くにさくロゴ
1947/08/02 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第7号
姉妹サイト
 
1947/08/02 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第7号

#1
第001回国会 農林委員会 第7号
昭和二十二年八月二日(土曜日)
    午前十時三十七分開議
 出席委員
   委員長 野溝  勝君
   理事 叶   凸君 理事 清澤 俊英君
   理事 寺島隆太郎君 理事 岩本 信行君
   理事 萩原 壽雄君
      大島 義晴君    佐竹 新市君
      永井勝次郎君    成瀬喜五郎君
      野上 健次君    平工 喜市君
      松澤  一君    小林 運美君
      佐々木秀世君    関根 久藏君
      圖司 安正君    寺本  齋君
      中垣 國男君    堀川 恭平君
      八木 一郎君    小川原政信君
      重富  卓君    松野 頼三君
      森 幸太郎君    山村新治郎君
     的場金右衞門君    山口 武秀君
 出席政府委員
        農林政務次官  井上 良次君
        農林事務官   三堀 參郎君
    ―――――――――――――
七月二十八日
 主食及び蔬菜の配給確保に關する陳情書(東京
 都二十二區長協議會提出)。
 青果物統制撤廢に關する陳情書(東京都二十二
 區長協議會提出)。
 食肉統制撤廢に關する陳情書(危機突破全國食
 肉業社大會提出)。
 果實の公價改定に關する陳情書(日本果實協會
 長小濱八彌提出)。
 食糧諸施策實施の陳情書(全國都道府縣知事提
 出)。
 東京都區民の食糧事情竝びに飢餓突破對策に關
 する陳情書(東京都北區議會長北島眞平提出)。
 農業保險制度の改正に關する陳情書(青森縣農
 業保險組合連合會長齋藤俊治外八名提出)。
 食生活改善に關する陳情書(小山量輔提出)。
 東京都における食糧緊急對策に關する陳情書(
 東京都議會議長石原永明提出)。
 生活協同組合に配給權及び荷受權付與の陳情書
 (東京都生活協同組合連合會提出)。
 主要食糧品價格引上促進の陳情書(長崎縣農業
 會壱岐支部長瀧川敏外二十一名提出)。
 農業用電力料金の特別引下及び農地改革實施に
 要する諸費用國庫補助の陳情書(東北六縣耕地
 協會連合會代表八島徳朗提出)。
 主食需給計畫の根本的改革に關する陳情書(大
 阪市社會面檢討會代表奧田忠司提出)。
 薪炭生産上の隘路改善に關する陳情書(栃木縣
 薪炭生産組合連合會代表藤田寅雄提出)。
 養蠶業指導員の待遇改善に關する國庫補助の陳
 情書(新潟縣高田町上來繩養蠶實行組合長峯崎
 新外百九十五名提出)。
 農地調整法實施に伴う民有林地の所有權保護に
 關する陳情書(日本林業會長大村清一提出)。
 農地調整法即時撤廢の陳情書(愛知縣岡崎市鈴
 木坂治郎提出)。
 東北及び新潟地方の特殊事情に立脚させる食糧
 供出對策改善に關する陳情書(山形縣東田川郡
 東北供米促進研究會提出)。
を本委員會に送付された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 食料品配給公團法案(内閣提出)(第九號)
 油糧配給公團法案(内閣提出)(第一〇號)
    ―――――――――――――
#2
○野溝委員長 會議を開きます。
 お諮りいたします。去る七月三十日の農林打合會において林業小委員を選定いたすことに決定しました。その小委員選定方法は委員長においてこれを指名するのに御異議ありませんか。
#3
○野溝委員長 それでは
   永井勝次郎君  松澤  一君
   佐々木秀世君  闕根 久藏君
   重富  卓君  森 幸太郎君
  的場金右衞門君  中村元治郎君
以上八名を林業小委員に指名いたします。
#4
○野溝委員長 付託になつておりまする食料品公團法竝びに油糧配給公團法に關する質疑を繼續いたします。通告順によりまして重富委員の發言を許します。
#5
○重富委員 九項目ばかりお尋ねいたしたいと思います。第一點は、この法案を全體的に見まするのに、この法人は大體においてむしろ官廳としての實質をもつておるようでありますが。それにもかかわらずこうした特別法人をつくられるというのは、一體どういうわけかということなのであります。全體を通覽してみまするのに、この法人には最高意思決定機關もないのであります。それは政府がもつておるようであります。それから執行機關の任命につきましても主務大臣がこれを任命する。また職員は官吏もしくは政府職員である。しかもそれに對する特別給與等も、これは主務大臣の認可を受けなければならぬといつたような形になつておるし、會計監督におきましても、會計檢査院がやる。まつたくこれは官廳と何ら變りはないのでありますから、そうすれば、たとえば專賣局のごとき作業廳として、特別會計のもとにこれが實施されたらどうなるのか。なぜこうしたえたいの知れない法人を特につくらなければならぬか。この點をまず第一番にお尋ねいたしたいのであります。
 第二は、この公園の第三者に對する責任というものはどういうふうになつておるのか。この點がお尋ねいたしたいのであります。政府の出資が四千萬圓を限度として出資するようになつておりますが、この四千萬圓を限度としてこの法人は取引の相手方に對する責任を有限責任的にとるのかどうか。もしも有限責任的にとるといたしましたならば、この公團の第三者に對する考え方は非常に間違つておるのではないかというふうに考えられるのであります。なぜかと申しますと、この公團と取引をいたしますものは、すべて取引の選擇の自由を失つておるのであります。買付けにいたしましても、また賣付けにいたしましても、ある一定の品目に關する限りは強制でありまして、取引の自由を失つておる。それに對して有限責任ということは、はなはだしく不都合ではないか。またそうした場合が起つたときに、それに對して國家が責任をとるというのならば、そういう點は明らかに示すべきではないか。この點は非常に曖昧のように思つております。それから第三點といたしましては、この公團が取扱いますところの品目を命令で定めるという部分が非常に多いのであります。食料品の關係におきましても、明示してありますのはわずかに六品目だと心得ております。他は全部命令に任されております。油糧配給公團に至りましては、全然具體的にその品目があげてないのであります。あげて命令に一任されております。ところがこれらの對象物品となりますものは、すべてそれを取扱つておりましたところの人たちは、その營業に關してある程度の制限を受ける。あるいはその營業を停止しなくてはならぬという、いわゆる營業の自由に關する相當な束縛を受けるのであります。新憲法の趣旨は、法律をもつてしてさえ極度の制限をそういう面には設けておるにもかかわらず、かかる廣汎な範圍において、命令にそれを委任するということは不都合のように考えられます。この點はいかように考えておいでになりますか、お尋ねいたしたい。
 第四は、この公團は現物をどの程度に取扱う考えか。またその取引をいたします場合に、いかなる團體から買付けをし、いかなる團體へ賣付けをしようとするのか、この點をお伺いいたしたいのであります。
 それから第一條によりますと、配給に關する事務を行うというふうにいつてありまして、配給を行うことは言つていないのであります。ところが第十五條第一項第一號第二號等を見ますと、現物を取扱うようになつておるし、また配給もある段階まではこの公團でするかのごとく見えます。現物の配給であります。この點はどういうような考え方をしておられるか。すなわち第一條と第十五條との關係であります。
 それから取引の段階はどこまでか。具體的にお尋ねいたしますと、買取りは製造業者の一人々々と契約をしてやられるのか。それとも製造業者に團體をつくらして、それでやらせるのか。また販賣については、販賣業者に團體をつくらして、それでやられるのか。それとも一人々々と契約をしてやられるのか、この點であります。
