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1947/11/08 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第43号
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1947/11/08 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第43号

#1
第001回国会 農林委員会 第43号
昭和二十二年十一月八日(土曜日)
    午後二時四十六分開議
 出席委員
   委員長 野溝  勝君
   理事 大島 義晴君 理事 鈴木 強平君
   理事 萩原 壽雄君 理事 北  二郎君
   理事 森 幸太郎君
      黒田 寿男君    佐竹 新市君
      永井勝次郎君    成瀬喜五郎君
      野上 健次君    細野三千雄君
      松澤  一君    水野 實郎君
     小野瀬忠兵衞君    小林 運美君
      佐々木秀世君    關根 久蔵君
      圖司 安正君    中垣 國男君
      堀川 恭平君    小川原政信君
      重富  卓君    田口助太郎君
      中村元治郎君
 出席政府委員
        農林事務官   山添 利作君
        農林事務官   平田左武郎君
 委員外の出席者
        農 林 技 官 安田 誠三君
        專門調査員   岩隈  博君
    ―――――――――――――
十一月五日
 農地開發營團の行う農地開發事業を政府におい
 て引き繼いだ場合の措置に關する法律案(内閣
 提出、參議院送付)(第八五號)
十一月六日
 自作農創設特別措置法の一部を改正する法律案
 (内閣提出)(第八六號)の審査を本委員會に
 付託された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 農業災害補償法案(内閣提出)(第七五號)石
 油配給公團法等の一部を改正する法律案審査の
 ための連合審査會開會の件
    ―――――――――――――
#2
○野溝委員長 會議を開きます。
 審議にはいる前にお諮りいたします。去る十一月四日内閣提出となり、昨七日商業委員會に付託をされました石油配給公團法等の一部を改正する法律案の内容が、石油、配炭、産業復興、貿易及び肥料等の各配給公團法の一部を改正する法律案でありますし、それら
の關係上、商業、鑛工業、農林の三委員長においてとくと打合わせをいたしましたところ、商業、鑛工業、農林の三委員會が連合審査會を開いて審議することにきまりました。その日時等は適當に三委員會において打合わせることにいたしたいと思います。商業、鑛工業、農林の連合審査會を開會するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○野溝委員長 御異議なきものと認めまして、この連合審査會を開くことに決定いたしました。
 次は日程に従いまして、農業災害補償法案の質疑にはいることにいたします。順序に従いまして大島委員に發言を許します。
#4
○大島(義)委員 本保險法案の内容を少しく檢討いたしたのでありますが、第一にお尋ねを申し上げたいことは、本保險法案によりますると、第二類の保險がことごとく削除してある點であります。第二類と申しまするのは、農業用の家屋であるとか、あるいは農機具であるとかいうようなものが含まれておつたのでありますが、今囘の改正案においては、これがはいつておりません。この第二類保險を削除したのは、政府は一體いかなる見解に基いてこういうものを削除したかということを、まず伺いたいのであります。
 次は今囘の保險の掛金の比率の問題であります。改正前のいわゆる舊法に比較いたしまして保險金は二十倍である。ところが今度は掛金が四十倍になつておるのでありまして、倍率がこれでは合わないのであります。要するに農家の實際の負擔というものは、舊法に比較いたしまして二十倍の負擔をしておる。こういう實態にあるが、これはどういう見解でこういうふうな比率の相違を來しているのか。またこれについて農家の實際の負擔を輕減する意志があるかないか。こういうことをお伺いしたいのであります。
 第三點は、この保險は非常に金額が今囘はかさんでまいりますので、金融上の處置が特別に考慮されない限りにおいては、圓滿に遂行することは不可能だと考えるのでありますが、この金融上に關する處置はいかなる方法で、この圓滑を期するということを考えらるるか、これを伺いたいのであります。
 第四點といたしましては、この保險法によりますると、水稻には遡及するということをしばしば述べられておりますが、養蠶に遡及しないのは、われわれはいかにも納得し得ない點があるのであります。しかもさらに陸稻にこの保險が適用されないということが、なおさらわれわれは納得せざるものでありまして、保險の目的は、少くともその危險の状態にある場合に、あるいは危險が與えられたる場合に、これを共濟するということが保險の目的である以上、當然陸稻にもこの保險は適用さるべきである。さらに話をもとにもどしまして、晩秋蠶のごときは、ほとんど本年の水害で収穫皆無の状態の地帶が非常に多いのでありまして、これらに對して政府は一體どう考えられるか、この陸稻竝びに養蠶等に遡及する意志があるかないかという點を伺いたいと思うのであります。以上四點に對するお答えをお願いいたします。
#5
○山添政府委員 第二類の共濟事業をこの新しい農業共濟團體において取扱わないことといたしましたのにつきましては、率直に申し上げますれば、私はそういうものをも併せて、全體の共濟竝びに保險が體系的に發展するということの方がいいのじやないかという考えももつておるのでありまするが、當面の問題といたしまして、國家的な事業を行います團體の制度と、しからざる制度とを載然ここに區別するという思想もございますので、當面その思想を採用いたしたのであります。將來全體として農作物、繭、家畜それからただいまおあげになりました第二類等も、總合的に發展するように取上げていくということも、考え得るところの方法ではなかろうかと、かように考えておるのであります。
 第二番目の保險料負擔が増加を來しておるという問題であります。これは御承知のように農業保險の家畜についても同樣でございまするが、保險料を算定いたしまするにつきましては、過去一定年間の實績を基礎としていたすのでありまして、従來の法案にもそうでありまするが、毎年四年目ないし五年目に一般的に改訂をするという規定をもつておる。すなわち長期間とりまして、その間移動的に料率をきめていく。統計的に申せば、いわゆる移動平均ということがございますが、これは長期間にわたつてそういうような方式で過去の實績に合わせていく。そういう確實な基礎をとることによつて、長い目で見ましてこの保險のバランスがとれる。この農業保險のごときものはとかく危險が集中して起こるのでありまして、短期間ではとうていバランスを合わせることもできません。長い期間にわたつてバランスを合わせる。そのために過去の實績によるということになつておるのであります。今囘は最近の昭和二十年までの事實を基礎にいたしまして、新たに保險料を算出いたしました結果は、最近の保險料算出の基礎に取入れられた五年間でございましたかに、相當損害が集中發生をみておるというような事情から高くなつておるのすでありす。ところでいかに合理的に保險料率を算定いたしましても、同時に保險の効用といたしましては、農家の方の立場からみてこれが支拂いに耐え得る、耐え得るという意味はむしろ氣持の上の問題であると思いますが、氣持の上においてもなるほどその程度はもつともというような程度に止まることも必要といたすのでありました、その意味から申しますれば、今後においてこの米價等は上つてまいります。従つて保險料率は同じであつてもそこに農家の心理的な立場から見たところの負擔というものは、また大きくなるというような點も併せ考えられまするの
で、これをある部分以上を米價の決定ということについてプールする。すなわちこの法案におきましては消費者負擔ということを書いておりまするが、これは見方によりますれば、實は米の保險の率がそれぞれ地域的に違う。これを國の手によつてプールしておる。そうして率の低いものを米の生産費の中に入れる。言いかえれてみれば、消費者の方にこれを生産費の形の變つたものとして轉嫁をされる。こういう形になつておりまするので、本年はとにかくこの消費者負擔という原則を立てる。財政上そういう措置がとられるということをまず決定をみたのでありま
するが、先ほど申しまするような事情もございますので、さらにこれを將來いかに運用していくかということにつきましては、合理的にかつ保險が發達し得るような形において、考えていきたいと思つておるのであります。
 それから金融上の措置でございます。金額も殖えてまいりまするし、また農業保險はとかく集中的に損害をしておるというようなことも考えられまして、これは非常に大切なことであります。従來農林中央金庫におきましては、この農業保險の重要性に鑑みて、無利息で貸そうということをやつてもらつておつたのであります。今後金額が相當に上りますので、そういうことはできないのでありますが、それに對して共濟金を拂うために必要なる金の融通につきましては、本年の處置といたしましては農林中央金庫と話合いがついてございますし、將來の問題といたしましては、いずれできますところの協同組合の中央金融機關、これは協同組合と申しますと意味が狭うございますが、廣い意味における農林水産の協同組合的金融機關の設立運營にあたりましては、十分そういう點をも考慮いたしまして、支障のないようにいたいしていきたいと存じておるのであります。
 第四番目にお尋ねになりました、養蠶について。なぜ遡及をしないかということでございますが、これは先日もそういう趣旨のお尋ねが小林委員からもあり、その前にまた八木委員からあつたように伺つておるのであります。この保險の制度といたしましては、養蠶關係は従來桑の葉だけであつたのでありますが、今囘これを桑の葉の減収を含む不作というふうに範圍を擴張したのであります。従來の制度と今囘の保險制度はそこに根本的に相違を見ておるのであります。しかしてこの新しい制度による養蠶についての具體的なことは、むろん研究はいたしておるのでありますが、何ら正式に今まで實行したこともなければ、準備したこともない状況になつておりますので、繭につきましてはその主力である春蠶期は終り、夏秋蠶も大部分は過ぎてしまつている現在、これを遡及せしめることは、現實の問題として見てもとうてい實行はできないと考えております。そういう意味合から、當初から米については、とにかく反當四十五圓は低い。これを實際の價格に近づくような措置をとりたいということは、今年當初からの方針、またその方針をもちましていろいろ努力をしてまいつたのであります。繭につきましては今申しますようなことで、當初からそういう方針をもつておらず、また保險の態様も一變しておるので、そこに技術的にも遡及せしめることが不可能であるというところから、米と同様の扱いはいたしておらないのであります。なお陸稻についてもこの保險を適用しないことについてのご指摘であります。これはごもつともだと思います。今日食料増産をはからなければならないときにあたりまして、陸稻はとかく危險の多いものでありますが、危險が多いだけに、これを保險の範圍に取入れていくことは當然いたすべきことでございまして、基礎資料等も調査をいたしております
ので、これは最も早い機會に保險の對象をしていきたいと考えておる次第であります。
#6
○大島(義)委員 ただいまの答辯中納得し得ざるものもありますけれども、これは他の委員諸君からの質問もあると思いますので、重複しないようにいたしておきますが、今第四點の質問に對して、現實の問題として養蠶は遡及することができないというお答えがあつたのであります。私どもは現實の問題として、養蠶には多額の損害があるから取上げておるのであつて、損害がないなら、こういうことは申さないのであります。特に本年の水害の關係におきまして、養蠶地帶は非常な被害を受けておるのでありまして、これを救濟することなくして、保險の目的は達
成し得られぬのではないかと考えております關係上、お尋ねしておるのでありますが、もう一つ話を改めて、もし他に打つ手がないということなら、私は非常に古い考え方と言わなければならぬと思うのであります。たとえば本年の繭の値が二千六百掛に決定されたときに、あの値上りの差益金は少くとも十億萬圓、以上あるはずであります。従つて政府のとるべき取り前をこの際相當救出されるもし技術的に養蠶に遡及することができないというなら、その面で養蠶農家を救濟することなくしては、來年の養蠶に對しては非常な不安が襲つてくるのでありまして、これ
に對しましては、特に本日の開會以前に、蠶絲局長の出席を求めておりましたが、蠶絲局長の出席がありませんので、農政局長から一應のお答えを得、さらに蠶絲局長にはこの次の機會に御出席を願つて、お答えを願いたいと思います。
#7
○山添政府委員 これは蠶絲當局の方とも十分協議をいたしたいと思います。
#8
○野溝委員長 大島委員、蠶絲局長は今見えますから、蠶絲局長に対する質問はあとに願います。小林委員。
#9
○小林(運)委員 ただいま大島委員から繭の問題について御質問がありましたが、蠶絲局長はあとでお見えになるそうでありますから、専門的な問題は蠶絲局長にお伺いいたしたいと思います。なおこの農業災害補償法案を見ますと、通常の場合は大體生産者の方が保險金を拂つていくようになつておりますが、異状の場合竝びに超異状時の場合につきましては、そういつた保險金のもとになります金額は、消費者負擔、すなはち政府において相當の金額を出していくことになつておるようであります。米の場合におきましてはそういつた金はすでに御準備があるよう
でありますが、繭の場合におきましては、そういうものが現在ないように思われます。この保險金の消費者負擔になるべき金額は、どこからお出しになりますか、その點をまず第一にお伺いいたしたいと思います。
#10
○山添政府委員 法律の規定の上におきましては、水稻、あるいは麥に關すると同一の規定は設けてないのであります。これは本來から言えば、當然そういう規定を入れるべきでございますけれども、現在の蠶絲管理ないしは統制の形態が、この法案提出中にも變るのではないかという豫想がございましたので、その點は削除をいたしまして、別に新しい蠶絲に關する制度ができますならば、その法案等のときに、この
保險に關する規定をも整備していきたいという考えをもちまして、さしあたりの問題といたしましては、規定を設けなかつたのでございます。しかし豫算の上におきましては、特別會計に對する繰入れ等の措置をとつておるのでありまして、ただいまのところは従來の方式、すなわち全國を地域とする蠶絲業ということにいたしておるのでありまして、制度が變りますならば變つたように、大體従來の方式によつて、ただその主體が變るだけのことでやつていきたいと考えておる次第であります。
#11
○小林(運)委員 ただいまのお話によりますと、制度が變つた際にそういう措置を講ずるという御答辯でありますが、現在政府におきまして蠶絲の管理を新しい制度でおやりになる確信がございますかどうか、それをまずお聴き申し上げます。
#12
○野溝委員長 小林委員、その點は蠶絲局長がすぐまいられますから、それは後刻にしてもらいたいと思います。
#13
○小林(運)委員 ではそれは蠶絲局長が見えましてから質問いたします。もう一つ農政局長にお伺いしたいのでありますが、先ほど大島委員の質問に對するお答との中に、これも蠶絲局長に答辯していただくようなお話でありましたが、これは農政局としてもひとつお考えを願わなければならぬと思うのでありますが、そういつた方法がもし――繭についての保險を今年からはいろいろ準備していないというお話でありましたが、水稻も繭もやはり國の重要な農産物でありまして、水稻だけは前から用意してあつたが、繭の方は用意してなかつたと言われるが、繭も水稻もわれわれから考えれば、同じ重要なものと考えておりますが、初めからそういうものを用意してないということは、何かそこに理由がありますかどうか、それをお伺いしたいと思います。
#14
○山添政府委員 この法案におきましては、保險の態様を變えたわけであります。これは申すまでもありません。水稻における遡及の問題は、實はざつくばらんに申しますれば、政令でもつて共濟金額をかえるということもできたのです。ただこれは豫算の關係上そのことが確定をしなかつた。そこでこれは今までのそのままの態様における農業共濟、農業保險、その形において、ただ金額を變える、これだけの意味でありまして、遡及すると言いましても、その實質におきましては年度當初から保險金額を引上げておつた、これと同じ措置なんで、そこのところは
事情が違うことは小林委員もよく御了解いくことだろうと思うのであります。
#15
○野溝委員長 蠶絲局長が見てましたので、大島委員。
#16
○大島(義)委員 先ほどお尋ね申し上げたので、幾分重複する點があると思いますが、その點はお許し願いたい。この保險の實施にあたつて蠶絲が取除かれていることははなはだ私どもは遺憾に存ずるのでありますが、そこでやむを得ない場合には、本年の二千六百掛の繭の値上りの場合における差益金は、少くとも十億圓以上あるはずであります。従つてこの金を政府の取り前を考慮されて、この保險と同一の取扱いをその差益金によつてすることができないかということを、まずお尋ね申上げたい。
#17
○平田(左)政府委員 ただいま御質問の本年の春蠶期におきまする繭價の引上げによつて生じました差益金の處分方法の問題についてお尋ねがございましたか、この春の繭價引上げによりまする差益金につきましては、原則として當時政府から發表されましたように、差益金は國庫に徴収する。こういうことになつておりまするので、昨年夏秋蠶繭價九百掛より本年の二千六百掛に上りました差額につきましては、一般の政府納入金として納めることになつております。従つてわれわれの行政的措置でただいまの金額をどうするということは、現在のところはさらに研究を要する必要がありますが、なおこの繭價の差益金につきましては、それ以前のものもあるというような關係もございまして、その以前のもの、すなわち九百掛以前のものにつきましては、これを全額を政府に納入するという制度も確率しておりませんので、この問題については金額はどうなりますかわかりませんけれども、大島委員よりの御質問の御趣旨に沿つた努力を續け得ることと考えております。なおしかしながら一般の政府納入金は、政府の特別會計でなしに、一般會計にはいつてしまうわけでございますけれども、その使途といたしまして、大藏當局とこういう財源もあるのだから養蠶の救濟のために特別の支出はどうかということは、直接の牽連はございませんけれども、財務當局の折衡の問題として残つていることでございますので、御説のような趣旨を織りこみまして、今後の養蠶救濟のためにひとつ努力いたしたいと考えております。
#18
○大島(義)委員 これはちよつと本案と關係が離れるということでありますけれども、蠶絲局長が列席の場合でありますので、私お尋ねしたいと思いますので、どうかお許しを願いたい。過日農業協同組合法の通過の際に、農業協同組合内部の修正意見が種々あつたが、今後の日本の農家は多角的な經營、集約的な經營をやつていかなければ農村經營は成立たぬという見解のもとに、第九條の修正もなくて濟んだようなわけであります。従つて農業協同組合は、農産、畜産その他のものを一括してつくらるべきである、但し特殊の地帶のみはやむを得なかろうという意見もあつたのでありますが、まず原則としてこれらの協同組合は種類別に分割さるべきでないということは、當時の當局の説明竝びにわれわれの質問によつて明らかにされておるのであります。しかるに私昨日前橋にまいりましたところ、群馬縣農業会に非常なセンセーシヨンが起つておるのであります。これは養蠶だけを農業協同組合から切離して、養蠶農業協同組合をつくろうという計畫が、一部の古い農業會の幹部によつて計畫されておる。しかも去る二十六日には、蠶絲局長もその會合に出席され、縣の蠶絲課長も出席して、こういう設立の準備をしておる。しかも縣農業會にこれを正面から持込むことができないために、蠶絲局長の手において、縣農業會の各郡支部の養蠶關係の者を集めて、昨日も會議をしておつたようなわけでありますが、こういうふうに特殊の地帶では決してないのであります。群馬縣においてこういう養蠶協同組合というものを別につくるという運動を展開されるということは、いかにもわれわれは了解しがたいのでありますが、この點に關しまして農政局長と蠶絲局長のお二人の方から、これらに關する見解をこの機會に御説明願いたいと思う。
#19
○山添政府委員 これは今さら申上げるまでもなく、協同組合の方式といたしましては、もつぱら實際上の要求に即して、農民自身がその意見に基いて決定をする。従つて法的には單純なる組織法でありまして、これが最良のタイプであるというふうなことは規定をしておらないわけであります。しかしながら實際の農村の實情に合い、また歴史等にも考え、農民團結の力を強く發揮せしめる上におきましては、原則的に總合された單一の組合がいいのじやないか、しこうして必要に應じて蠶絲なり、畜産なりにわかれるけれども、それは村ではそういう組合がおそらく
できないのが通常の形態であろう。かように考えておるのであります。そういうわけでいろいろな必要な事情等を考え併せて、農民自身の慣習等、多數の輿論の赴くところ、かようなことによつて組合が構成されるというのであります。従つて群馬縣の場合いかにするのが一番合理的であり、また望ましいかということを、私どもとして、これであるというような意見は、あまりはつきりした形においては述べられないという建前になつておるわけであります。そういう意味でありますから、大體組合というものはよほど明確なる必要があり、またその農民の意思もそこにあるということでなければ、これは總合された單一の組織でありたいということは考えておるのでありますが、具體的に申して群馬縣は非常な蠶絲縣であり、それがある段階において、特別に蠶絲の利益を代表するがごとき、また蠶絲の發達に盡すがごとき團體が、今日分裂することの可否ということについては、これは農林關係の方で十分討議をされて決定されることであろう。それについての私の意見というものを、ここに申し上げるというわけにはまいらないのであります。
#20
○平田(左)政府委員 農業協同組合法の運用に關しましては、ただいま農政局長の御説明の通りに了承いたしておるのでございまして、この法律そのものが民主的基礎の上に立ち、農民の自由なる意思決定に基いて團體を結成していこう。こういう建前でございますので、われわれも直接指導がましいことを申し上げることはいかがかと存じまして、今日までは世論の推移をうかがつてまいりましたことは、いつぞやのこの會議に申し上げた通りでございます。そこで蠶絲業の内部におきましても、養蠶の方をだんだん確立すべしというような議論も各方面から出てまいりますし、また總合でいこうというような意見もありまするので、中央におきましても關係の團體諸君の間におきまして、よりより先般以來研究が行われつつあつたわけであります。そうした研究の一つが先般群馬縣におきましても開催せられまして、その際私にも特に出席するようにという御依頼がございましたので、日曜のことでもございましたから、特別に出向いたわけでございましたが、その際にわれわれといたしましても、本委員會におきましてわれわれが承つた内容なり、あるいは中央の團體間における研究の模様、ないしは各地の團體の動向等について御紹介いたし、そうして群馬縣養蠶農民諸君の賢明なる御判断あらんことをお話申し上げたのでございます。その際におきましても、ただいま農政局長よりお話のあつたように、一體地方地方によつて形態は異るべきであるというような觀點からいたしまして、中央の研究會等におきましても、各地方にそれぞれ適合するようないろいろのタイプの考え方を、参考のために提出されたようなこともございました。そうしてそれらの各種のタイプにつきまして、群馬縣養蠶家の代表者諸君の間におきまして、自由なる討議が行われ、そうしてただいま大島委員よりお話のございましたような、一般の總合すべしという主張、すなわち特に町村における農業團體を總合すべしというような主張に對しましては、十分に尊重し考慮された上の議論が行われたことを、私その席に列席いたしまして親しく拝聽いたしてまいつたのでございます。そうしたラインに沿いまして、町村の農業團體を總合すべしというような意見と相牴觸しないように、養蠶は養蠶の發達を希うような、群馬縣獨特の考えを研究していこうというようなことに會議も進行しておりましたので、われわれとしましてもその實情を拝見いたし、そしてまた蠶絲業の將來のために眞に役立つような團體の結成を希つて歸つてまいつたようなことでございまして、お説の點とは特に背馳することがないように承知いたしております。
#21
○野溝委員長 あとまだ相當ありますから、簡單に願います。
#22
○大島(義)委員 そう簡單にいかないかもしれない。私はこういうふうなことがあろうとかねて考えておりましたので、農業生産調整法の案の中にも、これに重大な關係をもつ一つの案でありますので、今これを朗讀いたしますが、農業生産調整法の第九條に「地域、期間竝びに農産物の種類及び品種を指定したときは、當該地域において當該期間内に當該農産物の作付をしようとする者は」云々。とあるのであります。これは一體どこからこういうことが出てきたかということを、私はひそかに考えてみたのでありますが、少くとも現在の蠶絲が十四中のA格物はアメリカでポンド十三ドル五十セントに賣れる。廿一中の絲になるとポンド五ドルにしかならぬという、同じ生絲でありながら、非常な値段の開きのあるということは、今さら申し上げるまでもないのであります。そこでこういうようなことがある以上は、養蠶農家から二千六百掛という掛目で取上げておいて、必ず蠶種をいいものを將勵されるに違いない。もちろん國家經濟の上から見ますれば、上等の品種を飼育して優良な生絲を得るということは、國家のためにはなはだ結構なことでありますが、その反面に、掛目で制限された養蠶農家には、収繭量の少い、飼育の困難なこの種を必ず強要されるに違いないということをひそかに考えておつたのでありますが、この農業協同組合の成立當時にも山梨縣の一部において製絲資本家が多額な運動費を出して、養蠶協同組合というものを農業協同組合から分離しようという運動を起しておるということは、同僚の松澤一君が指摘した通りであります。これらを思い合わせて考えまするときに、少くともこういうふうな關連事項が一つの計畫的になされておるということを、われわれは判斷せざるを得なくなるのであります。たいへんこれは失禮な申分でありますけれども、もしわれわれのこの推測が當つておるといたしまするならば、農民の搾取されるその被害というものは莫大なものに達するのでありまして、せつかくできまする民主的な農業協同組合も、政府の役人が出張し、縣がこれに雷同し、そうしてこれを指導するということであるならば、當然そういうように分離さるべき危險が非常に多いのでありますから、蠶絲局長は特にこの際言動を愼まれて、そういうようにわれわれから見ることははなはだお氣の毒でありますけれども、そういう考えをわれわれに起させぬように御努力を願いたいと思うのでありますし、さらに農政局長としては、特殊地域と申しまするのは、われわれが協同組合の際に申しておりました通り、北海道における畜産であるとか、あるいは東北地方における畜産とか林産とかいうことが、特殊な地域になるのでありまして、私の方の群馬縣にまいりましても、養蠶事業でやつておる農家は一つもない。食糧と養蠶の耕作の率は相半ばしておる状態でありまして、決して養蠶のみを専業しておるものはないのでありますから、かような間違いの起らぬように、農業協同組合成立の前においてかようの誤解を受けるということは、農業協同組合にとりまして不幸この上もないことと考えますので、十分の御注意あつて、これらに對する誤解のないような指導をお願いしたいと思うのであります。
#23
○小林(運)委員 委員長はこの農業保險法にだいぶ關連のない大島委員のお話をお許しになりましたから、私もこの點についてちよつと觸れてみたいと思うのですが…。
#24
○野溝委員長 ちよつと小林委員に申し上げます。關連がないということはありません。委員長は關連あるものと認めまして發言を許しました。
#25
○小林(運)委員 私をそういう意味において關連があると委員長が認めるなら、この問題について私たちの考えを申し上げてみたいと思います。
#26
○野溝委員長 許します。
#27
○小林(運)委員 農業協同組合法案の附帶決議といたしまして、附帶決議の第五に、政府は養蠶、畜蠶等農業の各業種の健全なる發達をはかるため、本法の施行にあたり特に育成の措置を講ずることという附帶決議があるのであります。この附帶決議は、先ほど農政局長、蠶絲局長がお話になりました意味において、政府はこの附帶決議を體しまして、現在ものを考えておる。こういうふうに私は感ずるのでありまして、大島委員の御質問、御意見の趣旨とはいささかわれわれは見解を異にするものであります。特に大島委員の言われる群馬縣のごときは、われわれの考えでは特殊地帶であると、われわれは考えております。特に蠶絲業におきまして、そういつた非常にたくさん養蠶をやる長野縣であるとか埼玉、群馬、山梨とかいつたような縣は特殊地帶であります。そういうふうに考えまして、そういつた所は、やはり養蠶は養蠶でしつかり固つて蠶絲業の發展を期する。こういうふうな意味におきまして、この附帶決議を私たちは決議いたしたように考えているのであります。そういう點は大島委員の意見とだいぶん見解を異にするのであります。私はそういう意味におきまして、政府が今後御指導あらんことをお願いいたしたいと思うのであります。これくらいにいたしまして本論にはいります。
 先ほど申し上げましたが、蠶絲局長がお見えにならないので留保しておきましたが、この農業災害補償法案におきまして、蠶絲業の繭の保險をやる場合に、保險金は普通の場合には生産者負擔でありまして、その他の超異常時の場合には、政府すなわち消費者がこれを負擔していくというような豫定でおられるようでありますが、この保險金を出します組織が、繭の方におきましては現在ないわけでありまして、今後この保險金を取扱う金は、蠶絲の特別會計においてやつていくような構想があるという農政局長のお話でございましたが、現在はそういう機關がないのであります。これらにつきまして、當局は將來どんなふうにお考えになつておりますか。まず第一點に伺いたいと思います。
#28
○平田(左)政府委員 日本蠶絲業會はかねて豫告せられましたように、本月の一日をもちまして閉鎖機關に指定せられたのであります。蠶絲業會の營んでおりました事業の重要性に鑑みまして、われわれといたしましても、猶豫せられました豫告期間中に、そのあとに事業を受け繼ぐべき機關なり、組織なりを確立をいたしまして、同時にできれば發表いたしたいということを念願してまいつたのでございました、何分にも蠶絲業は複雑多岐の機構をもつておりまするし、殊にアメリカとの輸出關係等の事情は、時期的にもだんだんと變つてくるというような關係もありまして、本月初旬までには決定をみなかつてのであります。その引繼機關の構想として、先ほど農政局長からお話があつたとか承つております特別會計等も、一つの有力な案として検討されつつありますし、またそのいき方等につきましても、具體的に申しますと、こまかな點にわかれてまいりますので、現在のところとしては、こういう案をもつてあとの機構とするということを、この席で明言できない時期にあるのであります。従つて、さてどうするのかという御質問に對しては、お答えも困難なわけでありますが、さいわい閉鎖措置におきましても、蠶絲業會は非常に大切な機關であるからという關係を考慮せられまして、あとの組織、機構の確立するもでは、日本蠶絲業會が現在行つております主要業務は、いわゆる指定業務として、そのまま繼續を認めるという措置がとられていることでございますので、その機關におきまして、なるべく急いで適當な機構を考えてまいりたい、かように考えている次第であります。
#29
○小林(運)委員 ただいまの蠶絲局長の御答辯によりますと、現在の蠶絲業會は指定機關になつているが、適當な機構についてはいろいろの關係もあつて、今は明言できないけれども、適當の機關にこれらの後繼ぎのものができるというようなお話でございました。私はこの災害補償法案のごとき重要な法案が出まして、すぐこれが引繼ぎのできないというような蠶絲業の現状を憂えるものでございます。従いまして、最近アメリカにおきましては、生絲は賣れないけれども、半面に製品であります羽二重、すなわち羽二重をもつてつくりました絹のマフラーが非常に流行いたしまして、羽二重の注文が日本に殺到しているというようなお話も聽いているのであります。こういつた生絲の消費の状況が變つてまいります際に、日本の國内の態勢といたしまして、これらの蠶絲業の行政がいつまでも混沌といたしまして、なかなか進んでいかないというのは、非常に遺憾なことだと考えております。こういう點からいたしましても、ただいま蠶絲局長のお話のありました次の機關が早くできまするように、政府におきましては、特段の努力をいたしていただきたいと考えるものであります。従いまして、今お話のありますこの農業災害補償法のもととなります保険金の出所等も、この法律ができましても、まだそのあとのものができないというようなことでは、何にもならないというようなことになりますので、これは急速にお進めを願いたいと思うのであります。そこで私は、もし萬一の場合を考えまして、この蠶絲業の機關ができない場合に、この災害補償法が通過いたしました場合には、蠶絲業のこれらの金をどういうふうにしておつくりになりますか。これを伺いたいと思います。
#30
○山添政府委員 その問題は結局來年度豫算を編成いたしますときに確定すればよいわけでありまして、お話のようなことにはならぬであろうという個人的な考えを私もつております。蠶絲局長も同様の見透しをもつておられるようでありますが、それともまた違つたというようなことでありますれば、それはあらためてその際適當な財源を探して善處いたします。
#31
○小林(運)委員 次に先ほどお尋ねいたしました遡及の問題であります。先ほど大島委員の質問に對しまして蠶絲局長から御答辯がありまして、水稻につきましては遡及するけれども、養蠶については來年度からやつていきたいというようなお話でありましたが、先般も水害對策委員會におきまして、蠶絲業が今囘の風水害によつて受けました損害は二十億になんなんといたしておるのでありまして、これは蠶絲業界にとりまして空前の災害でございますので、この災害補償法が前もつてできておりますれば、これらの適用を受けることになります。しかも今年はなくて來年からというようなことでは、農民は非常にがつかりするのではないかと思いますが、これらにつきまして御當局におきましては、何かこれに代るべき方法をお考えになつておりますか、伺いたいと思います。
#32
○平田(左)政府委員 本年の東北竝びに関東地方の水害はまことに甚大でありまして、蠶絲業のためにも大きな痛手を負つたわけであります。従つてこれは救濟に關しては、われわれとしてもただちに救濟の豫算を編成いたしまして、目下大藏當局と折衡中なのでございます。それはそれとして、保險の關係において一方水稻に遡及いたし、一方桑園の方、養蠶の方に片手落はないかというような御意見は、まことにごもつともと存じますが、これについては先ほど大島委員に對してお答え申しましたような方法もあることでございますので、それの實現に對して努力をいたしてまいりたいと考えております。
#33
○圖司委員 簡單にお伺いたしたいのですが、第八十四條の水稻及び麥、その他政令で指定する食糧農作物、その共濟事故として風水害、干害、冷害その他氣象上の原因による災害及び病害とありますが、その氣象上の原因の中に雪害というものが含まれておるかどうか、お伺したい。
#34
○山添政府委員 含んでおります。
#35
○圖司委員 御承知のように東北地方では苗代半作という言葉がございます、と言いますのは、雪の消え方が遅いとどうしても融雪水が冷い、その冷い水が苗代にかかりますと、苗代の水が冷くて、そのために苗の育成を阻害するということから、早まき、早植を將勵せられております東北地方として、苗代期間における冷水、そのもとをたぐれば雪害ということがきわめて大きいのではないかと思われます。さらにまた御承知でもありましようが、東北地方には徳川時代からおくての栽培を禁止されておることが非常に多かつたたのでありますが、現在においても、おくては収穫が多いということがわかつておつても、これを栽培するのに危險を感じて、縣としてあるいは國としても容易に將勵し得ない状況でございます。このような點から考えまして、それが雪害によるところきわめて大きなものがあると思われますし、また農林省の積雪地方農村經濟調査所が山形縣の新庄町に設置せられて以來、今日まで十數年を經過しておりまして、その間における眞摯なる調査研究というものは、水稻に對して雪害が大きな原因をなしておるということを實證いたしておるのであります。殊に麥にすれば冬季間における菌核病という雪腐病によつて、いかに東北地方で二毛作を將勵しても農民がよういについてこないということには、そこに気象上の原因、すなわち雪害が大きく働いておるということを見逃すわけにはいかぬ、こう思います。しかるにもかかわらず、風水害、干害、冷害というものをはつきりここに明示しておきながら、雪害というものをただ單に氣象上の原因の中にはいつておるという御解釋を下されて、これを特に雪害とうたわない理由について、當局の考え方を承りたいのであります。
#36
○山添政府委員 なるほど雪の害は相當激しいものでございます。桑なんかについても、雪のために起るところの病氣の害、かようなものもあります。しかしこれはあげますときに網羅主義はとつておらないのです。網羅主義をとりますと、かえつてそれから抜けたものがどうかということになりますので、その他氣象上の原因と大きく引括めるところに一切の原因を含めておる、こういうわけであります。
#37
○圖司委員 ただいま農政局長は網羅主義をとらぬ、すなわち列擧主義をとられぬ。こういうことでございますが、列擧主義の中にはそこに大きなものを掲示して、比較的輕微なものは氣象上の原因の中に全部引括めてしまう、こういうお考えのように承るのでありますが、そうといたしますならば農林省みずからが積雪地方農材經濟調査所を設け、あるいは昭和九年の大凶作以後、各地に冷害試験地というものを設けられておる。その御趣旨と相反しないかどうか、その點をお伺いたしたい。
#38
○山添政府委員 雪害の防除對策、これはひとり農作物のためのみならず、農家の經濟上の關係その他の廣い觀點において考えておりますが、それにいたしましても直接の農作物等に及ぼす雪害の防除の大切なることにつきましては、農林省の認識とただいまのお話と何ら異なるところはないのでありまして、今まで冷害が抜けておりましたのを、特に東北のために冷害を入れるというのが、保險の改正の一大眼日であります。もとより冷害と雪害とはみずから違いますけれども、御説のごとく遠い原因にはいつていくと、また一部はそこで共通するような點もあるのでございます。これは氣持の上もしくは農林省における雪害に對する認識の輕重ということとは關係がないのであります。
#39
○圖司委員 列擧せられました共濟事故と、それから氣象上の原因の中に含まれておる、しかも現われておらぬ雪害というようなものに對し、何らそこに輕重の差を認めておらないということに對しましては、私も感謝を表したいと思うのであります。もし輕重の差を認められないということでありますならば、是非これに雪害というものを列擧していただきたい。そういたしますればそこに雪害に對してこれまで東北地方の、あるいは北海道北陸地方を含めまして、積雪地方の人々がいかにその救濟を叫んできたことが實を結んだかということが、はつきりいたしてくるのでありますから、ぜひ入れていただきたい。ここに私は今水稻と麥の例をとりましたが、次の蠶繭にしても、先ほど局長さんが仰せられましたように、桑に對する雪害あるいはさらに積雪期間における鼠の害、これは間接害ではないと私どもは思いますが、直接の被害をなすと思いますけれども、そうした害あるいは家畜保險においての――これは間接かどうかはつきりわかりませんけれども、骨軟症の問題、積雪のために家屋がすつかり閉されてしまいまして、日光を受けない、そうして運動不足になり偏食になる。そのために惹起する骨軟症、そうした事柄は悉く間接ではありましようが、雪害によるものである、雪害の及ぼす影響というものはきわめて大きいのでありますし、またこれを金額に見積りましたならば、局長さんの方では積雪地方農村經濟調査所からその資料をおとりになつて、十二分に御承知のことと思いますが、きわめて多額に上りますので、ぜひ雪害をこの共濟事故の中に入れていただきたいと私は思いますが、これに對してはつきり今例示することに對して當局の御所見を承りたい。
#40
○山添政府委員 問題の大切なことについては何ら私も異つた意見をもつているものではございませんけれども、法案といたしましては、かように規定をいたしましても、その間別段の誤解はなかろうと存じております。
#41
○圖司委員 私をして率直に言わしていただきますならば、むしろ特殊の氣象條件にあります東北地方、積雪地方に関しましては、この災害補償法というものは、別個の單行法をもつて制定していただきたいとすら思うのであります。従つてこの共濟事故の中に雪害を入れるというようなことは、むしろ小さな問題のようにも實は思うのでありますが、しかしその單行法は今ただちに政府に要望いたしましても、とうてい立案せられないでございましようし、また議會から提案するという方法もあるのでありますが、ただいまただちにこれを提案するだけの容易もいたしておらないのでありまするから、せめてそうした單行法が出るまでの間に、この雪害というものを入れていただきたいと、私は重ねて強く要望いたしたいと存じます。なおこれに付け加えまして、東北地方のいわゆる農業上に占める地位というものは、きわめて、大きいのでございます。いまさらこれは私から申し上げるまでもないことでございまするが、この東北地方の農業上における地位の重大性に鑑みまして、積雪地方農村經濟調査所とか、あるいは奥羽試験地だとか、あるいは各地方の冷害試験地、そうした政府の機關に對しまして、もつと總合的に、これを計畫的に配置せられますと同時に、内容を整備擴充せられまして、十二分に所期の目的を達成せしめられよう格段の御配慮を願いたいと思うのでありますが、それに對しましての當局の明年度の豫算に盛られました内容を承りたいと思うのでございます。
#42
○山添政府委員 明年度豫算はまだ研究中でありまして、しかく具體的になつておらない點もございます。東北地方を重視いたしますことにつきましては、これは穀倉地帶であるとか、またそういう大きな役割を果しながら、實際問題として、農家經濟等が他の地方に比較いたしますれば、きわめてお氣の毒な状況にあるということはよ承知をいたしておるのであります。しかしながら明年度の施設といたしまして、特に東北地方のみのためにどういう施設をするという事柄はございませんが、積雪地方經濟調査所のごときは、この機構につきまして若干の考慮を加えて、その機能を發揮するようにいたしたいと考えておりまするし、またあそこの三本木等にできます東北の農事試験場の支場、これはいわば日本では新らしい意味の經營に關する試験場というような意味をもつてやつておるのでありまして、これらも早く完成して、研究がなし得るようにいたしたいというようなつもりをもつております。いずれにしても現在の財政状況といたしまして、新規の施設を起すということは、これはとうてい許されないので、既存のものについてその能力を發揮するようなことを考える。また建設中のものについて早く完成をさせる。かようなことには十分努力をいたしておるのであります。
#43
○圖司委員 農政局長さんの東北に對する農業經營上、あるいは農家經濟上における諸施設について、それを整備擴充せられるという御熱意に對しまして、私どもは哀心から感謝をいたす次第であります。つきましては蛇足を重ねるようでございまするけれども、東北地方の農業經營というものが、いわゆる農家の經濟と密接不可分の關係を有しておる。むしろ大きく産業經濟の發展的な基盤をそこに培養いたす意味におきましても、この農業經營に對して大きな關係をもちまする災害補償という問題は、その深度におきまして、その幅におきまして、十二分に當局として、他の地方と趣きを異にしてお考え願わなければならぬ點が多々あろうと思うのであります。さような意味合のもとに、ぜひ私は雪害ということをこの共濟事故の中に加えてもらうことを主張いたしますると同時に、積雪地方の農業經營、あるいは稲作經營というものに對して、特段の御配慮と施設の充實をはかられんことを強く要望いたしまして、私の質問を終ります。
#44
○野溝委員長 本日はこれにて散會いたします。
  午後三時五十六分散會
ソース: 国立国会図書館
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