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1947/10/22 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 治安及び地方制度委員会 第26号
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1947/10/22 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 治安及び地方制度委員会 第26号

#1
第001回国会 治安及び地方制度委員会 第26号
昭和二十二年十月二十二日(水曜日)
    午前十時五十二分開議
 出席委員
   委員長 坂東幸太郎君
   理事 門司  亮君 理事 矢尾喜三郎君
   理事 高岡 忠弘君 理事 中島 茂喜君
   理事 松野 頼三君 理事 酒井 俊雄君
      笠原 貞造君    久保田鶴松君
      松澤 兼人君    大澤嘉平治君
      千賀 康治君    中垣 國男君
      小暮藤三郎君    大村 清一君
      松浦  榮君    小枝 一雄君
      外崎千代吉君
 出席政府委員
        内務事務官   林  敬三君
 委員外の出席者
        内務事務官   金丸 三郎君
        專門調査員   有松  昇君
    ―――――――――――――
十月二十二日消防法案起草小委員松野頼三君辞任
につき、その補闕として小暮藤三郎君が委員長の
指名で小委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 地方自治法の一部を改正する法律案(内閣提
 出)(第七三號)
 小委員補闕選任の件
    ―――――――――――――
#2
○坂東委員長 これより開會いたします。
 先日に引續いて地方自治法の一部を改正する法律案の質疑を行います。門司亮君。
#3
○門司委員 酒井委員の方から、内容の大部分をお聽きしてありますのでその點には觸れないで、地方自治法全置について一應お聽きしたいと考えておるのであります。
 それは、地方財政が非常に逼迫しておりますときに、財政の緩和をどういうような形で行うか。たとえて申しますと、六・三制の問題などがあつて、地方の起債などはこの改正では、基本としては主務大臣の認可を得ないでもいい。しかし當分の間起債のわくがありますので、認可を要するというようなことがありますが、そういうことになると、基本的な條件がきまつても、實際上の運營においては、かなり窮屈な問題が、今までと同じような形で行われることが考えられます。從つて六・三制の問題を處理するために、地方財政は相當に苦しんでおるようなことが考えられるのであります。それで自治法の二百二十七條に、地方公共團體は大體その會議の議決を經て一時假入金ができる。しかしこれは一箇年以内に返濟しなければならないといいうことが規定してありますが、この法文をもう少しゆるやかにして、一時假入金の限度、それからさらに償還の年次を、その年度内の収入をもつて、これを償還しなけらばならないということを、多少緩和できるかどうかということであります。それは先ほどから申し上げておりますように、起債をしようといたしましても、起債は非常に困難であります。ところが地方によつては、寄附金その他の名義で集めるならば、ある程度の資金の集まり得る餘裕が相當あるのであります。要するに地方債をある程度もちますならば多少の財源を得る途はあると思いますが、これがその年度内の収入において返さなければならないということになると、非常に窮屈な問題になる。これが二十年あるいは三十年の年賦で償還ができるような形がとられますならば、新圓階級その他の者から、そういう名目で財源を集め得る可能性があるのではないかと考えられるのでありますが、その點についてのお考えがありますならば、一應お聽かせを願いたいと思うのであります。
 それから、そのほかの問題としましては、會期の問題でありますが、會議は百二條に、年六囘以上これを招集しなければならないと規定されておるのでありますが、それがさらに次の條文になつております常任委員會の關係、殊に百九條の關係によつて會期が定められております關係から、その會議によつて付託されたものは、常任委員會が閉會中といえどもこれの審査ができると六項に規定はしてありますが、しかし地方の自治體が参事會のない今日におきましては、いろいろな問題が起こつてくるわけであつて、それがその定められた會期のときに付託されなければ、常任委員會がそれの審議ができないというような状態になりますと、地方自治體の運營にかなり大きな支障を來します。從つて今各都市でも同じように行われておると思いますが、各常任委員會が常時開かれて、そうしてそれがいろいろな問題を審査しておると思う。しかしそれは、すべて會議で議決されて付託事項になつております關係から、すべて事前審査というような形になつておつて、ほんとうの審査ではない。從つてまた次の議會にはそれを正式の議題としてかけて、さらにそれが付託される。こういう矛盾した行き方を現在やつておりますが、この點について、會議を年六囘としないで、常時開會していて、要するに議會を開會し放しにしておくことができるならば、この點の關係は相當に緩和されるのではないかと考えておりますが、この點について一應御説明願えれば結構だと思います。
 次に百十六条の議員の議決の問題でありますが、「出席議員の過半數でこれを決し、可否同數のときは、議長の決するところによる。前項の場合においては、議長は、議員として議決に加わる権利を有しない。」こういうふうになつておりますが、改正前の自治法には、権利を失わないとなつておつたと思いますが、改正された自治法は「権利を有しない」ということになりますと、たとえば横濱の市會のごときは六十名の定員であつて、これが可否同數にかりになる場合があるとしますと、二十九と三十になるのでありますが、その場合に議長がかりに二十九のほうに自分の意見をもつておつても、議長は議決に加わる権利を有しないということになると、議長の意思はまつたく沒却されて、議長の考えておるところと反對のことが決しられるという矛盾を來すのでありますが、この點についてはどうお考えになつておるか、以上三點をお聽きしておきたいと思います。
#4
○林(敬)政府委員 ただいま御質問になりました第一の、地方財政の〇迫をいかにして緩和するかという問題でありますが、これはお話の通り、現在國家財政とともに、地方財政もいよいよ窮迫の度を告げまして、まことに憂慮に堪えないところでございます。申すまでもなく一番大きな原因は、やはり俸給費の激増が第一、それからいろいろな事業費、事務費の物價高ということも第二に考えられます。さらにその上に、災害がたいへん多くなつてまいりまして、これらの處理について、限りあるところの地方税、地方債、その他の収入をもつてしては、非常に賄いが困難になつておるのであります。私どももお話のように、日夜これに關しまして苦慮し、大藏省あるいは日本銀行、その他と均衡を重ねて、できるだけここを何とかして切り抜けていき、かつ將來においても許された範圍内、苦しい範圍内でも希望をもつて仕事ができるようにやつてまいりたいと考えておる次第でございます。根本策ととしては、もちろん税制を改正いたしまして、いわゆる有力なる税金、彈力性のある、時代とともに、物價が高くなれば高くなるで、またどんどん伸びていく、こういう有力な税金を地方税にもつてくるという問題があると思います。これについても今後も、私どもに與えられた職能の範圍において、全力を盡くしてやつてまいりたいと存じます。政府全體といたしましても、この方向に對しては異存がないのであります。ただ日本のような國では、地方税に有力な税をもつてまいりますれば、すぐ國税の方が弱つてまいる。國税、地方税のかみ合いという問題があるのでございまして、ここで國家もまた御承知のように、財政破綻に瀕しておるような状態でありますので、方向としては、有力な財源を極力地方へ委員するように、絶えざる努力を續けるという方向でありますが、現實としては、相當この方向については、満足のいくまでにいくことは困難であろうと存ぜられます。なお努力を政府といたしまして繼續いたしたいと存じております。さらに根本的にこの問題を解決するということになれば、日本全體の經濟状態をよくするということが根本でありますが、そのほかに府縣の區域というような問題についても、財政自主の見地からも、相當再檢討の必要があると考えております。しかしこの問題もまた財政的見地だけでなく、長年の風俗習慣、あるいは生活態様、そういうものに関しまして容易に動かしがたい問題がありまして、いずれにも相當な前途に壁があるという状態であります。大いに努力はいたしたいと存じます。
