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1947/07/10 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第4号
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1947/07/10 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第4号

#1
第001回国会 農林委員会 第4号
昭和二十二年七月十日(木曜日)
    午前十時五十七分開議
 出席委員
   委員長 野溝  勝君
   理事 叶   凸君 理事 清澤 俊英君
   理事 鈴木 強平君 理事 寺島隆太郎君
   理事 岩本 信行君 理事 大石 倫治君
   理事 萩原 壽雄君 理事 北  二郎君
      黒田 寿男君    田中 健吉君
      永井勝次郎君    松澤  一君
      小林 運美君    佐々木秀世君
      圖司 安正君    堀川 恭平君
      寺本  齋君    中垣 國男君
      八木 一郎君    田口助太郎君
      松野 頼三君    森 幸太郎君
      梁井 淳二君    坪井 亀藏君
     的場金右衞門君    
七月七日委員長野長廣君辭任につき、その補闕と
して七月八日堀川恭平君が議長の指名で委員に選
任された。
 出席政府委員
        農林事務官   遠藤 三郎君
        農林事務官   伊藤  佐君
 委員外の出席者
        農 林 次 官 笹山茂太郎君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 開拓問題に關する説明聽取
    ―――――――――――――
#2
○野溝委員長 會議を開きます。永井勝次郎君。
#3
○永井委員 開拓法の要綱について若干お尋ねいたしたいと思います。この要綱だけでは詳しい内容がわかりませんけれども、いづれ正式に法案がかかるわけでありますから、その場合に審議を重ねてしなければなりませんので、それの豫備的な意味におきまして、一應もう少しこの要綱に基づいて、内容を詳しく伺うというような意味合いにおいて、お尋ねをいたしたいと思うのであります。この開拓を實行するにあたりまして、わが國の將來の農業設計をどういうふうに考えていられるか。いろいろ國際關係の問題もありましようし、人口配分計畫というような問題もありましようし、國土計畫というような問題もありましようし、一切のものが總合的に考えられてこなければならないわけでありますから、今そういう問題を正確ににらみ合わせて、そうしてはつきりとした設計がここにできるとは考えられないのでありますが、一應の見透しというものを立てて、設計を進められておることと思うのであります。その將來の農業設計をどういうふうにもつていられるか。それから緊急開拓百五十五萬町歩というものの經濟的な基礎、そういうものをもう少し明確に御説明を願いたいと思うのであります。
#4
○伊藤(佐)政府委員 前段の問題は非常に大きな問題でございまして、私からお答えするのはいかがかと思います。大臣あたりからお答えすべき問題と思うのでありますが、事務的に開拓方面として考えております點を御説明申し上げます。われわれの方といたしましては、開拓の實行によりまして、既設の農村の過小農をできるだけ理想的な規模のものにいたしてまいるということと、それから新規に入植をいたしまして、ここに適正規模の農家をつくるということ、この二つの點を考えておるのであります。
 それから緊急開拓の經濟的の基礎はどうかというお話でございますが、現在のような物價の變動の著しい時代におきましては、正確な基礎というものはなかなかむづかしいと存ずるのでございますが、大體農産物の價格とにらみ合わせまして、それで地元に相當負擔力がある程度のものにつきましては、これは國の補助金でまいります。それから相當な費用がかかり、かつまた技術方面から見まして、かなりの技術を要する大規模のものにつきましては、これは全額國庫負擔でいたしてまいるということにいたしておるわけであります。
#5
