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1947/11/19 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 治安及び地方制度委員会 第36号
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1947/11/19 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 治安及び地方制度委員会 第36号

#1
第001回国会 治安及び地方制度委員会 第36号
昭和二十二年十一月十九日(水曜日)
    午前十時五十二分開議
 出席委員
   委員長代理 理事 門司  亮君
   理事 矢尾喜三郎君 理事 高岡 忠弘君
   理事 川崎豊次郎君 理事 酒井 俊雄君
      大石ヨシエ君    笠原 貞造君
      菊池 重作君    久保田鶴松君
      松澤 兼人君    大澤嘉平治君
      佐藤 通吉君    千賀 康治君
      坂口 主税君    中垣 國男君
      小暮藤三郎君    大村 清一君
      中島 守利君    外崎千代吉君
 出席政府委員
        内務事務官   久山 秀雄君
 委員外の出席者
        專門調査員   有松  昇君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 警察法案(内閣提出)(第九〇號)
    ―――――――――――――
#2
○門司委員長代理 それではこれから會議を開きます。
 本日は委員長が所要のため、私が委員長の委任によりまして、委員長の代理を勤めます。本日の日程は警察法案でありますが、日程に入る前に、昨日の千葉縣の警察制度に關する組織の報告を、專門調査員であります有松氏から御報告を願いたいと思います。
#3
○有松專門調査員 それでは簡單に御報告を申し上げます。昨十一月十八日千葉縣廳に、衆議院からは本委員會の委員といたしまして、坂口、小暮、笠原、久保田、門司各委員、地元委員として片岡君が御出席になりました。また参議院から、吉川委員長を初め十五名の治安及び地方制度の委員諸君が御出席になりまして、千葉縣廳におきまして川口千葉縣知事、山口千葉警察部長以下係官が参集いたしまして、一堂に會しまして經過の報告を聽き、意見も交換いたされたのであります。
 その概況を申し上げますと、まず川口千葉縣知事が挨拶を述べられまして、これに對して吉川委員長が謝辭を述べ、それから山口警察本部長の經過報告がありまして、内務省の加藤企畫課長がいろいろ説明をされまして、正午過ぎに散會をいたしたのであります。
 次にこの調査をいたしました眼目は、大體におきまして今まで、どういうふうに千葉縣でやつてきたかという經過を聽くのが主でありまして、ちようど川口千葉縣知事の挨拶をいたしましたその要旨に、大體のことがうたつてありますので、川口千葉縣知事の挨拶要旨を簡單に御紹介申し上げます。それによりますと、警察制度改革に關しては、去る十一月六日に連合軍司令部からイートン氏が來縣されて、新法案の内容について説明せられ、この法案の國會通過前に、千葉縣がその内容を実施する旨の指令に接したのであります。そこで千葉縣といたしましては協議の結果、十一月七日から三週間の時日をもらいまして、十一月二十七日までに改革案實行の運びとなつたのであります。縣としては目下鋭意努力中であるとのことであります。すなわち縣は、去る十一月十五日、縣の認定いたしました七つの市及び五十五の町村に對しまして、關係當局者を招致いたしまして、法案の実施内容つきまして説明をし、公安委員を一週間以内に選定するように依頼をいたしたのであります。また縣の公安委員の選定は、來る十一月二十一日縣會の常任委員會を招集いたしまして、その承認を得まして選任する豫定であるそうであります。法案實施上困難の點は、公安委員の選定、應舎の問題、委員の配置轉換等であるそうです。時あたかも歳末に際しまして、地方警察としましては多難のときではありますが、來る十一月二十七日までに間に合うように努力中であるということであります。山口千葉縣警察部長の發言によりますと、今度の制度の實施につきまして、いろいろ難點とか障害とかがございまして、法案審議の上から申しましても御参考になり、あるいはこれから先の各縣の参考にもなるかと存じますので、ごき簡單にその所見をお傳え申し上げておきたいと思います。
 第一點は、各市におきましては自治體警察を好まないと言つているものはないようでありますが、町におきましては好まないものもあるのでありまして、現に人口二萬ぐらいのある町の町長から、財政状況を訴えられまして執拗に好まずという主張をせられた。そういうわけでありまして、人口一萬を前後する町におきましては、財政の理由から、本心から自治體警察を希望しない所もあると思う。また現在の自治状況から見まして、小數の警察官では不安であるという見地からも、自治體警察を忌避している向がある。これらの好まぬ町の數は大體二十一ぐらいであるということでございます。
 それから第二點といたしましては、千葉市の千葉警察、これは國家警察と自治體警察とが妥協することになり、船橋市の船橋警察署もその通りになり、市川市の市川警察におきましては特殊事情があり、これも全國的にそういうことがあると思うのでありますが、すなわち市川市におきましては、帝都へ通ずる千葉縣の關門でありまして、そこには特設してありますところの警備隊があり、これは性質上市の自治體警察ではやりにくい節があるからにして、国家警察が自治體警察の委任を受けてやつていく。従つて市川署には國家警察署の支所を置くようになるというふうなことを言つておりました。
 第三點といたしましては、受持人口が自治體警察の方が少い。これは八百の市町村に自治體警察を設ける際に、九百對七百という比率をそのまま適用したからであるということであります。またマッカーサー元帥の書簡によりますれば、國家地方警察は三萬、自治體警察は九萬五千人でありまして、自治體警察を置く市町村は二千と豫想しておりますが、この全國で二千という豫想は、よほどむずかしいと思う。千葉縣といたしましては八十という豫想でありますが、これは減つております。でありますから全體の三萬對九萬五千の比率は再檢討の要がある。三萬をもつと増加する必要があると思うということを、千葉縣で申しておりました。
 第四點は、共同の組合式の警察を認められないかということであります。たとえば市川市の隣りは川を距てて浦安と南行徳の二つの町が竝んでおりますが、こういう場合におきまして、各町が別々の警察をもつといたしますれば、それぞれ五、六人くらいずつしか警察官が置けない。これに反しまして、この三つの市と町が連合して一つの警察署を設けるということになりますれば、相當の人數を置き得るということになる、こういうふうに言つております。
 それから第五點は、將來國家地方警察と自治體警察との間に人事交流を認めてもらいたい。これはいろいろの關係から、志氣作興の上から講じてもらいたいということを言つておつたのであります。
 第六點といたしましては、公安委員の選考基準は狭すぎて人選に困難を感ずる。教職員はよいということになつたそうであるけれども、これをもつと廣くして人材を求めやすいようにする必要がある。
 第七點は、警察署長の資格として、國家警察は警視または警部、自治體警察は警部補以上ということでありますけれども、六十二の町の警察には以上のものを配置することになるし、人員の不足を來たし困難を感ずる。巡査部長の古参の者を、便宜警部補と同格に扱つて任命するように、便法がとれないであろうかどうかということを言つております。
 第八點は、市町村財政の上から見まして、町村合併をしなければやりきれない。それからまた國家警察の經費は、一定の時間以後は全部國庫の負擔となるのであるが、これは一面縣の立場として、縣と警察との關係が離れてしまうということになるのではないか。全部國庫が負擔しては、窮屈で動きがとれなくなるようなおそれがある。
 第九點といたしましては、この警察制度の大變革に際しまして、警察官の人心が相當に動揺いたしておる。これは人情の上から見てやむを得ないことであると思うが、憂慮すべき事柄である。經濟警察の方は、制度の將來が全然縣としては不明であるから、一層動揺がはげしいように見受けられる。
 第十點といたしましては、千葉縣のごとき短期間の準備期間を持つて、實施に移さんとすることは、非常に困難がある。さりとてこの準備期間をもつてあまり長くすると、前述のような動揺を大きくして、弊害を多く伴うことになるからして、これらの點は愼重に考慮を拂う必要があると思う。こういうようなことをまだ數點申しておりましたが、長くなりますので省略いたしますが、こういうことを言つておつたのであります。
 これらの諸點に對しまして、ちようど出席をせられました内務省の加藤企畫課長が一々答辯をしておられたのでありますが、これらの點につきましては、なお本委員會におきまして、委員の各位からも御質問があり、政府當局も御出席になつておりますから、私が御報告の事項といたしますよりは、これからの御審議事項にしていただいた方が適當かと思いますが、この程度で報告を終ります。
#4
○門司委員長代理 それではこれより前日に引續きまして質疑を續行いたします。松澤兼人君。
#5
○松澤(兼)委員 二、三の點について御質問申し上げたいと思います。第一の點は、他の委員諸君からも御指摘になつたところでありますが、この警察法の目的とするところは警察行政運營の民衆化、地方分權という狙いであるように承つているのであります。これはたいへん結構なことでありますが、同時に反面、警察力というものを非常に弱體化するおそれがあるということは、憂慮すべき事態ではないかと考えるのであります。なるほど定員は三萬人増加せられたのでありますが、全體的に考えてみて、最近の警察力が非常に弱體化しているのが、この制度の變化によつてさらにその弱體化が拍車をかけられるのではないか。民主的な運營にということはまことに結構なことでありますが、同時に日本の國民の現状として、この民主化の運營ということについてまだ十分自信もないし、また經驗も積んでいないので、こういつた形の上において、非常に立派な運營のしかたが、實際においてうまくいくかどうかということが懸念されるのであります。そこで現在すでに警察制度の改正と關連なく、一般的にいつて警察官の素質が低下しつつある。これをさらに警察制度の改正によつて弱體化するということは、國家治安の保持の點からいつて、非常に心配すべきことであると考えるのであります。これにつきましては、各級の警察學校というものが將來できることになつているのでありますが、しかしこういう警察官の練習、訓練をやる機關というものはすでに存在していてもそういう場合においても、素質の低下が避け得られなかつた現状からして、よしんばそういう教養の機關があるにいたしましても、將來素質の低下あるいは警察力の弱體化ということが起ることは、必然であろうと考えられるのであります。この點について當局は、いかなる方法によつて、この弱體化していこうとする一般的な傾向、及びさらにこの改正によつて結果せられるであろうと考えられる弱體化につきまして、措置を講ぜられるお考えであるか、伺いたいのであります。また最近における警察官の募集状況というものが、警視廰あるいは他の道府縣におきまして、非常に思わしくないということも考えられるのでありまして、この點につきまして、どういう方法で優秀なる警察を募集し、定められた定員の中において警察力の向上、振興をはかるお考えであるかを承りたいのであります。かつまた法律の法律の執行が、地方的な状況によつて影響せられるところが、非常に多くなりはしないかということが憂慮せられます。財政上の負擔が十分でないような場合におきまして、従つて安心して警察官の職務に従事することができないということを考えてみますと、法律によつて要求せられることが、その地方々々によつて弱められていく心配が非常にあるのであります。たとえてみますと、やみの取締りということについても、警察力が非常に弱體化している市町村においては、思うようなやみの取締まりが行われないだろうということが想像されます。すでに國家的な統制の中にあつても、あるいは府縣においてもその取締りは必ずしも一律でない。政府の要求せられるような統制が行われていないということが、卑近な例でありますが、東京、大阪あるいは兵庫などにおいての第三國人等の關係において、必ずしも一律でなかつたという實例もすでにあつたのであります。これがさらに警察力が地方的に分散せられ、しかも市町村の財政的な負擔力に應じて警察力がさらに弱體化してまいりますときには、國家が要求する法律が平均的に行われないということが起こつてくることは、必然であると考えられるのであります。かくのごとく法律の執行が、土地の状況や市町村の財政力によつて、差別が生じてくることは好ましくないのでありますが、全體的な一つの法律の執行を一律にしていくという點について、どういう方法でやつていかれるかを伺いたいのであります。
 さらに待遇の問題でありますが、自治體警察においても身分は國家の警察職員ということになつております。經費は市町村の負擔でありますが、當分の間は國庫及び都道府縣で負擔することになつております。これは市町村の財政負擔力というものが安定しない状態にある間、當分の間國家及び都道府縣が、その經費の負擔をするという規定だろうと考えるのでありますが、當分の間というのはいつごろまでくものであるか。純粋に市町村の財政的な負擔となる。――つまり完全な警察制度の切替えはいつごろ行われる豫定であるか、その見透しについてお伺いしてみたいと存じます。一應ここで止めておいて、さらにお答えにより質問したいと存じます。
#6
○久山政府委員 警察力が、こういつたような警察制度のもとにおいては、より一層弱體化するおそれが非常にあるという點について、ただいまお話になりましたことは、私どもも非常に心配をいたしておるところでございます。この制度を採用いたします根本の考え方としては、お話にありましたように、現在わが國がおかれている立場からいたしまして、いわゆる民主化と申しますか、民主主義的な組織の上に國家の再建をはかることが、至上の理念として取り上げねばならない状況になつておると考えるのであります。これを運営營していく場合の運營の仕方として、國家的な統一を強化する面からいたしますれば望ましい考え方と、地方分權を強化して、眞に民主的な地方の自治に即した治安維持のやり方において、いずれも重點に置いて新しい警察制度を立てるかという、この二つの問題の調和ということに非常な苦心をいたしました結果、本法案は、一方において地方分權を非常に強化いたしました治安維持というか、國家的統一を保持するという面からの要求によります國家地方警察という二つの建前になつておるのであります。こういう制度をとりますために、それまでの間全體的な統一を保持するという面からの二つの建前になつておるのであります。こういう制度をとりますために、それまでの間全體的な統一を統一を損うこともでてまいりますことは、こういう建前に立つた制度を打ち立てた以上は、萬やむを得ないと考えるのであります。國家の法令の執行に際しては、地方的な要求が國家的統一という面から、現在よりも弱くなるのでありますが、それはこの國家的な法令の精神をよくこの地方の實情に適合せしめ、地方的にこれを立派に運營していくことの方が必要であると考えるのでありまして、その間おのずから一種の地方的な要求を活かしながら、しかもそこに國家的な統一を損わないということが、眞の民主的な制度の建前であろうと思うのでありまして、いろいろ國家制度の結果、地方的な實情による執行の程度の差異が、現在以上に生じてくるのはむしろ當然だと考えるのであります。従つて經濟警察というようなものでも純然たる地方的な実情に任すことが、國家の統一にも、統制經濟の運營にも支障があるものは、この際こういう制度のもとに警察が擔當することが適當でないということで、先日もお話し申し上げたように、近く成案を得て別個の組織において、これを運營するように考えている次第であります。この優秀なる素質のよい警察官を得ることが、何と申しましても、いかなる制度のもとにおきましても、立派にその本來の目的を達する上に必要なことでありまして、これにつきましては、従來とも努力を續けているわけでありますけれども、何と申しましても、刻下の財政經濟的な事情というものが全般的においかぶさつておるのでありまして、警察に従事する者のみが他の一般的な社會の水準を超えて、特にこれに特別の待遇を與え、特別に優秀なる者のみを採用し得るような方法も實は困難なのでありまして、これは結局國民全體がよく、こういう時代におきまする警察官の任務、治安の維持というふうなことに對する理解ある協力をされるということが、どうしても立派な人を得る基礎的な條件になると考えるのであります。もちろん政府といたしましても、苦しい中で待遇の點につきましても、殊に教養などにつきましては、今後一層こういう制度ができました機會に、上は大學校的な内容の充実と同時に、各地方警察本部にも地方警察學校を完備いたしまするし、府縣毎にも現在ありますものを一層充實いたしまして、少なくとも教養の點においては缺くることのない制度の完備と相まちまして、一般的な國民の心からなる理解によりまして、現在日本のいろいろの條件のもとにおいて、できます限り優秀な人が警察職を奉ずることができるように、また警察官につきましては、一層あらゆる面からの教養を高めまして、かかる制度によりましても、警察官の素質の向上という點につきましては、今後最も力を入れて、いろいろ警察の分散いたしますことから生じますます陥を補うことに最善の努力をいたしたい、かように考えておるのであります。非常に雜駁な説明でございますが、大體そういうように考えております。
#7
○松澤(兼)委員 先ほど、やみの取締りのことを例に引きまして申し上げましたことは、誤解があるようでありますから、もう一度申し上げます。やみの取締り等においても、府縣ごとに従來の取締りが違つておつた、そこで一つの法律が執行される場合におきまして、その自治體の警察の組織、あるいは定員、財政負擔等の關係から、眞に國家なり、あるいは政府なりが要求するような法律の執行が一律に行われないのではないか。そういうような法律の執行が地方的に差別があつて、それによつて受ける利益、不利益が全國民に平等に行われないということは不合理であるので、かかる市町村のいろいろの事情による法律の平均的に行われないという問題に對しては、どういう方法でこれを、一律平均的に法律の執行が行われるようにするかということの質問に對しまして、先ほど申しましてやみの取締りでも、從來いろいろと差別があつたという引例にしたわけでありまして、この點はさらに御答辯願いたいと思います。
 さらに、次に定員の問題であります。定員はこの法律の中においてはつきりと示されているのであります。しかしただ多少疑問になるところがありますので、その點を質問してみたいと考えるのであります。その第一點は、鐵道司法警察官というものが發足する。これは御所管でないから、はつきりしたことは言えないかもわかりませんが、實際承認せられた鐵道司法警察官の定員はどのくらいのものであか。さらに海上保安隊と申しますか、コースト・カードのような制度が、近くうまれるというふうに聞いておるとでありますが、これがどのくらいの定員のものであるのか。この點御存じでありますれば、お伺いいたしたいと思います。
 それから、従業婦人警察官というものがあつたのでありますが、婦人、少年、少女に對する保護のために、婦人警察官が相當の成績をあげておるということは存じておるのであります。こういう婦人警官というものが、將來どういうふうになるのか。四十六條によりますと、定員の點につきまして詳しく規定しておるのでありまして、市町村警察吏員の定員は、地方的の要求は應じてその市町村が決定する。しかし全體が九萬五千人のわくの内である。そして地方自治財政が確立するまでは、政令によつて市町村の警察吏員の定員を定める。そこで將來市町村の財政が確立した場合においては、九萬五千人のわく内において、これが配分をすることになつておるのでありますが、現實にこの警察制度が實施せられる場合における配分方法は、どういう基準によつて行われるか。もちろん人口あるいは都市的形態ということが。重要な基準になろうと思うのでありますが、これを決定する方法は、どういう方法によつてやられるのか。さらに四十六條の中におきましては、「市町村の人口に應じ、有効に警察事務を行うに必要な專門家、技術者、書記及び雇傭人の數及び種類を明示する。」とあるのでありますが、これらの人々は定員の中に含まれるものであるか、あるいはまた定員の外において決定するものでありますれば、これらの全體の數は、ほぼどのくらいのものになるであろうかということをお聽きしたいのであります。
 なお定員の問題に關連いたしまして、三十九条には「都道府縣國家地方警察の機關及び職員に關する細目的事項は、國家公安委員會がこれを定める。」というふうになつておるのであります。ところが、自治體警察はおける警察職員の任免、給與を含むその他の事項は、國家公務員法の精神によつて、市町村條例でこれを定めるということになつております。市町村條例でこれを定めるということになれば、市町村議會にかけてこれを決定するわけだろうと考えるのでありますが、都道府縣國家地方警察の機關及び職員は、三十九条條において、一方的に公安委員會がこれを決定するだけであつて、都道府縣議會あるいは國會等に、これがかけられておらない建前になつております。これはやはり國會なりあるいは都道府縣議會なりの、同意または承認を得るということが適當ではないかと考えるのでありますか、この點につきましてお答えを願いたいのであります。
#8
○久山政府委員 地方的な状況によりまして取締まりが一律にいかない、いろいろその土地々々の事情等によりまして、取締りの差異があるということにつきまして、どういうふうなこれを矯正する方法があるかという點につきましては、現在は統一的に國家が運營をいたしておるのでありますが、もちろんそういう中におきましても、地方的な實情によりましていろいろ差異が生じます。しかし、主として地方的に差異があるということの一番大きな問題は、經濟警察に關して起ることが多いと思うのでありまして、それ以外の點につきましては、あまりそういう地方的な差異というものも少いのでありますが、要するに經濟に關するいろいろな警察の問題につきましては、相當その地方の實情によつて、重點が違い、またそれに對する扱いがいろいろ違つておることは、ある程度やむを得ないのでありまして、現在におきましても、その地方々々によりまして、いろいろ取締りの内容について相違があることは、ある程度認めておるのであります。ただそれが、この新しい制度の上におきます場合におきましては、自治體においては自治體自體が最高の警察の責任と権威をもつわけでありますので、おのずと自治體のみの利害に拘泥いたしまして、一層ある種の、殊に経済的な関係における警察に関しましては、著しくそれが自治體本意に偏しまして、國家としての全體の施策を害するというような點につきまして、非常に心配されることが多いのであります。そういう觀點からいたしまして、特にそういう面から起こりまする利害によつて、國家の全體的な施策を害するような経済の問題につきましては、この制度のもとにおきましては、うまく運営ができないというおそれがありますので、それは一貫した同じ組織のよう統一ある取締のできまするような組織に改めねばならぬので、現在案を練つておるような次第であります。それ以外の、本来の警察に負わされました問題につきまして、地方ごとに相違があつた場合の處置につきましても、これは自治體が責任者でありますので、ある程度この地方の實情が反映いたしまして差異が生ずるということも、これはもうこういう建前をとります以上、ある程度はやむ得ないとしなければならぬのであります。しかしそれにもおのずから一定の限度もありましようし、何と申しましても、國家の統一というものを害するというようなことになりましては、せつかくこういう制度をつくりました根本の趣旨にもとるわけでありますので、それはもう互いに協力し合うというふうなことによりまして、そういうまちまちな取扱から起こりまする弊害を防ぐと同時に、一般的な自治の原則、民主主義の原則によりまして、一般の市町村の自治體の住民が、自治の本旨を活かして制度の運営にあたるために、絶えずそういうことを自覺いたしましてこの制度の運用を監視する。逆に、こういう制度を運営することによりまして、そういつたような民主的な自治的な能力の向上をはかるというようなことによりまして、統一を害するような偏頗な組織のないように、これはもう國民がみずからの責任として、この運営にあたるということが期待されるのでありまして、さらに犯罪等の検挙につきましては、検察廰の方の関係におきまして相當な統一が保たれますので、経済警察のような特殊のものを除外いたしますれば、まずこういう制度におきましても、そう地方的な事情の相違によつて、統一が害されるようなところまでは、いくおそれはなかろうと考えておるような次第であります。
 婦人警察官の問題につきましては、これも、全體の職員と、警察が當面いたしておりまする問題の重點等の関係によりまして、相當多数に採用していくことができるかどうか、あるいは現在の程度に止まるか。さらに考慮を要する問題でありまして、暴力的な犯罪が非常に殖えまして、そういう方面に對する警察の仕事の重點が非常に高まつてまいりまして、しかも全體の定員というふうなものが限定されておりまする場合におきましては、いろいろ婦人警察官をして擔當せしめることが適當であるというふうな部門が多数ある場合におきましても、男子の警察官をしてこれにあたらしめ、そういつたような一斉取締り等の場合におきまして、それを運用していくというふうな必要性が強いような状況―おそらくこれは當分そういう状況が続くのではないかと想像いたされるのでありますが、そういう點から、ここ當分婦人警察官の人数というふうなものは、そう現在以上に殖やしていくことは困難ではないかというように考えるのであります。鐵道の方に新しく司法警察權をもつことを認められいました人員の数は、たいか八千名くらいであろうと記憶いたしておるのでありますが、海上保安廰方は、まだ定員が何名というところまでは的確に話が進んでおらぬのではないか。殊にこういう新しい警察制度のもとにおきまして、海上における一切の警察が海上保安廰の責任にかかつてまいりますると、従来考えておりましたように、沿海の部分のみを擔當するような状況で考えておりました海上保安廰の機構なり人員等につきまして、さらに考え直さなければならぬと考えるのでありまして、現在どのくらいの人員をもつてこれにあたることが適當であるかということにつきましては、なお運輸省の方面と接衝中でありまして、現在何名くらいを考えておるかというところまでは、まだ的確に話が進んでおらぬのであります。警察官の定員につきましては、この法律に書いてありまする三萬といい、九萬五千というのは、これは警察の定員でありまして、警察の仕事を執行いたしまする上に、必要なる警察官以外の警察職員というものは、この定員の中にははいつておらぬのであります。そして現在何人くらい警察官でない警察職員がおるかということは、後刻、少くとも現在の人員につきましては、調査いたしまして御報告申し上げたいと存じますが、相當数のそういつたような職員がおるのであります。そういつた警察官及びそれに必要なる警察職員の配置の基準、どういうふうにしてこれを各市町村、あるいは國家警察に配置をするかという點につきましては、いろいろ考えておるのでありまするが、大體市町村が自由に、その要求に應じて決定することができまする状況になりますればまた別でありまするが、少なくとも現在の寛員をそのまま固定いたしまして、一應この経済的な時代におきまする警察官の配置というものは、大體現在のその土地々々に必要として配置いたしておりまする警察官の数というものを、根本として考えておるのであります。何と申しましても、いろいろの警察的な要求から必要な数がきまつておるわけでありまするので、まず現在必要に應じて配置されておりまする警察職員の数を基本にいたしまして配分を考慮いたすのであります。ただ、少なくとも独立して一つの警察をもつということになりますと、現在は大きく包含されて、その所に一人なり二人なりが常時駐在をいたしておる、しかしいろいろの統合的な警察の仕事は、一つの警察署において相當の人員をもつてやつておるという場合に、これをどういうふうに分散するかという問題は、いろいろ考えられるのでありますが、少くとも最低限度四名とか五名とかいう程度の人がおりませんと、どうしても独立した警察としての職務が最低限度行えないのであります。これも現在の實員を離れて考えますれば、私どもどうしても十四、五人というものが、最低限度の警察署の人員の単位であると考えるのでありますが、これを現在員をそのままくぎづけにしていかなければならぬ過渡適な状態といたしましては、そういうことも言えないのでありまして、あるいは三人なり四人なりの警察官の配置を、独立した警察における最低の単位といたしまして、九萬三千九百三十七人という現在の人員の配置されておりまする状況を大體基本といたし、しかもこの独立した最低の警察をもつ場合には、どうしても四、五人というところを基準にいたしまして、全體の割振りを現在いたしておる、こういう状況であります。
 それから地方自治財政が確立いたすのはいつであるかということでありますが、これはいつになりますか、現在はつきり見透しはつかないだろうと思うのでありますが、一應都道府縣と國家が半分に分擔をいたしまして、現在の警察の費用を賄つておるのでありますが、これを配分する仕方を變更いたしまして、自治體がそれぞれ府縣と國家の関係でなく、みずからの費用で一應現在員を賄うことができるような意味合における財政配分の變更というものは、これはおそらく通常議會に提案せられまして、それが決定いたしますれば、四月早々から實施することになると思うのでありますが、おそれがただちに、ここで申します地方自治財政の確立と言えるかどうか、あるいはその際にさらに、一般的な租税の問題等につきましても新しい法律ができまして、これで確實に地方自治財政が確立したのであるというふうになりますのはいつでありますか、ちよつと私今ここでその見透しを申し上げることはできないのであります。
#9
○門司委員長代理 松澤君、よろしゆうございますか。
#10
○松澤(兼)委員 もう一つ、この三十九條でしたか、「都道府縣國家地方警察の機関及び職員に關する細目的事項は國家公安委員會がこれを定める。」ということだけでありまして、この點都道府縣議會あるいは國會等に承認を求める必要はないかという問題で、御答弁が残つておるように思いますが、この點と、先ほどから承つておりますこの統一的な法律の執行ということ、この點にどうも私は多少疑問があるように考えられるのであります。この中おきまして、地方自治體の警察と、それから全體的な連絡というものは、國家公安委員會の職務の中における第一項の中におきまして、警察通信施設に對して自治體警察が、これを利用することができるという規定があるだけでありまして、第二項の犯罪鑑識施設等に對しましても、やはり地方自治體警察がこれを利用できるようにするのが適當だ、こう思われますし、その點多少私は希望と申しますか、意見と申しますか、これではどうも自治體警察というものが高い水準において運営されない。そのために、もう少し、國家的な組織と、自治體の個々の組織とか、密接に結ばれる必要があるというふうに考えるのであります。この點は多少私の意見ということになつておりますが、なお六十七條には「都道府縣公安委員會、市町村公安委員會及び警察官または警察吏員と警察官との関係は、別に法律の定めるところによる。」ということになつておりまして、ここで多少連絡的、あるいは協力的な運営ができる見込みが生じてくるのではないか、こういうような気持ちもするのでありまして、この法律の内容はいかなるところをねらつているのか、この點につきましてお聽きをいたしたい。
 それから、この法律の特色といたしまして、協力ということだけが一つの法律的な義務になつているのでありますが、どうも自分からそういうことを考えて言うのも變なことでありますが、やはり協力ということだけでは、圓滿にこの警察法の運営ということができないような気がするのであります。たとえば六十七條の第二項には、「國家公安員會は、検事總長と常に緊密な連絡を保つものとする。」これがやはり、連絡を保つものとする。」これがやはり、連絡を保つという努力的な義務を國家公安委員會に負わしておりますけれども、はたしてこれがこの通り緊密な連絡をとれるような組織になるかどうか、實際の運営上多少ここに疑點があるのでありあます。これは先ほど申しましたように、多少意見になるかもわかりませんが、もう少しこの統一的な點がほしい、こう考えるのであります。この點につきまして、「別に法律の定めるところによる。」という六十七條の第一項の法律の内容というものが、どういうことを内容とするものあるか、この點お聽きいたしたいのであります。
#11
○久山政府委員 三十九條にありまする國家公安委員會が、都道府縣國家地方警察の機関及び職員に関する細目的事項を定めるということでありますが、大體その骨格的な事項は法律に書いてありまするし、非常に細かな都道府縣國家地方警察の組織の内容に関しまする細目的な事項は、公安委員會が、これを公安委員會の規則できめる、こういうことにいたしているのでありまして、これはおそらく市町村が自治體の條例でつくりますのと違いまして、自治體におきまする警察の任命なり、給與なり、服務なり相當根本的な問題をつくる場合におきまして、どうしてもこれは市町村の條例をもうてしなければならんぬと考えておるのでありますが、國家公安委員會が、都道府縣の地方警察の機関及び職員に関しまする、ここに書いてないような非常に細目的な問題につきましては、公安委員會の規則で定めるという程度で十分ではないか。自治體の方は公務員法の精神によりまして、その自治體、ことに警察運営の基本的な問題をきめるのでありますが、一方は大體國家公務員法の規定によつておりまするし、職員に関しまする細目的な事柄は、委員會の規則で十分ではないか、かように考えているのであります。
 それから飢餓の施設等につきましては、もちろん個々の警察が、最小限度の鑑識の施設を、それ自身がもつことももちろん必要でありますし、またおそらくそういうことになるだろうと思うのでありますが、指紋とか犯罪手口とかいう問題につきましては、どこかで統一的にまとめてこれを利用しなければ、その効果があがりませんので、これは國家地方警察が地方におきまして維持管理いたしまして、警察全般の効果ある運営に資したいということのために、自治體警察の方に對しましても、一定の報告の義務を課しているのでありまして、もちろんその半面、これはすべての警察がこれを利用するという點は、都道府縣及び警察管區及び中央に設けまする教養施設の場合とまつたく同様、あるいはそれ以上でありまして、すべての警察が全部これを利用することによつて、初めて鑑識施設の國家で管理いたしまする意義がるのでありまして、それはおつしやいました通り、そういう趣旨であるわけなのであります。
 それか六十七條の、検察官との関係は別に法律の定めるところにると申します事柄は、つまり犯罪の捜査につきまして、検事がどういう程度に警察を指揮命令するか。現在の刑事訴訟法によりましては、犯罪の捜査につきまして、検事が警察官に指揮命令する権限をもたしているのであります。現在の刑事訴訟法は早晩改正しなければならないことになつているのでありまして、その場合に検察官と警察官との関係につきまして、相當根本的にいろいろの問題があるのでありまして、この法案を決定いたしておらぬような状況でありましたので、決定をいたしておりますれば、むしろここにはつきりとその関係をうたつたのでありますが、それがまだ刑事訴訟法の改正の問題として決定をみておりませんので、刑事訴訟法にその関係を譲つたのでありまして、一つの考え方のように、犯罪の捜査ということは警察本来の仕事であり、それに對しては検察官というものは、公訴を提起するかどうかということを決定するだけの任務をもつものであるというふうな考え方と、現在日本の刑事訴訟法がとつておりますように、やはり犯罪の捜査に関しましては、検察官が指揮命令できるというふうにいたしまするか、あるいは警察官に協力を求める。警察が本来そういう権限をもつておるのであつて、検事は公訴を維持する建前上、さらに詳細な點について調べる必要がある場合に、警察の協力を求めることができるというふうな関係におくのか。その検察官と警察との犯罪捜査に関しまするいろいろの問題が、まだ決定をいたしておりませんので、その關係をこの法律に讓ることにいたしたのでありますが、大體現在の訴訟法がとつておりますような建前に落つくように聞いておりますが、これはまだ最後的な決定をみておらぬのであります。
#12
○酒井委員 政府委員の御答弁、たいへん詳細にわたりまして多といたしますが、質問者がなおたくさんございます関係上、結論的な御答弁を簡単にお願いしたいと思います。先ほどの例を申しますれば、地方財政はいつ確立するかというようなことは、長々と御説明ならぬのでも、見透しがつかぬならつかぬと、こういうことでいいと思います。
#13
○大石(ヨ)委員 私はすこぶる簡単に、久山警保局長にお尋ねしたいのでございます。前文に「個人と社會の責任の自覺を通じて人間の尊厳を最高度に」とございますが、この「最高度」とはいかなることでございますか、御答弁を願いたいと思います。
 それから二十一條に「日本國憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政黨」とありますが、これはどういう政黨を意味するか、これをお聽きしたいと思います。それから試験制度についてお聽きしたいと思います。すなわち司法警察の刑事は犯罪の検挙に忠實ならんとすればするほど、試験の勉強ができませんのでありまして、それでこの刑事にも常識を試験して、そうして試験制度でない方法をもつて昇進の途を講じてやつていただきたい。
 それから、この警察法というものは憲法に次ぐ重大なる問題でございます。ゆえに私は、可乃的速やかに、この治安委員會におきまして、公聽會を開催していただきたいと思うのでございます。それで十人くらいの人々、すなわち二人くらいは警察官を選びまして、民意を聽く意味で一般民衆を八人くらいをここに呼んでいただいて、そうしてぜひとも公聽會を開催していただきたい。
 それから公安委員會でございますが、私はこれはぜひとも公選にしていただきたいと思うのでございます。何となれば、市長と結託いたしましたならば、いかなるにとでもできます。それからもう一つ、市町村民にリコールを認めて欲しい。たとえて言いますと、こういうように市長と公務員が結託いたしましたら、いかなることもできますから、私はこれはオールマイティであると思うのです。だからぜひとも私は、これを公選にしていただきたい。少なくともこれは公選でないと、いろいろな弊害ができると思います。
 それから現在の宮内省におります皇宮警察は、定員三萬人のうちにはいつておりますか。これをお聽きしたいと思います。
 それから第十四條の「總務部、警務部、刑事部を含む五以内」とは、あとの二つは何を意味するのでございますか。これをお聽きしたいと思います。
 それから、ただいま松澤委員から、われわれ同性の婦人の警官のことについて御質問がございましたが、私はそれを省略いたしまして、今後婦人の警官は、ぜひともその婦人の個性を尊重して、刑事方面にも婦人警官を採用していただきたいと思います。
 それから、御存じの通り現在日本の市町村は、非常に財政的に赤字で困却いたしております。そうすると、公務員と市長とが結託いたしまして、ばくち場を設けたり、まら淫賣窟を設けたりして、ちようど日本の國がメキシコのチワワのようになつたり、またモナコのような町ができる。これをいかにするか。私はこれをお聽きしたいと思います。
 それから、経済警察のことでございますが、ただいま松澤委員がお聽きになりました通り、國の経済政策を地方で區分するということは、私は非常に間違つておると思います。しかるがゆえに、公安長官は安本の指揮を受けて、ぜひともこの経済警察を指揮していただきたいと思うのでございます。
 それから附則に「當分の間、これに恩給法の規定を準用する。」ということがありますが、日本の過去は恩給亡國でありました。私はこれを一時賜金をやつてそうしてもつと給料を上げて、この恩給制度を全廃していただきたいと思います。右私は、久山警保局長に御所見をお伺いしたいと思う次第でございます。
#14
○久山政府委員 前文にありまする最高度という意味は、もうその通りでありまして、憲法の十三條にありまするように、個人として尊重される國民の権利というものは、立法その他の國政の上で最大の尊重を必要とするいとうことに符合いたすのでありまして、それで警察法を薪しくつくります場合に、その人間の尊厳を最も高く確保するというところに、この立法の精神があるということをうたつたものであります。
 それから公安委員の價格條項に「日本國憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政黨その他の團體」というのは、これは公務員法の人事委員の價格條項にもはいつておるのでありまして、具體的にどの政黨ということはおそらくありませんし、現在こういうものがあれば、直ちにそれぞれ法によつて取締られるのでありまして、現在は必要はないと思うのでありますが、こういうことを主張する政黨その他に團體が、もし結成されました場合におきましては、それに加入した者はもちろん、こういつたような委員になる資格はない、こういうことであります。
 それから公安委員の公選の問題につきましては、これは公選ということも一つの考え方であろうと思うのでありますけれども、公選必ずしも警察の運営にふさわしい人が出るとも限りませんし、また警察の運営につきまして特別に主義政策と申しますか、そういうものを揚げて公選に問う、立候補するというふうなことよりも、むしろすでに公選をいたしました自治體の長と自治體の議會と、両方が承認し推薦する人によりましてこの運営を進めた方が、より警察の運営に適當な人が出る、かような見透しのもとに、公選という制度よりも、自治體の首長と議會の承認による任命という形式をとつたのであります。
 それから昇級いたします場合の試験の制度につきましては、お話のありましたように、これは試験の制度はとりますけれども、その試験のやり方は、お話のように、ただ紙の上の勉強をした者だけが通るということは、現在もすでにとつておらないのでございまして、非常に責務に熟練いたしておれば、むしろ法律的な紙の上の勉強はできない者でありましても、どんどん昇進していくことのできる途は現在もとつておるのであります。これは試験の方法といたしまして、今後さらにそういつたような面につきまして、一層考慮を加えていきたいと考えておるるのであります。
 それから皇宮警察の定員は、ここに申します一般的な警察官ではないのでありまして、國家警察三萬という定員の中にははいらない、定員外として考えておるのであります。
 婦人警察官の問題につきましては、御意見等をよく考慮いたしまして、研究をいたしたいと考えます。
 それから経済警察の問題につきましても、お話の點を考慮いたしたいのでありますが、一應警察からははずして、別個の組織によつてこの運営をやつていくというふもに考えておりますので、過渡的には現在の警察も、ある程度これに関連をもつことになるかもしれませんが、一應警察からはずれた別の組織でやつていくことを、今考えておるのであります。
 それから恩給の問題は、これは警察官のみならず、全般的な制度の根本の問題でありますので、これはまた別の部門におきまして、十分考慮をいたしておることと考えるのでありますが、御意見は拝聽いたしておきたいと思います。
 それから自治體警察でありますと、いろいろ賭博場とかいつたようなものを、勝手につくるのではないかということでありますが、こういうことはやはり特別の立法手續によりませんと、それ自體犯罪を構成いたすような施設でありますので、自治體が勝手に賭博場をつくるというふうなことは、おそらくできないし、またそういうことはない、かように考えるのであります。
 それから、五以内の部でありますが、現在は總務部、警務部、刑事部、この三つは少なくとも必ず置かなくちやならぬと思いましたので、ここに書いたのでありますが、その後いろいろ研究をいたしまして、警備部という部を一つつくりたい、従いまして、四つの部をもつて構成いたしたい、かように考えております。
#15
○大石(ヨ)委員 それから公聽會の件、開催することができるかどうか。
#16
○門司委員長代理 それは、坂東委員長がおいでになりましたら相談いたしまして、また理事の方とも相談いたしまして、時間があればいたしたいと思います。
#17
○大石(ヨ)委員 久山警保局長にお尋ねいたしますが、私昨年憲法委員をやつておりましたが、あの國の柱である憲法ですら字句の訂正ができました。つきましては、この警察法について、字句の訂正その他は絶對にできないものでしようか。その點私はお聽きしたいと思うのです。これよりほかに、どうしてもわれわれの言うことは容れられないのでしようか。
#18
○久山政府委員 それは先日も、佐藤さんの御質問にお答えいたしたのでありますが、大きな制度を確立いたします根本のわくについては、もちろんこれを變更することはできぬのでありますが、そのわくの内で、實際に運營について不便である、不都合があるというふうな點、及びそれに關連いたしまして、字句その他の問題については、十分委員會において御審議の上、適當に訂正等いただくことは結構だと思います。
#19
○大石(ヨ)委員 私は治安委員會が一致團結して、是非とも公安委員を公選にしたいと思うのですが、これを公選にしないと、市長と結託して何をするかわからないという憂えがありますから、ぜひともこの委員會において團結して、これを公選にすることを願います、どうかお願いいたします。
#20
○酒井委員 重複の點を避けて、一二點質問を申し上げたいと思います。
 第一に警察管區の振わけでありますが、これは愛知縣などは非常に不滿をもつておるもので、どういう標準でこの六箇所を割當てられたか、かつての控訴員の管轄、高等裁判所の管轄から申しても、愛知縣は今まで一つのブロックの中心になつておりました。なお地理的に見ましても、岐阜縣、福井縣、石川縣、富山縣、静岡縣、こういうものを一緒にして、愛知縣が中心になつて警察管區の本部ができてよさそうに思います。裁判所關系と一致させる點においても異議があると思うのです。なお警察の實體の備わつておる點から見ましても、他のたとえば廣島縣あたりの警察とは問題にならぬ程度に備わつております。そして地理的に最もこの割振りは不便である、不合理であると思います。だからどうしても、愛知縣名古屋市に一つ警察管區の本部を置き、東京警察管區の中の長野、静岡というものを名古屋管區へ移す。大阪管區の愛知、三重、岐阜、福井、石川、富山、これを名古屋管區へ入れまして、廣島管區を大阪管區へつけるという割當にしますと、地理上からも非常に便利であります。なおたび尊重ねますが、裁判所の管轄から言いましてもこれが一致をいたします。警察の實體の備わつておる點から申しましても、名古屋を中心にするということは非常に都合がよいと思います。しかるにかかわらず、この六箇所のような割當の原案になりましたのは、どこに理由があるか。これを一つ御答辯願いたいと思います。
#21
○久山政府委員 速記を止めてください。
#22
○門司委員長代理 それでは速記を止めて。
    〔速記中止〕
#23
○門司委員長代理 速記を始めて。
#24
○酒井委員 警察官の數と六つの管區の數がわくにはめられておることは、私どもも心得ておりますが、しかしこの六つをどこにもつていくかということについては、一應政府の方でも努力をして多少變更を得たわけです。そこで、私が今示しました案は、やはり六つの案のうちで割振りを變えてほしいということを言うたわけでありまして、今言いました通り、高等裁判所の管轄に一致させる、通信、交通、警察の實體、地理的位置、あらゆる面からいつて、私が今申しました案の方がよいじやないかということを申し上げたのでありますが、いかがでしようか。
#25
○久山政府委員 高等裁判所の管轄の關系等も、もちろん考慮いたしまして、この六つになつておるのでありまして、廣島をはずして名古屋を入れるかどうか。あるいは御意見をもう一度險討いたしてもよろしゆうございますが、これは相當あらゆる面からの總合された結論になつておりますので、今の御意見とこれと、はたしてどちらがあらゆる面から見てよいか、御意見がありましたので、これは早急にひとつ研究してみたいと思います。
#26
○酒井委員 愛知縣では、大擧して運動にくるとかいつておりました。次にもう一つお尋ねいたしたいのは、公安委員と辯護士とが兼ねられるかどうかという問題でありまして、これも辯護士會の方から當局へ質問をしたらしいところが、その囘答がどうもはつきりしない點があるようであるし、まちまちの點があるようでもございます。公安委員の性質から考えてみますと、相當の教養があり、しかも法律的な知識があり、節操を高くもつておると、まあ一般的に見られる辯護士などは、最も適任者ではないかと思われるのであります。法文の上から言うても、辯護士が兼任できぬと言う理窟が、どうもわれわれにはわかりかねる。この點ひとつ明確に御答辯願いたいと思います。
#27
○久山政府委員 辯護士だけが兼業できないということではないので、これは國家公務員法の規定を準用いたします關系上、その所屬長の許可を得れば、もちろんそういう人でも兼業していいことに法の建前がなつておるのであります。
#28
○酒井委員 その所屬長の許可という、所屬長というのはどこですか。
#29
○久山政府委員 それぞれ公安委員が所轄されます長でありますから、府縣知事なり、市町村長なり、それぞれ公安委員の出てまいりまするその所轄の長であります。
#30
○酒井委員 それはどういう理由から、辯護士は許可を得なければならぬのですか。辯護士だからといつて、別にむずかしい規格はないわけですね。
#31
○久山政府委員 辯護士について特にどうということはないのであります。すべて公安委員になる者は、そのほかの職業との兼業についてはその所轄長の許可が要る、こういうことであります。
#32
○酒井委員 特に念を押しておきたいと思いますのは、この前自治體の監査委員というものができたときに、どういう解釋の間違いか、辯護士はやはり兼務ができないというようなことで一時除外されておつた。その後よく了解されて兼務できるということになつた。辯護士會あたりで、やはりこの公安委員について當局へ質問したところが、それは兼務はできないのだというような答辯をされた人も、どなたか知りませんが、當局の中であつたらしい。だから特に念を入れてお尋ねしたわけであります。
 それから、檢察廰あたりとの連絡、これはもう前に質問が出たのでありますが、これが非常に地方警察あたりでは、全國公平にいかないといい惱みが今から思われておるように思いますが、各自治體警察それぞれ勝手な方針で犯罪の檢擧に當るということに、ある程度なる。もつとも法律上からいつても、微罪不檢擧とかいうようなことは許されておることでありますので、どの程度まで微罪にするかというような點から、一つの口實が設けられ、わざわざ土地の顔役なんというものは、警察とうまく連絡して犯罪を逃れるというようなことになつてくるのじやないかと思います。今までの警察でも、そういう弊害が相當あつた。これについて、何か一つの基準を定めるというような案でもないのかどうか。そういう點をひとつお伺いしたいと思います。
#33
○久山政府委員 別にそういうことは考えておらぬのでありますが、その實體になりますと、一面そういつたことが憂えられますと同時に、また半面、今まではある程度のがまんをすると申しますか、無理難題であつたというような事柄につきましても、今度こそは自分たちの本当の警察である、自分たちが選んだ人によつてまた選ばれた人であるということであつて、そういつたような不當な扱いにつきましては、現在以上にその自治體の住民が關心をもち、また発言の機會が多いのでありまして、もちろんそういう心配はありますと同時に、また逆に、こういう制度がほんとうに運營されるならば、かえつてそういつたような不正が妨げるのではないかというようなことも考えられるのでありまして、一定の扱いにつきましては、微罪をどうするということは、現在考えておらぬのであります。
#34
○酒井委員 人間を非常にりつぱだと見られると、たいへんあてが違うのではないかと思います。結局いろいろな意見を警察に對しても述べる自由は廣くなると思いますが、相手が警察でありまするから、下手なことを言えば自分も何か缺點を拾われる。特に今日の經濟生活の面を考えてみると、多少やみでもやらなければ食つていけぬのでありまして、すねにきずもつというようなことは、大きいか小さいかの違いであつて、だれしもほじくられたら、必ず警察のやつかいになるようなきずを、ほとんどもつておると言つていいと思います。そういう状態の中において、警察についていろいろ文句を言うというようなことは、なるほど自由は許されても、實體上はそんな自由は不能な自由である、形だけの自由である、こう私は思います。だからどうしてもここに一つの規短準網と申しますか、何か檢擧に對するわくというようなものでも設けるより方法はないかと思います。これはやつてごらんなさい。おそらく各地でそういう案外正直者が檢擧される。非常に惡辣なやつは、警察と結託してうまく逃れてしまうというような逆な現象が私は必ず出ると思う。どうしても當局においては、檢擧のわくを設けることは必要だと思います。しかし御答辯の必要はありません。これで終ります。
#35
○小暮委員 だんだん時間も經つてまいりますし、質問者も大分混雑しておりますようですから、ごく答辯のしよいように簡単に質問をいたします。
 法の第三條に「この法律に從うすべての職員」とありますが、この職員は何と何を指すか、念のために伺つておきたいと思います。
 それから第四條の地方警察隊につきましては、いろいろお話がありまして、すでに盡きたようでございますが、三萬人新規に増加するということになつております。その養成方法はどういう方針をとつておられるのか。この法の中に、大學校その他管區の學校、都道府縣の學校、いろいろありますが、その内容についてこの法を見たのでは少しもわかりませんが、その點は御説明できないものであるか、できるものであればお示しを願いたい、かように思うのであります。
 それから第五十條の二項に服制の問題がありますが、國家警察と地方警察との服制を別にするということが書いてありますが、これはさもなくも國家警察を希望しておる者が多いのに、この服制の差別を定めることは士氣の上に影響しはしないか、そういう點について御見解はいかがでありますか。
 それから第五十二條に「前条の特別區」とは、特別區の連合體を言うか、それとも個々の特別區を言うか。もし前者の意なりとせば、前條の規定により連合した特別區の區域内にはというがごとく、その意味を明瞭に表現する形を用いられた方がいいと思うがどうか、この點を伺つておきたい。
 それから第五十三條、「特別區の存する區域における自治體警察については、特別區の存する區域を以て一の市とみなし、市町村警察に關する規定を準用する」とありますが、これは法案の第四十二條というのが「自治體警察に要する經費は、當該市町村の負檐とする。」とあつて、この特別區連合體の經費その他の經費はだれが負檐するか、「準用する」と書いてありますが、その點を明確に伺つておきたいと思います。
 それから經費の問題でありますが、昨日千葉縣へまいりまして千葉縣の當局の意見を聴いてみますと、今度の警察法でいきますと地方都道府縣の經費の負檐はない、こういうことを言うておりますが、その都道府縣の負檐がないために、將來警察事務の進行上遺憾の點が生じてきはしないか、そういう點を憂えておるというお話がありました。これらにつきましては當局はどういうにお考えになつておりますか、その點をお示し願いたいと思います。
 なお第六十二條に「國家非常事態」とありますが、この國家非常事態とは何を言うか、明瞭に定義を下されるものならば下していただきたい、こういうふうに思うのであります。
 それから第六十三條に、國家非常事態の際「内閣總理大臣によつて一時的に全警察の統制が行われる。」とありますが、かかる事件がかりに起つたときに、平素の訓練を積んでおかないで、はたしてそれに應ずることができるかどうか、訓練の方法が少しもございませんが、これらについてどういうお考えであるか、その點を伺いたいと思うのであります。
 それからさらに内閣總理大臣が行うと書いてありますが、實際内閣總理大臣がこれを行うことができるかどうか、誰か代行する者がなければならないのじやないか。そういう場合には、誰が内閣總理大臣の代行をするかということについて伺つておきたいと思います。
 それから第六十七條に「都道府縣公安委員會、市町村公安委員會及び警察官又は警察吏員と檢察官との關系は、別に法律に定めるところによる。」とありますが、それはいかなる法律であるか。その内容はどうか。またその法律の施行は本法と關係がなければならないと思うのですが、何ゆえにそういう法案を同時にお示しにならなかつたかという點につきまして伺いたいと思います。
#36
○久山政府委員 第三條の「この法律に從う全ての職員」とありまするのは、結局警察の運營なり管理に關係いたしまする職員でありますが、ただこの宣誓の性質上、これは任命者に對して宣誓を行うことになると考えておりまするので、すべて任命をいたしまする人、國で申しますれば内閣總理大臣、都道府縣で申しますれば府縣知事、市町村で申しますれば市町村長というものは除外いたしまして、それ以外の公安委員以下警察職員全部がその任命者に對して宣誓をする。こういうふうに解釋いたしておるのであります。
 それから三萬人の増員は、結局これは財政の問題と關連いたすのであります。しかしこれは財政も苦しいことでありますけれども、とにかくこういう制度をとりました以上、増員いたしませんと、警察の完全な執行に支障をきたすことは當然でありまして、またそういう律前でこの増員も認められておるのでありまするから、もちろん財政ににらみ合わせなければなりませんが、なるべく早急に三萬人の増員を充實いたさなければならぬと考えておるのでありまして、この三萬人の養成につきましては、この新しい制度に基きまして、從來以上に教養を高めるという點に中心におきまして、でき得ますならば、最初から府縣の警察學校のみならず、管區の地方警察學校、さらに引續いて警察大學校までも教養を受けた者をもつて警察官に充てたい。これは理想でありますが、そのために、それぞれの段階に應じまする學校の内容の充實につきまして、目下努力をいたしておるのであります。いろいろの點につきまして充實を考慮いたしておるのであります。
 それから制服の問題は、これはこういうような自治體警察と國家警察と、二つ別個の警察をつくりまする以上、やはりこれは同じ市の警察官であるというようなことが、制服の上ではつきりわかることがすべての點で便宜でありますので、國家警察と自治體警察とは、別個の制服を規定するというふうにいたしているのでありまして、この制服が違うことによつて士氣に影響するというふうなことは、おそらくなかろうと考えておるのであります。
 特別區の規定は、お話のように、五十二條の前條の特別區と申しますのは、五十一條にあります特別區の存する區域、という意味でありまして、これは前條の特別区の存する區域、こういうふうに書き改めた方が明確になるのでありまして、これはそういう意味であります。從いましてその特別區の存する區域におきまして、特別區が連合してその區域内の警察の責に任ずるのでありますから、それを一つの市と見なしまして、その費用の負檐は、都が條例をもちまして、その特別區の存する區域にある特別區が連合して、その費用負檐に當ることになるのであります。都道府縣が國家警察の費用を負檐することの方が、府縣との關係が密接になり、警察運營に非常に便宜であるという點につきましては、そういう面も確かに考え得るのであります。しかしこの法の建前が、市町村という自治體警察と、國家警察という二本建になつております關係上、その運營につきまして都道府縣に公安委員を設けて管理をいたすのでありますけれども、費用等の負檐につきましては、國家警察はすべてこれを國で負檐するという建前とせざるを得ないのでありまして、現實の運營が都道府縣内にあります關係上、あるいは現在のように都道府縣がこれを負檐するというふうにした方が、實際の運營上府縣との關係がうまくいくという點も、十分これは考慮に値する考え方であるのでありますが、一應建前といたしましては、自治體である市町村警察と、國家警察である警察とで、はつきり一方は國が負檐し一方は自治體が負檐する、こういうふうに明確に費用の負檐を區分いたしたのであります。
 非常事態の認定の問題でありますが、要するにこれは當該事態を處理します場合に、當該地域の個々の警察の力ではできないというふうな状態、しかもそれが國家として放任することができない非常に重大な事態と考えられる場合に、非常事態の布告が行われることと考えるのでありまして、これは具體的に事態の性質によつて判定すべきものであると考えているのであります。そういう場合に全體の警察を内閣總理大臣が統制いたすのでありますけれども、平素お互いに別個に存在しております警察を、そういう非常事態に突如として統一的に運營できるかというようなお尋ねにつきましては、ごもつともな御意見でありまして、そういう點の缺陥を正す意味におきましても、教養という施設を國家警察が維持管理いたしまして、そこで絶えず新任の教養はもちろんでありますが、現任者につきましても、絶えず自治體と國家警察の両方の警察官を、そういうところに集合いたさせまして統一ある教養訓練を行うというために、この管區本部に相當厖大なる意味の訓練所と申しますか、そういう施設というものを實は考慮いたしておるのでありまして、そういう平素同じ施設により、共同の教養訓練ということによりまして、こういつたような場合も運營に支障がないように取選びたいと考えておるのであります。もちろん内閣總理大臣の権限によりまして、非常事態の運營が行われるのでありますが、それに國家地方警察本部の長官以下がその下部の責任者といたしまして、總理の意味を受けまして實際の運營の衝にあたるものと考えるのであります。
 それから六十七條の問題は、先ほど來答辯を申し上げたのでありますが、これはつまり警察官の犯罪捜査に關しまする権限の問題を刑事所訟法で規定いたすのでありますが、それがいろいろの關係でまだ内容の規定ができておりませんためにこの法案と同時に提出ができない状況にあるのでありまして、あるいはこの議會に間に合わないかもしらぬと思うのであります。從いましてそういう新しいものができますまでは、現在の刑事所訟法の規定によりまして警察官の關係を處理していくことになるのであります。
#37
○小暮委員 ただ今服装の御答辯がございませんでした。それから警察法の施行に伴い、現在ある特設消防の規定はどうなりますか。これから非常に火災季節にはいり、毎日のラジオに放送されておりますように、國民に向つて消防の注意を喚起されております。警察法の施行を非常にお急ぎになつておられますが、施行後消防規則はいかようになりますか。
 それから警察官の士氣高揚の上から、恩給法についての法律にも書いてありまするが、國家警察から自治體警察に移るときには恩給法は加算され、自治體警察から國家警察に戻るときは通算されないことになつておりますが、その點について警察官の士氣高揚の上から見ても、運營の上から見ても、これを改正される必要があるのではないか、この點についてお伺いいたします。
#38
○久山政府委員 政府の意見はただいまお答えをいたしたのでありましたが、自治體と國家警察とが別個の建前において存立いたします以上、やはりその服装は明確に區別いたした方が、それぞれの責任なり所屬がはつきりいたしまして、いろいろの運營上都合がいいと思うのでありまして、そういう服装をかえることによりまして士氣に影響があるとは考えないのであります。
 それから特設消防署の問題は、實はここ二、三日のうちに消防の組織に關しまする法案を提出いたしたいと思つておるのでありまして、それもこの警察の制度にならいまして、すべて市町村に消防の機能を移管すると申しますが、自治體が消防の責任をもつという建前に立ちまして、現在ありますような消防署も、すべて自治體の消防署として活動することになるような意味合の法案を提出いたすつもりでおるのであります。恩給の問題につきましては、たしかにそういうことが、この人事の交流と相まちまして一つの問題であるのでありますが、これにつきましては、この地方自治法が制定いたされましたときに、いろいろ國家の官吏と自治體の吏員との間の交流の問題につきまして、やはり動様の官吏と自治體の吏員と相互の間の恩給につきましては、別途に考究をいたすということで進みたいと考えております。
#39
○門司委員長代理 それでは本日はこれにて質疑を一應終了いたしたいと思いますが、御異議ございませんでしようか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#40
○門司委員長代理 御異議ございませんでしたら、本日はこれにて散會いたします。
 なお次會は明日の午後一時から開會いたしまして、でき得れば、質疑終了後討論、採決に入りたいと考えておりますが、その旨あらかじめ御了承願いたいと思います。
 本日はこれにて散會いたします。
   午後零時五十七分散會
ソース: 国立国会図書館
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