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1947/07/08 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 水産委員会 第3号
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1947/07/08 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 水産委員会 第3号

#1
第001回国会 水産委員会 第3号
昭和二十二年七月八日(火曜日)
    午前十時三十七分開議
 出席委員
   委員長 青木清左ヱ門君
   理事 庄司 彦男君 理事 吉川 兼光君
   理事 馬越  晃君 理事 三好 竹勇君
   理事 夏堀源三郎君 理事 西村 久之君
   理事 加藤吉太夫君
      鈴木 善幸君    鈴木 雄二君
      藤原繁太郎君    松本 眞一君
      宇都宮則綱君    小澤專七郎君
      神山 榮一君    菊池  豐君
      本間 俊一君    内海 安吉君
      川村善八郎君    坂本  實君
      冨永格五郎君    森 幸太郎君
      多賀 安郎君    外崎千代吉君
 出席政府委員
        農林事務官   藤田  巖君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 水産廳設置問題に關する小委員選定
 魚類の價格及びその集荷配給機構に關する説明
 聽取
    ―――――――――――――
#2
○青木委員長 これより會議を開きます。お諮りいたしますが、水産廳設置の問題に關する協議のために小委員を選定いたしたいと思います。その選定方法はいかがいたしましようか。
#3
○庄司(彦)委員 小委員はこれを委員長において御指名されんことを望みます。
#4
○本間委員 小委員會でどういうことをするのですか。
#5
○青木委員長 水産廳設置に關しまして、その實現を促進し、場合によつては委員會において獨自の見解のもとに法案を立案したいと思います。
#6
○本間委員 そうすると、議員提出の法律案として水産廳を設置すべしという、法案なり、なんなりをつくるその下準備ですか。
#7
○青木委員長 そうです。
#8
○本間委員 議員の方で決議したり、法律案を出したりした場合、當局がこれに同意しなかつたときはどうなるのですか。
#9
○青木委員長 それは同意せん場合もあります。しかし國會としては獨自の方針で邁進すればよいと思います。
#10
○本間委員 しかし新しい國會法の關係では、それがどうなるか、尋ねたのです。
#11
○庄司(彦)委員 新しい國會法の委員會の性質によると、政府は法律案を提出し得るけれども、實際は委員會で決定したことを政府が實行するという建前になつている。いままでと逆になつている。だから當然こちらで案をきめて、これを政府がやれということになれば、政府はこれをしなければならぬのですから、獨自の案を立てて、政府に迫ることは當然であるという、現在の委員會に對する解釋をしている。
#12
○青木委員長 小委員會設置について御異議ありませんか。
#13
○青木委員長 御異議がないようであります。なお委員の數及委員の指名は委員長にお任せ願つてよろしうございますか。御異議ございませんか。
#14
○青木委員長 では指名いたします。
   庄司 彦男君  藤原繁太郎君
   小澤專七郎君  神山 榮一君
   石原 圓吉君  川村善八郎君
   外崎千代吉君
 以上七名を指名いたします。
    ―――――――――――――
#15
○青木委員長 政府に要求いたしますが、先般來本委員會から参考資料の提出を求めておりまするが、未だに提出がございません。審理を促進する關係上一日も早く提出されんことを望みます。なお本日は魚價の問題及び水産物の集配配給機構等に關して、政府の説明を聽き、これに關連して各位の御質問及び意見の御發表を願いたいと存じます。まず政府から御説明願いたいと思います。
#16
○藤田政府委員 御説明をいたします前に、ただいま委員長から資料の問題が出ましたのでございます。これは私の方で、現在資料をこちらの方で御要求のございます以外に、實は今度の白書の中に盛りこまれる水産關係の部分として用意をしておるものがございまして、それがあの今度の白書の中には非常に簡單になつて、載つておりませんので、それを整理いたしまして、提出いたしますために今印刷させております。その中にはこちらから御要求がございました内容も含んでおるものと考え、その印刷をきようのこの委員會に間に合わすつもりでございましたが、ちよつと印刷の都合で遲れまして、四時ごろにはできるそうでございます。でき次第こちらの方へ差出すことにいたしたいと思います。多分きようの四時ごろまでにはできるかと存じております。今度の委員會には配布できるのじやないか。さように考えておる次第でございます。どうぞ御了承願いたいと思います
#17
○鈴木(善)委員 政府に對する資料の提出を求めておるのでありますが、なおこの委員會としても、獨自の生きた資料を速やかに整備する必要があると思うのであります。政府のみの資料に基きますと、やはりその結論はとかく行政府とあまり變らない結論に到達するというような危險もございますので、各所の水産關係の團體あるいは會社、あるいはみずから漁村方面から生きた資料をとりまとめまして、そうして現實に即した法案の作製、施策の立案に資することが必要だ、こう考えますので、速やかに當委員會の專門調査委員の御指名を委員長において促進していただきまして、事務機構を整備し、資料等も十分に御整備願いますことを望みます。
#18
○青木委員長 ちよつとお答え申し上げますが、專門調査委員についてはただいま選考であります。なお委員會書記については、一名近日發令をみることに相なつております。
#19
○藤田政府委員 それでは私から現在の魚價の問題竝びに鮮魚及び水産加工品の配給の統制の問題について御説明を申し上げたいと存じます。鮮魚介の統制が實施を見ましたのは昭和十六年の四月であつたと考えております。鮮魚介はその性質から考えまして、非常に統制がむずかしく、また價格をきめることが困難であります。從つて一般のものよりも統制も價格も遲れて實施されたのであります。しかしながら戰時中非常に漁獲が減りました、一方需要が増加いたしてまいりましたので、どうしても統制をする必要を感じまして、十六年の四月にたしか統制が實施されたというふうに記憶いたしております。その後の状況を見ますると、戰爭遂行に伴なつて、資材、漁船、あるいは漁業從事者というふうな、各面が非常に窮屈になつてまいりました。從つてだんだんと漁獲が減つてまいつております。そうしてずつと最近になりまして――、昭和十六年には戰前の七〇%程度の生産でありましたものが、十九年には四六%、二十年には三八%、こういうふうに海の方面の漁獲高がだんだんと減つてきてまいつたのであります。それで終戰になりましてから水産に對して非常に厚意的な取扱いを受けました關係上、漁獲も逐次増加をいたしてまいりました。その當時、たしか二十年の十月に生鮮食料品の統制撤廢の問題がございました。統制を撤廢したのでございます。統制撤廢をいたしました結果は、いろいろの條件によつて、物價が昂騰してまいりました。その當時非常に高い値段を示したのであります。そうして一般の供給ということが困難になつてまいりましたが、二十一年の昨年の三月から再統制を實施してまいりました。そうしてちようどそのとき、連合軍の厚意によつていただきました燃油等主要資材のリンクによつて裏づけをしてまいつてきておつたのであります。その後一般の食糧事情も窮迫して、うまくまいりませんので、結局大消費地等の消費者に對する供給の確保ということに重點をおきまして、出荷配給の改善をはかることが必要になつてまいりましたために、昭和二十二年の四月十六日から鮮魚介の配給統制規則を制定いたしまして、現在これによつて確保をはかつておる次第でございます。そうしてその後新しい機構に應じまして鮮魚介の價格を改定する必要が生じまして、大體大消費地の御賣價格について考えますと、値上は大體平均五割、最高七割弱の引上げを行つたわけであります。これが現在の魚價の公定價格に相なつております。大體一級品の一番高いもので考えますと、大消費地の小賣業者の販賣統制價格が百匁當り七圓五十銭、かようなことに相なつておるわけであります。これはもちろん生産者の方面からは、從來ともに公定價格をもつと生産者の實情に即するように上げてもらいたいというふうな御要求がございまして、その當時――大體昨年の暮問題が起りました折は、當時の公定價格の二倍乃至三倍の引上げを是非必要とするというふうなことであつて、私どももできるだけ生産者の經費が償いますように、努力はしてまいつたのでありますけれども、一般物價その他の事情からいたしまして、結局決定いたしましたのは大體五割程度の増加ということに相なつております。その後も魚價の問題については、或る品種のものにつきましては若干の改善を加えてまいつております。しかしながら全體的の魚價の問題については、なおこの程度で抑えられておる状態であります。最近資材關係も相當値上りをみており、魚價の問題は依然として重要な問題になつております。私どもといたしましても、できるだけ魚價の問題については今度の政府の新しい物價體系、あのやり方に考えまして、これを合理的に他の物價とのにらみ合せを考えて、改善をしてまいりたいと思つております。しかしながらざつくばらんに申し上げますと、あの新しい物價體系として新聞で發表されましたものは、たしか昭和九、十一年の六十倍乃至六十五倍、それが全體の今度の新しい物價の水準であろうというふうになつておるわけであります。そこで魚の現在の公定價格が、昭和九、十一年當時の魚の値段と比べまして、どの程度のものであるかということが問題であるのであります。この點について私ども今詳細にいろいろと資料を集めております。私としては今はまだはつきり申し上げる程度までは至つておりませんが、いろいろと勘案をいたしてみますと、どうも昭和九、十一年當時の魚價の六十五倍ということで抑えるという建前でまいりますと、現在の公定價格を非常に引上げるというふうな理窟は、どうもその數字だけからはむつかしくなるのぢやないかというふうに私は考えております。この點はなお詳細な資料をまとめまして、なおその當時の魚價というものが非常に安かつたことであろうと思います。それからまた資材その他が非常に潤澤な場合と、非常に窮屈な場合とは、おのずからまた異なる考え方もしなければならぬ。さういうふうないろいろな資料をまとめまして、今後あたらしい價格をきめます際には、生産者關係の方々の事情をも十分に考慮いたしまして、これが適當に決定されるように進めてまいりたい。さように存じておるわけであります。
 それから鮮魚介及び加工水産物の配合統制のやり方であります。鮮魚介につきましては、これは既に先ほど申し上げましたように、四月十六日ごろから鮮魚介の配給規則を制定いたしまして、大體六月一日ごろから新しい規則によつて實施をいたしておりますことは御承知の通りであると存じます。これについては大體重要魚業根據地というものを、全國にたしか七十箇所くらいだつたと思いますが、考究して陸揚地といたしました。これは六大都市及び海無し縣に對する供給を確保するために、特に農林大臣がこれを指定する。その場所においては六大都市及び海無し縣に體する出荷計畫を立てて、出荷團體を公認いたしまして、そして資材リンクをしてまいりたい。そうして農林関係の駐在官が、必要に應じ根據地に駐在をいたしまして、それに資材の配給なり、出荷の圓滑なる實施をはかつていくというような建前で現在實施をしておるのであります。
 それから大きな消費地におきましては、複數の荷受機關をつくりまして、これは一定の資格要件を具えるものはこれを認めるという方針をもちまして、大體荷引き能力によつてこれを算定いたしまして、東京で申しますると、大體たしか六月一パイまでに六萬貫の荷引きをする力のあるものを認めるというようなことで認めてまいつておるのであります。そうして産地におきますところの公認の出荷機關と消費地におけるところの公認の荷受機關との間に、一定の計畫に從つて自由に荷引きをしていくというような面も現在考えておるのであります。
