くにさくロゴ
1950/12/01 第9回国会 参議院 参議院会議録情報 第009回国会 人事委員会 第2号
姉妹サイト
 
1950/12/01 第9回国会 参議院

参議院会議録情報 第009回国会 人事委員会 第2号

#1
第009回国会 人事委員会 第2号
昭和二十五年十二月一日(金曜日)
   午後一時四十九分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○一般職の職員の給與に関する法律の
 一部を改正する法律案(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(木下源吾君) それでは委員会を開きます。本日は一般職の職員の給與に関する法律の一部を改正する法律案予備審査、政府の提案理由の説明をお願いしたいと思います。
#3
○政府委員(岡崎勝男君) 只今議題となりました一般職の職員の給與に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由並びにその要旨を御説明申し上げます。
 政府職員の給與につきましては、その生計費及び民間の賃金その他の事情に顧み、これを適正に改訂し、その生活の安定確保を図る必要のありますことは申すまでもないことでありまして、政府といたしましては、かねてより財政及び経済の事情の見通しを得次第速かに給與の改訂を実行すべきことを公約して参つたのであります。然るに政府職員の給與改訂は、財政及び経済に及ぼす影響極めて大きいので、今日までこれを実行するを得なかつた次第であります。然るところ最近に至り、一面、インフレも收束して我が国民経済は漸く安定の段階に達したので、政府職員の給與の改訂を行うも、一般物価や民間賃金に悪影響を及ぼす虞れなしとの確信を得るに至りますと共に、他面、これが所要財源につきましても、本年度予算の実施に際し極力経費の節約を励行いたしました結果、今日に至り、漸く給與改善に要する財源捻出の見通しを得たのであります。よつて政府はこの際政府職員の給與の改訂を行うこととし、その一環として本法律案を提案した次第であります。申すまでもなく本案作成に当りましては、先ず本年八月九日附の人事院の勧告に示されました政府職員の給與の改訂案につきまして、愼重に検討を重ねたのでありますが、目下の財政事情、その他を総合的に勘案いたしますと、遺憾ながら人事院案の全体をそのまま実施することは困難であるとの結論に到達いたしたのであります。従いまして政府は生計費及び民間賃金その他諸般の事情を彼此勘案いたしました上、財政の許す範囲内において、努めて人事院勧告を尊重する建前の下に給與改善を図ることにいたしましてこれを本法律案作成の基本方針といたりした次第であります。次に本法律案の要旨の大要を御説明申し上げます。第一に、この法律案は一般政府職員に対しまして、昭和二十六年一月以降における職員の平均給與額を月額約千円引上げておおむねこれを八千円程度とすることを目途といたしたものであります。なおこの給與改訂に伴う所要経費の増加は本年度分総体として一般会計十六億、特別会計十八億、計三十四億円でありまして、別途今次国会へ提案いたしました昭和二十五年度補正予算に計上いたしております。
 第二に、俸給につきましては、先づ一般俸給表の適用を受ける普通職員については、人事院勧告の趣旨を尊重いたしまして、成年独身者の標準生計費及び民間給與の実態を考慮してその俸給表を定めることとし、次いで特別俸給表の適用を受ける税務、警察、船員等の特殊職域に勤務する職員などについては、勤務時間差、職務内容等に基いた従来び取扱を、最近の事情に基き或る程度調整いたしまして、普通職員との権衡を図ることといたしました。第三に、扶養手当につきましては、人事院の勧告に従い現行の六百円、四百円をそのまま据えおく方針をとりました。第四に、勤務地手当につきましては、最近の経済事情、各地域の実情などを勘案いたしました結果、その支給地域の区分を別に法律で定める方針をとり、更にその支給割合は人事院の勧告の通り従来の三割、二割、一割の三区分を二割五分、二割、一割五分、一割、五分の五区分に改めることといたしましたが、前に述べました支給地域に関する法律案が制定施行されるまでは、暫定的に従前の支給割合が三割であつた地域については二割五分、二割であつた地域については一割五分、一割であつた地域については五分とすることといたしております。第五に、昇給、昇格等は実費的には職員の俸給月額の変更でありますので、その基準は本来法律事項であるにもかかわらず、従来は政令に委任していましたので、今回の改正を機に法律に明確に規定することといたしました。なお昇給制度につきましては、新たに能率給の制度を加味し、勤務成績特に良好なる者等については特別の昇給の道を開くことにいたしたのであります。第六に、職員が離職及び死亡等により職員でなくなつた場合、その俸給の全額をその際支給することとする等の現行の規定に基く給與支給方法については、従来から若干問題がありましたので、人事院の勧告に基きそれらについて所要の改正をなすことといたしました。以上本法律案の提案理由並びに要旨の大要を御説明申上げました。何とぞ速かに、御審議の上御賛成あらんことをお願い申上げます。
#4
○委員長(木下源吾君) 只今の御説明に何か御質問がありましたらば……。
#5
○千葉信君 官房長官にお尋ねいたしますが、人事院の方から給與ペースの改訂に伴う法律案の意見書が提出されましたときに、年末給に関しては一カ月分の支給が正当である。正しいということについての意見がございましたが、政府のほうでも最近まで大体本年度の年末には一カ月分ということを予算に計上してあつたということを承つておりましたが、最近に至つてからこれが半月分という形に変更になつてるという情報がございますが、政府では一体この年末給に関する法律案を新たに国会に提出するつもりか。そして又提出するとすればいつ頃にこれを考えておるか。私共この年末給についてはやはりペース体系の一環としての立場から人事院の勧告の趣旨を尊重して、このベース改訂の法律案と一緒に審議するというほうが望ましいのではないかと思うのですが、これに対して内閣としてはどういうふうに考えておられますか。
#6
○政府委員(岡崎勝男君) 今の千葉さんのお話は御尤もでありまして、実は私どもはこのペース改訂は来年一月一日からであります。年末手当のほうは今年末でありますから、本当は年末手当のほうを先に出すべきであつたのであります。そのつもりで用意もいたしておつたのでありますが、いろいろ途中に思いがけない問題ができまして、修正を要する点などが起りましたものですから、そのほうの提出が遅れたのでありますが、私どもの希望としては、今明日に提出したい、こう考えております。実は年末手当は我々のほうでは一律に出すつもりでおりました。ところが例えば警察予備隊などの件については少し司令部側との見解が違つておつたものですから、いろいろ話合いその他に時間がとられましてつい遅くなつてしまつたわけであります。この点一つ御了承願いたい。
#7
○千葉信君 政府の見通しとしては、いろいろ交渉中でもございましようけれども、大体どの程度支給できるというお見通しを現在持つておられるか。その点についてお話願いたい。
#8
○政府委員(岡崎勝男君) これは前に新聞等にも漏れておりまして、今更隠しても仕方がないことであります。当初は一カ月出したいと思つて予算を組んでおつたのであります。併しこれは本当の原案の原案と申しますか、仮の案でありまして、政府として決定する原案は国会に提出する前にきめる案が本物であります。初めにはいろいろ説もありましたが、結局のところは只今半カ月分となつて、その手續で進んでおるわけであります。
#9
○千葉信君 いろいろ問題のある点についての質疑応答はこの次に譲ることにいたしまして、今日は大体政府からの提案理由の説明を聞くというふうに申合せしてございますので、余り質問することは今日は遠慮いたしますけれども、次にもう一つ是非お尋ねして置きたいことは、今度の提案せられた法律案を見ますと、只今御説明のように地域給については人事院の勧告を尊重して五段階に分類してその地域給については法律できめるまでは一つの暫定措置をとる。こういう形になつているようですが、一体政府としてはどうしてそういうふうに地域給の改訂を今度の法律の提案のときに同時に出せなかつたか、その理由をお伺いしたいということと。もう一つは従来地域給については、いろいろ各地方における物価の変動その他によつて絶えず問題の起つておつたことでございますが、併し人事院当局の考え方としては、地域給の大幅な全国的な変更もいうような問題については、そのときまでの実際の牧人を下廻るようなことが起ればこれは非常に問題である。つまり給與全体の中での実際給與額が下るというようなことが起らない時期に地域給を改訂したい。従つて今度のペース改訂の際に、人事院が調査研究した結論に基いてこの際地域給を改訂することが妥当だという考え方で人事院の方からは勧告しているわけなんですが、そういう時期を逃がして、一体政府の方ではどういう時期に、つまり人事院が今原則的に考えていたように、総体の給與ベースが変更されるような、引上げられるような場合には地域給に或る程度の改訂をやつても実際支給額が下廻るというようなことは起らないのです。実績を割るような給與が起らないからこうする考えである。こういうふうに考えておつたようでございます。私はこれは考え方としては正しい考え方であると思うのですが、政府の今度とりました暫定措置というようなものが、若しそういう給與改訂と切り離されて、いつ頃これをやろうとするかわかりませんけれども、地域給だけの改訂ということになりますと人事院当局が考えておつたように、実際の給與額全体が実績を割るというようなことが起るのではないか。こういう点から私は地域給の改訂の時期を遷延したということを非常に不満に思つておるんですが、その地域給の改訂を延した理由。それから政府では新たに法律で以てきめると言つておりますけれども、その時期というのは一体いつ頃を考えておられるか、その点をお伺いいたしたいと思います。
#10
○政府委員(岡崎勝男君) これはやはりおつしる通りだと思いまするが、今やるのが一番いいのだと思いますが、実は人事院の勧告の別表に、支給地域の区分に関する意見が出ることになつていると私は思つております。でそれによりまして、具体的に地域がきまるのだろうと思います。その勧告がまだ出ておりませんものですから、我々の方も人事院ほど大きなスタッフを持つておるわけではございませんので、この地域の区分は人事院の勧告に従うのが一番いいだろうと思つて、それで待つておるわけであります。従いまして五つに分けるやつを三つに分けまして、一番下の方と上の方とその真中をとりまして、勧告が出ても五つに分けた場合に成るべく減らないように最低と最大を抑えなければなりませんから、その間をとつていざというときに成るべくうまく行く、全部うまくは行きますまいが、そのつもりで暫定的に現行の方法をとつたわけであります。勧告さへ出ればそれに基きまして至急にやりたいと、こう考えております。
#11
○千葉信君 そうしますと、地域給の支給区分を新たに法律できめるというのは、人事院から地域給の区分についての意見書というか、或いは別表第六というか、そういうものが政府若しくは国会に出された場合に、政府の方ではそれを実施するという考えをお持ちだというふうに了解して差支えございませんか。
#12
○政府委員(岡崎勝男君) そのつもりでおります。
#13
○千葉信君 山下人事官にお尋ねいたしますが、今も山下人事官が同席して聞いておられたように、地域給についての人事院の勧告による改訂が今度行われなかつたことは、一に人事院当局が支給区分に関する別表を提出しなかつたというところに原因があるのでございまして、従いまして、この点については人事院当局の全面的な責任という結論になつたわけでございますが、この点について人事院ではこの問題をどういうふうに処理されるおつもりか。その点について御答弁を承わりたいと思います。
#14
○政府委員(山下興家君) 先刻千葉さんが言われましたように、給與が上るときに同時にしなければ下る。地域給で以て下るということに対しては、給與が上るのに今までよりも收入が少くなるという現象があるので、どうしてもこれは一緒に実行しなくちやならんということは考えておるのでありまして、それで実は今まで随分遅れたのでありますが、今度はこの法律案が確かに通るという見究めがついた瞬間に実は提出しようと思つているのであります。ただ私の了解しておりますところでは、今出しましても今年度にその操作ができるかでき安いかということについては、どうもできないらしいのでありますから、そこのところがどうもはつきりしませんと、その瞬間にといつても、この国会のおしまいの日にこれが通つてすぐというわけにも行かないでありましようし、その辺で少し悩んでおるわけであります。
#15
○千葉信君 どうも只今の御答弁、私は脇に落ちませんけれども、今日は、大体申合せが申合せですからこの程度、春風駘蕩というところで私の質問は打切ります。
#16
○森崎隆君 官房長官にお伺いいたします。最近給與の問題で、各地方からもものすごく陳情とかいろいろなものがあるので、聞きますと、すでに政府側から指令を流しておるかどうかわかりませんが、この法律案が通つたものとして地方では全部準備をやつている。こうなりますと、国会の審議権いうものは、勿論年末を控えて忙しいということはわかりますけれども、忙しければ忙しいように臨時国会をもつと早く開いて頂くように前から私が要望しておりました。これが押しつまつて法律案は現在審議が始つたばかりのところで、地方末端では算盤を入れているというようなことで、非常に私たちとしては以外に感ずるのであります。もう一つの具体的な例は、国立国会図書館の職員につきましてはすでに予算を組んでいる、一体どういうふうに組んだのか、年末手当の半カ月、それからベース改訂の三カ月分につきましては、政府の案そのままですでにやつておる。何とか承認して呉れと言つて来ておる。どうも私たちとしてはこの点腑に落ちない、こういう点は一つ政府の責任におかれまして、時間がないと言うならば、時間があるように早く一つこういう問題は国会を開いて頂いて早目に討議して、これがはつきりと国会で最後的にどう結末を付けるか分りませんけれども、成文化されして議決をして後において作業が始まるように、そういう点を特にお願いいたしたい。そうしないと私たち非常に末端からわんさわんさと来られて、陳情も現在今良心的に公務員その他のかたについての給與をまじめに考える意味から非常に齟齬を来たしまして困る問題がありますので、これが政府に対する要望の一つ。それから今一つは年末手当の問題で千葉委員から申されましたが、まだ大体半カ月というお話でございますが、これはいずれまあ年末までにはさまつて出るだろうと思います。が、やはりまあなんといいますか、警察予備隊なんかの問題につきましては私たちは知らないのです。これはまあ債務償還から二百万円だけ出すということで、どこからどういうふうに出すかわかりませんけれども、少くとも公務員、公共企業体の職員全体にはやはりはつきりとした公平の原則というものは絶対に狂いはないということは私ども信じて疑わないのですが、特にその点につきまして、官房長官から勿論そうであるというはつきりした御解答を頂きたいと思います。
#17
○政府委員(岡崎勝男君) 初めの点につきましては、これは新聞にも出ております。指令などは出なくてもそういうことはありまして、甚だ恰好が悪いし、又国会の審議に対して何か圧力を加えるような恰好になりまして一まずいと思つております。ですからできるだけ我々の方ではそういうことのないようにいたしたいと思つておりますが、どうも新聞などにもずつと出る、ラジオも言うということでして、実際上なかなか止めることもできないような事情にあると思います。我々の方ではそういうことができるだけないようにというつもりでおります。
 国会図書館のほうは知りませんが、これは国会の方の関係じやないんですか。それから今のあとのほうのお話ですが、非常に細いところの数字は私心ここで資料もありませんし、わかりませんが、公平にやるという原則につきましては、はつきり申上げられるだろうと思います。
#18
○委員長(木下源吾君) それでは本日はこの程度で散会いたします。
   午後二時十四分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     木下 源吾君
   理事
           加藤 武徳君
           千葉  信君
   委員
           西川甚五郎君
           森崎  隆君
           大隈 信幸君
           紅露 みつ君
  政府委員
   内閣官房長官  岡崎 勝男君
   人  事  官 山下 興家君
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト