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1947/11/14 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 治安及び地方制度委員会 第34号
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1947/11/14 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 治安及び地方制度委員会 第34号

#1
第001回国会 治安及び地方制度委員会 第34号
昭和二十二年十一月十四日(金曜日)
    午前十時四十四分開議
 出席委員
   委員長 坂東幸太郎君
   理事 矢尾喜三郎君 理事 川橋豊治郎君
   理事 松野 頼三君
      大石ヨシエ君    菊池 重作君
      久保田鶴松君    松澤 兼人君
      松谷天光光君    大澤嘉平治君
      佐藤 通吉君    坂口 主税君
      中垣 國男君    小暮藤三郎君
      中島 守利君    外崎千代吉君
      加藤吉太夫君
        出席國務大臣内
        務大臣    木村小左衞門君
 出席政府委員
        内務事務官   久山 秀雄君
 委員外の出席者
        議     員 後藤 悦治君
        總理廳事務官  木村  武君
        農林事務官   須賀 賢二君
        専門調査員   有松  昇君
本日の會議に付した事件
 警察法案(内閣提出)(第九〇號)
  請願
 一 武庫郡町村に對し行政上特例設定の請願(
   中村俊夫君紹介)(第一〇五一號)
 二 料理店の營業再開許可その他に關する請願
   (唐木田藤五郎君外一名紹介)(第一〇五
   九號)
#2
○坂東委員長 これより治安及び地方制度委員會を開會いたします。本日の日程は、警察法案竝びに請願としまして、一、武庫郡町村に對し行政上特例設定の請願、二、料理店の營業再開許可その他に關する請願、これでありますが、都合上請願の第二、すなわち料理店の營業再開許可その他に關する請願につきまして會議を開きます。松野君。
#3
○松野委員 七月來禁止になりましたいわゆる七・五禁制以後六箇月、今年十二月三十日でその期限が切れますが、この政令はこれで一應打切るか、あるいは延長か、まだ質問ございますが、質問の發展上第一點としてお伺いいたします。
#4
○木村説明員 その問題は、まことにいろいろな點で相當な波紋を描く問題でございますので、政府の意思としてはつきりとどうだということは、なかなか斷言できない問題なのでありまして、まことに遺憾でありまするが、ただいまのその問題に關する客觀的情勢と申しますか、それを申し上げたいと存ずるのであります。それによりまして賢明なる御判斷を仰ぎたいと思います。
 御承知のように七・五禁令そのものが、これははつきり向うでも、そういうふうに言つてもらつてよろしいと言つておるのでありますが、司令部方面の意向に基きまして出ているものであります。從つていわゆるポツダム勅令、いわゆるポツダムに基いて事柄が出ておる、こういう關係に相なつておるのであります。しかしてその當時一應十二月までということで、十二月までと期限を切つて政令が出ているような次第であります。その當時、實はこれは期限を切つてはいかぬ、期限を切るべき性質のものではない、つまり日本の食糧需給事情がある程度緩和する、全然外國の厄介にならぬということはできない相談でありまするが、相當程度世界的な食糧需給の規模において、それが日本に影響する關係において、ある程度緩和するということが、どうしても問題である。つまり言いかえますと、日本の食糧に對する援助というものは一番最後尾に考えられる。これは敗戰國としての宿命といたしまして、最後尾に考えられる立場にあるわけであります。たとえばカロリーの問題にいたしましても戰争の直後盛んに世界で議論になつたのでありますが、御承知のようにアメリカにおいては三千カロリー以上のものをとつております。それからイギリスがやはり三千カロリー近くのものをとつております。それからそれに對する連合興國というものがそれに續いて、これはやはり二千四、五百カロリーということになつております。そしてその次に、いわゆる戰争によつて解放された被解放國がそれに續くという順序になつております。そのあとにドイツと日本のこの戰敗國というものが續くことになるのですが、日本についてはつきりとカロリーのことを言われたことはないのでありますが、アメリカ占領地區のドイツにつきましては、千五百五十カロリーというものがドイツに食糧を供給する基準であるということを言われておるのであります。その當時の司令部の發表によりますと、この攝取カロリー量は、西洋人の場合と日本人の場合は體表面積に比例して考えなければならぬということで、これは醫學上の一つの完説のようでありますが、從つて千五百五十カロリーを上囘るということはとうてい許されない、こういう基準において食糧が供給されるということになつております。今までのところはそういう状態であります。
 そこでそういう考え方のもとに、日本の食糧需給の事情が世界の食糧需給の規模の一環として緩和するというときまでは、この問題は要するに日本がそこまで耐乏の生活をしているということが、はつきり世界の輿論の前に出なければいかぬということであります。さらに細かく話を申し上げますと、ちよつとその點は速記を止めていただきたいと思うのでありますが……。
#5
○坂東委員長 速記を中止してください。
    〔速記中止〕
#6
○坂東委員長 速記を始めて。
#7
○木村説明員 さようなわけで、もともとこれには期限をつけずに出すのが適當である。そのときの情勢において、この期限はこの邊でよかろうということを言うから、そういうことで無期限の政令にしなければならぬということを、向うから強く言われたのであります。しかしながら、政府といたしましては、さようではありましようけれども極力努力をする。また諸般の情勢上料飲店の閉鎖に伴ういろいろな社會問題を、今すぐどうということはなかなか困難な情勢にある。そこでやはり一應十二月までということで、そのときの情勢で問題を考えてもらえないかということで、そういうふうに司令部に折衝いたして、一應十二年までということに相なつております。從つて司令部といたしましては、それを延ばすときには、これを延ばすことについて日本側は、手續を違背なくできるなということを、念を押されたようなわけ合にあるのであります。私が一應さように六箇月と申しましたのは、實はアメリカの小麥の情勢などが、そのころ収穫が非常によいということを聞いておりました。そこで小麥の収穫がよければ、司令部は非常に大事をとつてそう言つておられるけれども、アメリカの小麥の収穫が非常によいということになれば、相當程度までその邊の事情が好轉するではなかろうかと考えておつたのであります。この結果どうなつたか。アメリカの小麥はなるほど非常によい収穫で、十四億ブッシエル以上の収穫をあげております。ところがそのころは問題にしておりませんでしたとうもろこしが、前年は三十四億ブッシエルの収穫であつたものが、二十四ブッシエルと非常に大きな減収になつたのであります。これは最初洪水がございまして、その次に洪水で殘つた地蔕に旱魃が襲い、最後に非常に早く霜が參つたのであります。この三つの惡條件が重なりまして、實はさような非常にひどいことに相なつたのであります。そのころには、われわれが考えてもおりませんでした西ヨーロッパが旱魃で非常な減収が現われてまいつたのであります。そこで實は私どもが豫想しておりましたよりも、もつともつとひどい世界的な食糧需給の逼迫情勢が見えてまいつておるのでありまして、ただいまいろいろ言われておるのでありますが、世界の輸入國が三千萬トン入れたいのに對して、供給できる量が二千萬トンである。これは歐州だけの傾向を知り得るだけで、こまかい正確なことはわからぬのでありますが、そういうようなことの言われるような情勢に差掛つておるので、世界の食糧需給を背景にして、日本の食糧需給がある程度緩和するかどうか。七・五禁令を出しました當時と今と比較いたしまして、その點ががある程度、ここで打切るということを考えてもよろしいような世界の食糧需給情勢、ひいては日本の食糧需給情勢があるかどうかということにつきましては、遺憾ながらむしろ、もつと惡化したような情勢にあるということになつておるのであります。近く司令部方面では、その邊の情勢も十分に考慮されまして、正式に日本政府に對してその點に關する意思表示がある、こういうふうにわれわれは承つておるような次第であります。
#8
○松野委員 ただいま非常に婉曲なる御説明を拜聽いたしました。殘念ながら世界の情勢がなかなか思う通りにならないために、業者の將來に暗影を投げておりますが、日本政府の責任においてこれを延期するならば、政令で行うか、法律で行うか。近來はすべて法律をもつて詳細に明記する方針をとつておりますが、再び延長するというときには、これを政令で行うか、あるいは法律で行うか。
#9
○木村説明員 その點につきましても、これは諸般の政治情勢を勘案して行わなければならぬことでありまするし、理論的にはおつしやる通りに、非常に民生に關係のあることでもありますし、法律でいくのが筋であるというように私ども承知しております。さような譯合で、私一個の考えでかれこれ申し上げるというわけにはまいらないかと思うのでありますが、實は率直に申し上げますと、料飲禁止の問題が日本の食糧需給上具體的にどんな效果をもたらしているか、あるいはを效果をもたらすべきであるかということは抜きにしまして、昨日發表いたしましたように、日本が來年度もはつきり百九十三萬トンという大きな輸入食糧を期待しておるという關係からすると、適當な言葉が見つかりませんではなはだ恐縮でありまするが、一つの装いとしてかようなことがどうしても必要なことになつてまいつているのであります。そこで私どもむしろ皆様にお願い申し上げたいと思いまするが、議會方面の意思としてさようなことが決定する。つまり法律としてさようなことを決定するということが一番望ましいことではないか。それがまた、アメリカの輿論を中心とした世界の輿論の前にこの問題が投げかけられるということによつて、初めてその效果が出てまいるのでありますから、議會の意思としてさようなことが決定されることが非常に望ましいのであります。そこで私どもといたしましては、ぜひさようなふうに運ぶように内閣の方に進言いたすというつもりでただいまおるわけであります。
#10
○松野委員 國民が耐乏生活を切抜けることについては、私も議會の一員として贊に加わるにやぶさかでないのでありますが、過去の料理飲食店の禁止以來のことを見ると、まことに殘念ながら昨日事務官の發表の通り、増配が望み得なかつた。すなわち私に言わせれば、この二十七萬の從業員及び從業員の家族、または營業者、營業者の家族を入れると二百萬以上の多數の、大きな社會問題を投げかける失業者を出しておる。そうしてこれらの人たちは、過去において飲食店を營業しておつた。いわゆる家庭に配給の食糧を亂しておつたというために、それを正規のルートに、乗ぜんがために、それがおおきな眼目で行われたと存じております。しかし殘念ながらこの五箇月を見て、増配が望み得なかつたという結果を見れば、これらの人たちは、私に言わせれば、自分の希望により、あるいは自分の考えにより、あるいは内閣から物を出し、政府の力で正式なルートに乗ぜられなかつたというものを出しておつたが、いわゆる國民の絶對食糧から言えばプラスでなかつたとさえ言えるのであります。またただいま申しましたように失業問題、また最近地方におきましては、大きな財源の損失のために、地方税はますます困窮を極めておる。この三點を考えますと、私はこれは必ずしもあなたの御説明の通り、あるいは一つの装いならば別として、現實問題としては、短所は大きいが、長所としては一つも先ほど來お伺いしたことはないのであります。確かに一つの装いとしてこれらのものをされるならば別として、耐乏生活というならば、ほかの方法をもつてすることができないかと、特に痛切に感ずるのであります。また政府におきましては、あるいはどうしてもこれを保持しなければいけないというならば、何らかの方法でこれらの業者に生活の途をあたえ與える方法を講じてもらいたい。ある一部の者は多少轉業しておる、旅館營業を行つているからいいと言えば別ですが、すべての者が現在營業不振である。生活はできない。主食統制品を扱わない食糧も考えられるのじやないか。または特に政府においてさえ、高いやみ値以上の酒を賣り、やみ値以上のタバコを賣るという現状において、業者自身がなぜこれができないか。主食に關係しない、その線に沿わないものまでの禁止するという點において、どうしても納得できない。世界の情勢、國民の耐乏生活ということに對して議會を通じて國民に訴えますが、かくのごときことで業者に對してお前たちだけ耐乏生活をしろということは、人權愼重においても、營業權の愼重においても、憲法の上においても、あまりにも片手落ちでないかと思うので、私はあえてこれを質問します。
#11
○木村説明員 ただいまの御質問は、まことにごもつともでありまして、私が當初に申し上げました通り、實はさような日本の國内の食糧の實體論から言つて、實體に非常なプラスがあるというような觀點は、端的に申し上げれば二の次にして、この問題は出發いたしておるのであります。しかも今もつてその二の次にして事柄を考えなければならぬという點は、依然として殘つておるということなのであります。
    〔速記中止〕
#12
○松野委員 ただいまの御説明を最大限度の善意をもつて了承するとして、それでもなおかつ私は了承できない點がある。また御返答にならなかつた點がある。すなわち現在統制外のものならいいのじやないか。あるいは政府でさえ高いものを賣るのだから、統制品外の飲食物を取扱うならいいじやないか。名前が高級飲食店で、装いでいけないならば、あるいは大衆飲食店でもよろしい。あるいは最底生活維持飲食店でもよろしい。装いだけならばまた方法がほかに考えられるのじやないか。最近特に未利用資源の話も出ている。事務官も御存じであつたから、局長も當然御存じであろうが、未利用資源では材料に制約せられるから、當然最底の料理しかできない。それでも業者がそれによつて生きていかれるならば、最底の營業が續けられて生きていかれるならば、なにも政府が獨占しなくてもいいのじやないか。これによつて財源が得られれば、いわゆる大衆課税の負擔の輕減になる。あくまでも、いわゆる高級飲食店という名前がいけなければ、大衆最底飲食店でもいい。これか二百萬の人々の生命維持になるならば、政府のみがすべての財源の根據を獨占しなくてもいいのじやないか。また國民の負擔の輕減にもなる。この點の説明がまだ解決しておらぬように思います。
#13
○木村説明員 ただいまの事柄も、まことにごもつともなご質問でございまして、當初からさような點も考慮をいたして、ここに若干のゆとりを殘すことがいいのじやないかということでやつたのであります。向うは實は最初、喫茶店すらもいかぬ。というのは、つまり日本の總自肅と申しまするか、自肅しておる態勢というものをはつきりと外へ示す。それは單にジヤアナリズムの上で示すというだけでなしに、要するにさつき申しあげたようなことでありますから、始終向うの人が入れ替り立ち替りやつてくる。そういう場合に街の装いが、食糧を敗戰國でありながら、二百萬トンも入れてもらわなければならぬという事態にまで到達しておるということを、納得させるような装いに街がなつていなければならぬ。こういうところまで問題が來ておるのであります。そこで喫茶店などもいかぬという話があつたのでありますが、それすらもいかぬということになると、あまりにも潤いがなくなつて、そうして相當なことになるでありましようし、また今おつしやるような失業問題、その他の社會問題の見地からいたしましても、一擧にさようなことは望ましくないのではないか、こういうふうな御説明をいたしまして、喫茶店はようやく許してもらつたのであります。そこで今おつしやるような、未利用資源などを利用してやつてはどうかという問題もありますし、さらにまた酒だけを、たとえば大衆酒場という形においてやるのもどうかという問題になつてまいつたのでありますが、どうしてもさつき申し上げたようなことで、要するに程度問題でありますが、その邊で線を引くことが適當であるというような見地から、實は線を引かれたのであります。しかしわれわれといたしましては、むしろ税をとる見地などからいたしましても、大衆酒場などでやる行き方――一杯のジョッキ、一合の酒というものを、ほんとうに欲しい人に飲んでいただいて、そうして政府が直接そこで税をとるといえばとるという、こういうふうな形がむしろ望ましい。もし一般に自由販賣などにいたしますならば、それがやみ商人の手にまわりまわつて、むしろこれによるプレムミアム稼ぎという點からも望ましくないという見地から、われわれといたしましてはいろいろ論議をいたしまして、そうしてその後も執拗にさような行き方は、これを認めていただけないだろうかということを、しじゆう主税當局とは折衝いたしておるのであります。しかしながら實はこの喫茶店の問題自體が、その後むしろ主税當局としてその實續が相當に思わしくない。例をあげて申し上げますならば、この數字をきのうあるいは事務官から申し上げたかと存じますが、大分縣などの例で申し上げますと、外食券食堂などが約二千軒近く許可になりましたが、こういうべらぼうなことはあり得ないわけでありまして、喫茶店にいたしましても非常な數で殖えております。しかもいわゆる政令違反というものは、喫茶店で酒を提供したり、料理を提供したりするというのが非常に多いわけでありまして、その點で喫茶店の問題についても、今度先ほど申し上げました政府から出す正式の意思表示の中には、相當に觸れてまいるようなことが豫想されておるのであります。そこで今もおつしやるような問題を考慮するにつきましても、情勢というものははなはだ惡いと申し上げた方がいいわけでありまして、言いかえますと、喫茶店の問題なり、外食券食堂の問題なり、旅館の問題なり、これはある程度政令で期待し、われわれが向うへ説明した形できちつといつておる、なかなかよくいつておるというならば、今おつしやるような、たとえば未利用資源の問題も、こんなにうまくいつておるから、未利用資源だけでやれということも言えるでありましようし、大衆酒場の問題についても、さようなことが言えると思うのでありますが、悲しいかな現實の今の許可の状況、また營業の實態というものが、どうもさようなことをしかく口幅つたく言えない。言つたら、ただちに反駁されるというような情勢にあるのでありまして、そういう趣旨を御了承願います。また先ほど申し上げましたような大きな見地からも、やはり線を畫する問題といたしましても、情勢はこの線を若干緩めてもいいという方向にはいつていないということに相なるのでありまして、その點も御了承を願いたいと思うのであります。
