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1947/09/27 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第25号
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1947/09/27 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第25号

#1
第001回国会 農林委員会 第25号
昭和二十二年九月二十七日(土曜日)
    午前十一時一分開議
 出席委員
   委員長 野溝  勝君
   理事 叶   凸君 理事 清澤 俊英君
   理事 鈴木 強平君 理事 寺島隆太郎君
   理事 岩本 信行君 理事 大石 倫治君
   理事 萩原 壽雄君 理事 北  二郎君
      佐竹 新市君    永井勝次郎君
      成瀬喜五郎君    野上 健次君
      平工 喜市君    細野三千雄君
      松澤  一君    水野 實郎君
      小林 運美君    佐々木秀世君
      関根 久藏君    圖司 安正君
      寺本  齋君    中垣 國男君
      堀川 恭平君    八木 一郎君
      重富  卓君    田口助太郎君
      松野 頼三君    森 幸太郎君
      坪井 亀藏君   的場金右衞門君
      中村元治郎君    山口 武秀君
 出席政府委員
        農林政務次官  井上 良次君
        農林事務官   山添 利作君
 委員外の出席者
        農林事務官   小倉 武一君
        農林事務官   中野 和仁君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 農業資産相続特例法案(内閣送付)(豫第一一
 一號)
 臨時農業生産調整法案(内閣提出)(第五五
 號)
    ―――――――――――――
#2
○野溝委員長 これより會議を開きます。
 お諮りいたします。質疑にはいる前に新たに専門調査委員となられました岩隈君を御紹介します。同君は満鐵調査部参事として数年勤務されておりまして、農村問題中特に土地問題に對する著述も相當ありまして、農村に對しましての見識をもつておる人であります。專門委員として採用いたすことになりましたので、この際御了承願います。
 次に付託された議案といたしまして農業資産相續特例法案、臨時農業生産調整法案、農地開發營團の行う農地開設事業を政府において引き継いだ場合の措置に関する法律案、右三案が本委員會に付託されておるのでございますが、そのうち農地開發營團の行う法律案につきましては、これは關係方面との打合せが完了しておりませんのでしばらく延期をしてくれという申出がありましたから、本日は御審議を延期してもらうことにいたしたいと思います。
 次にあと残つた二つの議案についてこれから御審議を願うことにいたしたいと思います。なお第一の農業資産相続特例法案につきましては、質疑も相當出盡したと思いますので、本日大體質疑を打切りたいと思いますので、御質問のある方は御質疑を願いたい。かように思つております。審議の都合上先に農業資産相續特例法案から審議にはいることにいたします。
#3
○清澤委員 きようはさいわいでありますが、きのうの御返事をひとつ農政課長からお伺いしておきたいと思います。昨日ごたごたしたので……。
#4
○小倉説明員 この前のときの御意見は、林業、特に薪炭の生産業でありますとか、あるいは山村のその他の副業、または農村の副業などもこの資産相續特例法の適用があるようにしたらどうかという御意見であつたと思いますけれども、このたびの特例法案におきましては、主として農地、それに關係しますところの農業という部面に限つておりますので、お話のように廣くすることにはなつておらないのでありますけれども、この點につきましては、今後この法律の運用などを見た上で研究をしなければならぬように考えております。さしあたりこの法律を提案しましたわけは、現在行われております農地開發の關係もございまして、とりあえず狭い意味の農業について、かような特例法を提案した次第であります。
#5
○清澤委員 農業資産相續特例法案の質問は大體終了しておると思いますので、この邊で打切つて、次の議題であります臨時農業生産調整法案の審議に移られんことを提議いたします。
#6
○岩本委員 この時價という問題ですが、たとえば農地ならばただいま行われている農地調整法のおよそ示しておる價格というものを時價とみるというようにみられると存じますが、牛とか馬とか農機具、そういうものの時價の算定はどういう見方で扱われるつもりであるか、たとえば公定もない、あつても實際問題の時價としては、十倍もしておる。そういうものの算定方法はどういうふうに扱う方針であるかということをひとつ伺いたい。
#7
○山添政府委員 公定價格のありますものは公定價格、公定價格のありませんものはその地方における取引價格が時價であります。しかし牛や馬のごとく数萬圓もしておるという場合におきましては、農業經營の収益を基準にして評價をするという一方の規定でございますので、そういう全體の観點から補正をいたして、農業資産の全體の價格、こういう考えてあります。
#8
○岩本委員 そうすると、その算定のしかたについては、權利のある兄弟、母等において協議をする、それでそれがまとまらぬ場合は、やはりその時價の算定についても裁判所の裁定を受ける、こういうことになるわけですか。
#9
○山添政府委員 その通りであります。法律にも時價そのものをきめるとは書いてございませんけれども、農業資産を相続した人が他の兄弟にある金を支拂うというような場合、當然その評價が基礎になるので、ただいまお述べになりましたようなことになるわけであります。
#10
○岩本委員 その場合に、この法律によりますと、裁判所はその土地の農地委員の意向を聴くとありますが、意向を聴くということは、たとえば農地委員が五人あると、その五人ことごとくへ聴くわけですか。それとも都合上をもつてどれから聴いてもよいということなのですか。
#11
○山添政府委員 裁判所で適當と認める人の意見を聴くわけであります。人数の制限はございません。
#12
○野溝委員長 お諮りいたします。ただいま清澤委員より議事進行上に関する動議がありました。農業資産相續特例法案は大體審議もし盡されたと思うので、質疑はこれにて打切つて、次の議題にはいられんことを望むという要旨に思いました。これをお諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり。〕
#13
○野溝委員長 それではさように決定いたします。
#14
○野溝委員長 次に臨時農業生産調整法案に關して質疑にはいることにいたします。
#15
○清澤委員 ちよつとお伺いします。この調整法の附属法とも見られます、本年八月二十六日閣議決定で定められたというので、ただいま変等の割當が町村へまいつておるようでありますが、この決定は法律的に見ましてどういう効力をもちますか。かりに拒否しました場合に、もちろん調整法はまだ出ておりませんので、定められた罰則等はこれを適用せらるべきものじやないと思いますし、同時に、非常に強力な統制は閣議決定ではできないのだと考えますが、その邊の御見解を一應お聴きしておきたいと思います。
#16
○山添政府委員 來年の七月に供出していただきます変につきましては、これは事前割當の制度によりたいという考えをもちまして、この十一月ごろには麥につきましても、多分―この法律の御制定を願えますといたしますれば、この法律に基いての供出割當をいたすわけであります。その前の準備といたしまして、生産面積等の割當をいたしておきませんとできませんので、そういう趣旨でこの法律に準じて、行政上の措置として割當をいたしておるのであります。従つてもとより罰則等のことはございませんのであります。
#17
○清澤委員 これは私どもの地方では、雪害地の麥の割當というものは、戦時中非常に重要な問題になつておりましたので、この要綱でまいりますと、どうも異議の申立等ができぬようなことがある。その異議の申立をしまする場合に、代替耕作などを申立てたならばこれはお取上げになるのかどうか、その點をひとつお聴きしておきたいと思います。
#18
○山添政府委員 面積に關する異議については、この全體の計畫といたしましても、たとえば麥について百六十萬町歩前後というような普通の数字でありまして、戦時中百七十萬町歩やつた、こういようなはなはだしく無理なことはいたしておりませんのでありまして、もとより新潟地方等に風雪等がありまして、せつかくまいても消えてしまうのではないか、こういうようなところに戰時中のような無理なものはかけておりません。よく知事さんと相談をいたしておるのであります。面積のことでございますから、これを一々農業者の方で異議があるということを言われましても、國の計畫としても困るわけであります。もつとも縣の何かの間違いで、その人が五段歩しか田畑をもつていないのに、五段歩の麥がいつた、こういうような場合は別でありますけれども、原則的には面積については異議を受けるような無理な割當等はいたしておらぬ、こういうようなわけであります。
#19
○清澤委員 實際問題といたしまして麥はまつたくごめんだ、そういうので、むしろじやがいもなどを麥の代りにつくる方が効力がある、こういうことを言うておりますので、面積の問題ではなく、氣候の問題で、また試作だけならば、試作であるからこういう補助も出す、品種も變つておるのだからつくれ、こういうような趣旨なら別だと思いますけれども、そうではなく、やはり面積はどうあろうとも、どうしてもだめだというものを無理につくらせる。こういうかつこうになりましたならば、ここに非常に生産意欲の減退を來し、従つて政府に對する不信の態度は濃厚になつてくるということで、相對的に見ますならば非常な増産上の損害がここに生ずるのではないか、こう思いまするとき、こういうことはいま少し自主的な農民の生産計畫を基礎として割當てられることが至當ではないかと思いますのに、要綱でもつて思いがけないものがきておりますので、実際今私どもの方としては一つの混乱を來しておる、こういう状態になつておりますが、そういう場合の手續として、知事の方へ代替作の異議ができるようにしていただけないものでしようか。
#20
○山添政府委員 これは法律の上から見まして異議の申立を認めておるわけでありまして、その農業計畫なるものは、もとより合理的に全體的な生産を増す、特に食糧生産を増すというところにおくのでありまして、理論といたしましてはただいまお述べになつた通りでありますが、また實際問題といたしまして、あるいは農家の方で、主観的には他のものをつくりたいという考え方をもつておる人があるかもしれません。しかしながら今の食糧事情といたしましては、やはり主用食糧に相當の重點ををおかなければならぬという時代でございますので、原則といたしましては農林省と府縣廳で相談をし、また府縣におきましてはこれを食糧調整委員の方と御相談をして郡にいつて、郡ではまた食糧委員の方の御相談によつて市町村にいつておるという次第でありまして、この面積につきましては、はなはだしく無理があるというふうには思つておらないのであります。また客観的に見ましても、そういうふうにはいたしておらないのでありますので、やはり面積といたしましては、農家の主観的な感じからいたしますれば、いろいろな事情があるといたしましても、原則論としては指示に従つて作付をしてもらう、こういう建前でいつてもらいたいということを希望いたしておるのであります。
#21
○松澤(一)委員 最近農業調整委員の選挙が行われたが、それはどういう法律でできたのでありますか。
#22
○山添政府委員 食糧管理法の施行規則に食糧調整委員の制度がありまして、そうしてその食糧調整委員の相談によつて部落別割當をする、こういう規定があるわけであります。法律ではございませんが、食糧管理法の施行規則に基いております。それに對して先般一斉に改選を行つたのであります。
#23
○松澤(一)委員 そうするとこの法とその法とはどういう關係をもつておりますか。
#24
○山添政府委員 この法律が制定になりますならば、この法律によつて新しく農業調整委員の選挙を行うわけでありますが、當面の問題といたしまして、今割當の実施中という時期で、今選挙をするのは適當でない。そこで本格的なこの法律に基くところの農業調整委員會は、ただいまのところ來年三月ごろに選挙をする。それまでは食糧管理法の施行規則に基くところの食糧調整委員會にこの法律によるところの農業調整委員の仕事を代行してもらおう、こういうことでありまして、それに關する規定をこの法律の附則に設けておるわけであります。
#25
○松澤(一)委員 附則が設けてあつても、もしこの法律が通過しなかつたら一體どうなりますか。
#26
○山添政府委員 通過をいたしませんければ、ただいま政府の企画いたしておりますところは全面的に御破算になるわけであります。
#27
○松澤(一)委員 この調整法が相當今後の供出に重大な關連性をもつ法律であるにかかわらず、議會の人すらもこれを知らなくて、法案が提出されておるのに、この審議を早めなくて、しかも議會中に啓蒙運動も十分徹底していないのに、全國的にそういう選挙を行うということは、私はこの法律を出す上からも政府の不注意ではないかと思うが、この見解はどうですか。
#28
○山添政府委員 食糧調整委員の改選につきましては、もとよりこの法律に引續いての關連のあることではありますけれども、あの改選を行いましたのは、この法律を豫定してそれをどうするということではなくして、直接の目的は、この秋における米の割當等についての公正を期し、また農民諸君の協力を得るために、新しく一新した方がよろしいという必要に基きましての改選でありまして、改選された結果のものは、この法律ができましてもしばらくの間は代行してもらうようにしようじやないか、この法律に關するところは、できたものを受け繼ぐというかつこうでありまして、この法律を前提としてあちらの方を改選した、こういう關係にはなつておりませんのであります。
#29
○松澤(一)委員 私はそこがどうもしつくりいかないのであります。しかも偶然にもこの法律に準じて、ほとんど違いない選挙をやり、方法をやつている。それをこの法律とは關係なくやつているということには私は納得ができない。従つてこの法律が正式に議會を通過して施行されたら、改選をし直すかどうか、それをひとつ承りたいと思います。
#30
○山添政府委員 先ほど申しましたように、この秋における供出に備えての食糧調整委員會の改選であります。しかして改選をするについては、全體的にこの農業生産調整法の趣旨に準じてやることが適當であるから、これに準じてやつてもらう。こういうことにいたしたのでありまして、おのずから順序といたしましては、私が申しているようなことに考えているのであります。さてこの法律ができましたならば、今の食糧調整委員會は適當な時期に、なるべく早い時期にこの法律に基いて新しい委員會に切替えらるべきである。しかしながら引續いてこの供出ということは、ずつとこの秋中の問題でありますので、一應この秋における供出が一通り終りますまで、今の食糧調整委員會に、かりにこの法律が通りましても、この法律によるところの仕事は代行してもらおうじやないか。一面また選擧々々とぶつ續けにやつているのも、農繁期にいかがだろうという考慮に基いて、この法律によるところの選挙は來年の三月頃にいたしたい。こういうもくろみをもつております。
#31
○松澤(一)委員 それでは政府はこの法律が出れば來年の三月にこれを改選し直すという意見がありますか。
#32
○山添政府委員 そういうつもりであります。
#33
○松澤(一)委員 三月必ずやると承つてよろしいのですか。
#34
○山添政府委員 その通りであります。
#35
○松澤(一)委員 十二條の三項というのはどの項に當るか。
#36
○山添政府委員 讀みます。「委員は、農業者で選挙権を有するものが被選挙権を有する者に就き選挙した者十五人を以てこれに充てる」。
#37
○松澤(一)委員 この法律のできる前に、かつての作付統制令が撤發になつて農村では主要食糧、供出の對象になる作物をつくることを大農が避けて、なるべく収益の多い果樹やその他に轉換をする傾向をもつてきたのでありますが、作付統制令撤發以來これを取締る。あるいはそれを制約することはでき得なかつたのであります。作付統制令というようならものではないが、そういう傾向を帯びた法律を出すということを言つていたが、この生産調整法がその役目を果すのかどうか。都道府縣知事が重要作物と稱するのは一體どういう作物か、もちろん主要食糧と思いまするが、その他にも重要作物というものがあるかどうか、承つておきたい。
#38
○山添政府委員 戦争中の作付統制と違います點は、戦争中におきましては、なんと申しましても主要食糧一點張りで、いわゆる集中生産、この頃の言葉で言うと傾斜生産、それに極端に重きをおきましたのであります。この農業生産調整法におきましては、全體的に生産を増加さしていく、合理的な生産の発達をはかつていく、こういうことを主眼にいたしております。もとよりそう申しましても、主要食糧すなわち國民食糧の確保が眼目であることは申すまでもありませんが、そこに戦争中の集中生産と現在では多少―むしろ戦争中極端にいきました集中生産をある程度もどそうじやないか、こういうので、よほどそこに考え方と実際の事情との相違がございます。なお作付統制にありました不急作物の統制ということにつきましては、この法律におきましてもその規定は設けております。しかしながら具體的に何を考えておるかと言われれば、甘蔗程度以外のものは私ども考えておりません。それからこの法律の對象となります重要農産物、これは當面の實行問題としては主要食糧であります。しかし法律の建前といたしましては、その他の重要なる輸出農産物等で供出制度の伴うもの、こういうものにまで必要があれば及んでいく。但しこの法律は臨時立法でありまして、昭和二十四年の三月末日に終る。それからまた短かい期間ずつ國會の議決によつて延長されることになつておりますが、法律の目的としては、廣く運用する必要があれば廣く及び得る。こういうことになつております。
#39
○小林(運)委員 ちよつと關連質問がありますから……ただいま農政局長のお話の中に、重要な農産物として輸出のものがあればこれも加えるというようなお話がありましたが、養蟲のようなものもこれに該當するものかどうか。
#40
○山添政府委員 ただいま對象として實際に作付割當またそれと同時に供出割當をしようというのは主要食糧に限つておるのでありまして、理論の問題として、必要があれば他の繭等に及び得ると、法律の形としてはこういうことを申上げたのであります。
#41
○松澤(一)委員 最近農村の傾向が主要食糧から果樹、蔬菜等に轉換しておることは、政府當局も御存じだと思います。しかし食糧が足りぬからといつて、これを制御すべき何ものもありませんので、各農村では米麥中心の農業經營がだんだん果樹などに轉換していく傾向をもつております。そういうことをどの程度村の調整委員會なり縣の調整委員會なりがこれを制約していくか。これに對する罰則があるのか、あるいはこれをどういうふうに主要食糧、いわゆる主要農産物を作つけるようなことをしていくか。また農民が勝手氣ままに、自由奔放に、自分の好む作物を植えても、どういう方法でそれを押えていくかという點を、詳細に御説明願いたいと思います。
#42
○山添政府委員 主要食糧の作付割當をいたしますのにつきましては、本來頭の中で総合作付計畫の中での主要食糧については、この法律の定める手續によつて、末端の農家まで具體的に割當をするということになるわけであります。それ以外の具體的な割當をされないものにつきましては、指導奨励という形で、たとえば菜種というような特産物が奨励されるわけであります。その他の不急作物と申しますれば、先ほど申しますように、現実の問題として今この法律によつて規制した方がいいのではないかと思われるのは甘蔗程度で、果樹等のごときこれを整理しようというような考えはもちろんもつておりません。それでは具體的に、面積以外に全體の生産を進めるのについてどういう措置をとるかということにつきましては、面積の割當をいたしますと同時に、資材もまた裏づけをする。資材と申しますれば代表的なものは肥料がありまするが、この肥料につきましては、主要食糧竝びに輸出農産物を重點にし、果樹等ははなはだ少いことになつておるわけであります。そこにおのずから作物の重要度についての配給順位をきめております。そこで全體の耕地の面積はきまつており、またその中での合理的な割合といたしまして、また國家的必要な面積として主要作物の割當がされる。その残りの面積については、綜合作付の見地に基いた、それぞれ主要なる農産物の作付が將勵をされる。果樹のごときは概ね現状維持で、しかしてその肥料の割當等は順位が下である。こういう関係になつておるわけであります。
#43
○松澤(一)委員 面積に割當てると言うたが、その面積がどういう面積の廣さということでなくして、その面積にどういう作物を植つけるか、どういうことをするのでありますか。
#44
○山添政府委員 この割當制度は面積、生産豫定数量、竝びに供出数量、これらのものを一連の計畫として同時に割當をするということになつております。
#45
○松澤(一)委員 今の質問は私は愚にもつかぬような質問を申し上げたのでありますが、實はこの立法に對してわれわれは相當の關心をもつているのですが、一體農政局長の答辯はなつていないじやありませんか。ただ面積に作物を割りつけるというような無定見なことは、農民こそ迷惑で、たとえばこの調査においては、調整委員が一等調査まで行つて、そうしてその内容は地方その他の調査を行つて、これには米麥が適地である、これには米麥ではとうていだめだから、別の自由な作物を植えてもいい、こういうことが決定されて、初めてその土地に米をいくらつくれ、何をいくらつくれということが發せられなければならぬと思う。ただその村に十町歩の土地があるから、その中の八町歩を米にして、あとの二町を自由作物にしようというようなお考えの御答辯であるならば、それこそ内容を究めずして、ただ法律をつくるだけのことで、何の效果もない法律になつてしまう。そこを私は聴こうとしている。少くとも殊に果樹園に對する現状維持というようなお考えをもつていて、こういう法律を出すのは何が一體目的かという結論を、私は聴いておきたいと思うのであります。何の目的でこの法律を出したのか、私には私の見解があるし、またこの立法に對して重大な關心をもつているので、考え方をもつておりますが、政府というか、農政局長はどういうお考えでこういう法律を出すのか。
#46
○山添政府委員 ただいま松澤さんのお話でございますが、もとよりお述べになりましたような趣旨をもちまして、もつとも合理的な生産割當をいたすわけであります。それはひとり面積のみならず、その地方等に應ずるところの生産数量、これらのものを勘案して計畫を立てるのでありまして、これは法律の法條にもちやんと明記をいたしているところであります。もとよりこまかく申しますれば、私が申しましたのは、ごく大體論として、先ほど申したようなことを申したのでありまして、全體の國の計畫は、従來の實績その他府縣々々の事情に應じて適當なる割當をして、それがだんだん農民に末端に行けば行くほど具體的な事情に應じたところの割當をされる。そういう機構をとつているわけであります。その點につきましては松澤さんのお述べなりましたことと同様に私どもも考えているということを明らかにいたしておきます。
 次に全體のこの法律を立案するについての考えについての御質問でありますが、これについては先ほど申しますごとくに、主要食糧の確保増産を眼目といたして、これを總合的なと申しますか、最も合理的な農業生産を發展せしめるという見地、そういう基礎のもとでやつていきたい。そこで極端な集中生産、戰時中のごとき無理に無理を重ねるというような集中生産はこれをしない。適地適作、竝びに先ほども新潟縣の麥のことについてのお話がありましたが、ああいうふうな事情を十分考慮し、また家畜の飼料等について、特異作物等もある程度つくつていかなければならぬというようなことを頭において、全體的な農業の生産力を殖やしつつ、その中で主要食糧の生産の増加をはかつていきたい。そういうことを根本として今の困難なる供出の問題、食糧の問題を、増産を奨めつつその基礎の上に解決いたしていきたい、これが第一であります。
 第二の點は、何といつてもこの供出が、公正かつ圓滑に行われることが必要でありまして、そのためにはこの法律についてよく御存じでありまするから、くどくど申し上げる必要はございませんが、事前割當の制度をとつている。その事前割當の制度ということが、すなわちいろいろの要素を考慮して生産割當をいたすのでありますから、そこに最も合理的に行われ、かつ農民の人にはとつてみればそこに責任を負擔しますと同時に、また責任の限界を設ける。そして事前割當以上の政府に對する賣渡しにつきましては、これを追加割當の形によらないで、一應農民の自由處分に委ねつつ、政府は特別の價格竝びに報償物資をもつていくと同時に、この食糧事情に對する農民の協力ということによつて、これを政府の集荷に入れてもらう、こういう建前をとつておるのであります。こういつたような事柄をこの法案の根本精神といたしておるのであります。
#47
○松澤(一)委員 どうも局長さんの御答辯では、非常にこの法案が微温的だと思いますが、御承知のように、私が言うまでもなく、供出を對象とするためにこの立法がでてきたとすれば、言わなくても主要食糧を中心としての今後の作付を考えなければならぬ。戦争中の集中生産みたような、いもにも米にも適しないような所に、なんでもかんでも食糧をつくれということは、もちろん今日では非常識きわまることでありますが、今局長さんの言われたような適地適作という言葉が使われている限り、私は適地には適作を奨励する、適作物つくらせるという方針のもとに、この法案ができたのか、それとも総合生産とおつしやられて、世の中には菜つ葉も果樹も食糧もなければならぬ。こういう微温的な考えでこの法律を出すのか。御承知の通り食糧事情はだんだん悪くなつてきて、そうして食糧の供出に對しても、相當強力な手段が行われてくると思つておりますだけに、適地適作という場合に、米や麥が當然よくできる土地へは米や麥をつくらせる。いわゆる主要食糧をつくらせるといういとが、強くこの菜かにうたわれなければ、この立法は何の效果もないと私は思う。従つて今言う総合作付とは、一切の農作物を言うのだという総合作付か、それともこの立法は供出を中心としておる立法であるだけに、主要食糧を中心とした立法になつていくか。その點がどうも微温的だと私は思つておるので、もう一遍御説明願いたいと思います。
#48
○山添政府委員 主要食糧が重點であることは申すまでもないのでありまして、この法律の立案の趣旨は、主要食糧の供出制度を改善し、かつその増産をはかつていきたいというところにあるわけであります。その方法といたしまして、何でもかんでも面積を殖やすことは、かえつて全體の農業の生産をあげていくゆえんでない。そこで、最も能率のいい形において、主要食糧を眼目にして農業生産の増加をはかつていきたいということでありまして、これは言葉の言い方等でいろいろあるかもしれませんが、観念竝びに重點の置きどころにつきましては、松澤委員のおつしやつておるところと、私どもの考えておるところとは、何ら變りはないと考えておるのであります。
#49
○野溝委員長 では、本案に對する午前中の質疑はこの程度で打切ることにいたします。
#50
○野溝委員長 この際理事會の報告を叶委員から願うことにいたします。
#51
○叶委員 昨日の午前に開かれました理事會は、委員各位のいろいろの都合で、北委員、萩原委員と私とそこへ委員長が加わりまして、懇談の形で、理事會の懇談會を開きました。夕刻五時半から理事會をまた開きまして、その出席者は清澤委員を除く全員の出席をみまして、そこへ政府委員の井上政務次官と委員長の出席を得まして、いろいろと法案の審議その他につきまして一つの結論を得たわけであります。御報告をいたしたいと存じます。
 大體懇談會の席上及び理事會におきまして、法案を效果的に審議を續行し、重要な法案につきましては、いろいろと質問、討議も十分に鬪わす、こういうような意見が出まして、殊に懇談會の席上におきまして、當農林委員會といたしましては、米價の問題であるとか、あるいは災害地、非災害地の供出の問題等々にわたります、食糧問題全般にわたり機動性のあります緊急なる問題をも、つとめて取上げることを要する。こういう意見が大體出ておつたような次第であります。法案につきましては、現在御存じのごとく、食糧品配給公團法案、油糧配給公團法案、飼料配給公團法案、この三案につきましては、政府各關係官廳におきましても、なお協議があるそうでごおきざいまして、現在國會におきましても、なお一層折衝を要しまするので、しばらくこれをおくといたしまして、現在農業協同組合法案、農業協同組合法の制定に伴う農業團體の整理等に關する法立案、これは質疑が一應打切られているわけでございますが、農業協同組合法案第九條に關係します請願書等が出ておりまするので、これを十月二日に請願を含め、審議をいたしまして、十月三日木曜日にこれを大體討論に移していく。こういうふうにたいたしいと結論づけられたわけであります。
 そのほか農業資産相続特例法案、これは現在審議中で、次に薪炭需給調節特別會計法を改正する法立案、未利用地公作利用臨時措置法案、これが提出いたされておりまするが、未説明でございまして、前者は大蔵省、後者は安本から提出を見ておるわけでございます。これはしばらく取扱を後回しにいたしまして、臨時農業生産調整法案は説明を得ておるわけでございます。なお別の法案で農地開發營團の行う農地開発事業を政府において引繼いだ場合の措置に關する法律案の説明を得て、これを先に審議いたしまして、次に先ほど申し上げました臨時農業生産調整法案を審議に移していく、こういうふうな結論を得ておる次第であります。ほかに法案といたしましては農地調整法の一部を改正する法律案、農業災害の補償法に関するものがあるわけでございますが、これはその後に審議に移
していこう、大體こういうふうな結論を得ておるわけでございます。いろいろ問題になりまする法案につきましては、十分審議を闘わす必要があるがその他の法案につきましては、效果的にこれを審議していこうということに理事會は一つの結論に到達したわけであります。今申し上げたのに多少修正を要すると思いますが、大體そういうふうなことでございましたので、ここに一括御報告申し上げる次第であります。
#52
○野溝委員長 ただいま叶理事の理事會の御報告がありましたように、理事會の申合せによりまして、打合せが済み次第直ちに上程いたしまして御審議を願うことにいたしたいと思います。大體以上理事會の御報告の御承認を願います。
 では午前中はこの程度で休憩いたします。
    午後零時四分休憩
 休憩後は會議を開くに至らなかつた。
ソース: 国立国会図書館
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