代理着席〕
ただ法律的に新しいところは許可しない、今までのところでも多少何か弊害があればこれはすぐ禁止する、閉鎖をさせる。そういう権力行政を考えるということは、聞違いじゃないかと思うのです。こういう点については、私は都が届出制に反対をされるということは、ちょっと了解に苦しむのです。そういう点については、これは全国的に今またいろいろの問題がありますけれども、これはむしろ都側の反省を促したいと思うのです。
 次に私は別な角度から伺いたいのでありますが、政府は今回生産者と消費者のどっちの立場からも考えまして、中央卸売市場法による市場そのものに対して独禁法の除外例を設けるということは、いろいろこれにも議論の余地がありまして、営利会社に対して独占禁止法の除外を認めるという、この根本的な問題についても問題はあると思います。あると思いますけれども、その公益性から考えて、必ずしもわれわれはそれに反対しようとは存じませんが、今回の参議院における修正に当りましては、合併譲渡の点までも独禁法の除外を認める、こういうことになったわけであります。そういう修正が行われたわけでありますが、これに対する政府側の考え方を伺いたい。一体合併や譲渡に対してまで独禁法の除外を認めるということは、先ほど大沢参考人が述べられたように、非常なおそるべき弊害をわれわれは感ずるわけなのであります。政府はこの点についてどう考えておられるのですか。
#51
○安田(善)政府委員 今回中央卸売市場法の一部改正法案を御提案申し上げて御審議を受けました際の政府側の当初の意見――といいますると原案でございますが、原案におきましては、いろいろとお話もありましたような卸売人の長所もあるが、特に最近生産者側からもいわれ、また卸売業者の運営、業者間の営業の問題、経営の安全性という問題からも考え、市場の公正な取引、継続的な流通の円滑、価格の適正化というような運営上からも考えて、卸売人間の取引条件を適正にきめることにつきましては、農林大臣が認可をいたしまして、その認可をいたします除に公正取引委員会とよく相談をしまして認可をいたせば、独禁法を除外するのが適当でないかと思って案を具したわけであります。御指摘の卸売人の営業の譲渡あるいは合併につきまして、同様な措置を法文で書きますことは避けたのであります。しかしその間に参議院の議員立法がございまして、継続審議になっておりまして、この営業の譲渡合併についても、農林省の認可によって公正取引委員会と適当な協議があれば、私的独占禁止法を排除する案が継続審議中でございました。そこで政府側としては公正取引委員会とよくお打ち合せをいたしまして、出荷者、生産業者等のことも考え、また市場における取引のことも考えて、卸売人が一人一個となるような場合、また一個となりやすいような場合についての弊害、言いかえますと、独占の弊害でございますが、特に腐敗性の強い生鮮食品の取扱いについて無条件委託出荷をしていくような場合に、独占的弊害が出るのをあまり法文で明記して、法文で明記することによって指導方針とでもいうべきものをはっきりと打ち出してしまうことはどうか、こういうことで法文をやめました。しかしその卸売人の乱立のために、市場取引、生産者の利益を確保すること等に弊害を生ずることも目に見えておりましたことを考えまして、取扱いによりまして農林省が卸売人の許可権を持ち、そうして事態を生産者側等ともよく研究してみる、その間には法文にも書いてありますように、開設者の意見も尊重して許可権を持つ、この両者を合わせまして、実情をよく見まして、そして公取委員会とお打ち合せをしますれば、場合によりましては独禁法排除に近い穏当な程度までは、公正取引委員会は農林省の意見を尊重して、それによって行うということを約束をいたしました。そういうことを約束をしたくらいならば、同様な運営をすればいいから法文に書くべし、かつ参議院の継続審議になっております議員提案の法案にも書いてあるからこれを入れようということであります。私どもは、参議院農林委員会を中心にされましたこの御審議と修正案について公取委員会と申し合せまして、事実上やろうとしましたような運営をすればいいからというので、修正案に御賛成を申し上げたわけでございます。
#52
○吉川(久)委員長代理 石田委員に申し上げます。参考人に対する質疑の過程において、関連をして政府委員に質疑をなさることはごもっともだと思いますので認めますが、なるべくならば政府委員に対する質疑はあとに願いまして、参考人に対する御質疑を先にお願いいたします。
#53
○石田(宥)委員 先ほど委員長は、参考人並びに政府委員に対する質疑をやる、こういうことを言明されたので、私どもは関連いたしますから同時に御質問を申し上げたわけであります。
#54
○吉川(久)委員長代理 それは認めますが、なるべく参考人にお願いします。
#55
○石田(宥)委員 承知いたしました。
 それで、今安田局長は、単一化をおそれるということをおっしゃっているのですが、その通りだと思うのです。これが単一化したならば、午前中の大沢参考人のお述べになった通りで、非常な弊害が起ることは明らかであります。その単一化をおそれているが、しかしながら乱立しても困る、こういうお話ですけれども、一体従来といえども開設者が、乱立してそんなに運営に困るほど許可をするはずはないと思う。また今まで現に乱立で困るほど許可をしているから、農林大臣に許可権を与えるということではないように承わっております。そういたしますと、営利会社であるこういう業者に私的独占禁止法の除外例を適用するということについて、参議院の農林委員会の意見もあるからこれに同意されたということであるけれども、その点は安田経済局長の答弁はどうも一貫性を欠いていると思うので、これは一つ率直に意見を述べてもらいたいと思うのです。
#56
○安田(善)政府委員 読み上げてもよろしゅうございますが、先ほど申し上げましたように、法文に明記すると強過ぎて、関係業界のお方や開設者のお方でも、少し極端に解釈される弊害も生ずるだろう。しかし従来、特に最近、前国会でありましたか、参議院の農林委員会、予算委員会等において非常に問題が取り上げられまして、大阪の卸売市場におきましての卸売人の営業の合併につきまして、農林省と公取委員会と見解の相違があったので、業界に迷惑をかけたこともあったようであります。またいわんやこの両官庁側と業界なり地元の開設者とは、相当意見の差があったようであります。そこで研究をしましたところ、例を申しますと会社が八つありました場合に、三つが合併しまして八五%、その残りで一五%、こういうような場合には、取引分野の制限として適当でない、その程度ならばいいという意見の差などが出て参ったのであります。で、未解決でございました。しかし中央卸売市場には法規の根拠もありますし、公益団体が開設者になりまして割合しっかりした条例等で定めました業務規程による監督もございますし、かたがたもって生鮮食品でもあるので、従って過去、現在におきまして卸売人が乱立しておる場所もある、乱立するはずがないということはちょっと言いかねると思いますが、また現実に乱立して弊害も生じておる。そういうことも考え合せまして、相当法規により公益団体の開設者による業務運営上の監督がつきますれば、生鮮食品というような特殊なものでもありますから、そこの業務の特殊性を考えまして、運営上のことをも他の物資の取扱いとは多少異にして、もう少し大貫に見てもらう、そういう必要があると思いまして、両官庁で、従来の公正取引委員会がとって参りました態度よりは、営業の譲渡、合併をもう少し広く認めるという取扱いをしよう。その前に農林省と公正取引委員会というものが卸売人を直接監督をしながら話し合いをして、農林省に重きを置いていただこう、そういうことを約束した交換文書があるのであります。それの取扱いが参議院の修正法文の案と同じかどうかには、かなり運営上の問題があるわけであります。ただそれが成立した場合に、その法文の規定をどの程度に運用するかということでございます。そこで運用はやはり気をつけて、私が申し上げましたように運用をすれば法規がなくてもいいのじゃないか、こういうふうに思っております。
#57
○石田(宥)委員 独禁法の問題はあとで法案審議の際にまた政府とゆっくりやることにいたしまして、ただいま局長がお話になりました交換文書ですね、これを一つ参考資料として御提出を願いたいと思います。最後にもう一点だけ小金井参考人にお伺いいたしますが、これは市場は必ずしも東京だけではなくて、地方でもその通りでありますけれども、卸売市場において買付をする者は仲買人だけとはなくて、小売人がほとんど同等の資格で入っておられるわけですね。その点は大沢参考人が立場上強く御指摘になっておりますが、従ってその卸売山場における地位というものは、その場において売買をするという点については、仲買人と小売人とは区別さるべき性質のものじゃないように考えます。そこで従来は小売人と仲買人というものについての市場における取扱いはいかようになされておるか、これを伺いたいと思います。
#58
○小金井参考人 仲買人と小売人の取扱いの異同についての御質問でございますが、この仲買人は御承知のように開設者の許可を受けまして場所を指定されて業務を行うものでございますが、売買参加入も同様に業務の許可を受けて取引に参加をいたすものでございまして、市場におきますその重要性には、直接せりに参加しております限り異同はございませんわけでございます。従ってその代金決済などの関係も同じように取り扱っておるところでございまして、私どもといたしましては対等の立場で業務を実行しておられる方々である、かように考えております。
 なお類似市場の問題につきまして東京都の反省というお話があったのですが、これは前々申し上げております通り、別に東京都だけが反対しておるわけではございませんので、六大都市開設者におかれましても再三陳情をいたされ、特にこの問題だけで五大市の市長と市議会の議長が先般陳情をいたされ、五大市の場長が五月になっても陳情申し上げておりますので、別に東京都だけ陳情申し上げているのではございませんから、一つ御了承願います。
#59
○石田(宥)委員 ただいまの後段の方はこちらも了解しておるのですが、小金井参考人が場長としておられて、私の先ほど来の質問に対して一々他の関係者から意見を聞いて答弁しておられるところを見ると、どうも実際の業務に当っておられないと思うのですが、市場の実際の仕事はどなたがやっておられるのですか。
#60
○小金井参考人 非常に広範な仕事でございまして、場長が全部を見るということはできないような状況でございますので、御質問のような諸点につきましては業務部長が主として直接にやっておってくれるわけでございまして、本日ここにおります石井業務部長でございます。
#61
○吉川(久)委員長代理 淡谷悠藏君。
#62
○淡谷委員 ちょっと小金井さんにお伺いしたいと思うのです。この問題は慎重に審議したいと思いますので、あるいは参考人に対しては失礼なことまでも質問するかもしれませんが、あらかじめ御了承願いたいと思います。
 この法律改正の趣旨としまして、実は私一つの疑点を持っておるのです。現在の市場の性格は集散市場になって、生産者と消費者と双方が十分に合理的に利益を受けるようにというのが改正の趣旨になっておりますが、もう一つ隠された理由として、現在の中央卸売市場の設備等が完全に行われていないので、これを何とかしたいというお気持があるのじゃないかと思うのであります。先般来しばしば現場を見せていただきましたが、たとえば夜間における照明の設備とか、あるいは埠頭の規模が大型船舶が入るにつれてだんだん小さくなり過ぎておる、こういったようなさまざまな設備上の不完全さが出て参っておると思うのでございますが、これらを直すためには現在の都の財政でまかなえるかどうか、あるいは市場の手数料だけでまかなえるかどうか、その点一つ率直にお話願いますと、大へん審議上助けになると思います。
#63
○小金井参考人 御指摘の点につきましてはまことにごもっともなところでございまして、私どもも一日も早くこれらの設備の改善をいたしたいと考えておる次第でございます。開設以来大てい大都市の市場は相当の年月を経ておりますのと、戦災をこうむっておりますので、御指摘のように相当荒廃をいたしておるところがございます。これらの点につきまして、できますならば国の積極的な御援助をいただきますように再三お願いを申し上げておるところでございますが、都といたしましても、各都市も同様だと存じますが、最近におきまして七億八千万を投じまして、当面緊急な施設の改善に着手をいたしております。お話のような坤頭の関係なども、ただいま開会中の都議会にお願いを申し上げておりますような次第でございますし、その他の点につきましても、差しおきがたいものにつきましては、施設拡充分が七億八千万、このほか十五億円を予定いたしまして、急速に実施しなければならないものと考えております。なおこの営繕の関係なども、最近おおむね年間八千万程度の営繕費をかけまして、生産者の方々にも御迷惑をおかけしませんように、できるだけの改善をいたさなければならぬ、かように考えておるところであります。
#64
○淡谷委員 かなり大きな額が動いておるようでございますし、特に先般来各委員からの質疑にもございました通り、生鮮食料を扱います関係上、冷蔵庫、あるいは塩蔵、加工その他の設備も完全にならなければ、とても法令だけでは生産者の価格維持ができないと私は思う。これに限定されずに、ますます大きな予算が必要と思われます。都の予算だけで、経営上の採算を全然無視しては、いかに公営市場といえどもできないわけなのでありますが、その点のバランスはどうなっておりますか。都の方で予算を組んだだけで、あとは十分手数料から上っておりますか上っておりませんか。穴があいておりませんか。
#65
○小金井参考人 現状におきましては年間約五千万程度の赤字でございます。徴収いたします使用料はわずかに二億三千万程度でございまして、これらの施設拡充の経費はすべて起債によりまして、都費の持ち出しになっておる状況であります。
#66
○淡谷委員 その点私は実は非常に心配しておるわけなのであります。類似市場という言葉を本人たちが大へんきらっておるのはもっともでございまして、予算上その他に縛られまして十分に改善ができない市場の欠陥をある程度まで補っておりますが場外、場内にあるいわゆる類似市場だろうと私は思う。市場そのものが完備しておりますればこういうものの発生する予知がございません。これは実際現地を見ましてもわかります通り、今全部類似市場というものを取りのけてしまったならば、市場の機能は半減するだろうと思う。できるならば、これらの私的に補っております施設なども全部取り入れた方がいいのじゃないかと思いますが、今お話にありましたように、赤字の出るような始末では都としてもなかなか大へんだろうと思う。そこで、現在中央卸売市場が収入と見込んでおりますのは、先ほど御説明ございました手数料以外にはないわけでございますね。これはほとんど生産者だけの手数料です。ところがこの手数料を値上げする段になりますと大へんに困難が生じますことは知っております。たとえば御答弁にございました魚類の六%、果実の八%、蔬菜の一〇%、これらのパーセンテージは低いようには思われますけれども、実際出しております生産者にしましては、この中に梱包材料が入っております、運賃が入っております、諸掛りが入っております。これらを合算したものの六%ですから、実際にほんとうの中味にかかる。パーセンテージは非常に高くなっている。その点の見通しはどのくらいになっておりますか、お伺いしたい。現在、梱包、材料、運賃、これらも全部ひっくるめて手数料を六%取った場合、一体生産者の手取りの金高に対して市場の手数料はどのくらいになっておりますか、これは計算したことがありますか、お伺いしたい。
#67
○小金井参考人 私が先ほど申し上げましたのは東市都の徴収いたします使用料でございます。お話の点は、卸売人の受け取る手数料でございますね、これは千分の二でございますが……。
#68
○淡谷委員 それでは今の問題は別な方にお伺いいたします。そこでただいま私が申し上げました卸売人の取っております手数料というものは、正直のところ中身に対しましては一割五分から二割になっております。今日生産者の販売費用というものが大へんかさみまして、運賃等も上昇いたしましたが、上昇した資材や運賃などにも全部このパーセンテージでかけて手数料が取られまするので、これ以上生産者は負担できないと思う。従ってこの形が反対に卸売人にかなり当って参りまして、今卸売人の経営も大へんに困難になっておることは事実であります。ところで、はっきりしておきたいのは、市場を構成しております卸売人というものと仲買人というものと小売人というものとの構成の形でございますが、どのように抗弁いたしましても、今生産者の手取りが大へん安くて、その割に消費者が安くないというのが実情なのであります。そこでさっきも明確な御返答をなきったのですが、価格構成の面におきまして、生産者と卸売人と仲買人と小売人と消費者、これが一体何パーセントを負担しておるかお考えになったことございますか。ございましたら、一つ市場長としてお答え願いたい。集散市場になりますと、生産者、消費者ともに利益をはからなければならないのですが、中間経費があまりにも高くなっておりますと、もっと根本的な市場法の改正をしなければ所期の目的は達せられません。こういう点で明確な御研究があったかどうかお伺いしておきたい。
#69
○小金井参考人 御指摘の点は、午前中にも御質問のあったところと存じまするが、生産者、卸売人、仲買人、小売人、かような順序を経まして消費者の手元に到着するのでございますが、生産者のお売りになる価格と消費者の実際に買い取る価格との間に非常に大きな開きがある、このことは、どちらからもすでにいろいろおこごとを伺っておるところであります。この場合業界におきましてなおいろいろ反省をいたし、自粛をいたさなければならぬ点も多々あろうかと存じまするが、私どもの承知をいたしておりまする限り、卸売人の手数料は、午前中申し上げましたように、それぞれ歩合がきまっておりまして、いかなる名目をもっていたしましてもこれ以外の報酬を受けることができないことは、法律に規定されておる通りでございます。それから仲買人でございますが、これも先ほど申しましたように、きわめて多数の仲買人が、きそって、いかにして売るかということ、この腐敗性に富みました食料品を夜明けから始まりますせりにかけて落ちた品物を、実際申しますると、午前中売り尽すということは非常な困難がございまするので、激甚なる競争があるのでございまするから、そう大きく手数料をとるということは、実際問題としてできないことになっておると存じまするが、私どもの考えでは、一応五分程度の仲買人のマージンと考えておるのでございます。それが小売人に渡って消費者という順序になるのでございまするが、この点について田口先生から御指摘になりましたように、小売の模範店舗、公設市場などを設けることも一つの方法であろうかと存じます。ただ実際問題といたしましては、あの腐敗性に富みました生鮮食料品が豊富に出回りましたときには、売買参加入としての小売商といたしましても、売り切れない荷物でも買って帰らなければならないという事情もございますし、夏の日一日店頭に掲げておきますと、晩方には商品として売れないというような荷物もたくさんできる。たくさんの量を扱いますと、商品の価格と運賃の価格と同額になりましたり、また一軒の店舗の経営費というものには、豊作の年でも、凶作の年でも変りはございませんし、労力費その他の諸掛り、税金などというものは不変でございますから、豊作でたくさんできたという割合に、店舗の販売価格というものがそう安くならないというような実情にあるわけでございます。これらの点につきましては、御指摘のように、抜本的にさらにその制度を変えますならば、格別でございまするが、現状といたしましては、私どもは皆様業界の良識に従いまして、不当な販売値段をつけることがございませんように、また買手といたしましても、十分なる鑑識眼をもって、不当なものを売りつけられないように連絡を新聞、放送その他で申し上げまして、措置をして参らなければならない、かように考えておるような次第でございます。
#70
○淡谷委員 いろいろありがとうございました。実は私の方でも若干調べたことはございまするが、この価格構成の中で一番大きなパーセンテージを占めておりますのは、小売商人のマージンの形にはなっております。ものによっては大体三分の一くらいが小売人の手数料になっております。あとは生産者が三分の一、市場その他が三分の一、大体生産者の価格の三倍になっている例は、生鮮食料では珍しくはございません。この法案に基きますと、合理的な市場の運営をするために、いろいろな市場の仲買人あるいは小売人、卸売人等の数の制限をやろうというのでありますが、私は決して、今日小売商が販売所にたくさん置いているのは、もうけるためではないと思うのです。小売商は、さっき大沢さんがおっしゃった通り、蔵は建てておりません。けれども四、五人の家族がごく少量のものを売ってこの大都会で暮していくためには、それくらいのマージンがなければやっていけないという悩みがある。ただし商人の数を減らしただけで、果してもっと安いマージンで暮せるかどうか疑問であります。従ってもう少しこの市場の機構なども、ただ卸売人の数を減らすとか制限するとかいう形だけではなしに、手を打たなければ所期の目的が達しがたいと思うのです。そういう観点から、なおお聞き申し上げたいのは、各都市が市場の開設の許可を与えるというような場合になりますと、各都市における相違点は、規格の相違、規制の相違などは、一体どこで調整されますか。これは、あなたは大臣の許可制には反対のようでございますから伺いたいのですが、各都市でそれぞれ違った事情がある。販売方法においても、あるいは卸売の方法においても、かなり違ったものを規制するのはどこでやりますか。そういう点を伺っておきたい。
#71
○小金井参考人 販売の規制でございますか。
#72
○淡谷委員 私の説明が足りなかったようでございますから、申します。今は市場の開設の規制を大臣がやることになって、終戦後こちらやって参りましたが、あなたの考えでは大臣の許可はよくない、知事くらいでとめようじゃないかと言っておりますが、知事は、東京は東京の知事という工合に限定がございます。具体的な例を申し上げますと、東京、大阪、京都、神戸、名古屋といったような違った状況下にある市場の制限について規制の仕方を一体てんでばらばらにまかしておくのか、それともそういう各都市間に何らかの機関を設けようというのか、設けた場合にはこれを調整するキャップがどこに置かれるのか、事務的な問題ですが、法案の上で出てくる問題ですから、あえて伺いたい。
#73
○小金井参考人 卸売人の数などは、地方的に実情が異なるので、違うところをこれらの数の調整をどのようにするかというような御質問だと存じますが、これらの点につきましては、主務省におかれまして、全国の生産の状況でございますとか、流通の状況でございますとか、それぞれにらんでおられるところでございますから、十分妥当なところを御承知だと存じております。開設者といたしましては、十分それらの御意見を伺いまして、またお指図も伺って仕事をいたさなければならぬことは申すまでもないと存じます。一方地方的にこの市場というものは、それぞれ特殊な事情もあるものでございますから、中央において必ずしも御了解できないような、いろいろ歴史もでございますし事情もあるところでございまして、私どもは各地に割拠いたしまして不当に数を制限いたしますとか、また非常に多過ぎる許可をいたしますとかいうようなことをもちろん考えているものではないのでございますが、ただ筋といたしまして、その方がよろしいということを最近何年間開設者相互の間で相談して参りましたし、これによりまして市場の運営というものが非常に大きな事業でございますので、一貫して責任を持った運営に努めたい、かような点から申し上げた次第でございます。
#74
○淡谷委員 これは法律改正の理由にも出てくるのですが、集散市場になりますと、他府県にも関係が及ぶのであります。この場合東京都の知事が大阪府の市場を何とかかんとかするというわけにもいきますまいが、その場合には、各都府県がそれぞれの立場でやられることでちっとも差しつかえないのですか、市場の規制が別々に行われましても一向かまわないのですか。
#75
○小金井参考人 集散市場ということにつきまして、私どもは一応現在の中央卸売市場が集散市場であると申しますのは、大体産物なり商品が全国から集まる。また近時大都市におきましては、当該の都市のみならず、その隣接する諸県に商品が流れて参る、こういうことを指さすものと存じておるのでございます。この現象は戦後特に顕著であると申して差しつかえないと存じますが、しかしながらかような傾向は東京日本橋時代から産物は各地から集まり、また東京都外にもたくさんの得意先を持っておったというような歴史もございますし、性格的には中央卸売市場は本来集散市場的な性格を持っているものであると私どもは考えているのでございます。そこで、その集散市場であるということのために中央卸売市場の機構が改正されるということは、もちろんあり得ることでございますが、私どもといたしましては、開設者側が考えておりますことといたしましては、これらの市場は集散市場ではございますけれども、その開設いたしました目的というものは、やはり大都市におきます都市住民に腐敗性のある生鮮食料品を円滑に供給して、その保健に寄与することを出発点といたしておりますものでございますから、この根本の上に、できるだけ隣接諸県の御便宜をはかれるように努力いたしますことはけっこうでございますけれども、さればといってそのために大都市の市場が、取引場でございますとか、あるいは汐留駅のような性格になりますと、その都市の住民の生鮮食料品に責任を持つ市場というものが非常に影を薄くいたしますので、これらの点について、実はどこまでもその都市の住民の食料品を供給する市場であるという根本の上にお考えをいただきたい、かように考えておる次第でございます。
#76
○淡谷委員 それでこの卸売人の問題が今の御意見の中には大へん重要な要因を占めておるものと思いますが、他の市場に回した場合、市場のしきたりや慣例などの相違が、大へんに不便なことがたびたびございます。たとえば大阪の市場と東京の市場では、せり売りの符牒さえ違っているでしょう。それから今弊害として現われておりますところの歩戻しの問題が違う。代金支払いの期日が違っている。こういうふうに違った市場の慣例がありまするが、これはあなたのおっしゃるような知事などが許可権限を持った場合に、こういう規格の統一はできますか。この点をお聞きしたい。
#77
○荒木参考人 卸売の方法等につきましては、卸売市場においては、大体は各都市とも似たようなことになっておると思います。類似市場と中央市場との間の差よりは、中央市場の間の差はずっと少いと思います。しかしやはり各都市ごとにおのずから商習慣がありまして、取扱いの方法または歩戻しの額とか手数料の額などは大体一定ではありますが、多少の違いはございます。生産者、出荷者の方は最も自分に有利と思うところに出荷する自由がありますから、すべてのことを計算して、大阪の方へ出した方が有利であると思う場合には、大阪におのずから出荷が多くなる。東京の価が低ければ、東京に出荷する量はおのずから少くなる。つまり物が高いところに流れて安いところを避ける。その自由経済の原則に従って、各都市間の価格もおのずから調整せられ、また各都市そのものの中においても、各市場ごとの価格が、価のいい市場には多く集まり、安いところはおのずから逃げる。従ってそういう各都市の間の相場の相違とか、また同じ都市の間における各市場または各部面の価格がなるべく平均するには、市場を統合集中しなければいけない。これがたくさんの乱立した市場があちらこちらにありますれば、同じ東京の市内でも、山の手では非常に高い、下町では非常に安い。そういうことでは生産者も果してどこへ出荷したらいいのか。山の手が高いからと思うて山の手にうんと集中したら、今度は山の手が下ってしまって思わぬ損失をする。大阪、東京に何十何百の市場があって、非常に高かったり、安かったりしておれば、生産者も出荷に迷うて、非常に損害を招く。そこに市場を統合集中する意味があるのでございます。これを権力によって調整するならば、統制経済によるいわゆる価格の公定ということになるわけでございますが、自由経済の原則による限りは、物は高いところに流れ、安いところを避ける。その原則に従って各都市の間にも価格がおのずから調整されていく。従ってある都市だけが特にもうけることは、なかなか容易にできないというようなことになると存じます。
#78
○淡谷委員 それでは知事の権限で、東京都はいいとして、大阪その他の方の市場の――これは価格は仕方ありませんけれども、市場開設についてのさまざまな許可方針などは一致できますか。
#79
○荒木参考人 市場の開設のことでございますか、あるいは卸売人の許可のことでございますか。
#80
○淡谷委員 卸売人の許可のことです。
#81
○荒木参考人 卸売人の許可は先ほど申しましたように、地方公共団体の責任と負担において開設する公共の業務を行う卸売人は、やはり主務大臣の周到な監督のもとに開設者すなわち公共営造物の主体者であり管理者である者が、その許可の権限を持つのが当りまえである、こういう考え方であります。これは各都市とも変らないところであります。
#82
○淡谷委員 それでは小金井さんと荒木さんの方は、各都市ごとにその調整がつきさえすれば、都市と都市の間の調整のつかぬことはやむを得ないというお考えですか、それともまた、それはつまり許可権限を持たない、大臣の指導監督だけでよろしい、こういう御意見に帰着しましょうか。指導監督さえあれば許可権限は要らないという……。
#83
○荒木参考人 その点は別に都市によって違うことはないのでありまして、どの都市にいたしましても、その許可の権限を開設者に帰属せしめて、大臣がこれを監督するか、あるいは大臣が直接これを行うて開設者の意見を伺うというような制度がいいのか、これは議論のあるところでございますが、私どもはそのような意見で、ものの筋道上そうあるのが当りまえだという意見でございます。
#84
○淡谷委員 そこでこれは荒木さんにお伺いしたいのですが、先ほど小金井さんは中央卸売市場はあくまでも都市の台所の役目を果すと言っておられますが、一体青果会社あるいは青果物の卸売会社というものは、本来は生産者の代行機関としてできたものだと私は思う。代行機関としてできた会社の、こういう消費者を主たる対象とする市場における位置というものは、今のところどうなってるんですか。これは現在の市場のままで差しつかえないか。無条件委託の形態ですから、生産者があちこち回すと言いますが、問題は市場内における生産者としてあなた方はあると理解しておりますが、その点はいかがでございますか。
#85
○荒木参考人 お話の通り卸売人の性格は、生産者の委託を受けて、ほとんど生産者の代行機関のようなつもりで営業しておるのが実態であります。またそうあるべきものでございます。現在のやり方はその通りのつもりで、各会社ともやっておると思います。ただし委託販売と申しますのは法律で強制されたことでもなく、また卸売会社が委託でなければ受けないというものではないのでございまして、これは生鮮食品の販売の性質上、双方とも委託式によらなければお互いに不測の危険を負担するわけでありますから、生産者の方でもやはり相場がどこまでいくかわからぬので、委託をしておいて出た相場を全部取る。一定の手数料を差し引いてでございますね。卸会社の方も自分の責任においてみだりに思惑で買いつけたりなとしては、ひどくもうけることもありますが、不測の損害を受けますから、やはり委託の方法による方が安全で確実である。これは必ずしも法律で強制でやることではございません。ただし卸会社が自分の利益のために、委託はごめんこうむる、あくまでも買付でもうけさせてもらいたいと言うことは許されない建前で、生産者が委託を希望する以上は正当の理由なくして拒むことができないということになっておる次第でございます。
#86
○淡谷委員 もう一点お伺いしておきたいのですが、今のお話は、卸売人が場合にによっては買い取りもできるというように聞えますが、実際は買い取りはやっておると思う。他の地方へ流してやります場合に、一々生産者に聞き合わせるひまもないことがありますから、買い取った品物を自由に流す場合もあるし、またあったと私は思う。そこで買い取った品物は規定の手数料に拘泥せずに、時の相場で売ることもできるのですね、その点はっきりしてもらいたい。
#87
○荒木参考人 それはお話の通りでございまして、卸売人は買付はしないのが原則になっておりますから、買付をするのには開設者の許可を得なければならぬということになっております。実際上は事後の承諾というようなこともありましょうけれども、同時に、買い付けた以上は自分の危険負担において、自分の商品でありますから、損するももうけるも卸売会社の権利と申しますか、これは当然でございます。そういうことであります。
#88
○淡谷委員 さっき委員の中からも質問が出ましたが、市場内の卸売人が生産者からいろいろな損害を受けておる、あるいはまた生産者が類似市場のために大へんな損害を受けておる、この二つの事例が出てきましたが、これは両方ともあると私は思う。その場合になぜ正規のルートによらないでこれらの類似市場に流したか。特に生産者の場合ではなく、またなれた卸売人ではなく、高い値段をもってつってくる不確かな市場に出荷をしてひっかかる例が大へんに多いのであります。それからまた卸売人といたしましても、取引を続けておる商人なり生産地の組合ではなくて、実は荷引きに専念するの余り、実感も確かめないで、あるいは協同組合の名前をかたったり、たくさんの品物を持っておるように見せかけたりして飛び込んでくる者にうっかり前渡金を渡してひっかかったような実例もたくさんあります。なぜそういうことをするかといえば、結局生産者の現在取引されておる値段ではとても引き合わないから、もう少し高く売りたいという切なる希望によるものと私は思うのです。
 そこで、大沢さんにお伺いしたいのですが、あなたのさっきのお話では、小売人も金はもうかっていない、大へんに小さなマージンでやっておるというようなお話でございました。幾らでしたか知りませんが、かなり苦しいようなことをしておるというのです。これは途中価格に対して付加される中間経費というものが大きいから困っておるのか、さっき私がお話ししました通り、小売人の数が多いので、生活費の重圧あるいは販売経費の重圧のためにこういうものが高くなるのか、この点をはっきりしておきたいと思います。
#89
○大沢参考人 ちょっとよけいなことに触れますが、お聞きを願いたいと思います。
 卸と仲買いと小売とでは、一人に対する売り上げの高が違うのです。大体従業員の売り上げの割合できますと、卸売人は従業員一人に対して百万円ということを申されております。蔬菜を主とする会社では百万円が欠けてもどうにか会社はやっていかれるが、くだものを主とするところでは、どうしても百万円なくては会社が成り立たない。仲買人は従業員一人に対して五、六十万ということを申されております。それから小売屋の方は一人一日五千円、月十五万円を必要とするというのですが、従業員一人について一日五千円の売り上げはなかなかむずかしいです。そういう工合に売り上げの差が違う。それから小売屋の場合、法人組織でやっておるのもありますし、個人でやっておるのもありますが、大体調べてみますと、税金が売り上げの約一割前後です。それに人件費が約半分近くかかるのです。それで一人の売り上げ高が少い、従って全体の売り上げは微々たるものだということですから、結局先刻申しました通り、純益が二割以内という程度にまではなっておるようですが、成金がないということを申し上げたわけであります。
#90
○淡谷委員 もう二点だけお伺いしておきますが、さっきのあなたの御主張の中に、仲買人を売買に参加させるならば小売人も参加さしてももいいのではないかという御主張がございましたが一体現在の組合の組織は、仲買人の手を経ずにまっすぐに品物を引き取るだけの力があるかどうかということ、仲買人はどうしてもなければならないかという問題。それともう一つは、大へん立ち入ったお話でありますが、さっきあなたが若干株を持っていると、言ったのは、卸売人の会社の株でございますか、一体どこの株でございますか、その会社の全体の構成の何パーセントぐらいになっておりますか。その点をお伺いしておきたいのであります。
#91
○大沢参考人 株の問題は市場によって違うのですけれども、今私が持っている会社の関係でいきますと、神田に東卵という会社がありますが、これが六千万円で、これが東京では一番大きな会社です。一番大きな会社で、売り上げも一番大きいのですが、ここの会社の出資の上で、私どもの関係のもので持っておりますのが大体一割弱くらいであります。
 それから生産家の方は市場によって違います。東京にも市場が二十ございますが、小さい市場では仲買人はないところもありますから、これは小売商が生産家から全部買っております。
 それから、神田のような大市場になりますと二百人からの仲買商がおりますから、そこで仲買人を利用して買ってきます。それで、東京全体を通じますと、先ほど申し上げたように昨年の扱いが二百八十億ですか、それの約半分を小売商が卸売商から直接せりで買っております。それから仲買人からも買っております。そうして仲買人と小売商の取引の代金の支払いは、卸売人と同じように大体において三日目に組合の責任において支払っております。
#92
○淡谷委員 小金井参考人にもう一点だけお伺いしておきますが、今お聞きのような話でございますので、私どもいろいろ生産者の価格の問題で頭を悩ましておりますが、卸売人が買い取りもできる。これをまたある程度もうけて売ることも自由であるということが許されているわけですね。そうして内部の経済事情をいろいろ伺ってみますと、頭を押えられた生産者の手数料という性格上、一番困ってきているのは卸売人の会社じゃないかと私は思うのです。その卸売人の会社の資本構成が随時小売人あるいはその他の消費着面の資本に入れかわってきている事実がある。そうしますと、市場の性格というものは今変化する時期に立ち至っているように私は思うのです。もしもこの市場がはっきり消費者の市場に転換するというのであれば問題は別です。あるいは生産者市場としてあるというのであればこれは別でございますが、生産者並びに消費者双方の利益をはかるといったような非常にむずかしい面にある場合でございますからして、この法律案についていろいろ問題が出てくると私は思いますが、きょうの参考人の方々の意見を聞くと、特に生産者の代行機関である卸売人の資本状態、融資状態が大へんに困って、それがむしろ販売業者の資本に入れかわっているというのですが、この実態について何かあなたのお考えはありますかどうか、お伺いしたいのであります。その一点だけでよろしゅうございます。
#93
○小金井参考人 卸売会社の資本構成が内容的に非常に変化をしているということにつきましては、実は私そこまで詳細に承知をいたしておりませんので、よく調査いたしましてお答えを申し上げることにいたしたいと思います。
#94
○吉川(久)委員長代理 芳賀貢君。
#95
○芳賀委員 参考人の各位にお尋ねしますが、第一の点は、今度の法律の改正によって卸売人に対する許可権が、従来都道府県知事、開設者またはということになっておるわけでありますが、それが大臣の許可に移るということに対する、本日おいでの参考人の中においても賛否両論があるわけです。特に東京都の開設者である都知事においては、それに反対しておられます。それから一昨日現地においての各代表の御意見を伺ったわけでありますが、一昨日は卸売人代表の三名の方の御意見のうち、本日出席された荒木さん以外の寺田、富士岡両氏は、これが大臣権限に移ることに対して反対でないというような御意見があったわけでありますが、あとは仲買人の代表の方、本日出席された小売商を代表するところの大沢さんの場合においても、大臣の権限に移るということに対しては、これをおおむね支持されておるように考えるわけです。そこで開設者であるところの参考人にお尋ねしたいのですが、もともと市場における卸売人に対する許可なるものは、これは元来が国の行政事務に帰属しておると私は考えておる。それを便宜上地方長官にその権限をゆだねておったというのが、今日までの実情ではないかと思うのでありますが、ただ単にこの国の行う行政事務、それが地方長官にまかされておったというような許可権だけをめぐって、この問題に対して強い反対の意見があるということに対しては、十分私どもとしては、まだその根拠に対する理解が十分にいかないわけです。それでお尋ねしたい点は、この中央卸売市場の性格から見て、これは一方においては生産者の利益をそこで守ってやる、一方においては大都市におけるところの消費者大衆の利益をそこで擁護するという二面的な問題があるわけでありますが、それが都知事あるいは開設者から大臣許可に権限が移行された場合において、生産者あるいは消費者の両者の、最も市場を生活の根拠を通じて利用する人たちに対する利便がどういうふうに変り、利害関係がどう変るかという点に対して、一つ御説明を願いたいと思います。権限が変ったことによって、生産者側がどういう不便、不利益を受けるか、消費者側がどういうような不利益を受けるかというような点が、最も重大な点であると思いますので、その点に対して具体的な一つの事例をあげて御説明願いたいと思うわけです。
#96
○小金井参考人 この点につきましては、まことにくどいようで恐縮でございますけれども、午前中から申し上げておりますように、開設者の側といたしましては、市場業務の運営の実際上から、開設者にこの権限があった方がよろしい、かように考えて参った次第でございます。もちろん権限が大臣に移りましたことによって、だれが不都合になるというようなことを具体的に私どもは申し上げることはないのでございまして、さようなことを申し上げておるのではないのでございます。ただ問題は先ほど申し上げましたように、中央卸売市場は、生産と消費の両面の間にあって、中立的な立場を持つのが一番よろしい、かように考えておるものでございますから、生産を主管されまする大臣に卸売人が直属いたしますことは、ややもいたしますれば、生産者偏重のことがあり得るのではないか、かようなことをおそれるわけでございます。もちろん杞憂であればそれまででございまするけれども、たとえば生産者の方々が直売をするというようなことがかりにあったといたしますると、これらの商業的流通の段階に生産者が進出されましても、必ずしも成功的な結果ばかり得られないのではないか。かようなことも考えまして、これらの点については、どうしても開設者に権限を置いていただいた方がよろしいのではないか、かように考えておるわけでございます。
#97
○芳賀委員 その点が非常に抽象的なんです。もとより農林大臣の権限に移ったからといって、これは生産者側だけの利益を擁護するということにはならぬと思うのです。なぜかというと、ただいま淡谷委員からも指摘された通りに、卸売人は――いわゆる荷受け機関なるものは、もちろん生産者の委託を受けて販売する側でありますから、生産者側ということも言えるわけなんです。業務の実態を見ると、委託者が無条件に荷物を卸売会社に委託しているのですね。何らかの条件を付加しないで、そうして全面的に販売を委託しているという点が一つと、それから卸売会社の実態なるものは、あくまでも利益追求の資本構成なんです。しかも先ほども指摘があったように、この卸売会社の資本構成なるものの中には、たとえば仲買人、たとえば小売商というような資本力がだんだん進出していっているということになると、この企業の実態というものは、むしろ生産者の委託を受けてやる生産者側の一つの機構ではありますけれども、その利潤追求の会社の実態なるものは、それと趣きを異にしたものがこの会社の実質的な支配勢力になるということは否定できないと思う。ですから、そういう意味から言うところの、大臣が卸売人を許可したことによって起るところの生産者側だけの利益を守るという偏向は、決して生じてこないと考えるわけです。問題はこの公益的な中央卸売市場の運営なるものが、一方においては全国の生産者の利益をそこで擁護すると同時に、一方においては大都市消費者の食生活の面におけるところの、そういう普遍的な利益あるいは利便をここで提供するというところに実態がある。これ以外の理由として、権限が移ることがいけないというものは、それほど大きな根拠にならないのではないかと思うのです。
 それで私がお尋ねしたい点は、小金井参考人の言われることは、施設を提供しているところの開設者である都知事から権限が大臣に移ること自体に反対であるというように考えるわけでありますが、このことに対しては、先ほども言った通り、元来がこれは国の行政事務ですね。その行政上の一つの行為を地方長官にまかしておいたというのを、大臣の許可にまた移すということであるからして、事務的な面から見ると、それほどここに問題はないのではないかと思います。もう一応生産者側、消費者側に与える権限の移行によって生ずる影響というものが、明確にならなければならぬと思いますが、その点をもう少し具体的にお述べになる必要があるのではないかと思うわけです。
#98
○小金井参考人 その点につきまして、別に具体的に私は申し述べるとろを持ちませんが、この点につきましては、あるいは見解の相違になろうかと存じますけれども、けさほど来申し上げましたように、私ども開設者側としては、さように考えておったわけでございます。特に午前中申し上げましたように、市場の中において秩序を維持いたしまして、公正な取引をできる限り実施をいたします信用のある市場を経営いたしますということは、非常に困難な仕事でございますので、できるだけ与えられる権能は持っておりました方が、そういうことも比較的できやすい。丸腰になりますと、監督いたしま すといっても、なかなか威令が行われない。そのことがひいて市場全般に及びますと、指導監督が非常に後退をすることをおそれるのでございまして、それによって取引の混乱が起るとかいうようなことになりますと、これは生産と消費の両面に対して非常に御迷惑をかけるのじゃないか、こういうことをおそれるわけでございます。
