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1947/08/22 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 治安及び地方制度委員会 第10号
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1947/08/22 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 治安及び地方制度委員会 第10号

#1
第001回国会 治安及び地方制度委員会 第10号
昭和二十二年八月二十二日(金曜日)
    午後二時三十分開議
 出席委員
   委員長 坂東幸太郎君
   理事 門田 亮君  理事 矢尾喜三郎君
   理事 高岡 忠弘君 理事 中島 茂喜君
   理事 川橋豊治郎君
      大石ヨシエ君    笠原 貞造君
      菊池 重作君    久保田鶴松君
      大澤嘉平治君    佐藤 通吉君
      千賀 康治君    坂口 主税君
      小枝 一雄君    加藤吉太夫君
 出席國務大臣        木村小左衞門君
 出席政府委員
        内務事務官   林  敬三君
        内務事務官   久山 秀雄君
    ―――――――――――――
八月十九日
 道路交通取締法案(内閣提出)(第四〇號)
の審査を本委員會に付託された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 北海道總合開發機構等に關する件
 道路交通取締法案(内閣提出)(第四〇號)
    ―――――――――――――
#2
○坂東委員長 これより治安及び地方制度委員會を開會いたします。
 會議に對する件は、日程を變更いたいまして、北海道總合開發機構等に關する件を審査いたします。政府より説明を求めます。林地方局長。
#3
○林政府委員 北海道の總合開發の必要性につきましては、屡次この常任委員會の席上でも御質問もあり、お話申し上げましたところをもつて御了承と存ずる次第でございます。ご承知のごとく北海道總合開發ということは必要なことではございますが、時勢の進展に伴いまして、これを一つの省で掌握していくことは不適當だという見地から、先月でしたか、内務省でもつている北海道開發に關する權限を各省に分散いたしました。水産のことは農林省、商工、鑛業のことは商工省、土木のことは内務省、森林のことは農林省、開拓のことは農林省というように、その他の各省にもこれを分散所掌することに相なりました。從いまして内務省には北海道開發の權限というものは、國土局關係の土木のことを除いてはなくなつたわけであります。これがなくなりますときに、今までの責任の官廳であります内務省といたしまして、その責任上いろいろの仕事を内閣の方で引繼いでまいつたわけであります。そのうちの一番大きなものとしては、北海道開發に關して各省の責任でやることは結構ではあるが、行政がばらばらになつては運用上困るということを憂えられて、北海道開發行政運營委員會というものを設けることにいたしました。これは内閣官房長官が會長となり、關係各省の官吏、すなわち各省次官級の人八人以内、それから北海道の知事及び北海道會議長、これらを加えて北海道の開發に關しましての重要事項を調査審議し、合わせて各知事の行政運營の連絡をはかるということに決定をいたしまして、目下これについての官制の政令案を立案中でありまして、不日これは具體化して活動を開始することと思われるのであります。しかしながらこの委員會は行政官廳、すなわち内務省で一本でもつておりましたのを分散いたしましたために、一本でもつております短所はなくなりますが、長所もなくなる。そこで一本で總括的に統一的にもつている長所を保存し、活用し發展させるためのものであつて、いわゆる役所の間の連絡の機關であり、役所の間の統一の機關であります。そこで今後の日本の寶庫と言われる北海道の開發については、ただ役所間の連絡はそれで濟むのでありますが、廣く朝野の有識者を集めて、北海道開發の問題を中央政府の問題、あるいは中央における問題として取上げ、發展させていくためには、ただ官廳内部の連絡機構だけでは不十分である。かような見地から、參衆兩院議員その他學識經驗者を集めて、北海道に關する大調査會を設けたいということを政府といたしましては計畫いたしまして、目下研究をいたしている次第でございます。しかしながら先ほど申し上げました通り、いずれの仕事も内務省から内閣に移りまして、便宜經濟安定本部の建設局においてこの仕事を掌つている次第でございます。行政運營委員會の方は、不日實現を見ることと存ぜられます。また調査會においては、安本の建設局で内務省の仕事を受繼ぎまして、十分の研究を遂げて、北海道の發展がよくいきますように善處をいたす見込でございます。以上をもつて説明を終ります。
#4
○坂東委員長 ただいまの林地方局長の説明に對しまして質疑がありますれば、この際お願いいたします。實はこの問題はすでに本委員會におきまして、確かに二囘調査した問題でありますが、ただいま林地方局長のお話のごとくに、二囘の調査の委員會の意向は、もちろん北海道開發問題は國策問題なるがゆえに單に役員だけでなく、衆議院、參議院の代表者竝に學識經驗者がはいることはよろしいと、大體一致しておつたわけであります。今聽きますと、内務省でも大調査會をつくつて國策的にやることが適當であると言つておられましたから、われわれ委員會といたしましても、内務省の方針とまつたく同じでありますので、われわれの希望としても、その大調査會をつくるように政府に向つて進言したらいかがかと思いますが、いかがなものでございましようか。
