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1947/06/03 第2回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第002回国会 電気委員会 第3号
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1947/06/03 第2回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第002回国会 電気委員会 第3号

#1
第002回国会 電気委員会 第3号
昭和二十三年六月三日(木曜日)
    午前十時三十四分開議
 出席委員
   委員長 前田榮之助君
   理事 村上  勇君 理事 櫻内 義雄君
      内海 安吉君    加藤隆太郎君
      根本龍太郎君    水田三喜男君
      石野 久男君    上林與市郎君
      成瀬喜五郎君    八百板 正君
      栗田 英男君    川越  博君
      岡部 得三君
 出席政府委員
        商工政務次官  正木  清君
       商 工 技 官 三ツ井新次郎君
 委員外の出席者
        議     員 林  讓治君
        專門調査員   大石 主計君
五月七日中野武雄君が委員を辞任した。
同日内海安吉君が議長の指名で委員に補欠選任さ
れた。
    ―――――――――――――
五月十一日
 高知縣内大口電力電氣料金引下の請願(林讓治
 君外四名紹介)(第六三〇号)
 農業用水用電力確保に関する請願(角田幸吉君
 紹介)(第六八〇号)
 絹人絹織物業者に電力割当増加の請願(川合彰
 武君紹介)(第七〇〇号)
 電力復興に関する請願(山本幸一君紹介)(第
 七〇二号)
同日十二日
 配電事業縣営に関する請願(山下春江君紹介)
 (第七五八号)
同月十四日
 静岡市における電氣事業を市営に復元の請願(
 岡野繁藏君紹介)(第九六一号)
同月十八日
 配電事業縣営に関する請願(淺利三朗君外七名
 紹介)(第九九八号)
同月二十日
 南那珂郡の電氣事業を公営復元に関する請願(
 川越博君外一名紹介)(第一〇二八号)
同月二十八日
 本島、廣島及び與島三村の電化に関する請願(
 福田繁芳君紹介)(第一〇九二号)
の審査を本委員会に付託された。
五月十日
 産業用電力確保の陳情書(富山縣議会長前田治
 吉)(第二四八号)
 電氣配給事業を縣営移管の陳情書(山口縣議会
 議長清水爲吉)(第二六九号)
 只見川水系水力発電開発促進の陳情書(福島縣
 南会津郡田島町南会開発協会長河原田盛雄外十
 五名)(第二九〇号)
同月十九日
 配電の合理化に関する陳情書(九州各縣議会正
 副議長会幹事、福岡縣議会議長稻員稔)(第三
 二九号)
 発電水利使用料の引上に関する陳情書(東京都
 千代田区丸の内東京都議会議長石原永明外九
 名)(第三五四号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 一 熱海市に電力割当増加の請願(山崎道子君
   紹介)(第二一号)
 二 電力増強等に関する請願(山花秀雄君紹
   介)(第二三二号)
 三 高知縣内大口電力電氣料金引下の請願(林
   讓治君外四名紹介)(第六三〇号)
 四 農業用水用電力確保に関する請願(角田幸
   吉君紹介)(第六八〇号)
 五 絹人絹織物業者に電力割当増加の請願(川
   合彰武君紹介)(第七〇〇号)
 六 電力復興に関する請願(山本幸一君紹介)
   (第七〇二号)
 七 配事業縣営に関する請願(山下春江君紹
   介)(第七五八号)
 八 静岡市における電氣事業を市営に復元の請
   願(岡野繁藏君紹介)(第九六一号)
 九 配電事業縣営に関する請願(淺利三朗君紹
   介)(第九九八号)
一〇 南那珂郡の電氣事業を公営復元に関する請
   願(川越博君外一名紹介)(第一〇二八
   号)
一一 本島、廣島及び與島三村の電化に関する請
   願(福田繁芳君紹介)(第一〇九二号)
    ―――――――――――――
#2
○前田委員長 これより会議を開きます。
 開会にあたりまして委員の異動について御報告をいたします。去る五月七日民主自由党の中野武雄君が委員を辞任せられ、その補欠として同じく民主自由党の内海安吉君が議長において委員に指名せられました。
 次に、去る五月十二日より四日間木曽川流域の水力発電と名港火力発電所の調査のため、專門調査員を派遣し、同時に本委員会より私と村上、加藤、平島の三君の四委員が同行いたしまして、現地を詳細に調査いたしました御報告をいたします。專門調査員から報告書が出ておりますので、お手許に配付いたしてありますから、御精読をお願いいたします。該報告書は松岡議長にも提出いたしておきました。内容の詳細は報告書により御承知を願うことといたしまして、派遣委員として附け加えて申し上げたいことは、木曽川水系の水力利用は、わが國電氣事業界の権威者故福沢桃介氏が精魂を打ちこんで開発した、水流の利用率において日本一と称されている点であります。上は木曽御獄山の麓、標高三千百二メートルの三浦の貯水池から、最下位の標高五十八メートルの今渡ダムまで、十七箇所に発電所を設け、最も有効に水力を利用しているのであります。しかして今渡ダムにおいては、下流日本ライン等の舟行の便、灌漑、流木、漁業のため、水流の調整に重きをおくなど、萬遺憾なきよう、周到なる設備がされておるのであります。
 なお報告書にもありますが、特筆すべきことは、サイクルの切替設備の完成であります。東京地方の五十サンクル送電を特設電話で東京と大阪に連絡をとり、数分にして六十サンクルに切替えて、大阪地方に送電をなすことは、黒部流域とともに中部地方の特徴でありまして、今日電氣事業の再編成が叫ばれ、経営形態が論議されるにあたり、大いに参考とすべきものと存じます。よつて委員諸君のうち、現地視察希望の方は、現地と打合わせがしてありますから、專門調査員に連絡く、ださいますれば、御便宜をおはかりいたしますことも、附け加えて申し上げておきます。