#99
○芳賀委員 その次にお尋ねしたいのは、実際上の問題として、もし法律の政正が行われた場合に大臣に権限が移るというようなことになりましても、今までいろいろ努力をされてそれで市場の施設を完備して、そして相当の貢献をされておるわけですが、権限が変ることによって開設者の側における経済上の打撃とか、そういうものはないのではないかと考えられますが、そういう点はいかがですか。
#100
○小金井参考人 さような点については何らの変化もないと存じます。
#101
○芳賀委員 そうしますと都の財政面あるいは開設者である五大都市の市長とか市等においても、この法律改正によって、財政上の影響というものは全然こうむらないということが明らかになったわけであります。そこでさらにこれは参考までにお尋ねしたいのでありますが、東京都の場合においてはこれは市というものはないですからして、都知事がいわゆる開設者であります。あとの五大市の場合は、これは知事と市長が両立しておるわけです。
  〔吉川(久)委員長代理退席、委員長着席〕
ですから東京都の場合とそれ以外の五大市の開設者と、それから地方長官との立場における相違点というものはあるわけですね。ですから東京都以外の関係においては、必ずしも東京都の意見と同一であるということにもなってわらないわけです。そういう点を大局から見た場合において、小金井参考人にお尋ねするのですが、この際農林大臣の許可に移したことの方が、中央卸売市場の今後の全国的な視野から見た場合、運用上その方が妥当性が強くなるというふうにお思いになるかならぬか、その点はいかがですか。
#102
○小金井参考人 その点については、まことにくどいようでございますけれども、私どもは先ほど来申し上げておりまするように、開設者にある方が運営上よろしい、かように考えておるわけでございます。ただ東京都と五大市とは、一応御指摘のように事情が変っております。それで権限は地方長官にございますので、この許可権は市長にはなかったのでございまして、東京都ができましてから以後、東京都におきましては知事と市長とが同一人格でございますので、同一人が施設の使用も許可し、業務の許可もしておったというような事情にあったわけでございます。従いましてこの点につきましては、六大都市が全然同じ条件に置かれているというわけではないのでございます。従って権限が大臣に移管されることにつきましても、その痛痒の度合いは東京が一番切実であって、その他の市は必ずしも同一ではないかもしれません。ただ開設者におろしていただきたいという希望は、二十九年協議会ができましてから絶えず連絡をとりまして、そういうつもりで参ったわけでございます。
#103
○芳賀委員 次にお尋ねしたい点は、今度の法律改正あるいは参議院における修正案等によっての影響なんですが、独禁法の適用除外の問題があると思うのです。これは衆議院においてその通りに成立するかどうかわかりませんが、かりに参議院の修正を認めるようなことになった場合においては、卸売人の合併または協定等、これらが独禁法の適用除外を受けるということになる。しかしそういう場合においても、これは農林大臣が認可し、または監督するということが前提になってそのことが可能になる。これとやはり、許可というものは非常に深い関係を持つわけですね。こういうような独禁法の適用除外を行うというような実際上の仕事をやる場合において、これがやはり従来通り開設者においてその許可権があるということの場合は、適正妥当のことが行われるかどうかという疑問をここから生ずる場合もある、そういう点に対しては研究なさっておるかどうか、いかがですか。
#104
○小金井参考人 独占禁止法の適用除外に関連いたしまして、許可権が大臣にあった方がよろしいではないか、こういう御質問ではないかと存じます。この点につきましては、法律上の建前といたしまして、私どもとしてもその方がよろしいのではないかと存じていろいろ検討をいたしたのでございますが、これらの点は開設者と主務省と、もとよりずいぶん御相談を申し上げなければできないことであると思うのでございます。法律的な関係におきましては、開設者が許可権を持ちますことは大臣が適用除外の認定をしていただきますことと別段支障がない、かように承知をいたしておりますので、この適用の関係で開設者が許可権を持っては不都合である、かようなことはないと存じております。
#105
○芳賀委員 次にもう一つは、中央卸売市場等に対する国の助成とか、資金の融通等がやはり強力に行われなければ、現在におけるところの施設の改善とか利益を提供するというようなことは、都あるいはその市の財政面だけでは思ってはおられてもなかなか十分にはいかぬ場合があると思うわけです。そういう場合においても、これがたとえば大臣がそういう許可の権限を持つということになれば、必然的に今日以上に積極的に中央卸売市場に対する行政上の施策も講ずる義務が生じてくるようにわれわれは考えるわけです。そういう点に対する期待というものは、開設者側においてはあまりお持ちにならないのですか。
#106
○小金井参考人 国におきまして補助金でございますとか、起債でございますとか、低利資金などを積極的に御心配をいただきますことはまことにありがたいことでございまして、すでに協議会の答申の中にもそのことがうたわれておるような状況でございます。私どもは、もちろん公共団体の財政の現状からいたしまして、一日も早く、少しでも多くこれらの御援助を賜わりますことを、それぞれお待ちをいたしておるところでございます。しかしながら市場のあり方なり、市場の建前というものはやはり非常に重要なことでございまするから、それもぜひお願いをいたしたいことではございまするが、同時に開設者としての希望なり根本的な考え方といたしましては、それにもかかわらず今まで申し上げたような考えを持っておる次第でございます。
#107
○芳賀委員 結局小金井さんの述べておられる点も、いろいろ主張される点はわかるわけですが、今お述べになったうち、中央卸売市場対策協議会が農林大臣に対しまして昭和三十年の十二月十九日に答申を行っているわけです。その答申の中の第三点にも、政府は従来の市場行政においては、非常に消極的であったということを指摘しておるわけです。そういう点が答申の中に指摘されておる。国は従来の市場行政における消極的態度を改めて、積極的に指導監督を行うための行政機構を確立してもらわなければ困る。たとえば市場専管部課の独立を行うとともに、市場施設の整備強化のための補助金の交付、起債のあっせん、あるいは低利資金の融資あっせん等について特段の努力をしてもらいたい、こういうことも出ておるわけです。さらにまた市場卸売の公共性等も第一項にはうたってあるわけですが、中央卸売市場は生鮮食料品の需給調節及び価格形成の任に当り、公正安全な取引を確立し、もって消費者、生産者及び出荷者の利益を擁護するところであって、生鮮食料品の流通機構の核心をなすものである、こういうところにやはり中央卸売市場の性格というものは確立されなければならぬと思うわけなのです。ですから今回の法律改正に当っても、おそらく政府としてはこれらの答申というものは相当考慮に入れて、十分ではないと思いますけれども、今回提案されたところの改正法律案を出したんじゃないかとわれわれは考えておるわけです。まだ政府当局に対する質疑には入っておりませんけれども、そういう経過から見た場合に、一つはやはり許可権の権限の問題、一つは類似市場に対する今後の取扱いの問題、一つは公共性をこの市場の機構の中に持たせるこいう意味からいって、独禁法の一部適用除外等の問題、この三点が改正の趣旨になったのではないかというふう考える次第です。そこで先ほど参考人の岡さんからも生産者代表の立場でお述べになったわけでありますが、岡さんの御意見はやはり政府の改正案を支持するというような御意向であったように聞いておるのですが、この卸売人の場合は、先ほども申しましたが、荒木さんの御意見とそれ以外の寺田さんや富士岡さんの意見は、許可権の問題に対してはだいぶ違っておるわけです。これは必ずしも卸売人代表の意見が統一されておらなければならぬということではありませんけれども、卸売人の代表の中において違うということの理由が何かあるに思うのですが、差しつかえなければ一つお聞かせ願いたいのです。
#108
○荒木参考人 卸売人の許可権につきましては卸売人代表の私も寺田氏も富士岡氏も大沢氏も同様の意見であります。書類においてもそういう意見を出しております。口頭においてもそういうことを申し上げております。
#109
○芳賀委員 一昨日は寺田さんと富士さんは、この許可権問題に対しては大体において政府の改正案を支持するという意見をお述べになっておる。あなたは本日はこれは反対だということを言われておるので、そこでどういう理由かと思って参考までにお尋ねしたので、別に追及するわけではありません。理由がなければそれでいいのであります。
#110
○荒木参考人 人様の申されましたことに私は判を押せませんけれども、私はやり同じ意見を述べられたように承知いたしております。ここらあたりでもみんなそう聞いておるようであります。
#111
○芳賀委員 その点は別に問題にするわけではないのです。
 最後に小売商を代表する大沢さんにお尋ねします。大沢さんの御意見の中には、法律改正に当って小売商の立場を法文の中に明記してもらいたいというような御意見があるわけなんですが、その御意見の内容は、法律の中にどういう点をどういうふうにうたったならば小売人の市場参加という立場が明らかになるかそういう点の具体的なお考えがもしあれば、この機会にお述べになったらどうかと思います。
#112
○大沢参考人 私どもが仲買人と同様に法文化を認めてもらいたい、その資格を認めてもらいたい、すなわち小売商という名称がないわけですから、中央市場法では売買参加者――売買参加者というのは料理屋さんもおすし屋さんもうどん屋さんも小売屋もみな一緒であります。ところが小売商は仲買人と同様の資格で許可を得てせりに参加する。そして消費者大衆の代買人として市場に参加して、専門業者としてやっておりますものですから、仲買人と同じような考え方ではっきりと小売商というものを法文の上に認めてもらいたい、こういうわけなんです。
#113
○芳賀委員 そうすると端的に言えば仲買人という中間段階をなくした方がいいというのですか。卸売人があって、仲買い、小売、そういう一つの概念からいうと何だけれども、実際はその中の半分くらいは小売商がせりに参加しておるということが現実の問題なのです。だから特に仲買人という規定を置く必要はないのだ。同じようにするということは、そういう規定を設ける必要がないということにもなると思うのです。あなた方は消費者代表の立場で直接そこに行ってせりをやれるのですから、別に小売商人が仲買人の資格を持たなければならぬというのじゃないでしょう。いかがでしょう。
#114
○大沢参考人 先ほど場長さんからお話がありましたように、今の条例でいきますと卸売人として認められた者は保証金を納める。仲買人もそうです。われわれがやっぱり許可をされた場合に仲買いと同じように保証金も納めております。取引の方法も同じだし、支払いの方法も一切仲買人と同じようにやっております。そういう関係で市場取引の重要性ということについては変りがないのであります。そういう意味合いでこの間の運営協議会でもって農林大臣に答申をしてあります。その結果が仲買人だけが認められて小売商の方はオミットされておるものですから、それで私どもの方は全国連合会としておさまらないのです。この間集まりましたときの決議としてぜひ一つ仲買人と同じように入れてもらいたい、小売商という資格によって認めてもらいたい、こういうわけです。
#115
○芳賀委員 その点なのですが、仲買人は仲買人として一つの中間的な制度上の任務があるわけです。それと同列に小売人があるというような場合は、むしろ仲買人という制度が要らぬのじゃないかということにもなるのです。そうでないと小売商だけが仲買いと小売の二枚看板を持つということにもなるわけですね。そういう点は具体的にどういうようにお考えになっておりますか。
#116
○大沢参考人 仲買いは買ったものを中央市場の中で小売商に販売を原則としております。私どもは買ったものを消費者に販売しております。ですからすべてが同じでなくてもいいが、ただ小売商という名称をはっきりと一般の売買参加者の仲に独立して資格を認める、こういうわけでございます。
#117
○村松委員長 ほかに御質疑はございませんか。――ほかに御質疑がなければ参考人に対する質疑及びこれに関連する政府に対する質疑はこれで終了いたします。
 参考人の方に申し上げます。長時間有益な参考意見を伺い感謝いたします。どうぞお引き取りを願います。
    ―――――――――――――
#118
○村松委員長 なお引き続いて馬匹の輸入に関する件についての調査を進めますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#119
○村松委員長 御異議なしと認めさように決定いたします。質疑の通告がありますからこれを許します。神田大作君。
#120
○神田(大)委員 通産省関係の方にお尋ねしますが、サラブレッド三頭を輸入した件につきまして、外貨割当の申請がしてあるかどうか。外貨割当がしてあるとすれば、だれがいつどういう様式でしてあるか御答弁願います。
#121
○樋詰政府委員 通産省に対しましてはサラブレッドの輸入のためということで外貨の申請はございません。
#122
○神田(大)委員 トロッター協会長の広沢春彦氏のトロッター三十頭輸入のための外貨の割当は申請してあるのですか。
#123
○樋詰政府委員 それはしてあります。
#124
○神田(大)委員 外貨の割当を申請する場合には発注書に基いて申請書というものができておると思いますが、その申請書の内容について詳しく御説明願いたいと思います。
#125
○樋詰政府委員 昨年の十月の十一日付で、約五億円、三十頭ということにいたして、総額十万ドルの家畜としての馬の申請が出ております。
 それから外貨割当の申請は、トロッター協会から委託を受けました藤井商店で約三十頭の馬を輸入をするので十万ドルの外貨がほしいということで、藤井商店名義の申請書ということでございます。
#126
○神田(大)委員 実畜である馬というのは種別であって、それに対して品種の欄にどういう品種であるかというのが申請書に書いてなくちゃならぬと思いますが、それが書いてあるかどうかお尋ねします。
#127
○樋詰政府委員 外貨割当の申請書自体には馬という規定以外にさらに詳しい明細はついてございません。
#128
○神田(大)委員 為替管理規則に、外貨割当の申請をする場合には品種、銘柄を記入することが明記されておりますが、そのような品種、銘柄が記入されないものをどうしてあなたたちは受理したかお尋ねします。
#129
○樋詰政府委員 従来からいわゆる税関のコード・ナンバーというので同じような種類の中でもいろい品名に分けてございますが、その税関のコード・ナンバーに従った品種、規格といったようなものは、われわれの方で外貨割当をいたします際に、税関を通過する際に間違いが起らないようにということで分類はいたしておりますが、同一のコード・ナンバーの中におきましては大体それ以上のこまかい分類はしないというのが今までの一応の慣例というような格好になっております。
#130
○神田(大)委員 種別、銘柄を記入することが為替管理規則に書いてあるのを、慣例だからとして記入しないというのは私はどうもおかしいと思うのです。そういうところにいろいろと為替管理の割当に対する疑惑が生まれてくると思うのです。そういう点についてどうお考えですか。
#131
○樋詰政府委員 従来は今申し上げましたように、たとえば羊毛といった中にもいろいろな種類のものがあるという場合に、洗いあげであるか油つきであるかあるいはウールかトップかといったようなことでの区別は、一応現在の法令が要求している程度の分類だろうというふうに心得てやってきたわけでありますが、同一のコード・ナンバーの中におきましては、先ほど申し上げましたように、従来から年に非常に多数の件数の割当ということをやっておるわけでございますけれども、ほとんど問題も生じなかった。たまたま今回こういう事例がございまして、馬ということのために、馬なら何でもいいのかといったような御議論等もいろいろいただきましたので、その後は――このあとでも政府輸入の牛がございましたが、その際ははっきり品種、性別を為替の割当の条件そのものにうたいまして、もしそれが変る際にはあらためて申請していただくといり間違いのないような措置をとることにいたしまして、その後は間違いなくやっておるわけでございます。
#132
○神田(大)委員 そうすると、今まで品種、銘柄を書かなかったことは、あなたたちは慣例だから書かなくてもいいということでありますが、書かなかったためにそういう疑惑が生れてきたことについては、規則で書くべきであるのを書かないということ自体においてはこれは規則違反であるとわれわれは思うのですが、あなたたちはどうお考えです。
#133
○樋詰政府委員 はなはだ申しわけございませんが、それは第何条でございましょうか。
#134
○神田(大)委員 為替管理規則の第五条に「令第九条第一項の規定により外貨資金の割当を受けようとする者は、別表第四で定める様式による外貨資金割当申請書三通を通商産業大臣に提出しなければならない。」、こういうふうに書いてある。この別表第四の様式にはちゃんと種別、銘柄を記入することになっております。
#135
○樋詰政府委員 外貨資金割当申請書の様式の中には、まず商品整理番号とそれからその整理番号の品名と型及び銘柄というのがあるわけでございますが、われわれは一応その品名というところは家畜、銘柄のところに馬ということで従来やっておったわけでございます。
#136
○神田(大)委員 馬というのが銘柄であるかどうかは、まあ常識だと思うのですが、何種類であるかということが銘柄ですね。品名に家畜と書いて銘柄へは馬と書く、それでは意味をなさないでしょう。そういうことは別表に記入する精神に反しておるのじゃないですか、いかがです。
#137
○樋詰政府委員 その点につきまして、実は私もう少し法規を研究さしていただきたいと思っておりますが、確かにわれわれの方でもすべての今までのやり方というのが、これで百パーセントよかったかどうかということには、非常に大きな反省をしたわけでございますので、その後は先ほど申しましたように、一応最も常識に合うといったようなところまでは、はっきりこの上で書こうということで、特別条件なり何なりでも、雌雄の別まで書くということで、間違いないようにやろう。さらに単なる型、銘柄という以上に規定すべきものは規定するところまでいこうということで、その後進めておるわけでございまして、われわれのやり方の型、銘柄というところは馬だけでいいかどうかということにつきましては、間違ったというふうにも私は断言できないんじゃないかと思いますが、さらによくこの点研究さしていただきたいと思っております。
#138
○神田(大)委員 あなたたちは間違ったということはないと言うが、間違ったとか間違わないとかいうことじゃなしに、法律に基く規則とか令とかいうものを忠実に守るというのが、あなたたちの職務なんです。その忠実に職務を守らないことになる。私は間違ったとか間違わないとかいうことじゃないと思う。品種のところに家畜と書き、銘柄のところに馬と書くことが妥当かどうかということは、はっきりしておる。あなたたちがそういうことを、いつまでもいろいろのことを言って言いのがれをしようとするならば、私はこの問題については一生かかってもやります。そういうことは断じて聞きのがせないことです。法律に基く規則を忠実に守るということがあなたたちの職務なんだから、それについて歴然たる違法に対して、あくまでも何とかいって言いのがれをするというならば、私はきょうでもって大体この馬の問題は結論をつけようと思ったのですが、あなたたちがそういうことであるならば、あくまでも追究しなければならぬ立場に立つと思うのです。そういう意味合いにおいて、一つ率直なる見解を表明してもらいたい。
#139
○樋詰政府委員 先ほどの申し上げ方が悪かったかと思うのでありますが、われわれの方でも今までの書き方というのが、法の要求しているもの百パーセントそのまま事務の上に移したかどうかという点については、欠くるところがあったのではないかということを反省しましたので、その後はさらにこまかに書こうということになったわけでありまして、今までのやり方というものにつきましては非常に不十分であった、法に対して必ずしも百パーセント忠実であったと言えないところは申しわけないと考えております。
#140
○神田(大)委員 それでどうしてもこれが規則に違反してないというならば、これはほかの面からまたお尋ねしますが、この申請書に添付すべき発注書には、この三十頭のトロッターの場合はどういう発注書が出ておるか、それを一つ詳細に説明願います。
#141
○樋詰政府委員 昨年の十月十一日付で、トロッター協会長から出ました発注書には、米国産のトロッター三十頭、雄が五頭、雌が二十五頭、予定価格は一頭雄が百八十万円で雌が百万円、輸入先は米国のカリフォルニア州及びイリノイ州、輸入日は三十年十一月ないし十二月、こういうことになっております。
#142
○稲富委員 関連して。次長にお尋ねしますが、従来馬に対してまして外貨割当をしたことがあるかどうか、その点を一つ承わっておきたいと思います。
#143
○樋詰政府委員 毎年割当をしてきております。
#144
○稲富委員 その当時の申請書の文書でございますが、銘柄にはどうなっておったか、従来の慣例はどうなっておりましたか、その点を一つ承わりたい。
#145
○樋詰政府委員 手元に古いものの写しを持っておりませんが、従来から今回の申請と同様に型及び銘柄という欄は馬あるいは牛ということで入れている、そういうふうに承知いたしております。
#146
○川俣委員 関連して。今の銘柄のところは馬及び牛になっている。これは生きた動物の取扱いの中の馬であり牛である。ところがあなた方実際の割当は単なる馬、単なる牛ということで割当をやられておったかどうか。また競走馬は輸入しないという建前をとっておられたのは、法規上どこに根拠を置いてとっておられたか。この二点について聞きたい。
#147
○樋詰政府委員 まず初めの方のお話でございますが、外貨の割当そのものは、馬ということでやっております。割当の審査の段階におきましては、実需者と発注者からの申請内容というものを十分に検討いたしまして、そうして今回の場合であればトロッターが入ってくるというつもりで通産省としては割り当てた、そういうことになっております。それから競走馬を輸入しないということの法的根拠ということでございますが、これはいわゆる主務官庁たる農林省の方の馬に対する政策から、その政策に合ったような外貨の使い方をすべきであるということで、一応競走を専門の目的としての馬は入れないのだというのが農林省の御方針であるというのであれば、あとはわれわれの方もその主務官庁の御方針を尊重する。外貨の割当処分と申しますのも行政官庁の裁量処分でございますので、これは別に法的根拠で競走馬を入れたらいかぬといったことはございませんが、行政方針として割り当てないという政府の意思を表示しているわけであります。