 なお、引續いて申し上げますが、今林地方局長のお話のごとくに、現在政府でできております案は、單に關係各省の代表者の事務の連絡會議であります。その中に單に北海道長官竝に道會議長、この二人しかはいつておりません。すなわち衆議院、參議院議員なり、學識經驗者が一人もはいつておりませんから、あまりにも狹すぎる。從つてこれを國策的に廣く研究した方がよろしい。そういうような理由であります。
#5
○林政府委員 なお先ほどの説明に補足させていただきたいと存じます。現在においても、今委員長が言われましたような、廣く參衆兩院議員と學識經驗者をを入れました調査會は、規定はあるわけでございます。これは昨年おかれまして、内務省にそういう委員會をおくということになつており、一、二囘會議を開いたのでありますが、これは内務省における調査會でありますので、内務省の解體に伴いまして一應御破算になるわけでございます。そこでこれを改組いたしまして、いわゆる安定本部で事務をとる内閣でもつておくように再び更生させてまいりますか、あるいはこれを一遍廢止してまた新しいものをつくりますか、そういうことも研究問題だと存じておる次第でございまして、政府としては、この問題は十分取上げて研究し、できるだけ御趣旨に副うように善處いたしたいと思つております。
#6
○佐藤(通)委員 地域を失つた日本の現状からいいますれば、未開發地の開發ということは焦眉の急であります。從つて日本全國をずつと見ますと、相當の資源が埋藏されているにかかわらず、未だ開發に著手してない地域が相當にあるのではないかと私は思います。今問題になつております北海道の開發は、私が今ここで申し上げる必要もないほど、きわめて緊急な開發を必要とすることは何人も異存のないところでありますが、それと同時に南方地域における將來の基點ともなるべき大隅開發も、これまた北海道の開發に劣らぬような重要性をもつておるのではないかと思います。それでこの際私どもは北海道竝びに大隅地帶のような未開發地方は、相互的にその資源の調査竝びに開發の準備をするような國家的な機關を設けて、その機關の中の一つの分擔をきめて、北海道なりあるいは大隅なり、そのほかの地域の仕事おばやつていくというふうにしたらどんなものかと思います。私はもちろん南部の方には關係が深いのでありますが、北海道の方面にはお恥しいお話でありますけれども、ほとんど認識をもつていないのであります。從つてもし國家的な開發的な開發事業として國家が本式的に乗出すとしますならば、われわれはまず、實地を見聞するということが最も大事なことではないかと思つております。從つて機會を見て、ほんとうに北海道のいかなる地點が開發に適し、また第一に開發しなければならぬかということを、われわれの説明によつて十分これを觀察するとともに、その知識をもつて今設置されるところの調査機關なりに、強力な進言をする一つの方法も考えてよいのではないかと考えておりますが、どんなものでありますか。
#7
○坂東委員長 今地方局長の説明のように、現在調査會はあつたのですが、それが内務省の解體で自然なくなりましたので、從つてそれの趣旨に基いて政府、その所管でありますところの經濟安定本部において、元ありました調査會を繼續して、繼續委員をもつてつくれというわけであります。從つて南方に關することもまた、別な方法によつて調査會をつくらす必要もあるかと思います。この北海道のことは既定の事實でありますから、政府に要望してはいかがなものでありましようか。――他に御發言はありませんか、北海道は從來第一次、第二次の拓殖計畫が一昨年終りまして、今度第三次拓殖計畫ということになつておりますが、それに關しまして去年拓殖という名前をのけまして、北海道開發調査會というものができておつたわけであります。
#8
○佐藤(通)委員 北海道開發における參考資料というようなものはありますか。私の手もとにないので、實は内容についての慎重な審議もいたしかねるような状態でありますが。
#9
○坂東委員長 その内容は調査會で審査してやつておつたわけで、廣汎なものです。それは單に機構だけの問題だけでやつておるわけであります。それで調査委員になつた人が精細に檢討するわけで、ただここでは機構だけの問題であります。
#10
○佐藤(通)委員 そうすると今の局長のお話は、北海道開發に局限された意味の調査機關を設けるというお話でありますか。
#11
○林政府委員 お説の通りでございます。
#12
○坂東委員長 機構だけの問題で、内容は大いに檢討されるのであります。機構だけの問題ですから、政府に要望したらいかがでございます。
#13
○大石(ヨ)委員 私あとからまいりましてわかりませんが、調査會というものは別にあるのですか。これからつくるのですか。
#14
○坂東委員長 お答えいたします。それは政府だけの連絡會のほかに、北海道知事と北海道廳、北海道道會議長と、これだけ加わつて、ただしこれは事務的なものがあつたのです。ところが去年は衆議院議員、貴族院議員の代表と、關係の役人で四十何名かの大きな調査會があつたのです。それが内務省解體でなくなつてしまつて、その機構をこしらえるのは、經濟安定本部になつておるわけですが、そこで經濟安定本部に要求して、去年あつた調査會を復活というか、それをこしらえて、根本的に立案せしめてやりたい。こういうわけなのであります。機構だけの問題であります。内務省は解體でもつて自然消滅になりますから、その代りにつくらしたらというだけの機構の問題であります。内容は調査會で大いに再檢討します。おそらくは數百萬圓の金のいるような大きな問題であります。それはまた別問題であります。
#15
○笠原委員 これは政府一本でつくるのですか。
#16
○坂東委員長 もう一遍申しますが、現在は政府の役人だけの連絡會があるわけです。それに加わつているのは北海道の知事と、北海道會議長だけです。これは事務的なものです。ところが北海道の開拓は國のものですから、やはり衆議院も、參議院も、學識經驗者もはいつた大きなものをつくつて調査するのです。これは現在でもあるわけですが、内務省の解體でなくなつてしまいます。經濟安定本部の係りになりますから、經濟安定本部に要求して、去年あつたような調査會を復活して、衆議院も參議院も加わつて十分に調査の内容を盛りこみたい、こういう趣旨でございます。從來の第一囘拓殖計畫でも、第二囘拓殖計畫でも、衆議院も參議院もはいるようになつておつたが、今度ははいらなくなつたので、もとのようにしようというわけです。
#17
○千賀委員 先ほど御説明の、北海道の開發に關する官制の機構について御上程になつたのでありますが、そのもとはいつころからできておつたのでございますか。
#18
○坂東委員長 私からお答え申し上げますが、第一次北海道拓殖計畫は約三十年前であります。第二次は大正十五年に始まりまして、二十箇年の繼續で一昨年終りました。第三次が去年から始まりました。ところが開發の關係で延びまして、去年調査會ができました。そうして調査しておりましたところが、内部の機構の改革のために、調査會が自然消滅になつてしまつた。ところがいろいろな渉外關係がありまして、北海道開拓廳というものの官制を發表しましたが、それを認められることができなかつた。そこで各省の關係の事務的の連絡會ができて、それには道廳の知事と、北海道會の議長が加わつただけで、事務的のものであります。そこでもとありました第一次拓殖調査會に該當する調査會を復活して開く、こういう意味です。
#19
○千賀委員 北海道の開發の重要性は、もちろんわれわれは無視するものではございません。しかしながら今委員長がお答えになりましたところでは、三十年以來の問題のようでございまするが、ちようどわが國が朝鮮を獲得し、または満州國と特惠關係ができた。そのころからでありまして、日本の全民衆が北海道にかけておりまする望みの比重は、現在これらのものを、臺灣まで入れてすつかりなくした今日、北海道に望むこの望みの重大さと、三十年以前とは大分目方が違うと思うのでございます。その後第二次の開發計畫の開始に關しましても、比重が輕くはなつても重くはならない時代でございまして、第三次に至つて、去年とおつしやつておりまするから、あるいはこのときには非常に重くなつたかとも思いますけれども、從前の開發關係の一貫した思想の流れから言えば、やはり從前の延長であつたかとも思います。かように考えてまいりますると、現在われわれが手も足も出なくなつて、北海道の再認識をここでするという、その眞劍な深刻な氣持から考えますると、はたしてわれわれのこの氣持が盛られておるかどうかということ、この官制改革によつてほんとうにこれが盛られていくかということは、はなはだ心もとないような氣がするのでございます。しかし一方先ほど佐藤委員が質問せられましたが、九州の南のはてにおきましても、北海道に次ぐような、相當に大きな地方が等閑に附せられており、またこうした私の申しますような思想から、再び日本の國土全體を再認識をしてみますると、あるいは日本アルプスの方面だとか、吉野山の方面だとか、いろいろな方面で取り殘され、見直してみると重要で、國の力で開發しなければできないような、相當な所もあると思います。能うべくんば北海道の開發の機構を一元化して、これを改正するこの機會において日本の相當に廣い部分の重要な方面は、大體この中へ加えて開發ができるということにするか、あるいはあらためてそうした地方々々を開發するというような官制をつくるか、いずれにいたしましても官制がすべてのもとになると思うので、この際私が申しまするような意味において、もう一度國の力をもつて、日本中の必要な地方の開發に著手することができるような機構を考えなおすわけにはいかないか、政府にお伺いをいたしたいと思います。
#20
○林(敬)政府委員 ただいまの千賀さんからのお話について、政府としての所見を申し述べたいと存じます。北海道については御承知のように、地域が非常に廣大な地方でございます。またたいへんな特殊性をもつておる。明治初年前まではいわゆるサベージ・アイランド、これは少し酷評であるかもしれないが、そういわれていたまつたくの未開發地であつた。今日におきましても非常に未開發のところが多く、たとえば農林省の計畫の百五十萬町歩、五箇年計畫というものを今やつておるのでありますが、そのうち七十萬町歩は北海道、すなわち四割以上は北海道というような状態であります。それから山林資源につきましても、たしか大體北海道だけで内地と匹敵するくらいの資源をもつておると存ずるのであります。しかも人口は一番稀薄である。地勢その他において大變違う。内地の開發、開拓という問題でありますと、鐵道沿線から二、三里のところに開拓地が散在するという状態でありますけれども、北海道はまず鐵道引いて、道路をつくつてかからなければならない。あるいは河川を別のところに引き直してかからなければならないというような特殊性があるわけであります。そこでこの點について政府でも必要性を認めまして、委員長が先ほどお話のように、この三十年來第一次、第二次開拓計畫を實施し、今年から第三次の開拓計畫にはいろうというところになつてまいつたわけでございます。特に終戰後においては、お話のように各外地を失いました關係上、北海道はその點においても大きくまとまつた點において唯一のホープである。そこで國としてはこれに一つの國力の重點をおく必要があるのではないか。かような見地からいろいろな研究もせられ、施策も講ぜられていることと思うのであります。しかしながらこれの行政上の權限について考えますと、從來これはそういう意味からほんとうにすき、くわをとつて開拓することも、本を伐ることも、道路をつくることも、川を修理することも、全部一つの一貫作業であるという見地から、これの權限というものは内務省で一括してもつておつたのであります。ところが、終戰後の時勢の變化及び今後の進展に即應して考慮いたしました結果、これは各省に分散させる方がよいということで、先月初めから權限は各省に全部移してしまいました。從つて現在北海道には内務省としては、土木の道路河川ということ以外の總合開發ということについての權限はもつておらぬのであります。從つて私がここでいろいろ見解を申し上げることも、やや越權ではなかろうかと思いますが、前に關係しておりました關連上、またその責任上申し述べたいと思うのであります。そこでさらに續いて、内務省が解體になるということになつてまいりますと、各省が分散してそれぞれのところで責任をもつてそれぞれの仕事をやるのはよろしいのですが、北海道というものを一まとめにして、特にそこに力を入れてまとめて能率的に能力を上げるという點からは非常なマイナスになる。そこでこれを最小限度防ぎますために、先ほど來お話がありますように、關係各省、北海道知事、議長をいれます官吏、關係者の運營委員會というものをつくつて、そうして各省の施策がばらばらにならないようにやつていく、これが決定いたしまして、近く實施に移ることと存じます。なおその他に民間の學識經驗者、あるいは參衆兩議員それに官吏のはいりました官民合同の開發についての、すなわち今後におきましては第三次開發計畫をどうするかという基本をきめる、この調査會を設けたらどうかというのが、あと殘つておる問題になつてまいつたのであります。それでこれはしかし今までもあつた調査會なのであります。最近においては特にその中を改正いたしまして、昨年十一月に北海道開發調査會というものを設置されて、委員もそれぞれ任命になつておるのであります。しかるにこれは二、三囘會議を開きましたまま、内務省の權限が各省に分散され、また内務省解體ということになりましたために停止になつておりまして、しかもこの委員會は内務省におく、こうなつております關係上、内務省がなくなれば自然消滅になるわけであります。そこでさらに研究を加えまして、内務省がなくなると、總合的な仕事というものは安定本部に移るわけでありますが、安定本部事務局にありますところの、政府の一つの官民合同の調査會というものを設ける必要があるのではないか。すなわち今までの調査會を解體し、あるいは適當に調査いたしまして、やはりこれに類似し、あるいはそれより進んだところの一つの大調査會を設ける必要があるのではないか。これが問題になつて、政府としても研究いたしておるとことであります。またただいまお諮りになつて、いろいろ御議論になつておることと存ずるのでございます。そこでさらに今御所見が出ておりました日本全部の中から、いろ厖大島であるとか大隅であるとかいう方面に、必要なやはりそれに類似の地域があるのではないか。そういうのも合わせた大調査會をつくつて、その一環の仕事としてこれをやつたらどうかという御意見であります。これも一應まことにごもつともな、大いに傾聽に値する御意見だと存じますが、實はこれについてはもつともつと御考究をなさる餘地があるのではないか、理論的にはまことにそういう點もよいのでありますし、また結局においては、ある一方だけに力を入れるということもいけないので、このなけなしの國力というものをどうおさえていくかということは、總合的に考えていかなければならぬことだと思います。しかし北海道と大島というところでは、まるで北と南との反對になつてしまつておるのでございまして、いわゆる委員の選任その他においても、まるでさかさまのことになつてくると存ずるのであります。それから北海道というものが今までの沿革があつて、三十年來第一次、第二次をやり、さらに第三次をやるということで、主に國全體のことを調べつつ、しかも北海道に對して特別の學識經驗、その他頭腦をもつ人を集めた委員會を、ここでまたつくつていこうというお話だと存ずるのでありまして、目下のところはとにかく最も重要な問題、廣い土地であり、かつまた最も長い沿革をもつておる、しかも今までにもあるこういう開發調査會をどうするかということをまずおきめになり、それからさらに引續いて國全體のいろいろな土地、そういうところで力を入れるところを調査したり研究したりする必要があるのではないか、そういうものについての調査會をどうするかということを、その次の問題としておきめになり、もしそういうものができたならば、あるいは北海道との間にこれをどう結びつけていくか。こういう二段構えにいかれる必要があるのではないか。北海道と九州、こういうところを併せて一箇所で審議するということになると、理想としてはまことによいのでありますけれども、あまりにもそれではかけ離れ過ぎて、數匹の兎を追うような結果になりはしませんか。一番必要な一番區域の廣い、そうして一番今まで沿革のある、そういうところをまず取上げてお考えになつて、さらに、ほかの必要なところを取上げて、これを一まとめにしなければしまつがつかぬという場合になつたときに、そういうものをお考えになることが、現在のところあるいは一番妥當なのではないか、かような考えをもつわけでありまして、はなはだ意見を申しまして失體でありますが、十分その點お酌取りの上に御考究を願いたいと思います。
#21
○千賀委員 非常に關係をよく説明していただきまして、私どもも啓發せられるところがあります。そこで今日の問題は、やはり北海道の問題は北海道だけとして取上げて、さしあたりこれに全力を集中するということはよいことだと思います。しかしながら私が先ほども私見を申し上げましたが、たとえば岩手縣だとか、長野縣だとか、岐阜縣の一部だとか、和歌山縣方面だとか、九州の南部だとか、未開發のところが相當に――今こんなに國土が狹くなつて見直してみると、かなり重要だつたと思うところが目についてくるのです。こういうものに對して今まで、何か施設をしようというような國の動きがあつたのだろうか、ないのだろうか、またやろうとすれば、内務省はこのまま存續するとしたならば、やはり内務省が中心としてどんな形にいつたのだろうか、こういうことを聽かしていただければ、われわれは國民の代表としてその方面にさらに第二、第三段の手を伸べていくのに非常に便宜になると思います。北海道とは直接の問題ではないのですが、問題の性質及び思想上から言えばやはり一貫した問題であるので、蛇足のようでもこうした點を御質問申すわけであります。何か過去においてこうした點に手を染められたとか、染められかかつたことでもあるでありましようか、お伺いいたします。
#22
○林(敬)政府委員 お話のような點は北海道のほかは、沖縄振興何箇年計畫というようなものをつくりまして、そこには特別の國費を注入して開發に努めた事例はございます。また奄美大島についても同樣なことをいたしたいと存じます。そのほか特に災害のひどいところ、あるいは自治團體が非常に窮乏して困つているところ、そういうようなところには特別に財政的な援助をやる。こういうようなことをいたしましたこともございます。現在でも若干いたしております。
 それから東北地方でございますが、東北地方は總合的にこれを開發する必要があるというので、東北問題が非常にやかましくなつてまいりましたときに、そういう問題が起つてまいりまして、東北局というものを設けましたし、東北振興株式會社その他電力の同樣の名稱の會社、ああいうものを設けまして、東北六縣總合しての經濟開發というものについて、特別に政府としても機關をつくり、かつ半官半民の會社もつくりましてやつており、今なおその會社が存續している。こういう状態でございます。それからそのほかに御存じでございましようが、農林省のあの開拓五箇年計畫、あれはもう少し年度が延びるようでございます。これによりまして各府縣の未開發のところ百五十萬町歩、そのうち北海道が七十萬町歩でありますから、殘り八十萬町歩、それらは引揚者その他によつて開發の鍬が入れられてきて、これにもほとんど全額國費で開發の事業をやつております。ただいろいろの物的制約に阻まれまして、十分に效果をあげていないことは遺憾でありますが、さようなことをやつております、今後もそういうような形のものは、必要に應じてどんどん全體とも睨み合せてやられていくべきではないかと思います。なおやりますときは、非常に大きなものは國直轄の力を相當用いたらよいと思いますし、しかし大體地方自治體とか、府縣廳、そういうところを使つて、そういうところに特別援助をしてやつていく、こういう形が一番望ましいことではないかと、かように考えております。
#23
○加藤(吉)委員 ただいまの御説明で大體わかつたようでもございますが、北海道として開發開拓の機關を設けることは私も必要と感じます。また一面において、日本中の總合的竝びに大規模な開發開拓に關する機構をもつということも必要であると思いますが、ただいまちよつとお尋ねいたしたいのは、北海道において第一次、第二次の機關が今までにあつたようでございますが、第一次、第二次の機關が今までどのような活動をしておつたか、その成績というようなものをひとつお話し願いたいのと、それから北海道開發開拓に關しまして、將來いかなる構想と、開發開拓の可能目標と申しますか、その見込、國家としてどのような期待をかけておられるかというような點について御説明を承りたいと思います。
#24
○林(敬)政府委員 今まで明治初年の開拓使以來、さらに第一次、第二次計畫と引續いて終り、今年度から第三次計畫に入るわけでありますが、その成績の具體的の成果というものは、まことに恐縮でありますが、ただいま詳細な資料をもつておりませんで、御許しを願いたいと存じます。おおむね良好な成績をあげてきたのではないか。しかし終戰後の今日から見れば、まだまだ不十分なところがあるのではないか、かように考えられるのでありまして、北海道に勤めております道廳員、あるいは民間のいろいろの人からの話を聽きましても、これに期待を非常にもつ人からみると、まことにあの北海道の開發というものはまだまだ不十分であつた。こういう言をなす者もあります。また、冷靜に判斷して、開發は非常にむづかしいものであると、こう固く解釋する人からみると、よくもこれだけ成果をあげたものだ、あれはやはり國なり北海道廳なり、北海道の人がほんとうに熱をあげたからこそ、あそこまでいつたのであつて、大體は成功である、こういう見方もあります。そこで成績の可否ということになりますと、これは見る人によつて違うと思いますが、他とちよつと比較をとるところがございませんので、精密なことを申し上げるわけにいきませんが、まずまず相當の成果をあげて、今日までの北海道の開發というものは、大きなラウンド・ナンバーで見ますれば、まずまず及第というところではなかつたかと私は考えるのであります。しかしもちろん十分ではないのであつて、これは特に海外が全部杜絶して、外地というものを失つておるという事態におきましては、特別の力をこれからは注いでやつていかなければならないと存ずるのであります。今後いかなる構想でどうやるかということは、これからできますところの北海道開發の行政運營委員會、あるいは今研究をいたしておりますが、できてまいりますれば北海道開發調査會及び北海道廳、あるいは北海道廳に附屬せられますところの開發總合促進委員會、こういうようなもので自主的、民主的な案を練り上げまして、そしてこれに即應した具體的方策が講ぜられることと思うのでありますが、いかなるやり方にいたしましても、今後は一次、二次よりはるかに飛躍的な努力と、また發展というものが期待されなければならないと存じます。
#25
○佐藤(通)委員 ちよつとお尋ねしますが、現在のところ、國土の開發振興に對して總合的に調査研究をする機關はありませんか。お話の内容を伺つてみますと、單に北海道のみに局限されているように私は受取つておりますが……。
#26
○林(敬)政府委員 國土の開發を總合的に研究するということは、言いかえますと、國土計畫をどうやるかという問題になつてまいると思います。これにつきましては、内務省に國土計畫審議會というものを設けまして、そしてこれは朝野、官民、學識經驗者から兩院議員、みなはいつていただきまして、そしてそこでもつて調査審議するという建前になつております。すでに發足しまして、それからこれが各部會にわかれて、それぞれ熱心な審議をいたしておるように存じます。これの事務所は内務省の國土局にございまして、これは内務省解體後は建設院の中にはいつて、建設院總務局で所管することになると存じます。
#27
○佐藤(通)委員 そうしますと今その國土局の中に設けられております調査研究機關と、今度新たに北海道開發のためにつくる調査機關とは、その權限の關係においては共通するものがあるのではありませんか。もしそれが共通するものであるとするならば、なにも北海道開發を單一の目的とする調査機關というものは、私は必要はないと思う。なぜならば、現在あるところの調査機關をうまく利用すれば、それで十分效果があるのではないかと思う。もしそれで力が足らないとするならば、私も申しましたし、また千賀委員も言つておられたようでありますが、この際大仕掛な國土開發のために最も貴重な調査資料を蒐集するような、國策的な調査研究機關というものをつくつた方がいいじやないか。これは組織の問題でありますから、そういう組織を置いて、その中で第一どこを先に調査開發するかということは、その調査機關に一任すればいいではないかと私は考えております。一應組織だけはもつと大きなものにしておいて、そしてその委員會なら委員會、調査會なら調査會で、どこを先に調査をする、竝びにどこを先に開發し振興をはかるかということは、その調査會に一任すればいいのではないかと思う。現在問題になつておりますのは、結局組織の問題だろうと私は想像しておりますが、組織の問題だけならば、ことさらに北海道云云ということに局限しないで、全國的に共通的な國策的、總合的調査機關が必要であろうと思います。その意味におきましては千賀委員も言われましたように、四國あるいは南の方にも、相當未開發の資源地帶というものが殘つておるはずだと思います。いかがでありましようか。
#28
○林(敬)政府委員 國土計畫調査會と北海道の開發の調査會というものが、非常に關連をもつたものでありますこと、御所論の通りであります。連絡は非常に必要じやないか。密接なる連絡をとる必要があるのではないか。どちらが食い違つてもこれはいけない。かように考える次第でございます。ただ今まで別にありましたわけは、ずつと今までの沿革にもよりますし、また、最も重要な、最も廣い、最も特殊なところであるという點を考えまして、特にこの一つをここから、拔き出して、連絡協調をとりつつも、一つ拔き出したものが置かれてあつたわけであります。國土計畫議會というのは、全國的、全面的に考えるところであり、北海道の開發調査會というものは、北海道だけのことについて深く掘り下げて考えていくというところであります。場合によりましては、まだ、できておるわけではございませんから、今後それに親と子の關係をもたせる、あるいは幹と枝の關係をもたせるというような組織も考慮できることだとは存じます。
#29
○坂口委員 私は北海道の開發というのは、主として廣い意味の農業的開發ではなかろうかと思う。他の地方を含めてもむろんそうでありますが、これはしかしながら比重の關係がありますし、また沿革もありますし、この際一大調査會を決議要望するということは贊成であります。ただ私は從來北海道を開發しておりました沿革に比しまして、このたびやりますところの北海道の開發というものは、どうしても突然一千萬の人口が殖えましたこの日本の過剰人口の調整というところに、主眼點をおかなくてはならぬと考えるのであります。しかも自然に入口が増加したのではありませんで、突如として敗戰の結果、日本に一千萬の入口が殖えたわけであります。しかもその一千萬の人間は多くは引揚者、復員者、戰災者、住むに家なく、大多數の者は事實上の故郷をもたないというような連中であります。しかもこの困難なる方今の時代におきまして、ほとんどその日の生活にも困つておるというような人が多い。これを日本國内に、今聽きますような北海道のように人口の稀薄は、開發の餘地のある處がございましたならば、まずそこに急速に移すということが最も大きな國策でなくてはならぬ。私どもは講和會議の機會におきまして、日本の人口を再び海外に平和的に發展をさせるということを、強くまた謙虚に要望しなければならぬ、またおそらくそれは聽かれるのであろうということを確信しております。しかしながら國内になお今のような處がありましたならば、急速にこれをやるということは、私ども最初から考えておるところであります。ただそれにつきまして昨年の十一月にできた調査會が、どういう調査會であるか知りませんが、この大事なときに一、二囘會議を開いたにすぎないというようなことで、その結果も見ない。たまたま内務省の解體ということはありますけれども、どういう成果を得ておるかということからしますと、おそらく何もないのじやないか。さらにもう一つ危ぶみますことは、從來のように内務省がこれを一まとめにもつておるということでありますと、事柄が早く済むのでありますけれども、今囘のごとく各省關係に仕事を分散してしまうということでありますと、調整運營の委員會をつくられても非常に私は運營がむずかしいと思う。そこにまたこれに力がはいらないというおそれが非常にあるのであります。安定本部というものがありますけれども、これについても結局は、從來の内務省のように力を入れて、一つの方面にやるということはできないと、私は考えております。しかしながら内務省が解體した以上は、いたし方がないのでありまして、官廳間でせいぜい連絡をとつてやられるということは、これは當然のことでありますが、同時に今度調査會をつくられるについては、その調査會の構成というものについては十分お考えを願わなければならぬ。從來のように學識經驗ある者とか、あるいは官廳の要人という人だけでつくられた調査會というものは、平時でありますとりつぱに動くことがございますけれども、しかしながらこの急を要するという場合に、また時勢がこういうふうになりますと、必ずしも私は最善のものではないと思うのであります。よくいわれる言葉でありますが、民主的というか、各方面の有名人だけでなくして、實行力のある、經驗のある人を各方面から集めて、しかも急速に力強い調査會をつくつてもらいたい。こういうことを要望に入れて、ここで決議をされるか、どういうかつこうになるか知りませんが、私ども本委員會としては、至急にりつぱな調査會をつくつて、そうしてその推進、その實行にあたりますように強く希望するものであります。
#30
○小枝委員 今御發言がありました急速に調査會をつくるということについては、私も非常に結構なことだと思うのでありますが、ただ先ほどから地方局長のお話を承つておりますと、どうも私どもに納得のいきかねる點が一、二あるのであります。私はこの北海道の開發計畫というものが、北海道獨特の立場においてこれを總合的に開發計畫を立られるところに、獨特の一つの調査會というものが獨立すべきものであると思うのであります。これを各省に分散した形においてやられる場合におきましては、どなたか御發言がありましたように、むしろこれは全國的な一つの大きいわくのもとに調査會をつくつてやる方がいいじやないか、かように思われるのであります。局長のお話によりますと、どうも内務省を解體しなければならないから、そこで安本というものがあるが、しかし仕事のやり方を分散するような結果になつたというお話がありますが、これはかりに内務省が解體をいたしましても、總合的な開發計畫のもとに總合的な事業の運營をやろうとすれば、何らかの形式のもとにこれを殘すことができると思う。あるいは別な一つの特別な規則をつくるとか、何か一つの振興計畫というものが、この機構を分散しなくてもできるのではないかと思うのであります。私は北海道の土地には縁が薄く、不幸にしてまだ一度も見ておりませんけれども、少くとも私どもが地圖の上において、あるいは常識の上において承知いたしております關係から考えますと、全國唯一の未開發寶庫ではないかと思うのであります。今後北海道を開發するか、否かということは、わが民族發展の上に大きな影響があることは申し上げるまでもないことであります。しかるに各省獨特の立場において北海道開發の計畫を立てるということは、これまでの事實に徴して、おそらく國難ではないかと私は思うのであります。それはどうしても各省は御承知の通りに豫算の分取りをやる、すべてなわ張り争いをやるということがあるのであります。また農林省は農林省、あるいはその他建設廳は建設と、それぞれの獨自の立場において、いつも天災地變その他の突發的な問題によつて、限られた豫算、豫定の計畫を變改しなければならぬということも往々あるのであります。そこでこれはどこまでも北海道の開發計畫という一つのわくのもとにおいて、總合的に強力に行つていくということでなければならぬと思うのであります。從つて私は本調査會をつくられるということは結構でありますが、その調査會というものが、せつかくそうした大物揃いのりつぱな調査會をつくられましても、それがただ調査に終つてはならない。總合的企畫のもとに、その調査會において調査と同時に一つの企畫立案をいたしまして、その企畫立案に基いて強力に、各省はこの法廷に基くところの一つの仕事の執行機關として動くのであるかどうか、この點について地方局長の御所見を伺つてみたいと思います。
#31
○林(敬)政府委員 ただいま小枝さんから、北海道は全國唯一の未開發の分野である。民族發展のために大切な土地である。しかるに各省にこの事業を分散しては、今までの事實に徴して發展を期待することが困難ではないかという御憂慮に對しては、私も實は非常に同感でございます。しかしながらもう一つ大きないろいろな政治的見地から現段階に處しまして北海道の開發については、一省でもつよりも各省に分割した方がいいという結論に到達いたしたわけでございまして、その上はその制度の長所を生かして、短所をできるだけ矯めていくという方向に、お互に努力していかなければならぬと存ずるわけでありまして、お話のようにばらばらになつてはいけないので、一つの計畫のわくをつくつて、總合的に行うように今後運營はやつてまいりたいと存じます。それで内務省の權限からはこれを分割いたしましたけれども、分割に際しましてはその點を國のために憂いまして、内閣に關係各省全部集まつてもらいまして、おおむねその線でやるような申し合せも實はやつてもらつております。そこでもしこの開發調査會というものが今後形をかえて、たとえば安定本部を事務局といたしまして、内閣にでも設置されるということになりました場合には、このできてまいります開發調査會は、お話の通り調査をいたしますとともに、相當程度の大きなわくにおいての企畫立案というものを定めて、たとへ注文の上、理窟の上からは政府に對する諮問機關のような、あるいは意見具申機關のようなものになりましても、實質的においては、このすべての調査會の線に沿つて關係各省の連絡運營委員會も開かれ、あるいは豫算にも組まれ、政府の政策の中にも盛りこまれていく、かような方向に行われるものでなければ、この調査會はつくつても意味のないものだと私は思います。政府でも研究いたしまして、皆さん方からも御要望の結果、もしこういうものが生まれ代つてできてきます場合においては、ぜひともそうあらねばならぬと考えております。
#32
○小枝委員 大體以上で終ります。
#33
○坂東委員長 皆さんの御意見、また林局長のお話もありましたが、皆さんが申されましたような北海道開發のため、日本再建のために必要なる意味が十分に實現するような組織になさしめるという點おきまして、北海道開發調査會をつくるということを政府に要望することにつきましては異議はないでしようか。――なお小枝君の申されましたように、北海道三百萬の道民はみんな同感であります。その通りなんです。ところが時勢の變化と申しましようか、やむを得ずしてばらばらになつてしまつたんです。せめて調査會をつくりまして、ばらばらながらも總括的には範疇を示して、この範疇に基いて各省としてやらしめたいというのが、この調査會がなければならぬという理由の根本となつておるのであります。御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#34
○坂東委員長 それではこの點は御異議ないものと認めます。
    ―――――――――――――
#35
○坂東委員長 次は道路交通取締法案につきまして政府の説明を拜聽いたします。木村内務大臣。
#36
○木村國務大臣 道路交通取締法案の提案の理由を申し上げます。最近における道路の交通事故の状況は、昭和二十二年六月死者が三百二十六名、負傷者が千二百八名、物的財産の損害が三百三十萬八千二百三十三圓にのぼるという實状であります。また自動車の臺數は、昭和二十二年六月現在十七萬六百八十三臺でありまして、事故の半數が自動車によつて惹起されております。しかして自動車の逐年増加の趨勢と相まつて交通事故も増加しているのであります。こういう状況でありますので、道路における危險防止及びその他の交通の安全をはかることは、特に緊要であると存ずるのであります。
 交通事故の状況は右の通りでありますが、現在の交通取締法規は、道路法の道路について道路取締令、一般交通の用に供するその他の場所について警視廳令、その他の府縣警察令、自動車について自動車取締令があるのでありますが、第一に道路取締令は、道路法の道路以外の一般交通の用に供する場所における交通の取締については規定していないばかりでなく、昭和二十二年法律第七十二號第一條の規定により、本年十二月三十一日まで有效でありますが、それ以後は失效すると解せられるのであります。
 第二に府縣警察令は、道路取締令を補つて、道路法の道路以外の一般交通の用に供する場所の交通について規定しているものでありますが、第一に述べましたと同じ理由で、十二月三十一日以降失效すると解せられるのであります。
 第三に自動車取締令は自動車の構造裝置、車輛檢査、運轉免許及び用法について規定していますが、これも十二月三十一日以降失效すると解せられるのであります。
 こういうわけで、來年からは道路交通の取締については法的強制ということがなくなることになつていますので、これらに代るべきものとしてこの法律案を提出したのであります。
#37
○久山政府委員 ただいま大臣から、この法律を提案いたしました理由の大要を説明されたのでありますけれども、この法律をつくります際の考え方、方針の大綱を私から補足いたしましてご説明申し上げたいと思います。
 ただいま提案の理由で大臣が説明されましたように、從來道路取締令及び各府縣の道路法の道路以外の取締規則、さらに自動車取締令、こういうふうに三つの交通取締法規があつたわけでありまするけれども、それがすべて今年の十二月末日をもちまして失效いたしますので、この際そういう法規の關係を再檢討いたしまして、總合的に一つの交通取締法というものにいたしたということが第一點でございます。
 それから第二點は、全國を統一的に考えて規定をいたしたのでありまして、道路法の道路以外の一般交通の用に供します場所の交通取締は、各府縣ごとにまちまちに規定をいたされておつたのでありまするけれども、それも今回はこの法律及びその施行命令にこれを規定いたしまして、各府縣ごとの不統一をなくいたしたい、殊に自動車によりまする交通がだんだん發達いたしてまいりますこの際でありますので、全國的に統一ある交通取締の法規を制定いたしたいというのが第二の點でございます。もちろん諸外國とのいろいろの交通上の關係におきましても、國際交通というふうな立場からも、將來外國の旅行者が殖えるということも考えまして、外國における統一的な交通の規則につきましても十分研究いたしまして、これを積極的に取入れたのでございます。それから自動車取締令の中で、從來は自動車の構造裝置、それから車體檢査というものを警察で取締をいたしておつたのでありますけれども、これが今回運輸省におきまして道路運送法という新しい法律がおそらく今議會に同時に提案になつていると思うのでありますけれども、そういつた道路の運送法というふうな立場から、この車輛の構造なりその整備なり、これを檢査いたしまして登録をするといつたようなことを扱うことが適當と考えまして、この交通取締法から車體の構造裝置、車輛の檢査というものを外したのでございます。從いましてこの自動車の用法と、それから運轉の免許ということだけを從來の自動車取締令の中からこの交通取締法に入れてあるのでございます。
 もう一つの點は、この法律でもちろん大體の要點を規定いたしてあるわけでございますが、細部にわたりましての交通の横斷とか、追越しとか、そういつた交通の方法とか、それから積荷の制限であるとか、あるいは運轉免許に關する細部にわたる部分につきましては、すべてこれを命令の規定に任せてあるのでありまして、こういう細部の點につきましては、道路の改良なり、あるいは交通機關の發達なり、その他産業の状況に應じまして時々刻々變化をいたしてまいります、いわば技術的な部分に屬するものであると考えまして、そういう細部の技術的な點につきましては、すべてこれをこの法律から除きまして、行政官廳の命令にこれを委任するのが適當である、かように考えてこの法律をつくつているわけでございまして、大體そういつたような考え方、方針でこの法案ができているということを併せて補足的に申し上げた次第であります。
#38
○坂東委員長 ちよつとお諮りいたします。先ほど來非常に熱烈なる論戰が展開され、またこの法律案は相當複雑でありますから、本日はこれをもつて散會しまして、次會の月曜日の定例會において十分御質疑したらどうでしようか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#39
○坂東委員長 それでは本日はこれをもつて散會いたします。次會の日程は公報をもつてお知らせいたします。
   午後三時四十九分散會
ソース: 国立国会図書館
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