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1947/10/24 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第40号
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1947/10/24 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第40号

#1
第001回国会 農林委員会 第40号
昭和二十二年十月二十四日(金曜日)
    午前十一時三十四分開議
 出席委員
   委員長 野溝  勝君
   理事 叶   凸君 理事 鈴木 強平君
   理事 寺島隆太郎君 理事 岩本 信行君
   理事 北  二郎君
      大島 義晴君    佐竹 新市君
      田中 健吉君    永井勝次郎君
      成瀬喜五郎君    野上 健次君
      平工 喜市君    細野三千雄君
      松澤  一君    水野 實郎君
     小野瀬忠兵衞君    小林 運美君
      佐々木秀世君    志賀健次郎君
      関根 久藏君    寺本  齋君
      八木 一郎君    小川原政信君
      佐瀬 昌三君    重富  卓君
      野原 正勝君    松野 頼三君
      梁井 淳二君   的場金右衞門君
 出席政府委員
        物價廳次長   大原總一郎君
        總理廳事務官  長谷川 清君
        農林政務次官  井上 良次君
 委員外の出席者
        農林事務官   庄野五一郎君
        農林事務官   安藤  恭君
        專門調査員   片山 徳次君
        專門調査員   岩隈  博君
    ―――――――――――――
十月二十三日
 農地開發營団の解散に伴い開發事業を都道府縣
 に移管の陳情書(全國都道府縣知事會議代表東
 京知事安井誠一郎)(第四二九號)
 地方競馬法改正に關する陳情書(全國都道府縣
 知事會議代表東京都知事安井誠一郎)(第四三
 〇號)
 生活必需物資につき公團方式不採用の陳情書(
 全國都道府縣知事會議代表東京都知事安井誠一
 郎)(第四三二號)
 食調糧整委員選擧資格に關する陳情書(日本社
 會黨秋田縣支部連合會青年部)(第四三五號)
 海外引揚者歸農問題に關する陳情書(島根縣外
 地引揚同胞更生會理事長)(第四三七號)
 特殊滿俺劑製造助成に關する陳情書外一件(青
 森縣上北郡十和田村新屋敷利三郎外九名)(第
 四三八號)
 競馬法の一部を改正する陳情書(静岡縣濟松市
 競馬誘致委員会會長大杉熊太郎)(第四四七
 號)
 森林治水竝びに災害防止林造成事業擴大化に關
 する陳情書(群馬縣前橋市曲輪町群馬縣森林治
 水協會長北野重雄)(第四四八號)
 農業協同組合法案一部修正に關する陳情書外四
 十四件(宮崎縣延岡市森林組合長工藤靜雄外九
 十九名)(第四五五號)
 農業生産の調整及び供出制度に關する陳情書(
 東京都千代田區神田三崎町全國農林青年連盟食
 糧問題緊急協議會)(第四六三號)
 空俵叺還元要求に關する陳情書(東京都千代田
 區神田三崎町全國農林青年連盟食糧問題緊急協
 議會)(第四六五號)
 農産物取引における中間利潤排除に關する陳情
 書(東京都千代田區神田三崎町全國農林青年連
 盟食糧問題緊急協議會)(第四六六號)
 農産物價格に關する陳情書(東京都千代田區神
 田三崎町全國農林青年連盟食糧問題緊急協議
 會)(第四六七號)
 農業保險法改正に關する陳情書外二十六件(青
 森縣西津輕郡東力村農業會長木村功男外二十六
 名)(第四七〇號)
を本委員會に送付された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 米價問題に關する件
    ―――――――――――――
#2
○野溝委員長 會議を開きます。
 付託された議案の審議に先だちまして、一應政府から肥料、必需物資の事情について説明をしたいという申出がありました。これを許すことにいたします。
#3
○安藤説明員 それでは命によりまして、肥料の明年の配給豫定について簡單に御説明申し上げます。
 お手もとに差し上げてあります最近における肥料配給状況に關する資料を参照していただきたいと存じます。第一に昭和十二年度以降における肥料の消費實績と書いてある表がございますが、その一番下の段に昭和二十三年窒素質肥料の配給豫定数量を書いてあります。たとえば稻に對しましては五貫を配給いたす豫定でございます。ここに五貫の左に括弧して五貫五百匁と書いてございますが、これは本年産の供出にリンクいたしまして、割當量の一一%を超えた者に對し、一俵當りニ貫を配給いたす豫定でございます。これに加えまして、全國總平均を書きましたものが五貫五百匁でございまするとにかく窒素質肥料につきましては、この表をごらんになるとおわかりかと存じますが、大體終戰以後最高の割當量を維持しております。
 以上はなはだ簡單でございますが、肥料の配給豫定数量に關しましてご説明申し上げます。
#4
○庄野説明員 私農林省の資材課長でございますが、その他の農業必需資材の、農機具、それから石油、作業衣、地下たび、こういうものについて、お手もとにお配りいたしました表について御説明いたしたいと思います。初め農機具について説明いたします。農機具につきましては、第一表の一番表にありますが、これは從來年度別に農機具として配給されました。主要な資材であります鐵鋼について配當實績を示しておるのみでありますが、農機具は御存知のように非常に種類がたくさんありまして、品種別というわけにまいりませんので、大體主要な資材であります鋼材と銑鐵とそれから木材、コークス、こういつたようなもので大體のとりまとめをいたしております。それで、農機具の統制は昭和十五年から實施しておりますので、それまでのものは大體年度別には出ておりません。それで十五年からのものをここに書いておきました。それで、昭和十五年が鋼材で三萬一千五百トンばかり、銑鐵で一萬五百トン、こういうふうになつております。大體戦争前までの農機具に消費いたしました銑鐵の量というものは、的確な資料はないのでありますが、當時の生産状況、それから配給状況などを調べてみますと、約六萬トン程度、それから銑鐵の方で三萬トンから四萬トンの間です。こういうので年間銑鐵と鋼材を合わせまして、銑鐵十萬トン程度を新造とそれから修理用、兩方にわけて消費しておつたのでありますが、昭和十五年からだんだんと減つてまいりまして、昭和十五年のころにはもう物動が始まりまして、配給統制になりました数量が三萬一千トン、そういうふうになつております。それから少し飛びまして十七、十八、十九、こういうふうに戰争の遂行とともに年々割當が減つております。それで終戰になりました昭和十九年で一萬四千トン、これは非常に終戰後軍需資材というものの轉換がありまして、一萬四千トンという割當を受けたのでありますが、實際工場にはいりました数字は七千五百トン、こういう数字になつております。それで二十年も特殊物件などの配當で一萬二千四百トンという数字でありますが、實際工場にはいりまして農機具になつたという数字は約九千トンであります。二十一年度はそういう数字を合わせまして一萬九千トン、二十二年度は非常に終戰後の經濟混亂が現われてまいりまして、鐵鋼の生産量が非常に少い。われわれといたしましては三萬トン程度のものを要求したのでありますが、鐵鋼の生産状況から農機具への年間の配當量というものが八千トンに限られまして、ただいまの第三、四半期までに實際に割當られた数量が三千九百トン、こういうことになつております。それで終戰後は非常に軍需資材あるいは特殊物件、それから工場の手持物件というもので、二十年、二十一年というものは相當程度政府から割當てられました資材以上に農機具は生産されたのでありますが、二十二年度にはいりましてからは、政府からの割當が非常に少なくなつたのと、工場の手持資材、あるいは市場から入手できるような資材が非常に窮迫しまして、二十二年度から來年の初めにかけましては、非常に農機具の生産配給が落ちてくるものとわれわれは恐れておるような次第であります。ただいまでは大體農機具生産資材を割當てましてから製品化するまでには、三箇月ないし六箇月程度の時日を今までのところ要しております。二十一年に割當てられた資材が二十二年に製品として出荷されるというような状況でございます。大體過去における農機具に關する鐵鋼の割當量というものは以上の通りであります。
