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1947/10/13 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 治安及び地方制度委員会 第23号
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1947/10/13 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 治安及び地方制度委員会 第23号

#1
第001回国会 治安及び地方制度委員会 第23号
昭和二十二年十月十三日(月曜日)
    午後一時四十分開議
 出席委員
   委員長 坂東幸太郎君
   理事 門司  亮君 理事 矢尾喜三郎君
   理事 中島 茂喜君 理事 川橋豊治郎君
   理事 松野 頼三君
      笠原 貞造君    久保田鶴松君
      松澤 兼人君    大澤嘉平治君
      千賀 康治君    中垣 國男君
      小暮藤三郎君    大村 清一君
      大内 一郎君    中島 守利君
      松浦  榮君    外崎千代吉君
 出席政府委員
        内務事務官   久山 秀雄君
 委員外の出席者
        專門調査員   有松  昇君
    ―――――――――――――
十月十一日委員大野伴睦君辭任につき、その補闕
として小暮藤三郎君が議長の指名で委員に選任さ
れた。
十月十三日地方出先官廳整理に關する小委員笠原
貞造君辭任につき、その補闕として久保田鶴松君
が委員長の指名で小委員に選任された。
    ―――――――――――――
十月十一日
 地方自治法の一部を改正する法律案(内閣提
 出)(第七三號)
の審査を本委員會に付託された。
十月十一日
 特別市制實施反對に關する陳情書外三件(兵庫
 縣津名郡釜口村長古賀種三郎外四名)(第三九
 〇號)
 神戸市特別市制實施反對に關する陳情書外一件
 (兵庫縣飾磨郡余部村長福岡修外十七名)(第
 三九一號)
 横濱市特別市制實施促進に關する陳情書(横濱
 市特別市制實施對策本部役員會)(第三九二
 號)
 警察行政權委讓に關する陳情書(中國市長會長
 尾道市長石原善三郎)(第四〇九號)
 大阪市特別市制實施反對に關する陳情書外五件
 (大阪府三島市市町村長會長川越平治外二百五
 十一名)(第四二七號)
を本委員會に送付された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 警察制度に關する件
    ―――――――――――――
#2
○板東委員長 これより治安及び地方制度常任委員會を開會いたします。
 本日の議題は警察制度に關する件でありますが、この際お諮りしたいことがございます。地方出先官廳の整理に關する小委員會の小委員笠原貞三君が小委員を辭任いたしましたので、その補缺選擧を行いたいと思いますが、委員長において指名することに御異議あるませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○板東委員長 それでは久保田鶴松君を地方出先官廳の整理に關する小委員會の委員に指名いたします。
 なおこの際御報告がございます。委員大野伴睦君の辭任につきまして、小暮藤三郎君を十月十一日議長において選任いたしました。御報告いたします。警保局長が來るまでこのままでお待ち願います。
    〔委員長退席、川橋委員長代理著席〕
#4
○川橋委員長代理 ただいま委員長が所用のため出ておりますから、暫く理事の私が委員長を代行いたします。本日は議題は警察制度に關する件であります。まず警保局長より説明を聽取いたしたいと思います。
#5
○久山政府委員 九月の十六日にマッカーサー元帥から、總理大臣宛に送付せられました警察の改革に關しまする書翰は、先般政府から發表せられたわけでありますが、あれがずいぶん長い間、研究折衝いたしておりました日本警察制度の改革に對します總司令部側の見解である、こういうことに考えねばならぬのであります。從いましてあれに大體要領は盡きておるのでありまして、あれを詳細に讀んでいただきますと、改革の趣旨なり、改革の方針なり、新しくでき上る警察の姿なり、その各々の機能權限というものが、あの手紙に詳細に書かれておるのでありまして、結局あの手紙の範圍内において、從つてあの手紙の内容を十分とり入れた法案を早急につくる必要がありまして、本日その草案を司令部側に提出をいたしたような次第でありまして、その内容については、完全に手紙の内容を法文化したというに盡きると存ずるのであります。