 それから末端の配給機構の問題でありますが、末端の配給機構につきましては、自由販賣店舗はこれはいろいろの弊害があるというような意見が強くなりましたので、これが廢止をすることに決定いたしました。その代わり自由登録によつて、消費者がその欲するところの店に登録をいたしまして、その登録店舗からもらう。そうしてこの登録店舗は三月に一囘ずつ更改をしてゆく。そして切り替えをしてまいるというような制度で現在實施をいたしております次第であります。實施をいたしました結果は、これは東京などの事情で申し上げますと、相當入荷はよくなつておいつております。しかしながらこれは漁期であります關係が一つ、それからもう一つは六大都市その他の方面に對する資材の、特に燃油のリンク率が非常によくなつております關係上、そういうふうに施策をいたしております關係上、現在のところでは六大都市の方へ重點的に流れてきているのじやあるまいかと考えております。從つてその反面におきまして、どうせ全體の魚が少いのでありますからして、地方的には非常に魚が不足で困るという聲も聞いておる次第であります。こういうふうな問題につきましては、今後この新しい規則を實施運用するにつきまして、できるだけ改善を加えまして、あまりに不公平にならぬようにやつてまいりたい。さように考えております。
 加工水産物の問題でございますが、加工水産物については現在統制はやつているのでありまするけれども、現状は全然行われておらないと同じような状態に相なつております。從つて今度經濟緊急對策に基く食糧緊急對策の一環といたしまして、加工水産物の増配を試みるというふうな施策を伴いました機會に、重要加工水産物についても鮮魚介と同じように、必要なものについては統制を進めてまいるというふうに考えております。その内容を簡單に御説明申し上げますと、加工水産物につきましては、臨時物資需給調整法に基きまして、加工水産物配給規則を制定いたしまして、特に統制を必要とする品種についてこれを統制してまいろうと考えておるのであります。大體私どもとして現在統制を續けてまいりたいと考えておる品種は、いか製品、いわし製品、にしん製品、たら製品、こんぶ、食用魚粉、燒ちくわ、冷凍水産物、かんてん及びかんてん原草、大體この九つの品種であります。加工水産物の配給については、生産配給の現状から考えまして、鮮魚介の配給統制上これと並行して統制を必要とするもの、及び輸出水産物として出荷を確保しなければならなぬもの、こういうものに重點をおいて統制を實施したいと考えております。これはたしかこの前の委員會で御説明したように記憶いたしておりますので、重複を避ける意味から省略さしていただきます。なお皆さんの御質疑に對してお答えいたしたいと思います。
#20
○青木委員長 通告の順序によりまして發言を許可いたします。庄司彦男君。
#21
○庄司(彦)委員 ちよつと簡單に四つばかりお伺いしたいのですが、漁獲物の増産については資材とか油の關係がありますが、これは前に局長の御説明で大體了解しました。ただ私の憂うるところは、水産物の方針として非常に影響するということを考えますときに、當局の今までの規制は、ほとんど取締りという觀念を一掃して、新しい觀點から再出發していただきたいことを私は要望するのです。たとえてみると、田舎でちようど田植えどきなんかになりますと、田植えさばといつて鹽さばを非常に要求するところが多い。そうした場合に現在の統制規則だとか、縣の統制というようなものが非常に障害を來して、重點配給というようなものができない場合がある。こういうときに本省でとつておる統制規則に非常なギヤツプがあるときがあります。そこでひとつこうした點に相當な幅をもたしていただくというような方法で考えていただきたい。この點についての御説明を承りたい。それからもう一つは、今六大都市の食糧危機の場合に、魚の非常に多くとれるところにたくさんの供出割當がしてあるのであります。ところが北海道の方にも何箇月かの割當がしてあるのに、夏季における三箇月の漁獲禁止ということは、供出に非常に影響するという陳情、實は先だつてありました。だが前に局長に聽きますと、現在の冷凍倉庫が一ぱいであるから、それを吐き出してからでないといけないということをお答えになつたようでありますが、これについて冷凍船をもう少し殖やすとか、あるいはこれを配給するのにもつと積極的な努力をしていただくというこの冷凍船對策の問題、それから次に魚の餘つたときに、これをむしろ保存する、また將來の日本の食糧の質をかえる點からフイツシユ・ミール、いわゆる魚粉、日本の今の魚粉はやり方が非常に悪くて、あるいはリンクに忙しいためか、すぐ油が乘るようでたいへん惡いのですが、アメリカのものを見ますと、ホワイト・フイツシユ・ミールというようなものが非常に立派にできておつて、いつでもすぐ使えるようなのをたくさん見ますが、こうした點に非常に獎勵なり、あるいは指導なりをしていただくお考えはないかということと、第四番目に、これは私も直接聽きもし、またぶつかつている問題ですが、網の問題であります。今までは網の製造はほとんどニ、三箇所に集中されておる。ところが配給の時に希望の網目のものが配給されないという場合が多かつた。それで業者の方からの希望では、資材を配給してくれ、麻を何貫配給してくれ、そうしたら自分の方で漁網製造業者への何寸のものをつくつてくれ、何分のものをつくつてくれという注文ができる。網そのものよりも資材を配給してくれる意思がないかどうか。それで漁網などというものは地方々々により、また漁業法によつて相當種類が違うものですから、少くとも日本に五、六箇所、ブロツク的に網の製造業者をわける御意思がないかどうか。これは商工省の關係もあるでしようけれども、來るべき水産廳ができたときにそうした御用意があるかどうか。この四點について關單に御説明願えれば結構です。
#22
○藤田政府委員 取締りの問題について幅をもたせてやつたらどうかということでありますが、取締りに幅をもたせるということは、實際問題としてなかなかむずかしい問題が多いのであります。從つてこの解釋によつてはまた非常に亂れることにもなるわけであります。その實際のやり方については、相當取締りをやります以上は、やはり畫一的にやつていかなければ實效が期せられないじやないか。かように考えております。しかしながら實際問題といたしまして、たとえば農村方面では鹽干魚が非常に必要なのでありまして、從來そういうようなものが流れませんでした原因は、水産加工品に對する統制が實はできていなかつた。それが自由に物交その他で流れてしまつておつたということに原因があるのじやないかと思うのであります。われわれとしては、むしろ水産加工品を確實に把握する方面を考えております。そして必要によつて正規な出荷團體から、あるいは地元の農業會方面に直接のわくを與えて出荷するようにする。從來の一元的な統制方式を改めて、複數によつてもう少し改善をしてゆくということによつて、その點はもつとうまくいくのじやないかというふうに考えておるのであります。そういう方向に私どもとしては考えてまいりたいと思つております。
 それから食糧増産の必要なこの際、北海道の底引につきまして、七月、八月が漁獲禁止になつておるという問題、これについて、もつととらせて冷凍船の對策を講じてはどうかというお話でございます。これについては私どもも十分研究を今いたしておりますが、日本で現在われわれが使い得る冷凍船はきわめてわずかであります。現在計畫をいたしておりますのも、日冷と大洋漁業の船しか冷凍船というものはございません。從つてそれを基礎にして對策を立てておるのでありますが、やはり北海道の方面から、現實に夏場腐らないように、それが東京に來ました場合に、確實に食糧として配給できるような形でもつて來るということは、今までの研究ではなかなかむずかしいと考えております。差當たり北海道には一萬トンの冷凍品がちやんとあるわけでありまして、それがはけませんために、あとの物が冷凍できない状態なのであります。われわれとしてはその一萬トンの冷凍品がをこの冷凍船によつて、あるいは貨車によつて東京までもつて來るということがすでに大きな計畫ではないだろうかと考えております。やはりこれに重點をおいて考えた方が具體的ではないだろうかと思つております。なおこれが完全に行く見透しのつきました暁に、さらに冷凍船についての繰り廻しができますれば、この北海道の漁期の問題、解除の問題もこれは考えてみよう、かように思つておる次第であります。
 それから魚粉の獎勵でございますが、これは私どもといたしましても極力將勵はいたしております。しかしながら端的に申しますと、むしろ現在の魚粉製造工場の能率なり、あるいは製品というものがあまりよくはございません。でありますからして魚粉の品質の改良ということを積極的に進めていく事の方が急務じやないか。その方面に力を注いでまいりたい。かように考えておるわけであります。
 それから網の問題でございますが、これを資材のままで配給をしてもらつて、漁獲者がそれを自分の欲する工場にもつていつて、欲する網に仕立てる。こういうやり方ができないかということであります。これは原綿ではむずかしいと思います。輸送もむずかしいと思いますが、原絲でやることができないかということは私どもも考えたのであります。私どもとしては、むしろ原絲を漁獲者に割當てて、漁獲者が自分の欲する製網工場へもつて行つてそれを仕立ててもらうという方式を原則としてはとつたのであります。これは所轄官廳であります商工省といろいろお話合いをいたしておりました結果として、やはり現在の漁網工場の能率をも見合わせなければならんということから、一方原絲として漁業者に割當てる。また一方商工省は從來の製造の能率その他を勘案いたしまして、それによつて製造計畫をして、各製網工場へ割當てる量がマツチしたところで話をつけていく、こういうふうな仕組に現在相なつております。實際問題といたしてましては、原料と能率の點について食い違いを來しておるところも相當あるわけでありますから、そういう方面の調整をいたしまして、できるだけ――製網工場の能率が非常に惡くて、そのために折角確保された原絲が網にならないということのないように、今後やつていきたいと思つております。それから製網工場は、戰災によりましてお話の通り相當少くなつております。昨年一應豫定されました八萬梱を生産いたします工場の能率としては、おそらく半分程度でございます。その後は私どもといたしましては、できるだけ製網工場の能率を殖やすような考え方をいたしまして、商工省とも相談をいたしまして、新しい工場も認めております。從來はお話のように、製網工場は特殊な地帯にかたまつておつたのであります。これを製網工場のございません新しい方面にも計畫のございますものには、できるだけ認めてまいりたい。これは現在商工省と打合せをいたしまして、相當程度認めております。現在認めておりますのが全部完成いたしますれば、大體六万梱程度は處理できる。從つて現在の製網工場の能率はたしか倍ぐらいになる。さういたしますれば大體漁網の需要量を滿たすだけの原料は捌けるというような見當に相なつております。この點は私どもといたしまして十分製網工場を分散的に配置いたしまして、能率を上げることについては考慮してまいりたいと考えております。
#23
○青木委員長 資材の問題につきましては明日次の會にまた取り上げていきたいと思いますから、あらかじめ委員長が申し上げました命題の範團内において、本日は御議論をお願いしたいと思います。
#24
○庄司(彦)委員 ただ字句を直す程度の質問です。坐つたままやりますが、現品をもらうというのではなくて、現品の切符だけでいいのです。そうしてその工場へやるというような方法をとつてもらえればそれでよろしい。こういうのと、それからあらかじめ工場にやつて來た場合、それに對する原料の支給は今簡單に行われておるのでありますか、工場が新しくできた場合、これに對する原料の割當というものは、そうむずかしくなくやられておるわけですか。
#25
○藤田政府委員 初めの點は私ども同じように、物を動かすのではなく、切符を漁業者に渡しまして、その漁業者はその切符を自分の欲する工場へもつていつて、網に仕立ててもらう。こういうことを私どもとしては要求をしたわけであります。それに對して商工省の御意見は、さういたしますと製網工場の能率とマツチしないところができてくる。たとえば一つの工場へたくさん注文が集まる場合がある。あるいは注文のないところは全然來ないようなことになつて、それではかえつて生産計畫が阻害されるからということで、一方製網工場の能率からもある程度割當てておかなければならないという話が出まして、結局そういうふうに兩方とも割當をもつておる。そのお互いの割當が合つたところで初めて仕事ができる。こういう仕組に最後はなつておるわけであります。
 それからもう一つは、新しい工場に對する資材の割當でございます。これも私どもといたしましては、現在割當てられております資材というものは非常に窮屈でございます。これでは足りないと考えております。從つてこの資材をもつとたくさんとらなければならぬと考えます。實際問題といたしましては、新しい工場への割當というものも考えておりますけれども、やはり既存の工場が相當の設備をもつて、簡單に動くことになつております。一應既存の工場に對する割當をいたしまして、そうしてその既存の工場の中で能率が惡くて、割當てられたところの原絲を完全に網に生産できなかつた。そういうふうな
實績を考慮しまして、次の割當の折からはどんどんこれを削つていく。つまり實績によつてどんどん削つていくというふうなやり方にいたしまして、そうしてできるだけ私どもといたしましては、そういつた機會に新しい工場への割當も殖やしていきたい。そういうふうなことで考えておるわけであります。
#26
○青木委員長 西村久之君。
#27
○西村(久)委員 簡單に一、ニ點御質問申し上げてみたいと思います。
 先ほど局長からのお話によりますと、魚價の訂正はすこぶる困難かのお話があつたように思われるのでございますが、私は今日物價廳において物價を發表し、政府において米價を上げられ、鐵道の運賃等を上げられて、同時に基準賃率と申しますか賃錢等の値上げをおやりになるといふことになれば、當然これにならいまして漁獲物の價格を二倍ないし三倍程度に引上げなければ漁業者は立ちゆかないのではないかということを憂慮いだすものであります。從いましてこれに對しましては、水産當局者といたしましても、漁師の諸君が増産をし、適正なる價格によりまして仕事のできる程度には、魚價の修正に努力を願わなければならないのではないかと實は考えておるのであります。多量生産をいたしまするところの資本事業と申しますか、そういうふうな仕事に從事される方は、魚價は少々安くても、量においてこなせるから收支は相立つてまいるのであります。しかしながら國家的に考えまして、全國の漁師は、大體におきましてさほど多量生産を目的とした漁業者は少いのであります。大衆が少量の漁獲をもちまして生計を營まんとする際に、諸掛が殖えてまいり、反面魚價は引上がらないということになりますると、結局生産意欲を阻害して減産を來たすおそれがありますので、この點につきまして水産當局の御意見を伺つてみたいと思います。
#28
○藤田政府委員 魚價の問題については、まことに御指摘の通りに、現在の公定價格はその生産費を償うことができないために、非常に困つておる事情のあることは私も承知をいたしております。できるだけこれを改善するように、私どもも努力をいたしてまいりたいと思つております。ただ一つ問題がございますのは、お話のように漁業の業態によりますと、ごくわずかしかとれないというふうな業態のものがあるわけであります。殊にそのとれました魚は、大衆的にはこれを一般國民に配給することができない。こういうふうな特殊な、いわぼ高級的な魚もあるわけであります。そういうのを生産費の償いますように原價計算をして魚價をきめるということになりますと、これは相當上げないと成立たないということに相なるのであります。そういうところまではたしてきめるかどうかということについては、多少やはり疑問だろうと思います。やはり魚價というものは、一般に國民の口にはいるような魚について、配給的に、計畫的に、これを重點的に考えていくというような施策をどうしてもとらなければならぬのではなかろうかというふうに考えておる次第であります。
#29
○西村(久)委員 魚價の問題につきましては、増産意欲すなわち今日の食糧危機突破に寄與甚大なる水産物の漁獲増進に支障のないように、萬全の策を講じていただきたいことをお願い申し上げます。
 次は集出荷割當について一言お尋ねいたしまするが、今日本省中心に集出荷の割當の押しつけがあるのでございますが、これにゆとりをつけまして、各府縣、地方長官にある程度の權限をもたせていただくことが、集出荷上これを末端に配ります上について、國内に公平にゆくような感じがするのであります。この點に對しまして當局はいかなる御見解でありますか、お尋ね申し上げます。
#30
○藤田政府委員 現在農林省でいわゆる出荷の割當をいたしておりますのは、六大都市と海なし縣だけであります。從つて六大都市と海なし縣の割當というものは、現在のところではひと月に大體九百萬貫程度のものであります。これを年にいたしましても一億萬貫足らずであります。日本の全體の生産高は、昭和二十一年の統計に現れたものだけを考えましてもたしか四億萬貫で、實際私どもの感じておりますものは、昭和二十一年度は大體七億五千萬貫ぐらいとれたのだろうと思います。われわれがやつておりますのはそのうちの大體一億萬貫についての統制をしておるのでありまして、それ以外のものについては、これは現實問題として地方廳にお任せをしておるようなわけであります。從つて地方廳が、この甲級陸揚以外のものについての資材のリンクそのほかの手をお打ちいただきまして、そうしてそれ以外の出荷についてこれをきちんと統制をしていただくことは、私どもといたしましても常々お願いをしておるわけであります。やはりこういう問題については今後とも地方廳でひとつ積極的にやつていただきたい。かように考えております。
#31
○西村(久)委員 資材のリンク制によりまして集荷をはかられるということは結構なことであると思うのであります。私は資材というものは重點配給いたしまして、そうしてその配給いたしました關係のものに對してましては、強力なる統制をもつて出荷を強要する。しこうしてこれをマル公價格によつて消費者へ配給するという制度をとらなければ、今日横行しておるやみは斷じて除けないのじやないかと實は考えておるのであります。今日の資材の配給状況は、いずれの業者もやみの品物を手に入れなければ、漁業ができないという實情に置かれているのであります。まことに遺憾にたえないのであります。これを重點的に配給制度を變えていくということが、今日は最も必要じやなかろうかと存じておるのでございます。この資材はリンク制に對しまして、過日局長にはちよつとお尋ね申し上げまして、異なつた意見を伺つたと存ずるのでございまするが、この六大都市に魚を集めまするために油のリンク制の量が違うのであります。私は集荷をする上についての油の量につきましては、國内平等でなければならないものである、かように考えるのであります。從いまして六大都市に魚を六百貫もつてくれば、油を一トンはもらえる。その他の都市には八百貫をもつていかなければ一トンの油がもらえない、こういうふうな不均衡なやり方は是正すべきでなかろうか、かように考えるものであります。六大都市に魚が少いがゆえに、魚を集めるための施策としておやりになるのならば、別個の方法でおやりになるのが妥當のような感じをもつのであります。今日そういうふうなやり方をやつておられるのでありまするが、これを適當な時期に、なるたけ早く是正する考えはないかどうか、この點をお伺い申し上げたいのであります。
#32
○藤田政府委員 お話の通りに、出荷する先によつてリンク率を違えるということは、これはやり方といたしますればむしろ常道ではないと考えます。できますれば重要根據地の魚が統制され、完全に出荷計畫が立てられまするならば、それに從つて生産者が出しました場合は、どこへ行く魚であろうと、リンク率は同じでやつていくということの方が正當な方法であろうかと思うのでありますが、しかしながら現状を考えてみますると、重要根據地に揚がりました魚というものが、そんなにはつきりとなかなか統制することもむずかしいということが一つ、それから現實の問題として、同じリンク率でやります場合は非常に條件が惡い。六大都市へは魚がはいつてこない。こういうふうな現象がどうしても起つてくるのであります。われわれといたしましては實はほかに手がないのであります。價格についてもこれを區別することは、これもまたいろいろの弊害を伴うわけであります。實は手がございませんので、こういうふうにリンク率の異なることによつて六大都市への入荷を促進するというふうに考えておるわけであります。もちろん何かほかにいい手があり、またいき方としては計畫がはつきり立つておるというふうな方向に指導ができて、きちんとまいります場合は、もちろんこういうふうなリンク率を違えるというようなやり方をとらずにまいろうかとも考えております。現状においてはなかなかほかにいい手がないというために、こういうふうな手をやむを得ずとつておるのだということを御了承願いたいのであります。
#33
○西村(久)委員 先ほどもちよつと申し上げました、漁業用の資材を重點配給して、その配給いたしました關係の漁業者の漁獲したものを、政府においては統制において出荷の指圖をなされておる。そういう今日までやり來つたような出荷の指圖をなされては、一方高いやみ品を仕入れて營業をしておる漁民の手もとでは、高い經費をようしておる關係上やむをえず、横流しをしなければ算盤がもてない。こういう實際の状況になつておるものだと深く信じております。從つて漁獲した魚を一方的に強い統制力によつて出荷を強要することは憲法の趣意にも副わないのであります。國は漁民に出荷を要求する以上、漁民に仕事のできる漁具、漁材を適正に配給いたしまして、まず義務を果して權利の主張ができるのではないかと思います。この點と憲法との關係について當局の御意見を伺いたいと思います。
#34
○藤田政府委員 もちろん正規なルートで公定價格で出させます以上、それに必要な資材はできるだけ公定價格で渡していくことが、やはり政策として根本的にとらるべきものだと私どもは考えております。そういう考え方で裏づけ資材についても確保に努めておりますが、現實の問題として、割當あるいは輸入の關係で必要な資材がわれわれの方には割當てられていないのであります。從つて中には現在の公定價格ではどうしても引合わないものもあろうかと存じます。しかしながらその程度は漁業漁業によつて區々であろうと思いますから、これはむつかしい憲法論で、これが憲法に反するかどうかということは別として、われわれとしてはやみをして高い資材を買つて無理するようなことのないように、できるだけ資材を裏づけさしていく。また一方魚價の點についても成立つように考えていく。そういうふうにして生産者自體についても、一時言われておりましたように、漁村は非常に景氣がいい、インフレである。これは必ずしも私どもはあたつていない、局部的な現象だといつていろいろ説明はしておるのでありますが、一部にはそういうふうな意見も出ております。また漁夫のとつておる賃金などを考えてみますと、相當多い賃金をとつておる漁業者もあるようであります。そういうふうな人たちについては、こういうふうな人たちについては、こういうふうに全體の者が窮乏をして、皆不滿足ながらやつておるわけでありますから、そういう點についてはできるだけ自制をしていただきまして、一般的の物價水準をできるだけ低めて、國民が一定の報酬によつて暮らし得るように努力していかなければならぬ。これはやはりもちろんわれわれの側においても努力をしなければならぬことが多分にある。一方漁業者の方も、心構えとしてもできる程度のことは我慢をしていただいて、この危機を切り抜けて行かなければならぬと考えておるわけであります。
#35
○西村(久)委員 私の質問はこの程度にして本日はやめることにいたします。
#36
○青木委員長 鈴木善幸君。
#37
○鈴木(善)委員 數點にわたりまして集荷及び配給統制の問題について御質問したいと思います。まず水産物について國家としての需給計畫をお立てになつておるのかどうかという點であります。先般の委員會で局長から五箇年計畫をもつて十億貫の生産を達成するように進みたいという御意見の開陳があつた。その十億貫は、食糧として現在の日本の内地入口に對して、一日いくらずつの魚肉蛋白を配給される御計畫に基いて、食糧としていくらを豫定しておられる計畫であるか。さらに油脂工業の原料としてどれだけのものを見ておられるか、あるいは有機肥料としての魚粕あるいは飼料、それらとしてどれだけを見ておるか。さらに水産の輸出貿易品としてどれだけのものを豫定しておられるか。要するに食糧及び工業原料あるいは肥料、飼料並びに輸出貿易、これらを總合的に勘案されておられると思うのでありますが、それに基く需給推算をお立てになつて進むことが必要ではないか、こう考えております。先般發表になられた十億貫目標の根據をお尋ねしたい。
 それから第ニ點は魚價の問題でありますが、魚價は一般物價とのつり合いのみを考えずに、漁業經營の實態調査に基いて、生産をまじめにやる者が成り立つような價格にしていただきたい。この點は現在資材が正常ルートで配給されておりますものは、多いもので五割ないし七割、少いものに至りましては一割に達しないという状況であります。しかもこれが戰爭以來の重點漁業優先というような建前から、資本漁業部面に非常に偏重されておつた傾向がなきにしもあらずと考えます。從いまして現在沿岸の零細漁民は、資材の面の裏づけが非常に貧弱であるというようなことから、ほとんど經營は危殆に瀕しているという實情であります。從いまして一般物價のつり合いと同時に、漁業經營の實態調査に基いた、經營の成り立つような魚價の適正化をはかつていただきたいという點であります。それからさらに魚價の問題につきましては、漁業は工場生産ともちろん違うのでありまして、恒久性がない。相當の資材を伴つて出漁しましても、ほとんどから漁にひとしい場合もある。あるいは長期にわたつて不良が續くというようなこともあるのであります。これらを從來の價格操作に見られますように、一定のマル公で釘づけにしてまいるということは、生産の實情に即應しないということであります。從いまして、統制を強化し、價格を堅持いたしますことはもちろんでありまするけれども、生産の實情に即應して彈力性、機動性をもたせるように、價格操作において考慮を拂う餘地がないかどうか、この點であります。この價格に彈力性をもたせるという點は、生産の實情を最もよく知つております漁民の代表、あるいは消費者の面からの要請もございますから、消費者の代表、それらによつて構成された民主的な諮問委員會等にかけて、價格の機動的な、生産消費の實情に即する彈力性のある運用をする御用意がないかどうかという點であります。
 それから新しい鮮魚の統制におきまして、荷受機關が非常に濫立いたしております。局長の御説明によりますと、今囘の措置によりまして出荷が増強され、配給の確保ができるようになりつつあるというお話でありますが、現在の東京都におきましても、二十三、四の荷受機關が濫立いたしております。しかも三分の手數料で荷受の競爭をいたしております關係から、相當の犠牲を拂つている。つまり荷受機關の犠牲の上に今日の都市の集荷が行われているということであります。あるいはその實績を超過したものを、他の實績に達しないものに、實績をある價格で分けてやるというようなことも行われているやに聞いているのであります。こういう無理が必ずや今後集荷の面、あるいは配給の面の上に現れてくることをわれわれは非常に憂慮いたすのでありまして、その現状を十分御調査になつておられるかどうか將來これに對する對策――當然起るであろう現在の犠牲を補う為の荷受機關等の今後の商略的な出方に對して、いかなる對策をもつておられるかということを聽きたい。
 次に出荷地におきましては、甲級指定地と乙級指定地に分けてやつているのでありますが、甲級の方はおおむね六大都市に出荷をして、それに對して先ほど西村委員からお話がありましたように、いつもリンクをなさつておられるのでありますが、甲級陸揚地はおおむね大漁港であり、從つて大きな漁業、資本的な漁業携帯の漁業會社、漁業者が主として集まる所であります。乙地の方はきわめて零細な沿岸漁民の陸揚地であるということが、大體において見られると思うのであります。先ほども申し上げましたように、從來から重點漁業優先と稱し、あるいは甲地として指定をして、六大都市にみなこれを確保すると稱し、多く資本的機關、大規模漁業に厚くして、零細、働く漁民に對して薄いという傾向があつたように見受けられるのであります。從いましてこれらの一面がどうしても生活のためのルートに魚が乘らないというような批判もそこに生れてくるのであります。また乙級指定地の出荷機關が、ぜひ六大都市等に出したいということで、甲級に指定の繰上げを要望する向きも非常に多い。これらを考えられまして、今後乙級の陸揚地であろうと六大都市、海なし縣に出荷するものに對しては、甲地のものと同じように取扱い、資材も産地においてこれを現物化ができるような措置を講じられてはどうかという點につきまして、御質問したいと思います。
#38
○藤田政府委員 この前の委員會でいろいろお話をいたしました水産基本計畫の内容についての御質問でございますが、これは大體この前も申し上げましたように、今後五箇年後におきまして、昭和五年ないし十一年の水準まで生産を復興させる。從つて昭和二十六年度において漁獲類の十五億貫生産を確保する、こういうふうな目標を立てているわけであります。これの計畫を達成いたしますためには、資材の點におきましても、あるいは魚區の點におきましても、このほかの設備の關係におきましても、なおいろいろ計畫を立てて進めて行かなければならぬと思つております。そうしてこれはまだ實ははつきり私どもの方でも決定するまでには至つておりませんので、お含みの上お聽取りいただきたいと思うのでありますが。大體十五億貫のうち食糧にまわすものを十二億貫と考えております。この十二億貫が食糧にまわります場合には、一人當りの蛋白質といたしまして大體一一・四グラム供給できるというふうに考えております。これは計算のしかたでいろいろ出てくるのであります。もつと多くも出てくるのでありますが、ごく嚴格に解釋いたしまして、それぞれのものについての歩留りを嚴重にみまして、内輪に見積りますと大體一人當り蛋白質一一・四グラムくらいになるわけであります。そうしてそれ以外のものを輸出向の原料でありますとか、當然どうしても起こつてくる肥料、飼料というふうに考えております。そうしてこの十二億貫の食糧のうち鮮魚で食べられるものはわれわれの從來の常識としては大體三億貫と見ております。常識としてはずつと長く見ましても大體百萬トン程度が鮮魚で食われておるのであります。三億貫程度が鮮魚として供出され、あとのものはこれを加工するというふうな建て方からいたしまして、今いろいろの案を考えておるわけであります。なおこれはまだはつきりきまつておりませんので、漸次固めますので、またいろいろ御意見を伺いたいと考えておるわけであります。それから價格について漁業經營の實態調査をして、まじめに生産をする者がなり立つような値段にする、これは當然であろうと考えております。ただ私どもの方で一番困難を感じておりますのは、原價計算のむずかしさであります。同じ種類の魚をとるにいたしましても、それをとる業態がいろいろでございます。從つて原價計算をいたします場合、たとえば同じ魚類にいたしましても、底引きでとります場合と、それ以外の漁機漁法でとります場合の原價計算はおのずから違つてくる。さような點からいたしまして、全體の調和いたした原價計算というものはなかなか數字としてはとれない、そこに非常な惱みがあるわけであります。しかしわれわれとしてはできるだけの資料を集めてまいり、そうしてその基礎の上に立つて要求をしてまいりたい、かように考えております。しかしながら根本的な方向といたしましては、先ほど申しましたように、きわめて零細なる漁業形態というものを存續せしめるような考え方でいくのか。むしろ日本の將來の漁業としては、それをもう少し能率的に考えて、もつと生産性を高める方向に指導していく。魚價の方針についても、そういうようなものについてはこれはやむを得ない。むしろ經營の改善なり、漁獲能率の向上ということを考慮をして、採算のなり立つように指導してまいる。こういうような方向にもつていくのか、そこのところは大いに問題である。私としては最後に申し上げましたような方向にもつていかなければならぬのであつて、日本の零細な漁業の現在の姿のままでいつまでも残していくような政策は、政策としてはいかがなものであろうかと考えているわけであります。
 それから價格に彈力性をもたせる問題、あるいはまた價格の決定にあたりまして、十分生産者その他の意向を聽くために委員會に諮問をする問題であります。價格に彈力性をもたせる問題についてはいろいろ研究いたしたいのでありますが、なかなかむずかしい點もございますので、現在まだこれを實施するところまでいつておりません。それから委員會に諮問をしてきめるというこのやり方は、私は適當であろうと思つております從來こういうやり方できめておりましたのを、物價廳ができます當時、豫算その他の關係でこういう費用が全部落ちてしまつたために、現在は物價廳で各關係官廳關係者の意向を聽いてやつておられるわけであります。將來の問題としてはこういう制度を復活していくことの方が合理的ではないか。私どもといたしましては、できるだけこういう方面に復活していくべきじやないだろうかと考えております。
 それから荷受機關が非常に亂立をしている問題であります。これはなかなかむずかしい問題でありまして、單一であればあるだけに弊害もできる。複數であればあるだけにまたその弊害もできる。それぞれのものについては利害得失いずれもあろうかと考えております。どういう制度をとりましても、おのずからその反面として長所もございますれば、弊害の點も出てまいる。これはある程度まではやむを得ないと私どもは考えております。しかし荷受機關が現在非常に亂立して、實績を賣買いするということも私どもは聞いております。やはり方向といたしましては、正規の手數料で經營できるように無理をしないでやつていき、しかもできるだけ健全に競爭のできるような形態に、將來としてはこれを指導をしてまいらなければならない。しかしながら現在といたしましては、複數制をとり出した初歩でありますので、しばらくの間は私どもとしてはもう少し模様を見てみたい、かように考えておるわけであります。
 それから資本的な企業にリンクその他が厚く、零細漁業に非常に薄くなつておるということであります。これは事實そういうふうになつておるだらうと考えます。と申しますのは、大衆的にとれる魚は計畫的に消費地へもつてこられるというのでありますから、從つてそういうことに向く漁業というものは、やはりある程度の何と申しますか、基本的な企業でなければ向かないのであります。從つてどうしても大衆方面にできるだけ安い魚を計畫的に配給するということに政策の重點がおかれて、リンクをやつております關係上、どうしてもそういうふうな問題については、零細の漁業方面がリンクについて薄くなる。これは私はある程度やむを得ないと考えております。しかしながら根本問題としては、全體的の生産増強をはかつていかなければならぬのであります。こういうふうな問題については十分根本問題として考えていきたいと思つております。現在の政策としては、どうしてもやむを得ない面があるのだということを御了承いただきたいと思います。
#39
○鈴木(善)委員 私の質問に對して若干御答辯の漏れておる點がございますので、もう一遍その點を重ねてお尋ねします。それは甲級指定地と乙級指定地にわかれておりますが、乙級指定地の者で、甲級指定地に指定替えをしてもらいたいという要望が相當ある。それは先ほども西村委員からお尋ねになりましたようなリンク資材等の點でありますが、その乙級指定地の者でも六大都市、海なし縣に出荷いたしました場合に、現地においてリンク資材を甲級のものと同じような率でリンクすることができるというようなことにいたしますれば、一般の零細漁業者等でも六大都市等に出したいという希望の者は相當出てくると思います。それを一定のわくで、お前たちこれだけの率、乙級として六大都市に出せないのだというような趣旨ではないだろうと思いますから、そこを運用の上で御改善を願つたらどうかということであります。
#40
○藤田政府委員 現在乙級の陸揚地でございまして、甲級の陸揚地に變りたいという者については、實情を調べまして變更をしております。充分資格があると認めるところはこれを認めております。從つてだんだんと甲級を追加いたしております。
 それから甲級以外のところから六大都市に來るものの資材のリンク率でありますが、これもやはり現實の問題としては、甲級と同じ資材のリンク率で扱つております。でありますからお話のようなことにはなつておるではないかと思います。
#41
○鈴木(善)委員 ただ現物を東京なら東京で受取らなければいかぬというところに惱みがある。それを甲級と同じように、現地でリンクのものを受取れるということにしないと、實際の問題として、数字の上だけでは非常に困るようなことになる。
#42
○藤田政府委員 その點はなるほどごもつともと思つておりますが、ただ私どもの惱みは、油を置きます場所は計畫によりまして、たとえば出荷對策用の油は甲級の出荷地に置いてある。それ以外の乙級にお使いになる分はまた別のところに置いてある。從つて乙級のところからどのくらい甲級に出荷されるものかということは、これは計畫がはつきりいたしません。甲級でありますと、きちんと計畫を立ててやるわけでありますからいいのでありますが、乙級から來るものは、時期々々によつて來なつかつたり來たりいろいろするわけであります。從つてそれをあらかじめ來るかもしれぬということで、その場所々々に燃油などを貯蔵しておくだけの餘裕はないわけであります。でありますからいきおいどうしてもそういう油は消費地において、そこにはいつてきた折に渡す。こういうことにならざるを得ない實情になつております。なおこの點は、もう少しそういう甲級以外のところで計畫的に出荷ができるという計畫が立ちます場合は、それに合わせて措置がとれましようが、そうでありませんとばらばらに來るものについては、やはり仕方がないのであります。從つて計畫を立てていただくことが必要ではないか。こういうふうに考えます。
#43
○青木委員長 休憩いたします。午後一時再會いたしますが、本會議開會中は休憩の手續きをいたしたいと思います。
    午後零時七分休憩のまま散會
ソース: 国立国会図書館
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