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1947/11/26 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第52号
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1947/11/26 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第52号

#1
第001回国会 農林委員会 第52号
昭和二十二年十一月二十六日(水曜日)
    午後二時十九分開議
 出席委員
   委員長 野溝  勝君
   理事 大島 義晴君 理事 寺島隆太郎君
   理事 森 幸太郎君 理事 萩原 壽雄君
   理事 北  二郎君
      佐竹 新市君    田中 健吉君
      永井勝次郎君    成瀬喜五郎君
      野上 健次君    細野三千雄君
      水野 實郎君   小野瀬忠兵衞君
      小林 運美君    佐々木秀世君
      志賀健次郎君    関根 久藏君
      圖司 安正君    寺本  齋君
      中垣 國男君    中島 茂喜君
      堀川 恭平君    大石 倫治君
      佐瀬 昌三君    重冨  卓君
      田口助太郎君    野原 正勝君
      松野 頼三君   的場金右衞門君
      中村元治郎君    山口 武秀君
 出席政府委員
        農林政務次官  井上 良次君
        農林事務官   山添 利作君
        農林事務官   三堀 參郎君
        農林事務官   山根 東明君
 委員外の出席者
         專門調査員  片山 徳次君
         專門調査員  岩隈  博君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 食糧供出其他に關する件
    ―――――――――――――
#2
○野溝委員長 會議を開きます。この際的場委員より緊急質問があると言われますので、これを許すことにいたします。的場委員。
#3
○的場委員  ただいま地方農村におきましては米の供出に忙殺されておるとときです。この大事な米の供出問題については一、二お伺いをいたしておきたいのであります。私ども昨年の議會以來主要食糧の供出問題については、しばしば眞劍なる討議をいたしたのでありまして、その間政府においていろいろ考えておられること、あるいは法律において定められてあります事項については、大體承知しておるつもりであります。けれども地方において取扱われておりますことは、法律に規定されておりますことなり、あるいは政府において答辨されますことと、大きな食違いがあるように考えますので、今地方で取扱われておりまする實際の事柄についていろいろお尋ねをいたして、間違つた點があればたたちにこれを正してもらいたい、かように考えて今日緊急質問をする次第なのであります。第一にお尋ねいたしたいことは、今耕作農民へ許されております自家保有米の量は絶對的なものであるのか、政府なり地方廳の都合によつては自由に變更することができるのであるか、この點をお伺いいたします。私どもは、許された自家保有を農民たちが保有することは、絶對的なものであつて、これを主務省なり地方廳が勝手に殖したり減らしたりすることができないものと心得ておるのでありますが、その點どんなに解釋されておるのであるか、この點をお伺いしたい。その次に第二の點は、割當量が決定をいたしますと、その割當量は公平妥當であり得ない場合が相當にあると思いますが、さような場合に、途中においてこれを是正することもあるのかどうか、統計の間違いなり、あるいは基礎資料をとりました場合の、たとえば九月二十日の作況調査によつて割當てをいたしまして、十月の初めに潮害があつて全滅をした面積が、徳島縣においては二百四十町あつたのでございます。かような場合にただちに割當は變更されておるのかどうかということであります。なお鹿兒島縣においては、いまだかつて經驗したことのない大旱魃なのでありますが、その大旱魃の鹿兒島縣において、昨年の割當量の倍額が割當てられてある。これは旱魃によつて畑作は全滅をし、水田もまた用水不足等によつて減收するに至つておるのに、それにかかわらず昨年の二倍を割當てられておる。かような災害等を考慮しないというのは、どうした理由によつてかような災害を無視して、かような無理な割當をされるのであるか、かような無理な割當をされることによつて供出が困難を感ずると、保有米を認めないことにして、割當量を完遂させようと努力をする地方廳の苦心をわれわれは同情しておる次第なのであります。これについて一應お答えをお願いいたします。
#4
○山根政府委員 私からお答えいたします。前後いたしまして恐縮でありますが、第二の點からお答えいたします。割當が不公正な場合途中の變更ができるかどうかの時に災害等その割當後における突發事情によつて、變更ができるかどうかというような意味であつたように拝聴いたしたでありますが、割當は御承知のように十月の最初でありましたか、地方長官會議の席上において最後的な決定を見たのであります。その當日までのいろいろな事情災害、その他の事情は、わかつております限り組入れて、割當を決定いたしたのであります。その後關西、九州方面における旱魃あるいはめいちゆうの被害、北陸數縣におきます雷害等、相當大きな數量を見込まなければならない災害が實はできておるのであります。これにつきましては、縣の報告を私どもただちにとりますと同時に、でき得る限り本省からも係官を派遣いたしまして、被害數量の把握に努めておるのでありまして、はたしてこの被害が確定いたしました場合、ただちに割當數量の減という處置でもつてこれを片ずけるかどうかという問題が實はあるのでありますが、例年でありますならば、一應そういう方面でこれは片ずけたであろうと思うのでありますが、御承知のように本年の例の三千五十五萬石という數字が特殊な性質をもつておりますような關係もありまして、ただいまその後における災害の數字はほぼ確定いたしましたものをもちまして、いかようにこれを取扱うかについて關係方面と折衝中であります。おそらく近く實收も確定いたすわけでありますので、今この際割當數量を減ずるということはむしろとらないで、實收の確定をまつてその間の災害減を調整いたすと申しますか、考える。こういう方向にきまるじやないか。かように考えておるわけであります。いま一度要約いたしますと、その後起きた災害による減收を、割當量の減という形で取扱つて今日まではまいつていないわけであります。それから保有のお話が出たのでありますが、保有は割當の方針にもはつきり書いてあります。農家の保有は、一應平均いたしますと四合になるわけでありますが、これは確保いたし、そうして生産額から保有を差引いたものを供出してもらう。こういう形をとつておるのでありまして、保有を今日の場合ただちに何と申しますか、削減するということは考えてないのであります。
#5
○的場委員 割當については關係の方面と折衝の必要があれば、折衝をしていただきたいと思います。ないものを出すということはできないことなので、はつきりと災害があり收穫のなかつたものを、それを認めないということは、關係方面といえどもないはずなのでありまして、こちらの調査が粗漏であるか、あるいはまたこちらの折衝がまずいのか、いずれかによつてそれが認められないことがあり得るかもしれませんけれども、萬全を盡していただければ、私はこれは認められるはずのもので思うのでありますから、これについては萬全の措置をとつてもらいたいと登望する次第であります。第二自家保有量を殘して供出をする。これは當然なことでありまして、今日の供出價格というものと消費者價格というものの價格差が相當にございます。今地方で扱われております實際は、あなたが今おつしやる通りには扱われておりません。これは各地方のいろいろな實情は、福井縣にしましても、徳島縣にいたしましても、鹿兒島縣にいたしましても、北海道においても、割當てられた供出が絶對であつて、殘らなければやむを得ないから配給をするから、供出だけは絶對なものだと關係方面の言葉があるのだから、今年の供出は割當量は100%を出さなければならないのであるということを、地方廳では農民へ壓迫的に供出をせしめて、自分の保有米はなくなつてしまつても、餘儀なく農民たちは供出をしておるのが今日の實情であります。そして千七百圓の供出價格で供出をして、二千百圓の消費者價格で買うて食べるということは、貧農にとつては耐えがたいことであり、さような餘裕のない農民たちでありますから、こんな取扱いはなすべきでないとわれわれは考えるのであります。從つて農林省とされましては、耕作農民に對する自家保有米は確保せしめなければならないということを、各地方廳へ速やかに通牒してもらえますかどうか、このことをお尋ねします。
#6
○山根政府委員 前回の委員會で、重富委員からも大體同じような御質問があつたのでありますが、また當時私もお答えしたわけでありまして、それを繰返すような結果になるわけでありますが、結局生産見込をどう見るかによつて、今度の割當數量によつて保有米に穴が開くかどうかということに實はなると思うのであります。この生産見込みの最後的な見込みを、實は例年でありますならば、割當會議の席上お示しすることに段取りいたしてまいつたのでありますが、いろいろな事情から最後的な生産見込みが、本年は時期的に遅れたわけであります。府縣が割當だけもつて帰り、それを末端に下す場合に、中央生産見込が最後的に確定していなかつた。こういう事情がありまして、府縣當局にもその點では私ども少なからず、何と申しますか、迷惑をかけたような形になつてまいりましたことを、私は心苦しく思つておるわけでありますが、もつとも私どもの方の事務的には、手もとに生産見込みの資料をもつておりましたので、事實上は府縣が割當をなされるのに際しまして本省へ連絡いたしましたために、多くの府縣においては、事實上は本省の生産見込みが知れておつたのであります。それにしても實は本年はそういう不都合があつたのであります。それでようやく正式に先月二十日過ぎに最後的な本年の生産見込み、それから保有量、差引きしまして割當量三千五十五萬石と出たわけであります。これが先月の二十日過ぎに實はようやくきまつたわけでありますが、これを私どもの方で正式な公文といたしまして、當該縣における生産見込みはいくら、保有量はいくらということを實は通達いたしたのであります。そういう通達によつては當該縣における農家保有を本省はどれだけ考えておるかということを、正式に通牒としてまいつておるわけであります。ただいま正式に保有を確保するということを通牒するようにというお話でありますが、形は變りますが、それでもつて私どもは、大體の御趣旨はそれに副うのではないか、かように考えておるわけであります。
