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1947/10/03 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 水産委員会 第19号
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1947/10/03 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 水産委員会 第19号

#1
第001回国会 水産委員会 第19号
昭和二十二年十月三日(金曜日)
    午前十一時六分開議
 出席委員
   委員長 青木清左ヱ門君
   理事 庄司 彦男君 理事 馬越  晃君
   理事 三好 竹勇君 理事 西村 久之君
   理事 加藤吉太夫君
      加藤 靜雄君    鈴木 善幸君
      藤原繁太郎君    松本 眞一君
      矢後 嘉藏君    石原 圓吉君
      川村善八郎君    坂本  實君
      冨永格五郎君    多賀 安郎君
      外崎千代吉君
 出席政府委員
        農林事務官   藤田  巖君
 委員外の出席者
        專門調査員   小安 正三君
    ―――――――――――――
十月二日
 江良船入澗擴張工事施行の請願(冨永格五郎君
 外一名紹介)(第七三一號)
 伊東漁港修築工事を國費または縣費を以て施行
 の請願(小松勇次君紹介)(第七三二號)
 出雲崎漁港修築の請願(神山榮一君紹介)(第
 七三七號)
 焼津漁港修築促進の請願(加藤靜雄君外三名紹
 介)(第七五二號)
 大澤村字大澤に船入澗築設の請願(川村善八郎
 君紹介)(第七五三號)
 涌元に漁港築設の請願(川村善八郎君紹介)(
 第七五四號)
 松前町に漁港築設の請願(川村善八郎君紹介)
 (第七五七號)
の審査を本委員會に付託された。
九月二十七日
 水産物増産對策に關する陳情書外一件(岡山縣
 兒島、都窪兩郡漁民大會外一名)(第三六五
 號)
 鰹節類の公定價格撤廢に關する陳情書(全國鰹
 節業聯合會代表者松村良太郎外一名)(第三六
 六號)
 漁業生産維持増強對策に關する陳情書(全國漁
 民大會實行委員代表奧村伊三郎)(第三六七
 號)
を本委員會に送付された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 漁業資材に關する件
    ―――――――――――――
#2
○青木委員長 これより會議を開きます。石原圓吉君。
#3
○石原(圓)委員 最近聞くところによりますと、漁村の石油を全部公團で扱う。そして從來の漁連乃至業會には全然扱わさないということの運動が猛烈に起つておるということであります。これにつきましては水産局においては適當なる處置をとつてくれておるものと思いまするが、御承知のように戰爭中に既存の石油は中水を通じて縣水、漁業會等で全國ことごとく取扱いをしておつたのであります。そのために適當なところにタンクができ、油槽船ができ、そして圓滑にやつておつたものであります。それが公團をつくつて石油を扱わすということであるから、われわれはそれに先立つて水産局に對しては、漁業に要するものに限つては必ず從來の通りに、たとえば中水というようなものが解體されても、漁村で取扱うことになることを強く要望いたしたのであります。それに對して當局はどういう方法をとられたか。また現在はどうなつておるのか。どういう見透しになるのかということを、一應この場合局長の御説明を仰ぎたいのであります。
#4
○藤田政府委員 石油は御承知の通り公團ができましても、その末端の配給をどういうふうな系統でやるかということについて、これは關係の方面でみな集まつて相談をしておつたのでありまして、大體において市町村の漁業會、それから市町村の農業會というものは、これは販賣業者として考えていくというふうなことに一應きめておつたのであります。ところが商工省の方面で、漁業關係の石油については、あまり異存はないのでありますけれども、農業方面の石油の流し方について、市町村農業會を通じますことについて、多少の難點があると申しますのは、市町村農業會は漁業會のようにタンクをもつておるわけではございません。ただそれを集めて配給をしておるような状態が多いのでありまして、從つて農業會の方面に多少難點が出てきておるわけであります。私の承知しております交渉の經過では、これは大體總務局長が鑛山局長と話しをしておるわけでありまして、鑛山局長の方ではこういう意見が出ております。農業會なり漁業會は販賣業者とはしないで、公團から直接別の値段で一定數量だけを渡していく、こういうふうな仕組にすることはどうであろうかというふうな意見が漏らされておるわけであります。漁業方面には格別問題があるわけではございません。從來のように漁業會を販賣業者として指定することについて、格別意見があるわけではございません。主として問題は農業方面から出ておるのであります。ただ公團から直接別の値段でまとめて、漁業會がこれを一括して購入するという點についてのよしあいにつきましては、これはいい部面と惡い部面とがあるのでありまして、いい部面を申しますと、石油はその月のものは必ずその月に受取らなければ打切られるのであります。從つて場合によつては漁業會販賣業者であります場合に、それが何かの事情で實需者たる漁業者へ渡せないような場合には、それが打切られてしまうというふうな點が出てくるのであります。實需者のものを一括して漁業會が買うのだということになると、實需者の手もとまで石油が來ております關係上、それは打切られずにもつております。そうすると次の月までつかえるという便宜があるのであります。しかしながら一方販賣業者としての資格がなくなるわけでありますからして、公團から別の値で渡すという點について、はたして現在の配給機構でそういうふうな便法が講ぜられるかどうか、いついつまでもそういうような便法が許されるかどうかということについては、これはなお研究しないと何とも言えない點であります。そこでわれわれとしては、從來通りに、漁業者團體が石油を一括購入するということは、どうしても必要なことでありますので、それは何としてもそれをやりたいと思つておりますが、現在の問題は販賣業者の地位において漁業會が買うか、實需者の代表として一括まとめて買うという形式をとるか、その點が問題なのであります。この點は最近の經過は私ちよつと存じませんが、農業方面と水産方面と歩調を一にして、鑛山局と話をしていこうということで、總務局がその衝に當つてきておるのであります。その結論は、最近聽いておりませんので、どうなつておるかわかりませんが、從來漁業者團體が商人系統からいろいろいじめられておつたところの苦い經檢からして、生産者團體というものが自分等の手で買いたいという運動で進んできたのでありますから、そういう地位についてはやはり確保して、從來よりも惡くなることのないように進めてまいりたいと思つております。
#5
○石原(圓)委員 終戰前後におきまして、石油業者より配給される石油が、ドラムカンの下の方の三分の一は水であつたりして、そういうことのために、ドラムカンを積んで沖えいつて、豫定の燃料があると思つて航海をしておると、下の方は水であつたために途中で燃料がきれて、船は運航力を失つて流失したというようなこと、それらのたくさんの弊害があつて、斷然漁業者の使うものは漁業者の手において扱わなければいけない。これは價格の面よりは、むしろ配給の面においてそういう必要を感じておるがために、非常な奮闘をして今のようなことになつた。それをまた今度石油公團ができるために、昔に還えるというようなことは、もつてのほかでありまして、これは斷じて漁業者の使う油は、漁業會もしくは漁業者の手において買受あるいは販賣權をもち、配給權をとるようにすることが絶對に必要であると思うのであります。しかるに公團が事業を始めんとするに先立つて、農業用と漁業用の販賣方法、配給方法、その方法をきめることを留保して今日になつて――漁業者は以前の通りと變らない方法でいくものなりとして安心をしておる。そこえ石油公團の連中は、全國的に猛然と一手に収めようという運動を始めておる。こういう實情にあるのでありますから、これは局において緊急に對策を講じていただいて、その關係においてはこの水産委員會がとり上げてもらつて、急速に解決をしていかなければならぬ問題であろうと思うのであります。これに對しては、他の御出席の委員諸君の御意見もあろうと思いますから、その御意見竝びに局長の御意見とを委員長は適當にお取計いあらんことを希望するものであります。非常にこれはさしせまつておる問題であると思います。
#6
○馬越委員 今の石原委員のお話ですが、これはまことに重大な問題でありまして、漁業方面が石油を扱うようになつたのには、ずいぶん過去に苦い經檢と、そこには相當の犠牲を拂つて、こういう制度にまでもつてきておるのであります。ただいま水産局長のお話では、漁業會の方が需要者として扱うようにというようなお話もありましたが、漁業會にはなるほどそれでもよいと思うのですが、都道府縣の水産業會というものは、政府の補助をもらつてあるいはタンクをつくり、あるいはタンカーを拵え、それぞれ施設をもつて販賣業者になつている。これらの施設をもつている販賣の既得権というものは、どこまでも擁護していきたい。漁業會はそれだけの施設をもつておるところもありますけれども、しかしながら小さな漁業會はそういうような施設をもつていないのが多いのではないかと思うのでありまして、都道府縣水産業會の方は販賣方面をやる。それを今度は受けて、漁業者に代つて一括購入するというような制度はやはり存續してもらわなければならぬと考えます。もし今機構の變り目だとすれば、われわれ委員としましては、これについては重大なる關心をもつて、相當な活動をしなければならぬ。かように考える次第であります。
#7
○藤田政府委員 末端の漁業會は配給業者になりますか、あるいは漁業者の代表としての一括購入の機關になりますか、どちらにしても從來扱つておりましたものはこれを認められるということになろうと思います。ただ問題は、都道府縣の水産業會竝びに都道府縣農業會でありますけれども、都道府縣の團體というものは、その配給業者として指定することはできないという強い意向がありまして、いろいろと話はしたのでありますけれども、結局認められてはおりません。從つて現在都道府縣の水産業會のもつております設備は、場合によれば單位の漁業會にこれを貸して、單位の漁業會が販賣業者あるいは一括購入の機關として、これをもつていくというふうにしていかなければならぬのじやないかと考えます。あるいは個人の資格において配給業者になるというようにやつていかなければならない。その二つの途しかないのじやなかろうか。都道府縣水産業會自體が配給業者になるということは絶對にいけない。これははつきりきまつておる問題であります。これについてはいろいろな折衝があつたのでありますけれども、どうしても認められなかつたので、われわれとしては、やむなく單位の漁業會だけ活用するというふうに現在はなつておるのであります。
#8
○石原(圓)委員 それからもう一つは、綿絲、綿網の問題であります。これが最近に値段が三倍に上るということになつておるらしいのであります。そのために製造工場においてはたくさんストツクをして、漁業者へ渡さない、こういう事實が現在あります。それは要するにそれによつて利益をするがために渡さない。こういうことに解釋をしなければならぬのである。すでにその原料なるものは、安い値段のときの原料を受け取つて、そうして加工したのであるから、新値段ができるまでにどしどし出してしかるべきものである。これは當局において出さしてしかるべきものであると私は思うのであります。それが加工場の者に聞きますと、早く値段をきめぬから私らは出すことを躊躇しておるのだ、値段さえきめたらいつでも出します、こういうことを言うておるのでありますが、もつてのほかのことであつて、安い原料でつくつたものを高い價格がここへできるから、そのときまで渡さない。これは私は無法ではないかと思うのであります。すでに倉庫に一ぱい詰めて、そうして値上りを待つておる工場がいくつもあると私は信ずるのでありまして、このことは現在の日本の漁業者の行動を阻止しておると言うて差支えないと思うのであります。從つて値段の上り下りという問題を別にして、今ある綿絲、綿網原料は、ことごとく早く配給さすようにしてもらわなければならぬと考えるのであります。同時にまた物價廳がいつまでもその價格を上げる上げると言いつつ、上げずにおるということも政治的の怠慢であつて、非常な不都合であると思うのであります。この方も早く價格をきめさすようにしてもらわねばならぬと私は考えております。これに對する一應の御所見をお伺いしたいと思います。
#9
○藤田政府委員 ただいまのお話の事情は、私どももそれを聞いておりまして、事實であるかと考えております。現にこの問題は参議院でも取上げられてまして、ちようど商工省の繊維局長が來られました折に、一委員から御質問があつたのであります。商工省の繊維局長からは、こういうふうなものがないとは言えない。あるであろうと考える。從つてこれについては極力そういうふうなために遲れるようなことのないように督促をしておるというような説明がございました。われわれとしてもこの點については、こういうようなことのために、せつかくできております網が引渡せないということについては、遺憾だと思いまするが、一方においては物價廳に早く値段の點もきめてもらいたい。それから物價廳は早急にきめるということで、近くきまるつもりであつたのでありますが、まだそれが何らかの事情で延び延びになつておる。その方を一方極力督促すると同時に、他方またこの値上りを見越して、まだ持つておるような問題これはすべてのものについて現在値上りが發表されまして、それが實現されるまでの間においては、この漁網のみならずこういう現象が起るのでありますけれども特に漁網は生産資材であり、重要な問題でありますから、これについてはこういうふうな事態の起らぬように、組合その他生産者を督勵しまして、できるだけ急速に解決するように努力したいと考えております。
#10
○石原(圓)委員 これはひとり漁網鋼のみならず、そういう値上げをした場合に、安い原料でつくつたものを、値上りになつたために、それを加工業者のみが獨占することは不都合であると思う。そういう場合には國がその値上りの差だけ取得したらどうか、こういうことを言うておるのでありますが、ある程度この値上りの差は國が取得になる規定になつておるそうであります。ところが一番利益をするのは紡績工場である。その次には撚絲工場である。それらのものが加工賃であるという名目のもとに、實際値上りの大半は取得してしまつて、國にはいる金はわずかである。こういうことに聞いておるのでありまして、そういういろいろの弊害もありますから、私はこの際この常任委員會が資材に關する何名かの委員が今ストツクしておるときに、その工場を視察したらどうか、こう考えておるのであります。これを併せて申し上げておきます。
#11
○庄司(彦)委員 石原委員の質問に關連いたしまして、私は政府委員に聞きたいのは、漁業用の資材が放出されたときの資材の所有權はどこにあるかということについて、これはどういうことになつておりますか。
#12
○藤田政府委員 所有權の問題になりますと、決濟は紡績業者と撚糸業者との間に決濟をされ、撚糸業者と製網工場との間に決濟され、次に製網工場と漁業者との間に決濟されるのであります。從つて抽象的に言えば、この割當によつて最終需要者の漁業者にいくべきものであります。法律的にみますれば、漁業權の關係を申しますれば、決濟をして金を拂つてものを受取つたら、それぞれの紡績業者なり撚糸業者なり製網工業なりになる。漁業者は自分が金を拂つて品物を受取つたときに、初めてその權利を得る。こういうことになるだろうと思います。
#13
○川村委員 漁網鋼の取扱につきましては、ごく近いうちに製造竝びに販賣の規則ができるということを聞いておるのであります。内容の詳細はわかりませんけれども、大要承りますというと、製造はむろん指定の工場で製造加工をやる。それから卸賣販賣は公認の販賣店がする。しかしながら一部工場にもその販賣を許すということも聞いております。これは卸賣の場合でありまするが、われわれ漁業者の方面の消費部面に至りますると、農林省から各漁業者に切符制で割當をする。從つてその切符を集めた團體、すなわち都道府縣の生産者團體がそれをメーカーと直接取引してもいいし、販賣店から取引してもよろしい。場合によつては今度できる協同組合あるいは個人でもよろしいというような、非常に自由な姿で取引をすることができるというようなことも聞いておりますが、これらが事實であるかどうか。それから私がここに聽きたいのは、先ほども石油の問題で石原委員その他の方々から出ましたが、漁業協同組合の販賣はどういうふうに今後見ていくか。それからもう一つは、漁網鋼の問題ばかりでなく、藁工品も今日までは漁業會が販賣の衝に當つておる事業がある。その權利を握つておつたのであります。これら二つの問題を今後現地の小賣店舗に許可して取扱わせるか、あるいは漁業者團體に取扱わせるか、こういうような問題を聽いてみたいと思います。
#14
○藤田政府委員 漁網鋼その他漁業用資材の配給のやり方につきましては、ただいまお話のございましたのと大體同じような内容で變更になる見込みであります。たしかこれについては、もう全部の方面の意見が最近きまりまして、差支えないという返事がまいつております。たしかもう規則が出たか、あるいは出ぬにしましても、ごくわずかの、近い將來にこれが出されると思います。考え方はやはり非常に自由になります。從來は各工場ごとにその原料の割當を一方やり、また漁業者の方には原絲の割當を別途農林省からやるというふうになつておつたのを、今度は割當證明書をもつていけば、たとえば販賣業者あるいは製造工場へ行けば、どこでも頼めるというふうな機構に變えるわけであります。必ずしも從來のように、特定の工場にもつていかなければならないという制限は受けなくてもよろしい、こういうことになるわけであります。從つてサービスのいい工場はたくさん注文がくる。それに應じて原料割當も殖やしていくというふうな仕組になるわけであります。それから工場から賣ります場合も、工場から直接賣ります場合と、それから工場が販賣店を通じて賣ります場合と兩方あります。その兩様を認めております。そうして値段はこれを別建に考える。ただ問題は、工場が直接漁業者に賣る値段をどうするかという問題であります。これは販賣業者の販賣價格と卸賣業者の價格との間にもう一つ價格を設定し、つまり製造業者が直接その漁業者に賣る折の値段というものを別途に、中間に價格の設定をする。その値段で取引をするというふうに現在考えております。
 それから協同組合の販賣、これは將來できます協同組合につきましては、組合員の必要とする物資の共同購入、それから組合員の生産します物資の共同販賣、これが主たる事業の内容になることは申すまでもないのでありまして、全面的にこういうふうな仕事はやれるということになるわけであります。ただ獨占してこれがやれるということにはなりません。やはりこれを扱うところの商業機構もあるわけでありますから、それらを並存をして、同じ資格で、おそらく競爭をしていくというふうな仕組がとられていくのではないかいとうふうに思つております。
#15
○川村委員 ただいまの説明で大體わかりましたが、そうしますと、先ほど石原委員も言われました、工場にたくさんストツク品があるのだ、こうなりますと、ある特定の漁業會なり、あるいは特定の漁業者なりが、その割當の範圍内において、規則發令と同時に、行つて買つてもよろしいというような解釋をしてよいのですか。それとも價格が上つてから取引しなければならぬというようなお考えをもつておるのかどうか。價格が上つてからだとしますれば、自然魚價の問題とも關連することになりますので、非常なここにいろいろな複雜な事情ができるのではないか、かように思うのであります。この際石原委員の言われる通り、前のストツク品というものは、安い價格で製造加工しておるのでありますから、これらをやはり公平に漁業者にいきわたるようにしたらどうか、私はかように思うのであります。そうしなければ力のある者は工場といろいろな内談をしまして、そうして多量に漁網鋼を仕入れるというようなことも考えられるので、これらに對してどういう御方針をおもちになつておるか、ひとつ伺いたいと思います。
#16
○藤田政府委員 まどこの店からも買えるといたしましても、結局割當票がなければ買えないわけであります。つまり割當票と引換えに買えるわけであります。資材の割當票というのは、農林省の方から個々の漁業者に對して割當てておりますから、それで買取るわけであります。割當票なくして勝手に工場から買うというわけにはまいりません。從つてそこでおのずから制限されておる。現在各製網工場でできております製品も、すでにいずれもその割當票に基いてつくつておるもので、これはそれ以外に一應理論としてはあり得ないわけでありますから、それによつて引取るわけであります。でありますから、規則ができましても、すぐどこの工場にでも行つて出してもらうというわけにはならない。從來頼んでおります工場へ行つて、割當てられた資材の分だけ貰つてくる。値段が今度新しい値段になつてくる。こういうことになるのであります。
#17
○外崎委員 政府委員も御承知になつておると思いますが、先日山形縣、新潟縣、富山、石川、福井の二十何箇所の漁港の調査にまいつて、特に漁民の聲を聽いてみたいのでありますが、最初の委員會のときに藤田局長から、漁網と撚絲は相當心配ない程度の準備があるということを聽いて、非常にわれわれも意を強うしておつたのであります。ところがその後において商工省竝びに藤田局長のお話を聽くと、八〇%くらいの準備があるということでありましたが、各地方の漁業者に聽いてみますと、ほとんど一割程度から、一割五分―二割までのところはないというように聽き及んでおるのであります。そのために漁業家はどこも一・九の値上げは安いということを一致して言うておる。要はそういうように漁網用綿絲が公定價格で手にはいらないために、非常に高いものを買わなければならないという聲が各地にあるのであります。そこで政府が八〇%の準備があつて相當の漁網用綿絲を出すということを聞いておるが、現地に行つて見ると、今言うように行渡つておらないのは、一體どういう經路を經て渡つていないのか、御説明願いたいと思います。
#18
○藤田政府委員 私は漁網鋼につきまして、需要量の八割程度渡つておると申したことはありません。それはおそらく燃油の問題だろうと思います。油の類は大體需要量の七、八割程度割當がございます。それから漁網鋼は、おそらく現在需要量の二、三割程度であろうと考えております。しかしながら大體割當は一期一萬こりぐらいずつきておりますから、一年に四萬こりになる。四萬こりと申しますと、大體平年需要が八萬こりないし九萬こりであります。大體半分である。從つて生産さえ上つてまいりますれば、大體半分程度のものは現在は確保されるが、實情はおそらく二、三割、こういうふうなことであろうと思います。しかしこの問題は、綿糸の輸入についてはなお將來要求をして、そうして殖やしてもらうというところの餘地はあろうというふうに、私は絶えず思つておるわけであります。
#19
○外崎委員 よくわかりました。しかし今の二、三割程度は出しておるというけれども、最低一割、一割五分、二割ぐらいまで行つておるところは、一縣くらいしかないと聞いております。そこであなたの方は出しておると言うが、直接業者の方にはいつていないのはどこに原因があるのか、同時に本年中に五割くらいのものは完全に出し得るという自信があるか。この點を伺いたい。
#20
○藤田政府委員 大體現在割當てられておりますその數量から申しますと、平年需要量の大體半分程度は確保されてると考えていいと思います。ただ實際の出し方について申しますと、これはある程度報奨的に出しております。それからまた重點的に出しておる。たとえばかつお、まぐろとか、以西の底引でありますとか、そういうものには重點的に出しておる。そのほか出荷の非常に良好のところには報奨的に出してやる。從つてこれは個々にまいりますと、あるいは一割にも當らぬところもありましようし、中には半分くらいもらつておるところもあると思います。これは業態業態によつて考えなければならぬと思うのでありますが、まじめに出荷をしており、しかも順調に行つておるところとすれば、一割というのは少し少な過ぎる。それは割當方法その他について、何かの事情があつてそういうふうに少くなつているんじやなかろうかというふうに想像される。私どもの方としては、大體全體を通じて、半分程度のものはいつているというふうに考えております。なお從來割當てられましたものが非常に遲れてきておりますから、そういうふうな事情もあるいはあるのではなかろうかと思います。
#21
○外崎委員 順調に行つているところと申しますけれども、すべての漁業者が使うのはほとんど一割かあるいはその半分くらいしかいつておらず、あとの九割あるいは九割あるいは九割五分というものは、ほとんどやみ價格で買わなければならぬ。そういう状態で完全に漁業組合に公定價格で出せということも無理だと考えます。そういう點において、いま少しく農林省も考えてくれまして、出すのに無理のないような方法をとつてもらいたいというのが私の希望でありまして、この點ひとつお願いいたします。
#22
○庄司(彦)委員 今までの委員會の質問竝びに應答をみますと、個々の問題について、また緊急な問題についての質問のみであつて、漁業、水産業一般の問題について、大局的にこれをどうしていくかということについての御意見が少いようだと私は思います。これは一つはどうしても日本の水産行政がどういう行き方をしているかということは、その豫算がわれわれの頭にはいつていなければ、いわゆる群盲象をなでるの類に過ぎないと思うのです。私は委員長に要請したいことは、本年度からの水産局の立てる水産行政に對する豫算を、われわれこれによつて行政部門に對してどういう注文をするというのではなく、水産行政を大所高所から見て、推進していく上においての参考に供したいと思うので、當局へ本年度からの豫算書を本委員會に提出せられんことを希望します。
#23
○青木委員長 さきに石原委員から發言がありました石油の問題については、漁業資材の小委員會が置かれることですから、この委員會において案文を起草していただき、次の委員會で委員會の意思として決定し、それぞれの方面に目的の貫徹のために送付したいと存じます。次に漁網鋼の問題でありますが、これも適當の機會に工場の視察をいたしたいと思います。また今の庄司君の豫算の問題でありますが、これも次の會議に政府當局から差支えのない範圍の御説明を承ることにいたしたいと思います。速記を止めて下さい。
    〔速記中止〕
#24
○青木委員長 漁網工場視察については、各黨及び小會派一名ずつ、それに小委員長を加えて五名といたし、静岡、愛知、三重、この三縣下への委員派遣申請を議長にいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#25
○青木委員長 御異議なければさよう決定いたします。
#26
○馬越委員 ちよつと政府委員にお尋ねしたい。農業協同組合法が上程されて農林委員會に付議されておりますが、ちようど昨日は私ども民主黨におきましても、農業協同組合法をどうするかという問題で、役員會竝びに代議士會にこれをかけたわけです。そのとき私が農林委員の理事に質問をしました場合に、今度の農業協同組合の連合會は、金融方面と事業を兼ねることができない。金融は金融であり、事業は事業であるというふうになつており、連合會自體が金融事業もやれるしまた事業もやれるということになつているということを聽いた。今度漁業協同組合法ができますと、漁業協同組合の連合會は、やはり農業協同組合連合會と同じように、事業をやれるかのように私は心得ておるのですが、先ほど經濟行為ができないというようなお話を聽きまして、ちよつと私の考えていることと多少違つたように思うのですが、その經濟行為ができないということは、たとえば今言う石油とか漁業資材とを取扱うことができないという意味であるか、ほかにあるいは造船その他機会の修理工場をやつておるとか、また共同販賣所や水産物の集荷をやつておるという事業は、一體どうなるか。その邊のところをお聽きしたいと思います。
#27
○藤田政府委員 漁業協同組合も結局農業協同組合と同じ建前でまいります。從つて農業協同組合でやれるような性質のものはいずれも漁業協同組合でやれるようにいたします。金融事業そのほかの經濟事業は一つでやらないで別にするという原則でありますから、それはどうしてもわけざるを得ない。そのほかたとえば販賣事業、あるいは購買事業のようなものも、先ほど申し上げましたような、國が直接漁業者に割當るような資材は別といたしまして、それ以外のものならば、自由に經濟行為はできる。だから經濟行為全體ができないというわけではございませんので、そういう特定のルートによつて流すべきものについては、縣の團體というものはその中に入れるわけにいかない。こういうわけであります。
#28
○馬越委員 共同販賣については……。
#29
○藤田政府委員 共同販賣はやれます。
#30
○川村委員 議會が始まつてから大體百五十日になります。委員會も相當の囘數を重ねておりますけれども、遺憾ながら水産委員會としては、重要な問題は一つもまとまつておりません。水産廳の問題にしても、あるいは機構の改革の問題にいたしましても、その他漁業法あるいは團體法の問題にしても、もちろん正式な提案はないまでも、そうした重要な問題が解決がついておらないということを見ますときに、この議會の運營に少しく缺けている點があるのではないかというようなことを考えるのであります。從つてもちろん委員長がお忙がしいのはわかつておりますけれども、小委員會のごときは、あまり日に拘束されないで、あるいは速記をとらなければ委員會がうまくないというようなことでなく、懇談的でもかまわぬから、時間の許す範圍において常に開催して、まとまつたものを正式な小委員會なりあるいは本委員會にかけて決定していくというふうにして、運營の上において促進をはかつたらどうかというようなことを私は考えるのであります。これに對して委員長はどういうお考えをもつておりまするか、ちよつと御所見を承りたいのであります。
#31
○青木委員長 委員會の運營の促進に關しましては、さきに衆議院の委員長の打合會の席上でも、これが問題となつておりまして、部屋の數とか速記者の人數というものに制限されまして、各委員會とも遲々として進まない。これが打開の方法として、ただいま川村君の言われましたように、速記をつけないで小委員會のごときものは進めたらどうかという説も出たのでありますが、記録を殘さなければ將來問題が起つたときに困るだろうというような意見も出たようであります。問題は部屋の問題でありまして、部屋の數が非常に少いために、各委員會とも、小委員會ももちろん開こうとしても開けない現状にあるのであります。問題は委員會の開會日を割當てられた日に、午前から午後にわたつて、日の暮れるまで審議を繼續する以外には途がない模様でありますので、各委員諸君におきましても、お互いのいろいろな御都合はおありとは存じまするが、どうか長時間委員會を繼續し、また引き續いて小委員會を開くという委員長及び小委員長の方針に對して、御協力が願いたいと思うのであります。
#32
○川村委員 事情は私よくわかるのでございます。ですけれども議會の部屋を使わぬでも、お互いに打合せをいたしまするには場所も必ず得られる。かように私は考えているのであります。從いまして各委員は、この部屋をいくつかの小委員で使うということも容易でないので、その小委員なら小委員において、ある一定の場所を見つけて、そして進行をはかつたらどうか、私はかようなことを考えております。
#33
○青木委員長 よく川村君の御説もわかつておりまするから、各小委員會におきましても、どうしても速記をとらなければならない問題だけ正式に會議をお開き願つて、その他の分はなるべく打合會等において、ひとつ御審議を進めていつていただきたいと存じます。鈴木善幸君。
#34
○鈴木(善)委員 委員會の運營に關する發言がございましたので、關連して私の意見を申し述べまして、委員長の特段のお計らいを願いたいと思うのでございますが、それはいたずらに委員會もしくは小委員會を頻繁に開くことが、即委員會の能率をあげる結果とはなるまい、私の考えるところでは委員會において披瀝されましたる各委員の意見、もしくはその決議として取上げられましたものを、いかにして具現するかという面に、もう少し強力な措置が講ぜられる必要がある。これを具體的に申し上げますれば、水産金融の問題につきまして、小委員會もしくは委員會において、委員會の意思が決定されましても、それは大藏省もしくは安本の單なる参考意見に過ぎない。あるいは漁港船溜りの委員會におきまして、幾多の陳情、請願等を審議いたしましても、それが豫算の面において安本等において審議されます場合に、はたして委員會の意見が通るであろうかということについても、はなはだ疑問な點があるわけであります。かように考えてまいりますと、そういう豫算を伴うもの、あるいは金融のようなものは、財政金融委員會で國全體の産業資金を檢討する場合に水産委員會の意見が金融委員會の方にも十分に反映しておつて、それが各委員から出てくるところの總合された産業資金計畫をもつて、政府から提案されたところの産業資金計畫を國會の總合的な計畫の見地に立つて審議するのでなければ、決して目的は達しない、こういうぐあいに考えられるわけであります。從いましてもう少しそういう豫算を伴うものであるとか、その他の面につきましては、それらの委員會と十分緊密な連絡をとりまして、この委員會の意思が十分行政面に浸透できるような措置を講ずる必要がある。こういうぐあいに考えておるわけであります。これに對して委員長のお考え、及び今後いかにするかという御見解をお聽きしたいと思います。
#35
○青木委員長 委員會において委員會の意思を決定いたしましても、これが政府及び外部に對する拘束力を發生しないということは、鈴木さんのお説ごもつともであります。どうしてもこれを本會議に持出して、衆議院の全體の意思として決議するのでなければ、衆議院の院議とはならないのであります。ただいま各小委員會におきまして、いろいろの問題を取上げておやりになつておるのでありますが、まだ結論に到達しておらないのではないかと思うのであります。私の方へ結論をお示し願いますれば、その結論の模様によりましては、他の委員會との共同審査會、場合によつては本會議に持出しまして、皆さんの御意思の貫徹するように取計らうよういたしたいと思うのであります。
 次會は七日午後十時から開會いたします。本日はこれをもつて散會いたします。
   午後零時二十分散會           
ソース: 国立国会図書館
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