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1947/12/01 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第56号
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1947/12/01 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第56号

#1
第001回国会 農林委員会 第56号
昭和二十二年十二月一日(月曜日)
    午前十一時三十四分開議
 出席委員
   委員長 野溝  勝君
   理事 寺島隆太郎君 理事 岩本 信行君
   理事 森 幸太郎君 理事 萩原 壽雄君
   理事 北  二郎君
      佐竹 新市君    田中 健吉君
      野上 健次君    平工 喜市君
      細野三千雄君    松澤  一君
      水野 實郎君   小野瀬忠兵衞君
      小林 運美君    関根 久藏君
      圖司 安正君    寺本  齋君
      大石 倫治君    佐瀬 昌三君
      野原 正勝君    松野 頼三君
     的場金右衞門君    中村元治郎君
      山口 武秀君
 出席政府委員
        農林政務次官  井上 良次君
 委員外の出席者
        農林事務官   大和田啓氣君
        專門調査員   片山 徳次君
        專門調査員   岩隈  博君
   ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 農地調整法の一部を改正する法律案(内閣提
 出)第五九號)
 自作農創設特別措置法の一部を改正する法律案
 (内閣提出)(第八六號)
#2
○野溝委員長 會議を開きます。議題になつております農地調整法の一部を改正する法律案、自作農創設特別措置法の一部を改正する法律案の質疑にはいります。
#3
○野上委員 自作農創設特別措置法の一部改正法律案に對しては、制般の委員會において質問をいたし、同時に第十二條について一部修正の點を意見として申し述べておきましたが、これに關しましては大體ここに原案を得ましたので、ここいうふうに修正が願いたいと思うのであります。この點委員會におきまして採擇せらんことを希望いたします。
  修正要點としましては、第十二條第二項中地役權があるときは、」の下に「第十二條の第二項の場合を除いて」を加える。第十二條の二前 條第一項の規定により政府の取得した農地がその取得の當時電氣事業法による電氣事業者又は同法第三十條第二項の事業を營む者(以下電氣 事業者と總称する)の所有に属し、電線路(電線の支持物を除く。以下本條において同じ。)の施設の用に供されてゐるものであるときは、そ の取得の時に當該電氣事業者のために當該電線路の施設を目的として、當該電線路に近接する發電所、變電所、開閉所又は電線の支持物の用 地制當該電氣事業者の所有するものを要役地とし、當該農地を承役地とする地役權が設定されたものとみなす。
  前條第一項の規定により政府が取得した農地につきその取得の當時電氣事業者の施設のためにする賃借權、使用貸借による權利又は地上權 を有するときは、その取得の時に當該電氣事業者のために當該電線路の施設を目的として、當該電線路に近接する發電所、變電所、開閉所又 は電線の支持物の用地で當該電氣事業者の有するものを要役地とし、當該農地を承役地とする地役權が設定されたものとみなす。但し、その 地役權の存續期間は、從前の權利の殘存期間とする。前二項の地役權は、承役地の所有者が工作物の設備その他電線路の施設の妨げとなる行 為をしないことを内容とする。
  第一項又は第二項の規定により地役權が設定された場合において、その設定の當時その要役地が抵當權の目的である工場財團、鐵道財團又 は軌道財團に属してゐるときは、その地役權は、當該抵當權の目的となるものとする。
  第十二條第二項については以上のように修正をいたしたいと思う次第であります。
 なお附則の點におきまして「附則第六條を第七條とし、附則第五條として次の一條を加える」ことにいたしたいと存じます。
  「第五條この法律施行前に政府が第十六條(第二十九條第二項において準用する場合を含む。)又は第四十一條第一項の規定により賈渡し た土地については、第二十二條第一項但書の規定を適用する。」
 以上のごとく本委員會において修正案を採擇されんことを希望する次第であります。
#4
○野溝委員長 ただいま野上君からの動議になりまする自作農創設特別措置法の一部を改正する法律案の修正案を本委員會において提出することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○野溝委員長 それでは修正案を提案することに決定いたしました。質疑の通告がありますのでこれを許します。岩本信行君。
#6
○岩本委員 農地調整法の第十四條の五でありますが、一昨日質問をいたしまして原木に對する取扱い方をお尋ねしたときに、確たる答辯を得ておりますが、それ以外に十四條の五の「但シ政令ヲ以テ定ムル場合ニ於テ都道府縣知事ノ認可ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ在ラズ」この命令をもつて定むる場合という、それから都道府縣知事が認可するという、この範圍はどういうことになつておりますか。この點をひとつはつきりしてもらいたいと存じます。
#7
○大和田説明員 御説明いたします。ただいまの政令をもつて定むる場合というのは、たとえば開拓を行います場合に、換地が必要になる。そういう場合に換地としてぜひとも與えなければ開拓が進まないというような場合は豫想して、政令をもつて定むる場合というのは、そういう場合を政令で規定いたしたいと考えております。
#8
○岩本委員 ただいまの説明によりますと、換地の分も、法律によつてここを換地にするということを政令でもつて拘束できる。こういうふうに解釋するわけでありますかどうか。
#9
○大和田説明員 それは開拓をいたします場合に、實は現在自作農創設特別措置法においても、開拓の場合に土地を買收する場合には、換地を與えるという規定がありますが、この農地調整法の十四條の五で豫想いたしておりますことは、自作農創設特別措置法によらない、もつと何と言いましようか。法律によつてぎしぎし開拓をする場合以外のことを豫想いたしておるわけでありますが、そういう開拓をいたす場合に、換地としての薪炭林を與えませんと、開拓が進まないという事情がありますので、薪炭林をつぶして開拓をいたします場合は、原木を伐る權利も別に與えて設定をいたしたいというわけであります。
#10
○岩本委員 そうするとこの政令をもつて定むる場合というのは、開拓の換地に關する場合に限ると、こういうふうに解釋していいわけであるかどうか。
#11
○大和田説明員 主として開拓の場合の換地を考えておりますけれども、その場合だけに限るというふうには今のところ考えておりません。
#12
○岩本委員 主として開拓換地ということでありますが、しからば主とせざる場合、どういう場合があるかをちよつと御説明願いたい。
#13
○大和田説明員 それは具體的な場合になるわけでありますけれども、都道府縣知事が認可いたします場合は、これは行政の指導方針の問題でありますけれども、森林關係の課の意見も十分はいりますし、それから農業經營關係の課の意見も十分はいるわけであります。そこで都道府縣知事がそういうような森林關係の問題、それから農業經營上の問題、そういう問題を總合的ににらみ合わせまして認可をいたすわけでありますから、開拓の場合の換地ばかりではなしに、その地帯において、ぜひとも原木について利用權を設定いたすことが必要であるということ、それを森林の問題も農業經營の問題もにらみ合わせて知事が認可いたしますれば、それは利用權を設定することができる。そういうぐあいに開拓の場合は主として考えておるわけでありますけれども、開拓の場合ばかりではなしに、どうしても農業經營上利用權の設定をすることが必要であるという認定を知事がいたします場合は、これは利用權の設定ができる。そういうぐあいに考えております。
#14
○岩本委員 ただいまの答辯によりますと、ときによれば相當廣範圍に府縣知事の考えによつて認可することになりそうですが、その場合府縣知事が、山林等委員會とか何とかいうものがこれに附随いたしますが、それにかけて、あるいはそれの意見を聽いてやるということですか。あるいはその他の知事獨自においてこれを判斷して決定するものであるか。そうした取扱いの關係はどうなるかを明らかにしていただきたいと存じます。
#15
○大和田説明員 ただいまの問題で、まず市町村農地委員會が利用權設定についての承認をいたします場合は、森林組合その他關係方面の意見をよく聽くということに第一なつております。それからただいまの都道府縣知事の認可をいたします場合は、この場合には別に薪炭林等委員會の意見を聽くということになつておりませんけれども、もしも利用權の設定の仕方が一方的である、山の事情を考えないということでありますれば、それは所有者なりその他の關係方面から、都道府縣知事に對して異議の申立が訴願できるということになつております。そうしてこの訴願の裁決をいたします場合は、都道府縣知事は薪炭林等委員會に意見を聽いて、裁決をいたす。そういうことになつておりますので都道府縣知事が薪炭林等委員會の意向を無視して、一方的に認可を與えて、それでそのまま利用權を設定いたすということにはなつておりません。
#16
○岩本委員 これは不都合な決定があつた場合に訴願ができるということであるが、こういうふうに民主的に編成されまする以上は、訴願を目的にするのではありませんからして、認可をする以前に意見を聽くということに改める必要があると存ずるのでありますが、それより何よりも、こういう不安な點をただ政令をもつて定める場合において「都道府縣知事ノ認可ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ在ラズ」という件を削つた方がむしろはつきりしてよろしいと思いますが、そうでない場合とすれば、あとで訴願させるということでなく、せつかくできる薪炭林等委員會があるのでありますからその方の意見を徴するということを先にするというふうに改めたいと存じますが、當局はただいまの説明を固執せられるものであるか、もし固執するとすれば、私が申し上げるような民主的な方法に出でないという意味を御説明願いたいと存じます。
#17
○大和田説明員 ただいまの問題でもありますが、薪炭林等委員會と都道府縣知事の問題は、ここに書いておりますことといたしましては、都道府縣知事は原木についての利用權の設定をいたしますときに、薪炭林等委員會の意見を徴することにはなつておりませんけれども、薪炭林等の問題は新しい問題として、薪炭林等委員會の意向を十分知事において聽く必要がありますので、取扱いにおきましてはそういうことにいたしたい。ただいまの御意見のように、都道府縣知事が認可をいたします場合にも、その認可をいたす基準は當然通牒をもつて地方長官に指定して、森林との問題の調整をいたすつもりでありますけれども、都道府縣知事が認可をいたすときのその農林省通達の具體的な基準の設定といいますか、それは都道府縣知事が薪炭林等委員會とよく協議して定める。そういう取扱いにいたして御希望まようにいたしたいと考えております。
#18
○岩本委員 ただいま問題は一應それでおくといたしまして、山林所有者がたとえば落葉、下草にいたしましても、自分みずからが耕作をしておるという場合、田畑でいうなら七段歩は保有できるというような意味において、この所有者そのものの自家保有という面積は、およそどのくらいに考えておるか、たとえば二町歩の山林があつて、その山の所有者は一町歩の耕作をしておるというような場合に、その本人に落葉、下草を殘す面積をどのくらいに考えておるか、その點が一つ。及び落葉、下草の場合においては、その代價はおよそどういうふうに、たとえば田畑でいう場合は賃貸價格の四十倍、四十八倍というような問題がありますが、これに對する對價、殊に原木に對するところの對價の標定はどういうふうに考えておるかということをお尋ねいたします。
#19
○大和田説明員 薪炭林あるいは下草などの自家保有の問題でありますが、これは實は私たちが大分方々から資料をとりまして調べたのでありますけれども、土地によりまた木の種類によつて非常に違うわけであります。從つてこの點については、中央において一般的な基準を定めるようにはただいま考えておりません。具體的に都道府縣の薪炭林等委員會において、そういう基準を定めたらいいのではないかということを考えております。それから薪炭林下草あるいは原木の對價の問題でありますが、これは原木の問題と落葉下草の問題とは大分性質が違つていると考えております。それは原木の問題につきましては、薪その他についての公定價格があるわけでありますから、それは正確に公定價格によるというわけにはまいりませんが、原木の公定價格を當然参考にせざるを得ないわけであります。それから落葉、下草の問題は、これは大體慣行に從てその地帯できまつているわけでありますから、どのくらいというような基準を出さなくても、村において大體きまるのではないかと考えております。
#20
○岩本委員 價格の決定をその地方地方に任す。しかし法文上によると價格に對する裁定權というものは別段ないが、そうしますと山林所有者とその裁定とが調わないという場合の判決はどうするのか、その點が一つ、それから薪炭林といえば一應木林とかくぬぎ林とかいうことに常識上なるわけでありますが、松、すぎ等の山はこれは全然對象にしておらないのか、いわゆる冬木と稱する樹木はこの對象にはなつておらぬのかどうか、この點をお尋ねいたします。
#21
○大和田説明員 對價の問題は、この法律においてストツプ令あるいはその他の對價の基準を法律に規定しておりませんけれども、市町村農地委員會において對價の決定ができると考えております。それから松、すぎ等の問題でありますが、これは一般的にはもちろん松すぎの原木が薪炭林の對象として、利用權の設定の對象になるということは、常態においては私たちは考えられないだろうと思つております。
#22
○岩本委員 對價の設定について農地委員會ででき得ると思うということですが、それを農地委員会が決定できるというのは、どの條文の何條によつているか、それははつきりしていただきます。
#23
○大和田説明員 「十四條ノ四」を御覧を願いたいと思います。市町村農地委員會は裁定いたしますときに「裁定ニ於テハ左ノ事項ヲ定ムルコヲ要ス」ということがあります。それで裁定の内容といたしましては「一設定ヲ為スベキ使用權ノ内容及存續期間竝ニ當該權利ノ目的タル土地又ハ立木」二番目といたしまして「對價竝ニ其の支拂ノ方法及時期」と規定いたしてあります。
#24
○岩本委員 打切つておきます。
#25
○野溝委員長 他に御質疑はありませんか。―では質疑はこれをもつて打切りまして、次は本議題に對する討論にはいりたいと思います。各黨におきましてそれぞれ結論をもたれて、次期の委員會において討論されんことを願います。本日はこれにて散會いたします。
  午後零時一分散會
ソース: 国立国会図書館
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