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1947/11/06 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 治安及び地方制度委員会 第31号
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1947/11/06 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 治安及び地方制度委員会 第31号

#1
第001回国会 治安及び地方制度委員会 第31号
昭和二十二年十一月六日(木曜日)
    午前十時五十五分開議
 出席委員
   委員長 坂東幸太郎君
   理事 門司  亮君 理事 矢尾喜三郎君
   理事 川橋豊治郎君 理事 松野 頼三君
   理事 酒井 俊雄君
      大石ヨシエ君    菊池 重作君
      大澤嘉平治君    千賀 康治君
      中垣 國男君    小暮藤三郎君
      大村 清一君    大内 一郎君
      中島 守利君    加藤吉太夫君
 出席政府委員
        内務事務官   久山 秀雄君
        農林事務官   山根 東明君
 委員外の出席者
        専務調査員   有松  昇君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 警察法立案に關する説明聽取
    ―――――――――――――
#2
○坂東委員長 これより治安及び地方制度常任委員會を開會いたします。
 本日の日程は警察法立案に關する件で、政府からその意見を聽くことにいたします。久山警保局長。
#3
○久山政府委員 新しい警察法案につきましては、その後引續き關係方面とも連絡をとりまして、ようやく結論に到達をいたしまして、近く今週の終りか、あるいは來週草々くらいに國會の方に提案される運びになるだろうと考えております。大體でき上りました法案は、本文が六十八條くらいの法案でありまして、それに附則が十四條というふうな體裁になつておるのでありまして、少しく内容にわたりまして概要を申し上げますと、まず、第一章を總則といたしまして、警察の目的を明瞭に規定いたしております。それから第二條に、この法律で新しく國家地方警察におきまして、行政管理ということと運營管理という二つの違つた新しい觀念がはいつてまいりますので、その行政管理と運營管理の言葉の意味を説明しております。行政管理と申しますのは、要するに警察の人事と組織と豫算の事務をやることでありまして、現實に警察の執行を管理いたしまする場合にこれを運營管理。これは國家地方警察におきまして、各都道府縣の警察の現實の運營は、都道府縣の公安委員會がこれを管理することになつておりますので、運營管理と行政管理という二つの新しい言葉が出てまいつておるのであります。それから、すべてこの警察の職員は職務の宣誓をいたすということを第三條に書いておるのであります。
 それから、第二章が國家地方警察でありまして、まず最初に國家公安委員會というものを内閣總理大臣の所管のもとに置く。それから、公安委員會がやります仕事の内容を掲げておるのでありまして、警察通信施設の維持管理をやる、それから犯罪鑑識施設の維持管理をやる、それから、教養施設の維持管理をやる、その他國家地方警察の行政管理に關する事項をやる。つまり組織と豫算と人事を國の公安委員會でやる。それから犯罪鑑識及び犯罪統計の仕事をやる。それから國家非常事態に對處するための警察の統合計畫の立案及び實施に關する事柄、皇宮警察の管理の仕事をやる、さらに東京都内におきまする重要なる國家の施設、建物に對します警備の事柄をやる、こういうふうに國家公安委員會の任務を規定いたしておるのであります。
 第五條には、公安委員會は5人の委員で組織するのでありまして、その委員には官公廰におきます公務員の經歴のなかつた者から、兩議員の同意を得て内閣總理大臣がこれを任命する。その委員の資格につきましては、一定の者は委員となることができないという缺格の條項を規定いたしております。委員の服務につきましては、國家公務員法の服務の規定を準用する。それから委員と政黨、その他の政治團體の役員との兼任を認めな稱ります。委員の任期は五年とする、但し再任は妨げない。また委員がある一定の事由がありましたときに、両議員の同意を得て内閣總理大臣がこれを罷免することができること、及び政黨所屬の關係等に欒更を生じまして、過半數が同じ政黨の所屬の委員になつた場合の、その委員の罷免の規定及び國家公安委員會の運營のために、互選によつて一年を限度として委員長を置くという國家公安委員會の規定が第一節に書いてあります。
 それから、第二節に、公安委員會の事務局として、國家地方警察本部を東京に置き、本部に長官を置きまして、それが國家公安委員會の指揮、監督を受けて國家地方警察本部の仕事をする。それから、國家地方警察本部の組織及びそこに警察大學校を附置する。その本部の職員及び機關は、公安委員會が細目を規定する。また全國を六つの警察管區にわかちまして、國家地方警察本部の仕事を分掌させる、札幌、仙台、東京、大阪、廣島、福岡の六箇所に本部を置いた六つの警察管區にわかれる。それから警察管區の組織その他職員につきまして、大體地方警察本部と同じような規定が掲げてあります。
 それから、第三節に、都道府縣の公安委員會の規定がありまして、これは委員が三人である點が異なるのでありますが、大體委員の資格なり任命の方法は、國家公安委員會の委員の場合と同様であります。
 それから、第四節に各都道府縣國家地方警察。各都道府縣に國家地方警察の都道府縣の本部を縣廳所在地に置く。そうしてこれは國家公安委員會の行政官吏を置き、及び都道府縣の公安委員會から運營管理、つまり兩方から違つた管理を受けまして、その都道府縣内におきまして、自治體警察に属しない部分についてに一般警察の仕事をやる。そこに都道府縣國家警察長という名稱のものを置きまして、これは警察管區と本部がこれを任命する。それから、都道府縣國家警察には警察長のほかに警視、警部、警部補、巡査部長及び巡査、そういう警察官の階級がありまして、現在と同じでありますが、そういう所要の職員を置く。それがすべて國家公安委員法の規定に基づきまして、都道府縣の警察長がこれを任命をいたす、こういうことに規定をいたしておるのであります。それから都道府縣の中の警察署の區域に分けましてそこに警察署を置く。さらにこの自治體警察と都道府縣警察との連絡にあたらしめるため、都道府縣警察署の置いてない地域に、特に都道府縣警察署の支署を置くことができるとういう規定を置いておるのであります。
 それから第二章の自治體警察といたしまして、市及び人口五千以上の市街的町村に獨自の警察を置く。市街的町村と申しまするは、結局官報に公告いたしました最近の國勢調査の人口に從いまして、政令でこれを告示するということにいたしておるのであります。その自治體警察の行いまする任務は、すべて國家地方警察の行います警察の任務と同様でありまして、本章の冒頭に警察の任務をうたつておるのであとます。それを行うのであります。それから、市町村公安委員會を市町村長のもとにおきまして、それが市町村の區域内における警察の管理をいたすのであります。その市町村の公安委員會の組織なり運營なり、その他委員の資格、任命、服務その他一切の事項は、都道府縣の公安委員會の委員の場合の規定をすべて準用しておるのであります。
 それから第三節の市町村警察といたしまして、市町村には一または二以上の警察署を置く。それからその警察署の位置、名稱なり管轄區域、その他市町村警察本部の位置なり組織なりは、すべて市町村の公安委員會がこれを定める。それから市町村警察の吏員の定員は、それぞれその地方的な要求によつて市町村がこれを決定いたすのでありますが、その總數は、九萬五千人を超えてはならない。但し、これは地方自治財政が確立をいたして後のことでありまして、その確立いたしますでの間は、市町村の警察職員の定員は、政令をもつてその基準を定める。要するに現在の人員の範囲内におきまして、その市町村の人口なり、その他警察事務の繁閑の状況を考慮いたしまして、政令をもつて基準を定める。そういたしまして、地方自治財政が確立をいたしました後におきまして、九萬五千人の人員をどういうふうに割振りをいたすかということは、國會におきまして法律をもつてこれを定める。こういうふうにいたしているのであります。それから市町村の警察の首長は、條例に從いまして市町村の公安委員會がこれを任命をいたすのであります。その市町村の警察に所要の警察吏員を置くことにつきましては、都道府縣國家地方警察と同様であります。そうした職員の任命なり、給與なり、規則なり、その他の事柄は國家公務員法の精神に則りまして、市町村條例でこれを定める、こういうふうにいたしております。
 それから第四節に、特別區に關する特例を規定いたしておりまして、特別區の存する區域におきましては、特別區が連合してその區域内における警察の責めに任ずる。從いましてそういう特別におきましては、都知事の所轄の下に特別區公安委員會を置きまして、その委員は都知事が都の議會の同意を得てこれを任命する。それ以外の事項につきましては、特別區の存する區域をもつて一つの市とみなしまして、市町村警察に關する規定を準用する。こういう特別區に關する特例の規定を置いているのであります。
 第四章は、國家地方警察及び自治體警察相互間の關係を規定いたしているのでありまして、町村警察は國家地方警察から何らの指揮命令を受けない。これらの警察は、すべて相互に協力する義務を負うただ協力關係が存在するだけであるということを、ここに明瞭にうたつているのであります。
 第五章は、管轄區域外における權限行使といたしまして、國家地方警察及び市町村警察それぞれは、その管轄に属しまする區域の境界外にわたりまして、五百メートル以内の地域における犯罪につきましては、その地域内におけるそれを、自分の地域内と同様に職權を行うことができる。さらにその管轄區域内に行われました犯罪が、それぞれ職權によつて取締りのできることは當然でありますが、區域外に起りました犯罪につきましても、その影響がその行為自體の連續といたしまして、自分の管轄内に行為が及んできた場合、そういつたような場合には、その區域外にわたりましても職權の行使ができるというような、管轄外の權限の行使の場合の規定をおいたのであります。
 それから第六章に、犯罪統計及び犯罪鑑識といたしまして、こういうものはすべて、國家地方警察にこれを集中して、運用いたしませんと效果がないわけでありますので、犯罪指紋なり犯罪手口なり、そういう鑑識に關する事柄なり、犯罪統計の事柄は、すべてこれを國家地方警察本部に、一定の方式によつて送付する義務を市町村警察に負わしておるのであります。
 第七章は、國家非常事態の特別措置でありまして、國家非常事態に際しまして、國家公安委員會の勧告に基きまして、内閣總理大臣が國家非常事態の宣言を發することができる。そういう宣言を發しました場合におきましては、内閣總理大臣が一時的に全警察の統制を行うのでありまして、都道府縣の國家警察はもちろん、市町村警察に、對しましても、必要な命令を發しこれを指揮することができることといたしておるのであります。もちろんそういう非常事態の宣言をいたしました場合、區域を限つて宣言が行われました場合に、その區域外のそういつた警察に對しましても、應援のために所要の警察力の派遣を命ずることができるというふうな規定もおいてかるのであります。それからそういう非常事態の宣言を發しました場合には、二十日以内に國會の承認を得なければ將來にわたつて效力を失うという規定をおいておるのであります。
 第八章に雜則といたしまして、いろいろ國家地方警察の管轄に属する區域と、市町村警察の管轄に属する區域との間に變更が生じた場合、あるいは同種の市町村警察の管轄に属します區域におきまして、それが二つにわかれましたり、あるいは一緒になつて新しく、自治體警察をおくべき市町村になつた場合の措置を規定いたしておるのであります。
 大體本文はそれで終つておるのでありまして、附則にまいりまして、この法律の施行の期日を、成立の日から九十日を超えない期間内において政令でこれを定めるということと、公安委員會の最初の任命に對しましての任期につきまして、特殊の毎年一人ずつが交代していくというふうな規定をおいておるのであります。それから國家公務員法のに規定を各所に準用いたすのでありますが、その國家公務員法に規定されておりますような、いろいろの必要な任命に關します手續ができておりません間は、從來の資格を有する者が大體從來の例によつて任命されるという經過規定と、それから自治體警察なり、國家地方警察にそれぞれわかれます場合の官吏の身分關係、恩給等の關係につきまして、これが継續されるような規定をおいたのであります。それから費用の問題は、國家地方警察は、國家がその費用を負擔し、市町村警察はそれぞれの市町村が、その費用を負擔することを建前といたしておるのであるますが、これはそれぞれ新しく必要なる法則の手續が終るまでは、なお從前の例によりまして、國庫と都道府縣とが從來の比率によつて、その費用を負擔するということが書いてあるのであります。それから自治體警察ができます場合に、今まで國が警察の用に供しておりました建物なり、いろいろの物品の譲與のことが書いてあります。
 大體そういうところで九月十六日のマッカーサー元帥の書簡にありまするわくの範囲内で、その精神を十分に生かしながら、ただいま申しましたような内容の法案ができ上つたのでありまして、目下印刷局で印刷を急いでおりますので、近く提案をいたし、御審議をしていただく運びになるだろうと考えておるのであります。
 以上をもちまして私の説明を終りたいと思います。
#4
○坂東委員長 ただいまお聽きの通り、この警察法案は近日提出になりますけれども、ただいま局長の説明がありましたからして、大要の御質疑があつてしかるべきと思います。どなたか御質疑はありませんか。
#5
○菊池(重)委員 最近は集團強盗というようなものが大分横行するようになつておりますが、もし地方のの農村にこういうものが出現したとき、いかなる方法によつてこれを逮捕するか。來るべき警察の機能で、はたしてこういうものが取締られるかどうか、非常に疑問に思うのですが、そういうときの方法はどんなことでやるか、お聽きしたい。
#6
○久山政府委員 地方の農村などに、強盗のような凶悪犯罪が起こりました場合の警察力の問題は、新しい制度になりましても、別に現在と大した相違はなかろうと考えておるのであります。大體現在の警察力を、市町村の自治體警察と國家地方警察とに分けまする關係上、それに伴いまする必要な人員の増員ができません間は、現在の一本であつたもの、一つ勢力であつたものが、いくつかに分散されることによつて起きまする警察カの滅退ということは、一應觀念上は考えられるのでありますけれども、そこは實際の運營といたしまして、相互に協力をし合うということで、おそらく、そういう犯罪がありました場合に對しまする勢力は、急に著しく減るということはなかろうと思います。そこで、そういうふうに警察署の配置なり、警察力の配分を十分適切に考慮いたしまして、必要なる人員が整備いたしまするまでの間におきまする警察力の減退は、これは相互の協力によりまして、事實上現在の運營と變らないような運用をしていくということ以外にはないと思いますし、またそういうふうにやるべきであり、やられるものであると考えておるのであります。
#7
○菊池(重)委員 そういう場合には、ただいまの境界線の五百メートルとかいう問題はなくなりますか。その點はどういうふうにやるのですかわからないのですが、責任感において協力するということだけでは、どうも安心できないと思います。
#8
○久山政府委員 境界線というのは、地圖の上などでははつきりいたしましようが、嚴密にははたしてその一線を畫した境界線は、しかく明瞭ではないと思いますので、大體境界線から五百メートルの範囲内においては、それぞれが自分の管轄區域として、お互いに權限を行使してよろしい、こういうことによりまして、境界における權力の行使を躊躇するというような弊害を防ぐために、境界におきまする五百メートルという範囲内の權限行使の規定をおいておるのでありまして、そういうことから、おそらくこういう問題は防げると思うのであります。協力による以外に、こういう別個の警察になります以上は、方法がないのでありまして、結局必要ある増員の行われます間においては、それぞれ別個の獨立した警察になりますが、それは結局お互いの協力によつて、その間の状罪を防止していくという以外に方法はないのでありまして、できるだけそういうふうにしていきたい。またをそういうふうにしなければ、別個の自治をもつた警察組織というものは運營ができないのでありまして、こういう制度によります以上は、根本的に協力するということが前提になるのでありまして、この點は警察官はもちろん、その運營に當ります公安委員なり、全國民か、十分そのことを念頭において、この運營に當つていくという以外に方法はないと考えております。
#9
○千賀委員 特別市制が問題になつておつたころに、府縣と大都市との間の警察網が二つに分段されるということで、犯罪捜査が非常に困難になるということが、特別市制反對論の有力な一つの理論であつたのであります。私もその點については、相當の共鳴をしておつたのでありますけれども、こういうような場合うまくいくかどうか。たとえば一例を私の出身の愛知縣のことで申し上げますと、名古屋を中心としたところで犯罪が起つたとしますと、これを押さえるには、西にいけば木曽川橋、北にいけば犬山橋、東にいけば矢作橋、こういうふうに要所々々が、一元の命令系統でいけば、ただちに押さえることができるのでありますけれども、現在の御提案になりましたようなことでいくと、五百メートルまでは及んでいきますけれども、それ以外のところになると、隣りから隣りで連絡をとつていくようなことをやりますと、今私が名古屋と指摘した地點とを考えますと、相常にその間の警察網いくつもいくつも通過していかなければならぬ。この間の連絡をどうやつてやるか。それを個々の警察隊を通じて、そこまで連絡していくうちには、犯人の方がとくにもう先へ行つてしまうということになつて、ほとんど犯罪檢擧はできないような立場になるのじやないか。こういうようなことを憂えますけれども、こんな場合にどういう見透し、成案をもつておられますか。
 それと、町村警察などがたくさんできてきますと、いわゆる顔役というものがまた活躍し出しはしないか、こういうことを憂えます。たとえば委員を選擧するにいたしましても、すでにこの委員に顔役が立候補をして、あいつに反對したらあとが危いぞというような關係があつたり、あるいはその他いろいろなあの手この手と、區域が狹くなつてくれば批判の目も少くなるわけでありますから、いろいろな好ましからざる人物が運營委員會に位置を得てくる。それから先は、警察署員の數も非常に少いのでありますから、勝手なことをやる。たとえばそういう顔役が、警察署でばくちでも始めることになつたらどうだろうか。ばくちなどを駐在所で始める。それが直接公衆にに非常に害を流すことだと、いかに無知に近い町村の民衆でも、非難が起るだろうと思いますが、たとえば賭博のようなもので、あまり大衆の生活には直接實際の害悪は與えない。ああいういやらしいやつは見て見ぬふりをしておる方がよいのだというので、どんどんたくらむといたしましたならば、非常にこれは今までの制度よりも、そうした小カポネ式のものの出現を助長するのではないか、こんなふうなことも考えます。實はきのう郷里におりましたので、郷里の警察署長に私の考えを言つて、こういうことを見透しかできるかというような座談もやつたのですが、やはりその點は首をかしげておるのであります。こういうような事態を考えてみたときに、何かこれにファイン・プレーが打てる御自信があるかどうか。ひとつ所信が承りたいと思います。
#10
○久山政府委員 最初にお話のありましたような、犯人が移動していくに對します警察の連絡は、これはお互いの警察がほんとによく協力して連絡がうまくいつておりますれば、おそらく現在とほとんど變らない程度の連絡によつて適當な方策がとれると思うのであります、現在にいたしましても、その發生をいたしました警察署から、同じこれは一つの系統の警察ではありますけれども、電話で連絡をするなり、あるいは本部から必要なる箇所に通達をいたしますなり、とにかくそういう連絡をする手續と申しますか、連絡をする手數というものは同じなのであります。それが今度は別個の警察になるというのでありまして、やはり必要な箇所に連絡をすることによつて適當な協力が得られるということになりますので、連絡をすること自體については現在と同じような時間と手數がかかるわけでありますが、問題はその協力の仕方にあるのでありまして、それが別箇の警察になりました場合に、現在のように眞に一體となつての協力の實があがらないということでありますならば、こういつたような制度におきます警察の能率というものは非常に下るのでありまして、そのことを私どもは一番心配をいたすのでありますけれども、しかしそれはもうお互いが、それぞれの自分たちの治安を自分たちの手で守るという責任に徹しますならば、お互いが協力し合つて、移動いたしまする犯人に對しまして、これの檢擧にあたる。そういつたような自覺の上にああるいは場合によつてはもつと、今までほ一定の型にはまつておりましたのを越えて、いろいろ獨自の工夫なり創意によりまして、ここにもつと目覺ましい、信望のある警察ができ上るという希望ももてるのであります。問題は、それぞれの警察を運營いたしまする公安委員の方考え方、ひいてはそれが市町村民の全體の考え方によつて、その實が上がるかどうかということに歸するのでありまして、これはもうぜひあらゆる方法を盡しまして、そういうことで協力してその實を上げるということに努める以外に方法はないのであります。
 それから、こういうふうに小さな自治體にいろいろ獨立した警察ができまして、公安委員がそれぞれできます場合に、これがいろいろ不富な勢力に支配される可能性が多くなるというふうなことも、やはり心配の重要なる部分として考えられるのでありますけれども、しかしそれが要するに民主主義というものでありまして、自分たちか選んだ市町村長なり市町村會がきめる公安委員、つまり自分たちが選んだ公安委員によつて、警察の運營が行われる。つまり警察の運營それ自體が今までと違つて、直接自分たちの代表者によつて選ばれ、運營される警察である、自分たち自身の警察であるということによつて、十分そういつたような不當な勢力なり、運營の方法については、市町村民自體が今まで以上に、自分たちの責任としてこれを監視するということによつて、そういつたような不當な勢力の浸入なり、不正な運營を是正する。これも一般民主主義の原則に則りました地方自治の運營と同様でありまして、やはりそういう原則によつて、そういつたような不當な者を、排除していく。つまりはすべての國民が眞に民主主義の實體に徹するということによつて、初めて完全なる運營ができるのでありまして、そういうふうに徹しまするまでの間いろいろ、障害もあろうと思いますが、そういうことを實施することによつて、そういつたよう氣分がさらに一層速やかに進展してまいる。これが一つの民主主義の自然であるというふうに考えますならば、すべて運營の問題につきまして心配される事柄は、この民主主義の精神に國民が徹するというその程度に關連をいたすのでありまして、いろいろ考えられる不安はあるのでありますが、そういうことをできるだけなくするために、さらに一層民主的な精神の、自治的な訓練の進展のために、いろいろ努力をいたすということによつて、そういうような問題の解決をはかりたい、かように私は考えるのであります。
#11
○千賀委員 第一番の方の問題をもつと具體的に言いますと、たとえば、名古屋の隣かその隣の村くらいで犯罪が起つて、名古屋を通じてどこかほかに逃走するというような判断ができた場合、もちろん電話網は今まで通りあるので、これは撤去するのじやないのですが、その電話網を使つて、今までは愛知縣の警察部長が適當にその判断能力のもとにおいて考えたのですが、今その隣村で起こつた場合に、一警部補くらいが管理をしておる警察署でやるということになると、その人の判断でどの手當をしようということは、愛知縣の警察部長と同じだけの能力をもつていないとできない。そんな人材がいくらでも得られるものではない。警部補は警部補、巡査部長は巡査部長、大體そのくらいの能力しかもつていない。その人たちでは、それ以上の大きな舞臺に立つての判断も手當もできない。また電話綱の使い方でも、その起つた村をもとにして、今のくもの巣はみな愛知縣廳に集中せられておるのですが、その集中せらたやつを、どこか出先の一派出所から、これを有用に一時に使うなどということはできやしない。そうするとやはり不可能なことになつて、愛知縣廳におる者とか、あるいは名古屋の警察部におる者が大體の有機的判断を下し、適時適切な手當、命令をしなければ、犯罪の捜査なんというものはできない。今までの形の犯罪捜査はできやしない。檢擧もできないということで、あなたは民主主義、民主主義と言われますけれども、これはおそらくアメリカの制度に近いのだろうと思いますが、アメリカでは今日になるまでに長い歴史をもつてきておる。いろいろな時代を變達して、實に暗黒時代も長い間通つてきている。アメリカの民衆の知識の發達と、その制度のだんだん變つてくるのと相まつて、いいところへきておるのですが、天降り式日本の制度を今急にこうやつてやつてみて、民主主義が一遍に決すればそれでできるのじやないかと言つたつて、民族の根本的な能力の關係もあのるのですから、なかなか私はそんなにうまくいかない、いかぬのが當然だと思います。そういう先ほど言いましたような場合に、やはり愛知縣内において犯罪の起つた場合には、事情によれば、ただちにその捜査本部とかいうものを、今までの愛知縣の警察部というような中心に移して、そこで指揮命令をする。そういう機能がとり得るのか、それは一遍々々總理大臣の職權の發動がなければできないのか。その點をもう一遍お伺いしたいと思います。
 次に申しました、ボスがかえつてこれで輩出をするのじやないかという心配。心配と言えば心配という言葉で盡きましようけれども、現在でもかようなことは相當にあり得るのです。出先の警察の末端組織の中では、私らの耳にも、駐在所の連中が賭博の監視をするというようなこともときどき聞くのですが、今の制度でさえもそんなことがあるので、新しい制度になりますとならば、相當にこれは悪用されると思います。しかし將來の豫想について、あまりここでとやかく申したところで仕様がないが、私の伺いたいことは、こういうことも考え得られるから、その對策としてはこうしたらいいのだというような見透し、信念をもつておられるかどうか、それを伺いたいのであります。私が、あるかもわからないという豫想に立脚して所論を進めても、あなたの方は、そういうことはありはしないということになつては、水かけ論になるのであります。あなたもそういうことがあり得るということについては、相當に煩悶しておられるらしい。そういう場合にはこういう運營の仕方で、そういうことは拂拭し得る成算が立つておるのだということを私は伺いたいのであります。
#12
○久山政府委員 すべてこの新しい警察法の建前では、いわゆる民主主義の原則に基きます警察制度の樹立ということ建前にいたしておりますので、違つた警察の間には指揮命令というものは、一切これを認めないのでありまして、ただ法律にも規定してありますように、いわゆる國家非常事態というような場合には總理大臣が全警察に對しまする指揮統制ができるのでありますが、これはいわゆる國家非常事態でありまして、そういつたような一犯罪の捜査につきまして、しばしば行われるものでないことは當然であります。從いまして現在の日本の組織のように、犯罪捜査などが一つの本部から、指揮命令されて、全體がその意思のままに有機的に動いていくというようには、どうしても建前上まいりませんので、それは結局、何囘も申しますがお互い協力して捜査の實があがるような方法を、それぞれくふうするという以外に方法はないのでありまして、それは具體的に一々起りました場合に、その都度連絡していきますが、あるいはあらかじめ、そういう一つの犯罪地域と想定されるような地域にあリます警察が、常時絶えず集まりましてよく協議をいたし、こういう事件の場合はこういう方法によつてお互いの連絡の實をあげるという、いろいろ實效のあがるような方法を考えますことは、これはもちろん必要なことでありますし、またそういうことをしなければ、現實の具體的な連絡だけでは、今おつしやいましたようになかなか連絡がうまくいかぬとうい場合が多かろうと思います。要するに、ことは自發的な協力によつて運ぶということが根本な建前になつておりますので、今まで以上に絶えず密接な連絡をいたしまして、場合によりますれば、ある種の犯罪の場合においては、こういう方法によつて捜査をするというふうな方法を、あらかじめ協議をいたしておくことも一つの方法であろうと考えるのでありますが、要はそういうことによつて、系統を異にする警察ができました場合におきますところの、お互いの協力の實をあげていくということに盡きるではないかと思うのであります。
 それからいろいろ、そういう小さな獨立の警察ができました場合の、いわゆる不當なボス的勢力の警察への侵入ということにつきましては、私どももお話のように非常に心配をいたすのでありますが、これも別にそれ以外の一般的な地方自治の原則によりまして、そういうたようなことを防ぐということと同じ程度にしか、特にこの問題については直接の方法もないのでありまして、要するに一般的な地方自治ということによつて、現在國民が法律によつて認められたその範囲のいろいろの方法、及びそういう地方自治的な民主的な精神に基く自覺ということによる以外に、特別のこれに對する方法も實は考えられないのであります。すべて一般的な自治の發達の度合と兼ねて、そういう是正のことを考えていく以外に方法がないと考えるのであります。すべて制度が新しく變ります場合には、いろいろそういう心配も現實の問題として出てまいろうと思うのでありますが、それを何とかこの新しい民主的な制度の上で解決していくということに、お互いが努力するということによつて、こういう新しい民主的な制度の運營を、十分われわれはやつていけるという實績を、世界に表明したい。かように考えるのでありまして、これも同じことを繰返すのでありますが、問題は要するに、この民主的な精神に早く國民が訓練せられまして、りつぱにそういう精神のもとに制度の運營を完全にやつていけるということに、あらゆる機會に努力をするということに結局は盡きるのではないか、かように考えるのであります。
#13
○千賀委員 それではもう少し具體的に伺いますが、たとえば町村といえば、その上級の地方議會は縣でありますが、縣であるとか國會であるとか、あるい府縣知事であるとか、内閣總理大臣であるとか、そういう上級の組織の中にある監査制度というようなものは置き得ないのか、そういう機能は發揮し得ないのか、そういうことができれば、町村のその勢力だけを買収なり威壓なりしてしまつてむちやをやり出した、しかし縣會に投書が一本行くとか、あるいは國會に投書が來るとがいうようなことで、その監査制度が發動されることになれば、相當にここに弊害の除去もできるように思うのですが、そういう制度の働きはないのか、伺います。
#14
○久山政府委員 自治體が自分の責任として、自分の固有の事務として警察の制度を掌るということになりますと、もちろん地方自治に規定いたしておりますことと同じように、府縣知事が、一般的な地方自治に對する監督者としての程度におきまする地方自治團體の事務に對する査察ということは、むろん警察についても同様であろうと思うのでありますが、特にこの監察というふうなことは、おそらく法律の上ではできないのではないか。ただ、こういうのものは、お互いが非常に有機的な連絡をして働かなければ、治安の維持は困難であります。從いまして一般的基準というものは、それぞれ自治體が自分の條例でつくるのではありまするが、大體それを運營いたします根本の基準というものは、國の委員會でいろいろきめることに則りまして、條例で規定をいたすというふうになつておりますので、そういうふうな條例に規定されたことが、はたしてそういうふうに正しく行われておるかどうかということを視察すると申しますが、その状況を見ることはむろんできると思いますが、監察というふうなことは、おそらくこういう制度のもとにおきましては、法律上認められないのではないか。かように考えております。
#15
○千賀委員 そうすると、町村の新しい有力者とその警察制度というものがぐるになつて、一つの犯罪を構成するというようなことが起つた場合には、だれが檢擧し、どこでそれの取調べをしたり、尋問をしたり、あるいは罪を裁定していくのか、そうなつていきますが。
#16
○久山政府委員 その自治體の警察の責任をもつておる者が、全部ぐるになつて犯罪をするというふうなことになりますと、もちろんそれは檢察廳という別個の犯罪檢擧を掌るところもありましようし、またそれは國會もありましようし、府縣會もありましよう。しかし現實にそれを調べるのは、その警察の仕事である。その警察が全部一致して、そういうことを命令しても動かない、あるいは檢事が行つて取調べる場合にも、一切警察官が協力しないということになる場合におきましては、これは法律の上ではどうするということはありませんが、檢事が直接召喚して取調べるというふうな方法もありましようし、その地域内の犯罪でありますから、よそからはいつていくわけにはいきませんが、そういうような一致して不正を行つて、だれも檢擧する者がないといつたような結果、そこに行われました犯罪の影響が、その近邊に及んでくるということに關連いたしまして、これは場合によりましようが、國家地方警察がそこにはいつていつて、捜査ができるという場合もありましよう。またこれは、市長その他に對しまする知事の彈劾による罷免權の行使ということもありましようが、しかし檢察廳が直接取調べにあたることによつて、そういう不正を摘發することになろうと思います。
#17
○千賀委員 そのときに、檢察廳にその力はありますか。
#18
○久山政府委員 力と申しますか、それは檢察陣營自體に取調べられないことはないと思います。
#19
○千賀委員 私はこれでよろしゆうございます。
#20
○松野委員 少年の犯罪ということが非常に殖えている。日本警察改革に關する總司令部の發表の中で、東京における日本人犯罪の五八%を占める少年の取扱いについて、少年保護部設置を勧奬しておるという言葉がありますが、これはなるほど、敗戰による日本の社會の混乱によるということが大きな原因であると思いますが、最近驛の賣店及び書店の店頭にエロ、グロ、あるいは獵奇という雜誌が自由に賣られておつて、あたかも少年少女がのんきな父さんや、少年の冒險を見るように自由に閲覧し、あるいは購買しておる。殊に犯罪が性に關係したものが、非常に多いじやないかということを痛感いたします。これは出版の自由を制約するという意味でなしに、犯罪の防止という點において、警保局長はいかなる御見解をおもちになるか伺いたい。
#21
○久山政府委員 出版物の内容につきまして、お話のような點がいろいろあろうと思いますが、これが犯罪として取締に値する内容であるかどうか、もちろん刑法におきましても、當然そういつたような猥褻にわたる、文書を頒布いたしました者には、刑罰が科せられておるのでありますけれども、これも從來のその法文の適用からいたしまして一定の限度がございまして、私どもが頭で見まして、これはおかしいという程度のものでありましても、はたしてそれが刑法における猥褻罪に當るかという點になりますと、これは從來とも相當嚴格な解釋をとつてまいつておりますので、それに當るものも中にはあるかもしれませんが、一般的にこれは少しひどいと思われるようなものについては、ただちにそれを犯罪として取締るかというと、おそらくそういうものはただちに犯罪としては該當しないのであります。しかしそういつたような、青年の教育の上から好ましくない、つまり刑法の犯罪の線から逃れるが、社會教育なり道義的には非常に困るというふうな間を狙つた猥褻な出版物が、非常に多いのではないかと思うのでありまして、これをもつてただちに犯罪として警察が取締まるということは非常に困難であるのでありまして、これはいつかも松澤委員がお尋ねになりましたときに、私お答えいたしたと思うのでありますが、何か社會風教の維持、刷新ということのために、これは單に出版物のみではありません、映畫なり演劇なり、その他文化的な手段全般に通じまする問題として、これは文部省の方の所管になるかと思いますが、治安の問題にも非常に關係をもつのでありますが、特別の法律に基礎を置いた風教委員曹というようなものを各地につくる。そして權限をもつてただちに處分するというのではなくて、そういうものに對して警告を出す。そして、一般の父兄もそれに注意をして、そういうものを子供に讀ませないように努力する。そういうふうにして、犯罪にはならないが社會道徳上、風紀上非常に困るというふうなものに對しましては、そういう處置を考えていくことが一番適切なる方法ではないかと申し上げたのでありますが、現在も私はそういう法律が制定せられ、そういう施設が一日も早く活動するように念願いたしておるのであります。犯罪としてすべてこれを取締まるということは、ちよつと現在の法律の状況では困難であり、またそういうものをすべて犯罪として取扱うということは、おそらく適當ではないというふうに考えておるのであります。
#22
○松野委員 ただいまのお話の中にある警察というものは、必ずしも犯罪を取締るのが全部の警察の目的ではないのであつて、犯罪を防止するという一つの大きな立場があるのではないか、これがほんとうの警察のあり方であり、役割でなければならぬ。犯罪を出してそれを取締るよりも、その防止が大きな役割ではないかということをただいま申上げたのであります。戰爭後においては犯罪が非常に殖えてきて、ある年の統計から見ると倍數にも殖えております。かくのごとく犯罪が年次倍加するという増加率を示しておるので、これが防止の意味において警保局長の御意見を伺いたいと申したので、なにも圖畫自身が犯罪であるかどうかということを断定する意味で申上げたのではないのであります。
#23
○大石(ヨ)委員 ちよつと申し上げます。話は別でありますが、速記を止めてください。
#24
○坂東委員長 速記を中止します。
    〔速記中止〕
#25
○坂東委員長 速記を始めてください。
#26
○久山政府委員 犯罪捜査の上でいろいろの科學的施設の必要なことは、これはもうアメリカ側から別にそういうことを言われなくても、私どもは當然考えておるのであります。現在もちろん十分ではありませんが、最近殊にそういう方面に非常に力を入れまして、ある程度著々實效をあげている施設がいくらかあるのでありまして、これはいつか日をあらためまして、詳細にその方面の係りの方に出てもらいまして、現在の科學的な犯罪捜査のための施設というものについてお話しいたしたいと思います。これはある程度よくやつております。もちろんそういう點、及び主として私どもは、機動的な處置のできますための自動車及び通信施設を完備するための通信資材というような面につきまして、できるだけ援助を受けたいと思いまして、そういう點につきましても十分お願いをいたし、またその方でもその點を十分理解をされまして、協力してくださることと思つております。
 それから公安委員を公選にするか、あるいはすでに公選せられました市町村長なり、市町村會議員のもとにおいて任命せられるか、どちらがよりよいかということは、いろいろ問題があろうと思いますが、それはひとつ當委員會で十分御審議をいただくことにいたしまして、私どもとしては、すでに市町村長なり、町村會議員というものを公選しておるのでありまして、やはりその自治體の責任者である市町村長が、市町村會議員の同意を得て任命をいたす公安委員というものが、警察の面での擔當者になるということで、十分立派な人が得られるのではないか。それを公選にした方がより立派な人が得られるということになるかどうか。そこまで私どもははつきりしたものをもつておりませんので、一應この法案に書いてありますように、市町村長、市町村會等の責任において適切なる人を選ぶということでいきたいと思つております。
#27
○門司委員 私はこの法案の内容につきましては、いずれ法案が提案されまして、その内容をよく見ましてから御質問を申し上げたいと思うのあります。この機會にお許しを得て御質問いたしたいと思いますことは、今立案中であります消防法の問題に關連をもつておりますことについて、消防法を研究いたしております中途において私どもは聞かされたのでありますが、それは警察官と消防官との待遇が現任まで非常に違つておつたということであります。一例を申し上げますならば、加配米の件あるいはその他の待愚が相當違つておつたようでありますが、最も重要な面は加配米の關係でありまして、もちろん警察官はほとんど二十四時間勤務としての過勞というようなことも考えられるのでありますが、消防官は外観からみます場合には、十日に一囘、あるい二十日に一囘の出動しか命ぜられませんので、非常に勤務は樂のように見受けられますが、一たび勤務に服しまする場合には、全部の體力を集中いたしまして、まつたく自分の生命賭して勤務しなければならない非常に激務におかれておりますので、その加配米がただ外観から見ただけで從來違つておつたというようなことは、實際の活動の面においても非常に遺憾でありますとともに、また消防官自體の精神的な面につきましても、きわめて大きな影響をもつておると思いますので、この前の委員奮でそのことを當局に聽きましたときに、當局は、加配米の件は農林省關係に聽いていただきたいというようなお話でありましたので、本日特においでを願つております農林省關係の方から、この加配米が――具體的に申し上げますならば、警察官は一日一合であつて、消防官は七勺になつておる、この差の改正ができるかということを、一應お聽きしておきたいと思います。
#28
○山根政府委員 ただいまお話のように、現在勞務加配といたしまして加配いたしております數量は、警察官吏が一日一合で、消防官吏が七勺になつておるわけであります。實は、御承知のように、十一月から新しい食糧年度にはいるわけでありまして、主として安本を中心にしまして、新食糧年度の食糧の需給計畫を立案いたしておるわけでありまして、この機會に勞務加配米につきましても、愼重に目下檢討いたしておるわけであります。從來まで取來りました業種別の、今御指摘のような均衡がとれているかどうかという問題は、警察官吏と消防官吏との間のみならず、各業種についてそれぞれ檢討を要する面が實はあるわけであり、最實情に即したようにこれを調整いたしていくことはもちろん必要であるのであリまして、その點については、これはやはり農林省だけの見解でことを決するわけにもまいりませんので、關係各省が安定本部を中心にいたしまして、新しい勞務加配の問題をただいま檢討いたしておるわけであります。ただ申し上げておきたいことは、食糧事情が今日まだ全體の需給の見透しに至つていないのでありますが、これはもつぱら輸入食糧の要請が、はつきり確定的な見透しのつかないことに原因するわけであります。ただいまの見透しといたしまして、來年度の食糧事情が、必ずしも私どもが希つておるごとく潤澤でない状況であるのでありまして、そういう意味からいきまして、勞務加配の現在の基準量を現在以上に引上げることは相當困難ではないかというふうに考えておるわけであります。ただいまの見透しといたしましては、少なくとも昨年度實施しました基準を割りたくないというような努力に、私どもの目標をおかざるを得ないような實情にあるわけであります。そういう意味で、私ども業種間のアン・バランスを調整することについては、十分檢討はいたしたいと思つておるわけでありますが、今日ただちに消防官と警察官とを同一並みにいたすことができるかどうかということは、お答えいたしかねるような實情にあるのであります。御意見もあつたわけでありまして、ただいま安本で檢討いたしておる機會でもありますので、この問題は何分當局等と十分連絡いたしまして研究し、善處いたしたいど考えております。
#29
○川橋委員 わが國の現状が道義の頽廢、生活必需品の缺乏が、國民生活の困窮状態、ひいてこれが勞働問題となり、これらが政治不安あるいは徑濟不安を招來いたしております。それで今後日本が平和國家、民主國家として再建されるために、その治安維持の唯一の武器である警察、これの整備につきましては、いずれ法案が提出せられましてから十分審議いたしまして、完全なる警察法を制定することが必要であると痛感いたします。今諸君からいろいら御質問がありましたが、これは諸君と感を同じゆういたします。できる限り努力いたしまして完璧を期する覺悟をもつております、ただこの際二、三質問いたしまする要點は、先ほどの御説明は、大體司法、行政警察の問題と聽いておりました。この警察法の機構内容、たとえば今度消防法竝びに火災豫防の法律が制定されますと、今までは警保局あるいは各府縣の一部課であつたものが獨立することに相なります。すなわち警察法かち消防關係の行政払は獨立する、そうするとそれがなくなるわけであります。それから徑濟警察は一體どうするか、この問題であります。これについてはただいま御説明がなかつたのでありますが、それはやはり行政警察の中にはいつているのであるか、こういう點であります。これについて簡單に御説明願いたいと思います。
#30
○久山政府委員 新しい警察法におきましては、その冒頭に警察の任務を規定いたしておるのでありまして、いわゆる行政警察とか司法警察とかいう、從来日本で普通に使われておりました警察のわけ方は、それを一變いたしまして、要するに警察というものは何をやるのか、警察の目的は何かということで犯罪の豫防というふうなこと、あるいは公安の維持というふうなことから出てまいりまする事柄を行政警察という名前で呼んでおつたのでありますが、今後は行政警察とか司法警察とかいうことを言わずに、犯罪の豫防なり、犯罪の檢擧なり、公安の維持というふうな言葉でうたつておるのでありまして、もちろん今までのような意味で言いまする司法警察と行政警察の兩法を含んでいるわけであります。いろいろ危檢物などの處理につきましては、警察の從來やつておりましたことが今後消防の方に移ることになるのでありますが、一應行政警察、司法警察という觀念をなくいたしまして、警察という一本の觀念で新しい法律ができておるということを御説明申し上げる次第でございます。それで經濟統制法令違反の檢擧ということは、これはもちろん犯罪の檢擧でありますし、また、その檢擧に伴いまして、もちろん豫防というためにいろいろの指導的な措置も從來とられておつたのでありまして、そういう面から申しますれば、行政警察ということも合わせて行つておつたわけでありまして、いわゆる經濟警察というものには、從來の觀念で申しますれば、行政警察の部面と司法警察の部面と両方あつたと思うのでありますが、今後はそういう行政、司法ということを言いませんので、犯罪の豫防、檢擧ということの中に、もちろん經濟統制法違反の犯罪についても含まれておるのでありますが、同時に、經濟統制法令違反というものを、從來のような形の警察が扱うことが適切かどうか、殊に全國的に指揮統制のできない警察制度のもとにおきまして、經濟統制法令違反の事柄を警察がやることが適當かどうかという問題があるのでありますが、大體その兩方と警察がやらない方が適當であるという考え方になつておるのでありまして、目下政府部内において、どういう組織とどういう機關において、經濟統制法令違反の從來やつていた警察事務を扱うかということについては、研究をいたしておるのでありまして、これも早晩法案として提出される運びになるだろうと考えております。
#31
○川橋委員 そうしますと、今まさに提案されんとする新警察法の原案は、大體經濟警察の方面は省かれているような形ですが、起案者としてのあなたの気持をはつきり聽いておきたい。
#32
○久山政府委員 犯罪の豫防、檢擧はあくまで警察の任務として與えられているのでありまして、經濟統制法令違反も、こらが犯罪である以上、これを檢擧する責任は警察にあるのであります。しかし今の考え方は、たとえばこれが關税法違反とか財産税などのような税法違反の場合にも、もちろんこれが犯罪である限り、警察がこれを檢擧することほ當然であり、またその義務であるのでありますが、實際はそれを税關あるいは税務署によつて行つておるような意味合において、經濟統制法令違反の犯罪は、第一義的に別個の機關、別個の系統のものがこれを處理する。もちろんそれが犯罪である限り警察のやるのでありますけれども、それ以外に第一義的に、そういうものを専門的に扱う別個の機關をくる、という形でいくのが一番いいのではないか。そういう氣持でこの法案ができているということを申し上げておきます。
#33
○川橋委員 これも大體の輿論ですが、經濟警察は各府縣の各統制會社、商工業者らと非常に密接な關係がありまして、そこに幾多の弊害をかもしている。ところが今度の新警察法によつて、人口五千以上の市もしくは町にみな警察が移るのでありますから、そういう警察に經濟警察がはいりますと、先ほど千賀君が心配されましたような問題以上に、いろいろ問題がたくさん起ると考えられるので、私はその點を非常に心配いたします。そこで今あなたの御説明大體わかりましたが、この經濟警察については特に深甚の御考慮を願いたい、こういうことを一つお願い申し上げておきます。
#34
○坂東委員長 今日はこの程度でいかがでしようか。
    「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#35
○坂東委員長 それでは次會の日程は、公報をもつてお知らせいたすこととして、本日はこれをもつて散會いたします。
  午後零時三十八分散會
ソース: 国立国会図書館
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