くにさくロゴ
1950/12/06 第9回国会 参議院 参議院会議録情報 第009回国会 人事委員会 第4号
姉妹サイト
 
1950/12/06 第9回国会 参議院

参議院会議録情報 第009回国会 人事委員会 第4号

#1
第009回国会 人事委員会 第4号
昭和二十五年十二月六日(水曜日)
   午前十一時二十二分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
十二月五日委員長島銀藏君辞任につ
き、その補欠として森田豊壽君を議長
において指名した。
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○委員長の報告
○大蔵委員会及び予算委員会に対する
 申入れに関する件
○一般職の職員の給與に関する法律の
 一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○国家公務員に対する年末手当の支給
 に関する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(木下源吾君) それでは委員会を聞きます。
 本日の議題は一般職の職員の給與に関する法律の一部を改正する法律案、国家公務員に対する年末手当の支給に関する法律案両案の本審査。議題の審議に入る前に御報告がございます。
 郵政委員長から、
  郵政委員会は左の通り決議したから申し入れる。
  昭和二十五年十二月五日
      郵政委員長 大野幸一
  人事委員長 木下源吾殿
   「一般職の職員の給與に関する法律の一部を改正する法律案」に対する郵政委員会から人事委員会に対する申入事項
  郵政省職員の俸給は現在その職務の特殊性に鑑み調整号俸の適用によつて二級職から八級職までは一般庁職員の俸給よりも一号俸(五級職は二号俸高くなつておるが、今回国会に提出された一般職の職員の給與に関する法律の一部を改正する法律案によるときは右の差は廃せられて一般職員と同様の新俸給に切替えられることとなるがこれは郵政省職員の職務の特殊性を無視するもので適当な措置でない。
  この是正方法として内閣官房副長官は右の対策として「法律はこのままにしておいて切下げらるべき号俸の半額程度は政令で救済し残りは昇給の促進によつて措置しよう」と言明しておるが昇給の促進は各人に対し一齊にこれを行うことは不可能であるため却つて職員の間に不均衡を生じ不平不満を来し適当な措置とは言い難いからでき得れば適当な修正を加えるか或いは引下額の大部分を政令によつて救済する方法を講ぜらるるよう配慮せられたい。
 次に、同一の趣旨で参議院の厚生委員会及び電通委員会からの決議が当委員会に申入れになつておりますことを御報告申上げます。
#3
○千葉信君 動議を提出いたします。只今お聞き及びのように、郵政委員会、厚生委員会、電気通信委員会等より今度の政府から提案になりました一般職の職員の給與に関する法律の案件附則の第二項に関して、これの救済措置を考慮せられたいということについての申入れがございましたが、私は全くこの意見を正しい意見であると考えて尊重する次第でございます。今の申入れの中にありましたように、例えば郵政省等においては、一号俸切下げの場合においては五分程度にこれを減額して、政令等によつて何らかの措置を講じたいということを言つておりますけれども、遺憾ながら私はその方法をどういうふうに考えておるか知りませんけれども、私の了解する限りにおいては、現在の給與法から言いますと、法律による以外の如何なる給與も罰則の適用を受ける。そうなるとこれはもうポツダム政令による以外にはこれに対する方法はない。こういう状態から言いますと、私どもは郵政当局が考えておるという救済の方法については少少納得しかねる点がございます。のみならず今度の号俸切下げの問題は、單なる勤務時間がどうだという理由、その理由だけでやるのでございますけれども、併しながら実際に調整号俸の措置がとられました原因というのは、勿論勤務時間の点もございましたけれども、その職務内容の、特に責任の度合、複雑の度合等を十分に考慮し、更に危險の度合等も考慮してとられた措置でございまして、單に勤務時間の点だけが同一になつたというような理由で、その他の條件を一挙に抹殺せられるような今度の政府の措置に対しては、私どもそのやり方に非常に不合理であるという点があるということ、それから今度の附則第二項によるところの切下げの方法を見ますると、到底実施不可能という……、その責めに任ずる人事院が事実上これを実施できないようないろいろな矛盾撞着を包含しておると思うのです。従いましてこういう点については、当委員会としてはいろいろ各委員の意見もございましようけれども、こういう不合理な附則の修正ということは、やはりこれはできるだけ各派一致した方向においてこの問題をスムースに処理して行きたい。若しもこの問題が徹底的に追究されるということになりますと、到底三日や四日の委員会の継續だけでは、この点の審議だけでも審議未了に行かざるを得ない。こういう点から行きまして、できるだけ法案の順調な審議という点から言いましても、この点については明らかに理論的な矛盾或いは実質上の矛盾撞着を含んでおるという立場から、できるだけこの委員会で党派を超えてお互いに相談し合つて、そうしてこの問題についてのいい解決の方向を見出して行きたい。この点についてはいろいろ委員諸君とも話合つた結果によると、今度の号俸切下げということについては、大体において各会派においても異論もないようでございますし、若しできるならば昨日私が動議を出しまして一応まとまりましたところの年末給與一ヵ月分についての参議院人事委員会における一致した結論、この問題は昨日も、勿論これには関係の筋とも折衝いたしましたが、この問題と同様に、この号俸切下げの問題についても、当委員会としては委員会の一致した結論という形において、今他の委員会からこちらのほうに申入れがございましたが、今度はこの委員会から委員会の結論として、目下予算を審議中であるところの大蔵委員会並びに予算委員会に対しで当委員会のこの結論を持込み、勿論この方法としては委員長から出席願つて説明を願う。委員長が事故あるときは理事がこれに代つて説明を願う。こういう方法を以て大蔵委員会、予算委員会に申入れをしたいということの動議を私は提出いたします。
#4
○委員長(木下源吾君) 只今の千葉君の動議に対して御意見ございませんか。
#5
○森崎隆君 この動議の千葉委員の御説明、全くその通りでございまして、全面的に賛成いたします。
#6
○委員長(木下源吾君) その他に御意見ありませんか。
#7
○千葉信君 ちよつと補足して……。この問題について、一応自由党のほうを代表して出ておられる加藤委員に対して、いろいろ御考慮願うように非公式にお話してあつたのでありますが、只今承わりますと、加藤委員は、党のほうとも或る程度の了解をとつてからこの問題について発言をしたいから少し待つて欲しいという連絡がございましたが、今加藤委員が見えられたようですから、加藤委員からこの問題についての御意見を承わりたいと思います。

#8
○加藤武徳君 私丁度席を外しておりまして大変恐縮でございましたが、今の千葉委員の御発言はどうなんでございましようか。
#9
○千葉信君 ちよつと速記をとめて下さい。
#10
○委員長(木下源吾君) ちよつと速記をとめて。
   午前十一時三十二分速記中止
   ―――――・―――――
   午前十一時五十三分速記開始
#11
○委員長(木下源吾君) 速記をつけて下さい。では千葉委員の動議、決議というところを申合せに変えて動議に御賛成、御異議ありませんか。
   〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕
#12
○委員長(木下源吾君) 満場一致そういうふうに決します。
  ―――――――――――――
#13
○委員長(木下源吾君) 本日は議題の一般職の職員の給與に関する法律の一部を改正する法律案、この審議に当りまして、参考人の意見を聞くことになつております。これからそのようにしたいと思いますが御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○委員長(木下源吾君) どうも本日は諸君有難うございました。大変お待たせして済みませんでした。ではこれから御意見を承わることにいたします。
 では電通省の人事部長楠瀬熊彦君に一つお願いいたします。
#15
○参考人(楠瀬熊彦君) 最初に号俸調整の問題につきまして簡單に意見を述べさして頂きます。
 号俸調整の問題は、大体昭和二十三年の御承知の二千九百円ベースの際に起りました問題でございます。その際に号俸調整ということがどうして起つたかと申しますると、すでに御承知かと思うのでありますが、当時各省間の職員の勤務時間を比較いたしましたところが、一般の平均は大体一日六・六時間に相成つておりました。これに対しまして当時の逓信省の、殊に若い現業の職をあずかつておられる諸君の勤務時間は、平均いたしますると六・九時間、そこに一般よりも重い労働時間があつたわけでございます。でこれに対しまして、各省よりも勤務時間が長いということから、大体その差額に相当いたしまする金額が一号俸程度でございますので、一号俸を加えまして給與表を作つたわけでございます。この点につきまして実は私ども詳しい事情を承知いたしておらないのでございますが、今回の新らしい給與制度につきまして、この調整されました一号俸を取除いた元の俸給給料を基礎にいたしまして給與表ができたように伺つておるのでありまするが、同時にその理由といたしまして、これも私しつかりしたことを申上げかねるのでありますが、最近の一般職員の勤務時間は大体四十四時間、これにならされておりますので、従つて通信従業員の勤務時間は、他の職員に比べまして決して長くなつておらないということで削られたように伺つておるのであります。併しこの問題につきましては、給與法にも明定してございますように、又先ほど千葉委員からも御発言があつたように伺いましたが、給與というものは必ずしも時間だけできまらない、労働の強度でございますとか、環境でございますとか、或いは性質でございますとか、いろいろのフアクターを集めまして給與というものがきまる。従いましてこの二千九百二十円ベースの際にきまりました一号の調整額は、計算の便宜といたしまして勤務時間差ということによつたのでありますが、実質に必ずしも勤務時間だけを目標には置いておらない、こう言えるかと思うのでございます。この点に問題が起つたわけでございまして、今日電気通信従業員諸君の給與内容から申しましても、この調整をいたしました事実は決して闇取引ではございません。当時の関係省と十分協議をいたしまして堂々ときめたものでございまして、正しい給與体系と考えておりますので、今日これを取上げまして、元の俸給給與を基礎にいたしまして、新らしい給與制度ができたということにつきましては、やはり従業員の諸君の立場を考えまして、又問題の性格からいたしましても、やはりこれは削除すべきものではないのではなかろうかと、こう考えておる次第でございます。十分従業員諸君の既得権を尊重して頂きたいと、こういうふうに私ども考えておる次第でございます。
