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1947/08/05 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 労働委員会 第6号
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1947/08/05 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 労働委員会 第6号

#1
第001回国会 労働委員会 第6号
昭和二十二年八月五日(火曜日)
    午前十時三十六分開議
 出席委員
   委員長 加藤 勘十君
   理事 辻井民之助君 理事 山下 榮二君
   理事 原   侑君 理事 三浦寅之助君
      菊川 忠雄君    島上善五郎君
      田中 稔男君    館  俊三君
      前田 種男君    山花 秀雄君
      尾崎 末吉君    小林 運美君
      寺本  齋君    石田 博英君
      栗山長次郎君    村上  勇君
      吉川 久衛君    綱島 正興君
 出席國務大臣
        國 務 大 臣 米窪 滿亮君
 出席政府委員
        厚生事務官   吉武 惠市君
 委員外の出席者
        議     員 加藤シヅエ君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 勞働省設置法案(内閣提出)(第一二號)
    ―――――――――――――
#2
○加藤委員長 前會に引續いて開會いたします。委員外加藤シヅエ君から發言を求められております。これを許可します。加藤シヅエ君。
#3
○加藤シヅエ君 私はこの勞働省設置法案の中の第七條に婦人少年局が設置されるという條項のあるのを拜見いたしましたのでございますが、私どもは今日の日本の民主化のためには、長い間封建制のために、經濟的にも、また法律の上でも、あるいは實質においても、あらゆる面で男子より劣つておると認められているところの婦人大衆の地位を、男子のそれと同じところまで向上させるということは、日本民主化にとつては急速に行われなければならない非常に重大な仕事の一つであると考えております。この際に婦人局というものを新しく設置されますところの勞働省の中に設けられまして、そうしてこの婦人に對する一般行政を繼續的な研究調査に上に立つたものとして、婦人の行政を一元化するために婦人局が設置されなければならないということを考えておつたのでございます。ところがここに、このたび提出されました勞働省設置法案の中における婦人局というものの地位は、婦人局單獨ではなくて、婦人少年局という名稱のもとに規定されておるのでございます。これを拜見いたしまして、私どもはただいま申し上げましたような、婦人に對する婦人行政の一元化ということが日本の民主化にいかに重大であるかということを考えますときに、婦人少年局というような名稱のもとに、昔ながらの女子供というような觀念のもとに、この大きな婦人行政がこういう小さい局の中にまとめられているということを拜見いたしまして、はなはだ不滿に感じているものでございます。
    〔委員長退席、辻井委員長代理著席〕
 そこで私が當局に伺いたいと思いますことは、どうしてこの婦人局を單獨な局とすることができないで、婦人少年局というようなものができたかというその理由を考えてみたいと存じます。これを考えてみますときに、まず最初に考えられますことは、この勞働省設置法案の中の婦人少年局の構想というものは、あくまでも婦人というものに對する大きな婦人行政の一元化というところに立つておられませんで、ごく一部の勞働婦人、あるいは一部の婦人問題をごく斷片的に取上げるというような構想のもとに立てられましたために、婦人少年局といつて少年勞働の問題とこれを結びつけられたのではないか、こう考えるのでございますが、少年勞働の問題はもとより大切な問題でございますけれども、婦人大衆の一般の行政というものと比較いたしましたときに、その人口に對する比率から考えましても、婦人は全人口の半ば、あるいは半分餘を占めておる人口を對象とするものであり、少年勞働の問題はごく一部分の問題に過ぎないのでございます。こういうような比率から考えて、不均衡な二つの問題を一つの局に押し込めるということは、はなはだ不適當だと私は考えております。そこでこういうような婦人行政の重大性ということを考えてまいりますときに、もう一度ここで檢討されなければならないのは、婦人少年局の中に含まれたところの婦人の問題というのは、ここに書かれたところを見ますと、はなはだ曖昧でございまして、勞働婦人の問題を對象としているようにも見られますし、あるいは一般の婦人の問題を含めておるようにも見られるのでございますけれども、その整理の仕方が非常にはつきりいたしておりません。そこでもう一度この際、この婦人局というものは、特定の職場をもつておるところの勤勞婦人及び農村に働いておるところの農村の勞働婦人、それから一般に家庭勞働に從事しておるところの主婦、そういう廣い觀點に立つ婦人大衆というものをほんとうに對象としておられるかどうかということをはつきりさしていただきたい。
 それからもしそれをはつきりしていただきましたならば、今申し上げましたような婦人大衆の地位の向上、あるいはその啓蒙指導の重大性ということを考えますときに、これを少年勞働の仕事と一緒にしておくことははなはだ不適當と認められますので、將來これを分離して單獨の婦人局というものを設置していただきたい。これについて政府にその御意思がおありになるかどうか、この點を最初に承りたいと存じます。
#4
○米窪國務大臣 婦人問題が單に勞働婦人の問題ばかりでなく、一般の婦人問題を含むことになる觀點から見ると非常に重大であることは加藤さんのおつしやつた通りであります。なぜ少年というものと一緒の局にしたかという質問ですが、政府といたしましては、憲法で男女の別なく權利も認められ、社會的地位も認められておりますが、實情においてはやはり婦人の地位なり、權利なりがまだまだ現實の問題としては男子と同じようになつておらない。この嚴然たる事實はやはり質問者も認めておられることだろうと思う。同様に年少者の問題も、これまたまだわが國においては十分な政府の保護を要すべき段階にあることも事實でございます。こういうぐあいに婦人といい、年少者といい、ともかくも政府がその施策において相當保護を加うべき餘地のあるところを認めて一つの局にしたのでございまして、理想を言えば、婦人局と少年局というおのおの獨立した局を設くべきでありますが、今日の日本の情勢においてはとりあえずこれを一つにまとめまして、そしてゆくゆく婦人問題が重大化し、さらにこれに對する政府の施策が、當然獨立局としていかなけれがならぬ段階に至つたときには、婦人局という單獨の獨立した局を設けたい、こういうぐあいに考えております。分課規程におきましても婦人少年局を三つにわけまして、婦人勞働課と少年勞働課と婦人課、こういうぐあいに三つにわけておるわけであります。このわけ方から見ましても、いかに婦人少年局の事務が婦人に重點をおいておるかということがおわかりになるだろうと思うのでございます。そこで一應御参考までにこの分課規程の婦人少年局のところだけを讀みますと、婦人勞働課については、これは多く申し上げなくても、すでに御研究のいつておられる質問者にはおわかりだろうと思います。また少年勞働課についてもここで讀み上げることを省略しますが、婦人課については「婦人の地位の向上その他婦人問題の調査及び連絡調整に関する事項、但し婦人問題の連絡調整については、他省が法律に基いて、その所管に屬せしめられた事務を行うことを妨げるものではない。」二は「勞働者の家族問題に關する事項、但し法律に基いて他省の所管に屬せしめられたものを除く」三は「婦人の地位向上その他婦人問題及び勞働者の家族問題に關するラジオ、映畫その他の方法による刊行發表の資料整備に關する事項」一應こういうぐあいにきめております。ここで他省の所管に關するということは、御承知の通り文部省なり厚生省において、すでに婦人問題を取扱つているところがあるのでございまして、これらについては、そこでこういう事務を取扱うことについては、何ら勞働者としてこれに干渉するもりではない。しかしこれらの省で扱わない問題で、婦人勞働課以外で扱うべき問題があるので、これらの問題は婦人が婦人問題の窓口行政の中心になつて、そこで連絡をして一切を取はからつていく。こういう構想であるということを御承知願いたいと思うのでございます。
#5
○加藤シヅエ君 今の米窪國務大臣の御答辯を承りましたが、私が承りたいと思いました婦人の行政というものの重要性ということは、少年の勞働の問題と比べものにならないほど重い比重をもつものであるから、これはどうしても、將來單獨の婦人局にしていただかなくてはならない。それからもし婦人局の中に含めますならば、小児の問題、生れたての赤ん坊から學齢に達すまるで母親の身近に置いてある小さい子供の問題、小児の問題は將來婦人局の仲に含めても適當であろうと思いますけれども、少年勞働の問題も保護されなくてはならないし、婦人の問題も保護されなくてはならない。二つの要保護階級をここにただ集めたというのでは、構想上はなはだこれは十分でないと考えますので、將來はそういう見地から婦人局というものを、もう少し擴大發展させるというお考えをおもちになるかどうか、こういうふうに伺つた次第でございます。將來のことを伺いたいのでございます。
#6
○米窪國務大臣 將來のことは先ほど一應お答えしたのでありますが、少年問題はなぜ婦人少年局というところで扱うかということは、御指摘のように、幼児の問題は、考えようによつては一つの婦人問題でございますから、お説の通りこれは當然一般婦人問題として扱うべきだと思いますが、同時にこういうこともお考え願いたい。勞働基準法がありまして、勞働基準法によつては、いわゆる少年勞働というものに對する、あるいは婦人の深夜業などに對する禁止、制限の條項がある。どうしてもこれはある局の中でこれを取扱う別の局を設けなければならぬ。そこで一應これは先ほどの説明で申し上げたように、婦人少年局という局へおさめていくことが行政上都合がいい。こういうことで一應おさめたのでございますが、しかし將來婦人局が取扱う問題が非常に廣汎かつ重要になつていけば、當然婦人局というものは分離して設けなければならぬ、こういうぐあいに考えております。
#7
○加藤シヅエ君 それでは私は次の質問に移りたいと存じます。私の次の質問は、ただいま米窪國務大臣の御説明になりましたように、ただいま計畫されておりますところの婦人少年局の中の分課規程について、婦人の問題をどういうふうに取扱うかという御説明を承つたのでございますが、私はあくまでもこの婦人の問題の重大性を考え、過去において婦人の問題がどういうふうに取扱われておつたか。今度はその缺點を是正するために婦人局ができたのであると考えております。婦人の問題は、過去におけるように分散れさておりましたり、あるいはそのときどきの思いつきのようなものからでき上つていたのでは、婦人大衆の地位の向上、あるいは指導というようなことはとうてい多くを期待することができないと存じます。この観點から婦人の問題は、あくまで分散させないで一箇所に集中させておかなくてはならぬ、そこに集中させて、そこで行政を行わなくてはならないというのがほんとうの婦人局の建前であると考えます。けれども問題は多岐にわたつておりますから、それがいろいろのほかの役所において取扱われるように法律の上で規定されております以上は、それに對して一々それを全部一つにまとめるということは、事質上できないことだと存じます。しからば婦人局に婦人の問題を集中させながら、法律上ほかの省の仕事にまで干渉しないという建前から、どうして集中し、統一し、行政していつたらいいかということにつきましては、私はこの分課規程でははなはだ不十分であると考えております。それで私どもが考えておりますのは、建前だけはとにかくこの婦人局の中に全部集中して、系統的に、文化的に一應婦人に必要な仕事を全部ここに集めていただきたいと思うのでございます。まず第一に婦人に對する教育という問題が一番大切でございます。その教育につきましては、社會的な教育がまず第一に考えられます。社會教育につきましては家庭上の教育と、社會における婦人の地位向上をはかるための社會教育、そういうことに對する根本の政策の樹立を行わなければならぬ。それから學校教育におきましては、小さい子供の幼稚園に對する監督から小學校、中學校、專門學校、大學、これら文部省の所管の仕事に對する監督、または参與というような形式を一つここに打ち立てる必要があるのではないかと考えられます。こういうような教育におきましても、今日ではこのほかに女子醫學專門學校、女子薬學專門學校、看護婦養成所、こういうような婦人に密接に關係のある重大な問題が厚生省の所管となつております。そうすると一つは文部省にあり、一つは厚生省にあるというようなことで、先ほどから申し上げておるところの婦人行政一元化をはかるための工夫が、ここには何らなされておりません。そこでこういうような問題を、みな婦人局において一應政策を樹立し、あくまでもほかの役所の仕事に對しても、参與というような形式をもつて絶えず連絡調整し、参與という範圍においてある程度の發言權さへももてるというような機構をおつくりになる意思がないか。將來はぜひそういうようにしていただきたいと考えるのでございます。またここにも婦人問題の研究をするということも書いてございますが、これは相當たくさんの豫算をもつて、廣範圍に專門家をもつて、この婦人問題の繼續調査ということをしていただかなくてはならぬと存じます。婦人に對するなにか思いつきで、その場限りの行政をやられるということは、婦人にとつて非常に迷惑でございまして、あくまでも婦人行政は正確な統計調査に基いて行政をしていただかなくてはならないと存じます。小さい子供たちに對する問題も同様でございます。また婦人勞働に對する行政も、今度は勞働省に全部集中されるということは非常に結構でございますけれども、この問題についても、特に婦人の勞働問題については、今後とも繼續的な調査や研究がなされていかなくてはならないと存じます。
 さらに大切なことは、今日の婦人の生活を指導し、保護するためには、多くの社會施設がつくられなければならないと存じます。この社會施設の問題が今日はまだ、みな厚生省の管轄の中に残されておるというような形でございます。これではほんとうに婦人の指導をするために、肝腎の社會施設の問題について婦人局が何らあずかるところがないというようなことでは、決して婦人行政に期待することができないと存じます。そこで私どもは、どうしても先ほど申し上げましたような連絡調整ということの上に、さらに参與というような形式をここで立てていただきたいということを切望いたしておるのでございますけれども、こういうことについて當局はどういうふうにお考えでありましようか。
#8
○米窪國務大臣 加藤さんの御質問の通り、そういう機構を設けるということも一應考慮をいたしております。ただ問題は、文部省あるいは厚生省においては、私の知つておる限りにおいては、婦人問題に關する局も課もない、しかしそういう問題を取扱う係り、そういつたところへ勞働省側から参與を送るということについては、多少とも交渉というか、協議が必要と考えるのでありまして、それは勞働省發足後においては御趣旨の通り交渉してまいりたいと存じます。これを要するに、問題は機構をどうするかということより、いかに機構が完備しておつても、この局長になる者、あるいは婦人少年局の課長になる者が、いかにその實をあげるかということがきわめて大切なことでございまして、各省にまだ局がないときに、勞働省だけに――まあ名前は婦人少年局であるが、實際は婦人局とも稱すべきものができた場合においては、その局長あるいは課長が、實際に婦人問題を著々として實効のあがるような行政をやつていくときには、現實の問題としては、それが日本の全國の婦人問題の中心の行政部門になつていくということは御了解がいくと思うのであります。問題は機構よりも、その局の行政を取扱つていくところの實際の仕事がうまくいくかどうかということだと私は考えております。もちろんそれがためには、法制的に考えると機構も必要でございますから、他省に關する問題については今後他省と十分の了解のもとに、参與制その他のあるいは諮問機關、そういつたものをつくつていきたい。また勞働省そのものについては、婦人局に對して諮問すべき機關が當然必要だと考えております。これについては目下考慮中でございます。
