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1947/07/28 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第6号
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1947/07/28 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第6号

#1
第001回国会 農林委員会 第6号
  付託事件
 食料品配給公國法案(内閣提出)(第九號)
 油糧配給公國法案(内閣提出)(第一〇號)
 農業會農業技術員設置費國庫補助増額に関する
 決議案(船田享二君外六名提出)(第六號)
―――――――――――――――――――――
昭和二十二年七月二十八日(月曜日)
    午前十時四十七分開議
 出席委員
   委員長 野溝  勝君
   理事 叶   凸君 理事 清澤 俊英君
   理事 鈴木 強平君 理事 寺島隆太郎君
   理事 岩本 信行君 理事 大石 倫治君
   理事 萩原 壽雄君 理事 北  二郎君
      大島 義晴君    黒田 寿男君
      佐竹 新市君    田中 健吉君
      永井勝次郎君    成瀬喜五郎君
      野上 健次君    平工 喜市君
      細野三千雄君    水野 實郎君
      小林 運美君    関根 久藏君
      圖司 安正君    堀川 恭平君
      小川原政信君    重富  卓君
      田口助太郎君    野原 正勝君
      松野 頼三君    森 幸太郎君
      山村新治郎君    坪井 亀藏君
    的場金右衞衞門君    中村元治郎君
 出席國務大臣
        農 林 大 臣 平野 力三君
 出席政府委員
        農林政務次官  井上 良次君
        農林事務官   三堀 参郎君
    ―――――――――――――
七月十八日
 食料品配給公國法案(内閣提出)(第九號)及
 び油糧配給公國法案(内閣提出)(第一〇號)
の審査を本委員會に付託された。
七月二十五日
 農業會農業技術員設置費國庫補助増額に関する
 決議案(船田享二君外六名提出)(第六號)
の審査を本委員會に付託された。
七月二十六日
 肥料の配給是正に関する請願(庄司一郎君紹
 介)(第一一號)
 木炭の生産者價格引上に関する請願(庄司一郎
 君紹介)(第一二號)
 北海道開拓者の保護に関する請願(坂東幸太郎
 君紹介)(第一九號)
 霧島山麓に開拓研究所設置の請願(川越博君外
 一名紹介)(第二一號)
 茶業振興に関する請願(的場金右衞門君外一名
 紹介)(第三九號)
 昭和二十二年度産内需茶凍結解除の請願(的場
 金右衛門君紹介)第四二號)
 農村に報奨物資を無料配給の請願(飯田義茂君
 紹介)(第五〇號)
 山形縣農業會技術員の待遇改善費國庫補助の請
 願(金野定吉君外二名紹介)(第五五號)
 灌漑用水工事にセメント特配の請願(山本猛夫
 君紹介)(第五八號)
 建部山官有林拂下に関する請願(大石ヨシエ君
 紹介)(第六〇號)
の審査を本委員會に付託された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 食料品配給公國法案(内閣提出)(第九號)
 油糧配給公國法案(内閣提出)(第一〇號)
    ―――――――――――――
#2
○野溝委員長 會議を開きます。
 これより食料品配給公國法案、及び油糧配給公國法案の兩案を一括議題といたします。まず政府の説明を求めます。平野農林大臣
#3
○平野國務大臣 それでは食料品配給公國法案及び油糧配給公國法案につき、この際一括して提案の理由を御説明申し上げます。
 戰後のわが國の復興をはかるために基礎的物資の適正なる配給を實施し、その効率的利用をはかることがその前提條件であることは、ことさら申し上げるまでもないのであります。みそ、醤油、アミノ酸、カン詰、砂糖、乳製品等の食料品は重要な副食品として、調味料として、榮養補正食品として、あるいは乳幼児の主食として、米麥等の主食とともに、國民食物構成上の骨格をなす國民生活安定上の基礎物資であります。油脂原料、だいず、油脂、油粕等の油糧は、脂肪及び蛋白食糧といたしまして、國民食生活の確保及び改善の問題に直接のつながりを有し、民生安定上緊要不可快の物資であると同時に、工業用といたしまして、ほとんどすべての産業部門にその主原料あるいは副資材として需要せられ、その産業活動の死命を制する重要物資なのであります。これらの物資の配給適不適は、直接わが國の復興に甚大なる影響を與えることは申し上げるまでもないことでありますが、その適正圓滑な配給を確保いたしますためには、食料品につき食料品配給公國を、油糧につき油糧配給公國を設立いたしまして、一手買取り及び一手實渡しの方式による強力、確實な配給統制を實施する必要があるのであります。これが食料品配給公國法及び油糧配給公國法を提案いたしました理由であります。
 その組織、機能、運営その他の點につきましては、過ぐる第九十二囘帝國議會におきまして、石油、石炭その他の重要な基礎物資につき、協賛を得て設立せられました各種の配給公國にまつたく準ずるものでありますが、しからば食料品及び油糧につき、なぜかかる方式による統制を必要とするかという點につき、さらに具體的に御説明申し上げたいと存じます。
 第一に、これらの物資の需給事情が極端に逼迫いたしておりまして、しかもその需要の面における弾力性の乏しい物資でありまするところから、公正で確實な配給統制を實施する必要があることであります。すなわち、食料品について申し上げますと、みそ、醤油及びアミノ酸におきましては、主原料であるだいずの海外からの供給が極端に減少したこと及び薬品その他の副資材が非常に窮屈な事情にあることにより、砂糖につきましては、臺灣の喪失により、乳製品及びカン詰につきましては飼料及び原料資材のはなはだしき不足により、その供給が極端に逼迫してゐるのでありまして、例をみそ、醤油にとりますと、昨年度の配給實積い、全國平均一人一箇月あたりみそ九十三匁、醤油二合四勺でありまして、基準需要量みそ百二十五匁、醤油二合八勺に比べて憂慮にたえない次第でありまして、しかも近き將来において供給量の増大を望むことができない事情にあるのであります。すべてこれらの物資はわが國における食物構成上の重要な要素でありまして、かかる状況においてこれらの物資の配給が適正に行われないといたしますと、國民大衆の生活不安を惹起し、經濟再建をますます困難ならしめることはきわめて明瞭であります。
 油糧の需給事情について申し上げますと、わが國は従夾供給の七〇%ないし八〇%を外國に依存しておりました関係上、終戦以夾外國からの供給が閉塞に近い状態にありましたため、極端な逼迫を夾しました。すなわち、昨年度において食用及び工業用に配給したしました油脂は合計二萬六千トンにすず、平常の状態において考えられる油脂の需要量三十一萬五千トンに對し、わずかに八%にすぎない惨憺たるものがあつたのであります。なおだいずにつき申し上げますす、満州から輸入せられただいずが九十三萬トンに達した昭和十九年度に比べて、今年一月から六月までに輸入せられた實積は一萬トンでありまして、今後にわかにその需給関係が改善されるものとは申すことができません。しかもその需要の面はいかがと申しますと、大別いたしまして食用と工業用とにわかれるのでありますが、現下の食糧緊急事態におきまして、脂肪及び蛋白の占める役割の重要性につきましては縷説を要しないことであります。次に工業用に需要されるのはいかなる産業部門であるかと申しますと、みそ、醤油、人造バター、その他の食料品、石けん、ローソク繊維油劑、印刷インク、塗料その他ほとんどすべての産業活動に、多かれ少なかれ必要とされ、その用途が複雑多岐にわたるのであります。そかもそれらの部門の中には、油糧がなければたちまちにしてその生産が痲痺せざるを得ない部門が多く、民生安定及び産業復興に深刻な影響を與えることに相なるのであります。従つて、これらの物資についてはどうしても厳格強力な統制を行い、その配給の適正圓滑をはかる必要があるのであります。
 第二はこれらの食料品及び油糧につきましては、さらに一手買取り及び一手實渡しの方式による統制を必要とする事情がありますので、この點につき御説明申し上げたいと存じます。元夾一手買取り及び一手實渡しの統制方式とは、統制機関に當該物資の所有権を移轉させて行うところの、強力にして最も徹底した統制方式でありますが、そのねらいとすところを要約すれば、價格及び品質のプール操作を通じ、配給における計畫性を確實ならしめることにあるということができると思います。食料品及び油糧につきましては、戦時中はもちろんのこと、終戦後におきましても、この方式による統制を實施してきたのでありまして、今後においてもなおこの方式を繼續する必要があるものと考えています。その論據とするところを簡単にお話いたします。
 先ず、食料品について申し上げます。その一は、みそ、醤油等は、その生産業者がきわめて多数であり、全國各地に散在しておること、しかもその生産力が地域的に偏在しておるため、相當数量の移動を必要とする、實情にあり、又砂糖・カン詰・乳製品及びアミノ酸は、その生産地が偏在しております。これらの製品を全 各地の需要者に對し均一價格で配給するためには、保管料、運賃、容器その他の諸掛をプールすることが必要であります。その二は、計量配給の確保のための必要性でありますが、前述の通り、みそ、醤油等は四千ないし六千に上る多数の生産業者から、全國数萬に上る販賣業者の手を通じて、末端の家庭配給が實施せられるのでありますが、かりにこれを單なる切符制度で實施するときは荷さばきがはなはだしく複雑となり、現在の如き供給逼迫の事情下では、圓滑な配給を確保することが不可能に近いと言わざるを得ない次第であります。その三は、砂糖・カン詰・乳製品等その生産が時期的、地域的に制約を受ける物資につきましては、輸入の事情も考慮いたしますと、その配給が不定期的かつ間歇的になりますから、適切な配給を實施するためには、相當期間計畫的な貯蔵をしなければなりませんが、このような操作は一手買取り及び一手實渡し方式によつてのみ初めて圓滑に行うことができる譯であります。
 油糧につきましても同様の事情にある譯でありますが、その論據とするところをお話いたします。その一は、油脂原料の種類及び品質が種々雑多であり、また各種類の油脂原料に應じた専門工場があるため、異品質の原料の配分、調製を實施する必要があることであります。その二は、油脂原料につきましては、その産地と工場との結びつきが複雑であるから、原料を適正に配給し、かつ全國に散在する製油工場に對して同一條件で配給するためには、輸送費用をプールする必要があることであります。その三は、油脂原料の供給が季節的性質を有するので、これを工場の能力、製品の需要度に應じ、適時、適量配給するためには、一時原料をストックする必要があることであります。その四は、油脂についても、原料と同様その種類及び品質が複雑であるばかりでなく、同一種類の油脂でも種々雑多な用途があり、また同一用途にも多くの種類の油脂が用いられるので、その間の配分、調製が必要であり、さらにまた同一用途向けの油脂の價格を均一ならしめるための調整を必要とするのであります。その五は、油脂を消費者に對して、同一條件で供給するために價格をプールし、適期に配給するために一時貯蔵する必要があり、また油脂を保管し、輸送するためには、特別の施設、容器を必要とするのであります。
 以上申し述べましたごとき複雑な操作は、いわゆる切符制度だけでは十分これを賄うことが不可能でありまして、これを實施するためには、どうしても一手買取り及び一手實渡しの統制方式を採用する必要があるのであります。
 第三に、現在みそについては、全國味噌株式會社及び各都道府縣味噌株式會社、醤油については全國醤油株式會社及び各都道府縣醤油株式會社、アミノ酸については日本アミノ酸株式會社、砂糖については日本砂糖株式會社、カン詰については日本罐詰株式會社、乳製品については製酪業組合及び油糧については帝國油糧株式會社により、一手買取り及び一手實渡しの方式による統制を實施してきておるのであります。御承知のごとく、これらは戦時中の統制會社の延長なのでございますが、統制會社的機構による一手買取り及び一手實渡しが不可である理由、従いまして現在の一手買取り及び一手實渡機関は、これを解散いたし、新たに配給公國を設立いたさなければならぬ理由を御説明申し上げたいと存じます。
 御承知のごとく統制會社は國家總動員法に基く統制會社令による統制機構でありまして、いわば戦争の産物たる戦時機構であります。國家總動員法は昭和二十一年三月三十一日をもちまして廃止と相なり、これに基く統制會社令も同年九月三十日をもちまして失効いたした次第であります。戦時統制の機構が、戦後におきましてもそのままの形で存績することを許さたないのは當然のことでありますが、さればといつて、その後に來るべき統制機構につき十分な研究がなされておらなかつたところから、統制會社はおおむね商事會社に組織を變更いたしまして、そのうち、ときに一手買取り及び一手實渡しの方式による統制を實施すべき特別の事情にある物資につきましては、今日にいたるまで、従前の機能を行うことを許されてまいつたのであります。しかしながら、一手買取り及び一手實渡しというような獨占的機能を、政府機関でない企業體に擔當せしめることは、經濟の民主化との建前にも反し、また先般制定を見た私的獨占禁止及び公正取引の確保に関する法律の制定の趣旨にも副わないところでありまして、早急にこれが解決をなす必要がある次第でございます。
 さらに統制會社的機構による一手買取り及び一手實渡方式が不可である理由といたしましては、次の諸點を指摘できるのではないかと思います。その一はいわゆる營利性という點であります。資本と經營との分離が徹底し、かつ經營面に對する行政官廳の監督がいかに適正であり得たといたしましても、國民經濟全體の利益に奉仕すべき統制のための機構を、營利性をその本來の姿とする商事會社の形において運營してきたことは、方法論といたしまして適當であつたと申すわけにはまいりませんのみならず、統制なる公的機能を商事會社なる私的機構をかりて運營してきたために、いろいろな面で解決困難な矛盾を生じている次第であります。その二は資本構成及び株主の問題であります。統制會社の資本構成につきましては、その取扱物資の生産、販賣、消費その他関係事業の勢力関係を考慮し、能う限り、公正を期しておるのでありますが、要するに全額民間出資でありまして、窮極においてはきわめて限られた範圍の私的利益のバランスの上に立つているのであります。従いましてその弊害は次のように現われて参ります。すなわち統制會社の經營上の問題、特にその損益が直接間接株主の利害関係となつてくるところから、中立公正であるべき統制機構としての機能が、部分的利益を代表する意思により左右せられる可能性を有することであります。従つて國家の施策がときおりて株主層を包含する業界の利益と一致しない場合には、統制機構はその國家の施策の協力において十分積極的でなくなる可能性があることであります。その他公益的見地からなされる國家の施策が、統制會社の損失において實施せられなければならぬ場合においては、株主の反對を理由としてその實施が不可能になることも、さればといつて、株主の損失において公益的施策が行はれなければならぬこと自體も、ともに理論的に納得いきかねることでありまして、かかる場合の矛盾はまつたく救濟の方法がないわけであります。
 その三は會社の機関に関する問題であります。統制機構として統制の機能を行う會社が商事會社である関係上、會社内部の最高意思決定はすべて株主總會によりなされなければならない點も適當ではありません。またその執行機関たる取締役及び監査等いわゆる役員が株主總會において選任され、その監督を受けることも適當ではありません。これらの事情から生ずる弊害については、先ほど申し上げたところと重複いたしますから省略いたします。その四はさらに統制會社の運營の面の問題に入ります。統制會社は官廳それ自身でもない。さればといつて純然たる民間會社でもない。一種獨得の特權的存在であるところからする通弊をもつている點であります。これは多くの統制會社につき皆様の十分承知のところであります。またその職員はいわゆる民間人でありまして、多くの統制會社の例に見ますごとく、取扱物資の生産、加工、配給その他の関係業者の利益代表的な人物もかなり入り込んでいるわけでありますが、もちろんこれらの人たちの多くは、統制機構内の人としての自覺をもつて仕事をしておられるといたしましても、これらの人たちにより、その運營が部分的利益により動かされる可能性もあるのであります。もちろんすべての機構には當然それぞれの利害得失があるのでありまして、以上述べきしたところは、すべての統制會社の現實の運營においてそのまま妥當しているというわけではありませんが、従來の統制會社は右のごとき組織上の弱點を有していたことは事實であります。かかる組織上の欠陥を矯め、しかも一手買取り、一手實渡しなる經濟行為を實施する統制機構として考え出されたのが配給公國であります。
 以上は、食料品及び油糧の需給事情がきわめて逼迫しており、しかもこれらが民生安定及び經濟再建上の重要物資であるところから、その公正な配給をなすためにこれこの物資を強力な統制下におかなければならぬこと、次に、その統制方式は單なる切符制度だけではこれを賄うことがてきない事情にあるところから、いわゆる一手買取り及び一手實渡しの方式によらなければならないこと。さらにこの方式による統制を實施するための機構としては、責任の歸屬を明確に政府の手に移し、公的機能が私的利益により左右せられることなからしめるために、従來の統制會社的機構はこれを廃止し、新たに配給公國を設立いたさねばならぬゆえんについて御説明申し上げた次第であります。
 最後に食料品配給公國及び油糧配給公國の組織、機能、運營その他につきましては、先ほど申し述べましたことく石油、石炭等つき設けせれましたところの配給公國にまつたく準ずるものでありますが、その特殊なる事項についてはまた御審議の模様によつて御説明をいたしたいと存じます。
 これにて食料品配給公國法及び油糧配給公國法の提案理由の説明を終わりますが、何とぞ速やかに御審議の上決定あらんことを希望いたす次第であります。
#4
○野溝委員長 引続き質疑にはいります。
    〔委員長退席、清澤委員長代理著席〕
#5
○野溝委員 ちよつと政府にお尋ねいたします。食料品配給公國法竝びに油糧配給公國法提案の理由につきましては、ただいま大臣からの御説明によりまして大體了承することができました。この場合私は具體的に一、二の點をお伺いしてみたいと思います。それは近い機會に協同組合法が提案されることになつておるやに承わつております。協同組合法案の内容におきましては、知る限りにおきましては、ある程度の自治性を保たれておるわけでざいます。しかるにこの食料配給公國法竝びに油糧配給公國法の性格から見まするならば、非常なる強制力をもつておるのでございまして、大體自治性をもつておる協同組合法との間において、非常なる齟齬を來しはせぬかということを憂慮するものでございます。具體的に申し上げますならば、本公國法に基く業務のうち、食料品の部におきまして、食料品の保管、輸送加工及び検査をなし得ることになつております。協同組合の事業内容に起きましても、大體こういう内容があるのでございます。その場合において、一手買取りというような一つの綜合計畫的な性格の上にでき上つた本公國法と、いわゆる協同組合の運營とにあたつて、政府はこれをいかに調和しようと考えておられるか、その點をひとつお聽きしておきたいと思います。
#6
○平野國務大臣 この配給公國法によつて行いまする品目は、先刻御説明申し上げました通りに、はつきり品物が明確に分かれておるのであります。従いまして、この點については將來できる協同組合法において、協同組合が扱う品種とは品物においてはつきり區別されておりますから、御指摘のように混淆する心配はないと思います。それから配給公國法は生産面ではなく配給でありますので、これまた協同組合法と矛盾する理由はないと信じております。
#7
○野溝委員 大體内容的にはわかりましたけれども、今大臣の言われたのは、この法案は配給面を主に扱つておるのだからそれと混淆するきらいはない、こういうお話でございますが、協同組合の性格から言いますると、もちろん加工あるいは販賣、斡旋ということもしなければならぬと思います。なお物によりましては、配給方面も擔當しなければならぬような場合が起つてくると私は思うのでございます。また起るのが協同組合法のあれから見て正しいと思つております。たとえば、協同組合の中にも、従來の消費組合的な性格をもつものもありましよう。あるいは購買組合的な性格をもつものもありましよう。してみまするならば、必ずしも配給方面の仕事を擔當しないということは私は言えないと思うのであります。かような點について、當局が協同組合に配給方面の點は絶對扱わせないという御意思ならば、ただいまの大臣の答辨においても、いい悪いは別といたしましても了承できるのでございますが、協同組合に配給をさせるということになりますならば、私はこの配給公國法の性格と相容れない點が起つてきわせぬかということを憂慮するものであります。なお食料品の保管、輸送加工及び検査、この業務の内容でございますが、大體協同組合法におきましても、こうした保管、輸送等を事業としてやらなければならぬのですが、その場合食料品と油糧は協同組合いは絶對扱わせないのですかどうですか、その間の事情をひとつお伺いしておきたい。これは今後協同組合法を提案になつた場合、審議する上に重大なモーメントとなりますから、この點をひとつお伺いしておきたいと思います。
#8
○平野國務大臣 配給マル公法は先刻も申し上げましたように、この公國によつて一手買取り一手配給をする、こうなるので、この公國から配給されて來まする末端の方においては、御指摘のように協同組合がその品物を扱う。たとえば、肥料公國においてもきわめて明瞭でありますように、その末端においては、協同組合がその肥料を配給するということはあり得るのであります。ただ御指摘のように、協同組合がこの配給公國と競爭するするように、同一品物を扱うという心配は決してない。協同組合も末端においてこの配給公國の品物を取扱う場合もある。かように御解釋を願いたいと思います。
    〔清澤委員長代理退席、委員長著席〕
#9
○坪井委員 農林大臣にこの兩法案について、將來これを運營していく上に、はたして國民の期待する日常生活に必要なるこの基礎物資が、カロリーから見ましても、日本の現状から見て、私はいかに立派なこの法案ができても、配給量において絶對量が足りないということを想像しておりますが、大臣においては、もしかりにこれが通過したこれを實施するということになつた場合において、絶對量の見透しをどういうぐあいに、どういう計畫をもつて、どんなふうにやるか、こうした一つの強き統制によつて配給改善をやるというこの趣旨は結構だが、結局押えてしまつて手も足も出ない。現状よりもこの法律がつくられてから絶對量が減つてくる。そうした場合に、配給したくても物がないとなつたとき、この法案の趣旨と相反する。これらについて大臣は將來についてどういう見透しをもつておるか。いわゆる絶對量は、各品種別について何年後においてはどれくらいの數量にいくという目安とか、その計畫というものがなくてはならぬ。いやしくも配給機構を法律規則だけでつくつてしまつて、ないからしかたがないといつておるようなうちは國民は納得できない。この需給計畫というものが第一であつて、七分にいくか、八分にいくか、あるいはどれだけにいくか、計畫をもつて、現状はこうだけれども、この公國でいつたらどうなるか、これがなくてはならぬと思う。ややもすると、統制を強化するためにむしろやみに餘計流れる。外國から來るものだつたら數字がわかつておるからやみに流したくてもあまりながれぬが、國内需給においては、もしわるい感じをまたしては、いわゆる生産者があるものを全部供出せよといつても、ほとんど自家用とかそういう方面にまわつて、供出の一定數字が出てこないとなると大變だと思う。鹽ばかりでは結局醤油はできない。なんとしても小麥とかだいずがなければできない。こういう関連性をもつておるが、主要食糧との関連性について、主要食糧を割いてまでもこうしたものをやればできるかもしらんけれども、一方主要食糧に穴が開いてはなんにもならぬ。ただ基本だから必要だといつて統制だけをするということは考えなければならぬ。かかるがゆえに、前の石炭、石油といつたような重要なものについては國家の資金を全部使つていくということも結構と思うが、こうしたものについてはある一定のうまみを與える。いわゆる生産者即消費者という面から見ても、こうしたものはいわゆる半官半民といつたような、場合によつては民間の資金をいれるということにしてはどうだということも、私は考えております。それについては資金などの點から見ましても、この油糧については一千萬圓の資本金、あるいは食料品の配給については四千萬圓、はたしてこれが今の現状から見ていけるかいけぬか。こういう重要な食糧を扱う上において、こうした一千萬圓や四千萬圓ので運營がついていくかいけないかということについても、十二分に検討がつけられていなければならぬ。おそらく安本や大藏省からは、金はこれだけしか出ないのだ。必要があつたらその他の團體あるいはその他の機関から融資するというけれども、これはおそらく手のつかぬ問題ではないか。これらについてもどういうふうに計畫が立てられておるか。あるいは資金面はどうだ。今の日本の經濟面に、おいては、はたしてどうだ。G・H・Qとも連絡がついておるかということについて、これは大きな問題だと思う。それらの運營上から見ても、私は半分くらいは民間の資金を入れていく。また今までの官公吏をすべて採用するということにないておりまするが、ややもするとこれが官僚統制の幣に流されるということがあつて、もしこのやり方が悪かつたということになれば一つのそしりを招く。従つてなるべく民間人もこの方面において、經験のある者をどしどし採用していくということにしたらよいではないか。先般この趣旨の説明を聽いたときに、これはほとんど官公吏に限るような役職員になつておりますが、民間人も採用いたしまして、そうして眞に國民の消費者、なおまた生産者が一體となつて、この足らざるところの、主食に次ぐこうした方面の食糧をどうして緩和するか。この點が一番大きなこの法案を審議する上の目標と考えます。最後の點はともかくとして、こうした方面について相當これを、ただ困つたから實施するということだけでなく、これをやはりどれだけ増産ができるか。どけだけ必要な數字までもつていけるかという方向について、ひとつ確たる大臣の所見を承りたいと思ひます。これだけまずもつて申し上げておきたいと思います。