#148
○川俣委員 馬とか牛とかいうのは行政方針だ、こう言われますが、行政方針でありましても、一定の基準がなければならないと思う。権限者が基準をきめなければならない。最後の権限者、最後の決定権を持っているのは通産大臣だということだと思うのです。あなた方は――この前に出られた人は、事務官でも割当の権限があるという答弁をされた。これはいずれ取り消されるだろうと思っていたが、まだ取り消されておりません。そうなると、一定の基準、馬と牛の基準というものはどこで作られたか。外貨の割当といりのは閣僚審議会で決定される。それを一行政官が認定する権限はないと思う。行政措置だというが、最後の決定者でなければ行政措置は行われないはずなんです。だからどこでいつどういうふうにきめたかということをお尋ねしたい。法的根拠というのはそういう意味です。いつどこでどういうふうにきまられたか。あなた方は馬であり、牛であるという標準だ、行政上の標準はそこにあるのでしょう。従ってまたその下に行政措置を講じるというなら、何らかの根拠がなければならぬはずだ、その根拠を示してほしい。
#149
○樋詰政府委員 それは今お話の通り、外貨割当の権限を持っておるものは通産大臣ということでありますが、一応内部的にはそれぞれの局長なりあるいは課長なりに内部委任という格好で権限をまかしておりますので、そのまかされました局長あるいは課長が大臣の名前において割当する。結局大臣の御委任のもとに大臣の名前において事務をするという格好をとっているわけでございます。
#150
○川俣委員 それは大へんな答弁違いになりませんか。大臣から委任を受けているということはないはずだと思う。大臣の決裁の便宜のために事務処理することにはできておりますけれども、大臣の代理なんということはないはずですよ。国務大臣の留守中は代理を置くことになっておる。国務大臣の代理というのは事務官が持っておるわけがない、局長も持っておるわけがない。だから大臣の決裁に便宜ならしめるための事務の取り扱いはあなた方受けておる。権限の委任を受けてるなんというのは私は初めてだ。
#151
○樋詰政府委員 私どうもはなはだそういう法律的な表現で申し上げるのが不得手でございますので(川俣委員「君は政府委員じゃないか」と呼ぶ)あれでございますが、一応内部のいろいろ文書処理の規定その他で、こういう事務は一々大臣の決裁までとらなくて、局長あるいは課長というところまで決裁をとれば、あとはそれをもって通産大臣の意思であるということで事務処理してもよろしいというふうに、事務の処理上大臣の御意思がこうであるということを伝えることをまかされておる、そういうことでございます。
#152
○川俣委員 それもおかしい。通産大臣は決定権を持っていないのですよ。通産大臣は閣僚会議の事務を遂行することになっておる。明らかに法律の根拠はそうなんですよ。事務とっていてそんなこと今ここへこなければわからぬではしょうがないじゃないか。それだから権限の逸脱を行う。閣僚会議の代理を通産大臣がやっておるのです。
#153
○樋詰政府委員 いや、その外貨を決定するのは閣僚審議会が定めるところによって通産大臣がこの割当の事務を施行するという格好になっております。その割当の事務を施行するに当っての大臣のお仕事というものを、それぞれの商品の種類その他に従いまして局長あるいは課長が割当の実務をやってよろしいということで、閣僚審議会令に基く、閣僚審議会から通産大臣に委任されている権限の行使に当っての実務の処理を、それぞれの局長、課長が役所の執務上の便宜によって代理と申しますか、扱わさせられておるということでございます。
#154
○川俣委員 そういう説明ならよろしい。
#155
○村松委員長 田中幾三郎君。
#156
○田中(幾)委員 この問題はきわめて小さい問題のようであって、しかも大きな結果をもたらしてくる。あなた方の方の出した外貨資金の割当承認書に基いて、河野農林大臣と永田雅一君がアメリカで買った三頭の馬が、この陰に隠れてというか、あるいは関連して入っておるわけなんです。この三頭に対する割当があったかなかったかということ。それからこの三十頭に対する割当の外貨が正式に承認を受けずに、やみのような形で清水貿易に払われておるという外国為替管理の非常にこれは重大な問題になっており、またこれを確定しておかなければ、政府がやみのドルの動くことを認めることになる。私どもがこの問題を追及するのは、こういうことであれば今後における外国為替管理というものが非常にずさんになっていくおそれがあるのです。そこで、先ほど神田委員がお伺いいたしました中にトロッター協会、すなわち実需者であるところのこのトロッター協会が品名をわざわざ米国産トロッターとして申請してあるでしょう。申請人がトロッターという品種、すなわち銘柄をわざわざ書いて注文をしてある。さらに数量についても、牡馬が五頭と牝馬が二十五頭、合計三十頭という数を明確に書いてこれは申請をしてある。ところがあなたの方から出された承認書によりますとアバウト云々と書いて約三十頭となっている。なぜ三十頭という明確な数量を申請してあるにもかかわらず、約三十頭というような数量の不確定な承認書をわざわざ出したかということ、これは事務当局の過失であれば事務当局の重大な責任です。わざわざやったとすれば、河野農林大臣のこの三頭の馬を輸入するためにわざわざ約三十頭としてこれへ包含せしめたという、そこに策謀があったということを疑われるところのおそれがある。そこでこの点についてお伺いしたいのですが、なぜそういう発注書と違った承認書を出したのであるか、もしそれが過失であったとすれば公務員の重大なる義務の違反です。故意にやったとすれば、これは大きな外国貨物を輸入するための陰謀によるものである。でありますからこの点は、ことに河野農林大臣はアメリカにおきまして畜産博覧会の組合長か何かから馬の一頭を贈られるという話もあった。そうしてこの間井上業務部長の話を聞きますと、二頭は見たけれども一頭は見なかった。そうするとその一頭は向うから購られたものであるかもしれないという疑惑を生む。これはこの際にはっきりしておかないと、河野農林大臣の身辺にいろいろな疑惑の起っておるこの際に、こういうことがはっきりしないということは、私は河野農林大臣の名誉のためにも進んで農林当局もしくは通産当局がこれは明確にしなければならぬことだと思うのです。第一に前提として、なぜトロッター協会の申請した発注書と異なった承認書が出されておるか、この点を一つ明らかにしてもらいたい。
#157
○樋詰政府委員 私どもで外貨を割り当てます際には、一応の数量というものは、もちろん予定通りの単価で買えればその通り買える、こう思われますが、外貨の割当は品物の数量で割り当てるのでなくて金額として割り当てるという格好をとっておりますので、三十頭買いたいということを一応計画してこられた。ところがかりに非常にその単価が上って、その外貨では少し数量が少くなるといった場合に、予定通リの数を入れなければ本来の目的に沿わないのだというようなことになれば、これは当然またあらためて追加の申請というようなものも出てくる、こういうことになると思われますので、十万ドルでほんとうに三十頭ぴっちりになるのか、あるいは十万ドルに三十頭が足りないのか、あるいは若干余るということになるのかということは、現実の購買をした上であるいは不足分が出るかどうかということもあるのじゃないか、そうも考えられるわけでございますが、とにかくわれわれのところで十万ドルの割当をした際に、もちろん前提といたしましてはトロッターが三十頭買われるということをわれわれは前提としてここで割り当てたのでございますか、このときに必ずしも三十頭がこの十万ドルでぴっちり買えるのか、それとも若干過不足というものも生ずるのかということにつきましては、とりあえず十万ドルの外貨というものを下さい、そうすればこの馬を買うということについて大体本来の目的を達成されるのであるというふうなことであれば、三十頭があるいは三十一頭になり二十九頭になるから、これはとたんに法令違反だということにもなし得ないということで、私実はほかの全部のものについてアバウトが入っているかどうかということをはっきり記憶いたしませんが、たとえばわれわれの方で、ちょっと話はそれるのでございますが、金額と一緒に数量も規定するというふうな物資もございます。これはこの数量以上になったら金額が余ってもだめだ、あるいは金額が一ぱいになれば数量が足らなくても打ち切るということを、はっきり外割の上に出しているという場合もございますので、この際三十頭分として十万ドル割当てた、ところがその際に三十頭では過不足ができたという場合には、申請が三十頭だから普通なら当然三十頭と書くべきでございますが、アバウトという言葉を入れたというのは、三十頭買うつもりで三十一頭になるかもしれない、あるいは二十八頭になるかもしれないというようなこともあるというので、そのあたりは発注者との間にある程度の話でもいたしまして、大体十万ドルで買えるところまで買ってくるというようなお話があるとすれば、割当官庁の方としては、そこまで別に追及しないということで割当てたわけございます。
#158
○田中(幾)委員 そうしますと、これはあなたの方の親切心から意識してやったことですか。申請者の方は、三十頭買えなければ、二十九頭でも二十八頭でも済ましたのだろうと思う。それを役所が進んで、三十頭と数量を限ってやってあるのに、わざわざあなたの方がごまかしたといっては語弊がありますけれども、幅を持たしてそういうことを書いたところに、意識してやったかどうかという問題がある。われわれは、さっき申し上げたような事情がなければすなおに認めるのですけれども、また後ほどお尋ねしますが、これがあるために三十三頭とやってもそれで入ってきたかも知れぬということが起ってきている。ですから私どもとしては、出すときに本人の方に別にそういう意思がないのに、わざわざ農林省の方でやって、ことにこの問題については、本田事務官というのがわざわざ永田の方へ外貨の割当があるということを通知しておるのでしょう。そうしてあなたの方から発表のあったのは十月十日です。そのすぐ翌日の十一日に申請を出させておる。河野農林大臣と永田君とが買ったのは九月二十六、七日ごろなんです。そのときには、外貨の割当のあてもなしに、ただあるという風聞を聞いて向うで馬を買っておるわけです。それは、前期の分があると思っていたところがなかったので、関係者があわてて、どうしたらいいものかという相談に基いてやったものとわれわれは考えておる。そこで十日にあなたの発表があると十一日にすぐ申請されておる。あなたの方の許可が二十四日でしょう。永田は十四日に金を払っておる。ここにもすでに問題がひそんでおると思うので、これは後ほど尋ねますが、そういう疑惑に包まれた中にこの承認書が発行されておる。本人がわざわざ三十頭と言ってあるのに、三十頭余りという幅のある数量をやったということ、それからトロッターを買いたいと本人が言っておるのに、トロッターという銘柄をはっきりしないで、ただ馬とばく然と書いてある。あなたの方から輸入発表第二二一号として昭和三十年十月十日に第六回輸入公表における雑輸入品中家畜の外貨資金割当についてという書類が出ている。その中の別表というのを見ますと、馬の中に一、サラブレッド種、アメリカン・トロッタ一種、二、アングロ・アラブ種、アングロ・ノルマン種、プルトン種、ベルシュロン種、こう銘柄をわざわざ別表に書いてある。しかも申請者がトロッタ一種ということをわざわざ書いてあるのに、これを削って、ただ馬という広いワクの承認書を与えたということは一体どういうわけか。先ほどるるアバウトについて説明がありましたが、私は満足いきませんけれども、これは押し問答になりますからあとに譲りますが、トロッタ一種とわざわざ書かずに馬と書いたのはどういうわけですか。
#159
○樋詰政府委員 先ほども申し上げたと記憶するのでございますが、一応われわれといたしましては、外貨の割当というものは、当然発注者の望むものが入ってくる、そういうことの前提で割り当てておるわけであります。そこでたまたま家畜という中を牛とか馬とかいうだけで分けているという、事務的にはなはだ法規に忠実でないというやり方を慣例的にとっていたということは、はなはだ申しわけないのでございますが、そのためにその後のものにつきましては、できるだけ詳細にやるということで現在発行いたしております。このときの割当はそれまでの誤まった行政のやり方であって、確かに今日のこういういろいろな問題を引き起したということは、通産省にも事務的に手落ちがあったということを申し上げられると存じておりますか、ただこの際やったのは、従来の慣習として馬、牛という大きな割当で従来何ら支障なしに来ておったために、それを踏襲したということでございます。
#160
○田中(幾)委員 私はなぜ銘柄をやかましく言うかと言いますと、これを書かないと為替の管理が実際できない。これは私自分で調べたわけじゃないから明確には申されませんが、たとえば毛糸を輸入する場合に、番手が違っても為替管理法違反になって公判になっておるということを私は同僚の古屋君からも聞いておる。これは品種と数量をはっきり書いてやらないと管理法の違反になるのです。ですからそれをいい加減に書いておくということは、あなた方がこの管理法違反をみすみす見のがしておることになる。それでありますから私はこれをやかましく言うのと、これが後にサラブレッド種が入ってきておりますから、非常に大きなミスになっておると思うので私は言うのでありますが、あなたが今のような答弁なら、私は不満足でありますけれども、この点に関する限りはこれで打ち切っておきます。
#161
○神田(大)委員 大事なことですから確かめておきますが、発注書にはトロッターと銘柄が書いてある。通産省としてはこのトロッターを輸入するものとして許可を与えた。これはサラブレッドやそのほかの馬が入ると思って許可を与えたものではないと思うのですが、それに間違いありませんね。
#162
○樋詰政府委員 外貨の割当の際にはその通りであります。
#163
○神田(大)委員 外貨が余ればサラブレッドを入れてもいいということを、農林省と話し合って藤井商店に口頭で伝えたかどうか、お尋ねします。
#164
○樋詰政府委員 これはこの前の委員会で私申し上げたのでございますが、通産省といたしましてはたまたま馬として受け、た外貨というものが一部余りそうだというので、トロッター以外の馬の改良ということも必要と思うから、サラブレッドを入れたいというようなお話がかりにあったといたしますれば、これは農馬あるいは一般の馬というものの改良ということは農林省の所管でございますので、その所管官庁の方で必要だというふうにお認めになるものであれば、外貨としては一応通産省全体の予算のワクの中から家畜に十万ドルさくのに異存がないということで差し上げてありますので、もしそういうお話があれば、当然通産省の方でも同意して、あらためて申請を出せ、こう言ったと思うのでございます。
#165
○神田(大)委員 そういう話があれば、あらためて申請書を出させて、そうして許可を与えたというように今の答弁を解釈していいわけですね。
#166
○樋詰政府委員 通産省といたしましては、この前も申し上げたのですが、農林省が一声かけていただいて、そして通産省の方も、十分にその件について内容を検討する機会を与えていただけ礼ば非常に幸いだった。これはむしろ同僚の役所として、事務的の連絡というものをそこで省略されたことが、役所間の仁義として少し残念だったということを、この前も私申し上げたのでありますが、しかし一度割り当てたあとは、この前申し上げましたように、従来の慣習等から、馬としか書いてないということのために、馬であれば主務官庁の方の御指導等もあって、トロッター以外にほかの馬が入ってくるということそれ自体は、事務的その他でわれわれの方からわけしからぬというのは、道義的に、農林省になぜ連絡しなかったということは言えますけれども、そのためにトロッター以外のものが入ってきた、ところがそんな馬の割当は無効だということで、農林省に文句を言うことはできない、そういうことであります。
#167
○神田(大)委員 さっきあなたは、発注書にトロッターとしてある。トロッターというので申請を許可した。ところがトロッターでなくサラブレッドが入った場合に、これがあとでわかった場合――発注書というものは申請書に添付されるものです。添付された発注書と異なったものが入った場合は、これは無効であると私は思うのですが、その見解をただしたいと思います。
#168
○樋詰政府委員 現在の輸入貿易関税系統の法規によりますと、法律上拘束力を持っておると申しますのは、いわゆる外貨割当証明書に記載された事項だけということになっております。そこで今もお話のように、トロッターということで確かにわれわれは道義的には割り当てた。しかし割当を受けた方がそれ以外のものを買ってきたといったような場合、たとえば発注者の意思に反して全然ほかのものを買ってきて、発注者の間に問題を起すこともあり得ると思いますが、その際にも、為替管理法上の問題ではなくして、これは発注者からの委任を受けたにもかかわらず、その契約を履行しなかったという、当事者間の契約不履行といったような問題で、為替管理上の自体の問題ではないということになりますので、それと同様に、われわれの方で一応馬ということだけしか書かぬで外貨割当証明を出した。そうすれば、法律的にはそれ以上の拘束力はここではできない、あとは道義的の問題だと思います。
#169
○神田(大)委員 なかなかどうもうまい言いのがれをしましたが、そうすると、あなたたちは為替管理法違反で責めを負わなければならぬ。さっき田中さんが質問して、まあというようなことを言っておりましたが、私はそれは了解しません。というのは、発注書にトロッターと書いてあって、申請書には、ただ馬としか書かないというそれ自体において、為替管理法、為替管理令に基いたことをあなたたちはやらないで、犯罪を構成するのを無為に見過しておる。犯罪を構成することを援助しておる。そういうあなたたちの解釈だとすれば、これはあなたたちの種別銘柄のところへちゃんと銘柄を書くべきものを、故意に異なった銘柄を書いて、犯罪を助成したことになりますから、これはあなたたちの、この問題に関する限りにおいては見のがせないことであると思うのですが、その点どうです。
#170
○樋詰政府委員 先はどの型および銘柄という欄、これは今までの馬というだけじゃ確かに不十分であったと、私今そういうふうに感じているわけでございます。この点非常に申しわけないと思っておりますが、輸入発表に、実需者の発注書を添付すべきことを条件としてやっている。この発注書に基く外貨割当の範囲内で予定通りの輸入を行なって、なおその残額があるという場合に、その残額を利用して、実需者からの発注書にない馬を買うということが、いわゆる法律的に輸入発表違反といったような効果があるかどうかという点でございますが、この点につきましては、一応われわれの方で検討したときには、これは先ほど申し上げましたように、われわれの方の今までのやり方が、先生のおっしゃる通り、法規そのままやっていない。非常に不忠実だという点はあるかと思いますが、こういうやり方をやってしまったあとは、輸入発表違反というものは、これは法律的に違法であるということは言えないじゃないか、そういうふうに一応解釈しているわけであります。
#171
○神田(大)委員 そうすると、あなたたちが発注書に書いてあるトロッターというものを、銘柄のところへ入れなかったということについて、忠実に規則を実行しない、実施しないという点において、これは何というか、公務員の服務規定に違反することになると私は思うのですが、その点どうです。
#172
○樋詰政府委員 従来のわれわれのやり方が、非常に規定に忠実でなくて、公務員としての義務に違反している、そういうことでありますならば、われわれとしてはその義務違反ということに対して責任は当然負うべきである、こういうふうに考えております。
#173
○神田(大)委員 あなたたちの規則違反は明らかだと私は思うのです。もしそういうあなたの解釈だとすれば……。しかし私は、この問題に関する限りにおいては、これはもっと根が深い、こう思うのです。このことについて少しくお尋ねしたいと思いますが、畜産局長がいらっしゃいますから、畜産局長の方に一つ方面を変えて尋ねますが、この前サラブレッド種種馬輸入に関する調査報告書というものが配付されました。この報告書によりますと、農林省はトロッター協会からの輸入の委託をされて、相談になって、余ったものがあれば、サラブレッドを買ってもいいというようなことを藤井商店に口頭で了解を与えたということになっておりますが、これに間違いないのですか。
#174
○渡部(伍)政府委員 先ほど通商局の次長からお話がありましたように、あとで法律上手続の不備だったということがいろいろ議論されているのでありますが、トロッターの十万ドルの許可については、昨年二十五頭を入れておりまして、ことし三十頭入れる、それを下期の外貨予算に組むことについては、農林省の中で七月二十二日に最初の案ができているのであります。最後に通産省と、それでは十万ドル出そうということがきまったのは、九月の終りであります。それは数回の折衝を重ねてそういうことになったのでありますが、その後サラブレッドの輸入の問題が起りまして、いろいろこれの外貨の処置を考えておったときに、トロッターの実際の現地の情報等を見ると、相当程度余りそうだということが推定され、そういう結果、もし余裕分があればそれを回してもこれは仕方がない。幸いに当時、十月の初めだったと思いますが、井上業務部長が帰って、向うの情報等もいろいろありましたので、いよいよとなったら、外貨の予備金の申請をするという腹で、大体余裕金があるという前提で、藤井商店にそういうことを話したのであります。
#175
○神田(大)委員 余ればサラブレッドを買ってもいいということを口頭で与えたが、トロッターを買う申請が十月十一日に出たときには、すでにサラブレッドは井上さんが渡米中に話をつけて買ったのです。トロッターはまだ買わない、余るか余らないかわかりもしない、しかし一方のサラブレッドは買っておるのです。そういうような事情をわかっておって、なぜ余れば買ってもいいということを言ったのです。
#176
○渡部(伍)政府委員 私の方ではサラブレッドを買いたいという話でありまして、買ったという話は正直に申しまして聞いてないのであります。ですからあくまでも買うかもしれぬという前提で話を進めておるのであります。
 それから十日に公表して十一日に申請したとこう言うのですが、これは事務の手続で、実際に形式的に整う前に関係官庁の間ではいろいろ相談ができておるのでありまして、あと公表をいつにする、その公表を待っておってすぐ申請ができるような準備をしておるのでありますから、その後申請をして二十四日に許可を得た、そして十四日に永田氏の方から藤井商店に金を払った、こういうようなことでありますが、その前に申請の方は形式的にどんどんトロッター協会の方に話が並行的に進んでおるのであります。
#177
○田中(幾)委員 今の点ですが、外貨資金の割当ということは通産省がやるので、あなたの方で割り当てるのじゃないのです。もし他人に割り当てた外貨をあなたの方で口頭でもよいからよろしいということになると、あなたは私から言わせると、やみのドルを使う共犯なんです。そうすると今まで過去二回にわたる本件の調査によると、サラブレッドが入ってきたか、 トロッターが入ってきたかということを中心にしてやっておった。むろんこれは先ほど申しました通り種類の変ったものが入ってくれば為替管理法違反にもなるかもしれません。しかし私は別の立場で、一体外貨資金の割当は物にやるのか人にやるのか、この場合はトロッター協会の発注によって藤井商店が代行して――外貨そのものを使えるのはトロッター協会なんです。それをトロッター協会の使えるものを、通産省の承認を得ずにサラブレッドを買ってきたからこれを使えということはだれが言えるのです。そんなことを言ったらどうして為替管理ができますか。私どもが問題にしておるのは、すでに河野農林大臣と永田雅一君が三頭のサラブレッドを買って持ってきておる。清水商店に手付金を払って買ってきておる。これは外国の貨物なんです。この外国貨物を買うには、先ほど神田委員の言った通りに、通産省へ輸入の承認の申請なり、外貨の割当を申請してやるのです。その前には承認を受ける義務に違反して外国で物を買ってはいけない。外国為替及び外国貿易管理法の五十二条によって外国貨物を輸入する承認の義務を負わせることができる。この輸入承認の義務に違反したときには、法の七十条の二十二号によって三年以下の懲役、三十万円以下の罰金ですよ。これはごらんになったらわかる。この解釈をあなたの方に求めようとは思いませんが、私は事実を確かめておるのです。向うで馬を買って、代金は外貨の割当、輸入承認がないのに十月十四日にもう払っておるのです。そこで問題は二つある。輸入承認も何も持たないで外国へ行って、ほしいものが買えるならだれでも買えるのです。留学なり旅行して、ほしいものを買い込んで、帰ってきて払い込むのならだれでもできる。外国為替管理法というものは要らないのです。三頭の馬が外貨がないためにおくれておったわけです。その約束がすでに五十二条によって違反であると思う。一応当局の解釈も伺いますが、これは最終的には裁判ですから、あなたに最終的な決定を伺おうとは思いませんが、外国為替管理をやるあなたの方として、輸入の許可も外貨の持ち合せもなくして外国で物を買うというこの義務違反があるかどうかということ、それから十月十四日に日本で金を払っておるでしょう、これは明瞭にこの法の二十七条の外国に向っての支払いになるのではありませんか、私は一応このことについて解釈が伺いたいということと、もう一つ、一体サラブレッドが三頭来まして、二月八日に登録してあります。河野一郎の名前で二頭、永田雅一の名前で一頭、二月の八日に馬の登録がしてある。そうしますと税関は何によって通過してきたかという問題です。そこで今の問題に触れますが、ただ馬ということになりますと、藤井商店に頼んで、その馬の陰に隠れて入ってきたとすれば税関をだましたことになる、詐欺になる。税関をだまして、それを伏せて、そうして許可のないものをトロッターの陰に隠れてサラブレッドが入ってきたということになる。税関は一体どの輸入の許可証で入ってきたか、それを伺います。
#178
○樋詰政府委員 今先生のお話にありましたように、最終的な決定ということはそれぞれの公的な機関がなされることだろうと思いますが、一応この規定を常識的にすなおに読みますと、許可なしに外国で物を買って債権債務の発生の当事者になるということ、これは確かに私の解釈では法に触れるというように思います。ただしその際に何か停止条件でもついておるようなことにでもなりまして、将来外貨の割当を受けたならば一つ日本に送るからということで買ってくれ、もし外貨の割当がなければ自分の方で引き取ればいいのだからというような停止条件でもついているということであれば、これは一応法律的に二十七条あるいは判例の十何条ですかにある規定に直接的には引っかからない、このあたりの問題は事実の認定の問題と、あるいはさらに権威ある機関の解釈に待たなければならぬ、こういうふうに思います。
#179
○田中(幾)委員 そうしますとこのトロッターの三十余頭の承認ということは一体だれが使う権利を持っておるのですか。またあなたの方のあらためての外貨割当の承認を得ないで、陰で、これはだれが使ってもいいという承認を与えていいものかどうか、この点を……。
#180
○樋詰政府委員 外貨は割当を受けまして名義人に一応渡したということでございますので、この場合には藤井商店が十万ドルの外貨を使って馬を入れてよろしいということで、一応法律的には認められておる、従いまして先ほども申されました税関の方でいかなる法的根拠に基いて通関したかという場合にも、一応馬ということの割当で十万ドルの範囲内ということであれば、当然税関は通関させざるを得ないというように法的に考えております。
#181
○神田(大)委員 この外貨割当の場合、実需者というものが発注書に載っておる。トロッターの場合はトロッター協会、サラブレッドの場合は一体だれですか。
#182
○樋詰政府委員 サラブレッドの場合は、藤井商店に対する発注者は永田氏だそうであります。
#183
○神田(大)委員 永田氏の発注書を詳しく発表願います。
#184
○樋詰政府委員 先ほど申し上げましたように、私の方には正式のサラブレッドを買いたいという申請は出ておらないわけでございまして、従って私の方に永田氏の発注書というものは出ておりません。ただ藤井商店がもらった外貨でサラブレッドが買えるということで、永田、氏が藤井商店に私的契約で頼まれたのじゃないか、そういうふうに解釈しております。
#185
○神田(大)委員 これは為替管理法でしたかで、外貨の割当は実需者に割り当てるということになっておりますが、発注書のない者に外貨の割当ができますか、お尋ねします。
#186
○樋詰政府委員 輸入貿易管理令の第九条の「外貨資金の割当」で、閣僚審議会が外国為替予算において外貨資金の割当を行うべきものと定めた範囲の貨物を輸入しようとする者は、通産大臣に申請して、当該貨物の輸入に必要な外貨資金の割当を受けた後でなければ、第四条第一項の規定による輸入の承認を受けることができないとあって、この際輸入の承認を受けた者あるいは申請した者というのは全部藤井商店ということになっております。そこでこの場合の外貨割当の直接の当事者というものは藤井商店であります。藤井商店が外貨資金の割当を申請した場合に、それに対して通産省の方で資金の割当をするという際の審査の対象になるものは、農林省等でお認めになった発注書、あるいは農林省の方から通産省に対する依頼状と申しますか畜産局長からの書状というもの等から、そういう内容のものであるならば、それを取り扱うという商社が申請した場合にその通りの外貨を割り当てるということで割当てたわけであります。
#187
○神田(大)委員 外貨を割り当てるべきか割り当ててはまずいかということは果して馬が――藤井商店は輸入商ですよ。輸入商には外貨の割当の実需者としての資格はない。トロッター協会とかあるいは牧場とかだれとかいうような実需者であるとか、あるいは試験用とか実験用とか、そういうものに馬の外貨の割当というものはなされるべきである。その場合に発注書のない者に外貨の割当をやってもいいのか。十万ドルの外貨割当をとった実需者はトロッター協会である。ところが一万五千ドルでサラブレッドを買ったのは河野一郎あるいは永田雅一ということになっておる。これは申請者と実際の輸入をした実需者が異なっておる。この点をどう考えますか。
#188
○樋詰政府委員 外貨の割当ということの意味でございますが、大体われわれの方は、外貨というものを割り当てるというのは、結局それだけのものを外国に送金してもよろしい、そういう送金の限度を政府の方で認めて許可した、そういうふうに解釈しておるわけでございます。そこで御承知のように、終戦直後からずっと統制を継続しております時代、その間には需要者割当ということで、需要者に直接外貨を割り当てるということをしばらくやってきたわけでございます。ところが需要者の方は今神田先生もおっしゃいましたように、その入ってきたものを使用するということが目的たる者でございまして、その入ってきたものが確実にその本人の手に入ればそれで本来の目的は達成される。むしろ外貨を送金するという本人がその外貨を送金してもよろしいという許可をもらう、これが普通の場合の常態ではなかろうかというので、最近の外貨割当と申しますものは、実需者と称する方に――われわれ官庁の方で別途にいわゆる需要者割当が必要だと思われる者には使ってもよろしいという国内における使用権を証明する内示書というものを発行いたしまして、その内示書を渡された商社が現実に金を外国に送るというようなことから、外貨は自分で輸入申請書を申請し、信用状を開いて送る人の名義で割り当てるということに現在逐次改めつつあって、ほとんどすべてのものについてそういうふうにやっておるわけでございます。
#189
○神田(大)委員 外貨資金割当の会議の審査基準に、申請者の資格として、種畜の輸入についてはその実需者とはっきりなっておる。これはあんたたちがきめた。あんたたちが自分できめておるのに、この実需者でないものの申請によってサラブレッドが入るというのはどんなわけですか。
#190
○樋詰政府委員 ここに一応申請者は実需者ということになっておりますが、これは法律の中でもその実需者から委託を受けて、そうして実需者のために自分の名前で信用状を開くという道が開かれてございます。そこでここに一応実需者が自分でみずから信用状を開き、そうして送金するということであれば、これはトロッター協会が自分で信用状を開きますから自分で輸入申請ということでございましょうが、そのトロッター協会がみずから輸入申請し、外国に送金するということはふなれであってできないという場合に、その実需者であるトロッター協会の委託を受けて、双方の合意のもとに商社を選んだということであれば、必ずしも申請者の資格ということに触れないのじゃないか、そういうふうに考えます。
#191
○神田(大)委員 藤井商店がトロッター協会から委託を受けてトロッターを輸入したということであればこれは話がわかる。これは今あなたが説明した通りなんです。ところがトロッター協会の申請による十万ドルの外貨でもって、河野さんと永田さんがサラブレッドを藤井商店から入れたということは、これは外貨資金割当の申請者の資格とは異なったものであって、これは新たなる申請がなければこういうことはできないのじゃないですか。その点をはっきりしていただきたい。
#192
○樋詰政府委員 先ほども申し上げたのでございますが、この政府の輸入発表というものは一応政府の意思というものを一般に公示するという性質のもので、輸入発表違反というものについて直接法規上の違反としてのいわゆる処罰性あるいは違反性は生じない。そういう格好になっておりますので、先ほども申しましたように、私の方といたしましては、サラブレッドについてのあらためての申請がなかったということははなはだ遺憾なことでございますが、しかしわれわれの方が今まで慣例的に非常に大ざっぱなやり方をやっておったということのためにこういうことになったという……、あとで直接為替管理法の規定というようなものでとがめ立てばできない。実はわれわれの方としても、なぜこれは申請してくれなかったかということについては釈然たらざるものを持っておったわけでございます。
#193
○神田(大)委員 これは申請者と実需者が異なっておるのですね。実需者に外貨資金は割り当てる。これはトロッター協会の発注書によって藤井商店には割り当てたけれども、河野さんと永田さんの実需者としての資金割当はしてない。してないのに外貨を使ったということになるのです。この点は外貨資金割当の所管のあなたたちとしてどう考えますか。これははっきりしているじゃないですか。
#194
○樋詰政府委員 先ほどから同じことを何回も申し上げておるのでありますが、輸入発表に定める条件を満たしていないといった場合の法的効果いかん、先生のおっしゃるのは、輸入発表には、実需者として、こういうものをあげている、ところがサラブレッドといったようなものは、ないじゃないか、そういう何もない人間からの注文で買うということが為替管理法違反じゃないかというお話でございますが、これは一応私ども法制局の方にもこのあたりの法的根拠を確かめてみたのでありますが、これはあるいは法制局の方から直接伺っていただくのが、より権威のあるお答えができると思いますが、われわれが今まで確かめましたところでは、この輸入発表違反というようなことから為替管理法の違反という違反性は出てこない、そういうふうに承知しておるわけでございます。
#195
○神田(大)委員 これはあなたの見解とわれわれの見解とが違うんだから、これ以上同じことを追及してもあれですから、あとに回します。それで先ほど畜産局長ですが、余ったならばサラブレッドを買ってもいいというが、一体だれに買ってもいいというようなことを言ったのです。しかもこの余った外貨をトロッター協会が買ったんなら話がわかるんですが、トロッター協会と何ら関係のない人が外貨を使うということに対して、あなたは通産省と一緒にやはり外貨割当会議に参加しているわけですが、そういう点においては為替管理法というものもすっかりわかっているし、実需者でなければ外貨の割当を受けられないということもはっきりとわかっておるわけなんです。のにもかかわらず、そういうことをあなたたちが言明したということについて、あなたたち自分できめた規則に自分で違反をしているようなことをやっていいのですか、その点はどうですか。
#196
○渡部(伍)政府委員 先ほど来お話が ありますように、藤井が許可の申請者になっておるわけでありまして、藤井に対してサラブレッドの輸入の世話もしてくれという話になったのであります。そこでこの藤井商店は、そもそもトロッター協会から、その後また競馬会から、トロッター協会と競馬会が一緒になってトロッターの輸入をすることになりましたので、その委託を受けてトロッターを入れるということになっておったので、藤井商店がまずトロッター協会及び競馬会に相談したのでありますが、トロッター協会あるいは競馬会でも、為替法上の問題でいろいろ問題がある。従って独自ではできないから、これは農林省の意見を聞こうじゃないかということになって、農林省に来ましたが、農林省も先ほど申し上げましたように、もし余るならば使ってもいいんじゃないかということをこれらの関係者に話したので、直接には、藤井がすべての権限を法律的、形式的には持っていますから、藤井に話したということになりますが、トロッター協会、競馬会、藤井、それぞれ相談して藤井にあれしたのであります。
#197
○神田(大)委員 この藤井というのは、輸入商ですから実需者ではないんです。実需者というのはトロッター協会なんです。これはトロッター協会が余ったならばトロッターを買うなら、てれでいいでしょう。しかしながらサラブレッドの実需者は、その場合一体だれであるかということをあなたは知っておったのですか。だれがこのサラブレッドの実需者なんですか。
#198
○渡部(伍)政府委員 永田氏の方から馬を買いたいという話があったのであります。永田氏としては、直接新たに外貨を申請しなければいかぬ、ところか馬の関係でありますので、競馬会、トロッター協会しょっちゅう話し合いになっておりますので、いろいろ相談した結果、余りそうだ、余るならそれを使わしたらいいじゃないかという話になったのでありまして、藤井商店が独断でそういうことをきめることは、これも輸出入をやっているから、できないことはわかるので、十万ドルの申請をしているのは、トロッター協会のこの発注書に基いてやっているわけですから、発注書の権限を持っている人の了解を得なければ藤井は使えない。それで関係方面の了解を得た、こういうことになるわけです。
#199
○神田(大)委員 これはトロッター協会が発注書の実需者になっており、本田さんはサラブレッドの実需者であるとあなたが言いましたね。実需者の発注書をやった者と、あとで余ったから買うという者と異なってもかまわないのですか。注文した人が買うなら話はわかりますけれども、注文して外貨割当になった以外の人、外貨割当を受けない人が、余ったら勝手に買っていいのですか。
#200
○渡部(伍)政府委員 これはあとになってわれわれも非常に遺憾に思っているのでありますが、先ほど来話がありますように、藤井に対する申請が十万ドルということになっておりますので、その中にトロッターということは記入してない、これが先ほどからお話を聞くと、逆にわざわざそうやったのじゃないか、こういうお話がありますが、われわれはこの問題が起っているときは、全然そういうことは関係なしに、苦心惨さんしたわけであります。どこから金を集めるか、その相談をした結果、藤井の申請しているやつの中に余りそうだ。もし余らなかったら、外貨の予備金も申請しなければならぬ、これはこちらの腹づもりでありますが、そういう相談をして、まあよかろう、そういうことになったのであります。従って、これが法律上形式が整っていないということがあとでわかって、遺憾に存じておるのであります。われわれがやった経過はこれだけであります。
#201
○田中(幾)委員 神田委員からも今実需者の話がありましたが、なぜこれをわれわれが追及するかといいますと、発注者があって、その発注者を通じて取扱い者に外貨を割当てするのには、適格条件が要るわけでしょう。割当会議審査基準というものの中にも、申請者の資格というところに、家畜なら家畜の実需者、農業協同組合または連合会、牧場経営者、こういう実際に外貨を使う資格のある人が申請してくるがために、そういう者へ外貨を割り当てる、いわば割り当てられた外貨の戸籍がこういうもので明らかとなっておるわけなんです。しかるに余ったからといって、これに何ら関係のない永田もしくは河野両名の方から話があったからといって、正式の手続によらずにそのワクを流用していいのか、という問題が私は骨子だと思う。あなたの方の取扱いとしては、貿易商に割当てられた外貨が余裕があれば、同じようなものを買うのならば、だれが行って注文してもそれを使わしてもらっていいというお考えなんですか、この場合は困ったから臨機の処置をしたというのですか、一般的に外貨、外国貿易を管理する立場からいって、それはどういうふうですか。
#202
○樋詰政府委員 それは一応、申請者の資格というのは家畜の実需者、こういうことになっておりますが、その際に公共団体、学術研究機関かあるいは家畜の実需者か、あるいはそれらのものから発注を受けた輸入業者か、そういうことになっておりまして、この際には実需者であるトロッター協会から発注を受けた輸入業者である藤井商店というものに十万ドルの外貨を割り当てた。しかもそのときに、先ほどから再三申し上げているのでございますが、われわれの方の割当が、ただ馬十万ドル、こういうふうにだけしかいってございません。それといわゆる輸入発表あるいは審査基準というもの、これは政府の一般的な処理方法であり、あるいは政府部内の事務審査の基準ということでやっておりますけれども、これに違反するという行政措置が、ただちに為替管理法上の違反になるかどうかということにつきましては、これは先ほど来申し上げたのでございますが、さらに権威のある方にはっきりお確かめいただきたいと思うのでありますが、一応われわれが法制局に確かめましたところでは輸入発表違反あるいは審査基準違反ということ自体、これは直接為替管理法の違反事件にはならない。ただ、先ほどから申し上げておりますように、われわれといたしましては、当然当初の申請通りに外貨を使われることを期待してこれを割り当てたのでございまして、ほかの馬を買った、あるいは買いたいといったような場合には、やはり今回はさらにこういう馬を買うのだということを輸入発表いたしまして、そしてよく承知した上で買うというような方法をとるのが一番公平なやり方でもありますので、そういうふうな手続をとっていただけなかったことは、先ほどから非常に遺憾であると申し上げておるわけであります。
#203
○田中(幾)委員 これはそういう場合と違って、初めからトロッター協会がさらに三頭ほしいということではなくして、永田、河野両氏が前期のドルが余っておるということを当てにして買ってきた。ところがその前期の割当申請の期限が切れておって使えなかったので、あわてて皆さん困ったのでしょう。昨年の後期の割当の前に買ってきた貨物の支払いのために、外貨を要するのだということは、あなた方も知っておったのではないのですか。
#204
○樋詰政府委員 通産省といたしましては、新聞に出るまではサラブレッドが入ったということは全然承知いたしておりません。
#205
○田中(幾)委員 そうしますと、三月二十八日に渡部政府委員の答弁として、上期において一万五千ドルを使ってサラブレッドを入れたいというお話があったわけです。そのための金をどうしようかということで、先ほど来話がありますように、農林省の事務当局では苦労しておったわけであります。こういうので、つまり前期分で使おうと思って買ってきたのが、なかったからどうしようかということは、あなた方農林当局の間において苦心しているということは、あなた方自身から言っているじゃありませんか。
#206
○樋詰政府委員 そうじゃありません。農林部内ではそういうことをいろいろ議論なさったかもわかりませんが、通産省の方には一度もそういう話は伺っておりませんので、われわれといたしましては、何月でしたか、ことしになりまして馬が着いたということを、新聞で初めてサラブレッドが入ってきたと知って実はびっくりしたというのが実情でございます。
#207
○田中(幾)委員 そうしますと、この三頭で一万五千ドル分、五百四十万何がしを、あなたの方の外貨資金の割当を受ける前の十月十四日に、邦貨として藤井商店へ払った。これを藤井商店は代金として受け取ったのではなくして、清水貿易へ送る金として預かったんだと言っている。そうすると、外貨もないのに、外国で買ってきた貨物の代金として邦貨を内地で払ったということになるのですね。これは私の考えでは、二十七条ずばり違反で、二十八条の脱法行為すらある。向うの本店の支社がこちらにあって、その支社に払ってもいけないというのに、支店も何もない、日本に居住のない外国商社に対して、藤井商店を通じて支払いをしたということになるんですが、その点はどうですか。
#208