 これから本年度において農機具がどれだけ農林省から府縣に對して割當てられておるかという數字が第二表になつております。府縣申請需要量というものは、農林省で府縣から機種別に報告をとつたものでありまして、大體農家に手持ちしておる農具の損耗による更新量と、開拓によつて新しい農家ができたときに配給する新しいもの、あるいはこれから新しい機種で普及していかなければならぬもの、そういうものが府縣の需要量になつております。これが私どもの方で策定しております普及臺數による更新需要量、そういうものに大體一致しております。それに對する本年一月から八月までの生産實績はこういうふうになつております。次はBの欄になつておりますが、これは工場の生産實績でありまして、そのうち農林省で、中央の統制によつて配給しているものがこの欄に書いてあります。農器具のただいままでの統制は、中央の統制と地方の統制と二本建になつております。これは農機具は非常に地方的色彩が多いのでありまして、中央だけで統制しておりましては、農民のいわゆる土地柄、あるいは農民の慣行に應じた農機具を配給できないというので、大體普遍的に配給できるものを中央で統制いたして、ローカル的な農機具は地方でつくつて、府縣の統制で配給するということになつておりまして、供給實績は大體中央で統制したものであります。生産をされたものから農林省で割當てまして、農村に配給されたものがCのクラスになつております。それでそのパーセンテージは府縣の需要量に對して供給實績は三六%、それから配給實績は二四%、こういうふうになつております。これは生産から配給までにずれがあるということも御承知願いたいと思います。上にまるがついてあるのは、これは従來は六十品目ほど統制しておつたのでありますが、重要機種だけをこれから統制しようということになりまして、本年の四月から實施しておる統制品目でございまして、二十三品目ございます。これは十二月から實施いたしますクーポン制度による配給品も、このまるをつけた二十三品目を切符で配給するということにいたしたいと思つております。それで大體急いでつくりましたので數字に間違いがありまして、二枚目の人力脱穀機の次に動力脱穀機と四番目に書いてございますが、その數字の覧の四番目、二五と一〇・一とあるのをお消し願いまして、それを合せてまん中に二〇と書いていただきます。それから一番しまいのわら打機の數字の覧で四九・七というのが三・七でございます。それから一つおいて上から四番目の覧の一五八というのが一一でございます。その次のぺーじの二番目の製縄器の次のなわ仕上器というのがございます。この上から四番目の覧に八九というのを八を消していただいて九、それだけでございます。これは年間の需用量に對して一――八の配給實績、あるいは生産實績をパーセンテージにとつておりますが、農器具は大體春に主として使われるものと、秋から使われるもの、いわゆる稲で言いますと、すきとか、あるいは耕耘機、除草器關係は春農具にはいりますし、脱穀機とか、もみすり機、かま、萬石、唐箕、そういうものは秋農具ということになつておりまして、大體春秋ニ期に重點をおいて配給いたしております。この一――八を大體倍にした數字が年間の供給量、すぐそういうわけにはまいらないのであります。すきあたりは大體これが秋にも出荷數がありますが、倍というわけにはまいらないのであります。
 それから、第三表に昭和二十三年度の年間農機具需要表というものを掲げております。これは農林省の事務當局て作成いたしたもので、大體二十三年度の營農にどれだけ要るかということを算定いたした次第でありまして、その算定のいたし方は更新需要量と申しますのは、ただいま農家の手持農機具が大體普及しておりますが、それが大體どれだけあるか、これでただいまの農家の營農、耕作から農作業ができているといういわゆる普及臺數の毎年消耗いたしてゆきます數字が、更新需要量ということにいたしております。その普及臺數を、農機具のいわゆる損耗する年數、すきならば八年、くわならば七年、大體その邊で農機具が損耗してだめになる。その數字で普及臺數を割つた數字、それを毎年更新していかなければ手持農機具は年々減つていくという數字が、更新需要量になつております。それがすきならば二十九萬二千五百挺、くわは二百十一萬九千挺、こういうふうな數字になつております。新規需要量は開拓によつて新しい農家ができた結果、増地いたしました營農用あるいは指導農場、ただいま農林省で技術指導の機關として設置いたしております指導農場の營農に使う農機具、そういうことで、新しく、あるいは新しい機種を導入していきたいというので、そういうものの新しい導入計畫を立てる、その數字を新規需要量として策定いたしております。それからその合計が大體すきならば三十萬四千挺というふうに農機具別につくつております。これに要します資材を、その次の表に平均一臺の資材量によつて資材計算いたした數字を上げてありまして、石炭ならば年間二千三百二十四トン、鋼材ならば三萬三千五百トン、銑鐵ニ萬五千トン、こういうものがいわゆる新造に位う数量であります。
 それからその次の補修用と申しますのは農家にあります農具をすきならばすき先を毎年取りかえる、あるいはくわならば先かけをやる。脱穀機ならば齒車をかえる。除草器ならば爪をかえる。そういうふなう修理用に要るものを、大體石炭ならば二百七十六トン、鋼材ならば六千八百トン、銑鐵ならば四千五百トンというふうに策定した次第でありまして、その合計が大體鋼材四萬トン、銑鐵三萬トン、こういうふうな數字になつております。これはわれわれが事務當局といたしまして、毎年ずつと續けて耕作をするには、これだけは農村に補給したいという數字でありまして、この數字で安定本部、商工省と折衝いたした次第でありますが、ただいまの鐵鋼の生産事情、あるいは石炭生産事情から、大體半分程度は確保しようということで話が進んでおります。鋼材ならば四萬トン要るんですが、これに對して最低ニ萬トン程度確保してゆこう、それでわれわれとしては、その範圍で最も重點的な機種について、たとえばすきとかくわとか、かまとか、あるいは除草器、脱穀機、そういうときに米麥に主眼をおいた農機具の生産をやつて、その他のものはなるべく抑えてやつてみようという考えで、今計畫を立てております。それで大體ニ萬トン程度のものほ最も重要な農機具の生産と、その補修用にまわして、農家の手持農具を補修してこれを活用するという方向に努力したいと思つております。農機具の御説明は大體それで終りたいと思います。
 それからその次に農機具用ゴム製品配給状況というい一覧表をお手もとに配つておりますが、農機具用ゴム製品と申しますと、一番重要なものは脱穀いたしましたもみを玄米にする場合に使う製品で、ゴムのロールを囘轉させてその中でもみを落としてゆくと、それでもみがすれて玄米になる。そのゴムロールでありまして、これはもみすり機にくつついているもので、毎年消耗して必ず取かえなければならぬ製品でございます。六千萬石なら六百トンの生ゴムを毎年消耗しているわけです。從來、昭和十六年、十七年、十八年は四百トン程度で間に合つておりましたが、それはゴムの質がよかつたのと、それにカーボンブラックの非常に良質のものがありまして、生ゴムをゴムのりにいたしますにこれを用いると、硬度が非常に高くなりますので、ただいまのものでは一キロで百石すれておりますが、その當時は一キロで百五十石すれたためであります。最近はカーボンブラックの質が非常に落ちたのと、生ゴムも終戰後は質の悪いものが割當てられていたのですが、最近はまたゴムの質が上がりましたが、一時はそういうふうで品質が低下して、もみをする量がおちたのでありまして、そういう關係で昨今は生ゴムを六百トン程度確保しなければならぬというわけでありますが、本年度は非常に生ゴムの事情が悪くて、ただいままでの配給が二百六十五トンになつております。これは第三番目の表に書いてありますが、それで不足が三百三十五トンありますから、われわれは安定本部や商工省にお願いして、できるだけこれを確保しなければ供出に差支えるということで。目下折衝中でありますが、ただいまのところでは第二・四半期に割當てられたものを十一月中に全部生ゴムとして生産工場に送り届ける。それから第三・四半期に百十トンの割當を受けておりますが、これをぜひ百五十トンにしてもらつて、十二月中に生産工場に送り届けてもろうという線で、ただいま交渉をしております。これが確保できないと早期供出に非常に支障があると考えるので、できるだけ安定本部にお願いをして、所要量の確保に努めております。
 それから噴霧機用のゴムホースと農機具を動かしますゴムベルトがございますが、非常に生ゴムの事情が悪いので、みな苦心しているわけで、農家もこのゴムベルトあたりで非常に困つて、作業に支障があるのではないかと思つておりますが、生ゴムが非常に不足しておりますので、配給量は減つております。それも併わせて來年の早期供出を確保するためには、できるだけ配給してもらうように安定本部にお願いしております。
 それから農業用石油について御説明いたします。大體農業用といたしましては、灌漑排水の發動機、自動耕耘機、それから脱穀調整、製粉とかいうものに一部使いますが、大體脱穀調整と灌漑用と、うんか駆除用の石油、これが大體農林用石油の最も重要な用途でございます。第一表が昭和十四年以降の石油の配給實績でございますが、大體農業用石油は燈油と輕油が重點的に使われておりまして、重油は大きな灌漑排水のデイーゼルあたりを動かすのに一部使われる。輕燈油は農林用石油の最も重要なものでございまして、これが一四年度以降の配給實績はこうなつております。大體昭和十六年を一〇〇%とすると、燈油は十七年から半減しております。これに對して輕油は十七年度は約一〇六%で、六%殖えておりますが、戰争後非常に減つております。これが大體今までの實績で、これに對して二十一年度の配給實績は、その次の表に書いてあります。御承知のように戰時中は南方の石油がはいりまして、大東亞戰の半ばごろまでは相當程度需要を充足しておりましたが、戰局の逼迫とともに、國内産原油に依存することになり、非常に規制されております。最近終戰後はG・H・Qの厚意によりまして、相当程度の石油の輸入がありますので、ただいまのところでは非常に規制は受けておりますが、電力と人力と石油と總合配分いたしまして、作業に何とか支障ない程度に勤めております。二十一年度の實績と、それから二十二年度の十月までの配給實績は、ここにきちんと書いてございます。これは大體毎月ごとにG・H・Qに報告いたしますので、この數字は非常に正確にとつております。ただいまのところ今後の配給として最も重要な問題になりますのは、米の脱穀と調整の石油でございまして、本年の脱穀調整用の石油は、大體六千二百萬石の生産豫定でそれを脱穀調整するに電動機と石油と人力をいかに按配するかという作業區分をつくりまして、大體二十二年産米には輕燈油合わせて一萬三千キロ、これがG・H・Qから指令をいただきましたわくになつております。そのうち本年は旱魃と水害が非常に突發的に起りまして特配のいわゆる灌漑用の油、あるいは揚水用の油を急に災害地に出さなければならぬ關係になりましたが、特配がどうしても出なくて、脱穀調整用から一千キロをそちらの方にか割きましたので、實際脱穀調整用にまわすのは一萬二千キロ、それから耘耕用といたしまして約七千キロ配給してありますので、その殘を脱穀調整にまわしていただきたいと懇請しております。それで大體一千キロ程度の灌漑排水に使いました分が埋まるのではないかと考えておりますが、これはまだはつきりとした許可はきておりません。ただいまのところでは、本年の脱穀調整の作業計畫としてわれわれがつくつたのでは、脱穀の方では石油で大體九%、電動機で三七%、人力で五一%、それからガス發生装置で三%、こういうふうな作物區分をいたしまして、一萬三千キロの石油の使用を都道府縣に割當てました。しかし一萬三千キロの石油では非常に不足でありますので、人力脱穀機が相當程度ありますから、人力と電動機に脱穀のウエートをかけて、石油はなるべく調整の方にまわしたい、こういう計畫でございます。それからもみすりの方の石油により作業區分は大體三三%ガス發生装置が五%、電動機によるものが五八%、人力によるものが四%でありまして、やはり石油による不足を電動機で補つていきたいと考えております。ただ、問題になりますのは、電動機は農村に普及いたしておりますものは、ただいまのところで二十二、三萬でございますが、それを活動するといたしましても、問題は電力でありまして、できるだけ年内に脱穀調整を終らないと、二月三月の非常な渇水期には電力で困難を來するのではないかと考えて、農村に對してはなるべく早く電動機で作業するように指導をいたしております。電氣の方はただいまのところでは、順位は甲のイになつておりまして、これは期間と場所を區切つて、甲のイの最優先の電力を送ることになつておりますが、御承知のように、農村にはいつております配電線は、いろいろなものがぶらさがつておりまして、もとで切られるとなかなか順位通りの電力が送れないということになりますので、農村にもほかの用途に使わないで、脱穀調整として送られたものは、ぜひ脱穀調整だけに使用するようにお願いをしておりますし、なるべく專用線が早くできればいいと思いますが、今の資材状況でできませんので、そういうような農村の自覺によつて電氣をほか使用しないようにお願いしている次第であります。來年の大體の石油の所要量は本年と大體同じ程度にお願いしたいと考えて、安定本部あるいはG・H・Qの方に資料を提出いたしております。
 それから農業用衣料品及びゴム履物の配給實績を御説明いたします。これは戰時中の初めの配給實績、十五年、十六年というものと、それから終戰後の二十年、二十一年、二十二年に出ましたものをつくつておきました。中間のやつはちよつと省略いたしました。地下たびならば、十五年が千百五十萬足、二十一年は八十一萬五千足、それから供出報奨用に二百七十萬足という計算で、大體三百五十一萬五千足が二十一年に出ております。二十二年はただいまのところでは、一般農業用といたしまして二十三萬五千足、米、麥、馬鈴薯、そういうものにリンクいしましたものが三十一萬五千足、計五十五萬足配給されております。それからゴム長靴、作業衣は大體作業衣と紺織、紺織につきましては非常に數量が正確なものがちよつと見あたりませんでして、ただいまのところこの程度で、作業衣の方は大體二十一年が八十三萬一千五百着、それから紺織で三百六十三萬六千反というものが全部供出用として配給されております。本年度では六十五萬着、さつき申しました地下たびと同じようなリンク關係で二十五萬着、計九十萬着、それから紺織は一般農業用といたしまして七萬九千反配給されております。
#5
○野溝委員長 ちよつと資材課長にお聞きしますが、作業衣は二十一年度は一般農業用というのは紺織と同様なかつたわけですね。
#6
○庄野説明員 そうです。全部供出にリンクいたしました。一般農業用は皆無でございまして、一般農業用を全部供出の方にまわして供出を督勵したという形になつております。二十三年度の需要量をここに策定いたしました。これはただいまの農業人口が、最近の調べで兼業者と第一種兼業、こういうものを合わせますると、約一千六百四十二萬八千五百という數字になりまするが、それに對して年間三足配給するという數字で、地下たびならば四千三百四十四萬一千足という大きな數字になつておりますが、ゴム長靴はこれは北海道あるいは東北の濕田地帶に配給するということで大體百九十四萬七千九百足、作業衣は大體男子の五〇%、それに對して、人員は次の表に書いておきましたが三百七十三萬着、紺織二千四百萬反、こちらの基準によつて計算いたしますとこういう程度になりますが、ただいまのようにゴムあるいは繊維製品の原綿の供給状況でなかなか思う通りにはいかないと思いますので、少くとも地下たびならば農業從業者は一年に一足は配りたいと考えております。今こういう線でひとつ安本なり商工省なりとよく折衝していきたいと考えております。
 次に農藥關係で御説明いたします。大體今一番問題になつておりますのは殺蟲劑系統の砒素劑、デリス劑、除蟲菊劑あたりが、非常に問題になつておると思います。あとの銅劑、水銀劑、硫黄劑、これは需要量に對して相當程度のものが供給されておりますので、砒素劑が蔬菜、果樹、稻、甘藷というものに對して一番需要が多いのでございまして、それはただいまのところでは二十年度が約一七%でございますが、昨年は非常に増産いたされまして、需要に對して三八%、本年度の上期の九月までは、ただいまのところ一六%しか供給ができておりません。これは原料であります亞砒酸が非常に山元でうまく増産できていないので、亞砒酸の不足によつて起きているのでございますが、ただいま九州の大分縣の尾平の鑛山に、全力を集中して亞砒酸の増産に努力しておりますので、今後増産できて大體二十一年度程度の三八%ないし四〇%程度のものは供給できると考えております。來年もその程度はぜひ確保したい、こう考えております。それから除蟲菊劑は、主食との關係で非常に作付面積が減りまして、収量が落ちておりまして、二十一年は貫目で四十萬貫、本年は三十萬貫に減つておりますが、大體その主要部分、八〇%程度は農藥用の方にまわしております。來年ももつと作付面積を殖やして農藥用として確保したい、こう考えております。これは作付面積を殖やしていかなければどうにもならぬ、大體つくられたものはほとんど全部農藥用になつております。それから銅藥、水銀劑、硫黄劑は、ただいまのところでは需要に對しまして供給が不十分でありますが、大體間に合つておるという程度で、ただいまこれは統制をはずしております。今のところでデリス劑、除蟲菊劑、亞砒劑、こういうものを統制しております。デリス劑は蟲を殺すものでありますが、デリス根というものが全部南方の熱帶植物の關係上、終戰後全部輸入が杜絶しておりますが、ただいま二百五十トンの年間需要量をG・H・Qにお願いして、大體許可されて、近く輸入の運びになると考えております。農藥の方は割方農機具に比べまして供給がうまくいくと考えております。以上であります。
#7
○野溝委員長 時間の關係上安定本部から見えておりますので、この際質疑の通告がありましたから、それを先に許すことにいたしまして、次に今の説明の質疑にはいりたいと思います。一應物價廰に對する質疑を許します。八木委員。
#8
○八木委員 簡單にお尋ねいたします。本日お配りいただきました「バリティ計算ニ採リタル品目ノ基準年次及ビ現行價格一覧表、」この表についてお伺いいたします。農民に納得させるためにいろいろ勉強した結果、どうしても納得できない點をまず伺います。この表の中で建値があるものは御賣になり、あるものは小賣にいたしております。これはどうしてこういうことになつたかということを、まずお伺いいたします。
#9
○大原政府委員 原則として小売をとりますのはパリテイ計算の當然のことなのでありますが、基準年次の單價につきまして小賣の單價を捕捉するのに非常に困難なもの、それに對する適當な資料のないものは同じ標準で比較しなければなりませんので、やむを得ず御賣の價格あるいは生産者の價格ほとらざるを得なかつたのであります。資料さえ得られますならば、今後はぜひとも小賣價格のみによつてつくりたいと思つております。
#10
○八木委員 この出す米は倉庫渡しとしてある以上、基礎に盛りこまれた買うものも、御賣で運賃も手數料もはいつていないというのでは、學問的な説明をすればわかるようなものでありますが、百姓としては。私どもとしては納得しかねるので、これはどうしても資料がなかつたからこれによつたんだというならば、その間を助成費でみてやるとか善處しなくては納得できませんが、どういう御所見をもつておられるか見解を伺います。
#11
○大原政府委員 バリテイ計算は大體基準年次と今年度との倍率を見ることを目的とした計算方法でありますので、小賣同士の倍率と御賣同士の倍率との間にさした開きはないと想定いたしまして、ここに掲げたわけでありますので、あるいは小賣をとつたよりも不利になつておる場合もあるかと思いますし、有利になつておる場合もあるかと思いますが、大體比率による基礎でありますので、不正確であるというそしりはやむを得ずここに出てくるわけでありますが、御賣をとつたからといつて不利益になつたという御批判は、必ずしも當らないのではないかと思います。
#12
○八木委員 この出すものだけは倉庫渡し、もらうものは卸だと、今のように説明をすればわかりそうな話でありますが、非常に明確であります。これはいくら議論してみてもどうもわかりにくい點でありますから、こういうところへは助成の措置が別途にあるのですから、當然考慮すべきである、こういうふうに考えますから、これはぜひそういう處置を要求いたしたいと思いますが、關連して、豫算は昨日の新聞ではまだ閣議できまつていないということですが、さようの新聞には決定したと出ております。そのいきさつをこれに關連いたしまして伺いたい。
#13
○長谷川政府委員 豫算の方はきのう大藏當局から御説明申し上げましたように、今大藏省と農林省との間で、事務的な折衝研究をやつておるようであります。まだ最終的にはきまつていないように承知しております。
 それからなおさつきの御質問の御賣價格と小賣價格との點でありますが、これはわれわれといたしましてはできるだけ小賣價格で比率をとりたい、こういうふうに努めてたのであります。しかし實際問題といたしまして、基準年次の小賣價格は各地方で非常にまちまちでありまして、これが正確なる全國の代表的な小賣價格であるということをつかむ資料がどうしても發見されなかつた、そういうものにつきましては、やむを得ず御賣價格でその比較を檢討したということでありまして、資料がありますればむろん小賣價格をとることがいいと思うのでありますが、これはずいぶん探しましたけれども、小賣價格に適當のものがないということで御賣價格でとつたのでありまして、御了承願いたいと思います。
#14
○八木委員 問題はこの基礎に使つた品種竝びに品目がこの價格で手にはいる。そうして再生産に必要な數量がはいるかというところさえわかれば、納得できるわけでありますが、數量もはいらない、價格もこれでははいらない、しかもその基礎資料がなかつたからこういうことになつておる、こういう長い説明をしなければならないというところに、事務としてはそれでもつともでありましようが、どうしても無理がかかつてくると思いますから、これは豫算がまだきまつていないならば、こういう長い説明をしてかからなければならぬような點は、なんとか豫算の方の助成處置において取り計らつてもらいたい。それから新聞にあることはうそであるということですが、米價問題をめぐりまして、新聞に出ておることはうそだということをかなり聞くわけであります。きのうも聞くわけですが、その都度政府はなぜ取り消さないのか。新聞はこういう問題については愼重に扱つて、もし間違つておるならば速やかに取り消してやるべきを取り消していないのはなぜか。これを伺いたいと思います。
#15
○大原政府委員 まず最初の卸價格の問題でありますが、これはぜひ納得していただくために、もう一度重ねてバリテイ計算の性質を御了承願いたいと思うのであります。バリテイ計算は、基準年度の米價に對して、どのくらいほかのものが値上りしておるかということを見るのが本音でありまして、その比較をするのに、農家に渡る小賣價格の比率をもつて見るのが最も妥當であることは申すまでもないのでありますけれども、それに順ずるものとしては御賣同志の比率を見るというわけでありますから、その比率だけを見る點につきましては御賣でも必ずしも農家に不利益になるにきまつてはおらないのであります。御賣價格がここに採用されたからといつて、それだけで農民に不利な價格がきまつておると断定はできないと思うのであります。その點につきましてバリテイ計算と原價計算との間の違いが、一般にまだ十分御理解いただけていないように思うのであります。たとえばマル公配給を、七十一品目に限つてぜひ配給しなければならぬという議論が、新聞でもそう書かれておりますし、到るところでそういうことを伺うのでありますが、物價廰といたしましては、そういうマル公配給に抑えなければならないのがこの七十一に限るということを言われるのが、すでに原價計算主義と混同しておられるから、そういうことになるのではないかと思うのであります。私ども物價廰から申しますれば、七十一品目はおろか、すべての品目にわたつてマル公配給をなされるのが當然であります。七十一品目というのは、その倍率の比率を表わすために代表品目として、バリテイ計算の比率をはじくための代表品目として、ここに計算上あげた品目が七十一あるということでありまして、七十一品目のみのマル公の適用配給を云々せられることが非常に多いのでありますが、これは原價計算をこれによつてしたという意味ではありませんから、その點につきましてもバリテイ計算と原價計算主義との比率につきまして御了承をお願い申し上げたいと思うのであります。新聞發表がたびたび違うという點につきましてはどうもはなはだ遺憾でありまして、できるだけそういうことのないように今後注意を拂います。また必要であれば取消すことに、私どもいたしましてできるだけの努力をいたしたいと存じます。
#16
○成瀬委員 關連質問でありますが、大體御賣と生産者と、これを調べてみますると、十二品目ありまして、七分の一強にあたつておりまするが、今のお話になりましたところで、同じ卸賣のその基準年度において、あるいはまた現行價格において、比率をとるのだから、別にそれに不都合はないというような話でありますけれども、しかしながらこの基準年度におけるところのその商業社會的状態を考をてみますると、その時分におけるところの商業道徳というものは、きわめて自己の商業を發展せんがために商業サーヴイスをやつているということであるのでありますが、しかし現行におけるところの配給される手數料、コミツションというものは相當量にかさんでいるのでありまして、かような點、硫安、その他重要なものが、七分の一強卸賣によつて、扱われているということは、何としても私は納得いきかねるという點がそこに見出されているのであります。これをもやはり同じ商業利潤によつてやつているというような御見解で、これをやつておられるか、以上を聽きます。
#17
○大原政府委員 その點につきましては、いろいろ常時の事情と今日の事情と異なつているところがあると存じますが、もちろん卸賣でやるということが絶對によいと申しておるのではなくて、小賣でやるべきものを、資料が完全に整わないので、やむを得ず次善策をやつたという意味であるのでありますから、その點につきましては、たとえば木林のごとき、マル公をきめておりましても、現にマル公より下まわる品物につきましても、マル公を採用しているような状態もあるのでありますから、ひとつ御了承をお願いいたしたいのであります。
#18
○的場委員 卸賣廰の方にお尋ねいたしますが、生産者の米價は決定をいたしましたが、消費者の價格はいくらにきめられるのか、まだきまつていないならばいつきめるのか、そうしてまたその見透しは大體どのくらいのところを抑えられるつもりなのか、それをひとつお伺いします。
 それからもう一つは、物價廰の第二部長さんですか、長谷川さんとかいう方は、きのう米價はたいへん高過ぎるということを非常に強調されたようであります。高過ぎるのならば、あたりまえに物價廰としてやればよかつたのに、今日米價が決定してから高過ぎるというのは、どんな意味でそんなことを言われるのか、その理由を聽きますと、勞賃は三十倍になつた。米價は六十二倍。あまりに高過ぎるじやないかという。物價廰の部長は、そんなことを言つていいのであるかと私は考えるのであります。勞賃は三十倍になれば三十倍の収入が増加いたします。米價は六十倍になつても購入する生産資材その他が百倍になつておつたら、収入は三十倍どころか、缺損になり、赤字になり、負債になる。ここに農民の苦しみがあるのであつて、私どもが高米價を主張するのは、何も百姓を金持にしようといつて、千七百圓米價に不服を言うのではない。今日の農民が生活をするとこができない。次の生産ができかねる。だから再生産のできる價格に、農民たちも食つていける價格にしてくれというのが、われわれの願いであるのであつて、決してわれわれが主張する米價にしても、三十倍も四十倍も剰餘所得があるはずのものではないのであります。そのくらいなことさへもわからない方々がこの米價を決定されるから、今のように毎年農民をいぢめなければならないのであります。私たちは決してそういうことを言われたことをとがめるのではないが、そういう思想をもち、そういう幼稚な考えをもつている連中が物價廰の部長をするということが、日本の安本が、あるいは物價廰が、國民をいじめる結果になるのであります。まことに言語道断と言わなければならぬ。この點については、はつきりと物價廰の考え方を御説明願いたいのであります。
 以上二點を御質問いたします。
#19
○大原政府委員 消費者價格につきましては目下檢討中でありまして、來月度からの消費者に適用をいたしますので、來月一日に發表いたすように今いろいろこれにかかるものを研究しておりますが、大體今よりも五割高見當になるのではないかと豫想をいたしております。 次に高過ぎるという御非難に對しまして、農村に對して、あるいはお怒りる受けたかもわかりませんが、實は物價廰の立場全體から申しまして、物價廰は生産者の立場、また消費者の立場、双方を考えなければならない立場におりますし、また工業製品、農業製品、また鑛山の製品、すべての重要物資についてバランスのとれた公平な價格をつけることを第一のモットーにしておるわけであります。従いまして各方面から物價廰に向つていろいろな批判があるわけでございます。農村からももちろんいろいろのお話は承りますが、勞働者側、一般消費者側からは、米價の六十倍決定というのは、工業方面からは、操業度が鑛工業は現在三〇%くらいしか操業しておりませんので、非常に不利な状態にある。農村は戰前に對する七割、八割の生産をあげておるのに對して、同じ六十倍は不都合ではないのかという非難をよく受けるのであります。また米價の中には工場の勞働者の賃金に當るものが、このバリテイ計算の中では生活費を構成する部門として盛り込まれておりますので、このバリテイ計算の中にあるものは生産用の資材であり、あるものは生活用の資材であると考えるわけであります。ところで生産用の資材も六十倍、生活用の資材も六十倍とかりに考えますれば、工業生産者から、操業度が高いのに同じ比率では農村の方に有利ではないかという意見を申述べられ、また工業勞働者の側からは、自分たちは三十倍しか上つていないのに、生活費部門は六十倍も上つておる。それは特に主食その他のやみ買いをしけなればならない工場勞働者に比べて、農村の勞賃に對應する分に對しては六十倍という優遇がしてあるのは、非常に不公平ではないかというふうな非難を物價廰はその方面から強く受けるのであります。そういうことにつきまして、二部長としてもいろいろ説明に窮しておるのでありますが、とにかく農村の生活は戰前は總體的に非常に低かつたから、これだけ上つても他のバランスは狂わないのであるとか、いろいろ説明をいたしまして、この新米價が決して單に農村ばかりの立場を考えたものではないけれども、それかと言つて他の工業製品あるいは勞働者の生活に對して過度によいものをつくつたものではないということは、その方に向つてはできるだけ陳辯につとめておるような、苦しい立場に物價廰はおるわけであります。あくまでこの計算は正確はバリテイ計算により、できるだけ正確な數字――ただいま御指摘の御賣等の點につきまして、必ずしも完璧を期し得られない實情ではございますが、できる限り正確な科學的な方決をとつた米價であるという點につきましては、物價廰は一貫してそう考えておるのであります。ただバリテイ計算を採用する方式の中で、たとえば小作料のごときものをのけておりますから、もし全項目をこれに拾い上げてバリテイ計算をいたしますれば、今よりも二、三百圓も下る結果が出てくるのであります。たとえば小作料を入れるだけでも千五百圓を割るような結果が出るのでありますが、そういう正確な物價騰貴を反映しないようなものは除外しておりますから、その點では比較的有利な結果になつておるということも言い得るのでありますが、現に原價計算をマル公のみで原價計算をいたしますれば、この結果よりもむしろ安い結果になると思います。
#20
○長谷川政府委員 私個人の名前をおあげになりましてのお話でありますので、私からも一言お返事を申し上げておきたいと思いますが、昨日八木、あるいは村尾兩議員がおいでになりまして、いろいろバリテイ計算の具體的のやり方、考え方などについてお話を申し上げたのであります。しかしその際私決して高過ぎるということを申し上げたことは斷然ありませんから、その點ははつきりしておいていただきたいと考えます。あるいはそういう言葉がもしあつたといたしますれば、高過ぎるということを言う人があるというようなことが、あるいは會話の中に出た點があつてかとも思うのでありますけれども、私個人といたしまして、決して高過ぎるということを申し上げたことはありませんから、その點は御了承を願いたいと思います。
#21
○野溝委員長 的場委員、なるべく簡單にしてください。
#22
○的場委員 大事なことでありますから、さらにお伺いしておきますが、今のお話で、高過ぎるとおつしやらなかつのであれば、それで私はよいのでありますが、今あなた方がお考ゆになつておる、勞賃は三十倍であり、今度のバリテイの結果が米價が六十倍になつたということによつて、あなた方御自身が米價は優遇してあるという考え方にあるのではないか。私どもは農民たちのふところにはいる純所得というものが何倍になつたかということを考えるならば、決して三十倍になつていない。勞賃とか、あるいはいろいろ親切な説明がありましたけれども、そういう説明でも、生産費を差引いて農民の手に殘る純所得というものは、決して戰前の三十倍にも二十倍にもなつていないのであります。そこの計算をしないで、單に六十倍になつたからたいへん農民はよいのである。戰前の八割の生産をやつておるのであるから、五〇%しかできない工鑛業の生産に比べ優遇されているというお氣持が農業の實態を把握しておられない方々のそろばんであるということを私は考えるのでありますから、その點をお伺いしておる。その點ひとつ御説明願います。
