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1947/09/25 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第24号
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1947/09/25 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第24号

#1
第001回国会 農林委員会 第24号
昭和二十二年九月二十五日(木曜日)
    午後二時九分開議
 出席委員
   委員長 野溝  勝君
   理事 叶   凸君 理事 清澤 俊英君
   理事 寺島隆太郎君 理事 萩原 壽雄君
   理事 北  二郎君
      佐竹 新市君    田中 健吉君
      永井勝次郎君    成瀬喜五郎君
      野上 健次君    平工 喜市君
      細野三千雄君    松澤  一君
      小林 運美君    佐々木秀世君
      圖司 安正君    寺本  齋君
      中垣 國男君    八木 一郎君
      重富  卓君    田口助太郎君
      松野 頼三君    森 幸太郎君
      山村新治郎君    坪井 亀藏君
     的場金右衞門君    中村元治郎君
      山口 武秀君
 出席政府委員
        農林政務次官  井上 良次君
 委員外の出席者
        農林事務官   小倉 武一君
        專門調査員   片山 徳次君
        專門調査員   岩隈  博君
    ―――――――――――――
九月二十三日
 農地調整法の一部を改正する請願(林大作君紹
 介)(第六七六號)
 海外引揚者の資格農歸に関する請願(黒岩重治
 君紹介)(第七二〇號)
 農業協同組合法案第九條第三項の修正に関する
 請願(中村元治郎君紹介)(第七二五號)
の審査を本委員會に付託された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 農業資産相續特例法案(内閣送付)(豫第一二
 號)
    ―――――――――――――
#2
○野溝委員長 會議を開きます。
 會議を開く前に政府に希望しておきます。政府から提出された法案が相當多数に上つておるのでございます。本委員會は法案に對して審議を續行することにやぶさかならざるものでありますが、審議の便宜上、關係資料を早急に委員に配布され、審議の便をはかられるよう努力していただきたいと思います。
 なおこの際お諮りいたします。本日付託されました法案は三案あるのでございますが、本日各委員長會議におきまして、一應法案の説明を聴くことはよいが、それを審議する場合には、なるべく一つの法案を審議決定した後に次の法案に移られるようにしてもらいたいという意見がありました。農林委員長の私といたしましては、それは當然のことであるが、關連した法案については、一應それを議題にして審議をしなければならぬ關係があるので、かような場合はさようなわけにはいかない、こう申したのであります。なお政府の都合によりまして、さようにいたしたくても時間の關係でできない場合もある。しかし原則としてさような方針で進むことがいいということに委員長會は申合せを行いました。さよう御了承願いたいと思います。以上の申合せに基きまして、本日は農業資産相續特例法案の審議をいたしたいと思います。さよう御了承を願います。では農業資産相續特例法案に開して質疑を行います。清澤君
#3
○清澤委員 ちよつとお伺いしたいと思います。細野さんが大體質問されておるようでありますが、なお了解しがたい點がありますので、いま少し詳しくお伺いしたい。第二條の一號及び二號に關してですが、殊に二號の「前號の土地の上に在る樹木で同號に規定する目的に供されるものの所有權」この薪炭の原木の採取の目的に供される土地の所有權、こういうものの範囲になりますが、地方によりましていろいろ事情は違いましようが、私どもの地方でこれを割り當てみますと、かりに十七年林を薪として、いわゆる柴薪であります。柴薪として使うとしますれば、約一坪で一束出るとして、百五十坪百五十束というのは最低限の一家使用畳になりますが、そうして十七年林施業林的な一軒の家とでも申しましようか、その費用面積とすれば、約九段もつことになります。炭燒がかりに、やはり冬期薪炭ができませんので、その畳は至つて少いのでありまして、三箇月間で約三百俵くらいの炭しか燒けませんが、それにしても一町歩約三百俵の二十年林としての面積が要るのであります。これを二十年林で割りますと、約二十町歩の土地が一炭燒の生業としてつくことになるのでありますが、こういう場合でもやはりこの規定ができてくるのであるかどうか、非常にそれは許される畳は大きいし、また製炭者としてそれを受け継いだ者が、この二十年の間不動だということも考えられない場合に、こういう廣大な資産が受け継がれるのかどうか。それから次は、こういつた種類の地積がかかりに許されるとするならば、その地域内にある松であるとか、すぎであるとかけやきなどは、炭に燒けば燒けるが、用材にすればりつぱな用材であるというような場合、きりの木、あるいはかき、くり等の果樹のようなものは、一體どういうふうに處理されるのであるか、こういう疑問が出てまいります。この點をひとつお伺いしたい。それから採草地がこれから除かれておるが、やはり薪炭地の中に採草地というものが加えられるかどうか、これは固定した場所になつておりますから、年々のものでありますか大體地積の限度がきまつておると思う。
 そのほかにお伺いしたいことは、第二條の一番うしろにありまする「この法律において、農業とは、耕作、養畜又は養蟲の業務(これに附随する業務を含む。)をいう。」とあり、その業務が耕作、養畜、養蟲の業務、これに附随する業務と解されるように、別表には出ておりますが、私どもはこの附随する業務というのは、農耕者が副業として行つておる、農耕附随の業務として養魚地であるとか、紙すきであるとか、製絲であるとか、たけのこ、きのこををつくるとか、あるいはきのこでちよつとしたカン詰やびん詰の仕事をするとかいうようなことをも含んで考えたいのでありますが、この業務を含むという中には、こういつたものがはいつておるのかどうか、これは別表の最後の「前各號に揚げるものに準ずる動産で農林大臣の指定するものということに對して、非常に重要な関係がありますのでお伺いしておきたい。附随する業務という中に、こういつたものを考えていいのかどうか。
#4
○小倉説明員 第二號の土地の上にある樹木についてのお尋ねでありますけれども、薪炭用の原木につきましては、自家用である限り含まれるわけであります。自家用として薪炭林が一號にはいります以上は、その地の上にある本はなんでもはいるのであります。この點は面積によつて制限しておりませんので、自家用ということで制限しておるのであります。從つて自家用である限りは面積を問わない。ものによつて實質的には自家用であることは面積ということは關係あるけれども、法律上は面積で制限しておりません。從つてお尋ねのすぎや松という木がありましても、用材になるという木がありましても、全體が自家用薪炭の原木の採取となつておる土地でありますれば、さようなものもはいります。果樹につきましては自家用薪炭の原木とまるで違いまして、それは農業の目的に供される土地ということでありますので、自家用という範囲を超えるのでありまして、販費用でありましても果樹は全部はいるのでありますが。採草地のお尋



ねでありますが、採草地につきましては、一號によつて農業の目的に供される土地ということでありますからして、全部はいるのであります。採草地の上にたまたま木が若干あるというようなものは、二號でもつてその木もはいるのであります。それから附随する業務の意味でありますが、付随する業務と申しますのは、副業という意味とは多少観念が違うのであります。從つてたとえば家内工業で紙をすくというふうなものは、はいりかねるのでありますけれども、たとえば水田養鯉するというふうなものは、これは耕作に附随する業務だということができると思います。それからまた農産加工なんかにつきましても、附随する業務ということになろうかと思つております。
#5
○清澤委員 そうしますと、自家用という意味合いにつきまして、薪木の場合にはこれはほとんど自家用でありますから、面積はいくらあつてもかまわないと解するが、木炭の場合には自家用の節圍といたしまして、大體三百俵もつくのでありますから、大體は炭燒用としてこれは使われるのであります。しかしながらこの農業協同組合法によつてみますと、薪炭業などは一つの農民の業務としてこれは認めてあるので、完全な農業とみてよいわけなのであります。それを業としている者の生活資源の給源ということになりますが、こういう場合でもやはり自家用だけの分と、こう解釋せられるのでありますか。
#6
○小倉説明員 製炭につきましては、協同組合法と本來は違うのであります。協同組合の方では、農業をやつている者が兼ねてやつておるというふうなものは、自家用であろうが、販賣業であろうと、その薪炭の生産の業務は農業とみなされておるのでありますけれども、この特別法におきましては、薪炭生産は自家用に限つて範囲が狹いのであります。
#7
○清澤委員 第五條の「相續の放棄をすることができる期間内に限り」ということになつておりますが、期限外の場合はどうなるのでありますか。これをちよつとお聴きしたいと思います。
#8
○小倉説明員 「相續の放棄をなすことができる期間内に限り」といたしたのは、もし指定を受けた相續人が、相續資産の相續人たる地位を放棄する場合には、そのあとの處置を講じなければならぬことになるわけであります。さような關係がありますので、一般の相續の放棄をする期間は、原則としては三箇月でありますから、三箇月の間だけにいたしまして、そのあとの手續が早く進むようにいたしておるのであります。
#9
○清澤委員 相續人に對する相續の放棄をすることができる期間内に限り、他の協同相續人に對する意思表示をもつて農業資産の相續人たる地位を放棄することができるが、期間外になつた場合には放棄することができない。こうなるわけですか。
#10
○小倉説明員 そうであります。
#11
○清澤委員 そうすると自分は相續する意思がなくても期間が過ぎた場合にはこれをやらんければならない。こういう義務が出てくるのですか。
#12
○小倉説明員 さようであります。ただ義務と申しましても、農業をやるという義務は生じないのでありまして、農業資産の相續人たる地位を認めたことになるわけです。
#13
○清澤委員 第六條、第八條にもおのおの出ておるのでありますが、農業を營む見込みがないことが明らかになつた場合、戸主が死んで、その子供が乳幼児である。その乳幼児を成長後にひとつあとをとらせるというような場合における、乳幼児が農業を營む見込みがないことは明瞭でありますが、こういう場合にはどう解釋してよろしいですか。または女子相續人の場合、何人が見ても女子手だけでは全體を相續して耕作はできないが婿等をとつてやりますならば、その勞力によつてすることができる。こういうような場合が出てきました際に、この農業を營む見込みがないことが明らかになつた場合というのはどういうふうに考えられるのですか。
#14
○小倉説明員 第六條におきましては、この法案の趣旨が農業を營む見込みがあることが明らかであるときとは書いていないのであります。逆に消極的に農業を營む見込みがないことが明らかなときはというふうにしたのは、意味があるのでございまして、お尋ねのように乳幼児というような場合にはこれはあるかないかわからないというのでありますから、營む見込みがないということが明らかとは言えないと思うのであります。それからまた女子の場合でありまして、他の親兄弟の協力を得れば農業を營むことができるという場合も、營む見込みがないことが明らかであるということは言えないと思うのでありまして、從つてお尋ねの二つの例におきましては、この特例法の適用が大體あるというふうに考えていいかと思います。
#15
○清澤委員 次にお伺いいたしたいことは、自分の財産としてはつきりわかりますものはよろしいとしまして、共同の施設等に對する所有權利と言いますか、使用權利と言いますか、あるいは部落がもつております共同山の權利というものはどういうふうに取扱わるべきものか、お伺いしたい。
#16
○小倉説明員 共有の權利につきましても、第二條に列擧してあります所有權でありますとか、賃借權といいうようなものが、民法の共有になつておりましても、二條に列擧してある權利であればやはり農業資産ということになるのであります。
#17
○清澤委員 部落共有林等の場合にもですか。
#18
○小倉説明員 お尋ねの場合が入曽權でありますれば、はいつておりません。
#19
○清澤委員 入曽權ははいつておりませんか。
#20
○小倉説明員 はいつておりません。
#21
○清澤委員 終ります。
#22
○重富委員 先日政府委員の御説明によりまして、第十條、第一項、第二項の關係でありますが、そのときのお話では、この被相續者のもつておる財産の全體の二分の一と、それからその残りの分の二分の一と、合わせて七割五分というふうな御説明があつたように思います。ところが民法の千四條、それから應急的措置に關する法律の第八條等から考えてみますと、どうもそういうふうな計算が出ないように思いますが、この點は一體どういうようなことからそういうような計算になるか、御説明願いたいと思うのであります。たとえば簡單な例からあげてみますと、「第八條の規定による相續分の二分の一」となつておるから、第八條の例をあげてみますと「直径卑屬とともに相續人であるときは、三分の一とする。」というようにきめてあります。その三分の一の半分ということになるから總財産の二分の一ということの計算が出ないように思うのであります。これはどういうような御計算で總財産の二分の一とお考えになつたか。これをお尋ねしたいのが一點。それから第二項の「前項の規定による相續分の外、二分の一の相續分」こういうふうになつておりますので、二分の一というのは一體何の二分の一か、この法律だけを見ますと何の二分の一かわからないのであります。この前の政府委員の御説明では、第一項の分でとつたその残りの二分の一、すなわち總財産の五割に相當するものの二分の一、つまり二割五分というふうな御説明があつたのでありますけれども、その残りのものの二分の一ということが、この法文上だけでは現われていないように思うのでありますが、それらの點はどこをどうすればそういうふうになつてくるか、御説明を願いたいのであります。
#23
○小倉説明員 七割五分と説明があつたのは、相續人がおそらく子供だけの相續人で、しかもその子供が二人の場合であろうと思うのであります。その場合には相續財産の半分は農業資産を相續する者がもらうのであります。從つて五割はまずもらうわけであります。それから殘りの五割につきましては、新しい民法あるいは應急措置法に基きまして半々になるわけです。從つて二割五分と五割と足しまして七割五分という説明だつたのではないかと思




います。それでもう一つのお尋ねの、二分の一というのは何の二分の一かということでありますが、これは總財産の二分の一であります。
#24
○重富委員 今の後ほどの御答辯の二分の一というのは總財産じやないと思います。むろん特別相續分というものの二分の一であると思います。それから今おそらく二人の場合だろう。こういう御説明がありましたが、二人の場合にしても、この文で見ますと第十條の第一項では、「第八條の規定による相續分の二分の一」となつておりまして、第八條の規定による相續分というものは「その相續分は、左の規定に從う。」とありますので、たとえばその中の第一號を例に申し上げますと、三分の一となつておる。第二號は二分の一となつておる。それから第三項は三分の二となつております。その相續分の二分の一でありますから、どう考えてみても總財産の二分の一ということが出てこぬわけであります。あるいは私の解釋の誤りかどうか。その點をお伺いいたします。
#25
○小倉説明員 私が今二分の一と申し上げましたのは、お尋ねとお答えが違つておつたようでありますが、その十條の一項の方の二分の一と申しますのは、お話のように第八條に相續分としてあげたるものの二分の一ということであります。そこでこれによりますとどういうことになるかと申しますと、第八條にあげておりますのは、これは配偶者の相續分をまず一應規定しておるのであります。ところが一般の兄弟という場合には均分相續になるということは、現在の遺産相續の規定でさようになつておりますので、それがそのまま第七條によりまして適用になるのであります。從つて子供だけの場合の例をあげ、そしてまた配偶者がないという場合を例にいたしますと、財産は民法の規定によりまして均分になりまして、普通であれば五割と五割が相續分になるのであります。ところがこの特例法によりますとまず半分しかもらえない。從つて兄も弟も五割の半分でありますから二割五分ずつもらうのであります。ところが農業資産の相續人はその二割五分のほかに總財産の半分、すなわち五割をもらうということになりますので七割五分、他の弟と申しますか、農業資産相續人でない方の兄弟は二割五分ということになるのであります。しかしこれは兄弟が二人の場合でありまして、兄弟が三人になりますとその割合が違つてくるのであります。また配偶者があるという場合には違つてくるのであります。
#26
○重富委員 どうも今のお話わからないのでありますが、總財産の二分の一というのはどの條項をさせば出てくるかということが私としては疑問なのであります。第一項の方から言うと相續分の二分の一でありますから、總財産の二分の一ということはどうしても出ませんし、それから第二項のいわゆる特別相續分というのが二分の一というのは何の二分の一かわからない。これが總財産の二分の一ということならばなるほどわかるのでありますが、ここには總財産の二分の一とも何とも書いてない。「前項の規定による相續分の外、二分の一の相續分を受ける。」ということでありますから何の二分の一かわからない。これが總財産の二分の一という意味なのか。この點をはつきりさしていただきたいと思います。それから第八條の分は、相續分の二分の一というのでありますから必ずしも二割五分という数字は出てこない。ほとんどの場合はそうでない場合が多いということが言えるのであります。この點ひとつはつきりお願いしたいと思います。要するに第二項の分の二分の一とは何の二分の一か。これがはつきりすれば、この分が總財産の二分の一ということが明瞭になれば、五割だけは農業資産相續分として考えられてくる。これが何の二分の一かわからないために今のような質問が出るわけであります。この點をひとつはつきりしていただきたいと思います。
#27
○小倉説明員 十條の二項の二分の一とありますのは、相續財産全體についてであります。この全體であるという趣旨は、相續分という文字の使い方からかようになると思うのであります。たとえば應急措置法の第八條の一、二、三號を見ましても、一號には「直系卑屬とともに相續人であるときは、三分の一とする。」とありますが、配偶者が受ける相續分三分の一と申しますのは、相續財産全體についての三分の一であります。それと同じような意味で十條二項の二分の一とありますのは、相續財産全體についての割合を言つておるのであります。それから本法案の第十條の一項の「相續分の二分の一」と申しますのは、これは現在では現行の民法と應急措置法八條によつて定まる相續分の二分の一、普通の場合の相續分の半分という意味であります。この「第八條の規定による相續分」の上の方に「民法第千四條」というのがあげてあるのであります。千四條というのは遺産相續の場合の相續分でありまして、兄弟同士では均分になる。「同順位ノ相續人数人アルトキハ其各自ノ相續分ハ相均シキモノトス」ということになつておるのであります。
#28
○細野委員 第二條の農業資産の範囲につきましてさらにお聴きしたいのであります。入曽權が除外されているということははなはだ不可解であります。これはその部落に居住するということに伴う權利であるということで、除外されたと思うのでありますが、しかし農業資産の相續人でない相續人がその村に住んでいて、かりに農業でない、たとえば學校の先生をするというような人もあり得るのであります。そういうといに入曽權が農業資産相續人に相續されないという結果になると、はなはだ妙なことになる。何ゆえに入曽權がないかということを第一にお聴きしたいのであります。
 それからこの農業資産の範囲の中には動産、不動産はすべてはいつておりますが、權利というものは全然はいつておらぬのであります。私は第一に用水權利あるいは水利に關する權利、こういうものはなぜ農業資産の中にはいらないのか。また、たとえば農業會に對する出資持分の權利、こういうものは當然農業資産であるが、これはなぜはいらないのか。さらに肥料、飼料等には別表の中にはいつておりません。この別表の第四號に前各號に揚げるものに準ずる動産とありますが、これは準ずるでありまして、こういう機械類を言つていると思うのであります。肥料だとか飼料、こういうものは均分相續になりましても、農業をやらぬ者には全然用がないのであります。それを何ゆえ農業資産の中から除外してあるのか、この點をお尋ねいたします。
#29
○小倉説明員 御指摘のように、今御列擧になつたものははいつておらないのであります。これを除いたのは別に特別な理由はないのでありますが、相續財産の細分化を防止するねらいをあまり廣くするということも、新しい民法の趣旨、あるいは憲法の趣旨から見ましていかがかと思いましたので、なるべく土地でありますとか、不動産、またそれに準ずるような大きな動産というようなものに限つたがよかろうということであつたのであります。またかような土地とか建物というようなものがはつきり農業を營む者に相續されるということになりますれば、入曽權でありますとか、水利に關する權利、あるいはまた肥料でありますとか、飼料あるいは農業會、協同組合等に對する出資というようなものも、當然話合で農業資産の相續人に分割されるであろうというふうに考えているのであります。
#30
○坪井委員 第一條の「遺産の分割に困る農業資産の細分化を防止し、農業經營の安定を圖るための相續に關する特例は、この法律の定めるところによる。」こうなつておりまするが、第二條へまいりまして、「この法律において、農業資産とは、左の各號に揚げる權利で一段歩以上の面積の土地に就いて耕作の業務を營む者が有し、且つ、當該各號に規定する目的に供しているものをいう。」こうなつておりまするが、この法律の建前から見てここに大矛盾があるではないか。いやしくも農業經營の安定をはかるために、この特別法を設けるということになりまするのに、


一方においては一段歩以上の面積をもつていればと規定したが、その面積の土地をもつている者ははたしてこれで農業經營が成り立つか成り立たぬかということを、つくつた發案者としての考えを率直にお聴かせ願いたい。一段歩以上土地があるというだけではおそらく農業經營を安定できないと思う。そうして一番最後の理由を見ましても、やはりこれも「農業經營の安定を圖るため」となつておりますが、目的はそこにある。とすれば、かりに少くとも一町の土地があるといたしましても、二人の兄弟があるときには五段は優先的にもらえる。あと二人で五段をわければ七段半もらえるということになりますが、最初からそういう面倒くさい何分の一ということはやめてしまつて、少くともこの財産は、土地については一町あれば七段半というふうにもつていくことが最も望ましい。そうしなかつたならば、農業經營の安定ということはできないのではないか。ただ形式の上において基本的人權を尊重して、今の民主國においては、民法においてもすべておのおの國民の權利を尊重するという上から見て、これはむしろ遺産相續については、財産を平等に分配するという民法の方に囚われすぎておつて、眞の特別法の目的に副わないのではないか。私はこういう感を深めるのであります。この點について政府當局の率直なる考えをお聴かせ願いたい。おそらく一町でも農業經營の安定はなかなかできないと思う。もちろん一段以上となつているけれども、そう末端までいかぬでも、もつとだれにもわかりやすく、一町ある場合においては七段五畝以上というように、少くとも一農家として独立の生計ができるということになければ安定しないと思う。極端な例を言うならば、土地は一段しかないが相當大きな農家をもつている。その家の見積價格は、それこそ数十萬にも相當するだろうという場合、その家屋も農業資産であるから、これをもし細分化するときには、一段ばかりのものならばこれは全部相續人のところに遺産としてしまう。そうしてその家の見積價格の半分を次男のところにやるというように、数字的に規定しておけば非常に樂ではないか。ところがこの法律から見ますと、まことに複雑多岐でありまして、お互いにこうした食糧の不足のときであるから、兄弟も何とかしてたとえ一段のものでも分け合いたいと思うことは當然だろうと思う。そうすると農業に從事したいという兄弟がたくさんあるときには、ここにおいて農地の再分配を遺産相續において奨励するようなことになりはしないか。こういうことが私には考えられるのでありますが、これらについてお伺いしたい。
#31
○小倉説明員 一段といたしましたのは、これがあまり面積が大きいと、この特例法によつて農業資産の細分化を防止するという目的が十分達せられなくなるのでありまして、こまかい農家が餘計細分化するという弊害が出ますので、この面積はあまり大きくはできない。またあまり面積を小さくすると、この特例で家庭菜園的なものの相續が行われるということになつて、いろいろ不合理が起るということから、一段歩というのが、いわゆる農家と稱せられるものを大部分包含するものとしていいのではないかというふうに考えるのであります。もつとも一段歩以上あればこれは全部そのまま相續されるという趣旨でありまして、一段歩にわけるという趣旨は全然ないのであります。
#32
○坪井委員 第三條に「農業資産は、遺産の分割に因つて二人以上の者にこれを歸屬させることができない。」となつておりますが、かように数をふやして、一段歩以上あればみな恩惠に浴するということであれば、この條でいけば、むしろ一町あるものならば、これを十人というように―もちろん兄弟は十人ないとしても、五人、六人ある場合においては、やはり再分配させていくというようなことになりますけれども、ここにおいては、これを二人以上に制限するということをせぬでも、兄弟において農業を營みたいという者があるならば、これは二人以上としなくても、三人でも五人でも私は構わないと思います。兄弟十人も百姓をやることはない。大體その数においては限度がおのずからある。二人以上に制限をするということはないと思うが、制限するにしてももう少しこれは、五人以内とか、あるいは七人以内とか、あるいは十人以内とかいうことにしていく方が、さつき言つた皆恩惠に浴するできるという上からいつても、この方が民主的だと考えますが、この點いかがでしようか。
#33
○小倉説明員 三條におきまして二人以上の者に相續させてはいけないと申しますのは、結局一人で相續しなくてはいかぬということであります。この法律の趣旨が、遺産の分割によりまして農地あるいはその他の農業資産がだんだんこまかくなつて、農業經營が非常に零細化するのを防止するということが目的でありますので、一人に相續させるということにいたしたのであります。お話のようにこれを五人とかあるいは七人とかいうふうにいたしますと、その数だけ農業用の財産が細分化されることになりまして、この法案の趣旨に副わないことになりますので、一人ということにいたしたのであります。
#34
○坪井委員 實際の面から見ますと、あえて一人ということでなくとも、もちろん長男であれば、相續權のある者については、その二分の一は相續できる、あとの者についてはそれを等分していくということになつておる點から見れば、おのずからこれは實質において細分化されると思いますが、それでも實質においてそれを防止することが、できるかどうかという點についてお答え願いたいと思います。
#35
○小倉説明員 お話のように、ここに農業資産としてあげてありますのは、農業用に用いられる財産全部を列擧しておるわけでもありませんし、またたとえ列擧するにいたしましても、それが總財産中大部分の割合を占めておるような場合には、一人だけに相續させるということも、他の相續人の權利をあまりにも害しますので、こういうことはできないのでありまして、その範囲においては、もちろん財産の細分化と申しますか、あるいは農業資産の細分化ということをまつたく防止するわけにはまいらぬかと思います。しかしながら民法の趣旨と全然逆になつても困りますので、許される限りの最大限度は防止しておくつもりでおるのであります。
#36
○坪井委員 もちろん、一段とかあるいは二段、三段、五段の零細農家の遺産を相續する場合においては、これはこれでもよいと思うが、とにかく耕地において二町とか三町とか十町とかいうようなものについては、これは累進的にその人数を増していくという方法もありはしないか、一段の場合でも十町の場合でも、二人以上の者に歸屬させてはならないということは大分無理な話だと思う。これは机上論であつて、決して實際的に耕地の農業經營を合理化せしめよう、これによつて安定していこうという上から見た法律にならぬと思います。この點について、私はどこまでもこれは累進的に、段別の多い場合においては、何段を増すごとに何人殖やしていくというようなことにいくべきだと考えますが、この見解はいかがでありますか。
#37
○小倉説明員 もちろん御意見のようなこともりつぱな御意見としてかんがえられるのであります。ただ最近の農業の經營の實情を見てみますと、非常に零細化の傾向にあるのであります。のみならず、ただいま行われておる農地改革によりましても、零細化の傾向をおそらく促進するだろうと思うのであります、殊に自作能創設法によりますと、大體府縣では三町以上の經營というものは、特別なる場合、非常に經營が優秀であつて、生産量が高いとか、さような場合に限つて認められるのでありまして、それ以外は三町歩以上の部分は買収されるということになるのでありまして、その後に残る經營といいますのは、大體小さな經營がほとんどを占めるのでありまして、分割しても十分りつぱな經營をやつていけるということは、原則的にこれはないように考えておりますので、遺産の分割ということによりまして經營を分けるということは、原則としていたさないということにいたしたのであります。但しまつたく禁止するということではありませんで、たとえば遺言をして分けるということはこの法律では制限をいたしておらないのであります。あるいはまた相續した者が、他の兄弟に分家みたように分けるということも、この法律では制限をいたしておらないのであります。だから、さような方法で御指摘のような場合は救えるのじやないかというふうに思つておるのであります。
#38
○坪井委員 第四條に「推定相續人が数人ある場合には、被相續人は、推定相續人の中から、遺産の分割に因つて農業資産の歸屬すべき者を指定することができる。」とありますが、このときの、被相續人が相續人を選ぶというようなことについては、だれがどんなぐあいにこれを運用していくかということについてお伺いしたい。
#39
○小倉説明員 推定相續人がある場合は、これは民法の場合でも、全部一人が相續するわけでありますから問題はないわけでありますが、たくさんある場合、たとえば、兄弟がたくさんある、二人以上あるという場合には、どの人に農業資産を承繼させるかということをきめなくてはならぬのであります。その場合に、まず被相續人の意思を第一番目に尊重いたしまして、その意思によつてきめるということにいたしたのが指定でありまして、被相續人が指定する方法とか書式というふうなことは、別段ございません。何らかそういう指定があつたということを證明すべきものがあればよろしいのであります。
#40
○坪井委員 そう簡單に片づけ得られるものではないと思う。いやしくもこの特例によつて相續をさして、そうしてあまり耕地の細分配をせずに農業の經營を合理化していこうというときに、相續人が、どうも俺は相續するのはいやだ、百姓はいやだ、こう言つて、ただ簡單にこれを證明するものが届けつぱなしでもいいものか。もう少し何かこれについて規定をいたしまして、そうして本人の意思を十二分に確證するだけの、ここに證據となるべきものがなければいかぬと思いますが、これらについては、本人がこれはできないという意思表示は、どの程度に、いつこれをすべきか、またどんな方法でやるかということについてのお考えを承りたい。
#41
○小倉説明員 この指定につきましては、法律では、いつ指定するとか、あるいはどこへ届けるとか、あるいはどういう書式にするかということは何ら制限がないのであります。ただいかような人を指定すべきかということは、これはおのずから法律の精神からきまつてくるのでありまして、たとえば、第六條におきましては、農業を營む見込みがないことが明らかなときは、指定の取り消しを裁判所に請求できるのでありますから、被相續人が農業資産の相續人を指定しようといたしますときは、これはなるべく農業を營むことが確實なものから選ぶべきが當然であります。しかしその指定につきましては、なるべく自由にして廣く指定という制度を利用した方が最もよかろうというように考えますので、格別指定の方法、時期等には制限はしておりません。さように御了解を願います。
#42
○坪井委員 そうすると、これは被相續人の意思表示によつて決定される、こう考えていいのでしようか。
#43
○小倉説明員 さようであります。
#44
○坪井委員 第六條は、「指定相續人が當該農業資産に就いての農業を營む見込がないことが明かなときは、裁判所は、他の共同相續人の請求に困り、第四條第一項の指定を取り消すことができる。」こうなつておりますが、農業を營む見込みがないことが明らかとなつたとき、これはいつを指して言うのか。またこれはどういう證據が現われて、これは見込みがなくなつたとか、何とかいうことが言われるのか。これについてひとつお伺いいたしたいと思います。
#45
○小倉説明員 取り消しの請求の時期でありますが、これは相續の開始後であります。それからあとの方は遺産の分割が行われるときであります。從つて相續開始後、遺産の分割が行われるまでの間はいつでもできるのであります。それから見込みがないことが明らかなときと申しますのは、たとえて申すならば、全然農業に關係のない職業に、被相續人が死ぬ前からずつと從事しているとか、都會へ出て他の職業を營んでいるというふうな場合はこれに該當すると思います。あるいはまた第五條によつて放棄いたしませんけれども、本人が營まないということをはつきり意思表示をし、また農村に住んでおらないというような場合もこれに該當すると思います。
#46
○坪井委員 第十二條にまいりまして、二行目の「財産の價額を超過する疑があるときは、その超過額と認められる額は、農業資産相續人以外の共同相續人にその相續分に比例してこれを分配すべきものとし、農業資産相續人以外の共同相續人は、自己の分配を受けるべき額の支拂を農業資産相續人に對し請求することができる、」非常にまわりくどく書いてあるし、なおまた超過する疑いがあるときは、おそらく財産があつて、これを査定すればそんな疑いは起きぬはずだと思う。一定の評價額をきめてやればいいと思う。各戸別にその財産の評價というものは違うでありましようけれども、大體の動産、不動産についてはこれは明らかとなつている。土地についても賃貸價格があるし、家屋についても賃貸價格があるし、その他山林原野についても賃貸價格があるし、あるいは立木の査定とか、これは當然價額についてはそういう疑いはないはずだと思う。そして超過する疑いということはないはずだと思うが。どういう場合にそれがあるか。その具體的な實例がありましたらひとつお聴かせを願いたい。
#47
○小倉説明員 疑いがあると申しますのは、たとえて申すならば、これは被相續人の財産であるか、あるいは相續人の財産であるかわからない場合があるのであります。と申しますのは、農業でありますから、家族勞働形態をとりまして、父親のもとに兄弟同士が共同して農業をやつているという場合は、個々の財産については、これが父親で、これが子供で、これが兄で、これが弟どういうことが明瞭でない部分があろうかと思うのであります。そういう場合には、まず相續財産というものをはつきりきめてかからなければわかりませんので、そういうような場合も想像としまして、財産の價額を超過する疑いがあるという文字を使つたのであります。なお財産の價額を超過するというような場合でありますが、これはたとえて申すならば、相續財産の價額が全部で十二萬圓といたしまして、子供が三人あるということになりますと、その一人の相續人は農業資産相續人になりますから、六萬圓をまず受けるわけであります。そのほかに殘りの六萬圓を三人が分けるわけでありますから、二萬圓づつ分けることになります。從つて十二萬圓の資産のうち、農業資産の相續人は八萬圓の相續分を受けるのであります。ところが農業資産の價額が十萬圓ということになつておりますと、二萬圓だけを超過するという場合があるのであります。この農業資産の十萬圓が超過するか、しないかということは、農業資産の價額がいかように評價されるかということにももちろん關係がありますけれども、先ほど申し上げたように、これは被相續人の農業資産であるかどうかといふ點が、農業の實情上必ずしも分明でないという點があるから、疑いがあるという字を使つたのであります。
#48
○坪井委員 十三條へまいりまして、やはり「相續財産のうちに農業資産に屬するか屬しないかが明らかでない財産があるときは裁判所は、共同相續人の請求に因り、當該財産が農業資産に屬するか屬しないかを定める。」こういうふうになつておりますが、やはり推定というか、憶測によつて、農業財産というものがそういうふうにわからないということでなしに、一軒の中で親子が農業をしておつて、おそらくこれが分家でもするというときには多少財産がはつきりしてくるけれども、特にこれが子の財産だというときには、やはり土地その他についてもはつきりと分配すべきは分配してあるはずです。結局ないものは、これはその親の財産ということにはつきりなつているのでありまして、こういうふうにひとつここで疑いをつけてせしめるということは、やはり兄弟の相續によつての、相續争いというものを誘發するようなおそれはないか、こういうふうに私は考えておりますが、これらについて常にこれが不明瞭である。その不明瞭なるものを明らかにして、いわゆる兄弟が再分配に浴するというようなことで一家が紊亂するというようなことに相なりはしないかということを、十三條においても特に考えられますが、もちろんこの場合においては、裁判所というものが共同相續人の請求によつてきめるということになつておりますけれども、この點についてはどんな考えをもつておられるか、お伺いをいたしたいと思います。
#49
○小倉説明員 農業資産に屬するか屬しないかという點がもし疑問があるといたしますならば、さようなことははつきりいたさないとこの法律の適用ができないのであります。いかような場合に、屬するか、しないか不明瞭であるかと申しますと、たとえて申せば、自家用薪炭というような場合に、自家用という意味が必ずしも明確でありません。從つて自家用薪炭の原木の採取の目的に供せられる山林というのは、観念上ははつきりいたしておりましても、現實の山林につきましては、はたして自家用薪炭の原木の採取の目的に供せられているのかいないのかというような點について、疑問がある場合があろうかと思うのであります。さような場合におきまして問題が生ずれば、裁判所がきめるということにいたしたのでありまして、兄弟が仲よく相談してきめた分には、これは決して問題は起らないのでありまして、兄弟争が起きた場合の處置を規定しておるのであります。私どもの考え方からすれば、これによつて兄弟争いを誘發するというより、萬一起きた場合にはつきりきめる規定をおきたいという、趣旨であります。
#50
○坪井委員 二十條へまいりまして「民法その他の法律により遺産の分割前に相續財産について清算が開始された場合には、この法律は、これを適用しない。」こうなつておりますが、この觀點から率直に考えますと、民法の方に非常に重きをおいて、この相續法の方にはあまり重きがおかれない。これが優先的にならないということになりやせんかと思うのでありますが、その點いかがですか。
#51
○小倉説明員 二十條の趣旨は、民法その他の法律によりまして、相續財産について清算が行われるという場合には、その財産は競賣になることが建前になるのであります。どういう場合か申しますと、ここでいう清算の開始される場合と申しますのは、一つは破産法による破産の場合、それからまた民法の相續には限定承認と申しますのは、御存じの通り相續した財産の範囲だけ父親の債務を拂う。財産分離と申しますのは、債權者の側から、相續人のたくさんの債務のために、相續財産について被相續人に對して持つておつた債權が害されるということを防ぐために、さようなことになつておるのでありますけれども、かような場合には清算が行われることになるのでありまして、清算が行われれば競賣ということになるのであります。さような競賣になるような財産についてこの法律を適用すると非常に困難な問題が生ずるのであります。そうしてまたかような場合は大體相續財産自體が赤字が多い。赤字が超過であるとか、あるいは相續人自體が債務超過の場合でありまして、この法律を適用しなくても、この法律の目的とするところを特別阻害をしないという意味で規定をいたしたのであります。
#52
○坪井委員 私は農業資産相續特例法案のこの案文でありますが、おそらくこれだけ重要なる法案を二十條に織込んでしまうというようなことは、いわゆる電報を打ちましても、あまり短文すぎては何ら意味が通じぬと思う。おそらくこれはつくつた方も、相當苦勞して草案されて、おらるるだろうと思いますが、われわれが見ても相當わからぬと思う。おそらくこれによつて、今後この法をうまく運用しようというのにも、もとがわからねば必ずや運用を誤るのではないかと私は考えるのであります。こういうことは、なお今後いろいろ法の草案等されるでありましようが、もう少し農林當局としては、こうした案については、説明をする上においても、一眼でわかるというくらいまで、この法分化をなるべく民主化して、たれにでもわかるというようにしてもらいたい。これはおそらくたれでもわからぬと思う。この相續法は、特例というので特例的にわからぬようにつくつた。こう私はかんがえておりますか、今日は井上農林政務次官もおられますので、これに對する御見解をひとつ伺つて、今後数々の法案ができましようけれども、もう少しいま申しましたように、用をなさない法案になつてはいかぬと考えますので、あまりにもわからなさ過ぎるということを再度繰返して、今後再びいかなる法案についても、こういうわからぬ法案を提案せぬように、たれが見てもわかるように特に私はこれについて注意を促したい、政務次官の意見をひとつお伺いしたいと思います。
#53
○井上政府委員 まつたくお説の通り、法律案は國民自身がにれを遵守しなければ意義はないので、その相手たる國民がこれを理解し、これに協力するということにならなければなりませんから、できるだけわかりやすく、できるだけ納得のいく法文にすることは當然であります。ただどうも今まで日本の法制局と言いますか、むつかしい條文をつくる癖がついておりまして、特に今提案しておりますこの農業資産相續特例法に關連する内容を見ましても、民法との關係がありますために、それとの關係を調整しなきやならぬ必要上から、一層わかりにくいような結果が出てきております。これは今後民主國家となつていく今日、特にわれわれは將來この悪弊を一掃して、たれが見ても直ちに理解納得できる法律をつくることに、全力をあげなければならぬと考えております。
#54
○松澤(一)委員 本案制定の精神をちよつと聴いておきたいと思うのです。一體この法律をつくるのに、その理由の中には、農業經營の安定をはかるために、また細分化を防止するためとあるのですが、一體今後の農業經營が細分化されるという今までの考え方は、どこから基準にしてなされたか、日本は神武天王以來農業國で、時の人口、時の状況によつて農業の隆盛衰退はあつたかもわかりませんが、別にこの法律を現状の農村に出して、これで細分化を防止しなければならぬという自由は、私は農村に住むがちつとも認めてない。どういう意味でこれが出れば細分化が防止されるかという御説明を願いたいと思います。
#55
○井上政府委員 この法律を特に今議會に出しまして、皆さんの御協議を願うゆえんのものは、終戰後わが國の情勢はまつたく一變した、この狹隘な國土で、八銭萬の人口を養わなければならぬというこの非常事態に立つて、しかも食糧の給源體たる農耕地というものが、いたずらにこれらの食糧需給の關係から窮迫を告げてまいりまして、これを何とか處置をしておきまんせんと、專業で農業をやり、農業生産力を高め、日本の食糧對策を安定さそうという意圖をもつておりましても、それができ得なくなります。そういう關係から、現在この狹隘な國土に多数の人口をもつておること、さらにまた、今農業者自身が農業專業者に遺産相續することを、別に望んでいないという御意見のようにも伺つたのでありますけれども、最近政府が調べましたところのいろいろな統計によりますと、ほとんどこれは農村側の意見としても、ぜひそういうことにしてもらいたいという意見は、非常に強く反映をしている統計が出ております。お手もとにその資料がまいつてないのでわかりませんが、もし必要がありますならば、その資料も差上げてよろしうございます。農民の側からも、また政府の今後のわが國の食糧對策を堅持する上からも、將來わが國の發展の必要からも、この法律はぜひ必要である。こういうつもりで提案しておることを御了承いただきたいのであります。
#56
○松澤(一)委員 なかなかごもつともらしいお話でございまして、結構であります。しからば御質問いたしますが、農民側の世論としてこういう法律を出してくれというのでありますが、その資料があつたらひとつおだしを願いたいと思います。もし農民側からそういう要求があつたとしたら、政務次官ははき違えておる。それは自作農の創設をしても、その自作農家が維持できるかどうかどういうことで、ひとつ何とかしてくれという世論だと思う。そういう世論はあるかもしれぬが、何かこういう法律を出さぬと、われわれ農業經營者が立ちいかぬということは、ちつとも考えておりません。きつとはき違いだと思つています。もう一つは、今日本が八千萬の人間を擁して、そうして食糧の生産を増強せねばならぬ。こうおつしやつたのだが、これには二つの理窟があります。きつと政務次官は、だれか一人にたくさんつくらせれば、供出をさせるには一番都合がいいから、なるたけ細分化を防ぐということになるかもしれませんが、私から言わせれば、一つの理窟としては、東京人であろうと、町の人であらろうと、一段でも二段でもみんな細分化して、そして自分で自分の食糧がとれるようになれば、供出もなければ配給もない。こういう理窟になりますし、また農業生産の上から言えば、一人がたくさん土地をつくるよりも、多くの人で少く土地をつくつて、多角的な農業經營をする方が生産が上ります。こういう理窟のあることをひとつ御承知おき願いたい。從つてただいままでの農村においては、專業の農民というものはなかなか細分化されておりません。世の中にいろいろの職業がある限り、必ずしも農民のみが一段や五畝ずつにわかれてしまうような状況になるとは私は考えておりません。ただ私が聴きたいことは、こういう法律を出すために、かえつてこの法律から地主と小作を出しはせぬかと思うのですが、この點をひとつ御質問申し上げます。どういうことかと言うと、この法文中にも、遺言によると遺産、土地をだれにでもくれることができる。そういう場合を假定いたしまして、その人たちが實際に農業經營をするならいいが、親の遺言でその土地はわけてもらつた。だが實際としては自分がつくつていないから、それを弟に貸すとか、兄に貸しておくとか、こういう場合が出たときに、自然とそこに地主と小作を生ずることを私は憂うるのであります。今までもそうですが、敗戰後國柄が違つてき、民主主義的な思想に變つてき、人間の氣持が違つてきたかもしれませんが、御承知の通り何千年の變遷を見てきても、農村は十人おろうが二十人おろうが、とにかくその子供の範囲でつくり得る程度で、常に農業遺産として相續されておる。そして今日にきている日本の農業の歴史を忘れてはなりません。こういう法律でしばることによつて、おれにも遺言があるから多少の土地がもらえるのだということになる。どんな憲法が出ても、どんな法律が出てきても、要するにその運營がよろしくなかつたら、その精神は發輝できないと同じように、かえつてこの法律を出すことによつて分散させる憂いがあると思つております。もちろん見解の相違と言えばそれまでであります。もう一つは、將來の集團農業經營その他いろいろの意味においても、この法律が私は支障を來してくると思う。たとえて言えば、北海道、東北、關東、中國等では、土地の保有量に農地調整法で多少の變化がある通りに、將來の農業經營は自分の手で自作し得る程度で、最も高度の農業經營の發達を來さなければならぬ。こういうことを思うときに、今日の農地調整法あるいは自作農特別措置法からいくと、御承知の通り二町歩ないし三町歩の保有面積、あるいは耕作面積が今保有されておるのでありますが、これだけを夫婦の力、家族の力だけで生産していくことになると、かえつて私は日本の農業經營を萎微沈滞させるのではないかと思つております。むしろ私はそういう大きい面積を保有するのよりは、一家一町歩くらいまで限定していつて、そうして高度の増産をしていくということの方に導かねばならぬではないか、もう一つは、この法律によつて現状をしばるとかりにいたします。これによつて土地の分散、細分化は防げると假定し、今日の自作農特別措置法における一應の分配によつてこれはぴたつと抑えるとすると、今後の農村工業あるいはその他の點で、土地が多少細分されたり移動されたりすることがこれによつてなされて、それが農業の増産になるのをかえつて妨げていくという立法になりはしないか。常識的にはこの法律はよさそうに見えるけれども、あまりこまかくわたつて、細分化を防ぐということに中心をおくがために將來必ずこういう法律がじやまになつて、かえつて農業遺産を對象として争が起きたり、農村に分配上のけんかができたりしはしないかと思うのであります。こういう點から、私はこの立法は常識的に考えてそれほど悪いものとは思わぬけれども、とてもいいものとも思つておりません。この點どうも日本の官僚の人たちの考え方は、やはりほんとうの農村の實情を知らぬじやないかと思うのですが、今私が申し上げたことに對して、政務次官と農政課長さんから、御説明を願いたいと思います。
#57
○井上政府委員 松澤さんのそういう見方も一應つくと思います。しかし實際のわが國の現在の農地の動きを見ておりますと、このまま放任しておけば、いたずらに土地が細分化されていくということは、何人も認めておるのであります。そこで政府といたしましては、一應こういうように民法が新しく改正され、均分相續というものが認められようとしておる今日、特定の農業專業者にその農業資産の一部を相續さすという特別法規をつくろうとするのでありますから、これについては、一體農村なり農民がこの法律に對してどういう意見をもつておるかということで、農村側のいろいろな世論を十分調査し、またこの法案の内容を示して、こういう條文の法律をつくろうと思うがどうかということを、實際に當つて調査した結果、大體そういう法律をつくつた方がいいという世論が壓倒的であつた。そこで政府はいよいよこの法律案を立案し、國會に提出する方針をきめたのであります。お手もとに配つてあると思いますが、農業資産相續特例法に對する世論調査というのがあります。これはもちろん全國の耕作農民なり、農村を對象にしたのではありません。一部の農村なり農業者に限つておりますけれども、しかし一部やりました農村なり農民の意向が、一體どういう情勢にあるか、一體どういう考え方をもつておるかということによつて、おそらく全般を察知することができると思います。それによつても、たとえば農業資産の分割に對してはどう思うかというのに對してはどう思うかというのに對して、分割反對というのが百七十七の中で百五十一あります。さらに相續をする場合に、どういう方法をとつたがいいかという質問をいたした。百七十九に對して、百六十二名は一人に相續さしてくれ、こういう輿論が出ております。その他こまかいことがいろいろ調査されておりますが、かように大體日本の農村の傾向としては、このままではほんとうに安んじて耕作をさすことができないという氣持から、やはり新らしい均分相續よりも、ほんとうに信用のおけるといいますか、確信を得ておる農業專業者にこれを相續させるという行き方がいいというのが、大體の偽らない答えであろうとわれわれは考えておるわけであります。また將來日本は、敗戰の苦悩の中から起ち上つて國を再建して、十分日本民族が世界と廣く交際できる經濟的地歩が確立されるまでは、遺憾ながら今日この法律のように生産力高揚の
見地からも、實行することが必要であろうと考えてやつておるわけでありますから、この點どうぞ御了承いただきたいと思います。
#58
○松澤(一)委員 これは農村の輿論ということより、私はこう思うのであります。御承知の通り、新しい憲法によつて親の財産でも皆で分配する。農村に限つては農業經營はそう分散されたのでは困るじやないかというので、止める法律だと思うのでありまして、今の御説明は私は間違つていると思います。從つて遺言によつて分散ができたりするが、そういうことでなしに、今日の農地調整法のごとく、現實に耕作する子供が相續することができるのだということでこれを継承していくのならば、この法律はりつぱなものである。先刻も言つた通り、半分よくて半分わるいというような意味は、今日の日本の憲法の上から見て、こういうものをこしらえておかなければならないということで、ただどういう人にでも相續がある程度できるという範囲でなくして、たとえば現に耕作しておる子供、農業の好きな子供にこれが行くのだということがこの中にうたわれていなければ私はうそだと思う。それでこそはじめて農業が專屬のものに繼承されていくということになるのでありますが、その他との文句が多くうたわれておるので、それを憂えて申し上げておるのであります。
#59
○成瀬委員 いろいろ御意見を承りましたが、私は今日の農村の實情に照らしまして、專ら農地調整法によりましては、御承知の通りに農地のそれらの關係は、いわゆる農地の細分化を防ぎ、積極的に農地の集團化の方に進んでおるのでありまして、かような意味から小作あるいは自作、地主の間の移動を協力に統制いたしておるのであります。しかしながら遺産の相續の場合における、これらの細分を防止することとの途が開けておらない。從つて日本の農村を近代化するために、また集團化の目的をそこを基礎として建てなくてはならない。かような建前のもとにおきましては、第一條においてうたわれているところのこの考え方は、まことに當を得ているものと、私はかように考えるのであります。しかしながら、こういつたところの法律の二十箇條にわたるなかにおきましては、さいぜんから松澤委員も言われましたように、半ばいいが半ばわるいという點は、第三條におきましても、二人以上の者にその資産を歸屬せしめることができぬ。あるいは第八條の第二項第三項ということがうたわれておりまするが、これは要するに指定相續人の意思に基いてのみ、それが細分化されるか否やということが決定されるがとごくでありまして、かような點、また遺言等の點によつてのみ決定されるということは、はなはだ危險である。今日法律がいくらできましても、その法律の裏を潛りまして、かえつて社會に害悪を流す點が多々あるのでありまして、かような點からいたしまして、この法案の中に、なぜ町村の實態をよく知つている農地委員會の意見を聴するというようなことが附け加えられておらないのか、その點私は非常に不思議に考えているのでありますが、かような法律の裏を潛らないように、ほんとうに農地の集團化をはかりまして、健全なる近代農村を打建てるというような建前に、進んでいかなければならないと思います。時間の關係で簡單に申し上げますが、大體この法案に對するところの質疑應答は簡單でありまして、また問題が一部に局限されているという傾きはあるのでありますが、たくさんな法案の提出があるので、委員長において農林委員會の理事を含む小委員會を一つここにもつていただき、そしてそれに對する修正なり、その他の點をよく審議せられ、さらに本會議においてこれを決定するということにして、この程度で打切つていただきたい、かような點を要望する次第であります。
#60
○野溝委員長 清澤委員。
#61
○清澤委員 私は先ほどお伺いした分で、また了解に苦しむ點を、意見になるかもしれませんが、お伺いしたいと思います。どうも農政課長さんは、山村の情勢がよくおのみこみがないじやないかと思われます。山林の入曽權あるいは紙すきの副業とか、かごをつくるとか、その他いろいろの副業状態が、炭燒の副業等を混えまして、俗にいう農業經營という部内の中に加わつて、多角形農業の、世帯としては却つて副業だといわれる部分が主業になつておつて、農耕が從になつている場合が非常に多いのでありまして、やはりこれは離すことのできない。農業經營という、一つの農村部落を現實に形ずくつている状態なのであります。どれを副業としどれを主業とし得ない一つの業、かりに紙すきあるいは炭燒業などを除きますならば、これは決して一家独立した生計を營むことはできない現實が、日本の山間農村にはたくさん實在しているのであります。然るに入曽權はだめである、あるいは炭燒のもちます二十町歩というものはなるほど厖大のように見えますが、もしかりに炭材地をもつたとしますならば、これはそこの農業經營における一つの重要なる生計の基本になるのでありまして、こういうものをなしとしますならば、これは大變なことになると思うのであります。殊に入曽權のごときは一村全部が入曽權による權利を中心にして、数百の部落を形成しているというようなことの實例がたくさんあります。その際入曽權がだめだとなれば、その部落はおそらく雲散霧消してしまうような結果になりはしないかという考えをわれわれはもつのでありまして、この點は何かお間違い―お間違いと言うのははなはだ言い過ぎかもしれませんけれども、その點の何かお考え違いはないかと思いますので、今すぐ御返答を賜りたいとは申しませんが、これは十分ご研究の上、あらためてでも訂正していただけるものなら訂正していただいて、從つて、「これに附帯する事業」というあの文字の中、竝びに別表におきましては、これの克明な記載が必要なのじやないかと考えますので、はなはだ意見がましいことになりますけれども、ひとつお考えおきを願いたいと思うのであります。
#62
○野溝委員長 お諮りいたします。先ほど成瀬委員から、本案に關する進行上に對する意見がありました。理事會に付して、理事をもつて小委員會を構成し、本案の進行上に對する結論を得られんことを望むという趣旨に受取りました。これをお諮りいたします。
#63
○成瀬委員 趣旨が少し違つております。私は民法上の關係もありますから、理事の方も相當堪能な方もありますけれども、理事を含めたところの法律に明るい人を加えて小委員會をこしらえて審議していただきたい。かような意味なのです。
#64
○野溝委員長 ただいま成瀬委員の動議は、理事に加えるに法律に明るい委員をも加えて小委員をつくつて、本案に對する結論を得られんことを望むという趣旨でございます。
#65
○叶委員 議事進行について。そういう疑義があるならば、やはり農林常任委員が法律を勉強してきて、ここで審議すればよいと思うのです。大體議事進行についてでありますが、本農林常任委員會は、法案の審議もとより重大任務でありますけれども、現下の食糧事情等を考えますと、議會内の食糧對策委員會の顔ぶれ等から見まして、大體消費者代表が多いのであります。そういう點で、やはり深く國會議員の職責を全うするということになりまするならば、現在の食糧行政一般につきましても、當農林委員會はやはり相当猛烈なる活動を展開しなければならぬと思う。當局もとよりそうであると思うのです。こういう意味におきまして、當委員會において何日間か質問をやり、またこれを付託するに理事、小委員をもつてやるということは、屋上屋を架するようなことでありまして、これは最後としてはうまくいくかもしれませんが、われわれの観測から言いますれば、これはやはり小田原評議に終ると思うのです。こういう點につきまして、大體農林省から出されておる法案の審議に當りましては、やはり重點的に、一つ一つ片づけるものは片づけていく、問題があるものは問題があるものとして、やはりこれを理事會の交渉に移していく、こういうふうに快刀快刀乱麻を断つがごとく議事進行をやらなければ、重大なる食糧事項に携わるわれわれ農林委員會が、單なるおしやべりの委員會に終ると思うのです。はなはだ失禮な言い分かもしれませんが。大體そういう點につきまして、理事會に任せることは理事會に任せる。法律的な疑義があるならばお互いに研究して、討議を盡すなら盡す、質問を盡すなら盡す、こういうことにしないと、これはいつまで經つても片づかぬと思います。そういう點につきまして、委員長のお考えもいろいろおありのことだと思いますが、聞くところによりますと、あす五時から理事會が開かれるそうであります。そこでひとつ成瀬委員の御意向も十分斟酌をして、一應ここで全體にわたつて、われわれの根本方針についてお互いに話合つて、大體その方針によつてやつていく。こういうふうにしてもらうために、一應それは保留していただきたいと私は考えます。
#66
○成瀬委員 ここに列席はしておりませんけれども、私は、この法案につきましては、司法關係の委員とも連合委員會をもつて、そうしてそれをもつて一つ最後決定していきたい。こういうことを耳にいたしておりましたので、そういうことがもしありとすれば、本農林委員會の權威にかかわる。從つてこういうような悪例をこしらえてはならないというような老婆心もありまして、今言つたような提案をいたしましたが、大體叶委員その他の御説にも同感でありますので、一應私の提案を取消して善處方をお願いいたします。
#67
○野溝委員長 この際お諮りします。本委員會に付託された議案については、本委員會が當然責任のあることは言うまでもありません。ただ問題は、各委員からのいろいろ御意見を聴きますと、非常に民法上との關係もありますし、かような點において相當論議がし盡されましたので、委員長といたしましては、慎重を期する意味におきまして、ただいまの成瀬委員の動議を一應各委員にお諮りをしたのでございます。よつて、明日理事會が開かれますので、その際本案の取扱い方について一應檢討善處することにいたします。
 本日はこれにて散會いたします。
   午後三時四十七分散會
ソース: 国立国会図書館
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