 それから第五點は、職員はどのようなところから求めようとしておられるのか。また何人ぐらいを配置して、その配置はどのような状況に置こうといたされるのか、お伺いいたしたいのであります。第十三條によりますと、從來の關係の者は、ほとんどこの公團の職員になることはできないと思われます。第十三條にこれらの會社その他の事業云々とありまするが、それ以下の解釋いかんによりましては、從來こうした面で働いておりました人たちは、ほとんど公團の職員としてはいるわけにはいかない。こういうふうになりますが、もつとも一切の利害關係を云々ということや、その他の企業云々ということの解釋いかんでは、その點は相當違つてくるとは思いますが、十三條の解釋いかんによりましては、相當職員を求むるのに困難な點が起つてはこないかというふうに考えられますが、一體どういう方面からそうした職員を求めようとせられるのか。その人數はおおむねどのくらい考えておられるか。またこうした人たちを府縣、郡、市、町村までも配置する考えか、こういう點をお伺いいたしたいのであります。この點は先ほどお尋ねいたしました問題の四とも關連をもつてまいります。
 それから次にお伺いいたしたいのは、この公團の壽命はきわめて不安定であります。そうした不安定な公團に、しかも非常に重要視され、特別法律までつくつてやらなければならないというふうな大事な公團に對して、その壽命がきわめて不安定だということから、はたして有能な人材を集めることができるかどうか。これを集めようといたしましたならば、この具體的な方法、手段等をお尋ねいたしたいのであります。それからその次にお尋ねいたしたいことは、關係會社の解散と公團成立との間に起りますところのそのすきを、どういうふうにして埋めて、消費者に迷惑をかけないようにされるのか。そのための具體的な方法、手段をお尋ねいたしたいのであります。第三十二條によりますと、この公團が成立いたしましたときには、別表の會社は解散するとあります。從つてこの公團の登記が濟みますと、別表の會社は當然解散となります。かように解釋せざるを得ないと思います。そうしますと、その間には何らの餘裕もない。すなわち既設會社はすでに積極的な活動能力を失つてしまつて、直ちに生産行為にはいらなければならない。そうしますと、配給というがごとき積極事業はできない。この關係をどういうふうにされるか。このことをお尋ねいたしたいのであります。
 次にこの公團に對しますところの行政官廳の指導監督の問題であります。この公團法を見ますと、全般を通じて監督官廳、いわゆる行政廳の指導監督はまつたく複雜怪奇と言わざるを得ないのでありまして、大體安本長官が主務大臣なのか、主務大臣と言われているのがほんとうの主務大臣なのか、さつぱりわからない。犬牙錯綜しておりまして、兩方からおれがおれがといつたような調子がありありと見えるのであります。こういうことでは公團は著しくその經濟行為を抹消されはしないか。從來でもこういうことで經濟團體が非常に苦しみ、その仕事をやるのに手後れになつたということかたびたびありますが、この公團におきましては、そういう關係から消費者が少からざる迷惑を受けるということは、火を見るより明らかであると思われます。この公團に對する指導監督の權限を一本にするということはできないか。できないとするならば、なぜできないかを御説明願いたいのであります。この中で殊に矛盾した著しい例をあげてみたいと思います。大體そうした關係から矛盾した條項は、三十六條中に少くとも十四、五箇條あります。その中で著しい例を一、二申し上げてみますと第三十四條では、この公團の定款の認可を二つの行政長官がいたすようになつております。いわゆる安本長官と主務大臣が、並行してこの公團の定款の認可權をもつておるようであります。こういうこともはなはだしく不都合ではないか。政令二途に出るというふうな形がありありと見えます。これで、はたしてこの仕事ができるか。これも一つの例であります。また行政機關の任命は主務大臣が單獨でやつておきながら、次にはこれが解任は安本長官と主務大臣と二人がやることになつておる。これらもはなはだしく不都合な話ではないか。また行政機關の任命をやつた主務大臣が、行政機關のその業務遂行上については、ただ法令に違反した場合にのみこれを解任する。安本長官は業務上からこれを解任するといつたような非常な不合理があります。何ゆえにこうした解任におきましても、安本長官と主務大臣に分けなければならないのか。私どもにはうなずけない點であります。
 また最後に申し上げます。安本長官が主務大臣の上にある。これはどうしても解せないのであります。その事例は、安本長官の承認を主務大臣が受けなければならぬ點が二箇所もあります。それから安本長官が主務大臣その他の大臣に話しかけるときには、ただ諮問するような姿になつておりまして、最終責任は安本長官がもつ。すなわち決定權はおれがもつのであるというふうな形になつておりますのも。妙な語であります。要するにそれらの二つの點から見ますと、いわゆる行政長官としての安本長官と、各省大臣としての主務大臣との關係が亂れておりはしないか。憲法の上にはつきりとこのことがあれば別であります。にもかかわらず、憲法にない。憲法の上では肩を竝べなくてはならぬ性格のものが、法律でもつて一段と上にもつていくということが許さるべきかどうか。これらの點がお尋ねいたしたいのであります。これは將來の憲法の上の問題とし、また行政機構の亂脈にならないためにも、愼重に御檢討を願わなくてはならぬ點だと思います。
 それから最後に、自家用の醤油、みそ、油等の製造は本法に關する限りは差支えないのか。そのための原料は生産者に保有させるのかどうか。以上九點につきまして御質問を申し上げます。
#6
○三堀政府委員 たいへん綿密な御質問でございまして、われわれもいろいろと教えられるところが多かつたことをあらかじめ感謝いたしておきます。一々逐條的にお答えいたしますが、第一の問題は、これは官廳と同様なものであつて、別に法文をするほどの必要はないじやないか。何なら專賣でもやつたらどうかという御趣旨だと思うのでありますが、專賣にいたしますと、御存知の通りに、これは政府の特別な會計になりまして、會計上の非常な拘束も受けますし、その點でいわゆる一手買取り一手販賣という、現實に即して機敏に動かなければならぬ經濟行為を行う國體といたしましては、非常にぐあいの惡いものになるのでありまして、みそ、醤油にいたしましても、あるいはその他のものにいたしましても、すべてこれは現實の經濟的な商品なんでありまして、これをそういうように政府が直接自分でやる。專賣的な形においてやるのだということでは、專賣制度の是非は別といたしまして、事の動きの點において、非常にぐあいの惡い手續的な面が非常に多く出てまいるわけでありまして、そういう意味で、これは專賣という政府が直接やる形をとらなかつたのであります。ただしかしながら、現在の建前といたしまして、民間における獨占禁止ということは大きな方式になつておりますので、從つて、こういう公團というような、政府との連絡の趣旨に基いて特別な法人をつくりまして、いわば政府の代行機關、ガヴァメント・エーゼントという形でやるわけでありまして、この點はそういうように御了解願いたいと思うのであります。
 また執行機關などの點もお話しでございましたけれども、これはもう、一つの政府機關でありますので、あるいは株主總會とか、役員會というような、そういう意思決定の特別な機關はもちろんないわけでありまして、いわゆる總裁が各官廳における長と同様な形において、自分に與えられた權限の範圍内においては、その總栽が自由な權限をもつてやり得るわけなんでありまして、その點は普通の官廳と別段動き方において變りはないわけなんであります。