 なおまた先ほど協同組合の話もありましたが、今後おそらく生活協同組合法案というものも出るのではないかと想像されております。しかしこれらの問題とも相剋摩擦を來すというようなことになつてはどうかと考えております。こういう點の関連性につきましては、協同組合と同じ性質のものだと私は考えておりますので、まだ出てみなければわからぬが、將來そうした傾向がありますので、その點をお伺いしたいと思います。要はもちろん少ないから統制を行うのだ。これは當然だと思いますますども、やつたがためになお現状より足りなくなつた、一般國民に配給される量が減つてきたということでは、遺憾である。絶對量をいかにして確保するかということが一番重點になりますので、これらの見透しを十二分に御発表願つて、これでいけば大體現状よりよくなるということについての、御説明を願いたいと思います。
#10
○平野國務大臣 まことにごもつともなる御質問でありますが、この公國法を採用したからというて、すぐ物が増産になる。そうは考えられないのであります。その點は御指摘の通り、この公國法によつてすぐ増産面がここに明確に説明できないということは、單にこの法案を離れて、われわれといたしましても、現在非常に重要と考えております。ただ御了解を得たいと思うことは、この公國法は、生産面のことはとにかくしばらく別といたしましても、現在生産されておるものが、大體公平に配給せられる。こういう面において、従来の配給機構においては不十分であるがために、少なくても國民のかような必需物資は、きわめて公平に配給される點からいけば、現段階において公國法が一番よいのである。かように信じましてやつておるのでありますから、この點は御了解願いたいと思います。ただし法案とは多少それることになりまするが、御指摘のようにみそ、醤油、アミノ酸、砂糖、カン詰、乳製品というようなものが、現在いかなる需給関係にあるか。こういう點についての數字については、ひとつ次囘の適當な機會において明確に申し上げたいと思う。今私といたしましては、手もとにこの需給の數字を持つておりませんが、これは非常に重要なことでありますから、申し上げたいと思います。しかし大體におきましては、過般食糧緊急對策において発表しましたその中に、これらの物資の配給方法も出しておるのでありますから、大體は御了承願えると思います。この委員會における特に御指摘の御質問でありまするから、これはこの委員會の中途において、明確に申し上げたいと思います。
 それからこの公國法の役員の問題でありまするが、従來の官吏のようなもののみを採用するのではないかという御指摘でありすが、決してそういうことではありません。これは、これらの品物を扱う上において、最も専門的な機能を有する適當な人を採用することができるのでありまするから、そういう點については、私としては十分考えてみたいと思います。
 それから第三の協同組合と衝突をしないかという點は、先刻野溝君に御説明をいたしたと同様でありまして、決して協同組合法とこの公國法が衝突をして、品物の奪い合いをするというようなことはないと信じます。
#11
○坪井委員 もう一點お願いいたしたいことは、帝國油糧株式會社、あるいはアミノ酸株式會社、罐詰株式會社、日本砂糖株式會社、その他の地方統制會社とか、あるいは食料品配給統制會社というものは、同時に解散する。これを解散したために、來るべきこれらに對する補償制度というか、あるいはまた影響について、政府はどんなぐあいに考えておるか。これらの點についてなおお伺いしたしたいと思います。
#12
○三堀政府委員 地方の醤油なりみそなりの統制會社は、地方の各メーカーが集まつての會社なんでありまして、そのメーカーはそれぞれ生産者としての仕事は今後も引続き続けてゆくわけであります。そうしてその統制會社は今囘それぞれ公國の支所と申しますか、支部と申しますか、そういうかつこうで新しく業務は再發足するわけでありまして、その間における營業權の関係等は生じないものと考えております。
#13
○坪井委員 さつき大臣は資金関係の答辨を落しました。
#14
○三堀政府委員 資金関係の點について御質問がございましたが、大體食料品関係の四千萬圓、それから油糧関係の一千萬圓と申しますのは、ほんとうの資本金でありまして、それ以外の運轉資金につきましては、もちろんこれらの出資によつて賄うつもりはもつておりません。もちろん食糧公國の年間取扱い方は、現在の丸公竝びにその生産高から考えますと、大對八十億見當と押えております。これらに要する資金は十七億、油糧関係が二十二億でそれに要する資金が五億、こういう見當に押えておりまして、これは法案にもうたつてありますように、大體復金の方から入手して賄つてゆくつもりであります。
#15
○坪井委員 民間にこの出資に對して半額をもたせる意思はないかということを、さつき質問したが、これに對してはどうですか。
#16
○三堀政府委員 その點は大臣から提案理由の説明の際にも詳しくお話がありました通り、要するに公國方式による統制は、私的獨占の禁止という線に沿つての統制をするのでありまして、民間に出資をさせるということになりますと、戰時中からから戰後最近まで引續き行われておりました、いわゆる食糧營國とかあるいは統制會社の方式を變えなければなりませんから、そういう方式を變えまして、今囘の公國という政府の代行機関による形式をとつたということであります。さようご了承を願いたいと思います。
#17
○佐竹(新)委員 お尋ねいたします。大體坪井委員からお尋ねになりました各統制會社を公國にして、そうして新たに協同組合というものから出發いたしましてやるということになるのでありますが、それだけの資材を農林省でははたしてもち合わせになつたものであるかどうか。噂に聞きますと資材を農林省に――あるいはアミノ酸ならアミノ酸の工場を擴張しなければならないというようなときに、資材を要求しましても、なかなか資材が農林省に割當のものが整つていないというようなことを聞くのでありますが、やはり末端のそれだけの一つの線をそろえていくということになれば、資材を確保しなければいけないのでありますが、農林省の方ではそれだけの資材が十分手にはいつておるかどうか、こういう點をお尋ねいたします。
#18
○三堀政府委員 ちよつとその質問の御趣旨がよくわからないのでありますが、今囘の公國の内容になつております各食料品をつくるに必要な原材料という意味になりますと、先ほど大臣からお話がございましたように、公國ができたからといつて、現在國民の主食を賄うに十分な原材料があるというわけではもちろんないのでありまして、公國ができたからと申しましても、すぐに各生産者に對して十分の原材料をもたすわけにはもちろんまいりません。ただみそ、醤油その他のこの問題になつておりますこれらの食料品は、非常に國民の食糧としまして重要なものでございます。現在の主食は非常に苦しい状態でございますけれども、その間においてできるだけのことは考える。特に現在食糧危機對策といたしましても考えておるわけなのでありまして、そういう程度にはもちろん考えますけれども、公國ができたからといつて、ただちにそれに伴なつて原材料の供給が非常に楽になるということにはまいらぬと思つております。
#19
○野溝委員長 質疑の發言をこちらへ通告しておいていただきたいと思います。
#20
○清澤委員 農林大臣にお伺いしますが、この法案を見ますと三十一條には、「この法律は昭和二十三年四月一日又は經濟安定本部廃止の時の何れか早い時にその効力を失う。」こういうふうになつておりまするが、この法律が効力を失つたときはこの公國はどういうふうになるのでございましようか。これがもし法律の効力を失つたときに、この公國が終りを告げるということになりますれば、ほとんどこれからこれを實施して公國に引移されたそのあとで、仕事をしないうちに解散になるというので、わざわざこの法律をもつてこういう公國をつくるといことがいらないのではないかと考えます點が一つ。それからいま一つは、どうもこの兩公國とも見ますると、今までの統制會社をただ公國に肩代りした。しかも獨占禁止法により、表をごまかすためにただ公國法という法律をつくつて、内實は何ら變りないが、それぞれをそつくり變えていくのではないかという見方が非常に強くあるのでありまして、殊に油糧問題のごとき、油糧公國の中の帝國油糧とこの公國との関係のごときは、ほとんど帝國油糧株式會社の肩代りが公國となる、こういうようなふうに見ておりますし、食料品の方はいろいろのことが言われておりまするが、この別表に掲げられた各統制會社がこれに肩代りせられるのではないかというふうに見えておるのでありますが、これらの點がどうなるか、これを一つお伺いしたいのであります。
 それからこの公國の中の役員は、すべて政府がこれをそのまま指名し、そうしてその役員は農林大臣の説明であるますと、練達堪能の事業者をあてるべきこととこう言われますが、それがいずれも官廳の一級官、二級官、三級官の職員と同じ待遇を受けて、一つの役人の形をとることになりまして、われわれが、この戰争以來統制會社ができまして、一般配給を受ける私どもとして一番不快に思つているのは、統制會社ができてから商人がすべて役人より悪くなつてきた。こういう感じを受けておるのでありまして、少なくともこの統制の方法れが變りをするならば、その役人より悪くなつた者が、よくなる方法を何か講ぜられなければならないはずのものが、また法律をもつて役人に匹敵するものができ上るということになると、だんだんそういう面が強化されることと、いま一つは今まで統制會社それ自身がやつておりますることは、一體どれくらいの原料をもつていて、どれくらいの程度の品物ができるのであるかということは、あらかじめわかつておるのでありまして、どれだけの鹽とどけだけの豆とどれだけのこうじとを與えたなら、これだけの濃度のみそができるということが初めからわかつているのであるが、配給せられるものはほとんど食うにたえないみそが配給せられたというようなことで、非常に困つておるのでありますが、そういう點がこの公國の中に少しも民衆とのつながりがついておらない。こういうふうに私は見るのであるまするが、それらの點はどういうふうにしてやつていかれるのか、以上三點をお伺いしたいと思います。
#21
○平野國務大臣 第三十一條の御指摘でありまするが、これは法律でありますから、こういう文章になつておるのですが、平たく申しますならば、經濟安定本部が存續する期限の間、この配給公國は存續する。従つて現在なお日本の經濟状態を見まして、安定本部も相當期限の間必要である。こういう見解のもとに公國も相當その線に沿つて長く續く、かように現在解釋いたしておるのであります。それから廢止した場合にはどうなるかという點でありますが、廢止いたします場合におきましては、もちろん事前において相當考えまして、廢止したからと言つて、混亂に陥るよんなことのないようにやれると思います。同時にこれを廢止いたしまするような日本の經濟の場合におきましては、もはや生産面において、相當國民なかような窮屈なる配給方法をとらなくても大丈夫である。こういう經濟状態になつたときに廢止せられるのであるから、むしろ廢止によつてそのときの經濟が混亂をする理由は毛頭ないかのように考えておるのであります。ただ法律面でありますから、經濟安定本部の廢止のときこれが廢止になる。こういうような形になつておるので、この點は御了解願いたいと思います。
 それから御指摘になりました統制會社と何ら變りがないのではないかという點でありまするが、これは先刻提案理由の場合にも申し上げましたように、今囘の公國は従來の統制會社であるとか、あるいは營國というような半官半民的な、いわゆる株主をもつていたりしたような制度ではなくて、まつたく國でやる、公國という名のもとにおいて政府みずからが配給の任に當る。言いかえますならば國營方式なのであります。従つてこの點は、かような制度が理論的によいか悪いかという議論になりますならばいろいろ反對の議論もありましようが、われわれといたしましては、國家みずからがかようなみそ、醤油というような重要物資は國の手において配給する。こういう建前になつておるのでありますから、横流れであるとかあるいはやみであるとか、こういうものはないように嚴重にやられる。こういう信念のもとにこの公國でやつていくわけであります。
 それから最後に御指摘になりました點は先刻の坪井君からの御質問と同じであつて、この公國の中には、これによつてみそがどれだけできるか、醤油がどれだけ潤澤によるかということがないではないかということですが、それはその通りであります。それは配給面のことだけを規定した法律であつて、この法律には生産面のことは觸れておらないのであります。従つて先刻申し上げたように将來みそがどうなり、醤油がどうなり、砂糖がどうなる。こういう點に関しましては、無論みそに関しましては現在相當大量的なるだいずの輸入計畫を立案し、砂糖に関しましても、臺灣方面からの輸入を相當懇請し、いろいろ政府といたしましては、これらの生産面については、この法律とは別個に相當な手を打つておるのでありまするから、この供給面に関しましては適當の機會にこの委員會において御報告をいたしたいと思つております。生産関係については、この法律によつてすぐみそがどれだけできる。これだけが餘計配給できるという面のないことは、法律の建前上一つご了承願いたいと思います。
#22
○清澤委員 ただいまの御答辨でいくらかわかりましたが、この法律案の三十一條には「この法律は昭和二十三年四月一日又は經濟安定本部廢止の時の何か早い時にその効力を失う。」とあります。そうすると、經濟安定本部が廢止にならないでも、昭和二十三年の四月一日になれば、廢止になるのではないかと考えまするが、今の大臣のお話でありますると、この昭和二十三年四月一日という文字はいらないことになりはしないかと考えますることが一つ。今一つは、大臣は加工の面にはこの公國は関係しない、こう仰せられておりまするけれども、十五條の一項二號には一食料品の保管、輸送、加工及び検査」となつておりまして、その次の三號には「食料品の販賣業者の指定」となつておりますので、配給面がかえつて従で、保管、輸送、加工が二番目に置かれておるというふうに私は見ておるのであります。ただいま私のお聽きしましたのは増産の面ではない、もし加工を取扱うとすればね實際加工を取扱う公國である限りにおいて、従來の統制會社がいろいろ悪いこと――悪いととう言葉は遠慮しなければなりませんけれども品質をごまかすというようなことをやつた者、それらのものをどうするか。そういうような點でのこの公國にしたならば、なおお役所かぜを吹かしてかてつて悪くなるのではないか、そういう點に對してはどういう手をうつお考えであるのか、こう御質問したのであります。さつきの私のお伺いしましたのは、その點を強くお伺いしておこうと思つた次第であるます。
#23
○平野國務大臣 三十一條の二十三年四月一日、これは當然延期の法律を出すわけでありますので、一應法律としてはこう書いておかなければならないのであります。第十五條も同じことでありますが、生産と加工ということを清澤君は同一にお考えになつておるように思うのでありますが、先刻私が申し上げましたのは、みそなり醤油を生産する生産面というものはこの法律には関係がない。しかしその製品にある程度の加工をして貯蔵するというような場合はこの公國が行うというのでありまして、この點は生産面と配給面との區別をはつきり一つ御了承願いたいと思います。
#24
○清澤委員 次にお伺いしたいのは、油糧公國の方でありますが、細かい話になりますが、主務大臣の認可がありましたり、あるいは經濟安定本部長官の認可があつたり、あるいはある場所においては、十九條のごときは、經濟安定本部長官の認可を求めるということになつておりましたり、またそのあとの方には主務大臣と安本長官の認可を得るというように、非常に權限が複雑化しておりますが、これはどういうわけでありますか、どうして複雑多岐な取締りをしなければならないのであるかという點を一つお伺いしておきたいと思ひます。
#25