 それでは、さしあたりの緩和策としてはどうするかということになりますと、まず一應官吏と同じ俸給賃金のベースを確保するために必要な財源は、分與税をもつて今度の追加が豫算にお願いいたしまして組む豫定でありまして、地方でもつてそれだけの俸給を賄い得る限度の分與税を國から交付しまして、この窮状を打開していくということを講じてまいりたいと存じます。なおほかに、若干物價高あるいは公共事業の増、そういうものに對處するための分與税も、ともに考慮をしてまいりたいと存じます。それから地方税のうちの住民税を約五割程度平均率を引き上げまして、地方の物價高その他に對する諸經費に當てるようにいたしたいと存じます。なお地方に對してはでき得る限り、これは當然な話でございますが、一方節約をはかる。それから國と同じように、缺員の不補充の方針を堅持して、この間の苦境を切り抜けるようにいたしてまいりたいと存じます。
 なお事業に對する起債の問題でありますが、これは過日もお話し申しまして、おおむね御了解を得たと存ずるのでありますが、起債が窮屈なために、地方も六・三制その他の施行に苦慮をしておられるということは、私どもも十分わかつておるのであります。しかしながら國全體の財政金融の状態、資金蓄積の趨勢というものから考えまして、國全體として起債のわくというものをきめていかなければならない。そうしてそのわくの内で、國債と地方債と社債のわくをきめ、その地方債として與えられたわくの範囲でこれをやつていかなければ、國全體の經濟が成立たないというような實情でありますので、そのわくの内において個々の場合には金融機関、日本銀行、特殊銀行、その他市中銀行の代表、大藏省、そういう方面と一々相談をいたしまして、はたしてこれを許可して金が借入れられるかどうかということまで見透しをつけまして、大體の保證は金融機関の方でもしてもらいまして、その上で許可をとるという實情でございます。事業をやるという必要の面から言えば、いろいろと不滿があると思いますが、国全體として何分にも窮迫した状態でありますので、全力を盡してその地方債のわくを廣くし、かつ起債が許可された際に、それが空起債になることのないように、實際にそれが現金化できるように、最善の努力をやつてまいつておる次第でございます。まことに地方団體としては、仕事はやらねばならぬ、起債は自由にならぬというところは苦しい状態であると思いますが、その點をおくみとりの上御了承を願いたいと思うのであります。
 二百二十七條に一時借入金の規定がございますが、申すまでもなく、借入金というのは年度内に償換するものをもつて借入金というわけでありまして、年度をわたるものはみな起債という形になるわけでございます。そこでこれをどういうふうにいじりましても、どうにもならないのでございまして、借入金は借入金として、今は非常に苦しいときでございますから、分與税がはいるから、それを擔保にして金を借りるとかいうようなことをやつて、それがうまくいきませんときは、借入金を一旦返してまた借入れるというようなことをやつて、四苦八苦をして地方の自治體はやつておるようでございますが、法文上この條文をどういじるとか運用するとかいうことは、どうにもまいらないような状態でございます。いろいろとこれに條件限度をつけましても、今の金融事情では一月ごとにそれが變つてまいりまして、法規の上にこれを書きましても、どうにもならないという状態にあることも御了承を願いたいと思います。
 寄附金の問題でありますが、地方團體が寄附金をとるということは、本來自由な自發的な寄附であれば、あえてこれを抑制する必要もないかもしれませんが、しかし、寄附という問題については、また一面の弊害も伴うように存ぜられます。そこでこれは政府の方針としては、極力やりたくないという考えでございます。またこれがずつと數年度にわたつていくようなことになりますれば、これはやはり起債のカテゴリーの中にはいつてまいる問題だと思うのであります。とりあえず萬やむを得ざるとき地方でやるというようなことまで、こちらで著しい弊害のないものについてまで干渉はしないという程度に、今考えておる次第でございます。
 第二番目のお尋ねの、百九條のいわゆる議會の會期と常任委員會の問題でありますが、常任委員會常任委員會は議會の開會中、あるいは議會が閉會になりましても、その議會において付託せられました事項を、その後においても審議するということになつておりますことは、仰せになりました通りであります。そこで今のお尋ねは、付託した問題だけでなくて、すなわち舊制度の参事會のように、議會閉會中においては、参事會に代つていろいろのことが審議できるということにすることについての意見はどうかということと存ずるのでありますが、新憲法のもとにおいて新自治法になりましてからのこの考え方は、いわゆるすべて議會中心主義でございます。そこでその中のごく一部の者が参事會をつくつて、そこで議會と同じような機能を果すということは、立憲制度あるいは地方自治體の精神からいつては、やはりそれよりはむしろ、たいていの必要なものは、めんどうでもその都度議會を開いてやつて行く。ただ特殊の問題については常任委員會に付託して、そこでやつていつてもらう。こういう考えで、いわゆる参事會というものよりは、議會を重んずるいき方に建前が相なつております。そこで、やや重要なといいますか、やや必要だと思うときは、いろいろ手續、集まる手數、その他はめんどうでありましようが、議會を相當頻繁に開いてやつていただくように運用をもつていくことが、趣旨に合うのではないかと存ずるのであります。ただ實際の運用問題としましては、常任委員會が大いに活動しなければならぬ分野も實際問題としてはあると存じます。そこでやはり閉會中でも常任委員會を活動させた方がいいと、當該縣會で認めます場合には、やはりお話がありましたように、これを委任する。少し問題を廣い題目をもつて委任していけば、やや御心配の點に副うことができるのではないか。かようにも運用上考えられるのであります。またお話がありましたことく、事前審査の形でもつて、非公式に常任委員會が實質的な審査をして、そうして議會にこれを渡していくという方法においても、實際の運營上、今この制度からまいりますところの摩擦というものは避け得るのではないかと思います。しかし趣旨はできるだけ議會を尊重し、議會を大いに開くという趣旨からまいつておるのでありますから、その點常任委員會の運用においてそこの缺點を補つてやるように、地方ではやつていただきたい。こう考えておる次第であります。
 それから第三のお尋ねの、第百十六條の會議の議決のやり方でございます。すなわち議長は表決に加わらない、可否同數であつた場合は議長の決するところによるという點であります。舊制度においてはお話しの通りに、議長は議員として一票を投じ、それからさらに議長として一票を投ずる、合計二票を投ずることができるようになつておるのでありますが、新自治法におきましては、これを改めまして、今のようにいたしたわけでございます。この趣旨はどちらがいいかということについては、論ずる人によつて双方の意見も成立つと存ずるのでございますが、しかし議長の職務は申すまでもなく、議事全體を運營管理する大きな強い権限をもつております。その上に一議員としての表決権までもつということになつて合計二票もち、しかもその一票というものは最後のことを決する一票であり、しかもその表決のほかに、平時その議事全體を運營管理するという意味において、強大な権限をもつておるわけでございますので、これが單に普通の議員としての権限までもう一つもちますと、あまりにも力が強くなりすぎるのではないか。これは一般の議員との間の比較から申しまして、むしろ一般の議員としての表決に加わらないで議長として表決する方が公平で、平等に近い方向にいくのではないか。かような精神からいたしまして、過般の新自治法の制度後はここに御指摘になるような制度になつたわけであります。もちろんお話のように、かえつて極端な場合には、議長を出した方が損をするといいますが、負けるというような極端な例も出てくるのでありますが、ごく例外的なそういう場合、やはり制度というものを一つ立てます以上、どこかにそういう若干の弱いところが出てくるのはやむを得ないと思います。全體の形といたしましては、やはり新しい制度のほうが私どもとしては適當ではないか、かように考えておるのであります。また外國の例をみましても、アメリカのごときはみな新しい方法になつておるようでありまして、それらも併せ考えまして、こういうような規定に改めた次第であります。
#5
○門司委員 もう一點伺います。委員會と會期の問題でありますが、從来参事會がありました當時におきましても、殊に五大都市のような大きな世帯のところは、随時開く必要がありますので、會期が定められておりますと、その間の手續き、その他煩雑な事務がありますために、會期を大體定めないで、そうして惡く申し上げるというわけではありませんが、議會が常時開かれておるという形においておくことにおいて、議長は問題のあるたびに議會を招集して、それがただちに常任委員會に付託できる。從つて参事會のないあとには、そういう制度の方が委員會の活動も十分できると思いますし、さらに議會を尊重する意味からいきましても、一應まず議會にかけて、それからさらに常任委員會に付託してこれを審議させるといういき方ができるのではないか。こういうふうに考えておるのでありますが、なお御再考を願いたいと思います。
 さらに百十六條の問題でありますが、自治法の問題はそれでよいといたしまして、日本におけるあらゆる會議というものが二つの建前になつておる。たとえば農林關係でもつておる農地委員會などにおきましては、むろん委員長は議決権と表決権と二票もつておる。その他調査すると、そういうものが私はあると思います。非常に人員の構成の少い場合に、往々にして可否同數は議長が決する。あるいは政黨的の色彩をもつていないような會議においてはそういうことがありますので、おそらくそういう規定になつておると思いますが、これをもし百五十六條のような規定が正しくて、それが運用上よいというならば、すべての會議をそういうようにまとめて、議事についてはこういう法律でいけという一本にした、たとえば議事法というようなものができて、そういう煩雑な、あるいは疑惑のあるようなものを一掃することが、私どもはこの際よいのではないかと思います。これは自治法とちよつとかけはなれてくると思いますが、なおお考えをお伺いしたいと思います。
 さらに一番最初にお聽きしました二百二十七條の關連でありますが、もちろん借入金の關係は先ほどお話の通りであると思います。今日の社會情勢からみまして、課税の對象というものはきわめて困難でありまして、具體的に申しますと、課税の對象をもつておるものと、課税の對象にならない相當な資産をもつておるものとで、實際の問題といたしましては、非常に大きな開きをもつておるのであります。從つて課税の方法が非常に巧妙に行われて、そうして多くの新圓をもつておるような連中に課税ができれば結構でありますが、そういう問題はきわめて困難でありますので、それらの財源を得ますためには寄附行為であるとか、あるいは一時借入金であるとかいうような方法を講ぜられた方が、この際地方財政を賄う上において非常に便利であると私は考えております。もちろんこの規定は動かすことができないということは一應考えられますが、これに多少の幅をもたせる。いわゆる借入金を年金において償還しない。それが始終繰返されているということでなくして、起債との關係もむろんあるとは思いますが、そういう起債にほぼ近いような、何らか緩和されることがあれば、この際の地方に置ける財政はかなり融通がつく。私は現實の問題として可能性があるというように考えているのでありますが、なおこの點については、ひとつ考慮をお願いしておきたいと思います。從つて前の二つについて、もう一應お答えを願いたいと思います。
#6
○林(敬)政府委員 第一の議會の會期と常任委員會の問題でありますが、立法の精神は、先ほど申し上げましたことをもつて御了承願えたと存じておるのであります。いわゆる萬年議會と申しますが、絶えず議會を開き放しにしておいて、案件の出てくるたびにそれを常任委員會にかけて、實際は常任委員會で運營していくというやり方でございますが、法律から見ましてそういうことは、いわゆる法文上は違法であるとは申せないと思うのであります。それぞれの地方團體の議會の状況に應じましては、そういうことになつていく場合もあるいはあるかと存ずるのでありますが、ただ私どもよりも、もつと經験をおもちになつていておわかりのごとく、萬年議會になつてまいりますと、運營がいいようであつてうまくいかないという場合もあるわけでありまして、かえつて締括りがつかなかつたり、始末がつかなかつたり、いわゆるだらだらになつてしまうという場合もあるわけであります。これはやはりなるべくそういうことでなく、必要なときに開いて、そうしてどうしても常任委員會で残して審議しなければならぬものは、常任委員會に付託して審議する。あるいは次の議會が開かれる前に、事前にどうしても審議しなければならないものは、いわゆる事前の事實上の協議會というものを開いて、そこで審議をなさる。そういうような運營でいくことが一番望ましいのじやないかと考えております。要はこの法令をどう運用していくかということであろうと思います。ただ常任委員會というものを、昔の参事會のようにして制度を設けておきますことは、これからの議會尊重の氣運と制度からいきましていかがかと存ずるのであります。建前はそういうふうに議會第一主義にいたしまして、そうしてその間において、實際上のいろいろな支障というものは、適切なる各自治體の運營でもつて解決をしていただくということにいたすことが、一番望ましいことだと存ずるのであります。
 それから第二の、議會の議事の決定の方法でございます。お話のように、なるほど現在では自治法ほこういうことになつてまいりましたけれども、まだほかのいろいろの法規に基く會議體の議事方法といいうのは、昔のようないわゆる議長は二票をもつというやり方できまつているものが、相當多いのではないかと思います。これはそれぞれの法律で、そういう會議を規定いたしますときの理窟を申しますと、それぞれの目的に從つて議會の議決のやり方というものはきまるわけでございますから、農林關係の法律なら、その法律でもつてそういうことになつておりますれば、これまた自治法の方から、それをかれこれ容喙すべき筋合いものもでもないと思います。これはしかし理論でありまして、將來の私どもの氣持を申しますならば、やはりそういう法律も逐次この新自治法のような行き方に改められるべきものではないか。これが望ましいというふうに考えられるのであります。なお政府關係方面に、御意見はとくと傳えまして、政府としてもなるべく歩調の合うように、ひとつこの點は研究を進めたいと存じております。
 それから第三の、いわゆる寄付金、一時借入の運営の問題でございます。御著眼の點はごもつともだと思います。しかしこの寄付金とか一時借入の運営というものは、弊害を最小限度に防ぎ得る限度において、できるだけ現實に近いものにやらせていくように、私ども自治体と協力いたしてまいりたいと思つております。
#7
○門司委員 最初の議會の問題でありますが、これは誤解されていると思います。私は参事會の行き方を、必ずしもそうしろと言うのではない。現状のままでは、常任委員會は事前審査でありながら、實際の審査をしているような、舊参事會のような行き方をとつている。從つてこれをなくするために、議會が常時開かれるならば、その案件があるたびに議長は議會を召集して、各常任委員會に付託するという行き方にしておかないと、今の地方における常任委員會というのは、昔の参事會のように事前審査をして、それが次の議會には必ず報告のまま承認されるというような形でありますから、これをもう少しはつきりしておきたい、こういうのであります。この昔の参事會と同じような姿であるものをなくする。そのために、必ず議會で付託されたものを委員會で行うという制度にするには、會期が定つておりますと、殊に五大都市のようなものになると、相當頻繁にいろいろな問題が起りますので、そのたびごとに議會を開くことを申請して、さらにそれを通達するというようなことになりますから、そういう煩雑な手續を避けていきたいというのでありますから、誤解のないように願いたいと思います。
#8
○林(敬)政府委員 私の方が聽き違えておりましてたいへん失禮いたしました。御趣旨のあるところはよくわかりました。いわゆる常任委員會というのは、議會に從属する立場のものでありますから、議會の付託を受けてその都度開く、また付託を受けた事件についてのみ繼續して開かれる、こういうものだと考えております。ただ御心配のような、そうなると始終議會を開かなければならないじやないかという點もあると思いますが、なるべく議會尊重の氣持から、そういう方向でもつてまいるのが適切ではないかと思われます。しかし實情によりまして、あまりにもそれが形式張りすぎるという場合も出てくると思いますが、そういう場合、各自治体でこの自治法を離れまして、法律外の運用として、いわゆる議員の有志の方に集つていただくという形で、實質上事前審査のようなことをやられる場合が起つてくると思います。これは法律の建前からいえば、あまり希望したことではないと思いますが、運用がそれによつてスムースにいくならば、法律外の活動であれば、それに對してまたどうということもできないのではないかというふうにも考えております。なおこの委員會の運営状況については、政府といたしましても、今後の推移をよく見まして、適切なる運営がはかれるように努力をいたしたいと思います。
#9
○酒井委員 私から地方財政に關連いたしまして、一、二質問を申し上げたいと思います。
 六・三制の問題が、地方財政に關してしばしば出たようでありますが、六・三制の教育は、私の解釈するところによれば、本來義務教育でありまして、本質的にはこれは國家の事務である。それを地方團体に委託してこれを行わせるということだと思いますが、そう解釈してよろしうございますか。
#10
○林(敬)政府委員 義務教育につきましては、今の法律上の建前は、教育は國の事務ということになつております。國の事務である義務教育を自治團体の長に委任するわけであります。それで教育を行うということについては、自治團体の長に對してこれを委任する。それから學校の設備をするというような、金を出さなければならぬ經費、あるいは物的の負擔というようなものについては、いわゆる團体委任と申しますが、自治團体にこれを委任しておるわけであります。それで教育の事業―事業というと少し言葉が惡いかもしれませんが、教育そのものは機械委任であつて、知事、市町村長に委任をしておるということになります。學校をつくつたり、椅子をつくつたりという設備の方の經費を負擔するという問題は、市町村というような自治國体に委任をしておる。こういう法律の観念をとつております。
#11
○酒井委員 その關係はたいへんよくわかりましたが、國家教育とも言うべき六・三制教育が、委任事務でともかくも行われるということが非常に不合理である。殊に經済の逼迫いたしました今日の状態におきましては、なおはなはだしい不合理であると考えるものであります。おそらくこの國家事業である六・三制教育が地方團体に委任され、教育そのものが、今の説明によると、地方團体の長に委任されるということでありますが、いずれにしても、そういう形をとりますのは、おそらくこれはその教育の經費を地方に負擔させるというところにあるのではないかと思います。しかしこういう國家の最も基本的事業ともいうべき教育の事業を、經費のために地方へ委任し、負擔させるということは、國政上大いに考えなければならぬと思います。御承知であろうと思いますが、この新しい六・三制をめぐりまして、各地方でいろいろな悲しむべき事柄が起つております。教育制度は國家によつて定められ、そうしてこれが地方團体に委任された。こうなつた以上實行しなければならない。實行するということになれば、經費がこれに當然伴うものでありまするが、その費用の途がない。結局ただいま局長が言われました、歓迎しない寄附というところへ落着きまして、私ども郷里の周圍では、一戸當り千圓あるいは二千圓という相當大きな寄附を―これは寄附である以上強制ではありませんけれども、農村などの實態から見ますれば、こういう村で定められた寄附をやめるということは事實上不可能であります。形では強制ではないけれども、事實上はもう強制されている。實に氣の毒な人々がたくさんあるわけであります。こういう意味からいたしましても、國家教育というような重大なことを地方に任せるというようなことは、根本の缺陥だと思いますとともに、地方民が單に困るということだけでなしに、これがために地方財政あるいは寄附金等において、どうかこうか經費を賄つて設備を整え得る所は結構でありますが、そういう金ができなくて、村長の涜職問題などの起きている所もあります。そういう所になりますと、教育の設備というものはさらに整わない。そういたしますと、國家の教育であり、各國民がひとしく教育を受ける権利を有すと憲法にも規定されているのでありますが、ひとしく教育を受けることができないのであります。非常に偏頗な不公平な教育になつてしまう。所によりますれば、校舎もない、その他の器具機械もない、野天において教育を受けなければならぬような所もあるし、財政ゆたかな所においては整つた設備のもとに教育を受ける所がある。このような状態に國家の教育を行うということは、これは政治上の由々しい問題だと私は思います。それでどうしても教育というような基本的な事柄は、國家が直接行うべきじやないかというおうな考えをもつているものであります。この點について、どうかお考えを聽かしていただきたいと思います。
#12
○林(敬)政府委員 ただいまの酒井さんのお話の御趣旨はよくわかるのであります。ただ教育の方針ということになりますと、これは私から申すのも少し僭越かも存じませんが、いわゆる地方行政を擔當いたしておりまする者としての氣持を申しますと、お氣持はよくわかりますが、教育は國家的な色彩というものも相當になければならないと思います。しかしながら私は、初等教育あるいは中等程度の教育、その程度までは地方自治の面からいえば、地方自治でできればやることが最も望ましいことではないかというふうにも考えられるのであります。自治行政というものについてはいろいろあると思いますが、その中にやはり教育の事業というものは大切な自治行政ではないか、法律概念から申しますれば、さつき申し上げた通りでありますが、非常に大切な一つの地方自治の大きな範疇の中にはいるところの行政の分野を占めるものではないか、こう考えられるのであります。かりに法律概念はどういうふうにいたしましても、運用としては、少くも非常に地方自治的に、今後の初等教育といいますか、基本教育というものは、行われるべきことではなかろうかと考えられるのであります。大きな大學教育や専門教育になれば、國家がじきじきでやつてもよいと思いますが、中學校以下のようなものは、府縣とか市町村でそれぞれの工夫をこらして、それぞれその地方化、あるいは郷土に即した教育をするということが、むしろ今後の理想としてはよいのではないか。またかりに、その性質は國の行政であるといたしましても、それだからといつて、國の機関が、地方の實情もほとんどすべてわからないといいますか、非常に遊離した國家機関が地方に全部できて、それがいろいろの學校の教育を掌つて、全國あまりにも基本教育が画一的にわたつていくということよりは、むしろ大きな方針、大きなやり方、大きなところは國でもつてやりましても、それを實際に運用するときは、府縣市町村を通じて、あるいは府縣市町村の機関を通じて行われる。そしてそれが府縣市町村會のそれぞれ批判も受け、是正も受け、あるいは協力もうけながら、一方その地方の實情に合つたように行われていく。一つの光線でも、プリズムを通して、最後に人々の教育のところに進んでいく。こういう方が實際には圓滑に、より地方に即した教育が行われるのではないかと考えるのであります。ただしかし、そういう今申しましたような教育も、一つの理想とすれば、そういう理想のために、お話のように、今度は經費の負擔がでてきてしまつて、そしてその経費がもてるところと、もてないところがでてくる、そして非常に無理をする、そういう弊害を伴うほどの無理を強制するような結果になつてくる。あるいは貧乏な村に生れた者は非常に不完全な教育を受け、裕福な都市に生れて教育を受ける者は、非常に恵まれた教育を受けるというアンバランスになつてはいけない。この點は大いに氣をつけていかなければならず、また現在その傾向もあるわけであります。これは極力是正をしていかなければならない。しかし教育の運営というものは、全部國で画一的にやらずに、むしろ私は地方團體なり、地方機関を通じて最後の末端において行われるときは、地方に即應して、大きな國の方針のレールに乗りながらも、運用は地方に即應してやらせるのが、むしろ適切ではないかと考えておるわけでございます。しかしながら費用の問題でありますが、これは經費の面を地方に負擔させていくというだけには現在の制度を考えておらないのでありまして、今私が申しましたような理想を教育當局で考えてそういうことになつていると思うのであります。
 それから經費の問題でありますが、これにつきましては、窮迫し、かつ困つていることは、今お述べになりました通りでありますので、この點については是正すべきものは是正し、健全化するところは健全化してやつてまいらなければならないと思うのであります。設備の負擔というようなことになりましては、私は國家的色彩も大いにあり、國家の要請によつて動くところも大いにあるのですから、これは少くとも半額程度は國庫でもち、あとの半額は地方でもつ、こういうくらいの形で、中央と地方とが相協力した形で基本教育というものが行われるのが、一番よい形ではないかと思つておるのであります。それで御承知のように教員の俸給にいたしましても、半額は地方費、半額は國庫補助ということになつております。
 また六・三制の問題につきましては、いろいろの現在の國家の窮乏の状態と、六・三制の理想というものとの間に、なかなか合わないところがありますために、結局においては地方團體にいろいろな御迷惑をかけておることをたいへん憂うるのであります。御承知のごとく、目下均衡中のいろいろの豫算では、この前一時きまりましたところでは、いわゆる三十一億の設備費を計画して、そのうち約半額の十四億餘は國家でこれを補助する、あとの半額は地方の起債で賄う、その起債については全部現金化できるだけの裏づけを銀行當局と約束しておる状態でございます。それであとの半額についても、しかし新たに起債によるとしましても、その他によるとしましても、地方の負擔はいろいろ増すわけでありますが、その點につきましては税制等とにらみ合わせまして、全國を通算してみれば賄い得るという形にとつておるのであります。また、地方團體ごとの財政負擔力の不均衡の點は、分與税で財政調整的な役割を果させて、極力その間の不均衡のないように考えておる次第であります。
 たいへんくどくどしく申しましたが、全部國の手で、國庫負擔でやることは、基本教育についてはかえつて適切でないのではないか。やはり基本教育はむしろ地方分權化すべきではないか。但しその經費は相當程度は國家でこれを補助し、あとの分は地方で賄う。しかしながら地方で賄い得るように、起債なり、税なりの方で、これを親切にめんどうをみていく。親切と申しましても、實際にはなかなか行われませんが、國家の力の許す限り、またわれわれ當局者の力の及ぶ限りの親切を盡して、その間に美しい調和をとつて行われるのがいいと考えております。
#13
○酒井委員 私は局長の答辯に満足いたしません。と申しますのは、局長の教育観は、私そう言つては失禮だが、これはゼロだと思つております。私が質問いたしました趣旨は、なにも日本國家の教育を画一に―各縣、各村、全國を通じて画一的にやれというような意味の質問をしたのじやないのであります。局長の答えでは、画一主義の教育はいけない、各地方の特色をもつた教育をしろ。これは當然なことであります。但し、教育の根本方針だとか、大きなわくだとか、あるいは、その設備、計画、企画といつたものは、大いに國家で統一する必要があると私は思う。現に六・三制の學校で、教科書は國家がこれをつくり、その教育のよるべきものは國家がその大綱を示して、そしてその教科書を扱うにあたつては、各地方の特色に従い、獨得の教育の精神を活かしていくところに日本の教育があると私は思う。地方の個々の特色、個性を無視した教育を今考えることは時代錯誤であります。そのような考えをもつ者は、おそらくないと思う。ただ、私が主張いたしたいのは、そうした大きな國家の基本的な教育の方針、精神上の方面は、今の教科書なりその他の教育方針は文部省あたりによつて示されますが、これは差支えないが、設備の點はある程度國家で統一し、整備していくことは、あくまで必要だと私は思う。そういう意味におきまして、國家が教育というものはすべて賄う。そしてその教育内容にあたつて、どういう教育をするかということは、地方々々でその設備を利用して、設備の足らぬ部分は中央で補助してもいいと思う。頭から教育費の大部分を地方に委譲して、地方の仕事だというようなやり方をしておりますから、憲法でいかに人権の平等を叫び、教育の平等を保障いたしましても、事實は決して平等じやない。そういうは點は私の考えからいたしますれば、あくまでこれは教育の本質からいつて不都合である。國家の政治の上からいつて、最もこれは基本的な問題であると私ども考えております。學校の先生あたりの俸給にいたしましても、國家がこれを全額支給しないから、やむを得ず地方にその半額なら仰いでおるという、しかたのない氣持でやつておられるわけであります。實際教育家の一人一人にあたつてみられるならば、すべて國家において、そういう點は負擔してもらいたいということは、言うまでもないことなのである。そのような常識的な問題になつている。それを局長は、教育は地方の特色によつて行わなければいかぬというような理屈から、地方へこれを委託して恬として顧みられないということは、これは日本の國家教育のために欺くべきことだと思います。殊に血の出るような寄附をいたしまして、六・三の設備を各所でしておりますが、寄附をあまり歓迎しないというような言葉を先つき言われましたが、おそらくこの寄附した人々が、そういう政府委員の言葉を聽いたならば、まことに私は失望落擔すするだろうと思います。なるほど國家制度の上からいけば、個々の寄附にまつというようなことは、おもしろくないことに違いありせんけれども、それならば起債も許さず、あるいは税で徴収する方法も許さず、そうしておいてやれという。そうして寄附は喜ばぬという。それではどうして實際實行するかという問題になるので、まことに事務として考えるときは、そういう放言をして恬としておることもできるだろうけれども、實際教育の掌にあたり、この設備をしなければならぬ、市町村當局などにおきましては、これは死ぬか生きるかの血みどろの問題で、ずいぶんこれがために町村などはいろいろなもの事ができておる。村長の辞職問題などもできておる。實に私は、そういう實情は政府當局が眺めて、血もあり涙もある氣持でこの政治の面を考え、法制の面を考えてもらいたいと思います。寄附などあまり歓迎しないというようなことで、當局としてはすましておられますが、實際掌にあたる者は、すましておれないのであります。この點はどう調和するか、そういうことについてお考えがありますれば、ひとつ承りたいと存じます。
#14
○林(敬)政府委員 六・三制の施行に伴いましていろいろの設備がいる、それについては、ある程度國家が國費をもつて、これを整備すべきであるというお話については、まつたく同感でございます。それから今お述べになりました酒井委員のおつしやること全部について、私はまつたく御同感でございます。また私が先ほどお答え申し上げましたことも、地方に任せて恬として顧みないというつもりで申し上げたのではないのでありまして、いわゆる國のもち、地方のもつ、こういう制度でいくのがよいのではないかということを申し上げたわけでございます。この點もひとつ御了承を願いたいと存じます。建前といたしましては、さつき申し上げましたように、俸給は半額國庫がもつておる、あとの半額が地方、設備も六・三制の施行にはおおむね半額が國庫、それから残額が地方の起債、こういう建前で進んでまいつております。また俸給につきましては、地方財政の窮乏の實情からみまして、激増してまいります増棒の分につきましては、全部國から分與税でもつてこれをみておるというような實情でございます。お話のように私は寄附は好ましくない。これはやはり、寄附をしなければならないような實情に立ち至ること、まことに残念なことである。こういう意味でございます。私も、おつしやることはよくわかるのでありまして、實にこの問題は困つたことで、國家の窮乏というか、國家財政の破綻というか、それと六・三制の實施という問題の間に挟まつて地方に迷惑がかかり、その地方の父兄の方々が非常に苦労をなさつていらつしやるということについては、實に日夜憂慮をし、かつ微力ながら最善の努力をいたしておるわけでございます。その寄附をなさる方の氣持はよくわかります。しかもこういうことは、一日も早くしないで済むような事態にもつていきたい。こういうことを考えておるわけでございます。政府の各方面によく御趣旨は傳えまして、お氣持の速やかにできるだけ實現がはかれますように、最善の努力をいたしたいと存じます。
#15
○酒井委員 もう一つ最後に、今の寄附の問題でありますが、私どもは、教育の上から寄附は好ましくはないけれども、それがといつて設備をしないわけにはいかないのであります。寄附をしてくれと、むしろ地方に對しては寄附を、私どもも奨めておる一人であります。自分も及ばずながら、これに對しては相當な犠牲を拂つておる。しかし先ほどからの當局の意見を聽けば寄附はあまり好ましくないということでありまするが、結局結果的にみまして、それじや寄附を仰ぐよりほかに、事實校舎その他の設備はできないのでありますから、寄附が好ましくないからというのでやめておいた方がいいか。あるいは好ましくないけれども、校舎その他の設備をするために寄附をさした方がいいか。この點お聽かせ願いたいと思います。
  (速記中止)
#16
○千賀委員 私六・三制の問題は、酒井委員と政府委員との應答に關連をいたしますが、政府委員の答辯を是なりと承認をするものであります。六・三制につきましては、まつたく日本の國力を無視したこの制度を内閣が取入れてしまつたということに悲しみのもとが胚胎しておるのであります。最近におきましても、從前の國民學校の教育をする本もなければ、資材もない。教材の補給もできないというようなこの現状の上に、さらに六・三中學をここに加えていくということが、實際問題としてできるはずがない。これの見透しなく、なぜ文部省がこれをわが國策として取入れたのか。また内閣總理大臣がこれを總攬しながらこれを承認しておるのか。この點まつたくわが日本國民にオーバー・ロードであります。オーバー・ロードであるこの問題をいかにするということは、この委員會においてここでどうこうきまるものではないのであります。もちろんあなた方は地方制度の中枢を握つておられますので、市町村長あるいは市町村制と悲しみを同じくして、この問題をどこの岸へ船をつけていくのか。この點については同じ憂いをもち、同じ悲しみの中に何とかしてその打開策を講じようと、のた打ちまわつておられるその氣持であられることは、むろんわれわれは感謝をするのでありまするが、私どもはあなた方に、この解決をしなさいというような注文はいたしません。そこですべての地方行政にしろ、國家の行政にしろ、税金をもつて支辧するということが、ほんとうに國家運行の建前でなければなりません。この點につきまして私は、以前から地方行政に關係をしておりまするときから、主張し續けておるのでございまするが、オーバー・ロードの仕事を計画しては、これでは困るからと言つて寄付金を許すことになりますれば、また寄付金をもつてその經費の大部分を支辨するというような建前になりますると―まつたくこれは、日本の國は武器をもつて横行する匪賊はないけれども、満州國の人民たちが日本を指して法匪と言いました。ほんとうに日本にこの法匪というものが實現をしてくるわけであります。かようなことになりますると、地方の安寧もなければ、氣持の上の樂しさも何もなくなつてしまう。だから必要であれば議會の承認を經て、いくらでも税金をとれる方面に課するのがよろしいのであります。その税金をもつて國費を支辧するということが、一番正しい明るい政治で、國民の納得し得る政治であります。この線によつて政府委員がやつていこうという信念をもつておられることは、私はこれは双手をあげて賛成をいたします。さればといつて、寄附というものは絶對相ならぬというわけのものでもございません。國家の實情、市町村制の實情を見て、なお相當苛烈な税金に耐えながらも、なお自分々々の節約によつて餘力を生じた方々が、その方面に理解をもつて寄附をしようという方があれば、これはもちろん感謝して受けるのであります。この點に満腔の感謝を表することに、少しも惜しみがあるものではありませんけれども、政治をやる者としての心得というものは、やはり地方局長が言いましたこの信念に立つてやつていただくことに私は賛成するのであります。さいわい明確にさような線に沿つてやつていくことを表示いたしておりまするので、どうか將來もその信念にゆるぎなきことを私どもは要請をするのであります。
 次に選擧法につきまして、蛇足かもしれませんが申し上げます。私は長く選擧をやつてきた人間でありますので。今囘のこの改正について少し疑點がありまするから、少々お伺いをいたします。選擧名簿を定時登録制から随時登録制にかえたということは、結構でございます。定時登録制におきましては、なるほどその定時以後の異動が選擧権の上に作用することができませんから、たしかにその點は随時の方がよいと思います。實際の選擧の面にあたりまして、過去の定時登録制のころに私どもが選擧をやつておつてぶつかる問題は、定時登録をいたしまして、それからある期間選擧人名簿の閲覧期間があるのでございます。その間に民衆全部が閲覧をしてしまえば問題はないのでありますが、この期間にほどんど民衆の大部分に閲覧をいたしません。また事實選擧民が定められた時間に定められた帳簿を閲覧するということになつたら、實際は不可能であると思います。帳簿の數も足らなければ、閲覧をする部屋の廣さも足らない。見てくれぬから結構なようなわけであります。そこで相當な脱落を生じておるのでありますが、選擧がいよいよ告示になつて、相當選擧が民衆の興味の中心になつてくるようなころに閲覧する人は、さておれの名前が落ちているが、出してくれということを、それぞれの自分の入れたいと思う候補の事務所に言つてことわられる。それは大變というわけで、われわれは何とかしようと思つても、これは法律に抵觸しまして、この人々を入れることができないのであります。これはいつも選擧のたびに數件ないしは數十件、數百件も起つてくる悲劇でありまするが、随時登録制度になれば、こうしたことがたしかに防止できるかどうか、その點はいかがでございましよう。防止できるならまことに結構だと思いまするが、まずその點から伺いまして次の質問を申し上げます。
#17
○林(敬)政府委員 今千賀さんのお話になりました選擧の名簿でございますが、縦覧、閲覧の實情は私もお話の通りだと存じます。特に脱漏が著しかつたのは一昨年の選擧でありまして、もちろん全體から見ればパーセンテージは低うございますが、社會的にこれを眺めた場合に、相當ひどい脱漏があつたわけであります。これを防止いたしますために、従來は單に定時名簿だけであつて、九月十五日現在で十二月二十日に確定する。それで閲覧期間を過ぎた人を文句を言つてもだめだ、こういう制度であつて、御心配のように取りつく島がなかつたのでありますが、これを改めまして、定時名簿のほかにさらに臨時名簿をつくりまして、そこで載るべくして載りそこなつてしまつた者、あるいはそれからあとで海外から帰つてきて資格のある人、こうした落ちた人々をみな救いあげていくという制度をつくつたわけであります。それで衆議院の選擧にしても、その他地方選擧にしても、選擧の直前になりまして、落ちたその人々を、その家々に通達して申告してもらつて、その申告によつてそれが事實に間違いなければ載せるというようにいたしました。臨時名簿閲覧の時期というものは、選擧のすぐ前といいますか、できるだけ支障のない限りにおいて一番近い期間をねらつて臨時名簿をつくるわけであります。そこでこの制度によりまして非常に防止ができたと存ずるのであります。なおかつ御通知申し上げても、なかなか申告をなさらない方もありますので、落ちておる點もあると存じますが、しかしますます現在の制度として考え得るだけの脱漏は、これでもつて救い得る制度ではないかと思つておるわけであります。
#18
○千賀委員 そこで臨時名簿の締切りは、今選擧の直前とおつしやるのですが、これは告示の直前であるのか、投票の直前であるのか。その直前ということは告示ないしは投票、どちらにしても、たいてい幾日くらい前を目標にしておられるのか。
#19
○金丸説明員 局長に代りまして私から説明を申し上げます。選擧の期日は府縣の選擧では三十日前に告示をいたしまして、市町村の選擧では二十日前に告示をいたすのであります。新しい定時名簿主義によりますと、選擧権の要件である二十年いう年齢と六箇月の期間を、選擧の期日によつて計算をいたしますから、告示をいたしましたあとでなければ、選擧人名簿の調整に着手ができないわけであります。そういたしますと、選擧の告示がありましてから名簿の調整にかかります。調整の方法といたしましては、まず選擧人に申告用紙なんかを配りまして申告をさせて、それによつて調整をいたしましてから縦覧に供して、異議がありましたら、それを決定するという順序を履むかと思います。府縣の場合でございましたら、およそ選擧の期日から、十五日から十日ぐらい、市町村の選擧でございましたら選擧の期日前十日前後には、數日間縦覧に供するということになつてまいるかと思います。今までは毎年十月に縦覧をいたしておりまして、選擧に全然無關係でございましたから、仰せのように縦覧に参る人も至つて少なかつたと思いますけれども、今後選擧人名簿はすべて選擧を行います際に必ずつくりますから、今までと違いまして、名簿の脱漏というようなことも少く、また縦覧においでになるということも、今までよりか關心をもつて多くおいでになるということになつてまいるのではないかと思います。
#20
○千賀委員 脱漏の少くなるだろうという點は、この改正選擧法の方が數年まさつていることは認めます。そこで私が一つ心配いたしますのは、選擧期日に非常に迫つてきて、相當に取扱います吏員の方も、届出をする民衆の方も、相當氣持がうわついてくる時分にこれが取扱われますので、相當誤謬ができてくるのではないか。特にその中の誤謬は、甲の役場に届け、乙の役場にも届けるというような人が出てきたときに、これは故意で選擧を妨害しよう、あるいは撹乱しようという人もあるだろうし、まつたく歸還者のごときで、ある所に落着こうと思つて、そこでちよつと届け出てみたが、また選擧の間際に村を變つて次の村に行つた。前のことも忘れてしまつて、すぐ次の村にもまた届けてしまつたというようなことで、二重登録というような場合が、できてきやしないか。これができてきたときに、訴訟問題などが起りまして、その選擧全體が無効だということになりますと、何萬、何十萬という人々がその熱意を結集してやつた選擧が、そうした不注意なこと、あるいはきわめて少數の惡意のある者のあるために、選擧を乱されてしまう、やり直しになるというようなことが起りはしないかと思います。それが火急な随時登録の間で完璧を期することができるでしようか。またどういう方法で防止をせられるおつもりか、この點を伺います。
#21
○林(敬)政府委員 お話のように期日が迫つてきてつくりますから、やはり人間のやることでありまして、誤りなきを期して緊張いたしましても、萬一にも誤謬が出てくるかも知れないと存じます。それでまことに稀な例だろうと思いますが、仰せのように惡い者が出てまいりますと、二重に名簿に登場してしまつて、二票を投票するというようなことが萬一にもあるかも知れません。この場合には、いわゆる投票までにそのことがわかりますれば、どちらか誤つている方を附箋をつけてしまつて、名簿に載つておりましても投票をさせないということにいたします。またかりにその人がどうしても投票をするという場合には、その投票の方法を投票管理者が講じさせまして、開票までの間にこれを調べて、有効、無効を決定するという方法をとつて、これを防止することになつております。それから投票までにとうとうそれを氣づかずに、開票にもなつて、當選者がきまつてしまつた。それからあとでそういうことがわかつてきたという場合におきましても、これはごくわずかそういう者が出ましても、それによつて選擧のやり直し、いわゆる選擧それ自體が無効になるということはないと存じます。ただもう、そういう人が相當あつて、それがために當選人の順位が狂つてくるというようなことの明白になります場合には、いわゆる當選の効力というものについて影響がでてくると存じます。これはいわゆるやむを得ない惡であつて、そういう場合は判決を待ちまして、當選の決定のやり直しをやるほかないと思います。
#22
○千賀委員 そんな場合もあるのだということについて、あまり深い注意を拂わずに、この法案を起案せられたように感じますが、私どもは一應これを認めましても、そういう點に相當に注意をしなければならないということを御注意の上、なおこの實施について、さような點で萬全を期することができるように、なんらかの考慮を拂われたいと思います。これは蛇足かも知れませんが、御注意を申しておきます。
#23
○林(敬)政府委員 御承知のように、この前ちよつと申し上げまして、重複して恐縮でありますが、地方團體関係の選擧人名簿は、ほとんど大部分は衆議院議員選擧人名簿とダブつているわけであります。從つて衆議院議員選擧人名簿を使いまして、それで今度の改正案で改正をお願いしたいと思つて提案いたしました。その補充選擧人名簿は、全體の率から言いますと、ごくごくわずかの人數でございます。ですからこれを随時名簿主義をとりましても、それによつてこういう誤謬が、そうたくさん出てくるとは萬々考えないのでありますので、數が少うございますから、念を入れることも、全部のものをつくるのから見れば、ずつとできるのではないかと考えております。もちろん私どもは、實施については最善の注意をいたしまして、その實施の時に當つては、當該自治團體には、今後も絶えずその點についての注意と警告を發して、念には念を入れてつくらせるようにいたしたいと存じます。
#24
○外崎委員 今の問題で、地方局長もよく御承知でしようが、一票をもつて争うような命がけの選擧の場合、本人はよくわかつておりながら兩方に入れた場合に、これを罰する法規があるかないか。これは重大です。
 それから今度の日本の警察制度及び六・三制に對しては、實にわれわれ日本國民としては、想像のでき得ない法律ではないかと思う。現在の日本の國民の力としては、今度のような警察制度が適用になれば、治安の維持上非常な不安をもちます。同時に六・三制度の問題は、現在の敗戰日本の經濟では、はなはだ苦しい。金は國家も欲しければ、地方も欲しい。先ほどお話の通り、六・三制は政府が半分、地方が半分という負擔になつておるが、今日のような物價の高いときは、便所のような小さいものを建てても何萬何十萬とかかる。そんなときに、貧弱な町村に半分ももたせるということは、たとえ寄附をもつてしてもなかなかできない。しかもこれは、當然やらなければならない義務制度の六・三制であるから、政府は多少無理をしても、國家で全部負擔してやるべきが當然だと私は考える。政府の現在の豫算ではどうもできないかもしれないけれども、政府の豫算でできないならば、地方の豫算では一層できないのであります。局長を責めるようですが、よくこの點御説明を伺いたいのです。でき得ない場合に無理してやつたところで、地方では不完全なものしかできない。これはむしろ進んで、この場合政府の思い切つた全額國庫負擔でやるべきものと考えます。このたび私のところへ、ある新制の中學生から血の出るようなはがきが來ております。私は青森縣出身でありますが、これは宮城縣柴田郡の槻木中學校の加藤という生徒から來たのであります。参考までに讀んでみますと、「お元氣ですか。僕たち新制中學生は毎日元氣に樂しく暮しています。たが困つたことに、わが校舎が一棟しかありません。その代り校舎で小學校のもの、便所などは雨が降ると雨は漏るし、勉強した甲斐もありません。もしも中學校を建てなくては、日本をほろぼす蟲みたいになるのではありませんか。僕たちは一日も早く校舎を建てるのを、みな首を長くして待つています。僕たちの心にはみなこもつています。どうか一生のお願いです。」という血の出るようなはがきであります。なかんずく東北地方などは、先般の東北水害で自分の家さへ建てることができず、離村して四散する者が何十萬と出ているのですが、そういう事情のところに對しては、特別に何か政府で考えておられるのかどうか。これをひとつお伺いしたいと思います。
#25
○林(敬)政府委員 二重投票をいたしました場合の處罰でありますが、これは選擧法の中に處罰規定がございまして、それを地方制度の方においても準用いたしております。どのくらいの罰であつたかは、今資料をもつておりませんので、正確に申し上げられませんが、適當なる處罰がございます。そういうことをやつた場合には罰を食うようになつております。
 それから警察制度、その他六・三制度問題についてのお話でございますが、私先ほど申し上げましたように、建前といたしましては政府全額というよりは、地方的色彩のある制度のものでもございますので、やはりこれは俸給にしましても、設備にしましても、半々という建前がいいと存じます。しかしこの後の半分がもてないとき、どうだというお尋ねは、ごもつともでありまして、窮乏な町村ではそういうことはできないだろうと思います。これは根本においては、地方財政制度を直しまして、有力な税源をそちらへとつてくる。それからもつと、區域その他についても考慮するということが考えられるのでありますが、そんなことを言つておられない。さしあたりの問題ということになりますと、結局政府補助金は二分の一できますけれども、裏からそういう窮乏町村に對しては、財政の状態、課税力の状況というものを算定いたしまして、分與税でもつてこれを補つていくよりほかないのではないかと思つております。それから分與税だけでなくて、いろいろ住民税の増徴とか、あるいは特別獨立税の創設とか、そういうことでもつて辻褄を合わせていくよりほかにないのではないか。すなわち國家から當然もらうものは半分、あとは自前でやる。しかし自前といつても、無から有を生ずるわけにはまいりませんから、自前で出し得るだけのいい税を地方でもつか、あるいは自前でやれるだけを國家から分與税に入れてくるか、あるいは今までとつている税を餘計とるようにするか、そういう方法を考える。また國家全體ともにらみ合わせなくては困るのでありますが、起債というようなものについても、これをできるだけ許可をして、それをずつと何年賦で支拂つていく。その支拂つていく元利の償還といういものが分與税なり、その町村の税なり、そういうもので支拂いができるような財政計画をつくつて、その中にあてはめて、そのレーかの上に乗せていくという方法が一番よいのではないか、かように考えております。
#26
○外崎委員 時間がないのに質問をするのは心苦しく存じますけれども、どの町村でも、これから校舎を建てるといえば、やはり何百萬を下ることができない。わずかの分與税や何かでやつていこうとするのには、なかなか至難であります。なかんずく今申しました東北のように、大水害をこうむつて、あすの生活さえ立つていけるかわからないというときに、これも同一な方法でやるということになれば、無理なことになるし、できないことになるので、無理な例外ではあるけれども、やはりこれは政府が進んで全額でもつてやつて、完全な方法をとることが適當ではないか。發言権がもてないということよりも、むしろ政府が全額でやつて、安心できるようにやつていただきたい。政府ができないというより、地方はもつとできないのであります。今無理に六・三制を實施しようというところに、何かわだかまりがあるだろうけれども、政府がこれを引受けた以上、當然政府でやつてくれて、完全な教育方針を立ててもらいたいというのが、恐らく全國民の輿論だと思います。無理なお願いはできないと思うけれども、政府當局としても、そこまでお考えを及ぼしてやつてもらいたい。政府の全額負擔でやつてもらいたいと思うが、東北及び今度の水害地に對して、大體どういうふうにやつていくか、これをお伺いします。
#27
○林(敬)政府委員 お話の點は同感でありまして、政府で必要な補助金は出す、あと地方が賄う分については、地方で賄い得るように、政府としては最善の財政上の援助といいますか、方策を講ずる、こういうことでできるだけの努力をいたしてまいりたいと思います。特に東北地方その他の水害地方でありますが、これらの窮乏ということは十分考慮に入れまして、措置を講じてまいりたいと思います。
#28
○中島委員 ただいまの千賀委員の質問に關連いたしておりますので、伺いたいと思います。ただいまのような不正投票が發見されました場合に開票前でありますれば、その方法が講ぜられると思いますが、開票後に不正投票が發見されました場合の措置、これはただいま局長のお話では、無効にするというような御答辯であつたように、私聞き及んでおるのでありますが、それが無効になりました場合に、得票者の得點へ影響して來ないものかどうか、この點を承りたいと思います。
#29
○金丸説明員 影響してまいります場合と、まいらない場合とございます。たとえば、そういう投票がかりに一票あつたといたします。その場合に、最下位の當選者が三十票で、次點者が二十九票というような場合には、當選の結果に異動を生じてまいります。三十一票と二十九票の場合におきましては影響がございませんから、何ら當選者の身分に異動を生じませんが、前の場合には、一應三十票の當選者の當選が無効になつてまいりまして、一名ではそういうこともございませんが、それが定數の六分の一に足りぬ場合には、將來再選擧を行うという必要が生じてまいり得るわけでございます。
#30
○中島委員 わかりました。
#31
○笠原委員 私は千賀さんの質問に關連して二點ほどお伺いしたい。選擧の場合に、候補者は告示があつてから届出をやりますれば、すぐ選擧運動に著手できるが、今聽いてみますと、名簿の確定の方は告示後になるということです。ところが、候補者の側から見ますれば、選擧費用は制限を受けるわけで、選擧費用の今の計算の建前は、名簿が確定して、それに基いて選擧費用が割出されてくる。そうすると、候補者が選擧に著手する場合においては、選擧費用の方は全然わからないわけでありますし、また選擧費用は、規則によつて今までは告示しなければならないことになつておりますが、その方の關係は今後どういうことになりまするか、その點お伺いしておきたいと思います。
 もう一つは、衆議院議員選擧の場合においては、候補者は法律で定めた範圍内で、あいさつ状が出されるのでありますが、名簿の確定が非常に遅れておりますから、有権者に對するあいさつ状の發送に非常に差支えてくると思います。また一方選擧管理委員會におきましても、經歴公報等の發行が相當差支えるのではないかと思いますが、そういう場合にどういう考慮を拂うつもりでありますか、その點について簡單に御答辯願いたいと思います。
#32
○金丸説明員 御質問の第一の、選擧運動の費用は仰せの通りでございまして、名簿の確定の日に、これに登載されている人を基準にして選擧運動の費用が定まつてくるわけでございます。しかし選擧の以前にすでに確定した名簿がたくさんございまして、補充名簿と申しますのは、選擧権は衆議院と地方議會の選擧とほとんど一致しておりますので、大體千人のうち九百九十人あるいはそれ以上の人は衆議院の選擧人名簿に載つておりまして、補充選擧人名簿には、市町村でございましたら數人とか、あるいはせいぜい數十人くらいか載つていないという關係になつてまいると思いますから、選擧運動をおやりになる場合に、大體の選擧運動の費用については見當がついておるうかと思いますので、別にそういう支障もあまりないのではないかと思います。
 第二の、あいさつ状をお出しになる場合の點は、仰せのように確定前であると相手がまだ確定しておりませんから、いささか支障がおありではないかと思います。その點は仰せの通りでございますが、ただいまも申しましたように、臨時名簿に載せますのは、ずつとその後になつて参りました人だけでありますから、大部分の人には出せるということになるかと思います。仰せのような不便は起きてまいりますけれども、一方においては選擧の當日まで選擧権をもつている人を、一人でも餘計に名簿に登録いたしまして、もれなく選擧に参加させるようにいたしたいということが、随時名簿主義をとつた根本の趣旨でございまして、この趣旨から、ただいま仰せのような選擧運動をおやりになる上からは、やや不便な點があろうかと思いますけれども、随時名簿に載つてまいります人の數等から考えまして、また實際上大體そういうふうな人がどれくらいあるかということは、事前の調査等によつてもできるのではないかと思います。正式には告示後になりましてから、名簿の調整には着手をいたしますけれども、選擧人名簿を調整します事務當局といたしましては、ある程度前もつていろいろな準備等もいたしておりますから、大よそどういうふうな有権者があるというような見當もつくのではないかと考えるであります。
#33
○坂東委員長 お諮りいたします。なお發言者は數名残つております。從つて本日はこの程度で散會しまして、明日は午前十時半から開會することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#34
○坂東委員長 それではさように決定いたします。さらにまたお諮りすることがあります。それは松野頼三君が消防法案起草小委員を辞任されておりますから、その補缺選擧をいたしたいと思いますが、これは委員長において指名選任いたして御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#35
○坂東委員長 そうしますればさよう決定いたしまして、小暮藤三郎君を右小委員に指名選任いたします。
 それでは本日はこれをもつて散會いたします。
    午後零時三十五分散會
ソース: 国立国会図書館
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