 それから第二の點でありますが、第三者に對する責任の點、この點につきましては、法案に御覧の通りはつきりした規定がないわけなのであります。ただ考えといたしましては、御指摘の通りに、こういう公團が、あるいは生産者に對し、あるいはその他の債權者に對して、有限責任でなく無限に責任を負うべきだというお話で、これはごもつともだと思うのであります。ただそれには法規的のはつきりした明文がありませんし、またこの點につきまして、實はわれわれも、今まで法制局等におきましてはつきりした議論をいたしておりませんでしたので、確定的なことにつきましては、なお關係方面と相談をいたしてお答えいたしたいと思います。これはこの前の議會における配炭なり、石油の公團法におきましても、實はこの點につきまして議論が出ておりませんので、われわれはついうつかりしておつたわけなのでありまして、大變結構な御指示で早速この點は法律的に十分研究いたしまして、改めてお答えいたしたいと思います。それから取扱い品目でありますが、大體食料品配給公團におきましては、ここにあります六品目を取扱うことにいたしているのでありまして、これを、今御指摘の通りに、規則で定めるということが書いてありますけれども、これを殖やすということにつきましては、別段さしあたりは考えておりません。この公團にどういう品目を取扱わせるかということにつきましては、もちろんこの公團の性質が、こういうような政府の代行機關という形においてやる、一手販賣という非常に嚴格な統制行為でありますから、何にでも及ぼしていいという性質のものでない。國民の食生活に最も重要な關係があり、しかもそれが現實において需給關係が非常に逼迫しているというものでなければ、もちろんこれは公團において扱う性質のものでないわけなのであります。さしあたり六品目程度のものでありますが、それ以上のものは現在のところ豫想されないのであります。從つてこれを殖やすということは考えておりません。この點につきましては御了承願いたいと思うのであります。
 それから次に現物の動き方につきましての御質問でございますが、物をこの公團が直接生産者から買取つて、これを卸賣業者なり、あるいは物によつて違いますが、卸賣機構のないものにつきましては、小賣業者にまわすことになつて物は動いてまいります。その間に製造關係について特別な協同組合や、あるいは製造業者の團體をつくらせる。あるいは配給業の關係について特別な組合をつくらして、これを相手にするということはさしずめ考えておりません。それはやはりある面から言いますと、獨占禁止の建前にも觸れてまいりますので、個々の製造業者、個々の販賣業者を相手にして一手買取り、一手販賣の形をとつてまいるつもりであります。もちろんそう申しましても、協同組合なり、あるいは製造業に關する組合をつくらせないというものではない。それはそれとして使命があるわけなのでありまして、いろいろ實際の面なり、生産指導の面において使命をもつているわけでありまするから、そういう仕事を行わせる意味においての組合はつくらせるけれども、そういう組合をこの公團が販賣なり、あるいは買取りなりの相手として扱うということは考えておらない。こういうように御承知願いたいと思うのであります。ただ現在の問題といたしまして、一番こまかな、全國的に非常に多數の生産業者を相手にし、また多數の販賣業者を相手にしておりますのは、みそ醤油になるわけでありますが、こういうものにつきましては、現在各地方の統制會社が必要に應じまして、たとえば北海道とか、あるいは販賣の面におきましては、六大都市の關係を有する面とかいう方面におきましては、地方統制會社はそれぞれの地方に必要な支所なり、出張所を設けております。こういう機能は公團ができましても當然活用してまいらなければなりませんので、公團の出張所あるいは公團の駐在員事務所という形において、今後とも存續してまいりたい。そういうものがあることによつてメーカーなり販賣業者との結びつきを密接にしてまいるつもりであります。なお物を動かすにあたりましては、もちろん輸送の關係が非常に問題になつてまいるのでありますが、公團が製造業者から物を集め、そうして販賣業者に渡すと申しましても、何も自分がトラックをもち、自分が全部輸送をやるという意味ではもちろんないのであります。必要に應じては、輸送をそれぞれの輸送の面に託するということはもちろん考えられるわけであります。これは蛇足かと思いますけれども申し上げておきます。從いまして職員も現在の各統制會社、統制團體の職員を、大體においてそのままの形において引繼いでまいるつもりであります。ただ今度この公團ができますのと並行いたしまして、各業態にはそれぞれ製造業に關する協同組合ができつつありますし、現にできているのも相當ありますが、これらの關係におきましては、從來各統制團體が配給の面、生産の面、兩者を扱つておりましたので、この協同組合の方では、それぞれ生産の面の從來の統制機關の仕事をやる意味でできつつありますので、統制會社なり、統制團體なりの從來の職員の中の一部分の者は、そういう製造業に關する協同組合とか、あるいは任意組合なんかに籍を移す者もでてまいると思います。その他のものは、大部分はこの公團に籍を移して、從來の經驗を公團の職員として生かしてまいる。こういうことになると思います。從つて人數などの點におきましても、從來の各統制機關の人數を合計したものと、數においてそう違わないということになると思います。若干の減少はありますけれどもそう著しい違いはない。こういうように御承知を願いたいと思うのであります。みそ、醤油の關係なんかは、地方に各府縣ごとに地方統制會社をもつておりまして、そのこまかな點まで實は資料をもつておりませんので、全體の正確な數字は申し上げかねますが、いづれ資料として差上げたいと思います。
 次の問題は、この公團は存續期間が非常に短い。こんないつ果てるとも知れないようなものに、有能な人を集め得るかというようなお問いのようであつたと思いますけれども、法規の表面的な規定におきましては來年の四月一日、あるいは經濟安定本部の廢止になります時、いづれか早い時というので、非常に短い建前のようになりますけれども、要するにこの考え方は、現在のこの緊急な經濟状態がいつまで續くかということに關連をもつてまいると思います。經濟安定本部が御承知の通りできますときに、一年限りということでできたわけなんでありますけれども、現在の状態から將來を見透しまして、經濟安定本部が一年でなくなつていいような經濟情勢が出てまいるということは、當然想像されないわけでありまして、從つて經濟安定本部の續くような情勢のもとにおきましては、當然この公團もまた公團組織をもつてやらなければならない。配給統制の機構も續けなければならないわけなのであります。從つてなおしばらくの間はこういう機構を續け、こういう公團を續けてまいる必要があると思います。從つてそういう現在の危機において、非常に重要な役目を果す公團なのでありますので、できるだけ業界の練達堪能な人に出てもらいたいと思いますし、また業界の心ある人々は、おそらくこういう時期に自分が一つ出てやろうという人も、多數あることだろうと思うのでありまして、われわれといたしましても期待をいたしておるわけなんであります。
 それからその次ぎは公團の設立と從來の配給統制機關の解散との間に、何らかのすきが生じて混亂を來たしはしないかという問題だと思いますけれども、その點につきましてはもちろん遺憾のないように、先ほども申しましたように、現在の統制機關の者が、そのまま大體において新しい公團に移つて仕事をしてまいるわけでありますので、そういうようなことはもちろん起らないと思いますし、また起らないようにいろいろ十分の手配はいたしてまいるつもりであります。事務所等につきましても、大體さしあたりは、現在の各統制機關の事務所がそのまま新しい公團の事務所になると思いますし、仕事の面におきましても一手買取り、一手販賣という、現在の形とそんなに大きな違いはない、ほとんど同じような形なんでありますので、そういう意味におきましても、仕事の分野の混亂というものがありませんし、また物も、その當時從來の統制機關が持つておる物は、當然に公團に引繼ぐわけなんでありますし、いずれの點から考えましても、公團の設立と、從來の統制機關の解散との間に問題が生ずる、混亂が生ずるということは、起きないのではないかと思つております。
 その次ぎの安定本部總務長官と主務大臣の監督權の問題でありますが、これは形式的に申し上げますと、ご存じのことと思いますけれども、安定本部におきましては經濟全般についての總合計畫を立てて、そして各省がその實施にあたるというわけでありまして、この公團において取り上げております重要品目につきましても、もちろん安定本部がその需給に關する總合計畫を立てて、そして農林大臣がその實施にあたるわけでありますので、そういう意味におきましては、この公團に對する監督も、當然安定本部總務長官もこれに當り、それから主務大臣もこれに當るというわけで、ダブつてまいる面が出てくるわけなんであります。しかしこれは要するに安定本部と農林省との實際上の連絡さえうまくいつておれば、そんなにこれによつて、あるいは團體の方に迷惑をかけ、またそれがひいては消費者の迷惑になるというような點は、おそらく起つてこない。またぜひそれはそうなければならないものだ。かように考えておるのであります。
