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1947/11/26 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 治安及び地方制度委員会 第41号
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1947/11/26 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 治安及び地方制度委員会 第41号

#1
第001回国会 治安及び地方制度委員会 第41号
昭和二十二年十一月二十六日(水曜日)
    午後一時四十一分開議
 出席委員
   委員長 坂東幸太郎君
   理事 門司  亮君 理事 矢尾喜三郎君
   理事 高岡 忠弘君 理事 川橋豊治郎君
   理事 松野 頼三君 理事 酒井 俊雄君
      大石ヨシエ君    菊池 重作君
      久保田鶴松君    松澤 兼人君
      佐藤 通吉君    千賀 康治君
      坂口 主税君    小暮藤三郎君
      大内 一郎君    外崎千代吉君
      加藤吉太夫君
 出席政府委員
        總理廳技官   坂田 英一君
        内務政務次官  長野 長廣君
        内務事務官   林  敬三君
 委員外の出席者
        議     員 庄司 一郎君
        商工事務官   平野 讓治君
        專門調査員   有松  昇君
十一月二十五日
 消防組織法案(内閣提出)(第一一六號)
の審査を本委員會に付託された。
本日の會議に付した事件
 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 (第五七號)
 請願
 一 武庫郡町村に對し行政上特別設定の請願(
   中村俊夫君紹介)(第一〇五一號)
 二 料理店の營業再開許可その他に關する請願
   (唐木田藤五郎君外一名紹介)(第一〇五
   九號)
 三 警察法案中東京都各區に公安委員會設置の
   條項挿入の請願(坂東幸太郎君紹介)(第
   一一〇四號)
 四 料理飲食業者の營業再開許可の請願(庄司
   一郎君外一名紹介)(第一一〇五號)
 五 料理飲食業者の營業再開許可の請願(細川
   八十八君紹介)(第一一四二號)
 六 足寄村及び淕別村を十勝支廳管轄に編入の
   請願(森三樹二君外四名紹介)(第一一四
   九號)
 七 料理飲食業者の營業再開許可の請願(庄司
   一郎君紹介)(第一一六〇號)
#2
○坂東委員長 これより治安及び地方制度常任委員會を開會いたします。
 本日の日程は、地方税法の一部を改正する法律案竝びに請願は第一から第七であります。まず地方税法の一部を改正する法律案の政府の説明を求めます
#3
○長野政府委員 ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を申し上げます。本改正法律案は、三つの内容から成り立つておるのであります。
 その第一點は、府縣民税及び市町村民税の納税義務者一人當りの平均賦課額が、現在それゞ「百二十圓」及び「八十圓」でありますのを、それゞ「百八十圓」及び「百二十圓」に引上げようとするものであります。これは物價の騰貴に伴う諸經費の膨張竝びに職員給與のやむなき増加等に要する財源補充のため、國民の擔税力竝びに諸般の經濟事情を勘案いたしました結果、この程度の増税を行うこともやむを得ない必要があると考えましたからであります。
 第二點は、學校教育法の施行によつて國民學校令が廢止せられ、國民學校が小學校と改まるとともに、新たに中學校が義務制となり、市町村がその設立の義務を負うこととなりましたので、從來地方税法中「國民學校營繕費」とありますのを「小學校營繕費、中學校營繕費」に改めんとするものであります。
 第三點は、内務省の解體に伴い、地方税法竝びに關係法令の字句の整理をはかつたものであります。御承知のごとく近く行われる内務省の解體に伴いまして、先般政府は、その後繼機關として、地方自治委員會を設置することとし、所要の法律案を提案いたしましもので、本法律案におきましても、地方税法竝びに關係法令中「内務大臣」とありますのを「地方自治委員會」に改めることとして提案いたしたのであります。しかしながら、その後の情勢の推移により、右法律案を徹囘し、地方自治委員會の機構について再檢討を加えなければならないこととなりましたが、何ぶんにも會期も切迫しておりますので、とにかく速やかに本法律案を國會に提案して御審議を願うことに方針を定め、今囘この點についてはそのまま急遽提案いたした次第であります。從いまして、この點については、内務省の後繼機關に關する成案の決定と相まつて、本委員會の御審議の途中において、適當なる措置を講ずることといたしたく、今囘政府がこのような便法をとりましたことにつきましても、またその間の事情をとくと御了察願いたいと存ずるのであります。
 以上地方税法の一部を改正する法律案の提案の理由及びその内容の大要を説明いたしました。何とぞ愼重御審議の上可決せられんことをお願いたします。
#4
○林(敬)政府委員 ただいま内務政務次官より、本法律案の提案理由の説明を申し上げたのでございますが、その述べられましたところの第三點の、すなわち内務省の廢止に伴いまして「内務大臣」を「地方自治委員會」に改めるという點のことにつきまして、さらにその部分を再修正をしなければならない事情に至りましたことに關しまして、若干補足いたしましてお願い申し上げ、かつ當局の修正希望を申し述べさしていただきたいのであります。
 ただいま提案理由に述べましたように、「内務大臣」を「地方自治委員會」に改める。という提案をいたしましたが、一方地方自治委員會を設置する法案の徹囘に伴いまして、さらにこの點を再檢討しなければならなくなつたのであります。そこでいろゝと關係各方面とも折衝をいたし、また檢討をいたしました結果、地方税に關する中央政府の所管機關としては、内務省存續中は内務省、内務省が廢止になりましてからは、新たに設置を豫定せられておりますところの地方財政委員會において、臨時にこれを掌るということにいたしたいと存じまして、別途國會に地方財政委員會法案を提案いたしまして、ただいま決算委員會でもつて、これが審議中に屬する次第でございます。そこでこの地方税法の一部を改正する法律案も、「内務大臣」を「地方自治委員會」に改めるという點だけを全部削除いたしました。すなわち住民税の平均額を五割引上げること、それから「國民學校營繕費」と書いてある字句を「小學校營繕費、中學校營繕費」ということに改める。この二點だけを含めましたところの税法の改正法律案に改める。そして「内務大臣」を「地方自治委員會」に改めるという關係條文の分は、全部これを削除修正をしていただきたいのでございます。そうなりますると、地方税法の方では「内務大臣」をただそのままにしておくわけでありまして、一方財政委員會法案の附則の末項におきまして、この地方税法によつて地方財政に關して、從來内務大臣に屬した權限は、臨時に地方財政委員會の補佐によつて、内閣總理大臣がこれを行うという條文によりまして、全部これが内閣總理大臣に變るということに、そちらの地方財政委員會法案の方で、地方財政法が修正になつていくという形をとりたいと存ずるのでございます。關係方面に對してもこの點についての了承を得ましたので、初めに出しました地方税法の一部を改正する法律案を議員修正の形で、すなわち「内務大臣」を「自治委員會」にあらためるという修正文を削つていただきますか。あるいは政府當局から提案した税法を、政府當局の方から再修正して、それを國會の院議にかけて、そして修正案について御審議をいただくか。そのいずれでも結構でございますが、御審議の上において、いずれかの方法によつて、さような措置をとつていただきたいと存ずるのであります。事情と希望を申し上げまして、御了承を得たいと存じます。
#5
○坂東委員長 どなたか質疑はございませんか。
#6
○門司委員 本法案については後ほど意見を申し上げることにして、ちよつとこの機會にお聽きしておきたいと思います。内務省の解體と同時に、さらに新しく行われる警察制度、あるいは消防制度の各般の事情からいたしまして、地方税法が相當大幅に變り、さらに地方税法というよりも、むしろ日本の税法が相當大幅に變らなければならない時代になつておると思いますが、その見透しがいつごろになるか、政府の方に何か案がございますならば、この機會にお示しを願いたいと思います。
#7