○樋詰政府委員 その間の事情というものは、私は当時全然あずかり知っておらないのでございますが、いろいろ本委員会での御審議等の経過から、今先生がおっしゃいましたように、為替の割当を受けるに先だって、一応代金の授受らしきものがあったということでございますが、もしそれがいわゆる外国にある財産取得の代償として非居住者のために邦貨で払うということになりますれば、これは先生のおっしゃいましたように、二十七条違反ということにならざるを得ないと思いますが、これは先ほど申し上げましたように、何かその前に条件というようなものがあって、為替管理の外貨割当の正式の許可を受けたならば、それは自分が買うということにしようということで、そういう条件付で向うとの話があり、またそういう条件を前提としてとにかく一応預ってくれ、しかしこれは許可がなければ、当然送るのではないといういわゆる債権債務の関係が、どういう格好で発生したかしなかったかということにかかるのではないか。もし今先生がおっしゃいましたような趣旨で、その間にいろいろ行われているということであれば、これは二十七条違反に一応なるという解釈をするのが常識ではないか、そういうふうに私は感じます。
#209
○神田(大)委員 本多事務官に伺いますが、本多事務官は、一万五千ドルの外貨があるというようなことを永田雅一氏の秘書である木村氏等に話したといいますか、そういう事実がありますか。
#210
○本多説明員 あります。それは上司から……(「上司とはだれだ」と呼ぶ者あり)畜産課の高橋技官から、永田氏が渡米するということを聞きまして、永田氏も河野大臣も馬が非常に好きである。おそらくはアメリカで馬を買うであろうということで、実は一万五千ドルを保留しておったのであります。ところが九月の二十日で受付の期限が切れるということで、もし永田氏がアメリカに行かれて、大臣とお会いになれば、至急買うか買わないか連絡してくれということで、それを木村秘書に連絡に行ったのであります。
#211
○神田(大)委員 余っておった一万五千ドルの外貨というのは、どういう性質の外貨ですか。
#212
○本多説明員 種畜の輸入の残額であります。
#213
○神田(大)委員 種畜の輸入の残額は、申請人がだれであって、幾らの外貨のうち、そういう一万五千ドルだけ余ったのか。
#214
○本多説明員 これはだれのワクというものではなく、結局年度当初は輸入希望を出しておったのでありますけれども、いろいろな事情でとりやめた。そのために未使用額が出たわけです。
#215
○神田(大)委員 要するに外貨割当というものは、申請人によって申請される。そしてその外貨が余っているわけですね。一万五千ドル余っているというのはだれの買うのが余っているのですか。総体的に一万五千ドル余ったということはちょっとわれわれには考えられないのです。その点はどうですか。
#216
○本多説明員 予算編成のときに一応都各都道府県からの申請、希望を積算して通産当局と折衝するわけであります。初めはドル地域、オープン・アカウント地域、ポンド地域とそれぞれの地域で、たとえば牛が何頭、馬が何頭であるから何十万ドルという積算をやって、それを毎年予算額として承認されたわけであります。承認されたあと外貨資金の割当申請が出るわけであります。そのときに一万ドルほしい人が八千ドルでよいというような事態が発生するものですから、年度末に残額が出たわけであります。
#217
○神田(大)委員 高橋技官が、一万五千ドルの外貨を余らしておいたから馬を買うなら一つ買ってこないかということを話したのですね。それは間違いないですね。
#218
○本多説明員 余らしたのではありません。
#219
○神田(大)委員 余ったのがあるから買ったらどうかというようなことを話したのですか。
#220
○本多説明員 はあ、そうです。
#221
○神田(大)委員 どういうわけでわざわざ永田さんに外貨が一万五千ドル余っているから買ってくれというようなことを――そういう特別な人に――あなたは農林省の事務官でしょう。官吏が民間人に注進しなくてはならぬ、何かそういうわけがあるのですか。その点はどうなんです。
#222
○本多説明員 これは馬ずきの大臣と永田雅一さんでもありますし、以前、八月の中ごろだと記憶しておりますが、今外貨がどのくらい残っているか、そのとき私は一万七千ドル未使用額がありますということを答えておったのであります。ところが……。
  〔「だれに」と呼ぶ者あり〕
#223
○本多説明員 高橋技官に。九月のたしか十二、三日ごろだと思いますが、もう期限も切れてしまう。一応自分の頭の中に一万五千ドル計画額として上っておるのでありますけれども、もし失効になってしまうと困るから、確認のため話に行ったわけであります。
#224
○神田(大)委員 どうもはっきりわからないのです。それでは高橋技官から、永田さんあるいは河野さんが馬を買うというような話があったのですかないのですか。
#225
○本多説明員 永田さん並びに大臣から高橋さんにあったかどうか私は存じません。
#226
○神田(大)委員 それはあなたが一万五千ドルの外貨があるというのをわざわざ出張して、永田さんの大映の本社の社長室かあるいはどこかおたずねして話したのですか。
#227
○本多説明員 私は大映の永田氏の秘書の木村竹千代に話をしました。大映の秘書室です。
#228
○神田(大)委員 あなたはわざわざ旅費を取ってそのために大映まで出張したわけですね。
#229
○本多説明員 大映の本社は京橋にありまして、わざわざ出張旅費はいただいておりません。
#230
○稲富委員 関連して。本多事務官の今の御答弁の内容を要約いたしますと、高橋技官から、河野農林大臣及び永田大映社長がアメリカに行かれるということで、河野農林大臣及び永田大映社長は日ごろ馬がすきだ、幸いに農林省には一万五千ドルのワクがあるから、その外貨のワクで買っておいでになったらどうですか、こういう命を受けてあなたは大映に行かれた、こういうことでございますね。そういう結論になるのてございますが、そうでございますか。
#231
○本多説明員 これは永田さんに河野農林大臣が買うか買わないかを確認してもらいたいということであります。
  〔「大臣がいつそんなことを言った
  ね」と呼ぶ者あり〕
#232
○本多説明員 たまたま永田雅一氏が河野さんに馬を買いたいと言うかもしれないということであります。
#233
○稲富委員 そうすると、ちょうど農杯大臣も向うへ行っている、永田さんも行くから、永田さんが河野に馬を買いたいと言うかもわからぬし、一万五千ドルのワクがあるからそれを上司の命令で教えた、こういうことなんですか。
#234
○本多説明員 はい。
#235
○稲富委員 農林省がそういう親切なことをわざわざ永田さんに言いに行ったというのは、あなたの一番上司である農林大臣がアメリカに行っているから、馬を買ってくるだろうということを予期して、永田さんが行くから知恵をつけに行ったわけなんでございますね。
#236
○本多説明員 永田社長がアメリカに行って大臣とお話になって、勝手に買われては困るということで、一万五千ドルを限度としてと話したのであります。
#237
○稲富委員 永田さんは馬買いに行ったのじゃないのでしょう。馬を買いに行きたいという意思表示でもあったならば、永田さんが馬買いに行くらしい、幸いこういう外貨のワクもあるからということで、農林省が永田さんに話に行ったことがうなずけます。おそらく永田さんは自分の社用で行ったのであって、馬を買いに行ったのではなかろうと思うのですが、社用で行くのに多分馬を買ってくるだろう、こういう想像をどういうわけで農林省はされたか、それはおわかりにならないのでございますか。
#238
○本多説明員 それは私にはわかりません。
#239
○芳賀委員 関連して本多さんにお尋ねします。実は四月の二十八日に、当委員会において競走馬関係の参考人を招致して意見を聞いておるわけです。そのときにあなたは出席されておったかどうか知りませんが、中村委員の質問に答えて永田雅一参考人は、競走馬輸入の経緯を述べておる。その冒頭に「昨年の九月十二日と記憶いたしているのでありますが、本日やはり同じ参考人といたしまして私の秘書木村君が参っておりますが、本社の社長室に木村君が参りまして、農林省の畜産局の本多事務官がたまたま来られて、馬の輸入に対する外貨が一万五千ドル余っているから、君のところの社長が最近アメリカに行かれるらしいが、アメリカに行かれたならば、種馬でもこの一万五千ドルで輸入されたらどうかということを本多事務官が自分、すなわち木村秘書に言ってくれた。だから社長、もしもあなたが馬を買う気があるならば、一万五千ドルの輸入のワクがある、こう言っておられますから、そのことを申し上げます。」これによると、本多さんあなたが行って、これこれだから社長に一つ勧めたらどうかということを述べておる。それ以前の経緯というものは永田参考人は全然述べていない。ところがあなたの今の説明を聞くと、それ以前に農林大臣が畜産局の係官に対して、永田君は馬を買う気があるから、一万五千ドル程度余して、そしてとっておけ、しかしアメリカに行く場合に、それを忘れるといかぬから、行く前に注意を喚起して、余った一万五千ドルが必ずあるから、それを有効に使うようにというような内意を受けて、あなたの上司の高橋技官の指示に従って使いしたということですね。
#240
○本多説明員 質問要旨がわかりません。もう一回お願いいたします。
#241
○芳賀委員 よく聞きなさい。永田参考人が当委員会へ出席して述べたことによると、畜産局の本多技官が、大映の社長室に木村君という秘書がおるでしょう、その秘書に本多技官が面会を求めて、外貨が一万五千ドル余っておる。余っておるというのは余してあるということです。アメリカへ社長が行く、そして外貨があるのだから、忘れないようにして馬を買ってこなければいかぬじゃないかという注意を喚起しにあなたは行った。本多さんあなた自身の発意で行ったのじゃない。聞いてみると、上役の高橋技官の命を受けて、これは公務か何か知りませんけれども、社長のところへそれを伝えに行った。これはあなたの意思によって行ったわけじゃないですね。永田参考人はこの程度のことしか言っていない。本多技官がそういう外貨が余っておるということを言ってきたから、それで外貨があるということがわかって、そして競走馬を買うことにしたのだということを述べておる。しかし先ほどの説明を聞いていると、それ以前にまださかのぼる問題がある。農林大臣が、永田君は馬が好きだから、競馬馬を買いたがっておるから、一万五千ドルのあれが余っておるが、アメリカに行ってそれ以上使われると困る、一万五千ドル程度しかないのだということを社長に言っておかなければならぬという意思で高橋技官を通じてあなたが行くことになったのじゃないかということを聞いておるのです。
#242
○本多説明員 これは輸入外貨の残額が一万五千ドル限度という意味であります。でありますから大臣が馬を買うということで行ったのではないのです。要するに大臣と永田社長は馬が好きで、アメリカで一緒になるから当然馬を買うであろう、その場合には一万五千ドルの限度しかないということを話しに行ったのであります。
#243
○芳賀委員 だから本多さん自身が自分の考えで一万五千ドルあるから買ったらどうかと言ったのではなくて、むしろ心配して、農林大臣と永田雅一君がアメリカで勝手な相談をして、どんどん競馬馬を買って送られては収拾がつかぬ、だからその限度は一万五千ドル程度しかないのだということを言っておかないとどういうことになるかわからぬという危惧があって言ったわけですね。そういうことじゃないですか。
#244
○本多説明員 その通りです。
#245
○川俣委員 関連して本多さんにお尋ねいたしますが、あなたが永田さんのところへ行かれたときは、永田さんは実需者ということでおたずねになったのですか。
#246
○本多説明員 永田は牧場に預託してありますから、当然実需者として認めております。
#247
○川俣委員 そうすると永田さんは牧場を経営しているから実需者である、こういう見解で永田さんをたずねた、こういう意味ですか。
#248
○本多説明員 永田は牧場を経営しておりませんけれども、牧場に預託をしております。
#249
○川俣委員 預託をしておるから実需者だという見解を持って、行かれたのかどうかということを聞いておるのです。
#250
○本多説明員 その通りであります。
#251
○川俣委員 そういたしますれば、需要原局が実需者に割当の予定金額を内示して、その範囲で需要者は輸入業者に輸入を委託することができるという、三十年度からの制度の改正に伴いまして、永田さんのところへたずねた、こういうことでございますか。二十九年度までは輸入業者に割当がなかった。三十年度から実需者が輸入業者に委託して輸入することができるというように変ったから、そこで実需者であるところの永田さんに輸入のワクを示して、買われるならば買ったらどうか、こう勧めた、こういうことですね。
#252
○本多説明員 その通りであります。
#253
○川俣委員 そうすれば永田さんから予算の外貨の割当の申請があるべきものと期待したわけですね。
#254
○本多説明員 その通りであります。
#255
○川俣委員 そうしたら永田さんから割当の申請が出たのですか、どうですか。
#256
○本多説明員 上半期、九月末までにはありませんでした。
#257
○川俣委員 そうすると下半期にはそういう申請が出たのですか。
#258
○本多説明員 下半期には電話か口頭で連絡がありました。
#259
○川俣委員 外貨割当は文書によらなければならないということ、一定の方式によらなければならないということを御存じありませんかどうか。
#260
○本多説明員 その通りであります。文書によらなくてはなりません。
#261
○川俣委員 そうすれば文書が出ない以上は申請があったというようにあなたが解釈されるのはおかしいじゃないか。電話で受け付けられるものであれば申請があったことをあなたが了解されてもよろしい。文書によらなければならないことを知っておられながら、電話で申請があったというのはおかしいじゃないですか。
#262
○本多説明員 もちろん木村からの、大映の永田からの連絡でありまして、文書は出ておりません。ただ電話で馬を選定したがどうしたらいいだろうという連絡があったのであります。
#263
○川俣委員 それは申請とあなた方がみなされるのですか。
#264
○本多説明員 申請とはみなせません。
#265
○川俣委員 そうすると、先ほどは申請があったと言い、今度は申請とみなさないというと、申請がなかったということになりますか。
#266
○本多説明員 前の、申請があったということは一応取り消します。木村からそういう予告があったということであります。
#267
○川俣委員 なぜ一体外貨は閣僚審議会等を経なければならないというふうにお考えになっておるか。非常にやかましい法律上の規定があるということを理解されておりますかどうか。日本の為替相場、日本円の価値の上からいって、また日本の国内需要の上からいって、外貨の割当については非常に厳重な規定があることを御存じでありますか、どうですか。
#268
○本多説明員 知っております。
#269
○川俣委員 そういたしますると、貴重な割当でありまするから、電話や会ったときの言葉などでは――これは割当に大きな影響があるだけに、電話やあるいは口頭をもっては受け付けないことを十分御承知だと思いますが、その点はどうですか。
#270
○本多説明員 これは上司にそういうことを申し上げまして相談いたしました。
#271
○川俣委員 そういたしますると、この割当の範囲内において、需要原局は需要者に割当の予定金額を内示したり、入れる数量等を内示して、厳正を場期しておるということも御存じでありますかどうか。
#272
○本多説明員 承知しております。
#273
○川俣委員 それに従って内示書制度をとっておられるということも御存じですか、どうですか。
#274
○本多説明員 存じません。
#275
○川俣委員 そういたしますれば、割当制度というものについて決定的な要素でありまする需要原局が割り当てたものが、割当を受けた実需者が輸入業者に外貨資金の割当を受ける内示書がとられておるということを知らずにおやりになった、こういうことになりますね。そうすると内容を全く知らないのに、ある特定の人に便宜を与えるためにいろんなことを教えられた、こういうことになりますか。知っていて教えられたのか、知らずに教えられたのか、どっちなんです。何にも知らずに、便宜をはかるつもりで教えられたのですか。知っておって教えられたのですか、その点だけお伺いします。内示書制度をとっておるということも知らないということになりますと、これが今後のすべての輸入にかかわる需要原局のとっておる態度なんですね。通産当局が需要原局に要請しておる態度なんです、様式なんですね。それを知らないでおやりになった。こういうわけなんですね。今、知らないということでしたが、何にも知らないのに非常におせっかいをした、こういうことになるのですか。あなたは何も御存じない。ただ高橋技官からの命令だから、全くの使いで行ってきた、こういうことになりますね。
#276
○本多説明員 そうであります。
#277
○神田(大)委員 渡部畜産局長にお尋ねしますが、あなたは先ほど、トロッター協会や藤井商店から、外貨が余ったらサラブレッドを買ってもいいということを口頭で了解を与えたというが、余るか余らないかその当時はわからないと思うのです。外貨の割当は十月十一日にしたのですからね。わからないのに余ったら買ってもいいというのは、どういう根拠で与えたのですか。
#278
○渡部(伍)政府委員 これは先ほど御説明申し上げましたように、井上業務部長は、競馬場の施設あるいはレースの運営あるいはトロッターの馬の種類、そういうものを調べに行ってきたのであります。これはたしか十月の二日だったと思います。そこで先ほどからお話がありましたように、永田氏が四日に帰ってきたのです。向うの間の関係は、井上氏に聞きますと、永田氏とは一緒にサンフランシスコかどこかで会ったか会わないか、ともかく話を聞いただけで会っておらないようでありますが、十月の中旬になって、永田氏の方からサラブレッドを二、三頭買うかもしれないから、その金を世話してくれという話があった。そこでわれわれ農林省としては、上期の残がもう切れておる。しかし先ほどお話がありましたように、買うならば、こちらから一万五千ドルのワクが残っておるということを言った関係もありまして、できるだけの処置をしなければいかぬということで、いろいろ研究した結果、井上さんのお話を聞いてみても、十万ドルは相当余るだろうという話も、これは確定的な話でありませんが、そういう見込みもつかめたし、もしどうしてもトロッターのお金が余らなければ、上期の一万五千ドルが一応流れたわけでありますから、農林省としてはこの一万五千ドルにもう一ぺん食いついて、下期で穴埋めをして、サラブレッドの輸入のワクに割り当てる。これは十月の初めには下期の予算がきまっておりますので、上期と同じように他の種畜の残があるかもしれない、あるいはそれがなければ、上期で流れた分を予備金として外貨予算から申請したらよいじゃないか、こういう腹づもりで藤井商店の方にやったらよいだろう、こういう話をしたのであります。
#279
○神田(大)委員 そうすると、あなたたちは最初から頭の中にちゃんと計画的にトロッターの輸入に含んでサラブレッドを輸入させるということを事前に了解した、こう解釈してよいのですか。
#280
○渡部(伍)政府委員 これは先ほども申し上げましたように、トロッターの輸入計画はずっと先行しておるわけでありますから、それにサラブレッドの輸入計画があとの方で関係したのでありまして、初めから計画的にトロッターの輸入のワクの中に入れる、こういう考え方は私どもは全然持っていなかったのであります。
#281
○神田(大)委員 そうすると永田さんがアメリカへた打ってサラブレッドを買ったのが九月十七日、トロッターの申請が十月十一日、サラブレッドの金を払ったのが十月十四日、サラブレッドはもう買ってきた、トロッターの申請はまだしていない、しかしトロッターが余ったらサラブレッドも買ってもいいだろうということを十月初旬に話したということになれば、これはトロッターを買わない前に、サラブレッドを買ってきたのもこの外貨の割当の中に含めたというふうに、日にちの上から見ればはっきりしているのですが、この点どうなんですか。
#282
○渡部(伍)政府委員 これは先ほどから日にちの関係を申し上げておりますが、われわれの方としては実はどうしようかと苦慮して、役所の中、関係者でいろいろ相談をしておったのであります。だんだん日にちがたちますので、結局十月の中旬になって、先ほど申し上げましたように、それではトロの金が余ったらそれを使うし、それが余らなければ上期の残が流れたということを口実にして通産省にあらためて予備金の申請をしようという腹を十月の中旬になってきめたのであります。
#283
○稲富委員 関連。本多事務官にお尋ねしたいのでありますが、あなたが一万五千ドルの外貨のワクがあるからということを永田さんに言っていかれた。その後そのワクが切れておったということを承知なさったのはいつごろでございますか。
#284
○本多説明員 外貨のワクの切れましたのは、輸入発表にあります九月二十日であります。しかし永田氏が大臣にお会いになるのが大体十八日ごろということを聞いたものですから、通産当局には二十五日までに申請書の締め切り期間を延長してくれということをお願いしてあったのであります。ところが何ら連絡がなかったのであります。
#285
○神田(大)委員 その点が畜産局長の言明しておることと、われわれの話の非常な食い違いです。サラブレッドは向うで買ってしまった、トロッターの申請はまだしていない、しかも安く買えるか買えないかわからないのに、まだ買付していないのに、余ったらサラブレッドを買ってもいいだろうというようなことをあなたが言明することは非常におかしいと思うのですが、これは責任者として、そういうことは言えることじゃないと思うのです。外貨割当の法律がすっかりわかっている人が、そういうことをもし言ったとするならば、故意に永田さんだの、あるいは河野さんらと一緒にぐるになってこういう外貨割当の違反をやったということになるのですが、どうですか。
#286
○渡部(伍)政府委員 これは先般の委 員会のときに永田さんも言っていると思うのでありますが、馬を買ったかどうかということは藤井から二月の末か三月の初めになってはっきりした。それで二頭であるか三頭であるかも、これが着いたとき――一月の十二、三日だと思いますかにわかったのであって、九月の終りとか十月の初めに馬を買ったということは、これは私は全然知らないし、永田さんの話によりましてもわからないのであります。しかしとにかく馬を買うのであるから――外貨の割当が出なければ買えないということはみんな知っているわけでありますから、外貨の許可があれば払ってやるということで藤井に預けたものとこちらでは了解しております。これはほかの委員の方からもお話がありましたが、九月の終りに馬を買った買ったというのでありますが、私どもは全然知りなかったのであります。
#287
○田中(幾)委員 関連。そうすると、今のあなたのお話と、前に農林大臣のサラブレッドを買うについての経過、この前サラブレッド種種馬輸入に関する件調査報告というのが出ましたね。これによると、去年の十月に永田氏が帰国後同氏の秘書を通じて井上業務部長にサラブレッドを三頭買うことにしてきたから輸入商を紹介してくれという依頼があったので藤井商店を井上氏が紹介した。あなたの方に相談があったのは十月じゃありませんか。そこで農林省としては、いろいろと競馬会、トロッター協会の方に了解を得て、あなたの方が藤井商店に対して口頭の了解を与えた、こうあるのですから、永田氏が帰ってきてから間もなく、少くとも十月の初旬にあなたの方は知っておるわけじゃないですか。
