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1953/12/04 第18回国会 参議院 参議院会議録情報 第018回国会 決算委員会 第2号
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1953/12/04 第18回国会 参議院

参議院会議録情報 第018回国会 決算委員会 第2号

#1
第018回国会 決算委員会 第2号
昭和二十八年十二月四日(金曜日)
   午後一時三十二分開議
  ―――――――――――――
  委員の異動
十二月三日委員平林太一君辞任につ
き、その補欠として千田正君を議長に
おいて指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     東   隆君
   理事
           長谷山行毅君
           菊田 七平君
   委員
           石川 榮一君
           谷口弥三郎君
           飯島連次郎君
           奥 むめお君
           豊田 雅孝君
           廣瀬 久忠君
           木下 源吾君
           高田なほ子君
           小林 亦治君
           山田 節男君
           八木 幸吉君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       森 莊三郎君
   常任委員会専門
   員       波江野 繁君
  説明員
   郵政省郵務局長 松井 一郎君
   郵政省郵務局輸
   送課長     竹下 一記君
   会計検査院事務
   総局検査第四局
   長       大澤  寛君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○国家財政の経理及び国有財産の管理
 に関する調査の件
 (郵便逓送自動車請負契約に関する
 件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(東隆君) 只今より第二回決算委員会を開会いたします。
 本日は国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査として、郵便逓送自動車請負契約に関する件を議題といたします。
 本件につきましては、運送委託契約の方式、請負業者、運送委託線路及び委託業務を郵政省の直轄とすることの可否について検討を要すると思われますので、先般来専門員をして調査いたさせてありますので、先ず専門員の説明を求めます。
 只今、郵政省のほうから郵務局長の松井一郎君、輸送課長竹下一記君、検査院のほうから検査第四局長大沢実君、これだけがみえております。それでは専門員のほうから御説明を願います。
#3
○専門員(森莊三郎君) 郵便物の逓送の問題につきましては、最近数年間毎年の会計検査院の決算検査報告にその問題がとり上げられてあります。現在御審議中の二十六年度につきましては、ただ一件だけその問題が掲げられてあります。併し二十五年度には相当多数のものが掲げられており、更に二十四年度におきましても相当多数の批難事項が掲げられておりますから、その状態は簡単にそこに記載いたしまして差上げておきました。別に御配付いたしました郵便物運送委託に関する件というこの専門員室の書類につきまして極めて簡単に申上げます。
 これにつきましては、主として郵政省の当局から話を聞いたのでありまして、本年十月に一度これを郵便で以て、閉会中でありましたが、皆さまのお宅へ差上げておいたのであります。それを今度又改めて印刷するに当りまして、数字の上で若干の訂正を加えたのであります。
 先ず第一、運送委託契約の方式については、昭和二十四年までは随意契約で、命令をするというような形で行なつておつたのでありますが、二十四年十二月制定の郵便物運送委託法によつて、一般競争入札が原則になり、契約期間は四年以内とすることになつたのでありまするが、現在の契約はこの法律に基きまして、二十五年の五月に一般競争入札によりまして、四年の契約期限を以て締結されているのであります。勿論この場合に、形式上は一年ごとになつておりまして、四年間は特別の事情がなければ、これをそのまま継続することができる。併し四カ年経過すれば、改めて競争入札をしなければならないということになつておるのであります。それで、昭和二十九年になりますると、この四年という契約期限が満了することになつて、全国的に競争入札をやらなければならないわけでありましたが、ここに問題がありまするので、本年の改正法律によりまして、「郵政大臣において郵便物の運送等の委託を受けた者が、その業務を誠実に執行し、且つその者に当該業務を継続して行わせることが郵便事業の円滑な運営のため有利であると認める場合は、その者の同意を得て、これを更新することができるということに改められたのであります。この改正については相当理由があることと思われまするが、これは改めて当局のほうから御説明を願えば結構かと思います。結局これがために、一度契約をすれば不都合がない限り、永久的にその契約が当該業者とできるということになつたのであります。この法律改正の際に、衆議院におきましては附帯決議があり、参議院においては、附帯条件が付けられまして、衆議院も参議院も内容は同一でありまするが、それを申上げますると、
 本法施行に当り左の諸点を留意すること
 1 これによつて事業の施設の改
 善、技術の向上及び能率の増進を期
 すること。
 2 郵便業務は国家専掌とする本旨
 にかんがみ、委託業務は漸次出来得
 る限り縮小すること。就中通常郵便
 物の取集、配達等を請負とすること
 は、特例の場合を除き避くべきこ
 と。
 3 受託業者の監督を厳にし、苟も
 誠実を欠く行為があれば直ちに解約
 すること。
 4 委託契約の更新に当つては、少
 数業者の私的独占の弊に陥らないよ
 う留意すること。
 5 不当の利潤を抑制するため、委
 託料金の公正を期すること。
 これだけが附帯条件なのでありま
 す。
 次に本年十月一日現在で請負業者がどのくらいあるかなどの件を見ますると、請負業者の数は六十四、その契約の件数は百五十件、その中で日本逓送会社が七十五件、それから請負料の年額は全体で約十四億円でありまするが、そのうち日本逓送会社の分が十一億二千万円でありまして、その割合を申しますると、この会社一つで全体の七割八分余りを持つているということになるのであります。
 次に、請負業者の主なものを申しますると、日本郵便逓送株式会社が契約件数においては今申上げました通り五〇%、請負料の年額において七八・一%、契約専用車両数において七八・二%、これを車の数で申しますると、全車両数の一千三十七両のうち八百十一両を一社で占めているのであります。それ以外の主なものを挙げますると、北海道全体を一括しておりまする北海道郵便逓送会社があり、それから静岡県方面に主として活躍しておりまする東海自動車があり、鹿児島方面を見ますると、個人業者で岩崎与八郎というような人もおり、又福岡県あたりと思いまするが、西日本鉄道などもこれを請負うておる、まあこういうような業者があるわけであります。業者の数は六十四ということであります。
 次に、運送委託線路の選定について申しますると、車両運送を要する路線については競争入札によつて運送委託をするのであつて、業者の有利な路線に限つて競争入札に附するというようなそういうわけではない。なお二十八年三月末現在の委託路線数は八百九十でありまするが、一つの契約で幾つかの線を含んでおるものがありまするので、契約件数で申せば前記の通り百五十であります。なおこのほかに馬で運んでいるものが、馬橇で運んでいるといつたようなものがあるように聞いておりまする。あとで詳細は当局のほうから付加えて頂きますれば結構でございます。
 次に、日本郵便逓送株式会社という会社がどういうものであるかということを見ますると、昭和二十六年九月頃から準戦時体制に基く企業整備の方針によりまして、六大都市の受命業者、これは先ほど申しましたように当時は随意契約でやつておりまして、政府から命令のような形になつておりましたから受命業者というような言葉が出て来るわけであります。その受命業者の間に事業統合の議が起り協議を進めた結果、中央自動車株式会社ほか七業者が合同して日本郵便逓送株式会者が設立され、十七年の末から業務を開始したのでありまするが、更に十八年の四月から五月に亘つて六大都市以外の主な地区を対象とした第二次の統合が行われて今日に至つたのであります。但し北海道地方だけは全然別になりまして、趣旨は同じ趣旨でありまするが、別途に北海道郵便逓送株式会社が設立されたのであります。右のように日本逓送会社は初めから郵政省のいわゆる外郭団体として作り上げられたものではなくて、企業整備などの関係から次第にかような形をとつてしまうようになつたものなのであります。なお、現在の取締役十二名の中で、元郵政省に勤務しておりました者は社長が一人、常務取締役同名かの中の一人及び平取締役のうちの一人、ただそれだけであります。北海道郵便逓送株式会社について見ますると、取締役六名のうちで平取締役の一名だけが元郵政省在職者である、こういう関係であります。日本逓送会社の資本金は現在のところでは七千五百万円、従業員の数は職員が四百七十三名、労務者は一千六百三名、事務所の数は本店のほかに支店が二十六カ所、なお営業所又は出張所が五十三カ所ある。会社の株主配当を見ますと、最近数年間は常に一割二分ということになつております。日本逓送の契約件数の中には、一つだけを取上げてみますと、赤字になつておる線もあるわけでありますが、併し他方に黒字の線もありますので、全体としてそろばんが持てるというような恰好であると聞いております。なお別の資料で申上げますが、日本逓送は契約上専用の車両としては八百十一両を政府と約束しておりますが、いろいろな都合がありますので、予備のために相当車を控えておかなければならない。それがためになお百五十両だけは予備軍として保有をしておるというのが実情だそうであります。
 なお、最後に現在契約の請負料につきましては、少し高過ぎはしないかという嫌いがありましたので、最近のトラツク運賃の状況に鑑みて、本年の十月一日から年額六千九百万円ばかり値下げをすることにいたしまして、受託者の不当の利潤を抑えるように考慮を払つて参りたいというのが、これが郵政省当局から聞いた話の要領でございます。
 なお、ついでに申上げたいと思いますことは、別の資料が、郵政省から「専用自動車による運送集配施設の現況」というのが出ております。これは御覧下さればわかりますが、御覧下さいますについてちよつと一言参考までに申上げておいたほうが或いは誤解を省く上に、或いは御了解を助ける上に便宜かと思いますので申上げますが、先ず第一の表を見ますと、上から二番目のところに業者の数が列挙されてあります。その下の備考の欄を見ますると、業者の数という欄には日本郵便逓送株式会社だけが除いてあるということになつております。つまりこれは殆んど全国に亘つて事業を営んでおりまするから、どの郵政局へも一つずつ数が加わつておるような関係になりまするので、この統計からはわざと除かれてあるのであります。