○林(敬)政府委員 ただいま門司さんからお述べになりましたように、私どもの方も中央、地方兩方面にわたりまして、財政の激變期及び社會情勞の激變期に對處して、税制及び財政制度は近く大幅にこれを變革していかなければならないと考えております。それでその時間でありますが、地方財政委員會においても、この大幅なる地方財政自主化のための財政改革案をつくるのを第一任務とした財政委員會をつくることになつておるのでありました、この委員會設置法案によりましても、これは設置後九十日以内、すなわち大體二月末日までには、とにもかくにも財政改革案を國會に提案していくという背水の陣を布いて、ここにうたつてあるような實情でございまして、大體でき得る限り早く、明年度から行う。明年度議會の審議、あるいは議案の決定というようなことで、若干延びましても、明年度の四月より少し先へ食い込むかとも考えますが、大體少くとも明年度を見越して、明年度から中央、地方の財政、殊に地方財政については事情の許すかぎりにおいて、畫期的な改革案を實施することにいたしたいと考えます。
#8
○門司委員 ただいま林地方局長からお話になりました地方自治委員會の問題でありますが、これは今後本委員會として修正すべきであるかとも思いますけれども、原案であり、さらに機構の問題でありますので、でき得れば政府の方からそれを再修正されて本委員會に付記されることが順序だと思います。さようお取計らいを願います。
#9
○林(敬)政府委員 今理事の門司さんから御意見を承つたのでございますが、それで結構だと存じます。政府といたしましては、地方税法の一部を改正する法律案の修正案といたしまして、實は國會の事務局の方にはお出しをいたしておりますので、それをまことに御面倒でございましようが、事情を御了察の上、院議におかけをいただいて、そうしてこの委員會に御付記願えれば一番正面からのいき方かと思いますから、さようお取計らいを願いたいと存じます。
#10
○川橋委員 警察制度の改正施行に伴いまして、當分の間は國庫負擔に相なつておりますか、そういう状態が長く續きますと、せつかくの新警察法竝びにそれに伴う地方分權の趣意、あるいは地方自治の民主化ということは、徹底することが相當遲れることになると思うのであります。それでなるべくそういう經費は、市町村に負擔せしめることになるのが當然のことと存じますので、それに伴いましてまた地方税の改正が必要と考えております。それでなるべく國庫の負擔という期限を短縮することによつて、今申しましたように警察法の徹底を期するために、市町村における地方税の改正、これをやはり早くする必要があると思います。これは私の希望でありますが、要するにその意味で再び地方税の改正をやつていただきたいということを今から御準備願いたいと希望いたしておきます。
#11
○林(敬)政府委員 川橋さんの今の御話は、まことにごもつともでございます。まつたく私どもも同感でございます。警察制度の改革に伴いまして、市町村の負擔は當然増加するわけであります。また警察制度とああいう自治體警察とをつくりました以上は、いつまでも現在の制度のような、國庫からの交付金でもつて警察を維持していくということは誤りであると存ずるものでございます。そこで今までのような經費關係でいくということは、まつたく文字通り暫定的でございまして、私どもの方の氣持では、でき得れば本年度限りくらいで、ああいう關係は打切つていきたい。それでなるべく早い機會に、あるいは明年度からは、若干いろいろな手續きや審議の關係とかで年度少し半ばになつてくるかしれませんが、遲くも明年度の間には、これを純粹の市町村負擔に切りかえていくようにいたしたいと存じます。それに必要な財源、税源の措置というものは、當然これを伴わせて行わなければなりませんので、税制の改革にはその點を込み入れて立案をいたしたいと思つておりまして、政府といたしましては次の通常國會には、この警察制度の實施に要する費用の市町村負擔も含めた税制改革案を提出する豫定に考えております。ただいま提案中のものは、これをやらないと本年度の經費の經理に困るという點で、ごく小さな手直しという意味のものでございまして、これはこれとして御審議を願い、また警察制度の方については、できるだけ早くお話のような本格的筋ににもつていく税制改革案を提出する豫定にいたしております。
#12
○坂東委員長 ただいま委員外でありますが、庄司一郎君から發言の希望があります。これを許すことに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○坂東委員長 それでは庄司一郎君。
#14
○庄司一郎君 委員外の庄司に對し、ただいま本委員會において議題となつておる地方税法關係に關連して、發言のお許しをいただいたことはまことに感謝に堪えません。この際内務當局にお伺い申し上げたいのは、地方府縣あるいは町村等の關係における地方税源がきわめて枯渇しておる。また擔税力が思うような状態になつておりませんことは、府縣及び市町村を指導されておる内務當局のよく御承知のことであります。しかるに御承知の通り、現政府は本年七月五日に全國の料理飲食店に對し、暫定的に本年末までの期間を畫されて、政令をもつて營業のストツプ令をくだされたのであります。この結果として、府縣竝びに市町村等においては、三月末にそれゞの地方議會に諮つて豫算計畫を立てました歳入の見積りの中において、遊興税、飲食税が結局七月以降において、賦課徴收することが能わない状態になりましたがゆえに、地方の財源は相當なトラブルを起しておるような次第であります。この際政府が政令をもつて、その營業を暫定的に止められた料飲ストツプ令に對し、政府におかれては、關係閣僚方面と御相談の上、府縣及び市町村等の税源を、相變らず政令以前通り與える意味において、財源をより豐かにする意味において、政令は十二月末日までの期限になつており、明年一月元日よりはこの政令の効力が失われるのでありますが、そういう意味において、何らかの御考えがないか、でき得るならば内務當局の、地方税源の涵養のための一層の御配慮を得たいという信念のもとに、お考えを伺つておる次第であります。
 もう一つは、今囘政府御提案の追加豫算の中に、すでに本會議において可決いたしましたる歳入の中に、全國の官有物、官有の土地等の拂下げによつて歳入を見込まれておる額が相當額あるのでございます。その官有の土地の中には、元の陸海軍あるいは空軍等の軍事關係の土地が相當見込まれておりますが、それらを特に直接關係のございます關係町村等に、優先的に土地あるいは山林、原野等を拂下げられて、市町村等の財源を培養するところの計畫を關係町村長は立てて、政府に、直接には大藏省に、それゞ陳情請願をされておるのでありまするが、内務當局としては、地方市町村の財源を涵養し、また市町村以外に、いろゝな情實關係や何かをもつて拂下げの請願陳情等が行われますと、とかくそこに間違いが行われやすいのでであります。もともと陸海軍が買收された戰時中においては、府縣市町村長に買收方を依囑されて、町村長が當時戰爭遂行のために地方の地主より理解を得て、陸海軍に、つまり政府に賣却せしめたという責任のある關係上、でき得る限り地方町村等に、今囘追加豫算に盛られておりまするところの歳入の中の、官有物あるいは官有土地の拂下げ等については、優先的に市町村に拂下げられるところの御努力と御協力をお願い申し上げたいというのが、全國町村長會等の切なる希望なのでございます。そういう意味において内務省の御援助を煩わしたい。内務省がかりに近く解體されるといえども、從來長い七十年の間、市町村を直接指導、監督、誘掖されてまいりました内務省としては、ひとつ大藏省その他と御相談の上、市町村の財源の培養のために、從つて財源を豐かにし、分與税、分與金等の國家依存にのみよることなく、市町村が一日も早く獨立の採算自治體たることが得るよう、何分の御配慮を得たいと考えておる次第でございますが、かような全國町村長會等の切なる請願等に對して、内務省の御配慮を得るとともに、御所感の一端を承り、御甚力を煩わしたいものである。こういう意味からお伺いを申し上げた次第であります。お許しを得ました特別な委員外の發言としては、これで終りでございます。
#15
○林(敬)政府委員 ただいま庄司さんのお話の中の第一點、すなわち地方財源、税源の枯渇と料飲店の營業の停止との關連の問題でございます。これは實は地方財政という面のみから見まするならば、まつたくお話の通りでありまして、實はこれがために遊興飲食税はもとより、營業税の方向においてすら相當の影響があることはまつたく事實でありまして、これがやはり地方財政の苦しい原因の一つになつておると存じます。しかしこの料飲店のあのときの營業停止ということにつきましては、申すまでもなく別箇の大局的見地から、ああいう措置が行われたのでございまして、地方財政の立場からのみこれを考えることが、やはりできないのではないかということで、私どももそれを前提といたしまして、それからあとの地方財政がそうなつても、何とか立つていくようにという方の措置について努力をいたしたわけでございます。そこで遊興飲食税の穴につきましては、いわゆる分與税を増額いたす措置をとりました。百十億の分與税の當初豫算でありましたのを、さらに八十一億増加いたしまして、その中には遊興飲食税の穴もこれで補填をしていくという方針をもつております。またずいぶんほかにいろゝな費用も地方ではかかりますので、それだけでも十分とも存ぜませんので、今別途提案中でありますところの、地方税法の中の住民税の平均額を五割引上げる、この増收額、それらによつてこの缺陷を充たす、また地方地方財政もできるだけの節約をはかつてもらう、こういうような措置で、とりあえずの措置を講じてまいつてきているのであります。しかしながら、これはやはり地方財政の面から見まするならば、地方が苦しくなる一つの原因であると存じます。そこで、それではその税源、財源を供給する意味において、料飲店の營業の停止は十二月末までであるから、そこで打切りにするかどうかという問題であります。これはしかし、先ほども申し上げましたように、いわゆる別個の大局的見地からこういうことが行われておるのでありまして、政府としては、十二月末日でその期限がきれるものでありますから、それで鋭意考究をいたしております。確かに事實この點については、いろゝと各方面から再檢討を加えてはおりますが、しかしただいま、これをどうするかということを申し上げられる結論を得るに未だ至つておらない状態でございます。御了承を願いたいと思います。
 それから第二の點であります官有物、官有土地というものを、今日のような財政の苦しい状態の緩和のために、また將來自治體がお話のごとく國家依存からほんとうに離れて、名前のごとく自立自主ということを強化いたしてまいりまする上からいたしまして、こういうものを自治體に拂下げてもらうということは、非常に望ましいことであり結構なことだと存ずるのであります。現在私どもがいろゝ關係をいたしますというか、御協力を申し上げて、いろゝと校舎に轉用いたしますとか、あるいは特別のために土地を利用しますとか、そういうことにもうすでに解決を見、あるいは話の進んでいるものもございます。しかしまた一方官有物やあるいは官有土地を保有している面から見ますと、なかか各方面からの要求が殺到しているようでありますし、またそれのみでなく、いわゆる山村などにつきましては地方に任せると、地方でこれはまた地方だけの見地からいろゝ伐られてしまう。そこで國家全體としてこれを見合つた上で保有をしたいというような、一つの國家の方から見た理窟も立つようなこともありますわけでありまして、いろいろお話のように望ましいことではあるが、實現はなかか客易でないものも多いようでございます。もちろん内務省といたしましては、續きます限り政府部内においては地方自治體の立場を擁護し、またその立場の正しい主張はこれを通していくために努力をし、御協力を申し上げる立場にあると存じます。また内務省解體後においても政府部内においては、やはりこれの機能を果すべく別個に機關がつくられて動いていくものと豫想されるのでありまして、できるだけの御協力をいたしまして、もちろん大藏省その他の方に對して、正しい地方の御主張に對しては、私どもも部内にあつて、できるだけの盡力をいたすつもりでございます。
#16
○松野委員 地方財政の困難なる状態は各委員より述べられ、また政府當局も、すでにお述べの通りでありますが、それに附隨して特に目立ちますことは、地方において、寄附行為の半ば強制的な、あるいは割當的な寄附行為が非常にはやつている。教職員の生活援護寄附の申し出があり、また警察官の援護のために割當があるとか、また一つの政府の出先機關ができると、それに附隨してその町村に割當がある。それと同時に、各地ごとにその状況に應じ、その土地の事情に應じ、現在の擔税能力、あるいは財政能力以上の、寄附行為の半ば割當強要が行われているということは各地において多々あると存じますが、これに對して内務省はいかなる限度において、いかなる節度においてこれ統制せられ、またこれを容認せられておるかという點を一應お伺いいたします。
#17
○林(敬)政府委員 地方團體において行いますところのいろゝの事業について必要な經費は、税收入あるいは國庫補助、あるいはその他の財産收入、そういうもので賄うことを本體とし、大體それでどうやら賄いがつくということを、今までの原則といたしてまいつておるのでございます。そこで寄附行為ということは、極力やつもらいたくないというのが政府としての氣持でございます。またやつてもらいたくないというような冷淡なことではなくて、極力寄附などをやらずに濟むように、地方の財政が立ち得るように制度を立てることが、われゝの任務だと思うのであります。ただ現實の問題といたしますと、必ずしもその建前通りいつていないことは、私どももまことに遺憾ながら存じている次第でございます。それでどうしてもこれは、本來の税金その他でもつて賄いのつかぬというものであつて、緊急にどうしても必要であるというものであり、片方強制を加えたり、割當を加えたりということでなく、惡い影響がなく、大體自發的に寄附を集めてやるということになりました場合には、あえてそれまでも禁止するということも、政府としてはいたしかねるような現状でございます。從つて寄附行為というものは、どうしてもやむを得ないものは眞に自發的な性格を保持することにして、これを默認するといいますか、默つているというのが現状であろうと存ずるのでございます。寄附行為というものの一番いやなことは、一歩誤まると割當強要というようなことに流れるのでございまして、嚴重にそういうことのないように、會議におきましても、その他通牒を出しますときにも、いつもそういうようなことを申している次第でございます。今後もそういう具體的な問題につきましては、起りますたびに私どもの方も警告を發して、極力弊害のないようにしていきたいと思います。またさらに進んでは、寄附をやらないで――自治體も好んで寄附をやりたいとは思つていないと思うのでございまして、寄附をやらないでも、もつと正當な收入で自治體の賄いがつくように、税制の改革というものを早急に行うべきものだと考えております。
#18
○松野委員 ただいまのお話、まことに結構に了承いたしましたけれども、なおその寄附行為に關しての監督という點において、あるいは寄附行為の發案についての調査をするなり、あるいはその結果について報告を求むるなりの統制を、内務省地方局においてやつておられるか伺いたい。
#19
○林(敬)政府委員 現在は財政全體の問題としまして、さような寄附というものは極力やらないようにということは、先ほどもしばば申しましたように内務省としていたしております。また殊にこれが割當になつたり、強要にわたつたりしてはいけないということは、機會あるごとにこれを周知徹底するようにいたしております。しかし一つ一つの寄附につきまして、これを監督し、あるいは報告を徴するということは、内務省としてはいたしておりませんので、警察の方の寄附については内務省の警保局の關係、教育の方でありますと文部省の關係、そういう方でそれゞの監督はいたしておるものと存ずるのであります。なおこれが財政全般の問題として、非常に弊害が出てくるということになりますれば、地方自治法によりまして、財政上のことについて中央政府は査察を加え、監督を加え、その結果の報告を徴することができることになつておりますので、その條文を活用いたしまして、弊害の是正を行いたいと考えております。
#20
○坂東委員長 この法律案につきましては、ただいま質疑はありませんが、この次に引續いてやることにしまして、本日のこの法律案に對する質疑はこの程度でいかがでしようか。ただいま御出席の委員諸君の中におきましては御質疑はありませんが、しかし缺席者もありますから、この質疑はさらに次に繼續することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#21
○坂東委員長 ではさよういたします。
#22
○坂東委員長 それでは請願の日程でありますが、今飲食店に關する請願の答辯に、經濟安定本部の生活物資局長の坂田君が、どこかまわつてくるのでまだ來ません。他の政府委員も他の公務で來られませんので、困つております。そこで請願日程第三を議題に供しますが、警察法案中東京都各區に公安委員會設置の條項挿入の請願は、次の警察法の審議の場合に日程に上ぼすことに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#23
○坂東委員長 それではさよう決定いたします。
 そうしますと、他の請願の政府委員が來ませんですが、きようはできないわけでございますが、いかがですか。
#24
○庄司一郎君 紹介議員としてお許しをいただきます。
#25
○坂東委員長 よろしゆうございます。
#26
○庄司一郎君 本日午後一時より答辯の義務あるところの政府官吏が、どういう公務上の多忙な結果かわかりませんが、おいでになれないのは、はなはだ遺憾千萬でございます。しかしながら紹介議員としての私は、まじめに午後一時より出席をしておりまするので、政府委員は文書の上において大體請願の趣旨はわかつておると思いますから、御迷惑ではございまするけれども、委員各位にきわめて簡單に、紹介議員がその趣旨を陳辯したいと思いますので、委員各位の御了解と御贊成がございまするならば、政府委員が臨席の場合において答辯だけをもらうことにいたしまして、請願の趣旨だけ陳辯させていただきたいということを、委員長までお願い申し上げておきます。
#27
○坂東委員長 ただいま庄司君の要望がありまするが、説明を聽くことにいたしますか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#28
○坂東委員長 それでは日程第四、料理飲食業者の營業再開許可の請願について庄司君からLうなお日程第七、料理飲食業者の營業再開許可の請願、これも庄司君でありますから、この二つを一括して議題に供し、庄司君の説明を求めます。
#29
○庄司一郎君 ただいま日程第四、文書表第一一〇五號竝びに日程第七、文書表第一一六〇號、この二つの請願について、紹介議員として簡單に陳辯を申し上げる機會を與えられまして、たいへんありがとうございます。答辯の義務のあるところの政府委員が、すでに本日の日程を公報において御承知ありながら、いまだにおいでにならないということは、紹介議議員としても、また本委員會としても大いに遺憾千萬なことであると思うのであります。今後この請願に對する責任ある答辯に際しましては、委員長より嚴重に御警告あらんことをあらかじめお願い申し上げておく次第であります。さて請願は便宜上二件を一括いたしまして、きわめて簡單に委員各位の御賢察を賜わりたいと思うのであります。
 本請願は、一つは全國の料飲關係の連合組合の更生對策委員會の代表者である諸君より、一つは東北六縣料飲業連合組合の組合長松尾啓三君より、提出せられておる請願でございますが、すでに賢明なる委員各位においては、百も御承知二百も合點ということがございますから、御承知の通りでございますが、料飲業が全國に戸數において約三十七萬戸、その家族及び從業員を合計する場合において、約三百五、六十萬人の關係の請願の聲でございます。
 政府の、食糧問題、あるいは對外的なゼスチユアも含まれておるのだろうと察知せられますが、いわゆる七月五日の一片の政令で、全國の料飲業者がことごとく今年の年末まで、その營業を停止するの餘儀なき状態になつたのであります。その後における業者の生活、特に業者の中には引揚者、あるいは戰災者、被災害者というような諸君が、にわかに簡單なる飲食業の許可をとつて開業したという人も大分ございます。さような關係上、相當の財を蓄わえておるところの營業者はとにかくとしても、それらの諸君でさえも、すでに半歳にわたつて生活のために、さような貯蓄のゆとりがなくなつたというただいまの状態でありますから、いわんやただいま申し上げたような、にわかに臨時的に飲食業等を開業いたしたところの多くの中産以下の零細なる、困つておる、そうしてこの營業によつて生活をしようと計畫をした多くの業者等は、ほとんど悲慘なる生活の状態に陷つておるのであります。いわんや政府は、前年度の營業税あるいは遊興飲食税等々の滞納があるとか、あるいはまだ未納があるとかいうので、かなり苛斂誅求をされておる。いわゆる泣つ面に蜂というような悲慘な状態でございます。よつて本國會に對しても、議長宛にすでに御承知のごとくたくさんの請願、陳情が現われておるような次第でございます。
 この請願の趣旨の結論は、政令によつて本年の年末まではとにもかくにも營業ができない、政令で命令されておるのでありますから、これは餘儀ないこととして、過去のことはとやこう批判しても追つかないのでありますから、しかたがありませんが、ただこの政令の最後の期間であります本年末を終つたならば、一夜明けて昭和二十三年一月元日よりぜひ再開のお許しを得たいというのが、この請願の最終的な結論のお願いでございます。
 あらためて申し上ぐるまでもなく、昔から警察官憲等のサーベルのかげのもとに弱い商賣といわれてまいりました料理店、あるいは飲食業者ではありますけれども、ただいま申し上げたように、全國でその營業の戸數が三十七萬戸ありと統計されておるのであります。その方々が、あるいは全國的に、あるいは關東、關西、あるいは東北、そういう地域的に團結をされ、何とか營業者として更正していきたいというので、いろゝ更正上の具體的なる案を作成いたしまして、政府が心配されておる主食關係等においては、決して營業上の客體とはしない。米のような主食品は用いない。あるいは配給の酒以外のやみ酒等を買うて、これをまたやみで高く賣るというようなことは絶對しない。あるいは料理の關係においても一汁二菜、あるいは一汁三菜、あるいは一品料理。あるいは冠婚葬祭等におけるところの料理等も、きわめて低廉なるところの、いわゆる薄利多賣的な方法をとるという自肅自戒的な對策試案を練られて、ここに文書としてまもなく皆様に差上げることになつておるのでございます。また納税方面においても、國家に協力をして、各組合が間違いなく遊興飲食税等を徴收し、大藏省にこれを納め得る方途を講ずる。反面においては、自主的な監察制度を設けて、ブロック的に十名あるいは二十名を一組として自肅自戒、もつて國家の法律をよく嚴守し、政府の命令等はこれを遵守し、正しい管業者としてあくまでも善處していく。こういうふうなことを考えておるのであります。あるいは連合國等の御注意等もありますので、公衆衛生の關係においては、つとめて料理場等については公衆衛生的な周到なる注意を拂い、惡いものはただちにこれを改善するというような理想案を考えております。何とか速やかに再び營業の再開ができ得るように、政府の御善處を願うというようなことをここにいろゝなる計畫試案を設けられて願われておるような次第であります。また今日ようやくタイプライターを打ち終えまして、民衆の世論により必要なる飲食店の再開の請願書という名題のもとに、マツカーサ司令部のそれゞのお係りの方に、切なる陳情請願をするという計畫をもつておるのであります。また最近においては、全國の營業者の大會を開催して、政府の御善處を願うというようなことも聞いております。
 どうか賢明なる委員各位におかれましては、その政黨政派のいかんを問わず、もとより公正妥當なる御審議を賜わるところの委員各位でございますがゆえに、この新憲法のもとに、職業の自由選擇を憲法が基本的にわれゝ國民に與えておる、われゝはそういう權利をもつておる、その職業。ただ單に料理屋、飲食店というようなものは、何か罪惡的な惡いものであるかのような小兒病的な考えをもつておる方々も、國民の一部にはあるようでありますけれども、やはりこれは社交の上においてもなければならないものであり、主食以外のいろゝなものを、專門的の技術をもつてこれを割烹して、いわゆる未利用資源を活用するという意味においても、非常な長い體験をもつておる業者でありますがゆえに、食糧問題解決のためには積極的に貢獻をなし能う半面をもつておるのであります。何とぞ本委員會におかれましては、この切なる全國三十七萬戸の請願の趣旨を御了承賜わりまして、とにもかくにも國民お互い同士には、新憲法において生活權を與えなければならない、生存權を附與しなければならないのである、しかるにその營業が停止をされ、前途きわめて不安の状態にありまする業者諸君のただいまの悲慘なる生活状態、それらに對して御同情と御賢察を賜わりまして、新憲法治下において、ただ料理屋、飲食店であるがゆえにストツプ令はしかたがないのであるというようなことであつてはならないと思うのであります。これがもし官吏に對して、あなた方は年末まで休職しろ、月給はやらぬぞというようなことがあつたならば、これは大きな社會問題、勞働問題となるのであります。何とぞ、業者の諸君が、ひとり私のみならず、他の先輩同僚諸君をも御依頼されて、紹介議員として本委員會に請願をされておるのでございますから、政府の御答辯はいかなる御答辯であるかはわかりませんけれども、どうかひとつ御賢察を賜わりまして、速かに再開の喜びをこれら業者に與えることができ得るように、この請願を御同情をもつて御採擇を賜わり、全國關係社三百六十餘萬人の生活の保障をお與えくださることができ得るように、ここに謹みて請願の言葉を申し上げる次第であります。
#30
○坂田政府委員 お答えいたします。飲食店の開業問題につきましては、當時食糧事情の非常に逼迫したる問題、竝びに歐米諸國における食糧の非常に窮屈なときにおいて、わが國として多量の輸入を懇請しなければならないような實情にありましたために、一時營業の停止をはからざるを得なかつた實情にあつたのありますが、今後の見透しはどうかという御質問に對しましては、やはりその當時とほぼ同様の状態でありまするし、さらに歐米諸國の實情を見ますと、ヨーロッパの旱魃の關係、またアメリカ等のとうもろこしの減收、いろゝな點からいたしまして、國内においては多量の輸入を要請しなければなりませんし、輸入能力と申しますか、その可能性が非常に窮屈であります點は、その當時以上の情勢でありますので、今後におきましても引續きやはり停止を免れないのではないかという實體には變りはないように思われます。さような線に沿いまして、やはりこの停止期間が延びるという方向に進むように思いますので、その點を御了承を願いたいと思います。
#31
○庄司一郎君 今一囘お許しをいただきましてお伺いしておきたいと思うのでありますが、ただいまの御答辯の趣旨はよく了解いたしました。しかるに去る本月の十八日追加豫算の採決をする前の日でございましたが、豫算常任委員會の委員長鈴木茂三郎君が片山總理に對して、かような質問をしたのであります。すなわち全國の料理屋あるいは飲食店關係の方面より、いろいろ請願あるいは陳情の文書がたくさん來ておるが、自分の考えでは、高級なる大部分の料理店等はしばらく埒外におき、中以下のこまかい飲食店等に對して、ある特定の條件のもとに、ある制約のもとにその營業を速やかに許可して、彼ら業者の生活の安定をも考慮することが政府として妥當であると考えるが、片山總理の御所感いかんと、こういう意味の鈴木委員長の質問であります。それに對する片山總理の御答辯は、いろゝ長い御答辯であつたけれども、これを要約すると、いわゆる中以下の零細な料理店あるいは飲食店等に對しては、委員長のおつしやるようなある特定の、いわゆる條件附のもとにこれを再開させるためにさらに考慮してみよう、こういう意味の御答辯であつたのであります。これは決して、片山總理が鈴木委員長と同一なる政黨の黨友であるという意味のお答えではありません。常任豫算委員長としての鈴木委員長のお問いに對しての片山總理の御答辯でございます。しかるにただいまのお答えでは、何だかさらに政令を延長されて、來年もはなはだむずかしいのではないか、さらに政令の出し直しでありますか、政令の命令期間の延長でありますか、餘儀ない状態ではなかろうかというような、われゝ請願の側から言いますと、大分悲観的なお言葉のようでございますが、もとより業者は從來の政令以前の状態のもとにおいて再開を願つておるのではございません。先ほど申し上げたように、米であるとかその他主食品、あるいは魚の場合においては、統制の範圍内にあるもの等々はこれは絶對に用いない、すなわち國内における食糧事情を脅威するようなことは斷じてしないのである。統制外のものを割烹調理の材料として、海濱麺というようなあのこんぶを原料としたるもの等も具體的に例にあげられております。そうして食糧關係等においては、決して政府に惱みを與えるようなことはしないのである。また酒なども大藏省よりの配給酒以外のものは、御命令御指示に反するようなものは自肅自戒して決して用いないのである、こういうことを固く更正連盟の對策として、あるいは試案として、あくまで自肅自戒し、もつて政府にも國家國民全體にも、食糧品に關する限りは御迷惑をかけないという固い對策のもとに再開を願われておるのであります。また公衆衛生上において望ましからざるところの調理場をもつておるものは、今囘再開の埒外においていただいてもよろしい。あるいは國家の法令法規等を守らず、暴利をむさぼるような惡徳な者があるならば、自肅自戒、組合側よりこれをオミツトするというような具體策も掲げられて今囘請願をされておるような次第でありますので、ヨーロツパがいかに小麥がとれなくても、とうもろこしがとれなくとも、Lうなるほど今年は東北その他には水害があつて多少の收穫減もございましたけれども、來年もさらに災害によつて米の收穫が少いという理由は一つもないのであります。どうか政府委員におかれてもよく御研究と御善處を願います。
 一體新憲法のもとに輝かしい職業選擇の自由をもつておる國民が、一片の政令によつて全國三十七萬戸の營業者が、その營業を奪われて生活難に喘いでる。かようなことは、私はいかに食糧事情とはいいながら、あり得ないことである。やはり鈴木豫算委員長が言われたように、ある一定の條件をつけられて營業者を生かしていく。國内の治安を害さないように、食糧事情に壓迫や脅威を加えるようなものは、これは政令ストツプどころじやない、全面的に營業權を奪つてもよろしいのであります。しかし穏健著實に眞面目に營業をやつていきたい者については、政府はこれを再考されるところの雅量、御考慮の餘地があろうと思う。それは生存權を奪うことであり、生活權を脅威することであります。さようなことを片山内閣はやつてはなりません。なるべく國家民人に迷惑をかけない強力な對策のもとに、ある一定の條件のもとに營業の再開に向つて御考慮を願わなければならぬのであります。どうかひとつこのことも御研究くだされ、また業者とも懇談會を催していただいて、業者の對策あるいは試案が、なるほどこれならば國家民心に惡影響を及ぼすようなことはあり得ないということを御納得賜わりまして、再開に向つて御考慮を煩わしたい。念のためいま一應政府委員としてのあなたの御所見を承りたい。
#32
○坂田政府委員 食糧の大量輸入を懇請しなければなりませんし、輸出するアメリカ本國方面その他の状況、また歐米諸國の食糧の危機の状況、かような關係からいたしまして、御承知の通りアメリカ本國におきましても、食糧の規正をやりますためいろゝな統制を強化いたしておりますような實情のもとにおいて、多量の輸入を要請しなければならないという實體にありますことは御承知の通りでありまして、さような意味においての實相からいたしまして、再開は困難な見透しにありまするし、實情にあります點をお願い申し上げたわけであります。なおたとえば大衆酒場といつたようなもの、その他の點については、食糧輸入懇請の問題、また爾後における食糧の問題というようなものからみて、いかなる關係に立つかといつたような點につきましては、私どもの方においても常に考究をいたしてはおりますけれども、見透しといたしましては、再開が困難であろうという點をお答えいたしたわけであります。
#33
○松野委員 私も一言附加えて申し上げたい。生活物資局長は、この陳情書を讀まれての御答辯かという點をまずお尋ねいたしたいと思う。
#34
○坂田政府委員 ただいまお讀みいたしたわけであります。
#35
○松野委員 陳情書に對する御答辯を私たちも期待し、また陳情議員も本日罷り出た次第で、ただいまの御答辯を拜聽しておると、陳情書を讀まれたかと愚劣な質問かもしれませんが、かくのごとき質問を再び繰返さなければいけないような氣を私は催すのであります。もちろん陳情書をお讀みにならないとしても、庄司議員からの懇々たる御説明によつて御了承されたと信ずるにもかかわらず、私自身も、紹介議員あるいは委員諸君も、核心に觸れない御答辯と感じておるので、本日はさような概括的な世界の食糧事情を拜聽したいのではない。あるいはお讀みになつていなければ、私が讀んで御説明申し上げてもいいのでありますが、私たちの陳情あるいは委員の願望に對して、責任をもつて確信のある御答辯を願いたいのであります。
#36
○坂田政府委員 同じことになるわけでありますが、今お話になりましたこと、また陳情書の中に載つておりまする點等につきまして、つまり食糧の問題に衝突しない點、たとえば統制外のものでするところの營業であるとかいつたもの、いろゝな點が加わつているのでありますが、かような點については、私どもとしては研究はいたしております。しかしながら多量の食糧輸入を懇請しなければならないような實態からいたしまして、直ちに再開ができるかという問題になりますと、この停止期間をさらに延長しなければならないという情勢となるという見透であります點を申し上げたわけであります。
#37
○松野委員 この陳情書をお讀みになつたと私は拜聽できない。なぜならば、この陳情書は再開のみの趣旨辯明、あるいは陳情の趣旨が含まれているのでなくて、この陳情書の大部分はなんらかの途で開いてくれ、再開のみの陳情ではありません。なんらかの途で、あるいは條件を附しても、なんらかの生活の途を開いてくれという陳情が大部分含まれているのであります。しかるに再開のみの一事をもつて御答辯なさることは、私たち委員は拜聽できない。その點に對しての御答辯をお伺いしたいと思います。
#38
○坂田政府委員 研究はいたしておりますけれども、なかか困難だという見透しであります點を、繰返しお答え申し上げます。
#39
○庄司委員 はなはだ再々にわたつて恐縮でございますが、委員長は過去約二十年の間、おそらく十七囘も請願の特別委員の重要なる役割をやられてまいりまして、民の聲を國家、政府に反映する上において默々として、はなはだ失禮でありますが、多年の國民の請願を正しく議會に反映するために努力されてまいられました委員長なるがゆえに、徳にこのことを訴えるものであります。再々申し上げたように、これは業者の生命線である。しかも生活權であり、生存權であるものが脅威されるのでありますがゆえに、何とぞ賢明なる委員各位とお諮りを願いまして、營業權を確保されることができるように、いかなる性質の條件かわかりませんけれども、片山總理の御答辯と、ただいまの政府委員の御答辯の間には格段の相達が本質的にあることを發見いたしました。何とぞ本委員會においては、この請願を御採擇くださいまして、政府に御送付くださることをお願いいたしまして、これをもつてこの二件の請願の趣旨を終ります。長い時間何囘もお許しをいただきましてありがとうございました。
#40
○坂東委員長 お諮りいたします。日程第五、料理飲食業者の營業再開許可の請願、文書表第一一四二號、紹介議員は細川八十八君でございますが、これは同趣旨でありますから、一括してこれを議題とすることに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#41
○坂東委員長 それではさようにいたします。お諮りいたします。日程第四、第五、第七、この三件はただいま庄司君が述べられましたから一括して……。
#42
○門司委員 ちよつと待つて下さい――この機會に聽いておきたいと思います。むしろ政府に要望したいと思いますことは、この請願の問題はきわめて重要な問題でありまして、國内的に見ますならば、先ほど請願の趣旨のお話のありました通りでありますが、その他のいろゝな諸般の關係事項等もございます。これをいかに處理するかということは非常に重要性をもつていると思いますが、私この機會に政府にお聽きしておきたいと思いますと同時に、要望いたしておきたいと思うことは、先ほどの政府當局の答辯によりますると、この状態を持續しなければならない諸般の條件が備つておるというようなお話でありまするが、要は生活權の問題でありまして、事態をこのままの状態にしておいて推移いたしまするならば、請願の趣旨にありました通りでありまして、國民の生活權をおびやかす一つの大きな問題になつてまいるのでございまするが、そこで私どもが考えますることは、これについては政府は斷固たる處置をもつて臨むべきである。こう考えるのであります。それはたとえば現在のような生殺しの状態におかないで、食糧事情その他につきましても、ここ數年の間に、この食糧事情が、われゝの要求しておる二千四百カロリーないと五百カロリーをとり得る状態に立至らぬであろうことは、十分言いうるであろうと思います。それから國民の状態が、國民所得の關係から申しましても、なかか高級料理店等を十分認め得るだけの情勢に私はならないと思う。そこで問題は政府の所信であつて、へびの生殺しのような状態におかないで、切るべきものはどんどん切つて、生かすべきものは生かすという、強い國民の生活權を擁護する指針がこの際發表されなければ、こういう問題はいつまで經つても現状を繰返すのみであつて、解決の曙光を見出すことはできないと私は思いまするが、この際、現在の状態を續けなければならぬという情勢にありまするならば、それゞの業者に對する生活權の問題をどういうふうに解決していくかという點についての、政府の所信を一應承つておきたいと思うのでございます。
#43
○坂田政府委員 先ほどからお話がありましたように、こういうような實體でありますので、ここ當分繼續がむずかしいという見透しでありまするが、いわゆる統制食糧その他の重要食糧と關係なしにいき得る部分がありやせんかといつたような問題につきましては、とくと研究中であります。ただ今はいろゝの實情がありまして、これを認めていくことには、なかかなりかねるという實情にありまする點を、關係方面等もありまして、その點がここで申し上げることができないのでありまするし、また非常にその見透しが困難な實情にある。今お話の點については、よく研究を進めていきたいと思います。
#44
○坂東委員長 お諮りいたします。日程第四、第五竝びに第七は最も至當なる請願とも考えますので、これは本委員會では採擇としまして、これを實現せしめる趣旨におきまして強い院議を經まして、これを内閣に送付するに御異議ありませんか。
#45
○門司委員 私は今日直ちに本委員會か採り上げることにつきましては、一應考慮をしていただきたいと思います。それは本問題はきわめて重要な問題でありまして、政府の所信も先ほど申し上げましたように、このまま持續するということになるという方針をもち、さらに許すべきものを許すということについての、確固たる御答辯がないようでございまするので、關係方面その他いろゝな諸般の事情を勘案いたしまするならば、このまま直ちにこれを採擇いたしまして、そして院議によつてこれを強く政府に要望するということは、今の状態から申し上げまして、非常に私はむずかしい問題に逢著する面もできてくるかとも考えますので、われゝは本問題を取上げて生活權をどうするかということについては、一應の具體策の見透しがついて、その後においてこれを行う。またそういう方法が行使されて、初めてこれが取上げられて政府に強く要望することが、私ども委員會のとるべき態度ではないかと思いますので、本問題についてはしばらく保留されんことを望みます。
#46
○千賀委員 私はこの問題は、當委員會において採擇さるるよう希望する一人であります。と申しますのは、この陳情があつてもなくても、多數の料理屋で營業した者が、その生活をどうするのかというようなことを、はつきり政府から指示も與えられず、國家からほとんど何の保護も與えられずして、過去數箇月間空しく暮してまいつた。なおここで、將來も同じ立場が必要なんだというような冷たいことを宣告されますると、國民に對しまして非常な暗影を投ずるものであることは言をまちません。われゝはいかにしても、彼らが安んじてその生を全うする途を何とか見つけ出してあげなければならない。この委員會は單に一つの關係委員會でありまして、國民の生活權あるいは國民のほんとうの人道上から考えていく生存權のごときは、内閣全般のあらゆる機關を通じて考究決定されるべきものでありましよう。われわれは當面、内務省の所管だからこの問題を内務省だけの立場において、いいとか惡いとか、この請願を却下しようか、採擇しようかというようなことを考えることは、あまりにもこれは輕率であると思います。われゝの面から見ましても、たとえ内務省だけの立場においてどうすることもできない問題でありましても、内閣全體の事項をそれゞ勘案してまいりますれば、ここに適當な彼らの生存權を確保する途が見つかるかもしれないのであります。これは見つかるであらうと私は希望もし、さようなことも考えております。總理大臣の答辯のごときも、大體かような意味を含んでいるものと思います。でありまするので、われゝは當然これを採擇して結構であると思います。われわれがここで、もしもこれを採擇を拒みましたならば、他の機構においてもこの問題を解決すべき幅があるのに、ここで阻むということになりまするので、當然私どもはこれを採擇すべき義務もあると考えております。私は委員長と同様な意見を抱懐しているのでありまして、委員長の動機の方に贊成をするものであります。
#47
○松澤(兼)委員 私は遲れてまいりましたが、この問題につきましては、對内的な問題であると同時に、對外的な大きな關係のある問題でありますので、なるほど一部の人たちにはたいへんお氣の毒なことでありますが、この問題を委員會で採り上げて、政府に強く要望するということはしばらく見合わせていただきたいと思うのであります。請願というものを採擇する以上におきましては、やはり政府に實效の伴う施策をしてもらうということが、その趣旨であろうと考えるのでありまして、政府として非常に窮地に陷るというようなことを、われゝが一方で考えておりながら、この請願を採擇するということは、われゝの職責の上から申しましても、ははだ殘念なところでありますので、先ほど門司君からお話がありましたように、採擇を見合わせていただきたいと考えております。
#48
○坂東委員長 いかがですか。普通全部異識のない時分には立たなくてもよいのでありますけれども、異議があつて時分にはやはり起立に問うわけです。その場合には數がありまして、十五人なければ決定はできないわけであります。從つてこの三件は決定だけを延期とでもいたしますか。
#49
○松澤(兼)委員 それでは決定を延期することに願いたい。
#50
○千賀委員 決定の延期ならよろしゆうございます。
#51
○門司委員 私はこの問題は、むしろまだ政府に質すべき面が多分に殘つておると思います。それは先ほど私が申しましたように、むろん業者の生活權の問題が主たる問題でありますので、これに對して政府が、何らかの處置を講ずるということが明確になつてまいりますならば、むろん取上げても差支えないと思いますが、その點がまだ明確になつておりません間は、われゝといたしては、そう至極簡單にこの問題をただちに取上げて、そうして全面的の――請願の趣旨によりますれば、ただ料理飲食店の營業の内容においてのみ書かれておるのでありまして、現在の日本の國情、對外的の關係というようなものは、ほとんど考慮されていないのであります。われゝが考えますものは、國内的の食糧事情と、さらに對外的の問題が多分にあるということであります。具體的にこれを申し上げますならば、先ほどから申し上げますように、この線から下は大體よいであろう、あるいはこの線から上はこういうふうに處置するというようなことが、明確にならなければならぬのでありまして、豫算委員會における鈴木委員長の質問の要旨といたしましても、おそらくその線が明確に示されてはおらなかつたとは思いますが、大體大きな料理飲食店等に對する、いわゆる大廈高樓と申しますか、それらのものに對しましては、當分開業をするの見込みが立たないという状態であるならば、これらの對しては何らかの處置を講ずべきである。その處置を講じた後に初めて、許すべきものは許すという方針をとることがよいのではないか、またそういう考えがあるかというような質問の趣旨であつたと心得えております。從いまして、われゝは當時の片山總理の答辯もまた、おそらくそういうことを前提といたしまして、政府がこの政策を續けるからには、どういうふうな生活の保障をするというようなことは、相當に勘案した上でおそらく處置が講ぜられることだと考えますので、この機會にこれをわれわれがただちに取上げて、決定だけを數によつてきめようという態度につきましては、私はまだ政府の答辯がもう少し明確になるまで、この問題を取上げてよいか惡いかということすら、實は躊躇せざるを得ないのであります。さらにそういう状態でありますので、この問題を取上げて、御決定になることは、いましばらく延期願いたい。そして決定が數の上において行われるというならば、これを取上げるか、取上げないかということもやはりそういう形において委員長においては採擇していただくことが、この問題の處置については非常に重要だと考えております。繰返して申しますが、私どもがなぜそういうことを言わなければならないかということは、業者の生活權をいかにして脅かさないで、いかにしてこれを護るかということが一番重要な問題でありますので、これを漫然として、ただ許すとか、許さないとかを、この請願の内容だけで決定することによつて、再びまた事態が惡化してまいるようなことができてまいりますならば、業者にとつてもきわめて不幸な状態を得ないことになるかと思います。せつかく請願が出ておりますので、この機會に政府の答辯を聽いた上で、この問題を處理することが一番賢明であり、また私個人の考えといたしましては、いいのではなかろうかと考えますので、これを採擇することについても、一應の保留が願えれば好都合と考えております。
#52
○千賀委員 私はただいまの御意見に反對をする者であります。請願書はもともとこの題字にあるがごとく、請願書であります。業者が請願を出しますのは、苦痛を訴え、希望を取入れられんことを、國會から政府に取次いでもらいたいとお願いをしておるのが請願書であります。請願書を採擇いたしましても、これがただちにその通り、内閣が國會から命令を受けるのでもなければ、また業者から命令を受けるのでもありません。業者の請願はおのの自分の立場において苦痛を訴え、救濟を叫んでおるのでありますから、その書面の中に、内閣がやらなければならない諸般の事情が盛りこまれておらないから、これをただちにそのまま法律案となすのには足らないから、これを取上げてはならないというようなことは、およそ實情とあまりにもかけ離れた議論であります。いかに請願なるものが不完全なものでありましても、これが業者の苦痛を知り、また社會の實態を知る資料であるということを考えますれば、その内容がわれゝの胸を打ち肯緊にあたるものであるならば、これを取上げて内閣に取次ぐことにおいては、われゝは國民の代表といたしまして何らはばかるところはありません。また某方面のお話もありますけれども、もちろん某方面におきましても、日本の國民の聲をあらゆる機會を通じて正しく聽くことを望んでおるのであります。業者の方面におきまして、この問題がいわゆる生殺しのままにおかれておるその民衆の實情を、われわれが某方面にはつきり把握させるのにも、やはり取上げるものは取上げていくのが當然であると思います。委員會が内閣の立場をあまりにも忖度しすきまして、これを取上げたら内閣が困るだろうかというようなことは、そこまで忖度する必要はありません。われわれが取上げましても、決して過去の請願がそのまま政策として現われておる事實はほとんどまれでありまして、その一部分、あるいはその精神が、來るべき法律に盛られていくのだ、こういうことになつております。また過去の請願を見ましても、その内容におきましてはなはだしく粗雜であつたり、亂雜でありましたり、一部分の事情がここに盛られておるようなことが實情である。かるがゆえに、こを取上げるとか、取上げないとかいうような資料に全然なるものではない。これは國民の方からその立場々々によつて出してくるのでありますから、もちろんこれは横道であり、また部分的であるということも言をまちません。かような點におきまして、私は當然この請願は採擇をして内閣に送りたいと思うのでありますけれども、今日はこの採擇をするかどうかということをしばらく延ばして、他日再び委員會において審議するということであるならば、私はその點には贊成をいたします。
#53
○加藤(吉)委員 これは一政令のもとに料飲店の禁止をされておるという小さな問題のようではございますが、片山内閣の重要政策に關連した大きな問題と私は考える。私は片山内閣の一番勇敢な施策の一つであるとしまして、この料飲店禁止に贊成をいたしておるものでございますが、今この陳情のお話をお聽きしましても、これを再開させてみましても、配給竝びに統制品等には關係しない未利用資源を利用してやつていく、また税金の責任を負うというような點を申し述べられましたが、税金の責任を負うことは當然でございますが、未利用資源の利用、配給統制品に關係せずにやつていくことは、實際上まことに困難な問題であると思います。なお片山内閣の重要政策の一つとしてせつかくやつたのでございまして、これを半箇年くらいな實績を見てまた變更するというようなことはしないで、藉すに相當の時日をもつて處置すべきものと私は考えます。現在の状況においても農村、都市におきましても、かなりいい影響をもたらしておるものと私は確信しておるのでございます。こういう意味合において、業者に對しては非常にお氣の毒でございますが、この業者に對しては外食劵食堂に轉換してもらうとか、魚屋さんをやつてもらうとかいうような方向へ轉換していただいて、生活權に對してはまた、別途の方法で、國家はそれぞれ保障するところの方法を考えたらよろしいかと考えるものであります。こういう意味合いにおいては私は、この一請願ではございますが、國策に關連をもつ請願であるので、愼重に討議されてしかるべきと考えるのであります。こういう意味合において、この決定を延期したらよかろうと、こう考えるのでございます。
#54
○坂東委員長 現在議員の出席は十一名ですから、贊否兩論の場合は採決はできないのです。從つて次ぎに延ばして審議をするということで、この程度でいかがでしようか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#55
○坂東委員長 それではさよう決定いたします。
#56
○坂東委員長 次ぎに武庫郡町村に對し行政上特例設定の請願につきまして、今化政課長がおりませんので、代理の平野事務官が來ておりますから、この方の答辯で差支えありませんか……。
#57
○松澤(兼)委員 これは私の紹介の請願でないことは、皆様御承知の通りでいりますが、政府委員の方にちよつとお聽きいたしたいことは、御承知のように武庫郡町村は阪神兩都市の間に介在いたしまして、都市的な性格をもつた人口きわめて稠密な地域であるのでありますが、地方制度の上から申しまして、町村であるということのために、砂糖の配給にいたしましても、あるいは甘味料の配給にいたしましても、著しく不利な状態におかれてあるのでありますが、この點について地方民といたしましては、その生活の程度なり、あるいは生活の状態なり、大都市の住民と同じものをもつていながら、ただ町村であるというために、その不便をこうむらなければならない。これをたとえ行政上町村であつても、生活の實態に即して、特別な御配慮を願いまして、甘味料等の配給の點について、政府は都市並みにこれを實施なさる御考えがありますかどうですか。これを都市並みにしてもらいたいというのが請願の趣旨でありますので、紹介議員は本日參つておりませんが、私その近所におるものでありますので、一應政府の御所見を承つてみたいと思うのであります。
#58
○平野説明員 それでは私から簡單に申し上げます。本日は化政課長が參りまして、種々お話申し上げるところでありますが、よんどころない會議があつて出られませんので、私代理でお答えを申したいと思います。私遲れて參りましたので、今までどういう經過であつたか存じませんけれども、この問題につきましては國の方針が、この武庫郡に對してほかの物資も同様に配給するという建前でありますならば、私の方としても他の物資と同様にこの町村に對して特配をしたいと考えております。
 一方人口甘味料の生産竝びに配給状態について、目下のところを御説明申し上げたいと思います。ただいま關係方面の承認を受けて、年間生産しておるものは大體百トン程度であります。私の方といたしましては、現在の生産能力からみましてもつとつくりたいのでありますが、御承知のように日本の資源が非常に乏しくて、しかも人口甘味料をつくります種々の原料は、すべて染料なりあるいは醫藥品等非常にせり合つておりまして、これ以上つくることは不可能な状態にあります。その繰業程度は、大體設備能力の二五%程度しか動いておらない状態であります。私どもといたしましては、もつとつくるために關係方面へ各四半期ごとに、これ以上つくりたいのだということを願い出ておりますが、國内では人口甘味料をつくつて貴重な資材を消費するよりは、目下不足しておりますところのズルフアミンなり染料をつくる。特に染料にいたりましては、各國において染料の生産が非常に不足しておりまして、日本の染料の生産ということが、日本の現在の貿易の面において、輸出によつて外國から食糧を輸入するという大きな材料になつておりますので、日本の將來のために、ただいまのところは染料をつくれということを關係方面から、商工當局はお話を受けておる次第であります。從つて百トン程度の甘味料ができるということは、非常に幸いなことだと存じております。
 この百トンの人口甘味料をどういうふうに配分しているかと申しますと、大體一番重要に考えておりますのが、全國の都市家庭配給であります。次ぎに炭鑛勞務者用、それから鐡鑛、肥料、醫藥用であります。一番最初に申し上げました都市家庭配給の點が、ただいま質疑があつたことだろうと存じます。御承知のように戰後非常に砂糖が不足しておりまして、都市においては特に農村に比べて自然の甘味も乏しく、戰災その他で非常に人心が動搖いたしておりますので、われゝとして百トンの大半のものは都市家庭配給に向ける方針で今日まできております。御承知のように、都市の數は大體全國で二百八ばかりあり、その總戸數は大體算定いたしますと六百萬世帶ほどあります。それに一世帶十グラムずつ配給いたしますと、六十トン餘の配給量になるわけであります。そのほかの四千トンを先ほど申し上げました炭鑛とか肥料、鐡鋼、醫藥用に振り向けておるわけであります。從いまして、都市生活者に大體一世帶十グラムずつ配給しておりますが、これも絶對必要量だと申すわけにいかないだろうと思います。しかし乏しきものを不足なりにも家庭へまわしますことは、われわれとして大きな誇りであると信じて、今日まで實施してきた状態であります。先ほども申し上げましたように、武庫郡のみについてたとえば町村に配給することは、私一個といたしましても、商工省といたしましても、全然考えておらぬ事實でありまして、もし國の方針といたしまして、どうしても配給するのだという方針でありますれば、私どもといたしましても皆さんに御協力いたしたいと思いますが、現在の生産状況からみまして、武庫郡へ特配することは、とうてい不可能ではないかと結論づけられるのであります。この程度御答辯いたしておきます。
#59
○松澤(兼)委員 できないことはよくわかつておるのですけれども、その實情をよく考えていただきまして、たとえば御影であるとか、住吉、本山、本床、鳴尾というような一連の町村は、ほとんど相接して一大都市を形成しておると言つて差支えないのでありまして、これはむしろ人口三萬、五萬の地方都市などに比べてみまして、その生活の程度といい、あるいは租税負擔の能力といい、そういう地方の中都市などよりはずつと都市的な性格をもつているのでありまして、住民もまたそういう大都市の住民としての生活をしておるのであります。ただ法律的に市である、あるいは町村であるとかいつたような區別でなく、その生活の實態から考えていただきますならば、これは都市並に扱つていただきたいと思うのであります。絶對量が少いという點はよく了承できるのであります。ただ何とかそういう内部のやり繰りによつて、特例を設けていただきたいという請願なのであります。承りますと、ただいま御答辯のごとく、自分一個でどうにもしようがないという結論になるわけでありますが、私どもも今日すぐに、この點について配給してやろうという答辯を期待しておるわけでなく、商工省の内部において、こういつた都市的な性格をもつておる町村に對しても、その生活の實態から、甘味料を特別に配給することが適當ではないかというふうにやつていただきたいと思うのであります。それゞもつと責任のある方に來ていただきますならば、さらに質疑を繼續して、理論的に話合いをしてみたいと考えるのでありますが、これは繰返してみましても、結局一存でお答えを得ることは困難だと思いますので、ここでは一應この程度にいたしまして、私どもの意のあるところを十分に考慮していただきたいという希望を申し上げるわけであります。
#60
○坂東委員長 お諮りいたしますが、この請願につきましては、すでに三囘審議したのでありまして、答辯した者は内務省、文部省、農林省、商工省の四省であります。いずれもいろゝ説はありますけれども、絶對反對というのではないのでありますから、もうあとの省に聽くまでもなく、大體この程度で決定していかがでしよう。
#61
○松澤(兼)委員 あとは給與局の問題が殘つているのであります。この點は本日ここで採擇していただくということでございますならば、改めて他の機會に給與局長から話を承ることにいたしまして、内部的にもいろゝ話をしているわけでありますから、形の上でここで採擇していただけば非常にさいわいだと思います。
#62
○坂東委員長 本請願は議院の會議に付して採擇すべきものと議決し、なお採擇の上は内閣に送付するを適當と認めるに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#63
○坂東委員長 御異議なしと認めます。
#64
○坂東委員長 日程第二、料理店の營業再開許可その他に關する請願は適當なる時期に提案することにして、延期するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#65
○坂東委員長 それではさように決定いたします。
#66
○坂東委員長 日程第三、警察法案中東京都各區に公安委員會設置の條項挿入の請願、これは次ぎの警察法審議の場合とにらみ合わして上程するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#67
○坂東委員長 それではさように決定いたします。
 これで本日の日程は全部終りました。なお先日本委員會において決定いたしました地方自治連盟の即時解散に關する件は、地方自治連盟は解散しておりますが、殘務整理もあることでありますから、殘務整理のもようを聞いて決定いたしたいと思います。
 本日はこれをもつて散會いたします。
   午後三時三十八分散會
ソース: 国立国会図書館
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