○永井委員 第一段の御答辯のうち、過小農を少くする。新規入植者については適正規模を確保するということでありますが、その過小農どういうふうに少くするのか、あるいは適正規模をどういう程度に押えておるのか、どういう經營面積が適正な規模であるとお考えになつておるのか。あるいはこれは適正規模と申しましても、水田耕作地帶、畑作地帶、あるいは高原地帶、林政や酪農、そういうものとにらみ合わせによつた適正規模というものはいろいろ地域別に、地帶別に異つてくると思うのでありますが、そういう具體的な、高原の開拓については技術的にどういう經營を考えていて、どういう適正規模を構想しておるのであるか、ということをもう少し具體的にお示し願いたいと思います。次に緊急開拓の經濟的基礎というのは、ただいまの御答辯のような點をお尋ねしたのではなくして、緊急開拓百五十五萬町歩と押えた。その押え方、これが開拓可能であり、農業經營として將來成り立つていくのであるという、その基礎的な經濟的な調査の内容を詳しく御説明が願いたい。こういう趣旨であります。
#6
○伊藤(佐)政府委員 第一段の過小農をどういうふうにして適正規模にするかというお尋ねであります。その點はわれわれの方で申しております地元増段という方法によつてやつてまいりたいと思います。地元の村落の中には相當程度の開墾の餘地があるというふうな場合におきまして、地元に過小農非常に多いというふうな場合におきましては、それを開墾して、一戸當りの面積を殖していこう。こういう方向であります。それから適正規模とはどの程度のものを指すかというお話でございますが、これは非常にむづかしい問題でありまして、むろん全國一律的にはきめるわけにもまいりません。また同じ地域でありましても、先ほどのお話にございました通り、畑作地帶、水田地帶によつて、これはおのずから違つてくるわけであります。われわれの方として考えております一應の基準は、面積的に見ました場合には、大體一年一作地、東北地方あるいは高冷地というような所でございますが、一年一作地につきましては大體四町歩程度が適當であろう。それから二年三作地につきましてはまず二町五段程度が適當ではなかろうか。それから一年二作地につきましてはます二町程度、その程度に考えておりますが、むろんそれにもただいま申し上げましたように水田地帶、畑作地帶等によりまして、おのずからそこに多少の伸縮は當然あるものと思つております。それから百五十五萬町歩というものを出した經濟的の基礎如何というお話でございますが、この百五十五萬町歩という面積を出しましたのは、從來農林省が多年にわたつて全國的に調べておりました調査と、ちようど昭和二十年の終戰直前の當時、緊急食糧増産の必要からいたしまして、開拓適地の調査を各府縣からとつたのでありまするが、その二つをにらみ合せまして、百五十五萬町歩というものを出したわけであります。それから百五十五萬町歩についてどういうふうな經濟的な基礎があるかというお話でございますが、これは一々詳しく當つてみたわけではございませんが、大體におきまして食糧の價格というような點から見まして、國が全額出してゆかねばならぬような大規模のものにつきましては、これは全額負擔それから比較的地元にも負擔力があり、またそれほどかからないというようなものにつきましては補助でいく、こういうような考え方でやつております。
#7
○永井委員 單に既設農村の過小農を少くするということだけではいけないのでありまして、農業經營の方式なり、あるいは農業技術なり、そういうものの改善をこの中に基本として織りこんでいつて、過小農を少くするという方向に進まなければいけないのでありますから、現在の農業經營をそのまま塁守していくというような考え方に立つての適正規模というようなことは、これはわれわれは考えたくないと思つているのでありますが、それについて大體こういうような基準は現在の農營を基礎にして考えられたのか、今後こうあるべきである。あるいはこうしなければならぬというような指導方向をもつていられるのでありましようか、そういうものを織りこんだ數字であるか、その内容を伺いたいと存じます。
 それから第二の緊急開拓の面積の抑え方でありますが、ほかの地方はよく存じませんが、北海道についてこれを考えますと、緊急開拓七十萬町歩というものを押えているのであります。この七十萬町歩というものの基礎はどこにあるのかというと、第二期拓殖計畫において耕地百五十萬町歩という目標をおいてある。ところが現在できておる既墾地が八十萬町歩ある。百五十萬町歩から八十萬町歩差引くと殘りが七十萬町歩であるというような小學校の生徒の算術のような計算から七十萬町歩というものを出しておるのでありますが、北海道はまだ未墾地が相當廣くて、地積が廣いとは言いながら、氣候的な條件やいろいろ制約された條件のもとにおける農營というものを考えてまいりますと、七十萬町歩というものをこれから殖やすと、現在既墾地の約倍の開拓をこれからするというわけであります。そういう數字的な基礎に立つてどんどん入植させられる農家というものが、七十萬町歩という押え方が、單にその差引勘定だけであつて、わずかに現地について調査したという事實は、終戰後北大の學生を動員いたしまして、一週間か十日くらい、まあ地勢的に平な所がどのくらいあるんだというような調査を一應したのがその調査の唯一のものである。こういうような杜撰な基礎に立つて七十萬町歩という數字を押えて、そこにどんどん入植者を入れているというようなことは少しく無謀じやないか、冒險じやないか、こう思いまして、ほかの地方は知りませんが寒地農業として立つ北海道の場合、相當この基礎的な數字を吟味して振り向けていかなければならぬ。まずどのくらい經濟的に成り立つかという經濟調査をして、その上で開拓すべき數字を確立しなければいかぬ、こう思うのでありますが、これに對する局長のお考えを承つておきたいと思います。
#8
○伊藤(佐)政府委員 その適正規模の農家を設定するに當つては、將來の營農形態を考えておるかどうかというお話、この點は私どもといたしましては考えております。それで新しく開墾をいたしますような土地は、大體において畑地が將來も多いものと考えております。それは畑地の割合に高い土地、標高の土地が多いと考えております。從いましてそういう形態の土地におきまする農業經營を基礎といたしまして、面積等も考えておるわけであります。大體の方向といたしましては有畜農業を相當取入れた經營にいたしてゆくべきであろう。こういうふうに考えております。
 それから北海道の七十萬町歩の基礎がはつきりしておらぬ。こういうようなものに基いてやるのは適當でないというお話、この點につきましては北海道は實は從來農林省の方ではタツチしておりませんので、私から十分申し上げるわけにまいりませんが、内地におきましてもこれは相當調べてはございますけれども、なお十分ではございませんので、北海道と併せまして現在改めて適地の調査を詳しくやつております。それで北海道の方はむしろこれからということになるのでございますが、それらをできるだけ速やかに終了いたしまして、それに基いたしつかりした計畫を立ててまいりたい。差當りのところはこの百五十五萬町歩を基礎にいたしてまいりますが、ただいまの七十萬町歩も、相當の年限が經たねばできませんので、まず調査が完了いたしまするまでは、そう不適當の土地を選んでやらなくても、實際問題といたしましては大丈夫である。かように考えております。
#9
○野溝委員長 永井委員、畜産局長も食品局長も見えておりますから、もし有畜農業等の關連においてお聽きになりたいことがありましたならば、どうぞ……。
#10
○永井委員 そうしますと北海道の場合、七十萬町歩という總體的な數字の抑え方は不確實である。從つて今後において入植に先だつて、まず經濟調査をして確實な所へ入れてゆくというお考えのように承りました。そういう堅實な方法をとられんことを希望するわけであります。それからこの開拓のことはもう始まつているのでありますが、この入植先の選定はまず經濟的に確實な地域を選んで、主として經濟的な確實性のある所に優先的に入れてゆくという方法をおとりになるのか、ただ地域的に分散して入れるという方法で開拓の仕事を進めて行かれるのか、今のところ私北海道の現地を見てみますと、ただいま局長の言われたような、經濟的にも客觀的な妥當性のある地域を優先的に選んで、入植させているという方向は少しも見られません。ただ地域的にぱつと分散して入れていつているような入れ方のようでありますが、この點に關してはどういうふうにお考えになつておられますか。
#11
○伊藤(佐)政府委員 北海道の事情は實は私よく存じませんので、詳しいことは何ともお答えいたしかねるのでありますが、御指示のような方向で、經濟的にも有利な所、しかして技術的に見ましても比較的樂にできる所、こういうような所からやつてまいりたいと考えております。
#12
○永井委員 北海道農業の場合、既墾地においても酪農業の營農形態を取入れてゆかなければ、地方の維持、増産を期待することはできないわけでありますが、今後開墾すべき地帶は、特にこういう地域が非常に多いわけであります。從つて局長が先ほど言われたように、有畜農業というものを主體として考えていくといたしますならば、相當經營面積が廣く豫定されなければ、適正規模を廣めてこなければ、經營が成り立たないわけであります。既墾地においても、北海道の場合は十二町歩經營というものが限度になつており、それだけでは經營が成り立たない。有畜農業地帶はその面積では足りないということになつておるのでありますが、現在當局の計畫によりますと、今後開發すべき土地の限度は、三町歩經營というものに限度をおいておるのであります。既墾地のよい場所でも、三町歩經營では成り立たないというのに、非常に經濟的に不利な地帶にはいつて、しかも農業經營の内容は有畜農業である。こういうような目標をおいて、三町歩という規模にこれを押えてあるという矛盾はどういうふうに解決されるのでありますか。
#13
○伊藤(佐)政府委員 北海道におきましては、大體先般來北海道の方ともいろいろ相談しておりますから、普通の規模のものといたしましては、五町歩くらいが適當であろうと考えております。それに北海道だけではございません。ほかの地方もそうでありますが、薪炭林とか採草地といつたようなものは別につけてまいりたい。北海道といたしましてはお話のような、特に氣候の關係、あるいは有畜農業が非常に盛んであるというような關係からいたしまして、特殊な事情を考慮して、特殊な地帶におきましては、相當規模のものを認めてまいりたい。かように考えております。
#14
○永井委員 畜産局長もお見えになつているということでありますが、畜産當局といたしまして、北海道の酪農業、あるいは有畜農業というものをどういうふうにお考えになつていられるか。戰爭中は馬にいたしましても、牛にいたしましても、相當の數をもつていたのでありますが、飼料の關係からどんどん減つてしまいまして、現在の状況で推移いたしますならば、飼料の關係からいたしまして、畜産の收容力というものは、もう頭をついている状態であります。御承知のように馬にいたしましても、牛にいたしましても、これを増産の方向に轉換いたしますためには、相當の基礎的な條件からこれを是正していかなければ、一年や二年で手品細工のようなことはできないのでありますが、それほど重要なところまで今追いつめられているのであります。經營面積が農地の改革の上から非常に縮小されてきておるし、また新しい入植地帶においても、ただいま開拓局長から五町歩というようなことでありますが、この面積ではとうてい畜産を入れていく餘力はないと思うのであります。そういうような關係を畜産の立場からどういうふうにお考えになつているか。また減産一途をたどつている牛馬羊豚というようなものに對する増産計畫、日本の基地といわれる北海道のこれらに對する施策というものを、どういうところに重點をおいてお考えになつていられるか。これを承りたい。
#15
○遠藤政府委員 北海道の酪農經營についてどういうふうな意見をもつておるかということでありますが、酪農の問題につきましては、御承知のように飼料事情その他の關係から畜産が現在非常に衰微してまいつております。しかし日本の農業の將來を考えてまいりますと、畜産を相當大量に入れて、そうして農業經營の中にぴつたり結びついた酪農經營の形にもつていくのでなければ、日本の農業の擴大再生産を確保することがどうしてもできないと私は思うのであります。あらゆる困難を乘り越えて、畜産の大増産の計畫を立てていかなければならぬと考えております。そこで、しからば具體的にはどうするかという問題でありますが、特に北海道は從來から最も酪農に適した先進地帶でありますので、酪農については北海道は特に力をいたさなければならぬと思うのでありますが、具體的には、やはり一方においては農業經營の組織をだんだん變えてまいる、今まで米麥作偏重の農業經營をしてまいつたのを、漸次多角的にしてまいつて、必要に應じて飼料作物の栽培をするとか、あるいはその他の各種の作物の栽培をしてまいりまして、經營をもつと立體化していく。その立體化によつて漸次畜産を包容していく力を農業經營の内部にもたせていくという方向に、一つの重點をおいて考えていきたいと思つております。しかしそれをやるにいたしましても、もちろん配給飼料が必要でありますので、ある程度の配給飼料の確保については、あくまで政府としては力を注がなければならぬということで、現在進駐軍總司令部に對しまして、約五十萬トン餘の飼料の輸入を要請しております。この飼料の輸入確保のためにあらゆる力を注いでおるような次第であります。農業經營の内部における包容力、そうして外部からは配給飼料の供給の圓滑をはかることによつて、漸次計畫的に年次計畫を立てて、畜産の大きな増産計畫を進めていきたいと考えております。
#16
○永井委員 この場合概要だけを伺つておいて、法案が正式にかかりました時に詳しくお尋ねしたいと思つておりますので、簡單にお尋ねして終りといたします。
 北海道の農林行政が今度正式に農林省の管轄にはいつたわけでありますが、それについてこの開拓法では、開拓全部は農林大臣の責任において遂行されることとなつたのでありますが、この開拓事業推進について、農林省は現地機構をどういうふうに考えておられるか。出先官廳を置かれるのか、あるいは道廳の現地機構を活用して、その事業遂行を進められるお考えであるか。あるいは現地機構をかりに活用してこれを行うということにいたしましても、たとえば土木の關係、道路、河川その他の關係においては、開拓地域内の道路等は、直接開拓事業として、これを行い、その地域外の道路河川等は、これを現在は内務省においてやつておるわけでありますから、その關係においてやるというようなことになつて、二重三重の系統が同じ所に競合するという形になりまして、今のセクト的な官廳機構をもつてしては、それらの問題が圓滑にかつ迅速に處理されるかどうかということについて、多くの危惧をもつておるのでありますが、これら各官廳との間の調整その他については、どういう具體的なお考えをもつておられるのであるか。そういう實際において事業を遂行して行く上における具體的な内容を、詳しく伺つておきたいと存じます。
 それから畜産局長には、いま北海道の馬市等に對しましては内地からどんどん買付に來るわけでありますが、買いつける價格に一定の制限がありますためか、馬として四足があれば二萬圓なり二萬五千圓なりでどんどん飛ぶのであります。馬のよしあしは選ばない。馬でさえあればまず二萬圓や二萬五千圓で飛ぶ。そういうぐあいで、非常に下の方の、内地の需要のある馬についてはそういうような價格で飛ぶのでありますが、最も増産に必要とされる種馬の問題でありますと、頭打ちをして、育成のためには相當多額な費用がかかるのにかかわらず、種馬の價格としてはそう多くも出せないということで、各馬匹組合、連合會等においてはその種馬を買いこんで、國の方の豫算はきわめて少くて種馬の買付はできない、それでそれを補うために現地の組合が何十頭とこれを買いこんで非常な負擔になつておる。こういうような現状では、畜産の増産等とうていはかることができないのでありまして、これは大きな問題であると思います。また種馬を買いつける費用に制限がありますためか、内地の方にもつてくる馬というものは價格に制約されまして、種馬としてはどうかと思われるような、非常に體質の惡い種馬をどんどん買いつけて内地へもつてきておるのであります。産地が北海道であつて、そうしてはね馬をこつちにもつてきて、そうして内地における馬匹の改良がどんどん崩されていく、こういうような現状では、馬匹の改良は、とてもこれは木によつて魚を求めるような状態になつておるのであります。こういう生産關係を、豫算のことに制約されまして、そうしてこの種馬にならない馬を種馬として買いつけてもつてきて、これをやるというようなことは、あまりに未稍的な、あるいは非常にくだらないやり方ではないかと思うのでありますが、もう少しこれを考え直して、全國一齊に馬匹の改良をしつつ、質を低下させないで増産をするというようなことを、價格政策の上からいつても、また國の豫算の運營の上からいつても考える餘地はないのか、この點だけを伺つておきます。
#17
○伊藤(佐)政府委員 北海道の開拓に關する行政機構をどうするかというお尋ねでありますが、これは農林大臣からお答えすべき性質のものと存じます、私ども事務的には、いま北海道の開拓を農林省が一緒になつてやつていくという制度になつたことによりまして、いままでよりも一層開拓が順調に進むようにという見地から、目下事務的にそういうような點の檢討を、兩方で相談して加えております。できるだけ早くそれを檢討し加えまして、農林大臣にその點についての決定を願いたいと考えております。
#18
○遠藤政府委員 ただいまの種馬に關する御質問の點は、もう御意見の通りでありまして、まつたくお話のような問題があり、この問題は御意見のように解決しなくちやならぬと思つております。ただ遺憾ながら豫算の建前が非常に窮屈になつておりまして、ことに豫算をきめたときと、現實に種馬を購入するときとの種馬の價格に非常な差異が出てくるのでありまして、御指摘のような不合理な結果が出てまいつております。つとめて御指摘のような點は弊害がないように運用してまいりたいと存じます。
#19
○松澤(一)委員 委員長、關連して、……
#20
○野溝委員長 關連質問でありますから、松澤委員にこれを許します。
#21
○松澤(一)委員 今畜産局長の、日本の農業經營の將來についての御意見を承つたのでありますが、北海道の問題は別といたしましても、内地の農業經營まで、具體的な農業經營の包容力をもつて酪農を中心として、將來日本の農業經營を有畜農業化したい。こういう御意見でありますが、いささか私は日本の將來の農業經營、いわゆる有畜農業經營という上に異存をもつております。あなたは現下緊急を要する日本の食糧問題を控えて、牛とか馬とかいう大きな家畜を中心とした有畜農業をお考えになつていることは、今日の應急對策として非常に間違つていると思う。御承知の通りに食糧さえもアメリカの援助を相當受けなければならない、しかもその援助は十分思うようにいかぬというときに、飼料まで外國に仰いで有畜農業を完成しなければならぬというまつただ中に、まだ日本の農家には、その八割が有畜農業をいたしておりませぬ。この現實をあなたはどう見るか。私はいささか日本の自給體制への考えをもつておりますので、日本の將來の具體的農業經營といい、有畜農業といい、小家畜の分散飼育という考えを私はもつております。鷄一羽も、めんよう一匹も、やぎの一匹も飼えないような農家が全農家の約八割を占めるという日本の現状で、人間の食糧と同じようなものをときに食べるというような牛や馬のみをお考えになつて、將來の日本の農業經營をお考えになつたら、大いに間違いだと思う。その見解だけ今日はひとつ承つておきたいと思ひます。
#22
○遠藤政府委員 今酪農の問題についてお尋ねがございますしたのですが、その點につきましては、私も牛馬のみを中心に考えていくという考え方はもつておらないのであります。もちろん農業經營の規模に應じて、ある農家には大家畜もはいるし、ある農家には中小の家畜を入れ、場合によつては馬等につきましても、今まで非常に優秀な馬のみを考えておつた、そういう考え方から、とにかく農業の經營にぴつたりはまるような馬をつくつていく、牛についてもまた同様な考え方をもち、あらゆる面で農業經營とぴつたり結びついた家畜の増産をやつていきたい、こういう考え方でございます。ただ飼料問題でございますが、御指摘のように飼料は非常に窮屈であります。食糧問題が現在窮迫しておりますさなかに、飼料を強引にとつてまいるということはなかなか困難であります。從いまして今ただちに大増産計畫に轉ずることは困難でありますけれども、年次を逐うて著々と食糧問題の解決とにらみ合わせて大きな増産をしていく、そういう含みでまいりたいと存じます。從つて現在としましては、大きな増産計畫の準備時代である、準備的なことを漸次やつてまいりたい、そういう考えでおりますので、御諒承をお願いしたいと思います。
#23
○松澤(一)委員 私は今……
#24
○野溝委員長 發言を許しませぬ。委員會の質疑につきましては、關連質疑を許容しているときりがありませぬので、關連質問は一囘に限つて許すことにいたしたいと思います。
#25
○永井委員 最後に先ほど來の私の質問は、大臣がいなければ答辯できないという事情もありますので、これは質疑を後刻に譲りまして、次官が参られましたので、次官に對して一言質疑をいたしたいと思います。
 食糧の遲缺配の深刻さは、全國同様でありますが、そのうちで特に北海道の實情は、説明するまでもなく、現状においては深刻をきわめておるのでありまして、このままに推移するならば、地元民の食糧不安からどういう事態が發生するかわからないというほど緊迫した實情であるというその現地の實情をもたらしまして、地元の道會議員、農業關係者、消費關係者が大擧して上京しておる實情であります。從つてこれの解決については、當局は誠意をもつて、しかも迅速に、具體的にこれが解決をしていただかなければならないと考えておるわけであります。現在北海道の總合供出の總數は九二%でありまして、農林省の要請しておる一〇〇%ないし一一〇%には遠いのであります。それが實行されなければ北海道の輸入食糧、あるいはこちらの操作において除外するというようなことが起りましたならば、これは重大問題であると思うのであります。現在までの五十日の缺配の間道民はこれを食つてまいつたのでありまして、もし今までの遲缺配を打切るといたしましたならば、これは總量にいたしまして、北海道の供出割當に對する二〇%に該當しておるのでありますから――現在供出完了である九二%に、今まで缺配の五十日を食糧に換算いたしますと、二〇%に該當するわけでありますから、實質においては一一二%の供出濟であるということが言い得ると思うのであります。從つて今までの問題は今までの問題として、この邊において打切りまして、北海道の實情は強權を發動するにしても何にしても、もうこれ以上手持ちはないという實情にまで迫つておるのでありますから、今後の措置については、當局は誠意をもつて問題を解決していただかなければならぬと思うのであります。さらに北海道は馬鈴薯においては内地方面に二百四十萬俵の種芋を供出しておるのでありますし、現在とれておる水産物關係にいたしましても、ほとんど地元消費を抑えて、内地の方にこれを送つておるという状態で、決して北海道は北海道のアウタルキーにおいて食糧の困窮状態がきておるのではなくて、内地を救援しつつ地元はこういうような困窮状態に陷つておるのであるという現状に對しては、農林省は特に御存じのことだと思うのでありますから、これらの問題は急速に一つ解決していただかなければならないと思うのですが、これらに對してどういう具體的な方策をもち、どういう態度をもつて臨まれるのか、それを一つ明確に、この議場を通してお示し願いたいと思うのであります。
#26
○笹山説明員 北海道の食糧事情につきましては、先般來田中知事ともいろいろ相談をいたしたのでございます。今後の北海道の食糧につきまして、どういう方向をもつて解決するかにつきましては、まだ具體的の議は熟しておりませんので、この際申し上げることは困難でありますが、われわれとしましては、とにかく北海道にしましても、決して他縣以上に苦しみを與えるという考え方は毛頭ありません。あくまでも北海道の現實の食糧事情に即して、北海道において自給し得るものについては極力これを自給していただきたいと考えております。既に輸入食糧等につきましては、そういつた北海道の現實の需給状況とにらんで、それぞれ先般來相當數量の放出をいたしておるのであります。今後も現實に即して食糧問題を解決してまいりたい。なお今後の供出を打切るというようなお話がありましたが、それはわれわれの方針としましては、とにかく一〇〇%まだ達成していない點につきましては、極力何らかの方法をもつてその目標に達成する努力を示さなければ、日本として最善の努力をしたということにもなりませんし、國際的の關係を考えると、やはりこの目標を一歩でも前進しなければならぬ。こういうふうに考えております。
#27
○松澤(一)委員 議事進行について、委員長はどうして今日の會議で特別の法案が提出されておるのでもないのに、關連質問を許さぬのか、われわれは今日の國會が自由討議まで行つて、そうしてわれわれ議員の意見を聽く、私は時間的にも、ちようど畜産の問題が出たときに關連してある程度の畜産の意見を聽いておくということは、むしろ必要なことで、私は自分の氣分で質問しておるのではありません。むしろ時間的にも、その質問が出たときにほとんど關連してその意見を聽き、答辯を聽いておくことが必要だと思つておるのであります。しかも正式の法案がまだ出てなくて、質問者の順序も決定しておりません。むしろ私の言わんとすることは、正式の議案であるとか、その質問がそれぞれ決定して、その間にわれわれが來るべき正式法案の提出されるまでの常識を養うということが、今日の委員會においてとるべき態度であると考えるにかかわらず、委員長は關連質問はきりがない。古い議會以來、あれだけ制限を受けた議會ですらも、關連質問に限つては相當な幅をもつて許していたのであります。新しい議會になつてその關連質問を制限するとは何事である。私は委員長の意思がわからないのでありまして、今後こういうことがあつては、かえつてわ
れわれ正當の權利を抑壓するものであると私は思うので、この際私を抑壓した點は取消して、たとえ一分間でもそれに關連しなかつたら……、尻きれとんぼに終るような質問はいたしません。しかも渡しは常識をもつておるので、人の質問に關連して、十分も二十分もとるような非常識ことはいたしません。この點一つ委員長から、この際委員長としての今後の運營の方針を承つておきたい。
#28
○野溝委員長 一應御もつともに伺いました。しかし松澤委員も御存じの通り、實は農林關係の各委員會が午前中しか時間が與えられてないから、將來深刻になつてくれば、各委員室をお互いに利用し合つて時間の延長をはかり、融通をし合うということを申し合せてありますが、まだ最初なのでそこまで至つておりません。そのような次第で實は午前中に大體の質疑といいますか、限られておりますので、時間がありません。そこで先ほど、松澤委員もお見えになつたと思いますが、實はこの發言の順序について、先般來坪井委員からもある御忠告がありましたので、各理事の方々に集つて相談の結果、先ほど申したような順序によつてやつていこうじやないかということで一應了解を得たわけでございます。そこで今日もそれぞれ永井委員のあと、申込が佐々木委員、森幸太郎委員等からあるので、關連質問はもちろん重大と思つて、委員長はこれを許したのでありますが、しかしこれが繼續的にやられる場合は相當時間を食いまして、せつかくの開拓問題なりに對する質疑の點に對しても、あとの質問者ができないことになつたのでは、また各委員間からいろいろ意見も出ますし、そういう點を考慮したことが一つ。いま一つは、あなたの質問は非常に重大な問題でありまして、實は大家畜を取り入れることがいいか、あるいは小家畜を取り入れる結果がいいか。こういう問題を分析總合していきますと、あなたのお話の通り、相當結論を得なければあなた自身も滿足できないと思う。この重大なる問題は、後日法案として提出されますので、その際に松澤委員の蘊蓄を傾けられた質疑應答をやられることが妥當なりと考えて、あなたの質問を一囘だけで打切つた次第であります。一應御了承願います。
#29
○坪井委員 關連質問を許したそのことが私はいけないと思う。本日十二時の時間で終ろうとすれば、一時間半あるならば、三人の質問ならなぜ最初から三十分づつを計畫的に割當てないか。私も實は申し込んであるにかかわらず、私の名前を擧げなかつた。本日はそうした議案が揃わないというので、關連的に松澤さんのように、なるべく各關係の係官を呼び、知識を得るために、質疑應答的にお伺いしたかつた。しかるに順序を逐つて一人でだいたい――獨占といつては失禮ですが、時間を許したというそのことが、すでに言語道斷ではないか。委員長はよろしく自肅自戒されて、今後の議事の進行については、萬遺憾なきを期してもらうように特に私も御忠告いたします。
#30
○野溝委員長 だいたいいま坪井委員のお話になつたようなことに對しましては、先般來發言の順位の問題について、理事諸君にも御心配を願いまして、時間の問題も御相談を願つたのですが、理事の方々においては、時間の點に對してはもう少し待とうというわけであつたから、さよう御了承願いたいと思います。いずれ理事會において相談して善處してもらいたいと思います。
#31
○清澤委員 もう時間もありませんし、佐々木さんの質問も後へ囘すというお話でございますから、きようはこれで散會していただくことにして、その前に、先ほどちよつと懇談會で申し上げておきました通り、この次には、委員の中で、大臣を中心にして農政一般の質問をしたいという意向が大分強うございますから、ひとつこの次の十四日には、必ず農林大臣竝びに企畫關係に對して和田さんからも出てもらいたい、こういう意向がありますので、そういう建前において、もちろん大臣も出、企畫關係も出ることになるのでありますから、各局の御責任者も見えていただきたいと思うのでございます。そういう意向がありますから、そういう取運びをお願いします。なおそうなりますと、質問の時間等が非常に考えられますので、それは理事會の方で代表理事者が寄りまして、そうしてよく質問の整理竝びに質問時間の整理等を話合つていただきたいと思います。そういうことにひとつ委員長の方で取計らいをしていただきたいと思います。但し申し上げたいことは、十四日が自然休會というような話もありますので、もしそうなりましたら、また相當の時間、空間がありますから、國へ歸られる人もあろうと思うので、從つて國もとで民主的な研究等もおやりになる人もあろうから、その自然休會になる前に、一應農林當局と御相談していただいて、特別に定期日でない日に開會のことをお取計らい願いたい、こういう意向が強うございますから、希望を申し述べて、これで散會していただきたいと思います。
#32
○野溝委員長 御相談いたしたいと思います。ちよつと速記を止めて……。
    〔速記中止〕
#33
○野溝委員長 速記を始めてください。お諮りします。ただいま清澤委員からの御意見がありまして、本日はこの程度で散會し、來る十四日に委員會を開催されて、農相竝びに和田國務相の臨席を願つて、この質疑を繼續していきたい、こういう御意見ですが、いかがでございますか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#34
○野溝委員長 ではさように取計らいます。本日はこれにて散會いたします。
    午前十一時五十七分散會
ソース: 国立国会図書館
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