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1947/12/01 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 治安及び地方制度委員会 第43号
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1947/12/01 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 治安及び地方制度委員会 第43号

#1
第001回国会 治安及び地方制度委員会 第43号
昭和二十二年十二月一日(月曜日)
    午後三時六分開議
 出席委員
   委員長 坂東幸太郎君
   理事 門司  亮君 理事 高岡 忠弘君
   理事 中島 茂喜君 理事 松野 頼三君
   理事 酒井 俊雄君
      大石ヨシエ君    菊池 重作君
      松澤 兼人君    大澤嘉平治君
      佐藤 通吉君    中垣 國男君
      小暮藤三郎君    大村 清一君
      中島 守利君    石田 一松君
      加藤吉太夫君
 出席政府委員
        内務事務官   林  敬三君
        内務事務官   久山 秀雄君
 委員外の出席者
        専門調査員   有松  昇君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 警察法案(内閣提出)(第九〇號)
    ―――――――――――――
#2
○坂東委員長 これより治安及び地方制度常任委員會を開會いたします。
 本日の議題は警察法案並びに地方自治法の一部を改正する法律案であります。速記を中止して。
    〔速記中止〕
#3
○坂東委員長 それでは速記を始めて……。この前石田君の國會議員の資格問題について、もう一邊石田君から……。
#4
○石田(一)委員 過日この委員會におきまして、本案の第五條の第二項の括弧内の、いわゆる公安委員になり得る者の制限と申しますか、これに関して私は質問いたしました。この括弧内には「(昭和二十年九月二日以後において公選され又は公選若しくは國會、その兩院若しくはその一院又は地方議會の選挙若しくは議決によつて選任された者を除く。)となつております。そこで私は、この前段の「公選ざれ」という、この公選された者が除かれるものでありますから、昭和二十年九月二日以後に公選された國會議員は除かれるのであるから、國會法三十九條の規定によつて、議院の承諾を得た國會議員は、國家公安委員になり得るかどうかという質問をしたのであります。それについて當局は、一應研究の後に答辯するという保留がございましたので、その點について改めて御答辯を願いたいと思います。
#5
○久山政府委員 その點につきましては、ちようど先囘の委員會で石田さんは御出席になつておりませんでしたが、法制局次長から詳細に、法律の解釋上國會議員は職業的公務員という中にははいらないのでありますが、新しい公務員法に基く國家公安委員會の委員を兼ねることはできないと法律的に答辯されました。速記録をごらんいただきますと詳細述べてあります。
#6
○石田(一)委員 了承しました。
#7
○松野委員 この點前の質問と重複するかもしれませんけれども、辯護士は公安委員になれないという御答辯を、私は同僚議員から聴いたと思いますが、もう一度御答辯願います。
#8
○久山政府委員 つまりこの公安委員の性質が國家公務員であつて、しかもその勤務が完全に常務ということになりますれば、辯護士法の解釋からして、辯護士は當然兼ねることができまい。そこでその公務員法による公務員ではあつても、その勤務の態様が常勤とか、そういうことに縛られなくて、事實上辯護士の仕事と兩立し得るというふうな勤務の内容になれば、辯護士法の解釋からいつても兼ねることができるだろ、こういうことに法律の解釋はなるのでありまして、國家公安委員の方は、それが完全に常勤の形をとらなければならぬ、またとつていただきたいということになつておりますので、その方はそういう點から申しますとむずかしいのではないか、できないのではないか。ところが都道府縣以下の公安委員の勤務につきましては、公務員法の規定に則つて、その精神に従つて、それぞれ條例等でつくるのでありますが、それはそう完全に常勤的な性格を必要としないのではないか。むしろ常勤ではなくて、りつぱに公安委員の用が足りるのではないかということで、そういうふうにむしろはつきり、法律の上にも修正したらどうかというような御希望も出ておつたわけでありまして、そういうことになりますれば辯護士法の解釋からいきましても、當然兼ねて差支えがないということになるのでありまして、國家公安委員の方は、それが完全なる一般公務員と同様常勤ということになりますと性質上できない、こういうことになるのであります。
#9
○松野委員 そうすると、職業的辯護士でもなり得るという決定でありますか。現職にある辯護士が、何ら公安委員になつてはいけないという規定はない。今の御答辯をそう伺いました。それは私は辯御士を例にとるというのではないのですが、すべて忙しい人は自分の一身上の都合によつてできない。いわゆる常勤だからできないというのを、辯護士という職業を特定して、辯護士はできないという解釋からいきまして、あえて私は質問申し上げたのであります。忙しいからできない、常勤だからできないというので、あに辯護士だからできないということでなくて、ほかにも同様なものがあると思います。その點をもう一度明快に願います。
#10
○久山政府委員 それは辯護士につきましては、辯護士法にそういう規定があるのでございます。そういう辯護士法の規定との関係においてそうなるのでありまして、一般にただ仕事をもつておるという関係とは違うのです。そういう法律の規定によつて他の公務員、たとえば選挙された議會の議員とか何とかはよいのですが、辯護士法二十六條に書いてありますそれ以外に公務員になれないという規定、そういうフル・タイムの公務員を指すのであつて、公務員ではありますけれども、常時常勤を建前としないような程度の場合には、解釋として差支えないという辯護士法の解釋からくるのです。
    ―――――――――――――
#11
○坂東委員長 警察法に関連した緊急質問があります。加藤吉太夫君。
#12
○加藤(吉)委員 私は米穀供出について警察の不當な干渉に関する緊急な質問をいたしたいと思います。目下農村は供出米の最盛期でございます。農村の供出の實情を視察いたしてみますと、ただいまは過重な割當に大なる困雑と混乱を来しておる實情でございます。その原因は、割當の基本であるところの耕地面積が、政府の推定してお定めになつた段別と、もう一つは、各縣から報告した實際の作付面積との食違いをむりやりに押しつけておるのに原因いたしておるのでございます。第二の原因は、實収額の査定を過大に評價しておるためでありまして、この二つの原因によつて起る過重なる割當は、村長や實行組合長が、いかに骨折つて割當を公平にいたさんといたしておりましても、むずかしいのでございます。これがために一〇〇%完遂をさせるために、自家保有米を割つて供出せねばならぬ實情でございます。いわゆる赤字供出でございます。殊に単作地帯におきましては、平均一箇月半ないし二箇月の保有米を切つて、赤字供出をしておるという目下の現状でございます。この實情に對しまして地方警察は、ただいま総動員で、日々の出荷成績を聴取し、督勵にこと寄せて重壓を加えておるのが、今日の農村の供出状況でございます。これが供出期限が切迫するとともに、警察の干渉が露骨となつて、農民を混乱に陥らしめ、紙一重の強権発動まがいを實施しておる現状でございます。そこで私は警保局長さんにお尋ねをいたしたいのでございますが、それだけ強硬に干渉なさるならば、なぜに作付判別の食違いや、實収穫の査定の過大評價、並びに地味の上田、下田の相違に基くところの割當の過重をよくお調べにならずして、ただ一〇〇%完納せざる農民は、一律に惡農なりとみなして、不當の弾壓的干渉を加えておいでになるのか。私は、警察なるものは米の供出に関しましては、ただ横流しを厳重に取締られるべきであつて、なぜに警察権を行政面に關與させておいでになるのか、それを糾弾いたしたいのでございます。
 第二には、農民に許された保有米を優先確保をいたしてよろしいことは、農林省の訓示によるも明らかでございます。二十八日の本會議においても、農林次官の答辯に明らかでございます。しかるに地方におきましては、警察の供米に関する干渉は露骨をきわめておる實情で、はたして警察は保有米の確保を認めておいでになるのか、認めずに干渉をなされておるのか、これをお聴きいたしたいのでございます。
 第三に、いよいよ惡農ということになつて、強権発動をされるにあたりまして、農家の家宅捜索をなして、みそ、醤油の原料である小麦や豆を保有米に換算する。まち家畜用の雑穀を換算する。特に私の遺憾に思うのは、わずかにとつておくところのだんごや少量のもちまでも保有米に換算して、すこぶる過酷な冷やかな摘発態度をとつておられることでございます。これは昨年の歴然たる事實であります。まだ今年もこの冷やかな強権発動に對しまして、一定の法理摘名許された範圍で保有米としてこれを許す、これは許さぬという基準並びに順序というものがあつてしかるべきと私は思う。こういう基準並びに順序を地方警察に指示してあるのかないのか、これをお聴きいたしたいのであります。
 第四に、地方警察が供米督勵に成績を上げると、署長さんや駐在所員が一番先に、一〇〇%完遂した農民が表彰されずに、昨年の例を見ますと、十二月中警察署長並びに駐在所員が栄轉もしくは表彰を受けておる。泣いて赤字供出をした農民はあと廻しをして、督勵をなさつた署長や駐在所関係が表彰を受け、栄轉されるということは、すこぶる農民をばかにした態度で、農民が非常に反抗心をもつておるので、こういうことは断然しないように指示していただきたい。そして供米が一段落をいたしますと手當と申しますか、慰労の意味で金品並びに酒がたくさん警察に渡されておるのでございますが、こういう支出はどこから出されておるのか、お聴きしたい。
 以上四つでございますが、要するに、かかる警察の態度はいたずらに農民に反抗心を起し、思想悪化の素因となつて、零細農家をいよいよ増加せしむることに相なる重大な問題と私は考えるのでございます。これについて明確なる答辯と、またこれに對して緊急摘當なる処置を講じていただきたい。これが私の緊急質問でございまして、なにとぞ農民が騒がぬでいいよう、今最盛期にあたつて納得のいく警察の御方針を承りたいのでございます。
#13
○久山政府委員 ただいまお話になりました具體的な事例を、加藤さんの福井縣ではどういうふうにやつておりますか、私よく承知しておらぬのでございますが、一般的な警察の供米に對する方針、行き方といたしましては、供米そのものに警察が干渉するということは厳に戒めておるのでありまして、警察の仕事はあくまでも横流し、やみ取引、あるいは食糧管理法違反の防止について、あるいは取締りについてのみ活動するということは明確に指示がいたしてあるのでありまして、食糧問題がわが國の一切の國民生活、経済復興の基本でありますので、これに對しますやみ取引なり、横流しなり、その他食糧管理法違反については、警察は最も豫防取締りに力を入れておりますけれども、今お話になりましたように、供米それ自身に警察が干渉するということは警察の任務でありませんし、そういうことは厳に戒めておるところであります。いろいろお話しのありました點については、もう少し具體的にお教えいただきますと、私どもよく調査をしてお答えいたしたいと思いますが、一般的な方針としては、そういうようにやつておるのであります。さらに保有米をどういうふうにみるとか、あるいはそのあとの成績について酒とか何とかいうものをどういうふうにやつておるとかいうことは、私よく存じておりませんので、お話によりましては調査いたしましてまたお答えしたいと思います。
#14
○加藤(吉)委員 私はこのような具體的な質問はないと考えておるのですが、たとえば第三の質問の強権発動に干興なさるのについて、農民がみそ、醤油の原料である豆、肥料に要する豆、それから木の上に吊つておく草團子、それから水につけておく少量の餅、こういうふうな程度は保有米に換算するのが無理だ、無理でないくらいの見解を、當局が地方警察に御指示になるのがもつともであると私は考える。こういう大事なことに少しも研究されておらない。ただ無智な農民をかりたてるというようなお考えのように承るのは、すこぶる遺憾とするところでございます。そして警察が、第四の質問のように、署長や駐在所員を供米の成績によつて表彰、栄轉さすということは絶對あつては相ならぬと思う。そういう點について適當の指示をなさるのが當局の責任ある態度だと私は考えておる。ここの具體的質問に對して御答辯を願いたいのであります。
#15
○久山政府委員 保有米の點につきましては、農家が保有米と供出すべき分量を決定いたして出すのでありますから、おのずとそれらはきまつておるのでありまして、おそらく今お話のようなものは、保有すべきものとして別に正式に認めて、出せというような範圍にははいつておらぬものが多いと思います。草團子、みそ、醤油の原料等は、別に保有米として認める認めぬという範圍にはいつてこないかと思います。それから供米に関する警察の取締等が非常によくできたために、その警察官を栄轉させるということは、それは供米に限らずすべて成績のよい者はそれを栄轉させる、非常によく取締りを徹底して、立派な成績をあげた者を表彰させるということは當然で、すべてよくやつた者は供米に限らず、絶えずそういう者を見ておるわけでありますから、よくやつた警察官はよくめぐまれる、こういう基準でございまして特に供米の問題その他に要領よく取締つた者を、それによつて認めることがよいとか悪いとか、そういうことを指示すべき性質のものでないのでありまして、すべてそれは一般的な警察に對する人の動かし方の基本的なものとして考えていくというよりほかないと思います。
#16
○坂東委員長 加藤君よろしゆうございますか。――それでは警察法に関しては大體明日討論採決に入るのでありますから、今日はこの程度でやめておきます。
#17
○大石(ヨ)委員 私ちよつと委員長にお尋ねいたしたいのでございますが、先日私久山警保局長に希望を述べておきましたのですが、この市町村の公安委員はぜひとも公選にしていただきたい。もし公選が實施されることができなかつたら、これはぜひとも市町村民のリコール制を認めていただきたい。それから経済警察を國一本にして、安本長官と経済本部と提携して全國的に指令を発してほしい、これは私の希望でございますが、これは関係方面とどういうふうに御交渉くださいましたのでしようか。それを委員長にお尋ねいたします。
    〔速記中止〕
#18
○松野委員 私は本日この修正案の内容を承つたばつかりで、まだこの内容を検討する暇もありませんので、明日の討論採決には、わが黨においては、あるいはまた修正意見もあると思います。から、私はとても参加できないという意思表示をしておきます。
#19
○坂東委員長 二十八日に大體質疑は終了しているはずですし、この法律は相當重要性があり、非常に急いでおりますから、できるだけそうしてもらいたいと思います。
#20
○大石(ヨ)委員 ちよつとお尋ねいたしますが、公安委員を市町村長の推薦によつて、そうして市町村會がこれをやることになることは、さつき申しました通り非常な弊害が伴いますから、ぜひ公選にして欲しい。これについて関係方面はどういうふうなお考えをもつているのですか。もう一つの意見は、官僚の方が行つて関係方面に御交渉くださるのと、われわれ國會議員、すなわち國民の代表者が行つて交渉するのと、向うの人々の氣持が非常に違うと思うのです。われわれ國會議員が交渉するということになると、これは國民の声であります。だから私もまいりますから、ぜひ公安委員というものを公選にしていただきたい。眞に國民の代辯者である私たちが訴えるその声は、必ずや向うへ通ずるものと思います。委員長のお考えはいかなるものでございましようか。
#21
○坂東委員長 その點はあとで御相談します。
#22
○松野委員 私は委員長にお願いしたいのですが、ただいまの大石委員の発言に私たちも同意見の點が多々あるのだから、委員會の席上における委員の発言に對しては、やはり委員會において委員長は御答辯を願いたい。
#23
○坂東委員長 それじやお答えいたしますが、公選問題は相當困難であると私は思います。
#24
○大石(ヨ)委員 その相當困難とはいかなるものであるかということを私は聴きたい。
#25
○坂東委員長 それは向うの考え方です。
#26
○大石(ヨ)委員 そうすると市町村長と公安委員とが結託して悪いことをしておつても、市町村民にはリコールの権利も認められないことになると、この公安委員というものはオールマイテイになる。そうすると市町村民が非常に迷惑を蒙る。それを私はおそれるから、これはぜひ公選にして欲しいと言うのです。
#27
○坂東委員長 その點は、今のところなかなか困難です。
#28
○松野委員 私くどくど言うようですが、すべてそういう委員長が修正案、あるいは議員の希望案を、これは出してだめだつたとか、これは通つたとか、あるいは委員長が質問されたものを、前もつてお伺いしておけばこういうことはなかつたが、今大石さんの希望意見を、委員長は向うへ行つて述べられたけれども、だめだつた、これはバツ、これはマル、これはサンカクというぐあいに、提出された議員の希望を向うへ行つてはねられた、またある議員の意見は、委員長がこれはだめだろうからやめたと、提出された議員の意思としてはいいけれども委員會とては納得できないことがある。委員長が、自分で言いにくいから私の代りに行つてくれということは結構だが、委員長個人の意思を働かせることはやめて、委員會の意思を傳えることは努めてもらわなければならぬ。少くとも大石委員の言われること自體は別として、私も同じ意見を多々もつている。委員長が、だめだろうと自分の解釋によつてやられることは困る。委員長の御答辯は伺いましたけれども、まだまだお伺いできない點が多々あるんじやないか。この修正案も疑問をもつております。本日はからずも多数の委員から質問が出ておる。明日討論採決はとてもできるものじやない。少なくとも委員として、信念をもつて討論採決するのには、まだまだ私はうんと審議しなければならない。急ぐ急ぐとおつしやるが、かかる重要なことは、議決した以上は私たちの責任であり、國會の責任である。
#29
○坂東委員長 明日またやりますから、今日はこの程度で警察法はやめまして、明日また十分御相談したいと思います。それでは暫時休憩いたします。
    午後四時二分休憩
     ――――◇―――――
    午後四時十五分開議
#30
○坂東委員長 休憩前に引續き會議を開きます。
 地方自治法の一部を改正する法律案について、ただいまより林地方局長よりその経過の説明を聴くことにいたします。速記を止めて……。
    〔速記中止〕
#31
○坂東委員長 それでは明日は午後一時から理事會をやりまして、二時から、委員會を開きます。本日はこれをもつて散會いたします。
    午後五時五分散會
ソース: 国立国会図書館
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