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1947/08/30 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第18号
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1947/08/30 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第18号

#1
第001回国会 農林委員会 第18号
昭和二十二年八月三十日(土曜日)
    午前十時五十七分開議
 出席委員
   委員長 野溝  勝君
   理事 岩本 信行君 理事 萩原 壽雄君
   理事 北  二郎君
      大島 義晴君    佐竹 新市君
      田中 健吉君    永井勝次郎君
      平工 喜市君    細野三千雄君
      松澤  一君    水野 實郎君
     小野瀬忠兵衞君    小林 運美君
      佐々木秀世君    関根 久藏君
      圖司 安正君    中垣 國男君
      小川原政信君    重富  卓君
      益谷 秀次君    森 幸太郎君
      梁井 淳二君    坪井 亀藏君
      山口 武秀君
 出席國務大臣
        農 林 大 臣 平野 力三君
 出席政府委員
        大藏政務次官  小坂善太郎君
        農林政務次官  井上 良次君
        農林事務官   山添 利作君
        農林事務官   平田左武郎君
    ―――――――――――――
八月二十九日
 農業用水電力使用者に補助金交付の請願(山口
 好一君紹介)(第二五一號)
 農業技術指導農場施設費増額の請願(今井耕君
 紹介)(第二五六號)
 間接肥料大腸菌販賣認可の請願(野溝勝君紹
 介)(第二八一號)
 浪逆浦干拓事業地區關係地主に損害補償の請願
 外二件(小野瀬忠兵衞君紹介)(第二九八號)
 農作物の榮養週期栽培法の普及實施に關する請
 願外二件(野溝勝君紹介)(第三〇五號)
 八郎潟干拓調査竝びに工事促進に關する請願(
 石田博英君紹介)(第三一三號)
の審査を本委員會に付託された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 農業協同組合法案(内閣提出)(第二九號)
 農業協同組合法の制定に伴う農業團體の整理等
 に關する法律案(内閣提出)(第三〇號)
    ―――――――――――――
#2
○野溝委員長 會議を開きます。
 質疑を始めます前にこの際お諮りいたしたいことがあります。それは先般委員長においてその取扱いを一任されておりました北海道地區及び和歌山の水害地被害状況調査のため國政調査承認要求書と委員派遣申請書を議長に提出する必要がありますので、この際お諮りいたしたいと思います。別に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○野溝委員長 それではそのように取計らいます。なお委員の氏名については前同様委員長に一任されたい。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○野溝委員長 ではさよういたします。委員の数を六名にいたします、うち北海道水害地區視察には、社會黨の永井委員、民主黨の佐々木委員、自由黨の小川原委員、國協黨より一名。小會派北委員、和歌山地方は委員長の私がまいることにいたしたいと思います。以上御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○野溝委員長 ではさよう決定いたします。
 昨日に引績いて質疑を續行いたします。大臣はまだ見えられぬようでございますが、政府當局に對して御質疑のある方の發言をこの際許すことにいたします。
#6
○重富委員 お尋ねいたします。第十三條で出資組合の組合員の責任は有限のごとく定めてあるようでありまするが、無限という責任を特に除かれた理由をお伺いいたしたいのでございます。こういう特殊團體としては、有限ということよりか、むしろ無限ということが本質ではないかと考えられますが有限としておられることはいかなる理由に基くものかお尋ねいたしたいのであります。
#7
○山添政府委員 御承知のように、わが國の協同組合の歴史から申しますれば、産業組合等におきまして無限、保證、有限の三つの制度を認め、その後昭和の農業恐慌等の時期にあたりましては、有限をやめて保證にする、こういうような制度をとつたこともございます。協同組合の本質からいたしますれば人の結合である、從つてまたそこに相互の信用團體的な責任制度によつて組合の信用力を高める、こういうことももとより考え得るところでありまするが、今までの組合の發達の歴史等から考えてみまして、やはりそのときの人の心持に合うことが必要なわけであります。そういう意味合から今囘の組合制度といたしましては、他の保證、無限責任というような制度をとらず、これを明確なる責任限界のあるところの有限責任といたすことが適當である、かように認めた次第であります。
#8
○重富委員 そういう理由でありましたならば、やはりここに無限ということもなし得るようにしてよいのではないか、かように考えることが一つ。次にお尋ねいたしたいのは、第二十四條と矛盾してきやしないかということであります。第二十四條では「その負擔に歸すべき損失額の拂込を請求する」となつておりまするが、要するに組合員が脱退する場合に、財産というのは大體に出資金、積立金等を含んでの財産でありまして、その出資金の中には當然すべてのものがあるのでありますから、それを超えてなお負擔を負わなければならないというふうな點の意味を、どういうふうに考えておられるか、お尋ねいたしたいのであります。
#9
○山添政府委員 もとより第二十四條におきましても、これは有限責任の範圍であります。すなわちまだ拂込が濟んでいないところの出資金の範圍であります。
#10
○重富委員 ただいまの御答辯ではちやんといたさないのであります。財産というからには未拂込出資は債權として含んでおります。それを超えてなおさら負擔を云々するというわけでありますから、今の御答辯では不充分だと思います。
#11
○山添政府委員 これは要するに、バランスのつくり方でありまして、二十四條の脱退する組合員から未出資金をとるかどうかという場合における資産の部には、未拂込みの出資金を計上しない、そういうつくり方をすればいいわけであります。これはそういう趣旨で書いてあるわけであります。
#12
○重富委員 今のお話でありますが、從來の例から申しましても未拂込出資というものは、當然に債權として貸借對照表に計上されております。それを計上をしないでやるというのは、經理については聞いたことがありません。
#13
○山添政府委員 これはなるほどバランスをつくりますときにいろいろのつくり方はございましようが、二十四條に掲げている場合においては、さような未拂込みになつている金額を資産の部に計上しないということによつて計算をいたすのでありすすから、そういうつくり方もないことはないと思います。
#14
○重富委員 その場合でありましたならば、持分としては當然そこにはそういうものはないことになつております。そういう關係から言つても妙な關係が起つてきます。特にこういうことを規定する必要はないと思います。しかしこれは見解の相違ではあるし、また議論にわたりますので、一應この點だけは打切つておきます。
 なお十四條にあります持分というものの性格を御説明願いたいのであります。また持分に共有を認めないという意味はなぜ認めないのか。また分割讓渡を許すのかどうか。それから非出資組合にも持分關係は起りはしないか。出資はしないけれども、そこに財産が構成されはしないか。そういうときにどういうふうに處理されるかということをお尋ねしてみたいのであります。
#15
○山添政府委員 ここに十四條の規定といたしましては、從來の立法例と別段變つたこともないのでありまして、持分の意味と申しますれば、もとよりバランスがプラス・マイナス・ゼロと言ますのは、先ほど私の申したような意味におけるプラス・マイナス・ゼロであれば、持分は出資であり拂込んだ額である。プラスであればそれよりも多いし、ゼロであればそれよりも少い、こういうことであります。ここに持分と申しますのは、組合財産の状況によりまして出資額が増減をされている、その意味における持分であります。しかして持分について讓り渡しをする場合に分割讓渡ができるか、これはもとよりできぬと思います。それから共有することができないと言いますのは、第十三條第二項の規定と照應するわけでありまして、組合員になる者は一個の議決權をもつと同時に、また一個以上の出資をもたなければならぬ、こういう趣旨に出ております。なお出資金以外についての持分關係いかんという御質問でございまするが、これはもとより經済的な意味においては、そういう關係を生じ得るわけであります。しかしながら從來の立法例等によりましても、何らその點に規定をいたしたものもございません。と申しますのは、それほど持分として特に規定を揚げ、また明確なる規定をするほどの場合が、實はないというのが實例でもあるのでありまして、非出資組合におきましては、そういうことについて何ら規定を設けていないのであります。
#16
○重富委員 次にお尋ねいたしたいのは第十六條についてであります。第十六條の中で代理人の資格は制定してないのでありますが、これは組合員以外の者にも代理を許すという意味かどうかということが一つ。それから書面をもつて議決をするということがうたわれておりますが、代理人においてでさえ非常な制限を設けてある。二人以上を代理することはできないというにもかかわらず、書面といつたようなもので決議をするということが認められているのはどういうわけか。元來書面決議こそ弊害が非常に多いと思います。すなわち野心家がおるならば、書面決議をうまく利用して、かき集めるということが非常に多いと思います。代理人でさえ制限を設けておるのにかかわらず、書面決議を認めたのはどういうわけでありますか。それから先ほど申しましたように、代理人の制限を設けていないで、一體どういう人が代理人になつていいか。このことをお尋ねいたしたいと思います。
#17
○山添政府委員 まず代理人がだれがなつてもいいか、これは模範定款をもつて定めるわけであります。模範定款と行政廰で定めます規定でございますけれども、その中で示さんとするところの腹案は、組合員もしくわ組合員の出席できない場合は組合員の家族、こういう範圍に考えているわけであります。全然關係のない人の範圍まで擴げることはこれは適當ではないというふうに考えます。それから書面決議の點でございますが、なるほど複雑な案件につきまして意見が甲案あり、乙案あり、丙案あり、こういうことにつきましての書面決議は不適當でありますが、イエス、ノウがはつきりできる。可とするか、否とするかという程度のことは、これは書面決議だけでやりますことも、實際の便宜にかなう次第であまりす。從つてこの事柄も白紙委任状をとつて決議をするというような形ではなく、あらかじめ通知のあつた事項についてイエス、ノウをはつまりして、書面決議をするという趣旨であります。
#18
○重富委員 ただいまの御説明によりますと、大體そうした非常な弊害が起りそうな場合は、どういうようにして處理していかれるつもりか。いかなる方法でこれを防ごうとされるか、いわゆるただ模範定款に示すのだからいいのだとか、あるいはイエス、ノウのときだけを考えているとか、言われましても、模範定款に從わなければならぬという理由もないと思います。それからただ決議のときだけ書面決議をせねばならぬという、何らの理由もないのでありますから、あなたのお氣持はそうであつても、それをいかにして取締られるか、それをいかにして指導されるか、その點をお伺いしたいと思います。
#19
○山添政府委員 これは全體の法案の建て方の根本趣旨が、農民の自主ということにおいておるわけであります。私どももまた農民諸君の自主精神、また農民の氣持を尊重しておるわけであります。重箱のすみをつつつつくような規定づくりをするのは、適當でないと考えておるのであります。
#20
○重富委員 ただいまの御答辯で、おおむねこの法律の最も缺陷とするところを、私は知つたのであります。農業者の自由だ、なるほどそれはたいへん結構でありますが、そこに指導をやるまいというのでありますか。また指導精神といつたようなことで、うまく逃げようとする。言えかえますると、放縦に流れしめるという點が、非常に多いのであります。いわゆる農民の意思を尊ぶという點において、これの指導權さえ放棄しようという點がうかがわれるのであります。しかしこれまた議論にわたりますので、一應今の質問は打切つていきたいのであります。
 次に第十三條の出資の拂込みに對して、組合に對してもつ債權との相殺を禁じた意味はわかるのでありますが、第十七條で經費の支拂いと相殺を禁ずるという意味がわからないのであります。經費の支拂いの場合には相殺を禁じなくてもいいのではないか。出資の場合はなるほど理窟がありますが、經費においてさえこういうことをするというのは、一體どういうのか、お尋ねしたいと思います。
#21
○山添政府委員 出資の場合につきまして、相殺をもつて組合に對抗することができないということは、重富委員よく御承知のように、要するにまずもつて組合が活動するのに要するところの資金を充實するという趣意から出ておるのであります。その意味から申しますれば經費と申しましても、出資と經費という言葉は違いますけれども、組合の活動資金を集めるということに相違はないわけであります。
#22
○重富委員 十三條に對して私がわかると申しましたのは、この組合の第三者に對する信用關係から申し上げておるのであります。今あなたの言われたような意味での資金が要るからということでありましたならば、出資でのみ賄うというような組合は、到底でき得ないのであります。資金は他で賄うことになります。從つてその意味から私は第十三條が妥當であるということと申したのではないのであります。第三者に對する信用關係を申したのであります。いわゆる有限にしても無限にしても、そのことが起つて來ます。第十七條にはそういう意味のことはない。組合からもらうものと組合に渡すものとを、經費の關係で相殺したからといつて、そこに何の弊害がある。これによつて運轉資金が減るとか殖えるとかいう問題にならめと思います。もう一度詳しい説明をお願いします。
#23
○山添政府委員 もとより出資に對して相殺をさせないという意味には、ただいまお述べになりましたような趣意もありましよう。同時に私が申しますがごとく、組合の活動に必要な資金を造成する角度から、しかして組合活動を支障なからしむるという意味もあるのでありまして、この觀點から申しますれば、第十七條の經費を集めるということにつきましても、何ら相違はないわけでありまして、まずもつて組合全體としての活動を支障なからしめるというところに重點を置いて考えてあるわけであります。
#24
○重富委員 議論にわたりますので、多くを申しませんが、片一方は經費の支拂であるし、片一方は經費の納付であります、しかしながら兩方とも相殺をするというときは、辧濟期の到達しておるときでありますから、そこにそんな煩雑なことをする必要があるか。そんな煩雑なことをしたからといつて、そこに運轉資金が殖えるわけでも減るわけでもないのであります。しかしながらこれは議論にわたりますから、これで打切ります。
 次に第十九條であります。第十九條については先日も他の委員から御質問がありましたが、その時の政府委員の御答辯については、なおわからないのであります。すなわち第十九條の第一項と第二項の關係が、どうもうなずけないのでありますので、もう一度明瞭に御説明願いたいと思います。と申しますのは第一項の方から申しますと、これは組合員の權利を考えてもいいくらいのものであります。その組合員がそうした權利を放棄したということに關して、いわゆる締結をしないということに關して、第二項が云々しておるようでありますが、どうもこの點が解釋に苦しむのでありますので、明瞭に一項と二項の關係を御説明願いたいのであります。
#25
○山添政府委員 第十九條の第一項竝びに第二項を通じて、實を申せば協同組合といたしましては、個々の組合員と専屬取引の契約は、本來規定がなくてもできるわけであります。また協同組合としては、たとえば物の販賣というような場合に、なるべくならば自分のところで一手にまとめて處理をするというような要求をもつことがあるわけであります。これは現在の状況としては、とにかく物の價格が下落するというような場合には、農民の價格操作に對する自衛手段としてそういう要求が正當と認められると思うのであります。しかしながらそういう事項についての第十九條の規定といたしましては、實際の效果としては、統制としてそういうことをやらないという趣意が書いてあるわけであります。一項と二項との矛盾というよりは、第十九條そのものの規定といたしましては、これは今までの農業團體がいろいろ統制團體であつたという事柄に對するおのずから性格の違つたところ、從つてまたその事業のやり繰りの異なる點を明らかにしているのであります。
#26
○重富委員 どうも今の御説明では私どもはわからないのでありますが、第一項の考え方から私どもが考えてみますと、たとえば組合がもつている田地なら田地というものを、組合員に一部を専門的に利用させるというような具體的な例が自分としては浮かんでおつたのであります。この一項と二項の關係につきまして、具體的な例を御説明願いたいと思うのであります。どうも抽象的に聽きましたのでは了解に苦しむのであります。具體的にひとつ御説明を願いたいのであります。
#27
○山添政府委員 たとえば組合員が林檎をつくつている。林檎を販賣する組合があるとしまして、これはもつばら組合を通じてのみ林檎を賣りなさい。こういうようなことを考え得るわけであります。あるいはまた組合が製粉機をもつている。麥の製粉をするならば必ず自分の組合の施設を利用しなさい。あるいは組合が農機具の修理場をもつている。必ず組合の修理場へもつて行きなさい。こういうようなことが考えれば考え得るわけであります。實際問題といたしましては、施設の場合はさようにそれだけの施設を使うというような要求も起らないでありましようが、物の販賣というようなことにつきましては、價格操作の點、價格を安定せしむるとか、あるいは一定の組合に有利な條件をもつて相手と取引するとかいうような要求からいたしますれば、第十九條一項にあるような要求があるわけであります。しかしながらその事柄を強制的にやつてはいけないということが第二項によつて制限をされております。こういう意味であります。お話になりましたようなことを考えているわけではないのであります。
#28
○重富委員 第十九條の點につきましては一應わかりましたが、そういう意味から考えますと、われわれが考えている施設とか、あるいは第二項の問題だが、大體十九條は要らないくらいに思つております。それは一應それとしておきたいと思います。
 次に第二十二條の問題であります。先日も局長の御答辯があつたのでありますが、それに對しましては私はなお不滿の意を表しておいたのであります。要するにあの際に、長期にわたつて組合を利用しないということを、法律の上にまでそれが除名の理由になるがごとく書いてあるのは、あまりにも協同組合の精神を無視したものではないか、これはむしろ教育によつて氣長くその精神を注込んで利用さすべき問題ではないかということに對して、前の方の條項の中に教育をするということがあるからいいのではないかというような御答辯でありましたが、これは結局關連のない答辯をされているように私は思うのであります。教育ということがあるから教育をしても利用しないとき除名するというような短氣は、こうした運動には絶對に禁物でなければならない。長期にわたつて利用しないということが、この組合の事業に非常な障害を來たすということなら別だが、これは消極的な行為であるから、權利の上に眠るといつたような程度のものであると考えますので、法現の上まで除名理由として書く必要はないというふうに考えられます。むしろそれは組合の事業を妨害した場合、あるいは妨害しようとした場合というふうなときこそ、この法規の上に書かれてしかるべきだが、こうしたものを特に書いて、そうして教育という問題について先ほどどのようなことでお話があつたということは、私としてもはなはだ遺憾に思います。もう一度この點につきましてはつきりお話し願いたい。
#29
○山添政府委員 組合と組合員との關係は、やかましく申しますればそれぞれの權利と義務をもつわけであります。從つて協同組合の本質からいたしますれば、なるほど個々の組合員の立場から見れば、都合のいい時に利用する、むろんこれで結構でありますが、同時にさらに廣い立場から見ますと、お互組合の施設を利用する、すなわち事業を共同にするということによつて協同組合というものは成立するわけであります。その意味から申しますれば、組合員たる者はもとより自由ではありますけれども、成るべく組合の施設を利用するというのはきわめて廣い意味における、道徳的な意味における責任をもつておるんじやないかと思うのであります。ところがそういう點につきましては――組合の施設が惡いのなら別でありますけれども、放つておいて、しこうして一方の權利、すなわち總會に出て無暗にやかましく言うとかなんとか、そういうことがありました場合には、これはお互の組合員たる仲間におきまして、おもしろくないじやないかという場合も想像し得るわけであります。一向組合に平素關係がない。但し總會の場合とかなんとかいうことになれば、もつばらいろいろ發言する。よい發言ならいいけれども、いろいろ發言してみたり、おそらく――今おあげになりました組合の行為を妨害するというのは第三號にあたりますけれども、それに似たような結果を招くというような場合に、總會の議決によつてこれを除名することも想像し得るわけでありまして、しからば第二項の第一號にかようなことが掲げてあるから、一々こういうことが總會の議決の問題にされるというふうには想像いたしませんけれども、私が先ほど申しますように、協同組合の成立の基礎には、廣い意味におきまして共同事業に参畫しようということが前提になつておる。こういうことを申上げておきたい。
#30
○重富委員 御説明によると、やはり結局は組合の事業の妨害あるいは妨害になるような場合ということになると思いますが、そうであつたらむしろそういうふうにはつきりとやるべきである。こうした形でやりました場合には、未教育のために長く利用していなかつたというものまでも除名するというふうな弊害が起きると思います。しかしこれはまた議論にわたりますので一應打切ります。
 第二十六條についてお尋ねいたしたい。「脱退した組合員が出資組合に對する債務を完濟するまでは、出資組合は、その持分の拂戻を停止することができる。」いわゆる個々の場合の持分の拂戻を停止することができるというのは、不都合ではないかと考えられるのであります。と申しますのは、脱退した組合員のときは未拂分持分として別計算に移されるのであります。そうした假勘定でもつていつまでもこれを放つたらかしておくということはいけないのであります。むしろこの際は相殺の處置をとるべきではないかというふうに考えますが、これをこのようにしておかれるのはどういう意味か、お伺いしたいと思います。
#31
○山添政府委員 組合の側から相殺をすることは差支えないのであります。
#32
○重富委員 わかりました。それでは次に二十七條についてお尋ねいたしたいのであります。これでは定款で定めるならば、組合員が脱退しないときでもその出資口数を減少することができるということになつておりますが、なるほど組合でありますので、出資金額の總額は確定的なものでないということはわかりますけれども、しかしながら脱退しない者が出資口数を減してよろしいということをなぜここに定めるのか。それに出資口数が減少いたしますれば要するに減資であります。一口減資といたしましても減資であります。しかも脱退したときの出資口数の減少からくる減資は、これはやむを得ないといたしましても、脱退しない者が自由行動をとる。こういうことが認められるということは、一體どういうところに根據をおいてやられたのか、お伺いしたいのであります。
#33
○山添政府委員 通例といたしまして脱退しないときにわざわざ口数を減らす。これは非常に多額の出資をやるわけではありませんから、通常そういうことはないと思つております。しかしながらこの協同組合は、非常にいろいろなカテゴリーの組合員を含んで、幅が廣いわけであります。そういうわけでありまして、おのずから第二十七條に規定するようなことの必要な場合もあろうかと思いまして、こういう規定が設けてあるのであります。
#34
○野溝委員長 大藏大臣は見えませんが、政務次官が出席されておりますので、この際大島委員に發言を許します。
#35
○大島(義)委員 大臣に質問したいと存じておりましたが、大臣が都合が惡いということですから、政務次官の御答辯で結構であります。私の質問の中の後段については、おそらく相當な食違いが生ずるだろうと思いますので、この食違いは一應の御答辯を伺つた後にあらためてお尋ね申し上げたいと思います。まず農業會の解散、農業協同組合の新たなる設立によりまして、財産處分ということが非常に問題となることは申し上げるまでもないのであります。そこで各縣農業會は、ちようど戰争中に滿鐡の株あるいは滿鐡の社債、中支振興、北支開發というような社債を相當に割當てられてもつております。國内の社債におきましても、中金からほとんど強制的に割當てられて、相當の額をもつておりますが、これらがほとんど赤字になります。そこで現在の見透しにおきましては、各農業會は出資金を切れば、大體これで濟むのではないかというような見解をもつておるようでありますけれども、それは一つの想像に過ぎませんので、この機會に農業會の赤字がどう處分されるか。なおまた系統農業會にはこの赤字がどう影響してくるのか、それが預金にまで影響してくるのか、あるいはその他の方法で處理がつくのか、この點をお伺い申し上げたいのであります。
#36
○小坂政府委員 お答え申し上げます。今回農業會が解散いたしますにつきまして、その後の財産的處置というものは非常に重大な關連をもつと思ふのでありますが、私どもただいまのところ、農業會が解散になりましても、赤字が出る農業會というのはどの程度あるだろうかということの見透しに關しまして、實はそう確かなものをもつておりませんが、大體において赤字の出るものは少ないじやないかというような見解をもつているわけであります。この農業會にいたしましても、今後にできます農業協同組合にいたしましても、大藏省の關係と申しますよりは、農林省において主として深くこれにダッチしてまいるものと存じますので、その實際赤字が出た問題につきましては、その都度御相談をしてまいりたい。ただいまのところそんな考えでおるわけであります。
#37
○大島(義)委員 ただいまの御答辯によりますと、農業會は大體赤字がない。あればその都度相談してやつていくというような御答辯でありますが、もしさようなことだとすれば、私は非常な間違いだと思う。現に私が群馬縣農業會におりまして、群馬縣農業會のもつているいわゆる滿鐡、中支振興、北支開發というものだけで三千萬圓を突破いたしております。さらにまた國内の社債の所有で損害に歸すべきものが大體二千萬圓、少くとも五千萬圓は一群馬縣の農業會だけでも完全な債權の補償がないわけでありますから、これを赤字と言わずして何が赤字になるかということであります。その點はもう少し御調査を願いたい。なおまた中金の補償に對しては大藏省はどう考えられるか。これを伺いたい。
#38
○小坂政府委員 ただいまのお話は新舊勘定に分離いたされますので、この舊勘定にはいる問題だと思うのであります。この關係に關しましては、金融機關再建整備法との關連におきまして、國庫において補償がある。かように御了承願いたいのであります。
#39
○大島(義)委員 そうすると再建整備法によつて舊勘定に屬するものは、その損害を全額國庫が補償する。こういう意味に解釋してよろしいですか。
#40
○小坂政府委員 金融機關再建整備法は舊勘定の預金、資本金、積立金を崩して、その後の赤字は國家が補償する、さように御解釋くださつて差支えございません。
#41
○大島(義)委員 それで私もたいへん安心いたしました。これならば預金にも一つも影響がないということになりますので、これはたいへん結構な答辯をいただいてありがとうございました。そこでこの機會に大藏政務次官にもう一つお伺いしたいですが、實は先般の本會議において、米の値上り差益金竝びに繭の値上り差益金が相當額に達しているはずであるが、これが國庫にどれほど取入れられているか、この點をお答え願いたいと申し上げましたところが、大藏大臣は國庫はこの金を一錢も受入れてないということをこの委員會の席上で答辯せられておるのであります。ところが本日頂戴いたしました資料によつて見ますと、米穀において大體二億四千四百七十二萬九千圓、生絲において二億四千六百八十四萬六千圓、その合計が四億九千、大體五億に近い金を現に國庫は受入れておるのでありますが、これでも受入れてないということを言われるかどうか。この點をこの際明確にしていただきたい。
#42
○小坂政府委員 ただいまの御質問でございますが、それとやや性質の似ておりますものに鑛工業の値上りによる差益金の問題がありますが、これは今まで統制會社等が大いに活躍しておつた時代のことでありますが、今年の四月に差益金の三分の一を會社にそのまま所有せしめる、さらに三分の一を統制會社にもたせる、これは價格差の平衡資金に用いるということにいたしました。さらに殘額の三分の一を國庫が收納する、こういうことにいたしたのであります。これは原料等の低廉なる時代に生産された商品が、その後公定價格の改訂によつて特に利益を生じたわけでありますので、この差益は當然國庫が一部を收納してよいだろう、こういう觀點からいたしたのであります。さらに各メーカーによつてそれぞれ原價計算等において、その立地的な條件、あるいは時間的な條件のために相當原價の相違があるので、これを價格平衡資金をもちましてプールいたして、消費者のために妥當なる値段を出すために用いよう、こういう意圖に出でたのであります。さらにその三分の一はメーカーが收納する、これは物價がだんだん上つてまいります際でありますから、全額を國庫あるいは統制會社においてとることは不當であろう、こういう見解に基くのであります。實は米あるいは繭の差益の問題に關しましても、大體そういつたような見解がとられてよろしいのではないかというように私は考えるものであります。ただ米の場合にしても、繭の場合にしても、ただいま私が述べました工業に關する例と若干趣きを異にしております點は、ただいまの國家經濟において、農業生産物と工業生産物との間にシエーレ、鋏状價格差がある、農業生産物が工業生産物に比してやや低位にあるという關係からいたしまして、工業の場合の事例をそのままに適用することもいかがかと思いますが、大體それに基準をおくというような觀點から律せられてよいのではないかと思います。ただいまの御指摘の點はそういう觀點から國庫に收納された數字が上つてくるのだとかように心得るものであります。
#43
○大島(義)委員 私のお尋ね申し上げておるのは、大藏大臣は本席上においてはかような金の受け入れをしていないということをはつきり言明されたことに對しまして、現に政府の資料によつて納入されておるという事實が明確になつた以上、その答辯の食い違いを一體どうするかということをお尋ねしておるので、こまかい點はまた別の機會にお伺いすることにいたします。要するに問題は國庫がその差益金を受け入れておるかどうかということをお尋ねするわけでありますから、受け入れているかいないかというきわめて簡單な御答辯をいただきたいと思うのであります。
#44
○小坂政府委員 ただいま私は國家の大體の方針について申し上げたわけであります。そこに數字が上つていることは、書いてある數字の通りだと思うのでありまして、なお大臣ともよく相談してみることにいたします。
#45
○野溝委員長 時間の關係もありますので、大島委員にあと一囘だけの發言をお許しいたします。
#46
○大島(義)委員 委員長は體が惡いという理由を言うておりますから、やむを得ませんが、一時間も遅れて開會して時間がないからということは私は納得ができないのであります。これは特に再考していただきたいと思います。そこで問題は、大藏大臣はこの金を受けていないということをはつきりこの席で言明しておりますし、大藏政務次官はこの資料の通りに受け入れておるということを申しておるのであります。どつちがほんとうであるか。大藏省の何かの調査をよくしていただいて明確な答辯を次の機會にしていただきたいと思います。
 それからこの際農林大臣にこれに關連してお伺いしたいと思いますが、農産物供出後における値上り差益金というものは、今のところではメーカーであるとかその他の人々が自由勝手に取扱われておつて、農家に還元されるという金はきわめて少いのであります。この値上り差益金のごときは、農家に還元されるか、あるいはこの全額が増産奨勵のために使用されるか、いずれにいたしましても農家の福利厚生あるいは増産の方面に使用さるべきことがもつとも妥當であると私は考えておりますが、これに對する農林大臣の御見解を伺いたいと思います。
#47
○平野國務大臣 値上りによる差益金については資料を差し上げておりますので、これをごらんになるとおわかりと思いますが、ある部分については農家に對して當然これを返しておるのであります。これはお認め願えると思います。しかし値上げをいたしました當時起る問題といたしましては、たとえば運賃であるとか、あるいはそういうところの事務上の手續等による人件費であるとか、あるいは數量そのものが普通で考えますよりはちぐはぐになるようなことから、事務費等も相當要りますので、そういう面においてはやはり値上げをしたことによつて益はあるのでありますが、相當に消耗せられるということも御了解願いたいと思うとともに、また値上りの一部分は價格の平衡を保つために、いわゆる價格平衡資金として、相當の分量を積立てる。こういうことに相なつておりまして、全部を農村の方へ償還するというわけにはまいらぬのであります。大體の考え方といたしましては、でき得るだけは農家に還元する。こういう方針をとつてもきており、今後はそういう點については、一層農家に還元するという方針を農林大臣としてはとつていきたい。かように思います。
#48
○大島(義)委員 もう一點簡單ですから……ただいまの農林大臣の御答辯で大變私ども意を強うするのでありますが、特に昭和二十年産米の、すなわち昨年の三月の値段の改訂の行われた場合においては、實はあの當時の供出は、保有米が昨年ほど殘されておりません、段當何俵という割當で供出させられましたために、過小農は供出しながらまた配給を受けるという段階に達しておつたわけであります。そこでこの値上り差益金が、結局過小農自體の負擔になつたことも非常に多かつたという事實があるのでありますから、これらの點を考慮されて、今後の値上り差益金というものの處分に對しては、そういう各般の事情を調査されて、適當に農家にできるだけ多くの還元をしていただく。必らずしも現金で還元していただくのみがわれわれは目的ではありません。農村の福利厚生施設、あるいは増産施設方面に使用されるならば、それで滿足するのでありますから、かようにお進めを願いたいのであります。
#49
○平野國務大臣 格差による益金は、單に總花的に農村へ還元するというような氣分以外に、差し上げた資料でごらん願うように、生産確保施設費、こういうような意味において還元をいたしておるのでありまして、これらの益金を利用いたしまして、農村、農民全般が相當に潤うような方途も考えていきたい。かように考えておりますので、この點は大島委員の御指摘と私どもの考え方とはまつたく同一であるということを御答辯申し上げたいと思います。
#50
○野溝委員長 大臣に對する發言者に對して順次質問を許します、田中委員。
#51
○田中(健)委員 農林大臣に對してちよつとお伺い申し上げたいと思います。片山首班内閣が成立いたしましてから、數箇月になりましたが、この間食糧の事情がきわめて逼迫しまして、國民が相當不安の日を送りましたが、最近における食糧の事情は、ある程度好轉いたしましたので、ようやく愁眉を開いたような次第であります。ついては今年度秋以降の食糧事情にきわめて密接な關係があると思われますところの昭和二十二年度の……。
#52
○野溝委員長 田中委員に御注意申し上げます。協同組合に關連した發言としてこれを許したのでありますから、なるべく協同組合法案に關連した趣旨において御質疑を願いたいと思います。
#53
○田中(健)委員 先に言えばよかつたのでありますけれども、ただいま質問いたしますことは當然協同組合に關連いたしておりますので、附け加えておきます。昭和二十二年度の米穀生産の豫想についてお尋ねしたいと思います。今年は東北の水害その他一部に旱魃などがあつて、部分的には減収も豫想されますけれども、總じて好天候に恵まれましたため、相當米穀の生産量を上げ得る、こう思いますので、政府は昭和二十二年度の米穀生産豫想をどの程度見積つておられますか、お伺いいたしたいと思います。
 第二點は、農民の努力によつて相當の収穫は上げ得られるにしても、所詮國内の人口を賄うには足りないので、結局外國の輸入食糧にまたなければならないと思いますが、この際本年度の世界の主食糧の生産豫想状況をお伺いしたいと思います。
 第三點は、かかる内外の主食糧の生産の豫想の上に立つて、政府は本年度の一般主食糧の配給について、從來の配給基準量をすえおくか。あるいは増加するといつたような配給の見透しについて伺いたい。
 第四點は、米價の問題、麥とか馬鈴薯の報奨金という問題は、安定本部とかあるいは大藏省の關係で折衝の餘地があるように聞いておりますけれども、今年度産の米價について、政府はどの程度の米價を意圖しておられるかどうかを伺いたいと思います。
 第五點は配給の方法でありますが、從來は配給する場合に米一點ばり、遲配になつてくるとじやがいも、麥、輸入食糧と、同じものばかり配給するのでありまして、これは調理上、あるいは保健上、嗜好の上からいつても非常に困るので、本年の秋からは、たとえば私の考え方からいたしますならば、一箇月三十日間に、二十八日は米、そのほかは雑穀とか、輸入食糧とか、こういうふうにまぜて總合配給とでも申しましようか、こういつたような計畫的な配給をなさるおつもりはあるかどうかお伺いしたいと思います。先ほど委員長より協同組合法案にあまり關連ないような御注意がありましたけれども、これらのことはこれから生れる協同組合が農村の生産團體である等の關係からして、當然將來の農村の協同組合運動に非常な影響をもたらすので、特にこの際お伺いしておいたわけであります。
 なお一つ、特に社會黨の片山さんが總理大臣になりまして、三黨連立内閣ができたわけでありますが、その三黨連立内閣としての政府にお伺いしておきたいと思います。片山内閣が成立した當時における食糧事情がどのやうな状態にあつたかということであります。内閣成立當初配給主食糧が何日分殘つてあつたかといつたようなことについてお伺いしたいと存じます。これはわれわれの最も關心をもつところでありまして、特に前内閣が四月の選擧中において、食糧の配給などに相當力こぶを入れたように記憶いたしております。これらの事情から考えましてある程度前内閣から現内閣が引繼ぐ當時の食糧事情の眞相をお伺いいたしておきたい。片山内閣がいかに前内閣の食糧行政を鬪つてまいつたかということについて、特にこの點だけは、井上政務次官にお尋ねいたします。
 最後に本年度産米の割當でありますが、來月の十日中央に知事會議をやると聞いておりますが、その間九月二日の二百十日、九月十二日の二百二十日の厄日が續いておりますので、この天候が稲作に影響した場合に、この減収をその割當より差引くのであるか、あるいはいかなる考慮を加えるか。以上六點については大臣の御答辯を願いたいのであります。
#54
○野溝委員長 田中委員の御質疑は、時局柄農民の聽かんとする點ではありますが、本案と直接の關連もないようでありますが、農民との關連において、なお今後協同組合を組織する上におきまして、或る點において關心を拂う點、通ずる點があると思いますので、この際大臣の答辯を願うことといたします。
#55
○平野國務大臣 世界の食糧事情と収穫豫想、これは非常に重要な質問でありますので、實は答辯資料として相當數字的に重大でありますので、一應なお確實に調べた上におきまして、答辯することをお許し願いたいと思います。
 米價問題及び配給基準量増加の問題もこれまたすこぶる重大な問題でありまして、米價論についてはしばしば新聞等によつていろいろ放送されておりますが、今日この委員會において米價論を申し上げるということは、きわめて公式な發表になりますので、實はこの御質問がありますならば、米價をいかような方法で決定するかという決定の仕方だけについては、責任上相當詳細に答辯したい。いくらという答辯はできませんが、米價はこういうような形において決定するという見込みを答辯申し上げたいと思いますので、これまた即時答辯を留保させていただいて、次囘に願いたいと思います。
 それから配給基準量については、これまたこの際配給量を増加するかどうかというような問題についても、明確にお答えするわけにまいらぬのであります。しかしこれは從來しばしば申し上げましたように、かりに配給基準量は二合五勺という基準を動かさないといたしましても、勞務加配の面において、また蛋白、脂肪等の給源等の面において、國民榮養の立場においては、來米穀年度からは相當に總合食糧政策をとることによつて、國民に十分食糧問題の安心を與えるようにいたしたい。かように考えておりまして、これまたしからば蛋白給源及び脂肪給源をいかなる方針をもつて臨むかということについては、目下研究中でありますので、これについてはなお檢討を加えた上答辯をいたしたいと思います。
 それから第五番目の御質問でありますが、これは特に政務次官を指しての御質問でありますので、私が申し上げる點ではないかと思いますが、私大臣といたしましてこの點について申し上げたい思うことは、私は本會議において食糧問題は政争の具にしないということを主張し、今なおその考え方を捨てておらぬのであります。從つて自由黨は野黨であるという聲明を完全にされておるようではあるものの、しかしいま少しそれらの状況を判斷いたしまして、私どもが内閣を組織いたしました當時、さかのぼつてあるいは三月、四月、五月、こういうときに日本においてはいかなる食糧政策がとられたかというような眞相等については、この際この席上で大臣たると政務次官たるとを問わず、發表いたしますことは、まだその時期でない、かように考えますので、この點もひとつ留保させていただきたいと思います。しかしこれはもとより適當な場合において、適當にかようなことを――議會は民主主義であり、言論の府であるので、申し上げる機會がないとは言わぬのでありますが、この際田中君の質問に對して、過去をさかのぼつて一々こういう點を詳細に論ずることはどうか、かように私は農林大臣として考えておるのであります。
 九月十日に知事會議を開いて食糧全般、二十二年度の米についての供出方法あるいはその他の點について政府は適當なる處置をとるという問題については、現在九月十日と確定いたしておるわけではありませんが、大體九月十日を中心といたしまして、一應二十二年度の米についても全國知事會議を招集いたしまして、早くても遅れても九月十日を前後して一兩日中に會議を開きまして、この九月十日前後には大體全國の米の収穫豫想というものを明確に國民の前に發表し、また割當等についても明確に、九月十日ごろを中心として全國民の前に食糧事情を明らかにいたしまして、現内閣の食糧政策の向うところを相當明確にいたしたい。かように考えておりますので御了承願いたいと思います。
 最後にもう一囘申し上げますと、世界食糧事情と収穫豫想、米價の決定等についての問題は、これは答辯しないというのではありません。非常に重大でありますので、たとえば午後なら午後まで少し時間を拜借いたしまして、明確なる數字をあげまして御答辯をいたしたい。かように思いますのでその點御了承を願いたいと思います。
#56
○田中(健)委員 私は世界の食糧事情と生産事情とそれから収穫の豫想についてお尋ねをしたのは、昨年度の議會のときに私が質問したときに、私の質問は五千七、八百萬石、當時の楠見次官はやはり五千七、八百萬石それから司令部はそれに一割加えたもの、こういつたように収穫の豫想に民間、政府あるいは司令部というようにいろいろの食い違いがあつた。その食い違いがあつた結果、いろいろ割當があつて、それから供出するにあたつて、農民と政府との間に摩擦が起きてみたり、あるいは供出が圓滑にいかなかつたりしたところの過去の例、特に去年の例がありましたので、今年あえて政府の収穫の豫想の發表を求めるというのは、そういう去年の例を再び履んで、今年になつてから昭和二十二年度の供出米にあつて去年のようなことを繰返すことがあつてはならないので、お伺いいたしたのでございまして、それらの點につていも十分に御考慮の上で、せつかく新しいところの農村運動とでも言うか、協同組合等ができても、そんなものがだいなしにならないようにという懸念からお尋ねいたしたのでありまして、この發表は、九月一日から議會が休會になるのだが休會になつてから發表されてもはなはだうまくないので、ここ一兩日中に御發表願えれば、われわれ休會中まことに便宜ではないか、こう思いまして、なるべくならば正確にあとで、去年のような食違いのないものを發表願いたいと思う次第であります。
#57
○平野國務大臣 ごもつともでございまして、私どもといたしましても、明日から議會が一應休會になりますので、でき得るならば本日の午後でもこの委員會を通じまして、世界の食糧事情及び大體の政府の見ておる今年の収穫豫想、また米價決定の方法については、どういう考え方をもつておるかということを、御答辯いたしたいと思います。またいたすべきであるとその責任を感じておりますので、その點については答辯資料を用意いたしまして、お答えする時間的餘裕を與えていただきたいと思うのであります。殊に収穫豫想につきましては、この八月一日から一齊に、統計調査局においてもこの収穫については前年に見ざる計畫的なる豫想を著々やつておるのでありまして、これは本日田中君の御希望に副うような數字まで申し上げられるかどうかということは多少疑問でありますが、これらの點については、われわれがかような畫力をいたしておるという程度まででもひとつ後刻發表いたしたい、かように思います。
#58
○森(幸)委員 さいわい大臣がお見えになつておりますので、二、三お尋ねいたします。
 この農業協同組合の事業に災害共濟に關する施設をせられるということが加えられておるのでありますが、これは事務的な問題でありますが、どういう程度に農業協同組合をして共濟施設をせられるか、小さいようでありますが、その點を承りたい。同時にかつて來われわれが叫んでおりました農業共濟制度、これはただいま政府としてどうお考えになつておりますか。昨年來この問題は畜産、養蠶すべてを網羅して共濟制度を確立いたしたいということを、議會においても非常に要望いたしておつたのであります。すでに本年ではすべての農産物の價格も上り、また家畜の價格も、あるいは蠶絲類の價格も非常な高騰を見ておるのであります。そういう結果この共濟制度につきましてもまた根本的にかえていかなければならぬ時期になつておるのであります。この協同組合に「農業上の災害又はその他の災害の共濟に關する施設」ということが第十條に書いてありますがこれはどの程度にお考えになつておるか。それと併せて國家的立場から農産物の災害に對する共濟制度、この施設に對して農林省はどういうようにお考えになつておるかという點を、ひとつ承りたいのであります。
 なお次には、この法律ができますと、協同組合というものが無數にできる可能性があるのであります。しかし農村の實體といたしましては、おそらく一町村に三つも四つも協同組合ができようことはないと思います。相互扶助の立場から、まだ農業の性質から申しましてさように對立していくつも農業協同組合ができようとは考えられないのでありまするが、この同時に付託されておりまする農業團體の整理に關する法律でありますが、この案に示されておるように、協同組合ができれば、農業會であるとか、養蠶實行組合であるとか、あるいは生絲輸出業組合というものは、八箇月以内に、解散しなければならない。こういうことになります。ところが現在の農業會の經濟の内容であります。さつき大藏政務次官が出て説明いたしましたが、あれは一向要領を得ませんが、今日系統農業會が非常に困つておることは、先ほど大島委員の説明いたしました赤字であります。その赤字をどういうふうにして始末するかということが、今日農業會を通じてのがんになつておるのであります。それで政府は農林中央金庫の第二金庫でもつくつて、舊勘定と新勘定とを改めて、そうして政府はこれを相當の補償をして出直すようにするか、何らかの方法をはつきりしなければ、農業會というものは解散できない。それで一方において協同組合ができまして、協同組合としてはいろいろの施設をやめていきたい。當然同一の立地條件でありまするから、現在の町村農業會を解散して、それらの施設を新しくできる協同組合が繼承していくということは、常識上考える問題であります。しかるにこの町村農業會が解散後清算に手間どりまして、そうしてこれがはつきりしない。こういうことになると、一方に相當の施設がありながら、清算中であるがために、それを新しく協同組合が利用することができない。こういうことができやしないかということを私は心配するのであります。殊にこういう團體が清算事務にはいりますと期限がないのであります。今日蠶絲統制株式會社のごときも、解散の命令が出て、すでに清算事務にはいつておりますけれども、いつこれが清算が結了するかわかりません。これは會社でも組合でもすべて清算が期限がありませんから、ずるずると引き延ばされる場合において、非常に迷惑をこうむるのは、その施設に對する繼承すべき團體であります。この問題は農林中央金庫というものを速やかに復活させて、そうして系統農業會がただちに清算し、この新しき協同組合にすべての施設を讓るような態勢を整わしめることが、私は何をおいても必要であると思うのであります。大藏省はこの中央金庫に對してほとんど認識を缺いておるようなことを政府委員が今も説明しておりますが、これは大藏省といたしましてはいろいろの問題がありまするから、熱中できないかもしれませんが、農林省といたしましては、何をおいてもこの系統的農業會が完全に解散し、完全に清算し得るようなこの面の解決策を、私は速やかに立てられることが必要だろう、かように考えるのでありますが、この點について大臣は相當の御計畫をお立てになつておられるのでありますか。私はこの農業協同組合の設立に對して非常に懸念心配いたすのでありますから、この點をお伺いいたしたいのであります。
 なお委員長よりそれは協同組合法に關係がないから、そんなことを問うてはいかぬとまた叱られるかもしれませんけれども、すでに九月の中旬に供出に對する地方長官會議を招集するという大臣のお言葉であります。そうしますと、新聞等に傳わつております生産調整令であります。その内容は農業生産者あるいは消費者の團體はもちろんでありますが、國民はどういうふうになるのかということを非常に心配いたしておるのであります。これは新聞等で傳えられておりますけれども、政府の責任として、こういうふうな方針でやりたいと思うということを、この機會にひとつ御發表、御説明くださることが適當でないかと思うのであります。殊にただいま九月中旬に大體の豫想を立てて地方長官會議を招集して相談いたしたいというお話になつております。これは先般この委員會にお示しになつた調査要綱、二十二年の米、甘藷に對する生産調整の要綱にありました通り、八月一日に大體の基礎調査をやつて、八月二十日に段當りの豫想數量をきめるということでありましたが、こういうことは事務當局としてはお考えになるかも知れませんけれども、すでに八月二十日は過ぎましたが、まだ出穂にも一般的になつておらない。そうして二十二年の産米の豫想を立てるということは、これは八卦の籖を引くようなもので、神様でなければ豫想がつかないというのが私の考え方で、あの要綱は適當でないということをその當時申し上げておつたのであります。九月の中ごろに招集される地方長官會議に、もしも八月二十日をもつて豫想された數字によつて、二十三年度の食糧の需給推算を立てて相談なさるということは、これは非常な危險だと私は思うのであります。それて決してあわててこういうことを發表されることは、私は必要ないと思うのであります。颱風の時期にも達しておるのでありますから、もつともつと十分なる確信をもてる程度の豫想額をつかまえて、二十三年度の需給推算を立てられて、そうして地方長官等をお集めになつて、十分の御協議をなさることが適當ではないかと私は考えるのであります。これは私のただ婆心にそういうことを思い浮べましたので、御参考に申し上げるわけであります。とにかく今農業生産者といたしましては、調整令に對して非常に關心をもつておるのでありますから、この機會に大臣から、こういうふうな方法で二十二年度の産米、甘藷に對しては生産を確保し、そうして供出の方法を考えておるということを、御説明をくださることが時宜に適したことでないかと考えるわけであります。
 以上わずか二、三の點でありますが、特にさいわい大臣が御出席でありますので、この際伺つておきたいと思います。
#59
○平野國務大臣 協同組合と共濟制度に關する問題についての御質問でありますが、農業保險制度を厳密に申しますと、農業共濟保險制度というものは大體においてこの議會に確實に提出するつもりであります。いくらかの事務がまだ未完了でありますが、大體においてその内容といたしましては、収穫皆無のときにはその収穫の半額、しかもこれは新しい改訂いたしました米價を豫想いたしまして、大體段當り二石といたしますならば、約一石を金に換算したぐらいの程度のものは、農業共濟保險制度によつて農家がその保險による恩恵を受ける。こういう一つの制度を現在立案し、ほとんど議會に提案できるの域に達しておりますので、農業保險の面によるところの共濟制度というものは、大體確信があるのであります。その財源等につきましても、從來議論になつておつた問題でありますが、消費者負擔により、米にその保險に必要でありまするところの金額をかけるというような制度を用いまして、單なる國庫補助でなく、相當消費者もともに農業保險についてはその共濟の責任を分擔するという農業保險の議論に相當合致いたしました。新農業共濟保險制度と申しますか、これは確實にこの議會に提案できるのであります。從いまして御指摘の點については、農業協同組合ができますならば、その農業協同組合がかような保險制度をこの組合によつて利用することによつて、私は相當に萬全が期せられる、かように考えておるのであります。なおこの保險の對象とならないその他の面における農業共濟問題については、おのずからこの協同組合がその定款なり、あるいはその他の方法によつて十分にやつていけると考えますので、御指摘の共濟保險制度に對する問題は、協同組合成立とともにわれわれといたしましては十分確信と自信をもつておる。かように申し上げておきたいと存じます。
 第二點は金融問題でありますが、これはしばしばこの委員會において問題となりまして、一應の答辯をいたしておるのでありますが、再度の御質問として金融機關をどうするのだ、これでよいのかという突きつめた御質問のようでありますので、私の考え方をはつきり申し上げておきますと、この農業協同組合が直ぐ金融をやるがよいかという問題は、これは原則として金融面と生産面は切り離した方がよいのだ、この原則は今度の農業協同組合法の成立の上において採用されておることでありますから、單位組合だけは金融と生産を竝立するが、連合會以上は金融をやらない、こういう原則については今度の協同組合法の方針によつて御了承を願いたい。しかしこれのみをもつて現實問題として農村金融が完全であるかどうかと言えば、これは完全ではない。この點を私は認めるのでありますから、現在の中央金庫、これらを今どう改組するかということをここにはつきり言うことができないのでありますけれども、たとえば第二中央金庫であるとか、あるいは農業復興金庫というような、名前はむろん假定でありますが、眞に現在の金融復興、金融機関に關するものを、特に農業面において新しく農業復興金庫というような大規模なる金融機關を設けて、この金融機關を通じて農村の復興に對して相當融資するところの方法を私は考えたい。これは成案を得ましたならば、皆さんの方へ御相談をしてやつていきたい。かように考えておりますので、この點において金融面に對する私の意のあるところを十分御了承願いたいと思います。
 次に農業生産調整法を政府は制定しておるようだが、その概略を言わないか。こういう御質問でありますが、これはもはや閣議決定を經まして國會に提出されておることでありますから、その詳細にわたつては、農業生産調整法の委員會においてお答えをし、また御質問を願いたいと思います。
 さてこの九月十日に開會いたします知事會議における食糧問題と絡んでの、農業生産調整法に對する御質問でありますから、おのずからここに農業生産調整法の考え方と、われわれがこの米穀年度における二十二年産の米に對して考えておるところの概要を申し上げるならば、まず第一は早く割當をする、これは森君御指摘のように九月十日ごろに全國の収穫豫想なんというものはわかるものではない。こういう御意見であるが、もとよりそれはほんとうにどれだけとれたかということは秋の収穫を待たなければわからぬ。もつと嚴密に言うならば、秋の収穫を待つてしても嚴密な數字は握られないということもあるのですが、大體供出問題に關するところの全國輿論としては、早く割當をすべきものだということはあらゆる方面の一致を見ておるところでありますから、私どもとしては、この秋の米についてはなるべく早く割當てる、でき得るならば九月十日ごろに大體全國の割當を決定して、もはや九月一ぱいには個々の農家が自分は十石なり、自分は五石なり、自分は一石なりという供出割當が來たという覺悟を農民諸君にもつてもらいたい。かくすることによつて年度内にほとんど二十二年の米の供出というものを完了して、しこうして來米穀年度に對するところの一應の安心をもつていこう。昨年のように二月になつても三月になつてもまだどれだけ供出ができるかわからないようであつては、輸入食糧を懇請する上においても、その他の配給基準量をきめる上においても、これはうまくゆかないのでありますから、私としてはあくまでそれが多少完全を期し得られないとしても、早く農家に割當供出を完了して、來年の食糧問題については明確なる安心を與えていきたいという考え方でありますから、この點あなたと多少意見が違うかも知れませんが、私の考えはさようであるということを申し上げておきたいと思います。
 それからなお生産調整法に盛られておるところの考え方、及びこの秋の米に對する供出についての考え方は、一應最初割當てられました割當量というものが、責任供出量となるのであります。しかしてこの責任供出量というものについては、日本政府はあくまで農民諸君にこれを出してもらう。これは強く要求するのであります。しかしてこの責任供出量を果したいわゆる百パーセント以上のものについては、農業生産調整法が明らかに認めておりますように、相當のボーナスを出す。報奨制を設ける。かくすることによつて百パーセント供出を完納するとともに、その餘の米も政府が相當買上げるところの方法をもつていきたい。きわめて嚴密な意味におきましては、來年の麥からはこの農業生産調整法の原則に從つてこれは法制化するのでありますが、この秋の米についてはいまだ法制化してはおらないが、この農業生産調整法の趣意に從つて、まず早く割當て、しかして責任供出量を認めて、責任供出量がきまつたものについては、一定量のボーナスによつて報ゆる。こういうような考え方が一應現在私どものもつておるところの考え方である。さよう御了承願います。
#60
○森(幸)委員 最後の御答辯の供出制度につきましては、一應大臣の御方針了承いたしました。これに對しましてわれわれは非常に議論もありますが、ただ百パーセントの割當、いわゆる責任供出と今お話になりました割當率が、はたして公正妥當であるかどうかということは、議論のわかれるところであるのであります。われわれもこれに對して相當の考え方をもつております。今日申し上げる時期でないと思いますが、この百パーセントの責任供出をきめられる根據は、八月二十日というものを標準としてお考えなさることが時期として當を得ない。かように私は考えるのであります。しかし早期割當ということを理想としてお考えになつていられる以上、九月なり、あるいは十月に、大體の今までのような實収報告の時期を待つておつては間に合はないからというお急ぎの事情もあるのであります。しかしそういう點からみて、この百パーセントの責任供出がはたして生産實體に對して公正であるかないかということをわれわれは疑うのでありますが、しかしこれは議論になりますので、十分公正にいくように處置せられんことを希望しておく次第であります。
 次に今御答辯になりました農業協同組合の金融問題については、なるほど大臣の御説明われわれも同感であります。しかし現在農村といたしましては、農業會が金融方面に開店休業しておるのです。中央農民金庫におかれましてこれをなんとかしてやらなければ町村の農業會はにつちもさつちもいけない情勢にあるのであります。それですから復興金庫とか、あるいは農村金融金庫とかいうようなものを、今これから考えて、そうしてこれらの農業會の赤字を埋めてやろうということでは、せつかく農業協同組合をつくりましても、この協同組合が事業が始つていけない。これは町村の實體に對して非常に心配するのであります。それですから速やかに農業會が完全に解散し、農業協同組合が生産にただちにつき得るように、私は農林省としてせつかく御配慮を得たいと思うのであります。これは希望であります。
 次にお尋ねいたしたいのは、災害保險に對して消費者にもこれを負擔せしむることは、われわれもそういう理想をもつておるのでありますが、農産物價の高騰に伴いまして、國庫がどれだけの保險に對する負擔をなし得る力があるか、國庫負擔はどういうふうにお考えになつておられるか。まだ豫算にきまらないということかもしれませんけれども、農林大臣としてこの共濟制度に對して國がどれだけの負擔をしていくというお考えであるか、その點を一つ承わりたいのであります。
 なおこれは事務的な問題でありまするが、農業協同組合をつくるに對して「定款の定めるところにより」ということがずいぶんありますが、由來こういう法律を出しまして團體をつくるときにおいて、定款によつてということで處理されておりますが、模範定款なるものがややもすればこういう立法の當時に論議をいたしたことと形をかえ、意味をかえて、示されるようなことがないとは言えないのであります。それでありますからただちにとは申しませんが、事務當局として模範定款をこの委員會に御提出を希望しておきます。これで終ります。
#61
○平野國務大臣 金融問題について町村農業會が動揺しておつて困る、こういう現實問題としての動揺は率直に私ども認めるのであります。しかしながら、かような農業會を解散して農業協同組合をつくるという日本農村民主化の大變革をする途上でありまするので、この程度の動揺はやむを得ない、むしろこの程度の動揺を經ることによつて、農民が自主的に農業協同組合の力によつて、おのれたちの生産の上向と經濟の安定をはかつていくという氣分になるということから申しますならば、御心配のような點はあるといたしましても、私は大して憂うるには足らないと思います。それから同時に先刻申し上げましたように、中央における農業金融の大きなものもつくろうということは、決して單に等閑に付してしかるべきときにやるというのでなく、これについては相當の考え方をもつて現在考慮を拂つておるのであります。この點については併せて御了解を願いたいと思います。
 それから農業保險について國家財政の點の御質問でありますが、現在考えておりますのは、國費そのものによつて農業保險をやるという制度でなくして、大體米一石に對して約十二圓程度のいわゆる消費者負擔を行うことによつて、食糧特別需給會計の中に約六億圓の金を得まして、その六億圓が農業共濟保險の保險金支拂の基礎となつてまいるのであります。從つてこの點については、從來の農業保險制度と相當趣を異にいたしました保險制度であります。しかもこれはわれわれといたしましては、運用の上において相當確信と自信をもつております。もとより保險に要しますところの事務費用、あるいはその他ある程度の國庫負擔を要求することは當然でありまするが、主たる基本的な問題といたしましては、消費者に一石について十二圓ほど負擔してもらうところの約六億圓の金が大體基本になるのであります。
#62
○岩本委員 森君の質問に關連いたしまして、きわめて簡單に一言お尋ねいたします。食糧の増産につきましては、特に米についてこれからの手入によつて相當の増収がはかられると存じますが、それについては米價の改訂の發表ということをきわめて迅速にやることが必要であります。昨年もそれがために食糧緊急措置の勅令を認める場合に、八月一ぱいに米價の改訂値段を發表せよとさかんに迫りまして、八月三十一日に發表を願つたわけであります。それと同じ意味におきまして、この際急速に改訂米價の發表が増産のために必要なりと存じますが、いつ頃改訂米價を御發表になるお考えでありますか、お尋ね申し上げます。
#63
○平野國務大臣 米價をなるべく早くきめるということについては同感でありますが、何分にも米價をいかにするかというその算定方法についていろいろ複雑な意見がありますので、現在その時期をはつきり申し上げるわけにいきませんが、なるべく急いでやります。なおその方法については、本日午後委員會でもありますれば、田中健吉君の質問と併せて御答辯いたそう、かように思つております。
#64
○野溝委員長 午前中の會議は以上をもつて終ります。午後一時から林業小委員會、午後三時から食糧供出小委員會を開催します委員の方はあらかじめ御承知のことと思いますが、この際特に申し上げておきます。本委員會といたしましては重要性に鑑みて小委員會を設けたのでございますから、各委員會にはそれぞれの委員の方は萬障お繰合せて御出席を願いたいと思います。特に食糧供出對策小委員會は一應緊急を要しますので、特に委員各位の御出席をお願いする次第でございます。お名前を讀み上げますと、小委員細野三千雄君、野上健次君、成瀬喜五郎君、小野瀬忠兵衞君、寺本齋君、八木一郎君、小川原政信君、重富卓君、森幸太郎君、坪井亀藏君、山口武秀君、北二郎君、以上でございますが、御出席をお願いいたします。
 ではこれにて散會いたします。
   午後零時三十八分散會
ソース: 国立国会図書館
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