○平野國務大臣 先刻來申し上げておりますように、この機構は大體國家機構、國が配給の任に當る、こういう建前をもつておりますので、やはりこれも定款等については農林大臣及び經濟安定本部長官の認可を受けてこれを變更できる。かように考えておるのでありますが、その點かように御了承願います。
#26
○重富委員 ただいま大臣から、四月一日と法律上こうしなければならないと言われたのでありますが、どういうわけでそうしなければならないのか、當然延ばすものをなぜそういうふうにするものかということを聽きたい。また加工ということは、いわゆる生産という意味のことは含んでいない。簡單な手入れという意味を含んでおる。手入れという意味であるということでありますが、たとえばみそ、醤油などにかびがきたというときには、ここにあえて加工という言葉を使わないでもよいのではないか。加工ということはそんな細かい意味ではなく、もつと廣い意味があると思います。普通農産加工という言葉では生産という意味のものまでも含んでおるかと思います。でありますから、もし手入れという意味だつたら、加工ということはおよそ意味をなさないのではないかと思いますが、その點をお伺いいたします。
#27
○三堀政府委員 ただいまの二つの御質問でありますが、第一の四月一日の問題でありますが、これはさきに出ました、石油なり、石炭なりと全然歩調を一にしておるのでありまして、結局經濟安定本部ができました場合もそうでありましたように、要するに一應現在の經濟状態を一年ということに限りまして、經濟安定本部も御承知の通りその存續期間を一應一年ということにいたしておるわけであります。しかし經濟安定本部は一年で廢止になるということは、現在の情勢から想像できないのであります。そういうわけで現在出ますところのいろいろの統制法令は、すべて一應經濟安定本部ができましたときに考えました一年。つまり來年四月一日に一應の終止符を打つたわけなのでありまして、經濟状態が變らない限りはさらにこれを再延長するという話合いになつておるのでありまして、これは政府の方とも打合せました結果そういうことになつておるのであります。御了承願います。
 それから加工の點でありますが、加工の點は生産を含まない加工であるということは大臣もお話申し上げた通りなのでありまして、要するに例を上げてみますと、たとえば砂糖で申しますと、砂糖が悪くなり、倉庫に入れておきますと例のにごというものが出るのであります。そのにごからは黒砂糖をつくる、黒砂糖をつくらなければ全然使いものにならないという意味の加工なのでありまして、保存上、あるいはいわゆる配給をするために必要な最小限度の加工、こういう意味であります。御了承願います。
#28
○重富委員 では今の加工ということは、保存上ということと、配給上に特に必要な場合という意味ですか。
#29
○野溝委員長 平工委員。
#30
○平工委員 私は末端のことについてお伺いいたします、どなたからでもお答えいただけばいいと思います。岐阜縣現知事の暴露になりますけれども、知事選擧のときに食糧營國が大きな活躍をしておる。そうして前食糧營國の理事長という関係で立候補いたしますし、それが酒屋の方の酒造組合にも関係があり、營國と酒の製造とはたいへん近い親類である。それから肥料の方の統制機構も、昔からほとんど一、二の人がやつてきたように思います。おまけに甘藷統制會社の方も弱い関係があるらしいようだと思つております。そういう過去の、戰時中の營國、統制會社等の幹部を、今度できる肥料公國等の末梢機構に食いこませないようにするには、どういうふうにされるか。過去の統制會等の人は全然関係をもたせぬようなくふうは、どうさせるかということをお尋ねしたいと思います。
#31
○平野國務大臣 御指摘の點はごもつともだと思うのです。今度できる公國が従來の營國その他のように、従來の統制の缺陥を同じようにもちこんではいかぬのではないかという御趣旨と了承するのであります。そこでお答えいたしますが、私といたしましては、この公國ができたからというて、今すぐ非常に適當な人ばかりが、この公國の役員になるということは、實際問題としては固難である。かように卒直に申さざるを得ないと思うのであります。しかしこの公國が、先刻來申し上げておりますように、非常に國家性をもつたところの配給機構である。従來の株主とか、半官半民とか、こういうものできておるところの機関ではないのであります。主管大臣としては配給面においても最も公正な、しかも公共性をもつた人物を將來網羅いたしまして、この公國の趣旨を徹底するように、單に食糧及び油糧のみならず、肥料公國等についても、かような配慮をもつていきたいと思つておりますから、この點御了承の上御協力を願いたいと思います。
#32
○平工委員 重ねて申し上げますが、現在業者等がいろいろ集つて、料理屋等で畫策しておつて、肥料公國の末梢機関を掌るために準備をいたしております。ずつと前食糧營國のできるときも、みんな料理屋で準備會をもつた連中が、そつくり食糧營國の役員になつてしまいました。今度もそういう集團がある。われわれが相談する一箇月も前から、組織の準備會をもつてやつておる連中には、関與させぬように御留意を願いたいと思います。
#33
○平野國務大臣 御指摘のような點は、具體的事實についてよく検討を加えまして、萬遺憾なきようやるようにいたします。
#34
○野溝委員長 細野委員。
#35
○細野委員 前に坪井委員竝びに清澤委員から大體お尋ねになりましたけれども、公國に對しまして一番強い反對論があり、またわれわれが一番危惧いたしますことは、この事業が官僚化しないかということであります。この點につきましていろいろなくふうがなされておるようであります。たとえば役職員はすべて民間人から採用することも考えられておるようでありますが、九十二議會のときに貿易公國等の公國法ができましたときに、附帶決議によつてこの運營を民主化することのために、運營委員會をつくつたらどうかということが決定せられたはずであります。政府はこの二つの今度の公國につきまして、その運營の民主化ということのために、かような機関を設けるお考えがあるかどうか、それをまず第一にお伺いいたします。
#36
○平野國務大臣 私もこの公國ができて官僚化しないかというような危惧の點については十分考えた一人であります。しかし繰返して申し上げております通りに、かような國家性をもつた重要物資を扱うには、やはり國家性をもつた配給機構という思想において行うことが正しい。かように考えてこの結論に賛成をいたしておるのでありますが、これが官僚化すかしないかというような問題については、これからこれに従事する人の問題と、われわれの運用のいかんにあるのでありますから、いわゆる通俗的にいう人民をむやみに輕蔑したり、ただ機構がいたずらに機構倒れに終るというような官僚化は十分避けていけると思うのであります。従つて運營委員會のようなものをつくつて、これらの公國の運營についてさらにいろいろ御協議を願うということについては、もとより反對するものではないのであります。従つて適當なる方法がありますれば、そういう點についても十分考えていきたいと思いますが、今これらについてすぐ賛成という御返事をいたすわけにもまいらぬのであります。
#37
○細野委員 お答えによりまして大體わかりましたけれども、なるほど民間人を役職員に採用するということも、それは一つのよい方法でありましよう。しかしながら民間人を採用しましたからといつて、必ずしも私は公國の官僚化ということが防がれるとは思わぬのでありまして、民間人でありましても、今の官僚機構の中にはいりますと、どうしても、特に末端の方にいきまして、いろいろ前にも指摘されましたようなことが行われるような弊害があると思うのであります。その點からいたしまして、この公國の一番中心になりまする總裁の人選についていかような考えをもつておられるか、この規約によりますと、總裁は大體農林次官と同級また同格の人であります。なおこの公國の役職員は、すべて同種の業務には就職できないというような規定があり、なおさつき清澤委員の指摘されましたように、公國の存續期間が一應條文の上で來年の四月末というようなことになつておつて、任期が短かいというようなことになりますと、なかなかいい人が得られないのであります。私は、總裁の人選について農林大臣はどんなような方法によつて人選をされるお考えであるか、それを第二點としてお伺いいたします。
#38
