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1947/10/18 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第35号
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1947/10/18 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第35号

#1
第001回国会 農林委員会 第35号
昭和二十二年十月十八日(土曜日)
    午前十一時二十三分開議
 出席委員
   委員長 野溝  勝君
   理事 叶   凸君 理事 鈴木 強平君
   理事 寺島隆太郎君 理事 岩本 信行君
   理事 森 幸太郎君 理事 萩原 壽雄君
   理事 北  二郎君
      大島 義晴君    佐竹 新市君
      永井勝次郎君    成瀬喜五郎君
      野上 健次君    平工 喜市君
      水野 實郎君    小林 運美君
      志賀健次郎君    関根 久藏君
      圖司 安正君    寺本  齋君
      中垣 國男君    八木 一郎君
      小川原政信君    田口助太郎君
      野原 正勝君    益谷 秀次君
      松野 頼三君    梁井 淳二君
     的場金右衞門君    中村元治郎君
 委員外の出席者
        農林事務官   安孫子藤吉君
        專門調査員   片山 徳次君
        專門調査員   岩隈  博君
    ―――――――――――――
十月十八日理事大石倫治君辭任につき其の補闕と
して森幸太郎君が理事に當選した。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 理事補缺選擧
 畜産小委員選任の件
 薪炭需給調節特別會計法を改正する法律案(内
 閣提出)(第四九號)
 米價問題に關する件
    ―――――――――――――
#2
○野溝委員長 これより會議を開きます。
 審議にはいる前にお諮りいたします。理事大石倫治君から、本十八日理事辭任の申出がありましたので、これを許すに御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○野溝委員長 御異議なきものと認めます。それではこれより理事の補缺選擧を行います。野原君。
#4
○野原委員 理事は森幸太郎君を推薦いたしたいと思います。御贊成を願います。
#5
○野溝委員長 野原君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○野溝委員長 御異議なきものと認めます。それでは森幸太郎君は理事に當選にまりました。
 次に畜産小委員會の設置が、先般の委員會で決定になつております。畜産小委員の指名については、委員長に一任されておりますので、この際委員長から指定いたすことにいたします。
 畜産小委員
   永井勝治郎君  水野 實郎君
   堀川 恭平君 小野瀬忠兵衞君
   小川原政信君  田口助太郎君
   萩原 壽雄君  北  二郎君
以上を指名いたします。
 この際的場委員から緊急質問をいたしたいとのことでありますから、これを許します。的場君。
#7
○的場委員 米價對策に關する本農林常任委員會における取扱いをどんなにすればいいかということについて、私は委員長にお尋ねしたいのであります。
 目下喫緊の重大事であります農林關係の問題は、米價に對しては全國民のひとしく關心をもつておるところであります。しかるに本農林委員會はこれに對して、いかなる處置をなさんとするものでありますが、この點をはつきりして、われわれはこの米價問題についてもう少し眞劍に、まじめに努力をいたしたいと考えるものであります。現在のところわが國の米價決定は、さながら安本において一方的に決定するもののごとき状態であります。安本に任しておいてよいのでありますか、農林省がありながら、米價でさえこれを決定する能力なく、安本のお世話になつておるというまことに心細い次第であります。これを農林常任委員會としては、ただじつと見て許容するまでよいでしようか。國會は國民を代表する最高の國權の機能を發揮し得たといえるしでありましようか。少くとも國會の認むるところに米價は決定さるべきものであると私どもは思いますが、これに對していかなる取扱いをなすべきでありましようか。農林常任委員會としましては、米價を算出してこれを政府に申し入れべきではないかと私どもは考えます。小委員會でも組織して、これを計算し、進言する御意志は委員長にはないのでありますか。農民だけを犠牲として千八百圓ペースを守ろうとする犠牲米價は、私どもは認めるわけにはまいりません。先般増産竝びに供出に關する決議が本會議においてなされましたときも、各黨とも米價に言及いたしまして、適正米價にせなければならぬということを絶叫されたのであります。一方的に供出を強要し、強權發動というまことに封建的なやり方であると私は思います。こんな農民を奴隷扱いにしたことは、古今東西尋ねても未だかつてなかつたと思います。かような非民主的なやり方で、今日の米價を決定してしかるべきものでありましようか。封建時代の惡代官であつても、こんな農民だけを犠牲にする扱いはしなかつたではありませんか。新しく民主國家を建設しようとして、憲法までも新しくなつた今日、これで私どもはよかろうかと、まことに殘念に思つておる次第であります。パリテイ計算といつても、生産費米價といつても、その結果のみでなしに、その途中いかなる計算によつてその價格が出てくるのであるかということを、國民に知らして、國民がよく理解して、納得のいくように米價は決定すべきものであると考えます。ただ世の中を知らない若い安本の官吏たちが計算をして、大臣諸公にいかなる計算をしたか尋ねても、説明もできないような米價でよいでありましようか。安本の和田長官は、昨年の農林大臣として、五百五十圓で農民から米を奪いとり、今また昨年以上の犠牲を農民に強要せんとしております。昨年の米價決定のいきさつは、委員長初めよく御承知のことであります。昨年の食糧對策委員會の中に價格部というものがありまして、その價格部の部長は今の農林大臣で、私どももその部員として働いておつたのであります。ところが昨年の米價決定は、和田農林大臣が突如として、われわれが研究する半ばに、六百圓米價というものを新聞に發表をいたしました。安本長官も大藏大臣も、また議會における食糧對策委員會の價格部も、何も知らない間に、突如として六百圓米價を新聞に出した。そこで安本なり大藏大臣なりもあまり氣をよくしなかつたし、われわれ委員としても非常に不滿でありました。