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1947/11/25 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 水産委員会 第27号
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1947/11/25 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 水産委員会 第27号

#1
第001回国会 水産委員会 第27号
昭和二十二年十一月二十五日(火曜日)
    午後一時二十三分開議
 出席委員
   委員長 青木清左ヱ門君
   理事 庄司 彦男君 理事 鈴木 善幸君
   理事 馬越  晃君 理事 三好 竹勇君
   理事 西村 久之君
      加藤 靜雄君    金野 定吉君
      藤原繁太郎君    松本 眞一君
      宇都宮則綱君    小澤專七郎君
      石原 圓吉君    坂本  實君
      多賀 安郎君    外崎千代吉君
 出席政府委員
        農林事務官   藤田  巖君
 委員外の出席者
   理事 永井勝次郎君 理事 深津玉一郎君
   理事 小川原政信君 理事 椎熊 三郎君
   理事 佐々木秀世君
        農 林 技 官 太田 國廣君
        專門調査員   小安 正三君
    ―――――――――――――
十一月二十四日
 江良船入澗擴張工事施行の請願(冨永格五郎君
 外一名紹介)(第一一七七號)
 厚田村に船入澗築設の請願(椎熊三郎君紹介)
 (第一一八〇號)
 燒尻村に漁港築設の請願(佐々木秀世君外三名
 紹介)(第一一九〇號)
 舟見町に漁港築設の請願(三好竹勇君紹介)(
 第一二三三號)
 苫小牧町勇拂に漁港築設の請願(三好竹勇君紹
 介)(第一二三四號)
 苫小牧町に漁港築設の請願(三好竹勇君紹介)
 (第一二三五號)
 豊浦町禮文に漁港築設の請願(三好竹勇君紹
 介)(第一二三六號)
 伏古別に漁港築設の請願(三好竹勇君紹介)(
 第一二三七號)
 有珠漁港修築の請願(三好竹勇君紹介)(第一
 二三八號)
 虻田町に漁港築設の請願(三好竹勇君紹介)(
 第一二三九號)
 豊浦漁港修築の請願(三好竹勇君紹介)(第一
 二四八號)
 眞鍋島村本村に船溜築設の請願(多賀安郎君紹
 介)(第一二五八號)
の審査を本委員會に付託された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 漁業法の一部を改正する法律案(内閣提出)(
 第九一號)
  請願
 一 臼尻漁港修築に關する請願(川村善八郎君
   紹介)(第一〇八號)
 二 斜里漁港修築竝びに斜里川河口改修の請願
   (永井勝次郎君紹介)(第二五七號)
 三 大津漁港修築の請願(菊池豐君紹介)(第
   三六九號)
 四 師崎漁港修築の請願(深津玉一郎君紹介)
   (第六一六號)
 五 出雲崎漁港修築の請願(神山榮一君紹介)
   (第七三七號)
 六 大澤村字大澤に船入澗築設の請願(川村善
   八郎君紹介)(第七五三號)
 七 涌元に漁港築設の請願(川村善八郎君紹
   介)(第七五四號)
 八 松前町に漁港築設の請願(川村善八郎君紹
   介)(第七五五號)
 九 大島村原口に船入澗築設の請願(川村善八
   郎君紹介)(第七八二號)
一〇 小島村館濱に船入澗築設の請願(川村善八
   郎君紹介)(第七八三號)
一一 大島村清部に船入澗築設の請願(川村善八
   郎君紹介)(第七八五號)
一二 稚鮎の保護に關する請願(青木清左ヱ門君
   紹介)(第八九七號)
一三 保戸島漁業組合に漁船配船の請願(梅林時
   雄君外一名紹介)(第一〇〇〇號)
一四 入舸村船入澗擴張工事施行の請願(小川原
   政信君紹介)(第一〇九五號)
一五 舟見町に漁港築設の請願(三好竹勇君紹
   介)(第一二三三號)
一六 苫小牧町勇拂に漁港築設の請願(三好竹勇
   君紹介)(第一二三四號)
一七 苫小牧町に漁港築設の請願(三好竹勇君紹
   介)(第一二三五號)
一八 豊浦町禮文に漁港築設の請願(三好竹勇君
   紹介)(第一二三六號)
一九 伏古別に漁港築設の請願(三好竹勇君紹
   介)(第一二三七號)
二〇 有珠漁港修築の請願(三好竹勇君紹介)(
   第一二三八號)
二一 虻田町に漁港築設の請願(三好竹勇君紹
   介)(第一二三九號)
二二 豊浦漁港修築の請願(三好竹勇君紹介)(
   第一二四八號)
  日程追加
 一 厚田村に船入澗築設の請願(椎熊三郎君紹
   介(第一一八〇號)
 二 燒尻村に漁港築設の請願(佐々木秀世君外
   三名紹介)(第一一九〇號)
 三 眞鍋島村本村に船溜築設の請願(多賀安郎
   君紹介)(第一二五八號)
    ―――――――――――――
#2
○青木委員長 これより會議を開きます。
 本日は都合上請願の審査を裂きに進めたいと思います。日程は便宜變更いたしますから御了承願います。
 先づ第一四、入舸村船入澗擴張工事施行の請願、小川原政信君紹介、文書表第一〇九五號、紹介議員の御説明を願います。小川原政信君。
#3
○小川原政信君 ここに北海道積丹郡の入舸村大字日司村船入澗擴張工事施行の請願書を提出いたしましたのにつきまして、紹介議員として内容を御説明申し上げたいと存じます。御承知の通り北海道は非常に漁業の産地でありまして、しかもこの積丹郡と申しますのは日本海に突出しております半島でございまして、非常にこの近海は漁獲が多いのであります。しかるに今日まで國家財政上の關係によりまして、いいところの港ができておらなかつたのでありますが、先年日司村に私どもが出張いたしまして、船入澗を修築いたしたのでございます。その修築をいたしまして以來、その附近ににしんを初めといたしまして、その他の雜魚が非常に多いのでありまして、船の出入も大へんに多くなつてまいりましたから、それでこの船入澗が非常に小さいということになつたのであります。でようやくこの近海が荒廢に歸しようとするときに、この漁獲を得るということは、すこぶる本村のためのみならず、日本のために非常な大きな役割といたしまするが、この附近の船がこの小さい船入澗にははいらぬのであります。そうでありますからして、どうしてもこれを擴張してもらわなければならぬという議が今日同村に起つておるのであります。同村ばかりではありません。この積丹の先にありますところの餘別という村と、その附近にありまする美國、あるいは古平という町があるのでありますが、その間を往復しまするところの船が、この日司村の船入澗にはいらなければ、どこにも著くところがないのでありまして、ただいま申し上げました通り、日本海に突出しておりますから、いつ何時風波が起りまして、非常に難船をするかわからないのでございます。そういう場合にはただちにこの船入澗にはいらなければならないのでありますが、ただいまも申し上げました通り、非常に狹いのでありますから、村民はどうしてもこれを擴張していただいて、この漁獲物を安全に陸揚げいたしたいというのが本案の趣意でございます。何とぞその點をひとつおくみとりくださいまして、本案の御採擇を願いたいと、かように考えまして。私紹介議員といたしまして御紹介申し上げたような次第であります。これをもちまして趣旨の説明に代えたいと存じます。
#4
○青木委員長 本件に關し、政府の意見を求めます。藤田水産局長。
#5
○藤田政府委員 入舸船入澗擴張の必要は認められまするが、具體的計畫につきましては今後十分に檢討の上、財政の許す限りなるべく速やかに實現するよう考慮いたしたいと思います。
    ―――――――――――――
#6
○青木委員長 次に日程第一五、舟見町に漁港築設の請願、三好竹勇君紹介、文書表第一二三三號竝びに第一六、苫小牧町勇拂に漁港築設の請願、三好竹勇君紹介、文書表第一二三四號及び第一七、苫小牧町に漁港築設の請願、三好竹勇君紹介、文書表第一二三五號。第一八、豊浦村禮文に漁港築設の請願、三好竹勇君紹介、文書表第一二三六號。第一九、伏古別に漁港築設の請願、三好竹勇君紹介、文書表第一二三七號。第二〇、有珠漁港修築の請願、三好竹勇君紹介、文書表第一二三八號。第二一、虻田町に漁港築設の請願、三好竹勇君紹介、文書表第一二三九號の七件を一括して紹介議員の説明を求めます。三好竹勇君。
#7
○三好委員 ただいまの紹介議員の三好でございます。追直漁港築設についての請願を出したのでありますが、この豫定地は北海道の室蘭の舟見町の地先にあるのであります。實は室蘭港内における船著場は石炭積込、木材積卸し、一般貨物荷役等のため大部分の面積を使用せられておるので、漁船は共同荷揚場狹隘なるために、非常な混亂を呈しておるのでありまして、さらにまた追直方面から同港までは數マイルを迂囘して室蘭港内に航行するの状態でありまして、燃料の消費もまた莫大であるのであります。追直濱は天然の地形をなしておるので、ここに漁港を築設してこの不便を除きたいというのが目的であります。現在漁船動力船二百五十四隻、無動力船百四隻、漁獲高四千五百九十九萬二千四百五十圓ありますが、追直船入澗完成後においては、時間的に六萬六千百八十六時間、燃料においては五十萬石の節約を見、漁獲高よりしても二億二千九十九萬六千二百五十五圓の漁獲も豫想せられ、これが漁港の實現を熱望してやまないのでありまして、どうぞこの請願を御審議あらんことをお願いする次第であります。
 さらに勇拂漁港新設について請願いたします。本漁港豫定地は、苫小牧町東部勇拂川河口であつて、現在工事中の河口切替による古川を利用して漁港を建設せんとする計畫であります。
 本漁港の實現により勇拂沿岸とともに厚眞村及び鵡川村沿岸漁業者全部が利用し得るもので、現在附近漁業者八十名、漁獲高年産二十萬貫、漁船は動力無動力、合せ百隻を超え、漁業の發展は期してまつべきものがあるのでありますから、十分御審議をいただきたいと存ずるものであります。
 さらにまた苫小牧漁港築設についての請願でありますが、北海道苫小牧沿岸は太平洋に面し、渺茫たる海岸は魚族豊富であつて、沖合漁業等將來最も有望であります。また同町は戸數五千餘を算し、かつ管内東部中心地として交通の要衝にあります。現在漁業者は百五十六名漁獲年産が五百萬貫を超え、動力船十隻、無動力船九十隻を有し、漁港の緊要を痛感しております。何率十分御審議をお願いしたいと思います。
禮文漁港築設について請願いたしたいと思います。本漁港豫定地は、北海道の虻田郡豊浦村字禮文にあるのでありますが、この禮文は船入澗の設備なきため、漁船の巻揚等のため損傷はなはだしく、また常に數マイルを航行し、豊浦漁港に至り漁獲物の取引をなす状態であり、また豊浦が唯一の避難港であります。かかる不便のため現在漁業は盛んではないが同沿岸は魚族も豊富であり、將來すこぶる有望なところでありますから、ぜひ漁港または船入澗の新設を要望いたす次第であります。
