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1947/12/02 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 水産委員会 第30号
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1947/12/02 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 水産委員会 第30号

#1
第001回国会 水産委員会 第30号
昭和二十二年十二月二日(火曜日)
    午前十一時二十八分開議
 出席委員
   委員長 青木清左ヱ門君
   理事 庄司 彦男君 理事 鈴木 善幸君
   理事 馬越  晃君 理事 西村 久之君
      加藤 靜雄君    藤原繁太郎君
      矢後 嘉藏君    宇都宮則綱君
      神山 榮一君    菊池  豐君
      小松 勇次君    關内 正一君
      多賀 安郎君    内藤 友明君
      外崎千代吉君
 出席政府委員
        大藏事務官   河野 一之君
        農林事務官   藤田  巖君
 委員外の出席者
        議     員 前田榮之助君
        農 林 技 官 林  眞治君
        專門調査員   小安 正三君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 昭和二十三年度水産關係の豫算に關する件
 水産資材に關する件
    ―――――――――――――
#2
○青木委員長 これより會議を開きます。
 前會に引続いて、昭和二十三年度の水産關係豫算に關する質疑竝びに御意見の御發表をお願いいたします。
#3
○宇都宮委員 二十三年度の豫算のことについてですが、私は今日、日本の行詰まれる食糧を打開するのは、水産以外にはないと思つておるのであります。そこで、何としてもこの水産によつて、日本の八千萬國民の食糧を補給する以外に途がないということがはつきりわかつておるのでありますから、水産局は相當厖大な、と言うてはあるいは言葉が過ぎるかもしれませんが、潤澤に豫算を要求いたしまして、そして業者が十分の活動のできるように、局長に一つ立案をお願いしたいのであります。何といたしましても、日本のこの急場、この食糧の打開は水産以外にはないということは、國民ひとしく認めておる事實でありまするから、二十三年度の豫算の計上におきましては、十分なる餘裕を見越して、ひとつ御請求あらんことをこの機會にお願いもうしておきます。
#4
○青木委員長 政府委員にお尋ねいたしますが、水産局關係の豫算は省議として決定になりましたか。
#5
○藤田政府委員 昭和二十三年度の水産局所管の歳出經費要求概算は、ずつと前に省議で決定いたしまして、すでに大藏省の方に提出をいたしておりまして、具體的に各事項につきましていろいろと御審議をいただいておるような事情になつております。
#6
○西村(久)委員 私も宇都宮君と同じ意見をもつておるものでございます。過去におきまして、農林省についておる水産局の力が足らなかつたためと申しまするか、過去の國民の代表者が水産の認識が不足していたためでありまするか、あまりにも今日まで水産民を輕視されておつたような感を深くいたすものでございます。今日宇都宮委員からもお話になりました通りに、わが國の國民の食糧事情を緩和する途は、水産の増産においてほかにないと申し上げても、おそらく過言でなかろうと思つておるのでございます。從いまして水産だけは私は前年の豫算を標準とすべきものでない。わが國の水産を興しまするのに所要なる經費は、當然政府としても支出すべきものであり、また要求してしかるべきものであると考えておるものでございます。先般來から水産當局の御意見で、漁港その他に關する費用を、明年度は十億程度に考えておるというようなお話があつたのでありまするが、私は十億の金が大きいとは思えないのであります。今日農業に相匹敵する程度の水産行政をやらなければ、斷じて水産の増産ということははかり得ないではないか。常に水産は頭を押されまして、今日まできておることは、水産人のひとしく認めておるところであろうと思うのであります。從いまして政府當局におかれましても、十億や十五億、金をもつてはたして……、日本の水産がりつぱな水産として、農業と相竝ぶ水産として、日本の漁業のあり方を示しまするのには、私は二十億や三十億の金はいただいても、決して國民も不自然なりとは思いませず、また政府當局でもそれを金高が多過ぎるというような氣持はもたれないのじやないか。過去における關係が少な過ぎたことを標準として考える場合には、なるほど十億という金は大きいように聞えるのでありまするけれども、再建日本の途上において、水産をもつて國を立てようということを根本方針といたして考えまする際には、決して十億、十五億という金は大きいものでないということを痛切に感じまするがゆえに、水産當局におかれまして水産局そのものは今日微弱でありましようが、これを水産廳とし、水産省として、名前を大きくするということよりも、私はその實質におきまして、名前は廳でありましようとも、あるいは局でありましようとも、名前にとらわれないで、現實に水産の振興がはかり得られるように當局の御努力を願いまして、そうして水産の増産に御盡力あらんことをここに希望いたしまして、私の意見を終ることにいたします。
#7
○青木委員長 本日は大藏省主計局次長河野一之君が出席しておられるのでありますが、ただいまお聽きの通り委員側の意見も出ておりますし、水産局に關する豫算については、本委員會は大なる關心を拂つておりますがゆえに、大藏當局がいかなる御方針をもつて明年度豫算の編成の檢討に當られるか、この際御意見の御表示をお願いしたいと思います。河野一之君
#8
○河野(一)政府委員 明年度の豫算の編成の段階について、一應申し上げてみたいと思うのであります。各種の事情から各省よりの豫算の提出が非常に遲れまして、現在の段階においては、數省しか概算の要求が出ておりません。農林省の豫算についても、先ほど水産局長から省議を經たというお話もあつたのでありますが、農林省全體としての省議決定には、私の聞いております範圍ではなつておらないようであります。從いまして農林省豫算については、大藏省にまだ要求がございません。しかしながらその大綱については、農林當局から、省議決定には至らないけれども、かかる問題があるということで、數字をあげまして實は説明をお聽きしたのであります。單價の關係その他もありまして、まだ金額的には決定しておるという段階にはなつておらないのでありますが、たしか百億以上の要求があつたようであります。その中の水産の問題についてでありますが、この問題については、なお先ほど水産局長から十數億の要求ということがあつたのでありますが、このほかに漁業權その他の問題について、相當巨額の御要求があるように私は拜承しております。その他水産に關する重點の問題といたしましては、水産に關する基礎的な調査を相當重點的にやつていきたい。最近における海洋魚族の囘遊徑路の變化、あるいはその他海洋氣象の問題、それから内海水面の利用の問題、その他について從來の日本の水産業というものは、そういう基礎的調査が非常に缺けておつたというので、この點にいつて相當重點的な豫算の配分をしてもらいたいという要求が官房當局からありました。その計畫については、從來二十一年度當時より、ある程度相當な金を注ぎこみましてやつておるのでありますが、それをなお擴充していきたいという希望があつたようであります。これにつきましても一番重大な問題は、この試驗に關する船の問題でありますが、現在のような状態においては、船の單價も高いのでありまして、物資の問題もありますし、非常な難點もあるのでありますが、そういつたような農林當局の御希望に對しては、できるだけ豫算の配分については努力したいと考えております。ただ何せ各省の要求が出そろつていない關係もありまして、それから現在の段階においては、豫算總額その他について檢討の段階でありまして、これをいかにその中において配分いたすかについては、なお各省の全體の要求及び農林省の全體の御要求の状況をみまして、勘案いたしまして決定いたしたいと思います。尚委員會の御意見は十分に尊重してまいりたいと考える次第であります。
#9
○青木委員長 ただいま御言及にはならなかつたもののうちに漁港の施設費に關する問題があるのでありますが、これに對しましては、漁港修築に關する水産委員會としての方針を、過日の委員會において決定したのであります。その中の重要な事項として、わが國水産業の振興上、重要缺くことのできない漁港の修築費は、これは全額國庫の負擔において修築するものとするという問題、次は國庫の補助率について、他省との振合い上、水産局關係のものが低位にあるという問題であります。特に災害事業につきましては、全額國庫負擔をもつて復舊に努力されたいということ、また漁港、船溜等の補助率についても、運輸省の避難港とは率が違うじやないか。これらは同率のものとしなければならないという意見が、本委員會に出ておるのでありますが、これらに關して、大藏省としての所見を伺いたいと思います。
#10
○河野(一)政府委員 漁港の修築を全額國庫補助ということでありますが、これは各種の土木事業等の關係もありまして、國が全額負擔してやることは、ちよつと困難ではないかと考えております、直接公共の災害に影響あります河川の工事につきましても、國が直接やります場合においては、大體三分の一程度の負擔金をとつております。あるいは補助してやります場合においても、災害でありますれば三分の二程度の補助であります。それから普通の中小河川その他地方の河川につきましては、二分の一程度の補助であります。現在漁港の補助率につきましては、たしか四割ということになつておるかと思うのであります。それが運輸省の方の港灣と補助率が違うという點でありますが、これは多少とも漁港というものが受益的な性質を有しておる。地元の關係あるいは漁港組合その他の關係において、相當受益的な性質を有しておるということが、一般の港灣と補助率をかえておる理由であります。普通の港でありますならば、これは一設の交通關係でありまして、よそのところの船もはいつてくるということもありますし、それ自身が相當の公共的な役割を果しておるという點があるかと思います。この點は農地の復舊の點と、一般の工業用施設の災害復舊の點においても、現われておるわけでありまして、一般の河川については二分の一程度の補助をいたしております。農地の復舊――農地の復舊と申しますと災害關係になりますが、農地の開墾その他につきましては、大體四割程度の補助をいたしております。それから災害復舊につきましても、公共的な施設のものにつきましては、大體三分の二程度の補助でありますが、農地等につきましては、大體それより一割程度低く實は補助をしておるわけであります。そういつた關係で補助率が變つておるわけであります。但し災害の場合におきましては、相當高率な補助も、從來いたしたような例もございます。この際漁港の補助率を同率にいたしますことは、各省のほかの方の補助率との關係もありまして、相當考究を要する問題ではないかと考えております。
#11
○西村(久)委員 ただいま大藏當局の御意見を伺つたのでありますが、私は各省關係の補助の率は、運輸省の避難港であろうと、内務省の關係の港であろうと、農林省關係の漁港でありましようと、港をつくるという關係から考えますれば、補助率は平等にすべきものだと實は考えておるものでございます。なぜかと申しますと、避難港にいたしましても、名儀は避難港であり、あるいは内務省の指定港灣でありましても、漁船もはいればいろいろな船もはいるのであります。漁港なるがゆえに漁船だけはいるかと申しますと、そうではないのであります。漁港でありましてもいろいろな船がはいるのであります。ただ名前が地元の漁港地の關係上、漁港という名に相なるのが普通だと、實は考えておるのでございます。事業その他の關係から申しましても、大藏當局の言われる通りに、受益關係を律して補助率を違わせるというようなことは、私は妥當な行き方でないと考えますから、特に大藏當局に對しまして、でき得る限り他省との關係を平等な補助率にお改め願うことを要望申し上げておきたいと存じます。
#12
○青木委員長 それでは昭和二十三年度の水産關係の豫算に關する件は、この程度で打切りまして、次に漁業用資材の問題についてお諮りいたしたいと思います。漁業用資材につきましては、本委員會においては、特に小委員會を設けて檢討を續けてまいりまして、わが國のいずれかに水産漁業用資材として、活用すべきものがあるのがあるにもかかわらず、これが正規のルートに乗らないということをはなはだ遺憾として、この點特に活用に關する方法等について協議をいたし、なお議長に對しましては、委員を派遣して隱退藏物資もしくはこれに類似のものを所有せらるる向きについて、懇談的に正規のルートに流してもらうよう、手配をしたいという考えをもちまして、申請したのでありますが、これが議會運營委員會の容るるところとならなかつたことは、はなはだ殘念に存ずる次第であります。よつて本委員會においては、國會の會期も週末に近くなりましたので、これが結論をつけたいと思うのであります。委員長といたしましては、議會の隱退藏物資の委員會に對して、一つの要求をいたしたいと思うのであります。
 それは隱退藏物資中水産業用資材は、速やかに農林省水産局を通じ、水産業者に公平に分配するよう、特別の處置をとられたいというのであります。
 次に經濟安定本部に對しましては、現に水産業資材に充當可能の資材が、なわ張り關係から、農林省方面へ流れないものも多量にあるとのことであるが、かかる資材がもし現實に存在するとせば、安本において調査の上、これらの資材は速やかに農林省水産局へ配分せらるるよう、特別の處置をとられたい、というふうに本委員會の決定によつて議長を通じて隱退藏物資委員會及び經濟安定本部に對して要來したいと考えておるのでありますが、いかがでございますか。
    〔「意議ありません」と呼ぶ者あり〕
#13
○青木委員長 ちよつと速記を止めてください。
    〔速記中止〕
#14
○青木委員長 それでは速記を始めてください。
 御異議がないようでございますから、さよう取計らいたいと存じます。
 次に今囘政府において生鮮魚類等に關する特別處置を講じられた模樣でありますが、本委員會においても、一應魚價の問題については委員會の態度を決定して、その意思は資材の裏づけを條件としてある程度實現しておると考えるのであります。なお配給機構その他についてもただいま檢討中でありますが、政府の今囘とられた處置は、その裏づけとするものが水産資材の確保という點にあることを考えまして、本委員會がかねて主張していたところと同じ軌道を歩むものと考えるのであります。從つて水産當局におきましては、水産物の集出荷の確保というものは、一にかかつて漁業用資材の確保にあるという點に留意されたいと思うのでありますが、もしこの企畫にして失敗するならば、おそらく生鮮魚類の統制というものの根本的な基礎が瓦解するものと私どもは考えるのであります。從つてこの際私は水産當局に對して、この點を明らかにしていただきたいと思うのであります。まず燃料の問題、漁業用棉絲の問題、マニラロープの問題、ワイヤ・ロープの問題、その他各種水産業用資材、すなわち魚類の運搬用トロ箱作製用のくぎ、またつりばり用鐵材、つり絲用の麻、各種延なわ用麻、てぐす、底引網用各種沈子、その原料とする鉛、いわし煮干製造釜用の鐵板その他のものについて、現在確保を要する額、及び確保の見込みの程度を詳細御調査の上本委員會に御報告が願いたいと思います。なお併せて、漁船建造用の各種の鐵材、漁船建造用の木材及びくぎ等に關する必要量、及び確保の見込數も御報告が願いたいと存じます。なお今囘の生鮮魚類の統制の強化の一手段として、輸送費に對する運賃の政府負擔をさるる趣でありまするのが、その詳細なる方法及び内容をお示し願いたいと存じます。
#15
○藤田政府委員 ただいまのお話のございました、水産用各種資材の問題につきましては、次の委員會におきまして取まとめましてお答えを申し上げたいと存じております。ただ最後に鮮魚の出荷に關する超過運賃その他に關する點につきましては、簡單に御説明を申し上げておきたいと存じます。現在の鮮魚價格は、陸上輸送による經費を基礎といたしまして算出しておりますために、海上輸送をいたした場合には、その輸送費が非常に高くなつておりますので、これに對して例外價格の措置によりまして消費者に負擔をさせておるのであります。この結果きわめて低位な魚類が、例外價格の措置をするために、かえつて高い價格と相なつております。いきおい引取拒否の問題を生じまして、せつかく持つてまいりましたものが家庭配給にまわらないという事例もあつたのであります。あるいはまた例外價格は具體的な場合々々で異つておりますために、末端においてマル公で販賣するという政策について、魚價全體が非常に不明確になつて、末端の配給を混亂させるような原因に相なつておつたのであります。これらの事柄を將來なくしまして、末端における配給は、輸送の方法手段のいかんを問わず、一律に定まつた價格をもつて配給をさせるという建前からいたしまして、船で持つてまいりましたときの特別經費について、國庫においてこれを負擔する。なおまた中央の市場と分場との配給區域内の配給量を均分化するために、市場間の轉送を命ずるようなことがあります。この場合にその經費は一定の手數料の範圍で賄う。それだけは餘分に見るわけにいかぬ建前になつております關係上、市場間の轉送はうまく行われておりませんので、その轉送費に對しても助成をするということを考えたのであります。そのやり方は、大體六大都市を對象といたしまして、十二月一日から三月末日までの四箇月間を一應の計畫に考えまして、海上輸送に要する助成金及び市場間轉送に要する助成金を合計いたしまして、八千三百萬圓を計上しておる次第であります。大體豫算の單價といたしましては、具體的な場合々々で違うわけでありますが、一貫當りの單價が海上輸送のものにつきましては約十一圓、市場間轉送のものについては約二圓、これを具體的な荷受機關に交付をする。われわれのやり方といたしましては、あらかじめ豫算を地方廳に令達をしておきまして、具體的な計畫に基きまして、現實にはいつて、それを入れました荷受機關に平均の單價をもつてこれを交付していく。さような方針をとりたいと考えております。なお具體的な實施方法及び具體的な單價につきましては、實施上細目の事項を決定しまして、實施に遺憾なきを期したいと考えておる次第でございます。
#16
○西村(久)委員 今囘政府のとつた緊急處置と申しますが、生鮮食糧品中、鮮魚介に對してとつた政府の處置の大要を書類で御發表願いたいと存じます。
 なおただいま水産局長の御意見、海上輸送と陸上輸送との關係上例外價格を從前とつておつたのを是正するために、政府が均一になる配給價格をきめるために、その間の價格の差は政府の助成による途を考えたというようなお言葉を伺つたのであります。私はこの意見には全幅の贊意を表するものでありますが、近く鐵道運賃の値上をおやりになるかのような風聞であります。そうするとまたこの際に輸送いたします鮮魚竝びに水産加工品の運賃に影響を來してまいるのであります。かくのごとき點におかれましても、努めて生産者竝びに消費者の立場を御檢討くださいまして、その負擔が片寄らないような方法を御研究願つて、善處していただきたい。これは運賃の値上をやらなければ結構でありますが、必ずおやりになるのではなかろうかと、最近の事情より推察しての私の考えでありますので、もしそういうふうな機運に到達いたしました際には、生産者に對して負擔が重くならないような方法を考え、また消費者にもあまり負擔が重くならないような途を考えられて、先ほどの助長の方法等で勘案していただくように、特段の御努力が願いたいということを、この際希望として申し上げておきたいと存じます。
#17
○藤田政府委員 從來鐵道運賃の値上げとか、あるいは資材の値上げとか、生産費の基礎になるような各種の要素が上ります場合において、それが生産者の負擔になつてまいり、そのために生産費が償われないというふうな點については、私どもも十分考慮いたしまして、さような事態の起らないようにいたしたいと考えております。ただその方法といたしまして、これを魚價の改訂によつて行うことにいたしますか、あるいはまた生産者及び消費者の負擔にならない他の方法、つまり國がそれを見るという方法でいたしますか。この點についてはなお研究を要する問題があると思いますが、私どもの感じとしては、すべてのものを國が補助金でもつていくようなことも、實際問題としては金額も莫大になり、いろいろ困難な點もあると思いますが、ともかく何らかの方法によつて、生産者にとつて生産を阻害するような結果に相なりませんように善處してまいりたいと考えております。
#18
○宇都宮委員 私ども水産委員會としては、昭和二十二年度の第一、第二、第三、第四四半期分の水産金融について、各種目別に明細なる表示をもつて御提出を願いたいと思います。二十三年度の参考にもいたしたいと思いますので、なるたけ早い時期において御提出願いたいと思います。
#19
○青木委員長 委員外前田榮之助君より漁船登録に關する質疑をいたしたいということでありますが、これを許可してよろしゆうございますか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○青木委員長 御異議なければ許可することにいたします。前田榮之助君。
#21
○前田榮之助君 水産委員會の委員の方竝びに政府當局に對してのお願いを申し上げたいと思います。今囘政府は漁船の登録を十二月中旬、たしか十三日ということですが、すでに實施中のようでございます。そしてその登録に要する登録の費用を納付さしているようでございます。これは普通漁船で二十トン未滿のものに對し六百萬圓の費用を賦課せられております。私は十一月二十八日の廣島縣漁民組合連合會の結成大會に臨んで、廣島縣下の漁村の代表者の意見を聽いた際に、この登録に賦課される費用が二十トン未滿が一律に六百萬圓であることに不滿をもつていた。たとえば十九トンのものも六百萬圓、三トンのものも六百萬圓、かような不公平があり、また殊に零細漁民といたしまして、五トン以下の船で漁撈を營んでいる漁民には、六百萬圓の負擔は過重に過るということでございます。從つて大體廣島縣漁民組合結成大會におきましては、十トンから二十トンまでのものが六百萬圓、五トンから十トンまでのものが半額三百萬圓、五トン以下は百萬圓でやつてもらいたい、それ以上の負擔にはたえられないという決議をいたしておるのでございます。この登録は當然實行しなければなりませんが、その費用の賦課についてその類は指示されておらない樣子であり、またそうあるべきものではないはずなのでございまして、漁民の非常に財政的に苦痛である點を、十分委員會におきましても取り上げていただきたい。これが税でないために國會へ付議されないことになつておりますが、ほとんど性質は税と同樣なので、國會の決議によつてこういうものは實施すべき性質のものだと私は考えるのでございます。漁獲收入による比率に並行した賦課率をかけるのが至當だと考えるので、その點どうか委員會においてお取り上げを願つて、政府に御要求を願いたいと思うのであります。なお水産局の當局に對してはこれに對する御所見をお伺いしたいと思います。
#22
○藤田政府委員 この漁船登録の問題は、お話のございましたように、これを行うことになつたのであります。もちろん登録手數料の手續きにつきましては、私どもといたしましては、できるだけ手數料を低くいたしまして、必要な經費を賄うというふうにいたしたいと考えたのでありますが、これにつきましては、財源の關係上相當確實な收入を得なければ困るという財政當局の御意伺がございまして、いろいろと折衝をいたしました結果、きまつたのであります。お話のように二十トン未滿の動力船におきましては六百萬圓、無動力船は全部二百萬圓、こういうふうに相なつております。私どもといたしましても、できるだけ少くいたしたいということで努力はしたのでありまするけれども、結局財源を確實に得るというふうな意味合いからいたしまして、このような金額になつたのであります。御承知の通り日本では無動力船、あるいは二十トン未滿の動力船というのが非常にたくさんあるわけでございます。これを少くいたしますと、全體の金額が非常に減つてくるわけで、どうしても二十トン未滿の動力船及び無動力船について、あるい程度必要なる經費をかけませんと、所要の經費を出すことができないわけでございます。そういうふうな事情から、手數料をきめたのであります。いろいろと地方では、この問題についてはお話のように非常に高いという御批判も伺つているので、十分承知はいたしておりますけれども、現在としてはとりあえず、この金額によつて實施してまいりたいと考えております。なおお話の點については、今後十分研究をいたしまして、また關係方面へもよく相談いたしまして、善處してまいりたい、かように考えておる次第であります。
#23
○前田榮之助君 手數料をおとりになることについては、最初から申し上げました通りにやむを得ぬと思いますが、この總額が私の聞いておる範圍におきましては、大體一億三千萬圓に近い額になつておるようでありますが、この登録に必要なる費用といたしましては、それだけはかからない。登録いたしました船の番號の記入等の費用は、全部船主が負擔いたしておるのでありまして、ただそれを整理し、書類の費用という程度なのでありまして、この一億數十萬圓の費用はどこへ使う費用であるか。すなわちそういう機會に農林省の費用なり、あるいは政府の費用を漁民に轉嫁させるというようなことは、非常に勤勞漁民に對して不當であるとわれわれは思うのであります。なおそういうようなものが實際必要であるならば、正しく租税等でとる途が開かれると思うのであります。この手數料はただ財政當局が、國の財政のつじつまを合わせるために要求されたからということでは、われわれ議員は納得できないのであります。どういう金に使うお考えであるか。この點を重ねてお尋ねいたしておきたいと思います。
#24
○藤田政府委員 ただいまお話のように、われわれの豫定いたしておりますところの漁船全體についての金が完全にとれる場合は、大體一億三千萬圓くらいの經費になろうかと考えております。しかしながら財政當局としての一方の不安といいますか、支出の方は二十二年、二十三年度以降はずつと要つていくのでありますけれども、この金は登録をしたときにとるだけでありまして、從つて將來の支出についての單價増ということを考慮いたしますと、支出の方は既定經費に基いてだんだんと殖えていく。收入の方は限度が押えられてしまつておるということに相なりますと、さきになりまして、せつかく見合になつておるところの收入、支出が結局において支出の方が殖えてまいる、收入の方はとれなかつたということになつては困るから、從つて財源として確實に確保できる程度のものを見積りたい、こういうふうな御要求がございました。でありますからわれわれといたしましては、所定の經費を要求いたしますために必要な確實な財源といたしまして、この三年度分の經費として一應一億三千萬圓の收入を見積るということも、やむを得ぬじやないかと考えたのであります。しかしながら端的に申しまするならば、これによつて得ました金を他の方面に使つてしまうというようなことは決して考えておりません。この漁船登録に必要な經費にこれを充當するということを考えておるのでありまして、かりに今後實施の經緯に徴しまして、この登録手數料が非常に高くとれて、しかも支出においてはそんなに要らないという場合につきましては、われわれとしてはこの登録の問題についても、將來においてこれを考え、またそのとれました金の使途については、これを何らか漁船のために必要な經費に充ててまいるように處置していきたいと思つておるのであります。御承知の通りに水産關係の豫算は、要求をいたしましても、とることが非常に困難なのであります。從つて何か漁船關係の仕事をいたそうといたしましても、なかなか要求をいたしますだけは達成することが困難であります。從つてわれわれといたしまして、こういう漁船の登録という制度によつてとれました收入を見合せにいたしまして、將來漁船に對し必要なる經費を産み出し、それを要求するということも考えていかなければならぬ問題であります。その點はひとつ御了承をいただきたいと思つておる次第であります。
#25
○前田榮之助君 大體政府側の御意見は了承いたしましたが、この手數料の額につきまして、最初申し上げましたように、漁獲收入との均衡があまりに不公平であるという點を、もう少し考えてもらいたいのでありますが、これ以上はいろいろ議論になることでもありますから、この際政府當局にもお願いを申し上げておきます。その手數料收入がきわめて不正確であるがごときお話もございましたが、こういうこともわれわれは非常に不安を感ずるのでありまして、この點不正確な性質をもつているといえども、もう少し今後の行政について、とるべきものは正確にとり、そしてとるべからざるものはとらない、輕減すべきものは輕減するという方向にもつていつてもらいたい。なおまたその登録に關するいろいろな費用が、三箇年分約一億三千萬圓を使わなければならぬというやり方も、ひとつもつと行政の簡素化をやつて、できるだけ負擔を輕減するように努力をしてもらいたいと思うのであります。なお委員長竝びに委員諸君におかれては、この問題を勤勞漁民の立場で十分御檢討くださいまして、ただいま申し上げましたような點を、十分政府と折衝の上に、ひとつできるだけ漁民の負擔を輕減するようにお願い申し上げまして、私の質問を打切ることにいたします。どうかよろしくお願いを申し上げます。
#26
○西村(久)委員 ただいま前田君の御意見に關連した問題で、ちよつと水産局長にお尋ねを申し上げてみたいと思います。先ほどから申し上げまする通り、水産方面の漁民と申しますか、漁業者と申しますか、過去において惠まれてないのであります。たださま財源として見つけて負擔は重くなりますが、水産人の事業そのものの負擔には影響するところがすこぶる少いような感じがするのであります。先ほど申し述べられました漁船の登録料の收入の關係は、水産方面の試驗場費と、講習所の費用に、本年の登録料ではいります金は振り向けられてあるかのように承知いたすのでありますが、この關係は内容はどういうふうに相なつておりますか。この二十二年度の追加財源として、登録料だけではないのでありまするけれども漁船の登録料としての歳入を七千萬圓ほど追加財源に組んで、現在補正第九號の豫算の財源に充てられているのであります。その補正第九號の財源の使途の水産關係のものの支出の方を見てみますと、試驗場費と講習所費に大體當つているようであります。試驗場費に當つておりまするのが四千九百萬圓ですか、四百九十萬圓ですか計數ははつきりいたしませんが、水産講習所に百五十七萬八千圓というような費用が當られているようでございますが、この登録料の入金と水産方面の使途の關係は、一體どういうような關係に相なつておりますか、これをひとつ承つておきたいと思うのであります。
#27
○藤田政府委員 ただいま試驗場、講習所の費用をこの漁船登録の手數料によつて賄つていくというお話がございましたが、試驗場、講習所の費用はこれは別途に要求しておりまして、この漁船登録の手數料の使い方とは全然無關係でございます。われわれといたしましては、漁船登録によつて得ましたものをもつて、漁船登録實施に要する費用、これは相當登録をいたしますために各府縣廳で人件費が要り、また團體方面の職員の關係もございますので、そういうものに組んでいるわけでございます。試驗場、講習所の經費を出すために、漁船登録の手數料を使つておりまするようなことはございません。
#28
○西村(久)委員 漁船登録料に要します今年度の追加財源といたしまして、七千百五十一萬三千圓を大體歳入豫算に組んだ補正九號が出ているのであります。しかして歳出關係に水産關係方面の施設費の金が少いのであります。追加補正九號に出ております水産關係の費用は、四百九十五萬圓が試驗場費、水産講習所費に百五十七萬八千圓というので、漁船登録實施費として三百九十一萬圓というのが出ているのであります。これ以上の登録料の歳入だといたしますれば、漁民の登録した金がほかの使途に振り向けられるというような感じがいたすのであります。この點について、できるならば漁民の負擔は漁民のために使おうという先ほどの局長の御意見によつて、財源の捻出のための負擔でありますならば、漁民もまた首肯し得られるのでありますけれども、餘計に負擔を受ける水産方面の使途に少額を使われ、他は他の財源に充てられるということになりますと、たださま苦しい水産民の今後の水産の振興に支障を來し、負擔だけ重くなつてくるような結果が伴いますので、實はお尋ね申し上げているわけでございます。この點につきましてこの登録料と今囘の追加に要しまする費用との關係がおわかりでございますなら、これは豫算で聽くのがほんとうかもわかりませんが、本年度の追加に組んである登録料が何ほどであつて、この財源の關係から使う水産關係方面の費用が、どの程度であるかということを御發表願えれば、非常に助かるのであります。
#29
○青木委員長 ただいまの西村君の御質疑と、先の水産局長の説明とを對比して考えますと、歳入と歳出の關係は、歳入で得た金額は歳出の方で向う三年間に、これを漁船登録關係の費用に使うという水産局長の話でありますから、豫算面に現われた一箇年分以外の他の三年分の歳出は、いかなる方法によつて、歳入の方で漁船登録の手數料として徴收したものを確保してあるかという點の説明を、願わなければならないかと存ずるのでありますが、局長の御答辯を願います。
#30
○藤田政府委員 言葉が足らなかつたので、その點補足いたしたいと思つております。漁船登録の實施をいたします結果、無動力船の末に至るまで一船漏さず、すべての漁船が登録されるということに相なりますると、收入が一億三千萬圓くらいな見當であります。それをもちまして私どもとしては今後三年間の漁船登録に要する費用に充ててまいりたい。ところが正直に申しますれば、もちろん漁船登録のみの經費といたしますれば、一億三千萬圓もいらぬであろうと思つておりますが、一方一億三千萬圓の收入がはたしてはいるかどうかということも、不安がありますのと、一方將來だんだんと經費がかさまりまつてくる。從つて現在われわれが豫想をしております以上に、來年度あるいは再來年度においてかかつてくるかもしれないということのために、多少のゆとりをもつておる。そのことは事實であるわけであります。しかしながらそのゆとりをもつておるその餘裕の金額が、ほかの方面に使われるということについては、私どもも決してさようなことはするつもりはございません。大藏當局もさようなことを考えておるわけではございません。結局大藏當局としては率直にもうせば、水産局關係でいろいろ必要な金もいるであろう。それがかりに豫裕ができれば、そういうふうな漁船その他の水産上の豫算をとる場合の財源に使えばいいじやないか。現在は收入に不安があるわけだから、一應ここで確實にとる方はとつていくけれども、これは水産の方面に使いなさいということを言つておられるわけであります。われわれとしては、せつかく漁業者に負擔をかけてとりました金を、水産の方での支出が少くて、それを餘しまして、ほかの方面へ使われるというようなことは、絶對に私どもといたしても承知はしません。これは確實に登録手數料というものは、われわれの方でやつておりますが、金額ははつきりしておる。むしろそれを財源にいたしまして、さらにより以上の支出の要求をして、直接漁船登録の費用なり、あるいは漁船に關する調査の費用なり、少くとも水産關係の費用に、それを使つていくというふうに考えておるわけであります。ほかの方に使われるような點につきましては、私ども斷じてそういうことのないようにいたしたいと、考えておる次第でありますから、御了承願いたいと思います。
#31
○青木委員長 本日はこれにて散會いたします。
 次會は公報をもつて通知いたします。
   午後零時四十一分散會    
ソース: 国立国会図書館
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