ところが關係方面の了解も得てなかつたので、六百圓は通過せずに、ついに五百五十圓米價になつたのであります。あのときのいきさつを私は考えて、まことに遺憾に考えておつたのでありますが、本年はまた一人で米價を決定するかのようなうわさを聞く。まことに奇怪千萬であると言わなければなりません。このいきさつを知る國會は、黙つていてよいのであろうかと私は思います。農林常任委員會は、また委員長は、その責任をいかにしようとするのであるか。米價を適正に決定し得ざる農林常任委員會であるならば、私は意義をなさないと思う。われわれは總辭職すべきものではないか。委員長にもその決意があらわれてほしいと私は思うのであります。この重大問題を、いかように本農林委員會は取扱わんとするのであるか、委員長のご意見を承りたいのでありますし、私どもの希望を容れて、本農林委員會として、米價を正しく算定いたしまして、われわれの算定するところに、われわれの納得いくところに米價がきまるように、御配慮願いたいということを質問し、お願いする次第であります。
#8
○野溝委員長 お諮りいたします、ただいま的場委員の委員長に對する緊急質問は、まことに妥當な御意見だと思います。この際一言私から申し上げておきます。米價問題に對しましては、議題にはありませんが、國會として本問題を研究し、具體案を得る必要があるという意味において、先般來米價の問題に對しまして委員會を數度開いてきておるのでございます。大體總理大臣初め、安本竝びに農林省側の意見も聽きましたので、この際一應米價問題に對する結論を得ることにしなければならぬということは、つとに委員長としても考えておつたのであります。よつて先般委員會の申出もありましたので、私關係方面へまいりまして、米價の設定に關する質疑をし、なお意見を申し述べて來たのでございます。その結果は一昨日の委員會において報告しておきました。なお大體米價問題に對する委員の御意見も、相當眞劍に論議されて、その結論を得なければならぬ段階にはいつたので、委員會といたしましては、ただいま的場委員の御意見にもありまする通り、たとえば價格決定の仕方に對して、生産費基準でいくか、あるいはパリテイ計算の缺陷を補正していくか。そういうことに關しましては、いずれ小委員會なぞをこしらえまして、そこで決定されることがよいと思いますので、この際その結論を得るために、小委員會を設置して成案を得たい、かように思つております。
#9
○成瀬委員 ただいま的場委員より、農民を眞に代表したところの、最も適切なる發言がありまして、今更のごとく――本意員會におきまして、この米價決定にあたり、それぞれ苦杯をなめた經驗者がおらるるにかかわらず、今まで便々として、そうしてすでに一昨日閣議において、經濟閣僚において決定せんとし、それが二十日に持越されておるというようなことに相なつておることも考えて、かつまた農業復興會議等におきましても、これら全國の關係者が眞劍になつて、それらに對しましての意見を鬪わしておりましたが、かような重大問題を、歴史的な從來の經驗があるにかからわず、すでに日曜のあくる日、すわなち二十日に決定するところまで立至つておるということは、何と言いましても農林委員會が怠慢である、こういうふうに思わざるを得ないのでありまして、小委員會におきまして決定されたことを、さらに本意員會におきまして、その結論を得るためになぜ努力しておらないか。今の委員長の答辯によりますれば、小委員會をさらに何とかかんとかいうようなことでありましたなれば、閣議においてすでに決定してしまつたあとのまつりになるというようなことになるのでこの際本日はつきりとこの態度を定めてもらいたい。以上提案いたします。
#10
○寺島委員 私はすでに一昨日の經濟閣僚懇談會の席上において、米價問題がきわめて眞撃活溌に論議せられており、農林大臣と安本本部長官との間に非常な論戰の應酬があつて、すでにこれは二十日の閣議で決定するということは、西尾官房長官が言つておる。かような事きわめてさし迫つておる段階に際會いたしまして、すでに國民協同黨におきましては米價二千五百圓以上を主張いたし、農民黨においては三千圓以上を主張いたし、さらにまた共産黨においては米價石三千五百圓以上を主張しておる段階においてわれわれ民主黨、第一議員クラブ等の有志によつて結成されております農民協同民主連盟においては、米價石二千六百圓を絶對下つてはならないということを強く現に要望いたしておるのであります。しかして閣議の席上に臨んで、一人一人出てくる大臣に向つて、強くこれを要望いたしました。すでに事は焦眉の急に迫つておるこの際、躊躇逡巡いたしておりますならば、結局机上計算に巧みなる高等數學を操りきたつて、淳朴なる農民を再び混迷に陷りいれしめて、その數字を押し付けんとする安本官僚のなすところが成功しようとしておる。多年日本農民組合の委員長として、勤勞農民大衆の眞の代表者として鬪い來つた野溝委員長を、しかもわれわれの農林委員長に仰いでおる今日において、委員長みずからかかる問題については、むしろ政黨政派を超越して、率先挺身して、全耕作勤勞農民大衆の意欲を代辯いたして、體當りをするにあらざれば、やれ小委員會の議を經ての、關係方面に行つてどうのというような、なまはんかなことをやつている間に、われわれの希望は全部裏切られてしまうとうことを、ひそかに憂うるものでありまして、この一點について、もう即刻農林委員會は、薪炭の問題も事きわめて重要であるし、他の問題もきわめて重要でありますが、もうこの一點に傾注いたして、天下の輿望をここに擔つている衆議院農林委員會といたしましては、全力を傾倒して、この米價問題について挺身せられたい。小委員會などというようななまぬるい時期ではないということを、あらためて御認識願いたいのであります。
#11
○野溝委員長 暫時休憩いたしまして、理事會を開きます。
    午後十一時四十二分休憩
    ―――――――――――――
    午後零時七分開議
#12
○野溝委員長 休憩前に引續いて再開いたします。
 米價問題に對する本委員會の態度決定に關しまいて理事會におきましては、とりあえず緊急を要すべきものであるから、一應左のごとき申入れを政府にすることにして、具體的の問題は本日委員會終了後協議しようということに理事會は申合せいたしました。そこでとりあえず政府に申入れの要項といたしまして、政府は米價決定に對しては國會の意思を徴して決定されたいという趣旨の申入れをすることにしようということになりましたので、この段報告申し上げておきます。では議題にはいります。
    ―――――――――――――
#13
○野溝委員長 薪炭需給調節特別會計法を改正する法律案を議題といたします。この際林業小委員の中間報告を求めます。永井委員。
#14
○永井委員 林業對策小委員會は薪炭需給調節特別會計法を改正する法律案に對する意見を求められたので、本日委員會を開きましてこの問題を審議し、本案に對して次のような希望意見を附して原案通りこれを贊成してほしいということを答申することに申し合わせたのであります。これを讀み上げます。
 一、政府は燃料對策本部を設け少くも家庭必需量の最低限度確保を目標に、電氣、ガス、煉炭、亞炭、薪炭等との總合的計畫を立て、緊急果斷に措置を推進すること
 一、生産地に滯貨している木炭十四萬五千餘トン、薪百九十四萬五千餘層積餘を主要消費地へ結びつける山元搬出、小運送トラック、鐵道、船舶等總合的輸送調整を行い、優先措置を強力に斷行すること
 一、薪炭増送に從事する夜間勤務者に對しては食糧特別加配の措置を講ずること
 一、水害地帶の山元滯貨搬出に對しては特別補助を考慮すること
 一、長期滯貨により包装腐朽のものが多いので至急改装資材特配の方途を講ずること
 一、價格は正身建として包装荷造は別途に計算すること
 一、薪炭滯貨を一括買取り現物を確保し横流しを防止するため直ちに金融的措置を講ずること
 一、原木は薪炭生産計畫の裏付けとして割當制を確立し資金は木炭買上代金一部前渡の方途を講ずること
 以上の希望意見を付しまして、本案には贊成であるということに小委員會は決定いたしましたので、さようお取計らいを進めていただきたいと存ずるのであります。
 この場合これらの事柄に關して一言附け加えておきたいことは、薪炭燃料は今年の春からずつと引續いて惡化の一途をたどつていたのでありますが、それに水害が加わりまして、非常な惡化状態となりまして、今冬の燃料事情は非常な危機に突入しているのであります。これらに對する根本對策といたしましては、別途に委員會におきまして議を練つているのでありまして、たとえば原木價格の改訂、薪炭企画の改善、築窯費補助の問題、勞務加配米の問題、資材の問題、輸送増強の計畫化の問題、金融上の措置の問題、統制方式の改善の問題、自家用、業務用薪炭生産の廢止の問題、厚生、文化施設の充實の問題、これらの課題をもちまして、薪炭生産に對しましては別途に研究いたしておりますので、やがて案がまとまりましたならば、これを本意員會に答申いたしたいと考えているわけでありますが、ここに掲げました希望意見は、十月から十二月にわたる第三・第四半期、年内の需給に對する緊急對策であります。緊急對策といたしましては、山元竝びに驛頭に滯貨しております薪炭を急速に搬出しまして、消費地に結びつけるこの措置以外にはないと思うのであります。これが對策は、第一には輸送であります。緊急輸送の計畫を確立して、これを非常措置によつて斷行するにあらざれば、このことの解決はできないのであります。
 第二はこの法案にもありますような金融上の措置であります。現在山元及び驛頭の滯貨は、生産者の負擔においてこれが手持ちされているのでありますから、五億なり六億の金融を急速につけまして、これを一括買い取りしまして、横流しを防止して、さらにその買上げ資金が業者の再生産的な資金として活動する措置を講ずるということが緊急の措置であります。このことを強力に推し進めるのでなければ、今冬の燃料對策というものは非常に危機にあるわけでありますから、政府においては、ここにも書いてあります通りに、對策本部を立てて、これらの問題を總合的に調整し、そしてこれを具體的に實行する方途を確立していただきたいのであります。これらのことを申し述べまして、林業對策小委員會の議事の經過竝びに結果を御報告申し上げておきます。
#15
○大島(義)委員 ただいま議題になつております薪炭需給調節特別會計法を改正する法律案の問題でありますが、これは本意員會におきましては、次のような決議を附して贊成いたしたいと思うのであります。
   決 議
 一、政府は本會計法の運用に當つて生産者に對し、薪炭買入代金の即時支拂いを必ず行うこととし、もつて薪炭生産者の生産意欲を阻害せざるよう努めること
    〔委員長退席、寺島委員長代理著席〕
 二、政府は可及的速やかに本會計法を改正する等の措置を講じ製炭資金の前渡し、築窯費の補助等、生産増強に關する費用を機宜に即して助成するの方途を開くこと
 三、配給機構の全面的改正を行い、燃料統制組合のほか、各不縣農業會及び森林組合、林産組合をして指定取扱をなさしめ、配給面の圓滑を期すべし
 四、薪炭價格は全國プール計算を廢し、各府縣の實情に則し速やかに改正すべし。
 以上四點でありますが、この内容を少しく御説明申し上げますと、第一項は申し上げるまでもなく、この會計法の運用にあたりまして、いかにここで決議をいたしましても、途中でいろいろな支障が起ろうと思うのでありますが、その支障を排して、薪炭の生産に對しては、生産者の少くとも製品ができ上がると同時に、その支拂が完全にできるようにいたしたいという考え方であります。第二點は、やはり本會計法を改正する等の措置を講じまして、製炭資金の前渡し、及びかまを築く等の場合におきましては、これの補助助成に對して政府は機宜の措置を講じなければならない、かような考え方をもつているのであります。第三點は、この文章にあります通り、配給の機構におきましては、現在燃料統制組合が獨占的にいたしているような次第でありますが、左様な事情のもとに各府縣において非常に多くの弊害を伴つているのであります。そこで現在各府縣農業會の取扱つておりますこれらの取扱いを、もちろんそのままといたしまして、森林組合、林産組合等、これに直接關係のあるものをしてはやり指定取扱をなさしめる、そうして消費者が自由に購入先を決定するようにお奨め願いたいと思うのであります。第四番目の「薪炭價格は全國プール計算を廢し」と申しますのは、これは薪炭の價格が現在全國プール計算となつておりまして、東北地方の生産地にまいりましても、東京で買うにいたしましても、ほとんど同じ價格で買わねばならぬというような状態になつているのであります。生産地の運賃の少しもかからぬ所も同一値段ということは、われわれは何としても納得し得ないのであります。ここにおきまして薪炭價格の全國プール計算をやめると同時に、各府縣の實情に即してこれを改正すべしということを意味しているのでありますが、さらにこの際もう一つ申し上げておきたいことは、かねて本意員會におきましても、いかにも中間搾取が大きい、この中間搾取を是正することなくしては承認しがたいという意見が非常に強かつたのでありまして、これはもちろんわれわれもその通りだと思うのでありますが、この第四項の中には、やはりその意味を十分含んでおりますので、この實情に即してと申しますることは、中間の搾取をできるだけ排除するということも、やはりこの中に含んでおるということをお認め願いたいと思うのであります。以上四點の付滯決議を附して本案に贊成いたしたいと思うのであります。
#16
