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1947/09/18 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 治安及び地方制度委員会 第15号
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1947/09/18 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 治安及び地方制度委員会 第15号

#1
第001回国会 治安及び地方制度委員会 第15号
昭和二十二年九月十八日(木曜日)
    午前十一時十七分開議
 出席委員
   委員長 坂東幸太郎君
   理事 門司  亮君 理事 矢尾喜三郎君
   理事 高岡 忠弘君 理事 川橋豊治郎君
   理事 松野 頼三君
      笠原 貞造君    菊池 重作君
      久保田鶴松君    大澤嘉平治君
      佐藤 通吉君    坂口 主税君
      千賀 康治君    中垣 國男君
      小枝 一雄君    加藤吉太夫君
 出席政府委員
        内務事務官   久山 秀雄君
        内務事務官   林  敬三君
 委員外の出席者
        議     員 磯崎 貞序君
        農林事務官   村田 朔郎君
        農林事務官   池田 大助君
        専門調査員   有松  昇君
    ―――――――――――――
九月十五日
 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 (第五七號)
の審査を本委員會に付託された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 關東地方水害状況に關する説明聽取
 北海道總合開發機構に關する件
 町村の財源不與に關する請願(神山榮一君紹
 介)(第七〇號)
 茅ヶ崎町に市制施行の請願(磯崎貞序君紹介)
 (第二四六號)
    ―――――――――――――
#2
○坂東委員長 これより治安及び地方制度委員會を開會いたします。
 本日の日程は北海道總合開發機構に關する件、それから請願は町村の財源付與に關する請願、第二は行政書士法制定に關する請願、茅ヶ崎町に市制施行の請願であります。その次には陳情が第一より四十三まで、以上が本日の日程であります。
#3
○大澤委員 實は關東の風水害による災害に對しての治安の對策に對して、警保局長のお考えを伺いたいと思います。同時に新聞等で御承知の通り、栃木、群馬、埼玉、茨城等の最も水害の激しかつた地方に對しましては、東北における風水害とは違い、時期において米穀等がすでににみのつて、もはや明日にも収穫でき得るという時期になつておるにもかかわらず、このたびの災害であるだけに、思想の上にも、あるいはいろいろの明日に備える國民生活という上からまいりましても、非常に重大な問題であると思うのであります、これに對しまして、政府の確固たる對策に對してのお考えをお伺いいたしたいと思います。なお同時に當委員會としましては、これに對して救濟、あるいは慰問、あるいは治安の點に對して對策を講じ、完全なる國家の治安を保ち得るだけの對策に對する決議を、委員各位にお願いをいたすべく提案をいたします。
#4
○坂東委員長 ただいまの大澤君の緊急動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○坂東委員長 それでは政府よりひとつ御答辯をお願いいたします。
#6
○久山政府委員 それでは私から今囘の關東、東北地方一帶にわたりまする水害の状況につきまして、現在まで、私どもの方にわかつておりまする資料を總合いたしまして、概要を御説明申し上げたいと思います。
 今囘の颱風は割合に風が豫想したほど大したものでありませんでしたので、風によります被害は非常に輕微であつたのでありますけれども、雨が非常にたくさん降りまして、關東、東北各縣にわたりまして、二百ミリないし六百ミリというふうな降雨量になつておりましたために、あらゆる河川が氾濫をいたしまして、いろいろの災害を引き起しておるのであります。特に利根川及びこれの支流が各所に堤防の決壊によりまして氾濫をいたしまして、群馬、栃木、埼玉を中心といたします地域に、非常に大きな被害を與えるに至つたのでありまして、その概要を申し上げますと、第一は埼玉縣でありますが、これは十四日頃から非常な豪雨でありまして、水量がかつてないような増量を來して、遂に十六日の午前零時三十分頃というのでありますが、利根川中流の栗橋の上流のところの堤防が、約四百メートルほど決壊いたしたのであります。そのときの水位は約八メートル九九という報告を受けておるのでありまして、これはもうかつてない高い水位だそうであります。そのために利根川の濁流が、栗橋から幸手に至りまする一帶に侵入をいたしまして、その邊一帶がまたたく間に泥海になつたという状態であつたのであります。さらに十五日よりこれは前でありますが、午後十時過ぎ荒川の上流の熊谷附近の堤防が決壊いたしまして、そこから氾濫いたしました水が、菖蒲、久喜方面に達しまして、前の栗橋上流から氾濫いたしました利根川の上流の水と杉戸附近で合流いたしまして、漸次南の方に下つておる。そして現在埼玉縣の東南の隅に達しておるというふうな状況であります。春日部あたりでは、大體五尺くらいの水深になつておるようでありまして、吉川のあたりでは、ただいま二尺というふうな報告を受けております。現在東南隅の地域まで水が流れておりまして、東京都の境までもう四、五里というところに來ておるようであります。そういう状態でありまして、埼玉縣は全縣下、主として今申しました利根川と荒川の間にありまする約四十箇町村というものが濁流におおわれておるというふうな状況であります。そのうち栗橋及び幸手の附近におきましては、逃げ遲れた住民が、附近の高い所なりまた堤防の上、あるいは家の屋根の上あたりに散々孤立をしているというふうな状況でありまして、これが救援につきまして、目下全力をあげておるのであります。
