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1947/10/30 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 治安及び地方制度委員会 第29号
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1947/10/30 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 治安及び地方制度委員会 第29号

#1
第001回国会 治安及び地方制度委員会 第29号
昭和二十二年十月三十日(木曜日)
    午前十時五十一分開議
 出席委員
   委員長 坂東幸太郎君
   理事 門司  亮君 理事 高岡 忠弘君
   理事 川橋豊治郎君 理事 松野 頼三君
      笠原 貞造君    菊池 重作君
      久保田鶴松君    松澤 兼人君
      大澤嘉平治君    千賀 康治君
      中垣 國男君    小暮藤三郎君
      大村 清一君    中島 守利君
      小枝 一雄君
 出席政府委員
        内務事務官   林  敬三君
        内務事務官   久山 秀雄君
 委員外の出席者
        警 視 總 監 齋藤  昇君
        專門調査員   有松  昇君
        治安及び地方制
        度委員會嘱託  吉田嘉市郎君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 地方自治法の一部を改正する法律案(内閣提
 出)(第七三號)
 最近の治安状況に關する説明聽取
    ―――――――――――――
#2
○坂東委員長 これより治安及び地方制度常任委員會を開會いたします。
 過日笠原委員から質問の、治安問題に關する警視總監からの答辯がありますから……。
#3
○齋藤説明員 先日笠原委員から御質問がありました神田の龍名館の館内における賭博の容疑事件につきまして、私の方で調べました結果を御報告申し上げます。大體は笠原委員のお尋ねの通りでございまして、すなわち九月の二日の午前三時から、お茶の水派出所の某巡査が警羅勤務に服しまして、龍名館附近に参りましたところが、旅館の塀の内で、砂利を踏みじめるような音がいたしましたので、忍び込み窃盗が邸内を匍行して行くのではないかと考えて、もし出て來たらこれを逮捕しようというので、待ち構えて警戒をしておりましたところが、何者も外部に出て來る氣配がありませんし、内部から笑い聲がもれてきましたので、これは賭博を行つているのではないかと考えて、なお内偵をしておりましたが、その後容疑が相當濃厚でありましたので、附近の小川町の派出所から、勤務中の巡査二名の協力を得て内偵を續行いたし、さらに本署に連絡をいたしまして、保安係の某巡査の應援を得まして、四名協力して邸内にはいりました。午前四時三十分に、容疑者四名が花札を使用して勝敗を爭つておる現場を檢擧したのであります。ところが現場には、場錢と思われるようなものは何にもありません。證據品といたしましては、花札と碁石だけでありましたが、本署へ任意同行を求めまして、容疑者の同意を得まして本署に同行いたしました。そこで宿直の主任警部補が、同行して参りました巡査と立會の上、取調べを始めたのでありますが、その結果によりますと、容疑者は、國會が休會となりまして、互いに郷里に引揚げまするので、親しい友人同志が集まつて歡談する目的で、酒を飲みながら互いに話合つておつたそうでありまするが、眠れないままに花札を使用して、俗に八十のばか花といつておりますが、その方法で競技を始めたそうであります。花札で勝敗を爭つております中に、四名の中のだれかの發意で、勝負をやるのに何か賭けなくてはおもしろくないというので、それでは負けた方が勝つた者に御馳走をしようということで、傍らにあつた碁石を利用して勝敗を明らかにしておつたものでありまして、互いに何を御馳走するとか、全額にしてどのくらいのものとかいうような取極めもなく、單なる娯樂のためのものであります。調査の結果賭博と認めますのには、何ら證據がありませんので、六時三十分ごろ歸宅せしめ、不問に附したということでございます。警視廳の方といたしましても、この報告をよく審査いたしまして、神田署の處置は妥當である、かように考えております。御報告申し上げます。
#4
○川橋委員 ただいまの御報告は大體了承いたしましたが、賭博問題に關連しまして、希望を述べたいのであります。最近に行われました防犯週間を通じまして、全國的に兇惡な犯罪は多少減退の兆候が現われております。また一面檢擧率が相當上昇したことは、まことに慶賀に堪えない次第であります。ところが賭博が最近、都鄙を通じてさかんに行われておるといぅことは、これは見逃すべからざる事實であります。至る所にそういうことがさかんになつております。その賭博がさかんになりましたその上に、賭博に要する資金と申しますか、そういうものを調達するために窃盗あるいは強盗が行われ、その結果地方では、都合でもそうだと思いますが、古著屋が非常にさかんになつております。賭博と強窃盗と古著屋、これは一つの關連状態でめるような傾向を示しておるのであります、そういつたような犯罪の動機が賭博に原因することが相當顯著なことを、各方面の情報によつてはつきりと頭に入れておるのでございます。今のような社會で、そういう射倖心がさかんになることは、これはやむを得ないことと存じまするが、しかしながらその射倖場がさかんになる結果、いろいろな方面にいろいろな現象を見受けられまして、あるいはそれが生産にも影響する、各方面に相當影響を齎らしておると考えるのであります。從つて賭博の取締については、一段の努力を要すると存じます。これについて、總監のこれに對する今後の取締についての決意を促すのであります。またこれについて、總監におかれまして何かお考えがあれば、この際承つておきたいのであります。
#5
○齋藤説明員 最近賭博が非常にさかんに行われておるのじやないか、またこの賭博の齎らす社會的な惡影響についてお話がございましたが、私もまつたく同感に存じます。かような世相のもとにおいて、各種犯罪が増加をいたしておりますることは、まことに遺憾でありまするが、また一面やむを得ない世相の反映であると考えておりますので、われわれはこれが防犯及び檢擧に萬全を盡さなければならぬと考えております。中にも御指摘のように賭博は、正常なる企業心と申しますか、まじめに働こうという氣持を少くいたしますのみならず、これがひいていろいろ社會惡を増してまいりますので、私といたしましても、賭博についてはさらに今までより以上の力をいたしまして、これが事前の豫防竝びに檢擧に力を盡したいと考えております。事前豫防につきましては、賭博の犯罪の行われやすいような所に對する各種の措置も、必要であると考えておるのであります。御指摘の通り、できるだけ力を注ぎまして、かような犯罪の少くなるようにいたしたいと考へておる次第であります。
#6
○坂東委員長 ただいま久山警保局長が來ておりますから、一般治安状況についても質疑をしていただきます。
#7
○川橋委員 今委員長が申されましたように、最近の一般治安についての状況を御發表願いたい。殊に水害地の治安はどういう状態でしようか、これも御調査の範圍内において御發表願いたい。
#8
○久山政府委員 最近の一般治安の状況について簡單に御説明を申し上げます。殺人とか強盗とか放火というような兇惡犯罪が、社會情勢の反映からいたしまして、遺憾ながら減少をいたさないのでありまして、毎月平均いたしまして千件内外の發生を見ておるような状況であります。殊に拳銃などをもちます最も惡質なる犯罪も、これは漸次少くなつてきておりますが、それでもなお月に百件内外はあるのでありまして、兇惡なる犯罪の横行ということについては、治安上非常に憂慮をいたしておるような状況であります。犯罪自體の發生を豫防いたしまして、これを少くするということにつきましては、現状のような社會情勢が續きまする限り、これはなかなか容易なことではないのであります。もちろん警察といたしましても、これが豫防のために、いろいろの努力を續けなければならぬのでありますけれども、まず現在のところでは、殊に兇惡なる犯罪を徹底的に檢擧をいたすということに主力を注がねばならぬのでありまして、これにつきましてはいろいろの工夫努力を重ねておるのであります。一時非常に檢擧件數が減りまして、心配をいたしておつたのでありますけれども、これも新しい刑事訴訟の手續なり、その他新憲法の精神に、ようやく一般警察官も習熟するにつれまして、漸次檢擧の件數も上つてまいつておるのであリまして、最近におきましては、大體八〇%ぐらいまでは檢擧をいたしておるような状況であります。もちろんこれは、こういう程度で満足すべきものではありませんで、少くともこういう殺人とか強盗とかいうふうな兇惡な犯罪につきましては、ただの一件でもこれが檢擧されないというふうなものがないように、各方面に一段の努力を續けなければならぬと考えておるのでありまして、ちようど十月一日から一箇月間にわたりまして、兇惡犯罪を掃蕩する期間と定めまして、全國的にできるだけ警察力を動員いたしまして、今まで未檢擧でありました兇惡犯人、殊に指名犯人などの逮捕につきまして全力をあげてやつておるのでありまして、近くその成果がわかると思いますが、現在までいろいろ報告のありまする状況によりますと、非常に成績を上げておるのでありまして、警視廳などは殊に檢擧二四一%というふうな非常な好成績を上げておるのでありまして、未檢擧でありました兇惡犯人の逮捕等も相當成績を上げておるのであります。そういうふうに、ある期間を限りまして全力をあげて掃蕩をするというふうな方法は、常時そういうふうにありたいのでありますけれども、全期間を通じて全力をこれに注ぐということもできない事情もありますので、こういつたような方法、その他一般の刑事警察官の素質の向上なり、新しく動員をいたします場合の刑事警察の充實というふうなことと相まちまして、少くともこの兇惡犯罪につきましては、できるだけ檢擧率を高めまして、治安の確保をはかると同時に、現在の社會情勢というものが、こういつたような犯罪の敢行をさせる原因になるのでありますから、そういう基礎でありまする社會情勢においても、できるだけそういう原因の除去に、これはひとり警察と申すだけではありませんで、一般民衆自體が、そういうことについての協力をいただくというふうな方面についても、さらに一層の工夫をいたしまして、少くとも兇惡犯については絶對に檢擧するということで、まずそういう面からは安心がいくというふうには、最小限度にもつていかなければならぬ、かように考えておるのであります。
 それから、現在暴力團の檢擧をいたしておるのでありますが、これも各府縣それぞれ相當の努力をいたしまして、いろいろ縣によつて檢擧した人員などには差がありますが、相當の成績をあげて目星しい主だつた常習的な暴力團は、大體檢擧をいたしたのではないかと考えております。もつとも檢擧を免かれております小さな、つまり大物でない暴力團も、もちろんまだ多數殘つておるでありましようし、またそういう暴力團という團組織にいたりませんで、いわゆる不良の徒輩が、これもやはり社會情勢の反映として順次發生をいたしてまいるのでありましようし、絶えずこういう方面について、從來以上に警察としても檢擧を續けて、不當なる暴力によつて正常なる生活を脅される、不當な損害を受けて泣寝入しなければならぬというふうな、社會に寄生いたしまする害的存在に對しては、今後とも引續いて強硬に取締を續行いたしたい、こう考えておるのであります。
 それから暴力團の檢擧に關連いたしまして、いわゆるごろつき新聞と申しますか、言論の自由という、きわめて大切なる民主主義の根本原理を惡用いたしまして、恐喝なり強要なり、人の弱味につけ込み、あるいは虚偽の事實を新聞に書くというふうなことをもつて、金品を強喝するというふうなものが、漸次増加をいたしてまいつておるのでありまして、これもやはり新聞を利用する暴力團というふうに考えて、これの檢擧についても、目下各府縣に通牒を發しまして取締を加えておるのであります。まだ詳細なる状況は判明いたしておりませんが、これも暴カ團の檢擧と伴いまして、漸次明朗化いたしますように努力を續けたいと思つておるのであります。
 それから水害地の状況についてお尋ねがあつたのでありますが、一時水害に伴いますいろいろな犯罪が横行いたしまして、警察としても相當の力を加えて、これの豫防檢擧にあたつたのであります。さいわい大體水も引きまして、それぞれもとの状態に落ついておるというふうなことからいたしまして、現在はもう特に水害地に伴う特殊の犯罪と申しますか、治安の惡い状況は認められないのでありまして、普通の警備状況、治安の状況に復つておる、かように承知いたしておるのであります。
 大體、簡單でございましたが、最近の治安の状況につきまして、御報告を申し上げた次第であります。
#9
○坂東委員長 ちよつとここからお尋ないたしますが、例の街の市場が貸す場合に、間口一間か二間のところを千圓で貸す。それはよいにしても、それに對して二萬、三萬の權利金をとるというようなことは、常識的にみて非常な暴利であります。それについて何か刑事的に取締るような規定がありますか、またどういうような方針をとつておるのでしよう。
#10
○久山政府委員 これは今私の承知いたしております限りでは、もちろん厳格な意味合で、そういう權利金というものを家賃というふうなことに考えますれば、そういうものは當然認めらるべきものでもないと思うのでありますが、實際の社會の實情といたしましては、相當な權利金がつくというのは、今日の實態から申しますれば、常識化しておると思うのでありまして、要はそれの當不當ということにならうと思ひますが、著じるしく高い權利金をとつておるというふうなことは、あるいはその實態によりましては、例の地代家賃等の取締令というものに觸れてくる場合もあろうと思いますし、あるいはそれがどういう形で行われておりまするか、おそらく取締をいたします法律といたしましては、地代家賃等の統制に關しまする法令以外にはないと思うのでありますが、そういう法令に眞向からそれが觸れますかどうですか。それは具體的な事實によりまして、よく研究をいたしませんとわかりませんが、おそらくそういう非常に不當な權利金をとつておるというふうなことは、どういう形でか抑えていくということをしなければならぬと思うのでありますが、ただいまそれを取締る法律があるかどうかという點につきましては、おそらく地代家賃等の取締令というもの以外にはなかろうと思うのでありまして、それにつきましては具體的に研究をいたしてみたい。かように思う次第であります。
#11
○坂東委員長 なお一點お伺いいたしますが、露天商の親分、やみ市の親分が、ほんの小さいものからでも、場賃として一日に二十圓、三十圓とるというのですが、あれはどういう法の根據があるのですか。
#12
○久山政府委員 これは、私のものは權利はないわけであります。いわゆるなわ張りと稱して場錢をとるというものは、これは法律上のとり得る根據はおそらくないのであります。いわゆる顔でとるというだけのことでありまして、正當にそこに何か設備をするなり、何かその露店を出すについて利益になるというような施設が行われ、またそれをお互いが承認してそこに店を張る限りにおきましては、一定の手數料を拂うことはございましようけれども、何らそういうことなくして、ただその場所で店を開くことについて一定の金錢を強要することは、今取締りをいたしておりますところの、暴力團がやつておりますいわゆる顔による、なわ張りによる恐喝と申しますか、金錢の強要でありまして、そういうものは全然法律的な保護を受けるべき根據はないと考えます。
#13
○坂東委員長 このことにつきましては、實は關係方面の當局も、しばしば委員長たる私らに注意されたのでありますが、これは適當な方法をもつて取締らなければならないと思います。いわゆる街の親分というだけで、根據も何もありはしない。それをそういうような不當な金をとつておるのはけしからぬ。從つて、その根據がない以上はまた根據があつてはならぬが。ない以上は當然こんなものは取締らなければならぬと思いますが、政府はその方針でやつておられますか。
#14
○久山政府委員 そういうわけです。
#15
○坂東委員長 ほかに治安について御質問ございませんか。それでは治安の問題は本日はこの程度で終ります。
    ―――――――――――――
#16
○坂東委員長 次は地方自治法の一部を改正する法律案であります。
    〔速記中止〕
#17
○坂東委員長 なお私から申し上げますが、地方公共團體の協議會の點でありますが、第二百九十八條の全文を申し上げますれば「地方公共團體は、地方公共團體の事務又は地方公共團體の長の權限に属する國、他の地方公共團體その他公共團體の事務の連絡調整を圖るため、その協議により、規約を定め、都道府縣及び特別市の加入するものにあつては内務大臣、その他のものにあつては都道府縣知事の許可を得て、地方公共團體の協議會を設けることができる。公益上必要がある場合においては、内務大臣又は都道府縣知事は、政令の定めるところにより、地方公共團體の協議會を設けることができる。」という規定であります。この協議會というものを自發的にやるべきものだ、法律の規定によつて組織的にこしらえる必要はない。そういうわけであります。しかしこれは相當な問題でありますから、十分協議をすると申して實は歸つたわけであります。從つてこの點につきまして一應政府側の見解を聽いておく必要があると思います。
#18
○林(敬)政府委員 ただいま伺いました二つの點について、今伺いましたところによりまして政府の氣持を申し上げたいと存じます。第二百九十八條以下に地方公共團體の協議會というものの規定がずつと三百四條までありますが、これを全部削除してはどうかというのが第一の御意見であると存じます。これにつきましては、すなわち府縣同士で連絡調整をはかり、共同の歩調をとつてやつていくというような何かの組織が必要なのではないか、あるいは府縣と市町村の間でそういう共同の組織をつくつて、歩調を一にし連絡を密にする必要があるのではないか、あるいは、市町村相互の間で連絡調整をはかるという必要があるのではないか、こういうふうな趣旨からこれらの規定が設けられておるのでありまして、特に地方行政協議會あるいは地方行政事務局というものを廢止されますと、その間どうしても連絡が不十分になる、こういうことも考えられまして、特に地方自治法の制定にあたりまして、かような規定が設けられておるわけでございます。ただその中に、二百九十八條第二項に「公益上必要がある場合においては内務大臣又は都道府縣知事は、政令の定めるところにより、地方公共團體の協議會を設けることができる。」という規定もあります。この規定も一應必要ありということで、この前議會の議決を經て設けられたのでありますが、この點につきましては、その後研究いたしました結果、でき得る限りこういうものは自主的につくらせる方がいいという結論に到達いたしまして、今囘の地方自治法の攻正案におきましては、その點を、強制設立の規定を削りまして、それからまた協議會を設けるときは、その上級官廳の許可を得ることに二百九十八條第一項でなつておりますが、それも、「許可を得て」というのを削り、それで、中央は何ら干渉しない、しかしながら、全委員長からお話がありましたように、地方公共團同士で相互に連絡協調を密にするために自發的にそういうものを設けるときは、大體こういう形でやつたらいいだろうというようなことで、この規定を存置しておく方が一番適切ではないか。かように考えた次第であります。なお三百條のとえろには會長、副會長の選任の規定がございます。その他三百四條あたりのところにも若干の修正を加えて改正案をここに提出してあるわけでございます。これは、今お話がありましたように、理想的ないき方としては、地方公共團體が自主的に、そういうものをお互いにつくる必要があると思つたときはつくるというのがいいのでありますが、それをやはり自治法の中に書いておきますと、公に法律上認められた會合、協議會ということになつて、それだけ權威ももち、信用ももち、また全髓として全國的に見てもある程度の歩調が合う、こういうところにその長所があると存ぜられるのであります。しかしながら、さらにまた逆の方面から考えますと、自主的につくるものだから法律に書かないでもいいのではないか。なるほどこういう議論も成り立つと思います。その點はぜひどうであらねばならぬというほど強いことは、私どもは考えておりませんが、いずれが適切であるかということになれば、やはり強制を伴わないものであり、命令を伴わないものでありましても、任意的に自主的につくるものでありましても、そこに一つの基準を示して、できるだけこういうものに合わせてつくつたらどうですか。しかしまた、これ以外の任意的な協議會をつくつてもかまわない、こういうふうにするのがよりいいのではないかというように目下考えております。しかしさようなお話がございますれば、とくと委員會の方々とも御相談をしました上で、政府の確定的な態度をきめるようにいたしてまいりたいと存じます。
 それから第二番目の問題は、附則の第六條で地方自治法が施行になりますと、地方廳に勤めております官吏が公吏になるわであります。そこでそのときに、一々辭令を用いまして官吏から公吏になるということをやるのは、まことに煩にたえないのでありますので、この法律でもつて、その當時おる者は引續いて公吏になつて、そこにいることにするという便宜規定を設けるわけでございます。これを削つてはどうかというお話のようでありますが、これはいわゆる經過規定でありまして、すなわちこの法律を施行しました五月三日において役に立つた規定でございます。今日においてはこれは死文でありまして、もう今後においては適用のないといいますか、五月三日のみ適用のあつた法律なのであります。條文整理の意味でこれを削除するにおいては一向私どもも、異議はございません。しかしそういう經過的な規定でありますから、強いて削除しなくても、そのまま放つておいてもいいのではないか。私も十分その眞意を捕促するのに苦しむのでありますけれども、これは五月三日に官吏から公吏になるときの經過的規定でありますので、あるいはそういうものは要らない、今になつては何も使わぬから置いておいてもということであれば、削つてもよろしうございますし、また何も要らないからそのやま置いておいてもいいということであれば、置いておいてもいい、かように考えます。
#19
○坂東委員長 ただいまの點でありますが、先ほど申しました通りに、まだ十分に討議をしてしかるべきものでありますから、御意見がありまするならば、この際お願いいたします。他の點につきましても御質疑がありますならばお願いします。なおこの地方自治法は、すぐにお質疑終了には至らぬと思います。おそらくは種々各方面の意見も總合し、また諸君の意見をも總合して、相當多數の修正をせねばならぬことになるかもしれませんから、なお質疑は終了せずにしばらく置かなければならぬと思います。
#20
○門司委員 さつきの委員長のお話ですが、これは全然削ることも差支えないと思いますが、たとえば自發的にやるにしても、何かやはりそういうものをこしらへておいてもよい。ごく簡單な規定でもなければ非常に困る問題が方々にできやしないか、その點について伺います。
#21
○林(敬)政府委員 今の門司さんのお話のように私も考えるのでありまして、やはりあつた方が便利ではないかと考えるのであります。しかしなければ困る――絶對に困るというほどのことではやはり同じようなものを自發的につくりさえすればそれでよろしいわけであります。しかし私はあつた方が便利であり、より適切ではないか、この程度に考えております。
#22
○川橋委員 この自治法の改正は、ただいま委員長のお話の通りに、さらに相當廣汎な改正があるらしいのです。さらにわれわれは慎重審議を要すると思いますから、本日はこの點につきしては、なお考究の餘地を與えていただきたい。前囘の委員會で私から、自治法二百六十一條竝に二百六十五條の問題につきまして質問を留保しておきました。この問題は、この兩條文の母法と申しまする憲法第九條に關連いたしまして相當議論がある問題であります。すなわち二百六十五條の特別市制制定の場合における住民投票の問題、これについては前々議會における新憲法の審議にあたりまして、金森國務相の言明竝びに、この春の議會における参議院のこの自治法の審議における鈴木行政課長の解釋と、本年七月二十四日に現内閣から發表されました見解竝びに、前囘の委員會で林地方局長から發表されました見解等と、全然正反對なことになつております。すなわちこの國民投票は、元來當該市の住民投票であるという解釋でありましたが、今申しまするように、政府の見解竝びに地方局長の解釋が全然これと反對に、府縣住民の投票ということに相なつております。この點についていろいろ議論はございますが、これはただいまの客觀的情勢と申しますか、いろいろな情勢で、これ以上私はこの點についてつつこんで質疑することを避けたいと存じます。なお情勢の推移によつて、この問題につきましては私の意見も述べ、かつさらに質疑を續行したいと思います。本日はこの問題についての質問は中止いたします。他日を期してこれに對する質問をいたします、
#23
○坂東委員長 他に御質問はございませんか。
 本日はこれをもつて散會いたします。次會の日程は公報をもつてお知らせいたします。
    午前十一時三十八分散會
ソース: 国立国会図書館
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