○的場委員 今の最後の全國プールを廢して各府縣ごとに計算をするということ、もちろんそれは贊成でありますが、その中に中間搾取の點は包含しておるという御説明でありますけれども、それは別途にひとつ、生産者より消費者へ渡る間の價格差をなるべく壓縮して、その間に不當な利得者がないように、また不必要なる經費がかからぬようにせよということを要求してもらいたいと思うのであります。この問題については、各黨各派の質問者の御意向をさようであつたように私は考えますので、これはみなさん委員の方々も御贊成だろうと思いますが、中間搾取ではない。それは全國プールした計算であるがゆえに中間搾取であるがごとく見えておるのであつて、その間には理論づけ得ないものは一つもないということで、いろいろと理論的に御説明はありましたが、あの理論ではわれわれは納得できません。でありますから中間の價格差というものを壓縮する。その間に不必要なる經費がかからないようにせよということを明記して、附帶條件にしてもらいたいということを私はお願いするものであります。
    〔「贊成」と呼ぶ者あり〕
#17
○寺島委員長代理 ただいま大島委員から四點にわたる附帶決議を附して本案を可決せられたいという發議があつたのでありますが、これに對しまして的場委員より、大島委員の提議せられましたる四點の中最後の中間搾取に關する規定をより明瞭に成文化いたしてこれを附帶決議にいたしたいという申し入れがあつたのでありますが、的場委員の動議に基いてこれを成文化いたし、都合大島委員の提議せられましたる四箇の提案と併せ、これを同様四箇の附帶決議の第四の部分についてさよう修正をいたしてこれを可決いたすことに御異議はありませんか。
#18
○永井委員 これは小委員會においてはこの價格の問題も現在檢討しているわけでありますが、今大島委員から中間搾取が非常に多い、こういうことでありましたが、内容を檢討した限りにおきましては、中間搾取的な數字というものはきわめてわずかなのでありまして、この價格は結局全國を一體にした運賃のプール制がこのような不合理な結果になつているのでありますから、その現在の第四項にるるプール制を改めて、そうして各府縣の實情に應じて價格を決定せよということになれば、それらの點が十分是正されるわけであります。でありますからその點價格決定の點については相當内容を檢討した結果として、私はこれを御報告申しておきます。それから現在この委員會で何したのはよろしいですが、小委員會からのこの希望意見はどういう取扱いになりますか、これを委員長のお伺いいたします。
#19
○寺島委員長代理 小委員會の希望意見は、農林委員會全般の贊同を得てさよう決定いたしたいと思うのでありまして、小委員ならざる一般委員よりさような申入れが出たことにつきましては、林業小委員の方においてもこの點を勘案せられ、さらに御檢討を願いたいと考えます。
#20
○北委員 昨日この中間搾取につきまして、炭一俵に一圓七十錢という農林次官の御答辯がありましたが、これは東京とか大都市を中心としたものであります。たとえば秋田縣なら秋田縣でこれをつくるのに、その價格は主に運賃に要ると申しました。それは東京へくる運賃と、その場所が中間搾取ということになるのであります。それでありますから先ほど的場さんからいわれた中間搾取の點につきましては、農民黨といたしましては、全面的に贊成するものであります。
#21
○寺島委員長代理 皆さんにお諮りいたしますが、ただいま林業小委員會の決定事項として提議せられましたる四つの希望條件に對しまして、さらにその林業小委員會において希望せられたる四つの中の第四點會つきまして、これはあくまでも中間搾取をより徹底的に是正せしむべしという的場委員の御説でありますが、林業小委員會においては的場委員の所見を十分勘案いたし、第四項においてその趣旨が十分盛られておるという考え方の下に、愼重協議いたしたいという由でございまするが、これに對してこれをこの林業小委員會の希望條項のもまま決定せしむべきか、また新たに林業小委員會をもう一度お聞き願つて、的場委員の意見をこの第四項中、さらに明瞭に文章化して、これを政府に希望附帶決議として殘すかという二つの立場があるのでありますが、これについていかようにいたしますか。
#22
○大島(義)委員 ただいま委員長から林業小委員會の意見としての附帶決議であるようなお言葉があつたようでありますが、それは間違いでありまして、林業小委員會の希望は先ほど承つておいたのであります。その附帶決議は本意員會の附帶決議としていただきたいのであります。なおまた今的場君のお話はもちろんその通りのことをわれわれも考えております。この一項を殖やして的場委員の言われるような文字を挿入することに決して私ども反對するものではないのでありまして、ただいまの意味をもつておるということを御説明申し上げたのでありますから、的場委員から成文を得て、一項殖やすことに對して私は決して意義を申すものではありません。一向差支えないのでありますから、さようお取計らい願いたいと思います。
#23
○寺島委員長代理 しからば提案者大島委員よりの動議もございまして、大島委員が先ほど提案せられましたる四つの附帶決議中、的場委員の趣旨といたされます中間搾取をなくするという意味の一項を、成文化いたして挿入いたし、これを決定いたしたいと考えるのでありますが。その方法について、的場委員より以上大島委員の申されました要項に續いて、いかなる成文の一項を入れるべきかという成文化せられたる文字として、改めて動議の御提出を願いたいのであります。
#24
○成瀬委員 林業委員會の意味を徴するということにつきましては、過般の最終の時間におきまして一言反對の意思を表明いたしてありましたが、しかしそのまま押し切られたのであります。しかしその林業委員會におきましても、答辯に基いたところのその御發表があり、かつまた大島委員から本委員會においての附帶決議があつたわけでありますし、的場委員からさらにそれに附加えて發表がありましたが、かようなことによつてどのように決定するか。今のような空氣でありましたならば、何がために林業小委員會にその答申を求めたか、従つて正しい運營におきましては林業委員會の答申なり、さらにまた大島、的場委員の意見を總合的に審査して結論を得るというのが正しいのでありまして、さいぜん一言林業委員會の答申の發表がありましたけれども、それらの發表と大島、的場委員の發表との間にどれだけの食い違いがあるか。また林業委員會の發表がどれだけ新しいところの分野があるかということを詳かにしておりません。従つて林業委員會の答申をも尊重するという意味において、適切な考慮を拂つていただきたいと思います。
#25
○永井委員 ただいま成瀬委員からの發議でありますが、私は今度のこの法案に對する取扱いについて疑義があるわけであります。ただいま大島委員から述べられた前段二項の内容というものは、林業對策小委員會の答申と抵觸するものではありません。それをようやくしたもので贊成であります。
