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1947/10/28 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 治安及び地方制度委員会 第28号
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1947/10/28 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 治安及び地方制度委員会 第28号

#1
第001回国会 治安及び地方制度委員会 第28号
昭和二十二年十月二十八日(火曜日)
    午前十時五十五分開議
 出席委員
   委員長 坂東幸太郎君
   理事 門司  亮君 理事 高岡 忠弘君
   理事 川橋豊治郎君 理事 松野 頼三君
      笠原 貞造君    菊池 重作君
      久保田鶴松君    松澤 兼人君
      大澤嘉平治君    千賀 康治君
      中垣 國男君    小暮藤三郎君
      大村 清一君    中島 守利君
      外崎千代吉君
 出席政府委員
        内務事務官   林  敬三君
        内務事務官   久山 秀雄君
        厚生政務次官  金光 義邦君
 委員外の出席者
        内務事務官   鈴木 俊一君
        警 視 総 監 齋藤  昇君
        專門調査員   有松  昇君
    ―――――――――――――
十月二十三日
 横浜市特別市制實施反對に関する陳情書(神奈
 川縣三浦郡南下浦町議會議長石井惣治)(代四
 四六號)
 大阪市特別市制實施反對に関する陳情書(大阪
 府泉北郡町村會長佐野浩外百三十二名)(第四
 五二號)
 北海道に於ける町村財政調整資金の補助等に関
 する陳情書(北海道町村會長山田利忠)(第四
 六四號)
 料理営業者に對し租税免除竝びに生活保障の陳
 情書(島根縣料理業組合職合會長大澤良一)(
 第四七二號)
 特別市制實施反對に関する陳情書(神奈川縣足
 柄下郡福浦村會議長高橋角治)(第四七九號)
を本委員會に送付された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 地方自治法の一部を改正する法律案(内閣提
 出)(第七三號)
 最近の治安状況に関する説明聴取
    ―――――――――――――
#2
○坂東委員長 これより治安及び地方制度常任委員會を開會いたします。
 本日の日程は、最近の治安状況について政府當局の説明を徴し、また議案といたしまして、地方自治法の一部を改正する法律案を議題とします。まず第一に最近の治安状況につきまして政府當局の説明を聴取いたします。笠原貞造君。
#3
○笠原委員 警視總監にお尋ねしたいと思いますことは、すでにある一部の新聞にも報道されておるのでありまするが、九月の二日神田警察署におきまして取扱つた事件についてお尋ねしたいとおもうのであります。この事件は、あるいは警視総監は送られましたから、報告を受けていなければ知らないわけでありまするが、大體私は第一に警視廳管下におきまして、警察署において犯罪犯罪を検擧しておるのでありまするが、警視廳に對する報告とか何とかいうものは、どうゆう方法でされておるかをお尋ねしたいのであります。
#4
○齋藤説明員 私は先般警視總監に就任いたしました齋藤でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。ただいまお尋ねの、犯罪を検擧しました場合に警視廳に對する報告がどういうようになつておるかということであります。これは重要犯罪あるいは特異犯罪につきまいしては、詳細その都度警視廳に報告をいたしまするが、さほど重要でない犯罪、一般の犯罪につきましては詳細の報告はないと思つております。大體件數報告に止まつておると思います。
#5
○笠原委員 重要な犯罪というのは、大體は事件自體が非常に複雑であるとか、あるいはまた被疑者が知名の者であるとか、あるいはまた事件自體が非常に社會的なセンセーションを起すような事件が重要事件ということに解釋していいのでありましようか。
#6
○齋藤説明員 大體ただいまおあげになりましたものが該當するのであります。
#7
○笠原委員 それで私のお尋ねしたいところをお伺いするわけでありますが、私の聞いた情報によりますると、ご承知の通り神田の龍明館というのは、最近新聞紙上や、あるいはニュース映畫等によりますれば、炭鑛國家管理問題につきましての反對派の本部だと放送されておるのであります。そこにおいて、九月二日の日に、賭博があるということで、神田警察署の山藤、坂という二名の警察官が聴込みをやつておりまして、現場を確めて、小川町の派出所の二人の巡査の應援を求めて、現場に踏み込んで検擧したという事件の報告を警視總監はお受けになつておりますか。
#8
○齋藤説明員 私はまだ報告を受けておりません。
#9
○笠原委員 警視總監は新任早々でございますし、九月の二日といえば前任者のときでありますから、まだ報告を受けていなければ知らないのは當然だと思うのでありますが、私のところにはいつた情報によりますと、九月二日の午前二時頃、神田警察署の山藤、坂の二名警察官が、龍明館の窓際に行つて、内部の状況を内偵しておりますと、室内で賭博をやつている状況がわかつたのでございます。いろいろ金を計算する何萬円とか、何とかいうような聲も聴こえたというのであります。そこで四時半ごろまで大體引続いて内偵しておつたそうでありますが、どうしても賭博をやつているという確信を得ましたので、小川町の派出所の二人の巡査に應援していただいて、現場に踏み込んで數名の被疑者を検擧した。そして証拠品としてその場にあつた花札三組、碁石二組を押収したそうであります。ただちに被疑者を神田警察に連行して、伊藤という渉外係の主任さんが何かが取調べたそうであります。ところが私の知つた情報によりますと、被疑者はいずれも炭鑛業者であり、そのうちのある者は現代議士であるということを聞いたのであります。私は警視總監に對しまして、それらの人たちの名前を発表せよとか何とかを要求する気持ちは毛頭ないのでありをす。何ゆえかと申しますと、もちろんそれらの人たちの人格や名誉というものを、十分に尊重しなければならぬこともわかつているからであります。ところが私に情報をもたらし、私に對してぜひとも治安委員会において質問してもらいたいという要求をされた人の話によりますと、神田警察署においては、その後この事件を曖昧のうちに葬ろうとしているらしい、警察があやしいというのであります。