 それから次に第二の統計でありまするが、専用自動車の契約車両数は大型が幾ら、中型が幾らというような工合にここに書いてありますが、それをその次の第三の表と比べ併せて頂きますると、その第三の表は先ず最初に申上げたいことは大型のAというところを見ますると、合計四百七十七両あります。然るに第二の表の契約車両数を見ますると、百二十七両でよいことになります。つまり百二十七両でよいところへ業者は四百七十八両持つているというのであります。これは何でも近年車を製造しまする際に、大型のAというのが四トン級だと思いまするが、そういうものばかりを業者が製造する傾向があつて、小型のものが手に入りにくいというような事情があるかのごとくに聞いておりまするが、なおこれについては当局から詳しく御説明を願いたいと思います。その関係も加わりましてその次の大型のBを見て頂きますると、大型のBは契約車両数は百八十五両となつておりまするが、業者の手持は僅か三十一両しかありません。その不足数は大型のAのほうをそれに廻しておりまするので、結局業者のほうが自分の負担で以て安い料金の契約をして大型の車を廻しておるというような結果だそうであります。
 その次の中型というのはやはり事情は同様でありまして、契約車両数五百十三両のところへ僅か三百十七両しか持つておりません。その不足は大型のAをそちらに廻して業者が犠牲を払つているというのだそうであります。それからなお第三の統計表は古い車に年年どんな工合に新らしい車が付加わつておるかということが年式という名前で上へ出ております。つまり古い車をだんだん捨てまして、新らしい車で以て補充をして行かなければなりませんが、その補充の状態がどんな工合になつておるかということがそれでわかるもののようであります。
 それから次の第四表でありまするが、そこに運送費と集配費というこの二つに分けられてありまするが、これは私も余りよくは知りませんが、集配費というものは、各郵便局などへ郵便物のとりまとめにぐるぐる廻るための費用だとかいうことでありまして、それを一定の場所に集めて、仕分けをして、大きい袋に入れて汽車にでも積むといつた場合に、それが運送とかいうことになつて運送費になるということを聞きましたが、或いは私の申したことが間違つておるかも知れません、どうぞあとで当局から御説明を願いたいと思います。
 その次に専用自動車の請負料の算出方法としまして、ここに基本賃率というのが大型一日幾ら、小型が一日幾らと書いてあります。そこに註がありまして、基本の費用は一日八時間又は六十キロ就業に対するもの、こうなつておりますので、それを超えるとかいつたような場合には、それぞれ何らかの操作があることと思われるのでございます。なおその次に附加費というのが出ております。それは例えば深夜作業であれば何割増し、積雪地方は何割増し、道路の悪いところなどはこの運輸省の陸運局長が指定したその範囲内において郵政局長が定めることになつているようであります、それの何割増。そうして以上申しましたこれらの運賃につきましては、いずれ近いうちに道路運送法によりまして定額制の運賃が決定される予定になつておりますが、現在のところではまだそれが決定されておりませんので、当分の間物価庁告示の第九号(昭和二十六年一月二十三日附)というもので定められているところの貸切貨物自動車運送事業の運賃率というものを暫定的に使用しているということであります。
 それからあとにつきましては、日本郵便逓送株式会社の状況がそこに記されているのでございます。
#4
○委員長(東隆君) 郵政省のほうから御説明願います。
#5
○説明員(松井一郎君) 大体只今専門員のかたから御説明ございましたことに間違いがないと思います。私どもの郵便物の逓送というものは、ずつと戦争前から民間の会社に委託してやつておつたものでございます。契約の仕方は勿論会計法に基く随意契約でやつておつたのでございます。戦争末期になりまして、各個別では業者は到底やつて行けないというような声からいたしまして、主として六大都市の業者が中心となつてでき上つたというのが日本郵便逓送会社であります。そうした沿革的な意味からして、又今日郵政省が専用自動車というものを使つている範囲というものが、どうしても都市に主体があるというような関係もありまして、業者の数は六十五もありますが、殆んどその七七・八%というようなものを郵便逓送会社がやつているわけでございます。これは終戦後いろいろな関係からいたしまして、殊にこの郵便物運送委託法という法律は、当時GHQのほうからの一つの強い意向が示されたのであります。と申しますのは、当時はいわゆるアンチ・トラストということの考えによつてて、すべては公平に競争入札で行かなければならん、苟くも随意契約的なものというものはできるだけ認めたくないというような点が指示されて、本当の自由な競争ということを前提とした法律ができたのであります。併しこの法律をその後運用して参りますと、いろいろな点が、問題が出て来る。トラツクの一般運賃というようなものは、或るときには非常に上るし、或るときには又安くなつて行く。そういう間において業者の人が昨日までは引越荷物を運んでおつたが、今日からは又郵便でもやろうか、というような連中にやられたのでは、我々が大切な郵便物を輸送するのに困るというような問題、殊に先ほど専門員の説明にありましたように、現在業者が本当は中型の車でいいといつたようなものにおいてすらも大型を使いたがるということは、これも中型車の入手ということが非常にむずかしかつたということも確かにあるのでありますが、そのほかに業者自身にとつては、例えば四年間済んでしまうと、今度は又競争入札をやらなきやいかん。僅かの金額の差で以て若しも自分たちが次の契約をとり得なかつたとしたならば、他への転用ということを考えると、非常に率の悪い中型車といつたようなものを持つということは業者自身としても好まないといつたような気持も、こういう車種なんかの上にも現われて来ておるのであります。見方によつていろいろな考え方もあると思いますが、併し郵便物の輸送という一つの大切なことは、これはその従事する従業員の下々のかたがたまで、この郵便物の大切なことをよく認識したかたがたに十分委し得るという信頼性のあるかたがたでなければ、実際我々としてこういう委託の形というようなものはとり得ないという実情もありまして、先般の国会におきましては、誠実にやつておるという一つのはつきりとした証拠がある以上は、契約の期限も引続いてやるようにして頂きたいというような改正案を出しておる。これが両院の御承認を得まして、法律の改正が成り立つたわけであります。従つて今日といたしますれば、各業者は本当に誠実にやつておるということがあれば、いつまでもその事業をやつて行けるという一つの裏付けができたわけでありますから、今後は恐らくこういう中型車の買入れなんかにつきましても、従来よりも一段と熱意を持つてやつてくれるのではないかと思つております。
 それから料金の算定につきましては、これは大体当時の我々としてはそう細かな原価計算的なものを十分に持つておるわけではありませんので、当時の物価庁の一般の貨物運賃率というものを基本にとりまして、郵便の専用車の運行に伴う特殊な点を若干そこに入れまして、勿論そういうものについては全部物価庁なり運輸省の関係者の御了解を得た上で、それを一つの算出内規ということにいたしまして、その範囲内において或いは競争入札に附し、或いは競争者のない場合には随意契約によるというような形になつております。これはこのたび道路運送法というものができまして、一般のこうした運賃については、従来の最高価格という考えではなくして、今後は適正運賃という考えに移行しなければならない。つまりその意味におきまして、一つの定額運賃制度になるというような動きになつております。運輸省のほうで目下それに関する非常に細かな研究をなさつておるようであります。これがきまりますれば、我々のほうの基本運賃といつたようなものも当然その運輸省の指示せられる定額という枠の中に入らざるを得ないものでありますが、そういう意味合いで基本的な問題については今変つておりませんが、附加的な条件につきまして、若干従来会計検査院からのいろいろな御指示を受けた経緯もありましたので、そういう問題につきまして、このたび附加的な問題について改正いたしましたのが、十月一日以降年間約六千八、九百万内外の減収になるようなことになつております。これがこの問題についての只今までのことについて、私のほうからちよつと補足的に申上げたいと思つている点でございます。
#6
○委員長(東隆君) 会計検査院のほうで何か御説明はありませんか。
#7
○説明員(大澤寛君) この郵便逓送の問題に関しましては、先ほどの専門員からお話のありました通り、二十四、五、六年度に相当詳細に亘つて検討いたしました。二十六年度は一件だけしか掲げてありませんのは、いわばそうした検査院の指摘に基きまして、郵政省のほうが相当改善せられたので、こちらの検査の按分上少しこちらの郵便逓送のほうの調査を緩めたといいますか、そうした関係で余り出て来ていなかつたのでありますが、二十七年度になりまして、従来は個々の問題につきまして、悪路割増をすべきでないところをしているところ、或いはもう少し時間を繰り上げたり、繰り下げたりしたらいいのではないかというような点を検討したのでありますが、今度は根本的にいわゆる入札しますときの予定価格の算出の基準というものを検討いたしたのであります。
 この郵政省のほうから御提出になつております資料の五でありますが、専用自動車の請負料算出方法というのがありますが、これが一応内規できまつておりまして、これに基きまして予定価格を作定されて入札をされておる。併しこれは内規できまつておるものはいわば相手方に大体において守られておるのではないか。だから結局これをはつきりしておかなければ適正な入札というものは困難ではなかろうかという見地から検討しましたところが、この五の表にも出ておりますが、大型Aというのは四トン車の料金を適用しておるのでありますが、内規によりますと、最大積載量二トン以上のものは大型A車にするということになつておりますが、二トン以上四トン積むのも三トン積むのもありましようが、少くとも二トンから三トンの範囲のものはこれは大型A車の価格を予定価格としてもつて行くのはおかしいのではないか。同様に大型Bというのが一トン半以上ということになつておりますが、これも三トン車の価格を予定価格にもつて行くのは少し多過ぎるのじやなかろうかというような、この内規にきめております最大積載量とこの大型A車とか大型B車とかというものの価格を適用する場合に内規が少し甘過ぎるのではないかというような点が一点。