#7
○野溝委員長 緊急質問でありますから簡單に願います。一回以上は許しません。
#8
○的場委員 よくわからなればやめるわけにいきません。
#9
○野溝委員長 議題になつておる議案がありますから、その方を進行します。
#10
○的場委員 この供出の制度については、自家保有量を殘して、他は全部これを政府へ賣渡すのが建前であつて、個人々々の農家から言いますと、自分の許された保有米は殘しておいて、そのあとをすべて政府に賣渡しさえすれば、それで完全供出ということに私はなると思うのであります。そういう意味で取扱つてもらえばよいのでありますが、保有量はあろうがなかろうが、そういうことにはお構いなしに、役場が割當てたものを、割當通り供出をせよ、こういうことは非常にそこに矛盾があつて、農民を今苦しめつつある實情にあります。このことは地方廳における、また地方の市町村における取扱いが間違つておるからさようなことになるのでありますから、主務官廳としては、そういう間違つた取扱をしないように、指導される必要がありますから、その意味において通牒を出してくださいと私はお願いをするのであります。それができないとおつしやればそれまででありますが、そのことはできないはずはないのでありますから、長官ともよく相談をしてもらつて、さような通牒を出していただくようにお願いしたいと思いますが、これについてもう一應お尋ねをします。それからもう一つ委員長にお願いしたいのでありますが、先ほど來私が緊急質問をいたして御迷惑をかけておりますが、これはほかの議案以上に、今全國の農民たちにひしひしと身にこたえておる重大問題なのでありまして、この實情を知らずして農林行政を論ずる資格はないと私は考えるものであります。從つて農林常任委員會としては、この地方における實情を正確に調査する意味において、委員長の計らいで、調査班を派遣されて實際を正確に調査し、また農民たちの正直な聲をお開き願つて、その實際の姿を農林行政の上に反映せしむような取扱いを委員長として取計つてももらいたいということを、私は希望するのでありますが、これについては委員長より御所見をお伺いしたいのであります。御兩名よりもう一應御答辨願います。
#11
○山根政府委員 保有を確保するという大方針につきましては、本年の割當を決定する前にきめました割當要綱に、明らかに實は方針がうたつてあるのであります。それと合せまして、先ほど申しましたように、府縣に對して當該縣の保有量がいくばくであるかという具體的な數字を私どもの方から正式に示しておるわけでありまして、これらの既往のそうした通牒でもつて、今さらあらためて保有を絶對確保するようにという通牒を出すことは、上とも相談してというお話でありましたから、個人的な意見になるかもしれませんが、今日の現情としましては、いわばかえつていろいろな點を混乱に導くのではないかというような氣持もいたしますので、その必要はないではないか、かように考えておるわけであります。なおそういう御希望もありましたので、長官なり次第なりにも…
#12
○的場委員 必要があるのだよ。あなたたちが考えるように取扱つていないのだ、地方では。間違つておるよ。
#13
○野溝委員長 私に對する希望に對しましてお答えいたします。非常にごもつともな御意見でございますが、實は議院運營委員會の申合せによりまして、會期が切迫しておるので、會期中における調査竝びに視察はなるべく遠慮してもらいたいということになつております。よつて各委員長への通達もまいつておりますので、會期中はちよつと困難かと思います。しかし御趣旨の點につきましては、會期後といえども、ただいまの食糧事情の調査に對しましては何らかの處置を講じたいと思います。しかしこれにつきましては食糧供出に對する小委員會がありますから、小委員會の方にこの審議を願うことにしたい、かように思つております。では緊急質問を山口君に許します。
#14
○山口(武)委員 時間がないそうですから一つだけ。私も先ほど的場委員の質問に對する政府委員の答辨は、一向はつきりしないものであるというよう感じを抱いております。實は私のお聞きしたいと思いますのは、食糧供出の仕事はだれがやるのか、この點をはつきりお伺いする。地方の實情を見ますと、特に私茨城縣でありますが、茨城縣の様子を見ましたときに、茨城縣の食糧委員會でも關係方面の覺書というものをもつて、こういうわけだからというように押しつけて、食糧委員會にはとやかくのことを言わせない。ただ縣できめただけの割當をむりやりに押しつけいる。一向農民の意向というものは反映されていない。こういうことでやつているとすれば、食糧委員會の機能というものはどういうことになるのか。それから縣にしましても、なぜ關係方面の名前をそれほど濫用せなくてはならないのか、こういう點をお伺いするのであります。
#15