 それでは議事に移ります。前会に引続き請願の審査をいたします。なお請願の審査は從前通りといたしまして、その可否は後日一括して決することにいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○前田委員長 御異議ないと認めまして、そのように取扱うことに決します。日程の順序は紹介議員の出席等の関係もありますので、随時委員長において取計らうことにいたします。
 日程第三、高知縣内大口電力電氣料金引下の請願を議題といたします。紹介議員の紹介説明を求めます。林讓治君。
#4
○林讓治君 私は高知縣の大口電力の問題につきまして、從來C区域になつておりますのを、B地区として料金を変更していただきたいということについて、請願の御説明を申し上げたいと思います。高知縣は從來産業のきわめて不振な縣でありまして、しかのみならず、たびたび天災に見舞われて、財政上については非常に困窮を來しておる縣であります。そういう関係から、明治三十六年に高知縣の産業開発のための根本策として、電力の経営をもつてこれに当つておつたのでありますが、戰爭とともにこれが統制をせられまして、今日に及んでおるのであります。高知縣が電力を利用することによつて縣の産業を盛んならしめ、その益金によつて天災その他の問題について補いをいたしておつたようなわけでありますが、ただいま申し上げました通りに、統制になりましてからは料金が非常に高い。從つて原料を他からもつてきて、その電力によつて行わなければならぬ諸産業については、非常に不利を來すような実情にあります。それはたとえば、大阪の方より高知縣まで原料をもつてこなければならぬ。そうすると、でき上つたところのものをまた他に出す。その間において今までは電氣料が安かつたために高知縣の方に誘致をいたしておりました工業のごときものも、まつたく他と競爭のできないような実情になつておるわけであります。それでなるべく早くC区域の料金をB区域にしてやつていただきたい。こういうのが私どもの請願をいたしましたゆえんなのであります。たびたび陳情いたしまして、多大の御同情は得におります。またそのお話のうちには、高知縣だけを下げるというのは、どうせ全体の振合い上ぐあいが惡いということも伺つたのでありますが、当初において富山縣のごとき例外を認められておるものといたしまするならば、この実情をお考えくださいまして、適当の時期にB項に御変更を願うこともまた当然のことではなかろうかと考えまして、今日の高知縣の実情を申し上げて、ぜひB項に御変更をお願いいたしたい、こういうわけなのであります。詳細のことは書類をこちらに出しておきますからごらんおきを願いまして、簡單ながら以上をもつて御説明といたします。
#5
○前田委員長 本請願に対する政府の所見を質します。
#6
○正木政府委員 本請願につきましては、今日までもしばしば御意見等を十分承つておつたのでありまするが、御承知のようにこの大口電力料金につきましては、全國的にいろいろの問題がございますので、関係各廳とも連絡をいたしまして、現在種々の角度から檢討をいたしております。ただいまの請願の御趣旨にもありました通り、高知縣という特別の地区に対してのみ割引料金を認めることは困難な事情にございまするが、当局といたしましては、この点十分に考えまして、ただいま研究を置けております。しかしこの料金制度は、電氣事業の企業形体をどう再編成するかという点にもかかつておりますので、目下電氣事業民主化委員会の結論を参考にしたい、かように考えておる次第であります。
#7
○前田委員長 御意見ありませんか。
#8
○成瀬委員 この際政府の方に関連してお尋ね申し上げたいのは、A、B、C、とわけて大口電氣料金の規定があるので、高知縣からそういう点において地方の産業の振興のために引下げの請願が來ておるのであります。私は國家的性質をもつこの電源の開発につきまして、國家全体の産業の振興の上から眞劍に考えなければならない。かようなことでいろいろ研究いたしておりますが、特にその動力源としての最も重要なる電氣料金につきましては、その企業に対してどういう基準でなされておるかということを、未だ不敏にして私くわしく存じておりませんので、縣のもつ特殊な産業であるとか、それが殊に縣自体に特に必要であるとか、あるいはまたこれが國家的見地から言つて、産業を開発すべき重要性をもつておるものであるとか、あるいは電源コスト等との関係から、特にその際に対してそういう産業を振興せしめる必要から、電力料金を引下げる必要がある。あるいはまた発電関係ということもあるであろうと思うわけでありまして、こういつた方面に対しての基本的な電力料金決定の事柄を、一應御説明願いたいと考えるのであります。
#9
○三ツ井政府委員 ただいまの御質問にお答えをいたします。現在電氣料金は、先ほど仰せられましたように、大口に電力につきましては全國をA、B、Cの三つのクライにわけております、それは地域で申しますと、一番安てのはAでございますが、A地区に当りますのは、北陸配電の区域、北陸地方でございます。それからCという一番高い方でございますが、これに相当いたしますのは北海道と中國、四國、九州、この四つの地区でございまして、残りの東北、関東、中部及び関西の四地域はBということになつておるのであります。この大体の比率は、Bの地区を一〇〇といたしますと、Aの地区が基本料金、電力量料金ともに八一%ということになつております。それからCの方はBを一〇〇といたしますと、基本料金の方が一一六%、電力量料金の方が一二三%、こういうようにBを中心にいたしまして二割程度の上下が加えられておるのであります。もつとも一般の電燈及び小口電力につきましては全國均一でございます。そこでこの料金の決定の基礎になつておる考え方と申しますのは、大体におきまして、電源のコストの問題を多少そこに織りこんでおるということでございますが、現在の電力の原價構成から見ますと、とうていこの程度の差ではない地域があるのでございまして、これは多分に政策的な、すなわち全國の電力料金をある程度均衡化せしめるという趣旨の政策的な意味が加わつておるものと考えるのであります。その結果は現在御承知のように配電会社に対する日本発送電の卸賣り料金のプールによつて清算をしているという形でございます。從つてこれが現在電氣事業再編成にあたりまして、相当大きな問題の焦点の一つになつておると考えるのでございます。從つてこれを今後どういうふうにもつていくかということが、電氣事業再編成の問題の一つのかぎでございますから、今ここで今後の電力料金に対する方針を申し上げましても、今まで以上のことを申し上げることは相当困難だと思うのであります。この事業再編成の問題と絡んで、同時に考えなければならぬ問題であると考えておるのであります。ただ私どもとしましては、電源地帶において電力が使いやすくなり、その結果將來新設いたします工場はもちろんでございますが、現在の電力を多量に消費するような工場等に対しましては、急激な変更を加えることはできないと考えるのでありまして、どういう方法が將來とられるにいたしましても、現在のこの方針を急轉回させるということは困難であろうと考えているのであります。大体そういうことで御了承を願います。
    ―――――――――――――
#10
○前田委員長 次に日程第七、配電事業縣営に関する請願文書表第七五八号を議題といたします。紹介説明を求めます。櫻内義雄君。
#11
○櫻内委員 紹介議員の山下春江君が他に用事がありますので、私が代つて要旨を申し上げたいと思います。
 請願者は東京都議会議長石原永明君ほか二十三名よりの提出でありまして、配電事業の縣営は、サービスの徹底を目標とし、萎縮せる地方産業を振興するものであるが、さらに地方自治体が住民の生活必需品である電氣を供給することは、住民と自治体の結合を緊密ならしめ、自治精神の高揚を促すものである。しかも配電事業の運営形態は、都縣單位を最適とすることは、識者の意見の一致するところである。ついては配電事業を縣営に移管されたいというのがこの請願の要旨でございます。何とぞ御審議の上、よろしく御配慮をお願いしたいと思う次第であります。
#12
○前田委員長 本請願に対する政府の所見を質します。
#13
○正木政府委員 本請願に対してお答えをいたしたいと思いますが、配電事業を縣営に移管するかどうかという問題は、御承知のように電氣事業を全般的に、どう再編成するかという根本方針にかかつている次第であります。この点に関しましては、現在電氣事業民主化委員会において調査審議をすることになつておりますので、その結論を考慮いたしましてその処置をしたいと考えておる次第であります。
#14
○川越委員 電氣事業の民主化委員会の、全体の結論はいつまでに出そうというお見込みでありますか、その点ちよつとお伺いいたします。
#15
○三ツ井政府委員 委員会は現在、この前にもちよつと申し上げましたように、形式といたしましては準備委員会という形で進んでおるのでございますが、結論は單にこの委員会の議事進行をだらだらとやつておつたのでは、結局別の方面から事業再編成の問題が急速に取上げられることになるということも考えられますので、できるだけ早く結論を出さなければならぬというふうに考えておるのでございますが、何分問題が非常に重大な問題でございます。從つてこの委員会が必ずしも一つの結論にまとまるということが期待できないかもしれぬと思うのでございますが、そういう場合も考えますと、やり方によつては相当早く成案を得て、それに各委員の意見を附けて、委員会に決定とするというようなことにすれば、割合に急速にもできる。すなわち緩急に相当のゆとりがあると考えておるのでございまして、現在のところ先ほど申し上げましたようにして急にこの問題を決定しなければならぬような、すなわち一日二日の間にでも決定しなければならぬような情勢でもございません。しかし情勢の変化によりまして、どういうことになるかはわかりませんが、それに即應して、すなわち委員会は何どきでもそういう意味で結論に到達し得るような態勢で審議を進めていくつもりでございます。
#16
○成瀬委員 この配電事業の縣営に関する問題は、本日も他に一件ありますし、地方自治体におきましては、電氣事業再編成に伴いまして縣営の要望が非常に強いのであります。こういうような縣営の要望が強いということは、一つには自分の縣に電源をもつておるような有利な縣は言うまでもありませんけれども、関西地方の、かえつて縣営にすること自体が電力料金等において、不利益であると考える縣において、それを強く主張しておる根源はどこにあるかと申しますと、現在の配電機構におきましては、金融関係と同じように、中間のサービスを必要とするいろいろの不便がありますので、むしろ若干の割高になつても縣営にいたしまして、そうしてスムースに電氣の確保をやつていきたいということが、そういう不利益な縣においてでも強いのでありまして、こういう見地から考えてみますと、ここは電氣事業民主化委員会、その他の再編成の結果におきまして、相当そういう不合理な点が是正されるものと考え得るわけであります。けれどもそれまでの期間、今言つたような矛盾せる問題があるとすれば、政府はどういう方法をもつてそういつた不合理を是正する熱意をもつておられるか、この点一点だけお尋ねいたします。
#17
○三ツ井政府委員 ただいまの御質問の趣旨は、現在の配電会社におきましてサービスが十分でないが、それに対してどう処置すべきか、どういうふうに考おておるかという御質問だと思いますが、それでよろしゆうございますか。
#18
○成瀬委員 サービスが十分でないという逆な方面でありまして、いわゆる金融業者がやみの金利によつてやつておると同じようなわけで、一定の料金以外の特別のやみの料金を要求されておるというようなことが行われておる。そういうようなことについて、あまりにも地方においては不合理であるがために、かえつて結果においては惡いと知りつつも、そういうような現在の機構よりかいくらかましだというような点から縣営を主張いたしている。これに対してどう処置されるか。
#19
○三ツ井政府委員 現在そういう非難と言いますか、苦情も相当聞いているのでございまして、特に全般的ではなしに、ある一部の営業所でありますとか、そういう方面において、たとえば電力の割当制度が行われているのに対しまして、超過使用の場合の取扱いでございますとか、あるいはまた新しく工事をやろうとする場合における正当な要求以外のいろいろな要求をするという問題でございます。これらの点につきましては、電力局といたしましては、相当頻繁に行われます各配電会社の首脳者に会合がございますたびに、その事例をあげて、そういうことのないように会社全体を引締めていくように要望いたしておるのでございます。最近におきましてはだんだんその点は徹底してきております。また從業員の内部におきましても、自制的にそういう事情を排除する努力が行われておるのでございますが、一方私どもといたしましては、ただ單に業者のそういう努力にまたないで、最近におきまして特に問題のある会社に対しまして、相当徹底的な監査を行う計画を立てているのでございます。これらによつてそういう問題が少しでも少くなることを念願している次第であります。
#20
○根本委員 先ほど來の政府委員の説明によりますと、電氣事業の経営形態の改変に関するところの用意があるごとく見えましたが、企業形態の改変の問題については、電産案とか、日発案とか、いろいろ出ているようでありますが、この問題を政府としては本議会中に電氣事業法その他の法律案の改正によつて、これを実施するという決意をもつておるのかどうか。またその準備ができているならば、その資料の提務を委員会に対していつごろなすか。そういう点について御答弁をお願いします。
#21
○正木政府委員 ただいまの御質問にお答えしたいと思いますが、電氣事業の経営形態の改変にあたりましては、先ほど他の政府委員からも御答弁をいたしたように、現在準備会の形をとりまして審査を進めております。ただ政府当局といたしましては、問題の事柄が重要でございますので、非常に愼重な態度をとつておりまして、現在のところ御質問にございましたように、本議会に出せるかどうかという点につきましては、いまだ未定である。かように申し上げる以外に方法はないと思います。どうかその点で御了承願いたいと思います。
#22
○根本委員 そうしますと、先ほど來二件の請願がありましたがこれはいずれもこの企業形度の再編成という問題を取上げなければ、基本的には処理できないというように思われますが、一面におきましては、地方におきましてこういう問題が非常に緊急の問題として取上げられていると考えます。從つて根本的なそういう企業形態の再編成の法案を準備するまで、そのまま放置しておくというわけにもいくまいと私は思う。その意味でこうした問題について、根本的にではなくとも、部分的にこれをどういうふうに解決するという方針をもつておるか。あるいは全然しようがないからそのままそれまで放置しておくのか、その点を明確にしていただきたい。
#23
○正木政府委員 お答えいたします。御質問の趣旨には相反する、まつたく不滿足な答弁になるかと思うのでありますが、現在のところ、当局といたしましては、最終的な結論が出るまではやむを得ないと考えております。
#24
○石野委員 ちよつとお尋ねいたしますが、先ほど三ツ井技官から電氣事業民主化委員会の件につきまして、また正木政務次官からも、極力政府は鞭撻していろいろと調査に当つているのだと申されましたが、その間三ツ井技官から、また電氣事業民主化委員会というものは準備会であるというようにおつしやられておりましたが、この点については先ほど來できる限り急速に会の結成をするように努力しているというふうに聞いておりますのに、今なお民主化委員会が準備会の状態にあるというのは、早晩これが正式に結成される見透しがありますのか、またそれについて現在どういうふうになつているのかどういうふうになつているのかということを一應承つておきたいと思います。
#25
○三ツ井政府委員 單に手続上の問題で遅れておるのでございまして、早晩正式に結成されるものと考えております。
#26
○根本委員 手続上の問題というのは大分前からの話でありますが、これはどういう意味でございますか。手続上というのは、その基本構成に関する意見の違いか、それとも單に手続上のどこかに引掛つているという意味なのか、その点を明らかにしていただきたいと思います。
#27
○三ツ井政府委員 この委員会といたしましては公職になるのでございまして、この委員の人々についての公職適否の審査が必要なんでございます。そのためでございます。
#28
○前田委員長 ほかに御意見ありませんか。――御意見がないようでありますから、次に移ります。
    ―――――――――――――
#29
○前田委員長 日程第八、靜岡市における電氣事業を市営復元に関する請願を議題といたします。紹介議員の説明を求めます。櫻内義雄君。
#30
○櫻内委員 紹介議員の岡野繁藏君が欠席いたしておりますので、代つて申し上げます。請願者は、靜岡市議会議長廣瀬修造でありまして、その要旨は、かつて靜岡市が経営した電氣事業は、創業以來三十余年間優良なサービスと低廉な料金とをもつて経営の根本方針とし、肥えず事業設備の改善整備を加えつつ、大なる成績を挙げ、市財政に大なる貢献をしてきた。しかるに戰時中國策遂行上、強制的に配電会社に出資統合されてそのままになつているが、すでに終戰によつてその主目的は失われたのであるから、該事業を市営に復元されたいというのであります。何とぞ皆さま方の御配慮をお願いしたいと思う次第であります。
#31
○前田委員長 本請願に対する政府の御所見をお尋ねいたします。
#32
○正木政府委員 本請願に対してお答えをいたします。先ほどの請願にもございましたように、この電氣事業を公営に移管するかどうかの問題は、電氣事業を全般的にどう再編成するかの根本方針にかかつておるのでありますので、この点に関しては現在電氣事業民主化委員会において調査審議をすることになつておりますので、その結論等を考慮して処置したいと考えております。