私どもは別段不思議にも思いませんが、最近非常に官紀の紊亂によるところの汚職事件というものが各所に起つている際ですから、素人の人が考えますれば、もしも警察において、二人の巡査が確信をもつて、現場から被疑者をつかまえたような事件を曖昧にするということになれば、疑いをもつこともやむを得ないと思うのであります。殊にこの事件においては、二人の巡査が二時ごろから四時半ごろまで内偵して検擧した事件であります。しかもその証拠品も、賭博に使用するところの花札なり碁石があるのであります。警視總監は犯罪の捜査に對して玄人でございますから、私が説明することは釈迦に説法になるかもしれませんが、最近賭博においては、少し気のきいた人は、現金を用いないで、今申しました碁石とか、あるいはマツチ棒とかいうようなものによつて金銭の計算をやり、勝負の終つたのちにおいて現金をやるのが通例になつておるのであります。それでその取調べの結果を聞きますと、大體その晩の賭博は九月一日の午後十一時から始まりまして、次の日の午前四時半ごろまでやつたというのでありますから、ほとんど徹宵やつたことになるわけであります。それでこれらの状況や押收されました花札、碁石というようなものから判断いたしますれば、賭け金をかけて賭博をしたという疑が相當濃厚にあると思うのであります。そこでもしこの事件を神田警察署において検事局、警視總監にも一片の報告もせずに曖昧に處置するということになりますれば、警察に對するところの疑惑というものがもたれることは當然であると私は考えるのであります。それゆえに私は、警察の名誉のためにも、疑をかけられたところの被疑者の中に代議士がおるということになりますれば、われわれの名誉のためにも、その真相というものは徹底的に糺明されてしかるべきものだと考えるのであります。もし疑惑をこのままにしておきますれば、それからそれへといろいろ疑惑の種をまきまして、一波は萬波を呼びまして、疑惑は一層深まると考えるのであります。また炭鑛國家管理につきまして盛んに反對運動をやつておるそれだけに、また彼らにとりましても、社會の批判の目というものは鋭くなつておるわけでありますから、そのときもとき、しかも反對運動の本據といわれるところの龍明館において賭博が行われ、しかも被疑者が全部炭鑛業者であるということになりますれば、彼らの名誉のために私はむしろこの事件を糺明した方がよいと考えるのであります。それゆえに私は、警視總監が自体をまだ知つていないのでありますから、ぜひともひとつ調査を願ひまして、なるべく早い機會において、この委員會にご出席くださるか、もしご出席が差支えるということになりますれば、文書でも結構でございますが、詳細にお調べ願つてご囘答を願いたいと思います。私がお尋ねしたい點をもう一度申し上げますから、お聴取りを願いたいと思うのであります。
 一番初めに、九月二日の午前二時から午後四時半ころまで神田警察署の山藤、坂の二警官が龍明館に張りこんで内偵し、小川町の派出所の二人の巡査に應援を求めて、現場に踏みこんで、被疑者を検擧して、証拠品を押收した事實があるかどうかということ。もしありとすれば、その検擧の状況及び現在その事件がどういうふうに處分されておるか。その處分の詳細について。第三番目には、被疑者にいずれも世間の傳うるがごとく炭鑛業者であるかどうか。さらにいま一つは、その被疑者のうちに現代議士の身分を有する者がはたしてあるかどうか。以上の四點につきまして、警視總監にご調査を願いまして、御答辯を願いたいと思うのであります。私どもの方においても情報を募集しておりますから、またさらに重ねてお尋ねするようなことがあるかもしれませんが、まずこの四點の御答辯をお願いする次第でございます。
#10
○齋藤説明員 ただいまお尋ねの諸點につきましては、警察に對する疑惑をなくするという意味から申しましても、またいわゆる被疑者といわれておる方々のためにも、真相を十分取調べましてその内容を明らかにいたし、お尋ねの點は適當な方法で御報告いたしたいと思います。
#11
○坂東委員長 今笠原君の質問に對しまして、関連事項でご質問はございませんか。笠原君よろしうございますか。
#12
○笠原委員 よろしうございます。
#13
○坂東委員長 それでは地方自治法の一部を改正する法律案につきまして、全會に引続いて發言を許します。笠原貞造君。
#14
○笠原委員 私は本日、地方自治法の一部を改正する法律案について、條文の順序を逐いまして、少し質問してみたいと思うのであります。
 まず第十八條についてであります。十八条によりますると、政正案によりまするならば、天災事變等により他の市町村の區域内に住所を移した者、その他の者で當該市町村に對し特別の関係あるものの申請により、全項の規定による住所の要件にかかわらず、議會の議決を經て、これにその議會の議員及び長の選挙権を與えるということがでているのであります。これは同條の第四項を見ますると、大體他市町村に居住いたしまして、他市町村にいるままでいわゆる申請ができるというふうになつていると解釈して差支えないと思うのでありますが、もしそうゆうことになりますると、むしろ他市町村に長い間居住しておる人は、一般の原則に從いまして、その町村におきまして選擧権をもつ方が原則ではないかと思うのでありまするから、もしこの他市町村にいるまま住所を移轉した者にこの申請を許すとするならば一時的な規定をさしはさまなければならないのではないかとかんがえるのでございますが、いかがでございましようか。
#15
○鈴木説明員 ただいまのお尋ねの十八條の関係でございますが、この法律の趣旨といたしておりまするところは、今お話のございましたように、一時戦災あるいはこの間の水害というような関係で、他の市町村に住所を移しましたけれども、将来の問題としては、やはり従来長い間居住しておつた當該の市町村において選擧権を行使いたしたい。こうゆう者に對して、選擧権を特に本人の意思と、それから前居住しておつた市町村の議會の意思とによつて與えよう、こうゆうのが第二項の趣旨であります。從つてお話のように、そういう一時移したという者が主體になつているわけでありますが、しかしここで申しておりまするのは、そういう住所を移したものだけでありませんで、たとえば外地から引揚げてまいりましたいわゆる海外引揚者の人たちで、かつて居住をしておつた市町村にまた歸つてきた。しかしそういう人は未だ居住期間の六箇月に達していないという場合があります。そういう人たちにも引續いて特にこの選擧権を與えようというのが、この第二項に含まれておるわけであります。そういうものは必ずしも一時というわけではなくて、将来永久にそこに住むつもりであるけれども、まだ法定要件の六箇月に達していないというわけでありまして、そういうものも含めます考えでこのような規定を設けたわけであります。
