くにさくロゴ
1947/08/04 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第8号
姉妹サイト
 
1947/08/04 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第8号

#1
第001回国会 農林委員会 第8号
昭和二十二年八月四日(月曜日)
    午前十一時一分開議
 出席委員
   委員長 野溝  勝君
   理事 叶   凸君 理事 寺島隆太郎君
   理事 岩本 信行君 理事 萩原 壽雄君
      成瀬喜五郎君    平工 喜市君
      水野 實郎君   小野瀬忠兵衞君
      小林 運美君    関根 久藏君
      寺本  齋君    八木 一郎君
      小川原政信君    佐瀬 昌三君
      重富  卓君    田口助太郎君
      松野 頼三君    森 幸太郎君
      山村新治郎君    中村元治郎君
 出席國務大臣
        大 藏 大 臣 栗栖 赳夫君
        國 務 大 臣 和田 博雄君
 出席政府委員
        農林政務次官  井上 良次君
        農林事務官   平田左武郎君
        農林事務官   三堀 參郎君
        商工事務官   鈴木 重郎君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 食料品配給公團法案(内閣提出)(第九號)
 油糧配給公團法案(内閣提出)(第一〇號)
    ―――――――――――――
#2
○野溝委員長 會議を開きます。
これより食料品配給公團法案及び油糧配給公團法案の兩案を議題として質疑を繼續いたします。小川原委員。
#3
○小川原委員 大藏大臣に對する質問は大藏大臣出席の際に讓りまして、他に關する質問をいたしたいと思います。
第一、食料品配給公團法案に關するもの、あるいは油糧配給公團法案に關する豫算について伺いたいのでありますが、まず、食料品の配給公團の豫算というものが一體どれだけあるのか、その點を一應伺つておきたいと思うのであります。この第四條の六に、「業務及びその執行に關する事項」とありますが、これは讀んで字の通りでありましようが、その業務というのは一體どれだけを業務となされるのであるか。買い取つて配給するというだけが業務であるか。買取つたものを加工し、あるいは都合によつてそれを製造しなければならぬ場合も生じてくると考えるのでありますが、この業務というものの範圖がはなはだ漠然としておるのであります。これは政令によつてその時に行おうとする御意圖であるか、もしそういう場合があつたとすれば、これははなはだ立法の上から見ましておもしろくない関係でありますからして、その業務の範圖を徹底していただきたいと考えるのであります。
 それからこの間第十四條の職員について御説明がありましたが、その説明では十分でないのであります。文字は職員で官吏でないと言えばその通りであります。しかしその規則の上をながめてみると、この職員は官吏と同格であるということになつておりますが、そうしますとこの職員というものは、官吏でない職員をつくつた場合、その職員の資格はどういうことになるのでありますか、それから法の適用やこの身分、待遇というものはどういうことになるのであるか、その點を一應お聽きしておきたいと思うのであります。
 それから第十五條につきましてまた疑いがあるのでありますが、これは重富君の質問がございますので、その答辯を聽いてからと思うのであります。私は第一號に關する規定をお尋ねしたいと思います。「國内産食料品及び輸入食料品の一手買取及び一手賣渡」とありますが、この賣り買いをするということは一つの商行為であります。ここに書いてあるものは商行為と認めるのであるか、商行為でないのか。もし商行為であるとするならば、これは當然商工省の取扱うべきもので、農林省がこの公團において、何ゆえにこういう商行為をやらなけらばならぬのであるか。もし商行為を行つた場合に、この會計の上において純益金は國家へ納付することは當然でありますが、一體この純益というものはどういうところから出てくるのであるか。ただ商行為でないならば純益が出てこない。もし商行為であるならば、損失ということを考えなければならぬ。その損失というものに對しては全文を見ても一つも書いてないのであります。ただ會計檢査院の檢査を受け承認を經るというだけのことである。もし大きな損失を招いたとき、會計檢査院がそれを監査したのみで、國民にその損失を負わしめるということは、法の上から言つて不備があると考える。でありますから、一手に買い取つて一手で賣るというのは、一體どういうことであるか。また、何ゆえに輸入品を公團が國家を代表して一手に買い取らなければならぬか。これは商工省がやるべきことである。ここに私は大きな疑問をもつているのであります。立法の精神から言つて、一體どういう點をにらんでこういうことをお書きになつたのであるか。この點をはつきりしていただきたいと思います。
 それから二に「食料品の保管、輸送、加工及び檢査」とあつて、それ以外何もできないということになりますが、それでこの公團は運營が可能であるかどうか。私ども、これだけでは可能でないと考えるのでありますが、この四項目だけで、十分に品物を取扱うことができるという可能性があるかどうかを伺いたい。
 それから三の「食料品の販賣業者の指定」、これは當然商工省のなすべきことであると思うが、何ゆえにここにこれをもつてこられたか。第十五條の前文に關連するからやむを得ずお書きになつたのか、そのほかに何か意圖があつたのか、この點を明確にしていただきたい。これだけをまず第一段の質問といたします。
#4
○三堀政府委員 豫算の點でございますが、これは印刷にしてお配りいたしたいと思つて、ただいま印刷中でございますので、言葉によるよりその方が詳しくわかると思いますので、一兩日お待ちを願いたいと思います。
 それから業務の範圖でございますが、ただいま御指摘の一五條の範圖が公團の業務の内容になるわけでございます。この一五條の一、二、三、四、これだけが食料品配給公團法の――油糧は少し違つてきますが、公團の業務になるわけでありまして、業務の内容はこの一五條によつてはつきりしてくるわけであります。この點御了承願いたいと思います。
 それから職員の身分、待遇などでありますが、この公團の職員の中には、純然たる官吏である者もあるわけであります。たとえば農林事務官あるいは農林技官等で、この公團附になりまして出ていく者もありますし、それから從來の統制會社なり、統制團體の職員で、公團にそのまま引繼がれていく者もあるわけでありまして、そういう者はあるいは主事とか參事とかいう身分になるわけで、これは純然たる官吏ではなくして、あるいは一級待遇とか、二級待遇とか、三級待遇というように、官吏としての待遇を受けることになるわけでありまして、身分としては當然公務員になるわけでありますが、純然たる官吏とは違うわけであります。從つて、「官吏その他の政府職員」、こういうように法律にはうたつたわけであります。そうしてその待遇につきましても、そういう純然たる官吏でない職員につきましては、必ずしもわれわれ同様の何號俸という俸給を受けるわけではないのでありまして、從來の待遇と、そう著しく急にかえるわけにまいりませんので、特別な待遇を受けるという餘裕を認めておるわけでありまして、公團の職員になつたからといつて、急に待遇が著しく下るというような取扱いはいたさないつもりであります。
 それからさらに一五條の内容についてこまかく御質問があつたわけでありますが、第一に商工省でやるのが相當じやないかというお話でありますけれども、農林省におきましても、農林省所管の物資なり所管の行政につきましては、一手買取りとか一手賣渡しとか、あるいは販賣業者の指定とかいうことは、當然これは農林大臣の權限として、あるいは農林省の仕事といたしましてやり得るわけであります。例をあげますと、たとえば同じ協同組合でありましても、商工省關係の協同組合につきましては、これは商工大臣が所管をしておるし、農林省關係のたとえば食料加工というような部門につきましては、當然農林大臣が所管をいたしておるわけでありまして、農林大臣も、その意味におきましては當然商業なり工業なりについてその所管をもつておるわけでありますから、農林省がこういう仕事をするということについては、法制上ちつとも疑義はないわけであります。
 それからこの一五條の内容につきまして、保管、輸送、加工、檢査だけがもちろん公團の仕事の内容ではないわけでありまして、一手買取り、一手賣渡しをする、つまりこの際問題になつておりますみそ、醤油、アミノ酸、砂糖、カン詰、乳製品というようなものにつきましては、國内で生産されるもの、あるいは輸入されるものは全部公團で買取つて、國の定める需給計畫に基いて、公團がこの計畫通り販賣業者の手に渡して、あとは切符制によつてはつきりとしたルートを通じて國民消費者に渡すというのが、この公團の仕事の内容でありまして、一手買取り、一手賣渡しと、それからそれに關連して當然ある場合には食料品の集荷もしなければならぬ、輸送もしなければならぬ、あるいは必要に應じて加工もする、またそういう食料品を買取る際にあたりましては、檢査もしなければならぬ、それからまた自分がやるのが建前ですけれども、場合によつては販賣業者を使うという場合もありますので、そういう際には販賣業者の指定もする、それから一手買取り、一手賣渡し、保管、輸送、加工、檢査というような仕事につきましては、若干の附帶業務――必ずしも一手買取り、一手賣渡しということのみでは包合し切れない仕事もあり得るわけでありますから、そういうものに附帶する業務というわけで、この條項に現わしておるわけであります。從つてこれらの業務全體がこの公團の仕事になるわけなんでありましてこの一五條全體に現わされておりまする内容によりまして、またこの制限を受けまして、公團は仕事をするわけなんでありまして、これ以上の仕事をいたすわけではありませんけれども、この内容に關す限りにおいては、自分が仕事をする、こういうことになるわけであります。
 それから公團はもちろんもうけるための公團ではありませんので、これからおびただしい利益が出るということはもちろん考えられませんけれども、場合によりましては取扱いの間に若干の利益がでる、いわゆる計算が黒字になつて、金が餘るということは、ある場合には當然考えられるわけなんでありますから、金が餘つた場合には、これは國庫に納付する、こういうことになるわけであります。ただ損失の場合についてそれがどうなるか、有限か無限かという點につきましては、一昨日瀬尾さんから御質問がありまして、建前といたしましては、これは當然無限に責任を負うべき性質であるとは思いますけれども、なお法制の解釋といたしまして、ただいま法制局なり、その他と打合せをいたしておりますので、もうしばらくお待ちを願いまして、はつきりしたところでお答えしたいと思います。
#5
○小川原委員 大體においてわかりましたが、この商行為を行うということについても、非常に私は疑義があります。それは、理窟にわたりますから、あとにいたします。今つくつておりますところの醤油であるとか、みそであるとかいうものは、非常に資材が足りない、原料が悪いから、あるいは馬鈴薯を取入れるとか、それぞれ入れるのでありますが、そういうものを見ますと非常に腐敗しやすい。私の損失を生ずると考えておるのは、今他のよいところの資材を使おうといつても、ないのでありますが、こういうもので製造いたしましたものを買取つて配給しなければ、配給にならぬのであります。そういうことになりますと、こういう嚴暑の折になりますとか、あるいは梅雨の場合になりますと、すぐに腐りがくるのであります。そういうときに火入れをするとか、あるいはどうするとかいうことは、これは加工によつてやるのでありましようけれども、私はこれは大きな損失を招くものだと思います。これは業者がやるならば、大きな損失を招くから、それで早く處理しなければならぬといふことになりますけれども、公團となつてさ、つきお話を聽いた通り、官吏と職員がやつていくといことになれば、それは損をすれば國のものだという考えにとかくなつてしまう。今度の公團にはりつぱな人がはいるかもしれませんが、今まで官廳のやつておる仕事を見ますと、はなはだ不可解にたえないものがたくさんあります。小さい話ではありますけれども、官廳に行つてみても、官廳は官廳としての態度がなければならぬが、敗戰後になりまして、給仕のはてから大臣に至るまで、一體禮儀のないことおびただしい。無作法なことをしきりにやつておる。紙が足らぬというのに紙を散らかしておる。あるいは鐵道省においても、職員が足らぬときはよかつたけれども、今日においては鐵道の職員が多くなつているにもかかわらず線路には草が生えておる。便所の掃除はせぬ。こういうことから見ましても、この公團を設けるとたくさんあると思う。腐敗しそうなものには火入れをしなければならぬのに、それをしないで投げておく、こういうときの損失は、當然に起こつた損失ではなくして、惡意によつて起こつたところの損失でありまして、善意の損失とは考えられないのであります。そういう場合の損失を國民にかけさせるということはいかぬ、また農林省で取扱うということは、それは法規上當然であるというけれども、農業のことは農林省が非常に敏感であろうし、商工のことにつきましては、やはり商工省が敏感である。何も法令ができたからと言つて、自分の畑ばかりに水を引かなければならぬのではなく、國家の大局から見たならば、こういうものは商工省に任してやらせてもいい。そういうことはやはり餅は餅屋でやらなければならぬ。そういう點もわれわれは懸念しなければならぬ、われわれのこしらえた法律がただちに國民に影響する。だから國民から見ると、さつぱり思うた通りやつてくれないということは始終聞くのでありますから、こういうことは今までの官廳のなわ張り爭いというものをまつたく捨てて、ほんとうにこれは國家のための仕事であるということを考えてもらいたいという點から、私はそのことを聽くのであります。これは理窟一ぺんのことではなく、實際問題として大いに反省しなければならぬというところから、これを聽いたのでありまして、ただ三百理窟で小理窟をひねくりたくないのであります。そういう立場から見て、このことは至當と考えられるかどうか。それは法令を出した責任上、至當であると言うことは當然であろうが、これはもう一遍良心的に考えてもらいたいと思います。ただいまのようなことについて御答辯を願いたいと思います。
#6
○三堀政府委員 ただいまの問題でございますが、先ほどから申し上げましたように、少くとも食料品につきましては、農林省が全責任を負つておるわけであります。今までも食料品の製造につきましても、あるいは末端の販賣に至るまで、農林省が責任を負つておるわけでありまして、その點につきましては農林省が専門家であると、われわれは少くとも確信をいたしておりますし、またその自信で仕事をいたしておるわけであります。從つて公團をつくつてをつくつて一手買取り、一手販賣をすることになれば、誰がするかというと、はなはだ口幅たいようでありますけれども、當然われわれだという自信をもつて仕事をしておるわけでありまして、決して商工省と所管の爭いや、なわ張り爭いでも何でもなく、食料品についての専門家はわれわれ農林省であるわけでありまして、今までもそういうことで製造業者、販賣業者の監督もいたしますし、また販賣業者と連絡もとつておつたわけであります。從つて公團ができましても、當然同じような線で仕事をしていく。こういうことでありますから、御了承願いたいと思います。
#7
○小川原委員 その損失については先ほどのことでよくわかりましたし、その他もわかりました。しからばこれを運營する資金について、これは今大藏大臣がいらしてから聽きたいと思つておりますが、この案を出されるまでに、運營資金をどのくらいかけていこうというお考えでありますか。それをひとつ聽きたいのであります。
#8
