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1947/12/05 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 労働委員会 第24号
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1947/12/05 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 労働委員会 第24号

#1
第001回国会 労働委員会 第24号
昭和二十二年十二月五日(金曜日)
    午前十一時二十八分開議
 出席委員
   委員長 加藤 勘十君
   理事 辻井民之助君 理事 川崎 秀二君
   理事 三浦寅之助君
      菊川 忠雄君    島上善五郎君
      館  俊三君    前田 種男君
      山崎 道子君    小川 半次君
      小林 運美君    寺本  齋君
      松本 一郎君    山下 春江君
      伊藤 郷一君    石田 博英君
      吉川 久衛君    河野 金昇君
 出席政府委員
        勞働政務次官  土井 直作君
        大蔵事務官   今井 一男君
 委員外の出席者
   議員 宇都宮則綱君 議員 榊原 千代君
   議員 田中 松月君 議員 内藤 友明君
        勞働事務官   寺本 広作君
        專門調査員   濱口金一郎君
    ―――――――――――――
十一月十四日
 土建日傭勞働者及び一般日傭勞働者の待遇に關
 する請願(岡田春夫君紹介)(第一〇九二號)
 新潟縣全官公勞に越冬手當支給の請願(井伊誠
 一君外一名紹介)(第一〇九六號)
 日本教職員組合東北區地に越冬手當支給の請願
 外一件(榊原千代君外四名紹介)(第一一四八
 號)
 税務職員の待遇改善に關する請願(平工喜市君
 紹介)(第一一五一號)
 税務職員の待遇改善に關する請願(加藤勘十君
 紹介)(第一一五六號)
 税務職員の待遇改善の關する請願外二十五件(
 田中松月君紹介)(第一一六五號)
十一月二十四日
 篠村の勤務地手當の地域給を乙地に引上の請願
 (奥村竹三君紹介)(第一二〇〇號)
 税務職員の待遇改善の關する請願(赤松勇君紹
 介)(第一二一九號)
 税務職員の待遇改善に關する請願外十三件(田
 中松月君紹介)(第一二六二號)
十二月二日
 税務職員の待遇改善に關する請願(加藤勘十君
 紹介)(第一三三八號)
 池田、豐中兩市の勤務地手當の地域給を特地に
 引上の請願(西村榮一君外二名紹介)(第一三
 四一號)
の審査を本委員會に付託された。
十二月四日
 税務官吏の待遇改善に關する陳情書外六件(山
 梨縣甲府市櫻町全國財務勞働組合甲府支部長佐
 野武文外三百三十九名)(第六五六號)
 税務官吏の待遇改善に關する陳情書外五百十九
 件(全國財務勞働組合東京財務局支部野垣内守
 外四百六十二名)(第六九六號)
を本委員會に送付された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 請願
 一 舞鶴市の勤務地手當の地域給を甲地域に引
   上の請願(大石ヨシエ君紹介)(第二九七
   號)
 二 地域別賃金の是正に關する請願(赤松勇君
   紹介)(第三九九號)
 三 園部町の官公吏に勤務地手當の地域給を支
   給の請願(奥村竹三君紹介)(第六三五
   號)
 四 新湊町に公共職業安定所及び勞政事務所設
   置の請願(内藤友明君紹介)(第六七四
   號)
 五 宮津町の勤務地手當の地域給を甲地域に引
   上の請願(太田典禮君紹介)(第六八一
   號)
 六 税務職員の給與増額の請願(林大作君紹
   介)(第九七九號)
 七 別府市の勤務地手當の地域給を特地に引上
   の請願(宇都宮則綱君紹介)(第九七七
   號)
 八 京都市綴喜郡内における全官公勞勤務地手
   當支給の請願(大石ヨシエ君紹介)(第一
   〇三七號)
 九 日本教職員組合北信地區に越冬手當即時支
   給竝びに防寒衣類特配の請願(神山榮一君
   外九名紹介)(第一〇八二號)
一〇 土建日傭勞働者及び一般日傭勞働者の待遇
   に關する請願(岡田春夫君紹介)(第一〇
   九二號)
一一 新潟縣全官公勞に越冬手當支給の請願(井
   伊誠一君外一名紹介)(第一〇九六號)
一二 日本教職員組合東北地區に越冬手當支給の
   請願外一件(榊原千代君外四名紹介)(第
   一一四八號)
一三 税務職員の待遇改善に關する請願(平工喜
   市君紹介)(第一一五一號)
一四 税務職員の待遇改善に關する請願(加藤勘
   十君紹介)(第一一五六號)
一五 税務職員の待遇改善に關する請願外二十五
   件(田中松月君紹介)(第一一六五號)
一六 篠村の勤務地手當の地域給を乙地に引上の
   請願(奥村竹三君紹介)(第一二〇〇號)
一七 税務職員の待遇改善に關する請願(赤松勇
   君紹介)(第一二一九號)
一八 税務職員の待遇改善に關する請願外十三件
   (田中松月君紹介)(第一二六二號)
一九 税務職員の待遇改善に關する請願(加藤勘
   十君紹介)(第一三三八號)
二〇 池田、豐中兩市の勤務地手當の地域給を特
   地に引上の請願(西村榮一組外二名紹介)
   (第一三四一號)
 陳情書
 一 國民生活安定のたるの諸施策に關する陳情
   書(産業復興運動促進勤勞者大會議長竹田
   春海)(第三號)
 二 勞務者の最低生活保障に關する陳情書(日
   本都市勞働組合同盟第二囘大會)(第三一
   號)
 三 乘合自動車運輸業について勞働基準法適用
   除外規定設定の陳情書(廣島縣乘合自動車
   運送事業組合理事長多山恒次郎)(第一七
   五號)
 四 勞働基準法第四十條に基く特例設定に關す
   る陳情書(日本鐵道會長村上義一)(第二
   二七號)
 五 系統農業會從業員組合の陳情書(全系統農
   業會從業員組合總力結集全國大會)(第三
   二三號)
 六 個人の使用人等に關する陳情書(千葉縣野
   田町高木虎尾)(第五五五號)
 七 税務官吏待遇改善等に關する陳情書(福岡
   市昭和町西村進外十四名)(第五六七號)
 八 財務官吏の待遇改善等に關する陳情書(福
   岡縣朝倉郡全國財務勞働組合甘木支部二宮
   繁具外五十名)(第五八五號)
    ―――――――――――――
#2
○辻井委員長代理 それではこれより會議を開きます。