 ただいままでに判明いたしております被害の概數を申し上げますと、死者が四十三名、負傷者が十六名、行方不明の者が三十四名、家屋の倒壊及び流出が三百五十九戸、家屋の浸水が六萬六、田畑の流出が五百八十五町歩、それから四畑の冠水が三萬六千百六十九町歩、道路の決壊はもう多数でありますが、橋梁の流失が二百四十九箇所、堤防の決壊が四十八箇所というふうな状況になつておりますが、この数字は被害の一番ひどいと思われます栗橋、幸手附近の浸水地區のものを含んでおりませんので、その地域の被害が判明いたしまする場合には、さらに非常に大きなものになるだろうと豫期されるのであります。
 その次は栃木縣でありますが、栃木縣の被害の中心は、縣南の下都賀郡の渡良瀬川と巴波川、これは利根川の支流でありますが、その合流する地域にありまする部屋、生井、この二つの村が堤防の決壊のために、たちまち九メートルくらいの水嵩の襲來を受けまして、約一萬餘りの住民が身をもつて逃れまして、附近の堤防に約三里くらいの長さにわたつて難を避けているというような状況でありますが、これもまだ完全なる連絡がつきかねておりますので、詳細は判明いたしませんが、そういう人々の救出なり食糧補給等の問題につきましても、いろいろ問題があるようであります。この地域が一番被害がひどいのではないかと想像されるのであります。
 次いで足利及び宇都宮附近につきましても、やはり同様の被害が相當きびしくありまして、現在まで判明いたしておりますところでは、死者が百六十六名、負傷者が五十七名、行方不明が千四百九十八名、家屋の倒壊及び流失が千七百八十六戸、浸水が四萬二千二百九十戸、田畑の流失が三十五町歩、冠水が一萬一千二百八十町歩、道路の決壊は千六百十八箇所、橋梁の流失が百四十箇所、堤防の決壊が一、こういうふうになつております。この數も被害の調査の進むにつれまして、さらに増加するものと豫想されます。
 それから群馬縣でありますが、群馬縣の被害は主として赤城山麓から西の方高崎に通じまする線から東その間であります。殊に流域の被害が一番ひどいように思われるのでありますが、これも縣下全般にわたりまして交通通信が杜絶しておりますので、被害の詳細を知ることがまた困難であるのであります。しかし群馬縣の當局が徒歩連絡その他あらゆる方法をいたしました結果、ただいままで報告がありましたところによりましても、死者が二百九十四名、負傷者が二百九十三名、行方不明が三百五十八名、家屋の倒壊及び流失が三千二十戸、浸水が七萬二千九百四十八戸、田畑の流失冠水が五萬六千町歩、道路の決壊が百八十六、橋梁の流失が二百七、堤防の決壊七十三というふうな数字になつておりまして、これも調査の進むに從いまして、さらに増加するものと思われるのであります。
 以上のほか茨城縣では死者が四十名、傷者が十三名、行方不明が十七名、家屋の流失及び倒壊が二百六十三戸、浸水が一萬四千四百七十八戸、冠水が一萬五千百七町歩、道路の決壊は百十七箇所、橋梁の流失が百三十一、堤防の決壊百十六、こういうふうな状況になつておるわけであります。
 さらに宮城縣では現在まで死者が一名、行方不明が九名、家屋の流失が二十五戸、浸水が一萬一千三百八十戸、田畑の流失が五百八十町歩、冠水が三萬二千四百五十七町歩、道路の決壊が八箇所、橋梁の流失が七百八十六箇所、堤防の決壊が百二十五箇所、こういう状況でありまして、相當被害が多いのであります。
 岩手縣では家屋の倒壊、流失が六戸と、浸水が千百六十八戸、田の流失が百三十九町歩というふうな報告がはいつておるのでありますが、このほかに一の關の方面に相當の被害がある模様でありますけれども、これもまだ連絡がついておりませんので、詳細な状況は判明をいたさぬのであります。
 福島縣におきましては、死者七名、家屋の浸水三千二百一戸、田畑の流失が百二十六町歩、冠水が三千八百四十五町歩、道路の決壊二十六、橋梁の流失三十二、堤防の決壊九十二というふうな被害が發生しておりまして、これも詳細はまだ調査中であります。
 そういうふうな状況でありまして、なおそのほかにそれに加えまして、東京、千葉、神奈川、山梨、長野、新潟、靜岡、愛知、山形、北海道、そういつたような方面にも、相當の被害があつた模様でありまして、概數はお手もとに配布報告いたしておるのでありますが、本日午前九時現在の状況によりますと、總括いたしまして、行方不明が千九百二十一、死者が五百七十六、負傷者が三百九十二、家屋の被害が、倒壊が二千四百九十二、流失が三千三百四十、浸水は二十四萬九千七百七十三戸、それから田畑の流失ないし道路、橋梁、堤防その他の決壊の状況につきましても、相當の被害があつたのでありまして、そのうち最初に申し上げました埼玉、群馬、栃木というのが、現在最もひどい被害を受けた縣と考えられるのであります。そういうやうな被害の状況に對處いたしまして、今まで各縣のとりました警防救護などの對策につきまして、私どもの承知いたしておりまする範囲におきまして、簡単に御説明を申し上げますと、各縣それぞれ被害の甚大な地域に對策本部を設置いたしまして、縣の職員はもちろん、關係現地諸機關と緊密な連絡をいたしまして、給食なり、避難なり、醫療なり、その他各種の救護措置に當つておるわけであります。大體非常に雨がたくさん降つたわけでありまするので、河川の氾濫に備えまして、各縣ではいち早く警察官なり警防團員等を招集いたしまして、危険地域の住民に對しましては、警報または避難命令を出しまして、あるいはまた防水作業にあたらせるというような萬全の措置を事前に講じておつたわけでありますので、堤防の決壊によりまして濁流にのまれました地域においても、被害を相當輕減することができたと考えられるのであります。なお埼玉縣の栗橋、幸手方面においては、先ほど申しましたように、非常に廣汎な地域にわたりまして水におおわれておりますために、逃げ遲れました住民の一部が水中に孤立をして、救いを求めておるという状況でありますので、埼玉縣といたしましても、これが救出に非常な苦心いたしておるのでありますけれども、何しろ二箇所の決壊部分から流失いたします水勢が非常に激しいために、なかなか救出作業が困難をきわめておる模様でもあるのであります。十六日の夜に東京から村山貯水池にありますモーターボート一隻をすぐにトラツクで運びまして、これが救出にあたつたのでありますが、とても一隻では少くありますので、十七日になりまして、現地進駐軍の方にお願いをいたしまして、カツターを七隻、それからMFの方からモーターボートを一隻、計八隻を借りまして救出にあたりましたほかに、警視廳から水上署のモーターボート三隻を派遣いたしまして、結局十二隻で主として孤立しました人の救出にあたつておるという状況になつておるのであります。
 それから岩手縣の一の關におきまする状況につきましては、交通通信ともに杜絶いたしておりますために、罹災者の救護なり連絡等がまつたく不可能に陥つておりまして、非常に苦心をいたしておるのでありますけれども、これも現地軍の計らいによりまして、ただちに大型飛行機三基を出してもらいまして、食糧の投下とか連絡ということにあたつておる現状でありまして、これらの救出なり連絡に對しまして、進駐軍が非常に好意を示されたのであります。埼玉縣の濁流は、先ほど申しましたように、現在東南の隅、東京都との境界の四、五里のところに水が來ておるのでありますが、これが最悪の場合には、東京都の足立、葛飾、江戸川の三區に流入してまいるおそれがありますので、警視廳においても、これに對してすでに萬全の對策を講じておるのでありますが、さいわい江戸川及び荒川の方の水は、非常に減水をいたしておりますので、あるいはこの邊で食い止められるような措置が講ぜられるかとも考えられるのでありますが、一應そういうおそれを豫想いたしまして、十分なる對策を講じておるのであります。中央においても被害地區の救援につきましては、早速視察連絡員を派遣いたしまして、被害の實相を確かめるということに努めまして、現在その地方に係官が参りまして連絡に當つておるのでありますが、何といつても離れております。堤防の決壊を止めないことには水が治まらない。水が治まらない限りにおいては、人心の安定も望めないのでありまして、結局減水をまちまして、なるべく速やかに決壊箇所を修復する。應急に水を止めるという處置が第一になさるべき問題で、治安の面からいたしましても、まつ先に希望せられることは、堤防の現状固囘復ということでありまするので、これは國土局が中心となつて、目下全力をあげてその對策を講じておるわけであります。埼玉縣においても、さいわい進駐軍の方から移動無線機を二臺お借りして、早速加須と岩槻に備えつけ、現場との連絡に當つておるのでありまして、目下のところ取殘された人々の救援のために、縣としての舟艇を動員して全力を盡しておる状況にあります。どのくらいの人が殘つておるかよくわからないのでありますが、相當多數の人が取殘されておるのではないかというふうに想像せられるのであります。またこの栗橋附近の住民は相當多數河を渡つて茨城縣の古河の方面に避難をいたしておる向きも數千名あります。そういう點についても、茨城縣側に對して、茨城縣の方においても、相當被害が多いのでありますけれども、こういう際には、もうそういうことにこだわることなく、そういう住民に對してできるだけ救護の萬全を期するように、中央からも特に茨城縣に對し要請しておるわけであつて、現在のところ大體そういう状況であります。群馬縣の方はその後大體水が引いたようであります。一時非常に心配をせられておつた館林の附近も水がすつかり引いてしまいまして、案外被害がなかつたという報告も受けておるのでありまして、最初非常に心配をしておつたところが、事情が判明すれば案外被害が少かつたというようなこともあろうかと思いますけれども、現在のところはつきりしないのが、先ほど申しました栃木縣の南の方の二箇村の住民の所在で、これに對する救援の方法、それから岩手縣の一關附近の惨害に對する實情がはつきりわかりませんことの心配と、それから埼玉縣におけるこの水をいかにして防ぎ、殘された人をいかに安全地帯に救出するか、及び罹災した住民に對していかに適切なる救助を與えるかというようなことを、應急の問題として私ども考えておるのでありまして、これが將來人心の上に、ひいて治安の上にどういう影響を及ぼすかという點については、政府としても、縣としても、全力をあげて救助の萬全を期するということによつて、災害は災害として、これをさらに將來の新しい建設の一つの契機として起ち上るというふうにもつていくことができれば、一番さいわいでありますし、またそういう気構えでこの救助に當らなければならぬと考えておるのでありますが、ただいまのところ別に治安上の問題としては、ただ救助、救出ということに全力を注いでおる状態でありまして、將來のいろいろの問題は、すべて今後のこの救助對策のいかんにかかつておりまして、私ども治安の面を擔當しておる者からすれば、この際國家といたしましても、いろいろ困難なときでありますけれども、思い切つた災害對策を立てることによつて、そういつたような問題をすべて解決することができるようになることを希望をいたすのでありますけれども、一應現在當局としてとりました處置の概要なり、被害の大要なりを、以上申し上げたところであります。
#7
○坂東委員長 ただいま久山警保局長の説明に對して質問がありますれば、この際簡單にお願いいたします。
#8
○大澤委員 ただいまの警保局長の御説明によつて、大體の概略はつかむことができたのでありますが、利根川の橋梁で、かりに茨城なりあるいは栃木にわたるもので通れる橋がどのくらいあるか、もし調査ができておれば、それを伺つて――實は私たち選擧區の關係で、東京と地方との連絡上、きようにもそちらに参りたいと考えておるのでありますが、もしわかりましたら、その橋梁の點をお伺いしたいと思います。
#9
○久山政府委員 通行可能な橋なり道路なりの詳細な状況については、現在私どもはつきり承知をしておらぬのでありまして、これはあるいは國土局の方でもう少しはつきりしたそういう資料をもつておられるかと思いますが、非常に迂囘しますと茨城縣の古河なり、そういつたような方面、つまり利根川を渡つて茨城縣側に出る方法もあるようでありますが、それがどういう程度の交通路であり、あるいはそれが自動車で通れるのかというふうな状況については、現在のところまだよくわかつておりません。しかし非常に遠まわりをすれば交通ができるようであります。
#10
○千賀委員 私は東京、北海道の鐡道線路の連絡状況を伺いたいのが一つ、田畑の収穫皆無を豫想せられる浸水面積はどれくらいあるか。それから浸水した家屋で、所有する食糧その他重要生活資材をことごとく水中に埋没といいましようか、すつかり浸水さしてしまつて、再び生活の用に供することができない、このロスの程度、まつたく食糧がだめになつてしまうだろうと豫想される程度の浸水家屋がどれくらいあるか、この三つを伺いたいのでありまするが、こういう方針の集計ができておつたら、概略でもいいからお伺いしたいと思います。
#11
○久山政府委員 今千賀さんのお尋ねのような集計は、實はまだできておりません。とにかくきわめて大ざつぱな浸水とか、流失とか、冠水という程度の見積りだけはありますけれども、これは一應水でも引きまして、よほど詳細な調査をいたしませんと、ただいまお尋ねのような状況に對しまする資料は得られないのではないか。しかしそれもおそらく農林省その他におきまして、急速にそういうことの調査をやると思いまするが、現在おそらく農林省といたしましても、そういつたような程度の資料はまだもつておらぬのではないかと想像いたします。
 それから鐡道の方は、實はただいま私ども鐡道からいただいた資料によりますと、やはり相當期間經ちませんと、北海道の方への連絡はむずかしいのではないか。東北本線は白岡から古河の間は通りませんし、小牛田から水澤の間が不通でありまして、修復の見込みも立たないようであります。その他高崎線、常磐線、上越線、すべて相當ひどい損害のようであります。おそらくいろいろの連絡、途中を歩くといつたようなことによつて行くことは行けるかもしれませんが、鐡道そのものの全通というのは容易でないような報告を受けております。
#12
○門司委員 それではおかしいことを聽くようですが、將來の關係でありまするが、ちよつとお聽きしておきたいと思います。從來こうした大きな被害のあつた場合には、出先におりまする警察官のみでとうてい治安の維持、それからそれを豫防することが非常に困難だつたために、相當軍隊が活動しておつたと思いますが、軍隊のない今日、そういう方面に對してどういうふうな不便があつたかというようなことを、これは近いうちに日本の警察の再整備の問題と關連いたしまして、相當参考になると考えますので、一應もしお氣づきの點がありましたら、この際御報告のでき得る御報告願いたいと思います。
#13
○久山政府委員 門司さんのお尋ねにつきまして、大體われわれといたしまして、今もし軍隊の出動があれほどの程度に未然に防ぎ得、またさらに復舊につきまして、どの程度に急速に行われただろうかというふうなことと、そうでない場合との比較の問題につきまして、もちろん具體的な資料ももちませんし、お答えいたすこともできぬのでありますが、從來の經驗によりましても、やはり相當軍隊的な組織力と、しかもいろいろ工事をやる場合のいろいろの道具類を常備いたしておりまする軍隊が、こういう災害の場合に非常に大きな働きをしたということは、十分考えられるのでありまして、災害の面から考えます場合に、そういう装備をもつた組織的な施設がないということは、確かに一つの大きな痛手であるというふうに考えられるのであります。そういうことに對しまして、將來軍隊のない場合に、どういう組織でそういう場合の急に應ずる有效なる態勢を整えるかということは、確かにお話のように一つの大きな問題として考えていいのではないかと思うのでありますが、現在のところはそれに對しまする具體的な考えもありませんし、今囘の災害におきまして、そういう場合にどれだけの效果があつたかというふうなことにつきましても、現在お話する資料をもつておりませんが、十分ひとつこれは研究問題として私どもも研究してみたいと思います。
#14
○坂東委員長 なお私から申し上げますが、軍隊のない日本の將來におきまして、今囘の災害から考えますと、消防に關する機械器具の増産、消防數の増加、並びにその組織の整備等が必要と思いますが、いかがですか。
#15
○久山政府委員 お話の通りであると思いまして、これもひとつ御協力を得まして、こういつたような水火に對しまする消防の充實、器具の整備ということにつきましては、できるだけ努力いたさねばならぬと考えるのでありまして、ちようど警防團が今消防團に切替えられる過程にありますし、それを總括いたしまして、一つの有力なるそういう方面の機關としての新しい消防團の連合隊の結成も、その方面の有志の方々によりまして進められておるような状況でありまして、そういつたような民間側におきまする自發的な消防組織の新しい民主的な形におきまする發展と相まちまして、政府におきましても新しい水火消防の施設と人員の整備につきましては、一段と急速にこれが實現を見まするように努力をいたしたい、かように考えております。
#16
○門司委員 なおもう少しつつこんでお聽きしておきたいと思いますが、地元、當該の被害を受けておりまする地區は、そこに多少の消防團あるいは警察等がありましても、やはり自分の身のまわり、それからさらに家族等というようなことを考えてみますと、直接なかなか活動は困難であると言えると思ひます。それで今度のような場合に、そうした直接被害を受けていない地區の何らか團體的の救援作業か何かが行われておるかどうか、もしこういうことがおわかりになつておりましたら、お聽かせを願いたいと思います。
#17
○久山政府委員 私どもも、もちろんそういう事情を十分承知いたしておりますので、關係の縣、殊に埼玉縣に對しましては、もう遠慮なく警察官なりその他あらゆる面につきまして應援の要求を申し出てもらえば、でき得る限りそれに應ずるというふうに、早速手配をいたしまして、警視廳及び千葉縣に對しましては、相當數の警察力をただちに應援のために派遣できるような準備も、併せて命じておつたのでありますけれども、埼玉縣といたしましては、縣内の他の方面の警察官の動員によりまして、縣内の警備力で十分間に合うというふうなことで、積極的な應援の申し出がありませんので、警視廳、千葉におきましても、用意はいたしましたが、現在までそのままにいたしておるのでありまして、おそらく相當、警察力がありまするので、縣下の他の方面からの移動配置によりまして、おそらくその點は心配なくいつておるのではないか、かように考えております。
#18
○千賀委員 昭和七年の七月でありますが、愛知縣に非常な水害がありまして、このときには、三日間に七百五十ミリくらい降つております。今囘は二日間で約五百ミリくらいかと思うのですが、その際愛知縣におきましては、雨の中心になつた地帶は山崩れ、なぎによる被害というものがずいぶん多かつなのですが、今囘の關東地方において上流地方ではなきというものはあまり出ておりませんが、いかがですか。
#19
○久山政府委員 ただいままでのところでは山崩れと申しますか、山津波と申しますか、そういつた意味の被害の状況は聽いておりません。ただ群馬縣からはいつた情報では、足尾の鑛山が山崩れのために相當被害があるのではないか。しかも連絡がつかないということのお話がありまして、目下栃木、群馬兩縣に對しまして、そういう情報があるから、この點についても至急調査をして連絡をするように、特に無電で話をいたしておるのであります。そのほか今お尋ねのような意味の災害の報告は、あまりはいつておりません。
#20
○千賀委員 いま一つお伺いいたします。新聞を見ますと、今囘の水害も、やはり山林の濫伐が原因であるということが、どの新聞にも書いてあります。先ほど申しましたなぎというのはむしろ濫伐の結果でなしに、山に相當木がある場合に出る災害でありますが、ながが出ておらないとすると、あるいは濫伐の結果もあるかもしれませんが、私どもは一向こちらの事情は知りませんが、當局もこの關東地方の上流地帶が非常に濫伐をされておる事實をお認めになりますか、いかがですか。伺つておきます。
#21
○久山政府委員 私ども具體的に關東地方の山が。どういう程度の植林なり、あるいは濫伐の状況にあるかということは承知いたしていないのでありますが、一般に常識的に言われております程度に濫伐というものがこの洪水の全部の責任ではないかもしれませんが、一部分の責任があるのではないかと常識的に思うだけでありまして、現實にどういう程度に山が今囘の災害を起した状況にあるのかということは、具體的には承知いたしておりません。
#22
○坂東委員長 今の點について農林省の政府委員がおられますから、お答え願います。
#23
○池田説明員 ただいまのお尋ねにつきましてお答えいたします。なぎその他の山崩れがあるかという點でありますが、この點は農林省にもただいまのところ報告は全然はいつておりません。御承知のように、山林の被害は奥地にある關係上、いつも報告が遲れるのでございます。東北地方の災害につきましても、山林の報告が約一週間以上後にぽぽつ入つてくるような状況でございますので、ただいまのところ報告はございませんが、今後の雨の量について考えましても、相當量の山崩れその他の被害がある見込みでございます。この點はただいま積極的に調査いたしております。
 そから山林の伐採がどういうふうになつているかというふうなお尋ねでございますが、これは日本の全體の森林の伐採状況でございますが、昭和十一年頃を戰前といたしますと、戰時中最も伐採をやりましたのは十七、八年でございまして、この伐採の状況は約戰前の一割五、六分くらいになつております。その日本全體の状況に比較いたしまして、埼玉、群馬あたりの伐採の状況がどういう關係にあるかという點でございますが、埼玉、群馬の兩縣は、比較的全體の平均よりか伐採の程度は少くなつております。
 それから群馬、栃木がただいまのような状況、それから埼玉、茨城の兩縣はその平均の數字よりも伐採の状況は多くなつてきておりますが、大體そういうふうな状況でございます。
#24
○川橋委員 戰争の影響とでも申しますか、最近の秋田縣の大水害、また今囘の四十何年來の大水害が起りまして、われわれは災害の跡始末について、十分なる考慮を拂わなければならぬと考えております。ただこの水害は秋田、關東に止まりましたが、もし關西の方面にこういう水害があつた場合は、人口が非常に密集しておるいろいろな關係において、さらに大なる惨事を呈するということが考えられるのであります。今年の雨季はこれで大體去つたのであろうと考えますが、來年またこういことを繰返すかもしれない。すなわち到るところ山林の濫伐等により、こういうような事柄が生ずるのであります。來年のことを豫想する場合に、今からそれに對する對策も十分考慮する必要があると考えます。今後われわれの心配いたします災害の問題であります。最近大蔵省の分室が焼けまして、この問題についての國民の関心がだんだん高まつてまいりました。先般商工省方面から聞きますと、最近の火災の原因が電熱器等から盛んに起つているということを聞いております。つまり最近のこういつた器具、機械の製造が資材等の関係で非常に亂雑になつておりまして、そういうものが火災の原因になつているということを聞いております。そういう點についても、相當の考慮を拂い、火災の防備に對する總合的な對策の見地からいたしまして、この點にも相當の考慮を拂わなければならぬと考えております。今日のような情勢でまいりますと、冬季のいわゆる火災の時期に入りますと、相當こういうようなことが各方面に起るかと深憂いたしております。そこで當局としましては、こういう各種の災害に對して、今委員長よりも御注意がありましたが、最後の策を立てるために、なるべく早くいろいろの方法を講じてもらいたい。近く消防局の設置ができる場合でありますから、これについても、われわれは相當のこれに對する見解をもつておりますが、營局におかれましては、そういつたようなすべての災害に對しまして、萬全の措置を講じられんことを希望いたしておきます。
    ―――――――――――――
#25
○坂東委員長 これで大島君の動議の水害に關する件は終りました。
 先ほど委員諸君が非公式に聽きました通り、北海道の燃料に關する陳情があつたのでありますが、これは北海道の開發機構に關係がありますからして、政府の關係筋の方々の御意見をお聽かせ願いたいと思います。先ほどお聽きの通り、北海道は普通ならば一戸につき三トン半の石炭が要りまするが、現在の石炭事情では二トンも渡らない。從つてその不足を薪で補うことになつておりますが、普通やみ値が五尺、六尺で一時わずかに六百圓であつたものが、公定價格でその倍の千二百圓になつておる。これでははなはだ困る。そういたしますと、一戸の燃料費が一箇月に千五百圓くらいかかります。それではたえられませんから、從つて薪の價格を訂正するか、あるいはまた適當な燃料の配給を願いたいというのが趣旨でありますが、これに關しまして政府の御意見を発表していただきたいと思います。
#26
○池田説明員 私林務の関係でございまして、燃料の方を所管いたしておりませんので、御滿足のいくような御囘答ができませんのは、はなはだ申譯ございませんが、お話の點は歸りまして早速どういうふうな關係で、そういうことになりましたかどういうような點につきまして、十分調査いたしまして申し上げたいと思います。
#27
○坂東委員長 本件は單に農林省のみでなく、各省におきまして十分檢討していただきたいということをお願いいたします。今日の日程の北海道總合開發機構に關する件に關連して……。
#28
○林(敬)政府委員 ただいまの北海道――私の方では東北の方面も含めておりますが、石炭の價格が値上りをし、また薪炭の價格が値上りをする。そのために實は公共團體、たとえば道廳、縣廳あるいは市町村役場、學校、そういう方面で、やむを得ずああいう寒冷地帶に要しますところの薪炭費というものが、非常に莫大に上りまして、それらの費用というものを、相當に拂わなければならない。そのために地方經濟がもち行かぬというような實情に相なつておりますので、これは立ち行くように、分與税の配付の際には、その點は十分考慮いたしまして、八月の配付にもすでにその點を考究して、他地方よりは増額配付をいたしております。第二囘目の分與税についても、その點は十分考慮してまいります。
#29
○坂東委員長 それではその點は終りまして、次にやはり北海道の機構に關係する問題でありますが、これまで數囘日程に上せましたけれども、政府委員の都合で延ばしておりました。それは北海道の甜菜事業に關する件でありますが、御承知の通り、砂糖は輸入量が少いので、いやでも應でも北海道のビートによらなければならぬことになつておるが、これにつきまして農林省は北海道の甜菜つまりビート糖業政策の方針であるはずでありますが、農政局長からまずその政府の方針をひとつ伺いたいと思います。
#30
○村田説明員 農政局長は先ほどまでおられましたのですが、ほかの委員會の方へまた呼ばれまして行かれましたものですから、私が代りまして申し上げます。砂糖の需給の問題につきましては、農林省においても食品局の方でやつておりまして、詳しいことはなおそちらの方からこの次の機會にでも御説明を願うことにいたして、甜菜糖の増産という面につきましては、農政局の方でこれを取上げまして、ただいま經濟安定本部とも相談をいたしておりまして、五箇年計畫で五萬町歩の甜菜の生産作付を計畫しておるわけであります。但しこれにつきましては、これに對する肥料その他の生産資材というものの裏付がないと十分いきませんので、そういう方面に檢討を加えつつあるわけであります。なお甜菜の増産につきまして必要な事項としましては、この甜菜生産の増強に關する試験研究の施設というものについて、これも北海道の農業試驗場と連絡をとりまして、いろいろどういう形にこの試験研究を増強していくかということを立案中であります。それからなおいい種を配つてやらないと、農家でそのまま種をとりますと、砂糖の糖分含有量が減つてまいりますので、いい種を配るということについても、北海道廳と連絡をとりまして、どういうやり方をやつたらいいかということについて研究をしておるわけであります。それからなおそのほか栽培法の改善等につきまして、これもいい方法が試験場等においてはわかつておりましても、実際の栽培方法を同知浸透せしめるということについて、どういう方法をとつたらよろしいかということについて、これも目下北海道廳においても甜菜糖審議會というものをつくつてもらいまして、そこで審議をしてもらつておるわけであります。
#31
○坂東委員長 私から伺いますが、日本の一箇月の砂糖の消費量の最低量はいくらくらいであるか、北海道のビート五萬町歩完成すれば、大體何トンぐらい砂糖を得られますか。
#32
○村田説明員 五萬町歩できた際に二十萬ピクルの計畫をされております。全體の需要量については、實はこれは最低と申しましても、非常に限度があるわけでありまして、戰前の非常に多いときには、百五十萬トンぐらいの消費がありました。しかしこれは加工したものがまた出ていく量もはいつておりますので、純消費ということになると、百萬トン以下で濟むじやないかと思いますが、その後人口の増加とか、いろいろありますから、詳細の點は食品局の方でないと、私の方でどの程度に推定していいか判然としないのであります。大體二十萬ピクルといいますと、乳幼児、病人等の必要量の最低限度の程度ではないかと思います。
#33
○坂東委員長 輸入糖の見込量はどんなものですか。
#34
○村田説明員 これも私責任をもつて申し上げるわけにまいりませんが、知つておりますところによると、G・H・Qに對して三十萬トンぐらいの數量の輸入を許可申請を出しておるのであります。それに對してまだこれだけやるというはつきりした囘答が來ていないように聞いておるだけでありまして、はたしてそうであるかどうかは食品局の方に確かめませんと、私はまだそこまで判然としておりませんので、お答え申し上げかねる次第であります。
#35
○坂東委員長 砂糖問題に質問がありましたらお願いいたします。――それではこの日程の北海道總合開發機構に關する件の審議は、きようはこれで止めておきます。
    ―――――――――――――
#36
○坂東委員長 次の日程は町村の財源付與に関する請願であります。紹介議員から説明を願います。
#37
○千賀委員 町村に財源を付與する件に關する請願の紹介議員に代つて御説明を申し上げます。
 町村の費用が最近はまつたく増加をしてまいりまして、たとえば給與金の増加であるとか、または物價高及び六・三制の中學校の新設であるとか、かれこれ總合いたしますと、ほとんど從前の二十倍にも達する額になつてくるのでございます。しかしながら一方町村吏員の給與補助のごときも打切られました今日、非常にこの財源には窮しておるのでございますから、ぜひとも政府におかれましては、分與税のごときは從來の七、八倍くらいは町村に補給していただきたい。同時にまた町村が各種の新税を考案設定をいたしました際のごときは、できるだけこれを許可していただきたい。かくいたしまして、町村制の運行に對しまして、豫算が最小限度バランスがとれますように、ぜひとも町村に對して畫期的な御推進が願いたいと思うのでございます。何とぞこの際本委員會におかれましては、この町村側の切なる希望を御了察くださいまして、採擇相なるようお願いする次第であります。
#38
○坂東委員長 政府側のこれに對する説明をお願いいたします。
#39
○林(敬)政府委員 ただいま御紹介になりました町村の財源付與に關する請願について、政府といたしましての所見を申し述べます。
 ただいまお述べになりましたように、町村財政は國家財政、その他公共團體の財政とともに、極度に窮迫しておると存じます。これが對策といたしまして、ここに請願者が述べておられるように、分與税を前年度の少くも八倍以上には引上げる豫定であります、近く追加豫算としてそれはお願いでき得るとかように存じます。また町村民税の賦課限度の緩和ということを請願されておりますが、これはこの通り現在の八十圓から百二十圓に平均額を引上げる豫定になつておりまして、これも別途地方税法の改正法律案が提出する見込みでございます。また町村會で議決いたしました新税の許可でありますが、これは町村の意向を尊重いたしまして、物價體系を混亂させること、あるいは經濟の流通再建の妨げとなること、もしくは他の地方公共團體の住民のみに負擔をさせるというような、著しい支障のあるものでない限りは、極力許可いたしまして、この請願の趣旨に副いたいと存ずる次第であります。
#40
○門司委員 この際ちよつと承つておきたいと思います。地方財政が極度に窮迫していることは、お話申し上げるまでもないと思いますが、この際政府は地方財政の財源涵養に相當意を用いてもらいたいと思います。それについては、日本には官民有林が相當たくさんあると思いますし、またこれに伴う原野等もあると思います。これらを地方自治體に拂下げるか、あるいはそのままこれをわけてやつて、そうして地方財源の涵養に努める御方針があるかどうか。これは現在の日本の情勢からみますと、大體山の下の方は民有林、中腹が村有林、官有林であつて、その上が國有林になつております。しかしまた地方によりますと、相當多くの官有林原野を有しております。これらを地方自治體の財源として拂下げる意思があるかどうか、お伺いいたします。
#41
○林(敬)政府委員 ただいまのお話は、自治體側からみれば、まことにごもつともなことであります。殊にわれわれも東北地方からはそういう希望とお話を承つております。しかし問題はいわゆる自治體と、それから山林を保管しております農林省との間の問題であります。農林省の方では、また最近の水害の状況その他の現象もありますし、林野荒廢の現状からみまして、また國土保全という見地からみますと、これに對しては、やはり相當大切にしていかなければならない。國家でもそれを保全していかなければならないという意向も非常に強いのであります。その間のところをにらみ合わせ、支障のないような調整をとつてまいりたい。かように考えております。
#42
○坂東委員長 この請願は政府におきましても、大體この趣意に副うような御答辯でありましたから、採擇に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#43
○坂東委員長 それでは御異議ないものと認めまして、採擇に決します。
    ―――――――――――――
#44
○坂東委員長 次は日程の順序を變更して、日程第三茅ヶ崎町に市制施行の請願、文書表第二四六號を議題といたします。紹介議員の磯崎君からその説明を求めます。
#45
○磯崎貞序君 簡單に請願の要旨を申し上げます。現在神奈川縣下における唯一無二の厖大町村と申してよい茅ヶ崎町を區域として、市制の實現を要請せんとするのであります。茅ヶ崎町は神奈川縣における中心地帶にありまして、東は藤澤市、西は相模川を隔てて平塚市に接續し、南は太平洋、北は新興都市といわれておる寒川町、小出村に境しております。廣装二萬三千有平方キロメートルという厖大なる面積を有しております。實は本町は明治三十三年ごろ驛を設定されまして以來、都人士の足を引くものがつとに加わりまして、宛然湘南地帶における別莊地帶、あるいは住宅街をもつて相當名をなしておるのであります。その後相模鐡道の開通がありまして、茅ヶ崎を起點に八王子に通する北進路線があります。この關係から物資が茅ヶ崎を中心に集散しております。さらに戰争中にいろいろの關係から、北部の地帶に工場の新設が大分多うございまして、現に三十有餘の工場をつくつております。この點から申しますと、茅ヶ崎は工場地であると申しても差支えないと思われます。こんな環境にある意味から、いわゆる住宅地帶、あるいは工場の招致に伴つての人口の移入によつて、是然商業の殷盛をきわめるようになりまして、わずか十数年の間に、目ざましい發展をいたしました。現在この人口は四萬三千九百有餘ございます。戸數が九千四百十六戸、中心の市街地いわゆる連擔戸數を申しましようか、そうした觀點から申して、五千八百九十五戸が、その連擔地域になつておりまして、すでに隣りに市制を布いておる藤澤市ないし平塚市に比べ徑庭はおろか、むしろ茅ヶ崎の方が人口においてまさり、物資の集散においてもまさつておるような現況であります。いろいろの生産物資などからして、一年に總額一億有餘の多くの生産の力をもつておるようなわけでございまして、そこにはあるいは中學校、警察、病院――病院はみずから茅ヶ崎町が特別經濟で經營いたしております。そのほかいろいろの區畫整理に伴い、最近は上下水の施設等も完備しておるような次第であります。たまたまこの平塚市と藤澤市の二市が實現したにかかわらず、その中心にある茅ヶ崎市が、一日の遲れをとつてあるゆえんのものは、あたかも戰爭に突入した關係から、そうしたものが後日に譲られたということであつて、實體は今日むしろその兩市にまさるとも劣らない形になつております。かかる情勢におきまする茅ヶ崎町を區域として、ぜひ市制實現方を委員會の皆様の全會一致で御承認を煩わしたい。しかもこの要請は、四萬四千になつておる町民全部の希望でございまして、一名の反對すらないということを申し上げても過言でないということに考えております。よろしく御採擇を願いたいと思います。
#46
○林(敬)政府委員 ただいまの茅ヶ崎町の市制施行の請願につきまして、政府の所見を申し述べたいと存じます。ただいま磯崎さんからお述べになつた通りでありまして、この市制施行につきましては、全町一致しての要望もあり、また神奈川縣廳においても調査をいたしました結果、何ら支障がないという報告に接しております。なおさらに内務省といたしましても、直接係員を派して、さらに再調査を行つたのでございますが、人口といいましても、生産力といいましても、その他都市形態において、十分市にし得る資格があるという所見をもつております。よつて當局の諮問に對し、正式の當該町からの答申がありましたならば、これは認可をいたしまして、市制を施行することができるものと考えております。
#47
○坂東委員長 ただいま磯崎君御紹介の茅ヶ崎町に市制施行の請願につきましては、政府委員より贊成の御意見の發表がありました。採擇に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#48
○坂東委員長 それでは異議なしと認めまして、その通り決定いたします。
    ―――――――――――――
#49
○坂東委員長 二の行政書士法制定に關する請願はこの次にまわします。
 本日はこれをもつて散會いたします。
   午後零時三十四分散會
ソース: 国立国会図書館
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