○三堀政府委員 資金の點につきましては、この法律に出ておりますのは、政府からとりあえず資金として出ますものが、油糧の方が一千萬圓、食料品の方は四千萬圓でございますが、これはごくわずかなものでありまして、ほとんど事務所なり、その事務所の中のいろいろなとりあえずの消耗品、その他の施設をするのに出す、表面的な仕事をやつていくのに必要な、ごくわずかの限度の金でありまして、それ以上の、本當の意味の仕事を運營していく資金は、これを全部借入れによらざるを得ません。その借入れはこれも法律に出ておりますように、復興金融金庫を通じて借入れることになつておりまして、當初の豫定といたしましては大體年間を通じて食料品配給公團の方では十七億程度、油糧公團の方は五億程度という豫定をいたしております。ただしこれも、さらに今度物價の改訂がございましたし、それぞれ値上りを見ましたので若干の変動はもちろんあろうかと思いますが、なおそのときどきに、こまかい資料によりまして、さらに十分遺憾のないようにいたしたいと思つております。
#9
○小川原委員 大體わかりました。このみそなり醤油なりをどういう包装によつて輸送されようとするのでありますか。從來通りおけにしてやるということになると、おけをこしらえるにしても大した日數がかかり、材料が要るのでありまして、その資材はどのくらいの資材を、どのくらいの金で送ろうとするのでありますか。この問題について相當年間に調べたことがあるのでありますが、農林省はどんな考えでやつておられますか、その點を聽きたいのであります。
#10
○三堀政府委員 みそ、醤油につきましては、御指摘の通りにその輸送はほとんど全部おけを使つております。これに要しますたるは、大體現在のところでは醤油なりみそなりの業者が、自分で製樽工場をもつて自給自足で賄つております面と、それからたる業者から購入したたるによつて賄つておる面と兩方ございます。その年間に要しまする、あるいは四半期に要しまする木材の量は、今ちよつと手もとに資料をもつておりませんので、後刻資料をそろえましてお答えいたしたいと思います。
#11
○小川原委員 買取つてからこれに火入れするとお考えになつておられるかどうか、もし火入れすることになると、ただ買取りだけではとうていいかぬので、相當の工場を持たなければならぬと思います。そういう點の計畫はどういうことになつておりますか。
#12
○三堀政府委員 先ほど御指摘になりました、みその増量用に甘藷なり馬鈴薯なりを使うと、腐りやすくなることはお話の通りなのでありますが、それに對する準備として、特に公團が火入れの工場をもつことは考えておりません。これは火入れをするには、たるに詰めたものを改めてたるから出してやらなければならないのでありますので、これは大変な手數でありますし、ロスも出てまいりますから、そういうことでなしに、製造業者の手許において、十分に鹽を多くするとか、あるいはつくつたものを特別に早く配給して、腐りをなくすとか、腐るまでに至らないように配給をしてしまうとか、そういう方法で統制會社はやつておるわけなのであります。今までにおきましても、すでに甘藷も相當使つておるわけでありますけれども、配給の途中において腐つて、大きな損失を招いたという具體的な事例はまだ上つておりません。
#13
○小川原委員 理窟はそうでありますが、これを配給面にみると、腐つた中に鹽を入れて配給しております。これは往々配給を受けた國民が迷惑しておるのであります。日本のみそ、醤油は、今までの調合量はきまつておる。しかし腐敗して損失を隱そうとして、芋をまぜる。そうすると配給を受けた面からみると、腐つたものをカムフラージしたものを受取つた。しかし食物がないから、鹽氣があるからもらつておこうというので、大體これはみそでないのであります。醤油についてもその通りなのであります。そういう點をわれわれは氣づかうのであります。今度公團になりまして、そのみそを受取らぬといつても、受取らなければ勝手になさいということになつてしまつて、やむを得す、泣く泣くその惡い品を受取らなければならぬということに國民がなるのであります。私はこういうことを憂えるから、先ほどから續けて言つておるのでありますが、理窟の上からは腐つたものはやりませんと言いますけれども、まつたくそうなんです。それから今後もそういうことはないとおつしやるが、それは誰も先きからそういうことがありますと言う人は一人もない。今後も必ず私はあると思う。先ほどから申し上げました通り、少しも責任をもたないで、惡いものに當つたのは運が惡いのだということで、なげやりになつてしまつて、その損失を國民にかけてしまう。こういうことになるから、この心配をもつて私はお尋ねするので、それは杞憂に過ぎないというならそれまでであるけれども、日本の現在の官營のやり方全部がそれであるから、われわれはそこまで氣を廻さなければならぬことになるのであります。惡いものは配給せぬと言われるけれども、私は惡いものを配給することになると思いますが、それは議論になりますから質問をせずしておきますが、そういう點につきまして、一應良心的な話をきかせていただきたいと思います。
#14
○三堀政府委員 お話ではございますけれども、今までの經驗といたしましても、芋をまぜたみそが腐つておつたという事例を、實は私ども聞いておらないのであります。芋を使うのにつきましては、いろいろ科學的な、試験所その他を通じて、十分に製品の出るまでには研究と檢査をいたしてまいりましたし、また配給につきましても十分準備をいたしたつもりなのでありまして、おそらくその點については、そう御心配になるようなことはないかと思います。また芋をまぜますと、味が惡くなる、品質というものが落ちることは事實でございますけれども、腐つて食料にならないということはないのじやないかと思つておりますし、今までもその事例を聞いておらないわけであります。もちろん普通のみそよりは惡いことは事實でありますので、十分注意をいたしまして、今後そういうおそれのないように警戒してまいるつもりでございます。
#15
○野溝委員長 ただいま小川原君の發言及び政府の答辯中疑義がありますので、委員長からひとつお尋ねしておきたい點があります。運營資金は復興金融金庫から借り入れてやる豫定であるという御答辯でありましたが、金融金庫の豫算というものは決定的になつていないやうに承つております。もし復興金融金庫の豫算が承認されない場合は、どういう方法をもつて再公團法の運營をやつていこうとするのでありますか。その點お聽きしておきたい。
#16
○三堀政府委員 この問題は、食料品、油糧の公團のみに關する問題ではなくて、まだ他にたくさんの公團がございますので、全體を通じた問題だと思います。從つてあるいはこれは大藏省の財務關係の當局からお答辯になるのが筋かと思いますけれども、われわれの方といたしましては、復興金融金庫に、當然公團が、できました、上からにはわれわれの要望に副うだけの資金のわくが與えられて、そうして運營に支障のないような方法によつてできるものというように信じておるわけであります。ただ今までの折衝といたしましては、復金のみから金を借りるということは、いろいろと仕事の運營の上で不便でありますので、復金以外に、市中の金融機關からも金を借りるような方法にしたいと思いまして、そういう點も考えたわけでありますけれども、一應その點は整いませんで、こういうことになつておるわけであります。實際の面におきましては、まあこれで不自由のないようにやつてもらえるものであるし、またやつてもらうように今後とも努力をする。こういうことで今のところ進んでおるわけであります。
#17
○小川原委員 今の資金の問題につきましては、大藏大臣が出席されましてからお尋ねすることにして、留保しておきます。
#18
○野溝委員長 八木一郎君。
#19
○八木委員 私はこの暑い際ですから、あつさり、率直にお尋ねいたしますから、あつさりと率直にお答えを願いたいと思います。
 本案が法律案として提案されまして以来、私は及ぶ限りの力をもつて、逐條この問題を勉強してまいりました。この勉強をし研究を續けておる間、同僚各位の質疑應答、あるいは懇談會が重ねられるにつれて、遺憾ながら私は、どうしてもこの公團を設立しなければならないと言う理由を納得するのに苦しんでおるのであります。なぜこんなものをこの際つくらなければならないか。この國家危急の際に、暑いこの時期を費して、どうしてこれをつくらなければならないかということを見出すべく、勉強いたしましたが、遂に必要がないのではないかという結論に到達いたしましたので、むし返しになるかもしれませんけれども、もう一度提案の理由を、納得のいくよう、あつさりと率直に御説明をいただきたいのであります。これだけで質問の要點は盡きるのでありますが、二、三補足的に私の氣持を加えますと、すでに必要やむを得ざる處置として、ポツダム勅令によつた公團を政府はつくつてあります。しかるに今囘これに限つてなぜ法律案で出すのであるか。今日火事場のような状態にある國家のこの危急を見殺しにできない。こういう意味から別にできた獨占禁止法との關連よりいたして、公團をつくらねばならぬということになつたのならば、何もこれからわずか八箇月しかない來年の四月一日、ないしはそれまでに消えるであろうと豫想しておる經濟安定本部、わずか八箇月の壽命しか豫期しないでおいて、非常に緊急を要するならばいわゆるポツダム勅令でやつたらどうか。こういう點がヂレンマに落ちましてわからない。この點を氣持として承りたいのであります。
 次は法の十四條を見ますと、問題になつておりますように、この仕事をする物は役員も職員も官吏もしくは政府職員となつております。この一連の官吏、政府職員の厖大な人件費を一手に引繼いで、この際火事場的なこの仕事になぜこれを取り入れなければならないかということも氣持としてわかりかねるのであります。日本の官吏制度においては、乞食と官吏は三日やつたらやめられないというような侮辱された言葉があるくらいであります。この際に厖大なる官吏群を、公團というような名においてつくることについてはどうか。こういう氣持。また今日の危機を突破し、今日の經濟安定に資するために、間接的にもせよこれが必要だというのならば、何か間接的に増産に寄與するような點があればとにかく、私は不幸にして、この機構いじりによつて減産こそすれ増産には絶對寄與しない、こういう感じをもちます。かような點を具體的に延べますと、最初に斷わりましたように暑くなるので、率直にあつさりとお尋ねいたしますから、その内容をお答えいただきたいと思います。
#20
○三堀政府委員 簡単にお答えいたします。第一は設立の理由でございますが、なおその前に肥料については勅令で出したのに、なぜこれについては法律で出すかということでありますが、肥料につきましての經過は御存じのことと思いますが、この前の議會に提出するつもりであつたわけでありますけれども、いろいろの關係で間に合わなかつたのであります。しかし肥料は非常に進行を急がなければならない事情がございまして、その關係上ポツダム勅令によつてこれは特に設立をいたしたわけでありまして、從つて肥料のみについて特別な勅令による設立ができたということなんでありますから、その點御了承願いたいと思います。
 それからこの食料品公團の設立の理由でございますが、ごく簡單に申し上げますと、要するにみそ、醤油その他の今回この法案の内容となつております各種食料品の需給關係が非常に逼迫しておる、しかも國民の食生活上重要な物資であるということについては放つておけない。何らか統制しなければならぬということは、これは御異存のないところじやないかと思います。統制するからには、統制する方法といたしましては、公團をつくるかつくらないかという前に、クーポン制によつて末端の配給はもちろん維持ができます。しかしクーポン制だけで配給統制が完全にできるかと申しますと、みそ、醤油のように、四千から六千というふうな、そういう多數のメーカーを相手にして、一應クーポンが圓滿に實施できるかということになりますと、これは實際上不可能だと言わざるを得ないわけでありまして、そういう關係でみそ醤油等については、さらに生産關係についてもやはり統制をしなければならぬ。生産から配給に移す場合についても、やはり何らかの手當を講じなければならぬ。それからそういうことで生産と配給との間における一手買取り、一手賣渡しという機關が必要になつてくるわけであります。またこういう物資については貯藏しなければならぬ、それから運賃のプールもしなければならぬ、そういう意味からも公團の必要が出てくるわけであります。こういう點については、みそ、醤油というふうにメーカーのたくさんあるもの以外に、あるいは砂糖とか乳製品についてそういう必要が生じてくるわけであります。つまり結論だけ申し上げますと、あるいはメーカーの數が非常に多いということ、あるいは貯藏しなければならぬということ、あるいは運賃のプールをしなければならぬということ、そういうような計畫配給というような面において公團の設立の必要が出てくるわけであります。簡單に言いますとそういう。次第でありますそれから増産に寄與しないじやないかというお話でありますけれども、なるほどこれも前々からお話が出ましたように、直接生産關係に關連をもつた法案でありませんので、その點がこの法律には出てまいりません。しかしながら少い物資でありますので、どうしてもこれは配給の面においてはつきりした方法を講じなければならぬ。それから需給計畫が公團設立によつてはつきりするということになれば、間接的ながら物を多くするという點においては、寄與するのじやないかと考えておるわけであります。
#21
○八木委員 本案は肥料の場合とその設立の事情が違うというふうに承知しいたして差支えないかどうか。
#22
○三堀政府委員 左様でございます。ただ統制の必要、從つて公團を設立することの必要性について關係方面と打合せをいたしました。
#23
○八木委員 そういたしますと、考えようによつては農林物資を公團法が出ました當時、何十種類という品目別に公團ができるということをさえ薪聞に傳え聞いたのです。今はここに二つか三つ、ぽつぽつでありますが、考えようによりますと、どの品を捉えましても乏しきものばかりであります。適正なる配給に俟たなければならないものばかりであるという見地より、いろいろ次ぎ次ぎとこのような構想が起きてくると思います。農林省當局として、目下この邊については研究したものはこれこれの品種がある。結論としてこの二つだけだ、あるいは三つだけだということになつたが、これを伺いたいのであります。
#24
○三堀政府委員 私どもとしては當初から公團組織によるものとしては、この提案になつております品目について考えておつたわけなんでありまして、これ以上のものについて公團制をとろうというつもりは、最初からもつておりませんでした。今後もおそらく現在の事情が變らなければ、これ以上にこの公團に品目を追加するというものも出てこないのではないかと思つております。
#25
○八木委員 和田長官見えましたから、關連してお質ねいたします。いわゆる流通秩序確立の線に副いまして、公團を有力なる機關としてお考えになつておることは、新聞を通じて國民のひとしく承知しているところであります。今農林省のお答えによりますとほかに考えていないということでありますが、安本としてはどうか。廣く物資をながめまして、どういうお考えをおもちになつておりますか、伺いたいと思います。
#26
○和田國務大臣 お答えいたしますが、實は經濟緊急對策の中でもうたつておりますように、流通秩序確立といたしまして、主要なる生産財、消費財について、公團の組織によつていくということを、一般的にうたつたわけであります。先般發表いたしました流通秩序の確立の中には、特に今後これこれのものをやるということは、品目はあがつてないわけであります。それはわれわれの方といたしましては、たとえば、繊維であるとか、鐡鋼であるとか、あと二、三の重要なる資材につきまして、限定して、今後はこれだけのものについては公團をやつていこう。こういう限定的な意味においての品目をそこにあげておつたわけでありますが、一應それらの品目というものは、個々について檢討していこうじやないかということになりまして、一應流通秩序の項目から落したのであります。しかしわれわれとしては、そこにかかげたもの以外には公團というものを擴げていくという考え方はもつていないのでありまして、公團の制度というものは、御承知のように永久的の制度ではないのであります。われわれとしては、これは暫定的な制度としてどこまでも考えておるわけでありますから、できるだけ必要最小限に限つていきたい。しかもそのねらいは、今の流通秩序の非常に亂れておるものを、秩序立つていくためには必要であるというものに限定していきたい。こういうように考えておりますので、むやみやたらにこれを殖やしていくということは考えていないのであつて、限定的にこれを考えておるわけであります。しかしどうしても必要な、たとえば鐡鋼であるとか。繊維製品であるとかそういつたようなものについては、やはり公團の組織によつてやつていくのがいいと思いまして、われわれの方といたしましても、關係方面の側といたしましても、それぞれの意見はございますが、その一つ一つについてデータをだして、具體的に話し合つて考えていきたいと考えております。