○井上政府委員 今度の割當についての御質問であろうと思います。御承知の通り總務部長からもお話があつたと思いますが、今度の割當は過ぐる知事會談の結果、遂に關係方面から三千五十五萬石を十月七日までに全國に割當てろという覺書が手交されまして、この覺に基いて十月五日の知事會談で、これを御承認願つて、それぞれ各縣の生産高に應じて割當をいたしたわけでございます。從つてこの割當についてはそれぞれ各縣のいろいろ特殊事情がありまして、なかなか容易ならぬ縣もあろうと存じます。しかしながら大體政府としては、この割當をできるだけ各縣に不合理のないように、不公正のないように、公平にこれを割當いたつもりでございます。ただその割當てられた當該縣において、これをいかに公平に各農民に割當てるかという問題が、縣の責任としてかかつてきております。御承知の通り茨城縣のような生産縣におきましては、本年は非常に旱害があり、一部水害があつたりいたしまして、容易ならぬ實情であろうということは想像つくのであります。ただその場合に政府が割當てましたところの茨城縣への割當を、どう不公平のないように割當てるかという問題は、まつたく農民としましてもまた縣當局としましても、容易ならぬ問題であろうと思います。そこで一應農民側から言えば、旱害があり、水害があり、また縣當局側から言えば、今申いました通り、これは連合國からの覺書による一つの割當であるということでおろされておりますから、どうしてもそれだけの責任は果さなければならぬという一つの建前を縣はとりましようし、ここに相對する二つのものが起つてきているのじやないかと想像されるのであります。そこで私といたしましては、一應現實をまずおろしてみてどれだけ一體割當が赤字供出になるか、ならぬかということで、實際赤字供出ななつた場合において、一體どういう處置を講ずるかというときに、初じめてその場合において、この割當が妥當であるか、妥當でないかということが論ぜられるのであつて、そうしてまたその場合において初めてその割當がほんとうに公正に妥當に行われているかどうかということも批判されるのである。そういうことで、過當な割當でありましようとも、一應おろして、そのおろしてみたうちでこれだけ赤字供出をしなければならぬ、これだけ飯米を食い込まなくちやならぬというようなことの實際が明らかになつたときに、この場合その赤字供出をどうするか、飯米の食い込みをどうするかという問題をわれわれはあとで解決しなければならぬ、こう考えております。だから一應公正妥當な割當が行われました場合は、その割當に基いて赤字供出の問題をあとでわれわれは政治的に解決しなければならぬ、こう一應考えてもらいたいと思つておる次第でございますから、この點をひとつ御了承いただきたいと思います。
#16
○野溝委員長 堀川委員から緊急質問が出ておりますので、この際許すことにいたします。
#17
○堀川委員 大臣がいないので、政務次官が大臣の職をやつておられる關係上、ちよつと今の米の供出とか何とかいうことに關連いたしまして一應お聴きしたいのであります。ほかではありませんが、先般米價は千八百圓に決定されたのであります。ところで御承知のように農地を政府は買上げたのでありますが、この買上げた價格は、實に現在の米價の約半値くらいで一段歩を買上げておるのであります。しかもこの決定は一昨年決定されたのでありますが、その後本年はいろいろな物價の騰貴で、六十五倍とか、あるいは六十何倍とかに物が非常に高くなつたので、マル公が引上げられた。しかるに農地に對する代金は、農地證券によつて來年でなければもらえないというような現状なのであります。これに對して政務次官はいかようなお考えでおるかということがお聴きしたいのと、次に本年買上げられると決定された農地に對しましての租税であります。地租は國から縣、市町村に委譲されておるのでありますが、本年すでに買上げ決定の通知があるその土地に對しまして、本年八月に來年三月三十一日までの地租が全部賦課されてきたのであります。そうして現在買上が決定されておつても、その持主の名において租税がかかつてきておるのであります。その租税たるや、昨年より三倍、四倍になつておる租税がかかつてきて、みな來年三月三十一日までかけてあるのです。これは非常に不都合じやないか、かように私は考えるのであります。なおもう一つお伺いしたいのは、かような米價が高くなつておるにもかかわらず、買上米價は公定價格八千八百圓であるのでありますが、ほんのわずかの殘つた六段とか、一町とかの貨付料は、やはり一石七十五圓であると承知しておるのであります。この小作料は政府としてその後引上げに對する御考慮が一向ないように思うのでありますが、すでに二十月になつておるのでありますが、この小作料をやはり一石七十五圓で納めさすおつもりでありましようかどうか。それを一應お伺いしたいのであります。
#18
○井上政府委員 第一は米價が昨年の米價から比べますと相當大幅に引上げられた、この關係から農地改革に基いて、地主は土地を取上げられ、その代償として土地證券が與えられておる。まつたくこれによつて金融も何もつかない。この關係をどう調整するか。また本年買收される土地に對して租税が見積られておるが、これはどうするか。さらにまたわずか殘つておる土地に對する小作料が非常に安いではないかというような御意見でございますが、近く證券の問題は、實際の問題としましては、地主の立場に立つて考えますと、堀川さんのおつしやるように、實際お氣の毒な地主がたくさんあろうと存じます。かえつて小作人の立場の方が、今日の場合から申しますと、はるかに有利な地位にその地位が轉した實例は、たくさんわれわれも承つております。これは一つの社會革新の時代でありまして、革新の時代においてはそういうことがあり得ることでありまして、今まで大地主であつたものが、その所有田畑を土地解放によつて一定の條件のもとに解放せなければならぬことになつた結果、そういうことになつたのでありまして、だからと言うてその賠償を出せ、こういうことで一々やつておりましたのでは、これではどうにもならぬということになります。ただその場合、地主が實際生計上あるいはその他いろいろな面で、どうしてもやつていけないという場合には、別にそれは國として考えるべき問題であつて、この土地の處分の問題に絡んで、それで政府が出せということは考えられぬジやないかと私は一應考えております。さらにまた租税の問題は、これは大藏省とよく打合せをいたしまして、もし本年取り上げる土地に租税がかかるといいます場合は、それは土地が買收する方にかかりますものか、いわゆる買取る方が拂うべきか、あるいはまた現在所有しておるものが拂うべきかということについては、よく調査した上でないと明確にお答えするわけにはまいりません。それから地代の問題でありますが、これは農家の經済が安定をいたしまして、地主としても現在の地代ではどうしてもいけないというような相對的な問題であろうと思いますから、それらの問題全體をにらみ合わせた上で、やはり社會的な基準が、現在の小作料ではどうにもならぬというようなことが具體的になつてきました場合に、當然改訂をされることになろうと思いますけれども、現在の場合ではまだそこまで進んでないというような考え方を私はもつております。
#19
○堀川委員 今政務次官のおつしやつたことはごもつともの點はあると思いますが、租税の點は、買主とか、あるいは今の地主とかいう問題ははつきりいたしているのであります。現在の地主は近く買上げが決定されいるのでありますから、現在賣渡される、本年つくつておるところの小作人は、とうてい本年の小作料を拂うことはないと思います。今年の小作料を拂つてもらえぬのに地主が租税を拂うということは矛盾していると思います。何らかの方法でははつきりと通牒されるということがほんとうだと思います。なお七十五圓の小作料は、現在の立場では地主がそう困つているかどうかわからない、もう少し實情を調べてから考えるのだ、こういうようなお説でございますが、七十五圓では米が今何合かおわかりであろうと思います。一石千八百圓であります、七十五圓がその何分の一になるかということははつきりいたしていると思いますが、昨年から今年にかけて、いろいろな物價の騰貴によつて、すでに政府におきましても公定を上げておられるのであります。そのために地租におきましても、昨年から三倍、四倍の地租になつておるのであります。なお本年は部落費とか、あるいは水利費とかいうものは、非常なる高騰を告げておるのであります。そこで七十五圓の小作料でそのいろいろな公費が拂えるのか拂えぬかということだけは、今からお考えになるより、米價をつり上げられたときに、すでにお考えにならなければならぬ問題だと思うのであります。それが今小作料が七十五圓で、まだ何も考えてないということは、農林省においては、はなはだ不都合だと思います。小作人のことばかりをお考えなつて、地主にことも多少考えてやらなければ、地主はほとんど皆被害者であります。ほんとうに被害者と言うてよいと思います。その地主に對する小作料を、七十五圓でそのまますえおきというようなべらぼうなことはないと思う。一體今からお考えになるより、何とかこの場で、自分もそう思うということなら、上げなければいけない。何とか上げるという方針に、御意思を發表していただきたいと思います。そうして十二月にはもう小作料を地主にもつていかなければならぬときであります。地主としましても、すでに六段や一町までの地主でありまして、それによつて食生活をするということはとうていできないのであります。ただ、今もつておる地に對するいろいろな公費だけでも拂えれば結構だという観念はいたしておりますが、それまで拂えぬということは、何とか政府としてお考えになるのが責任だと思います。義務だと思うのです。その點に對して、もう一度御心境をお伺いいたしたいのであります。
#20
○山添政府委員 税の點につきましてはごもつともなことでありまして、自作農創設特別措置法改正第四十四條の四というものを設けまして、この法律が通りますれば、地租そのものは相當殖えますから、今の地主に返ります。政府に買われましてもそれを政府が拂いもどす、あるいは政府が農家に土地を賣りますれば、その農家の方から拂いもどすということで、實際上の土地を使用する人が税金を負擔する。こういうことになるのであります。四十四條の四はあとでごらんを願いたい。それから七十五圓では公租公課、さらに大きいものは水利費の負擔、こういうものが負擔できないではないかという議はごもつともであります。それにつきましては、九月十六日附の通牒をもちまして、それ以後増加いたしました水利組合費、耕地組合費、かようなものは耕作者の方で負擔をするように通知をいたしておるわけであります。これが從來ならば小作料の引上げという形でありますが、そういう形で行きますことはおもしろくございませんので、そういうものの増加部分は耕作者の方で負擔する。これは小作者のいろいろな條件がございます。その條件の改訂事項として、農地委員會で適當に計らうように指導をいたしておるのであります。
#21
○野溝委員長 ただいま農林政務次官より、生鮮食料品の配給確保に關する緊急具體的措置に關して、一應委員會に説明をしておきたいという申出がありました。これを御異議ありませんか。
    〔「異議なし」「異議あり」と呼ぶ者あり〕
#22
○野溝委員長 堀川委員の質問に對しまして、政務次官から一應答辨してもらいます。
#23
○井上政府委員 現在の小作料の七十五圓をもつと引上げろ、これでは地主がかわいそうじやないかというお話でございますが、地主が現在の小作料で生活をするという場合は、それは一應そういうことが言い得られると思うのです。ところが一體七十五圓ぐらいで生活ができるかというと、できないのです。だから地主の生活問題と、この小作料というものを別に考えるべきものではないかと私は考えておる、それといま一つは、やはり農地改革という問題は、日本から一應地主という階級をなくするという一つの立場に立つておるのであつて、ほんとうに農業者がみずから立つて、みずから百姓をやる、いわゆる土地を他人に貨して、その小作料によつて生活をするというのではなしに、みずから耕作し、みずから生産を營むという農業者を大體建前にしようというのが農地改革の一つのねらいでございますから、そういう建前から行きますと、やはりみずから耕して、その耕したものから收穫を得て、こういう建前を大體とつていく。そういたしますならば、七、八段、一町歩つくりますれば、どうにかそれだけの耕作面積をもつておりますならば今日の場合は何とか行きはせぬか。しかしこれを小作料に轉嫁をする場合はまつたく生活は困難でありますから、そこで全然考え方を別に私はもつておるのでありまして、これをかりに三倍に上げましても、三倍に上げましても、おそらく今日のインフレ時代においては、小作料によつて生活はできないのではないか。そこで今農政局長からもお話がございましたように、水利權の問題でありますとか、その他の問題については、土地解放の問題に伴つて農地委員會で適當にそれらの問題は考えてやらなければいかぬ。こういうことをやれということになつておりますので、この際は、土地の所有者の生活費の問題と小作料の問題とは、別個に切り離して考えなければならぬ。こういう考えち方を私はもつている。あくまで收穫によつて生活をしていく建前をとつていきたい。こういう考えをもつております。
#24
○野溝委員長 寺島委員に緊急質問を許します。
#25
○寺島委員 井上次官にお尋ねいたします。私は堀川委員の質問に關連にいたしまして私の所論を展開いたしますが、第一點は、社會通念の問題についてあなたとお話をいたしたいのであります。第二は昨年私が農地調整法の質疑において、時のあなた方の党派の代表者の展開せられておる所論を明らかに今日思い起すのであります。それと、これに答えられたる和田農林大臣と兩者の言葉を引用して、お話をいたしたいと思うのであります。事を明確に運んでいきたいためにきわめてつかぬことをお尋ねいたしますが、あなたは衆議院の食堂において食堂を召しあがつたことがございますか。まずこれを伺いたい。
#26
○井上政府委員 食堂で飯を食つたことはあります。
#27
○寺島委員 しからばお伺いいたしますが、食後に水菓子をあなたは召しあがつておられるだろうと思います。この水菓子は食糧管理規則にどうも抵觸いたしておらない、いわゆる合法的な値段をもつて食堂の水菓子が販賣せられておるのでありますが、一箇のかきが一體いくらいたしておりますか、あなたは御存じでありますか、お尋ねいたしたいのであります。
#28
○井上政府委員 私は一箇のかきがいくらしているかかいうことについては一箇二十圓なら二十圓、三十圓なら三十圓と考えております。
#29
○寺島委員 二十圓ではないのであります。大きいかきは一箇四十圓、小さいのは三十圓であります。そうするとかき二箇の値段で一箇年一段歩の土地の所有權に對する報酬がなされることになるが、ただいま堀川委員の言われたような意味における生活費の問題は別として、これが社會通念として妥當であるとお考えになるかどうかを伺いたい。
#30
○井上政府委員 私はこう考えております。なるほど土地所有者としての通念からいきますならば、いろいろな諸物價と比較し、從來の小作料から比較するならばこれは安いと考えます。しかしながらその所有權の観念からいきますならば、あらゆるものが上つたからということで、これをことごとく上げていくということになつた場合には、はたしてどうなるかということも併せて考えなければならぬと思います。從つて私としては、農地改革とにらみ合わせて考えなければなりませんので、一應堀川さんにお答えしたように、今日の場合、地主の生活費というものと小作料というものとは別に考えなければならぬ問題ではないかと考えている次第であります。
#31
○野溝委員長 寺島君に申し上げますが、なるべく質問は一回々々と区切らずに系統的に御質問願いたいと思います。
#32
○寺島委員 私はただいまの井上次官のお答えから新しい發見をいたしたのであります。いわゆる七十五圓の金納小作料は現状の物價體制から見てたしかに安いという明快なる御所論を承つたのでありますが、しからばこれができがたき理由として分析的に申し上げますと、第一としてはいわゆる農地改革のプリンシブルに反するからできない。かような意味に聴きとれるのであります。もう一つは一般の物價が上つているときに、小作料もこれと同様につり上げていくならば、ここにはからざる障害が派生するからできないのである。かような二つの所論をもつて言われたのであろうと私は考えるのでありますが、第一點においては七十五圓が確かに安いと肯定せられるならば、これを否定する材料として、農地改革を遂行する上において七十五圓の價格を引上げることは妥當でないという御所論には、私自身としてはうなずけないのであります。政府はこの日本人から、一人の小作人もないような日本の農村形態を考えていると言われるが、たとえばチヤチヤノフの小農原理を引用すると、大日本の農業は家族農業形態によつてなり立つておるのであります。ヨーロッパの農業においては、長男が嫁をもらつて、すなわち一箇の夫婦が營農を始めて十年の後に一番勞働力が下るのである。いわゆる子供が多くなつて百姓ができないという貧乏世盛りである。そしてさらに十五年後の二十五年目になるとその勞働力がフルになる。つまりヨーロッパの農業において、マルクス以前の農政學者であるチヤチヤノフでさえ二割七分というものを假定いたしておるのだ。いわんや現下の日本農業の骨格構造というものを分析しくるときに、その傾向がさらに顯著に出ておるのではないかと思う。すなわち家族勞働力を主軸とする農家の五十年の歴史を耕作段別別割に割つて考えて見るときに、最大の耕件段別をもつたときと、少い耕作段別をもつたときとを比較した正確な調査は、今日の日本にはないのでありますが、十數年以前における北海道の大學の調査においても四割の餘裕を大體推定いたしております。私が去年調べたところによると、個人所有の形によつて家族勞働を主軸とした日本の農業は、少い耕作段別あり、多い耕作段別があるけれども、一町歩の在村地主の保有というものがむしろ役立つておるのである。これが日本農業の骨格にむしろマッチしておるのだ。換言すれば、家と土地と農民とが密著した過程において勞働力の生産性が高められ、その過程において土地の生産性が高められるという、日本農業の特殊構造から肯定せらるべきものであるという明快なる所論の大體がここに成立つのでありまして、昨年の農地改革においても、當時の農林大臣和田博雄氏は、私の説明したようなことは言われなかつたけれども、大體さような所論をもつておられた。すなわち在村地主の一町歩の土地保有というものが、斷じて日本の農業の封建性の殘澤を殘すものではなく、むしろ土地をもつた耕作農民が他日土地を放さなくてもよろしいという一つの帰著點になる。かような所論のもとに去年は明かに肯定し、われわれもこれに贊成してきたのであります。次官も言われるごとく、その途上にある日本の農地改革が七十五圓の小作料、すなわち一箇年二個のかきをもつて賃貸借せしめるということが社會通念としてできるのか。今日日本の農地改革を行い、コルベートの農村をつくろうとするあなたの農政の指導方針として、かかることが肯定せられるのか。かかる點に考え來たりますときに、農地改革のためにこれをどうしてもやらければならぬというあなたの所論は、どうしても受取れないではなかろうかと私は考える。七十五圓では安いと思うならば、これを引上げるのだと言われるなり、もう少し理解のある御答辨があつてもしかるべきだろうと思うのであります。もう一つ問題がありますが、委員長は私の質問を非常に追いこんで早くすまさせたがりますので、事がこんがらかりますから、第二の問題についてはお答えをいただいてから重ねて御質問いたします。
#33
○井上政府委員 ちよつと誤解があるようですから申し上げておきます。かりに從來の封建的な土地制度が許されておつて、地代によつて地主が自己の生活を營む場合ならば、地代というものは相當引上げて生活をさせなければならぬという理論はなり立ちます。しかし土地改革を行つて、土地というものが從來の地代によつて他人の小作を搾取していくという建前ではなしに、あくまで土地の收穫を自己の生活の基礎にしていくという、農業經営の本質に立つて農家經營の本質がなり立つような建前にかえていく現在におきましては、地代というものは問題にすべきではないのであります。あなたの御議論になりました土地經營が、かりに一町なら一町ございます場合、一町單位にするならばその一町の耕作をやるならば大體農家經營としてはなり立つではないか、こういうところにわれわれは根據を置いているのである、だから地代としてこれを考えてみますならば、一段七十五圓の地代ではとても生活はできません。この場合はむちやくちやに安いので、理論でこれを批判されてはたまりせん。しかし今日農地改革を行つているこの考え方からお話を願いますならば、一町をうまく經營をいたしますならば、農家の經營は立つていきますから、その生活の根據を農地經營の新しい角度において考えてもらう。そうすると農家の經營はなり立つのですから、小作料の問題ではなしに、農家の經營を考えていただく、こういうように私は話を進めているのでありますから、その點はどうか誤解のないように。
#34
○寺島委員 次官のお話と私の話の照準が違うので、いつも私は質疑を止めてしまうのです。つまり社會通念として七十五圓では安いのだ。しかしこれは農地改革をやつていくので、農地改革上これを上げることは不合理だからやらないのだという消極的な考え方になるのですが、それはかくかくの理由によつてさような所論はなり立たないのではないか。これはやはり一般の物價體制に即應して上げるのが適當ではないかと私は考える。
#35
○井上政府委員 それは違うのです。田畑を貸して地代によつて生活しようという考え方から地代論が起つてくるので、私の言うのは、農業經營によつて生活をするという見地に立つているので、地代は問題にならぬのです。
#36
○寺島委員 健全なる農業經營によつて農家が生活をいたしていくという議論や、地代論のような一般論として次官にお伺いしておるのではない。今日の現状においてはたしかに安いと言われるならば、安いことをなぜ克服しないのだ、農家が健全經營をしさえすれば食えるのだ、土地をもつておるということすなわちこれは生活の對象にするのだという所論をもつて一片の議論をしているのではない。ここに誤解があるだろうと思う。私は一町の土地によつて手をこまねいて生活することを認めようというのではない。所有權のいわゆる正當なる報酬としての金額が安きに失するというあなたの言葉があるならば、一體なぜこれを是正しないか。是正しない理由として農地調整法ができ上つているからというのははずれているのではないか。はずれているならば、適當なる機會に適當なる方法によつてやるのだというお答えがなぜ願えないか。こういうわけです。
#37
○井上政府委員 それは私は一つの常識論としてお話申しただけであつて、本質的には私はさいぜん申した通りの意見でありますが、ただあなたがさいぜんのように、かきと比較してお話をされるから私は言うているのであつて、それは常識論の話です。しかし農業經營の上の地代論の問題は、今申し上げた通りでありますから、從つて私の本質的な意見としては、地代は上げる必要はないという意見をもつております。(「同感々々」と呼ぶ者あり)
#38
○寺島委員 同感という諸君の言葉があつたが、それぞれの農政の立場に立つのですから、しばらく聴いてもらいたい。私の發言中ですから。しからば井上次官にお尋ねしたいが、あなたはこの地上から小作人というものがなくなる農村を肯定し考えていられるのだと言われるが、地代を上げる必要はないのだということと同時に、あくまでこの日本から小作形態という土地所有形態による殘存的な非耕作的所有段別を認めないという所論は、すなわち自作農制度の徹底推進による農業經營という農政理論の立場に立つものなりや。またそうならずして、今日採算が合わないような状態に追いこんで、他日これを土地の國有形態にもつていき、日本のコルホーズ化した農業を企圖しているものでありますか。この點理論的に明細に御答辨願いたい。
#39
○井上政府委員 私はこの際土地國有をするとかせぬとかいうことは考えておりません。それからさいぜんも申し上げました通り、社會的通念の常識論としては、あなたがかきと地代と比較されての話でありますから、その場合は、たとえば米一升とコーヒー一杯とどつちが高いかと言えば、だれでも米一升とコーヒー一杯と比べてみれば問題にならぬ値なのでありますから、そういう理論からいけば當然米の値段はもつと高かるべきだというのが普通であります。ただわれわれが今日わが國の置かれている農業經營の實體から考えてみると場合に、お互に農業勞働による收穫によつて農家の給營をやつていこうということに農業經營の本質を見出すべきであつて、地代によつて農家の經營を考え、農家の生活を考えるときではない。私はこういう建前に立つておりますので、私としてはこのままで御辛抱願いたい、こう申しておるのでありますから、その點を御了承願いたいと思います。
    〔委員長退席、大島(義)委員長代理著席〕
決してあなたの御意見に根本的に反對しておるわけでございません。
#40
○寺島委員 私は農林委員會竝びに昨年の議會以來、地主擁護の立場の立つた所論はただの一遍もいたしていないのでありますが、そこをたいへん誤解されているのじやないかと思います。ただ、あなたは絶對に地代は上げるべからず、地代は上げないのだということが、いわゆる現内閣の農政方針としてさよう心得、承知して、われわれは今後現内閣を支持いたし、あるいは現内閣の農政を批判するという態度を明確にしてよろしいかどうか、事きわめて重大でありますから、あらためてお答え願いたい。
#41
○井上政府委員 私はそう固く考えておりません。ただ地代というものは、さいぜんも申します通り、いろいろな諸條件が變つてまいりまして、これはどうしても變更を加えなければならぬという新しい情勢が起りました場合には、それは當然變つてまいります。しかし今日のいろいろの諸情勢から考えました場合には、現行のままでよい、こう私は考えておるのでありまして、これは私一個の考え方かもわかりませんが、現にたとえて申しますと、家賃にいたしましても、あらゆる諸物價が暴騰いたしておりますが、あらゆる家賃が諸物價に並行して何十倍、何百倍にも上つておるかというと、おそらくわれわれの住んでおる家賃は、そんなに何十倍、何百倍というところまで上つておりません。ほとんど戦前の家賃がわずかに上つておるままで放任されておる現状でありまして、この實情から考えましても、これらのものはそう急激に變更を加えるべき筋合いでないと私は考えて申しておるのでありまして、あらゆる諸條件が變つてくるなら、またそれは新しい條件のもとにおいてきめるべきであることは當然であります。たた今日の場合私はこのままでひとつ御辛抱願いたい、こう考えております。
#42
○大島(義)委員長代理 寺島君にちよつと御相談いたしますが、あなたの言われるような御意見の、農地調整法と自作農創設特別措置法はまだ議題になつておらぬわけです。そこで、それを議題にしたときに御發言願いたいと思います。それから、今農林省の方から、明日地方長官會議で發表する關係で、生鮮食糧品の配給確保に關する緊急具體處置、こういうものの説明があるそうでありますから、會議はこれにて一應散會して、引續懇談會を開いて井上政務次官から説明を聴くことといたします。
 散會いたします。
   午後三時二十五分散會
ソース: 国立国会図書館
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