 本委員會に付託せられました請願の審議に入るに先立ちまして、審査方針についてお諮りいたしたいと思います。御承知の通り新國會法においても、請願の審査は最も愼重を期することとし、いやしくも採擇した以上は、必ずこれが實現の方途を講ずることにいたし、これがためには、請願の内容に應じて必要なるときは、委員會において法律案を起草提出することもありますし、また豫算的措置を必要とするものについては、必要により豫算委員と連合審査を開く場合も當然起り得ると思います。なおあらゆる角度からの愼重審議を要しますので、本日審査を願う諸件につきましての採擇、不採擇、その他の決定は、しばらく留保いたしておきたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○辻井委員長代理 それではさよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○辻井委員長代理 これより請願の審査に入ります。日程第一、舞鶴市の勤務地手當の地域給を甲地域に引上の請願、文書表第二九七號及び日程第八、京都府綴喜郡内における全官公勞勤務地手當支給の請願、文書表第一〇三七號の審査に入ります。紹介議員大石ヨシエ君、お見えになつておらぬようでありすが……。
#5
○三浦委員長 議事進行について……。紹介議員が出席しないで、形式的にほかの人がただ説明したところで、全然請願の趣旨のわからない人が、ただ印刷物をちよつと讀んだからといつて採決に入るのはどうかと思う。どうせ今日採決まで入るものならば、紹介議員の來ないものは、來るまで留保したらどうか。
#6
○小川委員 三浦さんの御意見ごもつともですが、特に單なる表題とか文章を見て判斷しにくい場合は、一應紹介議員の方に御出席願うとか留保するとかして、大體におきまして、乙地域を甲地に引上げてくれというような内容は、われわれ勞働委員でもほぼわかつておることですから、われわれで判斷のつき得る問題につきましては、一つ一つ審議していつた方が進行上かえつていいと思う。
    〔「同感」と呼ぶ者あり〕
#7
○辻井委員長代理 それでは島上議員から代つて、請願書の朗讀をお願いしたいと思います。
#8
○島上委員 紹介議員に代りまして請願の趣旨を申上げます。本請願の要旨は、舞鶴市は官公職員給與の勤務地手當には乙地域と認定されておりますが、本市は耕地面積少く、人口の七七%が純消費者で、食糧の九二%は他より移入しなければならない状態であり、また海軍解體にため受けた影響も大きく、さらに市の周邊に大生産地がない上、外地引揚港として外來者の増加がはげしく、遲配は七月二十四日現在で二十五日、物資の市場價格は大都市と差異がないので、市在勤官公職員の生計は極度に困窮しております。ついては、舞鶴市を甲地域に引上げいてただきたいというのが本請願の趣旨でございます。
 次に日程第八號、本請願の要旨は、京都府綴喜郡は京都、大阪、奈良の中間にあり、都市の影響を受けることが大である。從つて都内の官公職員の生活状態は京都市と何ら變らない、しかるにこれら職員に勤務地手當の支給がなく、ますます生活は困窮に陥つておる、ついては本部の官公職員にも勤務地手當を支給し、これらの不合理を是正していただきたいというのが本請願の要旨でございます。
#9
○辻井委員長代理 この際當局側の御意見があれば承りたいと思います。
#10
○今井政府委員 この地域給の問題は、現在官公吏の給與の中で最も解決困難な問題でございます。本來勞働條件に属するところの給與については、すべて組合側と團體交渉によりまして決定するのが妥當でもあう、最も合理的な所以でもございますが、この地域給については、それも實際問題として不可能な實情にございます。現に組合側では、地域給の問題を團體交渉に移すことについて反對の意向をはつきり表明しておられるのでございます。と申しますのは、結局のところ分配の問題でございますので、われわれの日頃團體折衝をしておる中央の各單産の幹要望を抑えつけるという立場に立たないと、全體がうまくはまり込まないという關係から、これを中央の幹部が責任をとつてやるということが、現在の日本の實情から申しますと、たしかに無理な點がございます。そういつたところから、ただいまは全官公廳の組合側の好望によつて、やむを得ず、政府として好むところではないのでありますが、政府側の方で一方的に、地域給の地域を指定をするという建前をとつております。もし組合と話がつけば、いつでもこれをやめて、一定の調査期間を與えて、全國を好きなように區分していただいて、それに比例して地域給の豫算財源を分けるという行き方をとつた方が、政府としてもきわめて荷が輕く、かつまた一旦きめますと絶對に問題が起らぬということにも相なるのでありますが、そういつた行か方は、今遺憾ながら、とつておりません。そこで具體的に地域を指定する場合に、ただいまのわれわれの考え方は、實質賃金をひとしからしめるという見地に立ちまして、主といて現實生計費を、その生活内容をさらいまして、實質的に同等の生活内容をした場合に、標準的に、一體どの的ではどのくらいかかるか、といつたところで權衡をとりまして、現在においては、それを地區的に四段階に區分して處理いたしております。もちろん各地區において、今はベースの問題とからみ合いまして、非常に御要望が多いのでありまして、ただいま數百町村の未決件數が溜つておるような事情でございますが、この問題を片付けます際に、その土地における全官公の諸君の御意見だけできめるわけにも、もちろんまいらぬ問題でありまして、私どもとしては、その縣下で、最も縣民の生活を常に把握しておる縣當局の意見を聽取するとともに、さらに全國的なバランスをとる意味におきまして、中央において各省の專門家の意見を徴しまとめまして、最も急を要する所から引上げるというやり方を現實的にはとつております。結局この問題は技術的、客觀的に、現在における許された資料を極力活用いたしまして、その範圍内で實質的に權衝を保つという見地から處理していく以外に方法がないように存じております。そういつた意味合におきまして、この問題は結局技術問題であると私ども判斷いたすのでありますが、ただいま議題になりました舞鶴市につきましては、これはすでに本年の八月甲地に上げてあります。六月から甲地の地域給は支給濟みであります。それからなお地域給におきましても、一部はすでに支給濟みの地域がございます。一部でなく大部分だと思いますが、私ちよつと町村の名前は記憶いたしませんが、全部のものは片づいておりません。本日ほかにも地域につきまして、かなりたくさん請願がございますが、すべて政府側の方では、そういつた方針でやつておるというところを御了承願いたいと存じます。
#11
○辻井委員長代理 御質疑はありませんか。
#12
○小川委員 本日地域給の請願が第一、第二、第三、第五、第七、第八、第一六、第二〇、いずれも同一種類の請願と思われますが、ただいま局の方の御説明にもありましたごとく、一部の地域の變更と申しますか、引上げを認めますと、これは全國的に各地から、向うはある地域に引上げたにかかわらず、この地域はそのままとはけしからぬというので、これと同一の請願とか意見が相當續出してくると思います。私たちとしては、もちろん全面的に當局の計畫に贊同するものでありませんが、しかし現在大蔵省の給與局でやつております案は、大體におきまして國家の豫算を建前として、かつまた現實生計費とにらみ合わせてやつておられる體もありますし、そうした體などを勘案して、大體におきまして地域給の引上げの件は、現在大蔵省の給與局でやつておるその方針通りやつていただく方がよいのではないか、私はかように思つております。從つてこの委員會におきまして、この問題は大蔵省の給與局の方へ任すといいますか、方針通りにやつてもらうという方に進んでいかれたらいかがと思うのですが……。
#13
○館委員 地域の問題について、今給與局長の、組合側がなかなか納得しかねる、單一組合だから本部で地域給というものを額をきめて發表しがたい、しておらない、またしたがらないという説については、私もその内情を覺えておりますので、非常に同感なのであります。續いてお聽きしたいことは、大蔵省がきめようとする。あるいは研究しておられる地域給というものの中に、きめるときの根本的な考えとして、どういう要素を含んでおらるるかということをお聽きしておきたいということと、もしこの地域給をきめられたならば、組合がタツチしなくても、それを一般に發表なさるかどうかということを、まずお聽きしておきたいのであります。
#14
○今井政府委員 私どもは、現在全國的に生計費に非常に大きな地域差のあることをつとに確認しておるのでありますが、結局その地域差ができますもとは、集團購買力のなすいたずらと申しますか、結果であると思います。從いまして、私どもはこれを俗に波紋主義と名づけておるのでありますが、ちようど池の中に石をぶちこんだような状態におきまして、一つの集團購買力が結局周邊に漸次擴がつておる。大中心地、小中心地が重なり合いまして、そこに複雜な様相を呈しておりますが、根本的にはそういつた見地から出發いたしております。ただこれは、私どもが實は勉強したというよりは、全國の勞組の諸君が勉強されまして、こちらも話合いをするために勉強していつた關係から、結局現實生計費によらなければ、單なるやみ價では、ほんとうの實體的な實行價格が出てこないということが相互に確認されましたので、從いまして現在におきましては、現實生計費を基礎にいたしておるのでありますが、それももちろん生活内容自身は、その土地土地の生活様式に從うべきである。ただ攝取カロリー量はこれを同じからしめまして、たとえば主食のやみにつきましても、やみ買いの部分をあるところでは全部とうもろこしで補つておる、あるところでは全部白米で補つておるということでは、同じカロリーをとつても不公平でありますので、これを一定の基準でおき直しまして、また蛋白にしまして同一の考慮を拂いまして、そこで大體の權衡をとるようにいたしておるのでありますが、ただ勞組の方から出される資料の中に、はなはだ信頼すべからざるものが若干まじる場合もございます。かつまた非常に小さな村になりますと、全官公でそれだけの調査をするのが不可能なようなところもございますので、私どもといたしましては、ただいまのところ乙地給まではごく大ざつぱな資料で、しかもそれを縣というものがかなりバツク・アツプするものを確實に認定をする場合には、大してむずかしいことを申さないで、實情に應ずるような便法を講じますが、同時に甲以上につきましては、どうしても全國的な權衡をとる關係から、必ず現實生計費というものを、ある程度固めなければ認定しない方法をとつております。ただ御承知のように現在の情勢では、月々によつて生計費というものが動いてまいりまして、從いまして關係方面等の指圖通りやれば、ある月には上げたが翌月からは落す、こういつたやりが正しいのでありますけれども、現在のような給與水準の場合に、一旦上げたものを引下げるということは、なかなか現實問題としてやれるものではありません。現在またその實例もありません。從いまして私どもは、上げるときにはある程度月をながめ、一旦上げたら、いかにその事情が變つても原則として下げない、こういつたような行き方をとつております。ただいま館委員のお話にございました、決定したならば發表するかという問題は、私どもはもちろん各地方に決定の通知はいたしておりますが、積極的に天下に宣傳するほどのことは必要もないと認めて、ただいまやつておりません。なお地域給の將來につきましては、私どもといたしましても實は意見はございます。元來この給與は昨年の三月、給與局の設立前で、臨時手當施行の際に、六大都市、市町村といつたところで大ざつぱに出發いたしましたものを、ここ少しずつ是正していつておるというのが現状でございますので、これを根本的に建て直すということは、私どもにも實は希望がございますが、何かの機會に組合側とのプリンシプルについて話合いがつけば、私どもはこれをぜひもう少し實情に即するようなやり方をしてみたいと思つております。
 ただ、ついででございますから、一言さらに添えますと、御承知の工業暫定業種別平均賃金は府縣單位になつております。工場におきましては、主として都市にございますから、府縣單位でやりましても大した實害はないのでございますが、官公吏は御承知のように、全國のいかなる町村にも存在しますので、府縣單位というあまりに大ざつぱな行き方では、きわめて實情に即しない場合が多々起つてまいります。そこで現在の方向は、結局私どもが事を好んだわけではありませんが、各地の組合諸君と話合いをしておるうちに、今のところ範例が自然的にでき上りまして、むしい今こまかにこまかに區切つていくというような行き方になりまして、その面からも實は弊害が起つておりますことは、私どもつとに承知しておるところでございます。適當な機會に全官の諸君と話合いをして、地域給そのものは私どもやらなければなりませんが、プリンシプルそのものについては、ひとつ話合いをして改正をしてみたい、かように思つておりますが、未だその時期に到達しておりません。
#15
○館委員 先ほどのお話ですと、立て方は私自身も考えておりますが、全官公勞としても説が立ちにくいことだし、從つて大蔵當局としてもなかなか折衝のしにくいことであつて、これはよくわかるのですが、この秋以來大蔵當局では地區の改正について大分苦心をしておられる、そうしてさらにそれに對して、ここに上京してきていろいろ陳情しておる官公勞組の代表者も、その話を聽いて相當の期待をかけておるということも、半面よくお考えになつていただきたいと私は思つております。それと一緒に決定案を發表されることの前に、地區別の私どもの腹をよく全官公勞と打合せてみられたならば、さつき給與局長の言われたように、組合がタツチしたがらないということの實情を打破して、そうしてある程度の話合いができてき、現在の割當よりももつと納得のいく合理性が得られるのではないかと思いまして、こういう話をするのでありますが、なおついでに、全官公勞としては、北信の方と東北六縣あるいは北海道が寒冷地手當をこの暮に向つて非常に要求しておる、これがこの地域給というものを勘案せられる場合に一つの要素となつてはねられるか、別にまたこれは特殊に地域給から除いてお考えになつておられるかどうかということも、性質が似たり寄つたりでありますから、この際にお聽きしておきたいと思います。
#16
○今井政府委員 寒冷地給の問題は、ただいま全員公廳側との話合いの方向は、この際としては地域給の一種として取上げる、こういうことに話合いはその面に關する限りはまとまりました。その趣旨は、いわば第一地域給、第二地域給というような意味合でありまして、今やつております地域給というものは、現實に生計費の差を實質賃金的に引直した意味において、その差を埋めよう、バランスを補填しようという意味合の考え方がありますが、寒冷地給もむろん地域給の差から起る問題でありまして、地域給に入れる點においては私ども筋が立つと思うのでありまして、そうしない限り寒冷地に差がつかないということにおいて、地域給を算出するということに意見が一致したのでありますが、普通の地域給の現實生計費をそのままつかまえるいとうのではなくて、地區的な特殊な生活條件の差異竝びに冬期間だけよけい出費がかかる、從つてそれがよけい重荷に感ぜられるといつたところをつかまえて、それを温暖地方とにらみ合せてきめるという意味合におきまして、ある部分については現實生計費よりも上まわる面があると同時に、多少算出の物の考え方が變つてまいると思います。その意味で私どもかりにこれは第二地域給と名づけて、そういつた趣旨で取扱うことがよかろう、こういうふうに申しました。またこの考え方は、組合と官待におきましても御了承いただいた點でございます。
#17
○辻井委員長代理 それでは日程の順序を變便しまして、紹介議員のお見えになつておる分から一應趣旨を承つて、そうしてなるべく一括してあとで御説明願えるようにしたいと思いますから、さよう御承知を願いたいと思います。
    ―――――――――――――
#18
○辻井委員長代理 それでは日程第四の新湊町に公共職業安定所及び勞政事務所設置の請願、文書表第六七四號、紹介議員内藤友明君の趣旨の御説明を願います。
#19
○内藤友明君 きわめて簡單に御説明申し上げたいと思います。實はこの新湊町と申しますのは、富山縣の高岡市にある町でありまして、戰爭中に高岡市に強制的に編入されたのであります。人口は三萬になんなんとしておる相當大きな町でありまして、この町に從來新湊勤勞署がございまして、そうしてこの方の仕事をやつておつたのでありますが、高岡市編入とともに高岡勤勞署の出張所になつてしまつたのであります。この町には大きな工場も相當ありますし、また最近漁業不振によりまして轉業する者が非常に多いのでありまして、仕事がだんだんと殖えてまいつたのであります。この際支署でなく、從來の本署の形にしていただきたいというのが請願の趣旨でありまして、別に豫算がかかる仕事でもない、ただ看板一枚書きかえていただきまして、連絡を直結さしていただくということだけなのでありますから、よろしくひとつ御採擇願いたいと思うのであります。はなはだ簡單でありますが、よろしくお願いいたします。
#20
○辻井委員長代理 それではただいまの請願に對しましては、後ほど勞働省から出席されるそうでありますから、その場合に當局の意見を聽きたいと思います。
    ―――――――――――――
#21
○辻井委員長代理 次に日程第一二、日本教職員東北地區に越冬手當支給の請願外一件、文書表第一一四八號、紹介議員榊原千代君の趣旨の御説明を願います。
#22
○榊原千代君 ごく簡單に御説明申し上げます。この請願は、日本教職員組合東北地區協議會から提出されたものでございまして、積雪寒冷地手當を即時支給してもらいたいというのであります。現實生活に基いて調査算出されました参考資料は、委員長のお手もとまで出ていると思いますから、よろしくお願いいたします。御承知の通り東北の冬は非常に長くて峻烈でありまして、私どもは寒さに向いますと、採暖設備をいたしましたり、食糧の貯蔵をいたしましたり、燃料を買いこんだりいたしますので、非常に費用がかかります。そしてこういうような準備が十分できませんと、寒さに對して非常な脅威や不安を感じまして、安心して仕事をすることができないのであります。たとえば燃料にいたしましても、農林省の特別燃料消費比率を見ますと、温暖地と寒冷地とは夏の間はほとんど同じでありますけれども、冬期になりますと二倍以上要るのであります。また纎維品にいたしましても、全國纎維品配給比率は、東北を一といたしますと九州は〇・五、關西は〇・八で、全國平均いたしますと〇・六五でありまして、從つて纎維品に對する費用もよけいかかります。防寒帽、防寒くつ下、手ぶくろ、あるいはゴム長、シヤツ、ズボン下などは現品で支給されましたならば、なお喜ぶだろうと思います。食料品にいたしましても、甲地と乙地との温暖の差は五度以上あります。この温度五度以上の變化に伴いまして、一日の消費カロリーにおいて八百八十カロリーというものをよけい消費いたします。もちろんこれは純正カロリーでございますから、衣服やそのほか作業内容によつて影響されるその消費カロリーを引きましても、なお二百六十六カロリーというものはよけい消費されるのでございます。それから、そのほか住居の面におきましても、雪止めの取付とか、雪圍いをいたしましたり、その他建具の設備や修理、あるいは雪害による修理とか、あるいは除雪費だとか、そのほか採暖費なども非常にかかると思うのであります。以上のような理由で、ぜひこの請願を御採擇していただきたいと思います。
#23
○辻井委員長代理 これはひとつ政府側の御意見を、一應簡單に承つておきたいと思います。
#24
○今井政府委員 申し上げます。寒冷地帶に寒冷地給を出せという要求は、二・一ストの前ごろから、全官公全體を通じての要望でございました。これを政府側としては、地域給の一環として取上げるよりほかに方法はないということで、長い間揉み合つてまいつたのでありますが、最近この話がようやく具體化の機運になりまして、二箇月以上前から、官公職員待遇改善委員會におきまして、團體折衝を試みてまいつたのでございます。問題の性質上、これは各地區的に取上げるということも適當でございませんので、やはり全體として各官待の代表者がお集りの現在においては、一番まとまつた政府對組合、團體交渉機關であるこの機關を利用することがよかろうと考えまして、そこでお話合いを進めてまいつたのでありますが、この寒冷地給そのものの性格なり、觀念なりというものの間に、かなり意見の相違がありまして、結局それが先ほどちよつと申し上げましたように、最近ようやく固まりかけまして、續いて金額の問題にはいつて、目下最後的な段階に達しております。政府といたしまして、從來の全逓、國鐵その他におきましては、寒冷地帶に若干の色をつけてまいつた實績もございますので、そういつたラインから氣候の範圍内におきまして、寒冷地給を設定することに別に異存はない次第でございます。
    ―――――――――――――
#25
○辻井委員長代理 それでは次に日程第七、別府市の勤務地手當の地域給を特地に引上の請願、文書表第九七七號、紹介議員宇都宮則綱君の御説明を願います。
#26
○宇都宮則綱君 先般お手もとに請願として差出しておきました大分縣別府市は周知のごとく、戰前においてはただに國内のみならず、廣く全世界人の來遊する國際的温泉都市であつたのでありまして、ここに私が申し述べるまでもありませんが、終戰後の今日におきましては、わが國將來の大方針である觀光國策の面にクローズアツプされまして、近く國際觀光港の指定を見ようとしている現状であります。かくのごとき客觀的特質に基き、わが別府市の性格は完全なる消費都市であることは論ずるまでもないことであります。しかのみならず、戰後非戰災都市として復員、引揚げ、戰災者等の無制限受入れ、及び大規模なる占領軍關係施設工事に伴う工務員の流れ込み等によつて、終戰前六萬餘の人々であつた別府市が、現在では十三萬を算し、二倍餘の驚くべき増加を示している現状であります。さらに市中に氾濫するやみ業者の暗躍、土建業者の強引旺盛なる購買力、及び引揚者を主體とせる露店や 市場の繁盛等の影響を被り、生活必需物資は異例的價格高騰を來している實情でありまして、加うるに阪神方面よりの、やみ物資賣込商人の出入も激しく、複雜混沌たる經濟の動きは他に比を見ない現状であります。遊樂都市、消費都市としての特異性を露呈しております。かかる經濟状態に追隨對應し得ぬ官公署勤勞者群の生活上、精神上の困窮もまた、きわめて切迫せることは瀝然たる事實でありまして、前述せるごとく、すでに物價廳における都市區別を見まするとき、當市が北九州五市及び福岡、長崎、佐世保各市とともに、九州における特別市としての處置を受けつつあることによつても十分裏書されるものであります。
 ひるがえつて現行官公署職員給與制度を顧みまするに、その勤務地により特、甲、乙、丙の四段階に區別し、これに基いて各種給與金を支給せられつつあるが、右の實情下における當市が、制度實施以來依然として乙地のまま放置されておりますることは、まことに遺憾にたえない次第であります。
 先例によると、福岡市のごときは、さきに特地に編入されましたが、當地の特異的高物價ははるかに福岡市をしのぐ、京濱、阪神地域に比肩すべき實情にあるにもかかわらず、政府の當地勤務官公署職員に對する待遇は、きわめて劣悪であると斷言せざるを得ないのであります。ここに別府市の特殊的經濟事情を確認されまして、さらに市内各民間會社等においては、すでにその大部分が特地並の給與をなしつつある實情等を考慮の上、即時特地に編入の措置を講ぜられんことを、右各種實情を陳述して切にお願いする次第であります。
 なお昭和二十二年十一月五日現在の別府市生計實態調査書がここに出ておりますので、御參考に委員長の手許に提出いたしたいと思うのであります。どうかこの願いを速やかに入れられまして、別府市が眞に異例的な高物價の土地であるということをお認めくださいまして、速やかに請願の趣旨が實現するようお計らいをお願いする次第であります。
    ―――――――――――――
#27
○辻井委員長代理 次に日程第二、地域別賃金の是正に關する請願、赤松勇君紹介、文書表第三九九號、紹介議員がお見えになつておりませんので、島上君から御説明を願います。
#28
○島上委員 本請願の要旨は、暫定加給改正案に基いて所在官公署の在勤者に對し地域賃金を支給されることになつたが、名古屋のみは特別地域と認められなかつた。しかしこの問題は單に官公職員のみならず、在名勤勞者の利害にも影響があるので、その資料を添えて御批判を仰ぎ、名古屋地域を特別地域とされたい。これが要旨でございます。よろしくお願いいたします。
#29
○前田(種)委員 殘つております請願の大部分は同一内容に關する問題でありますから、一括して審議を進めたらいかがかと思います。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○辻井委員長代理 それでは御異議ないようでありますから、さよう取計らいたいと思います。政府側の特別の御意見があればお願いいたしたいと思います。
#31
○今井政府委員 地域給の問題は、先ほど申しましたように、現在の給與問題の中で最もやつかいなものでありますが、現状におきましては、ただいま申し上げましたような方法でやる以外に途がございませんが、結局これは技術問題かとも考えますので、私どもに對する國會のいろいろなお指圖は、ぜひお願いいたしたいと思うのでありますが、各地區につきましての問題は、私ども率直に申しますと、先ほどの小川委員の御發言のように、また參議院でも同様の御意見がございましたが、個別的にお取上げいただくことは、全國的にすべて請願のかつこうということにもなるし、私どもとしても請願があるないということによつて、技術問題的な點を左右するというわけにもいかないかと存じます。その點をひとつ御高配賜わらんことを率直に申し上げたいと思います。なお、ただいまの赤松委員の名古屋の分は、これは處理濟みでございます。
#32
○前田(種)委員 先ほど給與局長の御答辯の區域差の問題の取扱いについて私は意見をもつております。理想から言えば、特地區だろうと甲地區だろうと、官公勞それぞれ個人々々の生活状態、そうしたものが完全に調査されて、地域差とかあるいは特別給與というものが査定されるのが理想だと考えます。東京や大阪に勤務しておる者の中にも、百姓の家庭の人もあり、あるいは商賣人の家庭の人もあり、いろいろ環境が違つておるのです。純然たる給料で生活しておる者と、そうでない者と家庭が複雜であります。しかしそうした調査が完全にできない現状においては、こまかい特地區、甲地區、あるいは、地域差というものを設けて、大體それで押えて給與の差をつけているのが、現實のやむを得ないやり方だと認めておるわけであります。そうみてまいりますと、大都市の間にはさまつている小都市等は配給の面でも東京、大阪よりも悪い待遇におかれているところも、物價の點で悪い環境におかれているという地區も相當あるわけであります。そういうところを一つ一つ取上げていくということになると、當局としても非常に面倒であり、また全官公勞としての取扱いも各人の問題になりますから、なかなかまとまらぬ。私は勞働組合の理想からいけば、組合自體が一つの成案を得て、それをまとめて團體交渉をするという素直な、あるいはすつきりした勞働組合の體制が確立しておりまするならば、そう面倒なことではないと思うのであります。しかし勞働組合運動にはいつてから日の淺い官公勞の現状においては、ほんとうに困つておる者と、そうでない者との區別が、組合の内部でまとまり得ないのが現實の状態であります。これは少くとも數年後になつて、もつと勞働組合が本質的に組合員各自の實體に副うて發言をし、ほんとうに生活の確保をやるという現實的な勞働組合の成長が望ましいことであるが、現状においては、なかなかそうはいかぬといううらみがあります。その點で團體交渉の相手である政府もまた、この決定に非常に困つておる現状を私たちはよく知つておるわけであります。しかしそれは理想であつて、なかなか急にはいかぬという現實 またわれわれ呑み込みます。困難ではあるが、そういうことをよく檢討されまして、組合の責任に歸するところは、今後そういうものを指導鞭撻して、組合自身にある程度の案を立てさして、政府としても地域等の實際の實情をよく勘案されまして、この請願に盛られておるところの實情をよく勘案して、それぞれ善處してもらうようにお願いしたいと思います。個々の問題について要望したい點もありますが、全斷を通じて、そうした點をよく險討されまして、こういう問題に對して善處するような配慮を、一段と希望いたしまして私の意見としておきます。