#27
○八木委員 お話しによりますと、農林に關する限り最小限度のものとして、食品、油料、飼料、三つを考えておられる。こういうふうに承知して差し支えございませんか。
#28
○和田國務大臣 もう一つ主食がのこつております。主要食糧であります。
#29
○八木委員 この上は討論になりますから、質問を打切ります。
#30
○野溝委員長 質問を留保されておる重富委員に發言を許します。
#31
○重富委員 では前囘質問申し上げました中で、特に經濟安定本部總務長官にお尋ねいたしたい點を二點だけ申し上げてみたいと思います。
 第一點は前囘の政府委員の説明では、食料品については、この以上はつけ加える考えはないといつたようなお話しがあつたのでありますが、そうするとその他命令に委任するという事項は取り止めることができないのかということが一つであります。しかも油糧に關しましては非常に抽象的になつております。今和田長官の御説明によると、具體的にそれぞれを相談してきめるというふうな話しがありましたが、そうするとそれは細目別に言うべきだと思います。すなわち菜種とか、茶種油とか、あるいは菜種油がすというふうになさるべき筋合のものではないかと思いますが、しかるにもかかわらず、本法案におきましては、ただ單に油脂、油かす、油脂原料というようにきわめて抽象的にこれが記載してあります。こういうことであとの具體的なことは全部命令に委任してあります。それでは民間の業者は、油に關する限りはどういうふうにしたらよいか、いつ公團に取上げられるかわからないということで、今日の今日の油が足らないときであるにもかかわらず、この法案が出たなら業者は非常に迷うに違いない。いわゆる生産がやりにくくなつてくる。いつ取上げられるかわからぬというふうなことになると思うのであります。從いまして、この點を全面的に命令に委ねておられるのはどういうわけか、このことがお尋ねいたしたいのであります。すなわち公團が取扱うようになりましたならば、それらの業者はその營業の自由に著しく制限を受けるか、または營業をやめなければならないと思います。かようなことが命令でなされてよいかどうか、憲法第二十二條の精神に反する。國民の職業を奪うことは、法律をもつてするもよほど慎重になされなければならぬと思います。それが簡單に全面的に油糧關係においては命令に委ねられておるのは一體どういうわけかと思います思います本案は眞にやむを得ないからするという特異な法律であることは、先ほどからもたびたび御説明の中にもあります。またきわめて狹議な範囲でやらねばならぬ。こういうことも言われております。であるならば、今日すでにその品目は明瞭でなければならぬと思います。それをあらかじめ不明瞭な形で法律の上に明記しておいて、しかもそのことは業者の職業の自由を奪うというような形にまでくるにもかかわらず、かようなことがしてあるのは一體どういうわけか。こういうようなことが從來行われておつた。そのことが今日の日本を來らしめたのであります。すなわち何でもかんでも命令ならよい。このことが専制政治が行われたもとであります。新憲法のもとにおいても、なおこういうことをしなければならないが、この點を特にお願いしたいのであります。
 また次には安定本部總務長官と主務大臣の關係についてお尋ねをいたしたいのであります。憲法第六十六條では、大臣は連帯責任で各省の省務を擔當するというふうになつておると思います。主層以外の者が他の大臣の上位にあることは。許されないと考えますしかるに本法案ではその原則を完全に覆えそうとしておるかのごとくに、私は思うのであります。さようなことなぜしなければならないか、この點を反證をあげて御説明を願いたいのであります。私がかく申しますのは、第十四條、第二十三條第七項で、主務大臣は安本長官の承認を經なければならぬとなつております。また第二十條では、主務大臣を通して監督命令を安定本部總務長官の下位におくという思想が流れておると思います。またほかの條項においては、これを反對の表現形式でもつて、すなわち最終責任者という表現形式をもつて、安本長官が上位にあるように示されております。かようなことがはたして現憲法法下にあつてよいかどうか、この點がお尋ねいたしたいのであります。また本案を全面的に通じて見ますと、經濟安定本部總務長官と主務大臣とのこの仕事に對する指導監督の線が非常に昏迷をいたしております。その中でも著しいのは第一六條であります。二人の大臣が一つの仕事に對して併行して認可權をもつておる。こういうふうなことがありまするがこれは行政を昏迷に導く最大の原因であるというふうに考えるのであります。政府委員の前囘の御説明によると、ただ單に兩大臣は仲良く連絡をとつてやるのであるからして、問題ではないという意味の御説明があつたと思います。世の中がそう簡單にいくものでありましたならば、夫婦喧嘩をするものもないと思います。夫婦は元來仲のよいはずのものであります。また戀人同士の間の喧嘩も起らないと思います。しかしながら戀人同士もずいぶん喧嘩をしております。安定本部長官主務大臣とが戀仲だということも聞いてはおりません。それが兩大臣は仲良くやつていくのだからといつた意味の御答辯は、およそお笑い草にすぎないと思います。この點について、全般的にひとつ御説明をお願いしたいと思います。以上であります。
#32
○和田國務大臣 お答えいたします。最初の油糧公團の取扱う物資を命令に讓つた點でありますが、これは命令事項をお配りいたしましてその命令の中ではつきりいたすことになつておりまして、なんでもかんでも抽象的に書いてあるというわけではございません。一々の項目を法律に列擧することともまた一つの方法ではありましようが、命令にその項目をはつきり書き、その法律と命令とが一體となつていくということに從來の法律慣例もなつておりますので、その點は御了承願いたいと思います。それから私が流通秩序の確立について、今後打ち立てらるべき公團については、關係方面に個々のものについていろいろ打合せをすると申しましたが、流通秩序確立のあの要綱ができまするまでに、もうすでにその了解を得ておりましたものにつきましては、流通秩序確立の中にもはつきりとうたつておるのでありまして、油糧その他二、三のものについては、たしか項目としてあげておつたように記憶いたすのであります。從つて命令に書きますることは、私は憲法の違反ではないと思うのでありまして、ただ法律を審議いたします際には、どの範囲のものをやるかという命令事項をはつきりとお示しして、同じに、御審議願つていくということになるのは當然のことだと考えるわけであります。
 それから安定本部の權限の問題でありますが、お話の點は大部分現在の經濟安定本部の官制から規定されておるところから出てくる事柄でありまして、官制に明示されておりまする限度において、經濟安定本部の長官が權限をもつということになつておるのでありまして、それ以上の權限をもつものではないのであります。この點は私は官制がはつきりと定まつております以上、憲法の問題もそれに從つてできました官制でありまする以上は違憲ではないのではないかと思うのであります。ただ安定本部長官の關與しまする事項はいろいろあるのであります。たとえば割當計畫とか配給手續の決定それから定款の認可であるとか解散命令その他職員に關する給與、その他の規定等、いろいろたくさんの事項がありまするが、これは一々お讀みしてもなんでありますから略します。大體一六ばかりの點について、安定本部長官が關與することに相なつております。それから配給計畫資金計畫その他の基本計畫については、安定本部が参與いたしますのは、これは安定本部が御承知のように政策の總合調整を行うという見地からいたすことになつておるわけであります。それから御指摘の點の二重の報告をとるという點でありますが、しかし別段私は各省主務大臣との間に軋轢が起るとは思わないのでありまして、これは經濟安定本部の方は官制に規定されましたその限度において、またその職能を果す上において報告を徴しておるわけでありまして、經濟安定本部の方には行政監査の機能が與えられておりますので、その間において公團の監督とかそういうことをやることになつております。かように考えておる次第であります。
#33
○三堀政府委員 油の内容につきましてちよつと私から補足して申し上げておきます。油糧配給公團法の方におきまして、特に命令で定めるというような書き方をいたしまして、内容を明瞭にしましたことは御承知と思いますが、現在の動物油脂、植物油脂に關しての統制規則で、統制されております物資は非常にたくさんあるわけであります。一例をあげましても、指定植物油脂として指定されておりますものにつきましては、桐油、ヤシ油、ヒマ油、だいず油、カボツク油、落花生油、オリーヴ油等々たくさんあるのであります。讀み上げるのにもたいへんなほどたくさんあります。從つてこれをこれを一々法律に書くわけにわまいりませんので、命令で定めるというので命令に讓つたわけでありまして、この命令の内容は、現在の規則で統制されておりますものを、大體そのまま引移つて統制をするつもりなんでありまして、殊にこのために新しく統制項目が非常にうえると言うことはございません。またこれによつて業者が職を奪われるとか、あるいはその間に混乱を生ずるということもないわけでありまして、その點は資料として公團取扱いの油糧の内容はあとでお配りいたしたいと思います。
#34
○重富委員 ただいま御説明がありましたが、まとが外れておるように思います。まず最初の分は油糧の關係についてでありますが、命令で定めるということについて、その命令で定めるという考え方が間違いである。でありますから、命令で定めると言わなくても、本法の別表としてここに取上げても差支えないのではないか。それを、命令で定めると言う、その考え方に私は、間違いがあるのではないかと思います。これをどうして命令で定めるということにされたのかという事をお聽きしたいのであります。
 それから經濟安定本部總務長官と各省大臣との關係につきましても、私が特に指摘いたしたいことは、承認を經るとか、最後の責任は安定本部總務長官にあるという、この事柄についての特別な御説明を求めたのであります。ただ兩方の關係大臣が共管をするのがいけないと申し上げたのではないのでありまして、いけないということも申し上げたことには申し上げております。申し上げておりまするが、それが犬牙錯綜しておることがいけないから、これを何とかする考え方はないかということを聽いたのでありますから、まず第一番に、主務大臣は經濟安定本部總務長官の承認を經なければならないということが、明らかに總務長官をして上位におかしているのではないか。内閣の官制がそういうふうになつておりますならば、その點は官制の第何條でそういうようになつておるかを、お教え願いたいと思います。また今の承認を經るというところだけではなくして、この表現の仕方、自分の方から今度は最終責任者は安定本部長官にあるという條項のありますのが三箇條あります。すなわちこれもやはり安定本部長官を上位においておるというふうに考えられるのでありまして、それを上位においておるということを、われわれが安心することができるように知らしてもらいたいということを申し上げたのでありまして、共管だけのことを長官は御説明になつておりますが、その點について御説明を願いたいと思います。
#35
○和田國務大臣 これは安定本部の官制に、基本法策の決定と總合調整という機能がありますのと、それから物資需給調整法の中にも、安定本部長官の定める方策に從つて云々ということがありますし、さらにもう一つ、この行政監査についての最終責任者が、ただいまの安定本部の何によりますと、安定本部の總務長官になつておりますので、そこからきておる事柄でありまして、別段に他意があるわけでなく、結局そこから結果として出ておると、さように考えていただきます。その限りにおいて、ただ今のお話のように、主務大臣が總合調整その他の關係上、安定本部長官の承認を受けてやるということになつておるのであります。
 それから命令に定めること、その考え方がどうかというお話でありますが、私はそれは意見の相違になると。思うのでありますやはり法律というものが全體をなすのでございまして、法制の中にいろいろなものを書いていく書き方もありますが、大體今までの日本の法律慣習によりますと、今言つたような。非常に複雑な項目のような事柄は、命令に讓るのが慣例でありますので、私はその慣例に從がつたのだろうと思うのでありまして、從つて命令の中ではそれがはつきりするわけでありますから、命令で書くことはどうか。こういうことになつてきますと、私はそこに多少違つた考え方をもつておるわけであります。
#36
○重富委員 今の問題を一箇所に集中したいと思いますが、命令において定めるということは、大體從來といえども、おおむねその法律を實施するために必要なものに限られておつたのではないかと思います。特に國民の權利、國民の生活の保障、それに關連するものまでが命令に委ねられておるというふうなことはきわめて少く取扱われておつたように思います。しかしそれがおおきく取扱われたがために、今日の日本の悲惨な状態をもつてきた。そうした端緒を開くおそれがまた新憲法のもとにも起つてくる。このことはなるほど小さな事柄かもしれません。しかしながら本質的には、この公團が取扱う品物に關しては、國民はそれの取扱いに關して極端に自由を制限され、あるいは營業の自由を完全にとられてしまうのであります。從つて新憲法のもとにおきまして、この問題についても、そう品質的に考えますときに、ただ從來の慣例がそうであるから、そうしてもいいではないかといつたような意味でお考えになることは、どうかと考えられますので、新憲法のもとにおけるこの仕事の取扱いとしては、もつと根本的な御意見があると思います。その點をお伺いいたしたいのであります。
#37
○和田國務大臣 どうも御意見の相違になりますから何でありますが、私はすべての事柄を法律で書くのも一つの行き方であると思います。しかしそれと同時に非常に重要なことは、勅令にある場合は出てくる。ところがある場合には命令に讓つていただく。ということは法律自體の命令事項、あるいは勅令事項と、全體として國會で愼重審議していくわけでありますから、その點については、法律を定めますときに命令事項がはつきりいたしておつて、それが法律と不可分の關係で審議されるならば、あとは立法の技術の問題になるのではないかと考えるのでありまして、命令に讓ずるから何もかもすべてが曖昧模糊としておるということには、私はならないのではないかと考えます。しかし非常に必要な關連のあることでありますから、あるいは勅令で書いたり、また法律の中でできるだけのことを書いていくということは、もちろん必要であるということは、これは私もそう思いますが、油糧公團の取扱物資の範圍の廣汎でありまするものについては、一つの便宜の手段としては許さるべきことではないかと考えております。
#38
○重富委員 議論にわたりますので多くはもうしませんが、今の考え方につきましては、依然として私は釋然といたさないのでございます。ただ種類が多いから、多くないからと言いましても、國民の憲法で確立されようとしておる權利に對して、これをただ命令でとやかくするということはいけない、憲法の二十二條の問題に關連しておることを一應申しまして、これ以上質問いたしましても見解の相違ということになると思いますので、一應前段の分につきましては、私としては質問を打切ります。後段の安定本部長官が主務大臣との關係についての承認といつた言葉は、きわめて簡單にあつありと考えておいでになるのは一體どういうわけであろうか。とにかくそれは結局憲法の六十六條の關係に絡んでまいりますので、私は憲法に關しましてはよく知りませんが、とにかく私の見た眼は、あるいは二、三學者の意見を聽いた範圍におきましては、少くともこの點に關しては、相當な疑義のあることは間違いないと思います。いわゆる承認を經るということが、ただ簡單なる打合せ事項であるというふうには考え得られない承認を經なければならないということが、政府部内の問題であればいざしらず、法律の上においてその地位を確立するという形で現れておりますので、その點からしますれば、憲法六十六條との關係におきましては、相當な問題を含んでおると考えるのであります。その點についてそうではないのだ、どこまでも經濟安定本部總務長官の立場は、他の各省大臣と同列にあるということが證明できるならば別でありますが、それができなければ私といたしましては承服できないような氣がいたしております。
#39
○和田國務大臣 油糧の點の命令に關する點でありますが、これは油糧公團で全部取扱うことには一應なつておりますが、それを命令でいろいろ制限なんかすることを必要とするので、命令に一應讓つておくという點があるのであつて、どうもこの點私は意見の相違になりますから、私は議論はいたしませんが、ここで御了解願いたいのは、私は法律に書くことがいかんということを申しておるのではないのであります。法律と命令とが一つになつて、これが全體としてやはり審議すべきものであつて、法律で何もかもこまかいところまで、英米法のようにできるだけ書いてしまうということもありましようし、大陸法のように、大きな條項を書いて、こまかいことを命令に讓るということもありますから、それが全體をなしておりますから、その法律々々によつて、あるいは命令に讓る事項がおのずと限定されてくる、命令に讓つていく方が實際上の場合においても便利だというようなものについては、やはり立法技術の方え讓るということを申し上げておるのであります。その點一つ御了承を是非お願いしたいと思います。
#40
○重富委員 今の點はやはり議論にわたると思いますけれども、やはり私の言わんとするところが長官にまだ十分に御了解いただけないようでありますが、要するにこの事柄が國民の職業の自由ということに關連しておるから申し上げるのでありまして、便宜、不便宜というようなことで片づけられる筋合のものではないということを申しておることを、一應御了承願いたい。從つて便宜上こうするのだということはむしろ改めていただきたい。その便宜上こうするのだということが、今まで日本がずるずるべつたりにすべてを命令でやつて、専制政治が行われたものと同じである。これを私は恐れるのであります。この點を御了承願いたい。
#41
○和田國務大臣 よくお話はわかりました。私の意見とあまり違わないと思うのでありますが、結局法律で書いておけば、あと改正をしたり、いろいろするときの場合においても、きちんとした手續がとれるから、そこではつきりする。殊に國民の營業その他に關係することであるから、法律で書けという意見もあります。しかし私の言つておるのは、油糧の問題で、きちんとしたものでありますから、それを限定する意味で、物資を加えて行くという關係でなしに、むしろ限定する意味であるから、こう考えにおいては、命令と一體となつて御案議願つて差支えないのではないか、こういう意見であります。あなたの御意見の御趣旨はよくわかりました。
#42
○重富委員 今の油糧の關係につきましても、お話は命令として全體的に、油糧は總體的に全部やるのだからということでありますけれども、しかしながらこの條文から見れば、この中から選擇的にやるという考え方も起つてまいります。この點は十分に御研究願いたいのであります。總合的に全部やるのだからという御説明でありますけれども、油糧配給公團の第一條の關系から見ますときは、ここに示されたものを、命令でもつて内部的には選擇的にやる。たとえば油脂にいたしても菜種の油は今度命令でのけるのだ、しかしながらこの方は命令で依然としてやるのだという選擇の範圍を残されておるという反對解釋も出てきます。そこから國民に非常な不安と動搖を與えるものであるというように考えます。それから先ほどの承認云々についての御答辯をいただきたい。
#43
○和田國務大臣 それは前に一應御答え申し上げたことで御了承を願います。
#44
○重富委員 それでは了承しないという意味において、もう私の質疑を打切ります。
#45
○佐瀬委員 重富委員の質問事項に關連して一、二お尋ねしたいと思います。本法案を通じて、主務大臣と安本長官の指導監監上における立場が可なり二元的に併行しております。一體この法律が通過して執行される場合には、その執行についての責任はだれがとるかということを簡單に御意見を承りたいと思います。
#46
○和田國務大臣 それぞれの物資についての所管大臣ということであります。
#47
○佐瀬委員 この法案が通過した場合に署名されるのは何大臣でありますか。
#48
○和田國務大臣 署名は、この法案を出すときには、たしか所管大臣と總理大臣が署名しておつたように思います。
#49
○佐瀬委員 從來は舊憲法五十五條で、關係の國務大臣が副署するという形式になつておつたのでありますが、新憲法七十四條では、主任大臣がしよめいするということになつております。この法案の中には、大藏大臣あるいは農林大臣等が、いろいろな關係でただいま長官の言われる所管大臣になるのかもしれませんが、それらのうちその署名の主任大臣というのは一人だろうと思うのでありますが、その關係はどういうふうになるのか御意見を承りたいのであります。
#50
○和田國務大臣 それは各物資の所管大臣でありますから、油糧公團であれば農林大臣というふうになります。
#51
○佐瀬委員 食料品配給公團についてはどうなりますか。
#52
○和田國務大臣 これも農林省で食料品の配給をやつておりますから、農林大臣であります。
#53
○佐瀬委員 そうしますと、先ほど重富委員が尋ねられたように、最終責任は安本長官にあるという規定が多々散見されるのでありますが、これとの關係はどういうふうになりますか。
#54
○和田國務大臣 これはこの公團につきまして經濟安定本部が關與することができるようになつております、その事項についての最終責任が安定本部長官だ、おそらくこういうことになつておるのだろうと思います。
#55
○佐瀬委員 どうも私は憲法との關係においてその點疑問をもつ者でありますが、大臣平等の原則というのが新憲法の一大原則になつておる。ところが一つの法律の中にいろいろな大臣が權限において競合しておる。その場合、運用上衝突が起つた場合にどうなるかという點に對する、何らの措置の規定がない。これは重大な缺點ではないかと思うのであります。しかしただいまの説明のような解釋でその矛盾を別に感じないというのならば私は別の角度からその點をまた考究してみたいと思います。質問としてはそのて點は打切ります。
 さらにもう一點確かめておきたいのでありますが、この公團の法的性格についてであります。一方司法委員會の方では、國家賠償法案に關連して、公務員の不法行為に對する國家賠償制度を確立するということに今努力が拂われつつあるのでありますが、この公團について役員を官吏とし、一般法令の適用について、無制限にそれを公務員として待遇するということになつているのでありますが、これは法人の性格が、國家あるいは公共團體に準ずるような強いものにまで、前提的に認めているからそういうことになるのだろうが、この公團の法的性格を、それらの點に關連して明確にしておきたいと思うのであります。この點に對する御意見を伺います。
#56
○和田國務大臣 公團は、われわれの方といたしましては、政府機關である、公法人だ、項いうふうに考えております。ただやはり私法上の行為をい行ますから、私法上の一般の原則には從う、こういうふうにわれわれとしては解釋いたしております。
#57
○重富委員 今和田長官の御答辯によりますと、公團は政府の機關と申されましたが、官廳だという考え方が最も強く見えているように感じましたが、もしもそうだとするならば、この公團はいつそのこと官廳機關として、眞正面からやられたらどうか、かように考えるのであります。と申しますのは、一應公團という法人格を與えて、政府との間にいわゆる責任關係が遮断されております。この前に平野農相が言われましたときにも、全責任を政府がとるという考え方で提案理由を説明されましたが、この法案の實際を見ますると、政府はただ單に監督上の責任をもつだけであつて、業務遂行上の責任をもつようにはなつておりません。しかるにもかかわらず、今の和田長官の御囘答からみますと、やはりこれは政府機關である、公法人であるという意味合の御囘答があつたように思いますが、そうであるならば、それらしくはつきりとその性格を現わしたらどうか。この法人の内容を見ますと、實體的には法人格を與えるべき事實をもつております。ある事例を申し上げますと、この法人には最高意思決定機關がないのであります。最高意思決定機關は政府側にあるのでありまして、ただ執行機關のみ、言いかえますと、この法人の頭は政府の中に突つこんでおり、胴體、手足は民間のような形式になつて、切り離されております。從いまして、この公團の擔うべき責任というものにつきましては、非常に曖昧模糊たるものがあります。いわゆるこの公團の責任と申しますのは、配給に關する責任のみならず、それに伴う經濟經理上の責任があるはずであります。それらのものに關する責任關係が非常に曖昧になつております。こうしたことをどうしてもやらなければならない。またやるべきであるという信念と、またやることによつて必ず國民に福利増進を與えることができるというならば、むしろ思い切つて官廳機關とされたらどうか。曖昧模糊たる、えたいの知れない法人をつくる必要はどこにあるのか。今官僚統制をやかましく攻撃されているからして、それに對するカムフラージュとして、こういうようなことがもし考えられたとするならば、これはむしろ滑稽ではないか。斷々固としてやるべきはやられたらどうか。そうでないとするならば、なぜこういうふうなぬえ的な法人をつくられるか、頭は政府の中にある、手足胴は民間側の方にあるかのごとくに示されておる。しかし御説明を聽くならば官廳機關である、政府の機關であるというふうな御説明を、この前の平野農林大臣からもそういうことを聽きましたが、やはり長官からもそういう意味の御囘答を得ましたので、實に不可怪に思つておりますが、この點についてどんなふうなお考えでありますか、お伺いしたいと思います。
#58
○和田國務大臣 これは政府機關ではありますが、特別の公法人でありまして、行政官廳のような意思決定をするわけでわないのでありますし。いわば政府の特別會計と行政官廳との中間にあるようなものであります。こういう一つの新しい形態というものが今の日本の經濟の實體から編み出されてこういう形で統制が行われていくということでありまして、われわれとしては、この公團をそういう観點からながめておるのでありますから、待殊の一つの性格をもつたものとして考えておるわけであります。いろいろと從來政府が統制をやつていきますのには、たとえば營團といつたようなものも考え出されてやつてきた。しかし營團というものではこれは社團法人的な意味がそこにあるわけでありますが、そういうもののない、一つのいわば政府の完全なる行政官廰ではないが、しかしまた政府が獨立してやつていく特別會計みたいなものではない、その一つの中間的なものとして、政府自身が一つの強力な監督を行い、また責任をももつた一つの機關を運營して、重要なものについての統制をやつていく。こういう考え方からいたしまして、御意見としては、あなたのように特別會計をすべてのものについてうやつていくということも考えられましようが、しかしこういう公團の方式によつて統制をしていくということも、私は今までの配炭あるいは石油といつたようなもうすでに建設されておる、運營されておるものを見ましても、その運營というものは可能であろうとこう考えておるのでありまして、公團そのものについての研究というものは、いわばこれが新しい機關でありますだけにまだ發達の途上にあるものだとも考えるのでありまして、考え方としては、いろいろの考え方があることは私も否定はいたしませんが公團というものはどういうものかといえばかと言えば、私が今言いましたような性格のものであり、この形における統制も一つのやり方ではないか。殊に物資需給調整法、その他いろいろ法的な一つの制度として、新しくそういう制度ができております以上は、それを利用していく、そういうものによつていくということも一つの考え方ではないかと、私らは考えております。
#59
○重富委員 この前政府委員の御説明を聽きましたときに、こうした形式をとらなければならない必要は、會計法上に主としてあるように聽いたのでありますが、しかし會計法は絶對的なものではないのでありますから、これを改めたらどうか。また會計法が大變邪魔になるというようなことも、たびたびわれわれは經驗しておりますから、それが全般的にできないのならば、これに關しては特別に例外的規定を設けてやつてもよいのでじやないか、こうしたぬえ的な法人をつくる、法人としての實體を備えていないものを、ことさらに法人の實體を備えたかのごとくにするというところに、責任の限界がはつきりしないし、責任の性質がはつきりしていないということになると思います。たとえばコの法人が、いわゆる債權者に對して負うべき責任はどういうことになるのか。從つてこのことも法律の上においては非常に不明瞭であります。しかもこの法律が行わんとするところは強制的なものであります。しかもその強制に從つて取引をした相手方、債權者に對して、もしもこの公團が支沸能力がなくなつた場合に、一體だれが責任をとるのか、こういうふうなことも至つて不明瞭になつております。こういうふうな不明瞭な性質の責任をここに掲げてあつて政府も責任をとるとは言われますが、ただ單なる監督上の責任のことが規定してあつて、それは相當強力であります。しかしながら政治上の責任は一應別人としてであるがゆえに、政府はとらなくても濟むようになつております。これは少し言い過ぎかもしれませんが、あれやこれやとこの法人のやる行いについては、自分が言いたいほうだいのことは政府としては言うけれども、さてそのことに關する最後の結果として、そうした經濟的な損失を與えた場合に、政府はそれをどうするかというふうなことに對して、その責任に關しては政府は口を拭うておるというふうな形が、これには現れておるのであります。一體こういう點について、長官はどういうふうにお考えになつておりますか。なるほど今の社會情勢からしますれば、こういうものが必要だといわれますが、必要なら必要のように、それの後始末に對しても考えていただかなければならぬ、かように考えておりますが、お尋ねしておきたい。
#60
○和田國務大臣 お答えします、お話のように、その點ははつきりと法律の上には出ていないと思うのでありますが、結局こういうことになると思うのであります。これは政府機關でありますから、政府機關に私法的な破産といつたようなことはないかと思います。從つて、もしもこういう公團が非常に經理上マイナスをだすといつたような場合には、政府がある場合には増資をするとか、またその他の方法により、結局政府が政治的に責任を帶びて善處するということになるだろうと思います。
#61
○成瀬委員 簡單に申し上げます。大體私の質問せんと欲するところは、重富委員によりまして相當質問されておるのでありますが、私はこの法案において、主務大臣と安本長官と、それらの權限がどこにあるかということは、隨所に疑問を内藏しておるのであります。從つてこれは別の機會において十分檢討すべきものであると考えておるのでありますが、さいぜん重富委員に對する御答えの中に、法律と命令を一體と見て、同じように考えてやつていくというところの、この考え方に對してはどうも釋然としない。後に第五條におきましては、配給公團は政令の定めるところによる。この法律、命令、政令、というものは、一體どういうつながりをもつておるか、過般の鐡道運賃の値上げにいたしましても、次ぎ次ぎに行われる政令なるものが、恰も勅令のような形を以てやつておるかのごとく考えるのでありまして、こういうような政令の内容は――ここに特にもつてきたということは、どういう意思があるか。また新しい憲法のもとに、最高の立法機關といたしましてこの國會におきまして法律が定められますが、それと同等の意味においての政令というものはどこからでてくるか。これは官吏がそういうことを勝手にこしらえて、同等の權限をもたすということは官尊民卑の思想をもつて、從來の行政的の方面の權限をやはりここにもつておるということは、われわれは大いにそこに根據を糾明しなければならぬと考えておるのであります。かような點に對してのお答えを願いたい。また全體といたしましては、過般私は、資本主義的な考えでこれを立案いたしておる。こういうような立場から、この際にはもう少し檢討すべきものであるということを申しておりました。過日も七月七日におきまして、笹山次官が今議會には食料品公團の法案はださないということをはつきりと明言されておるのであります。しかるに多くの重要法案があるにかかわらず、これをどういうような經緯によつて、第一に審議にかけたものであるかということ、これらの點が、連絡がはたしてうまくいつておるかどうか、またその必要を特に感じたかどうかという點についてお尋ねしたい。またこの審議につきましては、新しい國會のもとに、われわれもちろん不慣れでありますので、なかなか理想的にはまいりませんけれども、何らか今までの議會におきまして、政府の立案された方立案を協賛するような形で、全てそれに依存するような形をもつておりますのを、私ははなはだ遺憾に考えておる。暫定的なこの機關でありますけれども、大いに本委員會が獨自の立場におきまして、これらの政府の法案を参考とし取捨選擇して獨自の立法をすることこそ、議會の本領を發揮するものである、國民の期待に對する信頼を全うするものであると考えておりますが、これらの審議上における點がどうも私の合點がまいりません。さような點についてどうお考えになつておるか。まだそのほかいろいろありますけれども、ただいま關連いたしておりませんために。これ以上は申し上げませんが、この點について御説明願います。
#62
○和田國務大臣 命令と政令との點でありますが、結局法律、政令、命令というものが、それぞれの關係をもつておるわけであります。しかし命令といえどもこのほうりつに關しまして發せられます命令は、やはり法律の中にちやんと規定されておりまして、委任命令の形になつているわけでありますので、從つてそれらの個々の命令について規定する事項は、各項目毎に異なつてくると考えるのであります。私はやはりこういう法律になつてきますと、何かの形でむしろ命令に讓らなければ、法律としては非常にこまかなことまで、ほとんど手續規定のようなことまで入つていかなければならぬようになりまして、かえつて法案としては體裁も整わないものでありますし、そういうおそれがあるのではないかと思うのであります。もちろん成瀬さんのお話のように、重要な事柄については、できるだけこれは法律に書いてはつきりしておくということについては、毛頭異論のあるわけではございません。
 それから過般の笹山君の意見でありますが、これは流通秩序の確立という點からいいまして、食料品とかあるいは油糧とかいうものについて、公團の方式によつて流通秩序を確立していくということに、關係方面とも連絡がつきまして、それでお出しするようになつたのであります。
 最後の點は、これは私からお答えするのもどうかと思うのでありますが、政府から出しました法案については、十分御檢討御審議をお願いいたしたいことはもちろんであります。
#63
○野溝委員長 大體この程度で午前中の會議は打切つて、午後一時半から再開して繼續していきたいと思います。大藏大臣並びに安定本部長官とうには出席を願うことにしてあります。
 それでは一時半まで休憩いたします。
    午後零時四十五分休憩
    ―――――――――――――
    午後二時六分開議
#64
○野溝委員長 これより會議を開きます。寺本委員。
#65
○寺本委員 私の質問は主として安本長官に對する質問でありますが安本長官はお見えにならぬでしようか。
#66
○野溝委員長 安本長官は午後三時近くに見えられると思います。
#67
○寺本委員 それではそれは後囘しにして、まず私は政府委員にお尋ねします。先ほど同僚八木議員から、かかる公團方式で統制配給をやるといふことについて御質問があつて、それに對する御答辯で大體了承するところがありますけれども、なお私はその問題に關して、官僚の統制方式というのが國民の協力を得なければ、いかなる施策も成功を収めることは困難だろうと思います。いろいろと御説明があつて、大體のことはわかるのでありまするけれども、國民の受ける感じというものは、やはり戰時中の東條内閣がやつたような、あんな感じの統制とあまり違わないのではないかという感じをもつておるのであります。そうして非常に國民は不安な感じをもつておるのでありますが、かかる配給公團方式というごときものは、その性格において、殊にわが國において初めての方式でありますが、外國においてこれと同じような方式のもがありますかどうか、それをお伺いしてたいと思うのででります。
#68
○三堀政府委員 外國におきましては、私も詳しいことは存じませんが、アメリカにおいてこういう方式がございます。
#69
○寺本委員 それならばお尋ねいたしますが、アメリカでとられておりますそういう方式の成果は、どういうふうでありましようか。おわかりでありましたならば差支えない限り……。
#70
○三堀政府委員 アメリカにおきましては、戰時中こういう方式でやつているようでありまして、相當成果を改めております。
#71
○寺本委員 アメリカにおいて成功を収めているといいましても、いわゆる官僚がやるのでありますが、その官僚の實質がわが國の場合と違うんぢやないかと思うのであります。わが國では官僚は完全な國民の公僕とは未だ認定しがたいのであります。その過渡期的な官僚組織をもつて、ただちに流通秩序の全面に押しやるというようなことは、不安ではないかと思うのでありますが、これに對するお考えを承りたい。
#72
○三堀政府委員 お話の通りに、アメリカで成功したからといいましても、必ずしもわが國において成功するとはもちろんいえないと思いますけれども、問題はたびたび繰返されておるように、今後だれがどういうふうに運營するかという點であらうと思うのでありまして、その點につきましては、十分に業界その他消費者の意向、民意の存するところをよくくみとりまして、有能な經驗のある人を選びまして、遺憾のないような運營をしてまいりたいと考えております。
#73
○寺本委員 その他の點もありますが、安本長官がお見えになつておるときに讓りまして、私はこの案文を見ておりますと第十一條の「總裁、副總裁、理事及び監事は、主務大臣がこれを任命する。」とあつて、いわゆる官吏の任命と選ぶところがないのでありますが、今まで統制會社その他でよく用いられましたように、官吏の古手が大抵總裁とか、理事長に任命されてきまして、大した實績はあがつていないのであります。殊にそういう總裁とか、理事とかになつた人も、主務省の指令というか、そういうものによつてのみ動く關係上、役所の局僚に至るまで統制會社の役職員が御機嫌伺いをしていかなければならぬような状態にありまして、非常に能率があがつていないのが實情でありますが、こういう任命の形式を、もう少し民意を取入れて、公選というような形でもとられるようなお考えがあつてもいいのではないかと思いますが、そういう點に對しましてもお聽きしたいと思います。
#74
○三堀政府委員 その點は、公團が前にも問題に出ましたように、政府と一體をなしておる建前もありまして、いろいろ總裁なりその他の役職員は、官吏その他の政府役員なのでありまして、實際問題といたしましては、もちろんお話の通りに業界の總意をよく取入れた人を實質においては民主的な意味においての任命があると思いますけれども、形の上におきましては政府の職員であり、場合によつては官吏でありますので、當然形の上においては、どうしても任命という形をとらざるを得ないと思います。
#75
○寺本委員 ただいまの御答辯によりましても役職員はすべて官吏に任用されるのでありますが、任用されるそれらの役職員の主なる人は、今までそういう業務に關係しておつた業務者のほとんどが任命されるのであろうと思いますが、そういう人達が任用される數は大體おわかりでございますか。また失業する人たちの概數、政府は片山首相の施策方針にも言われたように、労働者の完全雇用ということを、この内閣の主なる政策に取入れられておりますが、それら失業者に對してどういう措置をとられるか。この點につてお伺いいたしたいと思います。
#76
○三堀政府委員 現在のみそ、醤油その他の關係品目に從事しております統制機關の役職員の總數、そうして今度新たにできます公團に収容されます人員の詳細なる實數と、今後の計畫につきましては、一昨日の御要求によりましてただいま資料を整備中でありますので、一兩日のうちに印刷してお配りができると思つておりますが、概括的に申し上げますと、大體現在の統制機關の職員は大部分この公團に引繼がれますが、一部分の物破今度できます協同組合に引繼がれるか、いずれかに引繼がれますので、失職するものはほとんどないと考えております。
#77
○寺本委員 第一五條によりますと食料品配給公團は、經濟安定本部總務長官の定める割當計畫及び緒配給手續竝びにこれらに關する指示に基き、主務大臣の監督に從い」とありますが、割當計畫、及び配給手續は、現在安定本部總務長官がこれをきめるのでありますが、それならば主務大臣はこれを監督するだけでございましようか。その點を伺いたい。
#78
○三堀政府委員 お話の通りに、こういう重要物資についての基本的な計畫。手續につきましては、安定本部においてこれを遂行し、實際の實施にあたりましては、主務大臣たる農林大臣がこれを監督し、指示する。こういうことになります。
#79
○寺本委員 そうすると配給手續に對する責任は安定本部總務長官がとりますか、主務大臣がとりますか。
#80
○三堀政府委員 午前中にお話が出ましたように、この公團の實際の責任につきましては、もちろん主務大臣としての農林大臣がとりますけれども、割當計畫、手續等については安定本部總務長官がやる。こういうことになるのであります。
#81
○寺本委員 それから第二十三條によりますと、第三十二條第一項の規定により解散會社より新法人たる食糧竝びに油糧の兩配給公團が貸與せらるべき施設は、具體的にはどの程度のものでありましようか。
#82
○三堀政府委員 配給公團の基金は一千萬圓と四千萬圓でごくわずかなものでありまして、施設を自分で買いとつてしまうことはほとんど考えられないわけでありまして、大部分のものは現在の各統制會社その他の組合、いわゆる統制機關から貸してもらうわけになるのでありまして、建物、什器、輸送設備あるいは容器等、すべてのものを從來の機關から貸與を受けることになつております。
#83
○寺本委員 それならば、それらの施設は解散會社の施設の全體のどのくらいの量にあたるものでありましようか。
#84
○三堀政府委員 ただいまの點につきましては資料を整備しておりますので、資料を整備した上で、こまかい點は數字的にお答え申し上げます。
#85
○寺本委員 今資料を整備中とおつしやいますけれども、しからばその價格支沸の方法、たとえば買上げることが困難であれば借り上げるというようなお話でありましたが、その借家料といいますか、賃料といいますか、その借賃の價格設定の方法は、いかなる方法をとられるのでありましようか。
#86
○三堀政府委員 賃貸價格等は、現在統制價格のあるものはもちろんそれによるといたしまして、統制價格がもしないようなものがあれば、それはまたそれで兩者折衝して妥當な値段をきめることになると思います。
#87
○寺本委員 そういう場合に、解散會社の株主に對して不當の損害を與えるおそれがないとは限らないと思いますが、もしそういう場合に法的にいかなる根據をもつて當たられるか、この點をお伺いします。
#88
○三堀政府委員 ただ今申しましたような方法で賃借その他の關係をいたしますが、株主が不當に損害を受けることはおそらく起らないと思つております。
#89
○寺本委員 株主が不當な損害を受けることはおそらくないだろうというお話でありますけれども、賃貸價格を基準としていかれるということは、それは法的にはそれでいいでしようけれども、株主が實際において現在の時價に見積もつた場合に、かなり損害を受けるのではないかと思われますが、そういう點を考慮に入れられるかどうか伺います。
#90
○三堀政府委員 統制價格のあるものにつきましては統制價格以上のことをすることは、法的には許されないことでありますから、統制價格のわくの範圍内で、統制價格一ぱいでやるとすれば、それを不當の損害ということは言えないのではないかと思つております。ですからその邊のところは、そういうように御了承願うほかないのであります。それ以外のものにつきましては、具體的に適常なところをきめることになる次第でありますから、御了承願いたいと思います。
#91
○寺本委員 質疑であるからいろいろ討論にわたることは避けますけれども、私はこの食糧品配給公團と油糧配給公團と、こういう一連の法案が各個にばらばらに提出されることは、國民に對して不安を與えるのではないかと思います。殊に前議會の終了間際になつて石油公團法が出まして、これは通過したのでありますけれども、ほとんど終了間際にたくさんの法案と一緒に出されて、殊に議員が選擧を控えて浮足立つたときに、急速に通過したのであります。また肥料公團のごときは政令をもつて實施されたのでありまするが、こういう行き方に對して國民は不安をもつておると思うのであります。それで各個の法案をばらばらに出すことなくして、たとえば官僚に與えられた公務員法のような行き方で、これが基底をなすところの公團法というようなものを一括して出して、その性格や責任の所在などを規定せらるような御意志がありますかどうか、伺いたいと思います。
#92
○三堀政府委員 ただいまの點は、あるいは安定本部の方からお答えになるのが、しかるべきかと思います。私どもの方の關係といたしましては、でき得る限り、農林省關係に公團法はまとめて出したらと思いまして、十分準備もいたしたわけですけれども、不幸にいたしまして食糧關係のものだけ二つはそろつて出ることになりましたけれども、飼料公團の方は少し手續が遅れまして追かけてくることになりました。その點審議の點にはなはだ申譯ないと思つておるわけでありますけれども、けだほど安定本部總務長官からもお話がございましたように、もうあとそんなにたくさん、續々とこの關係の公團法が出てくるというわけのものでもないわけなんでありまして、おのずから公團になるものにも限度があるわけでありますから、御了承願いたいと思います。
#93
○寺本委員 私の質問は一應これで打切ります。
#94
○野溝委員長 山村委員。
#95
○山村委員 この法案が上程されましてから、みそあるいは醤油の釀造竝びに販賣の各業者の方々にお會いしてみますと、いずれもこの公團法に對しては反對の強い意思をもつておるのであります。ところがなぜしからば君たちは反對の意見を強力に政府なりあるいは議會なりに反映せしめないかというとこれはいろいろの關係があつて、ということを農林當局から説明されておるから、われわれはもう没法子だという意味でもつて諦めておるのですということが言われたのでありますが、一體この際いろいろの業者關係の誤解もございますので、當局から所信を伺いたいと存する次第であります。
#96
○三堀政府委員 その點につきましてはもう先ほどからお話も出ましたし、お答えもいたしておる點なんでありまして、たびたび繰返すのはいかがかと思いますから御了承願います。
#97
○山村委員 それではその問題はその程度にいたしまして、まず先ほどの説明によりますると、農林當局から出されます公團法に、いま一つ主要食糧の公團法があるということが言われておるのでございまするが、考えてみますのに、主要食糧とこの調味品とのいずれが重要度をもつかということは、いまさら論ずるまでもないと思います。しかるにこの公團法に含まれておりますところの食料品よりも、もつと重要性をもつところの主要食糧を公團法とせずして、調味品を公團法として、先にこれを上程されましたところの理由を御説明願いたいと思う次第であります。
#98
○三堀政府委員 その點は食品局の所管外でございますので、農林大臣あるいは政務次官から御答辯願うことにいたしまして、私としては差控えたいと思います。
#99
○山村委員 了承いたしました。それでは、この公團法式を採用いたしました結果として、はたして現在以上に配給の能率が圓滑化するところの自信があるのか。どういう點において現在以上のよい點が見出されるかということについて、御説明願いたいのでございます。先ほど來いろいろの方々からお話がございましたが、この日本の役人の非能率ということは、少くとも今のある程度の常識となつておると思われるのでありまして、いわゆる官僚化ということはそこに威張ることを意味し、また不親切を意味することの定義とさえなつておるのでございます。このときにおきまして現在の統制方式を投入化いたしまして、はたして現在以上にどういう點において圓滑化する、どういう點において長所があるか、よい點が見出されるかということについて、詳しく御説明を願いたいのでございます。
#100
○三堀政府委員 公團法につきましては、この公團法と並行いたしまして、別途にまた集荷配給の關係について、この公團公團うの内容になつております物資につきましては、需給調整規則がそれぞれ制定せらることになるわけであります。そうして生産者から集荷する面におきましては、この公團が當りまして一擧集荷をし、それが卸賣業者なり、あるいは末端の小賣業者に對して一手販賣をする。卸賣、あるいは小賣以後の配給につきましては、ただいま申しました需給調整規則によるところの、登録制なり、切符制によりまして規制をしていく。このことによりまして、生産者から末端の消費者に至るまでの、一連の關連をした需要供給についての統制が實施せらることになるわけでありまして、從來の配給統制規則によつて行われたようなものより、さらにはつきりとした統制が行われることになるわけでありまして、横流れその他の不正がずつと少くなつてまいることと確信をいたしておるのであります。なお公團の官僚化ということも、しばしば御指摘を受けておりますけれども、この公團にはいります人は、何も新しく役人がこれになるわけではないのでありまして、從來からこの業務に携わつておりました統制會社、あるいは統制機關等の職員の中の、配給關係の有能な人々がこれに當るわけでありまして、それが官吏、あるいはその他の政府職員としての肩書によつて、よりはつきりとした責任のもとにその業務を遂行することになるわけでありますので、決していわゆる官僚化するということは、その方面においてはないのではないかと思つております。そういう人たちを通じまして、この公團方式によりまして明朗化していくのではないか、かように解釋しております。
#101
○山村委員 ただいま役人はこの公團にはいるのではなくて、今まで統制關係の機關に關係をした方が、そのまま公務員として職を奉ずるのであると言う御説明があつたのがありますが、十三條の規定によりますと、みそ、醤油その他この配給なり、製造なりの業務に關係のあつたものは、一切この公團には關係ができないといことになつているのでございます。從いまして現在までの統制機關のほんとうの重要な役割をしておつた方々は、いずれもそれらの業界の代表者であつたということは、まぎれもない實実でございますその他の、方々でありまして統制機關に關係しておつたという方は、ありていに申し上げましたならば、役人の古手の方であるとか、あるいはまたぶらぶらしておつて、使い途がなかつたというような方々がはいつたのが、統制機關の人事の成立ちであるということを忘れてはならないのでございます。從いまして、もしも本法案が施行されましたならば、いろいろな業界に關係のありまする、しかも統制機關に關係をもたれる方々は、一様にこの公團から退陣をするであらうということは火を見るよりも明らかでございます。一例でございますが、千葉縣の状態を調べてみますと、大體現在のみそ統制會社の四分の三というものは、全然これに關係をもたなくなるであろうということがをもたなくなるであろうということが言われているのでございます。はたしてほんとうに有能な業界關係出身者の方々が、しかも生産者ともまた配給會社ともほんとうにお互いに顔が知合つており、また生産者の庫癖、庫の状態もよく知つており、生産者の精神状態もよく知つておりますいわゆるエキスパートが、ほんとうに齒の抜けたように、この統制機關から脱落した場合において、はたして公團が、お考えの通りうまく運營去れるか否かということについては、多大の疑問があろうと思うのでございます。それらの業界人が抜けてしまいまして、役人の古手あるいは無能者の寄集りとも言うべき者、いわゆる統制機關の熟練者じやないというか、それに配するに、また天降り的の人事もあるでしようし、また惰實人事もあるでしようが、全然新しい素人の結集によつてできた公團が運營された場合に、ほんとうに生産者と配給業者との關係が圓滑にいくものでしようか。この點についての當局のお考えを伺います。
#102
○三堀政府委員 一昨日午後の公聽會の際にも、ただ今のようなお話も出ましたけれども、業界の方からも返答がございましたように、お話の、現在生産なり、あるいは配給を業としておる者で、統制機關に關係しておるというのはごく一部分の役員關係たけでありまして、職員關係、實際の日々の業務をやります職員關係には、ほとんどそういう者はありません。從つてこの十三條の關係で、新しい公團にはいれなくなるというものは、少くとも職員關係にはほとんどそのおそれがないと言つて差支えないと思つております。役員關係にはあるいは一部出てくるかと思いますけれども、職員關係にはほとんどないわけでありまして、從つて日々の實際の業務を行う上におきましては、何らの差支えはないわけであります。
#103
○山村委員 昨日の公聽會にお集まりになつた方々がどういう方々であつたかはわかりませんが、各統制會社の中央の全國統制の會社というものと、地方縣ブロックの會社というものとの實情は、相當の違いがあることを忘れてはならないと思うのであります。地方の統制會社におきましては、やはり今までの業者が、ほんとうに奉仕的に各統制會社の仕事をやつておつたのでありまして、これが公團となつて、お役所的なしかめつらしい仕事をしなくてはならぬことになりましたならば、いずれもそれらの有能者は退陣をすることには間違いないと思いますが、しかしこの點は農林省當局との見解の相違ともなりますので、後日にまわしまして、話を進めたいと思います。
 まずお尋ねいたします點は、あるいは前段から御質問があつたかもしれませんが、ソース竝びに代用醤油はこの指定品目の中に入れる御意志でしようか、どうでしようか。
#104
○三堀政府委員 代用醤油は現在におきましても醤油同様に取扱をいたしておりますし、今日の公團法におきましても、これは醤油として取扱うことになります。ソースにつきましては、ア陽右とはものが違つておりますので、この公團法に取入れるつもりはございません。
#105
○山村委員 今の政府委員の御答辯によりますと、ソースはこの公團法に取入れる意思がないと言われましたが、何ゆえでありましようか、その理由を御説明願いたいのであります。
#106
○三堀政府委員 この公團法に取入れます物資は、抽象的なことになつて恐縮でありますが、國民の日常の生活に密接缺くべからざる最小限度の品目にいたしたい、あるいは乳製品等は幼児の主食でございますが、そういうようになんでも公團方式によるのがいいわけではないということは、先ほども安定本部長官からお話がありましたが、そういうことで極度に制限をいたしてまいるたいと思つております。從つてソース等は現在の日本のわれわれの食習慣から申しましても、必需物資とも申せませんし、數量的に見ましても、そんなに大量のものではないのでありますから、この公團の内容として取りあげなかつたのであります。
#107
○山村委員 數字的にお尋ねをして恐入りますが、ソースの需要度は醤油に對して何パーセントぐらいでありますか。
#108
○三堀政府委員 醤油は大體現在の基準量をもつてまして、年間百六、七十萬石程度であります。そしてソースのほうは、自由な需要から申しますと、相當なものになるかもしれませんが、現在の生産高は十萬石程度であります。
#109
○山村委員 ソースが國民の生活必需品ではない、なるほどあるいは洋食その他を食べる必要のある方は、今は全般的ではないかも知れませんが、私は決してソースを指定商品の中に入れよと叫ぶものではありませんが、現在のソースの値段というものは、大體においていわゆるやみ値段におきましても、公定價格とほぼ同じくらいになつておるということは、特にその需要者の方々がソースを買う状態を最近調べてみますのに、ソースが賣出された當時におきましては、あるいは一升、二升というように買だめ的な行動が多分におこなわれておつたのでありますが、最近では一合あるいは二合というように、必要に應じて買いに來ておる、またほんとうに品物を見極めた上において、いい品物を買いにきておるということを聞くのでありますが、私はここに非常に經濟界の微妙な動きというものを察知せざる得ないのであります。先ほど來政府委員は、品物がないから放つておけない、絶對に統制しなければならないと叫ばれておるのでありますが、この代用醤油の場合におきましても、去年の今ごろのことと思いますが、それまでは代用醤油は公定値段はあつたのでありますが、その販賣は自由であつたことは御記憶に新たなことと思います。はつきりした日にちは忘れましたが、代用醤油というものは、しまいにはいい醤油まで代用醤油というレッテルをはつて、市中に横行したという結果にまで相なつてきたのでありまして、延いてその結果といたしましては、代用醤油の値段が非常に安くなつてまいりまして、當時は二十五圓であつたと聞いておりましたが、それがいよいよ再統制強化がされる間ぎわになりますと、二十五圓を遥かに下回りそうな傾向さへ見えたのであります、ある業者に言わしめますならば、太平洋の水が涸れない限りにおいて調味食品、特に醤油の供給には事缺かさないというような大きなことを言われておる方も有りますが、私はこの點に非常に面白味があると考えざるを得ないのであります。もしもある程度までの柔軟性というか、統制に對するある程度までの人間性を加味したる方式が勘案せらせましたならば、昨年の代用醤油の例においてわかりますごとくに、また現在のソースの實例において明らかなるごとくに、政府が御心配のように、あるいは一部の學者の方々が御心配のように、非常に高くなるとか、また金持ちだけが買つて、金のない者は買えなくなるというようなことが、これは杞憂であると言わなければならないのであります。本當に彈力性をもたせまして、生産者なりあるいは釀造業者なり、配給業者なりにある程度の彈力性をもたせまして、あらゆる創意工夫をこらしまして、捨て去るようなものを工夫して代用醤油をつくつて、お互いに生産者同士が競争し合つて、いいものを安く出し合うということは、これは決して自由經濟當時の原理ばかりでなく、最近のいい實例は、現在のソースの例、代用醤油の例をもつてわかるのでございます。すなわち公團方式は統制の強化ということに相なるのでございます、そのためにやみ取引の撲滅その他は結構でございますが延いては官僚統制の再強化、すなわち一方においてはこの公團からにらまれた場合において、生産者の生産意欲というものが非常におちるのではないかということを憂えるのでありますが、この點に對する御當局の見解をお伺いいたします。
#110
○三堀政府委員 代用醤油につきましては、實は代用醤油はその生産關係から申しまして、獨立の生産者ももちろんありますけれども、本來の専門の醤油業者も、最近においては、原料入手が苦しい關係上、非常に代用醤油に手を伸ばしていることは御存じのことであろうと思います。そういう關係もありますし、代用醤油を、自由にすると、いわゆる代用醤油という名前で正規の醤油が代用醤油に化けて、横流れをするというようなおそれも多分にありまして、醤油の統制の中に一つに盛りこましているわけでありまして、これは事情やむを得ないじやないかと思つております。ソースの方は大分事情が変わるわけでありまして、またそうどこまでも伸ばして統制をやるという意思もありませんので、そこに線を引いているわけであります。
#111
○山村委員 それではお伺いしますが、去年の夏頃に、代用醤油と稱しましていい醤油が出てしまつたということを、政府自身も認められているようでございますが、その醤油はおそらく一應正式ルートを通じて政府に報告されているもの以外のものであると思うのでありますが、とこ點については政府はいかがお考えでございますか。
#112
○三堀政府委員 ちよつと今の御質問の趣旨がはつきりいたしませんが代用醤油と、稱して正規の醤油が流れるおそれがあるということを申し上げたわけでありまして、一方價格なり統制なりが自由であるということになれば、當然そいういうおそれがあるわけでありまして、從つて代用醤油も一緒にしたというわけであります。
#113
○山村委員 質問が徹底しないで相濟みませんでしたが、要は釀造者の方々が、代用醤油として正規の醤油に近い醤油までも出したということは、そこに創意工夫をして増産したことにほかならないと思うのでありますが、あるいはまた前からのストック品を、政府に報告した以外のものをまわしたと見たいのでありますが、この點についての政府の御見解を伺うものであります。
#114
○三堀政府委員 代用醤油の中にも品品質のよいものができていることは實実であります。そういうものは今後も原材料をわれわれの方としてもでき得る限り供給してでき得る限りいいものをつくつてもらうようにしていきたいと思つております。それから醤油から代用醤油に流れるものが、必ずしも政府から原料を渡したものでなくして、それ以外のものから流れたものではないかというお話なんでありますが、そいういう點ももちろん多いと思います。政府から原料を手當したものからは、もちろん流れにくいと思いますけれども、ただ御存じの通りに、醤油は釀造機関が非常に長くかかる性質のものなんでありまして、それぞれ業者は手持ちを半年から一年以上ももつているわけなんでありす。從つてそういう關係からいたしましても、これはやはり今原料を供給して翌日できるというものなら、きわめてその間の關係がはつきりするのでありますけれども、そういう性質のものではないのでありますから、從つて代用醤油につきましては特に考える必要がある。こういうわけであります。
#115
○山村委員 先ほど寺本委員から、賃貸問題について株主が不當な損害を受けることはないかという御質問があつたのであります。この場合において、政府委員からは、統制價格ならばこれはやむを得ないだろうというような意味の御答辯があつたとがあつたと思います。しかし今の實際の社會の實情を勘案してみまするに、特に政府當局が經濟白書におきまして、國民生活また各民間會社のやみ行為というようなものは、ある程度認めておるというのが實情でございます。このときにおきまして、一律に今までの廃止會社の賃貸の物件を、統制價格をもつて律せんとすることは、はなはだ私は民間の實情を知らざる者の考えなりと言わざるを得ないのでありますが、この點につては、先ほどの答辯通り了承してよろしいのでございましようか、お伺いいたします。
#116
○三堀政府委員 先ほどお答えした通りに御了承を願いたいと存じます。
#117
○山村委員 その場合におきまして、既存の今までの解散會社が、この賃貸を拒んだ場合におきましては、いかなることに相なるのでございましようか。
#118
○三堀政府委員 實際問題といたしましても、おそらくそういうことは起らないと思つております。現在におきましても、それぞれこれは統制の機關なんでありますから、それが新しい公團ができました際に必要な設備資財等についての貸與を拒むということはあり得ないと思いますけれども、もしそういう場合におきましては、法規に基きまして使用命令等の手段があります。
#119
○山村委員 先般來の御答辯によりまするというと、この公團はあくまでも配給のみの公團であつて、生産とは何等關係がないということがたびたび言われておるのでございまするが、その言葉の裏を解しまするならば、この公團の方式を實行いたしましても、生産の増加は何等期待し得ないということを政府はお認めでございましようか。
#120
○三堀政府委員 生産の面につきましては、この法案の直接の内容になつておりませんけれども、今後も配給をよくするということのためには生産が殖えるということが大きな要素をなしておることは當然のことなんでありまして、公團といたしましてもその業務内容の許す限りにおきましては、生産の指導と申しますか、生産關係にできるだけの協力をするということは當然のことなんでありまして、資財、副資財その他の諸原料につきましても、公團の力の及ぶ限りにおいて努力をいたすつもりであります。しかしながらこの公團ができまして、そうして公團のそういう努力と、またその後における配給經路の適正化によりまして、生産者もおのずから励みもでき、また増産もできるのではないかと、かように考えております。
#121
○山村委員 私の伺いました點は、決して精神論を伺うのではないのでありまして、この公團は直接生産者に對して、何ら生産増加に對するところの積極的なる機能を有するものじやないという政府の御所見を伺うための質問であつたのでございます。しかしこの點は大體今の御答辯で了承いたしますが、さてお大藏大臣がまいりましたので、最後に政府委員にお伺いいたしますが、みそ竝びに醤油は釀造品であるために、製品は絶えず變化しつつあるのであります。すなわち特に夏季等には腐敗しやすいものであるということは實実でございます。ところが先ほど芋のみそが腐つたためしを聞いたことがないという御答辯でありますが、實実は至るところに腐つたみそが配給されておる實例をあげると申しますならば、いくらでも私は資料をもつてまいりまして御説明できるのでございます。これらの変化しやすい製品を配給するためには、多分に技術や經驗を要するのでございまするが、このときに今までの有能者が去つて、しかも單なる官僚的な机上論をもつてこの配給を計畫いたすことは、一例をあげますならば、容器の取扱いそれ自身でもなかなかむずかしいのでございまして、この取扱い保管だけでも、とうてい素人には、樽洗い一つでもまともにはできないのが實際なのでございます。この點について、私は多分に能率低下のおそれを抱くものでございまして、この公團の方式は單なる機構いじりにすぎないということを最も憂うるものでございますが、先ほど來の御説明の結論といたしまして伺いたい點は、このエキスパート除いてしまつて、何ら支障なく配給できるかという點と、なおこの配給公團の目的については、たびたび質疑が重ねられたようでございまするが、その長所というものは、要は横流れあるいはやみ行為等を、これによつて絶滅が期待しうるということだけに了承してよろしいものでございませうか、結論をお伺いいたします。
#122
○三堀政府委員 配給公團ができますことによつて、從來の有能な經驗者が全部脱落するということを前提にされておるのでございますけれども、先ほども申し上げましたようにそうではないのでありまして、現在の配給に關係しております有能な者は、ほどんど全部新しくできます配給公團にはいるわけでありますから、その點は御心配ないと。思います繰返して申し上げますけれども、役員につきましては、なるほど製造なり販賣なりに現在關連をもつている者がありますけれども、職員にはそういう者はほとんどございません。これは中央地方を通じてそうなのでありまして、その點は特に調査もいたしておりますし、また地方の機關にも相談をいたしておりますので、その點御心配は要らないと私は思つております。從つて公團ができますことによつて、みそ醤油というような、御指摘のような性質をもつ商品についてのご懸念は、要らないのじやないかと思つております。それから公團のことにつきましては、今お話のような點と、民間團體による獨占禁止法がなされる以上は、これは公團方式によらざるを得ないというところに、公團設立のやむを得ざる理由があるということを御了承願いたいと思います。
#123
○山村委員 二つ重要な問題がございましたので、追加的に質問をいたしまするが、そういたしますると、現在の配給業務に關係されておる方はほとんど重要な方で、再び公團にはいつてくるという前提のもとにあなたは議論を立てろれておるかのようであります。私はなかなかエキスパートは残らないという前提のもとに議論をしておるのであります。この點はもし公團が實施されましたならば、その後において早晩わかることだらうと思いますが、要は現在の配給關係者の能力というものを十分に政府當局は見とめられておるのでございましようか。この點非常に重要な問題でございますから、お伺いいたします。
#124
○三堀政府委員 繰返して申し上げますが、要するに公團は生産者から者を買取つてみそ、醤油に例をとるならば、小賣業者に者を渡すというような業務でございます。そうしてその業務は、現醤中央、地方の統制機關がこれを行つておる業務なのであります。そうしてこの中央、地方の統制機關の役員には問題があるかもしれませんが、職員はとにかくそれ専門に當つておる職員なのであります。その職員がほとんど全部といつていいくらい公團にはいつて、從來の知識、經驗を活かすというのでありますから、御心配はない。こう申し上げたのであります。
#125
○山村委員 先ほど民間に獨占禁止法が施行されておる現在においては、公團による以外に方法はないと言われましたが、獨占禁止法を忠實に守るためには、公團法以外には方式はないと確認されるのでございましようか。
#126
○三堀政府委員 現在までにいろいろ都内において研究いたしましたところでは、公團方式が絶對ということではないと思いますけれども、公團方式によるのが最もよろしいと思います。
#127
○山村委員 これは農林省だけの見解でございましようか。
#128
○三堀政府委員 これは安定本部におきましての見解でございます。
#129
○松野委員 ただいまちやうど代用醤油のお話が出ましたが、この點について私は大いに認識を改めていただきたい。なぜならば代用醤油が昨年非常に民間にたくさん出て品質もよろしいということのなりましたが、この最初の根源は、當時の政府の施政がよろしきを得ず、原料の配給なしにこれだけ多量の代用醤油ができたということを特にお認めを願いたい。政府の原料の配給がほとんどゼロだというときに、民間の創意によつてこれだけの醤油ができた。現在統制の手を打ては必ずこれは引つこむと私は確信しております。なお一つ非常に矛盾を感ずることは、先ほども寺本委員から御質問がありましたけれども、全國の設備の賃貸借の價格がきまつてないのに、總額四千萬圓と一千萬圓というものが出ておる。あるいは調査中ということもあるかもしれませんけれども、餘ことに私どもとして不審である。根本的な計算ができてないのに、資本金を四千萬圓と一千萬圓と定めるところに非常な不思議がある。なおただいまの御返答の中にも、政府委員一人では多少の齟齬があるかもしれませんけれども、公團は卸賣業者にわたすまでというふうに話されたことを記憶しておりますが、ただいまは小賣業者あるいは末端の配給まで公團が管理するのだということであります。このことはちよつと矛盾を感ずる。一昨日の次官からの御返答にもありましたが、卸賣業者に渡すまでということてあつた。それとただいまの末端の小賣業者までということは矛盾がある。なおもう一つ。午前の話題にもありました通り、命令で定むるものがあるならば、命令で定めていただきたい。すべて命令々々と一任するわけにいかない。表裏一體の法律なら命令まで出していただきたい。つそのために品目について大きな疑問を抱く殊に代用醤油などについては疑問を抱きます。代用醤油は政府の設備なしに、政府の命令なしに民間業者があれだけやつてのだ。殊にアミノ酸がはいつておるから、来れを使わない代用醤油は統制する必要がない。これを統制につつこむならばもつと理由をあげてこれの説明をしていただきたいと思います。
#130
○三堀政府委員 問題は二つございます。代用醤油は、御指摘ではございますが、現在すでに統制のわくの中にはいつておるわけであります。從つて現在の状態を農林省として變更しようというわけではないのでありまして、その點御了承願いたい。
 また代用醤油ができた當時において、もちろん政府からも原料の配給な
しに、民間の代用醤油業者が非常なる創意くふうをして仕事をやつたということは、われわれも非常に認めております。それから代用醤油が現在醤油の規格の中にはいつておらないということでありますけれども、そうではないのでありまして、現在の醤油規格の中には代用醤油ははつきりはいつておるわけでありまして、現在代用醤油を含めて、あの規格をもつものはあの價格で賣れるということでありますから、この點は誤解のないように願います。
 これから公團の業務の内容でございますが、公團の業務は私の言葉が足りませんでしたが、ものによつて違うのであります。たとえばみそ、醤油につきましては、現在中央、地方の統制會社が行つておる業務をそのまま引つぎまして、製造業者からものを一手に買取つて小賣業者に渡すというのが公團の業務の内容でございます。これは現在中央、地方の統制會社がやつておる仕事なんでありまして、醤油については卸賣という業務がない。從つて公團ができましても、新しく卸賣業務なるものは起つてまいりません。カン詰、砂糖、乳製品等については現在卸賣の段階があります。これがあるものにつきましては卸賣の段階をそのまま取入れまして、公團は卸賣の業者に一手にものを賣渡す、こういうことになるのであります。從つてものによつて卸賣に渡すか、その點誤解のないように願います。
#131
○野溝委員長 ちよつとお諮りいたしますが、大藏大臣が出席せられておりますから、時間の關係もございますので、大藏大臣に出席を求められておつた委員に發言を許すことにいたします。小川原委員。
#132
○小川原委員 大藏大臣にこの際一言お尋ねをしておきたい。それはほかのことではございません。油糧公團に對しての問題と、それから食料品配給公團に關する問題でありますが、それに對しては運營資金は一つは十七億、一つは五億ということになつておるようであります。この公團は外に肥料公團がありますが、これにはどれだけの運營資金が出ておるか。あるいは石炭公團があるか、これに對そて運營資金がいくら出ておるか。そのことをお聽して、あと引續いてお尋ねいたします。
#133
○栗栖國務大臣 その運營資金というお話は今まで出ておる數字でございますか。あるいは今後出すべき數字でございましようか。
#134
○小川原委員 今まで出ている數字と、これから出さんとする、豫定された數字と二つ含めてお願いしたいと思います。
#135
○栗栖國務大臣 今數字をもつておりませんから、改めて數字をもちましてお答えいたしたいと思います。ただ將來出すべき金額でございますれば、これは情勢に應じて資金を出す考えでございまして、復興金融金庫その他からもその點を考慮して、わくその他の考え方をもう少し擴げなければいかぬだろうと今検討中でございます。近く開議その他にも付しまして、皆様にもお話する機會がまいると思つております。
#136
○小川原委員 なお重ねてお尋ねしたいと思います。數字のことについては後刻お願いすることにして、これから公團として法案に現れてくるものがどれだけあるかしりませんが、大體肥料公團であるとか、將來におきます公團で、あなたのお手もとまで承認を求められておる所のところの公團は、どのくらいの數字に上つているのですか。
#137
○栗栖國務大臣 公團の資金として私どもの方に要求されているものはいくらかというお尋ねでございますが、これもいろいろまだ數字が動いております。ただいまも農林當局あるいは商工當局その他と折衝中でございますので、まだいくらというはつきりしたことが出ていないのであります。但し公團としての運營は何とか工面をいたしたいと思いまして、先ほども申しますようにその點を討究しているような次第でございます。
#138
○小川原委員 そうするとそれらの資金に對する計數は大體いつごろ伺うことができましようか。
#139
○栗栖國務大臣 公團がいつごろどのくらいできるかというはつきりした見透し、また公團の運轉資金をどのくらいに見積るかという見當を、私ども今いたしておるのでございます。そしてその數字が出ましたならばそれをいかに供給していくかということを、今度は大藏省として考えなければならぬ點になつております。これは來週の初めぐらいまでには、復興金融金庫その他の資金もおよそどのくらいのわくに収めるべきかということがきまりますので、その際には公團のおよその運轉資金はいくら、その他の所要資金はいくら、これに對してこのくらいの供給ができるということを、はつきり申し上げ得るようになるだろうと思つておりますから、それまでお待ちを願いたいと思います。
#140
○小川原委員 ただいま委員長お聽きの通りでございますが、さよういたしますと、委員長はこの問題をそれまで延ばしても差支えないというお考えでございますか。
#141
○栗栖國務大臣 その點は私から申し上げます。公團全體の資金とかその他についてのお尋ねでございますが、もしただいま問題になつております公團についてどのくらいの資金の供給ができるかというお尋ねでありますならば、十分檢討いたしまして、もしお急ぎでございますれば、お急ぎのように御返事ができると思つております。まだ現在私どもの方でははつきりした見透しをつけていないような次第でございます。
#142
○小川原委員 私はかように考えてお尋ねいたしているのであります。この食料品に關する公團が十七億、油糧品に關する公團が五億、かように大體概數はわかつているのでありますが、このほか肥料に關する公團が何億、あるいは石炭に關する公團が何億、またこれから鐡の公團を設け、あるいは繊維品の公團を設けるというならば、それらに對して何億という大體のお見透しを伺いたいので、われわれは何百萬、何千萬というところまで聞こうというのじやない。それは何であるかと申しますと、大藏大臣も責任の一端を負われておりますところの經濟實相報告、これを讀んでみますと、非常に産業資金が涸渇いたしている。こまかく申し上げることは省きますが、大體非常に不健全な財政であつて、金融機關は非常にさし迫つている。こういうことを、經濟白書というか、これによつて承知している。そうしてその上に、これは公團の金だというのでどんどんとつていきますと、わずか前四半期分において百六十億も出る。そうして赤字も補填しろということになつて、復興資金もこれから調整しようということになつてきますと、どういうふうにして日本の産業は起つていくのか。われわれから見ますれば、公團というものが必要であるとは思わない。ないよりある方がいいと考えるかもしれないが、われわれはない方がいいと思う。そんなものをつくるから非常に困るのだと考えているのです。今日、日本の復興は、大藏大臣にこういうことを申し上げてははなはだ失禮でありますが、今日は生産を上げなければならない。この生産資金をどうして出そうかということを、貧弱なわれわれでも日夜考えているのであります。そういうとき、この公團のようなくぎづけのものにどんどん金を出されて、各生産部門においては、どんどん資金が削られていくというならば、この復興はどうしてできるか。この點に對する大藏大臣のお見透しを伺いたい。そうして大藏大臣はどういうふうにして生産を上げていくか、赤字をどうして埋めていくか、物價の均衡はこうしてもつていくのだ、われわれの観點からは、こういうことで公團賛成して、資金を出すのだということを延べていただかなければ、われわれ滿足ができないのであります。一億違つたから、いくら違つたからあなたの責任を問うというようなことは申しませんから、大體のお見透しについてのお答えを願いたいのであります。
#143
○栗栖國務大臣 お答えいたします。政府は現下の産業資金供給と財政の資
金との区別、貯蓄の増強、そういう點について今閣議にもち出すべくいろいろ準備をいたしております。そこで、從來の日本財政資金で賄うべきところを、これはただ財政上のつじつまを合わせるにとめまして、産業資金で賄われるために、産業資金に大きな壓迫となつているのであります。それは各特別會計におきまして、あるいは政府の支沸その他が遅延するために産業資金へ食いこんで、そうして一時運轉資金を借り繼ぎしておる。こういうような事實があることはよく御存じのことと思うのであります。今回私どもは、健全財政という建前をとる以上は、やはり健全金融という建前をとりまして、一連の政策として、その兩方に目を通し、一體的にこれを考えていきたい。こういうように考えた次第であります。そこでこの財政の一般豫算の追加といたしましては、大體七百億内外の數字をもつてこれを切り止める。さらに金融の面といたしましては、この赤字金融のごときものは極力避けたい。こういうように考えておるのであります。ただ漫然と企業再建整備というようなものを、あるいは企業の合理化というようなものを、一日延ばしにして、そうしてその日暮しの資金を赤字金融の名のもとに借りるということは、これは最も愼しむべきものであるとして、これを極力抑止したいと考えるのであります。しかしながら今現下の情勢を見ますと、企業の再建の途上にあつていろいろずれがあります。物價の改訂によつてもずれがあります。そこで企業方面におきましては、各産業省において、極力力を盡して企業再建整備ということに急がれる。そして立てられた案によりまして再建整備をなわるについては、必要なる金融なり資金は供給を確保いたしたい。こういうように考えるのであります。ところでやはりただいまはいろいろなずれがありまして、貯蓄の増強でありましてもただちに貯蓄の増強が進まないために、蓄積資金だけでは、資金の供給、殊に企業資金の供給ということが間に合わぬ場合があるのであります。そういう場合にはこ個々の産業につきまして十分檢討を加え、再建整備に必要なる範圍におきましては、日銀資金をもだしまして、そうして一時これを補填いたしたい。こういうように考えておるのであります。しかしそういうものが、一時日銀資金をだしまして供給をいたしましても、やがてそれが生産にまわり、そうして貯蓄増強となつてまいりますならば、日銀資金はその限度において収縮するのでありますから、この間のずれは差支えない。かように考えて、それを目下實行すべく考えておる次第であります。
 それから最近安本におきまして、また關係各省におきまして、種々の公團ができるのであります。公團の運轉資金としてはまた相當大きな資金を必要といたすのであります。これをいかにすべきか、こういう問題があるのであります。これは大體公團ができなかつた前においては、市中の金融において賄い得たものも相當あるのであります。しかしながら公團の運轉資金ということになりますと、復興金融金庫を通じて行うという建前がございますので、これは復興金融金庫から出さなければならぬことになります。しかしながら復興金融金庫の裏づけとしましては、やはり市場で債権その他を募集いたしまして、市中資金が復興金融金庫に環流し、そうして復興金融金庫を通じて公團にも行くようにして、産業資金の壓迫を避けたい。こういうように指導いたしたいと思つておる次第であります。そこで公團の資金が非常におびただしくなる。それがために公團の資金を必要以上に切ろうということも考えておりません。また必要な點において公團金融の資金を供給したために、一般産業資金に壓迫を加えるというようなことも、先ほど申し上げましたような方法によつて、避けるということにいたしたいと思つております。なお産業資金がいろいろな關係で一時足らぬというような場合には、先ほども申し上げましたように企業再建整備、生産増強という線に沿うた必要企業資金でありますれば、市場資金の集積をまつまでもなく、一時日銀資金によつてこれを賄い、そうして遺漏なきを期したいと思うのであります。私はこの經濟再建ということは、速やかに産業各部門の整備、經營の合理化というようなことをいたしまして、それに必要なる資金は供給を惜まない。その代り速やかに再建、經營の合理化を實現してもらいまして、生産の増強ということを實現し、そしてそれが反映して國民貯蓄の増強資金の圓滑なる還流ということを期し、さらにそれによつて金融と産業との兩方のつながりを密接にいたしたい、かように考えておる次第であります。簡單でございますが御了承願いたいと思います。
#144
○野溝委員長 小川原委員にちよつと申し上げますが、大臣、閣議があるどうでございますから、なるべく要點だけお願いいたします。
#145
○小川原委員 大體において了承いたしました。大筋のことはわかりました。今静かに聽いておつた次第でありますが、今公團に莫大の金を融通されますることは、復興金融金庫から借りるのだ、それが足りないときは民間から募集したり、あるいは日銀の信用を借りてこの資金をこしらえるのだ、そうしてやがてはこれを並行していくんだという、一口に申せばそういう筋合であつたと承知いたしました。それは筋合はまことに結構であります。それよりほかに説き方はないのです。私もそれは承知をいたしております。私のねらつているところはどこにあるのかと申しますと、この何十億という金が、生産のあがらないところの公團というまことに消極部面の、あつてもなくてもよいというのならよろしいが、あつて害をなすというところになぜ金をお出しになるのかと、これを説くのであります。もし食糧營團に十七億のお金をお出しになつたならば、今日能率はもつともつとあがるので、十七億などという運轉資金というものを公團に使わせなければならぬという日本の今日の現状であるかどうか、現状から察しましたならば、こんなことはおもちやです。日本の復興から見たら、みそや醤油を公團にもつていくというようなのは、子供のおもちやと同じである。こんなところに十七億の金を投げ込むよりも、十七億という金を生産業に投げこんだならば、これが何十億になつて歸つてくるのだが、大藏大臣は、これがくぎづけにされる金をなぜお貸しになるのかという、そのお見透しを聽いたのでありますが、そのお答えがなかつた。はなはだ遺憾ながら、私どもはこの金で非常に大きな生産が上り、これが國家に必要であるというならばともかく、公團の文書の中に、大臣の權限が違つたとか何とかいうことがあつて、それは大事なことであるが、そんなことじやない。こんなものをこしらえると、支那において言うならば法匪だ。法律の匪賊だ。生産の上から言つたら非常な壓迫を民衆に加えで、何の生産も上がらぬ。ただその中にはいつて役人が殖えるというだけが關の山である。日本の政治の今日の上から、そう私どもは見ておりますから、それをお尋ねしたいのであります。しかし時間がないというのでありますから、やがて機會をあらためまして、詳細にわたつてお聽きしたいと考えておるのでありますから、この點につきまして一言お見透しをお聽きいたしたいのであります。あなたの閣議にお出ましになるおじやまはいたしませんが、大體ここにおいてこういうところに金をお出しになつたということについての、御見透しだけをお伺いいたしたいのであります。
#146
○栗栖國務大臣 この公團方式による流通秩序の確立ということは、これは政府においてきめておるところでございます。私は所要の金はそれに注ぎこむ。そうして流通を圓滑にし、やみを阻止する、こういうことによりまして、この國民の生活を安定さし、かつまたそういう資金は運轉資金でございまして、轉々環流いたしまして、また歸つてまいるのであります。公團と復興金融金庫その他とは密接に關係をとらすことにしておりますので、その金が無駄に流れるようなことには相ならんと考えます。また必要外に無駄に金を流すようなことは、資金の少い今日において私は嚴に愼みたいと存じておる次第であります。
#147
○小川原委員 私のお聽きしたこととは違つた答辯をされたのですが、もうこれ以上議論にわたりますからお尋ねいたしません。私はそんなことを聽いておつたのではないのです。ただ一點ここで聽いておかなければならないのは、この公團が損失を招いたときには、一體その損失をどういうふうにして受入れられるお考えか。損失をしないという前提であるならば、あなたのおつしやる通りであるが、萬一損失を招いたときにはどうするか。この一點だけを聽いて、あとは議論にもなりますし、時間もかかりますので、詳細のことはいずれ日にちを改めて、委員長を通じてあなたの御出席を願うことにいたします。
#148
○栗栖國務大臣 私は公團が大きな損失を招くというようなことを考えておりません。政府の監督によつてこれをいたしますし、また資金の供給をいたす面におきましては、その點を非常に注意をいたさすつもりでありますので、さような場合を想定し、いくらの大きな損失をどうするというようなことは考えておりません。大藏當局としてはさように考えておる次第でございます。
#149
○小川原委員 これははなはだ異なことを申される。もう止めようと思つておつたが、考えていないということであれば、考えていただかなければならない。このままでいつてやるならば、腐つたものくらいは、大したことはないのであります。もしこれが自由にこのまま任しておくならば、國民はその損失は負わなくてもよいのですが、天変地変というものはいつあるかわからない。そのために非常な損害をこうむつたときには、これをこしらえておつたために、國民は非常に損失をこうむらなければならないこのになる。そのときに損失がないと大臣は御判斷の上でこの金をお出しになるのでありましようか。私ども委員としては、いよいよ法律をつくるという際には、今日の民主主義から申しまして、一銭の金でも民衆のために金を出すのだという考えでお尋ねするのでありますが、その御見解はいかがでありましようか。その御答辯を願いまして、あとはもう質問いたしません。
#150
○栗栖國務大臣 やや大藏大臣の所管を離れたお尋ねでありますけれども、私はこういう點ははつきり申し上げておきたいと思います。大藏大臣といたしましては、國民の尊い金を集めまして、國民貯蓄の増強という面において集めまして、その運用については非常に細心の注意をさせ、金融機關にもそのつもりで指令をいたしておるわけであります。この復興金融金庫につきましての損失は、これは國庫が負うということになつておりますので、從つて損失その他が國民に挑ね返るというようなことはないと考えておるのであります。
#151
○小林(運)委員 この際公團法に關して大藏大臣にいろいろの御質問がありましたが、私は緊急質問といたしまして、蠶絲金融に關して大藏大臣に御質問を申し上げたいと思います。
#152
○野溝委員長 ただいま小林君から大藏大臣の出席を機會に蠶絲に關する緊急質問をやりたいと申込まれました、これを許したいと思いますが、如何ですか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#153
○野溝委員長 それでは發言を許します。
    ―――――――――――――
#154
○小林(運)委員 先ほど小川原委員から大藏大臣に對しまして、今囘の新物價體系によります金融の點につきましては大まかなお話がございましたので、そういう面につきましての蠶絲の金融問題につきまして、われわれは非常に心配をいたしておるのでありますが、特に蠶絲の金融は季節の金融でありまして、しかも巨額の金融を必要とするのであります。しかるに今囘の新物價體制によります繭價の大幅の引上げがございまして、これらに對する金融につきましては業者は非常に心配しておるのであります。なおさらに現在の段階におきまして蠶絲の方面の金融は非常に圓滑を缺いておる次第でございます。その詳細については今申し上げる時間もないようでありますが、この點については大藏大臣もいろいろ御心配になつておることと思います。理由はくどくどと申しませんがこの蠶絲の重要な金融につきまして大藏大臣の御所見を伺いたいと思うのであります。
#155
○栗栖國務大臣 ただいまのお尋ねに對してお答えをいたします。蠶絲金融の、殊にこの時期における蠶絲金融の疎通ということにつきましては種々業者からも要請がございまして、また私どもも何とかこれは片づけたいと思つて先ほどもいろいろ申しますように、復興金融金庫のわくを組替えて、一應はそれによつて補いをつけよう、外の市場資金の蓄積というものとにらみ合せて、市中の金融機關からも補いをつけよう、それから他の一點は、は、今までの滯貨である繭の處分もしくは政府の貿易廳關係の買上代金の沸いを促進することによつても金融をつけたい。こういうふうに考えましてただいまいろいろ奔走中である次第でございます。
#156
○小林(運)委員 質問があまり簡單なせいか、簡單な答辯で滿足できないわけでありますが、ただいまお話がありましたように、しかるべく御考慮を願つておりますことは事實のようでありますけれども、現在の段階におきまして、日本蠶絲業界がやつております金融につきましては、非常に困難な状況にあるのであります。それが金融の方でわく外の融資が大藏省がやつておられるものを、銀行がかつてに外の方にまわしてしまう。こういうことは大藏省といたしましても相當監督をしていただかなければならぬ。さらに監督をして、それに對してまわらないようなら特別の措置を至急講じていただきたいと思うのでありますが、この點に關しても一度お答えを願います。
#157
○栗栖國務大臣 市中銀行が不當に蠶絲資金として出すべきものを他にまわしたという事實は私まだ聞いておりませんけれどももし市中銀行その他において運營がいかぬ場合においては、先ほど來申し上げましたように、一時日銀資金を放出いたしまして、そうしてそれによつてこの所要の、必要とする範圍の資金だけは事が足るように取計らたいいと考えまして、いろいろ奔走中であります。暫くお待ち願いたいと考えます。
#158
○成瀬委員 大體午前中においていろいろと機構の面についてお話を承つたのでありますが、しかしもう少し掘りさげてお尋ねしたいのであります。こう公團の中で一から二、三、四という項目の中に、それぞれ主務大臣と安本長官との監督上の疑義があるのでございまして、設立につきましては、二月おきまして、種々の點が主務大臣が設立するということに相なつておりますが、この設立におきましては主務大臣の權限でありながら、これが解散の方面におきましては、單に安本長官の一方的な考えで解散することができるのであります。また業務開始の際におきましては、やはり安本の許可を要するとなつておりまして、さつぱり見當がつきませんので、いろいろ午前中政府に對して質疑もありましたけれども、一層この點につきまして掘下げて逐條的に御説明が願いたいのであります。またこの機會にこの問題に關連しておりませんけれども、委員長にお尋ねいたしたいと思います。
 實は私も經濟白書等を通じて、あるいは新物價體系等を通じまして、地方においては一般大衆の生活が極度に困窮に陥つておるのであります。私どもは四黨連立構想のもとにただいまは三黨連立が生れておりますが、内閣は常に三黨、あるいは四黨の各政務調査會において、協定せる政策の協定の線において政治がおこなわれるものと考えておりましたが、あにはからんや、そういう政黨の政策とは没交渉にして、旅客運賃が二倍半値上げになるとか、各省方面のそういつた施策が一般物價の引上げ、やみ價格の暴騰をなさしめるような誘因をなしておるというような現状におきまして、現政府に對する非難が非常に囂々たるものがあるのでありますが、やみに對する御方針に對して安本等においてどういうような具體策をもつておられるか。六箇月、あるいは三箇月、あるいは二箇月というようなことも言われておりますけれども、今眼の前に配給の主食を購入し得ざるところの失業者大衆の生活は、非常にみじめなものがあるのでありますが、政黨政治の建前として、今のようなことではたしてこの新しい國會法に基くところの政治の運營がやれるかどうか。政黨以外に、また政府以外に安本が二重性格をもつて、經濟上のあらゆる問題を處理していくような有様に、私は多くの疑問をもつておるのであります。この點についてどうか簡單に、質問以外でありますけれども附け加えて御説明願いたいと思います。
#159
○野溝委員長 私からお答えいたします。ただいまの成瀬委員の御質疑は、政黨に關する御質疑が相當多いと思います。つきましては明日社會黨において懇談會をやることになつておりますから、その際にお讓り願いたいと思います。
#160
○成瀬委員 それで結構です。
#161
○野溝委員長 水野君。
#162
○水野委員 第一條の規定に食料品の項目がありまして乳製品というのが出ておりますが、生乳などに對してはいかなる構想をもつておられますか。今の農林當局は製酪方面のみに非常に重點をおいておられるように見受けられるのであります。今國内情勢をながめてみますと、乳幼児の食糧危機は實に切實なるものがあるのでありますが、市乳の取扱いに對して政府はほかにまた配給公團でも設けられるような意圖があるのか。あるいはこの食料品配給公團の中へ挿入する意圖であるのか。この點を先にお伺いしたいと思います。
#163
○三堀政府委員 生乳につきましては、その重要性はわれわれもよく存じておりますし、これは幼児の主食でありますので、特別な手當をいたしまして、リンク制その他によつて配給を確保するという方法を講じておりますけれども、ものがものでありますので、これを公團の中に取入れてやつていけると思いませんので、この公團の中には、現在あるいは將來とも入れる考えはもつておりません。
#164
○水野委員 今酪農によつて出る牛乳あるいは牧場あたりで出る牛乳はほとんど原料にまわしておられるようでありますがこれは非常に大きな問題だろうと思います。百石の生乳を市乳としてびんにつめて配達する場合に用いられる石炭は五トンしかいらない。練乳にする場合には十トンの石炭がいる。粉乳にする場合には一五トンの石炭がいる。そうして貴重なブリキを使つておるのであります。私は乳製品の原料においてもう少し市乳の方にまわしてはつきりとした配給方法を講ずることをお考えにならないかと思うのでありますが、どういうものでありましようか。
#165
○三堀政府委員 お話の通りに生の牛乳をできる限り配給するということは非常にいいことだと思います。品質の點からも貯藏の點から申しましても、粉乳は別でありますけれども、練乳は必ずしも好ましいものではありません。生のものをできるだけ多く配給することが望ましいことでありますけれども、ただ生では處理しきれないものが相當ありますので、そういうものは粉乳なり練乳にしなければならぬと思います。この點はご承知だろうと思いますので蛇足は加えませんけれども、現在におきましては生で處理できるものは生で飲む、しかしながら處理できないものについては製品にするということなのでありまして、特に生で處理できるのにそれを製品にする――たとえば東京で言いますと、東京都内あるいはその周邊のものまでも製品にするということは現在行つておりません。
#166
○野溝委員長 發言の通告はまだ一、二ありますが、出席されておらないようでございますから、大體申込みの委員の配給公團法に對する質疑は以上をもつて終わります。
 本日はこの程度で散會いたします。
    午後三時五十一分散會
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト