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1947/12/05 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 治安及び地方制度委員会 第45号
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1947/12/05 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 治安及び地方制度委員会 第45号

#1
第001回国会 治安及び地方制度委員会 第45号
昭和二十二年十二月五日(金曜日)
    午後零時三十六分開議
 出席委員
   委員長 坂東幸太郎君
   理事 門司  亮君 理事 矢尾喜三郎君
   理事 高岡 忠弘君 理事 中島 茂喜君
   理事 川橋豊治郎君 理事 松野 頼三君
      大石ヨシエ君    久保田鶴松君
      松澤 兼人君    松谷天光光君
      佐藤 通吉君    千賀 康治君
      坂口 主税君    小暮藤三郎君
      大内 一郎君    中島 守利君
      石田 一松君
 出席政府委員
        内務事務官   久山 秀雄君
 委員外の出席者
        内務事務官   長野  寛君
        専門調査員   有松  昇君
    ―――――――――――――
十二月四日
 警察制度に関する陳情書外四件(東京都中央區
 議會議長中條勇次他六名)(第六一二三號)
 普通河川並びに海岸等よりの収入に關する陳情
 書(九州各懸議正副議長會幹事福岡懸議會議長
 稲員稔)(第六四二號)
 警察費連帯支援金の増額に關する陳情書(九州
 各懸議正副議長會幹事福岡懸議會議長稲員稔)
 (第六四四號)
 地方競馬に對やす地方税の課税に關する陳情書
 (九州各懸議正副議長會幹事福岡懸議會議長稲
 員稔)(第六四六號)
 町村財政確立に關する陳情書(九州各懸議正副
 議長會幹事福岡懸議會議長稲員稔)(第六八一
 號)
 住民税の制限撤廃に關する陳情書(北海道旭川
 市上川市廳管内町村會長古東久平)(第六九二
 號)
 地方民主化に關する陳情書(石川懸議會議長岡
 島友作他六名)(第六〇二號)
 警察制度に關する陳情書(東京都品川區議會議
 長平田榮治他一名)(第六〇九號)
を本委員會に送付された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 消防組織法案(内閣提出)(第一一六號)
 警察法案(内閣提出)(第九〇號)
#2
○門司委員長代理 それではこれより會議を開きます。
 本日は委員長が所用のため、委員長の委任によりまして、私が代わつてその職務を行います。
 本日の日程は消防組織法案であります。これより質疑を行います。小暮藤三郎君。
#3
○小暮委員 第一條の消防の任務として、火災、水災、震災から生命、身體、または財産を保護するとありますが、風災と震災もなかなか大きい被害があると思うのです。これらの取扱についてはどうなつておりますか、その點をお聴きいたしたいと思います。ご承知の通り、日本で風の害が非常に大きい、それから雪害も實に大きい。
こういう場合に消防は出動すると思うのでありますが、それがここに明記してないのですけれども、これらの取扱いはどうするか、それらについての所見を伺いたいと思います。
 それから第三條の「長官は、國家公務員法の規定に基き、國家委員會がこれを任命し、一定の事由により罷免する。」とある。この一定の事由というのは何を指すか。これは別途に明記しておく必要があのではないか。それから「長官は、國家公務員法の指揮監督を受け、國家消防廳の廳務を掌理する。」とありますが、公安委員などが一定の事由を列擧しておかないと、かつてなことをするおそれがありはしないか。
 それから第四條の一、「消防に關する市街地の等級化に關する事項、」この市街地の等級化に關する事項とは何か。きめるとすればどういう手続きによるか。それから五の消防訓練のことでありますが、二十六條で都道府懸は所要の機関を設備し得るように規定してあるが、警察法における警察大學校のように、消防大學校という機関をおく必要があると思うのですが、その規定がありませんが、その説明によりますと國家消防廳には訓練機関がある。私は必要と思うのですけれども、政府はこれについてどう考えておるか。従来日本の消防は警察の附属のように考えられておりますが、新たに組織法がてきて、そ組織法にもやはり消防大學校というようなものを設置しておくことが、消防と警察と並んでいき、將來消防に入る人の士氣の上にも非常にいい。さらに化學的に消防についての研究をさせるという機關として、國家消防廳で消防大學を設置する必要があめのではないか。それについて政府はどう考えておるか。
 さらに第八條、市町村の消防に要する費用は掌該市町村におい負債しなければならない。一つの市町村が費用負債し得ない場合に二、三の市町村組合を組織して夫妻することができないかどうか。附則三十四條を見ますと、現存の町村組合に關するものでありますが、新たに組合を組織してそれをやることができるが、この規定がないようですが、政府はこれについてどういう考えか。
 第十一條に消防吏員の階級は各町村がまちまちでよい、各市町村にまかせるという御説明でしたが、それではいけないのじやないか。國家消防廳によつて統一することがよいのではないかと、こう考えられますが、これについて訂正する要はないか。それから市町村の消防吏員の定員は地方財政が許せばいくらでもおき得るという説明でありましたが、また法案の中にもこれが記載してありますが、警察法で定員を示しておるように、定員についての規定を設ける必要がありはしないか。
 それから三十一條、これは警察法と同じでありますが、やはり警察法でわれわれの意見を述べておりますように、自治體から國家消防廳または都道府懸消防吏員にいく場合には、ここに書いてありますように、恩給が通算される。逆に市町村から國家消防廳または都道府懸の消防吏員になるときもやはり恩給を通算するようになることが消防士氣の高揚上最もよろしいと考えるが、政府の考えはどうか。
 それから三十三に「國有財産又は國の所有に属する物品で國家地方警察に不必要なものは、市町村消防に必要な場合は、無償でこれを掌該市町村に譲與するものとする。」それに但し書がありますが、府懸有の財産も無償で引継ぎ得るようにするほうがよいと考えるのですけれども、これについての政府のお考えはいかがですか。以上の諸點を伺います。
#4
○長野説明員 お答え申し上げます。第一に、第一條の條文において風災、震災をどうするかというお話でありましたが、これは一應「等」という文字で風災、雪災も含んでおる、こういうふうに私ども解釈をいたしておるわけであります。
 次に第三条條の第二項の「一定の事由により罷免する。というその一定の事由を明記する必要があるというお話がありましたが、これは國家公務員法の規定に基いて任命し、また公務員法の規定によつてその一定の事由により罷免をいたすわけでありまして、公務員法に基く人事院規則その他が定められれば、その事由によつて罷免をする。何でもかんでも勝手に罷免をする。何でもかんでも勝手に罷免するという意味合いではないのであります。この點は警察法におきまする國家、地方警察の本部の長官と同じ條文を使つておるわけであります。
 次に、第四條の第一項の「市街地の等級化に關する事項」というのはどういうことであるかというようなお話でありますが、これは實は日本では現在のところやつておらぬことでありましてもアメリカなんかで市街地を消防の観點から、あるいは市町村の市外地の水利の状況、あるいは消防隊の状況、また消防の通信施設の状況、またその市街地が防火的見地から耐火構造の市街地であるか、あるいは燃えやすい構造の市街地であるか、またその市街地の道路の状況、あるいは建物と建物との距離、間隔の状況、さらにその市民の防火に對する氣構えの状況というような、あらゆる方向から市街地を調査いたしまして、そしてそれのいいものを一等級、悪いものを何等級、こういうふうに大體等級をこしらえて、そしてそれを一般に示すということをいたすならば、それによつて火災保険料の等級もはつきりきまるであろうし、またそれによつて市街地の消防施設も漸次よくるであろうという意味合いでありますから、ここでその等級が絶對的なものであるという意味合いではないのであります。ただ消防の水準を高める一つの指針にしかすぎないわけでありまするが、これは相當の年月をかけて各市街地をできるだけ調査いたして、そうしてそれによつて消防の見地から一等級、二等級というものを考えて、これを出版し、これを公に発表をいたして、そうして一定の基準を示して、漸次等級を高めていくような指針にする、こういうような意味合いであります。
 次に、消防の訓練の問題でありますが、消防の職員の訓練の問題につきましては、お話のように、市町村に必要があれば訓練機關をおく。また都道府懸に必要があれば訓練機関をおく。國家消防廳に訓練機關をおくかどうかという問題につきましては、一應われわれの方として考えておりますのは市町村の要求によつて訓練をする施設も、これによつてつくるつもりなのであります。ただ警察法のように、大學というような機關を設けるか設けないかという問題につきましては、従來國家にそれだけの大きい訓練施設がありませんでした関係上、ここに國家消防廳の中に訓練機關を設けまして、それを漸次補充していきたいというふうに考えておるのであります。國家消防廳にも一定の訓練機關を設けるというふうに考えておりまするので、御了承願いたいと思います。
 次に、第八條の條文で、市町村が一定の費用を負債する能力がない場合に、市町村の組合を組織することができるかどうかというお話でありましたが、この點につきましては、私どもは市町村は消防については全責任を有しておりますので、従來のように警察の権限に属しておつたところの消防を、この法案によりまして市町村に移してしまう。市町村の固有事務になつてまいります関係上
當然地方自治法の條文によつて、自治組合をつくり得るものと解釈しておるのであります。
 次に、十一條の階級の問題でありまするが、これは警察でも、市町村の自治體警察については、ここに法案の中に一定の階級を示しておらないのであります。従つて消防法の法規におきましても、自治體警察の條文と同じように、一應階級をこの條文にあげておりません。しかしながらこの階級につきましては、将來國家消防廳の方で一定の基準は示していきたいというふうに考えておるのであります。もちろん第十五條の第二項に、消防職員の服制に關する事項は、國家消防廳の定める準則に則り市町村規則でこれを定めるという條項もありますように、一定の基準は定めまして、そうしてできるだけ、それに副うようにさせるようにしていきたいというふうに考えるのであります。そうして服装その他につきましても、一定の基準を示していくつもりであります。
 次に、定員の問題でありますが、消防の定員は市町村の要求によつて、地方的な要求によつて市町村が決めてよろしい。警察法のように、日本の警察官を全部十二萬何千というふうなところで、くぎづけにするという特別な要求もありませんので、市町村で獨自に必要があれば、その職員の定員を殖やすということは差支えないというふうに考えておりますので、ここに定員の規定はただ地方的要求に準じてその市町村が定める、こういうことにしたのであります。國家消防廳といたしましては、その水準を高めるため、できるだけ基準をつくつていくつもりでありますが、この基準を必ず励行しなければならぬというほどの強いものはつくることはできないだろう、こういうふうに存ずるのであります。
 次に、第三十一條の規定に關しまして、市町村の自体體の消防の職員が國家の官吏になる場合に――逆な場合において恩給方の適用があるかどうかという問題につきましては、この條文から申しますると、通算はないというふうに考えるのであります。この點は警察法と同じように條文であります。また考え方は、去る五月三日に地方自治法が施行されましたときにも、地方自治體にその時に行つた者は一應通算されるけれども、その後に都道府懸へ行つて、あるいはその後に、都道府懸から國の方へ来たという場合に通算されないという話と、同様に考えておるのであります。
 次に、第三十三條の條文でありますが、府懸有の財産を無償で市町村に引き継ぐようにしたらというお話であります。私どもも希望といたしましては、府懸有の財産をできるだけ無償に市町村に引き継がせるように希望いたすのでありますが、國の方で懸有の財産を統制してそうするという條文まではつくることは困難ではないかというので、警察法と同じ意味合において、第三十三條は同じような條文をつくつたわけであります。
 以上御説明いたします。
#5
○川橋委員 今小暮君の質問中、階級の問題は警察法の第四十六條第二項に「前項の市町村警察吏員には、第三十五條第三項の規定を準用する。」第三十五條には、はつきりと階級を明示しておりますが、この點は今の説明と多少違つておるように思いますが、いかがでしようか。
#6
○長野説明員 ただいま警察法をお借りしてみたのでありますが、私どもが知つておる警察法の政府で提出した法案は、第三十五條第三項の規定を第四十六條で規定いたましておるわけでありまして、第二項を準用する規定を抜いておりましたために、ただいまそういうふうに御説明申し上げたわけであります。ただいま借用いたました條文によりますと、「二項及び」という字がはいつてまいつたのかどうか、私ども今のところ知りませんでしたので、政府の提出いたしました原案によりますと、第三十五條第三項の規定「警察官は、上官の指揮監督を受け、警察の事務を當る」という條文だけを準用しております。第二項の規定を準用いたしておりませんために、ただいまそういうふうに申し上げたわけであります。
 それからなお、申し上げたいと思いまするが、正誤表がまだ参つておりませんので、まことに恐縮でありまするが、第四條第三號は「防火査察制度(放火及び失火犯の捜査を含む)制度」というふうに「制度」という字をかつこの下にもつてまいるように、正誤表で訂正いたしたいと思つておるのであります。また第二十六條の條文で二行目の「又は設備」と書いてありますのを、これは誤植でありまして、「設置」と御訂正願いたいと思うのであります。
#7
○川橋委員 同じく小暮君の質問の第八番目の、都道府懸の財産の問題であります。警察法の附則の第九條に「現に警察の用に供する國有財産又は國の所有に属する物品で國家地方警察に不必要なもの」という規則があるのであります。われわれは警察の審議の場合に、都道府懸の有する財産をぜひ無償で譲渡してもらいたいという希望を述べたのであります。そういう修正を出したのであります。それで警察法の審議のときには、大藏委員會で主張して、通りまして「國有財産又は國の所有に属する物品」を「國有財産及び都道府懸有財産又は國及び都道府懸の所有に属する物品」ということに改めまして、大體そういう修正意見が通るわけなんです。今消防課長のお話は、この點において明確を缺いておりますが、もう一回説明をしてもらいたい。
#8
○長野説明員 警察法の方でそういうふうに修正が通つたものなら、この條文もそういうふうに修正していただいても結構だと思うのであります。この點は原案といたしましては、政務次官から提案理由を説明をいたしました通り、消防に関係のある特別の規定を御説明申し上げましたが、あとはほとんどまつたく警察法と同じ仕組みにいたしておりまので、警察法の條文が修正されれば、當然この消防法のこれらの規定も修正されていくべきだというふうに解釈をいたしておるわけであります。
#9
○川橋委員 この點については、適當な機會に修正するように要求いたしますから、さよう御了承願います。
#10
○門司委員長代理 ほかに御意見はございませんか。
#11
○川橋委員 本日は出席の方も少ない様でありますから、明日さらに委員會を継続して、その委員會で最後の決定をみたいと存じまするが、いかがでしようか、お諮りを願います。
#12
○大石(ヨ)委員 私政府委員にちよつと尋ねますが、アメリカのユタ州は、消防吏員に婦人を使つています。日本の國は元來非常に火事が多いのです。たとえて言うと、建築物でも紙その他木材でもつて建築しておる。そういうような状態ですから、非常に火事が起きやすい。消防すなわち火を消すよりか、そうした失火を起こさない用に努めるのが、私は最も肝腎なことと思います。その意味におきまして、警察にも婦人警官を使いましたと同じく、消防署にもすなわち消防吏員として、各婦人團體と連絡をとつて、そうして講習會などあつた場合には、その婦人吏員が行つて、いかにしたならば火を防ぐことができるかというような後援をしてまわるということは、非常に意義があると思うのです。しからば、そこに消防の婦人吏員を加えていただきたいと思います。政府において婦人の消防吏員をお使いになるかならないか。いかなる御所見であるかということを、私はお聴きしたいと思います。
#13
○長野説明員 ただいまの御質問は、まことにごもつともであります。もちろん消防において、豫防の法面については今後婦人を採用していくということが、まことに望ましいことであるというやうに存ずるのであります。今後消防につきましては、豫防という面を粗當強化してまいらなければならぬような情勢でありますのと、いずれ實體法等もできますることでしようし、また今後消防の職員は、すべて市町村に属することになりますので、その場合におきましても、われわれの方からもできるだけ市町地の方に、そういう婦人の消防職員を採用していただくように希望をいたしたい。こういうふうに存ずるわけであります。
#14
○大石(ヨ)委員 もしそういうふうに消防吏員に婦人を御採用になる場合は、男子と同じような待遇で御採用なされたいということを、私は重ねてお願する次第ですが、政府の御所見はいかがですか。
#15
○長野説明員 ただいまのご質問に付きましては、今後の消防につきましては、私どもの考えますのは、消防の實體的な活動をいたす、いわゆる火事場に行つて火を消すという方面と、もう一つ、あらかじめ火を出さないようにしていく技術的な面と、将來はだんだん二つに分科されていくであろう。こういうふうに考えるのでありますが、この場合に待遇その他につきましては、もちろん個々の市町村できめていくわけであります。市町村の法でやはり豫防の方面に婦人が大いに働かれるということになれば、同等の待遇でやつていくるこういうふうに存ずるわけであります。
#16
○門司委員長代理 それではほかにご質問の方はございませんでしようか。なければ、ただいまの川橋氏の動議のように、本日はこの消防組織法に關する質疑を一應これで終了いたしまして、明日討論採決することにいたしましてよろしゆうございましようか。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
#17
○門司委員長代理 それではさよう決定いたします。
 さらに本日の議題になつております警察法の問題がありますが、これは午後継続してよろしゆうございますか。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
#18
○門司委員長代理 それでは、これで一旦休憩いたしまして、午後三時から再開することにいたします。
    午後一時十五分休憩
    ―――――――――――――
    午後四時十一分開議
#19
○坂東委員長 休憩前に引続いて會議を開きます。
#20
○松野委員 委員會運営に關して発言いたします。先日配布されたる警察法案委員會修正案なるものは、委員長の個人の意見、及び一部政府委員の個人的私案を、委員長獨自にて取捨選択し、あたかも委員會案のごとく装い、関係方面と交渉し、それを委員會に強制せんとするもので、この點に關しては、先日各委員よりこの修正案の性格につき多少質問あり、私も再三強く質問せしところ、これは當日の委員會に諮り當日の議事録に記載されていることで、かくのごとき質問は不當なりとの意味の答辯がありました。ただちに當日の議事録輪調べましたが、いかんせん修正案に關しては一言半句もこれに言及せし記事なし、思うに委員長は獨自の思考と判断にて委員會案なるものをでつち上げ、あたかも委員會案のごとく振舞つたとしか判断できぬ。關係方面との交渉は特に現下重大なる事柄であり、慎重に取扱い、委員會にて十分意見を取締め、審議を経て行うべきである。他の委員會にては事前に十分打合わせ、また交渉後は顛末を逐一記録し、委員に周知せしめるよう努力しておるに反し、坂東委員長はいつ行くか、何を交渉するか、その結果を委員會に報告することなく、曖昧模糊として、委員の了解に苦しむ點多々あり。また地方自治委員會を地方財政委員會改組に關する法案は、當然當委員會に關係大いなるにもかかわらず、いつの間にか決算委員會を経て本會議に提案可決される結果を招き、これについても何の報告説明もない。また特別市に關しては、少数者の意見を壓迫して、假決議を採決せしに、その後の情勢はこの假決議に反した方向となつた。この假決議なるものをいかに處分するや、撤囘するや、強行するや、曖昧に捨ておくわけには絶對いかぬ。それはすなわち委員會長が専横的獨断の結果、大勢を洞察する能なしと言わねばならぬ。各人萬能の者はなきも、委員長はその能缺くれば委員の救助を受けてこそその責任を全うすべきであるにかかわらず、相も變らず獨善を続ける點は、民主議會をいかに考えておられるかを疑うものである。たまたままことに謙讓的な意見を述ぶれば、私は二十数年議員をやつておると、高壓的な、軍閥當時の階級的な言葉をもつて窮案を黙殺する態度等、以上は委員會の公正なる運営、議事の整理を忘却する大いなる手落ちと言わなければならない。この點委員長に警告を発し、なお答鞭を求めたいと思います。
#21
○坂東委員長 その一番初めの點は、委員諸君の意見を取りまとめて後種々なる経過、手続を済まさなければ修正案を出すことはできないわけです。この間大體質疑が終了した時分に、いろいろ意見が出ました。そこでその次の朝まで、その意見を書いて出してもらいたいということを申しておつたのです。それまで出たのが、たしか門司君と川橋さんが出て、それだけで手続をとりに行きました。そのときには十時半が十一時ぐらいに行つたのですが、それまでには右の通りで、酒井さんの意見もありました。また松澤さんの意見もありました。出たものについて、まずもつて関係方面とも相談に行つた。こういう形になつております。それで、集まつたものにつきましてだけ。まずもつて手続を進めたいというわけなのです。あの案は別に案じやありませんので、とにかく委員の意見をきめるには、まず了解をとつてやりますから、あれは衆議院の委員會の案じやありませんので、案の草案にすぎないのであります。従つてこの間申し上げましたように、その點はさように見てご了解を願いたいのであります。また私が発言したことについて、私は當日申しましたが、當然速記をとつておると思つたわけです。質疑したのは非常に事務的でありますが、私は各條を見て法案をこうやついておつたわけなんです。當然速記しておると思つたのですが、速記がなかつたのです。その點は速記しておつたと思つた獨断は私の誤りであつて、その點は松野さんの了解を求めます。
 それから地方財政委員會法案ですが、議會の運営委員會において決済委員會に囘わしたので、こつちの責任ではなかつたのです。それから一番後の假決議は、これはむずかしい問題でありますが、決議でありまして、委員會の案じやないわけでありまして、法律の解釈は委員會ではないという形であります。それから今度の改正案につきまして、特別市の懸につきましては、そのときの假決議と反對のことになつておりますけれども、それはやはりご承知の通り、いろいろに關係上、あれを地方自治改正の一部に加えなければならぬということになりましたことは、松野さん御承知の通りであります。こういうようなわけでありまして、私は力一ぱい努力しておると思いますけれども、第一速記のことにつきましては、あるものは速記を続ける、あるものは速記を止めるということで、非常に混雑しております。従つて時分の不敏、不才に加えて、このような事情から、いろいろ手落ちがあつたこは、謹んで松野さん初め皆さんの御了解を得たいと思います。大體こういう點を御了解を得たいと思います。
#22
○大石(ヨ)委員 委員長に一言申し上げたいと思いますが、委員長というものは常に公正無私でなくちやならぬと思います。ちようど本会議の議場におきましても、すべて議長、副議長は黨籍を離れるのです。それと同じように、委員長は何事でも、常に私は公正無私でやつていただきたと思います。顧みれば、八月三十日の特市のときに、あなたのとられた態度は、一體委員長としての態度をおとりになつたか否や、そけを私は質問します。委員長であるならば、もし時分がほんとうに特市御贊成であるならば、まず假議長をそこへすえて、そうしてみずからは、われわれと同じように常任委員の席に座つて、そうして特市の問題を諭すのが、私は至當であると思います。それにもかかわらず、あのときに自分は特市のみに贊成して、非常に特市に好意をもつて假決議をしております。あれは何事ですか。假決議というような、そんなばかな決議はないと思う。かり決議をする前に、なぜかヴアメント・セレクションへ行つて、よく聴いてみて決議をするべきです。すなわち私は、この常任委員會の権威に關すると思います。だから私はすべて委員長は、今後公平無私にやつていただきたいと思います。この治安及び地方制度は、二十一の常任委員會で最も重要なる役目を果たすものでございます。だから、あなたは長年お勤めになつていらつしやつて大臣になるべきお方が委員長になつていらつしやると、私は思います。しかるがゆえに、今後委員長は、どこまでも公平無私にやつていただきたい。これを私は申し上げたい。
 それからガヴアメント・セクションへおいでになつて、向こうの人といろいろな折衝をされた後には、必ずやわれわれ常任委員會に逐一報告をしていただきたと思います。われわれは少なくとも國民の代表者です。その代表者を無視して、非常に専横なるところがある。私たち実際常に思つておりましたが、遠慮しておりました。今後はぜひとも私たちは、一々詳細にわたつての席上で報告していただきたい。これを私は望みます。
#23
○坂東委員長 御忠告は謹んで拝聴いたします。ただし、假決議でありますが、關係方面の折衝上、議員側の意見も聞きたいという問題がありまして、假決議をしたわけではありませんから、専横にやつたわけではありませんから、その點御了承願います。
#24
○大石(ヨ)委員 そういうばかな決議をする者がありますか。なぜ假決議というものをしましたか。假決議であつたら、決断した値打ちがないのではないか。なぜその前に、ガヴアメント・セクションへ行つてよくお聴きになつて決議をするとか、これをやめることになぜなさらなかつたか。そうして私が発言しようと思つても、私に発言させないで、すぐほかの人に発言さした。あのときの状態はどうでしたか。私一人で孤軍奮闘であつた。私は自分の信ずる道なるがゆえに、自分は自分の信ずる道に従つて発言したのです。今後あなたが、あくまでもその不公平な處置をしなさるならば、われわれ議員としては覚悟があります。それを私は一言申し上げておきます。
#25
○坂東委員長 ちよつと申し上げておきます。決議をしてしまえば委員會の案になる、法律案になつてしまうわけです。そこで假決議をしまして、大體議員諸公の御意向のあるところを知りたいという意味でやつたわけでありまして、それは不法でも違法でもないわけでありますから、その點を御承知を願います。
#26
○大石(ヨ)委員 違法とか何とかということとは違います。假決議なんてばかなこはありません。
#27
○松野委員 ただいまお話を伺つていると、假決議というものは、いかにも關係方面の折衝上必要であつた。今後いろいろな法案に關して、假決議というようなものをたびたび使用される方が便宜のように聞こえるが、その後假決議というものをおやりになつていない。しからば特別市並に假決議をやられた點において、大石さんの意見も十分斟酌する必要があると思います。そんなことをたびたびやられるならば、假決議というものは、現在折衝中あるいはいろいろな點において最も有効に使われたほうがよいのではないかと思う。あのときだけ使つて、その後一つも使われない。私は假決議に贊成です。反對というのではなしに、假決議というものが、あの後少しもやられていない。あの後假決議はどうなつているか、私は不思議に思う。ところが委員長の話のように、折衝上どうしても使う方がよいならば、全ての法案に使われた方が運用上において便利なように思う。その點において、もう一度假決議の御説明をお聴きしたい。
#28
○坂東委員長 お答えしますが、あの場合にいろいろな経過があつたことは御承知の通りです。そこでとにかく議員の意向も知りたい。またそれによつて判断するというようなこともありましたので、それでかりに意見をまとめてみたいという程度です。今後使う場合には十分に研究してものによりあるいは使い、あるいは使わないとか、十分にその假協議の上でいたしたいと思います。あの問題は複雑であつたから、そういうことが起こつたわけであります。
#29
○大石(ヨ)委員 複雑だつたらなお、この席上で発表していただきたい。あまりにわれわれをばかにしている。そんなことじやない。委員長というものは常に公平無私でなくちやならない。ガヴアメント・セクションへ行つて交渉したら、その結果をわれわれに逐一詳細に報告する義務があると私は思います。
#30
○松野委員 私の質問に對して、委員長はいつ幾日に何を交渉されるかということを、今までほとんど知らなかつた。私だけなら別だけれども、ほとんどの委員が知らない。自分の個人の意思であるとともに、委員會の意見でもあるならば、いかなることでいつ幾日に行くということは、われわれに周知させばいけないと思う。殊に最近において、御承知のごとく、いろいろの點において運営上むずかしい點があるのだから、なおかつその點をよくやつていただかなければならないと思います。委員長は、私は何でもかんでもしつこく同じことをいうのではないけれども、あなたの長い間の経歴は尊重いたしますけれども、しかし新時代になつて、いろいろの點において古い思想があるいは受容られない場合が多多ある。殊に事務的においても、おそらくかつてなかつたような運営方法が行われているときに、その點において特にあなたの古い頭を切換えてもらわないと、古い経歴は尊重いたしますけれども、その點においてあなたは永年熟練しているが、新時代に即しておられない點が多々ある。殊に今度のような國會において、あなたが過去において御想像もなさらなかつたような、運営――ただいま事務上の煩雑があるのだから、その點において、一度委員長は赤ん坊にかえつてやり直す氣でやつていだかぬと、おれは古いんだからというので高壓的にやられたのでは、われわれの意見も通らないし、委員會の運営上においても支障があると思いますので、特に警告いたします。假決議が行われるならば、今度のような重要な法案においてこそ、假決議が使われてもよいのではないかと考えるのですが……。
#31
○坂東委員長 いや、年寄つているからえらいなどとは思つておりませんけれども、手落ちがあつたという御注意は十分感謝いたしますが、十分に最も適切なる運営をやつていきたいと希望しているわけであります。今後十分さようにしたいと思います。
 なお、専横にやつたという気持ちはないのですが、實はこうなんです。時間をきつて何時に出て來いということもより、一々御報告するひまもない場合がある。たとえば理事さんがおれば、理事さんに相談をします。勝手にやることはありません。相當まとまらぬと、一々お諮りが実際できない場合が相當あるわけなんです。それで大體において見當がついた場合にはお諮りをするをする、こういう方針をとつているわけです。決して専横とか、わがまま勝手という意味では少しもない。そういう考えをもつておらない。御警告の點はは十分に注意して、まことに十分に注意して、まことに不才ながら、あくまでも磨いていきたいという誠意がありますら、その點は御了解願いたいと思います。
#32
○千賀委員 いろいろ御意見が出ましたが、私は假決議は結構だと思います。よくぞやられたと思つております。これはG・H・Qに對しましても、委員の意見がここにあるのだということは、明瞭にするほうがいいと思います。本当に委員の意思が多数をもつてはつきりとこうきまり、それによつて向うの人の考えを指導したいという気持ちが現れるときは、いつも假決議をやる方がいいと思います。それについては、まつたくこのごろのようにわれわれの意向がまとまりかけても、まず一應向うに聴いてというような態度、殊に政府當局などの態度もそれが多いのでありますが、これが横行することになると存外便乗されまして、委員の意見でも、そちらの名をかりて、政府の都合のいいように引きずりまわされることがあり得ると思う。委員の多数が欲することが、日本の中で動かすべからざる再考の善であるはずであります。われわれは現在、多数できまつたものでも、直ちにこれを政治の実態として現すことができないような悲しむべき位置にありますけれども、すくなくもこういう意思を表示することは、決して遠慮は要らないと思います。今後いろいろな問題につきましてい、委員會の多数の意見がここにあるのだということが、はつきり掌握できるようなときには、しかもそれが相當重大であるという場合には、進んで假決議の取扱いは、どんどんやられることを希望するのであります。その點に對して私は委員長を責める意思はもつておりません。委員長が古いとか新しいとかということも、問題になりましたけれども、私は別に、委員長が年齢が古いからということも感じておりません。もつと二十も三十も多い委員長をわれわれがいただいたとしても、新感覚を十分に働かせ得る人であるならば結構だと思つております。いかに若くても偏つた力のない人であるならば、おそらくこれは若朽であります。むしろ若いからといつて、こういう方を委員長にした方が危険であるかもしれません。これは限定でありますから、別にだれを言うのではありませんが、かような點で、委員長は老朽その極に達して使い途がない人であるということは、私はまだ感じておりません。相當に勉強しておられますし、その意気でやつてもらえれば、われわれは信頼するに足りると思つております。しかしながらこの議場の中から、すでにかような聲が起きました以上は、委員長として存來のやり方でいいのだということで、押し通すような考えが起こるならば、それは嚴に戒しめられたいと思います。これが最善であると考えられましても人智のことはいくらでも發達があり得るはずであります。だから私は、この際この警告を深刻に取り上げられまして、将來なお一層の発展向上を期せられることを希望してやまないのであります。
#33
○大石(ヨ)委員 千賀委員から、たびたびたび決議をしてくれということをおつしやいましたが、私は絶対に反對であります。この委員會の権威にかかわります。假決議というようなものなら、決議しない方がいいのです。そんなばかなことを治安の常任委員會でたびたびしてもらつては困ると思います。もし決議をしなければならないようなことがあつたら、まず委員長が前にしつかり御高尚くださいまして、決をとるかとらないか、はつきりした態度をとつていただきたい。常任委員會で假決議がたびたびあつては、われわれの面目を失します。ゆえに委員長は、假決議のような名目のわからない決議はしないようにしていただきたいと思います。
#34
○坂東委員長 假決議をするしないは、その時分に御相談してきめますから、さよう御了承願いたいと思います。
 それでは暫時休憩いたします。
    午後四時三十六分休憩
    ―――――――――――――
   午後五時三十六分開義
#35
○坂東委員長 休憩前に引き続いて會義を開きます。
 これより警察法案に對する討論に入ります、中島君。
#36
○中島(茂)委員 ただいま議題になつております警察法案に對して、各派共同提案の修正案を提出いたします。ただいま修正案を朗読いたします。
 警察法案の一部を次のように修正する。第二條に第三項として次の一項を加える。この法律にいう犯罪とは経済法令に關する違反を含むものであり、且つ、これに限定せられるものではない。
 第四條中「及び定員三萬人」を「及び警察官の定員三萬人」に改める。
 第十五條第一項中「部長五人以内及び」を「部長五人以内警察官」に改める。第十七條第一項中「本部長」を「本部長、警察官」に改める。
 第二十二條第二項に左の但書を加える。但し、同法第百三條及び第百四條に規定する制限は、都道府懸知事において委員の勤務に支障があると認める場合の外、これを行わないものとし、又委員の勤務について都道府懸公安委員會でこれを定めるものとしなければならない。
 第二十四條に第二項として次の一項を加え、第二項以下を準じ繰下げる。地方自治法第八十六條第二項の規定は委員涜職の請求にこれを準用する。但し、同法第第八十六條第一項中「その總數の三分の一以上の者」とあるのは、「當該都道府懸國家地方警察の管轄區域内において選挙権を有するものの三分の一以上の者」と読みかえるものとする。
 第四十條第二項中「官報に告示した最近の國勢調査の」を「官報で最近に公示せられた」に改める。
 第四十四條中「第二十一條乃至第二十六條」を「第二十一條乃至第二十三條第二十四條乃第一項第三項乃至第五項第二十五條乃至第二十六條」に改める。但書を左の如く改める。
 但し、地方自治法の規定による解職請求に基いて解職される場合においては、第二十四條第五項の規定にかかわらず、その職を失うものとする。なお第二十一條ないし第二十六條の規定中都道府懸とあるは市町村と、都道府懸知事とあるは市町村長と、都道府懸規則とあるは市町村規則と読み替えるものとする。
 第四十五條第三項中「設置」を「名稱」に「市町村公安委員會がこれお定める」を「市町村公安委員の意見を徴して市町村条例でこれお定める」に改める。
 第四十六條第二項中「第三十五條第三項」を「第三十五條第二項及び第三項」に改める。
 第四十六條第三項中「市町村がこれを決定するが」を「市町村が條例でこれを決定するが」に改める。
 第四十八條中「公安委員會の承認を得て」を「市町村公安委員會の定むる基準により」に改める。
 第四十九條第一項に左の但書を加える。但し市町村警察長がこれを兼ねることができる。第五十條第一項に左の但書を加える。但し、臨時的職員の他は基礎的な警察訓練の過程を経ない者は、これを市町村の勤務につけることができない。
 第五十五條中「都道府懸國家地方警察」を「國家地方警察」に改める。附則第七條第一項中「準用する」の次に「この者が市長村警察の職員より更に國家地方警察の職員になつた場合いには、そのし市町村警察の職員としての在職期間に通算する」を加える。附則第九條中「國有財産又は国の所有に属する物品」を「國有財産及び都道府懸財産又は區に及び都道府懸の所有に属する物品」に改め左の但書を加える。
 但しこれに伴う夫妻のあるときはその虚聞については相互の協議によりこれを定める。
 附則第十五條第四項中「第八十六條第一項」の次に「及び第八十八條第二項」を加え第五項を削る。」
#37
○門司委員 ただいま提案になつております警察法つきまして、一應意見を申し述べたいと思います。これは警察法の五十一條ないし五十二條のかん係でありますが、原案におきましては「特別區の存する區域においては、特別區が連合してその區域内における警察の席に任ずる。」
という字句がはいつております。さらに五十三條におきまして、特區はこれを一つの市とみなすとかいてあるのでございます。そこで五十二條におきましては、「前條の特別區にはと知事の所轄の下に市町村公安委員會に相當する特別區公安委員會を置き、その委員は、と知事が、都の議會の同意を経てこれを任命する。こういうように書いてあるのでありますが、これを條文通りに解読いたしますと、その責に人する所在というものが區の連合體になつているのであります。そうして五十二條において、その公安委員會を任命することは、都知事がこれを推薦して、都會において同意を得るというように書いてあります。その責任の所在が區の連合にあつて、公安委員の専任だけは都に権限があるという形になつておりますので、これは責任とその義務を完全に一致させることのためには、どうしても私どもは、特別區の存する區域においては、特に警察の目的のために特別區の組合を組織し、その區内における警察の責に任ずるというように改める。さらに五十二條において、これを前條の組合には、都知事の所轄のもとに市町村公安委員會に相當する一つの特別區行員委員會を置き、その委員は都知事がその組合の會議の同意を経てこれを任命するというように書き改めることによつて、初めて義務と権利との関係が明確になると考えるのであります。しかしながらこの法案が極めて暫定的であり、さらにこの法案をこのままの姿で認めるといたしますならば、この特別區は連合してということを、都においていわゆる特別區の場合は、都がその警察の責に任ずというようになお訂正することによつて、はつきりすると考えるのでございますが、私どもは東京都自體の情勢を今考えますと、これが自治法によるほんとうな特別市という形していない。さらに東京の區もまた完全なる自治區の形態を備えていないというようなことを考え、さらに東京という一つの大きな都市の治安を完全に維持することのために、いろいろ考え合わせますときに、やはりこれはそうしたものの総合的の一つの警察制度というものが立てられなければならないというようなことが考えられるのであります。従いまして現存の段階におきましては、一應この原案のままを承認するのでございますが、當局におきましては、近い将来に、こういう疑義のあるようなあるいは取扱に非常に困窮な、あるいは解読に二様の解読ができるというような曖昧な文字でなくつて、この點を明確にして、運営にあたつていただきたいといことを希望するのであります。
 さらに警察法の全體を見ますときに、従來の警察官の立場において、いろいろな弊害があつた點が多少改められるかとも考えますが、われわれが深く従來のけ意札關の制度のう、あるいは警察官のいろいろな状態の上から、最も遺憾に考えているものは、警察に努めております署長、あるいはその他の要員が退職の場合におきまして、その退職後直ちに自己の従來所轄いたしておりました行政區内において、大きな会社等に就職することが従來多かつたのであります。そのことのためであるかどうかということははつきりわかりませんが、ただ外部から見ますと、そういうことが多かつたために、その在職中に往々にして、その會社にいろいろな便宜を與えておつたのではないかという見方もまたできないのではなかつたのであります。こういう點につきましては、特に注意すべき問題でありますので、われわれはそういう弊害を防止することのために、その所轄いたしておりました行政區域内においては、退職後一定の期間を定め、その間はその區域内の大會社などに就職することができないということを、一應規定したらどうかというように考えるのであります。これは公務員法の中にも、ややこれに似たような字句はあるようでございますが、これも至つて抽象的であり、はつきりそういうことを明示していないというきらいもありますので、特に私はこの機會に、そういうことのないように一言申し添えておきたいと思うのであります。
 以上をもちまして翻案に對しまする私の意見といたします。その他につきましては、大體ただいま修正意見の出したことに贊成いたすものでございます。
#38
○松野委員 ただいまの警察法案の修正案に監視一言意見を申し述べます。第五十一條、第五十二條、すなわち特別區は地方自治法により自治體の性格を付與されてはおりますが、他の市町村のことに完全なる自治體でない特殊な性格をもつているものであり、特に警察制度が完全隣、特別區の公安委員は、現下過渡期においては、組合會等をつくるよりも、都知事が都議會の同意を得て、これを行うことが便利であり、また運営も円滑にいくものと考える。漸次特別區の自治體警察が進歩発達して、運営に熟達せしときには、新たなる構想も考えられるが、現在はまずこの方をとり、ただちに特別市との円満なる運営を期す。その他公安委員の任命に對しては、公平なる運営をはかることを要望す。以上。
#39
○松澤(兼)委員 簡単に中島君の提案の修正意見に贊成し、かつその他の點につきましては、原案に贊成いたします。ただ一、二希望の點を申し添えておきたいと思うことがあるのであります。
 それは第一に、二十一條の公安委員會の委員の選任の條件でありますが、警察職員または官公廳における職業的公務に従事した者、そういう前歴のないものからとるということでありますが、そういたしますと、非常に選考の範囲が窮屈になりまして、現實において最も優秀な公安委員を任命することができないという結果になりはしないかということをおそれているのであります。もちろんこういつた前歴のあるものの打ち、公安委員として新しい機構を運営していくに適當でない者のあることは、よくわかるのでありますが、そうでなく、それらの人々の中にも、りつぱな公安委員會の委員として役立つ人もあると考えているのであります。現在のところ渡しといたしましては、この點につきまして、この原案に贊成するものでありますが、将來におきましては、なるべくこういつた優秀な人を漏らさないように、公安委員會の委員として選任できるようにしていただきたいと考えるのであります。
 第二の點は、國家非常事態に對する特別措置の問題でありますが、六十二條及び六十三條に、その點が規定されてるのであります。これはまことに國家として、そういうことを考えることはいかがかと存じますが、もしそういう事態が発生した場合において、萬遺憾なく警察力を集中的に動因するということのために、現在から十分にそういう計画をしておかなければならないと考えるのであります。この點につきましては、第四條の國家公安委員會の職務に憾しまして、第六項に國家非常事態に對慮するための警察の統合計畫の立案及び實施に關する事項という點が含まれておるのでありますが、これが一旦國家地方警察及び自治體の警察というふうに、ばらばらに切り離された後において、こういう総合計費の立案をするということは、非常手落ちになるおそれがあるのであります。速やかに、そういつた事態に對慮する憾なき計費を立案されまして、いかなる事態がいつ発生しても、國家公安に支障のないようにしていただきたいという點であります。
 第三の點は、附則第八條に市町村警察の費用は、「地方自治財政が、確立されるときまで、政令の定めるところにより國庫及び都道府懸がこれを負債する。」とあります。速やかに自治體警察の實をあげるために、この新警察制度の實施を希望するものであります。しかしそういう市町村財政の確立が、はたしてこれがいつ表現されるか。中央における財政上の窮迫というものも今日非常に著しいものがありまして、この上に警察及び消防を市町村が分擔しなければならないという場合におきまして、眞に根本的に財政の改革を行うのでなければ、現在六・三制において見ているように、そのこと自體は、國家分化の調達からいつて、非常に必要であるというこの學制の改革も、跛行的な、状態において實施されつつあるといつたようなことにならないとも限らないのであります。もしも十分な財政的な基礎がない上に、市町村自治體警察というものを市町村がもたなければならないという場合におきまして、そこに今日見るよりもさらに困難な、そしてまた悲しむべき事態が発生するということが豫想せられるのでありまして、眞に警察制度の地方分散及び民主化をはかるというこの趣旨を徹底するためには、ぜひともあらかじめ速やかなる機會において、地方財政の確立をはかつてかなければならないのであります。政府におかれましては、この警察制度の改革の趣旨を一日も早く実現するために、その前提條件として、地方財政の確立を速やかにはかつていただたい。これが第三點であります。
 以上のような點を希望的に申し上げまして、先ほどの修正案及びその他の廳に對する原案に贊成するものであります。
#40
○久保田委員 私は原案には贊成するものでありますが、ただ一言だけ希望を述べておきたいと思います。門司君から今お話がありましたが、管内の署長が退職されました場合、その管内の有志から相當金を集めるのでありますが、集めました後、また相當の大會社に就職するのでありますが、なんのためにその會社に就職するのでありますが、何がためにその會社に就職するかということは、やめます前に約束されておるのであります。現職の間に、その會社に便宜を與えたということからなのであります。警察の制度が懲りましても恩給はやはり継がれることと思いますが、その場合に、この一定の期間内において會社に就職いたす場合には、恩給を取り消すというようなことを希望いたすものであります。以上は門司君からもお話がありましたので、私は簡単に一つの希望を申し述べて、原案に贊成するものでございます。
#41
○石田(一)委員 私は、ただいま提案されておりますところの警察法案の原案並びにただいまの修正案に贊成をいたします。がしかし、ただ私たちの考え方といたしましては、この警察法によつて今後組織づけられるところの、日本のこの警察組織によつて治安の維持、國民生活のいわゆる保護というものが、萬全になし得られるようにと、現在日々われわれは治安の乱れていることを現實に見ておるだけに、特にこれを要望するものであります。もし私の申し上げることが可能でありますならば、この組織の確立される直前において、大きな國家意思によつて、今後警察官はかくあるべきである、警察行政はかくあるべきである。警察行政はかくかくの根本精神にたつとなさるべきであるという精神的な訓示と申しますか、あるいはまた一種の、警官の今後守るべき法典といいますか、そういうものが発表され、この警察の事務に携わり、また直接犯罪の検挙にあたる人たちが、その旨を特に固く旨に懐いて、兵力なき、武器な今後の日本の治安に萬全を期せられるような精神的な面の措置もほしいと思うのであります。こういう抽象的な意見を申し上げまして、修正案並びに修正を除いた原案に贊成をいたします。
#42
○坂東委員長 これにて討論は終局いたしました。
  まず中島茂喜君提案、各派共同提出の修正案に御贊成の方の御起立を願います。
    〔総員起立〕
#43
○坂東委員長 起立総員、よつて本修正案は可決されました。
 次に修正の部分を除きました原案に對して、贊成の方の御起立を願います。
    〔総員起立〕
#44
○坂東委員長 起立総員、よつて警察法案は修正可決いたしました。
 明日は午後一時から開會いたします。本日はこれをもつて散會いたします。(拍手)
   午後六時一分散會
    ―――――――――――――
ソース: 国立国会図書館
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