○平野國務大臣 民間人を採用すれば必ず民主化すというような公式的にのみにはとらわれておりません。言いかえれば適當なる人ということになるのであります。そこで總裁の問題でありますが、これは次官と同格という意味は、農林大臣の監督下にあるのでありまして、しかも非常に重要なる機関であるから、そのレベルの上においてかような表現をいたしておるのであります。具體的にどういう團體からこの總裁をとるかということをここで申し上げることはできません。しかし抽象的に申し上げますならば、やはりこれらの業について相當精通した人のうち、しかも國家性をもつた適當なる、明るい人物、かような人を選考いたしたいと考えております。
#39
○細野委員 さつきから配給公國でありますから、生産のことには関係ないという御答辯であります。しかしながら私はほんとうに圓滑な配給統制をやりますには、ぜひとも生産の面においての統制も竝び行われなければならぬと考える。従つてこの生産統制に對して、政府はどういうお考えをもつておられるかということを、第一にお尋ねしたいのであります。
 次にお尋ねしたいことは、配給は公正に、圓滑にやるという趣旨でありましようが、私は食料品は、物によつては國民に必ずしも全部均分に配給するということが、決して妥當でないようなものもあると思う。たとえばみそなどは、農家の消費量が非常に多いのでありますが、こういうふうに特に消費量、需要の多いものに對する配給は、あるいは加配するというようなことを考えておられるのかどうか。それを第二にお尋ねしたい。
#40
○平野國務大臣 この際生産面について、特にこの法案と並立して統制方針というものは現在もつておりません。ただ最も苦心をいたしておりますのは、特にみそ、醤油についての原料をどうするか。これはもう非常に苦心をいたしておるのでありまして、みそについては先刻申し上げた通りに、現在日本のいわゆる主食の中から、みそ、醤油の方へ多くまわすということになると、主食が足りない。しかしまた全然主食の方へみそ、醤油の原料をとられてしまえば、みそ、醤油の生産ができない。こういう板挾にありますので、どの邊の線でいくのが一番みそ、醤油と主食の線においてよいかということは、食糧管理局においても非常に苦心をいたしておるところでありますので、この點は御了解願いたい。一方われわれといたしましては、このみそ、醤油の原料となるべきだいずの輸入、あるいはコプラの輸入というような點については、これはそれぞれの係の局長が司令部に對しまして、熱心に現在輸入の懇請をいたしておるのであるまして、これがさいわいに成功をいたしますならば、相當に効果をあげることができる。なおまたみそ、醤油に関しましては、芋を相當原料といたしまして、みそをつくり、醤油をつくる事というようなことにも著目をいたしまして芋を原料とするみそ、醤油の増産というようなことを考えておるのであります。砂糖、カン詰、乳製品等についても、それぞれ生産面についての特別の考慮を拂つておるのでありますが、繰返して申しますと、この委員會と適當な機會において、それらの現在の生産目標、また生産に関する現況については、適當に報告をいたしたい、かように思つております。
#41
○三堀政府委員 なおもう一つ配給の面についてお尋ねがございました。こまかな點でありますから、私からお答え申し上げたいと思いますが、現在御存じの通りみそ、醤油につきましては、配給基準量を全國的に區分いたしております。過去の食習慣を尊重いたしまして、みそを比較的多量に需給する地方、東北であるとか関東であるとかに對しては、みそを多く割當をし、そのかわり醤油を減らす。関西のように従來比較的醤油を多く使つておる所は、醤油を多くしてみそを少くするというように、基準量の割當を地方地方によつてたがえておりまして、それによつて大體各地の食事情に應ずるような方法をとつております。ただ最近まで原料事情が非常に悪いので、遲配が相當月數重ねておりまして、その點は申し譯ないと思つております。もう一つ、農村に對して特別な、方法というお話もございましたけれども、農村につきましては、現在のところでは、自家釀造の制度があるわけでございます。この自家釀造の制度は、鹽を特別に配給いたしまして、その他の原料については大體手持ちのものをもつてみそ、醤油を自家釀造する。自家釀造ということになりますと、大體今申しました基準量に對して三割あるいは四割程度多い配給ではありませんが、配給を受けられる消費ができるということになつております。
#42
○細野委員 今の御答辯でありますが、ちよつと滿足いたしかねるのは、東北地方の單作地帯の状況であります。これを頭に入れていただかなければならぬ。單作地帯は自家釀造をしたいと思いましても、御存じでもありましようけれども、ひどい所では、りつぱな水田こそある。耕地整理もできて見透す限り一面の美田があります。しかし畑が全然ないのであります。米作縣である秋田縣の中でも、特に一番供出量も餘計に出しておる仙北郡の高梨村という所でありますが、これは全然畑がないのであります。農家は豆を買うために、今非常に苦しんでおる。豆を手に入れるために非常に苦しんでおる。こういうような所がありますので、農家必ずしもすべて自家釀造ができるというような考え方、認識を改めていただきたいのであります。これは希望であります。
 次にお尋ねしたいのは、この公國の經營の方法でありますが、これの役職員の給料は政府から出る。結局あとの經費を自給自足する形になるのでありましようが、それは手數料という形でとられるのでありましよう。そうなると、なおこれが役職員ということになりますと、どうしても今までの統制會社の場合よりも、使いまする役職員の人數というものは殖えると思う。そういう點でどうしても經費が増大するに違いないと思うのであります。従つてそれを賄つていく上におきまして、それは俸給は政府から出るでありましようが、いきおいその他の經費も殖えてくるに違いない。従つて配給する場合の價格が、今までよりも相當上つてきはせぬかということを憂慮するものでありますが、その點はどういうことになつておりましようか。ちよつとお尋ねする次第であります。
#43
○平野國務大臣 この公國の係は、すべて役人であります。それから人數が殖えやしないかという御説でありますが、現在六つの統制機関を一つの公國にするのでありますから、人數は相當量減る見込みであります。それからこれはこのことに関することばかりではありませんが、こういう重要な業務に従事する者についての待遇は、相當に公正することは當然でありますので、經費の點は要る部分については十分補いますが、しかしむだなことについては、公國の性質上ほとんど要らないということになりますから、經費の點も相當合理的に進展することができると思いまして、御心配の點はさようでないようにいたしたいと思います。
    ―――――――――――――
#44
○野溝委員長 この際東北地方の水害について、緊急質問の申込みがありました。これを許したいと思いますが、いかが取計いますか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#45
○野溝委員長 田中健吉君。
#46
○田中(健)委員 過般の東北地方の水害に関しまして、政府に對して緊急質問をいたしたいと思います。まず第一に東北地方の水害の全般的状況につきまして、後日文書をもつてなるべく早い時間において、本委員會に對して御報告をお願いいたしたいと思います。同時に政府としていかなる緊急對策をとつておるか。今後いかなるところの對策をとられるや、これが第二點であります。第三點は、當然本年度産米の供出にあたりまして、考慮が拂われなければならないと思いまするけれども、これに對して政府はいかなるところの考慮を拂われるかという點であります。第四點は本委員會の委員長に對するお尋ねでありますが、委員會として現地に早急に調査團を派遣することが必要ぢやないかと思います。委員長はこれに對して、どういうお考えをもつておられるのかお尋ねいたしたいと思います。さらに緊急の問題は、水害のために保有しておつたところの飯米などを水浸しにしたり、失つておる者もあるような報告を私は受けております。これに對して緊急飯米を政府が放出するようなお考えがあるのかどうか。それから復舊資材などの問題でありますが、たくさんの橋梁が流れ、あるいはまた堤防などが決壊いたしておるそうであります。これに對して復舊資材を早急に配給しなければならないとおもいますが、これらの五つの點について簡單にお尋ね申し上げます。
#47
○平野國務大臣 東北の水害が大規模なもので、非常に重大であるということはよく知つております。従いましてこれに對する救濟方法はきわめて眞劔なる態度をもつて臨まなければならないと考えておるのであります。ただ現在まで到達いたしておる報告におきましては、その段別、また被害の戸數、状況等について、きわめて正確なる數字がまだわかつておりませんので、至急その數字を得まして、その上で私といたしましては、閣議にかけてその救濟方法を實現いたしたいと思つております。御指摘のように當面の緊急なる食糧の援助、これもあるいは必要かと思います。同時に救濟に関するところの豫算、この豫算も相當に計上しなければならないと思います。それから豫算に伴いますところの復舊の資材、これも相當に計上しなければならないと存じます。従いまして當面の食糧及び豫算、資材、これらにつきましては、本委員會の皆さんとも相談いたしまして、原案を作成いてしましたならば、直ちに農林大臣として閣議に持出しまして、閣議の了承を得て速やかに救濟の方法を考えたい。なおこの被害によるところの橋梁に関する問題は、これは現在論ずることは時期尚早であると考えますので、追つて時期を見まして御相談を申し上げたいと思います。
#48
○野溝委員長 なお私に對する質問ですが、調査團派遣に関して委員長はいかに考えるか、かような御意見に思います。これは後刻委員會が終つた後懇談會を開きまして、その結果ご趣旨に副うべく努力したいとかように思つております。
 関連質問について山村さんに許します。
#49
○山村委員 ただいま東北の水害の問題が取上げられましたが、まことに御同情にたえないものがございます。だが最近は東北のみならず、あるいは和歌山におきましても、到るところにおきまして水害があると、非常に慘憺たる被害を及ぼすようでございますが、これのよつて來る原因は、山を濫伐するところに原因があるようでございます。しかも山の國家管理が近く行われるぢやないかというような流言飛語が大分出ておるようでございまして、山の所有主がいたずらにおびえまして、山を伐ることを急ぐというような傾向が、山を濫伐させることになると私は考えるのでございますが、政府におきましては山林につきまして國家管理、あるいはまた新しい山林開拓法などについての、何か法案を提出される用意があるかないか。ないといたしましたならば、安心して山の持主に殖林なり、森林の保存について一段と愛林精神をもちまして努力するような、安心をさせる意味の言葉を、この議場を通じまして発表していただきたいと存じます。
#50
○野溝委員長 圖司委員。
#51
○圖司委員 東北地方の水害がきわめて慘憺たる状況にありますことは、田中委員の申された通りであります。私山形縣でありますが、わずか二日間にわたる雨量、その雨量は昭和十九年の水害當時に比較いたしましたならば、はるかに少ないものであつたと言われておりますが、それでもなおかつ水害の廣範圍にわたる面積竝びにその慘憺たる被害状況に至りましては、昭和十九年以上のものがあると言われておるのであります。これは今山村委員が指摘しましたように、戰争中における山林の濫伐、治山治水事業の等閑に付せられておつたこと、さらに河川に對する施設が不十分であつたということに大きな原因があるのであります。これらに對して、恆久的にもまた應急的にも對策を講じていただかなければなりません。さらに當面の供出問題に對しまして馬鈴薯は相當泥水をかぶつたのであります。その結果といたしまして、収量が減つたばかりでなく、早掘りによつて、しかも早期に處分しなければならん状態に置かれているので、そうしたことに對する對策ももちろん講じていただかなければなりませんし、被害面積を至急に調査されまして、それに對して豫算の上に、あるいはまたいろいろな行政的措置の上に、たとえば税の免除であるとか、災害地に對する救濟の方法という點において、萬金の對策を講じていただかなければなりませんが、この際田中委員が申されたように、農林及び内務當局の調査班、それにもちろん議會側も加わりまして、詳細なる調査をここに大至急に實行していただきたい。それによつて應急的、また恆久的對策を講じていただきまして、僅かの雨量によつてかくのごとき被害の發生しないよう、將來に對する防止の對策を立てられんことを切に要望する次第であります。
#52
○野溝委員長 坪井委員。
#53
○坪井委員 ただいま東北地方における水害の被害については、まことに私ども心から御同情申し上げます。ただいま農林大臣からもいろいろ豫算、資材その他適切なることについては農林委員にも諮り、なおまた閣議においても決定すると言われますが、なかなか相當日數を要しまして、過去の水害の様子から見ますといつでも手遅れになつております。今最も必要なことは水稻でありますが、これらの冠水したものを直ちに手入れをして、これに速効肥料を早くやれば、相當早く復活できると思うのであります。この一番必要な肥料については、ややもすると非常に手遅れになつて遺憾なことが多々あつたのであります。どうかこの機會に農林當局においても十二分にこれを調べまして、いち早くそうした全地域にわたつて水稻の被害地の出直しと同時に、速効性の肥料を早くやつて囘復策をとつてもらうということが今年の食糧事情からみて増産と相まつてなおかつ供出方面に非常にいい影響を及ぼすのではないか、過去においてはややもすると手遅れになる感がありましたから、これは理屈抜きで、何をおいても即時斷行していただきたい。刻下の食糧事情からみても、この災害地についての救援の一番大きなものと考えまして、こに要望する次第であります。同時に先ほど委員長に對して調査團派遣のお話がありましたが、これは委員會は申すに及ばず、農林當局からも早く實行していただきまして、これらに萬遺憾なきを期するように特に要望いたしておきます。
#54
○野溝委員長 関連質問竝びに意見、永井委員に許します。
#55
○永井委員 大分時間が遅れておるようでありますから、簡單に委員長の意見を聽きたいと思うのであります。先ほど來かくのごとき水害が各地に續發したことは、戰時中及び戰後を通じての森林の過伐、濫伐の結果こういう現象が出てきておるのであつて、これはひとり東北地方だけの問題でなくして、全國各地にかくのごときことが續發しきたるべきことは豫想し得らるるわけであります。そこでわれわれは今のうちにこれらに對する基本的の問題を確立しなければならないのでありまして、そのためには林業對策確立委員會というような小委員會をこの委員會にもちまして、緊急の問題、恆久の對策、こういうものを基本的に一つに検討し、確立する必要があろうと存ずるのでありますが、これに對する委員長の所見を伺いたいと思います。
#56
○野溝委員長 先ほど山村委員からもただいまの永井委員と同一の御意見がありました。本農林委員會は林政所管にわたる事項をも取上げることになつております。特に林政問題は重大な問題でありますがゆえに、ただいま兩委員の御趣旨に副うべく、後ほどこで懇談會を開いて御趣旨に副いたいとかように思います。
#57
○平野國務大臣 山村君御質問の通り、今日の水害が戰時中の濫伐にあるということは、大體私もさように思います。われわれといたしましては山をいかにして緑化するかという大方針に従つて考えなければならない。こういう方針をきめるのに、今囘の東北の水害等はもつとも好箇のわれわれに反省を與えた場合であると深く考えます。従いましてさようにいたしたいと存じます。
 なお坪井君御指摘の、先刻私が申し上げたような恆急方法以外に、もつと速やかになすべきことをなせ、まつたく同感でありますので、これは早速手配いたしたいと思います。
#58
○野溝委員長 これより東北地方水害に関し、委員諸君より申立がありましたので懇談會を開きたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#59
○野溝委員長 それでは暫時懇談會を開きますが、懇談會は速記を付さないことにいたします。
    〔速記中止〕
#60
○野溝委員長 本日の懇談會におきまして協議いたしました通り、東北地方の水害に関し調査研究のため、この際委員を派遣いたしたいと思います。委員は委員長において後刻決定いてしてよろしうございましようか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#61
○野溝委員長 それでは東北地方にはけんすることに協議決定いたしました。それから此の際御諮り致しますが、東北地方の水害被害調査に関し農林委員を派遣いたしますにつきましては、國政調査承認及び委員派遣承認を議長により得なければなりませんので、此の兩申請を致しまして、御異議はありませんか
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#62
○野溝委員長 それでは委員長よりそのように取計らいます。
 本日は是にて散會致します。
   午後零時二十一分散會
ソース: 国立国会図書館
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