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1947/10/16 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第34号
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1947/10/16 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第34号

#1
第001回国会 農林委員会 第34号
昭和二十二年十月十六日(木曜日)
    午前十一時十五分開議
 出席委員
   委員長 野溝  勝君
   理事 叶   凸君 理事 鈴木 強平君
   理事 寺島隆太郎君 理事 岩本 信行君
   理事 大石 倫治君 理事 萩原 壽雄君
   理事 北  二郎君
      大島 義晴君    佐竹 新市君
      田中 健吉君    永井勝次郎君
      成瀬喜五郎君    野上 健次君
      平工 喜市君    細野三千雄君
      水野 實郎君   小野瀬忠兵衞君
      小林 運美君    志賀健次郎君
      関根 久藏君    圖司 安正君
      寺本  齋君    中垣 國男君
      中島 茂喜君    堀川 恭平君
      八木 一郎君    小川原政信君
      佐瀬 昌三君    田口助太郎君
      野原 正勝君    益谷 秀次君
      松野 頼三君    森 幸太郎君
      梁井 淳二君    山村新治郎君
     的場金右衞門君    中村元治郎君
      山口 武秀君
 出席政府委員
        大藏政務次官  小坂善太郎君
        農林政務次官  井上 良次君
 委員外の出席者
        農林事務官   安孫子藤吉君
        專門調査員   片山 徳次君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 薪炭需給調節特別會計法を改正する法律案(内
 閣提出)(第四九號)
 農業協同組合法案(内閣提出)(第二九號)
 農業協同組合法の制定に伴う農業團體の整理等
 に關する法律案(内閣提出)(第三〇號)
    ―――――――――――――
#2
○大島委員長代理 會議を開きます。
 それではこれから皆様のご推擧によりまして、私が委員長代理をして、薪炭儒教調節特別會計法を改正する法律案の審議を進めたいと思います。
 質疑を續行いたします。野原委員。
#3
○野原委員 特別會計の運榮上の問題に關しまして、いろいろと要望したい點があります。この點を申し上げたいと思います。まずこの買上げの制度は、あくまでも生産を増強する。從つてその生産者の立場に立つて、出来るだけの利益を確保するような點に重點をおいてやつてもらいたい。その點に關しましては、特に價格の方面について、現在生産者價格との格差があまりにもはなはだしいというような聲がたくさんあるのであります。生産者はもう少し上げてもらいたいと言う希望が非常に強いのでありますけれども、ただこの格差がはなはだしいという問題を、農林當局ではこの問題について、生産地の事情によつては、むしろ鐵道の貨車積みの價格で買うようにすれば、價格差が少くなくなるというようなことで、地方の要望があればそういうふうにするという御意向のようでありますけれども、この生産者の立場から言うと、どうもこれは非常に困るのであります。むしろ買い上げ地點というものはできるだけ奥地でやつてもらいたい。できることならばかま前で全部買取りを願いたいのであります。それと申しますのは、今までのような買上げのいき方でありますと、どうも生産者の資金というものは非常に乏しいのでありますけれども、これがみんな寢てしまいまして、金融上非常に困る事態になつております。その點できるだけ金融上の不便をさせないように、生産者からすぐに買上げる。かま前で買上げるというように、生産者本意とすれば、非常にいいわけであります。その點はぜひともできるだけかま前で買うという建前を建持されたい。これを價格の格差が多過ぎるというようないろいろな非難のために、かえつて逆にかま前から買わないで、相なるべくは驛頭で買おうというように出られることは、どうも生産の實體をあまりお考えにならないという態度と思うのであります。その點は特に運榮にあたりましては、むしろもう一歩進んでかま前で買うというようなところまで運榮を御考慮になつてやつていただきたい。
 それから同時に輸送の問題ですが、現在非常に滯貨が多くて、生産者はその滯貨の山を見るたびに、生産意欲がどうしても減退せざるを得ないのであります。從つて木炭の買上げをした後の輸送をいうものに關しましては、強力な措置をしてもらいたい。これがかま元で買上げてもらいたいという大きな理由だと思うのであります。つまりかま元にて買上げたものを、政府の威力をもつて圓滑に消費地に急速に送るということ、この點を強化してもらわないと、どうもせつかく炭を燒いたが、消費者の手には渡らない。非常に時間がかかるということになりますので、その點はもつと強力な措置をしてもらうと同時に、できるだけ生産者には大いに生産に重點をおいてもらつて、極力炭を燒かせることのできますように、今後の運榮を進めていただきたい。
 それからこの際特にお願いしておきたい點は、食糧の問題、從來一俵當りについて一合二勺の増産に對する加配米をいただいておつたのでありますが、しかし一名につき一日五合という限界がありまして、五合でもつて縛られておる。ところがご承知の通り、山に働く人たちの勞働は、まことに超重勞働でありまして、おそらく他のあらゆる産業を通じまして、このくらい體力を要する、エネルギーを消耗する仕事はないのであります。從つて從來から一升飯を食わなければ本当の炭燒きでない。しかも特に私強調申し上げたい點は、ほかに食べるものがないのであります。つまりみそと米とその邊の山菜やら、多少かまの周圍を開墾などして得たところの野菜のわずかなもの、生鮮魚類であるとか、あるいはまたいろんな魚なんかの配給も、まれには山の奥にもまいりますけれども、ほとんど何もないと言つてもよろしいのであります。ところがそのみそさえも最近は非常に少ないのであります。從つてどうしてもいわゆる純農家のように、かし飯をして食えばどうにか満腹感が與えられるが、そのかしにする材料がないのであります。これはほうとうに生産をさせるということであるならば、どうしても食糧の加配に關しては、もつと實態に即するようにしてもらいたい。よく炭の横流しという言葉が使われ、いかにも木炭を燒く者が横流しばかりやつておる。けしからんというような非難を聞くのでありますけれども、實際の炭を燒いておる人たちの實情を見ますと、横流しをしなければとうてい食つていけない死んでしまうというような、實にやむにやまれない點があるようであります。つまり重たい炭をわざわざ山の奥から三里も四里も背負い下げて、わずか二升か二升五合の米と交換をして山の奥に背負つていくのであります。實にそのすがたたるや、これをとがめるどころの話じやない、さようなことまでしなければ木炭を燒けないという實情を見るときに、私はどうしても製炭者に對する食糧問題というものがあまりに冷酷である。何とかこの邊十分お考え願わなければ、とうてい木炭の生産はいくら言葉で叫んだところで、満足な結果は得られるものではないという點をしみじみ考えたのであります。今囘一合七勺に増配の扱いが決定いたしましたことは、わずか五勺でありますけれども、まことに生産者はこのことをどのくらい喜んでおるかわからないのであります。私どもは非常にこの點は満足しておりまするが、ただこれを五勺というようなことで縛らないでいただきたい。それからまた、これは言うまでもありませんが、木炭の生産は一家總動員で勤勞しております。つまり主人公のみならず、女房もそれからまた學校へ通つておるような小さい子供までも、みなそれぞれあるいは口ひばをとるとか、あるいはまたなわをなうとか、あるいは小出しをするとか、一家あげて、いわゆる手のある者はみんな働いて、そうして炭を燒いておるのであります。決して主人公一人やなんかでやつておるのじやない。その點から申しましても、これは炭燒きに從事しておる家族全員にまで、やはりこの食糧を何とか十分に行きわたらせるようにしたい。聞くところによりますと、炭鑛勞働者に對しましては、本人に對しても三合をやつておるということを伺いますときに、あの山の奥で何も食べ物がないかて飯にする材料さえももたない、超重勞働に從事しておる木炭の生産者に對しまして、少くとも私は炭鑛勞働者なみ、否それ以上のものを要求するのであります。その點に關しましてさいわいに政府の係官もおられますので、責任のある御囘答をお願いしたい。なお奥地の生産者はいろいろと不自由をしております。たとえば衣料品のごときいまさら申すまでもないのでありますけれども、實に衣料問題には窮迫をしております。あの山の奥で、毎日毎日藪を越えていろいろなむづかしい仕事に從事しておる。非常な極端な傾斜であるとか、あるいはまた林の中を縦横に歩いて、非常な勤勞をしているのでありますから、衣類の切れることはまことにおびただしい、ほかの産業のどれを比べても、おそらくあれほど衣料の切れる仕事はないのであります。そういう點を少しでも考慮しておりません。地下たびとか、その他のものは、木炭の生産に應じまして、ある程度はいただいておりますけれども、一般の衣料についての御考慮が足らない。この點この際ひとつ特に木炭の生産という點から、ぜひともこの點に特段の御考慮を願わなければならぬと思うのであります。それからいろいろとございますが、特にこの際水害に關して一言觸れておきたい。今回東北におきましては第一次、第二次と大水害が起きましたが、なお引續いて第三次の水害まで起きまして、壊滅的な損害を受けた。たとえば岩手縣におきまして炭がまが壊れておる。つまり流失したもの、あるいはまたはちが落ちてしまつたもの、こういうものの全體が第一次第二次でも二千三百六十二、第三次においては三千二百四十四、合計して五千六百六というような、實におどろくべき數の炭がまが落ちてしまつた。あるいはまた木炭倉庫が流れたものが百七、あるいはまた流された木炭だけでも實に六萬五千俵、あるいはまた簡易林道がほとんど壊滅してしまつたものが二十二萬メートルもある。あるいはまた馬車のはいるような程度の林道、あるいはトラック道路というふうなものでも、約四十三キロのものが流れた。こういつたような點で、最近では木炭を燒くどころの話ではない。自分たちの小屋を修理するとか、あるいはまた食糧を運ぶ。あるいは子供たちが學校へ通うことさえもできないような窮状でございまして、まず道路の復舊から一生懸命かかつているようなことであります。この際ひとつ木炭の生産と同時に、こうした水害にかかつた生産地帶の復舊のためには、特段の御考慮を願いたい。その點も併せてお願いいたします。なおいろいろと要望がありますが、また後でお願いすることにいたしまして、この程度に止めておきます。
#4
○井上政府委員 木炭増産に關する重要な諸問題についてのご質問でございますが、これらの問題は、昨日以來各委員の方から勢心に論議されまして、政府もこの所信の一端を御答辯申し上げたのでありますが、第一項の生産者の生産意欲を高めるために、生産者をできるだけ擁護しろ、つまり中間手數料等をできるだけ壓縮して、生産者がたちいくような方策を講じなければならぬというのは、まつたく御同感でございまして、問題は生産者が木炭を生産する意欲を高めるという處置を講じませんと、政府がどれだけりつぱな計畫を立てましても實行はできませんので、あくまで生産者の立場に立つて炭増産に對する必要な手段を積極的に講じなければならぬと考えて、本日御審議を願います特別會計の問題にいたしましても、まわりまわつて生産者の生産意欲を高揚する直接の一つの對策であります。なおこれらの諸對策を政府に急速に打つために、第三番目で御主張になりました、たとえば食糧の確保の問題についても、基準量に對して供出リンクその他を考慮いたしまして、配給量を、五合三勺確保する。この點につきましては直接食糧管理局に對して、木炭生産者の加配米の確保の交渉をいたし、近く實行する方法を進めております。さらにお説のいろいろの報奬物資のうちでも、特に繊維製品等については、非常に出まわりが悪いというのでありますが、全體の繊維製品が思うように確保ができぬという現在でございまして、特に繊維製品のうちで混織、特に木綿織物でありますが、木綿物がなかなか自由に確保できませんけれども、しかし絶對量は何としても不足を告げておる現状の中において、木炭生産者の繊維製品をできるでけ確保しようと、すでにこれも安本の方と大體交渉を進めまして、わずかでありますけれども、順次必要數量の確保に對して交渉を進めておるようなわけであります。なお地下たびその他に對しましても、また酒とかタバコというような日用品につきましても、いろいろ交渉を進めまして、山奥において薪炭生産に努力をされておる人々の氣持をくんで、そういう必要物資をできるだけ確保してまいりたいというのだ、今度の緊急對策の中にも織りこんでやつておるようなわけでございます。
 なお輸送の確保の問題でありますが、これは昨日もこの問題が非常に重要な問題として論議されまして、特に運輸當局の御出席を御願いして、いろいろ御協力を願つたようなわけであります。要はいかに山元で薪炭が生産されましても、これが各消費者の家庭に配給される間の輸送方法等を圓滑に、合理的に迅速に押し進めるという對策が竝行して立たれませんと、何の役にも立ちませんので、これらの輸送確保、特に燃料需用の急激に高まりつつある現状におきましては、政府はあらゆる關係の方々の協力を求めて、近く木炭増産に對する非常手段をとるつもりで、今計畫を進めております。さらにまたお話のごとく、輸送に密接な關係のある水害の對策でありますが、御存じの通り林道が破壊をいたしまして、満足に輸送が行い得ないような實情にありますので、これらの林道囘復について、また水害によるかまどのはかいの囘復、復興等についての對策を併ぜて考え、また必要な地帶に對しましては、水害對策費の一部から、これらの復舊費を、すぐ各被害縣に割當てましてやつておるようなわけでありまして、それに對しましては、今後とも政府は一層の注意をいたしまして進めたいと考えておる次第であります。
#5
○野原委員 食糧對策の問題に關しましては、私の質問せんとしたことは、實は單に五合を確保するということでは滿足できないのであります。つまり五合というきじゆんいとらわれずに、大いに炭を燒くならば、もつと増配してもらいたい。つまり木炭を一俵生産した場合には一合七勺やるという建前なんでありますから、これだけにいたしまして、つまりたくさん炭を燒くならば大いに考えて、家中一生懸命に働いて、思い切つた生産をあげるようにということにしてほしいと思うのであります。つまり五合というようなことは一應の目安をたてにとつて、五合以上はいくらお前たちが燒いても増配はせぬぞというようなことになりますと、そうも増産意欲というものはまた下つてしまう。せつかく一合七勺を殖やされたと一時よろこんでみたものの、五合という一つの制限を加えられますと、まことに羊頭を掲げて狗肉を賣るということになつてしまいます。これはただ單なるうれしがらせだけのことで終りますから、私どもの聽きたい點は、この一合七勺ということであつたならば何にも五合というような制限はしなくてもいいのではないか。つまり炭鑛勞働者の六号三勺というようなことと關連しましても、私どもはあの特殊な超重勞働をやつておるところの木炭の生産者に對しましても、こういつた五合というような制限を付する必要なない。あくまで一合七勺で頑張つてもらいたいということを御願いするわけでございます。それからよく地方へ参りますと、せつかく切符は貰うが現物がなくて配給がいただけないというようなことがあるのであります。それで山の奥におりますために、その附近が米の生産地ではない、概して言うなば、木炭の生産地とは縁が非常に少い。從つてぜひとも中央から割當をして、ほかへ流さぬように、やはり木炭の生産というものに對しては、それが的確に生産者に配給されるという仕組を強化してもらいたい。
 なおこの際次官にお願いしたいのは、繰上配給をお願いしたい。つまり木炭を燒いたならば食糧を配給するということでは、これはまつたく矛盾しておるのでありまして、それぞれその生産目標に應じて、前もつて普通一箇月、あるいはまた冬気管の積雪の時期においては、地方の事情に應じて三箇月とか、あるいはまた六箇月とか、そういうような繰上げの措置を講ずる。こういつたようなことまでしませんと、どうも木炭はますます減産するばかりであります。この點を特に次官から御答辯願いたい。
#6
○井上政府委員 食糧の問題で五合で一應頭打ちで、それからは上は抑えるというのではないのでありまして、食糧管理局の方といたしましては、いろいろな需給の關係から大體五合で我慢をしてくれという意見がございますけれども、林野局の方からは、生産者の實情を考え、今お話のように諸事情を考慮いたしまして、やはり一俵に對する一合七勺のリンク制を確保してまいりたい。從つて増炭をすればするだけ増配はいただける、こういう處置を講ずるように、協力にその談判を事務當局はいたしておるようなわけであります。なお食糧の前渡しの問題でありますが、大體一定量を政府の方で直配の形で確保すべく交渉も進めておりますし、それらの問題が具體的に話がつきますと、大體わくが薪炭において確保できますので、そのわくが確保できました場合は、お説のような處置も一部講ぜられるのではないかと考えますが、今だたちにそういうわくも、そういう現物も押えずに、やるわけにはちよつとまいりませんから、具體的な實際處置を確保いたしました上で、お説のような方法にいたしまして、これは山奥で炭を燒くのでありますから、米を持ちこんではいらなければならぬ關係もありますので、そういう點もできるだけ十分現場の事情に合うように處置してまいりたい、こう思つております。
#7
○北委員 昨日政務次官に、いわゆる木炭の生産者價格これにつきましてどちらが正しいかということを尋ねましたが、はなはだ不明瞭な答辯でありましたので、いま一度はつきりとご説明願いたいと思うのであります。
    〔大島委員長代理退席、委員長著席〕
 それからもう一つは、木炭業にしろ、たとえば農産物の麥の價格にしろ、米價にいたしましても、いわゆる中間マージンが非常に多過ぎるのであります。この中間マージンが現在のような状態でいきますならば、日本の國は必ず滅びると思いますが、これを是正するお氣持があるかないか。
 最後にもう一つ、政府はこの間協同組合法案第九條の中に木炭業の規定を入れたようでありますが、今後木炭業と協同組合の關係について、政府はどんな御方針をとられるか、具體的に例をあげて説明を願いたいと思うのであります。また今食糧の問題が出ましたが、政府は食糧の持ちこみばかりを考えておるようでありますが、いわゆる産地開發とか何とかいう方法で、自給策を立てる方策をとつておるのかおらないのかこれも明細に御答辯願いたいのであります。以上の三點を質問する次第であります。
#8
○井上政府委員 第一の生産者價格が正しいかという御質問でございますが、これはどちらもその立場をよく考慮いたしまして、科學的に檢討を加えた結果、木炭價格というものが生産者價格はいくら、小賣價格はなんぼというぐあいにきめられておるのでありまして、どちらが正しいということではなしに、木炭價格全體が正しい基礎の上に立つて割出されておる、こうお考え願いたいと思います。ただあなたの聽こうとするところは、マージンがあまりに多過ぎる。それは不當であるというところにあろうと思うのでありますが、この問題はたびたび論議されております通り、お手もとにも資料を渡してあります通り、大部分が縣内および縣外搬出の輸送費であります。輸送費がべらぼうに引き上りをされました關係上、それが大きな價格を占めておりまして、輸送費を除く以外のものというものは、ここで全體を見ましてもほんの一圓七餞、輸送費を除く全體の計數としては一圓七餞、總計二十五圓二十餞のうちで一圓七餞だけが輸送費を除く以外の諸費用でありまして、しかもこれらの諸費用は生産者のためにやらなければならぬ實情にあるのでありまして、そういう點から考えましても、これら中間マージンをとつておるのではない。これはやむにやまれぬ經費として計上しておるのであるという點を御了承願わなければなりません。
 それからその次に薪炭と協同組合の問題でございますが、これはもうすでに協同組合法案の審議の際にいろいろ論議されておりますので、薪炭協同組合というものが將來山を中心にして結成されます場合は、當然その處置を法的にもきめなければならぬ状態になりはせぬかと考えております。現在は大體農業協同組合が育成されまして、農家の副業としてやられる場合は、一應その立場においてこれをやらす、さらに將來薪炭業者を中心とする薪炭協同組合というようなものが、この農業協同組合の線に沿うて發生することになろうと思いますが、そういう場合は、また別にひとつ考えてまいりたいと思つております。第三點は何でありましたか。
#9
○北委員 今の協同組合と木炭業の問題でありますが、これは早急に政府はやるつもりであるか、やるつもりでないか、またやるつもりであればどういうぐあいにしてやるか、この點を例にあげて説明願いたいと思うのであります。
 それから第三番目の點といたしましては、今食糧の問題でありますが、これは政府は先ほども申された通り、山への食糧の持ちこみばかりを考えておるようでありますが、あるいは産地開發とか何とかによりまして、いわゆるその山の麓で食糧を自給するという體制を考えておるかどうか、考えておればどういうぐあいにしてやるのか、考えておられないとすれば、なぜそれを考えていないか、この點をお伺いしておく次第であります。
#10
○井上政府委員 薪炭協同組合の問題は、政府としては大體農業協同組合の發展を見ました上で、一應勘案したいと考えております。
 それからその次の食糧の自給の問題でございますが、本当を言いますればその炭を燒いておる地元で食糧をみずから生産し、みずから勘案してやつていくというやり方が一番合理的でございますけれども、すべてそれをやらすというわけには、なかなか實際上困難でありますので、そういうことが將來可能な地域においては、あなたのようなご意見も具體化されてくるのではないかと思いますが、現行の状況におきましては、遺憾ながら加配制度を續けていかなければならぬと考えておる次第であります。
#11
○北委員 その食糧の山元自給でありますが、これはそれでは今のところ全然考えていないのでありますか。その點と、それから協同組合と林業會の關係、これは農業協同組合の發展の上から見てやるんだ、これでは實際なまぬるいと思うのであります。早急にやる氣があるかないか、この點をひとつお伺いいたしたいと思うのであります。
#12
○井上政府委員 食糧の問題は大體今申し上げました通り、政府としては今ただちにその加配制度をやめて、地元自給というものを考えていないのであります。
 それから協同組合の問題につきましては、一應農業協同組合の發展をわれわれは期待しておるのでありまして、この立場から將來薪炭協同組合というものが必要であるという新しい事態を見まわしたときに、そのそきにはつくつたらいいと考えております。
#13
○北委員 それでは早急にこの木炭協同組合というものをつくれない考えですね。やはり林業會というものを主體として、それを助けていくつもりでありますか。この點明確に御答辯願いたいと思うのであります。またどういうわけで今薪炭業者に協同組合をつくらせ得ないか、この理由をはつきり申していただきたいのであります。また詳しく申していただきたいのであります。
#14
○井上政府委員 それは北さんがよく御存じの通り、大體日本の薪炭生産というものは、農村と切り離すことのでき得ない現状にあるのでありまして、薪炭業者だけが獨立して、農村と全体經濟を異にしてやり得るような事態の地域は非常に少いのであります。大體はその薪炭生産地の近傍の農村と、經濟的にも地理的にも結びつかなければ、經營ができ得ない現状にあるのでありまして、この場合は、あくまでやはり農村協同組合を強化することによつて、その協同組合の活動いかんによつて、薪炭生産者の福利を増進していくという途が開かれるのでありますから、この際政府は、新しく薪炭業者だけ特別に協同組合を結成するという時期に、まだ至つてないじやないかという考え方をもつております。
#15
○北委員 實は協同組合のことでありますが、この協同組合の趣旨から言いましても、今農業者と結びつけるという、こういけば非常に理想的なのでありますが、協同組合法案の内容から言いましても、たとえば一村にほんとうに農業をやる者は三百名、それから林業兼農業の者が五十名いたといたしますならば、いわゆるこの協同組合法案の内容から見ますと、五十名がどんないい案をもつても、多數によつて萬々が一否決された場合には、どうしてもそこに林業協同組合というようなものができ上つていかなければならぬ。そういう協同組合に對して、政府はどんなお考えをおもちか、またそれに具體策があるのか、あればある。ないならない。今もつていないならないとはつきり御答辯願いたいのであります。
#16
○井上政府委員 今のお話でございますが、私はこう考えているのです。薪炭生産というものが協同組合の利益になるだけの事業形態であります場合は、當然協同組合はこれを支持し、援助することはあたりまえでありまして、從つて全然協同組合の内部において、薪炭業者と一般薪炭に從事しない別の農業者との對立が起るとは考えておりません。少くとも薪炭を生産することが、その村の協同組合の一つの事業としては非常に有益な事業である。またそうすることが村全體が潤うということになろうと思いまして、決してこれが利害相對立するとは考えていないのであります。從つてそれはその村の協同組合の一つの事業として、薪炭を生産することが行われることになるのでありますから、この際別に、あなたが申される三十人のために協同組合を別個につくるという行き方は考えておりません。
#17
○北委員 もう一つ……。
#18
○野溝委員長 發言許しません。梁井委員。
#19
○梁井委員 私は山の開墾のことについてお伺いしたいと思います。私は佐賀縣でありますが、その地方はもちろん、どの地方の話を聞きましても、農地調整法の規定によつての山地開墾が、ややもすれば治山、治水の見地から見まして、行過ぎになる傾向が見えておる。すでに行過ぎになつておるところもあるやに聞き及んでおります。この問題に關しましては、過日本委員會の山林小委員會において質問いたしまして若干まだ答辯が留保されましたのであります。この問題は非常に私は大きな問題と思うのであります。先月來の東北、關東の大水害の原因も、これは産地の荒廢、濫伐の結果であるということは、一般の認むるところであり、從つて植林の必要が非常に唱えられておる際に、農林當局においても植林に非常にご盡力されておるが、いつぽうにどしどし伐られていくというような事態があることは、實にこれは残念なことでありまして、農林當局にこの間質問しましたらば、農地調整法の規定による未墾地開墾の點が行過ぎであると認める。こういうことでありました。それに對する對策を強力に推進められるように私は要望するのであります。これは大山主の山だけではないのであつて、一段歩もしくは二段歩、自分の身寄りに薪炭林として大事にもつておるところの山でも、やはりその對象となつて、農地委員會においてはすでに開墾を決議したところもあります。その小農は悲憤慷慨いたしまして、もし開墾の人がはいつて來るならば、自分は身をもつてそれを妨害したいというように、涙を流して申しておるような例もあります。食糧増産のために開墾の必要なことは認められます。私もそれを認める一人でありますが、薪炭ということの必要性から言うて、今申し上げたような事例から申すならば、なおさらのことでありますが、さらに最初に申し上げました治山、治水の點から申しまして、その行過ぎをぜひ阻止し公正なる判斷が行われて、山として殘し、開墾すべきは開墾するという、間違いない進行をいたさなければならぬのであります。その點いついて留保された點、その他御答辯をお願いしたいと思います。
#20
○井上政府委員 未墾地の開墾問題が、治山、治水の上に、また薪炭増産の上に非常に重要な關係をもつておりますので、これらの問題については、從來えてして行過ぎの傾向があつたから、その後これらに對して合理的な對策を立てておるかどうか、こういうお尋ねのようでございましたが、政府といたしましても、御存じの通り食糧増産の國家的要請と言いますか、民族的な要請に伴つて、開墾適地はそれぞれ關係各省と連絡をとり、また省内においてもそれぞれ關係各局等で檢討中でありまして、一方林野の保安上、これは適當なりや否やということを、總合的な檢討を加えて、大體開墾してよいということが決定されませんと、開墾はしないというようにやる方針を確立いたしているわけでありまして、戰争終末直後におきましては、御承知の通り多数の海外引上同胞や、あるいはまたは戰災者等がございまして、これらの人々が、國の食糧増産の聲に應じて、平坦地その他開墾し安き土地をどんどん開墾した傾向がありましたので、それが今お話のような行過ぎの状況にある傾向が見えてまいりましたから、林野局は開拓局と打合せをいたしまして、林野の保安上、また薪炭林の確保の必要上、總合的な檢討を加えまして、開墾適地に指定するという方針をきめていくようにいたしておりますから、ご注意の點はせいふにおきましても十分注意をいたしまして、行過ぎのないようにいたしたいと考えている次第であります。
#21
○野溝委員長 簡単に願います。
#22
○梁井委員 今の次官の答辯は了承しましたが、私の最も憂慮するところは、中央の問題でなくて、各町村における末端の事實であります。中央においてはいかように協議されましても、末端におきましては、今申し上げたような事例が起り、または起らんとしつつあるのでありまして、過日は、農地委員會に森林組合の技手を會議に参加させるということでありましたけれども、それも正式に参加できぬし、かりに参加しましても、なかなか重要な、有力な發言ができぬという状態にあるようであります。何らかの末端における方策を確立し、これを強力に推進していただかなければ、この憂慮すべき傾向に對する方策としては、時宜に適しないと存じます。その點をお伺いします。
#23
○井上政府委員 御説の點はよく了承いたしました。何ぼ上で公平妥當な開墾適地を指定いたしまして、開墾指導をいたしましても、實際各町村間の農地委員會等におきまして、まつたくその農地の擴大の必要から、林野を開墾適地なりとして、委員會で決定いたして強行するという事態が各地に起つていることを承つております。これはあくまで一方的な處置はいかぬことでありまして、御説のように、必ず林業關係、また開拓關係等の方面の意見を十分聽いて、公平妥當な決定をするようにわれわれも注意をいたしますし、なおかりに一部落が必要以上の行過ぎをやつた決定をいたしました場合は、縣の農地委員會においてこれを是正し、あるいはまた縣の開拓委員會、森林關係等において、十分是正することができますから、一町村における農地委員會の行過ぎの決定は、それらの委員會において是正できますし、また政府においてもそういう行過ぎがありました場合は、十分注意をいたしてまいりたい。こう考えます。
#24
○梁井委員 今の農地委員會は縣まで意義申立ができることは承知しておりますけれども、ただいま次官の答辯にありました、農地委員のほかに林業關係あるいは治山、治水の關係の技術者等が、法規上はいるところの權限はないようでありますから、その點を法規上その會議に参加しおると同等くらいの力が發揮し得るような措置を、ぜひとつていただかぬと、せつかくの對策も結末が十分でないと思います。その點を強く要望いたします。この點について一言答辯願います。
#25
○井上政府委員 御説のように政府といたしましても、まつたく林業關係及び治山關係の人々の意見を十分聽いた上で、公平にきめるべきであるにかかわらず、一方的にきめるという傾向が至るところにありますから、將來この處置についきましては、御説のように政府としても新しい一つの方針をきめたいと考えております。
#26
○大島(義)委員 議事進行に關してこの機會に一つ提議したい問題があるのであります。それは農業協同組合の成立を前にいたしまして、近府縣の各種の農村工業がどういう程度に進んでいるか、どういう實體にあるかということを一應視察したいと思うものであります。なお榮養週期の結果についても、太陽菌の效果についても、これらの問題を詳細に調査いたしたいと思いますので、委員會においてこれをお取上げになつて、各種の調査をいたしたいと考えるものでありますが、これを諮り願いたいのであります。
 さらにもう一つお願いしたいと思いますことは、米價の問題について委員長からお話を承るということを前に申しておつたのでありますが、この機會に米價の問題について、委員長からお話を承りたいと御います。
#27
○野溝委員長 ただいま大島委員から議事進行に關する動議が出ました件は、本委員會におきましては先般來問題になつております、農業増産の上に必要なところの技術面竝びに農村工業方面に關する實地調査を、本意員會においていたしたい。かような意見でございます。至極ごもつともだと思いますので、本意員會において滿場の御承認を得られるならば、その調査の方法に關しましては併せて申し上げておきますが、理事各位にこの調査の日取竝びに具體的の内容方法等について御協議決定を願いたい。かように思うのでございますがいかがでございますか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#28
○野溝委員長 それではさよう取計ろうことにいたします。なお議事進行に關します第二の點は、先般本意員會におきまして眞劍に論議されております米價問題に關しましてでございますが、委員會におきまして委員長が本意員會の意向を關係方面に傳え、竝びに關係方面の意見をよく問い合わせてくるように、こういう申し合せがありました。それに基きまして、前後二囘にわたしまして關係方面へ参りまして打合せをして参りました。その結果を御報告申し上げておきたいと思います。記録にとどめておきたいと思いますので、簡単ですから一應朗讀しておきたいと思いますが、いかがでありますか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#29
○野溝委員長 さよういたします。
    ―――――――――――――
#30
○野溝委員長 この際お諮りいたします。去る十三日本意員會において修正議決いたしました農業協同組合法案及び農業協同組合法の制定に伴う農業團體の整備等に關する法律案の兩案につきましては、關係方面との折衝の結果再審議いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#31
○野溝委員長 御異議なきものと認めまして、それでは再審議いたすことに決定いたします。この際委員長において修正文を作製いたしてございます、朗讀いたします。
   農業協同組合法案附則
 この法律施行の期日は公布の日から一箇月以内に制令でこれを定める。
   農業協同組合法の制定に伴う農業團體の整理等に關する法律案附則
 この法律施行の期日は公布の日から一箇月以内に制令でこれを定める、但し第二條の規定は公布の日からこれを施行する。
 ただいま委員長において朗讀いたしました修正案に贊成の諸君の起立を求めます。
    〔贊成者起立〕
#32
○野溝委員長 起立總員、よつて兩案はそのように決定いたしました。
    ―――――――――――――
#33
○大島(義)委員 本日議題となつております案の質問は大體要點を盡したと思いますので、この程度に質問を打切つて、特に林業小委員會も設置されておるのでありますから、この林業小委員會の意見も聞き、各黨の態度を決めて、議事の進行をはかりたいと思いますが。
#34
○野溝委員長 お諮りいたします。議題になつております薪炭需給調節特別會計法を改正する法律案の質疑は、この程度で打切りまして、林業小委員會ができておりますので、林業小委員會の意見を一應聞きまして、その上で各黨の態度を決定したい。かような進行上に對する動議であります。これをまずお諮りいたします。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#35
○野溝委員長 さよう決定いたします。
 本日はこれにて散會いたします。
   午後零時三十一分散會
ソース: 国立国会図書館
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