#9
○加藤シヅエ君 最後にもう一つ承りたいと存じます。それは今度の婦人少年局設置の過程においても、私どもが非常に遺憾に存じておりましたことは、こういうものができますときに、民間の多くの婦人たちが、いろいろの希望やあるいは研究をもつておりましたが、そういうものが反映されることが非常に少なかつたことは遺憾であつたと存じます。それで私は來將ともこの婦人の問題に關する限り、今日のところどうしても婦人自身の方がよりよけい知識をもつておりますし、實情についても通曉いたしておりますので、今後この婦人行政に關する運營は、どうか一つの諮問委員會というようなものを設けていただきまして、廣く民間人から婦人の問題に對する研究調査を行つている者をそこへお集めになつていただきまして、その諮問委員會が婦人行政に對する最高方針を決定する、そしてその最高方針に基いて役所がその運營をなすというような形式を履んでいただきたいということが私どもの希望でございますが、これに對して當局はどのような御見解をおもちでいらつしやいますか。
#10
○米窪國務大臣 それについては先ほどすでに私からお答えした通りでございまして、至急そういつた諮問機關をつくりたいと思つております。すでに先日も――これは全部の婦人團體というわけにもいかなかつたのですが、東京方面における一、二の婦人團體の代表者にお集りを願つて、この法律案が施行される曉において、いかに施行細則などをきめなければならぬかという點について、忌憚なき婦人團體の代表者各位の御意見を伺つたようなわけでございまして、當局しとては、この婦人問題につては相當の關心をもつているということを御了解を願いたいと思います。
#11
○加藤シヅエ君 もう一つ伺います。婦人の問題について當局が相當に關心をおもちになつていらつしやるということについては、私も確かに認めます。それではこの婦人少年局に對して、どのくらいの豫算をお見込みになつていらつしやいますか。
#12
○米窪國務大臣 勞働省の發足が大體八月の中旬から下旬と考えておりますが、目下大蔵省と折衝中で、まだほんとうの本きまりにはなりませんが、大體において八、九、十、十一、十二、一、二、三というこの八箇月に對して約一千萬圓という豫算になつております。大體このへんで折衝ができる、こういうぐあいに御了解を願いたいと思います。
#13
○加藤シヅエ君 それでは最後にもう一つ希望を申し上げておきますが、お役所で何か一つの機構ができましたり、一つの法律ができましても、それにほんとうの精神が入つておりまして、ほんとうにそれが正しく運營されて、初めてその効力を發揮するのでございますから、この點は過去におきまして、今まで婦人に關する限り、婦人の方から要求の聲があがりますと、何か法律ができるけれども、それが非常にお座なりでございまして、結局婦人を救つてくれなかつたということを私どもは經驗いたしているのでございます。たとえば生活の途のない母親が非常の困つて途方に暮れて親子心中をする、その親子心中の數が非常に殖えてから初めて母子扶助法というような一つの法律ができたけれども、その法律によつてどれだけのお金が下されるか、そのお金はあまりにわずかで、そのお金を受取りにいくところの電車賃の方が高くなつてしまうというまで、その受取るお金の金額があげられなかつたというような一つの例をみましても、ただ一片の婦人少年局ができたから、婦人や少年が保護されるというふうに私どもは考えません。あくまでもそれに對して十分魂を入れて運營をしていただくということが、私ども婦人大衆の希望であるということを申し添えて私の質問を終ります。
#14
○辻井委員長代理 綱島君から發言の通告がありまして、今ちよつと席を離れておられますので、呼びにいつておりますから、しばらくそのままお待ち願います――それでは綱島正與君に發言を許します。
#15
○綱島委員 この勞働省設置法案の第一條を見ますと、「勞働者の福祉と職業の確保とを閾り以て經濟の與隆と國民生活の安定とに寄與する」ということでございますが、經濟の與隆、從つて國民生活の安定、こういう問題に對して、勞働省において今までそのことに寄與するところの少なかつたことをば、こういう方策でするんだという具體的な御説明を願いたいと思います。立法の第一條の趣旨の具體的な御説明を願いたいのであります。
#16
○米窪國務大臣 それは勞働委員會の最初の日に私から提案の趣旨を御説明申し上げました、その常時綱島さんおいでにならなかつたと思いますが、時間の關係で簡單に申し上げますれば、今日は日本の經濟はいわゆる危機であり、崩壊の一歩手前である、この際この生産増強ということが經濟危機を救い唯一の途だと思うのですが、生産を増強するためには、資材の面においても資金の面においても、なかなか十分に効果が出てこない。そこで政府としては生産性の高揚、勞働能率の十分なる發揮ということが必要である、それには勞法者のために福祉と、その就職の機會をなるべく確保するという政策をとる必要がある。こういうことで、それによつて生産性の高揚をはかつていきたい。これが第一條に掲げておる趣旨でございまして、それがためには各種の勞働對策を實現しなければならぬ。たとえば就職の斡旋、あるいは勞務配置轉換の強化であるとか、さらに失業者に對する對策、そういつたことをしなければならないのには、今までの法制上その他の方面においては、十分にそれが統一して一元的の政策をやれないということで、ここに各國の事例山参酌して、そういう問題を特に取扱わなければならない省を設ける必要がある。こういう觀點から勞働省を設置するということになつたのであります。
#17
○綱島委員 ちよつと私疑問に思つておりますのは、勞働省の福祉ということと職業の確保ということに重點をおいてあるようでありますが、これはもちろん非常に大切なことでございますが、勞働性の向上をはかるためには、そのほかに實は基本的な何らかのお考えがございませんかどうかということを、實は端的に伺いたいのでございます。つまりあまり勞働性が低下して、どちらかというと怠業組織のようなふうになりかけておつて、國家からいえば非常にゆゆしい状況になりつつあるのでありますが、これに對する立法に副うて何らか劃期的な御意思でもございませんか、それを伺いたい。こういう趣旨が主なる質問の要旨でございますが、そういたしますと、いろいろな勞働者の幸福になるようなことをするとか、あるいはなるべく失業者がないように職業の斡旋をする、こういうことに止まるのでありますか、そのほかに、こういうことで勞働性を高揚していかなければならぬというような御方針がございましようか、それらのことを伺いたいと思つておるわけであります。
#18
○米窪國務大臣 現在の日本は御承知の通り、敗戰の創痍がほとんどまだ囘復されておらないということで、すべての點でノーマルな時代と違うと思う。理想的なことは勞働問題についてもできないことは、綱島さん御承知の通りと思うのでありますが、何か畫期的なことといつても、そういう制約を受けておる範圍においてやれるだけのことをやらなければならぬ、それは大體第二條において、少しく具體的に勞働省のなさんと欲することが書いてあるのでございますが、特にわれわれが重點を拂いたいと思う點は、勞働者に對する啓蒙、宣傳である。すなわち勞働者の占めておる社會人としての地位を自覺せしめる、こういう點も必要であると同時に、今日最も大切である點は、この勞務加配米の問題である。あるいは當然企業整備で出てくるところの失業者をいかに配置轉換をすべきであるかというような問題、さらにいかに實質賃金を食生活あるいはその他住居の問題、あるいは着る問題等において、いかに實質賃金に近いような經濟對策をとらなければならぬか。こういつた諸種の、困難はあるけれども、重要なな問題を處理していきたい。こういうぐあいに考えておるのであります。
#19
○綱島委員 大體御趣旨はわかりましたので、その次の點をお伺いいたします。私は農民の立場から伺つておきたいのでありますが、勞働者ということでいろいろなものがございますが、勞働省の管轄する勞働者というものの範圍は、いわゆる賃金勞働者の範圍をお指しになつておるものでございましようかどうでございましようか。
#20
○米窪國務大臣 ここで勞働者というのは――憲法には勤勞という言葉を使つておるのですが、ここで勞働者というのは、御承知の通り、今日勞働省の管轄には農民を含まない、それから船員勞働も、これまた提案のときに御説明した事情によつて勞働省の管轄には一應含まない。將來のことはともかくも含まない。そこで主として工業に働いておる勞働者、鑛山に働いておる勞働者、その他一般の運輸省等で所管していないところの、あるいは農林省等で所管していないところの勞働者、そういう一般の日傭勞働者、あるいはインテリの知識勞働者、そういつたものを全部含む考えであります。ただ問題は、農民と船員は今申し上げたような事情で一應省いた、こう御了察願いたい。
#21
○綱島委員 こういう範圍はどうなりますか。たとえば林業でございます。伐採など大仕掛にやつておるたくさんの現場勞働者がおります、こういうものは勞働省の管轄に属しません御見解でございますか、属します御見解でございますか。たとえば何百人という伐採夫、搬出夫というようなものをもつております林業などがございます。經濟關係においては、ほとんどもう工場の勞働者と違わぬような經濟關係にあると思います。それらに對するお考えはどうなりますか。
#22
○米窪國務大臣 大體勞働基準法の第八條に觸れたものが全部はいるのでございまして、從つて御質問の林業等は、それが雇われておるという者については、當然含まれる。一般の勞働者といえども、いわゆる雇われて俸給を得るという勞働者は、みな含まれておるというぐあいに御解釋を願いたい。
#23
○綱島委員 開墾その他に從事しておる者も、雇われておる者ははいりますか。
#24
○米窪國務大臣 はいります。
#25
○綱島委員 わかりました。それは大體勞働省で御所管になる御趣旨でございますか。
#26
○米窪國務大臣 その通りでございます。
#27
○辻井委員長代理 よろしいですか。――それでは石田博英君に發言を許します。
#28
○石田(博)委員 私は先般質問をいたしました時にも觸れておつたのでありますが、本日は特に現在非常に世の中の注目を受けております全遞の半ドンの問題について、少しく國務大臣のお考えを承つておきたいと思うのであります。
 第一點にお伺いしたいことは、本年の半ドンを實施せられるときにあたつて、閣議で御決定になつたと承つておりますが、その御決定になりましたときには、いかなる御趣旨に基いて半ドンを實施するというふうに御決定になつたのか。それからこれを今度次官會議において、半ドン中止と御決定になりまして、一旦きめたことを再びわずかの日にちの間にひつくり返したということは、またいかなる根據に基いて、いかなる原因においてそういう決定をなさつたのか。この點についてまずお答え願いたい。
#29
○米窪國務大臣 官廳における半休という問題は、大正十一年の閣令において暑中の間――確實な日は忘れましたが、七月の何日から八月の何日までという期間は、いわゆる半ドンということが閣令できまつておるのであります。本年別に半休を閣議で決定したという事實はない。すなわち閣令がまだ生きておるということでもつて半ドンが事實において行われた。ところが戰爭中はいわゆる戰時非常體制ということで半ドンをやめるという決議が閣議でされて、それが實施されたという前例もある。本年はもう休戰された後であるから、當然その大正十一年の閣令は行うべきであるというので、別に決議をしたわけじやないのですが、官廳では半休に入つたわけです。ところが今日いろいろな經濟問題その他、いわゆる經濟再建のために國家非常時であるという輿論が非常に各方面にあり、また一部の官廳の從業員の中にもそういう聲があるということがわかりましたので、日は忘れたが、次官會議において、今日そういつた特殊の事情にあり、みな百パーセントの能率をあげるために働かなければならぬ、現に官廳以外のものは一生懸命にやつておる。こういう觀點から、戰時中に閣令をストツプしたと同じ精神で、ひとつストツプしようじやないかということが次官會議の議に上りまして、次官會議の決定はそれを中止するということになつた。それを閣議へ報告されて、閣議がこれを承認したというのがこの半ドン問題の始まりであります。それだけお答え申し上げます。
#30
○石田(博)委員 そうすると次官會議で決定をされたときの事情というものは、つまり今日のわが國の諸般の事情にかんがみまして、官廳といえども半ドンのごときは實施すべきじやないという御事情というものは、大正十一年の閣令に基いて自然的に半ドンにはいる以前においても、當然お考えになつてしかるべきことであると思うのであります。從つてこの措置は、自然的にはいる前に豫め考えなければならぬ。今日こういう問題を起して世論の批判を受けておる。さらに政府は一旦きめた決定事項を完全に實行し得ない状態になつておる。こういう状態の責任は、漫然として大正十一年の閣令をそのまま實施に移す以前に適當なる號置を講じなかつた、また現下の事態に對する十分な認識をもたなかつたという點にあると私は考える。從つてこういう事態を惹起した第一の責任は、やはり依然として政府にあると私は考えるが、こういう事態を惹起した手續上の、あるいは時代に對する認識上の責任について國務大臣はどう考えておるか。
#31
○米窪國務大臣 閣令の效力が現われる日の前に、あらかじめ次官においてストツプすべきものはストツプすべきものであると決定すべきであるという點と、それを實施する前には、各省の責任者とそこの從業員との間に經營協議會のごときものがあるのですから、それに一應諮るべきであるということについては、御趣旨の通り私も遺憾に思うのでございます。
#32
○石田(博)委員 現在まだ勞働省が設置されておりませんが、そういう國務大臣が遺憾と認められた行動についての政治的責任は、現在の段階においてはどなたがおとりになることになるのですか。
#33
○米窪國務大臣 責任というと大きくなりまするが、もしも遺憾であるという點において私と同じ考えであるならば、おそらくその問題に上つておる省の大臣が遺憾の意を表すべきである、こう考えます。
#34
○石田(博)委員 それから現在勞働組合側では勞働協約違反であると言うておられる。そうして遞信省では勞働協約違反ではないという解釋をとつておられます。その間において決定は、いずれ中央勞働委員會にかけられることとなると思うのでありまするが、問題は、遞信省においてはそういう状態において進行しておると聞いておりますけれども、商工省におきましては――これは私も人ずては聞いたことであつて、改めてお伺いしたいことでありまするが、商工省におきましては從業員組合側から同様の抗議が出て、水谷商工大臣は勞働協約の違反である。つまり手續上の誤りをみずから承認されて謝罪の意を表せらた結果、商工省においては半ドンを實施しないということになつたというふうに聞いておりますが、商工省の實情及びその他の省においてはどういう状態になつておりまするか、その實情をお伺いしたいと思います。
#35
○米窪國務大臣 私の知つておる範圍では、今まで問題の起つたのは商工省と遞信省ですが、遞信省はこういうぐあいに解釋しております。またその解釋は正しいと思うのですがなるほど勞働協約も締結されておる、また經營協議會もある、ただ勞働協約であるという從業員の言分に對して、官廳の方は、官廳の服務時間については勞働協約においてきめなくてもよく、この限りにあらず、こういうのが遞信省の服務規定にあるそうです。從つて官廳の執務時間については勞働協約と認めないという解釋が遞信當局でとられておるのです。ところが一方從業員の方では、これも勞働協約の一種である、こう解釋しておるのです。いずれその解釋の相違は中央勞働委員會が裁決すると思います。商工省においては、水谷君から聽いたのによれば、決して謝罪したのでもなんでもない、ただなぜ經營協議會に諮つてくれなかつたかということを從業員から言われてなるほどそれはおれの手落ちだということで、まあそうやかましいことを言わなくても、それでは半休を取消して適當のときに君らに休暇をやるからいいではないかということで、お互いに談笑裡に問題を解決した、こういうぐあいに考えております。
#36
○石田(博)委員 問題になつておりまする大正十一年の閣令、その閣令を出した時代と今日の時代とはまつたく異なつております。いかも今日は、先日來しばしばこの委員會においても議論の對象になりまし通り、勞働の生産性を高揚して、勞働者といえどもその自己の義務を完全に遂行するということが最も強く要請されておる時代であると考えております。從つてその範となるべき、またその中核となるべき國務を遂行するところの官公廳において、まつたく時代の違つたときにきめられた閣令をそのままいつまでも生かしておくということは間違いであると考えます。從つてこの大正十一年の閣令を取消されるか、あるいは變更される御意思はないかを伺います。
#37
○米窪國務大臣 私もその所管の省の責任者ではないのですから、はつきりしたこと言われませんが、閣議においても、もうそういう古い閣令については永續すべきでないではないかという意見もあるのでありまするが、まだそれを廢止するというところまで意見がまとまつておりません。これは至急何とかけりをつけなければならぬ、こういうぐあいに考えております。
#38
○石田(博)委員 次に遞信省の問題が、中央勞働委員會において、勞働協約違反であると決定いたしましたならば、これは當然給與の問題になつてくると思うのであります。そうしてまたその場合問題の解決は、正規の時間以外のものに對する居残り手當なり何なりの支給によつて解決すると思いますが、勞働協約違反ではないという建前をとつておられるのであるし、またそういう決定があつた場合においては、この問題の解決は、あるいは責任は、どういうふうにされるつもりであるか。また勞働協約違反でないとするならば、これが一種の爭議行為である、豫告を伴わないところの爭議行為として、勞調法の違反事件になるというような見解もとられておる。そういう場合においては、こういう問題はどういうふうに處置せられるおつもりである。か、それを承りたいと思います。
#39
○米窪國務大臣 これはお説の通り、もし勞働協約でないとすると、全遞の中央執行委員會が各支部に出した指令は、まだはつきりはわかりませんが、あるいは勞調法の三十七條に牴觸することになるかもわからぬ。これらの解釋は全部あげて中央勞働委員會において扱うだろうと思つております。これはいずれになるかわかりませんが、勞働協約の違反になるか、あるいは勞働協約の違反にならないか、また違反になつた場合においては、あの指令はすでに爭議行為ということに解釋すべきであるかどうかということも、すべてあげて中央勞働委員會の判斷に任しておる現状でございますから、今直ちにその責任について、甲の場合の責任はどうであるか、乙の場合の責任はどうであるかということを、この機會において申し上げることは避けたいと思います。
#40
○石田(博)委員 しかし政府は現在勞働協約違反でないという建前においてこの問題に對處せられておるはずである。從つてその建前から當然生ずべき事態については、あらかじめお考えがあるべきはずだと考えます。政府の建前と違つた決定がみられたときにおいては、それに對して臨機應變の處置をとられるということはわかりますが、しかし現在とつておられる建前から、當然來るべき事態についての政府の考え方というものは、あらかじめきまつているべきものであると考えます。それからもし勞働協約違反であると決定をされました場合には、當然先ほども申しました給與の問題になつてくる。そうした場合には、その給與は他の官廳にも及んでくるものであるか、それとも提訴しておるところの全遞だけがその給與を受けることになるか。あるいはもしそういう事態になつた場合においては、その給與の總額というものはどのくらいの見當になるか、およそのお考えを承りたい。
#41
○米窪國務大臣 これは三木組の意見を聽かないと、私ここで申し上げられませんが、大體官廳毎に服務紀律があるので、もし勞働協約でないという場合においては、當然服務紀律に背いたということになる。また中央執行委員會から出した指令が爭議行為であるということに解釋がなつたときには、三十七條によつてそれに對する處分が行われるとか、いろいろそういうことが想像される。そこで今度反對に勞働協約であるといつた場合においては、全遞の中央執行委員會の命令によつて半ドンをやつておるものは問題は起りませんが、その指令に從わず半ドンを休止して仕事をしておるものに對しては、時間外手當というものが當然支給されることになるでしよう。そうしてそれが遞信省において成り立てば、當然ほかの省も同じ關係において支給しなければならないというのが常識だと考えております。その場合の額については、はつきりしたことはわかりませんが、遞信省だけで約八千萬圓、こういうぐあいに聞いております。
#42
○石田(博)委員 先般遞信省あるいは鐵道省の從業員諸君に對して加配米が配給になりました。その加配米は重勞働を行なつておられる方に對して給せられるものであると私は承知しております。從つてこの重勞働というものは勞働の種類に關連することはもちろんであるが、當然時間とも關連して考えなければならぬ。いかに過重な勞働であつても、一般水準の半分以下の勞働時間しか勤務していない人に對して依然として加配米を給するつもりであるか、またそれを正當なものであるとお考えになつていらつしやるかどうか、お答えをいただきたい。
#43
○米窪國務大臣 この間の特別加配米というのは、あの時だけの處置でございまして、これは買出やその他のためにその職場を離れる者が續出しておつて、かくしては遞信事務及び鐵道事務が停頓して、運輸通信が局部的に麻痺状態に陥る危險が多分にあるというので、臨機の處置としてそういうことの起り得る地方、また特に東京方面と比べて物價が非常に高い地域、たとえば京阪神であるとか、北九州であるとか、北海道であるとかいうような地方において働いている遞信從業員の、特に重勞働と時間外深夜業に從事している者、すなわち地域で制限され、さらに勞働の性質によつて制限される一部の者に、以前の加配米の率が減されたものだけ特にこの際につかみでもつてわたす、こういう一時的の非常手段である、こういうぐあいに御了承願いたいと思います。
#44
○石田(博)委員 買出しやそのほかのために事務が滯るということは、必ずしも鐵道、遞信に限つたことではないのでありまして、そのほかの重要な産業、あるいは重要な機關、あるいは官廳であつても、同様あるいは同様以外の條件に苦しんでいる場所またはところが當然あろうはずだと思つている。それをことさら遞信省及び鐵道省にこれを限つたということは、やはり先ほどもおつしやいました勞働ま種類及び時間に關係して出されたものであると解釋せざるを得ない。勞働の種類には變更がないということは當然でありまするが、勞働の時間は現在半ドンを實施している。他の勞働者諸君よりは半分以下の時間しか勞働していない。そうなると加配米の率をもとに直す理由、あるいは方法はどうであろうと、特別の處置をとられる根據はすでになくなつたものと私どもは解釋する。從つて當然正規の手續をふまずに、勞働組合の意思によつて半ドンを強行している人たちに對して、この加配米をやるということについては考え直さなければならぬと私どもは考えているのですが、ただいまの大臣の御答辯では滿足できません。從つて改めてお伺いしたいと思うのです。
#45
○米窪國務大臣 この問題は半どん問題が起る前に決定されたものでございます。繰返して申し上げまするが、深夜業をやついてる勞働者、重勞働――運輸大臣及び遞信大臣の説明しておられる重勞働の範圍がどういうものであるかというこまかいことは、私承知しておりませんが、おそらく各省ごとにこれが重勞働である、これが輕勞働であるという區別はあると思います。深夜業に從事しているものについては半トンの問題も何も起りません。ただ重勞働をやついてる者で半ドンをやつたものについては、これをやるようにするかやらないようにするかということは、所管の大臣の意見を聴くまでは私ここでちよつとお答えはできません。
#46
○石田(博)委員 その問題は所管大臣に改めて別の機會にお尋ねすることといたしまして、次にお伺いしたいことは、この勞働省設置法案の中には、先般來いろいろの委員から議論がありました通り、保護面については規定はたくさんある。しかし勞働者の生産性の向上あるいは教育の徹底についても、勞働省はその責任をとられるという建前にあると承わつております。從つて勞働の生産性が極端に低下したり、あるいは國家産業、あるいは國務の遂行に多大の障害を及ぼすような事態になつた場合には、これは今後においてもやはり勞働省の責任と解釋してよろしいかどうか、それを承りたい。
#47
○米窪國務大臣 それは御承知の通り、勞働省設置はこれこれの理由によつて設置する、また設置した方がよろしてという意味の官制に關する法律案でございまして、勞働省が生れた後いかに勞働對策をやつていくかということとは、一應關連があるようではないように解釋するのであります。それでお尋ねの點は、せつかく勞働省ができていて、しかも勞働對策が政府の思うようにいかない場合にはどうするかという御質問だと思うのですが、それについては當然今までの法規が適當のときにおいて適當の方法によつて改正されるのはやむを得ない、こういうぐあいに考えております。
#48
○石田(博)委員 私の質問はこれで終ります。なお希望ですが、木曜日に遞信大臣にこの委員會に御出席を願つて、ただいま米窪國務大臣から御答辯を得られなかつた點について御答辯を願いたいと思います。
#49
○辻井委員長代理 そういうふうにはからいたいと思います。それでは本勞働省設置法案に對する質疑はこれで打切りたいと思いますが、御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#50
○辻井委員長代理 御異議ないと認めましてさよう決定いたします。なお本案の修正案その他の御意見がありましたならば、文書にまとめて委員長の手もとまで御提出をお願いいたします。次會は明後七日木曜日に午前十時より關會いたしまして討論採決したいと考えますから、さよう御承知を願います。なお明日午前十時より理事會を開會いたしますから、これも御承知願いたいと思います。
 本日はこれにて散會いたします。
    午前十一時三十五分散會
ソース: 国立国会図書館
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