#33
○辻井委員長代理 地域給の問題は大體共通しておりますので、一括して審議いたしましたが、日程一三、税務職員の待遇改善に關する請願、以下同種類のものが數件出ておりますので、これを一括して田中松月君に御説明願いたいと思います。
#34
○田中松月君 この問題は、いまさら説明するまでもなく、政府當局もまた委員の皆さんも、十分御承知の通りであります。税務職員の待遇はどういういきさつからか知りませんが、一般官公廳のいわゆる千八百圓ベースから、平均して二號ばかり安いというかつこうになつております。それについて、それはけしからぬ、ぜひ一般の官公廳並みに引上げてもらわなければならぬという請願が殺到いたしまして、當局も一應その點は考慮されまして、いろいろ手續もあるから、當分の間出張旅費とか時間増し手當というようなかつこうで、實質上は一般の官公廳並みにしようという取扱があつたように承つておりますが、しかしその人たちの立場からいたしますと、同じもらうものを、出張手當とかそのほかの口實にかこつけてもらうと片身が狭い思いがする。ぜひ一日も早く堂々ともらえるようにしてもらいたいという陳情が一つと、もう一つは、ここで關係者がよく考えなければならぬのは、戰時中から一番嫌われる官公署としては、勤勞署と税務署が竝び稱せられておりまして、今日は勤勞署はなくなりましたが、税務署は世間の人たちの非常な誤解であり、間違つた考え方でありますが、いかに税務官吏に對して白い眼で見ておるかということは、職員の人たちが、あなたはどこに勤めておるかと言われても、おおつぴらに私は税務署に勤めておると言い得ないような實情です。というのはなぜかというと、税務官吏というと、よほど憎まれ仕事をやつておるように相手に感じられる。それを恐れて税務官吏であることを隱さねばならぬ。事實また白い眼で見られるばかりではなく、いくつもの例がすでに公表されておりますが、それがために職に倒れる、あるいは身の危險を感ずる、こういうような立場に立たせられております。今日滯納が多い、脱税が多い。今日のような滯納ぶり、脱税ぶりでありましたならば、おそらく政府が苦心して立てたこの豫算というものも、收入がまつたくがらつと崩れてしまう。健全財政も何もあつたものではない、ぜひこの際滯納、脱税はびしびしやられなければならない。ところが今日の待遇ではどうしても食つていけない。食つていけないものが、食つていくところに無理が生じて來ますと、結局は忌まわしい涜職というような問題も起つて來る。十分に働けるようにしてやらずして、税金をとれとれというよなうことになりますと、今まで税務署の帳簿り上に載せられておる人たちについて萬遍なく率を上げて、それからびしびし取上げるようなことになる。そうすると、既存の税務署の帳簿の上に載せられれておるものこそ、いい災難と言わなければならない。熱意をもつて働く、一生懸命にがんばつて働くというような氣持があれば、上手に隱れた新興やみ成金の税金の方も取立てるけれども、そういう熱意が缺けておつては、上手に隱れたやみ成金の税金まで見つけ出して來て取上げるということはどうしてもできない。そこで一般官公廳並みして、それでけりがついたというのでありません。今言うように、憎まれる。場合によつては身の危險をも感じなければならない。その人たちが、しかもそのうちから決然起つて國家の財政を救うために、あらゆる手段を講じて滯納、脱税がないように、そうして上手に隱れた新興成金の方からもびしびし税金を取立ててくる。そういう意氣込をつくるためには、この際こういう苦しい仕事についておる税務職員の方々には、優遇しすぎるというくらい思い切つた優遇をしてもらつて、十分その能力を發揮するようにしていただきたい。いろいろ申し上げたいことはございますけれども、このことはもう當局も、委員の皆さんも、十分私以上に痛感されておることでございますから、切にお願いを申し上げまして、私の説明を終らせていただきます。
#35
○辻井委員長代理 政府側に御意見がありましたら御發言を願います。今井給與局長。
#36
○今井政府委員 税務官吏が、從來一般の平均よりも二號俸安かつたということは、昨年七月を基礎にいたしました統計によりましても、はつきりした事實であり、お述ベの通りであります。ただこれが確認されましたのは本年の五月ごろでございまして、かつまた平均よりも低いのは、税務署が一番低いわけではございませんで、税務署は率直に申せば、下から三分の一ぐらいの低さにあつたわけではございますが、しかしいづれにいたしましても、これを平均化するということは、私どもの方の昨年七月以來の根本方針でございましたが、ただ凹凸整理をやりますにつきまして、組合側との團體折衝に手間どりましたために、ようやく本年の九月三十日附をもつて、平均の線まで上げるということに決定ができました。目下その手續を進めております。
 お話のように、そのほかに何か優遇しなければならぬということは、一應ごもつともでございますが、またこれが他の面に及ぼす影響も考えまして、政府としては可なり嚴重な態度を構えておつたのでありますが、國會の非常な御要望のこともはつきりいたしましたので、先だつて税務官吏に對する特殊な税務特別手當の制度を法律案化しまして、昨日財政金融委員會を通過したような次第であります。出張いたしました場合に檢査、調査、滯納處分といつたような場合、あるいは危險な場合には種々特別の手當をつけられる、こういつた制度が近く確立する豫定になつております。
#37
○辻井委員長代理 前に説明の終りました日程第四、新湊町に公共職業安定所及び勞政事務所設置の請願に對する政府側の御意見の御發言を願います。
#38
○土井政府委員 新湊町は高岡市のそばでありまして、昭和二十一年の四月の國勢調査によりますと、人口が十二萬三千八百になつておるのであります。現在高岡公共職業安定所新湊町出張町がおかれておりますので、さらに當地の交通事情とか、あるいは産業事情等を考慮いたしまするに、公共職業安定所は現在の場所におくことが最も適當であり、また利用者にとつても、非常に利便が多いと考えておるのであります。從いまして新湊町に、さらに公共職業安定所をおくということは、今のところにおきましては、これを認めていくということは不可能だと考えております。さらに勞政事務所の問題でありますが、勞政事務所の位置とか名稱、あるいは管轄區域等に對しましては、昭和二十二年の四月七日勅令第一一八號によりまして、公共職業安定所、あるいは官制第三十二條によりまして、都道府縣知事が、これを定めることになつておるのであります。最近の勞働事情等に鑑みまして、殊に勞働問題の重要性などを勘案いたしますならば、勞政事務所というものを強化擴充するということが、きわめて必要であろうと考えておるのであります。本省といたしましても、これらの點についてはでき得るだけ實現することのために、豫算的處置を講じてせつかく努力をしておるのであります。本請願によりまする趣旨については、十分に承知いたしておりますので、縣知事に對しても徹底いたしまして、なるべくその趣旨に副うように努力したいということをお答え申し上げておきます。
#39
○辻井委員長代理 次に日程九、一〇、一一、少々内容の異なる請願が殘つておりますので、これを專門調査委員濱口金一郎君から一應朗讀してもらうことにいたします。
    〔濱口專門調査員朗讀〕
 日程第九の請願の要旨は北信地區五縣は特殊な地勢と氣候とを有し、殊に冬季四箇月間は嚴しい寒氣と丈餘の積雪のため他地方者の想像もできない脅威と出費とに惱まされている、しかも物價の高騰と生活必需物資の不完全な配給實情下において、低賃金にあえぐ教職員として最早對處すべき經濟的根據を失つている、ついては北信地區五縣教職員に寒冷地越冬手當の支給竝びに防寒用衣具の特配をされたいというのであります。
 日程第十の要旨は全國五百萬を算する土建、一般の日傭勞働者の組合は、次の請願事項も決議し、その急速なる實現を望む(一)全日本土建一般勞働組合を日本における土建一般日傭者の唯一の組合と認めよ(二)日傭勞働者に對する特令の制定(三)公共事業運營委員會の設置(四)勤勞所得税の撤廢及び勞働者に非戰災者特別税の課税反對(五)土木建築技術者養成所竝びに日傭勞務者の無料宿泊所の設置(六)日傭勞務用必需物資の配分(七)寒冷地における特殊物資の配給を實施されたいというのである。
 次に日程第十一の要旨は、新潟縣全官公勞に越冬手當支給の請願、本請願の要旨は、新潟縣は、冬期間裏日本特有の寒氣と丈餘に及ぶ積雪のため、毎冬防雪及び冬篭り對策として、特殊な住居設備、特別の身廻り品を要し、他の地では必要としない多額の支出をしなければならない、ついては新潟縣全官公勞に特別に越冬手當を支給されたいというのである。
#40
○辻井委員長代理 それでは、本日議題にいたしました各件に對する一應の審査は終りましたが、なお盡せません點は、適當の機會に取上げることにいたしたいと思います。
    ―――――――――――――
#41
○辻井委員長代理 次に陳情書の審査に移ります。新國會法の陳情書の審査は、請願の審査に準じて取扱うべきものと存じますので、請願の審査に準じて審査を進めることにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#42
○辻井委員長代理 それではそのように取進めます。
 これより陳情の審査に入ります。
 日程第一國民生活安定のための諸施策に關する陳情書、第二勞務者の最低生活保障に關する陳情書、第三乘合自動車運輸業について勞働基準法適用除外規定設定の陳情書、第四勞働基準法第四十條に基く特例設定に關する陳情書、第五系統農業會從業員組合の陳情書、第六個人の使用人等に關する陳情書、第七税務官吏待遇改善等に關する陳情書。第八財務官吏の待遇改善等に關する陳情書、まず專門調査員に朗讀をいたさせます。專門調査員濱口金一郎君。
    〔濱口專門調査員朗讀〕
 日程第一の要旨は、國民生活安定のため、働けるだけの生活物資の公定價配給、農業生産資材の公價、公平な配給、生産費をつぐなうことのできる米價、國民生活の確立、失業者の生産面への動員、工場設備の改善、住宅問題の即時解決等々の施策を講じ、國民大衆の生活を安定し、平和日本を復興して、八千萬の人口を養うことができるような産業復興方策を立て、即時實行に移されたい。
 日程第二の要旨は、わら等はインフレとやみ退治を斷行して、國民生活が安定し、勤勞者が安心して働けるような、最低生活保障の給與體制の確立、また各種法令の官公吏であるがゆえの制限條項の削除、年收五萬圓以下の勤勞者に對する所得税廢止竝びに失業者對策、療養生活保障制度の確立を要望する。
 日程第三の要旨は、乗合自動車業は、路線に長短があつて、乗務員の勤務状態が區々であるため、勞働基準法による八時間勞働制及び一せい休憩制の實施は、發著時刻の變更、車りよう、乘務員等の増加等の必要を生じ、公衆に不便と運賃の過重負擔をかける結果となり、實施上困難を來すから、勞働基準法第三十二條及び第三十四條第二項の適用除外規定を設けられたい。
 日程第四の要旨は、勞働基準法に規定する八時間勞働制及び一せい休憩制は鐵道軌道事業の實情に適せず、これが實施は本業の運營上重大な支障を來し、ひいては經營の死活を制するに至るおそれがある、ついては同法第四十條に基き、その特例を設定されたい。
 日程第五の要旨は、農業協同組合が設立され農業會は解體されんとするに際し全國三十五萬の從業員一同は失業の不安身分の不安定にさらされているとき、政府竝びに會當局に對して全從業員の完全就業と生活の保證、民主的農業協同組合の設立推進、農村民主化と生産力増強の要望をした、ついてはこれに協力されたい。
 日程第六の要旨は、國家經濟の建直しは、個人經濟の建直しを基底とすべきであるが、現在なお個人の雇傭關係において、個人の經濟を無視せる待遇をしているが、これらの待遇の改善をはかること、及び一方に蓄妾するものがあるが、妾たるや否やを調査して、妾たるの關係を斷たしめ、就職の機會を與えて一夫一婦の道義を鼓吹するようにはかられたい。
 日程第七の要旨は、現在下級税務官吏の生活難ははなはだしいものがある、ついては生活赤字補填、凹凸是正としての昇給等の實施を要望し、併せて官僚濁裁の弊ある公務員法案の撤囘を要望する。
 日程第八の要旨は、賃金問題に關し、政府の方針をあらためて物價を定めて最低賃金を定めるよう要望するほか、財務官吏はその待遇改善と、團體協約無視の公務員法撤廢を要望する。
#43
○辻井委員長代理 以上に對しまして、政府側の御意見があれば御發言を願います。
#44
○寺本政府委員 勞働基準法で定めております勞働時間竝びに休憩の規定に關する特例設定の陳情が二件ございますが、これについて政府側の意見を申し上げます。勞働基準法で規定されております勞働時間竝びに休憩は、いずれも勞働者の基本的な權利とみなされる最低のものを規定いたしておるわけであります。しかしながらこれにつきましては、公衆の不便を避けるために必要がある場合、その他特殊の必要がある場合には例外の規定を設け得ることが、同法第四十條に規定されておるのであります。この規定に基きまして、乘合自動車につきましては、その休憩がこの法律に規定しておりますように、一齊に全勞働者に與えることは困難であろうと認められますので、勞働基準法の施行規則の第三十一條で、乘合自動車については陳情の趣旨の通り、一齊休憩の規定についての特例を認めております。ただ八時間勞働制につきましては、勞働基準法で規定をしております勞働時間が實働時間を押えておるのでありますから、陳情の趣旨にありましたように、發著時間がなくなると申しましても、やはり實働は八時間で押えるべきものではなかろうかと考えます。乘合自動車は公衆の人命に關するような重要な事業でありますので、勞働時間を九時間以上に延長し、疲労を増すというようなことは、特に公衆安全の建前からも、これを制限しなければならないのではなかろうかと考える次第でございます、地方鐵道に關する勞働時間の延長竝びに休憩の特例でございますが、これにつきましては地方鐵道の中で、一日にごくわずかしか汽車、電車が通らないという特殊の驛がございます。そういう驛につきましては、特殊出勤驛としてこれを指定して、第四十條の規定を援用して、勞働時間を十時間まで延長することを施行規則で認めております。休憩につきましては、これもまた自動車の場合と同様でありますのて、一齊の休憩を與えなくてもいいという現定ができておりまして、おおむね陳情の趣旨が施行規則で實現されていると考えるのであります。
#45
○辻井委員長代理 御質疑はありませんか。――御質疑がなければ、本日議題にいたしました陳情の各件に對する一應の審査を終りまして、なお盡しません點は適當な機會に取上げることにして、散會いたしたいと思いますが……。
#46
○前田(種)委員 この陳情、請願のことでありませんが、特に政務次官にお聽きしておきたいと思うのですが、一昨日の大阪の新聞に、大阪府下の基準局管内あるいは勞政事務所等の十一月の給料が拂われてないというので、勞働基準法違反だといつて、勞働大臣竝びに大阪の府知事を告發しまして、地方員に手續をしたという新聞記事がございます。これは三十日以内に賃金を支拂わなければならぬという基準法の規定に違反するということが明確になつておりますが、こうしたことは重要な問題でありますから、至急に政府としてそれが事實と違つておればその眞相を明らかにする。しかしその告發した内要が最認されることならば、急速に善處するという對策を立ててもらいたいと思います。
#47
○土井政府委員 前田委員からの御質問でありますが、日本經濟にそういうような記事が掲載されておりましたので、勞働省といたしましては、ただちにそれに對する手配をいたしたのであります。十一月分の不拂というようなことは、これはおそらく間違いではないか、こういうふうに今のところ想像しておりますが、十分調査いたしませんければ確たるお答えを申し上げることはできないと思います。おそらくでこぼこ調整金というようなものが未拂になつているのじやないか、こういう考えをもつているのであります。しかしお説のような點も十分考慮いたしまして、至急に手配いたしまして事實の眞相をつかみまして、なお機會をもちまして報告し、さらにこれに對しては善處いたす考えでおります。
#48
○三浦委員 これは勞働委員會の正式のことではないかもしれませんが、中央勞働委員會における全逓問題の裁定の問題等を考えてみますと、中央勞働委員會の裁定は勞働者側もこれを尊重しますし、政府もこれをある程度尊重しなければならぬことは當然だと思うのでありまして、結局においては、やはり議會においてもいろいろな關連から豫算を認めるようになるのでありますから、結局尊重しなければならぬようになるだろうと思うのであります。そういうようなことを考えてみますと、私ども勞働委員會として、やはり中央勞働委員會の會長なり、そのほかの責任者の人にでも來てもらつて、そうして裁定に至りました事情、あるいは諸般のそういうような關係事情等につきまして一應の説明をしてもらつて、われわれもやはりその問題については重大なる關心をもつて、ここで正式の決議でなくても、研究する機會を得たいというように考えるのでありますが、委員長においてそういうようなお取計らいを願えないものですが。
#49
○辻井委員長代理 そういう御希望が各委員から相當強く起つておりますので、近々に理事會を開きまして、ひとつ具體的に計畫を立ててみたいと考えております。
#50
○三浦委員 もう一つ、現下の情勢下だんだん勞働攻勢というものが考えなれてくるのでありまして、インフレやいろいろなやみによつて勞働者の生活が非常な脅威を感ずるというようなことを考えても、いわゆる日本の全國的の代表である勞働組合なり、殊に今問題になつている全逓なり國鐵等の執行委員長というか、そういうような方々にも一應こちらに來てもらうということができるか、できないかしりませんが、もしそういうようなことがお願いできるならば、そういうような人にいろいろ組合の實情、あるいはそういう要求をしなければならない實情というようなものもやはりお聽きして、そうしてそういう要求條項等についても、われわれも一應それを研究してみたいと考えるのであります。われわれはただ新聞だけで見るのであつて、その眞相と實情というものがわからぬで非常に遺憾に思つているのでありますが、そういうようなことができ得れば、私はそういう機會もおつくり願いたいということをお願いしておきたいと思います。
#51
○辻井委員長代理 ぜひ御趣旨に副うようにいたしたいと思います。
#52
○小林委員 最近地方の勞働基準局等におきまして、廳舎の建設とかその他のことで、地方の會社、事業場等に對しまして、非常に巨額の寄附を強要しているという事實が二、三あるようでありますが、かようなことにつきまして次官は御調査になつたことがありますか。あるいはそういうお話を聞いておりますか。お答え願いたいと思います。
#53
○土井政府委員 ただいま御質問を受けましたような事柄を聞いておらないわれではありませんので、大體本省といたしましては、廳舎の建築竝びにその他の關係におきまして、それぞれ寄附行為等については、先に省令によりまして大體禁止をしておりますし、またそういう事實がありますものに對しましても、至急それを中止するような命令を發しておます。たまたま小林委員の御質問のようなことを耳にしておりますので、それらの點のついては十分實情を調査いたしまして、もしそれが政府で考えおりますことと相反することでありますならば、十分取締りをしていきたい、こう考えているわけであります。さよう御承知を願いたいと思います。
#54
○辻井委員長代理 ただいま小林君から御意見のありました基準局については、私らも相當いろいろなことも聞きますし、また資本家側ににらみがきくだけに、役得なんかも非常に起りやすい官廳なんで、三浦君からさつき御希望のありました點などとともに、近く基準法の實施状況の視察調査、あるいは炭坑の厚生施設などにつきましても、一緒に調査したいというふうに考えておりますので、いずれ理事會で立案しましてまた御相談したいと思います。
 それでは本日はこれで散會いたします。
   午後零時四十八分散會
ソース: 国立国会図書館
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