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1947/09/19 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 水産委員会 第16号
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1947/09/19 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 水産委員会 第16号

#1
第001回国会 水産委員会 第16号
昭和二十二年九月十九日(金曜日)
    午前十時五十八分開議
 出席委員
   委員長 青木清左ヱ門君
   理事 庄司 彦男君 理事 吉川 兼光君
   理事 西村 久之君
      加藤 靜雄君    鈴木 善幸君
      矢後 嘉藏君    宇都宮則綱君
      小澤專七郎君    神山 榮一君
      本間 俊一君    石原 圓吉君
      坂本  實君    森 幸太郎君
      多賀 安郎君    内藤 友明君
 出席政府委員
        農林事務官   藤田  巖君
 委員外の出席者
        專門調査員   小安 正三君
    ―――――――――――――
八月二十九日
 斜里漁港修築竝びに斜里川河口改修の請願(永
 井勝次郎君紹介)(第二五七號)
 濱坂漁港修築に關する請願(後藤悦治君紹介)
 (第二七〇號)
 丸山漁港修築の請願(原健三郎君紹介)(第三
 二二號)
八月三十日
 柴山漁港改修工事施行の請願(小島徹三君紹
 介)(第三六〇號)
 仙法志村に船入澗築設の請願(坂東幸太郎君紹
 介)(第三六八號)
 大津漁港修築の請願(菊池豐君紹介)(第三六
 九號)
 牛深漁港修築の請願(園田直君外一名紹介)(
 第三七八號)
 苫前村力晝に漁港築設の請願(坂東幸太郎君紹
 介)(第四〇〇號)
 小串漁港築設の請願(西村久之君外二名紹介)
 (第四〇四號)
九月十三日
 佐尾船溜修築費國庫補助の請願(藤原繁太郎君
 紹介)(第四七六號)
 廣田漁港修築工事繼續施行の請願(小澤佐重喜
 君紹介)(第四九五號)
 雄武村に漁港築設の請願(飯田義茂君外一名紹
 介)(第五三七號)
 燒尻村に漁港築設の請願(坂東幸太郎君紹介)
 (第五四七號)
 式見漁港浚渫に關する請願(北村徳太郎君外一
 名紹介)(第五五五號)
 雄武村に漁港築設の請願(坂東幸太郎君紹介)
 (第五七五號)
 廣田漁港修築工事繼續施工の請願(志賀健次郎
 君紹介)(第五八九號)
 鹿折村を氣仙沼漁港修築計畫地域に編入の上埋
 立工事施行の請願(佐々木秀世君紹介)(第五
 九五號)
の審査を本委員會に付託された。
八月三十日
 魚價引上等に關する陳情書(佐賀縣水産會副會
 長原口熊一)(第一三三號)
 生鮮魚介の配給促進に關する陳情書(神戸商工
 會議所會頭菊池吉藏)(第一七四號)
九月十三日
 式見漁港浚渫工事施行に關する陳情書(長崎縣
 西彼杵郡式見村村長守正俊外四名)(第二五六
 號)
 魚價引上竝びに統制撤廢に關する陳情書(西日
 本水産協議會福岡縣水産業會長理事田村延一外
 八名)(第二七九號)
を本委員會に送付された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 漁業權に關する國政調査承認要求の件
 右各請願の審議を漁港に關する小委會に付託の
 件
 右日程中第一、第五、第六、第八の陳情書を魚
 類の價格及びその集配配給機構に關する小委員
 會に、第七の陳情書を漁港に關する小委員會に、

 それぞれ送付の件
    ―――――――――――――
#2
○青木委員長 これより會議を開きます。
 内藤君から漁網の課税に關する件について質疑の通告がございました。これを許します。内藤君。
#3
○内藤委員 水産局長に簡單でありますがお尋ねしたいと思います。漁網に對する織物消費税がかかつておると言われましたが、そのことにつきましてどういうことになつておりますのか一應伺つて、あとでまたお尋ねいたしたいと思います。
#4
○藤田政府委員 お話の問題は、例の非常にこまかい目の網つまりいわゆるもじ網と稱せられておりますもの、これが織物消費税の對象になつて問題になつておることであろうと考えるのであります。これにつきましては、私どもの方といたしましては、これは織物消費税が付せられる筋合いのものでないと考えます。從いましてこの問題については、最近全面的に各税務署でこの問題が起つてまいりましたようでありますから、現在大藏省方面と、この問題について折衝をいたしております次第であります。私どもといたしましては、極力この織物消費税がかかるようなことのないように處置してまいりたいと、かように考えておる次第であります。
#5
○鈴木(善)委員 ただいまの内藤委員からの御質問に關連いたしまして、私からも一言申し上げたいと思うのであります。大體この消費税は最終消費財にかけることが建前に相なつておるのでありまして、生産資材に課税をするということでは、これによつて生産される生産物の價格を騰貴せしむる結果になるのでありまして、特にこの漁網關係は、從來から非課税對象物資として明確に指定をされておつたような事情にあるわけであります。今囘の税の取扱いを見ますに、漁網を非課税物資としての指定から取除いておる。從前のように明確に非課税物資として指定をしてないということが、第一にわれわれとしては問題として取扱わねばいかぬ點であるのであります。ただいま問題になりました、もじ網等に關しまして消費税をかけるということになりますれば、大體現在のこれら資材の生産の實績から見まして、七百萬圓ないし八百萬圓の課税が漁業生産者に對して行われる結果に相なるであろうと推定いたされるのであります。特にこのもじ網等は、沿岸のきわめて零細な小漁民の使用にかかるものでありまして、これを端的に申し上げますれば大衆課税、弱い者いじめの課税と相なるわけでありまして、われわれとしては絶對にこれを承服することができない。また沿岸漁業の生産にも重大な結果をもつのでありますから、ぜひとも水産當局におきましても、大藏省と強く御折衝願いまして、小漁民大衆の要望に副われるように強く希望いたす次第であります。
#6
○内藤委員 今鈴木委員からもお話がありましたように、この問題は非常に重大問題でありますので、水産局長は全面的に贊成できがたいので、これから大藏省と折衝するというお言葉でありましたから、私引下つたのでありますが、御折衝をなるべく早くせられまして、その結果を御報告願いたいのであります。
 なお委員長にお願いしたいのは、これは實は地方でいろいろ問題が起きておりますので、もしできますならば大藏省の關係局長をここに呼んでいただきまして、この問題についてなおよく聽いてもし課税されるようなことがありますならば、この問題についてさらに研究いたしまして、何らか處置をとつていただきたい。これを委員長にお願いいたしたいのであります。
#7
○青木委員長 次の會議に、内藤君御要望の通り大蔵當局の出席を求めることに手續をいたします。
 次に鈴木善幸君からかつお節のマル公撤廢に關し質疑の通告がございます。これを許します。鈴木善幸君。
#8
○鈴木(善)委員 今囘加工水産物につきましても價格の新しい制定を見たのでありますが、本委員會におきまして魚價、竝びに配給統制に關する問題が取上げられて、主として鮮魚の公價についてでありましたけれども、本委員會としてその決定を政府に通告をいたし、これが實施を強く要望いたしておつたのでありますが、その魚價の基準に對する二つの強い付帶事項がつけられておるのであります。ただいま取上げましたかつお節の價格撤廢に關連いたします點は、家庭配給の對象にならないところの魚はこれを價格統制からはずすべしということが決議されておるのであります。このことはただに鮮魚だけでなくて、加工水産物に對しても同様の觀點に立つて審議決定を見たのでありまして、ただいま取上げましたかつお節、あるいは乾のりというようなものは家庭配給の對象にならない。いわば嗜好品に屬するものであります。ただのりとちがいまして、かつお節の場合は、その原料が鮮魚として配給統制される製品でございますから、のりのようにこれを簡單に取扱うことができない事情にあると思うのでありますけれども、その點は鮮魚として出荷されるものにつきましては燃油のリンク等の措置が講ぜられており、かつお節の原料等にまわるものにつきましてはリンクの對象に相なつていない。また現在のような製氷冷凍の施設が非常に少い。あるいは輸送力が極度に逼迫してきておるというような實情下におきましては、大漁の際にどうしてもこれを製品に落すというような、やむを得ざる措置を講ぜざるを得ないのでありまして、こういう面からもかつお節の價格を、その生産ができないような現在の價格にくぎづけをしておるということは、魚の處理の上からもきわめて不適當なことであると思うのであります。從いまして、この際家庭配給の對象にならないのでありますからして、リンク等の措置によつて鮮魚としての出荷計畫はあくまでこれを確保しながら、しかもかつお節の生産はこれを増強して、漁業生産の上によい結果をもたらすような措置を講ぜられることが必要であろうと思うのであります。かかる意味におきまして、現在の公價はこれを撤廢されんことを要望する聲が非常に強いのであります。これに對して政府當局の御所見を承りたいと思います。
#9
○石原(圓)委員 關連いたしますから、私の質問も併せてお願いしたいと思います。かつお節の價格撤廢につきまして、別の面より局長の考慮を煩わしたいと思うのであります。それは戰前よりすでに漁船の數が殖えて、現在約倍になつた。それがやがて關係方面の建造許可に對する方針によつて、すでに私は終戰前の三倍以上のトン数になるであろうかと豫想されるのでありまするが、さような莫大なるかつお漁船ができた。現在ではそれらの建造船がことごとく漁業に從事していくことになつてはいないが、これは本年の漁期の關係もありまして、たくさんのかつおはとれないが、來年の三月ころからは非常な數量を漁獲することになるであろうかと思うのであります。しかるに製氷の方は少しも増加しない。私はこの間中休みを利用いたしまして、長野縣の天然氷の製産地の大部分を見てまわつたのでありますが、その關係もなかなか明年の漁業用の氷を緩和するところにはいかないような情勢にあります。政府が相當この點に助成をするとか、便宜を與えたならばいくらかの緩和はできると思うのでありますが、たいした見込みはないのであります。そうしたならば來年のかつおの漁期になつて、夏季に向い暑くなりつつ量が多くなるこのときに、海外についたかつおは大部分鮮度を落としているだろうと思う。すでにつりに行くときにもつていく氷がないのでありますから、それを濱へもつてきて陸揚げするときには、すでに鮮度が非常に落ちている。これは爭うべからざる事實になると私は思うわけであります。そのときに生鮮漁で大都市へ運ぶということは、實際において行えないことである。どうしても加工しなければならない實情になると斷定してよいと思います。こういう場合に價格を拘束してやることは、歸するところ加工業者を通じてのやみ商人に利益を壟斷させるのみであつて、生産者の方には何らの利益があがらない。こういうことになつて、私は非常に多くの漁業を休まなければならぬ漁船がでてくると思うのであります。こういう點からも、かつお節の價格を撤廢して、生産者、加工業者にゆとりを與えると同時に、せつかくとつてきたものが腐敗に傾くというおそれのないようにすることが、非常な急務でないか。それをすることによつて漁業者は勇んで、元氣を出して漁業に勵むことができると考えるのであります。生鮮漁としての配給數量を確保するためにある線を引くことは必要であるかもしれませんが、ある程度のものをかつお節にするには、どうしてもこの價格を撤廢せねば、中間の不正業者に利益を與えるのであつて、とうてい健全なるかつお漁業の發達をみるとはできないと考えるのでありまして、これも併せて局長の御意見のあるところを承つておきたいと思うのであります。
#10
○藤田政府委員 このかつお節の公定價格を撤廢するかどうかという問題は、これは實は非常にむつかしい問題でありまして、これは私どもの内部でも率直に申せば贊否両論あります。これはおそらく人によつて意見が異なる問題でないだろうかと考えております。ただ私どもとして多少心配をいたします點は、のりと違いまして、かつお節は原料のかつおは公定價格で抑えられておる。それからなまりはやはり公定價格で抑えられておる。かつお節だけこれをはずすというふうになりました場合に、その間に價格を完全に守つていく點について缺陥が生じてくるのではなかろうか。そういうことが私どもの心配であります。それからまたかつお節をつくる人と、現實にかつおを生産する人とは大體において別であります。從つてかつおの漁業者は結局マル公でそれを製造業者に渡す、つくつた人はそれを自由な値段で賣る、こういうことになつてくるのであります。從つてかつおを生魚のままで出荷する場合には、リンクの油がある。かつお節の原料で出します場合はリンクの油が、かりにない。これは、現在は地方的にリンクもやつておる建前でありますが、それはおそらくリンクもできておらないと思いますが、リンクもないということになりますと、かつおの生産者がはたして公定價格のままでかつお節の製造業者に原料魚を渡すかどうかということが、やはり問題になつてこようかと思うのであります。いきおいそういうふうな點から鮮魚に對する、かつおに對する價格保持の問題、あるいはなまり節に對する價格保持の問題というふうなものが崩れてくるおそれはないだろうかということが、私どもとしては懸念される點であります。しかしながらこの問題は、撤廢をする意見についてもいろいろもつともと考えられる點もあると思います。私どもといたしましては、現在非常に迷つております。なお關係各方面の意見を聽くために、いろいろ準備をいたしておる次第であります。しかしながらそういうふうな事情でございますので、これは愼重に研究をいたしませんと、やはり生鮮漁の價格の保持の問題にひびを來す問題になりはせぬかということを、私どもは心配をいたしております。
#11
○石原(圓)委員 ただいまのお答え、かつおそのものには公定價格がある。しかるにその一部を加工する場合に一つの御杞憂があるようでありますが、現在におきましても、漁業者が加工業者に對して委託加工をするということは、そうたくさんはないけれどもやつておる所は相當あると思うのであります。それからまた加工業者と漁船と共同加工をやつておるところもあると思うのであります。それから今後の體制としては、漁業者が直接加工場をもち、または加工業者との完全なる協調によつて加工をしていくということが體制になつておるようであります。少くとも明年度は漁船の船主、いわゆる乗組員等が、一貫作業の形で加工をやるという傾向が著しく認められるのでありまして、そういうような共同加工の點、委託加工の點、または直營加工の點等を考えまする時に、局長の御心配になつておることは、全然私どもにおいてはその必要はないと考えておる次第であります。
#12
○藤田政府委員 ただいま石原さんのお話もございましたが、全體的に考えてみまして、やはりかつお節の製造業者というものと、かつお漁業者というものは別なものが多いのであります。もちろんかつお節の公定價格を撤廢されるような場合には、そういうふうな形態が出てこようかと考えております。しかしながら現在でもかつお節は相當品質の惡いものがたくさん出てまいつております。非常にやわらかい惡いものがたくさん出てまいつております。われわれの心配としては、もしも公定價格をはずした場合に、なまり節には公定價格があるが、かつお節にはないというふうな場合に、かつお節ももちろん非常によい種類のものも殖えるであろうと思うのでありますけれども、同時にまた惡い種類のかつお節もできてき、それが價格がないということで、いろいろなまりなりあるいはかつおの鮮魚の價格に影響を及ぼしてくるというふうなことも、十分これは考えなければならぬのじやないかと、その點が私どもとしては一番心配をしておる點であります。なおこういうふうな問題については、もう少し私ども考えさしていただきたいと思います。
#13
○鈴木(善)委員 ただいま藤田局長の御説明もございましたけれども、今のかつお節の製品に、非常に規格の惡い、いかがわしいものが出まわつておるということは事實であります。これは局長の御説とは逆に、われわれとしては、生産上相當窮屈な價格にかつお節の價格がくぎづけされておるから、できるだけ乾燥等も落して、目方本位でこれをやるというような、そこに非良心的な製品が出るのではないか。むしろ局長の御説とは反對に、公價を撤廢いたしまするならば、取引においてはよい品物と惡い品物とはおのずからそこに價格差が大きく出てくる。そこに良心的な製品が出まわり、むしろ逆の結論が出るのじやないかと思つております。この點は御杞憂の點、いろいろ鮮魚の出荷等に對して影響があることも考慮いたされるのでありますけれども、これは鮮魚の配給統制の面で政府において御操作願うこととして、家庭配給の對象にならないああいう嗜好的な製品でありまするから、できるだけ統制撤廢の御處置をとられんことをお願いをしたい。こう思うのであります。
#14
○藤田政府委員 くどいようでございますが、鈴木委員のお話でございました公定價格が撤廢されれば――從來安く抑えられているためにいい品物ができなかつた。從つて公定價格が撤廢されれば、良心的にいい品物ができてくるというお話でありましたが、これはそうであろうかと思います。しかしながら同時にまた惡い品物は絶えないと考えます。結局いい品物もでき、惡い品物もやはりできてくる。そしてその惡い品物の公定價格が撤廢されているということが、やはりなまり節なりかつおの生魚の價格の統制に惡影響を及ぼしてくるのじやないだろうかということを、私どもとしては心配しておるわけであります。
#15
○石原(圓)委員 もう少し局長さんに申し上げておきたいのは、最近にかつお節のできの惡いということは、結局船が岸壁に著いたときに鮮度が落ちておる。そうしてそれをまた運搬するのには非常に不便を感ずる。そこで生鮮漁というものに渡さなければリンクの油は何ももらえない。そういうようなことから漁船は非常に魚を處理することに――傷んでおるのにかかわらず、なおあとの漁業をやりたいがために、躊躇したり迷つたりして、結局やむを得ず傷んだものを節につくるという結果になつていたのが大部分であります。今年でも一艘の船で、鋼船農林型では二萬貫以上積んでくるのであります。その下積になつてくるものは氷が十分やれませんから、もう岸壁に著いたときに傷んでおる。少くとも千貫や二千貫を積んでもどる船ならば全部新しいのでありますけれども、一萬五千貫、二萬貫と積んだならば、その壓力だけでも下の方は傷む。それらのものを節にせずに鮮魚に渡そうというても、これは實際鮮魚として食糧にはならないような状態になつておるわけでありまして、今後鮮度を落すということは、氷のないということとにらみ合して、その點が非常に心配になる點でありまして、從つてかつお節製造にむしろ鮮度の落ちるものを速やかにやらする途をあけるということにせなければならぬ。それはどうも統制價格の撤廢以外に途はないと、こう私どもは考えておる次第であります。
#16
○藤田政府委員 なおこの點は私どももいろいろな見地からひとつ研究をしてみたいと思います。
    ―――――――――――――
#17
○青木委員長 次に漁業權に關する國政調査承認要求の件を議題といたします。水産業の基礎をなすものは漁業權であるということは各位のすでに御了承のことであります。しかもいま日本の漁民が、今後漁業權がいかなる方向に轉換さるるであろうかということについて、深甚なる注意を拂つているわけであります。この委員會といたしましても、漁業權のあり方については相當調査討議しなければならないと考えております。しかし仄聞するところによりますと、政府當局におきましても、漁業權の最終の形態につきましては、意見がまだ確定しておらない模様でありまするが、われわれ委員會といたしましても、政府と協力して最も理想的な漁業權の形態をつくり上げることに努力いたしたいと考えます。よつて漁業權に關する國政調査を衆議院議長に要求いたしたいと思うのでありまするが、いかが取りはからいいたしましようか。ちよつと速記を止めて……。
    〔速記中止〕
#18
○青木委員長 それでは速記を始めてください。宇都宮則綱君。
#19
○宇都宮委員 さつき水産委員長からお話のありました水産問題に對する國政調査に對しては、全面的に贊意を表するものであります。と同時に、私はそれに加えて、ここに動議を提出したいと思うのであります。それは今日までの水産業界をつぶさに研究いたしますると、すでに漁船のごときは戰前よりもさらに多くなつているというような水産局長のお話でありまするが、實際をみますと、その多くなつている漁船が、一向實際に働いておらないというような事實があるのであります。たとえば最近のやみ成金とか、あるいは新興の成金連中が底引網とか、あるいはかつお、まぐろの船とか、何々會社というものをつくつては、漁民にあらざるものが漁業權を侵害しているというような状態を各地に見受けるのであります。そこで私は農地改革の問題にならつて、小作人に土地を買上げて渡すというような大改革を農地はやつておるのでありますが、政府當局も、漁民にあらざる者の漁具その他の器具を買上げて、そうして眞に漁業に從事して働く者に、これを分配するというような制度を設けていただきたいと思うのであります。それについては小委員會をつくつて、そうしてこれが調査をいたしていただきたいと思うのであります。この意味において、隱退藏物資と同じ意味の調査委員を設けることを、ここに動議として提出するものであります。
#20
○青木委員長 ただいま宇都宮君の漁船、漁具等の活用に對する御意見でありますが、これは漁業權の問題と非常に關連する點があると存じますから、漁業權の國政調査に關連してこの問題を取扱つていきたいと思います。また小委員會を設けるという問題も、まず漁業權の國政調査に對する議長の承認を得ましてから、皆さんにお諮りいたしまして、この問題に關する今後の取扱いについて十分御協議し、また愼重を期していきたいと考えております。この點でどうぞ御了承を願いたいと思います。
#21
○宇都宮委員 承知いたしました。
#22
○青木委員長 御異議がなければ、議長に對して漁業權竝びに漁船、漁具の活用等はもちろんこれに含めますが、これに關する國政調査の承認要求を提出することに決定いたします。
    ―――――――――――――
#23
○石原(圓)委員 過日水産廳の問題につきまして、安本長官との會見を要求しておいたのでありますが、これに對する經過はどうなつておるでしようか。なおまた農林大臣と運輸大臣とが水産廳の問題につきまして折衝するという内容になつておると信ずるのでありますが、それらの水産廳關係に對する今日までの大體の經過を簡單にお述べ願いたい。
#24
○青木委員長 水産廳設置に關しましては、それぞれ關係方面と委員長、小委員長、その他の委員諸君と協力いたしまして折衝いたしておりますが、大體當初悲觀的な雲ゆきでありましたが、現在ではその曙光が見えてきたようにも感ずるのであります。
 休會明けと同時に、委員長といたしましては、委員各位の御協力を得まして、關係方面との折衝には十分の努力をいたす覺悟でおります。なおただいまお尋ねの安本長官とは、今日零時三十分からのこの委員會室において會見することになつておりますから、どうか委員諸君もお立會いが願いたいと思います。なお農林大臣とは去る十六日の午後一時、政府委員室において會見いたしましたが、われわれが要望しております、まず政府部内において水産廳の設置に對するその根本的な暗礁をなしておる漁船行政の移管につきまして、政府の機關の間に意見が對立しておるようでは、はなはだ前途に支障を感ずるという建前から、事務官僚との間には、もうすでに折衝の行惱みの項点に達するのであるから、今後は政治的な折衝にまつ以外方法がないというので、農林大臣と運輸大臣と直接會見して、この問題に對する政治的な解決點を見出してもらうように要望いたしておきまして、その結果を拝聽するために農林大臣と私とが會見いたしたのでありますが、その結果は、運輸大臣が出張先から當日やつと帰つて來られたような状態でありまして、まだ兩大臣の會見の機會に至つておらない模様でありますので、來週草々までに、その折衝の結果を委員長に報告してくるような申合せをいたしまして、農林大臣とはわかれたような次第なのであります。右御了承をお願いします。
    ―――――――――――――
#25
○青木委員長 次に本委員會に付託されておりまする請願の審査を開始いたします。
  一 鴛泊村に漁港築設の請願(坂東幸太郎君紹介)(第一六號)
  二 稚内町字抜海に船入澗築設の請願(坂東幸太郎君紹介)(第一八號)
  三 奈良尾漁港修築に關する請願(西村久之君外二名紹介)(第九二號)
  四 臼尻漁港修築に關する請願(川村善八郎君紹介)(第一〇八號)
  五 飯岡町に船溜工事施行の請願(寺島隆太郎君紹介)(第二〇六號)
  六 斜里漁港修築竝びに斜里川河口改修の請願(永井勝次郎君紹介)(第二五七號)
  七 濱坂漁港修築に關する請願(後藤悦治君紹介)(第二七〇號)
  八 丸山漁港修築の請願(原健三郎君紹介)(第三二二號)
  九 柴山漁港改修工事施行の請願(小島徹三君紹介)(第三六〇號)
 一〇 仙法志村に船入澗築設の請願(坂東幸太郎君紹介)(第三六八號)
 一一 大津漁港修築の請願(菊池豐君紹介)(第三六九號)
 一二 牛深漁港修築の請願(園田直君外一名紹介)(第三七八號)
 一三 苫前村力晝に漁港築設の請願(坂東幸太郎君紹介)(第四〇〇號)
 一四 小串漁港築設の請願(西村久之君外二名紹介)(第四〇四號)
 一五 佐尾船溜修築費國庫補助の請願(藤原繁太郎君紹介)(第四七六號)
 一六 廣田漁港修築工事繼續施行の請願(小澤佐重喜君紹介)(第四九五號)
 一七 雄武村に漁港築設の請願(飯田義茂君外一名紹介)(第五三七號)
 一八 燒尻村に漁港築設の請願(坂東幸太郎君紹介)(第五四七號)
 一九 式見漁港浚渫に關する請願(北村徳太郎君外一名紹介)(第五五五號)
 二〇 雄武村に漁港築設の請願(坂東幸太郎君紹介)(第五七五號)
 二一 廣田漁港修築工事繼續施工の請願(志賀健次郎君紹介)(第五八九號)
 二二 鹿折村を氣仙沼漁港修築計畫
    地域に編入の上埋立工事施行の請願(佐々木秀世君紹介)(第五九五號)
以上二十二件を一括して議題に供します。本件は漁港に關する小委員會に移して愼重審査することにいたしたいと思います。
 なお請願書の審査方針についてお諮りいたしたいと思います。御承知の通り新國會においての請願の審査は最も愼重を期することとし、いやしくも採擇した以上は、必ずこれが實現の方途を講ずることといたし、これがためには、請願の内容に應じて、必要あるときは委員會において法律案を起草、提出することもあります。また豫算的處置を必要とするものについては、必要により豫算委員會と連合審査會を開く場合も當然起り得ると思います。なおあらゆる角度からの愼重審議を要しまするので小委員會においてこれが審査を行いなお本委員會において繼續審査いたす場合もありまするが、いずれも採擇、不採擇、その他の決定については、しばらく留保いたしておきたいと思います。この點御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#26
○青木委員長 御異議なければ以上二十二件は小委員會に付託し、なお審査の方針につきましても、ただいまのごとき處置をいたしたいと思います。さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#27
○青木委員長 次に本委員會に付託されました陳情書を議題に供します。
 一 魚の統制撤廢に關する陳情書(福島縣相馬郡加藤吉太郎提出)
 五 魚價引上等に關する陳情書(佐賀縣水産會福會長原口熊一)(第一三三號)
 六 生鮮魚介の配給促進に關する陳情書(神戸商工會議所會頭菊池吉藏)(第一七四號)
 八 魚價引上竝びに統制撤廢に關する陳情書(西日本水産協議會福岡縣水産業會長理事田村延一外八名)(第二七九號)
 この四件を議題に供します。この四件は魚價竝びに集荷配給機構に關する小委員會に付託して審査を繼續することといたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#28
○青木委員長 御異議なければさように決定いたします。
    ―――――――――――――
#29
○青木委員長 次に日程第七、式見漁港浚渫工事施行に關する陳情書、長崎縣西彼杵郡式見村長高守正俊外四名、第二五六號、これは漁港に關する小委員會に付託して審議を繼續したいと思います。御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○青木委員長 御異議なければさよう決定いたします。
 これにて休憩いたします。
    午後零時十五分休憩
   ─────・─────
    [休憩後は會議を開くに至らなかつた]
ソース: 国立国会図書館
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