ただ手紙に書いてなかつたことで、その後細目の點について先方からの話がありましたことは、全國を六つの警察管區にわけるというふうな點と、それから警察通信施設は、國家警察がこれを管理をする。教養施設も國家地方警察がこれを維持管理をする。それから犯罪監視に關する施設も國家地方警察がこれを維持管理する。それから法務警察は國家地方警察がこれを管理する。そういつたような點が書翰に現われてないことであつて、新たに向うから話された内容でありまして、他はまつたくあの手紙の内容にすべてが盡きておるというわけでありまして、改めて御説明を申し上げる必要もないわけでありますが、要するに、人口五千以上の市街地を形成いたしました自治體に獨立の自治體警察を置くというわけでありまして、それは警察に属する一切の權能をその自治體がもつ、そうしてその残餘の部分を國家地方警察が分擔する。その間にはお互いに指揮命令の關係はない。ただ非常の場合に總理大臣が、自治髓警察を包含して全部指揮監督ができる。それ以外の平生の場合には、その間に指揮命令の關係はない。もちろん密接なる連絡は、これをとらなくてはならぬのでありまして、いろいろ要求があれば應援をするために、その地域内にはいつていくということはもちろん許されるのでありますが、一應は指揮命令の開係はない。それぞれの自治體の警察が、その自治體として獨立の責任においてその區域内の治安維持にあたる。
 こういうことが法の原則でありまして、國家警察の人員は大體三萬、そして自治體警察の總數は九萬五千を超えることはできない。こういうことでありまして、全體として三萬の増員になるのでありますが、これは各々が獨立をして別個の警察をもちます關係上、當然相當敷の増員をしなければ國内の治安維持に十分でないというふうな關係からまいるのでありまして、現在のような組織の場合の三萬の増員とは趣きが相當違つてまいりまして、三萬の増員が即ちそれだけの治安の増強というふうには必ずしもいかぬのではないか。非常に重複してそれぞれが警察を獨立にもちます關係上、こういつたような増員が最小限度必要になつてくると考えられるのであります。
 大體大雜把に申しまして、そういうふうな案が今度の改革の骨子でありまして、とにかくその數は千いくらになりますか、あるいは三千近くになろうかと思いますが、それだけの獨立した警察がこの地域内にできる。そしてお互いは連絡によつて事務を運んでいくのでありまして、そこに一貫した指揮命令の關係はない。從つてそれに伴つていろいろな心配されることが多々あると思いますが、しかしそれは要するにお互いの自覺ある協力、責任ある自主的な連絡によつて、その難點を解決していくというのが民主的な警察の運營であつて、そこにいつも中心があつて、それが統一的に指揮命令することによつて、全體の組織を運營しておつたような今までの行き方に非常な變革がまいるのでありまして、そういう制度によく慣れまして、事實上の連絡によりまして完全な警察機能の運營が發揮できるかどうかにつきまして心配をもつのであります。これにつきましては、この制度の實施にあたります機會に、それぞれの自治體の住民が治安維持の責任をよく自覺いたしまして、よほどうまく運營に協力いたしませんと、とかくばらばらに獨自の警察になつてしまいまして、國内の統一ある治安の保持ということが非常に心配いたされるのであります。
 私ども一番心配をいたしまする點は、その二千近くの獨立した警察が、いかにして事實上圓滑なる連絡のもとに犯罪の捜査にあたるかということであります。殊に現在自動車なり通信施設が非常に不備でありまして、獨立はいたしましても、その二千の自治體警察が、それぞれ自動車をもち完備した通信施設をもつというようなことは、事實上なかなか不可能でありますることが、一層そういつた連絡の上に不便、憂慮を感じさせられるのでありまして、それを補うためにこの制度の運營については、直に國民的な協力がどうしても望ましいというふうな考えておるのであります。根本は手紙に盡きておるのでありまして、新しき制度の内容といたしまして手紙に書いてありませんことで、つけ加わりましたことは先ほど申し上げましたような二、三點でありまして、あの手紙に正しい警察法の内容が完全にうたわれておるということを申し上げまして、私からの御説明を終りたいと思います。
#6
○門司委員 この機會にお聽きしてみたいと思います。手紙の内容は新聞を通じて一應見ておりますが、五千の人口をもつ市街を形づくつた地方の公共團體に警察權をもたせるということになると思います。しかし警察の力あるいは威力というものは、相當に壓力がない場合には、その効果が非常に薄いのではないかと思う。たとえば人口五千の都市において、一髓警察官が何人置かれるか。たとえば現状で言いますならば、最近市になりました茅ヶ崎市のごときは、人口四萬五、六千をもつておりましても、警部補の派出所であつて、人員は十五、六人しかいないのでありますが、あれだけの警察力で茅ヶ崎市全體の治安が維持されようとはだれも考えておりません。それが維持されているということは、一つのまとまつた警察力が背後にあつてそれの壓力が相當大きな効果をもつているからと思いますが、それがまつたく取去られて、五千くらいの小さな町村に現状のままの姿で、警察官をわずかに二千か三千しか殖やすことができないという状態にある場合において、一體どれだけ殖やし得るか。五人が十人の駐在所のお巡りさん程度であつては、おそらぐ治安の確保はできないと思う。この點については、そういう書簡がきているから、その通りにしなければならないのか、あるいはこれを多少かえることについて、政府は考慮されたかどうか。これは政府の方がおそらく商賣人ですから、われわれが考えるよりももつと實情はよくわかつていると思いますが、その點を一應お伺いしておきたいと思います。
 それから先ほど運輸省の話を聽きますると、運輸省においても、何か今の鐵道警察というものを拡充したい。そうしてその數は大體構想から言うと、約九千名に近い八千九百十五名という數が考えられておりましたが、そういうものと警察法は關連をもつているかどうか。その點をお聽きしたい。
#7
○久山政府委員 速記をお止め願いたい。
#8
○川橋委員長代理 速記を止めて。
    〔速記中止〕
#9
○川橋委員長代理 速記を始めてください。他に御質疑がないようでありますから、本日の議題であります警察制度に關する件の質問はこの程度で打切ります。
 次に笠原委員よりやみ取引についての質疑があります。これを許すことに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○川橋委員長代理 それでは笠原君にやみ取引に開する質疑をお許しいたします。
#11
○笠原委員 私の質問は警察制度には關連ありませんが、ちようど警保局長がお見えになつておりますので、この機會を利用させていただきまして、主食の横流れの取締りについて、ちよつとお尋ねしたいと思うのでございます。今ちようど米の供出の最盛期でございまして、これは非常に緊急を要する問題でございますので、この席からひとつ質問させていただきたいと思うのでございます。
 やみを取締りいたしまして、流通秩序を確立するということは、片山内閣の経済施策の中心眼目であるわけなのでありまして、なかんずく私は主食の横流れを取締りまして供出をよくするということが、さらにまたその根本になつてまいらなければならぬと思うのでございます。この主食の横流れを徹底的に取締つていかなかつたならば、供出の完納ということは不可能ではないかと思うのであります。特に本年度の供出割當は、御承知の通り非常に大きいのでございます。私は新潟縣でございますが、新潟縣の例をとつてみましても、昨年は強權發動までやりまして、僅かに百八十萬石しか出ていないのであります。本年の作柄は昨年よりもよくない。むしろ昨年よりも一割くらいは悪いのじやないかといわれるような情勢下におきまして、新潟縣の例をとつてみましても、昨年の實績よりも五十萬石くらい割當が多いのでございます。この多い割當に對しまして、これを完遂するということになりますれば、いきおい縣外に非常に多く持ち出されるものを取締りをやるということでなければできないのであります。先日新潟で一列車の徹底的な取締りをやりましたところが、四十六俵半という米が出てまいつたのであります。この程度の取締りを續行することでなければ、ほんとうの縣外持出しの徹底的な取締りはできないと縣では言つておるのであります。それならば、その程度の取締りをするには、どのくらい金がかかるかと申しますと、聽いてみますと、大體七百五十人くらい警察官を動員しておるのであります。その費用が大體三萬圓かかつておるのであります。その基礎になる數字は、大體宿泊料が百五十圓くらい、日當は四十圓くらいくれておるそうでございます。新潟におきましては、とりあえずこの十月から十二月までの取締りの豫算を、百二十八萬五千圓ばかりあげておるようでございますが、これからおしてまいりまして、まず大體理想的な取締りをするのには、三百五十萬圓以上の金がなければとうていできないのであります。ところが御承知の通り、この三百五十萬圓のうち、國庫から還元されてまいりますのはわずかにその半額でございまして、そうしますると、あと百七十五萬圓ぐらいのものは、地方財政が負擔をせねばならぬことになつておるわけでございまするが、地方財政も御承知の通り、今非常に逼迫いたしておりまして困つておるわけであります。それで何とかこれを國庫から還元してもらう方法はないかということを考えておるわけでございまするが、ちようど新潟の例をとつてまいりますると、昨年九月から本年の八月までに、この警察の取締りにより取上げました米が、大體一萬四十六石六斗二升あるのであります。そしてこれはキロに直しますと、百四十萬六千五百二十六キロになるそうであります。そしてこれをことごとく食糧營團に供出さしたわけでございますが、食糧營團が買上げた價格が五百五十七萬三百十四圓何がしというものになるわけだそうでございます。これを營團は、やはり配給にまわして消費者に賣渡しておるわけでございまするが、それが七百十三萬二千六百六十八圓餘、差引き食糧營團は、昨年度はたまたま米價が二囘ほど引上げになりましたから、利益というものが百五十六萬二千三百五十四圓ばかりで、これだけ營團が儲かつておるわけでございます。これをそのまま地方財政に還元いたしますればやや取締りができることになるわけでございますので、交渉したのでありまするが、營團の方では、赤字になつておるから、少しも縣費の方に補助することはできないというような話であります。ところがこういうふうに、地方財政が大きなる負擔をやりまして取締つてあげましたところの米は、供出割當外に營團に全部まわしておるのでありますが、この利益はあげて國家が受けておるわけでございまするから、私どもはこの取締りを徹底的にやりまして、そして供出を完遂し、先刻申しましたこの内閣の経済施策を遂行するということになりますならば、どうしても私はここにおきまして、國家がこの費用を負擔いたしまして、徹底的に取締るということが當然じやないか、かように考えるのであります。今申しますように、現在の情勢でいたしますれば、費用がなくて、とうてい十分な取締りはできないという實情にあるのでありますから、政府におかれましては、これに對しましてどんな對策をもつておるかということを伺いたいのであります。もしもこれに對しまして政府が對策がないということでありますならば、これは私は農林省も關係がありますると思いまするから、至急農林省と打合せまして、對策を立てまして、これはひとり新潟縣ばかりではなしに、その他の縣におきましても同様だろうと思うのでございまするから、この地方財政に對しまして、至急もつと補助なり、あるいはまた今申しましたような、この米の取上げたものによつて得たところの利益を還元していくというふうな方法でも結構でございまするが、それによつてやつてもらいたいということを強く希望する次第でございます。この點につきまして、もしも政府に對策があるならば、伺いたいと思います。
#12
○久山政府委員 お話の點ごもつともでありまして、今度の新しい警察制度によりまして、普通の警察から離れました場合には、おそらく全額國庫負擔でいくのではないかと思いますが、現在は國と縣が半々をもつてやつている。そして今までは非常に費用の負擔の點は、いわば潔癖に解釋しておりまして、國よりは負擔はできないのでありますけれども、それ以外のそういつた警察の取締によつて得た物の換價によりまして出てまいります差額といいますか、一種の利益から警察費を負擔するという點につきましては、あるいは現在必要以上に適正を缺いておつたかと思われる點もあるのでありまして、ただいまお話のように、もしそういうことによつて營團が利益をするというようなことであれば、これはやはり一種の不當利益と申しますか、營團がそのために利益を得るということはおかしいのであります。それは警察の取締方面の費用に振向けることは、十分納得ができるのではないかと思われるのでありまして、その點については早急に農林省とも連絡いたしまして検討してみたいと思います。
#13
○笠原委員 重ねて申し上げますが、今供出の最盛期でありますから、ぜひとも農林省と打合わせまして十分なる對策を立つていただきたいと思います。
#14
○川橋委員長代理 笠原者の質問が終了いたしましたから本日はこれをもつて散會いたします。次會は公報をもつて御通知いたします。
    午後二時四十二分散會
ソース: 国立国会図書館
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