#288
○渡部(伍)政府委員 これはここに書いておる意味がはっきり予約した、こういうことに読まれるとそういうことになるかもしれませんが、私どもは、二、三頭買うかもしれぬ、こういうばく然とした話しか承わっていないのであります。結局、何といいますか、包括的に、馬を二、三頭いいのがあったら買ってくれということを頼まれたのを購入を予約したというふうに永田氏の方で表現したのじゃないか、こういうふうに私たちは考えております。
#289
○田中(幾)委員 これはあなたの方の報告ですよ。私この前確かめたら、農林大臣の報告だ、あなたの方で出た報告なんです。それであなたの方が口頭で了解を与えたのは、ここに書いてある十月の初めになっている。それではあなたの方でサラブレッドを買ってきたのを知ったのは三月のいつと言いましたか。これは一月の十二日に馬が入っておるのでしょう。二月八日にもう登記してあるのです。ですからあなたの方で知ったのが年を越えたのならなおさら私の方は追及する点が出てくる。永田は藤井商店に対して十月の十四日に金を払ってあるというのですかりね。これはあなたの方の了解を得て払ったということははっきりしませんけれども、清水貿易の請求によって、許可になる前に永田が金を預けてある。あなたの方で十月以後に知ったというのはおかしいじゃないですか、これを見ると。
#290
○渡部(伍)政府委員 この前文のところは私のところで作ったのでありますが、永田から井上に頼んだ経過を問いてそのまま書いたので、そういうふうに突き進んではっきりした予約であるかあるいは頼みであるかということを確かめずにそのまま写しておりますから、私の方にそう書いておるじゃないかといわれてもこれは困るのであります。実際問題として私はそれを知らなかったのであります。それからその当時の話は、あくまでも馬二、三頭というこういうお話で、はっきりしておらないのであります。なお……。(「はっきりしてないというのはおかしい。」と呼ぶ者あり)これはおかしいと言われても、二、三頭ということで、着いてみて三頭になっておったということであります。
#291
○田中(幾)委員 それでは本多事務官にお伺いしましょう。あなたは一万五千ドルの余裕があるということを向うへ通じたのですね。そうして九月の二十日までにこの外貨の割当を申請するということをあなたの方から書類を出しておりますね。そうするとごの一万五千ドルの余裕の外貨というものは、三十頭のトロッターを申請しなければ一万五千ドルの外貨の余裕は出てこないのじゃないか。それともこのときにもうはっきりと一万五千ドルないし一万七千ドルの外貨の余裕が、ほかの馬の購入の資金で割当があったのですか。
#292
○本多説明員 木村のところに行ったときの一万五千ドルというのは四月―九月のワクであります。上半期の外貨予算であります。
#293
○田中(幾)委員 それが一万五千ドルないし一万七千ドルはっきり余った。それはだれに割り当てた外貨ですか。
#294
○本多説明員 だれに割り当てられたという外貨でなくて、まだ割り当をしないところの未使用残額であります。
#295
○田中(幾)委員 未使用といっても発注書があって、外貨資金の割当の申請をして外貨の割当ができる。買った余りがなければ余裕外貨といえないでしょう。ですから私の伺いたいのは、あなたの想定しておるところの未使用の一万五千ドルの外貨というのは、後期に申請したところの三十頭のトロッターを前期に申請してあればその使った一万五千ドルが余るという想定であったのか、実際に一万五千ドルの外貨の余裕があったとすれば、だれに許可になって何に使って余りになったかということを聞きたいわけです。
#296
○本多説明員 一万五千ドルは上半期の外貨予算の割当をした残額であります。ですからだれにも割当はしておりません。
#297
○川俣委員 先ほど馬に対する上半期の割当が一万五千ドル残っておる、それで通産省に割当を延期してほしい、余裕を与えてほしいということを申し込まれたという話があったのですが、何日くらい待ってほしいということを言われたのですか。
#298
○本多説明員 二十五日まで受付期間を延長してもらいたいということをお願いしたのでございます。
#299
○川俣委員 それは九月二十五日ですか。――それは馬に対する割当の残ですか、種畜であるか、牛、馬を含めたものであるか、この点が一点。
 それから普通は四月−九月の割当は大体二十日ごろで切っておられるのが例年ですが、これを延ばされたことも例としてないわけじゃないそうです。そこで二十五日と五日間延長しろというのはどういうわけだったのでしょう。
#300
○本多説明員 これは種畜の純残でありまして、馬の残ではありません。乳牛、馬ももちろん含んでおります。乳牛、鶏というものの端数が全部残って一万七千ドルくらいの上半期の純残が出ます。
 それから二十五日まで延長をお願いしたというのは、永田氏が大臣とお会いして連絡をとるということになると二十日過ぎになるということで二十五日までをお願いしたわけです。
#301
○川俣委員 そうすると一万五千ドルというのは馬ばかりでなく鶏等も入っておるということですね。その点はっきりしておきたい。
#302
○本多説明員 種畜、であれば何でもけっこうであります。
#303
○川俣委員 そういたしますると上半期に乳牛等の申請があったにかかわらず外貨予算がないということで下半期に回された例がありませんかどうか、この点一つ。
 もう一つは永田及び農林大臣は前期の予算のワク内で買おうとしたというふうにあなたは理解されておるわけですね。この二点。
#304
○本多説明員 今までの外貨予算で上半期並びに下半期、年度を越すまで外貨がなかったということはありませんでした。常に不用額といいますか、残額が出ております。第二点の永田は上半期の予算で買うということについて連絡に行ったのであります。
#305
○川俣委員 予算の不用額が前期及び後期を通じて実際には出ているということ、しかし申請はもっとあったはずだと思いますがこの点はどうなのですか。私の知っている範囲でも、畜産局で種畜の鶏にいたしましてもあるいは乳牛にいたしましても、もっと入れてはどうだというに対して、予算のワクがないために思うように入らないというのが今までの答弁であったのです。従って申請は多く出ていたと見なければならぬ。しかし実際の割当は少かったために不用額が出たということはあなたの説明の通りだと思います。申請書あるいは需要の申し込みもなかったというふうにあなたはお考えになっておりますか。
#306
○本多説明員 今まで種畜の輸入に対して輸入を差しとめたという例はありません。
#307
○川俣委員 畜産局では、たとえばもっと乳牛を入れようと思ったけれども、予算がないために入れられなかったということは、事務当局から見るとうそだったというふうになりますか。畜産局はここの委員会において、もっと輸入してはどうだというのに対しまして予算のワクがないために思うように輸入ができなかったという答弁をしておるのですが、それはうその答弁であって、事務当局から見ると予算が余っておった、不用額があったのだ、こういうことになります。
#308
○本多説明員 昔はそういうことがありましたけれども、二十七年ごろからはそういうことはないと思います。
#309
○神田(大)委員 畜産局長にお尋ねしますが、安く買えるというのがわかっていてなぜ三十頭で十万ドルという申請を出させたか、その点……。
#310
○渡部(伍)政府委員 これは事務のやり方でありますが、先ほど申しましたように、トロッター十万ドルというのは七月からの問題で話がずっといっておるわけであります。ですからその書類とかいろいろなことをそこであらためて書き直すということは、通例われわれは事務をやるときには――根本的に変るということになれば別ですけれども、やらないのでございます。それと並行にこのサラブレッドの問題を持ってきたのでありますから、厳密に形式的に論ずれば、そこでちゃんと書いてやったらいいじゃないかという話が出てくるのはごもっともだと思いますけれども、先に進んでおりますのでやらなかった。そこでトロッターの金が余るか余らないかということも、これは見込みで、畜産局長の一つの腹で、余らなかったら上期の一万五千ドルの買ったものを復活させようというつもりでおったのでありますから、結果的にはトロッターのものが余ったのでありますけれども、そういう両様の準備でよかろうといったのであります。
#311
○神田(大)委員 非常に大事なことであなたはそこでうそを言っているのじゃなかろうかと思う。というのは、井上業務部長にこのトロッターの価額というものをちゃんと聞いているわけです。それで結局安く買えるというのがわかった、それははっきりとしている。しかも競馬用のサラブレッドを買ったというのもあなたは井上さんから報告を聞いておる。それをちゃんとわかっていて、これをやっておった。余る余らないがわからないというのは、あなたはうそを言っておるのだろうと思う。あなたたちがいつまでもそういうつじつまの合わぬことを言っておれば、私この次また資料を集めて質問します。私は皆さんもおしまいだと言うから、きょうはこの一点で、あと保留をして終りにしたいと思いますが、あなたは事務的に、七月ころから買えるだろうというような、申請が七月十四日で、井上さんが帰ったのが九月末なんです。そこで十分これは申請書を直す余裕があった。にもかかわらずこれをなさないで、競走用の馬を輸入したというのは、申請書を出さないでおいて、トロッターの申請書でサラブレッドを輸入するということを計画的にあなたたちは考えてやっておる、こう思うのです。
 いま一つお尋ねしますが、サラブレッド申請者に、トロッターの方が余れば買ってもいいという場合に、申請書を出せということは口頭で話したのですか。形式はどういう形式で出せということを話したのですか。サラブレッドの三頭の申請に対して、手続をどういうふうにしろというようなことをあなたたちは指示したか、指示しないか。
#312
○渡部(伍)政府委員 藤井商店その他の関係者は、輸入公表の実需者の発注者がいるということは、為替管理法で当然わかっているのだから、必ずやるものだとわれわれ考えまして、念を押さなかった。ところが結果的には……。(「うそだ」と呼ぶ者あり)うそではないのです。そういうふうになっているので、われわれはあとでもう一つ念を押しておけばよかったというように後悔しているのです。
#313
○神田(大)委員 いろいろと質問をすると、問題がますます奇々怪々として、疑問が出てくるんで、これで終りにしようと思ったけれども、これは終りにするわけにいきません。後日あらためてまた質問することにいたしまして、本日はこれで終ります。
#314
○淡谷委員 通産省にお伺いしますが、トロッターの輸入馬の外貨をもらった残りが、純粋な競走馬輸入に使われるということがはっきりわかっておっても、あなたは承諾いたしましたか。
#315
○樋詰政府委員 競走馬の輸入が日本の馬匹の改良のために必要であるということを農林省の方からお話があれば、われわれの方といたしましては、馬匹改良その他につきましては専門的知識がないのでありますから、主務官庁の方でそういうお話があれば、われわれの方は当然同意したであろう、こういうふうに考えます。
#316
○淡谷委員 これは常識問題ですが、一体競走馬というものと、農馬改良を目的とする競走馬と、農耕馬とこの三つの種類を、通産省の常識として一体どのようにお考えですか。この問題といえども、ノリの問題といえども、通産省がルーズなことで非常な迷惑を受けて、犯罪の機会を与えているのです。これは責任のがれじゃなくて、あなたの常識として、この三つの馬の種類をどういうふうな観点から判断されるか。農耕馬あるいは競走馬の輸入に関しては、一切農林省の方におんぶして、農林省の言うがままに易々諾々として通産省は従います、こういう態度ですか、お伺いしたい。
#317
○樋詰政府委員 どういう馬が農耕に一番適するかといったようなことにつきましては、これは農林省の意見に従わざるを得ない、そういうように考えております。
#318
○淡谷委員 農耕馬は農耕する馬でしょうが、競走馬は競走に使われるか、農馬の改良に使われるか、この区別はどこに置かれるのですか。
#319
○樋詰政府委員 競走馬は競走する馬というのは常識的な解釈だと思いますが、競走馬とそれからいわゆる農耕に適する馬というものとを交配させるというようなことが、やはり農耕馬というふうに限定はできないかもわかりませんが、一般の日本の馬匹の改良に有益なのだ、そういうふうに畜産当局で判断された場合に、競走馬の改良というようなことは必要ない、あるいは混血するというのはだめだというようなことをいって、われわれの方で反発するだけの知識というものは、通産省は持ち合せておらないわけでございます。
#320
○淡谷委員 通産省の名前でちゃんと通達が出ておりますね。競走馬輸入は不急不要であるから外貨割当はしない。そうすると同じ競走馬であっても、ほんとうに農馬改良の目的で入れた競走馬か、あるいは便乗して農馬改良と称しているのか、この見定まりがつかぬから、あの通達というものはまるでばかにされてしまったのです。マフラーを買ってきて、うんとマフラーとして巻いて使ってから、一番最後におしめに使ったからといって、これはおしめ用の輸入だといえないのですよ。そうでしょう。一体一回でも走っていれば、それは競走馬じゃないという理由が立ちますか。
#321
○樋詰政府委員 そこで先ほどから何回も申し上げているのでございますが、一応従来は競走馬は入れないというのが農林省の方の馬に対する行政の方針であるということで、これは御承知だと思いますが、あらゆる物資を、貿易は鉱工業の関係もあれば農林水産の関係もある。そういう貿易に関するものは、一応窓口一元化というような格好で、窓口的な事務は全部私どもの方でいたしておりますが、たとえば通産省の中の物資にいたしても、軽工業関係のものは軽工業局、鉄その他のものは重工業局といったそれぞれの所管の原局で、大体こういう基準で物を入れたい、こういう割当をしたいという原案を作って参りまして、それを公表するといったような窓口の仕事は一切私の方でやっている。従いまして他省物資につきましても、原案作成は全部主務官庁の方にお願いしておりまして、主務官庁の御方針で、たとえばこういう物資はこういう方針で入れたい、入ったものはこういう割当をしたいのだということを御連絡いただきまして、それを事務の整理上と申しますか、窓口一元化という意味で全部私の方でお引き受けしている。従いまして競走馬を入れるのが不適当であるというふうに農林省の方で判断されるという間は、農林省の方で競走馬は入れないとおっしゃるのでございますので、競走馬は入れないのだということで発表しているわけでございます。先ほどから何回も申し上げているのでございますが、かりに競走馬を入れる方がいいのだというふうに方針を変更されたから、今回も入ったのではないか、そういう前提のもとに、私たちはそういうような考えで、農林省の方で方針を変更して一つこれを入れるから承認しろ、そういうお話があれば、通産省としては多分承認したであろうということを申し上げたわけでございまして、手続的には、そういう際には当然今まで競走馬は入れなかったけれども、今度は競走馬を入れるという公表をして、そうして一応希望者を募って割当するということにするのが事務的には一番常識的なやり方である。ただたまたま今回の問題というものをいろいろの為替管理法自体の現在の法規というものに結びつけて、このサラブレッドの輸入が違法であるかどうかということになりますと、これは先ほどから私何回も大いに遺憾の意を表しているのでございますが、従来の慣例その他から百パーセント法が要求しているだけの明細なことを書かぬで割当をするという慣例をとっておった。そこに一応われわれとしても非常に大きなこういうことが起り得るような余地を残しておったのでございますので、この現実の問題につきましては、為替管理法違反だといったようなことをおっしゃられても、われわれの方では外貨を藤井に十万ドルというものを馬のために入れてよろしいということであった。そのときにわれわれとしては当然本来の目的通りのトロッターが入ってくる、それが常識でございます。もし金が余ってもっとトロッターを輸入するのだけれども、外貨の事情を考えて十万ドルで遠慮したのだという場合に、三十五頭、四十頭入ってきた、これが普通の格好だと思いますが、さしあたりトロッターは三十頭でいいので、余った場合は競走馬も一般馬匹改良のために必要だということで、農林省が方針を変更されたというのであれば、藤井自体は外貨として十万ドルとにかく馬を買うというだけの規制のもとに受けておる。表向きそういう格好になっておりますので、今回の問題もわれわれの方からこれ以上のことは言えない、こういうことであります。
#322
○稲富委員 関連しまして次長にお尋ねしたいのですが、ただいまのお話によりますと、外貨が余った場合は農林省の解釈によってサラブレッドでも入れても差しつかえない、こういうことになるのだということですが、すでに余る前にサラブレッドを入れるという計画がもしもあったとするならば、これはあなたの方でも許し得ないことだ、こういう結論になるわけですね。
#323
○樋詰政府委員 もし余るか余らないかわからぬという事態に、サラブレッドを入れるのだという御希望があったということであれば、これは当然農林省の方もいろいろなことで外貨割当の申請その他御存じなのでございましょうし、当然そういう際には農耕馬としてのトロッターはこれだけだという申請のほかに、同時に方針を変更したからサラブレッドについてもこうだということが、――大体予算は御承知のように九月の上半期中に、下期の予算をきめるわけであります。そこでそのときに一緒にその話があれば別の申請が出しおったのじゃないか、こう考えます。本件につきましては一応予算はきまった。ただしその際にトロッター自体については申請と並行して買う準備、その他も進められておった。七月に考えておったよりも単価が安いということがわかったけれども、農林省の方では、せっかく閣僚審議会を経てきまった予算というものを、これはできるだけよけいほしいというのを遠慮して、小さく直した際でもあるのだから、そういうようなお考え方から、わざわざ私の方では単価が安くなる見込みだからというて、きまったものを減額ということをなさらないで、これはおれの方は一応馬としてもらったのだから、予定のものを買ったほかにさらにこういうものを買いたいのだということになれば、よりスムーズにいくというふうにお考えになり、わざわざ減額とか新しい種類の馬の申請というものはなさらなかったのじゃないか、そういうふうに解釈しております。
#324
○稲富委員 そうしますと、外貨のワクの申請のときに、あらかじめ農林省が余ることを予期して申請をいたしておったとするならば、農林省と通産省における道義的責任というものは十分これはあるわけですね。
#325
○樋詰政府委員 これはおっしゃるまでもないことでありまして、国民全体の貴重な外貨ということでございますので、ほんとうに国全体のために必要だと思われる用途のために使われるべきで、使う当てもないものをあらかじめ取るということは、これは確かに今おっしゃる通り、道義的には不適当だと思います。
#326
○稲富委員 そうすると農林当局にお伺いしたいのでございますが、すでにトロッターの外貨割当の申請をなされた当時は、一万五千ドルの上半期のワクは、すでに日にちが切れておったということは承知された後だということは、先刻の本多事務官からの御答弁ではっきりしたのでありますが、その点間違いないのでしょうか。
#327
○渡部(伍)政府委員 これは二十五日まで延ばしてもらったのですから、上期のワクは切れておるということは承知しておったのであります。
#328
○稲富委員 そうしますと、申請されたときに、価格に対してはトロッターの牝馬が百万円、牡馬は百八十万円として申請をなさっておったのですが、その価格は妥当だと思って申請なさったのですか。
#329
○渡部(伍)政府委員 これは先ほど申し上げますように大体どのくらいになるかということを、各方面の情報をとっておっしゃるような単価を出しておるのであります。これはあくまでも見込みの単価であります。
#330
○稲富委員 井上業務部長がアメリカに行きまして、トロッターの価格もある程度調査をしてきたということを参行人として述べております。そのときの価格は一頭が八十五万円くらいだ、こういうことを自分は言ってきたのだ。これは農林省当局に報告しておる、こう言っておるのです。八十五万円くらいが妥当であるということを現地で調査をして、農林省にも言ったのを、農林省が何がゆえに牝馬は百万円牝馬は百八十万円として、わざわざ十万ドルに達するような、こういう価格を決定されたのか、この価格の決定に対する根拠を承わりたい。
#331
○渡部(伍)政府委員 井上氏が八十五万円程度ということを言ったとすれば、それはおそらく現地の価格ではないかと思います、それに運賃、諸掛りをかけなければなりませんから、内地CIFになれば相当の値段になると思います。いずれにいたしましても、それは具体的に大体の見当をつけてそのくらいになるだろうということで、現に最後の締めくくりにいったのは、一月になって競馬会から人がいって最後の締めくくりをしたと思いますが、初めからそんな簡単にこれ以上は要らないという、そういうつもりで井上さんも言ったのではないと思います。しかし予定しておるよりは安くなりそうだというくらいの意味であるとわれわれは了解しております。
#332
○稲富委員 そうしますと、農林省はすでに向うに買い出しにいく前に、余ったならばということを予期されておる。余ったならばということを予期されたということは、八十五万円くらいのものを申請価格は百万円、百八十万円になっておるから、当然これは余るものだということを予期されたから、余ったならばそのほかのものを買ってきてもいい、こういうことを言われた。ということは、外貨割当の申請に対して余裕が生ずるものであるという見込みをなされておったということは、これは事実だと思うのでございますが、その点どうですか。
#333
○渡部(伍)政府委員 それは先ほど申し上げましたように、そういった場合も予想し、もしそれが現実に具体的に一頭一頭契約してみて足りなくなれば、上期の一万五千ドルの流れたやつを復活させてもらいたい、そういう希望を持っておりました。
#334
○村松委員長 重複のないように願います。川俣君。
#335
○川俣委員 通産当局に二点だけ伺いたい。一点は簡単ですから資料としてお出し願いたいのですが、輸入の事後審査をやる義務を通産省は持っておられる。事後審査をやられた報告書を当委員会に御提出願いたい。資料請求です。
 質問の点は通産省の方から出しておる最近の貿易の実務という解釈書によりましても、需要原局は需要者に割当予定額を内示する、その範囲内で需要者は輸入業者に輸入を委託する。委託を受けた輸入業者が外貨資金の割当を受ける。内示書制度をとられることに相なった。こういうことであります。従いましてこの説明により、あるいは一般の割当の状況をあなた方にお尋ねいたしましたところ、条件を備えた需要者であるならば、一定のわく内において申請をすることができるという解釈をとっておられるようであります。一定の予算のワク内で条件を備えた需要者であるならば申請ができるということになっておる。すなわちこれが公表制度をとっておる結果生まれてくるところのものであります。従ってこれだけのわくがあるのだから、条件を備えた需要者でなければならぬと思いますけれども、条件を備えた需要者はトロッター協会であろうと、他の団体であろうと申請することができるわけなんですね。そう解釈してよろしいですね。
#336
○樋詰政府委員 一般的には先生のおっしゃる通りであります。その資格のある者は全部平等に申請の資格を得ます。
#337
○川俣委員 そういたしますと、トロッター協会ばかりでなく、その他の種畜を希望する人も、閣僚審議会できまったワク内でありますならば、その閣僚審議会というのはおそらく希望者の数量をまとめてこの中から取捨選択いたしまして大よそのワクができると思います。閣僚審議会といえども無条件でワクをきめるのではないと思う。あらかじめ前年度の実績、今後の方針等を見きわめまして、閣僚審議会はこれらを勘案して予算のワクがきまると思う。そのきまったワクというものは、すでに申請の要望のあったものから取捨選択をして総ワクはきめる、だれにやるかということは事後の問題だと思いますが、そういう要望を加えてそうしてでき上った予算のワクだと思う。従いまして今次長からお話のありましたように、条件を備えた者は何人もやれるのです。従って種馬を入れようとするもの、あるいは、種牛を入れようとするものはだれでもできるのでありますから、わざわざトロッター協会に便乗しないでも出させるということが通産省の建前じゃないですか。今まではあなた方はそういう建前をとっておられたのじゃないですか。条件の備わっておるものであるならばトロッター協会でなければだめだとあなた方が言えるわけはないと思いますが、その点はどうですか。
#338
○樋詰政府委員 その通りでございます。
#339
○川俣委員 そうすると資格者であればできるのに、資格がなかったからあれはトロッター協会に便乗した、こうも見えるのでありましょうし、あるいは資格があるのだけれどもすでにもう手おくれになったから便乗したということもあり得ると思うのですが、今問題になっておる本件はどれだとお考えになりますか、この点を一つ。
#340
○樋詰政府委員 下期の馬の割当の発表というものに基く資格というのは、御承知のように学術団体とかあるいは研究団体その他の実需者というものはつけてございます。それでございますから、その範囲内のものであるならばみな一律にあった。問題の競走馬は実需者というものはそれではどうなるかということでございますが、この前の発表には一応競走馬というものは入っておらない。それからこの馬自体がまだ競走馬であるかどうかということ、これもわれわれ農林省の方から伺っていますあれによりますと、いわゆる競走馬というのは競走を主たる目的にするというので、品種の改良等に使うというのが目的だけれども、能力検定のためにごく短期間だけ走らせるというのはこれは競走馬とは言えないのだという農林省の方の解釈というものをわれわれは伺ったわけでございますが、そうであればここに言っているのは、いわゆる競走をする競走馬と同じ種類のものであるけれども、競走馬として入れたのではない、ただ先ほどから何回も申し上げておりますが、もしほんとうに実需者から申請が出て、そうしてその申請に基いて出すというのが割当の基本方針でございますし、普通のやり方だ。だからこの際にもトロッターはもう少し安く買えそうなので、金も余るのだ、だからこういう馬を買いたい、そこで一つこの馬について通産省は外貨割当をしてくれ、そのかわりこっちの方の馬の余った金は一応返上しなければならないというようなことから話があればわれわれとしても一番事務的に常識的なやり方ということでスムーズに運行できた。先ほどから私が繰り返して申し上げておりますのは、一応馬としてやったということでございますから、馬としてもらった方がとにかく外貨資金を使うという権利を取得したということで、取得した場合にいわゆるわれわれが当初に考えておった実需者以外の方々から発注を受けて買ってきたということ、これはわれわれとして非常に遺憾でございますが、われわれのやり方自体にやはりそういうことをやるだけの余地があったということであって、その点はなははだ通産省として申しわけないというふうに考えております。
#341
○川俣委員 私の質問に対してまっすぐ答弁してもらいたい。種畜であれば馬であろうと何であろうと、正当な条件を備えた需要者であるならば申請ができたであろうと思います。またそれが競走馬に使われるかどうかは別にして、条件が整っておる需要者でありますならば、種畜として輸入するならば当然割当の権利を公平に得られたはずだ。それがあなた方の方針ではありませんか。
#342
○樋詰政府委員 その通りでございます。
#343
○川俣委員 そこで私はお尋ねするのです。もしも条件を持っている人、たとえば種馬であってもかまいません。競走馬に転用しようと何しようと、許されるならば、条件が整っているのだから、なぜ本来あなた方が指示されているような方式で輸入されなかったか、こう聞いているのですよ。あなたの説明によりましても、畜産局はサラブレッドを入れても、それが種馬に足るものだという認定なんだから、それであればあえて別なものに便乗しなくても当然入れられるのに、なぜ入れなかったか、あなたはどう思いますかと聞いているのです。あなたの方で指示されしいる通り、あなたが説明されたように公表されているのですね。こういう方針でいくのだということをあなた方がちゃんと示されている。方針があるのだから、なぜそれに基かなかったかという疑問を持っておられるかどうかということを聞いているのです。
#344
○樋詰政府委員 疑問というよりも、その通りでございます。
#345
○川俣委員 そうすると条件を整えていなかったから便乗した、こう思うのか、条件が整わないために、人の条件の整ったところに便乗しなければ入ってこなかった、こういうことになるのか、条件は整っておるのだけれども手続がおくれて、要するに便乗しなければならなかった、こういうことになるわけですか。成規の手続でやればちゃんと割当が受けられるのでしょう。畜産局の説明によりますと当然割当を受けられるのだという説明なんですね。たとえば一時的に競走馬としょうと何であろうと資格があるのだ、こういうのですから、条件が整っているのにあえてあなた方が公表された以外のものを持ってこなくても、別にワクを持っておるのだから、当然輸入の資格を持っておるのになぜわざわざ便乗しなければならなかったかということなのだが、この点についてあなたは疑問がある、こう言われるのでしょう。疑問のある点を看過しておくというようなことは、将来の通産行政の運営において、あなた方が今まで協議されたり内示されたり方針を打ち立てられたりしたものと違ったことが行われてきた場合には、方針を立てられたということは法規に基いて方針を立てられたので、法律的根拠なしには方針が立たないはずなんだ。法規の拡大解釈をしようと法規に基いて行政措置をとっておるのであるから、行政措置に沿わないようなことをやったことについて、ただ単なる遺憾の意では足りないでしょう。疑問があるというならば、あなた方は行政官でありますから、行政官は法律に基いていろいろな指示や内示やあるいは説明を加えられているはずなのだ。個人的意見として内示やあるいは方針を明示していたのじゃないと思う。法規に従って、これによらなければならないのだということで説明を加えられ、その方針で実務が行われるように期待されている。期待に反するということは法律に反するということにならないのですか。あなた方が説明を加えたりした以外のことで申請があった場合に、これは取り扱わないということが通産省の原則だと思うのです。こういう指導されてきた以外のことで申請があった場合においては、それを許可しないのが通産省の原則でなければならぬと思う。輸入ばかりではない、あらゆるものについてそうだ。そのあなた方が指示し、内示してきた方向と違ったものが行われたときに、あなた方がこれを黙過するということはどういうことですか、こう尋ねている。
#346
○樋詰政府委員 われわれは、一応割当を受けた人間を法的に拘束し得るという範囲は、先ほどから何度も申し上げておりますように、外貨割当証明書に記載した範囲内であるので、一応外貨の割当の発表といったようなものは、政府の意思の一般的な意思表示でございます。従いましてわれわれといたしましては、当然その政府の意思表示通りの輸入というものが行われることを期待して、それに従うということでこれは発表しておる。たまたまその発表違反という事態が起った場合、その発表違反の法律的効果は何かということになりますと、発表違反の法律的効果というものは、単に法令上の違反ということにはいきなりはいけない。もしそういうことを違反としてとがめるというのであれば、これははっきりと割当証明書の中にトロッター雄何頭、雌何頭というところまでうつべきであった。それをうたなかったというのは、役所の行政慣行に従ったとはいえ、はなはだわれわれの方に手落ちがあったと思いますので、その後のものはジャージー種でも、すべての場合に雄が何頭雌が何頭ということを、外貨割当証明書の中にはっきりうつことにしてやっておるというのでありまして、趣旨といたしましてはわれわれの方はあくまでも発表というものが忠実に守られることを期待して、発表いたしておるのでございますが、発表違反ということがかりに起った場合に、それをもってどの程度とがめだてができるかということになりますと、これは外貨の割当証明書自体でなければ、法律に基いてのとがめだてということはできないんじゃないかというふうに法制局から聞いておるわけであります。
#347
○川俣委員 あなた方の説明によりますと、公表は法律上の効力を持つものであるという説明をしておられる。この点はどうなんです。
#348
○樋詰政府委員 いわゆる公表は、輸入貿易管理令の第三条の規定に従いまして行われておりますので、これは法律事項でございます。
#349
○川俣委員 公表違反の場合は規定がないといっておられるでしょう。公表違反の場合は規定がないという答弁をされたから私は聞いたんです。
#350
○樋詰政府委員 公表は法律事項でございますが、いわゆる公表では、御承知のように非常に大ざっぱに、決済通貨がどうであるとか、決済期がどうであるとか、品目がどうであるとかいうことで、さらにどういう条件でどう買うかということは、全部輸入発表というものをやっておるわけであります。この輸入発表は、別に法律に基くものではなくて、輸入公表というものをさらに補足して、行政府の意思のあるところを周知せしむるための行政手段という格好でとっておるわけであります。
#351
○川俣委員 行政指導に違反した場合は罰則はない、こういうことですか。
#352
○樋詰政府委員 行政の指導に違反したという場合は、その後の行政措置で、――行政と申しますのは法律でなくてむしろ禁止事項の特例に関する解除といった事項が多いわけでありますが、その人に対しては、そういう新しい権利の付与ということはしないというようなことはできますが、指導に反したからお前は懲役だとか、あるいは罰金だとかいったようなあれはできないのです。ただ行政上のことは、これは違反の内容の軽重に従いまして、当然行政府としては措置すべきであるというふうに考えております。
#353
○淡谷委員 さっきの質問の続きですが、通産省の通達というのはまだ生きているわけでしょう。そうしますと、はっきり競馬馬とわかって入れるはずがない。それを競馬馬を使って農馬の改良をするのか。やってみなければほんとはわからぬのですが、そういうわからぬ点については農林省に一任して、農林省が言う通りにあなたの方では認定する、そういうふうに解してかまいません。
#354
○樋詰政府委員 けっこうでございます。
#355
○淡谷委員 局長にお伺いいたしますが、あなたはまさか一回でもおしめに使えば、おしめであるというので、高貴なマフラーの材料をおしめ材料とは考えておられないだろうと私は思う。従って農林省の見解は一体、二年かっきり使って競走さして、三年目から必ず農耕馬の種付をするという条件が、競走馬輸入の条件になっておりますか。これをはっきりお聞きしておきたい。
#356
○渡部(伍)政府委員 これはトロッターを輸入する際に、農林省の指導方針として、トロッターも競走馬の一種でありますから、二年以内の期間で能力を検定するという条件をつけておるのであります。
#357
○淡谷委員 サラブレットの場合はどうですか。
#358
○渡部(伍)政府委員 サラブレッドの場合も同様の条件であります。
#359
○淡谷委員 永田さんが入れました馬は、この席上ではっきり証言しておりますが、私はこれを競走馬の種付用として持ってきたと言っております。馬の改良といっても競走馬の改良じゃないでしょう。農耕馬の改良でしょう。入れた本人の永田さんは、私が牧場に預けておるのはいい競走馬を作るために預けておるのだとはっきり言っておる。これは本田事務官が中に入って、こうしたはっきりした、競走馬の生産者に対してサラブレッドの輸入を許したんですか、この点はどうですか。
#360
○渡部(伍)政府委員 これは日本の馬の改良、農馬の改良について、非常に狭い意味と広い意味が出てくるのじゃないかと思うのです。淡谷先生なんか専門家ですから、私が言っても怒られるのではないかと思いますけれども、われわれの解釈では広い意味の日本の馬の改良、直接にはいい種でいい競馬馬ができるかもしれませんが、その血をだんだん分けていって、ほかの在来種なりその他の種類にも血を分けていけば、ひいては日本の農耕馬の改良ができるのではないかという、広い意味で解釈しているのです、これは議論があるかもしれませんが、そういうふうに解釈しております。
#361
○淡谷委員 それは少しこじつけが過ぎるようですな。サラブレッドを入れて、その子供も競走馬に使い、そのまた子供も競走馬に使い、五代あとの子供をちょっと一回かけ合したくらいで農耕馬の改良ができますか。これは二カ年以上競走馬には使わぬ原則をおいたといったって、永田さんの場合は、五年先でもいいわけです。死にぎわに一ぺんかけるくらいで十分に農耕馬の改良の策だと言えますか、その点をお尋ねしたい。
#362
○渡部(伍)政府委員 永田さんの場合でも、二年くらいしか競走馬に使わないと言っております。
#363
○淡谷委員 それであなたはだまされたんですか。今度のジョンルーソーという馬は――別の馬かもしれませんが、私は競走馬に使うんだ、とはっきり言っておりますよ。
#364
○渡部(伍)政府委員 私の方の種畜の輸入というのは、必ずしも農馬でなければならないということでなく、いろいろなかけ合せということを考えておるのであります。先般お配りしました二十六年の馬の改良及び生産方針という新しい方針の中にも、各用役に適当な種類の中の軽種の中に、サラブレッドというのが種馬として一応あげられておるわけでございます。ですから広い意味においてはやはり農耕馬の改良に関係があるものと、こういうふうに了解しております。永田さんが今度入れた馬が非常にいい馬だったら、あるいは競馬馬だけの種になるかもしれませんが、しかし日本の馬の改良にはなる。よくなければやはり農馬の種になるだろう、こういうふうに考えております。
#365
○淡谷委員 競走馬の改良にサラブレッドの輸入の目的はあるんですね。日本の馬政の上に競走馬を作るんだ、こういうこともはっきり言い得るわけですな。つまり種付さえすれば、農耕馬の改良であれ、競馬馬の改良であれ、どちらでもいいという見解ですか。
#366
○渡部(伍)政府委員 具体的、直接的には、お話のように、何代か先、あるいは能力検定の結果競馬馬に適しないという結果になるかもしれませんが、しかしサラブレッドの新しい血が入るわけですから、日本の馬全体、ひいては農馬の改良になる、非常に広い意味に解釈しております。
#367
○淡谷委員 そうなりますと、通産省の通達は無意味じゃありませんか。競走馬は不急不要のものであるから輸入しないといっておいて、日本では高価な競馬馬を入れて不急不要の競馬馬をどんどんふやしたのでは、通産省の通達は一体どこに意味があるのですか。一体日本の馬政の根本というものは競馬馬におくのですか、農馬におくのですが、この点はどうですか。
#368
○渡部(伍)政府委員 通産省の通達との関係では競走馬は入れない、つまり競走を主とする馬で、それが廃馬に近くなって種に使うという前に数年間競馬に使うようなのは入れない。能力検定の期関すなわち二年以内の期間競走に持ち出してやる。そしてあとは種馬として使うという場合にはこれはあくまでも競走馬でない、こういう解釈をしておるわけであります。
#369
○淡谷委員 最後に一点確かめておきますが、それではあなたは永田さんの馬は競走馬ではなくて種馬として入ったのだ、これを確認されまして、少くとも種馬として入った以上、私は百歩譲歩いたしましても、たとえば競馬馬の種をつけてもあるいは農耕馬の種をつけましても、二年以上は競走には出さぬという確認がございますか。
#370
○渡部(伍)政府委員 これは私どもの条件通りいかなくても強行する意思を持っております。
#371
○芳賀委員 畜産局長に一点伺いますが、今度の競走馬輸入の問題について、農林当局の中でわれわれは今日まで本多技官が首謀的な役割を果しておると解釈する。きょうの本多君の答弁によると、もう一人上役がおるということになるのであって、高橋技官があなたの部下におる。この高橋技官がこの前どういう役割を果したかということは、局長として、監督者の立場としておわかりになっておるだろうが、どの程度のことを高橋技官がその権限、職分の中においてやったかという点、もう一つは国家公務員は特定の人物に特別の利益を供与する行為は、公務員としての忠実なる服務の規定から多分に逸脱しておると思うのです。そういう点は局長として部下を監督しておられるのだから、おそらく高橋技官がこの問題に対して首謀的な役割を果しておると思うのですが、どういう立場においてこういうことをやったかということを一つこの機会に説明していただきたい。ほんとうは先ほど必要を感じて委員長にお願いしたのですが、もう帰宅して役所にいないのです。ですからこの問題をさらに究明するということでなく、これは局長の良心的な答弁によって大体理解できると思います。
#372
○渡部(伍)政府委員 役所の機構では係長、課長補佐、課長、それから局長、こういうふうになっております。本多君は、高橋君が課長補佐でありまして、その下の係長をやっております。従って私の部下ですから、目の前で言いますけれども、まあ下の方でございまして、そういうことを独断でやられる権限は何もないわけであります。本多君としては課長補佐の高橋技官に相談して、高橋技官が課長なり局長に相談する。先般の委員会に出た参考人の永田さんに、直接には本多君が言ったわけですから、本多君としては非常に迷惑をこうむっておるのじゃないかと思いますが、これは全部私のところまで上っておるわけであります。その間に連絡が十分であったとかないとかいういろいろな問題があると思いますけれども、その後いろいろ調べて、私の注意の足りない点があったと思いますが、そういう点はただいまから改めていきたい、こういうふうに考えます。
#373
○村松委員長 暫時休憩いたします。
   午後七時十六分休憩
     ――――◇―――――
   午後八時七分開議
#374
○村松委員長 休憩前に引き続いて会議を開きます。
 お諮りいたします。本名武君より、ビートに関する問題について発言を求められておりますが、これを許可するに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#375
○村松委員長 御異議なしと認めます。よって発言を許可いたします。本名武君。――高碕君がいませんが、あなた、それで質疑を続けられますか。
#376
○本名委員 私は最初から高碕大臣と政務次官を要求してあります。さっき私の個人的な連絡によりますと、確かに大臣はここにお見えになっているはずです。
#377
○村松委員長 いかようにいたしましょうか。高碕氏が来なければあなたが発言をなさらないなら、これはこのまま散会いたします。
#378
○本名委員 私の質問は、たとい代理大臣であっても、正規の大臣のお留守中にできたことについて質疑をしたいと思うのです。政務次官とお話するならいつでもできます。従って特に大臣の責任のある時間中に私の質問をしたいので、特に大臣と政務次官という指定をして出席を願ったわけです。その大臣の現在の御都合を一つ委員長から問いただしていただきたいと思います。
#379
○村松委員長 ではこのままの姿で休憩をいたしておきまして、大臣の都合を聞いてみます。
   午後八時十分休憩
     ――――◇―――――
   午後八時十四分開議
#380
○村松委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 ただいま高碕臨時農林大臣を呼びにやりましたけれども、その居所もわかりませんので、でき得れば本名君の御同意があればこれを後日にいたしたいと思いますが、御了承願いたいと思います。
#381
○本名委員 実は大臣がお見えになることと確信しておりました。と申しますのは、午後一時から参議院の内閣委員会、あるいは衆議院の外務委員会、国土開発委員会にそれぞれ出席するということを聞いておりました。従いましてその後引き続いて院内におられることと思っておりました。特に高碕臨時大臣は就任のときに、この委員会の席上であいさつをして、自分はしろうとであるけれども、この委員会の運営に対してはできるだけの努力をいたしますということを言っておられまし一た。それが最後の、しかもあす河野大臣がお帰りになるというときに、わざわざ院内まで来られながら、今ここで大臣を呼んで会議を開くのだというのにおられないということは、私は高碕大臣の個人の御意思ではないと思いますが、なぜ農林当局は代理大臣とはいえ主管大臣を責任をもって引きとめておかなかったか、この点非常に遺憾に思います。いずれまたあらためて、この点も時間があれば追及してみたいと思います。特に私はこの問題は非常に急を要するつもりでおります。これは私の質問の内容によって御判断いただかなければならぬことかもしれませんが……。従いまして委員長におかれましては適当な日に、しかも早い機会に再び私に大臣に対しての質問をお許しいただきますことをお願い申し上げまして、本日は保留しておきます。
#382
○村松委員長 本名君の発言は後日これを許可することにいたしまして、本日はこれにて散会いたします。
   午後八時十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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