 伏古別漁港築設について請願いたしたいのでありますが、本漁港豫定地は、北海道の幌別郡と白老郡の境界でありまして、伏古別川河口に位しております。天惠の岸壁をもつて自然の港灣を形成するため、工事もすこぶる容易なばかりでなく、省線登別驛に近接するので、漁獲物の輸送その他經濟的にも便利が多く、好條件を備えており、さらに兩村に位置するため、兩村沿岸漁業者五百五十九名がこれを利用し得るとともに、今後太平洋沿岸魚田開發に大いに期待できるものと確信する次第であります。なお本漁港が完成すれば、幌別、白老兩村が漁港として活用せられるばかりでなく、同沿岸一帶唯一の避難港としてきわめて重要な役割を果すことになつておるので、急速に實施を要望いたす次第であります。現在漁船數は動力船三百五十四隻でありまして、漁獲高の年産は百八十萬貫あります。何とぞ採擇あらんことを切望いたします。
 有珠漁港改修工事の請願をいたしたいと思います。有珠漁港は北海道の内浦灣に面する唯一天然の良港で、浚渫埋立等の工事實施により最も有效に使用できるので、その利用價値の大なることはあらためてここに呶々を要しないところであります。しこうして漁業者は四百四十六名、漁船は動力船四十隻、無動力船三百五十隻を有し、漁獲高は年産六十萬貫餘であつて、本漁港完成の曉は、ひとり同地方のみならず、内浦灣全體の避難港として利用せられるので、本工事の實現は同灣漁業者一同の渇望するところでありますから、何とぞ十分御審議をお願いしたいと存じます。
 さらに虻田漁港築設について請願いたしたいのであります。本漁港の豫定箇所は、内浦灣に面する屈曲せる岩石地帶で、自然の地形は工事の比較的容易であるのと、工費の經濟的に實施し得る點にあります。現在漁業者は三百七十七名、漁獲高は年産一千萬貫を超える盛況で、漁船も動力船六十九隻、無動力船百二十隻を有し、將來ますます有望の箇所であります。何とぞ御審議御採擇あらんことをお願いいたします。
#8
○青木委員長 以上七件に關し政府の意見を求めます。
#9
○藤田政府委員 ただいまの北海道舟見町追直漁港ほか六件の漁港修築に關する請願でございますが、これらの諸港は北海道の漁業開發のためその必要性は十分認められまするから、具體的な計畫について愼重に檢討をいたしました上、財政の許す限り、なるべく速やかに實現するよう考慮いたしたいと存じます。時にそのうち有珠漁港の修築につきましては、早急實施の必要ありと認めておりまして、できれば昭和二十三年度からこれを實施いたしたいと考えております。
    ―――――――――――――
#10
○青木委員長 次に日程第二、斜里漁港修築竝びに斜里川河口改修の請願、永井勝次郎君紹介、文書表第二五七號、紹介議員の説明を求めます。
#11
○永井勝次郎君 斜里川河口を改修し、漁港築設せられたいという請願でありまして、理由を簡單に申し上げまして、何とぞ愼重御審議の上御採擇あらんことをお願い申し上げる次第であります。
 御承知のように北海道の魚田の開發につきましては、日本海、太平洋、オホーツク海と三つの海に面しておるのでありまして、そのうち殘されておる大きな魚田として、今後の開發にまつべきものはオホーツク海があるわけであります。オホーツク海の沿岸の漁港は點々として少數あるだけでありまして、十分にその設備が整つていないという状況でありますが、今後北海道の海産物の増産はオホーツク海沿岸の開發にあり、その沿岸漁港の設備にあると申し上げましても過言ではないと思うのであります。殊に斜里の場合におきましては、網走と根室五十餘里の間何ら船溜も船の寄港する場所もないというわけでありまして、その沖合に兩方の港から來て漁獲してそれぞれの港へ歸つていくという不自由があり、また經濟的に見ましても、あるいは資材の關係から見ましても、不便をしのいでやつておる状況でありますので、斜里川河口を改修してここに漁港を設備しまして、五十餘里の間何らの施設のないという不便を除き、魚介草類の増獲、確保に努力したい。すでに斜里川は改修によつて河口が相當できておりますが、未だ不十分でありまして、大型漁船の出入に不便でありますし、いわんや發動機船その他の出入には不便でありますので、せめて發動機船の出入が可能な限界まで河口を改修していただきたい、というのが請願の趣旨であります。何とぞよろしくお願いいたします。
#12
○青木委員長 本請願に關し政府の意見を求めます。
#13
○藤田政府委員 斜里漁港の修築は、北海道の漁業開發のためその必要性は十分認められまするが、具體的な計畫については、今後愼重檢討いたしました上、財政の許す限り實現するよう考慮いたしたいと思います。
    ―――――――――――――
#14
○青木委員長 次に第四、師崎漁港修築の請願、深津玉郎君紹介、文書表第六一六號、紹介議員の説明を求めます。
#15
○深津玉一郎君 漁港修築に關する請願をさせていただきたいと思います。
 御承知の通り愛知縣の知多半島の一番南に位する地點でありまして、今までも多少の設備はあつたのでございますが、この設備たるや戰爭中ほとんど置き放しされた形になつておりましたので、非常に破壞し、またほんとうの漁港として役に立たないようになつておるのでございます。しかしこの地點は御承知の通り海も非常に深くございまして、少し修理すれば立派な漁港となることは明かでございますから、何とぞこの際一日も早くこの漁港を復活して、あるいは雨の日とか海の荒れた日に避難をする點においても、非常に好都合な場所だと思います。御承知の通り割合に漁獲の多いところでございまして、ここを利用して名古屋へ持つていけば、名古屋の大都市を控えて非常に有意義と思うのでございます。この點どうしても今のままに放置しておくと、名古屋の魚の問題にしても、近いところで魚がとれながら、それを沖の方でやみ賣りをするとか、いろいろな問題が起きて非常に困りますから、何とかここをりつぱな漁港として指定をしていただきたいと思いまして、わざわざ向うで私が行つたときに、近いうちに必ずできるだろうといつてまいつたのでございますから、どうか政府委員におかせられても、何とぞ御審議の上一日も早くこれを復活していただけるように切にお願いをする次第でございます。
#16
○青木委員長 本件に關し政府の御意見を求めます。
#17
○藤田政府委員 師崎漁港修築の必要性は十分認めまするから、縣當局から具體的計畫の提出を待つて財政の許す限り、將來速やかに實現するよう考慮いたしたいと存じます。
    ―――――――――――――
#18
○青木委員長 次に日程第二二、豊浦港修築の請願、三好竹勇君紹介、文書表第一二四八號、紹介議員の説明を求めます。
#19
○三好竹勇君 豊浦漁港改修の請願をいたしたいと存じます。現在の豊浦港は昭和九年に築設したのでありまするが、その後逐次發展いたしまして、漁業者百八十九名、動力船は三百十一隻、無動力船が二百七十隻を超え、漁獲高は年産六十萬貫を産するに至つておりまして、現在の施設では狭隘であるばかりでなく、漁港入口が西南方面に向つているので、直接波浪が入り、港内の漁船は激浪に飜弄せられ、安定しないのでありまして、利用價値を著しく殺されておりますものですから、これが擴張改修工事は多年の懸案でありまして、速やかにこの工事を實施せられるように熱望いたしてやまないものであります。何とぞ十分御審議の上、御採擇あらんことをお願いする次第でございます。
#20
○青木委員長 本件に關し政府の御意見を求めます。
#21
○藤田政府委員 豊浦漁港修築の必要性は認めまするが、具體的計畫につきましては、今後十分檢討いたしました上、財政の許す限りなるべく速やかに實現するよう考慮いたしたいと思います。
    ―――――――――――――
#22
○青木委員長 次に日程第一二、稚鮎の保護に關する請願、青木清左ヱ門君紹介、文書表第八九七號は、各位の御了解を得まして、本席より御紹介申し上げたいと存じます。これはいかなる理由手段によるも稚あゆの採捕を禁止し、かつその輸送販賣をも禁ずる法令の制定をしていただきたいという請願の趣旨なのでありまして、あゆの漁業が海面漁業に比し、また内水面の漁業としても小問題のように考えられておりますけれども、むしろ重要な水産上の役割を擔つておるものと考えられるのであります。殊に各種の制約を受けまして、最近の海面漁業が非常に不振に陥つておりますときに、ほとんど鮮魚の供給という途が絶えております山村民の唯一の蛋白質を補給するとともに、夏枯期においては特に一般國民の食膳を賑わすところ大であると考えるのであります。またあゆ漁業は入漁方法が最も民主的に開放されておりますために、都會民にもまた農山村民にもきわめて簡單に入漁ができ、食糧の補給とともに體位の向上の面にも貢獻しておる點が大なのであります。ところが内水面漁業の特質といたしまして、これが養殖に關しましては、沿岸の漁業組合におきまして一手に引受けて、この養殖事業をやつておるのが全國的の状況であるのであります。特に本請願を提出いたしております福井縣の河川漁業會におきましては、天然の養殖のみに放置することができないとして相當の經費を投じて増殖施設を實施中なのであります。すなわち滋賀縣小點配給協會等から、例年小あゆを購入して移殖放流しておりますが、昭和二十一年度は二十三萬尾、費用十一萬餘圓、昭和二十二年度は四十萬尾、費用二十四萬餘圓の數字がその實情を物語つておるのであります。昨年度から滋賀縣産の小あゆは價格が暴騰いたしておりますために、購入に非常な困難を感じましたので、自主的に天然孵化場十箇所を設置いたしまして、特にこの地區を禁漁區とし、組合の經費をもつて不寝番等もつけておるのでありますが、このためにも相當の經費をただいま投じておりまして、約一千萬粒の人口孵化をやつておるわけであります。ところが申すまでもなくあゆの習性は九月、十月の晩秋河川で産卵孵化して、稚あゆはただちに海に下つて、波靜かにして棲息が可能であり、適温攝氏十二三度の内灣で越冬し、翌年梅雨のころ遡河を始めるのでありますが、何分この稚あゆは小形でありますがために、他の魚族のえさとなつて減少するものが多いのでありますが、特に福井縣の實情から見ますと、九頭龍川で孵化した稚あゆは河口に下り、さらに沿海を七八十里も遠く敦賀灣に遊弋し、若狹三萬の沿岸で越冬しておるのでありますが、この稚あゆを京都、大阪方面では「ひうお」という名前で賣出しておるのであります。その原因を尋ねてみますと、この若狹三萬の沿岸で越冬しております稚あゆを沿岸の漁民が捕獲して京都方面に輸送して賣つておるのでありまして、ようやく九頭龍川沿岸の漁業組合において人口孵化し、もしくは放流したものが、そういう方法によつて捕獲されるということになればただでさえ他の魚のえさとなつて減少する稚あゆが、ほとんど餘すところなく捕獲されてしまうため、翌年遡上してくるあゆの數は非常に減少してくるのであります。これらは漁業法の一部改正に伴いまして、府縣の適宜にこの禁止規定の制定を任すことなく、全國一律的にこの稚あゆの捕獲だけでなく、むしろ輸送と販賣をも全面的に禁止する法令を制定する必要があるという觀點に立ちまして、單なる福井縣の縣内の問題だけでなく福井縣産のものが京都府に輸送販賣されて居るごとく他縣にも關係する全國的な問題であるというので、福井縣の河川漁業會の會長鈴木重二君からこの請願書が提出されておる次第なのであります。政府もまた委員の各位におきましても、この請願の趣旨を了とせられ、御採擇あらんことを切望する次第であります。
 本件に關し政府の意見を求めます。
#23
○藤田政府委員 福井縣漁業取締規則第二十一條第一項の禁漁期間のうちに、あゆこれは方言「ひうお」を含めまして、あゆは一月一日から五月三十一日まで禁止になつております。但し海面においてあゆを目的にせざる地引網によつて採捕せられたるものについてはこの限りにあらず、こういう但書がついておるのであります。各府縣が禁漁期間中は全面的にその採捕を禁止しておるにかかわりませず、同縣のみ特例を設けておるわけであります。問題はこの點から端を發しておるのではないかと考えておる次第であります。本問題につきましては縣におきましてもいろいろお考えのあることと聞いておりまするし、なお近く漁業法の改正に伴つて、都道府縣漁業取締規則も全面的に改正を要することと相なりますので、この機會においてよく愼重に事情を檢討いたしました上、改むべきものについては改めたい。かように考えております次第であります。
#24
○青木委員長 ほかに本日の日程の紹介議員の御出席がないようでありますので、昨二十四日本委員會に付託になりました請願を追加審議いたしたいと思いますが御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#25
○青木委員長 御異議なければさように取計らいます。
    ―――――――――――――
#26
○青木委員長 先づ眞鍋島村本村に船溜築設の請願、多賀安郎君紹介、文書表第一二五八號、紹介議員の御説明を願います。
#27
○多賀委員 岡山縣小田郡眞鍋島村本村に船溜築設の請願について御説明いたします。希望する防波堤の規模は幅十尺のものを二百間、これに向つてさらに二百間の迂囘した防波堤を新設するのであります。その理由は現在眞鍋島の港は滿潮時におきましてわずかに三時間、干潮のときはまつたく海の水がない飛行場のような状況になつて、船溜りとしての價値が全然なくなつてしまうのであります。本村は岡山縣の漁場といたしまして、漁獲物は縣下二位もしくは三位の位置にあり、本村の南北海上は瀬戸内海の航路筋であらゆる大小定期不定期の商船はもちろん、幾多の漁船の航行がきわめて多いのでありまして、一朝荒天の場合に附近に避難する港はまつたくない位置にあります。この港が新設いたされますと一般航路船の利便はもちろん、近縣の漁業家にとりましても、たとえば香川縣、愛媛縣、廣島縣邊の出漁船は非常なる便宜を受けることに相なるのであります。これらの隣接府縣の出漁船にして、非常に天候が荒れてまいつた場合は、たまたまそれが引潮のときであれば、中へはいることができずに外に泊まつて遭難するという場合が、從來しばしばあつたのであります。漁村の發展は港獲物をたくさんとることにあることは申すまでもないのでありますが、本村は昔から現在に至るまで漁獲方法がきわめて原始的で、まつたく改めるところなく來つたのでありますが、これは港の問題とは別に高等水産學校のようなものを建設いたしまして、隣接各島嶼民には、こぞつて近海漁業、水産加工等、あらゆる水産學問を普及し、もつて學理的漁業を營ましめたい。實に本縣南端にあるわれら農漁村の島嶼部落七、八割は、漁獲物によつてその村の財政を維持するところである以上、かかる學校施設は急務中の急務であると考えておるのであります。新設港すなわち港の擴張によつて主要航路にかかる各木船用のドツクの施設も肝要で、これら設置を要望しておる次第であります。本村は戸數七百二十八戸、人口三千三百七十四人でありますが、内漁業者が二百五十六戸、人口千二百八十人、漁船は二百六十六艘、うち發動機を備えるもの百二十一艘、これら本村船溜港の完備は、潮の干滿を案ずることなく、いつでも出漁し、あるいは避難繋船に完避することのできるようお取計らい願えるならば、自然漁獲物の増加は期して待つべきものがあるのでありまして、ひとり本村のみならず、附近の漁民一同がこの眞鍋島にりつぱな船溜港のできることを要望いたしておるのであります。何とぞ政府當局竝びに本委員會におかれまして、事情御了承の上御採擇願いますようお願い申し上げる次第であります。
#28
○青木委員長 本件に關し政府の意見を求めます。藤田水産局長。
#29
○藤田政府委員 眞鍋島村船溜修築の必要性は十分認められますから、本計畫に對しましては、縣當局から具體的な案の提出を待つて、財政の許す限りなるべく速やかに實現するよう考慮いたしたいと思います。
    ―――――――――――――
#30
○青木委員長 次に厚田村に船入澗築設の請願 椎熊三郎君紹介、文書表番號一一八〇號、紹介議員の説明を求めます。絃介議員椎熊三郎君。
#31
○椎熊三郎君 厚田港の船入澗築設に關する請願でございますが、この厚田港の船入澗の問題は、北海道としては長年の問題でございます。私は概略この厚田港は北海道におけるどのような地位にあるかということをまず冒頭に説明申し上げまして、委員諸君竝びに政府當局の御注意を喚起したいとこう考えるのであります。
 厚田港は札幌市の西北四十キロ石狩河口より北上すること二十キロの地點にあるのでありまして、札幌、留萌線の要地として、また厚田・岩見澤線の分岐點に位しておりまして、その源を厚田御料地に發する厚田川が蜒蜿として流れておりまして、そうして厚田港に注いでおるのでありまして、自然の灣形をなしております石狩灣を擁して渺茫たる日本海に面しておるという状態でございます。本村は海線三二キロを有し、内徑二十方里の廣大なる地域を占めて、戸數は一千百餘戸に達しておるのであります。農林、水産の資源豊富なるも、なかんずく水産は産業中の首位を占めております。なお本村における産業の首位であるこの厚田港の水産業というものは、北海道全體としても實に重大なる水産事業の地點でございまして、さけ、ます、あるいはにしん、その他こぶ、あらゆる水産物を多量に産出することができます。その願いは年額にしても二十萬圓を超えるという状況でございます。しかも近年水産物價格の騰貴によりましては、この金額はほとんどその何十倍にも達しておるという状況でないかと想像せられるのであります。しかるににしんの漁獲期は春なお淺い風浪のはげしいときでございまして、漁港の築設がなければこのにしんの漁獲物はむなしく流失するということは、この前の利尻鴛泊港の漁港修築の時分に申し上げたと同じ状況にあるのでございます。この二、三年來流失いたしましたるにしんの高だけでも。毎年五百萬圓を下らないという状態なのでございます。從いましてもしそれこの漁港を完全に築設することがだきますならば、ひとり舊來の流失せられたものを確保するのみならず、この漁港を利用いたしまして、この漁港を基點といたしまして、一層漁業事業を殷賑ならしめ、しかも漁業の根據地として重大な利用價値を發生するものであることを確信して疑わないのであります。北海道廳におきましても、長年このことが懸案になつておつたのでありますが、特に本年は農林當局等におかれましても御注意を喚起されまして、すでに現地の當局は詳細に御承知のはずでございます。北海道の船入澗築設計畫中には、北海道の中の筆頭に加えておるのであります。非公式ではございましたが、私どもは農林當局、たとえば水産局長さんなどにお目にかかりましてお話を伺いました際にも、非常に御同情を賜わつた問題でありまして、當然來年度から著手せられて、これの完成を急いでいただきたい、こういうつもりでおります。從いまして北海道においては、全道民こぞつてこの厚田港の完成を期待し、農林當局においてもまたその必要の重大性を認められております。この厚田港は特に來年度の豫算の上に計上せられて、多年要望いたしております北海道水産業界のため、また厚田村のために、何とぞ格別の御同情と御注意を賜わりまして、一日も早くこの船入澗の完成をしていただきたいということを懇願する次第なのでございます。各委員諸君におかれましては愼重審議の上、何とぞ特段の御配慮をもつてこの請願を採擇賜わらんことをひとえに懇願する次第でございます。はなはだ簡單でございますが請願の趣旨を申し述べました。
#32
○青木委員長 本件に關し政府の意見を求めます。藤田水産局長。
#33
○藤田政府委員 厚田漁港の築設は、北海道の漁業開發のためその必要性は十分に認められまするので、財政の許しまする限りなるべく速やかに實現するよう考慮いたしたい。できるならば昭和二十三年度からこれを實施いたしたい、かように考えておる次第であります。
    ―――――――――――――
#34
○青木委員長 次に燒尻村に漁港築設の請願、佐々木秀世君外三名紹介、文書表番號第一一九〇號、紹介議員の説明を求めます。紹介議員佐々木秀世君。
#35
○佐々木秀世君 この請願は北海道の燒尻という小さな島でございますが、そこに漁港を築設していただきたいということなのでございます。燒尻港の築設は大正七年より計畫されまして、擧村一致これが實現に萬進してきたのでありましたが、ついにその機を見ることができなかつたのであります。そのために昭和五年以降打續く凶漁のため、村民はまつたく疲弊困憊の状態にあつたのでありまして、どうしてもこの燒尻港に漁港をつくつていただかなければならないということを再三再四北海道長官にも申し上げていたのでありますが、しかるところ佐上長官在任の當時現地を視察いただきまして、長官はこの實情を深く同情せられまして、漁港の築設は現在拓殖費使途の關係もありますので、近き將來において第二期計畫には必ず編入して希望に副うようにするというところの御高配があつたのであります。しかしてまた昭和九年凶漁救濟事業として起工したところの、被覆面積が三八〇〇平方メートルをもつて大體完成したのでありましたが、その工事不備なためか昭和十四年十五年兩年度にわたるところの事業計畫のもとにそれを完備し、いわゆる船入澗をつくつたのでありました。しかしながらこの設備ではとうてい現在の漁獲を十分に目的を達することができません。同時にまたその後人口の増加あるいは漁業の振興等につきましても、ますます船の出入がはげしくなるにつけまして、漁港築設のことがなお一層痛感されるのであります。それに加えまして最近のにしん漁の多くなりましたことは皆様御承知のことでございます。先ほど椎熊議員からもお話がありましたが、北海道においてこの漁港がないために、せつかくのとり上げました魚をとり逃がしてしまう、あるいは流失してしまうということは想像以上の状況なのでございます。この燒尻村におきましても、三分の二以上が流失あるいは減殺されているというような状態になつておるのでございます。これはひとり本村の損失のみならず、日本の現下のいわゆる食糧事情から考えましても國家の損失と言わなければならないと思います。こうした實情を十分に御推察くださいまして、北海道漁業發展のためにも、あるいはまた、この燒尻というところは小樽、留萌、利尻、禮文の兩島あるいは稚内港を結ぶ中心となつておるのでありまして、その地理的條件をも勘案せられまして、ぜひともこの漁港築設のために政府におきましても明年度の豫算にお繰入れくださいまして、何とかこの年來の希望でありまするところの燒尻村民の熱望と、同時にまた食糧事情の現下におきまするこの漁港の重要性を勘案くださいまして、ぜひともお取上げ願いたいと思うのであります。同時にまた委員諸公におかれましても、燒尻村の實情と、それから簡單に申し上げました以上の説明でございますが、御了承くださいましてこれが漁港築設實現のために御援助賜らんことをお願いするものでございます。
#36
○青木委員長 本件に關し政府の意見を求めます。
#37
○藤田政府委員 燒尻漁港の築設事業は北海道開發上必要なものと認められておりますが、これは連絡港といたしまして運輸省所管の中小港灣補助によりまして取扱うことといたしたいと考えております。
#38
○青木委員長 以上請願第二、第四、第十二、第十四、第十五、第十六、第十七、第十八、第十九、第二十、第二十一、第二十二及び本日追加上程いたしました厚田村、燒尻村、眞鍋島村の漁港もしくは船入澗築設の請願、いずれもなお適當なる機會に審議を繼續いたすこととして、本日はこの程度で留保いたしたいと存じます。御異議ございませんか。
#39
○石原(圓)委員 この漁港の請願の問題は委員長の御發言の通り承認したいと思います。ここにあらためて委員長の御方針竝びに水産當局の御方針等を伺いたいものでございます。それは二十三年度の豫算に關することであります。この委員會は水産省もしくは水産廳を設置せんとして、委員會開會以來お互いにその點に協力をしてまいつたことは、今さら申すまでもないのであります。日本の新興産業として第一にあげなければならぬところの水産そのものの性質上、ここに省をつくるか廳をつくるかという問題になるほど重要性をもつものであります。しかるに水産廳の方は未だどうなるものとも見透しがつかないのでありまするが、少くも水産廳ができても、できぬでも、できるものとしての構想のもとに二十三年度の豫算を要求しなければならぬというのが建前でなければならぬと思うのであります。これに對して委員長はどういうようなお考えをもつておるか。また局長はどういう考えをもつておるか、そのことを承つておきたいのであります。本日審議された請願の漁港や船溜關係だけでも、近來まれな數がここに請願されておるのであります。從つてその他の事業も非常なる豫算の増額を要することは申すまでもないのであります。これに對しては豫算を急激に増加さすべく本委員會の努力を要し、また水産局においてもその必要性は十分お認めであろうと思うのでありまするが、今朝の議會も切迫をいたしまして、餘すところはいくばくもない。また新規の明年度の豫算の編成もここにすでに半ばできつつあろうかと思うのでありますから、この場合におけるところの委員長の御方針、心構え竝びに局長の御方針等を承つておきたいと思うのであります。
#40
○藤田政府委員 ただいま石原委員から時局下非常に必要である水産の發展のために、來年度において要求すべき豫算の方針というものについての意見について御質問があつたのであります。私どもといたしましても、現在水産業が發達をいたしますためには、現在の貧弱なる水産局の豫算ではとうていだめであります。これをもつと必要な部面に多くの豫算を計上いたしまして、水産業の發展に資したいという考えからいたしまして、明年度の豫算を編成をし、その大體の内容につきましては、過般の委員會の席上で御説明をいたしたと考えておるのであります。現在非常に財政が窮屈な際でありますから、はたして私どもの考えておりますことが實現をいたしますかどうか疑問であります。殊に漁港關係の豫算にいたしましても、前から御説明を申し上げておりますように、一年度を通じて大體八千萬圓ばかりの豫算が、今度の計畫を實行いたそうと考えますと、十億に及ぶ豫算に相なるのであります。こういうふうな資材、資金、財政の窮屈な時期でありますから、われわれの考えております通り、はたして實現するかどうかについては、非常に困難な問題があろうかと思つておりますが、われわれとしては極力必要な豫算を獲得することについては、水産局全體がすべて一致いたしまして、この豫算の獲得に努力いたしたい。かように考えております。
#41
○青木委員長 石原さんの御質疑に對しましてお答え申し上げます。水産に關する豫算につきましては、もちろん御質疑の趣旨は私どもも非常に贊成しておりますので、何とかして、新しく水産廳が發足すると否とにかかわらず、日本の水産業を振興し、國民の食生活を水産の面においても安定する一翼を擔うために、必要なる豫算は、ぜひ本委員會としても政府を鞭撻して要求しなければならないと考えておるわけなのであります。次の機會に各委員の御参集を求めて昭和二十三年度の豫算をいかなるものにするか、またこの目的のためにいかなる活動を行うかということについて、具體的に協議いたしたいと考えます。さきに豫算委員會におきましてもこの點に關する質疑が出た模様でありまして、水産廳の法案が實現いたしまする場合には、追加豫算を組むというような政府の答辯もあつた模様でありまするが、もちろん本委員會といたしましても、委員長といたしましても、水産廳が設置を見る場合には、追加豫算をもつてしてでもこの豫算は請求しなければならぬし、また水産廳の設置と否とにかかわらず、ただいまよりこれに相當する計畫を立てたいと考えることは石原委員と同感なのであります。
 なお本日議題になつておりまする漁港の修築に關しましては、委員長としても漁港修築に關する水産委員會としての方針を早急に立てて、これらの山積しておる漁港、船溜場の修築の請願を採擇すると同時に、併せてこれを豫算化する方法を考えるとともに、また漁港修築の五箇年計畫等を樹立いたしまして、豫算と實際とが相調和するがごとき方法を十分檢討する必要があると考えておる次第であります。
 なお水産の金融の面におきましても、さきに水産金融の小委員會においてその方針は檢討されておるのでありまするが、本委員會といたましても、また今後の水産案の振興のために、相當額の金融を政府に要求しなければならないとも考えておる次第であります。委員長としては十分この點を努力する考えであります。さよう御了承を願います。
#42
○石原(圓)委員 大體の御方針を承つたのでありますが、水産局長が從來八千萬圓の豫算であつたが、それを十億圓超過するというなことを申されましたけれども、從來の八千萬圓なるものは、私はそのままのもので、貨幣價値の關係によつて八億圓にもあたると思うのであります。さように物價が騰貴をして、小さい金では何もできない。たとえばこの委員會でもしばしば叫ばれておる燒津の漁港のごときでも、これは太平洋へかつお、まぐろで急速に進出するのには、太平洋で最も大事な、急速に實現をし、かつ實現したならば大いに效果のあがる、また多年叫ばれる問題でありますが、この一つの港をつくるだけでも、私は一億圓や一、億五千萬圓でできるかどうか、こう思われるのでありまして、港一つでも、ちよつと大きいものは五千萬圓や一億圓は要るのでありますから、局の心構えが十億ぐらいの豫算で賄うていこうということでは、日本の水産というものの前途がそう急速に増産發展はできないと私は考えるのであります。その意味において、構想をかえて豫算の編成をしてもらいたいということを切に希望するものであります。またこの委員會におきましても、從來の水産委員會としてのやり方がはたして今日必要な、擴大せねばならぬ水産というものに對する豫算を十分に取上げで、それを實現し得る態勢にあるかどうかということを私は檢討する必要があるように思うのであります。十分熱意をもち、實際に即したところの調査研究の結果、案を立てて、そうしてそれによつて理路整然たる豫算の要求でなければいけないのである。こう私は考えるのでありまして、その點につきましての委員長の御方針は承りましたが、なお御考慮を賜らんことをここに切望してやまないものであります。
#43
○藤田政府委員 ただいま石原委員から從來の豫算が計上されておりますのが、非常に物價高その他によりまして、現在の金の價値が低くなつておる。從つてすべからくさらに大なる構想をもつて、豫算の確保に努めていくべきであるというふうな御意見でありまして、私どももできるだけさような考え方で、必要なるものはこれを要求したいとかように思つておるのであります。ただ數字の出ましたのは、本年度の漁港、船溜關係の金が追加豫算を含めまして、たしか八千萬圓見當であつたと思いますが、それが二十三年度におきまして、大體私どもの計畫では、十億程度の金が要るのであります。もちろんその後の單價の増ということも考えられますので、さして驚くべきものでもないという御意見も出るかと思いますけれども、私どもといたしましては、相當多額の金を要求しておるように考えておるのでありまして、現に經濟安定本部でいろいろ審議のあります際にも、なかなかわれわれの最小限度と考えております金額ですら、これを承認していただくことが困難な事情になつております。でありますから、われわれといたしましても、さらに漸進的に豫算その他につきましても、できるだけ擴張してまいりたい。かように考えておるわけであります。お氣持と私どもの考えとは、決して食違つておるわけではないと思います。今後ともこの豫算の獲得その他につきましては、十分なる御鞭撻、御協力をいただきたい。われわれもできる限り豫算その他の獲得については努力をしてまいるつもりである。このことをもう一度申し上げまして、御了承をいただきたいと思います。
#44
○青木委員長 本日審議いたしました請願の取扱い方に關しましては、さきに委員長の發言に對し、石原君から贊成の旨申し述べられましたが、各位御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#45
○青木委員長 御異議なければ、本日紹介議員の説明のありました各請願は、審議をこの程度で保留し、他日適當なる機會に繼續いたしたいと思います。殘餘の請願はこれを延期いたします。
    ―――――――――――――
#46
○青木委員長 次にさきに日程を變更して後まわしといたしました漁業法の一部を改正する法律案、内閣提出第九一號を議題に供します。本法案に對する質疑は終了いたしておりますので、討論に入ります。西村久之君。
#47
○西村(久)委員 私はこの機會に漁業法の一部を改正する法律案に對する修正動議を各派共同提案として提出いたしたいと存ずるのでございます。その修正箇所は第二十四條第一項中「水底電線ノ敷設若ハ國防其ノ他ノ軍事上」という文字のありますのを「若ハ水底電線ノ敷設ノ」ということに改めたいと思うのであります。なお第四十一條第一項中「海軍艦艇乗組將校」という文字が現行法にあるのでありますが、これを削除いたしたいと存ずるのであります。漁業法の一部を改正する法律案についてかく修正をいたしたいと申し上げるゆえんのものは、御承知の通り新憲法におきまして、わが國は戰爭放棄をなすことに相なつておるのでございますから、現行法規中に戰爭あるいは國防等と意味するごとき文句はこれを削除し、また海軍、陸軍等の軍をも今日置かないことになつておりますから、海軍艦艇乗組將校というような文句はこれを削除して、新憲法の趣旨に副うことが必要であり、また妥當であると深く信じまするがゆえに、この機會に政府提出の漁業法の一部を改正する法律案のほかに、ただいま申しました第二十四條の第一項と第四十一條の第一項の文句を先ほど申し述べました通りに修正いたさんとするものでございます。何とぞ御贊成を願いまして御採用になるように希望いたします。
#48
○青木委員長 ちよつと速記を止めて。
#49
○青木委員長 速記を始めて。
#50
○西村(久)委員 ただいま修正動議を提出いたしましたが、この動議の採決にあたりましては、特に本日の委員會で採決せられることを猶豫願いまして、次の會議に議題に供されまして、この贊否を御決定あらんことをここに附言いたしておきたいと存じます。
#51
○青木委員長 本日の討論はこの程度で保留し、來る二十八日午前十時三十分より委員會を開いてこれを繼續いたしたいと思います。御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#52
○青木委員長 御異議なければさよう決定いたします。
 本日はこれをもつて散會いたします。
   午後二時五十六分散會
ソース: 国立国会図書館
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