#14
○松野委員 これ以上は議論になりますので、最後に一言申し上げて私の質問を打切ります。私は多少見解を異にしておる。と申しますことは、世界でほとんど食料として供していないものを、日本でかくのごとく上手に調理して食べさせておるという點において、私はかえつて主張すべき根據がある。私も未利用資源そのものを試食いたしまして、また次長も、試食されたかどうかは知りませんが、されていなかつたならば、今からただちに試食していただいて、かくのごときものがとにかく人命を維持するのに十分貢獻しておるのだ。しかし殘念ながらこれは素人ではできない。なぜならば、私どもの地方でもゆりの根というものを家庭で料理して食べると下痢を起す。やはりこれはどうしてもその道の專門家が料理しなければ、食料として食べることはできない。かくのごとく未利用資源を活用することによつて、日本はこんなものまで利用して食べておるのだということを、世界に宣傳するのに一つの大きな效果があると信ずるのであります。この點において、政府の方々は、せいぜい御勉強あらんことを希望し、私自身もこの點において推賞するだけの根據をもつておるのであります。以上申し上げて、私の質問を終ります。
#15
○木村説明員 ただいまのお話、まことにごもつともでありまして、もともとおつしやるように、當初から御説明申し上げておりますように、皆さんの氣持とわれわれの氣持とは、ほとんど變つておらぬのでありますけれども、遺憾ながら情勢上なかなかさようなわけ合いにはいかないことを御了承願います。なお一層われわれも勉強いたしまして、御趣旨の點は、私どももただいま同一方向に事柄を考えておると申し上げてもいいくらいのことでありますから、機會あるごとに、今のような御主張が實現いたしますように十分努力いたすつもりであります。
#16
○松澤(兼)委員 ちよつと關連して簡單なことでありますが、二、三お聽きしておきたいと思います。私どもは、高級飲食店は閉鎖した方がいいという考えなんですが、ただ一般戰災者や、あるいは引揚者などでやつております露店營業、こういうものは、その事情に即して何とか考えてやる必要があるのではないかと思うのであります。先ほど來のお話を承つてみますと、すべて一律に取締らなければならないというふうにお考えでありますが、これらの人々を救つていくために、最近農林省の方面におきまして、そば屋を新しく許可するという話を聞いておるのであります。このそば屋を新しく許可される場合におきまして、今申し上げましたような、主として戰災者あるいは引揚者などがやつております露店商において、このそば屋の營業を許可してもらうといつたようなことは、簡單にできるように考えられるのでありますが、このそば屋の營業につきましては、どういう方向に進んでおりますか。それと戰災者、引揚者等の救済のために、露店にそういう者を入れるということの結びつきは、はたしてできないものでありましようか。この點につきまして伺つてみたいと考えるのであります。
 それからもう一つは、喫茶店は今日どうにか存在しておるわけであります。しかしながら東京におきましては、コーヒなりその他の飲食物などが五圓から十圓引上げられたようであります。しかし關西の方面、あるいは神奈川などもそうではないかと思うのでありますが、やはりマル公五圓ということになつておるように私は存じておるのであります。もし實際そうであるといたしますならば、御承知のように神戸でありますとか、あるいは大阪などにおきましては、從前から東京よりも物價が高いというふうに言われておつたのであります。もし東京で五圓でありましたものを十圓に價格を引上げさしてもらつたということであるならば、當然阪神間におきましては、十圓のコーヒーが賣られるのではないかと考えるのであります。この點はどういうことになつておりますか、お伺いいたしたいのであります。
 それからもう一つの問題は、酒の實績の問題であります。これは戰争中ずいぶんむりおしをいたしまして、だんだんと酒類の販賣を制限していきまして、ずいぶん安い値段で權利を買つて、今日都會におきましては、個人が相當大きな實績を買占めているということがあるのであります、從つてそういう人たちは、これまで投資したその權利の買収等の關係もあり、なんとかしてこの權利をいつまでも保持していきたいというために、懸命な努力をしているわけであります。そこで私考えますのに、これは戰爭中の問題であつたのでありまして、戰後そういう問題を考えます場合におきましては、これは新たに考え直さなければいけない。たとえて申しまするならば、衣料の選擧が行われましたが、そういつたように酒の販賣等が將來行われる場合におきましては、やはり公平に一般住民の意思によりまして、この酒類の販賣の登録制というものが考えられなければ、ずいぶんこれまでのむりおしや、あるいは陰謀等などによりまして、集積されております實績というものが、將來もやはりものを言うことになると考えるのであります。この點については、これは多少所管違いかもわかりませんが、この實績の問題につきまして、どういうふうにお考えになつておりますか承りたいのであります。以上三點であります。
#17
○須賀説明員 私からそば屋の問題だけお答え申し上げます。そばにつきましては、これが相當一般國民の嗜好に合致いたしておりまする食品でありながら、最近はほとんど表面に現われてこない。やみではある程度取扱われているような状態になつておりますので、これをはつきりしたらどうかという意見が一部から出まして、目下私の方の手もとにおきまして研究をいたしているのであります。一部の新聞等に若干報道されたのでありますけれども、まだ具體的にどういうふうにするという段階にまでは至つておらないのでありまして、目下研究をいたしている程度に御了解願いたいと思うのであります。
 それからそれを販賣いたします場合に、どういうものに扱わせるかというお尋ねでありますが、これは考え方といたしましては、外食券の利用によりまして食わせるというふうに考えているのであります。從いまして外食券食堂の一つの形態になるのでありますが、從來特に東京都の例を見ますと、外食券食堂として許可を受けますにつきましては、いろいろいきさつなりいろいろな事情があつたようでありまして、これはそばの問題につきましては、それらの點、竝びに警視廳あたりとも十分相談をいたしまして、できるだけ廣範に利用されるように考えてまいりたいと思つているのであります。ただ露店等の問題につきましては、また衞生上の取締の見地等もありましようから、その方の意見も十分徴しましてきめてまいらなければならぬと思うのであります。現在具體的に、どういうふうにするかということを申し上げるまでには至つておらないのであります。さよう御承知を願います。
#18
○坂東委員長 松澤君、御相談いたしますが、コーヒーの價格の問題と酒の問題は、物價廳と大藏省の方がこなければ正確にわからぬそうです。木村君では受持が違いますから、大要數字にわたらぬ點のことはいいそうですけれども、いかがでしよう。
#19
○松澤(兼)委員 お答えできなければ……。それでは一言だけ希望を申し上げます。新聞にはかなりはつきり出ていたようでありますが、まだ食糧管理局の方では、そういうふうな具體的なものでないというふうにおつしやるので、了承いたしますが、ただその今までやつておる外食券食堂にやらせるということも一つの方法であります。しかし衛生の點から言えば、必ずしも外食券食堂にやらした方が露店よりも衛生的であるということは言えないと思います。私などもときどき利用するのでありますけれども、實に私は感心できないような状態にあると思います。そこで個人の露店飲食業者にこれをやらせるということも、もちろん衞生その他の點においておもしろくない。そこで考えられることは、この政令の關係によつて失業状態になつているそういう人たちが、たとえば協同組合等の組織によりまして、そばの販賣店を協力的にやるというような場合におきましては、一定の條件を付して、あるいは衛生設備等も考慮して、能力のある、資格のある者にならば、これをやらしてもいいわけでありまして、外食券食堂というものは十分利益があがつていないかもわかりませんが、とにかくやつている。新たにそば屋をやらせるという場合には、この政令などの關係で非常な打撃を受けている零細な露店飲食店などの協同組合法式による經營に許可してやつて、こういう人人を救うということが、一石二鳥というようなことになるのでありまして、これは一つの希望でありますが、將來お考えになりますときには、そういうふうな方式にもつていつていただきたいということを御希望申し上げます。
#20
○外崎委員 今のそばの問題でありますが、そばの問題は農林省の今度のお考えは、すこぶるいいと私は思います。そしてその方法については農林省に何いたしますが、まつたくわれわれは旅行しますときも、また現在においても、實に外食の問題では苦しむのであります。そればかりでなく、もう一つは、今も安本の方の御説明では、まだ小さな飲食店まで開放するというような考えも十分もつていないようである。この場合に一歩々々と進んで、何かの關係をつかんではこういうふうに進んでもらうことは、非常に私は喜ばしく感ずるのでございます。
 もう一つは、安本の方にお伺いしますが、きのうの事務官の説明では、料理飲食店全部を閉鎖したが、それによつて得たところの利益はどのくらいあつたか、そして食糧などその後において、一般にたしかに配給になつたかならないかということを質問したら、何らそれに對する計畫もなかつたし、十分にそれは調べていないということでありますが、しかし局長さんはこういうことは言われまいと思います。一體何千何萬軒という料理飲食店を閉鎖し、そうして、そこにおいて主食が流れるという見地でやつたのでありましようけれども、それまで流れておつたものが止まつた結果、餘つたものがどのくらい各家庭に廻つておつたか、そういうことについて何らの計畫なしにやつておられたと私どもは考えているのであります。もう一つは、つまり高級飲食店は見込はないが、小さいものについては考慮するということをおつしやつている。考慮するというのは、どの程度までの考慮であるか、この點もひとつ伺いたいと思います。
 いま一つは、よく二言目には進駐軍を口にして話をされておりますけれども、それはもちろんお互いの國情も違うだろうし、すべての點において違うと思います。その後において十分に折衝していると言うけれども、どこにどういう根據をもつて折衝しておつたのかそれを伺いたい。食糧を外國に依存することは――お互いに今までは少くとも三合平均食べておつてでも、かりに一人で一年間一石として、日本で七千七、八百萬石要る。政府の方では今年の米収は六千萬石であると發表しておる。進駐軍は八千萬石あるということを發表しておる。それに對して日本の政府は二千萬石の差があつても、それを説明することができないような杜撰な統計を出しておる。もし六千萬石あるとして、あと芋があり、雜穀があるとすれば、相當の量があるとわれわれは見る。現に現内閣においてもこういうことを言つておる。去年あたりから、來年の八月から五月になると一千萬人の餓死者ができるとか、二千萬人の餓死者ができると、堂々と臆面もなく發表しておる、ところがさいわいにして、千人も餓死者が出ずして済んだところを見れば、何らの統計も計畫もなくして、政府がいたずらに人心を惑わすような言葉を使つて、そういう計畫も、何もないものを國民に知らせるから、國民も惑えば、またお互いも苦しむような状態になつていくのであります。六千萬石の米に雜穀を混ぜたならば相當の量はある。そればかりでなく、強權發動までしてたくさんの農家を苦しめて取つておいて、その半面に、横流れしている米は何十萬石も出ているというようなことになれば、政府は一體何を根據にして國民に發表しておるか、あまりに無責任きわまる。そういう觀點からいけば、もちろん安本としても、政府としても、苦しい點もあるでしよう。しかし少くとももう一歩進めて、そうして相當な計畫をもつていつて説明すれば、進駐軍の方だつてわからないはずはないと思う。ましてや、われわれが今言うのは、高級料理店を認めよというのではない、まつたく小さな連中をしてこのままにしておくことは、非常に大きな社會問題である。少くとも生活を確保しなければならぬ政府が、みずから六十萬、七十萬の人間の生活を奪つておいて、いたずらに、何らの計畫もなく、一つの基準もないのでは、進駐軍へ行つてこれを許してくれと言つたつて、許すわけはない。そういうことをもうちよつとはつきりさして、どのくらいの食糧があれば、どのくらいの供出があれば完全にできるのか。この點についてひとつあなたの方の御説明を願いたいと思います。
#21
○木村説明員 遲刻してお見えになりましたので――實は先ほど、くわしくこの政令が出ました客觀的ないろいろな事情、その他の經過につきまして申し上げたのであります。それをもう一度申し上げますことは、前からお見えになつておる方に御迷惑と思いますから、記録を見ていただくことにいたします。この問題はそういう誤解を起しておりますが、私どもは進駐軍をつついてこういうことをやつたという問題でないのでありまして、その邊については誤解のないようにお願いいたしたいと思うのであります。もともとこの問題をやちましたときに、主食の關係といたしましては、すでに業務用の配給ということも一切いたしておりませんわけだつたのです。ただ副食品關係で、魚や野菜の關係で、若干いわゆる業務配給というものでいつておつた。こういうふうな事態であつたのであります。それが、これは大きな都市だけしか、その邊の事情はわかりませんが、東京などでは、いわゆる業務用の配給というものはなくなつてしまつております。しかしそれに代わりまして、いわゆるお惣菜屋、おかず屋というものが大體できてまいつておりまして、その方面に、先ほどほかの方からも御質問がございましたが、あまり素人の手ではなかなか食い物にならぬというようなものについて、その方の手にまわりまして、そうして惣菜屋で惣菜として賣られておる。こういうふうな状況になつております。その間の數字的なことは、どういうことでどうなつておるかということにつきましては、遺憾ながらくわしい數字は出ておらぬのでありますが、そういうようなことになつておるということで大體御了承願いたいと思います。
 それから、小さいものを考慮するということについて、どういうふうに考えておるかというお話でありますが、これは先ほど食糧管理局からもお話になりましたような事柄は一つの方法であろうかと思います。しかしながら、これを向うへもつていつて、はたして〇・Kが得られるかということにつきましては、まだはつきりは言えないのであります。從つて食糧管理局はさような計畫をもつておる。そこでわれわれも一緒になつて、先ほどどなたかにもお答え申し上げておきましたが、ぜひそれが實現するようなことで、いろいろ折衝はいたしておるつもりでありますが、いわばさような段階において、いろいろな小さなものを考えるということになつておるということに御了承願いたいと思います。
 それから、大きな食糧の數字をおあげになつて、さようなことであるのに、今のようないき方はどうもおもしろくないじやないか。こういうお話。これはある程度ごもつともな點なんでありますが、要するに朝鮮、臺灣、滿洲、それから佛印、シヤム、こういうふうな方面のすべて糧道を絶たれました。この關係においては約二千萬石の米がはいつておつたわけで、それは御承知の通りであります。さようなことで、七千萬足らずの人間を養つておつたのであります。それが一擧にしてかような、いわば鎖國的な經済を營まなければならぬことになつてきたのでありまするから、それは數字的には、いろいろ數字をはじいていきますと、いろいろなことが出てまいります。つまり、ほんとうに乏しきを憂えるというような形で、ほんとうに二合五勺基準というようなことで、みんなが一人殘らずそういうような恰好でやつていくということになりますると、あるいは今の數字で、しかも芋も何もかもぶちこんでやることになりますると、ある程度やれるという數字が出てまいりましよう。しかも馬も牛も鶏も、人間と競合するような穀類を食べておるものは、みんな殺してしまうというようなことでやつつ、そして米以外にも、人間が食えるやつはすべて殘らず人間が食えるような形にしてやつていくという、ジリ貧的な食糧生産の需給計畫を立てるということになりますと、それはあるいはおつしやるような計算も出てまいると思うのであります。しかしながらさようなことは許されないわけでありまして、しかも一擧に二千萬石の糧道を斷たれ、七千萬が七千七、八百萬人になるというようなことで、一擧にさような事態に突入したので、食糧の需給の辻褄を合わせてまいるということが、非常にむずかしい段階にきておるという關係があるのでありまして、一擧にさようおな事態に變つてまいりましたものを、うまく運用することはなかなか困難なことは、大體御同情願えることと思うのであります。さような事態にあることをちよつと申し上げます。
#22
○外崎委員 馬や牛を殺してしまうというお話がありましたが、馬や牛を殺さないでも、今まで米は二十日も三十日も五十日も缺配になつて、馬や牛以下のものを人間に與えておるのが現在の事實である。そうするとシヤムや朝鮮、滿洲方面から食糧が來ないうちは、こういうことは許可しないということなのですか。
#23
○木村説明員 その點は先ほど詳しく申し上げたので、二度また申し上げなければならぬことに相なるのでありますが、要するにこの問題は、今の日本の食糧需給事情というものは、決して日本だけの獨立した食糧需給事情ではないのでありまして、世界の食糧事情に繋がつておる。しかも世界の食糧需給は、世界に今A・F・〇という機構がありまして、そこで世界の食糧需給を、ロシヤの管理を除きましてはやつておるようなわけでありますが、そこで一九四六年の七月から來年の六月までの計畫をいたしますると、食糧輸入を必要とする國の數字が三千トンであります。ところがそれに對して、大體今、今年どうやら外へ出せるところは、アメリカとアルゼンチンとカナダとオーストラリア、これだけしかないのでありまするが、これを寄せ集めて約二千萬トンしかない。一千萬トンは不足する。こういう情勢であります。そこでさような情勢のもとにおいて、戰敗國でありまするドイツと日本が、食糧を相當程度そこへ期待しなければならぬ、こういうことに相なつておりますので、つまり七・五禁令の當時よりも、もつと情勢は惡化しておる。こういうことなんでありまして、すべてこの問題は、ポツダム勅令でこれが出ておるということで端的に現われておりまするよすに、先方の非常な固い決意によりましてこの問題は行われておる。しかもその當時よりも、むしろ世界の食糧需給に繋がつておる日本の食糧需給は、惡化しておるというふうな事態になつておりまするので、少くともこの十二月には、これが解けるというふうに考えるわけにはまいらぬという客觀的情勢にある、こういうことです。
#24
○坂東委員長 お諮りいたします。この請願に對する質疑應答は大體盡きたようですが、料理店の營業再開許可その他に關する請願、これはこの場で採擇しますが、あるいはまた採擇を留保いたしますが、その點をお諮りいたします。なお念のために本文を申し上げますと、本請願の要旨は、七・五禁令以来四箇月間料理店業者は、高額な増加所税の徴収竝びに現下の物價高にその生活を極度に困窮している。ついてはこれが對策として七・五禁令を解除して榮業の即時再開を許されたい、また諸税の極度減額竝びに休業中の生活費の補償についても盡力されたいというのであります。いかがですか。
    〔「採擇々々」と呼ぶ者あり〕
#25
○坂東委員長 採擇に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」「異議あり」と呼ぶ者あり〕
#26
○坂東委員長 それでは採擇に賛成の方御起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#27
○坂東委員長 起立七名です。ただいまの出席者は私を加えまして十四人であります。――今中島君が来まして、私を加えて十五名になりました。
#28
○中島委員 私は採擇に賛成いたします。
#29
○坂東委員長 そうしますといま一囘御起立を願つた方がいいと思いますが、いかがでしようか。
#30
○久保田委員 これは、高級料理店というようなものにわれわれは反對しますが、こまかい人たちに對する考え方と二通りあると思うのです。だからここで採擇をすることはむずかしい問題じやないかと思います。
#31
○坂東委員長 動議が出たものですから、それに賛成があります以上は採決をしなければならぬわけにあるのですが、それでは採決をするか、あるいは採決を延期するか、二つのうち一つにはつきりいたしたいと思いますが、警察法で警察法で政府委員が待つておられますから……。
#32
○松澤(兼)委員 この問題は非常にむずかしい問題です。ただ料理店の榮業再開許可ということだけでは、先ほどからいろいろ議論があつて、一應榮業を禁止しなければならないという理由もよくわかるのでして、その内容というものが全般的に今禁止せられておりますものを、もう一度復活するということと、また部分的に考える場合と、非常にその取扱いがむずかしいと思うのであります。もしこれが、一般的にすべての今まで禁止せられている料理店を再開するということであれば、もちろん私は反對であります。しかし部分的に條件をつけて、こういうものは何とかして生活の立つていくようにしてやらなければならないということであれば、われわれは賛成いたしますし、それらの點が非常にデリケートな問題だと思うのです。また對外的な関係も同様でありまして、生活困窮者に對しては何とか再開ができるように考慮してやつてくれというのだつたら、向う側にも了解してもらえるかもわかりませんが、この際、高級飲食店までも榮業を再開するということであれば、相當國家の意思表示としては、これは重大な問題になつてくると思うのであります。それぞれやはり黨の関係もあるだろうし、個人の意思でもつてこれを決定するということは、非常に私は困難なことだと思うのであります。採擇に賛成される皆様方が、黨の意見によつて決定してこられたというのであれば、それはもちろんいいでしようけれども、ただ個人的な意見でもつて採否を決定するということになりますと、将来これは重大な問題になつてくるとおもうのであります。その點でわれわれ黨派の意見等をよく研究するまで、しばらく延期していただきたいと思うのであります。
#33
○外崎委員 しかしそうなつてくると、委員は各黨から出ているのであつて、一々黨議にかけて委員で質疑應答する、それに賛成するということは、なかなか簡單にいかないとおもうのであります。そうなると委員というものは、ほとんど意見を封じられてしますので、これは委員會に出ている者の意によつて決定して差支えないと思う。
 もう一つは、今言うごとく料理店再開とか、營業再開という點でいずれも高級料理店の再開ではなくして、この困つている連中の生活を保障するという點にわれわれも賛成しているのであるから、一旦委員長が採決をとつた以上は、それによつて決定しても差支えないと考えます。
#34
○松谷委員 ただいま松澤委員からもこまかく述べられておりましたが、ただここにあげられました料理店の榮業再開許可その他に関する請願という、これだけの項目によつてこれを全面的に賛成ということになりますと、これは先ほどから述べれれておるように非常に大きな問題であり、少くとも委員會でこれを採擇した以上は、それを實施に移さなければならないという具體的な責任まで伴つてくると考えます。從つてこれを、先ほど述べられているように、内容の分離をするか、あるいは付帯条件をつけてこれだけは除外する――いわゆる高級料理店の再開は除外する、あるいはまた、その逆をまいりまして、特別なる貧困者に對する榮業の再開、あるいは露店商に對する再開を許可するかというような付帯条件をつけるなり、いずれかの方法を委員長においてとつていただくことを希望するものであります。
#35
○坂東委員長 今委員諸君のご意見も大體わかつておりますが、これは内部的に賛成もあり、あるいは反對もあり、意思が違うのでありますから……。
#36
○松野委員 外崎さんが言われたように、委員というものは黨議には束縛されるかもしれないけれども、委員の審議においてかくも束縛される必要はないと思う。殊にかくのごとき事情であれば、委員の意思によつて決定して差支えないと思う。かくも束縛されるということは、委員の自立性を疑うものであります。
#37
○松澤(兼)委員 その點につきましては、どういう問題でも御所見があるのでありまして、私自信もそういう經験があるのであります。自分一個の考えでやることもいいにきまつておりますし、また自分の考えを黨内で實現するということも必要でありますけれども、しかし少くとも現在こういう政黨というものがあつて、それに所属して、その政黨から委員として出席してきている以上は。やはり黨の意見というものは尊重しなければならない。こういうように考えるのであります。そこで私は、先ほど委員長が言われましたように、各委員の意見というものはよくつわかつているわけですから、これを全般的に言えば採決によつてやつていただく。しかしその内容というものは、請願の趣旨に反しない限り、委員長において理事諸君とお打合せの上で、この委員會の空氣をそれに反映するような、そういう趣旨へもつていつていただけば私はいいと思うのです。
#38
○川橋委員 私は大體採擇に賛成した一人でありまするが、實はこの請願の採擇については、議會の運營委員會で何か申し合せがあるそうでありますから、それも多少研究する必要があると考えます。警察法の委員會は非常に急速を要するような状態でありますから、引續いて開會するようなことになるとおもうのであります。午後早々に理事會を開會いたしますから、理事會で議院運営委員會の方針も研究して、その上で善處したいと考えます。これをお諮り願いたいと思います。
#39
○坂東委員長 今お聴きの通り川橋君の御意見があつたのでありますが、そうするとこの場合には採決延期という形ですが、川橋君の御意見に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#40
○坂東委員長 それではさよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#41
○坂東委員長 次に武庫郡町村に對し行政上特例設定の請願、これは簡單に農林省に對して要點だけちよつと……、後藤君。
#42
○後藤悦治君 重要な委員會がある由でありますから、要點だけごく簡單に申し述べます。本請願の趣旨は阪神間に介在いたしまする武庫郡に對しまする行政措置が、六大都市と差があるのでございますが、特に阪神間の特殊性を尊重していただきまして、行政上六大都市並みにしていただきたいというのが願意でありまして、そのうち農林省に関しまする部分だけを申し述べますと、たとえば縁故米におきましてもこれを認められていない。あるいは鮮魚介、青果物等の消費特定地域も同一の條件におかれておらない。こういう状態でございますために、非常に生活上困つておる。これを六大都市並みに繰上げてもらいたい、こういうのが願意でありまして、特に現在一部には同様に引上げられておる地帯もあるのでございますが、實塚の方面等が脱落しておるのでありまして、これらはまつたく阪神兩都とちつとも變らない状態にあるわけであります。これを同様に引上げてもらいたい。この點が農林省関係に要望いたしておりますところの本請願書の願意であります。
#43
○須賀説明員 武庫郡の問題でありますが、これは阪神間のあの一脈の中間都市につきまして、從来からも大阪、神戸並みに扱つてまいつておるのであります。武庫郡全體といたしましてはさようなことになつておりませんけれども、たとえば具體的に申し上げますと、縁故米につきましては住吉と魚崎と御影は、これは取扱い地域の中に入れておるのであります。それから野菜の指定消費地域につきましても、やはり同様にこの三つの町はいつておるのであります。特に武庫郡をその取扱いから除外しておるというわけではないのでありますから、そよう御了承願いたいと思います。
#44
○後藤悦治君 ただいま武庫郡の一部に指定してある、こういう當局の御説明でございますが、事實その通りであります。しかしながら御承知のように、阪神間の状態は、わずかに六里くらいの間に一連の連鎖状態をなしておるのでありまして、その三村と殘りの三村はまつたく状態が一つでございまして、むしろ區別があることがおかしいのであります。從つて本請願は、この取殘されておりますところの三箇町村に對しまして同様に指定されたい、こういう願意でございますので、その點の御見解を承りたいと思います。
#45
○須賀説明員 請願の趣旨はよく了承いたしました。しかしながら特に終戰後の各方面におきまする人口の移動等に伴いまして、從来の特別消費地域につきましては、當全各般の見地から再檢討を要する次第でありますが、現在の段階ではまたその檢討が十分にはなされておらぬのであります。從いまして、特別消費地域の全體の問題といたしまして、この請願の趣旨も十分に考慮いたしまして善處いたしたいと考えております。
#46
○坂東委員長 この請願につきましてはなお大蔵省、商工省が殘つておりますからして、本請願につきましては次に延期することにいたします。
    ―――――――――――――
#47
○坂東委員長 それではこれから警察法案につきまして發言を許します。發言はその申込み順によります。
#48
○矢尾委員 警察法案につきまして二三お伺いしたいと思うのであります。この示されておりまする警察法案が議會を通過いたしますると、九十日以内に實施しなければならぬのでありますが、これに對しまして當局においては、現在の警察官の配置の問題につきまして、どういうお考えをもつておられるかということをまずお伺いしたいのであります。現在は國家警察として一本に統率されついるのでありますが、この法案が通過いたしました暁においては、都市警察というものが分離をするのでありまして、その分離に際してどういう方法によつて分離されるか。この問題について私は佐賀縣地方において警察官の調査をいたしましたところ、國家警察に殘存したいという警察官が大部分を占めているのであります。こういう場合において當局は、どういう方針によつてこの配置をせられるかという點が一つ。
 それからこの警察法案によりますると、國家警察に所属するところの警察官に對しましては、警察大學であるとか、あるいはその他の教育施設においても相當完備されている點がありまして、都市警察の警察官ももちろん、これによつて教育を受けることにはなつておりますが、今日までの現状から見まして、國家警察に配置される者は将来に對する大きな希望をもてるような状態に考えられるのであります。しかしながら都市警察における状態は、都會が小さくなればなるほど、警察官の将来の昇進あるいは向上その他についても、あまり希望がもてないような状態におかれているのであります。こういう場合において當局は、どういうお考えをもつてこれを配置されるか。これは通過すれば三箇月以内において實施されるのでありますから、十分御留意のことと存じますので、その點についてお伺いしたいと思います。
 またこの警察法案によりますと、人口五千以上の都市は獨立するということになつておりますが、これは財政的の面において十分なる警察官を存置することはもちろん困難だろうと思いますが、その點については地方財政が確立するまでは、國または縣において、今日の状態は國庫補助をするとか、あるいは縣費補助をするとかいうことになつておりますけれども、ここにひとつ考えなければならぬことは、現在の警察制度におきまして、都市としてはそれだけの警察官は要らないのであるが、土地柄が重要な土地で、たとえば鐵道の分岐點であるとか、あるいはその他重要なる機関が存じておるがために、今日におきましては相當厖大なる警察署が設置されておりますけれども、この都市という面から見ますと、警察官が三名とか五名おればよいというような都市に對しましては、どういうお考えをもつておられるかということであります。たとえて申しますと、私の住んでおります滋賀縣の米原の町は、人口は六千か七千くらいの町でありますけれども、米原警察署というのもがありまして、これは東海道線と北陸線の分岐點にあたつておりますために、現在警察官が五十餘名配置されておるのであります。しかしながら米原の財政その他から言いますと、とうていこれだけの警察官を包容していく實力がない。また将来において地方財政が確立されるという見透しにおきましても、今日のごとく五十人、六十人の警察官を維持していくことは困難だろうお思うのであります。そういう點に對しまして、どういう對策をとられるのであるかということをお伺いしたいのであります。
 次に警察機能發揮の上におきまして、現在の制度のもとにおきましても、一縣において起つた事件が、たとえば他府縣に犯人が逃亡して他府縣の協力を求めた場合において、實際問題としましても、他府縣におきましては形式的にこれを協力をするとか、援助を與えるということが現在までの通例となつておるのであります。特に大事件というようなものでありますならば、また積極的な援助もしましようけれども、普通の事件に對しましては、全国的に協力をするというような態勢はとられておらないというのが現實であります。そういたしましたときに、今日地方の小都市が獨立したところの警察をもち、そうして犯人が大きな都市に逃げたという場合におけるところの警察署長の依頼というものが、はたして全面的に受け入れられて、十分なる機能を發揮してもらえるかどうかということを考えてみますときに、そこに相當な困難な状態を現出するのではないかということが考えられるのであります。現在一つの縣において犯罪が起つた場合に、犯人を追跡したり、逮捕に向う場合におきましては、その府縣から警察官が他府縣に出張して操作をするとか何とかいうようなことをやつておるのでありますけれども、小都市の少数の警察官が大都市、大府縣に逃げこんだような犯人を逮捕に赴くという場合におきまして、十分なる力を発揮することができないというような部面に對しまして、どういうお考えをもつておられるかということについてお伺いしたいのであります。
 もう一つお伺いしたいことは、この法案の第三十條によりますと、「都道府縣國家地方警察本部の長は、國家公務員法の規定に基き、警察管區本部長が國家地方警察本部長官の同意を經てこれを任命し、一定の事由により罷免する。」ということになつておるのであります。しかしながら私はこの點に對しまして、今日警察制度が地方の都市に分權せられたことは、いわゆるマッカーサー元帥の九月十六日附けの總理宛ての書翰にも示してあります通り、地方の完全たるところの分權というものをなさしめるということを一つの大きな目標になつておるのであります。その意味におきまして、地方の都市におきるいわゆる警察長というものは、地方の選任せらてている公安委員によつて任命される。また中央における長官も、中央において任命されるところの五名の公安委員が任命するということになつておるのでありますが、ひとり府縣におけるところの警察の長というものは、三十條の示すところによりまして、管區の本部長が國の本部長官と相談の上において任命するということになつているのであります。これは國家警察として一つの統一をとつていかれる上におきましては、非常に便利な方法であると考えるのでありますけれども、私はこの點に関しまして大きな疑問をもつているのであります。少くとも現在の官僚機構の温存という面におきまして、あらゆる面において、地方の出先官廳の整理が叫ばれているというようなことも一つの實例でありますけれども、この面におきましても中央の、いわゆる官僚機構の温存というものが、もくろまれているのではないかという疑いをもつものであります。すなわち地方の都市におけるところの長官というものは、地方において選ばれたところの公安委員によつて任命されることになつておりますけれども、ひとり府縣におけるところの警察の長は中央において、いわゆる管區の長官において選任する。現在と方法は變つておりますけれども、大體において同じような方策がとられているということになるのであります。しかしながらこの點に對しまして、府縣の公安委員というものは、運營であるとかあるいは指導であるとか、その他の部面に對して協力態勢をとることはできますけれども、この府縣の警察長に對するところの何らの權限をもつていないのであります。すなわち都市におけるところの公安委員は、任命したり罷免したりするところの權利をもつておりますけれども、ひとり府縣の公安委員というものは、何らこれに對するところの罷免權も任命權ももつていない。ただこれに對して協力態勢をとるというような状態であるのであります。今日のいわゆる警察機構というものを静かに考えてみましたときにおきまして、地方の警察に對するいろいろな制度が行われております。地方の縣會におきましても、警察委員會とか、いろいろ委員會が置かれておりますけれども、これは單に形式的におかれているのでありまして、警察運營その他におきましては、大體その警察部長の方針通りに行われているということが現實の状態であります。こういうことから考えてきましたとき、今日府縣だけがなぜそういうような方法がとられているのであるかということを私はお尋ねしたいのであります。少くとも今日までの、地方の自治體がほんとうに獨立するということが叫ばれているという點において、その大きな癌となつているものは、警察制度そのものに對しましても大きな疑義が含まれておつたのであります。私はさきの議會の地方自治委員會におきましても、この點について強く當局に質問したのでありますけれども、いわゆる地方自治體を今日まで誤れる方向に導き、又地方自治體を惑亂してきたところの原因というものは、今日までの警察制度にあつたということ私は強く力説してきたのであります。また警察が、中央集權的に地方の意思が何ら入れられずして行われるということは、こういう問題を惹起する上におけるところの大きな癌であると考えているのであります。そういう意味におきまして、私はこの地方の長官を選ぶに對して、なぜに府縣のみにおいては公安委員において選ぶということにしなかつたかということについてお伺いしたいのであります。
#49
○久山政府委員 自治體警察が出てまいります場合に、警察官の配置をどういうふうにするか。これは自治體が自分の區域内の治安の責任をみずからが負うという、自治の建前と申しますか、民主的な警察機構の行き方から、その自治體における人が警察官になるということが最も望ましいのであります。從いまして本人の出生いたしました土地、その他本人の意思、希望等も斟酌いたしまして、なるべくそういつたような、その土地に縁故の深い人を、できるだけ本人の希望に從つて、その土地の警察官として勤務のできますように配置をいたしたいと考えておるのであります。しかしいろいろの関係で本人がこれを希望しなし、自分は何々の町の出身であるこれども、こういう所で勤務いたしたいという場合におきましては、できる限り本人の意思を尊重いたして配置を考慮いたす。もちろん希望ばかり聴いておりましては全體の配置ができませんので、聴かれない場合もあるわけでありますが、第一義的には、本人の希望を非常に尊重して配置をいたしたいと考えておる次第であります。そういたしまする場合にどうしてもある自治體においては、希望する人がいないということになります。しかしそこにその自治體が治安の責任をもちます限り、所要の警察官を必要といたすのでありますから、その場合に本人の希望にかかわず全體の考慮の上で必要なる數の警察官を配置いたします。從つて将来そういうところでやりたくないということであれば、それは自治體にほんとうに希望する警察官が、その自治體の力によつてでき上るまでの間、そういう者が新しく養成されて、自治體がみずからの責任において適當なる警察官を配置することができるまで、あるいは六箇月なり八箇月の間は、少くとも半ば強制的に、その土地で希望のいかんにかかわらず勤務させることにしなければならないと思うのです。しかしどうしてもそこで俺はやりたくない、それじややめるというものをやめさせないわけにはいかぬのでありまして、そういうこともないかと思いまするが、ある自治體において全然希望者がない。そこで勤務を命ずるならば、全部やめてしまうということにもしなる場合におきましては、これはどういう法律をつくりましても、本人がやめて、やらないということになれば、これはできぬのでありまして、あるいは場合によりまして、全然現在のまま警察官の配置轉換だけによつては、警察官が得られないような場合が生じないとも限らぬのでありますけれども、それはもう法律なりその他の力をもつてはいかんともすることができないものでありまして、できるだけそういうことのないように努力いたしまして、少くとも新しく自治體が、適當なる人を養成して任命することのできますまでの間、何とか現在の警察官で、そういうことのないようにやつていくように工夫をする、努力するという以外に方法はなかろうと考えておるのであります。
 それからこの法案にありますように、いろいろ多數の獨立した警察にわかれるのでありますけれども、教養だけはひとつ國家の手で十分なる施設によつて今まで以上に努力を續けていきたい。從いましてできますれば、これから新しく警察官になる人は、すべてこの法律に書いてありますような、警察大學校を卒業するという程度にまで、なるべく早くもつていきたいという希望をもつておるのであります。それぞれ自治體の警察官であろうと、國家地方警察の警察官であろうと問わないのでありまして、おそらく自治體におきましても、なかなか適切な教養施設をもつことは困難でありますので、むしろ教養はあげて、この警察の管理に属します施設において十分なる教養を受けるということによりまして、全部が同じような教養をもち、ともに協力して國家全部の治安を、それぞれの警察の地域の分擔はありますけれども、そういう觀點におきましては、ともに協力し合うということによつて、治安の維持を全うしていくようにいたしたいということを考えておるのであります。教養施設につきましては、自治體と國家警察との間に何らの區別なく、できるだけ高い教養を得たいと考えておるのであります。
 それから、ある自治體におきまして、その自治體の地域に鐵道であるとか、その他いろいろ警察上人員を要する施設がありますために、そういうものがなければ、もつと警察官の數が少くて濟むような場合にその費用の擔當を、将来獨立いたしました場合に、その自治體がもつということについてのお尋ねであつたようでありますけれども、これはそういう施設があるというその自治體におきましては、やはり治安の責任をもちます限り、所要の警察官を必要といたすのでありまして、そういう施設に對しましては、それは俺の方の自治體に直接関係がないから、そういうような經費は出さないということになりますと非常に困るのでありまして、その自分と地域内にそういう施設があるということでありますれば、それに必要な限りの警察官はやはりその自治體がもつていただくということにならざるを得ないと思うのであります。もつともそれが、全然特別に自治體に関係がないと申しますか、たとえば進駐軍の倉庫というようなものがありまして、これを警備するために特に多數の警察官が要るというような場合におきましては、それは特別に國家地方警察と申しますか、國の負擔における警備力によつてそれを警備をするという等の方法が考えられるのでありますけれども、通常的に存在しております施設に對する必要な警備というものは、やはりその自治體において所要の警察力を負擔していただくというよりほかにこれは仕方がないじやないか、かように考えるのであります。
 それから犯罪などが起りました場合の検擧の連絡などが、こういうように小さな自治體がそれぞれ警察をもちまして、多數存在いたしますということになりますと、不便と申しますか、能率が落ちるという點については、まつたくお尋ねの通りでありまして、これはよほど連絡をよくするということに関する特別の工夫がいたされませんと、御心配のような検擧の能率が落ちるということはたしかに考えられるのであります。現在のような一體適な機構のもとにおきましても、やはり發生した土地を直接管轄しておる警察が一番責任を感じます関係もありまして、全然関係のない府縣に、いろいろ犯人の捜査について依頼をいたし、手配をいたしましても、それは直接責任のある警察が考えるほど、それを自分のことのようにして考えてくれるかどうかということについては、現在の制度のもとにおいても遺憾な點がなきにしもあらずであります。しかしまた他面、警視廳のような警察は、犯人が東京に関係がある、東京に逃げてきたという場合においては、相當の部分をその他方の警察の協力のために常時割いておるのでありまして、将来は制度が變りました機會に、頭をすつかり切りかえまして、自分の所の治安は自分が守るということは、同時に、ほかで起きました犯罪についても強力を求められた場合、あるいはそれが犯人であるとおぼしき者であることがわかつた場合においては、現在は人ごとのように考えておることを、現在以上にそれを自分のこととして互いに協力し合うという根本的な気持の上に立たなければ、こういつた制度の効果的な運營というものは非常にむずかしいのであります。これはそういう根本の考え方を現在以上に連絡、共同ということにもつていくことが最も必要であり、そういう気持の上において、犯罪捜査については、関係の警察が平素から十分協力するような方法を講ずることによるよりほか仕方がないのでありまして、常時會議を開くなり、一定の方式において共同して捜査にあたるようなことを、お互いに相談しておくという事實上の連絡を密にすることによつて、そういう缺陥を補つていきたいと考えております。
 それから都道府縣の國家地方警察の長の任命は、國家地方警察管區の本部長がこれを任命するという點についてお話があつたのでありますが、これは今度の制度において、一方におきまして警察の民主化を徹底し、地方分權を強化すると同時に、やはり國家がみずから最後の治安の責任者として、直接自分が事由に動かし得る國家警察を殘すという一本の行き方で行つております。二方に國家警察――もちろんこれについても五人の公安委員會がこれを管理いたし、その長を任免いたすのであります。從つてその國家公安委員會の管理に属しまする國家地方警察というものは、一貫してこれは國家警察でありまして、從つてその職員の任免は國家公安委員會の管理の系統によつてこれを行うという建前をとつておるのであります。つまりこれは自治體警察を認められました實體と對立する考方でありまして、自治體警察をもちまする警察におきまして、これの公安委員が完全に警察を管理をして、職員の任免をやるということと對等になるのであります。ただ現實に國家地方警察が活動する分野が、都道府縣の自治體警察を除いた區域において活動をいたすのでありまして、その活動につきましてはその都道府縣の公安委員がこれを完全に管理をいたし、警察の執行運營については、その自治體の中から選ばれた公安委員がこれを管理をいたす。しかしこれはあくまでも國家警察でありますので、その身分は國の中央國家公安委員會の系統においてこれを處理する。こういう考え方でできておるのでありまして、都道府縣が一つの自治體として、それ自身の警察をもつということを認めませんで、それは五千以上の市及び町村である自治體に限つて、それ以外の地域に國が直轄してこれを維持する。こういう建前をとつている関係上、そういうふうな人の任免の形がでてまいつておるのであります。
#50
○矢尾委員 ただいまの説明によりまして大體わかつたところもありますが、腑に落ちないところもあるのであります。それは都道府縣の國家地方警察に對して、各府縣の公安委員竝びにその他の人民によつて、警察長の専横その他に関し、何ら制裁を加えるとか彈効をするということの規定を設けられておらないことは、少くともこの警察長の誤れる方針に對しては、ただ單に管區の本部長官がこれを免職せしめる。あるいは移動せしめるというような方策が與えられておるのみであつて、何ら府縣知事その他において、誤れる行動に對しても處断するところの方策がとられておらない。都市警察に對しましては、この點において十分民意が入れられておるのでありますが、都道府縣の警察長に對しては何らの規定が設けられておらないことは、私はその警察長に對して、あまりにも大きな權限が與えられておるのではないかと考えるのでありますが、この點に對しまして、警察長がその府縣の民衆から指彈を受けるような行為があつた場合における對策といようなものに對しては、どういうようなお考えをもつておられるか、ちよつとお伺いしたいのであります。
#51
○久山政府委員 ただいま申し上げましたように、都道府縣の公安委員會がその警察の執行を完全に管理いたすのであります。從いましてその執行を管理いたします公安委員會の管理に服さないというふうなことがありました場合に、それが普通の、つまり警察官としての法律に定められました義務に從わない、運營の管理によります行動が適切でないというふうな場合に、直ちにその公安委員がこれを罷免することはできないのでありますけれども、それは運營管理の責任をもつております都道府縣の公安委員、あるいはそれを所轄しております府縣知事が、十分その事情を管區本部長なり、あるいは國家法案委員會の方にお傳えになりますれば、おそらく事實上そういう不都合な事態は起らないのではないかというふうなことを考えておりますし、またそういうことのないように、管區本部長は常に都道府縣の公安委員會と堅密なる連絡を保つべきことを、法律に規定いたしておるのでありまして、管區本部長の大きな仕事の一つは、都道府縣の公安委員會の運營管理というものと、國家警察としての身分関係というものとの調整と申しますか、連絡にあるのでありまして、そこは事實上の緊密なる連絡によりまして、そういう今考えられますような、不都合な事態は生じないものと期待をいたしておるのであります。
#52
○外崎委員 警察問題の一つでありますが、ちよつと横に外れるようになるかもしれないが、世耕事件の場合に、警保局長に、現閣僚の中に二三名その事件に関係があるかということを質問したら、そういうことはないと警保局長が言われました。しかるについ先だつて、内務大臣がこの世耕事件に對して取調をうけておるが、これに對する内容を警保局長にお伺いいたしたいと思います。
#53
○久山政府委員 それは檢事局の方で取調べをいたされたことをおつしやつておるのであろうと思うのでありますが、私直接扱つておることでありませんので、直接の報告として聴いたのではありませんが、それはなにか摘發指令書というものを福委員長の名をもつて出しておられることがあるのでありまして、その摘發指令書の内容につきまして、関係の大臣と協議の上左のことを指令するのであるというふうなことが、その指令書に書いてあるのであります。そういう関係から、はたして協議がされた上でその指令書が出されたかどうかということにつきまして、その指令書に書いてある関係の大臣を喚んで檢事局で調べられたのであろうと思うのであります。從つて私が、世耕事件に大臣が関係があるかどうかというお問いがありましたときに、まだそういうことは聞いておりませんし、またそういうことについて何ら私の方に情報がはいつたことがないということをお答えいたしたのであります。
#54
○外崎委員 傳えられるところによると、まだ現内閣の閣僚に関係ある者がニ、三あるということですが、これは對する警保局長の御意見をお伺いしたい。
#55
○久山政府委員 現内閣の閣僚の中に、世耕事件に関係があると人がいるというようなことは、警察の調べに関する限り全然聴いておりません。
#56
○外崎委員 もし各位の御賛成がありますれば、内務大臣に對してこの委員會において今までの世耕事件の經過を承りたいと考えております。もう一つは、委員長に對してもお伺いしますが、この間の新聞紙上によれば、坂本代議士がこの事件に對して召喚されたということが出ております。こういうことはお互い同僚議員としてまことに遺憾に思つております。それは何ら関係がないということを聴いておりますが、それに對して委員長から一應その經過を承りたい。
#57
○坂東委員長 それはちよつとこの委員會の席上ではまずいと思います。
#58
○外崎委員 いつの場合にしますか。
#59
○坂東委員長 それは別の場合にいたします。
 お諮りいたしますが、今日は部屋の都合でこれで質疑を切りまして、再開は十七日の月曜日に午前午後を通じてやります。
 なおちよつと御報告事項がございます。それは兼ねて委員長、理事とも関係しておりましたところの、内務省解體後の機構についてきよう政府から發表がありますことを、この委員會に委員長を通じて内報が政府側よりありました。それは本日閣議で決定するはずであります。それは本年十二月末日限り内務省は廢止、次は廢止後九十日後内閣に内事局というものをおきまして、次の機関がつくられるまで選擧あるいは行政事務を扱うことになるわけであります。なおまた地方財政委員會ができます、次には建設院ができる。こんな工合に大體関係方面と了解をみて決定したわけであります。いずれ正式に提案されますが、ちよつと申し上げておきます。
#60
○松野委員 ただいま委員長の語答辯の、別の場合というのは、この委員會を通して御返答するが、本日は時間がないので他日の委員會に讓ると解釋してよろしうございますか。
#61
○坂東委員長 別に委員會でもよろしいでしよう。
#62
○松野委員 しかし委員會においての委員の發言に對して、別の場合に説明するということはあり得ないことだと思います。
#63
○坂東委員長 それではここで申し上げますが、私は證人としてまいつて證言したということで、それ以上のことは言えません。
 本日はこれをもつて散會いたします。
  午後零時四十八分散會
ソース: 国立国会図書館
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