 それから次の年末手当の半月分でございますが、私から詳しく計数を申上げるまでもなく十分御承知のことと思うのでありますが、通信従業員諸員の給與は、決して豊かではございません。従いましてこの物価騰貴の顯著になりました今日におきまして、せめて年末におきまして一ヵ月分を出してやりたいと、出すべきであると、こういうふうにも考えます。又その点に関しましては強い要望が従業員の間から起つております。ざつとそういうような状況でございますが、結論といたしまして、従業員諸君の間にも、この問題をめぐりまして最近非常に動揺の色が見えております。通信事業を円満に運行ずるという上から考えまして、何とかこの問題の円満な解決をして頂きたいと、こういうふうに私どもは念願しております。
#16
○委員長(木下源吾君) 一括して質問いたしますか。……それでは次に、運輸省の人事課の給與班長今橋脩君にお願いいたします。
#17
○参考人(今橋脩君) 年末手当の問題につきまして最初申上げます。年末手当につきましては、すでに大かた議論も盡されたかの感がいたすのでありまするが、私といたしましては、これを三つの観点から、如何してでも一カ月分だけは頂戴するようにいたしたい、こう考えるものであります。その先ず第一に挙げまするのは、現在公務員が非常に生活がみじめであるということを知つておるということなのであります。でそのよつて来たつた理由といたしましては、現在の公務員の六千三百七円ベースというのは、御承知のように二十三年の十二月実施されましたが、その後におきましてはインフレは幾らかは落着いては参りましたが、なお相当生活費が高い。人事院からは二十四年の十二月と、それから本年の八月の二回に分けまして、これを改訂するような勧告が政府にあつたのでありますが、いろいろな事情から実は実施されるに至らなかつたのであります。かようにいたしまして職員の給與は日を逐うて困難の度を加えて参りましたが、更に本年の六月二十五日以後におきましては、朝鮮動乱の影響を受けまして、生計費は又嵩む状態が續いておるのであります。そこに本年の十二月のデータはまだ出ておりませんが、この期においては勧告額の八千五十八円に対して、少くとも一割五分くらいの生計費の上昇は大体予想せられるのでありまして、現に職員の大多数数は九月及び十一月の住民税につきましても、その大部分がまだ未納の状態であるという次第でございまして、恐らくこの際に一ヵ月くらいの金が出ないならば、本年の赤字は又赤字として翌年に繰り越されるというような状態でございまして、これが生活の面から考える一つの理由でございます。
 それから民間の関係について申上げます。民間におきまするところの給與、賞與というものは非常に捉えがたい。或る会社は三月ごとに出すというところもあれば、盆暮に出すというところもあります。或いは電車賃、交通費を会社側が負担するというような方法も講ぜられ、或いは現物給與といえような面でこれをバカーしておるところもたくさんあります。従いまして田間で幾ばくのものを出しておるかということは事実捉え難いのでありまするが、一つの例といたしまして、今年の八月に、例えば卑近な例ですが、三越あたりで出しました一万円、平均一万円、これは新聞紙上に伝えておりますということから、はた又その他の有七な中流以上といいますか、一応毎年継續的に賞與として出し得る会社を当つて見ましても、昨年度において大体一カ月余、一カ月乃至一カ月半というふうに言われています。それから又朝鮮動乱の影響を受けまして、本年は非常に活況を呈しておる、これは全部ではありませんが……。従いましてこの年末におきましては、これ又年末賞與におきましても相当増額を見るのじやないかということが予想されるわけであります。かように考えまするというと、この面からもどうしても一カ月分は得なければならんという結論が出るのであります。それから今度の一般職の職員の給與の改正に関する法律の一部改正、この案によりまするというと、俸給の支給日が一日、十五日、十六日、月末というふうにきめられることになりまして、大体賃金というものは完全後拂いというのが原則なのでありまして、恐らくこういう法案をお出しになるということは、その意図が完全後拂いを建前としておるのじやないかと窺えるのであります。かようにいたしまするというと、来年度の一月上期、半期分の給與というものは空白となつてその間給與については空白となるわけであります。併しまあこれはあとの問題できめ方にもよるわけですが、そのことも懸念されるという一つの理由でございます。いずれにいたしましてもこの三つから最小限度一カ月の額はどうしても得なければならない。すでに国鉄に関しては一カ月分が大体承認せられたかに伺つでおります。彼我の権衡から考えましてもむしろ当然ではないかという感がいたすのであります。
 以上年末手当について申上げました。
 それから次に一般職の職員の給與に関する法律の一部を改正する法律案につきまして申上げたいと思います。
 本年八月九日の人事院の勧告によりますれば、現行の公務員べースの六千三百七円というものは、民間の給與水準より五分がた下廻つておるということが記されてあります。それにもかかわらず人事院は八千五十八円ベースというものを勧告いたしたわけでありまするが、かかることは公務員法の第六十四條に記されておるところの、民同の給與水準にも或る程度歩調を合せる必要があるという立法の精神からも、これは相反しておると考えられるのでありまして、政府が又この水準を更に下廻る現行八千円案というものを提案されたということは、これは非常に遺憾に存ずるわけであります。でき得るならば速かに、少くとも人事院の案に基いて今度の給與改訂はすべきではないかということでありまするが、而も職員の生活というものは極度に行詰つて、もう一日の遷延も許さないというような状況に立至つております。そこで私は時間的な考え方からして、人事院の勧告というものがこの際取入れられないならば、現行の政府案でもよろしい、一日も早くこれを実現して、その代りに私といたしましては、現に本年九月の勧労統計について見ましても、全産業の平均賃金が九千五百四十三円という数字を示しております。こういうことからいたしましても、政府案を実行すると同時に、人事院は更にその次のベース改訂を政府及び国会に勧告せられんことを望んでやまないものであります。ただ職員が、人事院及び政府に第一に期待しておるものは、試験であるとか、職階制であるとかいうものではありませんでした。実にこの六十四條に示されておるところの職員の給與を民間の給與水準に合せる、そうして生活が安定した上で国民の皆様に最大のサービスを提供しようということでありますのに、公務員法が生れてすでに三年も過ぎておるにもかかわらず、人事院の勧告はどうやら野ざらしの感があり、そして又政府もこれを取上げようという誠意が見受けられないということは甚だ遺憾であります。私はこういう状態が将来とも長く續くというのならば、あえて六十四條の民間の給與水準云々なる字句は取消して頂きたい。あたかも公務員は民間と同じレベルにあるものということを国民に知らして置くことは非常にうまくないことであるというふうに考えますと同時に、人事院が機械的に勧告をするというようなことであるならば、もはや人事院の機能というものは、私としては意味がないものであるとも考えます。従いまして人事院のその職能、権限というようなものにつきましても再検討をして頂きたいというふうに考えるものであります。只今申上げました政府案をこの際拙速であるが実施するというに当りまして、まずいところは修正する必要があるということを申上げなかつたかも知れませんが、これは必要でありまするので、勿論政府案を実施するに当つては修正をすることを條件としてであります。前言に漏らした点を附加えます。
 修正案につきまして、修正案と申しますか、修正の個所につきまして一、二申上げたいと思います。
 現行の俸給の基礎となりましたのは、昭和二十三年の一月一日の二千九百二十円ベースであるということは楠瀬さんからも只今お話がありましたが、その当時の事情とそれから現在の事情、これはその当時は終戰後でもありましたし、例えば警察或いは教員というようなところにおきましては、人を得ることが非常に困難であつたというようなことによつて、その初任給を高くしようとか、或いは税務の職員はその徴税上非常に危険を感ずるというようなことで、手当が出されておつて、それらを本俸に聖たとか、いろいろな要素があつてこの基礎号俸というものがきめられたわけであります。私も当時新給與の実施本部員といたしましてこの二九二〇ベースの決定に参画いたしておつたのでありまするが、その当時の事情と今日とでは、俸給をきめるいろいろの情勢から考えますると大いに異なつておる、これは否めない事実であります。従いましてその当時における事情というものは、或る程度これを修正することが当然である。きまつておるから改正しないということは既得権だから侵さないということはこれは私は通らん話であると思います。必要があれば当然改むべきである。原則的に調整を必要とするということは、この際大原則をどうしても押通したいと思つております。何となれば、同じ職域に同じデスク・ワークしておるものが、片方は三六・六時間勤務しておつたものが四四時間になり、それから片方はむしろ逆に四八時間勤務をしておつたものが、人事院の勤務時間の改正によりまして四四時間になつた。この三六・六時日勤務のものが四四時間になり、四八時間のものが四四時間になつた、これが同様に現在勤務しておるわけでありますが、その号俸においては先ほど申上げました三六・六時間という昔の官庁職務時間によつて勤務しておる者と、あとの四七時間乃至四八時間において勤労しておる者との間に号俸差がある、待遇の上に差があるということは、これは許し難いことであると思います。従いまして調整はどうでもして頂かなければならん。而もこのベース・アップというときに調整して置かなかつたら、決して平時においてはこういうことはできるものでない。この調整に関しましては、二九二〇ベースが拙速であつたために若干修正又は調整を必要とするといつたようなことで、三七ベースに二十三年の七月に切替えられ、又その暮に六三ベースに切換えられた、その三七、六三がこの二九二〇のときの基礎号俸を基礎として同じ倍率で上つた。而も勤務時間が船員みたいなものは除きますが、四十八時間であつたものが、二十四年の一月からは原則として全部が四十八時間になつた。昨年の十月にはそれが又四十四時間になつたというようないきさつを辿つて今日に及んでおるのであります以上、当然この間の調整というものはいたさなければいかんと思います。ただ先ほどもお話がございましたように、この二九二〇の基礎号俸を決定するときの事情というものが、主として勤務時間で見た定時というようなもの、それから手当というものを本俸に入れて、勤務時間は官庁執務時間による三六・大時間というものと殆んど変つていないというもののその手当が本俸の中にぶち込まれたというようなことと趣きを異にしておるのであります。そこで昨年の、二十四年の一月、たしか二十七日からだつたと思いまするが、三月の中ばまで、又給與の実施本部員たちは幾度か会合を重ねまして、そうしてその調整の方法を協議いたしたのであります。一応の結論を得たのでありまするが、予算が必要である、予算が伴わねばこれが実施できないというところに蓬着いたしまして、これはそのまま流産となり、実施本部は解体せられたという経過を辿つておるのであります。従いまして、私はこの調整する方法は、二十四年の三月十五日に実施本部が一応の結論に到達した調整の方法というものを基準に考えて行うならば、各省間幾多の意見が出て、激論の末一応の結論が出たものである以上、大体理想に近いものであるのじやないかという気がいたすのであります。誰もが神様でない以上、AとBとの仕事も比重というものは、誰も激論をいたすのでありますが、甲論乙駁でその比較ということは到底でき難いのであります。幾人か数多い人の意見によつて、そうして議論を交わした結果が比較的正しいと言わざるを得ない実情であります。その意味合いからいたしまして、今度の法案は前と違つて極く少数の諸君によつて計画され立案されたということがこの法案の進捗を妨げておるものと私は思つております。当時におきましては、実施本部には百八十人、各省から代表が出て実施本部が中核になつて行なつておつたのでありますが、こういう組織体によつて広く意見を求めて、周知によつてこの調整方法を取りきめるということが現在の行政においては最も妥当だと存ずるのであります。特に今度の調整の中におきまして、船員についてでありまするが、船員は一番ひどく調整の切下げ、切下げといいまするか、上る率の低い方法がとられております。この法案によりまするというと、船員は当時におきまして、実施本部におきましても総收入において陸上員の五割増の線でなければならない。そういうことが一応の決議事項としてきまつておるにもかかわらず、今度の改正案によりまするというと、その收入たるや一七%に低下いたすのであります。世界各国の船員についてもこの五割ということは不文律の中に事実かように行われておるのであります。官庁船員というのは僅かに六千人そこそこであります。これが逓信、大蔵、運輸、電通、農林というような各省に僅がながらあるわけでありますが、この意見を代表して苦情を言う者は滅多にないという点に鑑みまして、又陸に労働基準法あり、海には船員法があるのであり、その労働立地條件が異なつておるということからいたしまして、船員についてかくも調整をきつく扱うということは、実に歎かわしく存ずるわけであります。この前の実施本部の調整案によりますれば、船員は一応切離して考慮するという立て方をとつております。それから厚生省のライ療養所の職員というようなものにつきましては、船員にしてもライ療養所の職員につきましても、二十三年当時の事情と今日と何ら異なつておりません。俸給をきめる事情というものは異なつておりません。こういうものをただ天引に調整、号俸の半分を落すという今度のむちやな法案には絶対に承服しかねるのであります。調整するも結構、調整せねばならんが、その理由をこまやかに各職員に納得の行くようにしてやる必要があるということを私は強く申上げる次第であります。
 それからその次に申上げますることは、これは只今申上げました特別俸給表を中心とする調整要望が、更に検討の上その案を改めねばならんということを申したのでありますが、ただその中に政令第四百一号の第十二條の三の第一項第七号、大変ややこしいのですが、第十二條の三の第一項第七号というのに、左に掲げる職員、これは逓信B表、逓信はA表とB表の切替えがありますが、逓信のB表について、現に特別な待遇を受けている職員であります。それらの職員は、その大部分が現業事務に従事しております。そうしてその大部分は週四十八時間以上、昨年人事院の四十四時間体制というものがきめられるまでは大体四十八時間勤務をしておつたのであります。このかたがたの給與もよくなつたと言えるわけでありますが、こういう諸君は大体現業現場事務に従事しておられる。で、四十四時間に人事院が時間をきめられたので、現在は大体四十四時間になつているが、本来これらの諸君は、もう何年も何十年も四十八時間勤務をして来ている。一例を申上げますというと、公共事業に従事しております職員もそうであります。これらは四十四時間では仕事にならない。例えばその使う方が土曜日は半ドンで四十四時間で帰つてしまう。使われる日雇労務者は四十八時間で、あとの四時間は日向ぼつこしているわけでもないが、使う者がいないのだから能率が上らない。これは人事院が四十四時間をきめるときに実情を余り細かく調べずにきめたということに恐らく欠陷がある。勿論四十八時間に協議の上できるということがありますが、一応四十四時間にきめられたものを四十八時間にするのは、相当の裏付がなければならんと、こう考えるわけであります。こういうわけで四十八時間どうしてもこれらの人々は勤務してもらわなければならない、従つてこれらの諸君には現在の甲一号、乙については二号という調整要望が大きくされているのでありますが、この諸君にはもう一号調整要望を加えて、そうして土曜日は半ドンでなくして八時間勤務、週四十八時間体制に、又、昔の体制に還して頂きたい。これは恐らく働く者、或いはその事務を管理するかたがたの希望しているところだろうと私は考えております、ただその場合に予算が通らんという問題が一つありますが、これはそれだけの勤務が殖えるめでありまするから、現に支給しておる超過勤務手当を或る程度節約するとか、或いは人員をその分だけ減らしてもむしろ仕事がやりよく、公務員がそれによつて潤おうという方策を、政府としてはおとりになることが正しいことじやないかと私は考えるのであります。
 私はあと一つ、小さいことですが、本案の附則第三項の最低保障給というものが今度の中に見えております。これは大体これを適用受ける者は、極端に抑えられた船員だけだろうと私は思つておりまするが、調整号俸が異なつて来れば当然この條順も不要となり、或いは又その一倍額というものも、数字が動いて来るかも知れませんが、ただこの法案自体を見た場合、勤務地手当を本俸の中に入れておるという立て方は、本人の勤務地を異にした場合、動かした場合、非常にうまくない結果が生ずる。例えば特地から丙地に行くというような場合に、その本俸が、すでに勤務地手当としてもらつておつた本俸が、本俸の性格を帶びたものとして本人の固定給化してしまうということは、これは妥当ではありません。従つて若しどうでもこういう方法をとらんとするならば、基本給の別枠として何号俸で特に何円を給するというような方法によりまして、勤務地を変えるに従つて、その都度再計算をしてやるという方策をとるような條文に修正をせねばならぬと思います。
 それから細かいことですが、更に一般俸給表の六級の幅を一号乃至十二号に、十級の幅を一号乃至九号とし、これは特別俸給表の場合も大体そのような方法がとられておるのでありますが、切替に当つて、各新旧の一号俸を合せるということを望んでおるのであります。そういたさないと、実施面においては、これはまあ実施面は人事院がいろいろのこまやかな規定をお作りになるのでありますが、本年度六級一号で採用した、例えば学士というものが、切替えますると六級の零号になる、来年度に入つて来る人は六級の一号になつて、あとから来る者のほうが俸給が上になるというふうな矛盾が生ずるのであります。
 その次に、人事院の給與の実施権というものが、まあ私は古くからこの給與というような仕事に従事しておりまするが、どうもこれは人事院の権限に属する問題ですが、はつきりしない。殊に今度の法案を見まするというと、附則第九項に、人事院が人事院規則を定めるまでの間は、政令で定めるというようなことを申しております。法律事項として政府が起案なさるのはどんな内容を盛られても結構だと思いまするが、実施事項としての内容がその法案に入る場合には、それらの意見を相当くみ取つてやる必要があるというふうに私は考えております。この附則第九項は、まさしく人事院の実施権を無視したものであると私は考えます。すべからく人事院は人事院規則を速かに設定いたして、そうして各省がすぐにその線に沿つてやれるように希望いたしてやみません。何とならば各省は政令できめたものは更に人事院に移し、人事院が更にそのこまやかにしたものを各省に移すというようなことにいたしますというと、見解の相違が幾多生ずるのであります。これは法文からそういう見解の相違が生ずるということは、ちよつと常識では考えられないのでありますが、事実かかることがあるのであつて、この附則第九項は、この際削除して頂きたい、こう思います。
 それからもう一つ、細かいことでありますが、一般俸給表の一級の二号、それから一級の三号、これに各五十円を加えてその他案中所要の改正をお願いいたしたい。これはどういう意図によるものか、その法案の趣旨がよくわかりませんが、五十円きざみを忌み嫌うならば、二号と三号との間に五十円きざみがある。一級一号も一級の二号も同じ額であるという立て方は、これは非常にうまくない、というふうに考えまして、それでこれは八條の第四項を運用するに当つてもぴんとこない。運用上非常に妥当でないというふうに考えます。
 以上貴重なお時間を拝借いたしまして、くどくどつまらないことを雪げた次第でありまするが、今申上げましたことは、私は運輸省に所属はいたしておりまするが、運輸省の意見というよりも、むしろ私一個の意見が強くこの中に述べられたわけでありまして、さよう御承知を願いたいと思います。
#18
○委員長(木下源吾君) この公述される諸君には甚だお気の毒ですが、今食事の時間等を取りますと速記がなくなつてしまう虞れがありますので、このまま継續いたしたいと思いますが、一つ御了承を願います。
 次に、全国電気通信従業員組合中央執行委員長の久保さんに一つお願いいたします。
#19
○参考人(久保等君) 私のこれから申上げるのは、全官公百七十万の組合員の一応まとまつた見解が主軸になつて申上げるわけでありますが、今回国会において上程せられておりまするところの給與法の改正法律案につきまして、私どもの給與の問題が今回の国会において審議せられ、決定を見ようとしておることにつきましては、昨年以来、私ども官公庁の従業員組合といたしましては、人事院の勧告が速かになされ、且つ実施せられることを強く要望して参つておつたわけでありまするが、今回漸くにして法律の改正案という形において政府から提案せられました法律案の内容を見ました場合に、極めて私どもといたしましては不満に存じておるわけであります。特に政府案の内容を見た場合に先ず最初の冒頭のところにおきまして、人事院の勧告を原則的に尊重してここに法律の改正案を提出するものであるということがいわれておりまするけれども、私どもがこの政府案を通覽いたして感ずることは、結果的には、全く原則的に人事院勧告を無視しておる。極めて部分的に勧告を若干参考に入れたという程度の印象しか実は受けないのでありまして、先ず一つの問題として、そのように考えられます点は、政府がかねてから現在の給與ベースの改訂につきまして八千円ベースということを、平均給八千円ということを口をすつぱくして申しておるのでありまするが、この八千円案なるものの実態につきましても、全く了解に苦しむのでありまして、少くとも人事院の勧告によりますると現在の六千三百七円ベースの内容というものは、本法にあります地域給、それから家族手当乃至は特勤手当というものを含めまして六千三百七円ということを申しておりますし、そのことは人事院の意見書の中にも明確に謳われておるわけでありまして、政府の八千円なんかの根拠というものは一向に明確にされておらないわけでありまして、その中には超過勤務手当乃至は休日給、或いは又夜勤手当その他のいろいろなものを含めて、そういうことを申しておるようでありまするけれども、併しながら、それならばそうしたものも含めてなお且つ果して八千円になり得るかどうかという問題につきましても、なお疑問が残るわけでありまして、政府は本年の六月一日現在におきまして、約六千八百四十円になるというようなことも申しておりますけれども、このこと自体も、昨年の一月一日以来現在の六千三百七円になつておりまするこのベースが、果して五百数十円に亘つて昇給しておるかどうかという問題につきましても非常に問題があるわけでありますし、同時に又給與体系というものを考えました場合に、或る一年なら一年という間における昇給がなされたからして、当然現在のベースが上つておるという考え方、こうした考え方では給與体系の根本的確立というものは到底期し得られないのでありまして、こうした政府自体の平均給八千円になるという問題自体につきましても、私ども相当関心を持つておるところの組合員の立場から見ましても、この内容自体が極めて不明朗であり、不明確であるという点につきまして、非常に大きな不満を持つておるわけでありますし、更に又千円引上げという問題につきましても、この千円の内容たるや先ほど来いろいろ申されておるような、いわゆる特別号俸の切下げ、或いは又地域給の切下げ等によつて、この千円というような金の算出根拠が出ておるというような問題につきましても、全く納得が行きかねるのでありまして、少くとも政府原案におきまして、原則的に人事院の勧告を尊重すると言われる点が一向窺われないわけでありまして、私どもとして非常に遺憾に思つております。更に又ただ單に問題はそうした金額のみにとどまらず、特に給與体系の問題につきましても同じことが申せるのでありまして、特にいわゆる下に薄く上に厚いという給與体系が、今回の政府案によつて示されておることにつきましては、全く私どもとしてその真意を疑うものでありまして、政府自体が予算において十分なベース・アップができないということをよく口に申しておるようでありますが、それならばせめて給與体系におきまして、果して人事院の出されたところの勧告を誠意を持つて実施しようとしておるのかどうかという点につきまして、私どもが眺めた給與体系というものは、いわゆる下に薄く上に厚いという結果が出ておるのでありまして、最低における、例えば一級一号と局長級におけるところの十四級六号、これを比較して見ました場合に、人事院勧告におきましては七・二倍という数字が出ておるのでありますが、政府原案によりますると八・三倍という形におきまして、いわゆる上に厚いという形がはつきり出ておるのであります。更にこれをほんの一例でございまするが、数字を挙げて申上げまするならば、特に電通省の場合におきましては、三級一号は、新制高校卒業生が初めて役所に入つた場合の初任給でございますが、三級一号におけるところの今回の人事院勧告によつて切替えた場合と、更に政府の考えるところの考え方によつて切替えた場合と比較して考えまするに、いわゆる政府は、電通の場合におきましては一号俸切下げということを考えておるわけでありまして、一号俸切下げて切替えたといたしますと、その間僅かに四百九十円と三十銭しか実はベース・アップにならないという結果になるわけでありますし、人事院の勧告によりますと、九百七十七円八十銭という数字が出ておるわけであります。従つて三級の一号俸におきましては、人事院勧告によります九百七十七円八十銭の僅か半額程度の四百九十円三十銭という金額しか実は三級一号の場合にはベース・アップにならないという結果が出ております。一方十四級六号の局長級を例にとつて考えて見ますると、人事院勧告によつて切替えた場合におきましては六千八百六十五円八十銭という数字が出て参るのでありまして、更に政府案によりますると、これを上廻る二千五百円、この二千五百円がプラスされまして九千三百六十五円八十銭、九千三百六十五円八十銭が政府から提案せられておりまする案になるわけでありまして、今この二つを比較対照して見ました場合におきましては、三級一号の場合におきましては、人事院勧告の九百七十七円の半額程度の四百九十円と三十銭であるし、一方の場合におきましては、人事院勧告をオーバーすること二千五百円の九千三百六十五円八十銭という形になるわけでありまして、この場合において比較して考えられますことは、人事院勧告におきましては、このベース・アップの比率は約七倍程度の金額になるわけでありますけれども、政府案によりますと約十倍という形が出て来ておるわけであります。少くとも予算の面において非常に制限せられておるということが言われつつ、一方においては貧しい予算のうちであるならばあるだけに、少くともこの全従業員の均衡という問題を十分に考えなければならないわけでありまするが、特に電通の場合を例にとつて考えましても、九〇%になんなんとするところの人たちの犠牲において、約一〇%程度の人たちが人事院勧告以上によく見ておるということになつておるわけであります。勿論私どもといたしましては、いわゆる十級、或いはそれ以上の人々が勿論現在より以上に優遇されることについて決してやぶさかではありませんし、勿論そうなければならないとは思いますけれども、少くとも三級一号俸においては僅かに四百九十円しか上げられないし、又このことによつて最低生活が確保されるとは到底考えられ得ない段階におきまして、こうした給與体系が実施されるということにつきましては、事業の運営等を考えました場合におきましても、将来非常に不利な問題を今後に残すのではないかということを強く危惧いたす次第であります。こうした今回のベース・アップの問題につきましての金額並びに給與体系、両者いずれを比較勘案いたしましても、政府の言われるところの人事院勧告の尊重という点が微塵も窺えないことにつきまして、非常に私どもその真意のほどを理解するのに非常に苦しんでおるという実情でございます。
 特に私どもの更に次に強調したいのは、先ほど来いろいろ言われておりますが、やはり調整号俸の切下げの問題でございまするが、この点につきましては勿論大きな理由として、この切下げがなされる理由といたしましては、勤務時間の問題が非常に大きな理由として挙げられております。けれども、少くとも給與の問題につきまして、これまで如何なる形において実施するかという場合に、最も考えなければならないフアクターと申しますものは、やはりただ單に勤務時間という問題にとどまらず、少くとも職務の複雑性、困難性、或いは労働の強度の問題、或いは又作業環境等の問題、種々なる問題を十分に考慮せられた上に決定せなければならないことは、本年の四月三日に給與法が改正実施せられておりまするが、この第四條におきましても、明確に謳つておるわけでありまして、更に又本年の五月に制定を見ましたところの職階法の中にも、第二條において、そのことがやはり明確に語われておるわけであります。従つて少くとも俸給を決定する場合におきましては、そうした種々の事情が十分に考慮せられ決定せられなければならないにもかかわらず、今回の号俸調整の切下げの問題につきましては、そうした問題を一切御破算にいたしまして、勤務時間が單に四十四時間になつたからということで以て決定を見たけれども、又その間における経緯につきましては、先ほども言われておりましたように、極めて二、三の人々によつて不明朗な形においてこれが提案され、更に党の責任者自体も十分にそうしたことに気が付かずにこのことが決定せられ、政府案として提出せられたというようなことを聞くにつけましても、私どもといたしましては、全くこの給與の問題につきまて、どの程度政府自体が真剣に且つ誠意を持つて対処しておるのか、疑問に思わざるを得ないわけであります。更に又果して然らば勤務時間の問題にいたしましても、全部四十四時間になつたかという、又現在なつておるかという問題につきましては、やはりそれぞれの事情によつて相違があるわけでありまして、特に旧逓信省関係、現在の電通、郵政にいたしましても、未だ特定局等におきましては、現に四十八時間勤務或いは、それより以上の勤務をしている諸君が多いわけであります。こうした勤務時間の問題にいたしましても、十分にそうした現在の実情を把握することなくして、全く闇打的な形において号俸調整が切下げられるという点につきましては、非常に遺憾に存ずるわけでありまして、更に又現業官庁であります現在の電通或いは郵政等におきましても、特に勤務は、ただ單に非現業的な勤務ではありませず、特に交代制勤務という形におきまして、深夜勤務或いは又早朝出勤勤務或いは又夜半の十二時頃に帰宅するというような勤務が循環的になされておる特殊な現業官庁等におきましては、ただ單に勤務時間によつて、こうした問題が決定され得ないということは当然であるわけであります。特に又この給與問題につきましては、私ども少くとも現業官庁の従業員に対しましては、現在の一般号俸表の適用自体が非常に無理である。又このこと自体が根本的に不当であるというふうに存じておるわけでありまして、特に電通、郵政の場合を例にとつて申上げましても、現在の号俸表というものは、或る一定のポストにつかなければ給料が上らないという仕組になつておるわけでありまして、このことは必然的に現在の一般号俸表におけるところの頭打が非常に多くなつて来ておる。幾ら何年たちましても一定の号俸以上に上り得ないという、現在非常に本質的な欠陥を露呈いたしておるわけでありまして、このことが少くとも二十年或いは三十年という長い勤続によりまして、経験が事業の内部におきまして非常に尊重せられ、又このことが事業の非常に大きなフアクターになつておりまするこうした現業官庁におきまして、号俸の頭打という問題につきましては、根本的に解決をしなければならない重大な問題でありまして、私どもといたしましては、是非こうした面における号俸表は、特別号俸表の形におきまして一般号俸表から是非切離されなければならない、というふうに考えておるわけであります。
 更に今回の政府案の内容の中には、現物給與の問題につきまして、給與からこれを差引くというようなことが語われておるわけでありまするが、この点につきましても、全面的に反対するわけであります。なぜかならば、特に現業官庁に従事する、事業官庁に従事する従業員の勤務というものは、卑近な例をとつて申上げまするならば、或いは電信、電話の保守、建設に任ずる諸君、或いは又遠くの山間僻地まで郵便の配達等に参る、こうした人々を考えて見ました場合に、これらに使用するところの被服、こういつたものは当然、少くとも特殊な形の被服でなければなりませんし、又こうした被服は日常私どもの着服する被服とはおのずから形も違つております。例えばゲートル、或いは地下足袋、或いは又特殊な手袋、こういつたものは、少くとも特殊な勤務に必要とする被服でありまして、こうした被服が現物によつて支給せられるということからして、給與の中からこうしたものを差引くということは、如何にしても不合理でありまするし、このことが若し実施されるといたしまするならば、生活自体が基本的に脅威されるという結果にもなるわけでありまして、少くとも現物給與という問題が、給與の中から差引かれるということにつきましては、非常に重大なる問題を孕んでいるのでありまして、給與が未だ安定しないという形におきまして、こうした問題が出されるということにつきましては、私どもやはり事業の実態を把握しない現在の給與の立て方につきまして、全面的に不満を表明いたすものであります。
 更に次に移りまして、勤務地手当の問題についてでありますが、勤務地手当の問題につきましては、今回の政府原案によりますると五分づつ切下げまして従来の三〇%を二五%にし、又二〇%を一五%にし、更に一〇%を五彩にするということにつきましても、この問題は非常に全国的には問題のある点でありまするし、今回の政府原案がこうした形に出される以前におきまして、非常に全国の従業員は、このことによつて不安動揺を来たしておるわけでありまして、各関係方面に対しまして連日大勢のかたがたが地方から出て来て、この点の陳情或いは又懇請をいたしている経緯等から考えましても、地域給の決定の問題につきましては、よほどこのことが愼重になされなければならないわけでありまするが、更に又今回のごとくこれが引下げられるということにつきましては、給與ベースの問題自体が、先ほど来縷々申上げておりますように、極めて不健全であると同時に、又極めて若干の金額にしかとどまらない現段階におきまして、これを切下げるということにつきましては全面的に反対をいたすものでありまして、少くともこの地域給の制定の問題につきましては、私ども将来の問題といたしましては、十分に各地域から、それぞれの組織におきましては組織の代表者等を以て構成するところの地域給審議会的なものを設置して、ここにおいて十分なる資料と十分なる意見を鬪わした結論によつて、地域給の問題は決定せられるべきであるというふうに考えておるわけでありまして、当面特に人事院の勧告に則りまして、政府自体がいわゆるただ金を浮かせるために、原資を見付けるための名目的な意味で引下げられる現在の政府の原案に対しましては、やはり遺憾ながら私どもとしては絶対賛意を表明できないというように考えているわけであります。
 更に又次に、勤務時間の問題についてでありまするが、勤務時間の問題につきましては、各庁の長官におきまして適当にこれを決定できるということになつておるのでありまするが、このことにつきましても、勿論賛成し難いのでありまして、少くとも勤務時間の問題につきましては、一般に四十四時間ということが言われておりまするけれども、現在未だに四十八時間乃至はそれ以上のものがきめられており、而もそれによつて現在特に現業官庁等においては、これが施行されているということにつきまして、特に旧全逓時代におきましても、逓信省の従業員から非常に勤務時間の問題、特に特定局の勤務時間の問題については、強力な反対を続けて参つておるわけでありまするが、未だにこのことが解決できないということにつきましては、私どもとしてこの際法的な根拠において明確に、少くとも如何なる事情がありましても最高は四十八時間ということで、四十八時間以内ということに勤務時間を是非制定して頂きたいというふうに考えておるわけであります。
 更にもう一つは、年末給與の問題についてでありますが、この点につきましても、先ほど来いろいろ御意見が出て、いろいろ申されておつたようでありまするが、少くとも政府の現在提案せられておりまする案によりますると、年末給與の問題については全然触れておらないようでありまするが、人事院の勧告に基きましても年々、過去におけるところの物価指数、或いは又生計指数等からはじき出された根拠に基くところの政府の年末給與一カ月分の問題につきまして、私どもといたしまして、少くとも最低一カ月につきましては、これを支給しなければならないと、即ち最低一カ月はこれを支給するという形のものを、今回の給與法の改正法律案の中に是非制定して頂きたい、かように考えておるわけであります。
 極めて概括的なことを申上げたわけでありまするが、要するに以上申上げました点は、私どもといたしまして、少くとも国家公務員法に基きまして設定せられた人事院が、更に又国家公務員法の命ずるところに従つて出された人事院の勧告自体が、極めて便宜的に扱われ、而も表面にはこれは尊重すると言われながら、実質的には殆んど骨拔きになつてしまつておるという点につきましては、少くとも立場の如何にかかわらず法を守る、少くとも民主主義の原則であり又法治国家における当然の理念といたしまして、少くとも人事院勧告は、これを十分に尊重し、実施されなければならない、かように考えておるわけであります。少くとも特にこの民主主義国家におけるところの政治を遂行するところの責任者である政府職員に対する給與自体が、実は欺瞞的な政策によつて決定するということでは、到底日本国家内におけるところの、民主国家としての法の運用乃至は又政治の運行自体に大きな危惧を感ぜざるを得ないのであります。少くとも給與の問題については、もう少しまじめな形において、少くとも誠意を持つた形において是非人事院勧告は最低限として実施して頂きたい、かように考えるわけであります。少くとも私ども今回の政府原案を見て考えられることは、極めて冷い、極めて冷淡な実は法案であるという印象を強く受けるわけでありまして、同じ予算に仮に縛られるにいたしましても、少くとも先ほど申上げましたような大勢の従業員のうちの、いわゆる薄給者を犠牲にした形におきまして、一部の人たちが給與の改善がなされるという形の考え方、こうした考え方につきましては、根本的に反省を私ども要望いたしたいと思つておるわけであります。
 以上申上げた点を十分に、今回の法案の内容におきまして修正せられることを強く期待申上げまして、私の概括的な公述を終りたいと思います。
#20
○委員長(木下源吾君) 次は、日本財務職員労働組合中央執行委員長の齋藤さんにお願いいたします。
#21
○参考人(齋藤甚助君) 官公労を代表いたしまして申上げるわけでありますが、前者と多少重複するという点も考えられるのでありますが、よろしく我我の真意を御理解願いまして、お聞き取り願いたいと思うのであります。
 給餌ベース改訂に関しまして、官公庁職員は、経済の情勢に即応したところの食えない賃金から、働らける賃金への完全なる賃金の制定を期待し、あらゆる困難と障害を克服しながら、常に職場愛に燃えつ、ただひたすら生産復興に努力しておるのであります。併しながら依然として解決を見ず、昨年来の要求であり、数度の国会開会に際し、我々は陳情を續け要求して来ました給與ベース改訂につきまして、政府は本臨時国会に、一般職の職員の給與に関する法律の一部を改正する法律案として提案したのであります。この提案された給與ベース改訂につきましては、我々の真意を解せざるものとして、全面的に反対するものであります。以下その理由を六点にまとめて申述べたいと思うのであります。
 第一点は、政府は昭和二十六年一月以降におけるところの一般職の職員の平均給與月額を一千円引上げておおむね八千円とすることを言つておるわけでありますが、その実態は八千円を遥かに下廻るものであります。即ち政府は現行給與ベースによるところの公務員の平均給與月額が、昨年九月現在で六千六百七円であり、昭和二十五年大月一日現在では六千八百四十円であり、今年十二月末日の推定が六千九百三十七円になり、従つてそれに千円を加えると、八千円ベースになると説明しているのであります。この説明によると、定期の昇格及び昇給によつて賃金ベースは上昇し、現行六千三百七円ベースは自然に八千円ベースになることになるわけであります。併しベース改訂をするということは、人事院勧告にある通り、最低生活費を基礎として俸給体系を作り俸給表を改正することであります。たとえ現在の公務員の給與平均が七千円になつたとしても、それは職員の学歴、年齢、構成等の向上による自然の結果に過ぎず、ベースは飽くまで六千三百七円ベースであるわけであります。故に平均給與月額七千円に一千円を加えて、八千円ベースであると宣伝する政府の給與改正案は、本俸五千八百九十八円、家族手当八百三十円、勤務地手当六百六十円、特殊勤務地手当四十七円、計七千四百三十五円ベースに過ぎないのであります。このことは、八千五十八円の人事院勧告が成年独身者の生計費三千三百四十円を一級三号として俸給表を作成しておるのに対して、政府案が三千三百四十円を実効価格で再計算した三千六百五十円を三級三号に当てはめて、他方人事院の民間給與調査の結果による七十号俸該当金額二万五千六百三十円をとり、二万五千円を七十号として等比級数により結ぶ方式で計算した結果であります。これによつても人事院勧告の八千五十八円ベースと政府のいわゆる八千円ベースとの間には大きな相違のあることが明確であります。なお民間給與水準と政府改訂案との差は、八級以下の差が大きく現われておるわけであります。
 第二点といたしましては、政府案によみところの俸給表は、次官、局、課長等の高級官僚である少数の人の上に厚く、一般下級職員である大多数の人に薄いものであります。人事院勧告八千五十八円ベースの俸給体系は、前回の七千八百七十七円ベースに比べて上に厚く下に薄いものでありますが、今回の政府案はこの人事院勧告よりも更に一層甚だしいものであります。ベース改訂によるところの増給は、現在のような低賃金による低水準の生活状態から強いられている現段階におきましては、できるだけ均等化されねばならないのであります。然るに政府は僅かに一千円程度のベース改訂を行おうとするに当つて、下ではただの五百円、約二割の引上げに対し、上では実に一万三千円という約五割七分を引上げようとしておるのであります。最下級の雇用人と局長級を比べると、即ち一級一号は三千円で、局長十四級六号としますならば二万五千円で、実に八・三倍であり、又最低の人と最高の人と比べる場合は、三千円と三万七千円で実に一二・四倍となつておるわけであります。又政府案によりますと、三十六号即ち八級四号であります。中央官庁におけるところの係長級及び地方小官庁におけるところの課長級を境として、人事院勧告よりも更に上に厚く下に薄くなつているのでありますが、人員構成を見ますと、八級三号以下の下級公務員が全体の約八八%を占めているのでありまして、真に生活難と鬪いながらも職場を守つておる九割に近い下級公務員の生活権は全く無視され、上級者のみ優遇されようとしているのであります。このことは、勤労大鼓の生活権を無視したものであり、又職階制をいよいよ強化して労働強化を図ろうとする事態である。又いわゆる上級官吏と下級官吏の宿命的階級を樹立しようとする政府の意図を最も露骨に示すものであります。我々は店頭に飾られておるところのその純綿製品や毛糸や毛織物が汎濫しようと、これを買うことができず、配給食糧さえも満足に買えないという状態にあるわけであります。このような多数の動勢大衆を犠牲とするところの政府案のような賃金体系には断固反対するものであります。
 第三点は、今度の改正法律案の附則第二号で出しております号俸調整をされることでありますが、このことは政府はこの機会に税務署職員等に適用されている特別俸給表の職員並びに政令四百一号第十三條の二によつて号俸調整をなし、一般職よりも優遇されている職員の確保して来てい先既得権を剥奪しようとしているのであります。只今申上げました職員の優遇されているのは、二千九百二十円ベースに給與改訂されたときに認められたことでありまして、その職員は税務署職員、警察職只、海上保安庁職員、刑務職員、国立のらい療養所の職員、盲学校及び聾学校の教育職員等、その他各省の現業官庁の職員であり、実に十一省の職員に関係するものであり、そういう人員が約七十二万に該当するのであります。これらの職員はそれぞれの特殊性もあり、任務の重要性を認められて特別の措置が講じられたものであります。このほかにこれをやることによつて非常に不合理、矛盾が指摘されて、例えば二級六号は四千四百大十八円であり、三級二号も四千四百大十八円でありますが、前者の二級六号が一号下つて、後者の三級二号が三号引下げによつて、前者の改正が五千五百円であり、後者が五千二百円であるという、こういう矛盾が現われ、又一般職の四級、五級についてもやはり同様な矛盾があるのであります。このような矛盾を強行することによつて矛盾も甚だしいもので、不合理な実態がここに現出されるのであります。
 私の出身は税務署でありますので、税務の関係のことを一応お話いたしたいと思うのであります。皆様も御承知のように国家財政確立に最も重要なる任務を帶びて、人員不足に対するところの事務の厖大さに連日悩まされ激務に倒れる同僚を相励まし、その作業は他に比し惨酷なほどに体力を酷使しているのが偽らざる実情であります。旅費といい、或いは超過勤務手当といい、予算の制約のために、実際現実の諸事情は義務的奉仕を以て事務の完全遂行に努めているのが実情であります。これがために胸部疾患者は実にその数が多いのであります。
 その一例を挙げますならば、共済組合の運営の資料を以て立証したいと思うのであります。二十三年の三月から二十四年の三月までに一万八千四百十二件を数え、更に二十四年の十二月まで、即ち八カ月間の二十四年四月から十二月までは二十四万五百九十一件に及んでおるのであります。このような驚くべき実例が、如何に税務が困難であるかという実態、如何に体力に及ぼす影響が大きいか、如何に勞働が強いられておるか、過重勞働が強いられておるか、その実態が立証するのであります。又例えば濁酒密造取締、滯納処分の途中においてしばしば傷害事件等を惹起しております。このような職務の内容の状況は二千九百二十円ベースに給與改訂された当時と現在もこの状態は同じであり、或いはそれ以上であります。決定された当時と現在の環境というものは相変らずむしろ勝るとも劣りはしないというのが実情であります。なおその実例をお話申上げますならば、先ず集団的反税運動の発生状況を申しますというと、昭和二十四年の上半期におきましては八百二十五件に対し、参加者が二十五万千二百七十四名、下半期におきましては九百七十七件に対し、二十七万四千七百大十四名、更に昭和二十五年の上半期において八百八十八件に対し、二十七万九百八十二名を数えておるような、このような困難な実情に、圧迫の下に我々が職務の先遂に専念しておる状態であります。先ず具体的な一例を申上げますというと、群馬県の中ノ條税務署におきましては、最近の問題であります。たしか三月の二十四日と記憶いたしておりますが、この暴行事件は、署員がプラカードでなぐられ、又二階より引きずり落される等の暴行がありまして、重傷者が三名、更に軽傷七名を出しておるのであります。又鹿兒島県岩川税務署の署員が濁酒検挙に行つ外際に急所である陰部を切られ、又殴打され打撲傷を受ける等の事件を惹起しておるのであります。こういうような事例を一々申上げるならば枚挙にいとまがないのでこれを省略いたします。このほかに滯納処分の途中妨害され、負傷する等頻々として起つておる現状であります。我々税務官吏は今述べすしたような身の危險を冒しながらも再建日本自立のため黙々として働いておるのであります。このような状態が認められて、二千九百二十円ベースに的訂せられるときにも、その当時まで去りました危険手当、現金取扱手当の特殊勤務手当を全部廃止し、これを給與に繰入れて特別俸給表として優遇されていたわけであります。これが先ほど述べましたように、号俸調整として三級職の三号を最高として各級二号乃至一号を切下げ、切替えられ、我々の既得権が抹殺されようとしていることであります。
 以上が税務署の特殊事情を申上げのでありますが、当時の状況と現在の状況と何ら変りはないというところに我々の反対の理由があると思います。又警察官吏、国立らい病院の職員は郵政省、電通省の職員盲聾学校の教職員にしても申上げるまでもなく十分特粋な事情はおわかりと存ずるのでありまますが、これらの職員の任務の重要性と特殊性は当然認められて然るべきで、我々の既得権を剥奪するがごとき政府案には断固反対するものであります。
 第四点は勤務地手当の問題であります。政府案は附則第十号において、勤務地手当に関する新法律制定まで現在の特地三割を二割五分に、甲地二割を一割五分に、乙地一割を五分に、それぞれ切下げようとしておるのであります。これは明らかに既得権の剥奪であり、賃金の切下げであります。大多数を占める下級公務員については、本俸で引上げ率を低くされ、勤務地手当で一律に五分引上げられ、朝鮮事変その他による物価の上昇と相俟つて、実賃賃金の切下げに伴う生活水準の低下はいよいよ甚だしくなることは明らかであります。政府は勤務地手当の支給率を下げる代りに本俸を引上げるのだと強弁するかも知れませんが、これは先ほど申述べましたように、明らかに上級少数者のみの優遇引上策であつて、大多数の中下級公務員にとつては恩惠のない問題で、現段階としては、特地三〇%、甲地二〇%乙地一〇%の現行法を存置すべきであります。更に政府は、勤務地手当について第十二條の二項及び第三項を改正するとなし、勤務地手当は最高二五%として、五段階区分に改める建前であることを明らかにしていることと、支給地域の区分は別に法律で定めると申しておるのであります。これは人事院勧告を入れることでありますが、支給地域について人事院は極祕にされておりますが、すでにその全貌が殆んど全国各地に伝わり、非常な反対運動が捲き起されているのを見ても明らかな通り、全面的な切下げが策されているのであつて、我々の絶対容認することのできないもので、この問題の決定は、組合側との協議によつて民主的、合理的に決定することを飽くまでも主張するものであります。
 第五点は、昇給についてであります。政府は第八條の改正として昇給期間を短縮し、特別昇給の途を開いたと称しておるのでありますが、昇給期間の短縮されるのは上級者のみであつて、六カ月、九カ月昇給であつた大多数の下級公務員にとつては何らの変化のないところであります。六百円以上一号俸の昇給で昇り得る上級者のみが優遇されるところに、今次政府の案の正体が示されているのであります。
 次に特別昇給で二号俸以上の増俸が開かれようとしておるのでありますが、特に勤務成績良好の者と限定しておるのでありまして、この判定が誰によつて行われろか、このようなことの行われる結果どんな空気が職場を支配するかは直ちに想像されるのであります。現に或る官庁では許休暇をとつた者は何点、欠勤をした者が何点と点を定め、百点満点として減点法を以て勤務の成績の判定をなしているのであります。恐らくこれらのことが判定に利用され、職場は旧封建時代に行われた許休暇をとつた人と、とらない人に年末のボーナスに差をつけたように殆んど拔擢増給に利用され、職場の空気は暗いものになることは火を見るより明らかで、今日の段階においては悪用され弊害を生む面のみが強く出て来ることは必然であります。更に政府は以上申述べた昇給及び昇格について、この法案の中に、予算の範囲内でということを附記しているのであります。これが実施されるものならば、定期の昇給さえも予算の名の下にストップされ、拔擢増給の傾向を強化されることは明らかで、我々はこのような政府の態度を承認することができないのであります。
 第六点は、現物給與についてであります。政府は第五條第二項の改正として、現物給與についての規定を今次法案からは殊更に削除しているのであります。即ち国家公務員のための国設宿舎に関する法案に定める公邸及び無料宿舎以外の宿舎、食事、制服その他これらに類する有価物が職員に支給され、又は無料で貸與される場合においては、これは給與の一部として俸給額を調整するとしているわけであります。現行までは、予算で認められたもの、即ち制服等については、今申述べたように法律はなく調整をされなかつたのであります。この問題は現業官庁職員には大きな問題で、郵政省、電通省等の職員については、明らかに賃金引下げであります。ここにも現物給與を俸給に換算してこれを差引こうというような実質賃金切下策を政府は明らかに意図しているものであります。
 以上六点について申述べたのでありますが、このほか地方税の増徴物価の値上り等により実質賃金は低下し、政府案による極く僅かなベースの引上げでは中級以下の公務員は、現在の生活さえ維持できなくなるわけであります。要するにかくのごとき政府のベース改訂案には全面的に反対をすると共に、少くとも人事院勧告の線である八千五十八円で、現行給與に、六千三百七円ベースとの差額であります。千七百五十一円を全職員に平等に積み重ねたもので俸給を支給すべきであると要求するもので、特に政府が法律を無視して人事院勧告を全面的に拒否しながら、八千円ベースという名目によつて人事院勧告を尊重しているがごとく国民を欺瞞していることに対して、その不信を徹底的に追及しなければならないのであります。
 なお最後の年末手当の問題でありますが、年末手当の問題につきましては、前者の楠瀬さんから縷々強調されているので、今回このたびはこれを省略いたしたいと思うのであります。
 かかるような実情を訴えまして、どうか我々のこの切実な声を本委員会におきまして十分御検討下さいまして、予算がないからということではなく、むしろ積極的にやれば大体やれる手段もあるという、積極的な考え方に立ちまして、是非とも我々の要請を尊重せられまして、我々の御期待に副われることをお願いいたしまして私の公述に変えたいと思います。
#22
○千葉信君 動議を提出いたします。給與法案の附則第二項の引下げ調整の問題に関連して、主としてその問題を中心に只今厚生省の人事課長大山正君から参考意見を申上げたいという申入れがございました。実はこの問題については、特に本問題に関して号俸切下げを反対しようとしておられる自由党所属の加藤委員からのたつての要望がございますので、代理でこの動議を提出いたします。
#23
○重盛壽治君 千葉委員の動議に賛成いたします。
#24
○委員長(木下源吾君) それではさように決定いたします。大山さんは見えておりますか。ではどうぞお願いいたします。
#25
○参考人(大山正君) 厚生省人事課長の大山でございます、
 私から特にこの際申述べさして頂きたいと思いますのは、新らしい給與法の改正案にあります調整号俸の切下げの問題でございます。厚生省といたしましては、結核、らい、精神病等の病院並びに療養所に勤務いたしておりまする医師、看護婦その他の職員でございます。これらの職員は特殊なその動務の危險或いは重要性に鑑みまして、現在調整号俸によりまして本俸に対して若干の加算をなした給與をせられておるのであります。併しながら現在のこれらの制度を以ていたしましても、その勤務の特殊性からいたしまして、なかなか厚生省といたしましては、医師並びに看護婦その他の職員を十分に得ることができない実情にあるのであります。我々といたしましては、常々この給與の改善に苦慮いたしておるものであります。又国会の厚生委員会等におきましても種々御配慮を願つておるところであります。我々といたしましては、是非これらの職員の給與を改善したい、現状よりも更に改善いたしたいと、常に考えておるところでありまするが、今回の改正法律案によりますと、調整号俸がむしろ切下げられるということに相成つておるのであります。一例を申上げまするならば、療養所に勤務いたしておりまする六級一号の看護婦が、本俸に対しまして五号の調整号俸で六百四十円加算されておるものでございますが、今回給與法の改正によりまして、同じように五号の調整号俸が加算されますならば一千円の増加になるところでありまするが、切下げによりまして六百円しか上らないということになるのであります。言い換えますならば、従来は本俸に対して六百四十円の差があつたのが、今回は六百円の差にしかならないということであります。又九級一号の医師について見まするならば、本俸に対して五号の調整号俸が加えられておりました。その差額が一千三十四円であります。今回新らしい給與法によりましてそのまま切替えますならば、一千五百円の調整がなされるわけでありまするが、切下げによりまして九百円しか上らない。言い換えまするならば、従来一千三十四円という差があつたのが、今回は九百円しか本俸に対して差がつかないというように、幅が減るという計算がされておるのであります。かかる切下げは、恐らくは国家財政の見地からなされたように考えられるのでございまするが、結核、らい、その他の療養所、病院に勤務する医師、看護婦につきましては、勤務時間の差というようなことにつきましては殆んど問題にならないのであります。又その職務の危険性が減退したということは何らこれは言うに足らないことは申すまでもないことであります。なぜこの際にかかる切下げがなされねばならないのか、特に給與の改善がなされるべきときに当つて、切下げが行われるということは非常にこれらの職員の士気にも影響いたしまして、従来すでに非常な欠員があることに、更に加えまして、欠員が多くなりまして運営に支障を来たすのではないかということを恐れるのであります、私どもといたしましては、国家財政が許しますならば、これを適当に改めまして、少なくとも本俸に対する現在の調整号俸の比率を以て新らしい給與に切替えるということにお願いしたい。かように考えておる次第であります。なお、年末手当の問題につきましても、我々としましては最低一カ月分を支給するように願いたいものであるというように考えておるのでありまして、これも国家財政が許しますならば、さようにお取計らい願えれば誠に幸いであると存じておる次第であります。
 以上前軍でありますが、私から二点申上げました。
#26
○委員長(木下源吾君) これで大体参考人のお話を終つたのでありますが、何か質問がありますならばこの機会にお願いいたします。
#27
○千葉信君 これは電通省の楠瀬さんと運輸省の今橋さんにお尋ねしたいと思うのですが、今給與実施本部の実際の仕事は、その組織と共に大体人事院に完全に移管せられておる。そういう立場から言うと、従来いろいろ、例えば六千三百七円の賃金ベースの当時、政府のほうから給與法案が提出されましたときには、給與実施本部が恐らくこういう問題については十分その審議にあずかつたはずだと思うのですが、ところが現在では御承知の通り実施に関する一切の仕事が人事院に移管せられておつて、現在の政府部内におけるところの給與に対する体系についての分掌をしておられるかた、或いは又給與の根本的な問題について絶えず責任を持つて仕事をしておられるかたがたは、現在の政府機構の中でどこにあるかといえば、やつぱりこれは各省における人事部長であるとか、或いは人事局関係のかたがたが実際その省その省のこういう仕事を分担しておられるだろうと思われるわけでございます。若しそれ以外に今度の政府原案の作成とか、審議とか、そういう問題について仕事をされたところがあるとすれば、これは考えようにもよりまするけれども、恐らく大蔵省の主計局内の給與課関係、或いは内閣官房審議室等が大体こういう問題なんかについて、そういう仕事をやられるような立場にあるものというふうに私どもは一応考えております。併しながらこれらの人々は、実際上総與の本当の体系なんかについて一定の見識を持つているとか、或いは給與についていろいろな観点から適正な結論を出すということについては、何ら職責上も責任がないと同時に、その人々の問題に対する認識の程度というものは私は全然ないというふうに考えている。例えば大蔵省の主計局給與課のごときは、これは給與に関する予算上の、單に予算上の、やりくり、改算、こういう点についての仕事は、一応持つておる。それ以外のものは恐らく持つていない。同時に内閣官房における審議室というものも、法律そのものの立案審議ということについては一応の予備知識を持つていたり、或いはそういう方面の職責もあるかも知れないけれども、問題が給與ということになると、給與の根本的な問題に対しては恐らく何らの権威ある考えも持つておらない。そういう立場からするならば、若し人事院の勧告が尊重せられたとしても、それを大幅に変更するような今度の一般俸給表の作成であるとか、或いは附則第二項にあるところの号俸の切上げとか、切下げというような問題、こういう点については十分各職務の内容というものも知つていなければならないし、そうして又そういうことを、上げることが正しいか、下げることが正しいかということについての一定の見識というものも必要だと思う。ところがそういうものをこの人たちは恐らく持つておらないということは、これは常識上考えても当然結論が出て来るわけであります。そうすると今度の少くとも人事院の勧告の通りに、それに準じてやつた場合には別として、大幅に変更されておる今度の政府の原案を作成するという場合には、これは当然の措置として各省においてその仕事を分掌しておられる人事部長諸君、或いは人事課長諸君が、政府部内におけるこういう仕事の責任者として当然この原案の作成については参画しなければならない。ところが今日のいろいろな御参考として述べられた意見の大要を見ますと、楠瀬人事部長も今橋給與課長も殆んどこの政府原案に対して真つ向からではないにしても、いろいろな部分については明らかに反対の意見を表明しておられる。そこで私非常に不思議に思いますことは、以下お尋ねするわけですが、楠瀬さんも今橋さんも今度の政府の給與に関する原案の作成の問題について参画されたか、若し又参画されたらどういう程度において、何度そういう会合の席上に出られて、そうしてどの程度あなたがたの希望なり意見が採用せられたか、この点を明確に御答弁願いたいと思います。楠瀬さんから。
#28
○参考人(楠瀬熊彦君) 只今の千葉委員からの御質問でございますが、今回の新らしい給與表ができますことにつきましては、正確な日時は忘れたわけでございますが、約二カ月くらい前であつたかと思いますが、御承知のように人事院の勧告を政府が容れないということになりまして、これをどうするかという問題になつたのでありますが、御承知のように、只今千葉委員からもお話がございましたように、現在の機構といたしまして、政府職員の一般職員の給與は、全部挙げて人事院でやることになつております。人事院がその権限を持つておるわけでありますから、従いまして人事院以外のところでは統制上、法令上、この一般職員の給與を全面的に担当する機関はないのでありまして、そのために約二カ月ぐらい前であつたと思いますが、一応内閣の審議室におきまして、関係各庁の人事監督官を長官が御招致になりまして、この際に出席いたしました各庁人事監督官はたしか全員ではなかつた思つております。現業員を持つております、何と申しますか給與の面につきまして非常に重要性のある官庁の人事監督官だけが集まつたのであります。その際に極く大綱の政府案が示されまして、一例を申しますと、例えば号俸調整の問題につきましても、極く簡單に政府の意見のあるところを話されまして、私どもといたしましては、この問題は非常に重要性があるので、簡單に片付けられては困るという意見を述べて置きました。それから勤務地手当につきまして、その際に私ども伺つた点は、従来三段階、三割、二割、一割でございましたが、これが五分引にたつたわけでございますが、その五分目の理由といたしましては、要するに史観的な経済情勢が各地とも余り差等がなくなつた。従つて五分引で行くことが一つと、それから今度のべース・アツプの原資が勤務地手当を含めて千円である。従つてどちらかに含まるべき問題であるので、その影響するところはさまで大したものではなかろう。殊に本給にこの原資を使います率が多ければ多いほど、退職手当でありますとか、恩給金の算定であるとか、そういう点について有利ではなかろうか。こういうふうな御意見があつたように記憶いたしております。それが第一回でございましたが、爾後この表が具体化されるにつれまして、私ども相当意見があつたのでありますが、その一回を限りましてその後何ら御招集がありません。従つて今回の法律案が出まするにつきましては、最初そういつた大枠につきまして極く簡單な御説明を伺つたというだけにとどまつております。
#29
○参考人(今橋脩君) 私からちよつと申上げます。今楠瀬さんからお話がございましたように、たまたま私も楠瀬さんと同じ日に同席をいたしまして、はつきり覚えておりませんが、各省の中からほんの二、三の人事関係の担当者がお集まりになつた席上で、只今お話のございました件が一度議せられたことがございます。それでまあ私としましては、先ほどこもごも申上げましたが、実施本部というもので従前の二九二〇のとき作つて、百八十人になんなんとする要員を実施本部の仕事のために動員した、そういうことで二九二〇の基礎を作つたという事例もございますので、このたびも相当各省の意見を十分酌み入れて、そうして本案を作威されたというふうに思つておりましたところ、突然閣議決定に大綱がなつたという以前において一度も内容上は接しておりません。従つてこれは容易ならんことだという気があとでいたしたのでありますが、それ以来次官会議に付せられ、それから各省からいろいろの又意見が出るというふうな次第になつて、今日に及んでおります。私の知つておる範囲におきましては、人事院も又実施機関ではありますが、これは殆んど勧告的機関にのみ終始して、今度の実施面についてはタッチしてないかと私は考えております。これが即ち先ほど申上げました人事院と政府との間をもう少しはつきりとさして頂きたいというだけの理由でございます。
#30
○千葉信君 そういたしますと、私ども非常に心配しておりました通りに、大体の今度の政府の原案というものは、大蔵省給與課、或いは法令審議室等において殆んどこの問題に関する識見もない、何らの権威も持つておらないかたがたが作成に当られたというふうに結論がなつて参つたわけでありますが、勿論これは楠瀬さんにしても、今橋さんにしてもこういう問題が予想されるというような段階に、あなたがたのほうから十分各省における給與に対する御意見をどしどし積極的に出されなかつたということについては、一応私は遺憾に思わないわけに行かないのですけれども、併しこの点については私はあなたがたを責めるわけには行きませんし、勿論こういう問題についての問題の経過を今後の委員会で十分究明しなければならないと思うんですが、そこで重ねてお尋ねして置きたいことは、もう只今のお話によりますと、政府が今度の給與の法案を最後的に閣議にかける以前の、かけてから後も、殆んど一切あなたがたのほうには連絡がなかつたというふうに了解して差支えありませんか。
#31
○参考人(今橋脩君) ちよつと申上げます。日は忘れましたが、先週の土曜日だつたと思います。先週の土曜日に各省の給與の担当者を大蔵省の給與課へ招きました。これは課長という責任者ではなくて、担当者のほうであります。五、六十人集まりまして、実はこういう法案が出ておる、何か意見はないかというふうにお尋ねされたと思います。私もかねてこの調整の問題につきましては、相当問題になつておりましたので、今日はその調整が如何にしてなされたか、どういう根拠に基いてこういうふうな措置がとられたかというふうな点を詳しく私説明されるものと期待して参つたのでありますが、不得要領でございまして、実施機関の、実施上の問題というのは、これは人事院がなさねばならない、若しそういうお集まりになつたというからには、提案のこの本案の内容について詳しい担当者に対する説明があるのが妥当ではないかというふうに、当時私も御意見を申上げまして、速かに大蔵省、まあこれは大蔵省と申上げると失礼ですが、まあ内閣の下請といいますか、私はあえて大蔵省と言うのは、大蔵省で会議が催されたから申上げるに過ぎないのですが、速かに各省の責任者なり、給與の担当者を招き、そしてこの調整が如何なる根拠によつて組み立てられてあるかということを御説明頂きたいということを申上げた次第であります。
#32
○千葉信君 重ねてお尋ねしますが、今橋さんが大蔵省で会議を持たれたその時においでになつた時期というのは、先週の土曜日だつたと言いますが、これはもうすでに国会に法案が提出されたあとでございますね。
#33
○参考人(今橋脩君) たしか二日ではなかつたかと思いますが、土曜日でした、何でも……。それはたしか国会で、衆議院のほうで法案が通過されたばかりではなかつたかと思つております。
#34
○千葉信君 誠に以てこれはべらぼうな話であります。私がお尋ねしておるのは、この原案を作成する以前にあなたがたがこの問題に参画されたかどうかということをお尋ねしたので、その点が明らかになりましたので非常に参考になりました。この問題についてはあとで委員会で十分究明したいと思います。
#35
○加藤武徳君 只今の千葉君の発言に関連しまして一言だけ私申上げたいと思うのでありますが、千葉君の御意見を承わつておりますと、法律案の発議権は、あたかも政府のみにあつて、政府から発議された法律案のみが我々の審議対象のごとき印象を受けたのでありますが、勿論我々にも法律案の発議権があるわけであります。これより一歩先んじて、政府に先んじてこの委員会で給與に関する法律案を立案して本院に上程しておるならば只今のような御発言もなかつたのじやないか、私は只今の御意見中、あたかも政府にのみ法律案の発議権があるがごとき印象を受けましたので、そうではないということを一言附加えて置きたいという工合に考えます。
#36
○千葉信君 法律の立案権ということになりますと、国会に提出する原案については、これは政府のほうには内閣総理大臣ただ一人です。それから国会議員は各自案件の提出権限があるわけです。これは憲法に明らかで、私はそういうことを問題にしておるのではなくつて、少くとも給與の問題であるとか、或いは漁業関係の問題であるとか、或いは水産関係の問題にしても、各省の所管事項といいますか、実際にそういう問題について專門的な立場にある、実際にその仕事を分担しておるところがそういう問題について基礎的な案件というものを、先ず作成するというのがこれが最も当然の順序だと思う。そうしてその国会に対して法律の案件の最後的な決定には、憲法なり、国会法なりの明示するところによつて、内閣が提出するときは内閣が審議する。これは憲法にも明白なんです。ですから私はその点については何らの疑義を挟む余地はないと思います。ただ今この給與法案については、実際の給與の問題にいつては、給餌の案件というものを作成するときには、実際に給與の実施権を持つているところの人事院とか、或いはこれを政府部内に求めるとすれば、各省における人事部長なり人事課長が実際にこの仕事を担当し、この仕事に権威を持ちそうして深い認識を持つている人たちが初めて給與の体系に対して正しい結論を出せると思うのです。ところが今私が尋ねましたのは、そういう点から考えて見て、少くとも今度の政府の提案された原案というのは、これらの人々は全然参画しておらない。そういう結論が実は今の質疑から出そうなのです。それを私は問題にするのです。そうなると、この政府の原案は一体誰が作つたか。人事院があれだけの機構を以て研究に研究を重ねて、人事院としては一応正しい体系というものを出して、これを勧告した。ところが、政府の原案を見ると、原則的には尊重したと言つているけれども、今も参考人のかたがたが、述べられたように、その原則を実際上においてはすつかり根こそぎに崩している。例えば号俸調整の問題、例えば一般俸給表の問題特別俸給表の問題、こういう点についても、人事院の勧告したことなり、原則なり、基準というものを尊重しながらそれに近付ける、併し予算がないから一応この原則は承認するけれども、或る程度減らして行かなければならん、こう行くならばいいけれども、一方は減らしながら、一方はどんどん殖しているのはどういうわけか。これは朗らかに原則を蹂躙している。給與の根本に立入つていない。こういうふうにやつたのは誰かということになる。それが今の私と参考人との間の質疑の経過から、行くと、少くとも私の見る目からでは大蔵省の一課長、一属僚或いは官房の一属僚、その他の下僚、こういう連中がこういう重大な問題に、ついて一応の結論を出してそれを閣議に持ち込む。遺憾ながら、自由党の内閣の閣僚諸君で給與の問題について見識を持つておられるかたがおられたら私はお目にかかりたい。私は実はこの問題については、私は重ねて申上げますけれども、昨日の郵政委員会その他でいろいろ大臣諸君に質問を申上げましたけれども、遺憾ながら閣議においても正確な立派な意見を吐いて、法案の最後の結論を出すについての資格というものは、私は遺憾ながら、予算上はあるかも知れないけれども、体系の問題について、こう引くり返してまで識見を持つておられるとは遺憾ながら期待しておらないし、事実これはそういうかつこうなんです。そこに問題があると思うので、私は今日参考人に聞いたわけであります。決して他意ございません。
#37
○委員長(木下源吾君) 参考人に対する御意見がなければ、これで……。
#38
○重盛壽治君 散会は第二としても、やはり公述せられた人も非常に遅くなつておるので、じかに聞くことがなければ、千葉君と加藤君の理論鬪争は一つあとにしてもらつて、こつちから先に聞いてもらいたいと思います。
#39
○千葉信君 これは楠瀬さんにお尋ねするのですが、直接あなたのほうの関係ではないけれども、あなたのほうで仕事を委任しておられるという立場から、郵政省のほうの特定局従業員諸君の、今久保君から承わつておりますと相当特定局関係の諸君の勤務時間というものはでたらめな形においてとられておる形なんです。先ほどのお話では、四十八時間乃至はそれ以上の勤務時間だというお話でございましたが、実際上平均して特定局従業員の場合どの程度になつておりますか。
#40
○参考人(楠瀬熊彦君) ちよつと私詳しい計数を覚えておりません。昨年の六月に郵政と電通に分れましたために、一カ年以上たつておりますので、現在の特定局の従業員の勤務時間が平均いたしてどのくらいになつておりますか、ちよつとお答えいたしかねるのでありますが、戰前と申しますか、以前の勤務時間こ比べましたならば、或る程度回復しておると思います。併し特定局の仕事の運営というものは、これは普通局と違いまして、都会地の特定局もございましようし、田舍の特定局もございましようし、集配特定局もございましようし、無集配の特定局もあるというようにいろいろなタイプがございますので、或る部面におきまして、特に田舍の閑散なところの特定局におきましては、私の感じではむしろ勤務時間が長いのではなかろうか、こういうふうに感じております。
#41
○重盛壽治君 今橋さんにお尋ねしたいのですが、非常に参考になる御意見を承わつて有難いのですが、組合の、号俸については積み重ねて行こう、これははつきりして明白なのですが、今橋さんのほうは、その点は私の聞き違いかどうかわかりませんが、今のところいかんけれども、こういう際にもう少し合理的に号俸調整については考えるべき号はないかと私聞いておるのですが、その点そうですか。
#42
○参考人(今橋脩君) さようでございます。
#43
○委員長(木下源吾君) 御意見ございませんか。
 それではどうも参考人の諸君にはいろいろ有難うございました。非常に時間もかまわずにやつて御迷惑をかけましたが、御了承願いたいと思います。
 ではこれを以て散会いたします。
   午後一時五十七分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     木下 源吾君
   理事
           加藤 武徳君
           千葉  信君
   委員
           重盛 壽治君
           森崎  隆君
           大隈 信幸君
           紅露 みつ君
  参考人
   電気通信省人事
   部長      楠瀬 熊彦君
   運輸省人事課給
   與班長     今橋  脩君
   全国電気通信従
   業員組合中央執
   行委員長    久保  等君
   日本財務職員労
   働組合中央執行
   委員長     齋藤 甚助君
   厚生省人事課長 大山  正君
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト