くにさくロゴ
1947/12/06 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 治安及び地方制度委員会 第46号
姉妹サイト
 
1947/12/06 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 治安及び地方制度委員会 第46号

#1
第001回国会 治安及び地方制度委員会 第46号
昭和二十二年十二月六日(土曜日)
    午後一時三十三分開議
 出席委員
   委員長 坂東幸太郎君
   理事 門司  亮君 理事 矢尾喜三郎君
   理事 高岡 忠弘君 理事 中島 茂喜君
   理事 川橋豊治郎君 理事 松野 頼三君
   理事 酒井 俊雄君
      久保田鶴松君    松澤 兼人君
      井上 知治君    大澤嘉平治君
      佐藤 通吉君    千賀 康治君
      坂口 主税君    小暮藤三郎君
      中垣 國男君    大内 一郎君
      中島 守利君    渡邊 良夫君
 出席國務大臣
       内 務 大 臣 木村小左衞門君
 出席政府委員
       内務事務官    林  敬三君
 委員外の出席者
       内務事務官    長野  實君
       專門調査員    有松  昇君
    ―――――――――――――
十二月五日
 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 (第一四六號)
 警察法案中に四國を一管區とする國家地方警察
 管區設定に關する請願(秋田大助君外一名紹
 介)(第一三七三號)
 地方團體の國家委任事務費國庫負擔増額等に關
 する請願(秋田大助君外一名紹介)(第一三七
 七號)
 民衆酒場設置の請願(細川八十八君紹介)(第
 一四四二號)
 國民食堂設置の請願(細川八十八君紹介)(第
 一四四三號)
 料理飲食業者の營業再開許可の請願(橋本金一
 君外七名紹介)(第一四九八號)
 相模原町座間を座間町に分立の請願(坂東幸太
 郎君紹介)(第一五〇五號)
 密入國、密貿易の取締に要する經費の全額國庫
 負擔に關する請願(藤原繁太郎君外七名紹介)
 (第一五〇六號)
 料理飲食業者の營業再開許可の請願(天野久君
 外二名紹介)(第一五一四號)
 國民食堂設置の請願(海野三朗君紹介)(第一
 五一五號)
の審査を本委員會に付託された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 (第一四六號)
 消防組織法案(内閣提出)(第一一六號)
 消防法案起草に關する件
    ―――――――――――――
#2
○坂東委員長 これより治安及び地方制度委員會を開會いたします。
 本日の日程は、地方税法の一部を改正する法律案、消防組織法案、消防法案の三件でありますが、日程の順序を變更いたしまして、消防法案を議題に供します。川橋委員。
#3
○川橋委員 消防法の問題につきましては、中垣委員に、非常に各方面に御交渉になり、種々御努力を願いましたので、同委員から御報告願うのが最もいいと考えておりますから、同君の御報告を願いたいと思います。
#4
○中垣委員 では私から説明をいたします。去る九月小委員會が發足いたしましてから今日まで、委員の皆さんとともに消防法案を研究してまいりまして、大體の成案ができておりますので、逐一それを御報告申し上げたいと思います。組織法とともに消防法、この二つが一つにならなければ運營ができないというようなことでありますので、この議會の會期中にこれを何としてもきめなければいけないというようなことから、相当に會議の囘數を重ねて今日までまいつたのであります。
 まず第一章に總則といたしまして、「この法律は火災を豫防、警戒および鎭壓するとともに、火災時における人命及び財産を救護し、以つて安寧秩序を保持し、社會公共の福祉の増進に資することを目的とする」と規定したのであります。
 第二條はこの法律の用語についての規定でありまして、「消防執行長は都市町村の長又は消防長(都市町村に屬しその消防事務を掌理する消防本部の長)若しくは消防署長をいう。」と規定したのであります。「消防職員とは消防執行長及び都市町村消防本部、消防署その他の消防機關に勤務し消防事務を掌る者をいう。」と規定したのであります。消防對象物の規定でございますが、山林、船舶、舟車となつておりましたのを、いろいろ關係当局と交渉いたしました結果、船舶の方は船舶安全法というものがすでにできておるために、これは對象物としない方がいいということになりましたので、これを拔くことにいたしました。なお危險物を指定する必要があるので、「危險物とは、鹽素酸、鹽類、黄りん、金屬カリユウム、石油類、アルコール、セルロイド、發煙硫酸その他の高度可燃性物品をいう。」というような規定をおいたのであります。
 次に第二章の火災豫防でございますが、この消防法は火災豫防、特に技術的な問題を主體として法案を作成したのでありまして、第二章の火災豫防の第三條に、「消防職員は個人の住宅において火災豫防上危險と認める行為者又は消防活動上支障になると認める物件の關係者に對して左の各號に掲げる必要な措置をとるべきことを命令することができる。一、弄火、喫煙又は焚火の禁止若しくは制限又は焚火の場合の消火準備、二、殘火、取灰又は火粉の始末、三、放置せられた危險物その他の燃燒物の處理、四、みだりに持置又は放置せられた物件の整理移動又は撤去、五、筏、車輛等の移動。」これを規定したのであります。
 次に第四條でございますが、第四條は消防執行長は火災豫防のため必要があるときは、關係者に對して危險物、火氣使用物件、火氣使用物の配置圖、その他の資料の提出を命ずることができると規定したのであります。その次に立入檢査のことでございますが、防火、消防の豫防上に立入檢査の制度を新しく設けまして、興業場、百貨店、旅館、飲食店その他公衆の出入りする場所では、その場所の公開時間内に火災豫防上の立入檢査をすることができる。なお工場、事業場その他十名以上の從業者の勤務する場所においては、その場所の從業時間内に立入檢査をすることができる。三は、前二號に規定する以外の場所については、日出後日沒前の間、但し特に緊急の必要がある場合または四十八時間前にその旨をその場所に在る關係者に通告した場合に限り、立入檢査をすることができると規定したのであります。關係当局の要望もございまして、特に立入檢査をする場合には都市町村長の定めたところの證票を携帯しなければならないという規定を挿入いたしたのであります。
 第五條に「消防執行長は前條又は第二十五條に規定する消防職員の行う事務につき、消防團員にこれを準用する。」という一箇條を挿入したのであります。
 第六條は「消防執行長は消防對象物の位置構造設備又は管理の状況が、火災豫防上危險であると認めたときは、命令の定めるところにより權限を有する当該關係者に對し、当該消防對象物の改修、移轉、除却、使用又は業務の禁止、停止若しくは制限、工事の停止若しくは中止その他必要な措置をなすべきことを命令することができる。」という規定をおいたのであります。
 第七條は「建築物の新築、増築、改築、用途變更又は使用について、許認可を行う權限を有する行政廳は、建築物の工事施行地を管轄する消防署長、消防長または消防本部を置かない市町村の市町材長の火災豫防上当該許認可が支障ない旨の意見を徴さなければ当該許認可を行うことができない」と規定したのであります。
 第八條は「學校興業場、百貨店、危險物の製造または建築物その他の工作物の管理者は防火責任者を定め、災害が發生した場合の人命救護に關して消防計畫を立て、災害發生時には避難を誘導し救急の任務に当らなければならない」と規定したのであります。その次に第九條でありますが、
 第九條は「危險物は所轄消防執行長の許可を受けた場合を除くほか、日出前又は日沒後においてこれを取扱つてはならない」と規定したのであります。
 第十條は「學校、工場、事業場、興業場、百貨店、旅館、飲食店、その他公衆の集合する建築物その他の工作物には都市町村の定めるところにより消火器その他の消防の用に供する機械器具及び消防用水竝びに避難器具を設備しなければならない。ガソリン動力の消防ポンプを設備したものは、これを消防執行長に届出なければならない」と規定したのであります。
 第十一條は、「何人もみだりに火災報知機、消火栓又は消防の用に供する望樓もしくは警鐘臺を使用し損壊し撤去し又はその正当な使用を妨げてはならない」と規定したのであります。
 それではここで一應中止します。
#5
○坂東委員長 今地方税法のことで話がきまりまして、大臣が見えましたからちよつと中止いたします。それでは地方税法の一部を改正する法律案を議題に供します。
#6
○木村國務大臣 ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案につきまして、その理由を御説明申し上げます。
 本改正法律案は、府縣民税及び市町村民税の納税義務者一人当の平均賦課額と、現在の「百八十圓」及び「百二十圓」からそれゞさらに「二百四十圓」及び「百六十圓」に引上げようとするものであります。
 府縣民税及び市町村民税の納税義務者一人当の平均賦課額は、さきに本會期において成立いたしました改正法律において、「百二十圓」及び「八十圓」からそれゞ「百八十圓」及び「百二十圓」に引上げられたのであります。しかるに最近の社会情勢に鑑み、政府としては、いわゆる官公吏の生活補給金について再檢討を加え、協議を重ねました結果、政府職員については、一時手当金として、とりあえず給與の一箇月分總額約二十七億三十餘萬圓を年末に支給するものとし、これがため近く補正豫算案第十號を提案することとなりました。從つて、これとともに地方職員についてもまた一般官吏と同様、とりあえず、給與の一ヶ月分總額約二十三億五千萬圓の特別手当を支給するものとし、これが地方費負擔額約十八億四千萬圓の所要財源として、やむなく府縣民税及び市町村民税の納税義務者一人あたり平均賦課額をさらに引上げ、これによつて約十六億四千萬圓の増収可能額を見込み、殘餘の所要額は經費の節約その他地方公共團體の工夫にまつのほかなきに至つたのであります。
 御承知のごとく今日の地方財政は、はなはだしく困窮しているのでありまして、今囘の特別手当等所要經費を地方公共團體がみずから財源をもつて調達することは、きわめて困難なる事情にあるのであります。しかしながらこれを國庫の支出に仰ぎますことは、國家財政また眞に危殆に瀕しております今日としては、いかに考究してみても不可能の實情でありますので、住民の擔税能力及び諸般の經濟事情等を篤と考量の上、やむなく府縣民税及び市町村民税について、この程度の増税を行うことといたしたのであります。
 以上の事情を御諒察の上、よろしく御審議あらんことをお願ひ申し上げまする次第であります。
#7
○坂東委員長 この法律案は、すぐに本會議にださねばならぬことになりますから、本日すぐに決定することにいたしたらいかがでございますか。
#8
○中島(守)委員 ただいま大臣から提案の理由を御説明になりまして、大體了解しましたが、この地方税の一部を改正する法律案は最近において改正いたしたばかりでありますのに、また重ねてこの改正案の提出を見ることははなはだ遺憾であり、また一面においては政府においても、はなはだ無定見ではないかというようなことを考えるのであります。一體最初提案せられる時分において、かようなことはすでにわかつておつたのではないか。しからば過般御提案になつた地方税の一部を改正する法律案に對し、すでに今囘提出されたと同様のものを提出するのが適当ではなかつたのか。それを二囘にわたつて同じようなものをここに提案することは、はなはだ將来において遺憾に考えるし、また非常に無責任な例になりはせぬかと思うのであります。この點について大臣から御説明を願いたいと思います。
 もう一點は、今囘の地方税の増額によりまして、生活給與金として支出する金が、ただいま大臣の説明でも十八億いくらで、實際の支出は二十數億になるようであります。そういう關係において、地方において餘裕のあるところは何とか方法がつきますが、餘裕のない現在の東京都のような所では、この程度の増額ではまだ支出ができ得ないのではないかと思つております。こういう點に對してはどういうふうにお考えになつているか。あるいは支出ができ得ないことになれば、この税額をさらに増額しなければならないということになる次第でありますか、この點について大臣の御説明を求めたいと思います。
 もう一點は、ただいまの國家情勢においては、行政整理が一番大事な問題ではないかと思います。税源は枯渇しまして、まことに困窮に陷つております國であり、また地方であります。この際に、現政府が公表しておりましたところの行政整理を促進しまして、そして調節をはかることが必要ではないかと思うのであります。これについては、あまり詳しく言うと審議未了になりますから申し上げませんが、行政整理を急速に施行するような考えはないのかあるのか。以上三點について大臣の御答辯を煩わしたいと思います。
#9
○木村國務大臣 中島君の御質疑はまことにごもつとも千萬であります。先に地方税法の改正案を提出いたしまして、御審議を願いまして衆參兩院を通過いたしました。通過いたしまして間もないのに、またさらに同様額の増税案の税法の一部の改正を提出いたしたということにつきましては、御質疑も、おしかりも、まことに私は当然の御質疑であり、またおしかりである。これは萬全に私は承服いたします。大體かかる無定見なことを何がゆえにいたしたか。これは無定見と仰せられても、何とも辯解の申し上げようがございません。これは内務当局におきまして、かほどな現状の地方の財政の涸渇しておりまする場合を深く考えまして、なるべく地方民の一般民衆の負擔の輕減をはかりまするためLうなるべくでありません、徹底的に國庫負擔にしてもらいたいという希望をもつて、こういうことから一歩も讓らない、こういう方針を堅持いたしまして今日までまいつたのでありまして、前の改正の程度で災害補給費、補繕費等を賄い得るものという考えのもとに、以前の改正案を出したものでありますが、最近に至りまして一般官吏の一時給與金が官公勞方面からやかましくなりまして、政府がこれを取上げざるを得ぬことになり、いわゆる二・八というその中の一を取上げることになりまして、これをこれを今月の十五日までに支拂うということに相なつてまいりました。從つてただいま提案の理由に申し上げましたように、しからば一般官吏と同様に地方の公務員も扱おうではないか。しかしこれは地方自治がただいま強化された場合であるから、地方で勝手にしようということも、この財政の涸渇した場合に、どうしてもそういうことは言い得られません。どうしても國庫の負擔にしてもらいたいということを極力――はつきり申しますと、おとといまで主張してまいりましたのでありますが、國庫の方ではどうしましても、これはほんとうに國家經濟も危胎に瀕しておるような場合でありますから、できませんということに相なりまして、その點につきましては、ただいま御質疑があると思いますから、大蔵大臣に特にここへ來てもらいまして、ご滿足のいくような説明をしてもらうようにただいま要求をいたしております。私としても、これははなはだ不本意のいたすところでありますけれども、こうしなければ、もう十五日という期間もまことに目睫に迫つております。何とも方法がつきませんで、はなはだ申譯なく遺憾な提案でありますということを、どうぞ御了承賜わりますようにお願い申し上げます。
#10
○林(敬)政府委員 大臣が御答辯になりましたほかの點につきまして、私から補足をお許しを願います。お尋ねの第二の點は、これだけでもつて、一箇月分の給與というものが賄えるか。殊に東京においてはどうかというお尋ねであるかと存じます。これは全國的に見ますと、一箇月分の地方費の負擔を出しますと、公吏ののために出します地方費の負擔は十八億であります。公吏に對する給與總額は一箇月分を計算しますと二十三億になるのでありますが、その内で法律上その他当然國庫から半額補給されるものとか、ある一定限度國庫の補助金の機械的に來る教員であるとか、警察官であるとか、そういうものがあるわけであります。その國庫補助というものが当然これは約五億見られるわけでございまして、二十三億から五億引きましたところの十八億だけが純粹の地方費で負擔をしなければならない公吏に對する補給分となるわけであります。十八億のうち、今度この措置でさらに五割を引上げます措置によりますと、約十六億四千萬圓できるわけでありまして、差引大略二億圓だけが不足する、こういう計算になるのであります。この二億圓はいわゆる節約にまつか、あるいはどうしても節約できないところは、その当該議會と相談した上で、若干の制限外をやるかということでやつていくよりほかないと思いますが、私の技術的に見ました大きな見透しとしては、大體十八億のうちで十六億財源がつくられれば、あと二億は当然節約でいつてもいいのではないか、これはやれるのではないかという考えでございます。これは全國的に見たものでありますが、さらに國の方では、今度は官吏に對する費用が二十七億要りますが、しかしいろゝ財政上の措置で出てきたのは、たしか十五、六億だろうと思います。それで六割ほど調達して、あとの四割はこれは節約というか、實行豫算にまつ。こういう豫算の組み方になると思います。
 それから補正豫算第十號と申しますのは、國の豫算については四割の節約をするのでありますが、地方費では十二億程度の節約はできる。これは大體可能ではないか。全國的に見てかように考えます。お尋ねの東京都につきましては、御承知のように職員給も高うございますし、數も多いものでありますから、私ども事務的に見ても、これはやや足りないのではないかという感じがいたしております。現に東京都としては、平均率よりもたしか三割限外を課しておるような状態でございます。そこでこれに對する措置としては、全國の自治體の中では、東京都が一番苦しいものの一つではないかという感じをもつのでありますが、これについては、やはり大きな世帯がございますので、足りない部分は節約をして實行豫算を組むか、それがどうしてもできない場合は制限外を課するか、あるいは何らかのほかの税源、その他財政収入をはかつて、そうしてこの暮を越すという措置をしていただくほかはないのではないかと存じております。
 それから最後にお尋ねのございました行政整理でございますが、これは御承知のように、政府としては、すでに原則として缺員不補充という方針をとつておりますし、それから豫算は一割を節約せよと、大蔵省から嚴重に申し渡されており、その方針でやつておるのでありまして、地方公共團體についても、これは地方の自治體ではございますが、その方針にならつて協力をされるような運營を、極力とられるようにという通知を出してあるような次第でございます。そこでさらにこういう給與、職員というものの問題になつてまいりますと、あるいは大きな行政整理というものをやる必要があるのではないかという御議論は、当然起こると存じます。ただしかしながら、これは相当多數の人の生活の問題にもなつてくることでもあり、それから行政上のいろいろな機構の問題にも關係してくることと存ずるのでありまして、政府としてはこのことは、問題には取上げて、特に最近においては、これはいかなる措置を講ずるかということについての善處方を考究いたしておりますが、何分にもまた一方におきましては、愼重を要しなければならない問題でございますので、今それを一氣に施行するのかしないのかという結論に至つていないというのが實情でございます。
#11
○坂東委員長 他に御質疑ございませんか。
いかがですか。大體明瞭なことですが、大蔵大臣は豫算委員會におりますので、この程度でどうですか。
#12
○中島(守)委員 やむを得ないですから、大蔵大臣の出席を求めないで、これで質疑を終了して、ただちに採決にはいつていただきたいと思います。
#13
○坂東委員長 それでは質疑は終了と認めることに御異議ありませんか。
それでは討論を略しまして本案を原案通り可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○坂東委員長 それでは原案通り可決せられました。
#15
○小暮委員 私は去る十月十九日の本委員會におきまして、委員各位の同意を得まして緊急質問をいたしました。その際大臣の出席を求めまして、大臣のお考えを質したい、かように考えておつたのでありますけれども、御不在でありまして、その意を得ませんで今日に至つたのでありますが、ちようどこ出席を得ましたので、實はこれにつきまして、質したいと思います。警保局長から大臣に傳達をしてもらいますように話してありますが、すでに私が質問しましてから約二十日間も經過しておりますから、定めし大臣もよく御承知になつていることと思いますけれども、ここに決めてその大要を申し上げまして、大臣の所見を質したいと思います。
 そのことは去る十月二十五日、岡山縣の警察部長と稱する者が横濱へ參りまして、横濱の待合の「おかめ」というところに一月近くも居續けをしまして、政令違反を犯したのみならず、やみブローカーを介しまして、乘用自動車二臺、トラツク一臺、ドラムカンでガソリンを五カン、しかも百數十萬圓のやみ行為をしたということが新聞に掲載されておりました。その行為をした者は岡山縣の警察部の者であります。しかもその新聞に掲載されているところを讀むと、岡山縣の警察部から警察部長名をもつて電報が來ておるというようなことが明かに報道されております。それは一地方新聞ばかりではない。各大新聞に全部掲載されている。これは實にゆゆしい問題だと思う。政府はやみ行為を撲滅して公正なる配給をしようということに努力されておりまする點、私どもも十分に認めておる。これを國民に向いあらゆる機關を通して努力されているそのときに、しかも警察部の取締りの任に當つております者がこういうことを行つているということは、實にゆゆしい問題である。そのことが警察官をはじめ取締りの局に當つている官吏、一般國民に及ぼす影響は實に大なるものであります。實はこのことにつきまして、私が質問をいたしましたのは十一月十九日、それから二十日近く經つている。大臣の御用のありますことは新聞等で拜見いたし、お察しは申し上げておりますけれども、答辯の機會がないとは私は思えない。機會があるのにもかかわらず、還延今日に至つたというようなことにつては、われゝの考えておるように大臣が考えておられるかどうか、その點はなはだ疑わざるを得ないのあります。詳しく申し上げたいのですけれども、大體かよう申し上げてみますれば、大臣にもさだめしお心あたりがあることと思いますので、ちようど御出席の機會に、去る十一月十九日に私が緊急質問いたしました點について、御答辯を煩わしたいのであります。
#16
○木村國務大臣 小暮委員からのお尋ねは、私も御質疑のありましたことを警保局長を通じてよく承知いたしております。御同様非常に困つた不祥事を發生いたしまして、私といたしましても、ただいま警察の威信の上からも、重大なる關心をもつて心配いたしております。ただちに御答辯申し上げるはずでございましたが、これは辯解ではございませんけれども、その後群馬縣の災害地から、この十月以來非常な要望がありまして、群馬縣の各地方に災害の實地踏査に出かけました。この實地踏査ということは、毎年十一月から十二月にかけまして災害期を越えまして、後から災害が増加することのないような季節にやることが通例になつております。そういう要望もあり、また責任上、群馬縣の方に出かけておりましたり、なお歸りまして、二十六日から天皇陛下が中國御巡幸に相なりますので、ただいまのところ行幸の警衞の責任は内務大臣にありますし、今宮内府では警察権というものをもつておりません、そのために、内務省といたしましては最後の内務大臣でありますのでいろゝ閣議でも相談いたしました結果、私は御召列車に扈從いたしまして山陰道を一巡御供いたし、ようやく一昨晩遲く歸つてまいりましたような次第でありまして、心ならずもつい御答辯が遲れました段は、辯解ではございませんが、その邊の事情とくと御了察を賜わりますようお願いいたします。
 岡山縣の警察官が、横濱へ自動車購入に出張いたして、その業者とともに同宿しておりまして、政令違反に問議せられたというような不祥事件を起しましたことは、まことに遺憾にたえないところでございます。これは津田巡査部長と申します岡山縣の巡査部長でありまして、警察部長などと偽稱しておりましたことはまつ赤ないつわりで、ただの巡査部長でございます。これに對しましては、ただちに懲戒免官の處分に付しました。また、その他の岡山縣の上級幹部に對しましては、それぞれ責任を問いましたから、この點御了承願います。
 なお警察綱紀の肅正につきましては、すでに嚴重なる指導をいたしておるのでありまするが、なお今囘の遺憾な事態を惹起いたしましたので、これを一つの頂門の一針といたしまして、各地方廳に嚴重な通牒を發しまして、再びかかる不祥事を惹起して世人の指彈を受けるがごときことのないように嚴重なる訓戒をいたしておりまするから、さよう御了承願いたいと思います。
#17
○小暮委員 ただいま大臣から、延引した理由を附しまして御答辯がありまして、私どもも御苦衷をお察しするとともに、この答辯が實はもつと早く濟んで、早くこういうことを――ただいま大臣は頂門の一針として大いに肅正すると、まことに結構な思召でございまして、共鳴する次第でございますが、とにかくこの問題が起りまして、そうしてこれが先ほど申し上げますように、全國一般に知れ渡つた、それに對して私は、内務大臣として御答辯いただく意外に、實は、内閣總理大臣にも、これについては所感を聽きたいというくらいに考えておつたのでございますけれども、しかしかようなことは、あまり聲を大きくしないで、ただいまの大臣のお話のように、頂門の一針として、これを機會として大いに肅正をしていただくように希望したような次第であります。どうぞ内務大臣から總理大臣にも、よろしくその點は私の意のあるところをお傳え願いたい、重ねてお願いしまして打切ります。
#18
○木村國務大臣 御趣旨十分に拜承いたしまして取次ぎます。
    ―――――――――――――
#19
○坂東委員長 それでは、日程はあとにしまして、消防法案の小委員長の報告を繼續いたします。中垣小委員長代理。
#20
○中垣委員 先に續きまして第十二條の説明をいたします。
 第十二條から第十五條は水利、氣象等の問題に對する規定をしたのでありますが、消防の用に供しますために絶えず水の用意をしなければいけないということから、その維持あるいは管理について、消防執行長は池、泉水、井戸、水槽その他消防のために供し得るものの管理者の承諾を得て、これを消防水利に指定して常に使用可能の状態に置かなければならぬということを規定したのであります。
 さらに第三章の火災鎭壓でありますけれども、十六條より二十五條まで、火災現場に對する消防隊の活動を規定したのでありまして、特にこの火災鎭壓に對しましては、火災を發見した者に、これを消防署または都市町村の長の指定した場所に、これを通報しなければならないという義務を規定したのであります。
 それから第四章の捜査及び調査でありますが、ここにあげております捜査ということは、放火または失火の犯罪があると認めた場合にのみ捜査権が與えられておるのであります。しかしながら新しく組織法にも出ておりますところの國家消防廳ができまして、これが放火または失火の犯罪と捜査する制度を設けるときは、これに從わなければならないという條件が附されて、この捜査を消防職員が行うこととなつておるのであります。なお捜査員は、放火または失火の犯罪があると認めましたときに、書類を作成いたしまして、これを檢察廳に通告しなければならない。かように規定したのであります。
 第五章は雜則でありまして、ただいままで説明申し上げましたのは、火災を中心にしたもののみ申し上げたのでありますが、しかし本來の消防の活動の上から見まして、風災、震災、水災等に對する活動の根據を規定したのであります。特に消防執行長に届出なければならない事項といたしまして、火災の鎭壓とか、あるいは火災とまぎらわしい煙、または焔を發せしめんとする場合、あるいは露店などを開設しようとする場合、掛け屋とかその他の假設の工作物等を置かんとするような場合には、これを前もつて届けなければならないというように規定したのであります。以下は罰則でございますが、ただいま御説明申し上げました全部の點に、關係機關との了解を得まして小委員會の案とし、これを御報告申し上げた次第であります。
#21
○千賀委員 ただいま消防法の説明を伺いましたが、この際小委員長に質問をいたします。
 私はこの席におきまして、火災を豫防するのには何よりも水である、しかも日本國内には、たくさんの小型のタンクがひつくり返して水をあけられ、また大型のタンクは土を入れて埋められてある、これを再び復活いたしまして水を盛ることになりますと、國内の殊に各都市及び小都市自身といたしまして、應急の用になる水の保有される量はおよそ莫大な量になる。これをすることが本法の火災豫防のために何をおいても必要であるということを主張したことがあるのでございます。この點につきまして、私は少々出席が遲れましたので、前に何か觸れておられたかもしれませんが、私が聽きました以來は一切觸れておりません。私がここで討論いたしました際は、G・H・Qの方にも、何ゆえに水をあけたのか、また水を再び盛ることはどういう障害があるのだということを、とくと連絡をし、できるものならばこれを行う、消防法も今提案をせんとしつつあるのだから、この中にもぜひこれを一緒に盛り込んで解決をしたいからという了解を得て、私は質問をひとまず打切つたのであります。この私の質問は、速記録にも明瞭に載つております。この點をいかに取扱つて今日に至つたかをお伺いします。
#22
○中垣委員 ただいまのお尋ねは、ごもつともでございまして、第十參條に規定をしてあります。それを讀ましていただきます。「十參條消防執行長は池、泉水、井戸、水槽その他消防のために供し得るものの管理者の承諾を得て、これを消防水利に指定して、常に使用可能の状態に置くことができる。」この條文を插入いたしまして、消防執行長は、そういうことを火災豫防上絶えず見まわりをして、完全な態勢を整えておく、こういうふうになつておるのであります。
#23
○千賀委員 法案の中では、今殘されておる水漕が、ことごとく復活をしてもいい形になつておるのでありますけれども、現在市中を歩きますと、依然として水漕には土が埋められ、小型タンクはひつくり返して、からからになつております。私はこの法案をまつて、これを活用するというばかりでなしに、私の質問は、ただちにこれを活用しなければいけない。またもし、どこかにこの水を空にさせなければならないという力があるならば、その力をぜひ了解して早く止めて――この法案とは別問題といたしましても、速かにこれを實行に移さなければ、さしあたりの火災豫防に不便である。こういう所論をしておるのでございますが、この點をはつきりお究めになつたのかどうか。そこを闡明されたいのであります。
#24
○中垣委員 お答えいたします。ただいまの千賀さんのお尋ねの通り、水漕の水をやめさしたということは、私が關係機關に聽きました點によりますと、衞生上の見地から、あれに水を貯えてはいけないというようなことを言つておるそうであります。なぜかと申しますと、今日までは合法的な根拠のある取締りができないために、泥水を入れておいて、それにぼうふらがわくとか、あるいは、いろゝな汚臭を發するような腐敗した水になつてしまうとかいうようなことになつておりましても、それを命令や、その他の取締令等においてやれなかつた。しかし今度は水漕に水を入れて置いても、消防執行長はその管理者の承諾を得て、これを常時使用することができるようになつておると同時に、その維持及び管理をしなければならない責任があるのでありまして、その點は水漕を利用してもよろしいという了解を得ておるのであります。
#25
○千賀委員 私も大體衞生上の問題で、彼らが水漕をひつくり返さしたということは、想像もし、また國會に當選せいて參る前の地方議會におきましても、さような答辯は得ておつたのであります。ところが、衞生上ということに拘泥されますと、いかに新しい法律でこれを管理するのだということの了解を得ましても、實際水を絶えず清々としておいて、いついかなるときにも、青みどろが張らないように維持をするということは、水の量が非常にたくさん要るのであります。現在の電力の状態、石炭の状況におきましても、地方の都市及び六大都市、あるいは東京都等を加えまして、空になつておる水漕に水を張り、これをときゞかえるというその水の量は莫大でありまして、現在の電力量等におきましては、絶對にこれは不可能であります。これは私の住んでおる字の一例でありますけれども、私は災害防止のために、この水は絶對にあけさせない。たれが何といつても、おれの責任においてあけさせないのだといつて、がんばつておりましたけれども、その水はときゞかえなければならないということになりまして岡崎市の水道能力では、これをときゞかえることは不可能で、とうう私は頭を下げてしまつたのであります。そこで、このたくさんの水の量を、見た感じで清々としておくということは、将來において不可能であり、石炭の事情あるいは電力事情からみても、これが短い年數に改善されるとは思いません。そういうことになりると、依然として衞生上の見地からというような、茫漠たる一つの感情でまた取締られるということになりますと、やはり不可能であります。必要な場合には、火災を豫防することがよいか、あるいは目で見た感じが、青みどろが張つておるというようなことと、どちらがよいのか。民族のために、いずれをとるべきかということをはつきりして、われゝが自主的に、水が必要であるならば、たとえ青みどろの水になろうとも、あくまでこれに貯水するという權利を把握しなければ、私の言うことは空文に等しいのであります。この點につきまして、こういう頼りない消防法を主といたしまして、今まで水をあげさせられた理由は、あくまで從のものであつて、可及的とか、あるいはできるだけというような解釋でも相手方にしてもらわなければ、結局不可能であると思います。その點について御信念があるかどうかを伺います。
#26
○川橋委員 千賀君の御意見はごもつともと存じますが、何分この問題は、各都市とも衞生上の見地から、ぜひ水を貯めてはいけない。もしそのまま置いておく場合は、それに砂を盛れ。原則としては、これをひつくり返すとか、横にしろとかいうような命令によつて、全國一齊にこういう處置をとられたということになつております。いずれこの問題は、實際上の問題でありまして、法規には明らかに規定はございませんが、今後こういう問題については、やはり各方面とも折衝いたしまして、千賀君の御意見が徹底するように處置することを、當局を鞭撻しまして、實行するほかいたし方なかろうと考えております。そういう點で、大體千賀君に御了承願いたいと思います。以上簡單に御答辯申し上げます。
#27
○坂東委員長 ただいま小委員長の報告がありましたが、この小委員長の案を取上げまして、そしてこの委員會の案とすることに異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#28
○坂東委員長 それではこれを委員會の案としまして、これから審議をするわけであります。この消防組織法案を併せて議題に供しますか。その順序はいかがいたしましようか、御意見を承りたいと思います。實は消防組織法案につきまして、すでに質問がありました點をまとめて、それから印刷して關係方面にまわせるような状態であります。
 ここで暫時休憩します。
    午後二時二十八分休憩
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト