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1947/10/15 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第33号
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1947/10/15 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第33号

#1
第001回国会 農林委員会 第33号
昭和二十二年十月十五日(水曜日)
    午前十時十一分開議
 出席委員
   委員長 野溝  勝君
   理事 叶   凸君 理事 寺島隆太郎君
   理事 岩本 信行君 理事 萩原 壽雄君
   理事 北  二郎君
      大島 義晴君    佐竹 新市君
      田中 健吉君    永井勝次郎君
      成瀬喜五郎君    野上 健次君
      細野三千雄君   小野瀬忠兵衞君
      小林 運美君    佐々木秀世君
      関根 久藏君    圖司 安正君
      寺本  齋君    中垣 國男君
      中島 茂喜君    堀川 恭平君
      八木 一郎君    小川原政信君
      野原 正勝君    松野 頼三君
      森 幸太郎君   的場金右衞門君
      中村元治郎君    山口 武秀君
 出席國務大臣
        内閣總理大臣  片山  哲君
        農 林 大 臣 平野 力三君
 出席政府委員
        大藏事務官   河野 通一君
        農林政務次官  井上 良次君
        運輸事務官   加賀山元雄君
 委員外の出席者
        農林事務官   安孫子藤吉君
        運輸事務官   森田 義衞君
        運輸事務官   權田 良彦君
        專門調査員   片山 徳次君
        專門調査員   岩隈  博君
    ―――――――――――――
十月十四日
 別府市に對する自作農創設特別措置法の實施延
 期に關する請願(宇都宮則綱君外四名紹介)(
 第八五四號)
 熱海地區を農地法より除外の請願(神田博君外
 十一名紹介)(第八六六號)
 群馬縣下の森林治水竝びに災害防止林造成事業
 擴充施行の請願(生方大吉君外一名紹介)(第
 八九〇號)
 砂防行政を農林省に一元移管の請願(鈴木強平
 君外一名紹介)(第八九一號)
の審査を本委員會に付託された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 薪炭需給調節特別會計法を改定する法律案(内
 閣提出)(第四九〇號)
 米價問題に關する件
    ―――――――――――――
#2
○野溝委員長 それでは會議を開きます。
 本日課題となつております薪炭需給調節特別會計法の質疑を斷續いたします。質疑通告は一人しかありませんので、通告者の永井委員にこれを許します。永井委員。
#3
○永井委員 本委員會から選ばれまして、林業對策小委員會をもちまして、第六囘の囘議を重ねて本問題の檢討を今日まで續けてきたわけであります。薪炭につきましては、大分以前から需給の調整が十分に圓滑にいきませんで、非常に困難なる實情にあつたのでありますが、水害後さらにこれが惡化して、冬を控えまして今日非常な危機の状態に突入しておるのであります。從つて急速に方途を講じまして、主要消費都市における家庭燃料の必需量の最低限度を確保するという方途を講じませんければ、食糧に次いで燃料問題は重大なる事態を惹起する情勢にあるわけであります。そこで源氏の状態のままで推移いたしますならば、主要消費都市における今冬の、すなわち第三・四半期十月から十二月に至るこの期間の配給推定計畫はどのくらいになるかというと、東京におきましては〇・三七、神奈川におきましては〇・五〇、愛知縣におきましては〇・七七、京都においては〇・八一、大阪においては〇・九五、兵庫においては〇・九九、埼玉においては〇・二二、福岡においては〇・八〇、薪においては東京が二束二分、神奈川が一束九分、愛知が四束八分、京都が三束九分、大阪が三束九分、兵庫が四束三分、埼玉が二束、福岡が四束一分というような非常な急迫した状態にあるわけでありますから、これらの消費都市におきましては、單に薪炭燃料というだけでなくして、電氣、ガス、煉炭等との總合配給を確立し、その不足分についてはどうしても薪炭に依存しなければならぬものでありますから、その最低必需量を確保するために、薪炭の面における需給の急速なる、緊急なる對策を確立しなければならないという今日の段階にあると思うのであります。
 そこで、それならば急速にこれを充足する給源はどのくらいあるかと言えば木炭におきましては、生産地において驛頭及び山元に滯貨が百十四萬五千餘トン、薪において百九十二萬五千餘の總積石の薪があるのでありますから、これを急速に生産地から消費地へ結びつけて、この冬の突破を策するよりほかに緊急對策としてはないのであります。この生産地に滯貨しておるところの、これらのものを急速に消費地へ結びつけますためには、第一に輸送の問題、第二には金融の問題、この二つの問題が重點になるわけであります。輸送につきましては、小委員會においてもしばしば當局に強要いたしまして、食糧供出等との競合が起つてくるのであるから、今の時期において計畫的に薪炭をはこばなかつたならば、とうてい運び切れないであろうということを言つてたのでありまするが、そのことが十分に計畫に實行されないうちに水害というような事態が起つて、今日相當困難なる状態にあるわけでありますが、燃料の問題が今日のごとく危機の状態にありますので、これは國策として計畫を急速に立てて、そうして生産地にある薪炭の輸送に重點をおくようにしなければならないと思うのであります。そのためには東北地方あるいは長野縣、その他の生産地からの薪炭輸送の特別貨物列車を増發して、そうしてこれの一掃をはかる。あるいは東北地方からは、機帆船その他によつてこれを運ぶ。あるいは北海道にあるところの木炭の滯貨については、船舶を利用いたしまして、急速にこれを運ぶ方法を講ずる、こういう方途を講じなければならないと思うのであります。また金融の面でありますが、これだけの滯貨があるにもかかわらず、政府はこれを買い取る資金がないということで、すべて生産者の負擔においてこれがストツクされておる状態であり、そのことがひいては生産意欲を減退し、生産者の金融梗塞から動きがとれないというような状態になつておるわけであります。從つてこれが金融をつけるために、生産者が地元において横流しをしたりなどして、一時的なしのぎをつけなければならぬというような現状にあるのでありますから、これは急速に必要だけの金を政府が金融をつけて、一括にこれを買い取つて資金が生産者に吸収されるのでありますから、それがさらに再生産的な生産の面に活動して、次に續いてくるところの生産を確保するということになるのでありまして、一石二鳥、三鳥の役割を勤めるわけでありますから、急速にこれらのことは運んでいただかなければならない、こういう結論に達してきたわけであります。從つて、さしあたつては輸送力を計畫的に強化して、滯貨を急速に一掃する。そうして生産地にある現物は、大體四億か五億の金があれば解決がつくと思うのでありますから、これを急速に買取る。こういう二つの重點的な方途によりまして、この危機を突破する方策を確立しなければならないと思うのであります。小委員會といたしましては、大體そういう結論に達しているわけでありまして、これらに對してその他薪炭の生産につきましては、あるいは食糧の問題、原木の問題、統制方式の問題、あるいは價格の問題等たくさんあるわけでありますが、ここでは緊急に第三・四半期の家庭燃料を確保するという課題のもとに、これだけのことは急速にやらなければいけない。こう考えているわけであります。これらにつきましては、どうか委員各位におかれましても、この審議しました經過の實情を御了承いただくとともに、政府においてはこれらの結論に對してどういうお考えをもち、またそれが具體的にどの程度の實現可能性があるのか、また家庭燃料解決の問題をどのうに政府は考えておるのであるかという點を、ひとつお尋ねいたしたいと思うのであります。
#4
○井上政府委員 今永井さんから、詳細にわたりまして本年の燃料事業、特に十月から來年の三月に至る冬季間の燃料對策について非常な御調査に基く御意見を拜聽いたしたのでありますが、政府といたしましても、この冬季間の燃料對策に對しましては、食糧問題に匹敵する重大な、國民生活の上に與える影響の大きいことを考えまして、かねて関係各省の御協力を求め、これに對する具體的な對策を進めておるわけでございますが。すでに御存じのように薪炭林の木炭生産の現状及び薪の生産の状況、またこれにタイ・アツプする食糧の問題、あるいはまた資金の問題、そうして生産されたものの消費地への輸送、これらの問題をどう合理的に解決するか。ここでいろいろ具體的に對策を立てておるのでありますが、第一は今御指摘のように、何といいましても現在速急に解決しなければならぬ問題、は山元に滯貨しております薪炭を急速に消費地に輸送するということ、この問題については、今お話がありましたように、國の輸送力のあらゆるものを動員いたしまして、速やかにこれを運び出す輸送の根本對策を、運輸省とも連繋をとり、具體的な計畫を今進めております。さらにまたこれらのものを實際動かす必要なる裏づけの資金の問題でありますが、この資金の問題は、今御審議を願つております薪炭需給調整特別會計を強化いたしまして、現行の五億一千餘萬圓を三十億圓に引上げていただいて、なおこれのいろいろの會計の制度を具體的に改革することによつて、これらの問題を一應解決してまいりたい。この考えておるわけであります。その山元の滯貨が一應一掃されましても、大消費地及び一般消費地の家庭燃料というものは、十分ではございませんから、これに對しては煉、豆炭等の生産を飛躍的に高める方向をとりまして、その不足分の一部分を補う。さらにまたガスとか電熱とかいうものが利用できる地域におきましては、これらも併せて勘案をいたしまして、冬季間の最低燃料の確保に全力を畫したいというつもりで今實行中でございます。これらの問題は、ひとり政府がいかに具體的な計畫を立て、いろいろな對策を立てましても、要はこれに關係しておりますところの各關係業者なり、また關係各省の御協力なり、また一般消費者大衆の協力を求めなければ、實施困難でございますので、その方面ましても、今後いろいろ御協力を仰ぐ對策を併せ進めてまいりたいと考えている次第でございます。大體以上のような點で、なお詳細な點は事務當局の方から説明いたさせます。
#5
○永井委員 大藏當局がお見えになつているので、お尋ね申し上げたいのでありますが、御承知の通りに薪炭生産業者は非常に力の弱い人たちの集りでありまして、その人たちが、山奥の困難なる生活の環境の中で生産しているのであります。そうしてその生産したものに對しては、強力な統制を實施されておりまして、横流しその他一切を禁じている。生産はどんどんせよ、つくつたものは横流ししてはいかぬ、こうしておいて、そうして政府が金がないからといつてこれを買い取らない。全部生産者の負擔においてこれが全國に滯貨されている。このようなことは實にはなはだしい暴政であるとわれわれは考えるのでありますが、この今提案されている會計法が通過いたしますれば、これはある程度の緩和にはなましようが、とにかくこの改正法律案が一應衆議院を通り、参議院を通過して、これの實施を待つていては、これは時期を失するのでありますが、これが通過することを前提といたしまして、このような不合理を急速に是正する方途を講ぜられるお考えがあるかどうか。そうしてまた、さしあたつての滯貨に對する買取りの融資、次いでは今後の生産における一番重要な點は、原木については相當の値上りがしておりまして、またそういうような状況から金融難でありまして、右左に原木を現金で買うことが困難である。そういうことのために原木が入手できないという實情にあるのでありますが、これも前渡金の形において、生産者にその金を先に渡すというような方途がとれないものかどうか、そういうことの實行なくしては、薪炭の生産はとうていおぼつかないと思うのであります。もう一つは、先ほど次官からもお話がありました通り、今度の水害によりまして、山元滯貨は、途中の山道の破壊であるとか、橋梁の流失であるとか、そういうことのために非帶に搬出が困難である。從つて人の背に背負つて運び出すというようなことをしなければ、驛頭までの搬出は困難な状況にある。そういう状況を入れて、山元から驛頭までの搬出に對する、特別搬出援助というものが今日考慮されなければ、事實において實行できないであろうと思うのでありますが、これに對する財政的の考慮があるかどうか。これは農林省と兩方にお伺いしたいのであります。
#6
○河野政府委員 私からお答え申し上げます。お尋ねの點は大體三點になるかと思いますが、
 まず第一點は、現在山あるいは驛にたまつております滯貨を買取りますための、資金上の圓滑性をどういうふうに確保しておるかということであります。この點につきましては、現在御審議をいただいております法律案が成立いたしますると資金的には非常にゆるやかになるわけでありますが、現在この關係の金繰りは、いかにいたしておるかと申しますと、現行法によりまする借入金五億一千萬圓の限度のほかに、一時借入金というのが出てくるのであります。この一時借入金の殘高は、ちよつとはつきり覺えておりませんが十數億に上ると思いますが、この一時借入金によりまして、法律案が御審議いただきまして成立するまでの間は、つないでおる。こういうふうになつておるわけであります。
 第二にお尋ねの點は、原木その他の買入れのための金融上の問題でありますが、私金融の方は直接タツチいたしておりませんので、詳細に申し上げるわけにはまいりませんが、個々の問題といたしまして、金融上必要なる措置は、もちろん金融當局として考えておることと思いまするが、なおこの點につきましては、部内でさらに具體的に檢討いたしました上でお答え申し上げたい。かように考えております。なお財政上の立場からいたしまして、前渡金の問題であります。この點につきましては、原則は前渡しということは、大體現在のところいたさぬことになつておりますので、原則的にはこの點について前渡金がゆるやかに出るということを、今申し上げるわけにはいきませんが、各種の事業の會計につきまして、特に必要なものにつきましては、事業資金上必要な前渡金というものも出しておるような例もありますので、この點につきましても、お話の點は十分考慮いたしまして考えてまいりたいかように思つております。
 それから第三點の搬出等に關する經費、コストの補助の問題であります。この點につきましても、一般的にそういうふうな生産上、産業上の必要なる經費の補助ということは、災害でありますとか、そういうような特別な場合以外には原則として行つておりません。從いまして今ここでこの問題につきましても、私から補助金が出せるということを、ちよつと申し上げるわけにはまいらぬのであります。薪炭の需給の現状及びこれが生産の促進の必要性、緊要性に鑑みまして、財政當局といたしましても十分に考慮いたしたい。かように考えております。
#7
○井上政府委員 山元から驛頭までの輸送費の補助の問題ですが、これは大體本質的には木炭の生産價格の中にはいつておるのでありまして、ただその生産價格の小運送費というものが、ある一定の距離、または輸送する量等に勘案してきめられておりますが、最近里山がどんどん伐られて奥山になり、從つて政府代行機關の買付け場所から、はるか奥へはいつておる。そういう關係から、その輸送する費用がべらぼうに高くつくというところから、山元直接が非常に多くなつて、またそれが實際買上代行機關の場所まで輸送するに、非常に引合わないということから問題が起つておりますから、これは今大藏當局からも御説明がありました通り、實際これをこのまま放任しておきますと、重大なる需給の上に影響を來してきますので、よく大藏當局とも相談をいたしまして、一般會計の方から補助できない場合は、ある程度特別會計の中において、何とかこれを處理をしなければならぬじやないかという問題になつてきております。その場合は、各方面との關係もありますから、その方面ともよく連絡をとりましてできるだけ速急にこの問題は善處してまいりたいと考えております。
#8
○永井委員 山元から驛頭までの搬出もそうでありますが、たとえば東北地方から機帆船でもつてくる。北海道から船舶でもつてくる。こういうことになればその運賃というものは厖大な金額に上ると思うのであります。これは生産者の負擔に切りこんでいくのか、消費者の負擔にある程度これをもつていくのか、この厖大な運賃の負擔というものをどういうふうにして處理されるお考えであるか、その點をひとつお伺いしたい。それから大藏當局に特にお尋ねしたいのでありますが、この林業對策小委員會が設けられた當初において、輸送の問題と金額の問題とは、薪炭生産における重大な問題であるというので、當時係りの人にも出席してもらつて、急速にこの問題の解決を要請してあつたのであります。しかるにそのことが荏苒今日まで遷延されており、水害という事態がここに發生して、この寒空を控えて、家庭では先ほど申しました通りに、問題にならないほどの配給數量より維定されないという現状まで押し詰められてしまつた。こういう問題がここまで押し詰められてからどうしようかと思つて、どろなわ式に問題の解決に努力する、こういつたことは、まつたく計畫的な一つの行政措置ではありませんで、現實が出てから、病氣の初期にはまあまあと我慢して、いよいよ危篤の状態になつてから大騒ぎをするというようなことばかり、政府當局は現在やつておるのではないかと思うのであります。現在の原木の入手に對する木炭買上代金の一部前渡しの問題にいたしましても、原木という現實があり、それが一貫作業でずつとやつていくのでありますから、一つの薪炭が現在どういう状態にあるか、生産がいかに要請されておるかという現實を考えますれば、こういう問題は急速に一つの行政措置として、できる範圍においてできるわけであります。それを行き詰つてしまつてからどうしようかと、途を開いて進める、そのときには手遅れであります。こういう問題に對しては、時日の遷延を許さぬのでありますから、急速にこれらの問題の解決をしていただかなければならぬが、どういうお考えであるか、それを伺つておきたい。
#9
○河野政府委員 ただいまの前渡金の問題につきまして、實は農林御當局から前渡金の必要性について先般お話を承つたのであります。大藏省といたしましては、いろいろ研究いたしましたところは、はなはだお叱りを受けるかもしれませんが、原則的に前渡金は出さないという方針に從つて、この問題はしばらく見送ろうという結論に實は達したのであります。お話の點も十分に再考いたすことにいたしまして、至急研究の結果を御報告申し上げたいと考えます。
#10
○井上政府委員 北海道、東北地方の薪炭の滯貨を、鐵道運送によらず、機帆船で輸送しました場合に、非常に運賃が高くつくので、この運賃を生産者負擔にするか消費者負擔にするかというお話でございますが、この問題は當然政府の輸送の全國プールをやつております關係上やむにやまれず機帆船を利用して輸送しなければならぬことになりますので、いかに高くつこうとも、これは政府負擔においてやるのであります。
#11
○野溝委員長 小川原委員。
#12
○小川原委員 私のお尋ねいたしたいことは、小委員會においてもお尋ねしたのですが、まだはつきりいたしません。今永井議員からお尋ねになりました以外のことにつきまして、いささかお尋ねをしてみたいと思うのであります。
 現在五億の金を入れまして薪炭の調整をはかつておられるのでありますが、この五億の金が足りないということにつきまして、三十億に引上げるということにつきましては、事情がさように順調にいつておりますならば、何も異存はございませんが、私の尋ねんとするところは少し不審の點がありますので、この不審の點をお尋ねいたしたいと考えるのであります。五億の金をもちまして今運營されておりますが、現在政府が御監督なつておりますところの、都市における薪炭の在庫品はどれだけありましようか、それからこれに對する金はどれくらいお支拂いになつておるか、まずこれだけお尋ねして次にさらにお尋ねいたしたいと思います。
#13
○井上政府委員 非常にこまかいお尋ねでございますので、早急調べまして後ほどお答えいたします。
#14
○小川原委員 お調べがつかなければやむを得ませんが、何ゆえにそういうことをお尋ねするかと申しますと、私の手もとで五億の赤字があるということを調査いたしておるのであります。五億の金で五億の赤字が出るとゼロにならねばならぬはずです。これを埋合せするために――小委員會におきましても私はこのことを追究いたしておるが、明答はないのであります。五億の赤字がございますために、これを埋合せねばならぬということで、本炭の生産者に對しまして一俵につき一圓五十銭ずつ課して赤字をうめておるのであります。また一たなに對して九十圓ずつの生産者に赤字埋めをさしておるのであります。この赤字は何ゆえに出たかということをお尋ねしたのであります。
#15
○安孫子説明員 お答え申し上げます。實は現在二十一年末におきまする赤字が累計いたしまして一億四千二百萬圓になつております。この一億四千二百萬圓の赤字は、昭和十七年度、十九年度におきまして、季節價格の加算額及び二十一年度におきまして早期出荷奨勵金を支出いたしましたその支出額、こういうものを合計いたしまして累計すると一億四千二百萬圓の赤字を生じておるわけであります。それでお尋ねの五億圓の問題でございますが、これは赤字と申します意味ではございませんので、一つの借入限度になつておるのであります。この限度内において金を借りて、なおそのほかの収入もございますし、また別に支出もありますので、一つの運轉資金として運用いたします限度が、現行法政のもとにおきましては五億圓ということになつておるのであります。
#16
○小川原委員 その一億四千二百萬圓に對しまして、これは生産者がこの金を負うべきものではないと考えるのであります。何も炭焼きが炭を焼いて一俵について一圓五十銭ずつ、あるいは薪炭生産者が一たなで九十圓ずつ、赤字の埋合せをする必要はないのでありますが、それをとられるとはどういうお扱いになつておるのでありますか、その點をお尋ねいたしたいと思います。
#17
○安孫子説明員 ただいま申し上げました一億數千萬圓の赤字は、生産者負擔ではございませんので、消費價格の方にこれを入れまして消費者からとる形になつております。
#18
○小川原委員 もし消費者がこれを埋合せするというならば、消費者は何のためにそれだけの金を埋合せしなければならぬということになるのでありましようか。その點お尋ねいたします。
#19
○安孫子説明員 實はこの特別會計は、原則といたしまして一般會計からの繰入れがないという原則でただいま運營いたしておりますので、よつて生じました赤字は、これをさしあたり消費者負擔において解決していく以外に途がない。こういう建前から價格決定の際に、これを織込んで價格決定されておるのであります。
#20
○小川原委員 お話を聽きますと、これはそういうふうに特別會計といたしておりまするからできるのだということになりますが、なるほどそういう見方もできますし、そういう理窟も立ちます。しかしながらこういう調整法を特別會計で設けるという性質の本は、生産者には、なるべく生産を助けて多くの品物を出さそう、消費者には、なるべく負擔をかけないで、安くしてかけるということが國家の施設の根本原則であります。それが、運營の仕方が惡かつたのだという、運營者の責任を消費者にかけるということは、私ははなはだ遺憾だと思います。今日のごとく賃金がちやんと一千八百圓ベースで抑えられてしまつておるというにもかかわらず、こういう損失を消費者が負うということそれ自體が、根本原則に逆らつておると考えます。そういう點をどういうふうにして將来是正していかれるかということであります。なぜそういう杞憂をいたすかというと、この上に三十億の金を出すのであります。五億におきましても一億四千萬圓の損失をした。この比例によつて、あるかないかは知りませんけれども、今後において何億という赤字がまだ出てくるということになりますと、消費者は非常な迷惑をいたすのであります。この點につきましての改善法――政府といたされましては、相當念入りの御施設であろうと思いますから、消費者が喜んで、なるほど私どもがそれを負いましようというような筋道の立つた行き方を、一つここで御説明願いたい。
#21
○井上政府委員 お説の點多少政府の考えておる點と誤解を招く點がございますから、はつきりいたしておきたいと思います。この一億四千二百萬圓の赤字が出ましたのは、五億圓の會計のやり方がうまくいかないために起つた結果である。さらにここに三十億のわくを擴げた場合は、一層大きな赤字が出て、それが生産者なり消費者に大きな負擔になるのではないか。從つてそういう赤字の出ること自身が、この特別會計運用の拙劣な結果起つているのではないか。その結果を消費者に負擔さすということはべらぼうではないか。こういうお説のように伺うのでありますが、問題は五億のわく、あるいは三十億のわくのために、ここに一億なんぼの赤字が出たというのではなしに、實際需要の熾烈なものがあつて、これに對して急速に集出荷をしなければならぬという必要に迫られて、非常手段をとつた結果が、赤字となつて現われておるのでありまして、これは何も特別會計の機構それ自身から起つた必然の赤字ではないに、非常手段をとらざるを得ない事態に立至つたためにやつた赤字でありまして、この點は御了承いただきたいと思います。たとえていいますと、昭和十五年度から十八年、十九年のこれらの各年度において、冬季間の非常に炭が要求される場合は、非常手段をとらざるを得ない。すなわち價格をある程度この期間だけ高くして出荷を促進させるという手段を講じたのであります。また昨年度におきましては、おの需要期を控えて、ちようど米の早場米供出奨勵金というものを出しまして、それによつて赤字が出ておるのでありまして、これは當然消費者の利益になるためにやつた行動であつて決してこの機關が拙劣なるために起つた赤字ではないのですから、その點はひとつ御了承をいただきたいのであります。この赤字が現在米の早期供出奨勵金のように、國庫においてこれが一般會計において負擔されるという場合ならば、消費者負擔にならないでよいのですけれども、この場合は、このわくにおいてこれをやらなければならぬ關係上、當然出るところがありませんから、消費者負擔にお願いをしているというわけでございますから、御了承をいただきたいのであります。
#22
○小川原委員 私は一歩進んで、特別會計というものはあまり好まないのであります。米と薪炭とは薪炭が重いか米が輕いかという、重い輕いの目安のつくべきものではないと思います。米も薪炭もこれは同じものであつて、一般會計で負うべきことが至當だという建前から考えておるのでありまして、もしあなたのおつしやる通り、運營の仕方がよかつたのだ、非常手段によつてできたのだと言えば、いたし方ないものといたしますが、なにも木炭消費者のみがこれを負うべきものではなくて、一般會計としてやるべきものが國家の存立上必要である。これが特別な處置をとるというのなら、特別會計ということも認められるものでありましようが、その點が政府の所感と私の考えるところでは、非常に違つておる點がある。根本においてそれは是正する必要があると思いますが、政府はいかに考えますか。
#23
○井上政府委員 もちろんこういう特別會計以外に起こりました赤字については大藏當局なり政府の方において、當然それは一般會計から出すべきであるということになりますれば、あなたのような結論になると思います。ただ國の財政その他の關係から、これは當然消費者に對する非常手段としてとつた結果起つた赤字であるから、消費者に一部負擔をしてもらうという方法が、最も合理的ではないかということで、こういうことに結論をつけたのではないかと思います。あなたの御主張のような方向にとることの方がこういう赤字の場合には最も妥當ではないかと思います。しかしこの場合結論をつけておりますのは、昨年度及びそれ以前の處置について、一般消費者に利益をもたらした結果起つた赤字であるから、當然一般消費者に負擔をしてもらうということの處置をとつておるのであります。その點御了承をいただきたいと思います。
#24
○小川原委員 私の質問には的がはずれているようでありますが、別にこれ以上追究しようとはいたしませんが、こういうことは、餘ほど政府の施設としてはお考えを願わなければならぬ。なぜそういうことであるかというと、今もつて追加豫算が出ておらないうちに、次から次へ追加になるようなものが續々現われてくるということは、國の財政の上から考えましても、はなはだ面白くない現象なんです、こちらにも何十億、こちらにも何十億ということで、追加豫算がまだ決定しないということになると、國家財政というものが立たない。そういう上から考えましても、私はこれは當然經常部として、一般會計に乘せるのが國家の會計法とし、經濟的に考えましても當然の進むべき道であると考えまして、私は政府の所信を尋ねたのでありますが、政府におきましては、その御所信がないように御答辯になつておりますから、追究はいたさぬのでありますが、將來なお一層の御考究を願いたいと考えるのであります。この點は私の希望であります。そこでこの三十億の追加を認めるということにつきましては、なおお尋ねしておかなければならぬことがあるのであります。現在の五億におきまして、消費者價格が炭一俵今どのくらいになつておるか知りませんが、五十三圓見當とにらみまして、少くとも三百萬くらいの炭は政府の手持ちになつておらなければならぬはずであります。それから薪にいたしましても、さつき私がお尋ねいたしましたのは、ほかじやない。七百八十圓の價格といたしましても、三百萬くらいの薪がなければならぬはずであります。そうすると五億の運轉資金でも、なおここに一億何千萬圓の運轉資金があり、また一方の統制會社からは次ぎ次ぎとこの資金がはいつてくるのでありますから、五億の金においてもこれだけの仕事をする上においては、何らの支障なくしてこれが動くのであります。それが動かぬというのはどこにその原因があるでしようか。この點は私が非常に不思議に思つておる。三十億に金を増したからといつて、結局は國民の要求する通りに薪炭がまわつてきません。私の見るところをもつて今日をにらみますと、政府のおやりになることは、ちようど子供のするようなことばかりやつて、隘路々々憂をもつておるのでありますが、この點につきまして、政府の御所信を―三十億の金を増したとしても、明日から一俵も差支えのないようにできるかという御所信を承りたいと考えます。
#25
○安孫子説明員 金額の限度を増さなければならない一つの理由は、炭價が本年の七月において二倍四分程度上りましたから、金の總額が相當要するようになつたことがその原因であります。
 それからもう一つは、先ほど來お話がございましたように、相當輸送事情が逼迫しておりますので、産地におきまして横流れの傾向が見えるということも原因になつておりますけれども、これに對する政府資金の放出によりまして、これを確保してまいりたいということがあるのでございます。何にいたしましても、生産地におきまして現物を把握いたしませんことには、輸送當局といろいろ協議をいたしましても、現物の裏づけがございませんと、強力な主張ができない。また現物を押えることによりまして、輸送を強行してもらうことができますので、こうした措置を講じたわけであります。できるだけ御趣旨に副うようにいたしたいと思います。かような事情から三十億にいたすことになつております
#26
○小川原委員 最後に一點の質問ではありませんが、委員長のお許しを得まして、希望を述べることを許していただきたいと思います。お許しを願います。
#27
○野溝委員長 許します。
#28
○小川原委員 この滯貨におきましては、政府の私どもの手もとにお配りになりましたところの資料によりまして、木炭竝びに薪の滯貨量は承知いたしました。これだけの滯貨を山元に置くということについては、政府も御心配になり、われわれも心配をいたしておるのであります。その點は同感でありますが、ここにこの法案は當然通過をすると私どもも思いますが、どうか通過をいたしましたならば、政府は政府の責任において、ただちにこのような薪炭攻めに合わないような御施設を願わなければならぬ。少くとも都會の國民を私は代表いたしまして、この痛烈なるところの薪炭攻めは、ひとつただちに緩和していただかなければならぬ。それには國家の威力をもちまして、船はいくらでも雇おうとすれば雇われる、あるいは馬の背中で出そうということをお考えになれば、すぐに出すことことができると思います。そういうように滯貨があるのでありますからして、どうか國民が生産というものに携われるので、朝起きて何を食べるか、飯を煮るのに何でたこうか、そういうことを考えさしておいては、國民が生産力を増すということは絶對に私はできぬと思います。國家の存立上非常に悲むべき現象である。どうかこの點は、政府當局においても相當の御心配になつておることは私もお察しいたしますが、これはただごとではないのであります。じようだんごとでないということを私は申し上げたい。今物が足らない中に著物の足りないのも困る、子供の使う紙が足らないのも困るが、そういうこととは違つて飯と薪とに對してはわれわれの生活上、一刻も早く國民に安心感を與えなければならぬという現状に立至つておるので、どうかこの點はひとつ政府も本氣になられまして、それに携わつておる諸機關を督勵なさつて、一刻も早くこのことは國民の要望に副うていただきたいことを申し述べまして、私の質問を終りたいと思います。
#29
○北(二)委員 政府は新物價體系において、千八百圓のベースの上から見て、今の木炭の消費者價格が正しいのか、生産者價格が正しいのか、どちらかはつきりした答辯をいただきたいと思います。
#30
○井上政府委員 現在の木炭価格は、新物價體系に基く算出によりましてきめたのでありますから、生産者價格が正しいか、消費者價格が正しいかということではなしに、木炭價格というものに對する正當さを發表したのでありまして、どちらが正しいという意味ではありません。木炭價格自身の全體を指して、公正なる價格であることと考えておるのであります。
#31
○野溝委員長 午前中は以上をもつて休憩します。午後は一時から再開いたします。
    午後零時五分休憩
    ―――――――――――――
    午後一時五十分開議
#32
○野溝委員長 休憩前に引續いて會議を開きます。大島委員。
#33
○大島(義)委員 この機會に薪炭の問題について二、三お伺いしたいと思います。私の伺おうといたします要點は次の點でございます。とにかく薪炭に對しましては、今囘の水害を通じて、異口同音に各地において水害の原因が山林の濫伐にあるというふうに、責めを山林の伐採に歸しておるようでありますが、これは思わざるもはなはだしいものがあるのであります。もちろん水害の原因に山林の伐採ということが關係なしとは申されませんけれども、これだけが水害の原因であつたとは考えられないのでありまして、從つてこういう宣傳に迷わされることなく、しかも近來の國民生活というものは、衣食住というよりも食燃住というほど燃料というものが重大關係をもつておりますので、この點はどうぞ勇敢にやつていただきたいと思うのであります。
 そこで私の質問の要點は、最近内閣で、燃料確保に關して、代燃車に對する木炭の配給を停止するということを決定したということでありますが、これに對してもしその決定が事實であるといたしますならば、その木炭に代わるに何をもつてするかという點と、それの對策を一應伺いたいと思うのであります。
 次は最近自動車で代燃を使用するものが、配給だけではどうにも足らぬ。從つて自家用炭の設備を非常に擴張する計畫があるようでありますが、これに對して政府は助成するのか、抑壓するのか、政府の基本的な御方針を伺いたいと思うのであります。
 その次はこれらの大口需要者が現在燃商から配給を受けておる關係上、非常に高額なコンミツシヨンがとられるのみならず、非常に配給の上に不便が多いのでありまして、この不備を是正する意味において、大口消費者は特別の措置を講じていただきたいという陳情が、私らの手もとにもたくさんまいつておりますが、これに對して、政府は依然として燃商を通じてやるのか、それとも大口需要者に對しては特別の措置を講ぜられるのか、特に運輸省方面におきましては、この大口需要者の意見を取入れて、相當改善する御意思があるということを承つておりますが、農林省當局においては、これをどういうふうにお扱いになるかという點を伺いたいのであります。
 その次にはこれらの代燃の木炭であるとか、あるいはガス薪であるとかいうものが、もし配給に支障を來たしますと、これらの木炭竝びに薪を山元から運送すべき、自動車の輸送力が非常に低下するのでありますが、これに對してはどういう手を打たれるお考えであるか。さらにまた前述したような燃料統制組合の不法な手數料及びスロー・モーション的な取扱いが、これらのものに對して非常な弊害があるようでありますが、燃料統制組合というものを依然としてこれを支持するのか、あるいはまたこれに對しては改廢するの御意思があるかどうか。この點を伺いたいと思うのであります。
#34
○井上政府委員 薪炭需要對策の中で、一番大きな問題は、自動車用薪炭の問題であります。この薪炭は現在御承知の通り、政府の生産をいたしております薪炭の大部分を占めると言うていいほど最近代燃車の方に使われておりますので、家庭用燃料を薪炭で確保しようとするためには、どうしても代燃車に對する薪炭の供給をある程度抑制しなければ、家庭燃料にまわる薪炭が確保できないような情勢にあります。そこで政府としては、この冬季間の行詰る燃料難を緩和する一つの手としては、近距離の乗合自動車または他に轉換できる路線なんかは一時休止をしても、家庭燃料は確保せなければならぬという一應の見透しをもつて對策を講じております。なおまた一般輸送の上に重大なる影響がありますので、これらの問題については、關係當局である運輸當局と連絡をとつて、十分對策を講じたいと考えますが、また一方薪炭による代燃車をある程度制限する、だから全般の輸送に重大な支障が起りますので、進駐軍當局に對しても、積極的にガソリン等の燃料を輸入する要請を、執拗にいたしておる次第であります。まだ今日その方に對する見透しがはつきりしませんが、日本の現在の木炭の需給状況、特に代燃車に對する對策から、ガソリンその他の燃料の輸入について、連合軍當局に要請をいたしておるような次第であります。次に大口の需要者に對する燃統の手數料の問題でありますが、これらの問題は近く切符制をいよいよ實行いたすつもりでございますから、そのときいよいよそれらの事情を勘案して善處いたしたいというつもりでおります。なお大口需要者等の自家用炭の生産に關して、將來政府はどうするかという見透しでありますが、大體自家用炭の生産に對しては、生産縣當局とよく連絡をとつて、治山治水その他をよく勘案し、かつ家庭燃料確保等のことも考え合せまして、ある程度制限を加えてまいらなければならぬという方針で進んでおるわけであります。
#35
○永井委員 價格の問題についてお尋ねいたしますが、價格は正味建てとして、包装材料は別途にするというお考えはないのか。大體これの運營を米穀なみに取扱うようになつたのでありますが、米に比例いたしまして、そういう包装材料が非常に暴騰しておりますときに、そういう方途を講ずることが適切だろうと思いますのでお尋ねいたします。
#36
○井上政府委員 木炭を中味買いにして、包装荷づくりといいますか、そういう費用を別に見ようというお尋ねでございますが、從來大體包装込みで取引をいたしてまいつておるのと、それから御存じの通り、木炭の生産から消費までの經路がきわめて短時日に行われる場合は、この容器、包装というものが相當還元できる状態になるのでありますけれども、交通運送、その他山元あるいは驛頭滯貨等の關係から、包装それ自體が傷んでしまいまして、政府が買上げする場合は、もう一度荷づくりをし直さなければならぬ、そうしなければ發送ができないような品物も相當ございまして、これらのことも勘案しなければなりませんから、今直ちに包装と中味を別々に値段をきめて買上げるというわけにはまいりません。ただ將來、お話のように米價の算定におきましても、中味と俵代を別にせよという要求が相當強いし、またこの方につきましては、政府の方でも中味買いをしようという方針を、大體とりつつあるように考えますので、將來木炭に對する問題も、これらの問題と勘案しまして、十分その容器なり包装が確保できる見透しのつきます場合は、別々にこれを考えていかなければならぬ問題が起つてきはせぬか。そのときに備えて今から十分われわれは調査なり準備を進めてまいりたい。こういうつもりでおるのであります。
#37
○成瀬委員 この際簡單に一言お尋ねしたいのは、昨日の御答辯におきまして、大體八月を中心とするところの資金關係のお話がありましたが、過去五箇年におけるところの實際上、各月において、あるいは各年において必要としたところの運用資金はいくらあつたか。またそれによつてどれほどの薪炭が確保されたかというような、詳細な資料か御答辯かを與えられたならば、たいへん結構だと考えております。なおその上に、別にこれは農林省の方の御關係でありまするが、燃料の總合的な見地に立ちましての、薪炭に對する一般都市生活者の期待は非常に大きいのでありまするが、これに對しまして、從來において耳にいたしておりまするのは、せつかく薪炭等ができておりましても、それが從來において耳にいたしておりまするのは、せつかく薪炭等ができておりましても、それが滯貨いたしまして、消費地に對してそれが行き渡らないというような憾みがあり、その數字を數えておるような状態にあるのでありまして、この際政府はこういうような滯貨されたところの薪炭をどういうような方法をもつて、この急場の間に合せをするかということについての御計畫を承りたい。その次には炭の價格において、また薪の價格におきまして、はなはだしく中間搾取が多過ぎる。現在いかほどの價格になつておりますが、詳らかにいたしておりませんけれども、たとえて言えば、薪におきましても長さ一尺六寸、二尺五寸まわりの、生産者に對する手取りというものが八圓であり、そうして小賣価格が十六圓である。ちようど半金である。これを十圓にしたらどうであるか。さすれば相當増産意欲も向上していつて、そうして一般の期待に副うようになるというようなことを、薪炭生産者の立場におきましての人たちから直接に耳にいたしておりますので、こういうあまりにも大きい中間搾取の必要はどこにあるかというようなこともお尋ねしたい。また炭におきまして、特にレール渡しのような從來の状態でありまするが、そういつた場合における一部の金というもの、約二割程度の金というものは、これは不必要に政府が所得いたしておる。米麥その他においては厖大なるところの補給金制度、補助金制度をもつて生産を奨勵いたしておるにかかわらず、この炭の生産に對しましては、かえつて逆に政府が搾取の立場にあるというような弊害もありましたが、最近におきましては奥地の薪炭を――從來においては遠距離の炭を搬出するためには、いろいろな點において不便がありますので、そういう奥地においても買い出し得るような計算方法をとられておるというようなことを聞いておりまするが、それらに對するところの實際的な内容をひとつお聽せいただきたい。
 なおその次におきましては、原木の入手が非常に困難であるのでありまして、おそらく今日におけるところの經濟關係からいたしましたなれば、この薪炭用材の入手に對しましては非常に苦心をいたしておる。山持ちは將來のインフレの進行等を見越しまして、そうして賣惜みをしておるというような形がありまして、かような點についてはずいぶんと生産者も苦しんでおりまするが、政府はこの薪炭増産の見地から、もつともつと強力なる原木入手の方法をこうずるところの御意思があるか否かというような點をお伺いしてみたい。大體こういつた點、及び薪炭生産者に對しましては、食糧の増配と、地下たびその他再生産に必要なところの物資を從來も與えておるということでありまするが、はなはだそれが貧弱であるのでありまして、その點從來において支給しておるそれらの總額等につきまして御報告がありたい
 もう一つ、薪炭の檢査員の問題でありまする。全國的にあちらこちらで耳にいたしておりますのですが、薪炭檢査員が自分の地位を惡用いたしまして、増産用の酒であるとか、あるいは加配の米であるとか、あるいは地下たびであるとかいうようなものを私いたしまして、そうして怨嗟の的になつており、所によりましては問題になつておるというような點もありまするが、かようなことは檢査員に對するところの待遇がきわめて惡いというようなところもあるし、またその素質も惡いという點もあるのでありまするが、かような檢査員の任命は、生産者の總意に基く人を任命するというような、任命に對する民主化をはかりまして、そうしてこの惡徳檢査員を放逐するというような方法も考えられるのでありますが、かような點に對しましても一段の御考慮を拂つてもらいませんと、せつかくこういつた危機におきまして、薪炭業者が、檢査員のこれらの不法行為によつて生産を減退させるというようなことも見越されますので、かような點に對してお取計らいはどういうふうなお考えをもつておるか。以上御質問をいたします。
#38
○井上政府委員 詳細な點は事務當局から説明を願うことにいたしますが、第一の過去五箇年間、この特別會計によつて取扱いました木炭の動き等につきましては、後ほど一應資料をあなたの方にお示しすることにいたします。
 次に山元及び驛頭の滯貨一掃の問題でございますが、滯貨するのにはいろいろな理由がございまして、政府といたしましては、山元におびただしい滯貨があるにかかわらず、消費地には一俵の炭もないというようなことでは、まつたく政治の貧困さを物語つておりますから、少くともこの冬には山元及び驛頭における滯貨の一掃についてあらゆる國民の協力と、關係當局のお力添えをいただきまして、ぜひこの滯貨は一掃したい。なおこれについての具體的な滯貨一掃に對する輸送上計畫等につきましては、それぞれ案を運輸當局と打合わせをいたしまして、實行する準備を進めております。なおその内容に至りましては、さいわい運輸當局から見えておりますから、後にそれらについて御説明もあろうと存じます。
 なお木炭の中間搾取の問題を、いたるところで論議されるのでありますけれでも、中間搾取という意味は、すなわち生産者から消費者へ渡る價格の幅があまり廣すぎるために、そういう言葉が起つておると存じます。しかし政府といたしましては、決してここで中間搾取をしておるわけではありません。科學的な檢討を加えました結果、これだけの開きは當然必要であるというのを見積つて、生産者價格と消費者價格を決定しておるのでありまして、むだな經費をいたずらに使つておるということではたい。たとえて申しますと、政府買上價格の生産者價格は五十三圓でございますが、これを小賣價格にいたしますと八十三圓七十銭になります。そこで政府から卸賣價格でまいります場合に、二十五圓二十銭の開きが出ます。さらに卸賣價格から小賣價格にいきます場合に、五圓五十銭の開きが出てまいります。そこで約三十圓七十銭という開きがここに出ております。ところがこの三十圓七十銭の開きは、第一は木炭買上げの代行機關がございますが、これらの代行機關の費用として、第一、縣内の輸送費が十圓五十五銭、手數料が三圓四十銭、引取運賃が二圓六十三銭、合計十六圓五十八銭、さらにこれを縣外に輸送いたします場合に、その輸送及び船賃等に對して三圓、それから鐵道賃が九十九銭、これで約四圓ほどかかつております。そのほかに倉庫料であるとか、保管料であるとか、また手入れをして改装しなければならぬ費用であるとか、あるいは減耗する場合の見積りでありますとか、あるいは集荷を委託する場合、それからさいぜんお話をいたしました赤字補償、これらのどうしても支拂わなければならぬ、やむにやまれぬ經費を見積つておりまして、この經費全額が二十五圓二十銭であります。そこでさいぜんの代行事業及び縣外移動費等を含めまして、三十圓七十銭という費用になつておりまして、これらの算出は、物價廰においてきわめて科學的に檢討を加えた結果、やむにやまれぬ費用として決定されたものでありまして、決して中間に不必要な經費をここでとつて、消費者なり生産者を苦しめておるということではないのでありますから、その點を御了承いただきたいと思います。またそれらの經費全體は、政府において責任をもつて運用いたしておるのでありまして、特別に何者かが、この中に介在してもうけておるということはございません。ただこの場合、一應誤解を受けるといけませんから申し上げますが、卸賣價格から小賣価格の間の五圓五十銭の手數料の問題でございます。これは相當高いではないかという意見もございますが、實際今日の他の物資の取扱手數料と比較いたしまして。燃統の扱つております手數料が、決して他の統制物資に比較して非常に暴利をとつておるということには、實際にはなつていないのでありますから、この點も併わせて御了承いただきたいのであります。
 なお原木問題についていろいろ御意見がございますが、この問題は實に薪炭生産の上に重大なる關係をもつておりますので、前囘もこの委員會で原木及び立木については、國家統制を加えたらどうかというような意見さえ強く叫ばれておるのでありまして、またこれをどう確保するかということが、實際薪炭生産の上の重大なかぎになつておりますので、政府といたしましては、この問題はきわめて愼重に檢討を加えまして、將來は自家用製炭、あるいは製熙等の薪炭の伐採等がございますので、そのために原木が相當買占められ、引上げられ、つり上げられるという傾向もありますから、やはりある一定の需要を確保するためには、どうしても原木を確保しなければなりません。大體これはまだ具體的にどうということははつきり申し上げられませんが、將來はどうしても原木を政府が一手で買い上げて、そうして政府が必要とする製炭業者にこれを割當をいたしまして、製炭生産をやつてもらうというような方向に、もつていかなければならぬことになりはせんかという見透しをもつております。いましからば全薪炭林を買い上げるかどうかという問題については、ここでまだはつきり申上げられませんが、將來の方向としては、少くとも原木は政府で一手に買い上げるという方向にもつていかなければ、ほんとうに薪炭生産を安んじてやるわけにはまいりませんので、將來はそういう方向に向くことが必至ではないかという見透しだけを申し上げておきたいと思います。
 それから生産に對する裏づけのいろいろな物資の配給の問題でありますが、これらにつきましては、關係者に對して、また安本に對して、それぞれ必要な物資の特配を要求いたしております。またこれの配給に關しましても、十分適正な配給を講じまして、不正な配給が行われないように、責任をもたしてやらすつもりでおります。
 なお薪炭檢査員の待遇が惡いために、いろいろな問題が起る、それは注意すべきであるという御注意に對しましては、十分政府も注意いたします。なおまたこれらの檢査員の任用につきましても、御意見の通り、十分各方面の意見をよく聽きまして、公正、妥當な人事をやりたいと考えておる次第であります。
#39
○成瀬委員 この中間搾取につきましては、五十三圓の價格がはたして薪炭生産者が人たるに値する内容をもつだけの價格に決めておられるかどうか。また三十圓七十銭というこの價格が、消費者負擔と考えられた場合におきましては、これまた過當でないかというようなことも考えられます。五圓三十銭なるものは、大體生産者に對する一割に該當いたしますが、從來の自由經濟時代におけるところの商人道に徹したこれらのサービス關係からいたしますならば、これまたあまりにも過大である。私どもはしばしば本委員會において、農業協同組合あるいは食糧の公團等におきまして申し上げておりますように、こういつた統制のもとに中間搾取を業者にせしめているというような弊害は、この際に除去いたしませんと、とうてい生産者の納得のいかない價格政策では、いかに鳴り物入りでやりましても、その實があがらないということははつきり言えるのでありまして、この際私どもはこういう點を官僚の人たちのみに任せておけない。こういう三十億といつた資金がいるような重大な、また各方面から重大と目されるところのこれらの薪炭の生産に對しましては、中央において、あるいは縣において、あるいは村においても、委員會制をもつて、そうして運營なり監査というような各問題にまでタッチいたしまして、一般生産者が安心して生産し得るような方途を講じなければならぬ、かように考えております。今日は時間がないのでこれ以上申し上げません。ただその中間搾取の三十圓七十銭に對する詳細なる資料をあらためていただきたい。委員會の點につきましてもまた別に御質問いたします。
#40
○井上政府委員 お尋ねの資料は、先般資料としてすでにこの委員會にお配りいたしたつもりでおりますが、まだあなたの方にまわつてなければ、私の方からお渡しいたします。
#41
○野溝委員長 私から政府當局に質問を二、三いたしたいと思います。本法案は、この理由にもあります通り、「薪炭需給調整特別會計における薪炭の買入資金の調達につき短期證券を發行し得る途を拓き同會計の運營を圓滑にするため、」云々ということが申きれております。特に政府におきまして本法案を提出するの理由といたしましては、薪炭がいかに必要であるかということを痛感されておることだと思うのでございます。その薪炭の需給調節をはかるためには、何としても現在の資金では足りない、よつて三十億圓を限度とする資金の融通をすることにいたしまして、この薪炭の危機解決をはかりたい、こういう御趣旨と私は了承しておるのでございます。しかるに本日各委員から質疑が交わされました通り、燃料問題は衣食住に次ぐこれほどの重要問題であるにかかわらず、政府においては現在この燃料問題が計畫されておらないじやないか、特にその隘路は一體どこにあるかという點がおもなる質疑の論點だつたと思うのでございます。そこで委員長といたしましても特にお聽きしておきたいことは、現在各方面に相當の滯貨があり、その滯貨の處分について具體的に政府といたしましてはその結論を出しておらないのでございます。ざつくばらんに申し上げますと、何と言いましても現在の滯貨を即刻處分するということが先決問題だと思います。しかるにこれに對する提案省であります大藏省といたしましては、その必要を認めてその資金の融通をするために提案をされたのでございますが、實際實務を擔當すべきものは農林省またはその計畫を立ててやられているのでございますが、その計畫を實践すべきものは運輸省であると思うのでございます。しかるに實際に實務を處理すべき農林省と運輸省とにおける完全な有機的結合が得られておらぬと思います。具體的に申し上げますと、政府におきましては、消費地に集荷する計畫を立てまして、北海道がどのくらい、栃木縣がどのくらいというふうに、各方面に集荷計畫を立てているのでありますが、現在消費地である東京への入荷の状況を見ますと、この計畫通りいつておりません。運輸省の方におきましても、いろいろ配車計畫を立てているのでありますが、これに對しても、運輸省といたしましては、その配車計畫が薪炭等のついて立てられている通りに動いておらぬようであります。よつて特に運輸省におきましては、この薪炭輸送の重要性を考えられて配車計畫を立てられていると言いますが、その配車計畫が實際に農林省の割當竝びに集荷計畫と一致してやられているかどうか、こういう點について特に私は鐵道省の關係官からおきしておきたいのでございます。
#42
○加賀山政府委員 ただいま委員長からお尋ねのございました點につきまして、運輸省としての立場をお答え申し上げたいと思います。運輸省といたしましては、薪炭の重要性につきましては十分に知悉いたしているのでありますが、この十月を例にとつてみますと、約一千萬トン近い貨物の輸送をやるという計畫を立てまして、現在の貨車を總動員いたしまして、有效な貨車を使つてこれだけの輸送がようやくできる、こういう數字が一千萬トンでございます。これは概數で申し上げます。そのうち、米その他の主食關係、あるいは副食糧、その他石炭以下の重要な燃料、それから鉱礦石、あるいは鐵といつたようなもの、いろいろに振りわけまして、これにどれだけの輸送力を配當すべきかということを檢討するわけであります。まず前に年度におきまして次の年の年間計畫を立てるわけでありますが、それをさらに四半期にわけ、その四半期をさらに一箇月に區分いたしまして、毎月その月にはいります前に、その次の月の計畫を立てることになつております。この計畫を立てます場合に、この計畫物資として選定されておりますものは、現在三十七品目ございますが、この三十七品目についての割當をきめる。これについては、特に重要な物資については關係省、あるいは關係の配給機關、その他生産機關、すべて關係者にお集りを願いまして、その間でどういうふうにやるかということを御相談するわけであります。さようにいたしまして、その會議におきましては、これが元となるものはいわゆる要請量でございます。これだけのものは在貨がある。この要請量が元になるわけでありますが、この要請につきましても、單に在貨でありませんで、中央においてもこれくらいのものはどうしても運ぶことを必要とする。あるいは地方的に見てこれだけの在貨があるといつたことを檢討いたしまして、その間で最も妥當と思われる數字を、全部が集まつたところで御相談の上きめるわけであります。薪炭もこの例に漏れず、その中で薪炭をいくらにすべきかということをきめるわけでありますが、何を申しましても全體の輸送要請量は月間千五百萬トン近くございます。それに對して約一千萬トン程度の輸送量しかありませんので、平均いたしますれば三分の二より送れないというかつこうになります。その中に特に食糧、石炭等においては、すべてこれは百パーセント、要請のあつただけ全部送るという建前になる關係上、その他の品に目つきましては少しづつの査定をさせるを得ないというのが現状であります。そうしたときに、これは單に農林關係の物資のみならず、商工關係の物資においても、たとえば亞炭のようなものがはいつてくるわけでありますが、やはり二五%、三十%というパーセントの査定をしなければならぬのであります。薪炭については、十月を例にとつて申し上げますと、そういう査定をいたしました數量が、木炭につきましては要請量に對して八〇%の輸送をする。數字的に申しますと、木炭につきましては十三萬四千三百トンというのが要請量でございます。これに對して九萬九千トン。實は水害前はもう少し多量に計畫しておつたのでありますが、遺憾ながら水害のために改訂をせざるを得ないために、一割近く縮減をした改訂額が九萬九千トン、これは月間であります。薪の要請量は三十二萬四千六百トンそれに對して二十一萬六千三百トンが、十月に鐵道として責任をもつてお引受しようとしておる數字でございます。これはすべての物資について、もう少し運べないかというお聲があるし、われわれとしても、一トンでも主要物資を送りたいという氣持は十二分にもつておるのでありますが、何分にも輸送力の總額を殖やして、つまり貨車を殖やして、あるいは貨車のまわりを早くして輸送力の總額をあげないことには、現在としては遺憾ながらこの程度の力よりもつていないという状態でありますので、いたし方はないといつて、われわれはもちろん手をこまねいておるわけではありませんが、現在はかくのごときものであるということを率直に申し上げたわけであります。なお薪の査定率は七〇%になつております。そうしますとやはりそこに二〇%なり三〇%は滯貨になつて残るというわけであつて、遺憾この上もない。ただ薪炭について申し上げますと、これは前月あるいは前年の實績に對しては、よほど率をよくしております。前月に比較いたしましても、需要季節にはいります關係を考慮いたしまして、率を上げておりますし、前年の同期に比べましては非常にたくさん送つておる状態であります。平均いたした査定率が十月といたしては六九%なつておりますので、これは改訂後は六六%になつておるはずでありますが、その中で薪は七%木炭は八〇%ということになつておりますので、この點御了解願いたいと考えるわけであります。これはわれわれの事務的の立場から申した次第でありますが、しかし燃料對策の重要性から見まして、この輸送計畫を改訂して、他のものを切つてもこの薪炭に輸送力をまわすべしという見解が成立ち、これを實施すべしということに相なりますれば、私どもの方といたしまして、これを改訂して薪炭に多量の輸送力を割くことは、當然なすべき事柄であるというふうに考えております。
 薪炭につきましては特にこの機會に一、二附加えて委員長にお答え申し上げておきたいと思うのでありますが、薪炭について最も今困つておりますのは、やはり六大都市の中でも東京が一番最大のものである。そういう見地から、水害の時期に、計畫量とは無關係と申してもいいくらいでございますが、とにかく計畫量はとうてい達成し得ないという見當がつきまして、この九月の水害、十月にわたりまして緊急の對策を數次にわたつて講じております。それから東京の特に薪炭について非常に苦しいということは、主たる産地が東北に依存しております關係上、水害の影響を多分に受けたということが一つ。もう一つは、これは平常でもそうなんでございますが、硫化鐵鉱とか亞炭とか木材とか、非常に同じ無蓋車をもつて輸送する貨物が競合いたしておりまして、東北關係の薪炭輸送には、われわれは最も頭を惱ましでおります。從つてそこを主たる給源地とする東京方面が、特にこの薪炭については困る可能性が非常に強いということを考えますので、この點につきましては、われわれといたしましては、東北地方の薪炭をもう少し船をもつて海岸地から輸送するというようなことも考え、また協議をいたしておりますが、この薪炭の東北本線あるいは常磐線による直送というふうなことは、そういう非常な隘路にあるということを、この際附加えて御承知おきをお願い申し上げたい。かように存ずる次第であります。
#43
○野溝委員長 一言申し上げておきたいと思いますが、政府におきましてまあ、昭和二十二年度における買入賣渡所定數量というものを二千萬餘トン見込でおります。木炭においてかような相當數量見込でおいて、今の運輸省の配車計畫を聽きますと、まことに心細くて、この輸送が圓滑にいくと思われません。よつて特に運輸省においても燃料問題を重要視しているならば、特に農林省との間によく打合わせをされまして、來る委員會までに具體的な結論を得るように協議しておいてもらいたいと思います。
#44
○大島(義)委員 本案は一應質問をこの程度でやめて、各黨の態度を決定の上、さらに續行いたしたいと思います。本日はこれをもつて散會せられんことを望みます。
#45
○野溝委員長 ただいま大島委員から動議が出まして、本法案はこの程度で質疑を保留して、各黨の態度をきめて續行するようにという意見でありますが、いかがでございますか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○野溝委員長 それではさように決定いたしました。
#47
○八木委員 議事進行について――昨日緊急質問を總理大臣に求めたいということで、米價問題その他總理の都合を見て、適當な機會を與えるという委員長のお話でありましたが、その都合がわかつておりましたならばお知らせ願いたい。本日都合がつけばその時間に再開されることを希望します。
#48
○野溝委員長 お諮りします。ただいま八木委員から、米價問題について總理大臣に質疑を行いたいという意見が出ました。委員長といたしましては、先般來お話もありましたので、總理大臣と打合せの結果、本日最初は午後三時ごろ來られる豫定でありましたが、いろいろの都合で四時ごろになるかもしれぬ、それでよかつたならば出席する、こう申されております。よつて八木委員の都合によりまして、總理大臣がそれでよろしいということならば、委員各位の了解を得て再開したいと思います。よろしうございますか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#49
○野溝委員長 では四時に再開することにいたします。休憩いたします。
    午後二時四十一分休憩
    ―――――――――――――
    午後四時十三分開議
#50
○野溝委員長 會議を開きます。
 休憩前に本委員會において決定いたしました通り、總理大臣に對し米價問題に關する質疑を許します。八木委員。
#51
○八木委員 お尋ねいたしたい事項は、きわめて簡單にお伺い申し上げまするが、しかしお答えはできるだけ納得できるように、親切にお願いいたしたいと思います。お忙しい時間を割いてお尋ねいたしますことを前もつてお斷り申し上げておきます。質問の事項は三つであります。
 第一は、國務大臣である平野農林大臣を通じて承知いたしましたあの米價問題をめぐる言動につきまして、その責任の所在につきいかなる御所見をお持合せであるか、これが第一點であります。多年農民運動に携わられた平野農林大臣は農業復興會議の結合大會の席上におきまして、全國から集まつた農業關係者の前において、率直に――、言うは易く行うは難い、野にあつての三合記給の問題につきましても、率直な言葉まで結成大會のときに述べられておりましたが、私は國務大臣である平野さんが、一農業問題の所管長官として、あるいは社會黨の幹部としてこの言葉の使いわけを、地方においてしておられるのではないかというふうに、新聞を讀む折が再々ございましたので、その都度委員會においてもこの所見を質したこどがあるのでありますが、ごく最近關西方面に出張されまして言われておりまする新聞の記事は、いよいよ私をして問題の責任所在について考えさせられる點が深いのであります。ちよつとどうかしているのではないかいうくらいに思われる節が出てまいりますので、そういう點を納得できますように以上の點につきまして先輩として教えていただきたいというのが私の氣持であります。人格の使いわけ等を云々するのではありませんが、この點をお尋ねいたします。
 第二の點は、米價新規決定と國會の關係、また國會議員の責務の關係をめぐりまして、これは經濟閣僚懇談會に委ねて今値上金に審議を進められていることを承知いたしておりますが、今日の國政上、政治、經濟、社會、民生安定の各般から見まして、豫象以上にこの問題が重大な問題であると確信いたしますが、この米價の問題を國會に諮り、國會においてこれを審議し、國會議員の納得において、國民大衆の了解がつくようにしていくことが妥當ではないかと考えます。議會の歴史を取調べてみますと、今までも米價問題を新たに取上げて、對策を決した例もあるのでございますが、これに對してはいかなる御所存でありますか。この點が伺いたいのでございます。
 第三點は、現在政府は、米價と供出の關係は一應別個の問題として處理されておるようでありますが、これを檢討いたしますると、一應は別のものであるけれども、不可分關係に立つている重大な事項であると考えます。私どもの調査によりまする、全國の農業者各位の手もとから集めてみました、供出しにくい理由の調べは、先般農業復興會談においてもまとめて發表してありますように、そのうちの事項を讀み上げてみますと、どうしても米價問題と關連が非常に深い。ですからその點をどうお考えになるかということを伺いたいのでありまして、この供出しにくい理由を要約いたしますと、その一は、公定價格で出したのでは引合わぬ。その二は、一般物價に比して米價が安過ぎるので、供出するのがばからしい。その三は、物價がどんどんあがるので、金にするより米で持つていたい。その四は、やみで高く賣れるから供出はばからしい。その五は、物交でなければ手にはいらぬ品物や、價格の點で物交米を持つていなければならない。その六は親戚や縁故者のために豫備米がどうしても要る。その七は、他人が出すまで出さずにおきたい。その八は、四合ではとても足りないから残しておきたい。その九は、政府に對する不信感。その内譯の一は、約束通り配給物資がこない。その二は、米ばかり取締つて一般商品の取締りはやらない。片手おちだ。その三は、戰時中のむり押しと終戦時における好ましからぬ風評。大きくその十といたしましては、割當の不公平。十一は、割當がきつ過ぎる。十二は、割當が天降りだ。十三は、税金が高くかかつてくる。こういうのが私どもの手もとで調査いたしました輿論の動向でございます。かような輿論動向から考えましても、米價と供出の關係は理論の上では一應分けて考えることもよろしいが、實際問題といたしましては不可分關係に立つて善處していただきたいという希望をもつわけでありますが、これに對して御所見いかがであるか。以上三點につきまして御答辯を願います。
#52
○片山國務大臣 第一の點は、平野農林大臣が地方へ出張されましたときの意見發表の點でありまするが、大臣が地方へ出張いたしますると、よく新聞記者が來訪せられまして、各方面にわたりまする意見を聽かれるものであります。そういう場合に、いろいろの観點から政治的観測を述べましたり、あるいは諸般の情勢に對する新聞記者の質問に應じてお答えするのでありまして、その範圍において答えることは、もちろん政治家として當然のことでありまするから、もちろん平野農相が發表せられたる點については、實際を傳えている節もあれば、あるいは相當事實と違つて書かれている點もあるようでありまして、ただいまのところにおいては、その問題を私から訂正するとか、あるいは内閣の責任として云々するとかいう程度には、もちろん達していないのでありまして、大臣としての政治的観測を述べられた程度であると考えておるのであります。さように御了承願いたいと思います。
 第二の、米價を國會で決定することが至當ではないか、こういう御意見でありまするが、米價は今お述べになりました通り、まことに重要なる經濟問題でありまして、物價に響きまする點から、あるいは國民の生活全般に及ぼす影響等を考えますると、重要な問題であります。特に政府といたしましては、インフレ防止、國民生活の安定、生産力の擴大、こういう観點から物價體系を確立いたしまして、流通秩序の確立に全力をあげておるときでありまするから、その線に沿いまして、米價問題を政府といたしまして一應定めなければならないと考えてるのであります。政府の立場上、各般の問題とにらみ合せて米價の問題を取り上げまして、目下各關系者において眞劍に檢討中でありまするが、いまだ強論に達してないのでありまして、ほどなくその結論を見出すであろうと考えておるのであります。從いまして、一應政治の當局を擔當いたしておりまする政府といたしまして、米價問題を取扱うことが必要であり、また當然のことであると考えておりまするから、この問題はまず政府において一應の處理をみたいと考えておる次第であります。
 第三の供出の問題と米價問題であります。お示しの通り密接なる關係をもつておりまするが、しかし今八木君のお述べになりました通り、理論的には別に緊密なる關係をもたなくともいいのであるという御意見の通り、供出は供出としてお考え願うことが、現在の食糧問題を總合的に解決する上において必要であろうと思うのであります。何しろ供出は國民全般の御協力を得まして、ぜひ遂行しなければならない問題でありまして、今日においては三千五十五萬石という供出總額を決定いたしまして、それによりまして各縣の割當も、先般の知事會議の了承によりまして、それぞれすでに決定いたしておる次第であります。この供出は消費者大衆諸君、國民全般に、食糧問題として影響が大きいものでありまするから、米價問題と結びつけまして、米價がどうきまるかによつて出さないとかいうようなことになつてまいりますると、非常に大きな問題になつてまいります。よつて米價のいかんにかかわらず、供出はどうしても國家的問題として、國民の食糧問題の重要なる解決のかぎを握つておる供出問題として、國民的犠牲とでも言うべき大きな見地から、この問題を處理してまいりたいと考えまして、農民諸君にも、心から大所高所から供出問題に御協力を仰ぎたいということを、われわれは眞劍に願つておるような次第でありまして、ぜひともこの問題は問題として、目的通り遂行いたしたいと考えておる次第であります。しかし米價問題は重要なる問題でありまするから、農民の立場をも十分に考えていかなければなりません。但し消費者大衆、殊に生産に大いに精勵いたしております勞働大衆の立場をも考え、また一面國家財政の立場から、いわゆる新物價體制の確立、この問題とにらみ合わせて考えていかなければならない大きな問題であります。すなわち、生産者たる農民の立場、消費者大衆の立場、國家的見地から、物價體制の建前、インフレを防止していかなければならない國家的建前から、この問題を考えていかなければならない。こういう意味で關係者におきまして目下眞劍に討議をいたしておるような次第であります。また米價の割出し問題につきましても、生産價格を中心としていくべきであるか、あるいはまたパリティ計算でいくべきであるか、これらの問題につきましても、科學的な計算方法、合理的な處置等を勘案いたしまして、適正なる結果を得たいということを考えておるのであります。以上のような各方面をにらみ合わせまして、わが國の經濟の健全なる建前を維持していかなければならない建前から、適正な價格を決定いたしたいと目下眞劍に努力中でありますことを御了承願いたいと思います。
#53
○八木委員 第一點は、事は新聞記事でありまして、これ以上その具體的な資料について云々する意圖はありませんが、國民、特に農民は正直に受取りまして、新聞記事であつても、一旦頭にはいつたその先入主はえて自分の都合のよい解釋にもつていくのでありまして、その結果からきます誤解を解くために、われわれも全國からの問合せに合い、まな國民とこの問題について非常な眞劍な對談をしなければならない場面に再々ぶつかりますので、私は今までの經過を申し上げまして、これは國務大臣として、いやしくも内閣に列しておる大臣の言動につきましては、新聞記事の取扱い等については、特に愼重なる計らいを希望いたしまして質問としては打切ります。
 第二、第三の點は、これは今後まだ時間もあるわけでありますから、私の主張としては、どうしても國會の問題として、國會議員の責務の一端を果す重大な事項といたしまして、受入れ体勢、心構えを要求いたしたいのでありますから、この氣持だけを述べまして、時間がないということでありますから打切ります。
#54
○野溝委員長 野上君。
#55
○野上委員 簡單に要點のみについて總理大臣にお伺いいたしたいと思います。
 米價決定に對する政府の基本的態度についてお伺いしたいのであります。先ほど總理大臣からも、米價は米價、供出は供出として考えてもらいたいという説明がございましたが、これは、私どもは一應その説明によつて納得し得るといたしましても、全國の働く農民は、こうした説明では絶體納得し得ないと思うのであります。御承知のように、戰時中から今日に至るまで、年年供出制度が變りまして、つくつたものはほとんどとられてしまう。正直に働いて百姓をするものがばかを見るというような現状において、値段もきめずに今年のごとき割當をしても、とてもこれは無理な注文でありまして、やはり速やかに價格を決定して、納得をほんとうに求めるという態度をとらなければ、今年度の三千五十五萬石の供出に大きな支障を來たすのではないか、と本員は憂慮するものであります。私はこの米價決定には少くともどういうような基本的な態度を政府はおもちになつておるのかということを、お伺いしたいのでありますが、まず働く農民といたしましては、農業の再生産に必要なる價格を決定していただくということが、第一ではないかと思うのであります。これはもとよりその方針としてはよくお考え下さることと思いますが、必ずしも今日傳えられておりますところの高額に決定するというようなことは、農民自體としては要求しているものではないのであります。これは政府がとつておられますところの、物價體系を維持するという意味からいきましても、米價を高目に決定しました場合には、さらに賃金の騰貴を呼び、インフレーションを高進せしめて、いわゆる惡循環を斷ち切ることができないというような現象になりますので、われわれはもちろん必ずしも高い値段を要求するものではありません。但し、その農業を營むに必要なる、擴大再生産を續けていくに必要なる價格に決定していただきたいと思う次第であります。
 いま一つは、その算定の様式に、生産費様式をとられるとしましても、あるいは政府で言つておられますところのパリティ様式によつて、六十四種目を選んで決定いたしますならば、これらの農業經營の資材として選ばれましたところのものが、まつたくマル公價格をもつて農家に届けられるかどうかということであります。これが確實に守られれは、農家は必ずしも高い名目だけの價格を喜ぶものではないのであります。そうした用意が政府にはたしてあるかどうか。こういうことについて、政府の確固たる腹をお伺いしたいわけであります。
 さらに、増産意欲を促進するために各種の報奨物資等が用意されておるのでありますが、從來報奨物資は常に必要な時期に必要な物資が與えられておりません。正當なる勤勞に對する報奨として出されるところの報奨物資が、まつたく時期遅れに、しかも不必要なものがまわるというような有様でありまして、私はつい先日も尾張において實際農民の聲を聞いたのでありますが、ある所にはかすりとしようちゆうが、何とドラムカンに一臺もくる、そう酒を貰つてまつたく處置に困つたというような農民の話を聞いておるのであります。結局これを一部よそへ轉用、賣るということになれば、これは經濟警察にやられます。そういうふうであままして、實にそうした報奨物資のやり方というものは、現實に適しないやり方でありますので、今後新しい供出對策として報奨物資をやられるとすれば、私どもがかねて主張いたしておますように、必要な時に必要な物をもつていくというような方法を講じていただきたいということを思うのでありますが、大體報奨物資をどれくらい出せるか、どういう數字を確保しておられるのか、その點についてお伺いしたいと思うのであります。
 なお次に、農家經濟の最も重大な問題となつておりますところの乙種事業所得税とも言うべきものでありまして、これはちようど都市勞働者階級に對するところの勤勞所得税とも言うべきものでありまして、昨年乙種事業所得税を突如としてかけられたところへ全國の農民は、まつたく悲鳴をあげてしまつたのでありますが、この税金に對して、大幅に免税點を設定するとか、あるいは撤廢するというような意思があるかどうかということについて、お伺いしたいと思うのであります。以上簡單でありまするが、要點のみを申し述べまして、政府の所信をお伺いしたいと思うのであります。
#56
○片山國務大臣 ただいまの御意見はごもつともな御意見が多かつたと思います。私どももそういう方面に努力いたしまして、できるだけ要求される物資をまわしたいと考えておるのでありますが、御承知のように循環論法となつてくるのでありまして、米價を物價體制とにらみ合わせて考えていかないことには、インフレが進行してやみも進行することになりまするので、やみの撲滅と相竝んで、農家に必要なる品物がやみによらずしてまわつていくように、努力しなければならないのであります。そういう意味でここに米價を定めまするのに、パリティ計算を用いてマル公でまわる物價をどれほど出し得るか。こういうふうに定めまして、マル公で全部補い得る場合における問題の取扱い、やむを得ずやみで買わなければならないような場合における問題と、いろいろ對照いたしましてその結論を見出す。こういういろいろの方面から檢討しなければならないと、考えておるのであります。つきましては今ここで、どれだけの數字のものを農家にまわし得るかという問題をお尋ねになりましても、今ただちにお答えする用意がありませんが、それは安本長官なりあるいは農林當局から、お答えすることにいたしたいと思います。いずれにいたしましても、ほんとうに國民の總力をもちまして、やみを撲滅いたしまして、眞にマル公によつて國家配給機構を、個人の生活はもちろんのこと、産業方面にもしみわたつてまわるように、ぜひともいたしたいと考えておるのであります。そうするのについては、一つを崩すわけにいきません。一つを崩しますと全體が碎けてまいりまして、せつかくの物價體制が碎けてまいります。その意味におきまして、どうしても物價體制を維持していくということを土臺におきまして、それから千八百圓のベースも割り出し、また米の値段も割り出していく。これには今御指摘のように、できるだけ必要なる品物を公定でまわして、それをゆたかに、要求に應じて生産が上るような方法によつてまいりたい。この努力はなみなみでないのであります。しかしどうしてもこれはやらなくてはならない。これを崩すわけにはいかないから、こういうことに努力いたしておるのであります。そこにはなはだむずかしい點があるのでありまして、供出問題につきましても農民にお願いし、農民の奉仕的な犠牲を、われわれは強くお願をいたしておるのでありまするが、國民全體といたしましても、農民のこの努力に感謝されまして、眞にわが國の經濟體制を確立するのには、國民の全般の協力を願わなければならないという意味を、農民にも十分に現わすようにしていただきたいと希つておるのであります。よつて米價決定におきましても、千八百圓のベースはどうしても守つていきたい。消費者、勞働大衆にもできるだけ辛抱してもらわなければならない。こういう意味をにらみ合わして、考えていきつつあるような次第でありまして、ただいま御意見にありまするような事柄は、十分考慮いたしたいと考えておる次第であります。
#57
○野上委員 ただいま大臣の御答辯にありませんでしたが、乙種事業所得税の點について御答辯を承りたいのであります。
#58
○片山國務大臣 その點は私はあまり心得ておりませんので、大藏當局なり農林當局に答辯さすことにいたします。
#59
○野上委員 こまかな點につきましては、それぞれ主務大臣からお伺いすることにいたしまして、私は總理大臣がぜひひとつ勇氣をもつて、やみの撲滅のために…結局やみ生活をなくすることによつて、米價の安定その他の國民生活の安定をはかることができるのでありますから、この際大いに勇氣をふるつて施策に當つていただきたいということを希望いたしまして、速やかにこの米價の決定をはかられんことをお願いする次第であります。
#60
○野溝委員長 叶凸君。
#61
○叶委員 簡單に總理大臣に御質問いたしたいと思うのであります。さきに八木委員、野上委員がふれられましたことを、私は角度をかえて御質問いたしたい點があるのでございますが、それは大體省くといたしまして、一應總理に御質問いたしたいと思うのであります。米の問題になりますと、これは大體主管大臣が農林大臣ということになるわけでありますが、大體報奨物資等におきましては、ただいま片山總理からお聽きいたしますと、商工省の所管に相なるわけであります。しかし今度の割當會議等におきましても、大體これは單に一、二の閣僚の問題ではないのでありまして、全體の片山内閣自體がこの食糧問題について、いかに熱意をもつておるかということを、もう少し示してもらいたかつたという感想が、よく知事や食糧調整委員から起つたわけでありますが、その點において片山總理の信念、所感の一端をこの際御披瀝いただきたいと存ずるものであります。
 それから農民の最も要求をしておりますのは、先ほどの野上委員の言に畫きれておると思うのでありますが、パリティ計算によりますと、七十一品目云々のことをわれわれは聽かされておるのであります。しかしいかなるパリティ計算によつて、現在米價が算定されておるかということにつきましては、われわれ農林常任委員會に對しましては、安本その他の當局より何ら資料が與えられないのであります。もとより米價の問題は單に内閣諸公の問題であるのみならず、國會自體が取上げまして論議すべき問題でありますが、いかんせん八木委員は地方において言論が多過ぎるという御意見のようであります。私どもはこの惨澹たる寂寥たる言論のない國會に對しまして、逆にもつとどんどん意見を出して政府にも建言すべきであるし、少くも一つの公黨でありますならば、民衆の直接の問題に對しましては、大膽率直なる意見を、責任もつてやるべきであると考えておるのであります。
 大體具體的な問題を最後に御質問いたしたいと思いますが、はたしてこのパリティ計算によります七十一品目のものが、どの程度にマル公でくるのであるか。これについて資料をただいま總理に出していただきたい、というような御無理を申し上げるのではありませんが、少くともこういうことにつきましては、内閣自體の責任におきまして、天下の信任、農民の信任を得るために、いくらマル公の米價にして、七十一品目の品物については、マル公でどれだけやるという責任ある額の提示と、それに對する具體的施策をわれわれは要望せざるを得ないのであります
 それから麥の供出と馬鈴薯の供出の報奨物資として約束されておるのが、現在商工省所管の工場でまだ製作中であるものもあるそうであります。しかしこれは敗戰後のこういうような状況でいたし方ないといえば、そういうものでございますけれども、現在やはり農民は、これは循環論理になると仰せでございますが、農民の立場から申しますとならぬ。やはり皆さん飯をお食いになつている。やはり毎日飯を食わなければ生きているわけにいかぬのでございます。農民側から申しますと、これはやはり循環論法になるとは考えないのであります。これは第三者からなると、そういう論争は成立たぬとおつしやるかもしれませんが、農民の立場からみますと、循環論法でないと考えているわけであります。ここにやはり政治家としての一つの感覺が最も必要でないかと私どもは考える次第でありますが、麥、馬鈴薯の供出報奨物資につきましても、やはり適當な際に内閣といたしましては、かような處置を現在とつているということを、ひとつ言つてもらいたいと思う。現在の片山内閣は、民主黨の八木さんにも申上げておきたいと思いますが、民主黨に言わせますと、社會黨と一緒であるから、すぐに社會主義々々々々という、石炭問題でもおつしやるわけです。社會黨のわれわれの同志諸君も、やはり民主黨と一緒になつてやつているからやりにくいという。かようなことでは相成らぬのでありまして、われわれが少くとも片山連立内閣としてやる場合には、連立内閣としての限度がおのずからあるというところに意見が一致したからこそやはり片山連立内閣が成立して、未曽有の難局に對處しているわけでありますから、そういうことを申さずして、今度の米價問題につきましても、内閣それ自體の問題といたしましても、早急にやはり具體的に、經濟白書を組閣當初から發表されました片山内閣のその氣持を、この米價等の問題につきましても早急にやつてもらいたい。片山内閣が供出問題に失敗したら危うくなるだろう、危くなつていかなる内閣が假にできるにいたしましても、この食糧問題が、かつて現内閣が成立を見た場合のように、二、三日しか食糧がないということでは日本の危急存亡に關すると思うのであります。こういう意味で本年の食糧問題はまことに重大でありまして、このパリティ計算等につきましてもいろいろな御説があるわけでありますが、その一應の政府の具體的見解、そういうことにつきまして、具體的にやはり片山總理の責任におきまして、今日ただいま御返事をいただかなくても結構でございますが、適當なる時期におきまして、天下に公言せられんことを切に希望する次第であります。われわれ野黨時代片山總理の謦咳に接することが多かつたのでございますが、かえつて片山内閣が成立いたしましてから、總理のお顔を見ることが少なうございます。私本席をかりまして、あえて野人ぶりを發揮して言いたいことを申上げているわけでございますが、どうかひとつ、片山總理一人を見殺しにはしない。斷じてそういうことをやつてもらいたいということを強く要望する次第であります。
#62
○片山國務大臣 ただいま叶君の御希望なり御意見は十分尊重いたします。私どもといたしましても、米價を決定いたしますれば、どういう經過によつて、どういう數字的根據によつて、どういう計算方法によつて、かくのごとき状態になつたのであるか、この結論を見出すにいたつたのであるかという經路は、十分に諸君の納得のいかれるように明らかにいたしたいと考えておるのであります。そうしてすべてを明らかにいたしまして、ないものはない、あるものはこうして出すのであるとすべての過程と經過を明らかにいたしまして、諸君の御協力を得たいと考えております。そういうふうにしまして、この食糧問題は國民全體の理解を得た方法によつて、供出も、配給もまた乏しきをわけ合う耐乏生活も、みな心からなる理解がなければやり得ないだろうというように考えておりまするから、叶君の御要求のような趣旨に從いまして、十分努力いたしたいと思つております。
#63
○大島(義)委員 私は總理大臣にお聞きしたいのでありますが、この破局に頻する時局を擔當せられる總理大臣の日夜の御腐心は、今さらながら私どもは敬意を表するとともに、その御心中はお察し申し上げることができるのであります。ただいま問題になつております米價の問題でありますが、私どもは何がゆえに今まで口を喊して米價の問題の數字的根據をあげないかということを、この際一應申し上げたいと思うのであります。それは日本の現在の農民は、國の政治を危くしてまで勝手に米價を主張するというようなわがままな者がきわめて少いのです。政府の政策に對しては、あくまで同調していきたいという考え方を十分もつておりまする。ただしかし再生産に必要なる一切の裏づけをしていただきたい。今米の値段が千圓であろうが、千三百圓であろうが、二千圓であろうが、その金が重大な問題ではないのであります。いずれにいたしましても三百圓とか五百圓というような食い違いというものは、やみを買うならきわめて僅少なる金なのでありまして、むしろそれよりは、農家の再生産に最も必要なる物の裏づけをお願い申し上げたいということが農民の聲でありまして、この観點に立つて米價を御決定願うことが一番よかろうと、われわれ思考しておりますし、またこれをお願い申し上げたいのであります。從つてわれわれが今口を喊してこの數字を聞かないという理由も、せつかくおやりになる政府當局に、もしわれわれの輕々な口走りが妨害をするようなことがありますれば、何とも恐縮だと考えますので、これを黙しておるわけでありますが、以上の點をよく御了承願いまして、新米價の決定のあたりましては、萬全を期していただきたいと思うのであります。
 そこでただ私はもう一つお伺いいたしておきたいと思いますのは、實は先日の委員會における北君と總理大臣の間のあの問答の形式であります。この北君の言動は、私はどうも委員會の組織と國會の權威を無視したいき方と考えなければならぬと思うのであります。しかも一國の總理大臣が、この重大な米價問題を中心として、議員と一問一答されるにあたつて、委員長は開會を宣せず、速記を付さず、私的な會談をなさるということは、何としても私は承認しがたいのであります。ただいま委員長もおられますし、總理大臣もお見えになつておりますし、また北君からもさような考えを承りたいと思うのであります。
#64
○片山國務大臣 ただいまの必要物資の農家供給問題は、叶君も御意見がありましたし、ただいまも御要求がありましたので、單に一商工省の問題とせずして、全般的な問題といたしまして、豐富なる供給をなし得るような土臺をつくりたいと、せつかく努力中でありまして、内閣全體の問題といたしまして、深甚な考慮を拂いたいと考えております。北君の問題につきましては、委員長から釋明があるものと思いますが、私はごく輕い意味で、北君から御質問がありましたからお答えをしたのでありまして、委員長の了承を得てやつた次第でありますから、その點お含み願いたいと思います。
#65
○野溝委員長 私から一言申上げます。ただいま大島委員から發言のあつた點でございますが、私は實は昨日に至りまして、初めて總理が來られるということを聞いたのであります。それまではそういうことは全然關知しませんでした。そこでたまたま事務當局から、北委員が總理に打合せを願つて來てもらうことになるがどうかというお話でありました。
    〔發言する者あり〕
#66
○野溝委員長 靜肅に願います。發言中です。そこで、事務當局から、何がゆえに一體僕の了解がないのに、そういうことをしたか、もしそういうことであるならば、勝手に御懇談をされることは御自由であるが、正式な委員會においてこれを許すことはできませんと申したのであります。それに對して事務當局は、正式な委員會でなくてよろしいということでありますという話であります。私は政府委員が來るまでの間の御懇談は、それは勝手に北君と總理大臣と話されたことであるから、それは御自由にするがよろしい、しかし政府委員が來た場合においては、ただちに正式な會議に移ることにするから、さよう了承されたいという私の發言をしたのであります。大體以上でございます。
 なおこの際申し上げておきます。たとえば懇談にせよ、委員長の了解なくして政府委員と交渉を開始するということは、最も愼しむべきことでありますので、今後はさようなことのないように十分御留意を願いたいと思います。
 本日はこれにて散會いたします。
   午後五時二分散會
ソース: 国立国会図書館
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