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1947/11/18 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 国土計画委員会 第25号
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1947/11/18 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 国土計画委員会 第25号

#1
第001回国会 国土計画委員会 第25号
昭和二十二年十一月十八日(火曜日)
    午前十時五十五分開議
 出席委員
   委員長 荒木萬壽夫君
   理事 細野三千雄君 理事 木村 公平君
      足立 梅市君    伊瀬幸太郎君
      守田 道輔君    山本 幸一君
      鈴木 明良君    田中 角榮君
      原  孝吉君    村瀬 宣親君
      鈴木 仙八君    今村 忠助君
      高田 弥市君    松浦 東介君
      只野直三郎君
 出席政府委員
        運輸政務次官  田中源三郎君
 委員外の出席者
       議     員 山口喜久一郎君
        議     員 長野 長廣君
        議     員 成重 光眞君
        大藏事務官   橋本 利八君
        專門調査員   西畑 正倫君
    ―――――――――――――
十一月十四日
 網走港修築の請願(佐々木秀世君外三名紹介)
 (第一〇八三號)
 矢作川改修工事促進の請願(千賀康治君外二名
 紹介)(第一〇八四號)
 巴川上流に調節池築設の請願(中垣國男紹介)
 (第一〇八五號)
 白川改修工事施行の請願(松浦東介君紹介)(
 第一〇八七號)
 天鹽川本支流河川改修工事施行の請願(坂東幸
 太郎君外五名紹介)(第一〇八九號)
 山梨縣の水害復舊全額國庫負擔の請願(天野久
 君外六名紹介)(第一〇九八號)
 能代港修築の請願(長野長廣君紹介)(第一〇
 九九號)
 下妻町外數箇町村地内の鬼怒川堤防改修工事施
 行の請願(鈴木明良君紹介)(第一一〇二號)
 能代港修築の請願(細野三千雄君外四名紹介)
 (第一一〇六號)
 豐濱港修築の請願(福田繁芳君紹介)(第一一
 ○七號)
 斐伊川改修工事施行の請願(木村小左衞門君外
 四名紹介)(第一一一一號)
 觀音寺、佐馬地間道路改修の請願(福田繁芳君
 紹介)(第一一一二號)
 那賀川改修工事促進の請願(岡田勢一君外四名
 紹介)(第一一一三號)
 治水對策確立の請願(葉梨新五郎君紹介)(第
 一一一九號)
 芝川改修工事促進の請願(田島房邦君紹介)(
 第一一二三號)
 錦川、御庄川改修促進の請願(守田道輔君紹
 介)(第一一二九號)
 山口縣下火災復舊費國庫補助増額の請願(守田
 道輔君紹介)(第一一三〇號)
 伊陸村外四箇町村の山嶽地帶に砂防工事施行の
 請願(守田道輔君紹介)(第一一三一號)
 柳井町外十三箇町村に旱害防止施設の請願(守
 田道輔君紹介)(第一一三二號)
 伊勢崎市の水害復舊費國庫補助その他に關する
 請願(鈴木強平君外三名紹介)(第一一三九
 號)
 小倉港灣事業繼續その他に關する請願(成重光
 眞紹介)(第一一五二號)
 高津川治水工事施行の請願(松本淳造君紹介)
 (第一一六八號)
 島田川改修工事施行の請願(守田道輔君紹介)
 (第一一六九號)
の審査を本委員會に付託された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 一 下津港を開港場に指定の請願(山口喜久一
 郎君外二名紹介)(第四二四號)
 二 伏木港浚渫費國庫補助の請願(橘直治君紹
 介)(第七八八號)
 三 番匠川改修工事促進の請願(梅林時雄君紹
 介)(第九六三號)
 四 荒川上流改修工事促進の請願(山口六郎次
 君紹介)(第九八〇號)
 五 御正村地内荒川上流護岸工事施行の請願(
 松崎朝治君紹介)(第一〇四九號)
 六 岩手縣の水害對策に關する請願(山本猛夫
 君紹介)(第一〇七四号)
 七 三ヶ尻地區の北上川水害復舊助成の請願(
 小澤佐重喜君紹介)(第一〇八〇号)
 八 網走港修築の請願(佐々木秀世君外三名紹
 介)(第一〇八三號)
 九 能代港修築の請願(長野長廣君紹介)(第
 一〇九九号)
 一〇 能代港修築の請願(細野三千雄君外四名
 紹介)(第一一〇六号)