#23
○大原政府委員 決してこのもので農村に特に有利だとは物價廰は考えております。(「今言うたじやないか」と呼ぶ者あり)どの點でございますか。
#24
○野溝委員長 私語を禁じます。
#25
○大原政府委員 原價計算主義で米價を算定いたしますと、これよりも少し低く出る計算が物價廰では出たのであります。むろんマル公のみを使用したときの原價計算であります。
    〔「そんな計算はそつちで勝手にしたんじやないか」と呼びその他發言する者あり〕
#26
○野溝委員長 まだ繼續質問を許していますから……。
#27
○大原政府委員 物價廰で立てております計算の方式は、現在のところ各物價の均衡を保つという計算で物價廰の原案はできているのであります。それに對しまして閣議が米價について最終決定をすることになりまして、總理の裁定になつたわけでありますので、物價廰といたしましては、既定の方針によりまして、できるだけ正確を期して計算をいたして千七百圓に算定いたしたわけであります。
#28
○的場委員 政府は現在の基本米價は生産者價格と消費者價格とを同一になさるつもりでありますか。價格差補給金による二重價格制をとるつもりでありますか。それについて一つ。それから現在の消費者價格は一體一石いくらになつているのでありますか。
#29
○長谷川政府委員 生産者價格と消費者價格の間に國家が負擔いたしまして、いわゆる二重價格制をとるかどうかという點でありますが、昨年は百圓の二重價格、百圓の國庫負擔を石當りやつて消費者價格をきめたのでありますが、本年は國家の財政の状況から見ましてそれが非常に困難なようでありますので、本年は二重價格制はとられないであろうというふうに考えております。現在の消費者價格は十キロ當り九十九圓であります。
#30
○野溝委員長 關連質問を松澤委員に許します。
#31
○松澤(一)委員 今日の委員會は、米價がもう取りきめられて、その取りきめられた内容を私たちは檢討している。決して米價が高い安いを言つているのでありません。内容が納得をいくように疑義を質しているのであります。それを今物價次長に言わせると、もつと正確な計算をすると米價は安くなる。私は昨日でしたか、一昨日でしたか安本長官に米價をきめる思想を聽きたいということを質問していたのであります。物價次長あたりは、若輩のくせに自分たちの考えが天下一品なりという考え方でこれを押しつける計算をするというところに疑義が出ているのであります。こういう思想を昨日も聽いている。はたせるかな今日はその答辯のうちにとうとう馬脚を現わしまして、そうして委員が納得のいく質問をしているにかかわらず、もう少し正確にすると、あるいは小作料その他を見ると米價は千五百圓になると數字まで上げて言つている。そういう不穏當の言葉を聽くわれわれの委員會でありません。その點に對して考えてる思想を、私は數字や米價の問題を聽くのではない、そういう考え方を私は聽いておきたいと思います。
#32
○大原政府委員 ただいま私の發言に對して御批判をうけましてはなはだ恐縮に存じます。物價廰のやりました原價計算によればバリテイ計算よりは低くなるということを申しましたのであります。あくまでこのバリテイ計算でこの結果が出るということを物價廰はあくまで正しい。あくまでこれが正當なバリテイ計算による物價廰の最終決定と考えていることには、少しも間違いはないのでありまして、これが高過ぎるということをもし私が申しましたといたしますれば、それは誤りであります。これはあくまでも正當なせ威嚇なものであるということだけを申し上げたいと存じます。
#33
○野溝委員長 關連質問として成瀬委員。
#34
○成瀬委員 さいぜんのお話の中におきましては工業資本家の立場を擁護いたしまして、工業品が三割しかできておらない、農産物の方は七、八割に及んでおる。そういつた場合に、同じ比率をもつ六十五倍というははなはだその答辯に窮しておるというようなことでありまして、そういつた考え方自體がいわゆる工業資本家の立場を非常に擁護しておる。かように私ども考える。私どもあなたにお伺いしたいのは、工業資本家がはたして百の生産品を百だけ供出しておるかどうか、私どもは現在物品によりまして賃金に對する穴埋をいたしておるところの事實をよく承知しております。政府が原料を交付して、工業資本家が勞働者の賃金として一部を穴埋する。また事故の利潤を追求するために莫大な利潤を戰時中から戰後におきましてもせしめておる事實は、何人も見逃がすことのできない事實であります。しかるに一方農業においては、肥料その他の悪條件を克服して生産されたものをほとんど供出せしめられておる。さような點において、また農民が純眞なるがゆえに、日本經濟の再建のためには食糧の確保が前提條件である。今日におきましても農民は朝の三時頃から肥車をひいてやつておる。このくらい一生懸命やつておる農民の努力を考えてみると、今日八時間勞働が實施されておるような點と、さらに勞働者が雇傭率におきまして、一四%を占めておりましても、その一〇四%なるものがはたして完全なる機能を發揮しておるかどうか、工場におきましては百なら百の人を雇つたとしても、自己の生活物資を獲得するために百に對し五十か七十かの出勤率しかないというような事實と考えて、農村におきましては一日十數時間も今日なお依然として働き續けておるという點に對して御認識がない。また私どもはこのパリテイ計算の基準年度があたかも生産物の安い九、十、十一にとられるということははなはだしく不合理でありまして、なぜその以前にさかのぼりましてそこに公平な率をもつてこられなかつたか。私どもはこの場合に、農民があまりにも政治力がないために、同じ農民でありましても繭絲業界における方面では二千六百掛を獲得しておる。この米價に關する限りにおきましては、きわめて不合理な率に今日決定されておるということは見逃せない事實でありまして、しかるにさいぜんのようなかえつて農民に對する反對の意見を吐くということは、近頃不謹慎なる御意見であると思います。以上の觀點から御答辯を求めます。
#35
○大原政府委員 工業方面を擁護するという意味は私どもはもつておりませんので、御了解をお願いしたいと思いますが、先ほど申しましたように、工業の方面からそういう意見が出てくるということについての物價廰の立場を申し上げた次第であります。それと基準年次を昭和九年から十一年までにとりましたのは、倍率の點から言えば、その當時の米價はほかの物價に比べて少し有利なことになつておることが農林省の統計に見られます。從つてこのときの米價が絶對的に價格いかんによらず、他との均衡から考えれば、比較的米價に有利な年であつたと考えております。從つてその基準年次をとることが、米價の計算の最終價格について決して特に不利益になつておることは、事實ないものと存じます。
#36
○野溝委員長 ちよつとおはかりします。物價廰の方は午後から消費者價格の問題で、關係官廰と打ち合わせなければならぬということですから、質問のある方は簡單にひとつお願いしたいと思います。
#37
○寺本委員 關連しまして簡單にやります。このバリテイ計算というものは、私たちはいろいろと説明を聽きましたが、なかなか納得しかねるのであります。しかしこれを百歩譲つて政府當局の御説明の通りとしても、これに現われてくる、いわゆる基礎になつておるものは、先ほどからお話もあるように、數量から言つて、たとえば地下たびのごときは四年に一足ということがほとんど價格の基礎になるだろうが、實際に農家に渡らない。ただ價格を釣上げても現物は配給にならない。米というものは生産しなければならない。そして割當られたらこれを供出しなければならない。供出しなければ強權發動をする。こういう大事なものであります。私たちここに議論するのは、ただ價格をきめてみんなの平均をとればいいというのではない。農家の生産意欲を増して、來年の食糧事情を緩和しなければならない。皆さんのようなお考えならば、何年經つても食糧不足の状態を現わしていかなければならぬ。あなた方の考え方での數字の基礎はつじつまが合うかもしれないが、そういう考えが――話は古いのですが、戰時中の軍需生産にはそれに似たようなことが、いわゆる官僚によつてやられ、生産がかえつて減退して、これが敗戰の一つの原因をなしておる。終戰後の今日、この日本再建、産業再建をしなければならぬときに、あなたたちのやつておられる數字というものがあなたたちの數字は正確なものかもしれませんが、しかしこれが現實にはいたずらに、數字の遊戯にすぎないとしか受けとれない。物資の現在の状況からみてみると、もう少しあなたたちの考えを進めて、どうすれば食糧の再生産ができるかということから考えていかなければならぬと思います。そういう観點からのあなた方のお考えを伺いたいと思います。
#38
○大原政府委員 物價廰の價格査定基準は、閣議決定に基きました方式を基礎とし、他との均衡を保つような計算をしたのでありますが、なお諸般の資材の配給、その他の問題について總合的に決定しなければならないという見地のもとに、閣議において決定することになりました。そして總理からこの價格の決定とともに、資材のマル公配給の強化、その他につき廣範な御判斷のもとに最後の結論がきまつたものと存じます。物價廰といたしましては、他の物價との均衡を保つ限りの、という以上の計算はいたしかねたのであります。
#39
○寺本委員 物價廰の自分の立場だけを守るという御答辯であるが、他の物資と均衡を保たなければ、勞働者の生活その他にも關係があるというお考えのようでございますが、あまり現状に即しない低い米價に決定されますと、實際現在行われておる配給というものは必要量を滿たさない。そういう場合には、勤勞者といえども配給量で滿足できなければ、たとえば一升二十圓出さなければ實際補いがつかないというやみ生活をしておる現状でございます。それでただ今米の價格を上げたら勤勞者が困る、消費者が困るということでなく、私どもの考えでは、必要量の配給が完全にいくようにいかなければならぬと思うのです。そういう考え方から、私は消費者はただ目先きの考えで、米價が上るから困るという考えでなく、現状に即した價格にきめて、配給量は確實に手に入るようにしなければならぬと思うのでございます。これがもし供出にも關係して、遅配缺配を續けて、一升二百圓の米を食わなければならぬ現状であつたとすれば、せつかく皆さんが勤勞者の立場と生産者の立場とおつしやいましたけれども、その考えであれば一切その考えが實際に現われないようなると思います。この點は政府當局においてもお考えおきを願いたいと思うのです。
#40
○岩本委員 物價廰が午後缺席のように聽きますので、この際特にお尋ねほ仰せられる通り、生産者の農民が納得するいき方で決定されておらぬという農民の不滿に對しましては、私どもも同感であります。ただこの際聽いておきたいことは、農民の立場はその通りでございますが、しかし祖國再建のために、その他重要産業というものが數多くある場合におきまして、消費者の價格が未だに決定しておらなければ、なおこの場合においてはさいわいでありますから申し上げますが、少くとも俵の代金、これは米代ではありません。また供出の奬勵金、これも米價ではないはずであります
。この俵の代五千圓、奬勵金五十圓、これは米價ではないのでありますから、この分を消費者價格算定の中へ入れるということは、消費者の堪えられないことであろうと私は考えます。從前二重價格制を取りまして、莫大の金額を國庫が負擔したということも、これは一面生産者の價格を保持したい點と、別にまた他の産業を振興させたいという意味が重つておつたことであります。從いましてこの場合、冒頭に申し上げましたように、米の價格が農民の納得のいかないものであるということは、完全に他のお方の御意見と同感でありますけれども、消費者の價格を決定する上において、先ほど申しましたような、米の價格でない費用を消費者の價格の中へ算定するということは不合理であります。この點につきまして物價廰及び農林省としてはどうお考えになつておるかを御説明を承りたいと存じます。
#41
○長谷川政府委員 消費者價格の決定にあたりまして、早場米の供出奬勵金でありますとか、あるいは今囘決定を見ました五十圓の奬勵金のごとき、あるいは俵代のごとき、これを消費者に轉嫁することなく、その金額を國庫で負擔してもらうということは、われわれといたしましても、できればそういうふうにいたしたいというふうに考えておつたのでありますけれども、何分にも現在の國家財政が非常に窮屈になつておるようでありまして、現在のところ、この兩者は大體において消費者の價格の中に織こむべきであるということになろうかと考えております。
#42
○井上政府委員 農林省といたしましては、一方生産者の生産價格をできるだけ生産費の償う立場において米價を決定する。一方また農林省は、消費者の生活保障の立場において主食の配給をいたしておりまする關係上、できるだけ消費者の生活が安定するということが必要でありまして、この面で、消費者が非常に負擔が重くなつて生活が困難になるというような點も、やはりわれわれとしては一應重大な問題でございますから、できるだけ、今御質問にありましたような米價でない負擔につきましては、國庫負擔をやはりわれわれは要求していかなければならぬと考えております。ただ國家財政全體の關係から考えまして、はたしてそれが消費者に負擔をさせて、消費者の生活を壓迫するかしないかというような問題が、消費者價格を決定する上において考慮さるべき問題でありまして、現に新小賣價格がこの夏改訂になりまして以來、消費者の負擔というものは非常に多くなつておりまして、すでに消費者の中には、五日なり十日なりの、持込み配給の米代さえ拂えないという人が相當たくさん出ておるのであります。この行き詰まれる實際の生活不安をどう打開するかという問題も、併せて内閣として考えてもらわなければなりませんから、これらの點は、小賣價格決定の上において十分考慮をして、おきめを願いたいと思つておるのであります。
#43
○岩本委員 御説明がありましたが、物價廰のお考えは、私どもの考えておるところと全然考え方を異にするのであります。農民は今の決定において不滿足であるのに、消費者側から農民が恨まれるということをよく聞くのであります。そういう場合におきましては、國の政治としてこれは解決しなければならぬ事件であります。食糧問題が一切の再建のかぎであるというときにおきましては、すべての費用を節減いたしましても、まず最重點にこの問題を解決すべきでありまして、農民も喜ばれつつ生産をするという建前でもあるわけでありますが、その場合において、價格が不滿であり、同時にその不滿であるにかかわらず、一方食うものからは恨まれる。こういう行き方は耐えられないところであります。
從いまして今農林當局からお話のありましたような趣旨に基づいて、その線に向つて消費者價格を決定するまでに至らない考えであるならば、この時間以後において、さように考え方を修正せられんことを要求いたします。
#44
○永井委員 次長の言われておるバリテイ計算の正確性というものは、それは計算の正確であつて、經濟政策としてそれが正確であるかどうかという根本の問題については、相當に議論があると思うのでありますが、本日は時間がありませんから、これは省略いたします。かりにこれを認めて、この價格でいくといたしまして、この均衡が少くも米價に關しては一箇年間固定されなければ意味がないと思うのであります。これらのあげられた諸品目、その他米價を基準にきめられておるところの物價を基準にきめられておるところの物價というものが、一年一囘の販賣である米價に對して、向後一箇年間諸物價の價格というものを固定して、現状のままで維持できるかどうか。もしいろいろ賃金の値上を行い、あるいは物價を動かすような場合があつたときには、米價に對してどういう修正を行うお考えであるか、その點を明確にしていただきたいと思います。
#45
○大原政府委員 ただいまの問題につきましては、昨日も御質問がありまして、和田國務大臣からお答えがありましたので、私からあらためて申し上げるまでもないかと思います。
#46
○平工委員 私もきわめて簡單に申し上げます。昭和十一年には、成瀬委員から申されたように、すべての農産物が安かつた。その實例を一つ申し上げてみますが、私はあのとき、昭和十一年の秋三箇月埼玉懸入間郡に滞在しましたが、高萩村駒寺野新田、今飛行場になつております開懇地では、神田市場に出したら、輸送費は全部百姓持ちで、消費者の方はもたなかつた。神田市場で入札した金は輸送費の半分にもならないで、野菜を全部積み込んでしまつたのであります。そういうふうま時代のことを基礎價格として算定されたことに對して……。甘藷の問題については、井野農林大臣時代に酒井氏が會長で、私どもは中部地方の代表者を率いて折衝して、大げんかをやつたことがある。この問題について政治的解決というならば、不平のないように説明するのがいい。きのうあたりの安本長官の態度は、實に毒々しいような、にくにくしい態度で答辯しておる。この問題についての答辯を全部農林省だけで引受けてしまうような結果になつたら大騒動だと思う。まだ甘藷の直接栽培者の聲を集めてありませんけれども、やがては大騒動になると思います。でありますから、各大臣とも昭和十一年ごろの農民がいかにみじめであつたかということをもう一遍思い出していただいて、今日政治的解決をあらためてお考を願いたいと思います。私ども、甘藷生産者の代表を引連れて御相談に上りますから、よろしく。
#47
○大島(義)委員 ちよつとお尋ねしたいことがあります。石千七百圓に決定された今日、米價の決定に對して、私どもはとかく議論をするよりも、むしろ供出を前にして、農民にこの値段をどうして納得させるかということが重大であると思うがゆえに、これをわれわれの同僚各議員が聽いておるのであります。われわれも納得し得ないような状態で供出をさせていくならば、供出は不可能である。こう考えておりますがゆえお尋ねするのでありますが、先ほど來のたびたびの同僚議員諸君の質問にお答えになつておるところを見ますと、どうも私には納得ができない。というのは、バリテイ計算のあの品目の中に、小賣價格、御賣價格、あるいは生産者價格というもので計算しておるのでありまして、こういう計算でいくことを農民に話したのではとうていわからない。あなた方が單にそろばんの上、鉛筆の先で物をまとめるのと違いまして、額に汗した農民は、ほんとうにみずから納得することなくしては、こういうことは了解できないのであつて、ああいう點はもう少し親切に、具體的に教えていただきたいと思います。一體本年の米價の問題にいたしましても、私は農民は千七百圓の問題よりは、官民心よりの農民に對する親切がもう少し欲しいのであります。もう少し納得のいくような簡明な御説明が欲しいのであります。しかも最近の物價の傾向からいいますと、ライオン齒磨が一ぺんに四圓なんぼになる、千二百圓であつたラジオが二千五百圓出さなければ買えなくなつたということで、物價廰のきめた公定價格よりも、かえつて實際取引の方が下値をまわつておるという事實をやはり農民は知つておる。従つてあなた方がこの米價を決定されるにあたつても、これは基礎的にいくらにしなければならぬという數字から、無理にこれをつけてきたという感が、今囘の委員會を通じての質問應答の中で、はつきりと考えられるのであります。このわれわれの考え方を根本から直し得るように、もう少し親切にお答えを願いたいと思うのであります。もちろん今日私は即時答辯を要求するものではありません。明日も委員會が開かれるそうでありますから、明日でも結構でありますから、農民の納得し得るような親切な御答辯を要求してやまないのであります。どうぞこの點を委員長からもひとつ御配慮願いたいと思います。
#48
○野上委員 私は米價の決定に至るまでの物價廰の態度については、各委員と考えを一にするものでありますが、先ほど消費者價格について物價廰の答辯を承つておりますると、お二人の間に食い違いがあるように思うのであります。それは次長は、消費者價格については大體においてきまつていないのだけれども五割くらい高くなる。現在の消費者價格の五割高だと思うのですが、そういうことになると二千二百二十七圓五十錢になります。ところが第二部長の方では、消費者價格と生産者價格との間には、大體差をつけないような方針でいくというようなぐあいに承つております。この點において食い違いがあるようでありますが、どちらが正しいかははつきり承つておきたい。
 それから、こうした米價の決定について、農林當局としてはもとより最大の努力をされたと思うのですが、こうした問題に關して、たとえば先ほど永井委員からも御質問され、昨日私も和田安本長官に對して質問しましたように、裏づけ物資が公定價でもつて、その生産年度においてぜひとも配給できるかどうかということについて、十分にだめを押されたかどうか、こうした點について農林當局の努力があつたとは思うのですが、なお物價廰の説明を聽くに及んで、非常にその努力についても遺憾な點がありはしなかつたか、こういうふうに思う次第であります。これは先般農林大臣からも、一應その經過について説明を聽いたのでありまするが、農林當局としての責任、そうした努力についても少し遺憾なものがあつたと存ずる次第であります。これらについてなお時間から、當局のお考えになつておることを率直に伺えれば、たいへん結構だと思います。以上のニ點についてお伺いいたします。
#49
○長谷川政府委員 消費者價格の大體の見通しでありますが、現在百キロが九十九圓でありまして、新しい價格は大體百五十圓前後ではないかと考えるのでありまして、従つて九十九圓に對して五割増し程度になり、これを石に計算しますと二千二百五十圓というようなことに大體なろうかと、こういうふうに思うのであります。
#50
○井上政府委員 米價の決定に伴いまして、農林省は努力が足りなかつたのではないかという御質問でありますが、米價の決定に對しましては、農林省は現業廰でありますから、この米價がいくらにきまるかということによつて、年間の主要食糧の確保をはからなければならない責任をもつておりますので、農民が納得し得る米價を農林省といたしましては閣議において、あるいはまた物價廰に對して、あらゆる角度から要求してまいつてきておるのであります。この努力の結果、また關係當局のいろいろの了解の結果、やつとこの線に落ついたということでありまして、またこれにおいては、とうてい全國の農業會なり、農民組合なり、各農業團體の意見を伺いましても、非常に開きがありますので、ただこの開きを名目米價というか、これだけによつてわれわれは納得なるものではない。問題は實質的な米價をわれわれはきめてもらいたい。その實質的米價というのは農家の再生産資材なり、農家生活の必需品を確保するということに閣議において眞劍に安本長官なり、あるいはまた商工大臣、大藏大臣等に交渉いたしました結果、大臣からも報告がありました通り、あるいはまた肥料に對する増配の問題、農機具に對する鐵資材の確保の問題、繊維製品の確保の問題、ゴム製品の増量の問題、これらの問題については、それぞれ當初の状況とは非常に變つてきておるのであります。たとえて申しますと、農家裁定必要の農機具をつくる場合に、年間大體三萬トンの鐵を要求しておるのに對して、二千トンしか渡らなかつたを、最近の交渉の結果、これが約一萬八千トンぐらい確保できる上昇線にたどりついたのであるし、さらにまた繊維製品にいたしましても、最初は三百八十萬反ほどのものが、紺織物その他において七百八十萬反という數字にこれがのぼり、地下たび、てぶくろ等においても、相當數量を確保いたしておる次第であります。單にこんな數字だけで喜ぶことではなしに、将来ほんとうに現物化して、速やかにこれを農村に送るということに、われわれの今後の責任がかかつておりますから、この數字をわれわれは正直に受取つて、これをいかにわれわれの責任において現物化するか、そうして農村に早く配給するかということに全努力を重ねて、農家の再生産に生活確保に努力したいという氣持であります。
#51
○野溝委員長 この際委員長から政府に警告しておきたいと思います。本日の委員會を見ても、政府當局はよく了承されたと思うのでありますが、この米價決定の問題につきましては、委員會全會が不滿でございます。しかし今日に至るまで、政府當局はそれぞれの角度において農民の再生産の意欲を高進するために努力はされたとは思いますが、特にこの米價の問題が供出と關連のあるという點においては、三千五十五萬石を決定するときに、農林省當局はすでにこのときにおいて、農民の生産意欲の必要の條件として、米價の問題あるいは必需物價の問題等に對して、そのときにおいて、それらの問題について下駄を預けておかなければなかつたと私は思うのであります。そのときに内閣總理大臣なり、あるいは安定本部長官なり、その他關係閣僚に向つて、一應は下駄を預けておいてもらいたかつたのでございます。
 次に安定本部の意見としてバリテイ計算を建前としておりますが、これに對してはもろん關係方面の意見もありましようけれども、しかしアメリカ側における經濟力の安定せるバリテイ計算と、日本のような經濟力の弱まつた不安定の事態におけるバリテイ計算の立て方とは、日本民族である以上はこれは十分と考えなければならぬ。かような點において安定本部のその筋に對する折衝が、非常に微力であつたと私は思います。かような點においてまことに遺憾であつたという點を政府當局は十分反省をしてもらいたいと思います。
    〔「その通り」と呼ぶ者あり〕
 では本日はこれで散會します。
   午後一時三十二分散會
ソース: 国立国会図書館
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