 それからあとの二項につきましても林業對策委員會として取上げている問題であつて、林業對策委員會としてはこの法案を急速に實行し、そかも第三・四半期の薪炭需給對策を急速に確立するという見解において答申したものでありますから、われわれが委員會で取上げている内容の問題とも抵觸するものではありません。一應答申をわれわれに求めたので答申したのであります。それと全然別箇の形でここに委員會で發議されて、答申したことが何のことだかわけがわからなくなつてしまう。こういう委員會の議事の運び方については私は相當疑義があると思う。
#26
○寺島委員長代理 永井委員の御所論よく拜聽いたしましたが、林業小委員會の意見を徴するということは、林業小委員會に附帶決議竝びに希望條項についてより正確な御審査を願い、これを成文化せられたいという意味においてその意見を徴するという性格のものでありまして、これをそのままうのみにするということはあえてその必要もないと考えますとともに、ここに農林委員會全般の委員として、しかも發案者であります大島委員、的場委員の希望條項は妥當なものであるから、大島委員の提案せられたる四つの附帶決議中の最後において大島委員の意見を加うるにやぶさかでないという見解が表明せられましたので、これを皆さんにお諮りいたすことは、あえて委員會運營上不當なるものではないと考えますので、これをお諮りいたします。
#27
○永井委員 それはよいのです。だから私が言つた内容を違わないから要約したらよい。しかし意見を徴して希望意見を付したのに、採決されないで、まとめるならまとめる方法の手續をとらないで、單獨で違つた形でずつと出てきたというその運び方が妥當ではないであろう、これは今後の運營において注意すべき點であろう、こういうことを申すのであります。
#28
○森(幸)委員 この取扱いはこういうようにせられたらよいと思うのであります。それはこの改正法律案を可決いたしまして、その實行に移すについては相當の期間を經なければならぬと思うのであります。ところが現在の薪炭事情というものは非常に窮迫いたしておる、この法案の改正發布を待つことを許さないような情勢になつておるのであります。それがために、ことさらに林業小委員會を設けて薪炭の緊急對策をいかにすべきかということをわれわれは研究いたしたのであります。その對策としてただいま永井君より七項目にわたつてこの對策が發表されたのであります。しかし大島委員の發表されたのは、この改正法律案に對しての附帶決議であります。それでありますから永井君の小委員長として發表されたことは、緊急對策としてこの委員會はかくかくなことをなすべきである。また本法案の可決に對しては的場君の追加された五項目を附帶決議として可決する。こういうようにはつきり決議をせられないことには小委員會を設けた趣旨が立たぬことになりますから、緊急對策については、これこれ七項目目についてこれこれに進むべきである。また本法案の通過に對しては五項目の附帶決議を妥當とする。こういうふうに決定せられんことを私は希望いたします。
#29
○寺島委員長代理 了承いたしました。ただいま森委員の御發議の通りに運びたいと考えますが、これに對して御異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○寺島委員長代理 しからば本案は先ほど大島委員より提議せられましたる附帶決議四項のほかに第五といたしまして、木炭價格については、中間における不當なる利益または、不必要なる經費を省くことに最善の努力をなすこと、この一箇條を挿入し、すなわち五つの附帶決議を附して可決決定いたしたいと思いますが、御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#31
○寺島委員長代理 それではさように決定いたします。
 次に林業の現段階に鑑みまして、小委員會において愼重檢討せられましたる、先ほど永井委員より披露されましたる七つの緊急對策につきましては、これを委員會の決定といたしたいと考えますが御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#32
○寺島委員長代理 しからば本案は五つの附帶決議を附して決定いたしました。これにて委員會を休憩します。
    午後零時三十七分休憩
    ―――――――――――――
    午後四時二十二分開議
#33
○野溝委員長 休憩前に引續きまして會議を開きます。
 米價問題に對して御意見の發表を願います。休憩前におきまして米價問題に對する審議の結果、一應政府に申入れをするということだけは決定したのでありますが、具體的にそれではどうするのかという問題については、本會議終了後に相談することになつておりますので、この際御意見の發表を願いたいと思います。
#34
○寺本委員 米價問題について午前委員會においていろいろな意見が出まして、委員長から政府に向つて、米價決定については國會殊に農林常任委員會の意見を徴して決定せられたしという申入れをすることに申合せが決定したわけでありますが、今ほのかに聞きますと、政府は物價廳案といいますか、パリティー計算による基準米價を算定して、閣議に上程しているという話でありますが、このパリティー計算の仕方というものは、各政黨、各團體でいろいろの計算が出ておりますが、そのパリティー計算の方法によるのだと思いますけれども、私はそういうこまかな理論的なものでなくて、もう少し農民が納得のいくような米價の決定が望ましいのであります。ことさらにむずかしい計算をして、そうして、今日われわれが常識で考えてみて、ほかの物價と比較にならない安い米價の決定を見た場合、はたして供出が完全にできるかどうか。先日のこの委員會で片山首相は、米價の決定と供出とは別箇に切離して考えたいという御意見のようでありましたが、私はこの二三年來の情勢から判斷しまして、やはり納得のいく供出を農民にしてもろうには、納得のいく米價を決定しなければならぬと思います。ただ物價指數によつて低い米價で、そうして低物價政策で千八百圓ペースを護つていこうという、そういう理論的な考え方だけでは、供出はなかなか困難ではないか、かりにそういう低い價格で決定された場合に供出がうまく行かなければ、結局消費者の負擔というものも、今日公定價格による配給食糧ですべての食糧が賄われているならば、それでいいのでありますけれども、公定價格による配給量のみで賄いきれないような状態の場合に、結局やみで食糧を仕入れる、その方に支出する金額がかなり莫大になつて、食費者はむしろそれに苦しんでおるような状態であります。相當な價格に引上げて、そして農民も喜んで、納得ずくで供出して、配給による主食で國民食糧を滿たすというところまでもつていかなければ、ただ理論的に、ほかの物價指數によつて計算した低い米價では、いつまで經つても滿足な配給もできないし、結局來年も再來年も再生産ということが擴大しないので、食糧不足に悩む年を毎年々々繰返していかなければならぬだろうと思います。そういう意味から、相當思い切つた價格に引上げなければならないということは、これは常識で判斷がつくことだと思います。かような觀點に立ちまして、私は先ほど申しましたように政府に農林常任委員會の意見を徴して米價を決定されたいという申入れをいたした以上は、おのおの各政黨政派の立場にありましようけれども、胸襟を開いて、常任委員會としてはどの線くらいまでもつていかなければならないかというところまで、討議を進めていきたいと思うのでありますが、そういう御意見が皆さんに容れられれば、はなはだ幸いだと思います。こういう意見をもつていることを開陳しておきます。
#35
○成瀬委員 新しき憲法の下、本農林委員會は全國勤勞農民の絶大なる信頼を受けているので、諸般の農村問題を處理しなくてはらなない、いわゆる民主主義原則の下におきまして、私どもは最大のベストをつくさなければならない、かように考えております。今日米價問題が取上げられて、そして今まさに決定せられるという直前にあるのでありますが、少くとも全國の輿望を擔う本農林委員會は、これら農民に答えるところがなくてはなりません。かかる角度から私どもはこの米價の決定が、直接農民經濟に與える影響のきわめて重大であると同時に、またかつて農民が自ら決定し得なかつた過去の米價の決定を、少なくとも本農林委員會における農民の眞の代表者によつて、それらの決定に近いところの力をもつということを、われわれはこの際十分再認識して出發しなくてはならなぬ、かように考えておるのであります。私どもは歐州の食糧問題、あるいはアメリカにおける穀類の不作、また全國的にわたるところの旱害等から考えてみまして、用意ならぬ食糧の危機が招來するものであろうというような危惧の念をもつのであります。そういうような觀點に立ちまして、今後におけるところの食糧の問題を考えてみるときにおきましては、私どもは昨年以上に農民に對しまして、日本産業の再建の前提條件たる食糧確保のために、最大なる犠牲を拂わなければならぬということを覺悟しなければなりません。しかしながら最大なる犠牲を拂うためには、農民が再生産するための考慮を十分政府がそこに拂わなければなりません。石炭三千萬トン増産のために、政府はどれだけの物資を放出せしめておるか、この食糧確保のために政府はどの物資をここに放出せしめておるかということを、對照的に考えてみましても、食糧問題に對する政府の物的裏づけの熱意というものが、きわめて輕薄であるというふうにも考えられるのであります。私は埼玉縣その他の東京近在の縣の農村において、最近耳にいたしたのであります。どういうような話であるかと申しますと、昨年は米一升に對して二十圓の生産費がかかつた。米一升二十圓の生産費は、そのほとんどが供出として五百五十圓に賣つて、強奪されておるというような形で強要せしめられております。わずかに殘つたところの米を食つて、そうして再生産のために經濟的維持をやつておるという形になるのでありますが、本年はあらゆる物價高によりまして、一升八十圓についておるということは、農民の一致的意見であります。やみ價格が八千圓ということになるのでありますが、そういう措置におきまして、昨年と同じ、あるいはそれ以下の供出でこと足りるものでありましたならば、政府におけるところの従來のやり方で結構でありますけれども、しかしそういうようなことはとうてい不可能であつて、生産されたものは全部供出しなければならぬというようなことを豫想される場合におきましては、私どもは農民が再生産にこと缺かないところの米價決定をやつてもらいたい、かように考えております。勞働條件は勞働者が人たるに値する生活を滿すものでなければならない。この論法をもつてしますならば、農民も農民が人たるに値するところの生活を滿し得るような基準を米價決定の上にとつてもらいたい。ただ農民のみを何だかやみの方面ばかりで収入があつて、そうしてぜいたくをやつておるというような考え方は、この際根底から是正してもらいたいかような意味におきまして、私どもはあのパリテイ計算によるところの基準的な算定の方法に大きな疑問を持つ。昭和九年、十年、十一年の三箇年のこの米價は何を意味するか、昭和七年、八年は私は思い返してみますると、日本におけるところの未曽有の豐作であります。二箇年におけるこの豐作、かつて二十年、三十年經験しないような豐作のその年にとれた米によつて、深川その他堂島における米價が決定されておる。いわゆる米の氾濫の時におきましての決定せるそれらの價格、また九年の産、十年の産は、これまた大體日本におきましても豐作の年でありますから、かようなことによつての決定を基準としておる。また農村における勞働力というものにおきましても、老人、婦人、子供等を總動員いたしまして、そうして奴隷的なこの立場において、十三時間あるいは十五時間、二十時間というような過激な勞働を強要せられた上におきまして米が生産されておるのを、一方的な標準、一方的なこれらの立場におきまして決定されたことを標準にせられたということを、私どもは考えなければならぬ。今日におきましては、少くとも農民が八時間なり、あるいは九時間なりというような勞働時間から割出した生産でなくてはなりません。水田におけるところの一段歩のこれらの日數は、少くとも全國平均二十日あるいは二十日間を要するというふうにも考えられるのでありますが、かような點、自給肥料に重點をおいて、そしてその上におきまして一層勞力を必要としておるというふうな點も考えられまして、新たなるところの構想のもとにひとつやつていただきたい。今の安本なり政府の一部の人たちによつて決定しようということは、農民が昨年以上にやみに流して構わないという氣持で米價を決定するならば、前述のごとく容易ならぬ食糧事情から言いまして、農民の供出の義務を最高度まで果さしめようという場合においては、少くとも農民が納得いく米價の決定をなさなければなりません。かような見地において、本農林委員會においては、午前中に一部の方より意見の開陳がありましたように、即刻政府に對して強力なる意思表示をする。そうして現在の安本におけるパリテイ計算なり、各方面に對する十分なる檢討を加えまして、そうして少くとも農林委員會の同志諸君が、そのパリテイ計算の内容を十分に納得し、そうして新物價體系、あるいは千八百圓ベース等に對しても、つり合いがとれておるかどうかという點を十分に玩味する。またこの新物價體系がはたして次の來年の十一月の収穫のときまでに安定するものなりや否やという點を考えてみなければなりません。ここ三箇月、四箇月の間に、新しい物價體系によるインフレの上昇ということが起つてくれば、はたして今日きめられた政府の米價によつて、一箇年におけるたつた一囘の収穫を決定するということは、あまりにも矛盾したいき方であるし、かようなことが連續的に行われるところに、日本農林の窮乏があるということを考えざるを得ないのであります。これはインフレの上昇と米價の決定は、少くともそういうた再生産の上において、十分な考慮をそこに拂うことをひつようとするのであります。また私は農村における再生産のための物資を、商工省その他においていかほどに準備ができておるか等々の方面についても、十分な檢討を加える必要があると思うのでありまして、この際本委員會は強硬なる申入れをする。そうしてその上において納得いくところの價格決定をしてもらいたい。以上申し上げておきます。
#36
○北委員 私は農民黨の立場から申しますならば、この委員會におきまして、いわゆる安本がやるところのパリテイ價格でいくのか、それとも實效價格でいくのか、それはどちらによつて米價の基礎を計算するのかという見透しを、はつきりしていただきたいのであります。これを皆さんにお諮りしてもらいたいと思います。
#37
○的場委員 きよう午前中に御相談いたしました、政府に對する申入れはどういうふうになつているのでありますか、またこの委員會で今から相談して申入れをするのですか、理事會できめたそのままの申入れをしてあるのですか、それを伺いたい。
#38
○野溝委員長 お答えいたします。申入れの件は、まだ文案には成文しておりませんが、大體先ほど寺本委員からも發言がありましたように、政府は米價決定に對しては、國會の意思を尊重して、あるいは徴して決定されたい。こういう意味の要請をしようということまでにはなつておりますが、その方法については、今日ただちにするか、あるいはまたその申入れをする人數をどうするかという具體的なことは、まだ決定しておりません。
#39
○的場委員 そのことからまず決定をしていただかなければならぬ。今日もう一分間もゆるがせにできないので、ただちにこれは申入れをして、本意員會として決議いたしまして政府に要請いたしたい。國會の意思を尊重してか、あるいは徴してか、私は徴してがいいと思いますが、國會の意思を徴して米價は決定すべきものであるということを、私どもははつきりとしなければならぬと思う、そうして國會の意思はどこにあるかということは、彼らが徴するでありましようから、徴するときにこちらははつきりした意見を申し述ぶればよいのであつて、その國會の意思はあとでゆつくり相談をしてもよろしいと思う。けれども今いろいろと抽象論をやり、觀念論をやつておつたのでは間に合いませんから、そういうことはよして、今日は一つその申入れをどういう方面でどうするかという、その申入れをまずやつておいて、あとで、國會の意思を徴するならば、國會の意思はここにありということは、この委員會で夜を徹しても討議すべきであると私は考えるのであります。
#40
○大島(義)委員 午前中からの米價の問題につきましては私も聽いておるのでありまして、もちろん米價の決定をしなければならぬということは、今更申し上げるまでもないのであります。そこでただ私の考えなければならぬと思いますことは、本年の米の割當が、一週間もかかつて、農林大臣のわずかに九縣の割當をしたということの事實に對して、總司令部から、そういう割當の方法ではいけないということで、割當の決定した府縣まで一應これを御破算にして、三千五十五萬石という米を割當てられた。私は決して米價の決定もこれと同じでいこうということは、もちろん考えておりませんけれども、こういうことも私は價格の決定にあたりましては十分考慮すべきであろうと思つておりますので、この點ひとつ諸君にもご考慮願いたい。もちろん私どもはみずから百姓をしておるのでありまして、米價の高いにこしたことはないのでありますけれども、しかし一應こういう點も考慮に入れるべきである。それから米價と裏づけ物資の關係ということも十分に考慮しなければなりませんので、一應の申入れは、寺島君の手もとで案分がつくられておるようでありますから、後刻これを承ることにいたしまして、申入れ後において、その裏づけがどういうふうになるかというような關係を、關係閣僚と本意員會との間に懇談をしていただきたいと思うのであります。もちろんそれは申入れをした後であります。申入れ後にそういうことをやつていきたいと考えるものであり、また本意員會がそれらの點を十分考慮して申入れをいたしませんと、もし委員會と政府との間の意見が多分に食い違つたという場合に、われわれはその點も考えて、委員會の立場と面目等もありますので、いたずらに高米價のみを望むということもこれは相當考慮を要しなければならぬ問題だと思いますので、もちろん先ほど來的場君からの政府に對しての申入れをなすべきこと、あるいは米價の決定にあたつて、本意員會に諮問すべきであるというようなことは、これは必要でありますけれども、あまりに具體的に掘り下げるということは、政治性に非常になくするものであるというふうに考えますので、この點一應御考慮願いたいと思うのであります。
#41
○八木委員 ただいま問題となつております國會の意思を徴せられたいという申入れは、即時取運ばれんことを希望いたします。私先般片山總理にお尋ねいたしました三つの點も、その一つは、米價問題はきわめて愼重な取扱いをすべきであるが、政治的責任をも云々しなければならないような印象をもつ行動はいかがかという點を質し、また、米價は前例もあることであるから、國會の意思を徴してやつてもらう意思があるかどうかということに對しても、政府の所見を質したのであります。また、押つけ供出を實施するためには、供出ということ、言い換えれば裏づけ物資を切離したような米價の決定方はだめだという三點を質しましたが、いずれも本員と見解を異にしておるやに見受けられておりますから、私は、この際、常任委員會の總意をもつて、國會の意思を徴せられたいという申入れを即時取運ばれんことを要望いたしまして、諸君の御贊成を得たいと思います。
#42
○叶委員 簡單に贊意を表したいと思うのであります。先ほど大島委員から御發言がありましたが、關係當局との考慮ということが言われておりますが、ちようど供出の問題等に關しましての御發言であつたように思いますが、大體私どもは原則的には、一應われわれの米價に對しまするところの考え方も主張することは、決してその筋の意向と、たとえ結論におきまして食い違いはできましても、また善處すべき途はあるのでありまして、そういうことに一應從來われわれは非常に怯懦であるということは――怯懦ということは非常に刺激が強ければ取消してもよいのでありますが、そういうことにのみ籍口いたしまして、米價問題について消極的態度をとるやに誤解されることは、これは國會の威信に關することであると私は考えるのであります。こういう意味におきまして、大體先ほど來各位の述べられました意向につきまして、私は全面的に贊意を表するものでありまして、委員會の最後の意見をまとめられまして、早急に具體的に手續をとられんことを望んでやまないものであります。
#43
○野溝委員長 大體皆さんの意見は一致しておると思います。よつて、的場委員からの、進行上の動議といいましようか、發議があられたのですが、午前中に申合せのできた政府に對する申し入れの條項を、具體的に實行に移せ、その文案竝びに内容についてはどうという具體的な意見がありませんが、その趣旨において即刻實行に移せというこの御意見については、皆さん御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#44
○野溝委員長 それではさように決定いたします。そこで、この文案竝びにその方法については、いかなる方法をとりましようか。
    〔「委員長一任」と呼ぶ者あり〕
#45
○野溝委員長 それでは委員長に一任してくれますか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○野溝委員長 それでは、文案については、寺島委員が私案をもつておるようでございますから、一應寺島委員に私案を發表してもらいまして、それから審議を願うことにいたしたいと思います。
#47
○寺島委員 私は、米價の決定が、荏苒日を許さず、眞に寸刻を争うという現段階に鑑み、すでに一昨日の經濟閣僚懇談會において大體の論議がなされ、二十日には決定せられるということに鑑み、本意員會の意思もまた速やかに、即刻これを政府に傳達するにあらざれば、すなわち人の意思は政府に到達しないという形になりますので、左のごとき決議を本意員會は決定をいたしましたる上において、この決議を委員長において帶同の上、現在米價決定にあたり、そのかぎを握つておられますところの安定本部長官、官房長官、農林大臣、商工大臣、大藏大臣に申入れをせられました後において、次の月曜日の委員會においてその結果を責任をもつて委員長からわれわれに御報告を煩わしたいというのが、私のお願いしたい實行方法であります。なお、とりとめもないことではというので、一應決議をここにいたし、委員長に御携帶願いたい。その決議、
 一、農林委員會は米價の決定が農業再生産を無視して論議せられんとする傾向に對し憂慮にたえず、よろしく政府はその決定にあたり、耕作農民の希望を参酌し、農業再生産を妨げざるよう深甚なる考慮の元に、公正妥當なる價格を定められたし。
 二、政府は米價の決定にあたり、農業用需要物資に對し、責任をもつてこれを確保する萬全の用意のもと、同一米穀年度内において、米のみ公價にて供出せしめ、農民をして農業用必需物資をやみ價格にて求めしめることなきよう、責任ある措置のもとに決定されたし。
 右決議す。
 かような決議を農林委員會として決定の上、これを傳達されたいというのが私の趣旨であります。
#48
○的場委員 寺島委員の案文には、農民の意思云々というのがありますが、國會の意思云々ということではございますか。どうですか。
#49
○寺島委員 國會の意思を参酌してやれというのは、この決議とは別個に午前中決定せられておることでありますから、國會の意思を十分に参酌して米價の決定をせよ。それは二十日に決定するのであるが、二十日の農林委員會において、國會の意見を何らかの方法によつて當局にこれを徴するのもよろしいし、あるいはまた二十日の日にしかるべき方法によつて、われわれの意見を十二分に徴する。あるいはその決定を延ばすというような處置は、委員長において口頭をもつて嚴重に申し出てもらい、併せてその結果を報告してもらうということで、一應この決議ではこういうふうな形をもつて現したのであります。
#50
○叶委員 的場委員の意見はどうですか。そういうことで了承するわけですが、やはり入れたらどうですか。
#51
○的場委員 午前中にやりました問題は最も大事なことでありまして、國會の意思を徴して米價は決定すべきものであるということを申し入れる。こういうことですからその意味をはつきりしないと、私は意義をなさぬと思います。
#52
○寺島委員 的場委員の御意見はごもつともでありますから、第一、第二に續いて、第三に、政府は米價を決定するにあたり、國會の意思を十分尊重すべし。
#53
○野溝委員長 ちよつと速記をやめてください。
    〔速記中止〕
#54
○野溝委員長 速記を始めます。
#55
○寺島委員 的場委員の御注意ごもつともでございますので、これは別個に委員長が申すということだけでなくて、決議の案文中に入れます。
 一、政府は米價を決定するにあたり、國會の意思を徴し決定せられたし。
 二、農林委員會は、米價の決定が農業再生産を無視して論議せられんとする傾向に對し、憂慮にたえず。よろしく政府はその決定にあたり、耕作農民の要望を参酌し農業再生産を妨げざるよう、深甚なる考慮のもとに、公正妥當なる價格を定められたし。
 三、政府は米價の決定にあたり、農業用必需物資に對し、責任をもつてこれを確保する萬全の用意のもと、同一米穀年度内において、米のみ公價にて供出せしめ、農民をして農業用必需物資をやみ價格にて求めしめることなきよう。責任ある措置のもとに決定されたし。
 右決議要望す。
#56
○野溝委員長 お諮りいたします。ただいま原文をご承認願えますか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#57
○野溝委員長 では決定いたしました。
#58
○成瀬委員 非常に結構に思いますけれども、米價決定の問題でございますが、これは米價だけとしてよろしゆございますか。これは主食一般として麥や何かの改訂の時にも……。
#59
○野溝委員長 ちよつと小野瀬委員におはかりいたしますが、ごもつともの意見だと思いますが、一應とりあえず米價問題が中心でございますからさように御了承願いたいと思います。
 ではただいまの申入書と言いましようか。ただちにこれを政府に傳達いたしたいと思います。その方法についていかが取計らいましようか。
#60
○成瀬委員 理事及び委員長一緒になつて、帶同の上においてやつていただきたいと思います。
#61
○大島(義)委員 理事だけでなく、ほかに大勢おるのだからできるだけ行つた方がよろしいと思います。
#62
○野溝委員長 では委員長又び理事に一任するという意見と、全委員という意見と二つあります。まずさきに委員長と理事とをもつて政府に要請する、この意見に對して皆さんの贊否を諮います。
    〔「贊成」「反對」と呼ぶ者あり〕
#63
○野溝委員長 贊成者多数と認めます。よつて委員長、理事ともに要請することにいたします。(拍手)
 本日はこれにて散會いたします。
   午後五時二分散會
ソース: 国立国会図書館
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