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1951/04/22 第13回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第013回国会 経済安定委員会建設委員会連合審査会 第1号
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1951/04/22 第13回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第013回国会 経済安定委員会建設委員会連合審査会 第1号

#1
第013回国会 経済安定委員会建設委員会連合審査会 第1号
昭和二十七年四月二十二日(火曜日)
    午前十一時二十分開議
 出席委員
  経済安定委員会
   理事 多田  勇君
      小野瀬忠兵衞君    福井 勇君
      福田  喜東君
  建設委員会
   委員長 松本 一郎君
   理事 村瀬 宣親君 理事 前田榮之助君
      淺利 三朗君    宇田  恒君
      小平 久雄君    西村 英一君
      増田 連也君    池田 峯雄君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 周東 英雄君
 出席政府委員
        建設事務官
        (管理局長)  澁江 操一君
        経済安定政務次
        官       福田 篤泰君
        経済安定事務官
        (建設交通局次
        長)     今井田研二郎君
 委員外の出席者
        経済安定委員会
        専門員     円地與四松君
        経済安定委員会
        専門員     菅田清治郎君
        建設委員会専門
        員       西畑 正倫君
        建設委員会専門
        員       田中 義一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 国土総合開発法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第一五六号)
    ―――――――――――――
#2
○松本委員長 ただいまより経済安定委員会、建設委員会連合審査会を開会いたします。都合によりまして私が委員長としての職務を行います。
 国土総合開発法の一部を改正する法律案を議題といたします。まず政府の提案理由の説明を求めます。福田政務次官。
#3
○福田(篤)政府委員 ただいま議題となりました国土総合開発法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
 講和條約の締結に伴い、わが国の経済自立を達成するためには、電源開発、食糧増産、未利用林の開発及び災害防除対策の確立等の国土総合開発事業の推進が、焦眉の急務となつていることは御承知の通りであります。
 これがため一昨年の五月二十六日に国土総合開発法が公布され、中央、地方を打つて一丸とした総合開発計画の立案と、その審議の体制を整備する上に大きな役割を果して来たのでありますが、同法は計画組織法でありまして、実施上の措置については、特定地域の開発について国の経費負担及び補助の特例に関する規定があるのみであります。
 特定地域につきましては、昨年の十二月四日に地域指定が行われ、しかも一方これら特定地域内の重要河川の総合開発計画は、今や国をあげての要望となつている際、国土総合開発計画を実施に移すための諸般の措置を講ずるとともに、当該計画を調査審議する国土総合開発審議会の組織及び所掌事務を拡充強化して、国土総合開発計画を促進し、もつて社会福祉の向上に貢献したいと存ずる次第であります。これが本改正法律案を提出した理由であります。
 以下本改正法律案の内容について、その大要を御説明申し上げます。第一に、国土総合開発計画を国の行政に移す手続が、現行法には何ら規定されていないので、本改正法律案におきましては、特に国家的要請の強い特定地域総合開発計画を閣議決定するとともに、これに必要な予算の計上及び資金の確保に努めることとしたのであります。さらに都道府県、地方の各総合開発計画につきましても、都府県がその年度計画を作成して提出した場合には、これに必要な調整を加えて行政に反映せしめる措置をとつたのであります。