#16
○笠原委員 次に私がお尋ねしたいのは、二十六條と十八條の関係でございますが、二十六條の二項によりますと、「市町村の管理委員會は云々」となつておりまして、「衆議院議員選擧人各簿又は補充選擧人名簿に登載されていない者で普通地方公共團體の議會の議員及び長の選擧権を有するものがあるときは、申請により、これらの者を登載する補充選擧人名簿を調整し、」とある。この場合におきましては、申請によつて名簿をつくることは明らかでございまするが、先ほど私が質疑をいたしましたこの十八條によりまして、議會の議決を經て選擧権を有すると認められた者は、さらにまたここにおいて改めて申請しなければ載せないものか、さらにあらずして、申請しなくとも、それらの人たちは一度申請したのであるから、そのまま名簿を調整するということになるのか、その點にひとつお伺いしたいと思います。
#17
○鈴木説明員 ただいまお話の、申請が二度あるが、両方しなければならぬかという點でございますが、當初選擧権に市町村の議會で議決によつて與えてもらいますためには、本人から申請をすることが一般的に必要なのであります。一たび選擧権を與えられましたときは、やはり名簿に登録してもらいますために、特に申請することが必要であります。現在衆議院議員の選擧人名簿に載つていない者、並びに補充選擧人名簿に載つていない者は特別選擧権を與えられたものでありましても、やはりこの規定によつて申請をして、遺漏なきことを期するようにいたしたいわけであります。多くの場合には選擧の直前に行われることが多いと思いますが、必ずしもそうとは限りませんので、この申請はやはり別個にいたしておく方が制度上も適當じやないかと思つております。
#18
○笠原委員 私は十八條に戻りまして、いま一點確めておきたいのでありますが、十八條によりますと、先刻申し上げましたように、特別な関係というものが非常にものを言いまして、選擧権を與えられることになるのでございますが、一家族のうち三人の有権者――年齢その他によりまして資格をもつておる人があるといたしまして、その主人である人はもちろん特別な関係をもつておることは明白でありますが、その他の家族はやはりその主人の特別な関係によりまして、特別の関係者として取扱われることになるのかどうか、伺いたいと思います。
#19
○鈴木説明員 特別の関係と申しますのは、やはり當該の選擧人と市町村との間の特別の関係でありまして、その家族につきましても、やはりそれぞれの家族が、はたして特別な関係があるかどうかという點を見るわけであります。
 なお念のために申し上げておきますが、この特別の関係によつて現在居住していない市町村で選擧権を與えられました者が、もしも居住地ですでに六箇月以上住んでおりますために、そこでも法律上當然に選擧権があるという場合があり得るわけであります。この場合には必ず、その選擧権を與えた市町村の選擧管理委員會から、現在六箇月以上住んでおりますために、選擧権をもつておる市町村の選擧管理委員會に通知をいたしまして、その通知がありますと、選擧人名簿を整理いたしまして、現在の名簿を消すわけであります。從つて選擧権の二重行使はできない、特別選擧権を得ました方だけで選擧権をもつて、法律上六箇月以上住んでおるために、當然に選擧権をもつておる方には反面選擧権がなくなつてしまうことになつております。從つて濫用というようなことはないという扱いになるわけであります。
#20
○笠原委員 そうしますと、今の御説明によりますれば、同一の家族でありましても、特別関係というものは個々に判断を下すものであるから、一方は甲の町村の選擧権があり、また一方は乙の選擧権があるということは起き得るわけでありますが、そういうふうに解釈してよろしうございますか。
#21
○鈴木説明員 理論的に申しますとそういう場合も出てまいりますが、しかし多くは戦災の場合には一家ともに戦災に遭い、從来居住しておつた町村から逃げ出していつたという場合が多いでしようし、引揚げの場合も多く、一緒に来て新たに住むという場合が多いと思うのでありまして、大體は同じような理由が主人なりその家族の者にも及ぼし得ると思うのであります。これがおそらく三の場合でありまして、その家族の中の特定の者だけが特別の関係があるということになります場合は、むしろ例外ではないかというふうに考えております。
#22
○笠原委員 次は二十七條の三項でございますが、地方裁判所に出訴そることができるという規定があるのですが、この場合におきましては、もちろん被告となるべきものは委員會だと思うのでありますが、委員會を代表して訴訟することになるというふうに解釈してよろしうございますか。またその場合におきまするところの訴訟費用負擔は、一體だれが負擔するのであるかという點をお伺いしたいと思います。
#23
○鈴木説明員 選擧人名簿の脱漏または誤載がありました場合の、委員會の決定に對する不服につきまして訴訟を起します場合は、選擧管理委員會の委員長を被告とするわけでございます。それからその費用は、やはり一般の訴訟費用の原則によりまして負けたものが負擔をする、こういうことになりますが、選擧管理委員會の委員長に関するものは、やはりこれは當該の市町村がこれを負擔しなければならぬわけであります。
#24
○笠原委員 次に三十四條の関係でございますが、三十四條に削除する部分といたしまして、「政令の定める事由に因り」というようにありますが、その次のところに「命令で特別の規定を設けることができる。」というふうになつておるのであります。この命令と政令というふうになつておりますが、これはやはり、命令というのは政令というふうに解釈して差支えないでしようかという點をお伺いしたいと思います。それからもう一つ、三十四條は大體今までは不在投票といわれたところの投票の方法でありますが、これらの場合におきましては、郵便でもつて投票することができるというふうになつていたようでございますが、この郵便につきましては、何か無料郵便というような便法を考えた方が、より一層選擧権の行使の上におきまして便宜があるのではないか。まだ比較的この権利関係を認めてない人は、證明が要るとか郵便料が要るとかいうことでおつくうになりまして、選擧権を行使しないということができておるのでありますが、そういうふうなことを内務省では考えたことがあるかどうかという點をお伺いしたいと思います。
#25
○鈴木説明員 最初のお尋ねの三十四條の命令だけを意味するかという點でございますが、これはいわゆる不在者投票の手続は、主として地方自治法施行令の中に詳しく書いてございますが、なおこまかい手続、殊にこの申請の書類の書式というようなものは内務省令で現在規定いたしております。これは非常にこまかいことでありますので、從来もそのようにいたしておりましたし、内務省令で規定しておるのであります。そこで省令、兩方含めまして命令と申したわけであります。それから不在者投票の方法といたしまして、郵便投票の方法を今囘地方制度に関しては認めてあるようでございますが、これは投票用の用紙を本人から請求をいたしまして、そうしてそれに必要な記載をいたしまして、再びまた郵便をもつてこの所属の選擧管理委員會に送致する、こういう制度でありますが、これはもちろん現在の制度自體につきましては、無料郵便という方法まで考えておりませんけれども、お話のように無料というふうにいたすことが理想であろうと思います。しかしこれは、なお相當遞信當局の方とも打合せをいたしませんと、これは選擧の際は無料郵便もございまして、郵便の集配能力その他の點から申しても、はなはだ困難ではないだろうかと思うのでございます。これは選擧民に、それだけ不在者投票ををいたします場合に、特別の負擔をかけるわけでありますから、でき得ることならば、そのような手続をとれるようにいたしたいと思つております。なお今後研究をいたす豫定でございます。
#26
○笠原委員 次は六十六條の関係についてお尋ねしたいのでありますが、六十六條の第四項によりますると、「第一項の規定による都道府縣の選擧管理委員會の決定又は第二項の規定による議決に不服がある者は、その決定書若しくは、裁決書の交付を受けた日又は前項の規定による告示の日から三十日以内に、高等裁判所に出訴することができる。」とかいてあるのであります。六十八條を見てまいりますと、六十八條の一項に「衆議院議員選擧法第百十條の規定の準用により當選を無効であると認める選擧人又は候補者は、當選人を被告として、第五十九條第一項規定による告示の日から三十日以内に、當該選擧に関する事務を管理する選擧管理委員會の属する普通地方公共團體の區域を管轄する商等裁判所に出訴することができる。」とありまして、「普通地方公共團體の區域を管轄する」というふうにはつきり一方は言つており、一方はそれがないのでありますが、これは何か特別の理由があるのでありましようか、お伺いいたしたいと思います。
#27
○鈴木説明員 これは六十六條の方は、その府縣の選擧管理委員會でありますから、その管理委員會が被告になるわけでありまして、從つて當然に、その被告所在地の高等裁判所ということが明瞭になるわけでございますが、六十八條の方は被告は當選人であります。そこで單に高等裁判と書きますとやや明瞭でございませんので、特に「當該選擧に関する事務を管理る選擧管理委員會の属する普通地方公共團體の區域を管轄する高等裁判所、」こういうふうに書いたわけであります。被告である當選人が、この選擧管理委員會を管轄しております高等裁判所の區域外に住んでおりますような場合には、やはりこういうふうに書きますのが實益があるわけでありまして、たとえば東京におつて、しかも福岡縣で立候補したというような場合におきましては、やはり福岡縣の選擧管理委員會に属する地方公共團體、すなわち福岡縣の區域を管轄する福岡縣の高等裁判所に出訴するということになつているのであります。一般の訴訟原則でありますれば、東京に被告が住所をもつているのでありまするから、東京高等裁判所にいかなければならないのですが、それをそういうふうにいたしてあるわけであります。
#28
○笠原委員 次は百條の関係でございまするが、第百條によりますると、「普通地方公共團體の議會は當該普通公共團體の事務に関する調査を行い、選擧人その他の関係人の出頭及び證言竝びに記録の提出を請求することができる。」ということになつており、そうして証人に對しては宣誓して、虚偽の陳述をした場合においては、偽証罪と同一な制裁判規定されておるのであります。しかるにこの証人の出頭の義務につきましては規定がないのであります。それで證人が出てまいりまして、重い刑に処せられるというような危険がある場合におきましては、出頭しなくても何ら科料の規定もないのでありまするから、出頭しないということになりはしないかとおもうのであります。この百條の後項を見ますると、「議會が前項の當該普通地方公共團體の區域内の團體當に對し照會をし又は記録の送付を求めたときは、當該團體等は、その求めに應じなければならない。」というふうに求めに應ずる義務を明確に後項には規定してあるのでありますが、證人の場合に對しても、私は出頭の義務を規定しなかつたならば、證人は出頭しないということになりはしないかと思うのでありまするが、その點に對しまするお考えを承りたいのであります。
#29
○鈴木説明員 地方議會におきまして、證人の選擧人、その他関係人の出頭を要求いたしました場合において、本人が出てこなかつた場合の制裁がないではないかというお尋ねでございます。これはまさにそうでございますが、選擧人に對して、いわゆる裁判の場合と違いまして、地方議會でその出頭を要求するというのは、やはり地方議會が調査上必要がありますので呼ぶわけでありまして、それを絶對の義務付けとして、それに應じなかつた者には刑罰を科するというのは、これは個人の自由に對して、あまり重い義務を科することになりはしないであろうかということを考えて、出頭義務を制裁をもつて義務付けることはいたさなかつたのであります。一旦出頭いたしました者が、作為を加えて虚偽の陳述をするということは、これはあくまでも制裁を科さなければならないと思いますが、しかしそこに出ていくかどうかということについては、それをしもこの法律をもつて、しかも刑罰をもつて義務付けることは、少し行きすぎではなかろうかというところで、出頭義務を制裁をもつて保障することはいたさなかつたのであります。もつともこの點については、實は國會法に近くこれに類似した規定がはいるように聞いております。本法律案の改正を出します際には、未だ國會法についての意見が固まつていなかつたような状態でございまして、地方議會としては、地方議會の立場から、かような規定をいたしたのであります。從つて何か國會法において、はつきりとした規定が設けられ、それとこれとの関連をとつた方がいいということでありますならば、また別途考究いたしてもよいと思うのでありますが、まだ定義を承知しておりません。それでこのような案を提出した次第であります。
#30
○笠原委員 次に私は百四十六條の規定についてお尋ねしたいのですが、前會私は、この東京高等裁判所に管轄を専属した理由についてお尋ねしましたところが、地方局長は、大體裁判を統一する必要があることと、大臣を地方の高等裁判所に呼び出すよりも、知事を東京高等裁判所に呼ぶ方が、至當ではないかというような理由からやつたというような御答辯があつたのでありますが、この第一の裁判の統一の點でございますが、これは本條の十五項を見てまいりますと、知事が市町村長に對する場合の訴訟は、地方裁判所が管轄することになつておるのであります。それで、私は、もし裁判の統一という問題になれば、むしろこれを一本にして、地方裁判所の管轄でなしに、高等裁判所なら高等裁判所の管轄にした方がいいのではないかと考えるのであります。私はこういう場合も豫測されると思います。主務大臣の方から知事に對して、同一の事項について一つの命令が出た。これに對して知事はそれに從つたが、知事がさらに命令を受けて、市町村長に對して命令いたしましところが、市町村長は從わなかつた。それは今申しますように、市町村長の命令不履行を理由として、その行うべきところの命令の裁判を求めるために、地方裁判所に訴えるということになれば、いきおいこの裁判所が違つてまいりまして、裁判の統一は破れるのではないかと私は思うのであります。もしこういうふうにするならば、私は東京高等裁判所の専属と言うことを廢して、いずれも第一審は各地方高等裁判所が管轄するということにして、統一した方がいいのではないかというふうに考えますが、その點はいかがでしようか。なおそういう點から考えるとこの百四十六條の、裁判所の管轄はただ大臣なるゆえに、大臣の居住地の裁判所に管轄させるという理由だけではないかと思うのでありますが、ご承知の通り、大體知事は府縣民の公選によつて出た人でございます。それをこの裁判の結果によつて罷免しようというのでございますから、これは公選知事の自主権に對して、国家が干渉する例外的の場合でありますまたそういうふうな觀點から見ても、私はむしろ大臣よりも、訴えられます知事なり市町村長の立場を考えて、管轄は定むべきものであると思うのであります。それはすなわり訴訟において、被告保護の觀點から見ても、そういうことになるのではないかと考えますが、いかがでしようか。
#31
○林(敬)政府委員 百四十六條の、東京高等裁判所といたしました理由につきましては、先刻申し上げ、ただいま笠原さんからお述べになつた通りで、いわゆる裁判はできるだけ統一していきたいということと、それから主務大臣が片方の立場に立つて、これはできるだけ直接裁判所に出頭して、その理由を申し述べて、陳述をしなければならないというふうな立場にあるので、知事の方はまだしも、しばらく手をあけることができるけれども、大臣がしばしば福岡なりどこなりに出かけるということはぐあいが悪いからという、この二つの理由でございます。御意見のような理論も考え得るのでございますが、しかし統一という方の點について言いますと、少くも知事の罷免については裁判を統一していきたい。知事についての代執行については、統一していきたい。知事というのは何といつても直接的に國と折衝いたしますところの全國的な問題になる立場のものでございます。そこでこれは統一していきたい。しかしお話のように市町村長に至りますと、これはもう一段地方的なものになるわけでございます。從つて市町村長の罷免になりますれば、これは知事が市町村長を罷免するのでありまして、いわゆる國家から離れまして、より地方的なケースになつてくるわけでございます。そこでこれを府縣單位の統一の程度で、東京まで出かけていつて統一するというのも、あまりにも統一に重きをおきまして、當事者に重きをおきまして、當事者の便宜というものを離れすぎる結果になりますので、府縣單位の統一ということでありまして、統一という點から見れば一箇所に統一すれば一番いいのでありますけれども、府縣單位の統一の程度に止める。しかしながら知事の罷免ということになりますと、國對知事という問題になります。すなわち全國的問題になりますので、この點は裁判所も一つにして統一をとることが必要ではないかということが一つ。それから主務大臣が東京におつて、これを福岡なり札幌なり、そういうところに呼び出してこれをやるというわけにも、かたがた主務大臣の職責の上から考えても、ぐあいが悪いわけでございまして、知事の方はしばしば東京にも出て参りまして、そして相當長期に滞在することもあるわけでございますし、こちらに来てもらつてやるのが一番便宜ではないか。かように考えまして、この二つの理由にいたしたわけでございます。
#32
○笠原委員 ただいまの御説明の點でございますが、大臣もおそらく、訴訟の場合におきましては代理人を出頭せしめてやるのではないかと私は考えるのでございます。そうしますれば、大臣がわざわざ地方まで出て参らねばならぬというような事態も、起きないではないかというふうに考えます。
 なおこの裁判の統一という點でございますが、これは決して罷免することを統一するつもりでなしに、もちろん裁判の統一ということは判断の統一だと思うのであります。そうしますれば、私が先刻申しましたように、同じ事項に関しまするものを主務大臣が發しまして、それを知事はこれに服しておるが、下のいわゆる市町村長が服さないという場合におきましては、判断はむしろ上からやはり下への統一というものが、重大になつてくるのではないかと思うのであります。そういう點から考えますると、私が先刻申しましたように、むしろ地方裁判所の管轄を廢しまして、各地方の高等裁判所が全部の管轄をもつのだということになつた方が適當ではないかと考えるのでありますが、いま一度その點に對するところの所見を伺いたいと思います。
#33
○林(敬)政府委員 お話の通り、これは裁判所で罷免を決定するわけではございませんで、事實を認定することを裁判所がやるわけでございます。しかしながらその結果は、ただちに罷免につながつてくるという重大なものであります。そこで仰せのように、一つの事項をとらえまして、ずつと知事から市町村長まで下つていく。しかも兩方で服したり服さなかつたり、ちぐはぐがあるというときには、お説のような裁判管轄の立て方も一つの便宜の方法ではないかと思うのでありますが、先ほどもうしましたように、やはり知事の執行をぜひやつてもらうという方法としましての、その前提としての裁判所の認定裁判というものを全國敵に考えていきます場合には、やはり知事は東京の高等裁判所で統一する、市町村長はそれぞれの地方裁判所で、その府縣内の問題としてやつていくというのが、私は一番適當ではないか、かように考えておる次第であります。
#34
○笠原委員 大體今の點はこの程度で了承しておきます。次に同じ第四十六條の第六項でございますが、この中に事實の確認の裁判を請求することができるということがあるのでございます。事實の確認というのは、裁判所の裁判に服さないという事實だけを確認する意味であるかどうかということをお伺いしたいと思います。
#35
○鈴木説明員 その事實の確認と申しますのは、その前の裁判におきまして何月何日までにどういうことを行え、たとえば供出を何月何日までにせよという給付の裁判を裁判所でいたしたといたしますと、その期限までにその命ぜられた當該供出事項をおこなわなかつたという、その事實を確認するわけであります。その事實につきましては、全體の裁判において東京高等裁判所がよく承知しておるわけでありますから、それを行つたか行わないかということを確認するわけでありまして、一番むしろ簡單にわかり得るのではないかというわけであります。
#36
○笠原委員 今の説明、不履行の事實だけを確認するということになりますれば、私は第六項は裁判の促進の意味からいたしましても、取除いていいのじやないかというふうにかんがえるのであります。第五項におきまして、裁判所は請求がありますると、その理由があるかないかをまず審理いたします。理由があるということになりますれば、當該事項を、この命令のいわゆる裁判をするわけでありまして、もちろん口頭辯論に從いまして被告の陳述も聴くのでございますから、被告がいわゆる命ぜられた事項を不履行しておるということは、そのときにおいてすでに私は確認されたと思うのであります。そうしますれば第六項を抜きまして、第七項にまいりまして、第五項の裁判によりまして、その命ぜられた期限内に被告の方で履行しないということは、これは主務大臣はただちに代執行をやつて差支えないというふうにした方が、一層急速を要する事件の審理のために便宜ではないかというふうに私は考えるのであります。わざわざ第六項の手續をさらに重ねてやらなくても、第五項の裁判におきまして、すでに事實の確認はある程度できておるわけでございます。大體そういうふうに考えますが、いかがでしようか。
#37
○林(敬)政府委員 急速に物事を片ずけていくという點から言いますと、言いかえれば國家側から申しますと、仰せのような方がはるかに望ましいことであると思います。しかしながら一方知事、市町村長の受ける方の側に立つて考えてみると、これは公選された知事でありまして、申すまでもなく非常に大切な知事であります。國家の要請だからといつても、みだりにこれが動かされるようなことになつては、まことに地方自治の擁護のために困る結果になるわけであります。そこで裁判所の裁判に從つて、その命ずるところの期限までになおその事項を行わないというときに、もう一囘その事實の裁判というものをやつて、その上でこの代執行なり罷免なりをやるということにいたしたわけでございます。考え方によつては二重であろうという御議論も成り立つと思いますが、第六項がありませんと、かりに主務大臣というものを非常に不信用にものを考えて、たとえてみますと、主務大臣の方で、ひとつあの知事をやつてやろうということになりますと、知事の方では、裁判所でもそう言うのだからというので、その期限までに最後のところでやるざるを得ないのでやつたというような場合に主務大臣の方は、もうやらぬと認めてしまつてばつさりいくということが、萬一の場合にはあり得るわけであります。いよいよそのときやつたかやらないかということの確認が主務大臣だけにまかせておくというようなことでは、やはり知事の地位に對する非常なる不安になるのではないか。そこでもう一囘、やつたかやらないかを裁判所でもつてはつきり確めた上で、やつてないということがわかつたときにばつさりいく、こういう法律の建前をとつたわけであります。
#38
○笠原委員 次に九項のことでございますが、内閣総理大臣に罷免をやる場合には、大體府縣知事をして行わせたい事項というものは、非常に緊急を要するものだろうと思うのであります。それでありますから、私は必ず罷免の前に第七項に從つて代執行を行うであろうというふうに考えるのであります。そうして代執行を行うと同時に、罷免をするということになるだろうと思いますが、そうするとほとんど第九項におきまして、六項の裁判確定した後におきまして、都道府縣知事が、五項の裁判に從つて當該事項を行つたことを、證明する餘地はないのじやないかとおもうのであります。第九項はほとんど、實益のない規定になるのではないかというふうに考えるのでございます。もしその場合におきまして、罷免につきまして不服をいうというような場合におきましては、十六項の規定に從いまして裁判をやる資格の囘復ができるということになるわけでございますから、第九項も要らないように考えるのでございますが、いかがでございますか。
#39
○鈴木説明員 第九項で、總理大臣の罷免の権限を消滅させる裁判を請求することを、知事に對して、認めておる理由でありますが、これはやはり當該事項を行わないという場合におきまし
て、事實確認の裁判を求めて、それでただちに代執行をし、かつ同時に罷免をするという二つの手續がとられることは、むしろ例外であろうと思います。やはり總理大臣といたしましては當該の知事が二囘にもわたつて、農林大臣の命じた事項をやらない、あるいは商工大臣の命じた事項もやらないというような事犯がたび重なつた場合に、どうしてもその知事の在職を不適當であるということで罷免をすることになるのではないかとおもうのであります。もつとも非常に重大な事項で、その一つを行わないことが、ただちに将来その者が知事として殘ることを不適當とするというような場合もあるでありましようが、それは多く例外でございまして、やはりそのような事犯がたび重なつた場合にこういう最後の非常手段をとることになると思いますので、その最後の段階の罷免をされるというおそれがあります場合に、自分はもう問題になつた事柄は完全に實行した。こういうことを立證して、總理大臣の罷免権を消滅させる裁判権を確立することは、やはり自治體の長である知事に對して、その立場を尊重する一つの救済手段ではなかと思うのであります。
#40
○笠原委員 知事の罷免につきまして、非常に愼重なる規定を設けたことにつきましては、その趣旨を了承するものであります。次に私は二百四條におきまして、この職員の中には町村役場の書記というようなものも、もちろん含んで折るというふうに解釋していいと思うのでありますが、そういうことでありましようか。
#41
○鈴木説明員 これはお話のように、地方團體の一説の職員を含んでおりまして、全條第一項と申しますのは、二百四條に書いてありますように知事、市町村長の補助機関である職員、すなわち知事以下助役以下の一切の役場に勤めておりまする職員、それから知事とは獨立を勤めておりまする監査員、それから議會の書記長とか書記、選挙管理委員會の書記、監査員の補助者であるところの書記、こういうものすべて含むわけであります。
#42
○笠原委員 次に二百二十二條でありますが、二百二十三條の今度の改正の規定によりますと、「法律又は政令に定めるものを除く外規則で」とありますが、この規則というものは地方自治法施行規則というものをさすのでございましようか。
#43
○鈴木説明員 これは當該政府縣の規則あるいは市町村の規則、こういう意味であります。この手數料の徴收は、國家機関としての地位におきまして知事、市町村長が徴收する手數料のことでありますので、議會の議決を經る餘剰でなく、市町村長だけで交付さられます規則でやる。こういう意味であります。
#44
○笠原委員 そうしますと、何ゆえにこれを條例で定めないで、市町村長の全権でそれをやらせるということになるのでありますか。その理由はいかがですか。
#45
○鈴木説明員 地方國體の實質的の收入になる手數料に二通りあるという考え方がありまして、その仕事が地方國體の、たとえば國體自身の事務につきましての手數であるという場合、たとえば公益質屋などを市町村が設けております場合に、何らかそこで手數料をとるといたしますと、そういう手數料は條例で一切きめることになるわけであります。ところが市町村でたとえば戸籍手數料、この戸籍事務は市町村長に國が委任をした仕事でありまして、市町村長という地方國體に委任したものではないのであります。そこで市町村長を國の機関として使いまして、戸籍事務を委任しているのでありますから、その関係から國體の規則である條例でなく、市町村長が自分で出すところの規則、ちようど國の法律の政令という場合と同じでありまして、執行機関だけで出す規則で一切のことをきめる。こういうわけであります。
#46
○笠原委員 次に二百二十九條でございますが、二百二十九條は第一項は、全部削除してしもうようなふうに原案はできておりますが、これはどうなりますか。もしも第一項を削除して、二項をそのまま讀んでみますと、「普通地方公共團體の長若しくはその補助機関たる職員又は選擧管理委員會をして國の事務を處理し、管理し、又は執行させる場合においては、そのために要する經費の財源につき必要な措置を講じなければならない。」ということに條文が殘ようになりますが、そうすると一體誰が財源について必要な措置を講ずるのかということがはなはだ不明確になるとおもいますが、その點についての御所見を承りたいと思います。
#47
○鈴木説明員 この二百二十九條の第一項は、その一つ前の二百二十八條の第二項に移したのであります。なぜそのようなことをしたかと申しますと、二百二十八條は地方團體が、特に固有事務なり、委任事務をやりますために必要な經費、それから特に地方團體の負擔になつている經費を支辯する義務を負うというのが、二百二十八條の第二項でありまして、二百二十九條の現在の第一項においては、特に市町村長とか、あるいは市町村の選擧管理委員會というような市町村の執行機関に對して、執行機関が國の事務のために必要といたします經費、こういうものはやはりその執行機関の属している市町村が支出しなけらばならない。こういうことを規定しているわけでありまして、いずれも普通地方公共團體として支辯をしなければならない經費のことを規定しているわけであります。そこで條文を整理して、同じ性質の規定でありますので、二百二十九條の一項を二百二十八條の二項にもつていつたわけであります。そして二百二十九條には今度新たに、地方團體の長もしくはその補助機関たる職員といつたような、そういう機関に委任をいたしました仕事を處理するために要する經費の財源について必要な措置を講ずるということだけでなく團體自身に對して、市町村長に對する委任事務でなく、市町村という團體に、國が委任いたしました事務の處理のために要する經費についても必要な措置を講じなければならないというふうに、範囲を廣めたわけであります。それでは誰が必要な措置を處理するかということになりますが、これは國の事務を處理するということでありますから、必然的に政府が豫算もしくは法律をもつて、必要な措置を講ずるということになるわけです。
#48
○笠原委員 次は二百六十一條でありますが、この條文は申し上げるまでもなく、憲法九十五条を受けてできた規定でございますが、これは特別市制の問題に関して、かなり疑點のある條文なのであります。二百六十一條の第一項において「特別法が國會において議決されたとき」という項がありますが、この議決はもちろん衆議院、参議院の兩院が議決したということになるのでしようか。あるいはまた、一方衆議院だけにおいて議決したというふうにとつてもよいのではありませんか。その點をお伺いいたします。
#49
○林(敬)政府委員 これは兩方の意味でございます。兩方というのは衆議院と参議院と通つた、すなわち國會において議決されたというふうに考えております。
#50
○笠原委員 二百六十一條の一項によりますと、「普通地方公共團體のみに適用される特別法というふうになつているのでございますが、もちろん特別市は普通公共團體ではないのであります。特別市に指定されるまでは、普通地方公共團體たることは間違いないのでありますから、特別市制の法律というものは、二百六十一條によるところの普通公共團體のみに適用される特別法というふうに解釋してよろしゆうございますか。
#51
○鈴木説明員 第二百六十一條では、一の普通地方公共團體のみに適用される法律が一般投票になるということを、規定いたしておるのでございますが、この規定はまた同時に特別地方公共團體、殊に二百七十八條につきまして、特別市にこの規定が適用になつているのであります。第二百七十八條では「この法律又はこれに基く精励の定があるものを除く外、第二編中都道府縣に関する規定は、特別市にこれを適用するということになつておりまして、今の第二百六十一條は、一の地方公共團體のなかには、都道府縣ももちろんはいつておりますから、すなわり都道府縣に関する規定であります。この規定が特別市にもやはり二百七十八條で適用になるわけであります。そういうふうに、たとえばその次の二百八十三條の特別區においても「第二編中市に関する規定は、特別區にこれを適用する」ということから、やはり二百八十一條の特別區にも適用になるというわけでありまして、それぞれに適用になることになつておるわけであります。
#52
○笠原委員 次に二百六十一條の第二項の問題でございますが、改正法によりますと、地方自治委員會がやるようになつておりまして、関係普通地方公共團體の長に通知せよというふうになつております。これは特別市を指定した場合においては、もちろんその特別市の市長を指すものでありまして、その関係の府縣は、この中の関係普通地方公共團體の中に含まないことに解釋して差支えないのでございましようか。
#53
○林(敬)政府委員 この點については、憲法第九十五條の解釈いかんという問題になつてくるわけでございます。憲法第九十五條の解釈によつて「一の普通地方公共團體のみに適用される特別法」というこの一の普通地方公共團體というのは、特別市の場合にいずれを指すと解釈するかがきまつてくるわけでございまして、憲法第九十五條の一の地方公共團體というのは、特別市制の場合には當該府縣ということが憲法の解釋であれば、この二百六十一條の関係普通地方公共團體の長ということも、これは當該府縣知事ということに相なるわけでございます。もし憲法第九十五條の一の地方公共團體というのが、特別市制の施行の場合には當該市である、こういう解釋が妥當であるということになりますれば、この第二百六十一條の関係普通地方公共團體の長とういうのは、視聴を指すということになるわけであります。そこで政府といたしましては、御承知のごとく憲法第九十五條の一の地方公共團體というのは當該関係府縣を指す、かように考えるのが適當なる解釋である、こういう見解を檢討の結果とるに至つております。
#54
○坂東委員長 笠原君に申し上げますが、この委員會で特殊な問題を扱つておりました經過は御承知の通りで、その場合の普通公共團體というのは特殊を指した意味であります。しかるに関係方面の中の一部の意見では、それは當該府縣であるという解釋をとつております。これに関して関係方面の一部では、この條文を改正して、明らかに當該府縣であるということを入れるという説もあるらしいのです。しかしながらわが委員會は、すでにその場合には特殊を指すと、かりに決定しております以上は、ただちにその採用はできないので、この點については十分當局協議しまして、明確にするかせぬかを決定せんとする場合には、なお適當の機會に委員會に諮りまして十分検討してみたいと思います。御参考までに申し上げておきます。
#55
○笠原委員 いま一點だけ申し上げます。私どもこの委員會におきまして、昨年この地方自治法が審議された場合に、参議院において政府は、今の解釋と反對な、いわゆる関係普通地方公共團體というのは、特別市制の場合におきましては、當該市の市長を指すというふうに解釋して、答辯なさつているように伺つたのでありますが、その後その解釈を變えてまいりましたのはどういう理由であるか、お伺いしたいとおもいます。
#56
○林(敬)政府委員 本年の三月に地方自治法が成立いたしました當時、貴族院において、この地方自治法に関連して、憲法第九十五條のあの解釋はどういうことであるかということを説明する必要がございまして、當時の政府といたしましては、憲法第九十五條は、いわゆる狭義に解釋して、當該市のレフエレンダムをとる、こういうふうに解釋しておるということを西部委員が答辯をいたしました。しかしその後政府といたしまして、さらにさらにに檢討を加えたわけであります。そうして最後の結論といたしましては、いわゆる憲法第九十五條というものは、その法の精神に從つて、最も適切なる解釋を加えなければならぬという結論に到達いたしまして、その後において政府の見解を發表いたしまして、當該府縣全體の住民投票をとるのが最も適当である、さように解釋してこれを改めたわけでございます。自治法の法文といたしましては、どちらに讀みましたときでも、これは適用になるように相なつておるわけでございまして、そのときにこの自治法を通すときには、新憲法はどちらに解釈するかということでありまして、當時の解釈を一應申し上げましたが、その後の檢討の結果、さきに申しましたように、廣くこれを解釈するということに、政府の解釋を決定した次第でございます。
#57
○川橋委員 二百六十一條は、憲法九十五條竝びにこの二百六十五條等に関連をもちまして、この解釋に就いては相當議論の餘地があります。殊にただいま林地方局長から、今春この法律が通過したときにおける鈴木政行課長の発表せられました見解と、異る意見を發表しております。この問題は相當重大な問題でありますから、私もこれに對しては相當の質問を試みたいのでありますが、本日は時間も非常に經過しておりますから、この次の委員會まで質問を留保いたしておきます。
#58
○坂東委員長 ここで私は、前日程の治安関係のところで、ちよつど内務省竝びに厚生省にお伺いいたします。それは北海道の燃料関係でありますが、御承知の通り北海道は寒い所でありまして、すでに零下を下つております。しかるに北海道の石炭の配給の割合は、從来は一家三トンでありまするから、七十五萬戸二百二十五萬トン要るにかかわらず、本年は二トン三分の割合で、約百五十萬トンになつておりまするけれども、現在はまだ五十萬トンも配給になつておらないのであります。しかもその代りの薪は、從来のやみ以上に高い公定價格をきめました結果、満足にこの石炭なり薪がかえましても、その燃料費のみに千五百圓を要するわけであります。普通の北海道の生活費が二千二三百円圓でありますから、四千圓なければ生活ができない。しかも十二月になりますと、北海道の寒い所は零下十五度、二十度になり、とうてい石炭がなければ生きていけない。ある意味から申しますれば、食糧以上に重大な生活要素であります。しかるに今申しました通り、石炭の配給は四十萬トン内外で、すぐ盡きてしまう。そうすれば凍死するよりほかない。かりに石炭の配給の問題のみではなく、廣くみて國家治安の問題、あるいは生命の問題で、内務省及び厚生省で御考慮あつてしかるべきものと思いますが、その點に関しまして、内務省と厚生省側のご意見を拜聴したいのであります。
#59
○金光政府委員 ただいま御指摘の點につきましては、北海道の気候の特殊事情を考慮いたしますると、まことに重要な問題であると存じます。この點につきましては、厚生省といたしましては、生活保護法の適用を受けております要保護者に對しましては、今年も昨年同様に、多期の燃料費といたしまして一世帯二トン半を生活保護費より至急したいと、目下種々手配をいたしておるような次第でございます。
#60
○久山政府委員 北海道におきまする燃料の問題は、お話のように食糧と相竝んで生命線であるということは、私どもも十分承知をいたしておるのでありまして、それが石炭の生産なり、その他薪のいろいろな原因から、非常に少くしか配給にならないということは、治安の面からいたしまいしても、これは相當の問題であるのでありまして、もしそういうお話のような事情でありまするならば、私どもといたしましても、商工省あるいは農林省、兩省に對しまして、治安の面から燃料の確保につきまして一層努力していただくように、私どもといたしましても、十分その方面に話合いをつけて、何とかそういう燃料の最低限は確保のできまするように、できるだけ努力をいたしてみたい、かように考えております。
#61
○坂東委員長 多く申し上げませんが、私も五十何年おりましてよく知つております。どうかこれは三百八十萬の北海道民の生存の問題、生命の問題として、十分兩省において御了解願いたいことを切にお願い申し上げます。
本日はこれをもつて散會いたします。
    午後零時二十七分散會
ソース: 国立国会図書館
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