 それからもう一つはこの五の算出方法の、裏に返しましたところに深夜割増とか、悪路割増というものがありますが、これが従来の内規でありますと、深夜割増は例えば五分間深夜にかかつたものを一時間分として計算される。同じように悪路割増につきましても、その悪路の走行キロが例えば一時間十五分くらいかかる距離だとすればこれが二時間分として悪路割増をされるというようなことが内規になつておつたのであります。これはやはり深夜割増はかかつた分だけ、悪路割増というものもかかつた分だけ、分までと行かなくても、少くとも十分刻みとか二十分刻みということで計算されるような内規にするほうがいいのではないか、こうした点を今年の検査におきましていろいろと検討いたしました結果、郵政省のほうへその点を照会いたしまして、意向を叩いたのでありますが、郵政省のほうで検討された結果は、会計検査院の見解に賛同せられまして、そうして大いにその点を改正されたように見られます。と言いますのは、只今郵政省のほうから出して頂いた専用自動車の契約車両数というものを見ますと、大型車が百二十七両ということになつておりますが、今年の八月か九月頃に会計検査院の調査しました契約車両数は二百五十八両くらいが大型Aになつている。これは先ほど申しましたように、大型Bに下げるというようにされまして、百二十七という車両数に減じられたのであろうと思いますけれども、そういう点で先ほどの表にもありましたように約六千九百万円、これは勿論推定でありますが、大体その車両の変更によつて約二千万円くらい、それから今の深夜割増とか悪路割増とかいうものを含んで計算することによつて約二千万円、そのほかにもう一つは、従来は運送自動車が自分の店から出て駅なら駅、局なら局へ行く、その前の準備であります。出発準備といいますか、それから今度は自動車が会社へ帰つて来てあとの片付けといいますか、そうした時間をたしか三十分でありますか、一律に三十分見ている。だけれども、これは自動車によつて三十分のあとの片付けとか、出発前の準備がかかるのではなかろうか、でこの一律三十分という時間も訂正する必要があるのじやないかというので、それぞれ車種によつて十五分とか二十分とかいうように改訂せられた。その分が約二千万円ほど節約されるということになりまして、約六千九百万円というのが、概数でありましようが、これが出て来たと思います。会計検査院のこの問題に対します検査の経過を一応御説明いたしました。
#8
○委員長(東隆君) 御質疑ありませんか。
#9
○飯島連次郎君 只今会計検査院で大体概数を伺つたのですが、今年十月一日から値下げになつた年額千九百万円についてもう少し詳しく内訳を聞きたいと思います。
#10
○説明員(竹下一記君) この十月から料金を改正いたしたのでございますが、郵政省といたしまして逓送料金を算出いたします場合の内規というものを従来作つてあつたのでございますが、その内規の改正を実はいたしたわけでございます。
 その内容は只今検査院の第四局長から御説明がありましたので、大体はその通りでございますが、もう少し詳しく御説明申上げますと、先ず第一点は、少しく話が細かくなるのですが、就業時間の算定方法でございます。従来は就業時間の中で初めと終りの部分にはこれは一時間に満たない時間というものがいつも出るわけでございますが、その一時間に満たない時間を従来はすべて一時間に切上げておりました。と申しますのは、これは一般トラツク業界におきまして実はそういう仕来たりが行われておつたのでございます。それを準用いたしまして、郵政省も端数時間を一時間切上げというやり方を取つておつたわけでございますが、このたび一時間に切上げることをやめまして三十分刻みにいたしまして、三十分未満のものは三十分、三十一分を越すものは一時間に切上げるというシステムに改めたわけでございます。
 第二点は、これは先ほど検査院からお話がございましたが、車の出発、到着に伴います準備時間及び整理時間の問題であります。従来はこの出発、帰着に伴う整理、準備の時間を如何なる車にもかかわらずすべて二十分以内を与えておつたわけでございます。それを大型車については二十分以内、中型車以下については十分以内とした、ここで時間の節約をやつたわけでございます。
 それから第三の点は待合せ時間の付与方法でございます。郵便運送に使います車は、一日中ひつきりなしに、動いておるというわけではございませんので、一つの仕事と次の仕事との間には多少とも待合せ時間というものがございます。その待合せ時間をどの程度就業時間として私どもがそれを算入するかということでございますが、従来は三十分までは実時間を就業時間と見まして、三十分を越す場合につきましては、その二分の一の時間を就業時間として考えておつたわけでございますが、このたび今申しました二分の一を算入する時間の限度を三時間といたしまして、三時間を越す部分につきましては、これを切捨てるという措置を講じたわけでございます。
 次に第四点でございますが、これは深夜及び悪路割増の付け方でございます。これは、つまり従来この一時間未満のものをすべて一時間に切上げまして、と申しますと、つまり深夜にかかる時間、それから悪路を走る時間、そういつたものの時間を単位時間に切上げまして、それが総就業時間に対する比率というものによりまして、料金の按分をいたして出ましたものを附加費として与えておつた。そういうやりかたをこのたび少しく細くいたしまして、この時間の切上げということをやめまして、実際の時分、つまり従来ですと十五分悪路を走つたといたしますと、計算上一時間走つたことにして割増料金を求めておりましたものを、正確に十五分というものを求める。もう一方のほうの総就業時間というほうも、従来は例えば六時間と三十分は七時間といたしておりましたものを、正確に六時間三十分という実際の実時分の比率で以て割増料金を求めるという、いわば筋の通つたやり方に切り替えたわけでございます。
 以上の四点につきましてやや技術的ではございますが、こういう改正の措置を講じまして、先ほど申上げましたような節約金額が出て来たということになります。
#11
○飯島連次郎君 内規の改正ができたということはわかりましたが、その改正した四項目別に、つまり六千九百万円というものの内訳がわかりませんか。
#12
○説明員(竹下一記君) 只今その内訳の金額を持参いたしておりませんので、わかりかねます。
#13
○飯島連次郎君 では成るべく早い機会に資料としてお出し下さい。
#14
○委員長(東隆君) あとで報告を願います。
#15
○飯島連次郎君 それからもう一つ基本賃率ですか、基本賃率の表を見ると、これは現在も実施している賃率ですか、今配付になつた資料は……。
#16
○説明員(竹下一記君) その通りでございます。
#17
○飯島連次郎君 これで拝見すると、大型のA、B、中型、小型、こうなつておりますが、そのうちの基本額というのが何だか積載の量に比べて適正を欠いているやに思われるんですが、これはどういう算出の根拠でこういう基本額というものはきめられたわけですか。
#18
○説明員(竹下一記君) これは先ほど局長から申上げました通りに、一般トラツク運賃の料金の立て方を準用いたしておるわけでございまして、註に書いてございますように、例えば四トン車でございますと、一日八時間働きました場合に四トン車料金三千九百円を支払う。それから又郵便輸送の場合でございますと、時間ぎめの仕事というよりも、むしろ距離で以て仕事の単位を求めたほうが適当な場合がございます。その場合ですと、六十キロを就業いたしました場合に基本額として日額三千九百円を支払うということでございまして、これは一般トラツクの賃率と同一になつております。
#19
○飯島連次郎君 基本額はこの積載量という点から見ると、型が小さくなるに従つて逓増的に非常に割高になつておるわけですね。つまり中型の場合には一トン当りの基本額というものは千五百六十円になるが、大型のAだつたら九百七十五円ということですね。従つてつまりこういう積載の量から考えると、型が小さくなるほど割合に基本額が割高になつているが、併し契約車両数の変化を見ると、大型の数というものがむしろ少くなる、中型になるほど数が多いわけですね。ということは大型の利用率が非常に少いということでしよう。ということはもう一つこれを進めると、車の割合につまり大型を動かす場合には中の荷物が比較的少いということですか。実情はつまり大きな車に少い荷物を積んで走つておるということですね。
#20
○説明員(竹下一記君) そうではございませんので、大型Aに対しましては、それにふさわしい郵便の量を積む場合に大型Aを与えておりますし、大型B、中型、それぞれ私のほうでは積載基準量というものを設けてございまして、それに対応する車の型を求めまして、料金を出しております。それから四トン車、三トン車、二トン車という車種別に応じて基本額は車の積載量が減ずるに従つて割高になつているという御趣旨をお述べになつたように思つたのですがのこれは四トン車、三トン車、二トン車の基本額は、四トン車の三千九百円に対しまして一トンを減ずるごとに一割の減となつておりまして、これも一般トラツク運賃の料金体系をそのまま内規のほうへ持つて来た形になつております。
#21
○飯島連次郎君 そうすると、車両の数からみるとやはり中型が一番多いわけですか、現在……。
#22
○説明員(竹下一記君) 実際業者が持つております車は大型Aが最も多い。第三表で年式別の車両数を書いてございまするように、実際所有しておりますものは大型が一番多いのでございます。ところが契約面におきましては中型車が一番多い。つまり中型車の契約になつており、中型車に対する料金を払つているにもかかわらず、業者は大型Aを常に提供しているという恰好でございます。
#23
○飯島連次郎君 突き詰めてみると、そこのところがどうも我々素人には納得できない。つまり中型の契約をしているにもかかわらず大型を業者が提供しているという事実は、これは業者の犠牲においてやつているのか、それともそのくらいの仕事というものはつまり収益率が多いということなんですか。
#24
○説明員(松井一郎君) 確かに御不審をお持ちになる点だろうと思います。この点につきましては、先ほど専門員からの御説明にありましたように、丁度中型というものは一般トラツク運送としては只今御指摘のように割合に割高になつて来る関係上余り好まない。ただ郵便輸送の面から見ますると、それほどのものがないというので中型車をこちらとしては規格指定をやつているわけでありますが、業者にとつてみますと、どうも車種のほかのほうへ転用、将来の転用といつたような面を考えると、余り中型車を持つていて、到頭郵便運送ができなくなつてほかへ使おうという場合に、どうも融通がつかないというような懸念から、ともかくできれば大型を持つて行きたいというような気持も一つあるわけでございます。
 それからもう一点中型車というものの入手が一時非常に困難だつた時代があつたのであります。業者自身の中に大型車の手持が残つているというような問題で、これの代用ということが或る程度行われているのだと思いますが、併し先ほど私が申上げましたように、この郵便の契約というものも誠実にやつている限りはずつと面倒をみてやるのだというような体系になりましたから、将来恐らく業者も中型車を手に入れて運営してくれるというような恰好になつて行くだろうと思います。
#25
○飯島連次郎君 今の点はわかりました。
 次に、この日本郵便逓送株式会社というのは、この郵便物の逓送以外の仕事というものはできないことになつているのですか。
#26
○説明員(松井一郎君) さようでございます。定款て貨物の認可しかもらつておりませんです。
#27
○長谷山行毅君 この運送委託契約の内容自体が余りはつきりしないのでその点を伺いたいが、これは請負料を出す算定の基準はこれでわかりますが、一体車種とか何とかをきめる見通しというか、そういう基準があるわけでしようが、その内容を一通り説明してくれませんか。契約の内容ですね、どういう点の契約をするのか……。
#28
○説明員(松井一郎君) 私どもは、例えば或る所において、これを自動車に、委託契約によつてやろうと思いますのには、大体その所においてどの程度の郵便物の運送が必要であるかということを調査いたしまして、それから結局これが大型車でいいとか中型車でいいとかいう結論に達するわけであります。それから一日にどれくらいの便数をやるかといつたようなことが契約の基本になるわけであります。その基本の一つの計算をいたします。そのほかになお先ほど来若干触れておりましたいろいろな附加的な条件についての計算をいたしまして、それを一定の予定価格というふうなものとして、これは内規として持つているわけでありますが、勿論業者のかたがたにはその細かな点まで申上げるわけではありませんが、ここの所でどのくらいの車の型、それから便数といつたような基本的なものを示しまして、どれくらいの請負でやつてもらえるかということになるわけであります。そこに何人かの希望者が出ますれば、それが入札され、最低価格というものに落着く。適当な入札者がない場合においては、その予定価格の範囲内において随意契約をして処理するわけであります。
#29
○長谷山行毅君 今の請負の料金をきめるには、もう予定しただけできめるのですか。それとも実績によつて、実際の金を支払うことになつているのですか、その点を……。
#30
○説明員(松井一郎君) 勿論実際の支払いに際しましては、そこに欠便したとか何とかいう場合には勿論払うわけには参りませんので、大体どれぐらいでやるかということから平均した一つのサービス基準を見出しまして、それの実績に基いてお払いするわけであります。
#31
○長谷山行毅君 どうもまだはつきり頭に入らないのですが、この契約の内容が……。そうすると荷が非常に多くなつたり少くなつたりするわけでしようが、それをあらかじめ請負料金というものをきめておるとすれば、非常に請負業者のほうも不安があるし、こつちでも荷がだんだん少くなる場合もあり得るでしようし、そうすると何かはつきりしない契約のように思うのですが、実際全くの素人ですから、そこをわかるようにちよつと御説明して頂いて、それから質問したいと思うのですが……、
#32
○説明員(竹下一記君) 只今の問題でございますが、車種の決定について御説明申上げますと、例えば一つの線路につきまして、その線路を自動車化したい、AとBとを繋ぐ間に郵便物の運送線路を開きたい、一番これは簡単な例でございますが、その場合に私どもといたしましては、計画上AからBに行く郵便の容積というものの過去何カ月間かの実績というものを眺めまして、その平均値を求めます。平均値だけでは多少不安でございますので、或る程度物が増加した場合でもそれに堪え得るであろうと思われる量を加算いたしまして、一定量を求める。これが例えば六立米の郵便物である、或いは三立米の郵便物であるといつたような一つの定額を求めます。それに応じまして例えば六立米でございますと大型Aが必要であるといつたような順序となります。従いまして、競争の場合にはAとBとを結ぶ間について大型四トン車を提供することとして、一日に二便なら二便といつたような条件を示して入札に参加させるということになります。それから契約をいたしまして、それで以てスタートするわけでございますが、途中におきましていろいろな経済情勢の変化でありますとかのために、郵便の物数に変更を来たす場合がございます。例えば今まで三トン車で契約してそれで十分結構でありましたものが、どうしても四トン車を配置しなければ物の運搬ができない、或いは従来四トン車であつたものが、最近は物量が減つたためこれを三トン車に、或いは二トン車に落してもやつて行けるというような変化がございました場合には、これは業者と話合いをいたしまして、契約書の中にもそのことは謳つてございますが、情勢の変更ということで、両方納得の上で契約の内容を変えるということにいたしております。
#33
○長谷山行毅君 今お話のようにいろいろ基準をきめて請負料金を算定するということはわかりましたが、そうすると、この情勢の変更によつて変えることが非常に多いようにも思われるのですが、実際上はどうですか。
#34
○説明員(竹下一記君) そんなに頻繁ではございません。これも路線によつて違うのでございますが、最も変化が多いのはやはり都会でございまして、都会におきます物の変更は田舎に比べたら多い。それでも契約の内容の変更をすることはそんなに頻繁ではございませんで、ここに正確な資料は持つておりませんが、一年か或いは二年のうちに一回ぐらいではないか、あつたといたしましてもその程度ではないかと思います。
#35
○長谷山行毅君 それから二十八年の法律改正ですが、これは誠実に業者が業務を執行している場合には成るべく更新させないというふうな趣旨のものだと思うのですが、これに対して実際郵政省としては将来どんな御計画を持つておられるのでしようか。
#36
○説明員(松井一郎君) この点については、私たちもこういう法律を改正をして頂いた以上、非常に責任を感じているわけであります。これが或る机上の資料だけで以て簡単に議するというものでありますれば、これは又何かの委員会にお諮りするとか何とかという途もあるわけであります。何しろ日々の業務をどういうふうにやつているかという点に監査の重点があるわけであります。そこで私どもといたしましては全国に……いずれにいたしましても逓送の仕事というものはみな郵便局に繋つている関係がありますので、先ず郵便局長にお願いいたしまして、日々の受渡し、サービスの状況というものを細かにチエツクさすようにして、一定の形式に基いてそれを提出をさすようにしております。なお、そのほかに私どもの所には司法警察権を付与しております郵政監察官というものが数百人おります。このかたがたにも成る一定のフオルムを与えまして、適時に各業者の線路を歩いて、その状態を監査してもらう。なお、そのほかに或いは会計検査院とか何かほかの関係でも、そういうものに関する資料がありますれば、そういうものを全部総合いたしまして、いよいよ契約の更改期になつた場合には、果してこれは誠実にやつたものと誠められるかどうかということを最後大臣に判定して頂くというような形をとりたいと思つております。
#37
○長谷山行毅君 本年の十月から内規を改正して、今までよりももう少し実情に合うようなふうにするというお話ですが、それによつて、数千万円の節約ができた。将来の見通しとしてはそういう点でまだ内規等をもつと合理的に改正するとか、或いはそういう料金の算定の方法等について、更に合理的な方法に進むという何か案でもありますか。
#38
○説明員(松井一郎君) 私たちの一応の内規のあり方につきましては、いろいろ会計検査院その他からの御意見も考慮いたしまして、今までのところ大体納得のできる意見というものは一応これをとり入れてやつたわけであります。ただ先ほどもちよつと触れましたように、基本の車種の賃金というものが、現在のところ昭和二十六年の物価庁の告示というもの以外にはよりどころがないというので、一応これをそのままにしております。併し道路運送法というものが今度できまして、これによつて従来の物価庁賃金的な考え方からいわゆる適正賃金主義に変つて来る。従つておよそどういう型のトラツクというものは幾らでなければならんというような形のものが近く運輸省のほうで示されるわけでございます。これが示されますれば、その結果或いは現在のままでいいか、或いはもう少し位下げをするようになるか、それはいずれとも私はちよつとわかりかねますが、これはまあひとえに運輸省の関係のそういう多数の資料を集めた適正なる価格算定というものがあるので、その価格算定というものが出るのを待つておる次第でありまして、その結果によれば、現在の基本賃金をもう少し下げるということになるかと思います。勿論これはまだ私どものほうでは予断できなない問題でございます。
#39
○山田節男君 私遅れて来て、或いは質問が重複している点があるかも知れませんが、あればその点は省略して頂きたいと思いますが、この郵便逓送会社というものは何か法的根拠があるのか。或いは単なる株式会社として発足し、そして営業を進めているのか。この点をちよつと先ずお伺いいたしたいのです。
#40
○説明員(松井一郎君) 日本郵便逓送会社でございますか。これは先ほど来いろいろそういう点についてもお話が出たわけでありますが、日本郵便逓送株式会社というのは丁度昭和十七年、戦争がだんだん激しくなつて、いろいろな資材その他の入手が困難になつた時代に、当時までは逓信省は多数の個個的な業者とそれぞれ契約をして郵便の輸送をやつておつたわけでありますが、どうも小さな業者だけではそうした時代に生き抜いて行くことが困難だというような観点から、主として六大都市における業者というものが中心となつて日本郵便逓送会社というものを作つた。勿論その後翌年に至つて六大都市以外の業者もこれに参加したわけでもりますが、そういう形で以てでき上つた会社で、これは特別法人でも何でもございません。普通の株式会社でございます。
#41
○山田節男君 これは終戦後、殊に混乱時代において相当な役目を果したということはわかるのですが、こうした日本郵便逓送株式会社、この問題については殊に公正取引委員会ができて、独占禁止法という見地から検討もなされ、又郵政省としてもこの問題の性質上そういう観点からの考慮をした、やはり研究されたことはありますか。
#42
○説明員(松井一郎君) 独占禁止法の問題もありますし、又公取のほうからもその点について私たちにこの問題についての説明をしろと言われたこともございます。ただ現在日本郵便逓送会社がやつている事業というのは数字的に見ますると、大体七十何パーセントというものを郵便逓送線路総数の中で占めておりますが、この線路については、昭和二十五年に郵便物運送委託法ができたときにそれぞれ入札にしたわけであります。その入札のときに日本郵便逓送会社が各地において開札の結果落札をしたというその結果が現われているような関係でありまして、いわゆる独占禁止法の正面から言う私的独占というような形には触れない。こういうことになつております。
#43
○山田節男君 そうすると、今日までその趣旨に従つてこれが運営されているということについては間違いないわけですか。
#44
○説明員(松井一郎君) 私どもは少くともそういうつもりで運営して参つているつもりでございます。
#45
○山田節男君 これは、私内容をよく知らないのですが、郵便小包だけで、親書といつたものは全然逓送しないのですか。
#46
○説明員(松井一郎君) 大体私どもの郵便物の逓送は御覧の通り郵袋に入つておりますから、袋の中には勿論親書も入つております。小包も入つております。
#47
○山田節男君 まあ袋には入つているとは言いながら、親書、或いは現金も入つているかも知れん。民間の企業体にこういうものの搬送をせしむるということが、これはまあ憲法から言えば親書の秘密その他いろいろのことがありますが、もつと法的というよりか、郵政省が扱うものを一民間会社に搬送せしむるということは、国鉄が日通に物を運ばせるというものと同じ意味に解しているというように了解していいんですか。
#48
○説明員(松井一郎君) 郵便事業は御承知の通りに全国的にそれぞれの基地を持ちまして、相互に運送によつてつないでいるのでありますが、その運送の中間のルートというものは、これはもう殆んど全部既存の輸送設備というものを使うということが原則になつております。従つて鉄道のある所は鉄道、船のある所は船、バスのある所はバス、それぞれのかたがたに委託してこれを輸送して頂いているというのが郵便物経営の基本的なあり方になつております。これはその受託されるかたが特別に国鉄であるとかないとかいうことは面接関係がない。従つて我々のほうの郵便物の郵便法にも、必ずしも郵便物というのは郵政の従業員のみが扱つているということを前提として処罰規定が成りたつているのではないのでありまして、又郵政大臣がそういうものを自由に委託することができるというはつきりした根拠を以てやつているのでございます。
#49
○山田節男君 私アメリカ、或いはカナダ、或いはアフリカ等、人口が稀薄で交通機関が極めて発達していない、殊に二十世紀の初め頃までは、アメリカでは郵便の民間企業、即ち馬車その他による交通機関に委託された例はたくさんあるわけなんです。ところがおよそ今日の欧米の諸国で、交通機関の発達した所でそういうものがあるかないか知りませんが、私は極めて少ないのじやないかと思うのです。で日本におきましても、まあこれは道路もまだ悪いし、鉄道も必ずしも全部経済道路でやつておるとは思いませんが、まあとにかく今日の日本の貧弱ながらできておる交通磯関を利用すれば、郵政省そのものとしての責任において、自己の危険においてこれを託送せしめることはないだろうと思う。なぜ今日そういう一民間企業会社に託送しなければならんかというその理由ですね。これはまあ今も郵政大臣と話したのですが、一体この仲裁裁定の問題にしても、これは現業でありますが、資金可能なものならばこれは払うべきで、資金可能かどうかということを経理にいろいろ立入つて聞いてみると、まあ経理状態もよくない。だからこれは全国的に、世界的に交通サービスというものは軽視すべきものじやない、電報を含めての交通サービスというものは決して軽視すべきものではないが、併し官業の最も進歩した経営状態ということになれば、今日日本の交通機関の発達の程度でもこの郵便物の逓送の直営はできないことはないと思う。できないということは、非常に経済的に、若し政府でやれば非常に損をするとか、何か目安が出なければ、こういう一民間企業会社に委託するというようなことはあり得ないと思うのですが、その間の郵政省としてのどういう見解で今日なおそういうことを継続しておられるのか、また将来も継続しなくつちやならん事情があるのか、この点を一つ明らかにして頂きたいと思います。
#50
○説明員(松井一郎君) 恐らく只今の御意見は自動車に限定した問題だろうと思いますが。
#51
○山田節男君 そうです。主として自動車搬送を主たるものと見て御質問申上げました。
#52
○説明員(松井一郎君) それはその自動車自身で……。自動車と申しましても、例えば既存のバスが走つておる所はバスに託送をする、こういうことは止むを得ないことと思います。僅かなことで専用自動車を使うことはないかろうと思いますから……恐らくお尋ねの要点は、相当部数もあると、完全にやれると、一台のものが積んでやれるだけある所においてなぜ民間会社にやらしておるかというような点だろうと思います。
 で、これは国で直接やる、或いは民間にやらす、これはまあ一つのポリシイの問題であります。現に各国の例を見ましても、或る地域は直営であり、或る地域は民営であつて、必ずしもこれは一致しておりません。アメリカの例を見ましても、いわゆるスター・ルートといいますか、路線というものは、これは殆んど皆民営の請負で以て走らせております。ただ極く市内の中枢部においては勿論直営でやつておるという場合もありますが、果して日本の現状において直覚がいいか、民営かいいか、委託でやるのかいいかということについては、これはいろいろ我々考えなければならん点があると思います。私たちはこれは理論的にどちらがいいということを一概に言い得るのじやなくして、その国の、その或る段階においてはどちらのほうがいいのじやないかという問題として考えておるわけでありますが、御承知のように日本の現状においてはまだまだこういう機械的なものを使つて、これを効率的に運営するというふうなことが、殊に今の官営企業と申しますか、そういうものの或いは組織面においても、人事的な面においてもまだ必ずしも十分に成熟しておるわけじやない。勿論こういうものも永久的のものじやなくしてだんだん変りて来ております。現に私どものほうでも最近はいろいろな或いはオート三輪とかいつたようなものをだんだん従業員自身の手においても扱い得るようにこれを進めておるわけでありますが、今、現在のところこのいろいろな制約のある自動車の運転まで直接我々自身がやつたほうがよりいいというだけの確信はまだ持つてない。まだ今のところは民営の人たちに委託してしまつたほうがより能率的にやれるのじやないかというふうな考えで、こういう一般の私人に逓送を委託してやつておるという現状でございます。
#53
○山田節男君 私のお尋ねするポイントは成るほど民営でやれば非常に能率が上つておるということでありますが、官営ならば能率が上らない。いわゆる官営ならばレツド・テープになつてしまつて能率が上らない。併しこれはそういうことが現状であつてはならないのであつて、将来改善されなければならないし、私の言うのは能率的と同時にそれだけのものをやはり逓送会社にやはり歩合料、金をお上げになつておるものだと思う。そういうものをするよりも、自己経営でやれば又郵政省としての独自の私は託送法があるのではないかと思う。そうすればこういうふうに委託して請負者に金を払うよりも、郵政省の直営でやるほうが、経費の点においてもむしろいいのじやないか、まあかように考えるのでございますが、能率的のみならず経済的に考えても民間でやつたほうが安く行くというお考えですか。
#54
○説明員(松井一郎君) これは数字的にまあ同一の問題をテストしたという例はないわけでありますが、いろいろ国鉄のやつておつたバス路線の問題、民営のやつておる問題、殊に最近においては同じ路線を走つておる場合もあります。そういうようないろいろなデータは私は研究しておりますが、今のやり方においてこれを特に国営にすることによつて非常に経済的になるという段階にはまだ到達しておらない。私どもはかような考え方をとつております。
#55
○山田節男君 その郵政事務ということの中には、これは搬送、運搬も含まれるのでしようね。これは切手を張ることは契約である。その切手を買つて張るということは、要するに必ず郵政省に対しての一つの契約をするわけですから、そういうことになればこれは郵政自体が一つの請負者だ。それを今度まあ下請けさすということになつて来るのですね。
 ですから私最初申上げたように、ものの性質、それからこれは交通の不便極まるところならいざ知らず、日本は非常に交通の便利極まる所だ。この小さい道路で、距離から言つても今日三輪車その他も交通機関とすれば、十分にやつてできないことはないと思う。問題は安くできるかできないかという問題に帰する。それから能率ということにすれば、現状からすれば官よりも民の能率がいい。私の申上げることはこういうような運搬を分離した郵政事務というものは私は完全なものじやないと思うのです。自分でこれを配給というか、配付するのが当然の職務なんです。それをなぜああいう一会社に委託しなければならないか、ただ安い、能率が上るということだけでは、私は今日の郵政省の事務というものは非常に自己本位であると思うのです。ですから将来本当に適当なプランを立まして、直営でやるべきだと思うのですが、その点どうですか。
#56
○説明員(松井一郎君) それは郵便物の運送全部は原則として郵政省がやるんだということは、これは私は必ずしもまだそう言い切れない問題があると思います。と申しますのは、極端にそれを言えば、鉄道も郵政省のほうに持たなければならん、飛行機も持たなければならん、船も持たなければならないという問題になつて来るでしよう。まさかそこまで言われるかたはいない。そうすれば郵便物の殆んどのものはほかの業者によつて運ばれておるというのが郵便事業の実態でございます。自動車で運ばれるというものは郵便事業においては極く一部のものでございます。その一部分のものについてもこれは郵便事業の法律に基いて、当然直営でやらなければならないということを言うことは当然の理窟として言うほど強いものではないと思う、ただそのときの政策のやり方も勿論ありますが、これが能率的に経済的に行われるならば、もとより結構である。といつて民営をやつていることが頭からこれは郵便経営のあり方としてはいけないというような性質のものでもないんじやないか。要はその具体的な条件において、経済的であり能率的であると思われるところに行くよりいたし方がないじやないか、私どもはそういうふうに考えております。
#57
○山田節男君 これは三年前か四年前か、私は記憶がないのでありますが、非常に、郵便物、電報の遅配が激しかつたときに、例えば静岡とか、長野県、甲府、こういう方面に電報とか郵個物を搬送する何か土地の小さい会社ができた。現に速達或いは機密を要するものはそれに託すと非常に便利がよかつた。ところがこれを禁止したということを聞いた。今、日本郵便逓送会社というのは独占企業体じやない。必ずむしろ今のような、あなたのおつしやる通りであるとするならば、成るべくこういつた、それはたくさんじやいけませんけれども、三つ、四つ、乃至五つぐらい、或いは日本の全土から言えば四つ、五つ許して、お互いに競争せしめたほうが、むしろこれはサービスをよくし、能率をよくし、安くするという一つの私は行き方だと思う。私も最初申上げましたように、私の印象から言えば、一つの独占的のものである、そういう事例等を見ても、郵便逓送会社を独占的なものにならしめる、それは責任の所在を明らかにするということもありましよう。いろいろ理由もあるでしようが、どうもその点が私は非常に矛盾したように考える。そういう何か特殊の理由があるのか、あればその点一つ御説明願いたい。
#58
○説明員(松井一郎君) 先ほど私が或いは御説明が足らなかつたとも思われるのでありますが、例えば現在の郵便の逓送というものを数字の上で見ますると、確かに大きな数字を日本郵便逓送は取つております。併し北海道地区というものは日本郵便逓送は一つもやつておりません。あれは別に北海道の郵便逓送会社でやつております。或いは伊豆の地区においては東海自動車がやつております。北九州においては西鉄がやつておるというような形でありまして、日本郵便逓送会社というものが今日のように大きくなつたのは、私は二つの原因があると思います。一つは大体この会社が成立の当初、六大都市の業者というものがとてもやつて行けないからというので、企業を合同して作つたという一つの歴史的な意味から見て、その線路数が都市に集中しておる関係上、相当大部分を占めておるという点と、もう一点は、丁度昭和二十五年当時、全国的にこういう逓送線路の改定をやつた当時は、御承知のようにトラツク一台持つておれば食いはぐれがないといつたくらい闇運賃が横行した時代です。そういう時代だから、郵便の逓送というような妙味のない仕事を請負つてやろうという業者がなかつた。ところによつては全然そういうものの入札がないというような状況から、日本郵便逓送会社がそれを新らしく引受けてやり始めたといつたような経過から今日これは相当大きくなつておると思います。併し私どもは日本郵便逓送会社という会社と直接、これは何と申しますか、一括契約しているというようなやり方ではございませんで、各地区地区における線路ごとにおいて、たまたまそこへ出て来たのが、入札したのが日本郵便逓送である。或いはそこに他の競走者がなかつたから日本郵便逓送と契約したというような形でやつておりまして、会社全体に対して国がサービス業務を委託したというような恰好は初めからとつておりません。結果的には今立ういうような数字になつておつて、如何にも初めから郵政省がこの線路を任せ切つたような恰好になつておりますが、勿論私たちはそういう形式のほかに、日本郵便逓送会社がこのくらいの大きなウエートを占めているという意味からいいましても、この会社のあり方というものに対しては常に重大なる関心は持つております。併し今すぐにそれをどうこうしなければならんというような事実問題として、日常業務の上においては感じておりませんです。
#59
○山田節男君 そうしますと、まあ純然たる一つの民間企業体としての行き方をされているのだから、従つてこれは請負本位になつているのですから、飽くまでこれは請負契約に基く搬送業、いわゆる運送業としてお払いになるのであつて、郵政省から出す金は助成金的なものは一つもないわけですか。
#60
○説明員(松井一郎君) 私どもは相手が日本郵便逓送会社であろうと、北海道であろうと、或いは伊豆の会社であろうと、皆一律の基準で以て契約をしているわけであります。いわゆる補助金的な意味のものは全然やつておりません。請負料です。
#61
○山田節男君 例えば運輸省でやつているのですが、船舶、この海運会社ですか、旅客及び荷物の私の会社ですね、この料金がしばしば問題になる。それは或いは物価の変動に応じて運輸省が適時これを調整するわけなんです。それと同じような工合に今日まで逓送会社への委託、つまり一つの運送に対してのその料金は、やはりその都度物価に応じて適正に調整されているのですか。
#62
○説明員(松井一郎君) この点は大体冷い一応の理窟から申上げますれば、一応競争入札をとつた場合は、多少の事情の変更にかかわらず、それでいいという議論も成立つわけでありますが、常時においては、一応競争入札でとつたようなものを途中において業者が契約価格を変更するというようなことは先ず例外的なケースだろうと思います。併しこの終戦後における非常に一般物価の大巾な変動ということ、それとただ単に荷物を一回運ぶという契約じやなくして、相当長期に亘る契約というような形からいたしまして、国の一般的な例えば物価統制令に基く最高価格というようなものが相当大きく動くといつたような場合には、やはりそのパーセンテージに基いて上下に若干の変更を加えるということは、こういう時代においては止むを得ないことであろうと思つております、そこで私たちもこの当初の契約以後、物価庁の告示が変りましたですが、物価庁の最高告示が変つた場合に、その変つた割合だけは修正しているというのが今日までのやり方でございます。
#63
○山田節男君 この日本郵便逓送会社の少くとも昨年度の一年間或いは今年の、今年の会計年度と申しますか、経営状況はどうですか。配当しているのか。まあ今まで配当しているのか、又本年も配当し得るだけの経営内容ですね、これはどういうふうになつているのですか。
#64
○説明員(松井一郎君) 日本郵便逓送会社は、ここ三期ばかりは続けて一割二分の配当をいたしておりますが、終戦後は無配の時代がございましたです。
#65
○山田節男君 現在どうですか。二十七年以降……二十六、七年ぐらいは。
#66
○説明員(松井一郎君) 現在も恐らくこの程度の配当はできるのじやないかと思つております。
#67
○山田節男君 これは郵政省の外郭団体ということは言えないわけですが、少くとも運輸省と日通会社ぐらいの関係はある。もつと密接な関係があるのじやないかと思つております。殊にこれは統合されて以来のこの郵便逓送会社の少くとも経営の任に当る者ですね。逓信省或いは郵政省、電気通信省、まあこういつたところからの出身者で、その衝に当つている人がおりますか。
#68
○説明員(松井一郎君) 現在取締役十二名のうちで、五名大体私たちの部内出身者だと認められる人がおります。社長と常務と平取締役一名ございます。
#69
○山田節男君 それが逓信省出身のかたですか。
#70
○説明員(松井一郎君) さようでございます。
#71
○山田節男君 社長と……。
#72
○説明員(松井一郎君) 社長と、会長はいらつしやいますが、会長は逓信省のかたではございませんです。これは別に日通かどつかにいらつしやつたかたでございます。現在の社長と常務一人、それから平取締役一人の三人でございます、十二名の役員中。
#73
○山田節男君 その社長、常務ですね、これは私、名前も何も知りませんが、大体逓信省においてどのくらいの地位を得ておつた人ですか。
#74
○説明員(松井一郎君) 現在社長並びに常務をやつているかたがたの前歴は、逓信省において局長を勤められたかたであります。平取締役のかたは地方の局長を勤められたかたであります。
#75
○山田節男君 これは極めて部分的なことになりますが、私広島県ですから、広島県の奥地を選挙その他講演等で廻つて、私常に感心しているのですが、かなりいい車を使つて山中を廻る。これはスピード、能率、安全というので非常にいいと思うのですが、一体日本郵便逓送会社としての保有している車体、自動車ですね、トラツクもあるでしようが、私の見たところではトラツクを改良したような、極めて小型な乗用車くらいのものです。非常に能率のよさそうなものを使つているのですが、これは広島県の山間地の特異な状況かも知れませんが、そういう安全とか能率とか、殊に安全というようなことについては、郵政省から相当やかましく言つておられるのか。或いは契約上において或る一定の、ミニマムな一つの条件というものをちやんと付けておやりになつておるのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
#76
○説明員(松井一郎君) 私どもがこの郵便物の請負のかたがたに期待しておることは、先ず郵便物というものを安全に輸送するという点が一点ございます。従つて特別に最近は幌型のものを改装せしめまして、郵便物の保全といいますか、他から侵入されるようなことがない、安全性の点について一つの注文をすると同時に、郵便物の場合でありましても、或る一定の時間に必ず一定の所へ運ぶというこの二点を最も大きな中心点として、常時そのサービスのあり方というものについて関心を持つて指示しておるわけであります。
#77
○山田節男君 最後にもう一点確認しておきますが、若しこれは各地区的にも、現存のそういう運搬する会社に対抗するわけじやありませんが、新らしい申請があつて、そのものが郵政省としての定める条件を完全に充たすようなものがあれば、これはそういうようなものに許可を与えるという可能性はあるのですか。ということは、先ほど申上げたように独占的になつてしまう。この場合飽くまでも自由競争的にやるという建前は変らないのか。或いはそうじやなくて、この逓送会社を成るべく責任下に置いてやらしめるという方針なのか……。
#78
○説明員(松井一郎君) 私どもは日本郵便逓送を特別扱いする会社とは考えておりませんので、郵便事業のために本当に協力をして頂けるような会社ができ上りまするならば、私たちは喜んでいつでも迎えるにやぶさかでないつもりであります。従つて、或る地域において新らしい線路を始めるといつたような場合には、現在の法律におきましてのこれは一応条件を示して、皆さんがそういう御希望のかたに入札をするという形をとるわけでありますから、そういう際には、そういう方面に対して関心を持ち、将来とも長くこれをやつて頂くというようなかたについてはできるだけ御参加をお願いしたい、かようなつもりでやつております。
#79
○山田節男君 じやもう一つ確めておきたいことは、この日本郵便逓送会社は勿論郵政省の委託されるものを優先的に運搬する義務があるように私は考えていいだろうと思うのですが、その運搬することについて、会社は郵便物だけをやつているのか、或いは二割、三割とか、若し季節的にそういうものが少い場合には、他の運搬事業をやつてもいいのか、この点はどうなつているのですか。
#80
○説明員(松井一郎君) 現在のところこの会社は専用貨物輸送の免許しか受けておりません。一般貨物輸送は全然やつておりません。
#81
○委員長(東隆君) 私から少しお伺いしますが、山田君が質問したことに対して松井郵務局長さんのほうからお答えになつたのはこういうことなんですか。それは将来もう少し適当な会社ができた場合にはそれに委託をしてやらせる方針なんだ、こういう方針ですが、議会の意思は、衆参も実は附帯条件を添えております。それは「郵便業務は国家専掌とする本旨にかんがみ、委託業務は漸次出来得る限り縮小すること。就中通常郵便物の取集、配達等を請負とすることは、特例の場合を除き避くべきこと。」これは先般の法律改正のときにおける衆参両院の附帯事項です。ですから、私は国の意思が、議会の意思が、できるだけ郵便逓送の業務を直営に漸次移すべきである。これが意思だろうと思うのです。それでそれに対して先ほどの答えは、それの反対のお答えをされているわけです。そこで私は先ほどからのお話を伺つて見ますと、収入、或いはこれは売上げの面で収入を上げるのですが、郵便料金の値上げその他の問題が起きて来ている。こういうような場合にどこを切り詰めなければならんかと言えば、やはりコストを切り詰めて行くより仕方がないわけです。支出のほうを少くするよりほかに仕方がありませんが、そのためにはできるだけペイするところの、そこは直営でやるべきだ、ペイしない以上は当然助成か何かの形で以てやるより仕方ありませんから、そういう形態をとるべきでないかと、こう思いますが、その点はどういうふうにお考えになつておりますか。
#82
○説明員(松井一郎君) 私の言葉が足りなくて若干誤解されるような虞れがあるような説明をしたのは甚だ遺憾だと思います。実は私どもは先ほど申上げましたのは現在の状態においてどうであるかということについて御説明申上げたのであります。併し国会のそうした御希望も勿論ありますし、又私たち自身の考え方としても、日本のすべて問題について全部民営がいいというようなことを必ずしも今打ち立てているわけでもございません。そこでまあ物にも順序がありますので、手順として先ず日本の、最近においていろいろな小型の輸送、モーター付きの設備があるものがありますが、こういうものをこれからどんどん取入れてこういうものならば比較的維持、運営、或いは従業員のこれに対する訓練というものも割合やりいいので、そういう点から郵便物の輸送委託というものが、でき得る範囲内において成るべくみずからの手においてやれる範囲を拡げて行きたいというようなことは現に私どもも考えて、実際にそういつた方策をとりつつあるわけであります。ただ今すぐにこの形をどうこうするということになつては、そこにはいろいろな前提条件となる問題もありましようし、又今の日本の実態としても、必ずしもそこまで急に行くには相当時間かかかるのではないだろうかということを申上げた次第であります。
#83
○委員長(東隆君) それではその次の問題として、設立の場合、占領軍がいた時分アンチ・トラストの形で以ていろいろ制約を受けた、こういうことですが私はこの範囲においてはもう一歩進んで、パブリック・コーポレーシヨンのそういう形態でこれは進むべきものだ。殊にペイするに十分な収入の上るところですね、そういうふうなところだけを実は会社が狙つておるわけです。委託を受けるところはもう殆んど、どちらかというと収支償つて、そうして配当を一割二分出せるようなところをつかんでおる。そこで将来も又私は十分にそういう採算が立つだろう、こういう予想をされるところには又こういう会社ができる。こういうことも可能だし、それから今のこの何が手を伸ばす、そういうことも可能だと思うのです。だから今実際にやつておるところの地域というのは、結局末端のほうを省いて、そうしてどちらかというと交通の便利な都市を中心にしておるのですから、それでそこだけをとつておる。こういうようなことが言われると思うのです。で、この場合アメリカと先ほどのお話を伺いますと、やはり都市の便利なところは直営でやる。そうしてそれ以外のところは委託にしてやる、こういうようなことを言われておりますし、私はこの問題は先ほど申しましたような点から考えて、当然郵政省のほうで考えなければならない問題ではないか、こう思うのですが、それを現実の問題に馴れて、そうしてそういうふうな改変を加えないというのは、これは少しおかしいと思うのですが、それでどうしてももう一歩進んで、郵政省は利益の上るところは十分に直営で以てやつて行つて、そうしてできるだけ、利益の上るところというのはコストのかからんとこですね、そこはやつて行く。こういう態勢をとるのじやないか、こう思うのですが、この点はどうでしよう。
#84
○説明員(松井一郎君) 私どもは自動車の郵便専用路を開く場合には、大体にそこにおける郵便物の流れ、量、そうして従来それを運んでおるルート、例えば鉄道に委託しておるというようなこととの経済的な判断というようなものを勘案いたしまして、サービスもよくなるし、これならば郵政省自身としても大体経済的な負担はそう重くなくて済むというようなところ、そういうようなところを結ぶために自動車の専用路というのをまあ開くわけであります。郵便物の少いところにおいてすぐにそこに専用自動車を一台動かすということは、これはまあ我々は一般的にこのサービスを合理的に経営して行く上にもとより考えられないところでございます。従つて山間の僻地に、行嚢一つか二つぐらいしか郵便物のないところに自動車を走らすというような経営は事実できない。そういう関係から、現在開かれておる路線というものが、郵便物が相当多量にあるという問題、そういう点からして都会には比較的多い、併し必ずしも都会のみに集中しておるわけではございませんでして、先ほども委員のかたからもお話がありましたように相当山奥に至るまでやはりそういう相当なサービス改善という意味で一台走らせておるのでございます。それはどちらのほうが儲かるとか儲からないとかいうことは、実は当然には起らない問題でありまして、一定の場所において一応ともかく合理的な値段でやる。おのずからそこに有利なところにはたくさん業者が出て来て競争されるでしようし、余り有利でないと業者のかたかたで認められるところは、或いは競争者が少いかも知れませんが、そうした点並びに我々内部のいろいろな予定単価の算出からいたしましても、道路のいいところと道路の悪いところは勿論条件が違つておるというようなことを考えますと必ずしも有利なところだけやつているという形は直接に出る問題ではない、かように考えております。
 それから、こういう大事なことだから、更に一歩進んでコーポレーシヨンとおつしやいましたが、何かそういう特殊なものに将来発展して行く考えはないかというような考え方でありますが、これはまあ一つの政策問題でありまして、私自身が今ここでコーポレーシヨンにする意思があるとかないとかいうことはちよつと申しかねますが、今の運営形態で、ただ一つの事務として見た場合には、特にその間の支障は起きていないということだけを申上げさして頂きます。
#85
○委員長(東隆君) この委託を受けた会社ですね。この日本逓送、それからその他の会社に対する監督はどの程度まで入るのですか。
#86
○説明員(松井一郎君) 私どもは会社監督という観念は全然持つておりません。各契約ごとの請負契約条項として最小限度、あなたがたのほうとしては、これを履行するために、これだけのサービスを提供するという限度にとどまりまして、一般的な意味の会社監督というものは、この現在やつている運送委託法の精神からしても出て来ないわけでございます。
#87
○委員長(東隆君) その次に伺いますが、会社の経営その他についての、例えば採算ですね。そういうようなものを当つたことがあるのですか。
#88
○説明員(松井一郎君) 勿論私どもは現在の我々が支払つておるものというものは、そもそもその算定のあり方といたしましては、先ほど来申しましたように、それぞれ専門家の権威ある数字を基礎にとつてやつておるわけでありますから、それが現実に会社にどのような採算状況になつているかということも、これは事実問題として無視できない問題である。そこで始終会社のそういう関係の書類は、必要に応じて私どものほうで頂載いたしまして、これを私たちの執務の参考にしておるわけでありますが、会社自身の企業努力によつて会社の内容がよくなることは勿論結構なことであります。我々自身も払い方が非常に甘かつたというような点から出て来るものについては、これはもとより我々自身の支払の方法を当然考え直さなければならん点だろうと思います。そういう意味合いにおいて会社の経理内容の資料は常時頂載しております。
#89
○委員長(東隆君) 先ほど話を伺つているときに少し疑問があつたのですが、この積載基準量というのは、これはどういうことになるのですか。お話は積載基準量という……。
#90
○説明員(竹下一記君) 御質問になりましたのはこの資料の……。
#91
○委員長(東隆君) いや、この資料は一つもないのですが、説明をされましたときに、基本賃率というところの説明をされる場合に、積載基準量というものがあるのだ、内規でですね。そうして例えば二トン以上は大型の四トン車に載せる、こういうようなことをちよつとお話が出たのですが、その積載基準量というのはどんなことになつておりますか。
#92
○説明員(竹下一記君) 御説明申上げますが、私ども郵便物を運送します場合に、実際運送の対象となる郵便物というものは千差万別でございます。それで大体の色分けをいたしまして、例えば行嚢の数で申しまして百個、行嚢が大体百個ございますと、容積が六立万方メーターございます。これは大体郵便物としては多いほうでございまして、この物を運ぶとしますれば、世間でいわれております大体四トン車というもので以て運送するに丁度適当であるというので、大型Aと称しておりまする四トン車を採用いたしております。その場合基準積載量というのが、つまり郵袋数でいいますと百個の郵袋数である。容積は六立方メーターということになります。それが大体郵使物の形態、事実上の形態に応じまして四段階にその基本積載量を分けまして、それにおのおの四トン車、三トン車、二トン車と小型という車を適用していると、こういうことになつております。もう一つ、今委員長から御質問がございました二トン以上と、こういうことでございまして、二トン以上というものに対して大型のA、つまり四トン車を適用しているのはおかしいではないかと、こういう御質問でございますが……。
#93
○委員長(東隆君) いや、おかしいというのじやないのです。
#94
○説明員(竹下一記君) ああそうでございますか。その二トンと申しますのは、つまり大型Aに満載をいたしました場合、つまり郵袋百個積みました場合には、大体郵便というのは嵩むものである割合に重量は軽いものでございますから、大体それは二トンになる。こういう一応私どもの事務の計画の基準をそこに示してあるわけでございます。
#95
○委員長(東隆君) それからこの基本の費用を計算する場合に、例えば一日八時間と、それから距離にして六十キロですね、これはどういうふうにして、会社のほうでは利益になるほうをとるのですか、どういうふうにするのですか。
#96
○説明員(竹下一記君) これは自動車を使つて運送事業を行います場合、その仕事の内容というのはおのずから性質が二つございまして、距離で以て、つまり遠距離を走る場合と短い距離でございますが、何回も往復する場合と二通りございます。それで遠距離を走ります場合には、キロで以て料金の基礎にいたしますし、距離と申しますよりもむしろ時間の、時間経理をやつたほうが適当であるという場合には、時間を以て料金算出の基礎といたしましてやつております。説明がどうも……、選択権は郵政省で選択いたします。
#97
○委員長(東隆君) 私は常識的に見て北海道にあるものと、それから日本郵便逓送株式会社と、こう二つ比べて見ましたときに、常識的に言うと非常に北海道の場合は困難な点がある、計算上ですね。例えば深夜、積雪、悪路、こういうような問題で以て割増にされておるのですが、こんな形で両方の会社を比べたときに、配当その他にどういうような何がありますか、最近のものはどんなふうになつておりますか。
#98
○説明員(竹下一記君) 配当の問題でございますが、北海道はたしか一割を出しておつたと思ます。それから内地と北海道とでは実際運送の実態がかなり違つておりますが、それぞれ基本額のほかに附加料金というものがございまして、それをおのおの適用いたすことによりまして料金算出のほうは合理的に行われておると、かように存じます。
#99
○委員長(東隆君) それからこれは北海道の場合に、雪が降つた場合に自動車が通りますが、そういうような場合には、これはこの会社がやはりそれをやつておるわけですか。
#100
○説明員(竹下一記君) 雪の期間におきましては全然車を使いません。従いましてこれに対する料金は払わないということになりますが、一面これをほかに転用することもできませんし、且つ業者は冬季間、車の補修を十分にやらなくちやいけない。なお従業員はそれぞれ訓練或いは車の補修に承る程度かかれなくてはいけないということを考慮いたしまして、休んでおります期間につきましては、休車の維持料といたしまして基本額の三割七分二厘というものを支給いたしまして、これを救済いたしております。救済という言葉は悪いのですが、休車維持料というものを支給いたしております。
#101
○委員長(東隆君) そしてその今の馬橇、それから、その他による代替車で以てやるのはこれは認めておらんわけですか。
#102
○説明員(竹下一記君) 認めておりません。その場合には、馬匹の運送につきまして別個の契約を結びます。
#103
○委員長(東隆君) その場合の契約の相手方はどうなるのですか。
#104
○説明員(竹下一記君) 契約の相手方は車の契約の相手方とは別のものでございます。
#105
○委員長(東隆君) これは年間を通して、若しその間の路線のものを請負わせるとすれば、全般を含めたほうがいいのじやないかと思いますが、別々にやるというのは非常に……。例えば北海道郵便逓送株式会社というのに対して使わないときにも払う、こんなような矛盾があるように思いますが、その間のところは、これは却つてその会社をして冬季間の逓送をやらせる、こういうようなことを考えてもいいと思いますが、そういう点はどうですか。
#106
○説明員(竹下一記君) 自動車の契約の相手方をして冬季間馬橇を以て代替せしめる、それに対して一年間の運送料を支払うということは、理論的に可能であろうとは思います。併しながら自動車そのものにつきましては、いずれにいたしましても雪のある期間は休まなくちやならない。それに対する補修というものは依然として残りはしないかと思います。又事実問題として現在冬季間馬橇の運送をやります場合は、全然別個の相手方を選んでやつておるのでございますが、その相手方は大体において毎年一定しておるものであり、郵便物の運送につきましても非常に慣れたものでございまして、現行のやり方につきまして非常に不便であると申しますか、能率が上らないと申しますか、そういう面はございません。
#107
○委員長(東隆君) 私は馬橇で以て輸送しておつた者が冬季間必要なときだけ雇われて、そして而もそれがそのときの賃金で、或いはどういう契約をされるかわかりませんけれども、自動車の場合には冬季間には一応救済策を考える、それから馬橇で以てやつておる、それには救済策を考えない、こういうことになると、これは大分片手落のような考えがいたします。こういうような北海道に対しましては特別な考え方をすべきであつて、私はどうも非常にその辺は矛盾があると思うのです。
#108
○説明員(松井一郎君) 私から補足的に御説明申上げますと、北海道のように周年設備を動かし得ないようなところにおきましては、おのずから一日当りと申しますかの単価というものは当然内地よりも高くなきやならんことはこれは当然だろうと思います。やり方としては、初めからそういう高い単価を、割増を付けたものを日々払つて行くのも一つの行き方だろうと思います。そして、そういたしますともう雪が降つて休んだからと言つて特別に何もやらなくて済むという行き方もあろうと思います。併し毎年積雪というような状態は、いろいろ天候上の問題で必ずしも一定の期間限つたものではないというような点も考慮いたしまして、平生は普通の料金をやつておる、その代りにその間はいわゆる維持料という形において三割ばかりのものを出してやるというふうな運用の仕方をやりておりますが、逆に言えば、積雪地に三割支給しているものを年間に組替えた計算というものも成立つわけであります。事務の運用のやり方としてはそのほうがはつきりしていいというようなことで只今のやり方をやつておるわけでございます。
#109
○委員長(東隆君) 私は結局前提に、休んでおる休車に対して出すという、そういうような条件がちやんと示された場合に引受ける会社ができるのである、それがないということになると引受けない、こういうのが出て来るかも知れません。これはいろいろな問題が出て来ると思いますが、これは私はそれだけの考え方で若し郵政省かこの会社に対して考えるならば、私はやはり直営で以て北海道のようなところにもやれる、こういう考え方を持ちますが、これは先ほどからのお話とは大分違いますけれども、やはりもつと郵政省が腰を入れてこの仕事をやつて差支えない。北海道の場合でも、例えばやつて動いているところはこれは十分にやり得るようなところであります。道南なんかを見ても中型のトラツクが通つておりますが、それらの通つておるところは決して会社によつてやらなければならんとか、そういうようなものじやないと思います。それから実際に動いているところは十分にやり得る、こういう態勢の下にあるし、それから普通のバス会社なんかの場合に、道路のいわゆる修繕料だとか何とかいうような名目で以て出すような、そういうようなものも殆んど出しておらんと思うのです。それで形は相当郵政省が直接やつておるような形のように一般のものが見ておる、直接やつておるものと皆見て、そして私的な会社がやつておるというふうには考えておらないと思います。民間の者がこれを見た場合に……。そういうような形におかれておると、こう考えておりますが、それを漸次この前の法律改正のときに議会が附帯条項として附けた意思を、やはり郵政省はできるだけそれに近付いて行くような計画の下にやつて行くことが私は正しいのじやないかと思います。又それをやることによつていろいろ郵便料金の値上げであるとかそういうような問題に対しても。議会の意思をやはり尊重することによつてそういうような問題もいろいろ考慮されて行くのではないか、こういうようなことを考えます。これは今私の考えているところを参考までに申上げるのですが、そういうふうに考えておりますので、これだけ申上げておきます。
#110
○山田節男君 ちよつと関連して……。例えばこの日本郵便逓送株式会社の例をとつてみますと、資本金が七千五百万円で、年間十一億円余りのサービス料というものがあるわけですね。それでこういうふうに一割二分の配当をしても、これはそんなくらいのものだつたら直営にしたつてできないことはないと思います。幾ら今日の日本の官業が能率が上らんと言つたころで、こういう非常に優秀な業績を上げているものを、これを国営にすればもつとマイナスになるということはちよつと考えられないのですが、少くとも今日の郵政省のこういう多年の現業の経験からして、そういうようなものを何も民間会社にさせる必要はないと思うのですが、その点はどうですか。
#111
○説明員(松井一郎君) こういうものを扱う場合に、一体私たち民間と官営の今のあり方を考えてみますと、非常にどういう点に大きな差があるかとしよつちゆう関心を持つているわけでありますが、新らしい車を使つている間は比較的そういう差別というものはそう起つておらんと思います。ところが御承知のように車というものはしよつちゆう丹念に手入れを適時にやつておかないと、これは一、二年たつて参りますると、手入れの行届いていると行届いていないで非常な差が出て来るそういうふうな問題について今の官庁の組織のあり方、従業員の運営の状態というものを考えてみますると、そういう必要なときに熱意を以て車を補修して行くというような形については体制的にまだ十分成熟していないのじやないかと私は考えておるのであります。日本郵便逓送会社が比較的いい決算を最近しておるというのも、これは決算の結果だけを見れば、我々がやつてもそう違いはないという考え方が一応成立つと思いますけれども、やはりその間において相当命数が尽きておるような車についても絶えず関心を持つて努力して来た結果というものが、やはりそのうちに大きく占めておるのだろうと、かように考えております。
#112
○山田節男君 今この決算委員会の専門委員の調査したところによると、この日本郵便逓送株式会社の場合で言えば、資本金が七千五百万円で、一割二分の配当ですか、これはそれだけを我我決算面だけから見ても、如何に日本の官業の能率が悪いと言つても、又それから今自動車の修理をと言われましたが、恐らくこの運輸省とか郵政省とか、こういうサービス官庁は他の事務官庁とは違つてそういうものについては私は相当訓練ができておるのじやないか。これはまあ自分で自動車を運転しないとわかりませんが、けれども自分が運転すれば、たとえ他人の自動車であつてもこの点は気を付けるのです。ですから今局長の言われるような点は、これは一つの、一般的に言えばそれは今の官庁すべては、自動車にしても……。まあ官庁の建物の中に入つても、会社の事務室よりも非常に汚い、人事管理が非常に不徹底だ、併しこれは欧米の官庁へ行つてみると実に事務所もきれいだし清潔に管理してある。車だつてそんな、これはお上のものだからということで、もう大変傷んでいるのに放つたらかすということはないと思うのです。又そういうことがあつてはいけないのです。殊に郵政事業というものはそういうことについての精神的訓練といいますか、そういう訓練こそこれは必要なのでありまして、だから今あなたのおつしやるようなことはこれは非常にいけないことなので、これは改めて行かなければならない。そうしてこの輸送するものから言えば、むしろ国家機関で直営して行く、国家の責任においてやるというのが、これは常道なんですね。だからよそで、外国でやつているから日本でもいいのだということはいけない。これが著しく不利な事業だつたら民間がやるわけはないのですから、ですからこれは先ほど申上げたように民間経営の海運会社等を見ましても、やはり線をたくさん持つて、経済線と不経済線とがあつて、それでバランスを取つて行くという、まあこれは実情、どの小さい海運会社でもそういうようにやつているんでありますが、その場合とこの場合と私は相当違うのではないかと思う。委託されるものが……、ですから今あなたのおつしやつておるようなものが、直営じやいけないのだというようなことの根本の理由にはちよつとなり得ない。
#113
○説明員(松井一郎君) 私の言葉が若干足りないと思いますが、私も考え方として直営がすぐいけないというようなことを必ずしも考えておりませんです。ただ日本の現在のあり方からいいまして、まだ日本人がこれを直営で持つて行くためには、従業員自身にも機械を取扱うといつたいろいろな形の、段階としても操作の問題もありましようし、又会計の規定、全般に対するあり方というものも考えなければならない。そこで私どもも取りあえず今のいろいろな免許面、その他いろいろむずかしい制約のある自動車、その前提条件となるべきものについてできるだけそれを取入れて、従業員のそういうものに対する訓練というものをやつて、そういう素地を作つて行きたいということを現在やりつつある現状であります。そうしたものの結果を見まして、十分にそれに耐え得るといつたようなときには、まあこれは時の政府の方針でどの程度まで国営に切り換えて行くかということは、そのときどきにきめて行つてもらいたいと思つております。
#114
○委員長(東隆君) ほかに御質疑がなければ、これで本日は散会いたします。
   午後三時五十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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