 一一 豐濱港修築の請願(福田繁芳君紹介)(
 第一一〇七号)
 一二 小倉港灣事業繼續その他に關する請願(
 成重光眞君紹介)(第一一五二号)
    ―――――――――――――
#2
○荒木委員長 これより開會いたします。
 日程第一、下津港を開港場に指定の請願、山口喜久一郎君外二名紹介、文書表番號第四二四號。紹介議員の説明を求めます。山口喜久一郎君。
#3
○山口(喜)委員 下津港は長い海岸線をもちます和歌山縣下において、唯一の貿易港として今日の躍進を續けつつあるのでありますが、今般同港を開港場として名實ともにその機能を十分に發揮させていただき、もつて和歌山縣初め近接府縣の産業の振興をはかり、近時ようやく再興氣運にある海外貿易に十分なる協力をせしめることこそ現下の緊急時と痛感いたしますがゆえに、ここに特別の御詮議による開港に指定されたく、私及び今村長太郎君、田中織之進君兩氏を紹介議員として下津港開港指定の請願を提出したような次第であります。何分よろしく議員諸賢の十分なる御協力をお願いしたい次第であります。
 そこで下津港の概要を申し上げますと、所在地は和歌山縣の海草郡下津町北緯三十七度四分、東經百三十五度八分に位しておりまして、和歌山縣のやや北部でありまして、北は和歌ノ浦及び紀淡海峡、和歌山を控えておりまして、目の前には淡路島や四國を望んでおりまして、この紀淡海峡、紀伊水道を隔てて徳島までは指呼の間にあるのであります。その沿革は舊くより避難港として、またこの地附近に産出するところのみかんであるとか、木材、漆器その他の集散の港として著明なるものであります。この港に目をつけたのは、ちようど大正八、九年の前の歐洲戰争の後に、樺太のえぞ、とぞ、あるいは沿海州、北海道のパルプ用の木材、あるいは製函原料の木材が相當關西方面に輸入されることに相なりまして、和歌山を中心とする全國で有名な製材工場に、これらの材木を積んだ一萬トン級あるいは一萬五千トン級のデッド、ウエートを有する大型貨物船出入港を探しましたるところ、下津港以外にはない。こういうことでにわかにこの下津港が發展を遂げた次第でありまして、大正十一年には五千トン級の船が六十八隻、一萬トン級以上の船が八十七隻出入しておる實績をもつておるのであります。その他の機帆船等は無數であります。この港に目をつけましたのは龍王木材という大きな木材工業會社で、昭和五年にはこの木材にさらに石油の原料、重油を輸入する港と相なりまして、土井商店が油槽所を設けて、大型船の繁留岸壁を築造したのでありました。外國船の油を積んだ船が北米より、あるいは南洋方面よりたくさん入港したのであります。昭和十三年には丸善石油とか、あるいは東亞燃料會社、あるいは共同企業會社の各製油所、貯油所が設立されまして、その大規模な石油精製装置と油槽が林のごとく立竝びまして、木材の港がさらに油の港として有名になつた次第であります。太平洋戰爭中は、戰爭前の主として北米から輸送するものに代わつて、南方のスマトラ、マライ、ボルネオ等よりの輸送船の大小多數が出入いたしまして、陸上には船舶代理店が軒を竝べて、船員寮とか、あるいは厚生設備、あるいは旅館、それらの陸上の設備も完備いたしまして、相當繁榮いたしたのであります。昭和二十年の七月には、和歌山市その他附近の都市よりも、まず先にこの港の重要性を認められましたものか、盛んなる爆撃を受け、ほとんど壊滅の状態になつたのでありまするが、しかしながら今なお大きな油タンクが十七基殘つておりまして、その容量も二十一萬トンを存するのであります。昭和二十年の八月終戰となりましてからは、米國進駐重の鑑船が多數碇泊いたしまして、昭和二十年の暮からは、米國より軍用石油を積載した大小の油槽船が出入いたしまして、共同企業會社の油槽を使用することに相なりました。現在はこれら多數の大小船舶のほかに、木材船及び避難船が入港し、さらに別に石油輸入も漸次活況を呈しておるような次第であります。なおまた復員船の六隻が補水のために入港しております。昭和二十一年の十月より、國費二千餘萬圓をもつて大規模な岸壁改修工事が神出浦岸壁に施工されまして、本年六月に竣工し、將來の入港船舶の増加を約束されておるような條件をもつておる港であります。私は長らく和歌山縣政に關與し、同縣の縣會議長を二期勤めた經驗からしても、和歌山縣に關する限り、相當詳しい者の一人だと考えております。和歌山縣におきましては、日本の里數にしてやく六十里近い海岸線を有しておりますが、この海岸には、俗に言う西岸のはてなしの風というのが常に吹いておるのでありまして、この風邪をよけるための良港は、下津港のほかに昔から有名な由良という港が、下津港より日本の里數で約五里くらい西南でございます。しかしながらこれは一般の漁船の避難港として、また戰時中は海軍の防備隊が設けられ、驅隊艦、掃海艇等の停泊には、きわめてよい港であります。その他田邊港というのがありますが、これは外洋の風波を避けるのには相當困難なのであります。また新たに人口的に築造された和歌山港がありますが、これはドラフト三千トン、いわゆる吃水の淺い船舶でなければ出入することができないので、三千トン級の船以外には、ここには出入しないのであります。しかしながらあくまでも和歌山縣の貿易の中心、あるいは生産の中心となるところは、和歌山市を中心とした地帶でありますが、これらの木材その他繊維工業の原料の輸入港としては、大型船舶が外洋を渡つてはいるのには不適當でありまして、この和歌山港に近接する下津港をおいて、ほかにはないと考えておるような次第であります。ゆえにわれわれども和歌山縣民といたしましては、産業の中心地帶は、あくまでも、和歌山市を中心地帶と考えておりますが、これらに對する原料の補給をする良港を探索いたしましたならば、下津港において他にはないと斷言しても、あえて過言ではないのであります。いわんや下津港を中心とする繊維工業なり、あるいはまた昔から有名な紀州みかんの産地は、この下津港を中心とする地帶であります。從つてこれら農産物の出荷港としてもまた良港であることは、萬人の認むるところであります。なおただいま四國とさ方面との連絡は、主として大坂の天保山からやつておりますが、將來はこの下津港から、指呼の間にある徳島、あるいは小松島の航路が開かれなければならないと思つております。これが瀬戸内海以外で本州と四國とを結ぶ最も近い距離なのでありまして、速力十ノット程度の船を使用すれば、わずか一時間半で徳島へ渡ることができるのであります。こういう重要性をもつている港灣であります。當局が開港場として指定される場合には和歌山港を指定されるのが順序であるということは一應想像されるのでありますが、もし他に良港を求むるとすれば、下津港でなければならぬ。かるがゆえにわれわれとして、次善のお願いとしては、和歌山港を主たる開港場にして、下津港を副港としてお認めいただくことが最も妥當なことではないかと考えているような次第であります。もちろん今後海外貿易が盛んになりましたならば、この下津港は外洋に面した豊後水道から愛知縣の伊勢灣に至るまでの最も重要な港であると信じているような次第であります。かかる意味において各委員諸君にも和歌山縣には下津港という良港があるということを御認識くださると同時に、この委員會を通じて下津の開港を速やかに御指定くださるように切にお願いしてやまない次第であります。以上私及び今村長太郎君、田中織之進君、この地元の代議士三名から各位にこの委員會を通じて請願いたした次第であります。何分よろしくお願いいたします。
#4
○荒木委員長 本件に對する政府側の意見を求めます。橋本説明員。
#5
○橋本説明員 下津港を開港場に指定の御請願につきましては、同港における外國貿易の状況、港灣施設その他の點から見まして、開港場に指定することを適當と認めているのでありまして、和歌山港と一緒にいたしまして、和歌山下津港として同港の開港場としての速やかな實現をはかるべくせつかく努力中でございます。以上お答えいたします。
#6
○荒木委員長 御質疑等ございませんか。――政府委員が來るまでしばらくお待ち願います。――ただいま運輸省の政府委員が見えたのでありますが、前日より十分なる連絡をいたしておるにかかわらず、運輸當局の主席が非常に遲れまして、委員各位に御迷惑をかけて恐縮に存じます。本委員會として運輸當局に今後こういうことのないように警告を發する次第であります。但し田中政務次官がわざわざお差繰御出席いただいたことに對しましては感謝いたします。
 日程第一の下津港を開港場に指定の請願につきましては、先ほど紹介議員から御紹介がありまして、これに對して大藏當局の意見を聴取したのでありまするが、これに對する運輸當局の意見を求めます。
#7
○田中(源)政府委員 先ほど委員長から御注意を賜りましたが、實は非常にこの間から多忙を極めておりまして、政府委員の出席が遲れましたことはまことに申し譯ない次第であります。なお請願事項は相當重要な事項であると思いましたので、私が出てまいりまして直接に當局の意向を率直に申し上げることが、委員各位の御了承を得る上において非常にいいかと存じますので、遲れましたことをお詫び申し上げまするが、さような意味で少しとりこんだ政務をいたしておりましたので、悪しからず御了承を願います。向後はできるだけ注意をいたしまして、かくのごときことのないようにいたしたいと思います。
 ただいまの下津港に對する開港指定の問題でありまするが、同港は非常に良港でございまして、和歌山港よりは遥かに港灣形態の整つている、むしろ港灣の優秀性から申しまするならば、下津港の方が遥かに優秀である。さような觀點から、これを貿易港に指定いたすことにつきましては異議をもちません、のみならずぜひ貿易港にしていただきたいと考えております。なお開港に關する指定竝びに港則等につきましては、大藏當局と打合せをいたしまして立法を要することになつておりますので、右の手續を終了し次第に、それぞれ大藏當局と会議いたしまして、大藏省により發表があることと存ずるのであります。運輸省といたしましてはかような見解をもつておりまするから、御了承をお願いいたしたいと思います。
#8
○山口喜久一郎君 運輸當局が御出席相なりましたので、この際特に下津港の開港指定と、さらに今後の計畫について意見を申し述べて御参考に供し、運輸當局の格段の御盡力を願いたいと存ずる次第であります。
 ただいま開港場の指定請願に對してるる申し述べましたが、ただに下津港が太平洋沿岸における重要なる開港場としてのみならず、御承知のごとく徳島及び小松島とはきわめて近い距離にある良港として、また現在も一萬トン以上、一萬五千トンくらいの船も悠々岸壁に繁留されるような港であることは御承知の通りてありまするが、この良港を利用して、將來紀勢東線の開通を考えますときには、高知縣、徳島縣と本土とを繋ぐ最も適當な港であると信ずるのであります。愛媛縣、香川縣等もこれに間接的には關連があるのでありまするが、特に高知縣や徳島中央とを繋ぐ最短距離は、下津港を足場としなければならぬとわれわれは考えておるような次第でありまして、これら四國と本土とを繋ぐ貨客のいわゆる連絡の足場として、下津港を將來考えていただきまして、徳島または小松島より下津港を通じて、紀勢西線から東線、伊勢、名古屋を通じて東京と連絡する、こういうことを運輸當局としてはぜひ將來御研究を願いたい次第でありまして、願うことならば、運輸當局において、近き機會にこういう觀點から、ぜひ下津港の港灣設備、及び港の重要性について十分なる調査を遂げていただくことは、單に高知縣、徳島縣、和歌山縣、これらの縣との縣民の福祉の増進となるばかりでなく、新たなる四國と本州とを繋ぐ大きな動脈が考えらるる次第であります。かかる意味におきまして運輸當局に對して、各段の御高配をお願いいたしたいと重ねて一言費やしておくような次第であります。
#9
○田中(源)政府委員 下津港は和歌山縣の和歌山港と對比いたします場合に、一方は河口の港であり、一方は地形的に自然的な港灣體形を整えておるのであります。紀勢西線の完通いたしております今日といたしましては、この港の機能性は相當大きな役割をもつてくるものと思います。ここにおきます物資の交易に關しましては、港の條件が第一でございまして、むしろ下津そのものが和歌山縣東部及び西部におきます一般の物資及びその他本土との關係に重要な役割をもつていくということは、これは御指摘の通りであると存じております。なお四國との關係につきましては、四國循環線がわれわれも一日も早く開通することを希望しておるのでございますが、御承知のごとく資材、豫算の面に制約されまして、まことに今日は遲々たる状況にあるのであります。しかし四國と本土をとつなぐ上におきまして、小松島と結ぶよりほかに途がありません。遺憾ながら四國の東海岸には甲ノ浦にいたしましても、橘にいたしましても、結びつく港はないのでありまして、結べば御指摘の通り下津及び小松島よりないのであります。漸次今後の豫算及び資材等を考えに入れまして御期待に副うように考慮いたすつもりでおりますが、何分さしあたり下津港におきます機能を今日十分に活用し、その足らざるところを補つていきまして、まず下津港におきます港灣の整備及びその機能の效率を高めていくことに、漸進的な方法をとつていきたいと考えております。どうかさように御了承をお願いいたしまして、今後は國家の財政、豫算を勘案いたしまして、御期待に副うように、漸次その方面に向つて進んでいきたいと思つております。
    ―――――――――――――
#10
○荒木委員長 次は日程第九、能代港修築の請願、長野長廣君紹介、文書表第一〇九九號、紹介議員の説明を求めます。
#11
○長野長廣君 能代港は昔から日本海の良港として船舶の盛んに出入をいたしたところであることは、申すまでもない顕著なことでございます。元來米代川の川口にありまして、その流域における物資の集散、特に木材においては日本有數の集散地に相なつておるのであります。しかるに二十數年前から米代川の流主が變化いたしまして、海岸の排砂のために河口が閉塞せられ、漁船の出入さえ不可能の状態になつておりまして、地元たる能代市、山本郡はもちろん、北秋田その他一帶の四十萬住民の死活問題となつているのみならず、秋田縣の特色ある産業振興に及ぼす影響もまた大であります。今日まで根強く港灣改修を期待してまいりましたけれども、遺憾ながら實現に至らなかつたのであります。昭和十一年以來米代川の改修事業が行われまして、種々の障害のため、これは一進一退の状態でありましたが、最近大水害の關係から復舊が進捗されることに相なりまして、從つて米代川の全體改修計畫の實施は二年後をまたずして完成の見透しがつくに至つているようであります。從つてこれと竝行して河口修築を實施する好機會と相なつておる次第でありまするから、ここに昨年度港灣調査會において採擇をせられました實施計畫に基づきまして、團面を添えて請願をいたしている次第であります。前に申しましたことく、本港の産物は全國的に大いなる貢獻をする木材でありますが、これはただに秋田縣のみでなく、全國的に要望しなくてはならぬおいう意味から、地元の人々は私に全國的な立場としてぜひ要望してもらいたいというわけで、私がここに御紹介申し上げたわけであります。すでにだん團御調査も進んでおる次第でありますから、何とぞ急速にこの計畫に實施せられまするよう、格別の御盡力をお願いする次第であります。
#12
○荒木委員長 本件に對する政府側の意見を求めます。
#13
○田中(源)政府委員 ただいま紹介議員より請願の趣旨の御説明を承りまして、ごもつともと存じております。この議會に申し上げておきたいと思いますことは、日本海に面しまする港灣は、おおむね太平洋沿岸と異なりまして、川に關係のある港灣が多いのであります、河口に港灣施設がありまする場合は、奥地におきまする河川改修竝びに砂防工事と相まちまして、その河川の整備のいかんが、河口の港灣に非常な影響をもつものでございます。すなわち冬期西北の強風をうけまする日本海といたしましては、必然的に河口に流れてまいりまする排砂關係等におきまして、その港口を埋没いたします。酒田港にいたしましても、當能代港にいたしましても、あるいは新潟港を見ましても、今日六千萬立米の砂を掘出さなければ信濃川のために埋まる。こういうことは日本海沿岸ににおける港灣特有の缺陷でありまして、今後私どもは日本海における港灣に關しましては、奥地砂防、河川整備と相まつて港灣の施設を完備いたしていきたいと考えておるような次第であります。
 なお港灣問題につきまして、この機會を拝借して一言申し上げておきたいことは、木材、薪炭、石炭、亞炭その他大量の容積をもちまするものは、わが日本といたしましてはすべからくこの陸上の輸送は短距離をもつて輸送いたしまして、これを港灣に送つて船による大量輸送いたすべきが當然でございます。今日のごとき陸上の鐵道が老廢いたしまして、これを維持いたしまする上におきまして、莫大なる資材を要するときにあたりましては、なおさらにこの貨車效率の運用を高めていきます上に、大量物資を消費地に送りますことは一にかかつて船舶するよりほかにないと考えまして、私どもはその觀點に立つて今日いたしておりますが、これと相まちまして、陸上施設、運輸施設とを港灣と結びつけていくということが大切でございます。この觀點から今後港灣の改修を重點的に考えていきたいと思つているような次第であります。かような見地におきまして、當請願によりますところの能代港のごときは、ただいま申しましたように、河川のために非常に港口が埋没をいたしております。最近の濫伐のために、治山治水が行われておりませんために、災害が起きて、非常に當地方の方々も御迷惑のことと存ずるのであります。國土計畫の上からいたしまするこの河川整備と相まちまして、私どもは港内の港口の整備を整えていきたいと思つております。從つて當能代港はこの河川整備に對しまする河川の災害工事竝びに改修工事と相まちまして、來年度より逐次港灣の改良計畫を實行いたしていきたいと考えております。さしあたり來年度におきましては、港内の護岸及び浚渫工事を事業化していくように考えておるような次第であります。
#14
○荒木委員長 御質疑等はありませんか。
#15
○細野委員 本請願と同じ趣旨の請願を今日の議事日程の第一〇といたしまして、私ほか四名、これは地元の選出の議員紹介で請願をいたしております。さつきは長野君から御説明がありましたように、能代港は單に地元のためばかりでなく、全國的に影響するところがあるというお話がありましたが、まことにその通りでありまして、現在この奥地には炭だけでもずいぶんたくさん滯貨になつておりまして、きようのある新聞にもありましたように、東京都民に一俵ずつ配給できる以上のたくさんの炭が滯貨になつておりますが、陸上輸送の困難になつております今日、すぐ海上輸送が考えられるのでありますが、その場合における能代港の弱體ということが一番問題になるのであります。それからなお北海道から裏日本酒田、土崎新潟、伏木、敦賀等の各日本海側の海岸と交通の場合に、冬期風雪のはげしい場合の船の避難港といたしまして、ぜひともなくてはならぬ港なのであります。以上補足いたしまして各委員の御了解を得て、ぜひ御採擇になるようにお願いいたしたいと思います。
 それからこの機會に政府委員にちよつとお尋ねしておきたいのでありますが、河川の改修ということと港の修築ということの一貫性はさつきお認めになつたのでありますが、そういたしますれば、行政機構について、河川修築計畫というものに、やはり一貫性がなければならぬのであります。この點について、港灣行政というものは運輸省、河川改修は内務省、奥地の山腹の國土計畫に對する部分は農林省の擔當になつておりますが、これは統一する必要があるとわれわれは見ているのでありますが、政府當局の御見解はいかがでございましようか。
#16
○田中(源)政府委員 河川行政、港灣行政、治山治水行政の一貫性に關する行政の方針いかんという御質問でございます。本問題につきましては、まことに重要なる問題でございまして、目下内閣においてこの點は考慮しつつあるのでありまして、不日本問題が今後わが國の行政機構の改廢と相まちまして確定せられることと思います。從つて、私ども今ここで意見はもつておりますが、この際私どもの申し上げることを留保いたすことが穏當であろうと心得ます。いずれ内閣において近く決定されることと存じますがゆえに、右よう御了承願いたいと思います。
    ―――――――――――――
#17
○荒木委員長 細野三千雄君外四名紹介、文書表番號一一〇六號の日程第一〇、能代港修築の請願は、日程第九と同一趣旨の請願でありますので、審査を省略したいと思いますが、御異議ありませんか。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
#18
○荒木委員長 御異議なしと認めまして、さよう取計らいます。
    ―――――――――――――
#19
○荒木委員長 次は日程第一二、小倉港灣事業繼續その他に關する請願であります。成重光眞君紹介、文書表番號第一一五二號、紹介議員の説明を求めます。
#20
○成重光眞君 小倉市長濱田良祐君より請願いたしております港灣事業繼續に關する請願の趣旨について申上げます。
 雄大な構想のもとに、さきに國策として樹立されました關門綜合改良計畫の一環をなす臨海工業地帶造成工事が、地元民の熱望裡に昭和十五年著工せられ、爾來小倉市はこの國家事業に關連併行する施設として、公有水面埋立工事を企圖したのでありますが、先述の政府計畫たる臨海地帶造成工事と密接不可分關係にあり、かつ地勢の關係上本公有水面埋立工事の完成を見ざれば、政府事業の施工不可能の實状にあり、本計畫樹立と同時に内務省と協議の結果、本工事の一切を内務省に委託し、國營臨海地帶造成工事と竝行し著々と進捗してきたのであります。すなわち直轄工事は、基礎的施設を大半完了し、各種護岸、物揚場用、方塊二千數百個の作製を終わりたる一面、委託工事においても物揚場本體を竣成するとともに、埋立計畫の約四十%の地域確保が期せられる實状であります。しかして直轄工事本年度目標は、小倉市委託工事物揚場の沖側に隣接する百八十三メートルと百四十メートルの二邊を有するカギ手形の物揚場を完成せしむるにあり、目下順調なる工事進捗中であります。一方、委託工事は据付圖面の通り竣成した物揚場本體の背後地であつて、これ完成を期せらるることによつて即成物揚場が使用可能となり、かつ直轄工事の後方が完全に連絡さるるのであり、本年度豫定工事の竣成を期せしむることこそ、國家及市が即往に投じた莫大な資材勞力が活用され、ひいては貨物輸送の緩和と相なつて本地方の經濟復興上大いに寄與するところであります。さいわい小倉の重要性につき、御認識を得て國、直轄物揚場は豫定のごとく竣成するものと思料されますが、もしその後方を連絡する小倉市の公有水面埋立工事が竣成しなかつが場合は、あたかも沖に離島をつくる結果となるのであります。從つてせつかくの努力も水泡に期せしむる實情に立ち至ると考えるのであります。一方本埋立工事に使用いたします土砂は、本港航路を閉塞せしめる流失土砂及び本港に隣接いたします小倉港の浚渫土砂であり、費用の點においても、效果の點においても、まさに一石二鳥の利點を有するものでありますことを、特に強調したいと思います。いまや貿易再開を目睫に間に控え、あらゆる港灣活用を極度に企圖せねばならぬときにあたり、前述のような實情にある事業をこのまま放置するがごときは、國家的見地よりいたしまして、多大なる損失をこうむるはいまさら喋々を要しないと思うのであります。過去數年にわたつて投ぜられた莫大な國費を、泥土に委するがごとき結果を考慮する場合、いかなる困難をも排除してこれが遂行をはかるべきであると考えるのであります。以上申し上げましたところは、目下施工中の昭和二十二年度工事を半ばにして放棄できないことを概括申し述べた次第でありますが、二十二年度以降におきましては、眞に當面さしせまられました重要なる諸條件について、特別の御配慮を賜りたいと思うのであります。ぜひこの實現方についてお願いする次第であります。小倉港輸出貨物の五箇年後における推定量は、百萬トンに達することは本地方の實情及び現地各港灣の施工によりまして明らかに示されておる事實であります。これら貨物の荷役的處理をいかにするかということが、今後に殘された重大な案件として看過できないところであります。
 この問題を解決する對策としては、次の諸點が當然取上げられ、先年來關係機關はもちろん、業者等より熱烈な要望がありまして、小倉市としても現下の状勢と照應し、いかなる苦難をも排しまして、ぜひこれが實現につき日夜最善の努力を傾けております。何とぞ次の諸點につきまして、至急實施方を御懇願申し上げる次第であります。
 その第一は、運輸省第四港建設部において立案せられておる日明地先物揚増設工事であります。その二は、即往施設港の改修、すなわち二のイ、高濱港の浚渫、二のロ、砂津港航路浚渫竝びに防渡堤の築造、二のハ、紫川港の浚渫であります。一の點につきましては、國家がさきに著工せられた臨海工業地帶造成工事にてすでに基礎的施設を了し、据付方塊も製造濟である關係上、格安の費用をもつて施工できる好條件下にありますので、これを活用して本年度施工の物揚場延長線上に物揚場を増設をお願いする次第であります。二の點については、さきにすでに縣を通じて御實施方を政府にたびたび陳情申し上げておきました通りであります。
 以上二點は實に小倉港存亡、ひいては北九州五市の市勢の將來を左右する大問題であります。御参考までに申し上げておきますが、殊に二のロの砂津港ごときは、御承知の通り資源局において調査の結果、この要塞地帶でありました海底は、四億トンに達するというような優良石炭を埋藏しておるということが決定いたしまして、すでに二、三の炭鉱が事業著手をしておるような事情であります。關係上、將來はこの埋立地域一帶がいわゆる第二の三井に相當するような炭鉱地帶になることを想像いたしますときに、小倉市といたしましては、この砂津港を從來小倉築港會社の民有であつたものを、その港灣の一切の運營を小倉市に移管してもらつた次第であります。從つて國として、當然將來砂津港航路の浚渫あるいは防波堤等に對しましても、格段の御配慮をお願い申し上げたいと思います。
 以上の件につきまして、先般來特に關係各省にその重要性を開陳いたしまして、これが具現を陳情する等最善の努力を續けてきたのでありますが、政府各省ではその趣旨をよく御認識せられまして、實施方については十分なる考慮中であることを確信するのでありますが、本委員會の御採擇なき限り、實現不可能となり、また貿易再開の將來眞に深憂にたえざるところであります。ここに小倉市の當面する重要案件を具陳いたしまして、特別なるお取計らいをもつて、本件御採擇方について請願の趣旨辯明をいたす次第であります。何とぞよろしく御審議願いたいと思います。
#21
○荒木委員長 本件に對する政府側の意見を求めます。田中運輸政務次官。
#22
○田中(源)政府委員 本件に關しましては、ただいま紹介議員から請願要旨をるる御説明に相なりました。まことに同感でありまして、本省におきましても、請願の要旨は十分了承いたしておる次第であります。なお請願要旨の説明にありましたがごとく、關門と小倉とは關連して一つの一體性といたしました面から、上記の總合計畫で今日まで各種港灣に伴うところの施設をいたしてまいつてきたのであります。將來ともこれが完成をいたす考えておりまして、その一定年次計畫に基きまして、物揚場でありますとか、あるいは岸壁、浚渫、埋立というふうに順次いたしてまいる。二十三年度におきましては、財政の都合もありまして、先ほど申しましたように、年次計畫のもとに各種の問題を完成いたしていきたい。こう考えております。來年度は、豫算の點もございまして、ただちに請願要旨の全部を一擧に實現するということも困難でないかとも思うのでありますが、さしずめこの日明の方の工事に關しましては、これは來年度やつてまいる考えであります。ここの物揚場、埋立、浚渫というような、この日明の工事に關しては、來年度やつてまいります考えでありまして、大體これと關係いたしまして、上屋その他の荷役設備、いわゆる陸上設備も整備していきたいと考えております。なお砂津港の問題は、御承知のごとく淺野の埋立の關係がありまして、この權利は、今請願要旨の説明にありましたがごとくに、小倉市に移讓されたそうであります。この移讓が完全に行われておりまするならば、來年度におきまして、この砂津港の航路浚渫も實施していきたいと考えております。高濱港及び紫川の問題につきましては、考慮はいたしておりますが、豫算との關係もございまして、ただちに明年度これを實施いたすかということにつきましては、まだ見透しをもつておりません。さしずめさきに御説明になりました第一の日明の工事に關する件及び第三の砂津港に關する諸種の問題を來年度實施いたしていきまして、第二のイの高濱港及びハの紫川に關する問題は、明後年度年次計畫をもつてやつていきたい。二十四、五年度というふうに今後二十五年までに大體のものを完成していきたいという考えをもつておるようなわけであります。右よう御了承を願いたいと思います。
#23
○荒木委員長 御質疑等ございませんか。
#24
○成重光眞君 ただいま田中政務次官より御懇篤なる御説がありましたが、先ほど申し上げました通り、重ねて申し上げておきます。御承知の通り、日明港の方は離れ島のようなかつこうになつておりますので、わずかな費用をもつてこれを繼續いたします場合には、これが直ちに一部その利用のできるかつこうになるのでありまして、ぜひひとつ二十三年度には繼續御計上を願いたいと思います。それから砂津港の問題は、御承知の通り戰爭中要塞地帶でありましたので、軍のいろいろな施設がありましたが、これが撤去されまして要塞地帶が解除されますとともに、商工省試驗局において最近まで調査の結果、多量の石炭があの海底にあるということで、すでに數箇所のボーリング調査をやつて、今日すでに二箇所の埋立地にもつていきまして、ちようどその砂津港の右側の埋立地一帶を借用いたしまして、大々的な宇部資本による炭鉱がすでに計畫に著手されておりまして、來年早々にはすでに著炭の見込をもつて進んでおるような状態であります。おそらくこれは大牟田に匹敵した優秀なる炭鉱として活動することだろうと思います。そういたします場合を豫想いたしまして、築港會社の方もこの際譲歩して、港の陸上設備、周圍の土地は一切これを小倉市に移讓することに大體決定いたした次第でありまして、ぜひひとつ國におきまして、これが航路の浚渫をいたしますれば、御承知の通りすでに港はりつぱに完成しており、戰爭中相當大きな起重機その他鐵道線路の引込線等によります陸上設備も完備しておりますので、特段の御配慮をもちまして、この點についてはひとつ來年度において航路浚渫の經費を御計上願いたいと思います。以上重ねてお願い申し上げます。
#25
○田中(源)政府委員 成重君の重ねての御説明でありましたが、日明の工事の方はぜひやる考えをもつております。それから砂津の方は浚渫をいたしまして、將來臨港線等も施設いたしまして、適當に一萬トン級の船でもはいれるようにしていきたいと考えております。ただ問題は淺野の所有權を完全に市に譲渡していただくということが、これが一番重要な問題でありますので、御説明のように話がまとまつておりますれば非常に結構かと思いまするが、もしそれらの手續等におきまして殘つておりますことがありますならば、市において責任をもつてこの問題を解決願いますれば、本省におきましては御希望の通りにこの點はぜひやつていきたいと考えて、明年度の豫算に計上する考えでおります。右御了承願います。
#26
○荒木委員長 本日はこの程度にいたしまして、次の委員會の日時は公報をもつて御通知申し上げます。本日はこれをもつて散會いたします。
    午後零時二分散會
ソース: 国立国会図書館
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