#33
○前田委員長 ほかに御意見ありませんか――別に御意見がないようであります。他の案はまだ紹介議員が未着であります。よつて次の委員会に讓ることにいたします。緊急質問の通告があります。これを許します。櫻内義雄君。
#34
○櫻内委員 先ほど來電氣事業再編成の問題につきまして、いろいろ論議が出ておるのでありますが、これにつきましては別の機会に詳細に承り、あるいは御意見を申し上げる機会があると思いますが、この再編成問題で、事業者はもちろん、官廳も民間も、この問題にのみとらわれておりまして、電氣事業の統制上、あるい電氣事業の経営、サーヴィスの上におきまして、われわれは何かそこに憂慮すべきものがあるのではないかと考えておるのであります。特にここ二日ほど來、すでに渇水の状況を呈しておりまして、電氣事業の本來の仕事が非常に重要性があるというふうに思うのであります。これに対する政府の今渇水期に対する対策、あるいは電氣事業者が現在この再編成問題にあまりとらわれすぎておつて、電氣事業の経営能率が下つておるのじやないかというような点についての御見解を承りたいと思うのであります。また電氣料金の値上げ等につきまして、どういうお考えをもつておられるのか、この点につきましても御説明をお願いしたいと思います。
#35
○三ツ井政府委員 現在すでに渇水が始まつたような事態でございます。電氣事業として当面の問題及び今後の問題について、どういう態度をとつておるのかどういうことでございますが、再編成問題は再編成問題でありますが、われわれとしましては、そのいずれにきまりましても、電氣事業本來の使命については、十分考えておるのでございまして、この長期建設の計画ということにつきましては、先ごろ経済安定本部より経済復興五箇年計画に関する第一次試案が発表せられましたが、あの計画におきましても、電力の五箇年計画があの中にはいつておるのでございます。その実現について、昭和二十三年度においてできるだけたくさんな資材、資金、その他電氣事業に対する割当を得まして、着手をいたしたいと考えて、現在努力をいたしておるのであります。何分この問題につきましては、將來の日本の電業水準の問題と直接関係がございまするので、現在のこういう事情にもかかわらず、將來の拡充について了解を得ることはなかなか困難なのでございまして、思うようには運んでおりませんが、この問題は非常に重要でございます。すなわち産業の復興ができるかどうかという基本的な問題でございますので、石炭と並んで最要点的に考えていただくようにいたしております。この二十三年度、すなわち本年度においてこの五箇年計画でどういうようなことをやるかという問題につきましては、大体の骨子はでき上つておるのでありまして、現在関係方面にも折衝いたしておるのでございますが、その完全な了解を得るにはなかなか困難であると思うのであります。それらの内容等につきまして、できるだけ詳細に、次会または適当の機会に資料を整えて御説明いたしたいと思います。
 なお本会渇水期の問題でございますが、夏及び冬の両時期に相当の渇水を予定しなければならぬと思うのでございます。この夏は御承知のように雪が非常に少うございます。たとえば信濃川方面におきましても、信濃川の上流には現在雪がほとんどないのでございます。これらの点から考えまして、冬期はもちろんでございますが、夏期に対しても相当の火力発電の必要を感じておるのでございます。ただ夏の渇水に比べましては冬の渇水は非常にきついのでございますから、割当てられる石炭、すなわち本年度は三百七十万トンの割当を受けておるのでございますが、これは昨年に比べまして約五〇%の増加でございますが、これの石炭を一旦貯炭をして冬に備えるべきか、あるいは夏使つて冬は冬というふうにするかという問題について、非常に重要な決定をしなければならぬのでございますが、私どもとしましては、この夏におきましてもある程度の制限は不可避と思いますが、火力を相当焚いてやつていきたいと考えておるのでございます。この三百七十万トンの火力を焚くことにつきましては、この冬が問題になるわけでございますが、この手当といたしましては、前年來火力の補修を最重点的にやつておりますので、現在の見透しといたしましては、十分にこれを消化することができる成算をもつておるのでございます。なお本年度の渇水期対策につきましても、できるならば、先ほど申し上げました將來の長期計画の説明のときと同樣に、資料を整えて御説明申し上げたいと考えております。
 なお最後の料金の問題でございますが、この問題は目下物價廳を中心にいたしまして、われわれの方と折衝の最中でございますので、現在のところまだ最終的な決定に至つておりませず、われわれの要請いたしております点と、その担当の方面との意見も十分に一致をいたしておりませんので、この席上でその経過を詳しく申し上げることは適当でないと考えますので、しばらくお待ちを願いたいと思います。
#36
○櫻内委員 ただいまの御説明で私はもう一つお聽きしたいことがあるのであります。それは平たく申し上げますと、私が卒直に言いたかつたことは、この電氣事業の再編成の問題に、経営者も労働組合もあるいは政府も氣を配られておるうちに、すでに渇水期が來たのだ。にもかかわらず対策が不十分ではないか。この点なのであります。これがただいま一番お聽きしたいのであります。例年渇水期に対する対策は立てられますけれども、大体対策が立てられて、これからというころにはすでに遅いという場合があるのであります。今年の場合は突発的とも思われますし、あるいはこのまま本格的な渇水期になるのではないかと思われますので、この点につきまして政府ではどういうふうにお考えになつておるのか、例年に比べて今度の渇水はどうなつておるのか、そうしてこの渇水期がそのままずつと継続するとすれば、すでにこの夏の渇水対策というものが十分立てられてなければならないと思うのでありますが、その点がどうなるか。そういう点が今一番お聽きしたい点なのであります。
#37
○三ツ井政府委員 ただいま現在の模樣に関連して非常に心配をしておるのだという御意見でございまして、実は私どもも非常に心配をいたしておるのでございますが、最近の事情を申し上げますと、大体においてこの五月、六月は豊水が続くものと予定しておつたのであります。ところが五月の終りころからの好天続きのために、本月にはいりましてこの一日二日におきまして、一番問題になります関東、関西地区におきましては、水量が過去五箇年平均に対しまして、関東の方は八五%、関西の方は八一%というふうに下つたのであります。これに対しまして関東、関西を通じまして、火力を十三万キロばかりのものをもうすでに入れておつたのであります。これは積雪が少かつたことが相当の問題だといたしますと、今後において非常に心配しなければならないと考えるのでありまして、これに対しましては安本におきまして、六月の電力の割当の基準にいたしております数字がございますから、これを確保するためにはある程度現在もつております火力の貯炭を食つても、割当だけのものは供給しなければならぬと考えております。それをいたしますにつきましては、貯炭を食込むことになりますので、この点が非常に苦しいのであります。現在計画貯炭をやつておるのでありますが、その計画貯炭を食込むことになりますので、これに対しては安本の割当を引下げるか、あるいはさらに安本の割当を維持して、石炭の追加割当をもらうかという問題に当面いたしますので、この六月の水量の模樣から見ますと、そのいずれかを決定しなければならぬ時期になつているのであります。ただ昨日來の雨によりまして、この数字はけさの模樣によりますと、関東におきましては、過去五箇年の一〇八%という数字に回復いたしております。関西におきましては一〇六%という数字になりまして、本日は四万キロの火力を焚いているだけであります。十日前後からつゆにはいるわけでありますから、このつゆの降雨の模樣いかんによつては、われわれが予定しておる割当を切下げないで、しかも石炭を追加配給をしていただかなくても計画貯藏ができるかもしれないと思うのでありまして、これらの点につきましては、今後石炭とのにらみ合いでございますので、安本と緊密な連絡をとつて対策を立てているわけであります。
#38
○櫻内委員 簡單に最後にお聽きしたいのでありますが、大体ただいまの御説明によりますと、突発的な渇水に対しては、火力に依存するというように承つたのでありますが、ただわれわれが憂うることは、本格的な渇水期になつて周章狼狽して、消費規正をなさるということがあつてはならないと考えるのであります。あらかじめこの夏の渇水に対する消費規正というものをすでに御立案なさつておられるのではないかとも思うのでありますが、この点ちよつと御説明をお願いしたいと思います。
#39
○三ツ井政府委員 現在第二四半期の電力の割当につきまして、大体数字を決定いたしておるのであります。これは今ここに数字をもつてまいりませんでしたので、詳細に申し上げるわけにはまいりませんが、第一四半期に対して相当の圧縮になるのでありますが。これは從つて産業方面における生産の圧縮に当然なるわけでありますが、その割当に基いてただいま申し上げた石炭の消費計画を立てておるのであります。從つてその基礎になつております水力の出方いかんによりましては、この六月に今考えておりますと同じ問題を機動的にやつて、割当をきめた数字を確保して、石炭の追加割当をもらうという方向に、私どもとしては全力を盡すつもりであります。
#40
○村上(勇)委員 ちよつと三ツ井政府委員にお伺いしたいんですが、最近九州地方の電力制限は八時から十一時まで消燈ということを新聞で見ましたが、その後どうなつておるでありましようか。
#41
○三ツ井政府委員 九州の最近の事情については、今手もとに資料を持つておりませんが、九州の水力は御承知のように非常な変動でございまして、先ほど申し上げました本州中央部とは比較にならぬのでありますが先般來の天氣続きの結果、九州におきましては水力が例年の五三%になつているのであります。その渇水いたしております上に、現在は田植の時期にはいつていると思われますので、灌漑用水の水を相当とつているというために、そういう緊急の事態が趣つているのではないかと、かように考えるのであります。先般も九州から別の問題でありますが、大挙して陳情に見えたときも、その問題があつたのでございますが、私どもとしてましては九州に対しましては、現在本州中央部の方面から最大限の電力を送つております。けさも送電線の許す一ぱいのものを送つております。また火力にいたしましても、現在九州において十六万キロの発電をいたしております。なお九州方面では昨日から雨が降つているのでありますが、その結果昨日は五年平均の一一一%、すなわち五三%まで下つておつたものが、一一一%に回復いたしまして、それがけさは九一、五%、一躍してまた二割ほど下つている。こういう状況でございます。今後九州においては、ある程度つゆの水というのはよけいとれるのではないかと考えるのでありまして、こういうフラクテイシヨンは変動は起りますけれども、この間隙はどうしても火力でやつていかなければならないと思つております。現在火力の方は、九州におきましては補修に全力をあげておりますが、今申し上げましたように十六万キロ、あるいはそれ以上の発電をなし得るような余地を残して補修をやつておりますので、昨年のようなひどいことはないと、かように考えております。
#42
○村上(勇)委員 どうしても九州は大貯水地を設けて、それによつて電力の調整をしなければならぬと思うのでありますが、これはとても三年五年という長い年月を要することでありますので、ただちに事情を異にする他の地方と同じようにしてくれということは無理かもしれません。しかし御承知の通り北九州の石炭によつて、火力発電所をこの補給に使うということは、私は九州の今日の現状を打開するためには、最も重要ではないかと思います。その意味から築上発電所のごとき、もう少しででき上がるというものに対しては、積極的な修復あるいは竣工に努力してもらうというようなことについて、地元を初め九州の各関係者は非常に熱心になつているんですが、このことに関しては政府はどういうふうにお考えになつておるのでしようか。
#43
○三ツ井政府委員 築上の火力発電所につきましては、現在先ほど申し上げました二十三年度の着工の予算には入れておらぬのであります。その理由は現在九州におきましてはボイラーの容量不足のために、認可出力まで出ていない発電所がたくさんあります。その復旧が最優先であるというので、その方に今全力を盡しておりますので、築上に予定をいたしておりましたボイラーを小倉の方へもつていつて、そこで使うということを考えているくらいでありまして、築上はその後になると考えております。現在九州におきましては、本年州において約七万キロワツトの火力の補修と言いますか、ボイラーの増設による出力増加を予定いたしております。
#44
○石野委員 渇水の問題につきまして、先ほど來いろいろとお聽きしておるのでございますが、それにちよつと附属的に御質問申し上げたいのでございます。先ほどから本年の夏季においても、相当に降雨量は少くなるだろうという見透しだというふうにお話がありましたが、その降雨量の見透しについては、どういうような程度でありますかということを一應聽きたい。
 それからなおこれに代つて、でき得る限り火力を使用していきたい、火力の補修の程度は、冬季渇水期におきまして三百七千万トンを十分使いこなし得るだけのものが補修できている、こういうふうにおつしやいましたが、そのもとになる石炭の貯炭の状況、それが計画と現在はいつている実情についての開きは、予定通りいつているのかどうかというようなことなどについても、一應お聽かせ願いたいと思います。
 なおもう二つほど質問がございますが、これらの問題を総合して、本年冬季におけるところの渇水期は、また相当深刻なものになつてくると考えられますが、それについて昨年來盛んに叫ばれました総合燃料対策の問題等については、どういうふうにお考えになつているか。
 なおメーターとか、リミッター、または変圧器、燒損防止器というようなものについて、從來政府が極力渇水期対策としてとつてこられましたところの、その後の進捗の状況はどうなつているかというようなことについて、簡單でよろしゆうございますが、お聽かせ願いたいと思います。
#45
○三ツ井政府委員 降雨量の予想につきましては、私は雨はこの夏少いだろうと申し上げたのではないので、私どもは夏におきましては、五箇年の平均を一應めやすにいたしておるのであります。從つてこれがどうなるかという長期予報については、夏の分まではまだ氣象台に連絡をいたしておらぬのであります。
 それから火力の貯炭の計画でございますが、目標と開きがございますが、現在のところでは、今年の三月において予定いたしておつたほど消費をいたさなかつたために、持越し貯炭が計画以上であつたために、四月、五月の入炭は――はつきりした数字ではなく、ちよつと間違いがあるかもしれませんが、百パーセントというわけにはまいつておらぬのでありますが、現在のところは、貯炭は計画以上にまだ持つているのであります。ただ今の調上でもつて入炭の割合を継続していくと、すぐ赤字になることは確かでありますが、現在のところでは貯炭の計画目標を切つてはおらぬのであります。
 それから冬季の火力の準備ができていると申し上げたのではありませんので、現在前年から引続いて資材資金を最重点的に注ぎ込みまして、復旧を急いでおるのでありまして、この冬に石炭が十分に消化できるように現在やつているということを申し上げたのであります。この三百七十万トンに相当する冬季の渇水の最大出力を出せと言われても、今は出ないのであります。
 それから総合燃料対策につきましては、現在安本の生活物資局を中心にいたして、今年度の対策を立てている最中でございます。
 メーター、リミッターにつきましては、これは昨年いろいろの問題で、非常に成績が惡かつたのでありますが、本年におきましては、すでに資金計画におきましても、配電会社に対する融資の限度を拡めてございまして、また先般関係の配電会社の人が集まつて、この問題について本腰を入れてやるように督励をいたしておるのでありまして、本年度は相当の成績をあげ得るものと期待いたしておるのであります。
#46
○前田委員長 電力復興計画及び渇水期対策は、きわめて重要なる案件でありますので、委員長からも政府当局に要求いたしますが、次の委員会までに資料を十分に集めて、具体的に詳細なる御説明を要求いたしておきます。
#47
○成瀬委員 私は商工計局に、この重要なる日本の産業復興のための、基本的な電源確保の電氣事業における労働対策についてお伺いたしいのであります。その前に、前回の本委員会におきまして、復金の方から相当多額な融資をいたしておる。巷間傳えるところによりますならば、二十数億の金を電氣事業関係の方に融資をいたしておる。その内容とするところが、日発及び配電の労働対策に対する拙劣なる立場から、そういうことに立至つたということをその当時申し上げ、政府当局はそれに対する意向を認めて、詳細なる報告を本委員会において申し上げるという答弁があつたわけでありますが、いまだにその答弁がないことをはなはだ遺憾とする次第でありまして、これに対する明快なる内容の説明をしていただきたい。
 それから労働條件について質疑の一点としてお尋ね申し上げたいのは、日本の電源開発なり、そういつた方面につきまして労働力の確保がなされておるかどうか、過般関西の尼一、尼二の方に参りましても、こういう労働力確保のための、いわゆる工員の宿舎の関係とか、食糧の問題等についての般合いがありましたが、それ以後全國的にもこういつた種類の労働力確保のためのいろいろな不合理が存在いたしておると考えておりますが、その方面に対する対策はどういうふうに進行さられておるかということが一点。
 次には労働者に対する待遇改善をめぐる諸問題でございますが、最近電氣産業労働組合の標準家族の一家庭一箇月における費用は九千円を要するというようなことが新聞にも発表されておつたのであります。もちろんそのほか國鉄その他國家の重要なる基本産業の労働関係におきましても、盛んに最近そういつた高額と言いましようか――これは当然そういうような主張をされる根拠がなるかもしれませんけれども、他の多くの産業から考えてみますと、相当高率な額にも考えられておりますが、そういう賃金要求をなされておるのでありまして、それらの内容がどの程度のものであるかということをわれわれは考えていかなくてはならない。過般二千九百二十円ベースのときにおきまして、電産の方は大体五千三百円の賃金ベースをを確保したいということになつておりますが、現在ただちにまた九千円を称えるということの内容について、われわれは少くとも知る必要がある。農村における不当課税等において、あるいはまた農村に対する米價の矛盾せる政府の方針において、さまざまなる條件が、最近農村を急激に疲弊せしめつつある状態でありますし、國民全体における生活水準も、労働基準法あるいは憲法にそれぞれきめられておるようなところに必ずしもまいつておりません。敗戰國民としての苦痛をそれぞれ経驗いたしておるときでありまするが、國家の基本的産業に從事する労働者の賃金ベースが、十分なる要求を満たすことに進んでいくとすれば、國民全体の立場からはたしてそれが妥当であるかということを考えなくてはならぬと考えるのでありまして、少くとも八千万國民全体の立場におきまして、食糧問題、農村問題、あるいは労働問題を考えていかなくちやならないにもかかわらず一部の者が自己の立場を有利に導くがために、あらゆる常識的な判断から、この程度のものであるということを考えずに、一方的な強い要求を持ちこむということと、まだその要求を通さなかつたならば、その産業が危殆に瀕して、國民全体の上に惡影響を與えるようなことがあるといたしましたならば、これはまた非改に重要なる問題でございまして、一方においては労働賃金の高額な確保を要求し、一方においては物價の引下げ及び料金の引上げを強く主張いたしておりまするが、こういつたことに対しまして、眞にまじめな労働者を安心させ、また國民全体を安心させる労働対策を、こういう賃金ベースの上においてももつておられるかどうかということをお伺いしたい。
 また料金問題については、最前陳情の際に、私は高知縣の方のC項をB項にしてほしいと言つたときに、政府委員としては生産コストの点から、それを一部採用して、A、B、Cに決定しておるという御意見でありましたが、引続き他の委員の説明に対する答弁といたしまして、目下電氣民主化委員会等の設立について研究するとか、あるいはまた物價廳の方の料金決定委員会に意見を具申いたしておるというような話でありましたが、私は少くともこの電氣料金は國家全体の産業の振興のために、公平に扱われるベきものであるということを申し上げてみたいのであります。もともと國民全体の負担に帰するがごとき復金の融資がはたして事実であるとすれば、これまた全國民の負担においてこれらの点は赤字を賄わなくちやならぬということにもなりますし、また專賣方面における塩であるとか、タバコであるとか、こういうかなり重要な産業においても、國民全体の立場において物價政策が行われておる。ひとり電氣関係のみが生産コストが低いために、その地方の縣に対し特別な恩典を賦與するということは、國家全体の構成上われわれは料金政策として矛盾せるものがあるのではなかろうか、こういうようなことを考えておるわけであります。
 以上のような精神からいたしまして、政府は今後におけるところの料金問題に対しまして、どういうような考え方を物價廳の方に持ちこんでいかれるか、以上三点につきましてお伺いしたいのであります。
#48
○正木政府委員 ただいま成瀬委員から電氣産業に関連いたしまして非常に重大な御意見の御発表があつたのでございますが、そのうち私からこの点だけを御答弁しておきたいと思います。電氣産業に從事いたしておりまする從業員に対する労働條件の点でございますが、それに関連して從業員の賃金問題であります。今成瀬委員が御指摘になりましたように、電氣産業に從事いたしまするところの從業員の賃金問題等につきましては、非常に他の産業その他にも重大な関連をもつものでございまして、政府においても目下賃金安定方策等について種々対策を立案研究中でございます。そこで本日私からこの点について具体的に結論づけた御答弁を申し上げることはどうかと存じまするので、次回の委員会までに政府の意見をまとめまして御答弁をしたいと思います。この点御了承願いたいと考えます。他は三ツ井政府委員からお答えさせます。
#49
○三ツ井政府委員 先ほどの第一番に要請せられました労働対策としての融通資金、すなわち赤字資金の問題でございますが、これにつきましては資料をまだ出してないというお言葉でございましたが、電力局長は機会あるごとにときどき申し上げておると思うのですが、なおよく調べまして資料を整えて次会に答弁いたしたいと考えます。
 次に労働力確保の問題といたしまして、住宅、特にたとえば尼崎方面における火力発電の労務者の住宅の問題でありますが、これは火力発電所の補修計画の一環といたしまして、住宅の建設という問題を眞劍に取上げておるということを御報告申し上げておきます。
 最後に料金の問題でございますが、今御意見のありますが、今御意見のありましたような考え方も確かに一つの考え方であると思うのでございますが、他にまたそれと非常に異つた意見も出ておるということでございますので、ここで私どもの最後の考え方を申し上げることは非常に困難なので御了承願いたいと思います。
#50
○前田委員長 それでは本委員会はこれをもつて散会し、次の委員会は公報をもつてお知らせすることにいたします。
    午前十一時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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