 第二に、国土総合開発審議会の組織及び所掌事務を拡充強化したことであります。従来国土総合開発審議会の委員には衆参両院の議員は入つていなかたのでありますが、本改正法律案においては、これを委員として任命することといたしまして審議会の組織を強化するとともに、その所掌事務についても国土総合開発計画の調査審議にとどまらず、その実施に関して必要な事項についても調査審議することとして、国土総合開発計画の実施の促進をはかることとしたのであります。
 第三に、国土総合開発計画は強度の総合性を確保する必要があり、そのためには計画段階における調整のみならず、実施段階における調整も欠くことができないのでありまして、このために特定地域総合開発計画のみならず、その他の国土総合開発計画についても、新たにこれが実施の調整規定を設けた次第であります。
 第四に、各種の国土総合開発計画を総合的に進めて行くためには、これらの各計画全体についての基本となるべきものが必要なのでありますが、本改正法律案におきましては、全国総合開発計画を内閣総理大臣が作成した場合には、これを国土総合開発計画の基本とする旨の規定を設け、これによつて当該各計画を一貫した方針のもとに推進して行くこととしたのであります。もちろんこれにつきしては、全国総合開発計画が作成されてから他の計画が作成されるということではなく、都府県、地方、特定地域の各総合開発計画と全国総合開発計画とは、相互に関連しつつ策定または修正されて行くべきものであると考えております。
 第五に、国土総合開発計画を進めて行きますためには、当該計画の作成及び調整のための調査は絶対に必要なのでありますが、これにつきましては、都府県が当該諸計画を作成する場合における調査費の補助規定を設けるとともに、一方政府としては各省の調査が重複することのないよう、これを調整することとしたのであります。
 以上本改正法律案の大要につき御説明申し上げましたが、何とぞ愼重御審議の上、すみやかに賛成せられんことをお願い申し上げます。
#4
○松本委員長 次に補足説明を求めます。今井田政府委員。
#5
○今井田政府委員 改正の要点につきましては、ただいま政務次官より理由を申し上げましたので、私から補足的に、もう一回改正の要点だけ簡単に申し上げます。
 ただいま御説明がありましたように、今度の改正の要点は、大体次のような三点になろうかと思います。第一は、開発計画を行政事務の土に移す手続規定を設けたという点であります。御承知のように現行法におきましては、開発計画が地方から中央に出て参りまして、総合開発審議会におきまして審議決定しました後は、これを総理大臣が地方に対しまして助言、勧告するという段階で終つておるのでありまして、これを政府が取上げるかいなかは、まつたく政府の自由意思に放任されておるのであります。従いましていかようにりつぱな計画ができ上りましても、これが行政の上に取上げられるかいなかは、まつたく放任されておつたのであります。こういうことでありましては、今後いかようにりつぱな計画をつくりましても、それはただ単なる描かれたる絵にすぎないというふうなことになりますので、この関係を改めまして、今回の改正におきましては、計画ができ上りましたならばこれを行政事務の上に移さなければならないというふうな、道義的な拘束を設けた点であります。すなわち改正法の第十條の二におきまして、特に国家的な色彩の強い総合開発計画は、閣議でこれを決定するということにいたしまして、明白に特定地域の総合開発計画は国の行政方針としてすることに確定いたしたのであります。さらにまたこの実施の時期を明確にいたしますために、また各省が具体的にこれを取上げなければならぬというふうに道義的な拘束を與えましたために、第十二條におきまして、関係各行政機関の長は、それぞれの所掌事務につきまして毎年度、翌年度の実施計画を具体的に作成いたしまして、これを経済安定本部総務長官に提出するというふうな義務を與えたのであります。これによりまして関係各省は、それぞれ決定されましたる閣議決定に基きまして、明年度の具体的な実施計画を作成いたしまして経済安定本部総務長官の調整を求めなければならないことになつたのであります。経済安定本部総務長官は、これによりまして事業の規模あるいは推度等を勘案いたしまして、昨年度の具体的な実施計画をつくることになるわけであります。これによつて一応、予算は伴つておりませんけれども、最終的な翌年度の総合開発の実施計画ができることになるのであります。そうしましてこのつくられましたる最終的な実施計画に対しましては、国の財政の許す範囲内におきましてこれに対しまして予算を計上し、あるいは資金の確保をはからなければならないというふうな規定を十三條に設けたわけであります。繰返して申し上げますと、以上の十條の二、十二條及び十三條の一連の規定によりまして、従来描かれたる絵にすぎなかつたところの総合開発計画、特に特定地域計画が明らかに行政の上に反映し、これを遂行しなければならないというふうな道義的な、あるいは実施上の責任が政府に與えられることになつたという点が改正の最も主要な眼目の一つになつておるのであります。これによりまして総合開発計画は、おそらく従前の砂上の楼閣から、具体的な実施を進めるという段階に入り得ることになろうとわれわれは確信している次第であります。
 その次のおもなる点は、全国計画というものについて、ある程度の性格と作成の義務者とを明確に規定したという点であります。現行法におきましては、全国計画についてはこれは国がつくるものであるということだけを定義の中で規定しているのにすぎないのでありまして、作成の義務者なりあるいはその性格につきましては何ら触れておらないのであります。ところが総合開発計画は、御承知のように全国計画のほかに地方計画、府県計画、特定地勢計画というふうな一連の計画があるのでございまして、これらの計画をそれぞれ作成して参る上におきまして、相互の間に統一性を確保するためには、どうしても目安となり、目標となるべき全国の統一的な計画がありませんと、それぞれの計画を立案し、あるいは審議し、調査する場合に、非常に混乱を生ずるおそれがあるのであります。そこでこれらの諸計画の統一をはかるべき目安、基準がどうしても必要である、その意味におきましての全国計画が至急作成されなければならないというふうに事務上感じましたので、今回の改正を機会に、全国計画は総理大臣がつくらなければならないものである、しかもそれがつくられた場合においては、今申し上げたような地方計画、府県計画あるいは特定地域計画の基本となるべきものであるというふうな性格を與えた点であります。全国計画につきましてはいろいろの議論もあろうかと思うのでありまして、全国計画それ自体が実施計画であるべきだというふうな意見もあろうと思うのでありますが、この法案におきましては、一応いうところの全国計画とは、基本的な性格を持つものであるというふうに明確にいたした点であります。この点が今次の改正の要点の第二の点であろう一思います。
 第三の点は、これまたただいまの提案理由の中にも、ございましたように、審議会の機能と機構とを強化した点であります。現在の総合開発審議会は、御承知のように計画作成の審議をする段階にとどまつておるのでありまして、一旦つくられた計画に対しましては、これの準行を促進し、あるいはこれを円滑化するというふうな機能は、法律上何ら與えられておらないのであります。ところが計画を進めて参る上におきましては、ただ單に政府だけの手ではできないのでありまして、どうしても審議会というふうな機関に、計画に対する実施の促進をやつていただきませんと、計画がうまく進んで参らぬというふうなおそれが多分にございますので、今次の改正におきましては、その意味において実施の促進というふうな機能を新らしく審議会に與え、それと同時に審議会の組織も改めまして、ただいま提案理由の御説明の中にもありましたように、従来委員の数は三十名でございましたが、これを四十五名に増加いたし、新たに十五名の衆参両院の議員の方を任命するというふうにいたしたのであります。これによりましてでき上つた計画の実施が、一層円滑に促進されることになろうというふうにわれわれは期待しておるのでります。これ以外にも、あるいは計画の有権化をはかりますために、あるいは特定地域計画の対象をなるべくしぼつて、重点的に事業を施行しますために、開発目標を新たに設定するというふうな規定もあるのでありますが、大体今回の改正の主要とする点は、以上の三点にあろうかと思うのであります。
 きわめて簡単でありますけれども、補足的に私から改正の要点について重ねて御説明申し上げえ次第であります。
#6
○松本委員長 これより本案に関する質疑に入ります。質疑の通告がありますので順次これを許します。淺利三朗君。
#7
○淺利委員 その前に一応伺つておきたいのであります。計画においてはこの合同審議は本日だけのように聞いておりますが、これだけの重要法案に対して、建設委員会としてはいろいろ検討すべき事項が多いのであります。これについてはさらに継続して審議する時機があるかどうか。それによつて質問の内容も変更するので、それについて委員長の御意見を伺つておきたいのであります。
#8
○松本委員長 当建設委員会としても非常に関係深き重要法案でありますので、本日だけで合同審査を打切ることは少しく無理かと思います。従つて次会――日をあらためて合同審査を行いたい、かように希望いたしております。
#9
○淺利委員 今回われわれの要望しておつた国土総合開発法の改正案が出まして、私もこの審議の過程においては自由党の政務調査会を通して多少参画しておるので、あまりごまかいことは申し上げぬつもりであります。ただこの法案の成立までの経過の上から見て、特に国務大臣としての安本長官にお伺いしておきたい思います。われわれは第一国会以来、国土総合開発法の制定につきまして、建設委員会に小委員会をつくつて、この立法化をはかつておつたのであります。そしてすでに法案ができた際に、政府がみずからの手によつてこの法案を提案するということで、当建設委員会は政府を信頼してこれにまかせた結果、現在の国土総合開発法というものが成立したのであります。しかしながらその内容を見ますと、先刻提案の説明にもありましたように、單に審議、調査ということで、その実施の点においてまことに潰憾の点が多かつたのであります。そこで今日の事態は、日本の大局から見て国土の総合的な開発は一日も早く推進しなければならない。ことにその事業の緩急軽重から見たならば、今日累年河川の災害は国土の崩壊を来し、日本の再建をはばんでいるこの現状から見れば、どうしても毎年災害の多い国土の山開壊を防ぎ、同時に総合的の計画を立てることが第一義であります。さらにまた日本の現状から見て電源開発等、産業の開発上重大なる影響のある所に主眼を置いてこの計画を立てるとするならば、まずもつて河川に重点を置いて、緩急軽重を考慮すべきであるという考えをわれわれは持つておつたのであります。たまたま二十二年、二十三年のキヤスリン、アイオン台風の大災害を受けた利根地域、北上地域においては、今日の総合開発法に依存しておつては、とうてい災害の防止、総合計画の推推はできないというので、北海道同様利根川開発法案、北上川開発法案を作成して、これが参議院を通過し、今衆議院において継続審議中であります。これらの法案がなぜできたかということは、すなわち現在の総合開発法の不備の結果であります。ただこれが問題になりましたのは、北海道同様に開発庁を設ける、そして各開発庁に国務大臣をもつて長官とするという規定があるため、もし利根、北上以外に、次々といろいろな重要河川について開発法ができたならば、河川の数に伴つて国務大臣の長官がふえるという点に難点がありまして、そこで衆議院としては、これを何とか総合的な法案にしようということから、自由党においては、重要河川開発特別委員会を設けまして、私もその副委員長となつて、重要河川開発法というものを制定することになりまして、オーケーをとる準備までできたのであります。このとき安本においては、国土総合開発法を改正して、その欠陷をなくするから、その提案を見合せてくれということからして、いろいろ検討を加えたのであります。そういう関係からその開発法の改正については、最初は実施法として第十二案までわれわれの手元にできておりました。その後また実施法だけではいけない、根本の改正をしなければならないということで、この法案ができて来たのであります。そこで私は利根、北上の開発法案の精神、あるいは重要河川開発法案の精神は取入れられてあるのでありますが、政府はこの改正にあたつては、参議院を通過したところの利根、北上の開発法案というものを重要と考えて、これに優先的の措置をするお考えがあるかどうかが第一点。また重要河川法案の精神をくんで、今回は重要河川に対して特別委員会を設けるということになつておりますが、これらの点についても、その精神をくんでこの法案ができたものと了承していいのか、その点を第一に伺つておきたいと思うのであります。
#10
○周東国務大臣 浅利さんの、重要河川開発法案に対する御意見、お気持は、私らもよくわかつております。従つて個別的な法案をたくさん出して行くよりも、総合的に一本の法律で目的を達成するということの方がよろしいという意味合いで、ここに国土総合開発法案の改正をいたしたのでありまするから、従つてただいまの御質問、御意見の点は、この一本になつた法律の運用によつて、重要河川に関する開発を重要現して、これが措置をいたしたいと考えておる次第であります。
#11
○淺利委員 ただいまの御意見で政府の趣旨はわかりましたが、さらに今回の法案の改正によつて、重要河川の特別委員会というものができるのであります。この委員会において、さらに新規まき直しに計画をして、重要河川全部に対して全体を調査して、しかるのちに緩急軽重を定めるというようなことになりますれば、従来の総合開発法の時代とほとんどかわらぬということになると思うのであります。そこで私どもが要望しておきたいことは、政府は、全体を調査して、その後に緩急軽重をはかるということをせずして、すでにその重要度が判然としており、かつその計画の内容がすでに熟しておる、こういうものについては、優先的にただちにこれを実施するというお考えがあるかどうか。先刻の御説明をさらに確認する意味において、その点を明確にしていただきたい。
#12
○周東国務大臣 御承知の通り、国土総合開発法に基きしまして、すでに全国的に十九の地区が指定されており、その中にはお話の北上、利根という川を含んだ総合開発地点として指定されておるものがあるのであります。しかも、日本の最近における河川の荒れ方から来る被害で、最もはなはだしい地点として、利根、北上等については、政府においても早くこれをやりたいという気持を前々から持つており、しかもそれに関しては、特に調査なり、計画がすでにでき上つておるわけであります。予算との関係もありますが、当然に利根、北上というような地区については、政府としては重きを置いて考え、従つてこれが実施について手をそめて行くべきものと私も考えております。
#13
○淺利委員 そこでもう一つ伺いたいことは、この法案の改正によつて、ある程度具体的に実施の計画は進められるということはわかつたのであります。しかしながら利根、北上開発法においては、北海道同様に、その推進力となるところの開発庁をつくつて、これを強力に進めるということであります。今回の法案に上りますと、やはり依然として特殊地域を指定して、府県が中心となるということであります。むしろ国家の要請に応じて、この特殊地域の急速な開発を要するというならば、もう少し政府全体の責任において、これを実施するという方法を考える必要はないか、特に経済安定本部がその調整をはかるのでありますから、今回の機構改正によつて、あるいは経済安定本部が廃止され、新聞によると経済審議庁というものになるということであります。はたしてそういう機構のもとに、これが急速に実施することができるという見通しであるかどうか、これに対して特別の開発庁というような全国的に所管するものを設けるとか、あるいは国土省というものでもできますならば、そこで統一して、これを責任をもつて総合的に推進するというような機構の必要はないか、そういうことについてどういうお考えを持つておられるか。
#14
○周東国務大臣 地区の指定等に関しては、特別にその計画については閣議でこれを決定するのでありますし、従つてその実施の場所が部分的に各府県にあつたとしても、その開発に関する責任は強く政府が持つのであります。従つて今日特別な開発庁というものを、別に置かなければできないとも考えないのであります。今日いろいろ行政機構の改革等もありますが、河川ごとの開発について、一々別の官庁をつくることがいいかどうかということについては、多分に疑問を持つのであります。しかし、淺利さんの御心配のように、何か特別の官庁ができれば、特に力を入れるであろうというような気持はわかります。私は今日の状態としては、むしろ総合開発については内閣が責任を持ち、これに対して政府は強い関心を持つております。従つてそのことから来る予算をいかに策定するかということが問題でありまして、予算がしつかりとれれば、実施の面は、かりにこれがその地方における府県、あるいは場所によつては関係府県が二つ以上にわたると思いますが、それらの県において実施されても、十分目的は達成するのではないかと考えております。要は資金の面、予算の面がどう決定されるかということに、むしろ重点があるのでありまして、役所を置く置かぬということは、直接に関係はないのではないかと、私は考えます。
#15
○淺利委員 時間がありませんから大部分は後日に讓りますが、この改正案によりまして特殊地域の開発について、総合開発審議会が審議してこれを府県に示す。そうして府県がまた府県の総合開発審議会にかけるということになつておりますが、もしこの中央における国土総合開発審議会の意見と、地方の審議会の意見とが一致しないというような場合の調整は、どういうふうにやられるお考えであるか、その点をひとつ……。
#16
○今井田政府委員 原則といたしまして、計画は地方の審議会が先に審議することになつておることは御承知の通りであります。大体総合開発計画全体の仕組みが、地方の自主性を非常に尊重するということになつておりまして、具体的な計画はすべて関係都府県がこれを作成いたしまして、建設大臣を通じまして総理大臣に提出する。総理大臣の諮問機関として総合開発審議会があるわけでありましてそこで審議をいたしましたものを総理大臣に助言、勧告するわけであります。そうしますと、その中央の総合開発審議会の助言、勧告に基きまして、総理大臣が必要とあらばさらに府県に対しまして逆に助言、勧告するというふうなぐあいになつておりまして、相互の関係は、総理大臣を通じまして調整するということになつておりますので、正面からぶつかつて、抜き差しならぬようになることはないという仕組みになつておるわけであります。
#17
○淺利委員 次に年度計画の問題であります。見出しにおいては年度計画とありまするけれども、法案の内容を見れば、毎年度々々々その翌年の事業の予算を関係行政機関の長官が提出する、こういうことになつております。そう下れば、ある河川の開発については、あるいはある特定地域の開発についてほ、五年なり十年の計画を立てておるという場合であつても、これが継続の年度計画として認められずして、ただその年その年の予算によつてきまるということであれば、その計画の実施は非常に不安定になる。ことに最近の政府のやり方を見ますると、たとえば災害復旧について、三箇年間においてこれを完成するというようなことを申しておりましても、予算が決してこれに伴わない。しかも過年度災害において、二十二、三年の災害のごときは今なおたくさん残つておるにもかかわらず、新規の災害が頻発して参りますと、政府がその方に気をとられて、過去の災害は無視されるというような現状であります。こういうことでありますならば、せつかく優先的にある計画を立てて、予算を初年はとりましても、その翌年また各地の政治力によつて動かされれば、結局これが期待する年度内の完成は至難になるということになると思うのであります。法律の上においてあるいは政府に、その予算編成権に制約を加えるということは穏当でないという意見を出す国務大臣もありますけれども、しかしながら政府みずからがこの計画を、年度計画を立ててその推進をはかるということは、当然あつていいことと思うのであります。こういうことについてこの法律においてこれが明らかになつおらない。われわれは、重要河川開発法においては、全体の計画と年度計画と合せたものを立てて、その実施のために政府が予算措置について努力せねばならぬということを規定したのであります。この法律においてはその眼目が除かれておる。これはわれわれはまことに期待はずれであります。この点については、政府はこの法律の表面上ただ毎年の予算だけを組んで一時を糊塗するのか。あるいは年次計画でも明らかに公表して、その線に沿うて毎年の予算を計上するのか。最近では継続年度の支出ということも財政法上認められるようになつたのであります。それについて政府は確たる継続計画を立てる御意思がないか。その点を明らかにしていただきたい。
#18
○周東国務大臣 淺利さんの熱心な御意見、私も意見としては同感であります。こういうふうな国土の総合開発について年次計画を立て、当然それに伴う継続費の予算というものを年次計画において立てるということが望ましいわけであります。しかも法律等においては、お話のように計画それ自体は五箇年計画なら五箇年計画で立てるのだ、その間において会、目は財政の都合上、事実上においてその年々の予算の範囲内でこれを五箇年間――多いときも少いときもありましようが、立てて行くような形に事実なつております。しかし私は、お話のように財政法もかわりましたし、予算なり国の財政の事情に基いて、今後そういう面について努力し、話合いによつて少しでもそういう方向へ近づけて、財政上の裏づけといいますか、継続費予算の組み方というようなことに持つて行くように努力をすることが必要だと思います。しかし何さま講和発効後における新しい負担の増加等もあつて、遺憾ながら国の財政計画というものが、昔のように将来二年、三年の先を見通して何ぼ出せるというようなことが、まだはつきりと言えないときではないかと私は思う。その年々の收入によつてその年をまかなつて行くというような現状に置かれておるときでありまして、希望することはしますけれども、なかなか実際上むずかしいのではなかろうかと思います。しかし御趣旨の点は、法律上できないことでもなし、また財政法の改正に基いて継続費を認めるという形になりました今日において、よくその点は今後において政府と皆さんの方と相談をいたしまして、そういうことができるように近づけることが私は一つの理想だと考えております。
#19
○淺利委員 時間がありませんからあとの質問は後日に留保して、私はこの程度で打切ります。
#20
○松本委員長 本日はこの程度で散会いたします。
 次会は協議の上公報をもつて御案内申し上げます。
    午前十一時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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