 それから最後に自家用釀造の問題でありますが、みそ、醤油等の自家釀造は、公團ができましても、もちろん引續き認めてまいるつもりであります。公團ができることによつてこれを特別に制限するということは考えておりません。
#7
○重富委員 討論にわたりますので深くは申し上げませんが、もう一つちよつとお尋ねいたしたいと思います。ただいまの私の問いの八の點でありますが、いわゆる指導權の問題についてであります私の方でお尋ねしましたのは、なぜ二つにしなければならないのか。なるほど計畫等は安本長官がいたされますが、しかしながらそれの遂行に關しては主務大臣がするというならば、主務大臣が一本でやつていいじやないかということをお尋ねしておるのでありまして、これは討論にわたりますから、きようは言いたくないのでありますが、實際問題として、これで混亂を來さないということは獨斷だと考えております。また從來は、なるほど私が先ほど申し上げましたような觀念で考えられたが、今は考えられないということは、これは詭辯ではないかと思います。少くとも憲法に立脚してなされなければならぬ問題だと思います。その點につきまして明瞭な御囘答を、願くば安本長官もしくは主務大臣の御兩人に御出席を願つて、御兩人立會いの上で、ここで明瞭な御囘答が得たいと思います。これを委員長にお願いいたしておきます。
 それから質問の七のところにつきましての、補助的な質問をいたすのであります。法律的な考え方から見ますと、片一方が成立すると同時に、片一方は直ちに自然解散であります。でありますからして、物を移すとか移さないかとかいう問題ではなくして、即時配給が行われるようにならなければならぬのであります。この間に一瞬のゆとりも許されない。この點をよくお考えの上で、その具體的な方法をお示し願いたいのであります。
 それから私の質問の六でありますが、例の公團の壽命の問題であります。これには御説明の上に非常な矛盾があると思います。と申しますのは、こうした經濟危機は一刻も早く乗切らなくてはならぬのでありますが、その經濟危機は長く續くから、安心してみんなはこの公團にはいるのだ。これでははなはだしき矛盾ではないか。一刻も早くこの危機を切抜けなければならない。その意味においてはもしもそれに對して政府側に自信があり、信念があるならば、この公團の壽命はきわめて短いとみなければならぬのであります。これはちようど醫者が病人をみるのと同じことだ。一刻も早く病人を治してしまえば醫者の收入は少くなる。がしかしながらこの病氣は長續きがするのだから、安心して收入があるのだ、といつたような氣持と變らぬような感じがしました。そこに何らかの矛盾を覺えます。
 それから五の質問に對する御答辯で、從來の統制會社の職員は引繼ぐ考えであると言われましたが、その中には特に優秀な人に關する限りは、第十三條の關係が起つてきて引繼ぎようがないと思います。この關係は明僚な見透しをしていただかなければならぬと思います。また職員の數は大して殖えない。かようにお考えのようでありますが、しかしながら一方ではやはり取引の關係上、先ほどの御答辯からみますと、ある程度までの卸賣業者、販賣關係におきましては、卸賣業者以下はずつと現在の機構が並行してあるように思います。そうすると、一部はなるほど統合された形になりますが、一部は重複することも起つてくるのではないか。そうするとやはり相當の人數が殖えてくる。そのことは結局單價を高めていくというような問題が起つてくるのではないかと考えられるのであります。これらも具體的數字をあげて御説明を願いたいと思います。以上補足的な質問をいたしまして、私の質問を終ります。
#8
○三堀政府委員 五の質問にお答えいたします。五番目の御質問の職員の數の問題それから十三條に關連する問題でありますが、十三條の關連で問題になりますのは、職員にはおそらくないのでありまして、まず役員であろうと思います。この點につきましては、われわれも役員の中の一部の人々は、當然特に生産關係に關連をもつておる人もおるわけでありまして、そういう人が今後はいらないということになりますと、執務面におきまして非情に痛いわけでありまして、この點につきましては、十分相談をしていきたいと思つております。たとえば從來の事業を親戚に讓渡して、自分としては生産なら生産の方面から一應手を切つて、そうして新しく公團の仕事に專念をしてもらうことを考えておるのでありまして、また現にそういう決意をせられる向もぼつぼつあるのであります。若干の人はそういうこともできないので救い得ないと思いますけれども、ある部分におきましては、そういうことでも救い得るわけでありまして、まずそう人を集める面におきましては困らないと思つております。特に職員につきましては、十三條との關係はほとんどないものと思つております。それから公團全體の機構といたしましての數でありますけれども、現在みそ、醤油におきましては、釀産業者からみそ、醤油を地方の統制會社が買取りまして、中央の統制機關を通じさらにもう一度地方の統制會社の手に還つて、そうして今度は卸賣業者に渡つて、末端の小賣業者に移るわけなのであります。その間地方、中央の統制會社がこの公團になるわけでありまして、別段新しく卸賣關係のものが公團にはいつてくるという關係はもちろん出てまいりません。從つてその面における數の問題は出てこないわけであります。それからまた卸賣關係の砂糖カン詰におきましては、現在製造業者から砂糖、カン詰ともそれぞれ統制會社が買つて、そうしてこれを卸賣業者に渡し、卸賣業者から小賣業者に渡すのであります。今度の公團におきましては、砂糖、カン詰につきましては、公團の業務としては製造業者から砂糖、カン詰を買つて、各地にもつていつて、卸賣業者に渡すところまでを公團がやるのでありまして、卸賣業まで公團がやろうとするつもりはもつていません。從つてこの面におきましては、現在の形がそのまま踏襲されるわけでありまして、この面における新しい機構の合併とか、新しく人數が殖えてまいるということは出てまいらないのであります。
 それから第六の問題でありますが、現在の緊急状態を一刻も早くなくしてまいりたいという氣持は、われわれといたしましてはもちろん變りはありませんし、そういう方向に向つていろいろの施策を講じてまいつているわけでありますけれども、ただ申し上げましたのは、現在の見透しといたしましては、なかなかそう簡單に、またそう手取り早く自由經濟の時代がこようとは思えない。從つて安定本部も一年ではなくならないであろうし、この公團も一年で解散してもよいという時代にならないであろうということを申し上げた次第であります。御了承願いたいと思います。
 それから公團の設立と從來の統制機關の解散でありますが、これによつて配給に混亂を生ずるという問題は起つてまいらないと思います。物によつても違いますけれども、みそ、醤油のごときものにおきましては、少いながらも絶えず動いていることは事實であります。ある時期を切つてみれば、あるものは製造業者から統制會社に移る途中にあるであろうし、また統制會社の手持ちになつているものもあるであろうし、さらに輸送途中のもの、あるいは小賣業者の手に渡ろうとしつつあるもの、現に配給されつつあるものもあるだろうと思います。
#9
○野溝委員長 政府委員に申し上げます。なるべく要點だけに願います。
#10
○三堀政府委員 承知いたしました。そんな形で當然新しい公團に引繼がれるわけでありますので、設立と解散の關係によつて混亂を生ずることはないであろうと考えております。
#11
○野溝委員長 重富委員の發言は重大だと思いますので、この際委員長から所見を申し上げておきたいと思います。付託されました兩法案は内閣提出にかかつておるのであります。當然安本長官が出席してしかるべきだと思つております。ただいま御質疑がありまして、なおさらその必要を痛感するので、直ちに次期委員會までには出席してもらうことにいたします。なお十四條十五條の問題は、特に憲法上の疑義がある點でございますから、この點は特に委員長から當局に傳えまして、出席を請うことにいたします。大島君。
#12
○大島(義)委員 私は三點ばかり御質問をいたしたいと思います。
 それは第十一條の「總裁、副總裁、理事及び監事は、主務大臣がこれを任命する」、こういう形になつております。こういうことでまいりますと、内閣が送つた場合に、その最高幹部の人人がその政黨に左右されて、いつでも罷免され、新しく任命される危險が非常に多いと思うので、從つてこういう場合における考え方はいかようにあるのか。もしわれわれの考え方から申しますならば、主務大臣は民主的な諮問機關をつくる、この推薦による者を主務大臣が任命する。こういうことにでも相なるならば、たとえ内閣が送ろうともその諮問が物を言いますので、この點には安心感があろうと思うのでありますが、ただこの條文のままでまいりますと、非常にそうした危險が伴つてまいるわけであります。この點が一體どうなるかということをお尋ねしたいのであります。
 その次は第十四條の規定であります。これは全部官吏に任ずるということになりますが、現在においてすらも官吏の數が多過ぎる、二十家族に一家族の割合で官吏がある。いかにも官吏が多過ぎるというときに、さらにまた官吏を殖やしていく、これが公團を通じてことごとくこういうぐあいになつてまいりますと、將來國民の半分が官吏になるのではないか、こういうふうにも考えられますので、こういう公團のごときは特別な問題でありますから、別に公團職員法であるとか、あるいは適當な法律を設けて、これをお扱いになる考えがいいのではないか、かようにも考えております。これに對する御見解がどうありますかお伺いしたいのであります。
 その次は第十七條に關する規定でありますが、これは食料品公團が毎事業年度の前期及び後期の初めにおいて事業計畫、資金計畫というものをつくつて、經濟安定本部に出してその認可を受ける、こういうことになつておりますが、この場合に、やはり私は從業員組合あるいはその他の代表を加えた、經榮協議會の形において事業計畫を一切なされ、ここに一切の計畫が進められて案が作成されて、そうしてこれが提案されてまいりますならば、きわめて民主的な運榮ができるのではないか、かように考えておりますが、これに對する政府の御所見はいかがでありますか。この三つをまずお伺いしたいと思うのであります。
#13
○三堀政府委員 役員の任命につきましは、これは役員にしましても、あるいは職員にしましても、官吏あるいは政府職員とするという建前になつております關係上、どうしても主務大臣の任命という以外に方法はとりようがないわけなのでありまして、あとは事實上内閣が送るたびに各政黨によつて變ることがあるかないかということは、そのときどきの政黨の問題だと思います。從つてそれは國民の監視のもとに、各政黨がこういう團體までも、そういうような方法に扱うかどうかという、良心の問題としてやつていく以外に方法はないのではないかと思つております。
 それから公團の職員が全部官吏になると、官吏が非常に多くなりはしないかというお話でありますが、これは全部いわゆる官吏というわけではないのでありまして、法文に書いてありますように「官吏その他の政府職員とする」ので、參事あるいは主事という名前で、必ずしも官吏ではないのであります。ただ一級官なり、二級官なり、三級官なりの待遇を受けるだけなのでありまして、御指摘のような、公團職員法というようなものをつくつたものと、實質においてはそんなに變らないものだと思つております。
 それから十七條の關係におきまして、何か特別な運榮委員會というようなものをつくつてやれば民主的ではないかというよなお話でありますが、公團の動き方をできるだけ生産者なり、あるいは配給業者、消費者の意向と合致させて運榮するということは、公團という官廳にきわめて接近した組織による場合におきまして、非常に必要なことだと思いますので、そういう點も今後の運榮の問題といたしましては、當然考えてまいりたいと思つております。
#14
○大島(義)委員 今の御答辯では私は納得しがたいものがありますので、もう一度お尋ねいたしたい。十一條の規定を、なぜ私どもがこう考えるかと申しますと、たとえば肥料公團の總裁の任命に關しましても、決して民間の意志を尊重しておりません。また民主的の團體の意見が一つも尊重されておりません。主務大臣が勝手に自己の意中にある人間を任命しておる。こういう前例がありますので、特にこういう關係を明瞭にいたしたい。しかも民主的に運榮をやつていこうという公團が、諮問機關も設けずして、主務大臣が單獨に任命をなすというがごときは、弊害があつて一つも利益がない、こういう點は重ねて御考慮を願いたい。
 それからただいま政府の役人になるのではないというお答えがありましてたが、十四條の規定によりますと、政府職員とすると明瞭に書いてあります。これでも官吏に準ずるものであつて職員でないということを、もう一度はつきり伺いたい。
#15
○三堀政府委員 役員の任命の問題は大きな問題でありますので、もちろん具體的には、十分に業界の意向を取入れて任命するということになろうと思いますけれども、これはやはり、先ほど申し上げましたように政府職員でありますので、任命につきましては、一應諮問機關の議を經るという形は、形式的にはとり得ない。ただ實情の問題といたしまして、十分民間の意をくみ入れて任命するという方法を、當然とらなければならないし、またとつてもらいたいと思つております。
 それからその次の問題は、もちろんこれはそこにはつきり書いてあるように政府職員であります。ただ官吏そのものではもちろんありません。官吏である場合もありますけれども、その他の政府の職員であるという場合もあるわけであります。主事、参事あるいは雇傭人というようなものは政府職員になるわけであります。從つて公團というようなものをつくりますからには、これは公團職員法というものをつくりまして特別な身分を設けましても、要するにそういう公團關係の職員が殖えるということなのでありまして、これは公團をつくるからにはやむを得ないのであります。ただ公團をつくることによつて、實質上縦來の統制機關でやつておつた場合よりも殖えるか殖えないかということが、具體的な問題ではなかろうかと思いますが、その點につきましては、先ほど重富さんの御意見もありましたが、具體的には人は殖えない。現在の統制機關でやつておつた程度のものでやつていく、ただその形は公團という形になる。こういうわけでありますから御了承願いたいと思います。
#16
○野溝委員長 平工委員。
#17
○平工委員 さいぜん重富委員からの御質問に對する政府委員のお答えで、農林省と連絡するから不安のないようにするというきわめて抽象的な言葉であります。私はこういう問題は、安本で絶對何もかも權限をもつてしまうというよりはもう少し、地方末梢機構の問題を考えるような場合には、組織機構を考える場合において、農林省へよほど任せるというような態度をとつてもらうわけにはいくまいか。私ども農村の、地方民主團體の幹部としまして、農林省との連絡はよくとれます。私どもは先だつて同僚の人から聞きましたが、安本に行つて挨拶したつて、安本の人達は、陳笠代議士なんかとなめてしまつて會釋もしないし、振向きもしない親友關係を通じても、代議士は勉強していない。知識の程度が低いとか言つて、さんざんこきおろされて、はなはだ私どもがひがみ過ぎかもしれないが、特に田舎の百姓で出ておりますから、今後こういう問題について安本へ行くときには、ただいまの御答辯のように、きわめて抽象的な、必配ありません。心配ありませんというようなことで、重富委員の御質問に對してお答えになつたように、從來の機關そのままそつくりということになつたならば、今までの肥料を扱つた機關というものに對しては、農民は絶對信用しません。もうどろぼうぐらいに見ておる。そんな機關をそのまま使うというような答辯をなされて、重富委員は御安心なされたのかもしれませんが、われわれはますます不安になつてくるわけであります。思い切て人をかえてもらわなければならぬと思つておりますのに、肥料會社なんかに全權を任せるような結果になる憂えが多いと思うのであります。これは思い切つて根本的にかえてもらつて、肥料商なんかを加えないような方法を今からではできないものかどうか。
#18
○野溝委員長 ちよつと平工委員に私から申し上げますが肥料公團法ではないのでありますから……。
#19
○平工委員 食糧榮團をそのまま使つてもらつては困る。食糧榮團にしても、食品統制組合にしても、既成機關というものはどろぼうのように思つておりますから、思い切つて變えてもらわなけければ安心しません。何か思い切つて變えてもらいたい。
#20
○三堀政府委員 現在やつております各地方の統制機關の中に、もし何か非違がございましたら、もちろんこれは即座に究明してもらわなければならないのでありまして、具體的にお教え願いたいと思います。われわれは早速手續きをとりたいと思います。われわれが聞いておりますところでは、全國的にそう難點はないのではないかと思つております。具體的な事例がありましたら、御連絡願いたいと思います。
#21
○平工委員 具體的々々々と、どこでもそう言うのだけれども、檢事局の調書でももつてくればいいのかもしれないが、實際田舎では相手にせずにおるくらいですから、そんなことを言われても話のしようがないわけです。これは將來何もかもあらゆる公團がみなそういう態度でいかれるというと、結局農林省が困ることになるので、供出に對して重大な影響をもつてくるから、思い切つてやはり農林省との連絡をもう少し深くして、農林省に任したり、農林省の意見を尊重するというようなところまで具體的に進めてもらいたい。われわれを安心させるように、もう一度説明してもらいたいと思う。
#22
○三堀政府委員 お話のように惡いことがありましたならばもちろん改めますしたえずそういうことのないように、最近のはやり言葉でありますけれども監査と申しますか監察と申しますか、そういうことでよく實績を調べてまいつておる次第であります。また今後職員なんかを新しく公團に引繼ぐよらな場合にありましても、中に適當でない者もあらうかと思います。そういう者につきましてはもちろん考えるわけでありますけれども、ただ全體としまして、それほど大きな問題は現在のところないわけでありまして、それを申し上げた次第であります。從つてなお特に地方統制會社なんかにつきまして個々に具體的に調べまして、十分消費者なりあるいは生産者なりの御要求に副うようにいたしたいと思つております。
#23
○平工委員 あなたのお話には不滿がある。いろいろ同僚の人たちも言うておりますが、選擧のときに酒を使つたり米をどんどん使つたりみそ、醤油なんかいろいろ資材を使つたというような例は、同僚のささやき話しの中にもあることで、これほど亂れておるのに、取締りの中央の機關だけが、知らぬは亭主ばかりなりで、惡いことを知らずにおるというのは、認識不足である。大體これからやつたことをこれから調べて、惡いことの證據が上つたらこれを改める、そうでなければ今までの機關の人を全部信用していくというような、あつかましい言葉のままで押切られてしまつては、せつかく委員がここで發言しても何にもならぬので、われわれの方の委員會で意見がまとまつたことはぐんぐん採用してもらいたいと思う。これは私の個人的な意見ではない。大分共鳴があると思うから、今までの機關をそのまま採用するということは、それだけは改めてもらいたいと思います。
#24
○井上政府委員 平工委員から、現在までの統制機關には、いろいろな承認し難い不正行為その他があつて、特にまじめな農民の感情を非常に害しておる。從つて今後そういう公團法を設けたり、いろいろな統制を加える場合においては、農民が納得し、信頼できる方法においてやつてもらいたい。またかりにそういうことをやる場合には、現在までやつてきている統制機關なり、またそれに從うところの人々に對しては十分注意して、そういう者か新しい公團なり統制機關にまぎれこまないようにやれ、こういう御注意であらうと思いますが、問題は、あなたからもいろいろとお話がございましだか、抽象的なことでは實際どうにも仕方がないのでありまして、たとえばみそ、醤油、アミノ酸、砂糖等の統制を今度やるのでありますが、たとえばみそならみそ、醤油なら醤油を配給する場合にあたつて、どこどこの統制會社、どこどこの配給においてはこういう不正の事實がある。從つてこういう統制機關、こういう不正な會社は、新しい公團なり統制機關から除外せよ。こういう明確な資料をひとつ出してくれというのが、局長の意見であります。われわれもその方向には全力をあげて協力するつもりであります。
 なほまたこの公團を設けましたゆえんは、先日大臣から提案理由を説明いたしました通り、現状の品不足の状態を放任いたしますと、まつたく國民生活及び生産機關の上に今後重大な影響を來してきますから、これを明確な線で流して、國民生活の安定と産業再建のために、有效適切なる配給を實行したいという目的でやるのでありまして、あなた方の十分納得のできる方向にこれを運用したいというのが、われわれの考え方でありますので、ぜひその線で御協力いただきたいと思います。お願いをいたします。
#25
○野溝委員長 萩原委員。
#26
○萩原委員 いろいろ他の委員から話が出たようでありますから、簡單に一つ伺いたいと思います。今の平工さんの質問に關連いたしますが、例を肥料にとつてまことに恐縮でございますが、實際今まで肥料等の統制會社のやつておりましたことは、一定の期限を切つを肥料を配給する。七月とか八月とかに必ず來なければならぬものが、實際問題としてはその限月通り來ない。また受出しもできない。契約不履行になつてしまう。例がないとおつしやいますが、價格等についても、價格の更改等の場合にあたつて、すでに渡つているものはいいのでありますが、不渡りになつているものを新しい價格でやる。殊に一般の配給と違いまして、すでに徴收したる農産物に對する報奬として渡すような場合でも、これを新價格によつてやるから、そこに非常な不公正なことになる。先ほどどろばうというお話がございましたが、とにかく農村からの信用は地に落ちている。農民たちのつくつたものは強權を發動されるが、統制機關の方に對しては發動せぬというようなことになつているのであります。今度、先ほどのお話によりますと公團になるそうでああますが、運榮その他内容、事業等については大した變りばえがないようであります。それが公團となり、社員が役人となる。この點だけは變つているようですが、その場合に、やはりこういうような不正事實、また不當利得がなされるということになりますと、農村としては非常に困るのであります。供出等に對しましても、今度こういうことに改められた機會に、全責任をもつて契約通り御遂行なさいますか、先ほどどなたか責任の問題についてお話がございましたが、特に肥料のみならず、一般の公團につきましても關係しておりますので、一言お伺いいたします。
 それからこまかな問題かもしれませんが、この要綱によりますと、指定油かすのところに飼料の配給云々と書いてありますが、食糧に關するものは食品公團の方でおやりになるかと思つておりますが、有機質肥料の方は全部自由にお取扱いになるのでありますか、この點も併せてお伺いしたいと思います。それからなおこの法案により各公團のおやりになる本年度の事業計畫、その扱われる品物の種類別數量、國内でもできますものと外地からはいりますもの、そういう大體事業の全貌をお示し願いたいと思つております。なおそれに伴いまする實行豫算等も併せてお示しを願いたいと思います。
#27
○井上政府委員 肥料の配給問題に關連をいたしまして、とかく政府が約束した肥料が、農民に確實に配給されずに、途中取扱機關においてそれがまげられておる。これらは今後公團をつくつた場合、迅速果敢に、正確に農民の手に渡るような手段を講ずる必要があるという御意見でございますが、全く同感でございます。そのためにこの公團法を今度實行し、現に肥料におきましては實施中でございます。從來の肥料が農民の食糧増産の要求にさからつたやり方で、いろいろな問題を起しております現状に鑑みて、これを適正に配給する必要を考えましたので、あの公團を設立實行いたした次第でありますから、今後この公團が、ほんとうに農民の考えます、また政府の考えておりますことと一致いたして實行されませんときには、全く公團の設立の意義は失われるのでありますから、この點に關しましては、政府は完全に肥料が農民の手に渡るような方法を實行するであります。なおまたこれを政府がいかにやろうといたしましても、實際はこれに關係をもちますとこのろ關係者、特に生産農民の協力がなければ困難がありますので、ぜひ一つ生産農民諸君の協力を求めまして、生産から配給に至る一切のルートが明確に實行されますように、御協力をいただきたいと考えております。肥料につきましては、責任をもつて完全に實行したいという方針を堅持していたしておりますから、御了承いただきたいと思います。その他の點は局長からお答え申し上げます。
#28
○三堀政府委員 有機質肥料については、從前日本肥料が扱つておりましたけれども、有機質肥料が統制がなくなりましてから、現在のところは統制がないわけであります。今囘は油の原料につきましては、帝國油糧が一手にやるので、それをしぼつたかすができるわけであります。かすのうちで肥料になるものにつきましては、さしあたりは帝糧が扱う、こういうことになります。
 その次に新しい公團の取扱の數量の點について御質問がございましたが、大體年間取扱いの合計は、食品公團につきましては大體八十二億であります。みそが大體十九億、醤油が二十億、アミノ酸が二億、それから砂糖が一億八千萬圓、輸入が七億九千萬圓ばかりあります。それからカン詰が七億四千萬圓、輸入が四億七千萬圓、練乳が一億二千萬圓、輸入が四千七百萬圓、それから粉乳その他の乳製品が四億二千萬圓、輸入が六億、育兒食が六億、こうありまして、合計で大體八十二億強になります。それから收支の概算でございますが。大體收入支出の計、最後のつじつまは百二十三億になります。なおこの收支の計畫はもちろんできておりますが、これは一々申し上げるとたいへんでございますので、御要求に應じまして資料にして出します。それから油糧配給公團の方は年間の取扱い高は二十二年度の計畫として二十億の豫定であります。それから收入の合計、最後のつじつまは四千一百萬圓になつております。なおその他の點につきましては、今申しましたように、すべて御要求によりまして表にして別に印刷して差上げたいと思います。
#29
○野溝委員長 森委員。
#30
○森(幸)委員 いいです。
#31
○野溝委員長 永井委員。
#32
○永井委員 ビートの問題について農政局長に出席を求めておつたのですが、お見えになりません。次官からでもまたは適當な關係者から御答辯願いたいと思います。戰後における砂糖の供給は、主として北海道がこれを賄つており、ビートがこれを賄つておるわけでありますが、これに對する奬勵は、主として食品局において需要の立場から奬勵しているようでありますが、これはやはり北方寒地農業の確立のいう、その一環としてのビート耕作というような基盤に立つた榮農指導から出發しなければ、本格的なものではないと考えるのであります。それで需要の面から申しますといくらでも欲しいのでありますが、そこには經濟的な限界點もありましようし、輸入との見合という點もありましようし、また農業經榮という立場から考えていかなければならぬということになりましようが、一體農林省は、北方寒地農業におけるビート耕作の地位をどういうふうに考えて、北海道農業におけるビート耕作を、どの程度の經榮面積に押えていくのか。そしてまたこのビート耕作は主眼をどこに置いて、將來どういうふうにやつていく考えであるかという、具體的内容について詳しく伺いたいと思うのであります。またビートと競合する作物は馬鈴薯でありますが、馬鈴薯の價格が大幅に上りました今日、ビートの價格を相當大幅に値上げしなければならぬと思うのでありますが、この値上げに對する御所見を承わりたいと思うのであります。それから各國ともに、ビートの耕作については補助政策を相當強力にやつておるのでありまして、その補助政策が不十分でありますと、耕作面積においても、また含糖量その他耕作技術においても低下しておるのでありますが、これらの補助政策をどの程度におやりになるお考えであるか、承りたいと思うのであります。こういう事柄は、深土耕であるとか、あるいは酸土矯正とか、そういう榮農の基盤に立たなければならぬのでありますが、これに對する農林省の方針を承わりたいと思うのであります。
#33
○三堀政府委員 ビート農業については御指摘の通りでありまして、われわれも同様に考えております。北海道の寒地農業といたしまして、ビートの作付が非常に重要でありますことは、もう通説として異論のないところであります。そういう意味合におきまして從來北海道廳とたいしましても、拓殖計畫等によりまして、非常に熱心に奬勵を續けてきたわけなのであります。ただごく最近までは、砂糖事情が御存じの通り臺灣に依存しておりました關係上、ビート・シュガーというものが非常に困難な状態にありまして、從つてせつかくの全力をあげての奬勵にもかかわらず、容易に進展をいたさなかつたのでありますが、今後におきましては、當分の間外國からそう大量の砂糖の輸入が望めませんので、國内甘味對策といたしましても、北海道のビート生産を極力引上げる方向に向つて進んでまいりたいと存じまして、終戰後の對策といたしましては、肥料の特配その他を逐次引上げてまいりまして、極力生産の増強をはかつておるのであります。現在におきましては、大體ビート糖の生産が十三、四萬ビクルにすぎないのでありますけれども、これはさらに作付の増加をはかることと、肥料の増加によりまして、製糖の歩留りが、現在のところではせいぜい一一%程度にしかすぎませんが、過去におきましては十七%から八%にも上つた時代があるわけでありまして、そういうようにも引上げられるわけでありますから、製糖歩留りを引上げるというようなことによりまして、將來の計畫といたしましては、二百萬ビクルくらいまでは引上げてまいりたいというような目標を立てて進んでおります。
 次は今年のビートの値段の問題でありますが、昨年のビートの値段は馬鈴薯の價格と純然たる均衡をとりまして六百圓という値段がきまつたわけであります。しかしながらこれはビートのいわゆるバリティー計算に立つております基準年次との比較おきまして、この六百圓がすでにたしか百四倍になつておるのでありまして、これをさらに今年のあの大幅な馬鈴薯の引上げにつり合うように引上げることになりますと、非常な値上りになるわけでありまして、これはなかなか大變なことだと思います。もちろん現在のまますえおくというのではありませんけれども、馬鈴薯とはつきり均衡をとらせるということは、なかなか簡單にできないのではなかろうかと思つております。物價廳とも十分に相談をしてきめてまいりたいと思つております。
 それからビートに對する補助政策でありますが、先ほども申し上げましたように、北海道廳時代におきましては、拓殖費の中から年々相當の金額を出しておりましたけれども、漸次それが減つてまいりまして、最近では全然なくなつております。そうしてこれは今後も、おそらく豫算面で見ることはなかなか容易なことではなかろうかと思つておりますが、とりあえず製糖の關係におきまして、製糖工場の方からたとえばビートの搾粕を飼料に還元するというような方法もとつておりますし、また技術員、指導員を製糖會社の費用によつて置かせるとか、あるいは集荷に關して當然農民がもつべきいろいろな費用を、製糖會社にもたせるとかいうことで、できるだけの援助は側面的にいたしております。今後も十分そういうことを考えてまいりたいと考えております。
#34
○成瀬委員 私は各種配給公團の全體を通じて、前囘に大臣の説明を聽いたわけでありますけれども、本日井上次官の説明を聽いてみますと、非常に少い物資を、正規のルートにまわして食糧危機の救濟に充てるという意圖もあるそうでありますが、そもそも公團の構想なるものは前内閣時代において立案されたものであります。そうしてあらゆる經濟的な構想が、統制經濟から自由經濟に移行するという構想のもとになされたものであつて、今直ちに、少い物を自由經濟でいくことは非常に危險が存在する。從つてその中間的存在として、この公團法なるものを考えたものであるというふうに承つているのでありまするが、私は從來の統制團體である各種統制會社が、獨占禁止によつて、その肩代りとして配給公團なるものを考え出したものであろうと思う。從つてこの各種統制は資本家の擁護のためにできている。あの深刻なる戰時中においてもそうであつた。なぜそういうことが言えるかと申しますと、最前半工委員からも言われたのでありますが、具體的な詳細なる内容の發表はありませんけれども、この統制機關、また今囘の公團式にいく方法について、われわれが非常に心配している點はどこにあるかと申しますと、財閥の統制による從來の統制機關は、生産者、消費者兩者を犠牲にしている。食料品の配給の問題においても、みそ、醤油、アミノ酸等の製造業者の代表者がこれに肩代りするということになりますので、この場合は製造業者である資本家の利益を確保して、一般消費大衆を犠牲にして、自由經濟までの間かせいでいこうという危險があるのであります。またそれと逆に、統制のない、農民のような個々ばらばらの生産者の場合は、その個々ばらばらの生産者が犠牲になつて、中間機間である統制機關の連中が、中間搾取によつて消費者をも犠牲にする。これらの面はわら工品その他のものにもいろいろ考えられるのでありますが、こういう中間搾取、あるいは生産者たる資本閥の擁護のために考え出されたものでありまして、かような意圖から考えて、獨占禁止法によるこれに代つた法案なるものが、やはり依然として資本主義的に立案されておる。從つて消費者、生産者、零細生産者の意圖がそこに含まれておらないという意味におきまして、私はむしろ今日のこの民主的な時代におきましては、衆議院獨自の立場から、もつともつと民主的な配給方法を考えるべきでなかろうかと考えておるのであります。それはなぜかと申しますと、今度は資本家の上に官僚による統制を強化しようということにほかならないのでありまして、これは實質におきましては、財閥と官僚との結託というと、口が惡いかもしれませんけれども、そういうふうに考えられるのであります。そこでそういつた前提のもとに次に考えられますのは、ここに官僚的勢力が、公團の内容におきまして、一般消費者大衆に對して非常な不便を與えることが考えられます。從つて官僚式の執務が、民間團體である統制の組織におきましても、從來相當非難があつたにかかわらず、さらにそれを裏書する政府の職員なり、幹部としてのその地位を與えた場合におきましては、一層消費者に對する不便を與えるものであつて、十四條におきまして、私はこういう點に非常な危惧の念を懷くものである。またその次には、さいぜん答辯の中に、生産者、消費者個々の場合を對象として、また販賣者個々の場合を對象とする團體としては考えておらないとの政府の御答辯でありましたが、そういう意圖のもとに行われることは、すべてが民主主義のもとに行われる時代におきまして、――從來であつたならば軍閥の背景のもとに政治が行われ、また財閥、特權階級のもとに政治が行われた。こういつた事態が日本を亡ぼした。それがあらゆる轉換をいたしておるときに、新生日本の經濟的發展助長のために、一般國民大衆の協力なくしては、ほんとうの政治が行われない段階におきまして、こういつた意味における立場におきまして、各種協同組合の設立が、澎湃としてなされておりますが、こういう協同組合を認めないことは、これまた時代逆行の立場でありまして、成功する見透しはないものと考えておるのであります。また昭和十年におけるみそ、醤油の製造と、今日における製造とにおきましては、ゆうに五倍も増加しておるにかかわらず、これが配給面におきましては逆に減つておることは、製造業者等が正規のルートに乗せずして、やみのルートによつて財界の混亂を來しておることも考えられるのであります。これは單なる臆説かもしれませんが、これに對する詳細なる資料を政府は提供してもらいたい。以上申し上げました現在の公團の中心思想が、あまりにも資本主義的であつて、配給者、生産者、零細生産者の意圖がここに含まれておらない。從つて官僚統制のもとに、資本家が徹底的な利潤を獨占しようとする意圖が多分に含まれておる。こういう意味でこの法案に代る法案を、もし出そうといたしますならば、何らかの委員會を組織してやるべきものであるという意見を開陳いたします。
#35
○井上政府委員 成瀬さんから、この公團は過去の戰時統制が獨占禁止法によつていけなくなつたから、今度新しい自由主義への、一つの過程的な機關としてつくるのであろう。だからその本質はあくまで資本主義的なイデオロギーに立つて、利潤追求の商品の販賣を、統制という名にかつてやろうというのではないか。こういう御意見のように拜聽いたしたのでありますが、少くとも政府の考えている、この公團法を今御審議願つている眞意は、まつたくそれとは逆でございます。すなわち戰時中のいろいろな官僚統制と言いますか、あるいは戰時統制と言いますか、そういう統制が、いかにいろいろな生産上、配給上に非常な矛盾をなし、これがために多くの非難がこれらの機關に集りましただけではなしに、實際上早くこれを何とかしなければならぬという聲が巷に囂々として起つていることは、皆さんがすでに經驗されてきた通りであります。さいわい獨占禁止法が議會を通過いたしましたし、また現實において、今後日本の産業のあり方は中小工業者を中心にする。少くとも協同の立場に立つて、お互に相互扶助的に援け合うというイデオロギーでやつていかなければならぬ立場にありますから、ましてや現在最小限度の國民生活を保障して、そうして最大の生産を復興するためには、與えられた資材及び生活必要品を、できるだけ正確に流すということは、政府としてとらねばならぬ緊急對策であります。そこでまず、これを從來のごとき業者の協同組合、あるいは業者の自主的な統制に任しておきましたのでは、今成瀬君が御心配のように、業者間において勢力をもち、資本をもつ者の都合のよいように、これを利用されるおそれがある。そのために消費者なり、生産者、零細生産者が犠牲になることになりますから、そこで私どもといたしましては、あくまで實際これが國民生活及び經濟再建に必要な基礎的なものであればあるほど、これを明確な線で流す。少くとも政府の責任においてやる。從來はそれらの團體においてやられておりましたけれども、今後は政府の責任において、政府の機關においてやる。しかもそのやり方は、下部組織においては切符制度において、大衆の對象になる登録小賣店なり、登録された取扱店を指定いたしまして、サーヴイスその他において大衆の非難の的になるものは、どんどん取消し、この者こそほんとうにわれわれのよい取扱店であり、サーヴイスをしてくれる機關であると認められるものだけを殘してやつていく方法によりまして、消費者の面におけるそれらの不平不滿を十分解決することができると考えております。從つて今お話になりましたような點とはまつたく反對に、あなたの今御説明になつた趣旨に沿つて、この案は出されておりますから、御了承いただきます。
#36
○三堀政府委員 協同組合の使い方で誤解を招いておるようですから、ちよつと申し上げておきます。協同組合をつくらないと申しましたのは、今度の公團法に關連して、あるいは、生産面なり配給面において、上からの指令として協同組合を特につくらせない。しかしながら協同組合の本質から考えて、當然下から盛り上る力でできることは好ましいことで、極力奬勵してまいります。從つてそういう協同組合が、あるいは資材の共同購入をするとか、あるいは製品の協同販賣をするとかいうことは、これは利用することに少しも異論はございませんから、誤解のないように願いたいと思います。
#37
○成瀬委員 御趣旨のあるところは一應了承いたしましたが、しからばこの別表にあるところの、全國の各種統制株式會社に從事するところの職員を、すぐに肩代りいたしまして、政府職員として全面的に受入れていくということは、さいぜん私が質問として申し上げました、統制中間搾取の機構を延長するものである。なぜそういうことが言われておるかと申しますと、經濟安定本部あるいは農林省におきまして、價格決定におきましては、生産者あるいは各種の方面の意見を徴することは言うまでもありませんけれども、從來公團あるいは統制會社等の意見を徴しまして、そうしてその意見を徴しまして、そうしてその意見が相當に生産者、消費者の方面に不利益な状態を現出しておる。かかる立場からいたしまして、もう少し消費者の階級、また場合によりましては生産者の方面の人たちを、この方面におきまして加入せしめるというような方法が講ぜられなくちやならない。こういうことの意見を申し上げておきます。
#38
○野溝委員長 私から政府當局に警告を發しておきます。本日の委員會におきまして、成瀬、萩原その他の諸君からも強い御意見もありました通り、法案が出される場合におきましては、その事業計畫竝びにその豫算等に對する參考資料を、本委員會に提出してもらいたいと思います。いろいろ印刷上の都合もありましようけれども、つとめて委員長の要求に應じていただきたいと思います。
 では本日はこれにて散會いたします。
   午前零時十九分散會
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト