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1947/08/25 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 厚生委員会 第13号
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1947/08/25 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 厚生委員会 第13号

#1
第001回国会 厚生委員会 第13号
昭和二十二年八月二十五日(月曜日)
    午後一時四十分開議
 出席委員
   委員長 小野  孝君
   理事 田中 松月君 理事 山崎 道子君
   理事 飯村  泉君 理事 武田 キヨ君
   理事 有田 二郎君 理事 大瀧亀代司君
      太田 典禮君    中原 健次君
      福田 昌子君    松谷天光光君
      園田  直君    花月 純誠君
      小暮藤三郎君    近藤 鶴代君
      榊原  亨君    河野 金昇君
      野本 品吉君    齋藤  晃君
      寺崎  覺君
 出席國務大臣
        厚 生 大 臣 一松 定吉君
 出席政府委員
        厚 生 技 官 東 龍太郎君
 委員外の出席者
        厚生事務官   神谷 秀夫君
    ―――――――――――――
八月二十一日
 大學等への死體交付に關する法律案(内閣提出、
 參議院送付)(第四三號)
 大正十二年勅令第五百二十八號司法警察官吏及
 び司法警察官吏の職務を行うべき者の指定等に
 關する勅令の一部を改正する法律案(内閣提出、
 参議院送付)(第四四號)
八月二十二日
 國際電氣通信株式會社等の社員で公務員となつ
 た者の在職年の計算に關する恩給法の特例等に
 關する法律案(内閣提出)(第四六號)
八月二十一日
 恩給増額に關する請願(山本猛夫君紹介)(第
 一六六號)
 元官公吏の恩給増額に關する請願(笠原貞造君
 外三名紹介)(第一九二號)
 國民健康保險組合に關する請願(角田藤三郎君
 紹介)(第一九五號)
 引揚者の援護強化に關する請願(根本龍太郎君
 紹介)(第二三二號)
の審査を本委員會に付託された。
八月二十三日
 文官恩給増額に關する陳情書(長野縣東筑摩郡
 生坂村吉澤三男也)(第七六號)
 引揚者更生援護對策に關する陳情書(引揚者團
 體全國連合會委員長阿部義宗)(第七七號)
 戰死戰災遺家族竝びに傷病者の厚生に關する陳
 情書(京都市右京區京都厚生聯盟理事長井澤吉
 太郎外六名)(第七九號)
 國民健康保險に對する國庫補助増額に關する陳
 情書(長野縣上水内郡國民健康保險組合吉川可
 富外十名)(第八〇號)
 國民健康保險事業擴充に關する陳情書外一件(
 廣島縣豐田郡吉名村保險組合理事黒川一三外千
 九百十四名)(第一〇三號)
を本委員會に送付された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 災害救助法案(内閣提出)(第二二號)
 大學等への死體交付に關する法律案(内閣提出、
 參議院送付)(第四三號)
 大正十二年勅令第五百二十八號司法警察官吏及
 び司法警察官吏の職務を行うベき者の指定等に
 關する勅令の一部を改正する法律案(内閣提出、
 參議院送付)(第四四號)
    ―――――――――――――
#2
○小野委員長 これより會議を開きます。
 大學等への死體交付に關する法律案、大正十二年勅令第五百二十八號司法警察官吏及び司法警察官吏の職務を行うベき者の指定等に關する勅令の一部を改正する法律案、以上二件を一括議題に供します。最初に政府の提案理由の説明を求めます。
    ―――――――――――――
#3
○一松國務大臣 ただいま議題となりました大正十二年勅令第五百二十八號司法警察官吏の職務を行うべき者の指定等に關する勅令の一部を改正する法律案の提案理由について御説明申上げます。
 麻藥に關する犯罪の搜査は檢事、司法警察官によつて行われておるところでありますが、麻藥に關する搜査には、麻藥に關する高度の特殊知識を必要といたします關係上、取締強化の方法といたしまして、從來の搜査機關とは別個に、麻藥に關する取締りの專門家である都道府縣の麻藥統制主事のうち優秀なる者を選び、これに麻藥に關する犯罪について、司法警察官と同一の權限を有する獨立の搜査官を與えんとするのが、本法律案の趣旨であります。
 搜査を行う麻藥統制主事は、知事が檢事正と協議いたした上、搜査を行うに摘當なる者を選んでこれを厚生大臣に推薦することとし、この者に對して厚生大臣が搜査を行う者として指命することといたし、その搜査指揮權は厚生大臣の所管に屬することとし、從つてこれらの者に對しましては、知事はもちろん檢察官においても、これが指揮權を有しないことにいたしました。
 この麻薬統制主事の行う搜査の土地管轄は、地方自治體の公吏たる本來の身分にかかわらず、全國にわたつて機動的な活動を行い得るようにし、またその事物管轄は、單に麻藥取締の行政法規違反のみならず、麻藥を客體とする刑法財産犯、刑法阿片煙に關する罪、及び麻藥の經濟事犯を含むことにいたしました。
 なお麻藥統制主事は、獨立の搜査權を有するのではありますが、もとより公訴權はこれを有しないために、自己の裁量により微罪處分または不起訴處分を行う權限はもたないものであります。
 しかして檢察官との關係は、前述の通り搜査につき檢察官が指揮權をもつておりませぬから、事件の送致等に關し、司法大臣において特別の定をいたして、これによらしめることとし、本法において司法大臣の定むるところにより速やかに檢察官に事件を送致する義務を負はしめているのでおります。
 なお搜査を行う麻藥統制主事の人員は、全國を通じ二百名以内といたし、その限度において右の權限を行使し、麻藥取締の完璧をはからんとするものであります。
 何とぞ愼重御審議の上、速やかに可決あらんことを希望いたすものであります。
 次に大學等への死體交付に關する法律案の提案理由を説明いたします。
 醫學及び齒學の教育及び研究のためには、死體の解剖は不可缺のものでありますが、從來は醫學または齒學に關する學校において、死體の入手が困難な實情にありまして、學校によつてはそのために、教育にも支障を來しておる状況であります。さいわいに連合軍總司令部の指令に基きまして、本年一月厚生省令第一號が公布され、主要都市に監察醫が設置せられ、死因不明死體について檢案または解剖を行つてその死因を明らかにすることに相なつたのでありますが、今般さらに右の指令に基きまして、監察醫が死因調査をすませた死體であつて引取者のないものを、醫學または齒學に關する學校に交付して、解剖または標本の材料に用いることを認め、もつて前述の死體入手難を緩和するとともに、從來醫學または齒學に關する學校における死體解剖の適法性について、多少の疑義のありました點を明確にいたしますために、本法律案を提出することといたしたのであります。以下にこの法律案の内容の大略を申し上げます。
 この法律案の要點は、都道府縣知事は、前述の厚生省令第一號に基いて、監察醫が檢案または解剖した死體であつて、引取者のないものを、醫學または齒學教育の向上のために、醫學または齒學に關する學校の長に交付することができることとし、その交付を受けた學校長は、監察醫の檢案開始後四十八時間以内に引取者が現われなかつたときは、その死體を解剖させまたは標本とすることができることにしようというのであります。ここで交付と申しますのは、學校長は解剖または標本の材料とするという範圍内においてのみ死體の處分權を有するという意味であり、從つて事後において死者の相續人その他から引渡しの要求があつたときは、その全部または一部を引渡す義務を學校長に課しているのでございます。なおこの法律によつて交付される死體は、一應行路死亡人またはこれに準ずるものでありますから、身許調査のための公告竝びに運搬、埋火葬等に關する費用負擔等について、行路病人、及び行路死亡人取扱法との關係を第五條及び第七條に定めております、本法律案の内容は大體以上の通りでありますが、本法律案が實施の運びと相なりますれば、わが國の醫學または齒學の教育の向上發展のために益するところが少くないと在ずる次第であります。何とぞ愼重御審議の上可決あらんことを希望いたします。
#4
○小野委員長 ただいま議題となりました二つの法案の審査については、まだ質疑の通告もないのでありますが、この二つの法律案について御質疑があれば、この際承つておきたいと思います。
#5
○榊原(亨)委員 ただいま大臣のお述べになりました大學等への死體交付に關する法律のうちに、齒學という言葉がございましたが、法律的に齒學という言葉はほかに使つているところがございますかどうか、お伺いいたします。
#6
○東政府委員 大學令の醫學部の講座令の中に、齒學という言葉が使われております。
#7
○榊原(亨)委員 わかりました。
#8
○小野委員長 この二つの法律案は、内容も提案理由もきわめてはつきりしている問題でございますので、この際討論を用いないで採決いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
#9
○小野委員長 それでは採決いたします。
 大學等への死體交付に關する法律案、大正十二年勅令第五百二十八號司法警察官吏及び司法警察官吏の職務を行うべき者の指定等に關する勅令の一部を改正する法律案を原案通り可決するに御賛成の方は御起立を願います。
#10
○小野委員長 總員起立、よつてこの二つの法案は全會一致をもつて可決いたされました。
 なおこの際お諮りいたします。この二案について衆議院規則第八十六條により、報告書の作成については委員長に一任していただきたいと思いますが、御異議ありませんか。
#11
○小野委員長 御異議なしと認めましてさよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#12
○小野委員長 この前の委員會で有田委員から質問された事柄に關して、政府の答辯を保留されてありましたから、この際改めて有田君の發言を許したいと存じます。有田君。
#13
○有田委員 醫務局長と藥務課長がお見えになつておりますので、醫務局長がおわかりなら醫務局長から伺いたいのですが、製藥課が發表しておられる製藥の量と、藥務課が配給しておられます醫藥品の配給量との間に相當の開きがあるそうであります。先般關係方面からこの點について嚴重なるお取調べがあつたそうでありますが、製藥課において、これだけ藥品ができているという發表がありますのに對しまして、實際の配給量が非常に少い。この統制藥品がやみからやみに處分されているということは、まことにけしからぬと思うのでありまして、この點を全國民に明らかにしたいと在ずるのであります。
#14
○東政府委員 ただいま御質問の具體的の數字等につきましては、委員長のお許しを得ますれば、説明員として藥務課長竝びに製藥課長から説明いたさせたいと存じます。生産量として提出せられている數字と配給の數との間に開きがある。そのことがただちにやみからやみの數量になるというような御解釋のようにも承りましたが、その點につきましては、十分御納得のいくような御説明を申し上げ得ることと思います。
#15
○神谷説明員 ただいまの點について、私からやや具體的に御説明申し上げてみたいと存じます、
 ただいま有田君から御指摘のございましたように、ごく大ざつぱな數字で申し上げますと、今年の一月から五月一ぱいくらいまでに生産せられましたいわゆる配給統制品目につきましては、これはあるいは御承知かと思いますが、大體ただいま十四藥品中の百二十六品目を配給統制いたしております。これの生産せられました總額を見ますと、大體約二億圓に上つております。ところがこの一月から五月末日までの配給せられました總量は、大體約七千萬圓でありますから、メーカーの手もとに配給せられずして残つておりますものは、大體一億二、三千萬圓のものが考られるわけでございます。これは私取締りをいたしております者の立場から、メーカーの手もとからやみで出てまいりますものが絶無であるということは、これは期待いたしたいところではございますが、必ずしも絶無であるということは斷言いたしかねるのでございますが、また反面において、これがやみに多量に流れているということは考えられないのでございます。この大きな開きができましたおもな原因は、たとえばアンプルが間に合わないとか、箱等が間に合わないというようなことで、生産はせられたけれども配給にまわすことができないという状態におかれましたものが相當多量に上つております。これはやや横道にはいりますが、話の順序として申し上げておかねばなりませんが、ただいま配給統制になつております政府の指定しました百二十六品目につきましては、メーカーが生産いたしますと、政府の指定した機關にこれを賣らなければならないのでありまして、ただいま政府はこの機關としまして日本醫藥品配給株式會社を指定いたしております。メーカーの手もとにこれらの製品がございますと、全部これが日本醫藥品配給株式會社に入荷せられることに、つまりメーカー側から言うと、供出せられることになるわけでございます。ところが、日藥の方にはいりまして配給せられたものが、先ほど申しますように約七千萬圓でございまして、その間の一億三千萬圓は、先ほど申したような事情、あるいはメーカー側における滯貨として殘つておつたのでございます。これにはなおこういう要素を考えなければならぬのでございます、實はこれは前々からもお話申し上げておつたのでございますが、配給統制について先ごろから新しい配給統制の構想を練つておりまして、この月の初めに、口頭ではございましたが、關係方面から私どもの新しい配給統制案の承認を得ておるのでございます。この新しい配給統制に則つて、配給統制を近くいたす豫定にいたしておりますが、この新しい配給統制によりますと、日本藥品配給株式會社は、ただいま御説明申し上げましたように、一手に買い取つて一手に販賣するという機關でございます。この一手買取、一手販賣の機關は、新しい統制機構においては排除せられるのであります。すなわちやめになるのでございます。そこで將來この日本藥品配給株式會社が、配給統制機構から排除されるということによつて、會社自體の資金上の問題、あるいは地方の配給機關と日本醫藥品配給株式會社との取引の圓滑の點について、いろいろおもしろくない、つまり圓滑に、なごやかに動かぬような、いろいろな要素が出てまいりまして、努めてこれの排除に努力いたしてまいつたのでございますが、ただいま申しますような結果に相なりまして、このことは私どもとして、消費者一般に對して、まことに申譯ないというように考えておるのでございます。そこで私どもとしまして、これを各メーカーに説いて、できるだけ早く日本醫藥品配給株式會社に供出してもらうということも一つの手ではございますが、急速にこれらのものを流す一面において、メーカーが日本醫藥品配給株式會社に供出しない、あるいは供出を欲しない理由といたしましては、最近非常に原料資材の高騰が次々とございまして、一面において勞務費等も高騰するということで、メーカー側の手持資金が相當枯渇してまいつたのでございまして、この資金難の上からいつて、藥配に供出するということが、ただちにこのメーカーの資金難を拂拭するというわけにはまいらないのでございます。そこで何らか消費者側に速やかに藥を届け、しかもメーカーのこの窮状を救濟するという方法はないかというので、いろいろ考えました結果、メーカーと地方の販賣業者とを連結する。そうして速やかに消費者の方へ直結させるという手を打つたのでございます。大體先月の初めからこの手段、方途を講じまして、大體八月一ぱいまでで出ましたものが、最近計數を整理しておりますが、約一箇月間で九千萬圓少しのものが、地方の販賣機關へ流れ、さらにあるものについては、すでに消費者のところに配給されたのでございます。もう一度繰返して申しますが、大體從來のごとく圓滑に配給の機構が動いておりますときから申しますと、今の統制品目につきましては、二千萬圓から三千萬圓のものが、月々日本醫藥品配給株式會社から消費者の手もとへ配給せられておる。これがノーマルな状態でございます。これが今申しますように、一遍に約九千萬圓のもの、あるいは大體九千萬圓を超過しておると思いますが、これを地方の販賣機關へ配給を完了し、またなおメーカーの手もとに殘つております。またその後生産せられましたものは、速やかに地方の配給系統に渡すようにいたしておるのでございまして、大體ただいま御指摘のございました點については、以上のような臨時的な、いわゆる緊急措置と申しますか、藥配を通せずして、メーカーから地方の配給機關へ配給して、消費者の手もとへ速やかにこれが流れるような手段を講じたわけでございます。なお今後ともここういうようなことが起りませんように、十分に警戒いたしてまいりたいと存じている次第でございます。
#16
○有田委員 ただいま藥務課長からの御説明で、大體了承したのでありますが、一月から五月までの間に二億圓の藥品ができておつて、それか七千萬圓より配給されていないという事實は、藥品は御存じの通り人命にかかわるものであります。從つて厚生御當局の御努力が足りないために、多數の人命を損つているという點を考え合わされまして、將來とも十分に御注意願いたいと思うのであります。ただいま藥務課長から御説明がありました九千萬圓という額が出ておりますが、この九千萬圓のときはすでに藥品の値上りがありまして、一月から五月までの一億三千萬圓と、この九千萬圓とでは、數字は同しように見られないのであります。この一億三千萬圓は、それから後の値上りをみますと、こそは相當な金額になるのでありまして、この藥品が業者によつて横流しされないように、ほんとうに正當なルートによつて配給されるように、十分御注意願いたい。ただ私は統制藥品が厚生省の今までのやり方では、正當な配給はなかなかできない。かように考えておるのでありますが、とにかく最近はズルフアミンとかそういつた重要醫藥品をつくらない。その原料をもつて、クロールスルホン酸をもつてサツカリンをつくるというような不心得者もあるようでありますから、醫務局當局において十分御留意あつて、かかることを再び起さないように御注意を願いたいと思うのであります。さらにお尋ねいたしたいことは、先般の本委員會におきまして、本員が質問いたしたことにつきまして、十九日の毎日新聞紙上における厚生大臣の談は、まことに滿足すべきものでありまして、そのときの一松大臣の談話は「新しい藥の申請が出たら遲滯なく檢査して何人も納得出來るような理由を明かにして認許可を與えるか、あるいは却下すべきである、門前拂い式なやり方は、近ごろもつともいけないことだ、藥が澤山必要なときに、そんな不都合なことは肅正しなければならぬし、それと同時に、一つの製藥課がその事務を扱うということにも機構の不備を感ずる。これを局程度に強化して行く考えだ。」かような厚生大臣の談話がありましたが、私はまつたく同感でありまして、滿足をいたしておるのでありますが、從來のやり方は、地方廳の藥務課あるいは藥務係をしてまず門前拂い式に、なるべく受付ないように、製藥課の方からやらしておるのであります。こういつたことは、爾今十分注意していただきたい。さらに厚生省の製藥課に書類が届いても、長い間これを温めておいて、本人を呼び出して説教強盗式に却下せしめてきたものが相當あるのであります。三菱化成の例は、單なる一例でありまして、例をあげれば枚擧にいとまがないのであります。ただ例の對象になることを、どの製藥會社も非常にいやがりますから、そこで私の會社を例にとつて申し上げますと、私が社長をしております東洋藥品工業株式會社の工場の許可も、大阪藥務課を通じて提出して以來、一年有半というものは、何らの音沙汰がないのであります。そうして私が昨年代議士に立ちまして、初めて厚生省に對してお伺いいたしますと、書類がなくなつてしまつておるから、もう一度書類をだし直せという話でありまして、あまり温め過ぎた結果なくなつたのだろうと思うのでありますが、やむなく再提出をいたしまして、ようやく許可を頂載したのでありますが、その間約二箇年であります。そのために今日にいたるも原料資材の配給が受けられないで、社員の給料すら拂えないような状態で、非常な損害を受けたのであります。これは私の會社の一例をもつてきたのでありますが、他にこういつた會社はいくつもあるのであります。御存じの通り新憲法第十七條に「何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、國又は公共團體に、その賠償を求めることができる。」こういうように規定されておるのであります。從つてその公務員を任免する權限のある國務大臣に直接損害賠償を請求することができます。もちろんその不法行為をなせる公務員自身に對しても、同様にその請求權ありと私は解釋しておるのであります。すなわち門前拂い式に却下することは、藥事法違反行為であり、さらに基本的人權を蹂躙するところの憲法違反の行為であると私は考えております。さらに新憲法第十三條には「すべて國民は個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に對する國民の權利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の國政の上で、最大の尊重を必要とする。」と規定されてあるのであります。醫務局製藥課長は、今日まで長い間、いかなる權限をもつて、しかも主務大臣の許可を得ずして相當數の却下をあえて行つたか。また毎日新聞紙上において、一丁田技監の談話によりますと、毎月百件以上の申請があると申しておられるのであります。この點から考えても、さらに全國都道府縣にの藥務課、あるいは藥務係で、門前拂い式にやられておるものを合せ、あるいは官僚獨善に恐れをなし、未申請、戰災者を合わせますと、その數幾千を算えると思うのであります。さらに大阪毎日新聞掲載の、三菱化成にズルフアクワニジンを近く許可する模様で、課長から局長に話をすることになつていますが、まだ通じていないので、誤解が起つたものだと思うというような談話があつたのでありますが、私は前に一丁田技監に會つたときに、三菱にはズルフアクワニジンは許可しない方針だという話があつたのであります。もしも三菱のズルフアクワニジンの原料が足りなくて、クワニジンの原料が全部そろつておる。この場合においては、結局厚生省製藥課が製藥の許可をしないために、ズルフアクワニジンができないということになるのであります。先般せつかく藥をつくるために製藥課ができた。藥をたくさんつくるために製藥課というものをおいてあるという有がたい御答辯を伺つたのでありますが、實際は大分距りがあるのであります。藥をつくらないためにあるような感を、私はもつのでありまして。三菱化成の例を私はもつてきましたが、こういうことは、その他にもたくさん例があるのであります。過去においてこういつたことがあり、特に今までにおきましても、終戰後において製藥課長はわざわざ化學製品工場の方へまわつて、ぜひとも藥品をつくつてくれ、積極的に言つて藥品をつくるべくなぜ努力をしなかつたか、なるべくその方面からの製藥課への侵入を防ぐというような誤解を受けられるような行動をしておられたか、そのために今日幾多の人命が失われ、國民は藥品がなくて非常に困つておる。さらに國内の需要を滿して海外にまで輸出されるようになぜ製藥課は努力されなかつたか。從つて私は先般製藥課は藥をつくるためにおいてあるのか。藥をつくらないために特に製藥課をおいてあるのかという御質問を申し上げましたのは、實はここに原困をいたしておるのであります。最初に戻りますが、とにかく厚生省みずからが藥事法違反行為をやり、また憲法に違反する行為を今までやつておられた。これはもちろん厚生省だけでなく、他の官廳にもこういつた例がたくさんあつて、水産委員會でも問題になつておるそうでありますが、とにかく五月三日から新憲法が實施されたのであります。どうかこの線に沿つて厚生大臣の談話通りにやつていただくことを私は希望いたしますと同時に、製藥課長の製藥に對する御答辯を承りたいと思います。
#17
○一松國務大臣 有田委員の御質問の中で、今まで厚生省の製藥課は憲法違反の行為を數多くしたのである、そういうことに對しては、憲法の第十三條、第十七條等の違反行為である、こういうような御指摘があつたのでありますが、私が本年六月一日に厚生大臣に就任いたしました以後のことにつきましては、私自身の責任でありますが、それ以前のことでありましても、もし今お示しのような事實があつたといたしますれば、これは容易ならないことであると私は考えるのであります。しかし抽象的にただそういうもの數多くあつたというだけでは、その事實の調査もできません。でございますから、願わくば具體的にこういう事實はいつこういうことがあつたのだというようにお示しを願いまして、そのお示しの具體的の事實に對しまして、私はさらに徹底的に調査して、その責任を明らかにいたしたいと思いますから、抽象的でなくて、具體的にお示しくださらんことを、特にお願いをしておきます。
 それから三菱化成の問題につきましては、これは實はその後關係官をよく取調べてみましたところが、それはまつたく悪意もしくは過失に出たということでなくて、今まで許可せられており、三菱化成で製藥しております藥品と原料を同じくする新藥の製造の許可申請であつたので、係の者が實はあなたの方ですでに製藥しておるところのこの藥が今最も急を要して必要であるがゆえに、その方のことを一つやつていただけませんか、同じ原料を使うのであれば、その方のことがよほど急務であるがということを懇談的に話をした、そこでそれならば歸つてよく重役とも相談をしてみましようというので引きさがつた。從つて有田委員の御指摘のごとく、門前拂いを食わしたというような事實はございません。ただいまも厚生省の方にその書類はちやんと保管してありまして、許可、不許可を決すべく今急速に檢討中であるということの報告を得ておるのでありますから、この點については私調べてみましたところで、ただ一つこういうことがある。一體三菱化成に對して、せつかく新たな藥の製造許可申請をしたのに對して、課長でもない課長の下の者がそういう藥をあなたの方でつくるよりも、こちらの從來許可してある藥をこしらえてくれた方がよいのですから、その方にひとつ考えを改めていただけませんかということを課長もしくは局の指示を受けずして勝手にそういうことをもし言うた事實がありとするならば、それは出すぎたる行為である、そういうことがもしあつたならば、これは大いに戒飭を加えなければならぬというだけのことは、よく警告を發しておきました。どうもそういう事實があつたのではないかと思うのでありますが、局長、課長の指示を受けずして、勝手に部下の者がやるというようなことは出すぎですから、そういうことは將來ないように私は注意しておきましたから、この點はひとつ御了承を願いたい。ただここでそういう取扱いをした部下が、局長はこういう考えをもつているのであろう、課長がかねて話をしておつたときに、こういうことをしておつたのだから、こういうことを言うのは課長の意に反しないであろうというようなことのために、善意でそういう話をするということが往々にしてあるのです。しかしそれはとにかく個人から申請した事柄に對して、責任のない地位にある者が、局課長の意思を付度してそういうことをするということはいけない。だから將來は今言うような手續をとるときには、局長もしくは課長の意見を聽いて善處しなければいけない。それがかりに許可するものであつても、不許可のものであつても、責任のある地位にある人の指示を受けてやることが必要であるから、そういうことの行き過ぎのないようにということは、よく警告を發しておきましたから、その點はひとつ御了承を賜わりたいのであります。私からは、とりあえずこれだけのことをお答え申し上げておきます。
#18
○有田委員 大臣がみずから御調査になりましたことを感謝いたします。しかしながら、御存じの通りに、長い間厚生省におきましては、許可する事項は厚生大臣の判を押しまするが、許可しないものは一部を除いては、ほとんど門前拂い式になつておつたのであります。しこうして届けを出す者にとりましては、許可されるものは大臣の判でなくてもよいのでありますが、許可されない場合においては、どうしても大臣の判が要るのであります。なぜかと申しますると、厚生大臣の許可しない方針に對して不服のものは、それぞれ裁判所を通じて最高裁判所までいつて爭うという基本的權を國民はもつのであります。しかるにそれを窓口で返しているという事實は、具體的に例をあげろという大臣のお話でありますが、各縣の藥務課からあるいは藥事係から、それぞれ登録をして厚生省にまいつてきておりますから、終戰後今日までの受付けた書類をお調べを願いたいと思うのであります。厚生省にはちやんと書類があるはずです。もちろん入口でどんどん返しておりますが、各縣廳で調べたらあるはずでありますし、また製藥課において受付けたものは全部あるはずであります。すでに一丁田技官が毎月百件以上あると申しておられるのでありますから相當量ある。もう一つは各縣の藥務課竝びに藥務係に對して、なるべく受付けるなというような意味の指令が出ているやに、私どもは聽いているのであります。製藥會社は都廳、縣廳の人たちを飲ましたり食わしたりいろいろなことをして、ようやく縣廳を通つて今度は製藥課にくる。製藥課でまたいろいろな方面にいろいろな努力をして、これはここで申し上げられませんが、お察しが願えると思います。いろいろな努力をし、製藥課長のところへ行つて再敬禮をしなければ、製藥の許可が出ないというようなことを言う人すらあるのであります。私は許可というものは厚生大臣が申された通り、正しいものが許可されて正しくないものが許可されないということでなければならぬと思う。今度のスルフアクワニジンが許可されないということは、有田代議士が文句を言つたから許可する、文句を言わなければ許可しないというようなやり方も、非民主的なやり方であろうと思うのであります。この點は一松厚生大臣の最も忌みきらわれる點でありまして、この點につきましては、私が具體的事實をもつてこなくても、厚生御當局において、各縣廳で終戰後今日までお扱いになつた製藥の届けが門前拂いを食つたものを全部御調査になりましたら、はつきりいたすのであります。
 それからスルフアクワニジンを許可しないときの話が大臣から御報告がありましたが、しかしながら、これは大臣は藥のことがよくおわかりにならないから、そんなものかとお思いになつたのでありますが、スルフアチアゾールとスルフアクワニジンは、クロールスルフオン酸というものを除きまして、原料は違うのであります。從いまして私が先刻申し上げましたように、三菱化成において、スルフアチアゾールをつくるために、工場の設備をし、技術者を入れて研究して、スルフアクワニジンをつくる許可を厚生省に出しておる。何も三菱化成は大きな會社だから、藥品だけをつくるのではなく、初めて製藥の許可をとつたのであります。なかなか製藥の許可はとれない。これは製藥課、製藥係など工場方面からの進出を防いでおつたように私どもは聞いたのでありますが、そういう關係もあつたのでありましよう。とにかくなかなか許可されなかつた。それがようやく先般私が肥料の問題で三菱化成に参りましたときに、君のところでも藥をつくつてくれなければ困るじやないかという話をしたとき、實は厚生省に製藥の許可を願つているが、なかなか許可してくれないという。そこで私は一丁田技官に會つて、三菱化成のような大きなところは、厚生省の方からお願いして、藥をつくつてもらうべきにかかわらず、今日に至るも許可しないのはけしからぬということを申し上げて、許可を早めたのであります。その結果スルフアクワニジンだけが許可にならないという結果になつたが、チアゾールとクワニジンは、或る一部は原料が共通しておるが、その他の原料において共通していない。すなはち三菱化成においてスルフアクワニジンをつくる原料はそろつたけれども、クワニジンを厚生省が許可してくれないから、スルフアクワニジンをつくれないという事態になることを、いささかお考え願いたいと思う。從つて大臣の御答辯でありますが、スルフアクワニジンを三菱化成に他のものを一緒に許可しなかつたという事實は、どこまでも改むべきことであります。これだけでもむしろ進んで、厚生省が頭を下げて藥をつくつていただくべし。三十有餘の化學藥品會社がありますが、そのうちまだ七つか八つしか藥に手をつけていない。これが全面的にやるようになつたならば、國内の需要を充すことはもちろん、海外に相當量輸出し得る。かような確信をもつておる。この點を特に御了承願いたい。クワニジンの點については、大臣の答辯に對して私の意見を申し上げ、さらに具體的事實というお話がありましたが、各縣廳藥務課、藥務係を通じてきておる終戰後の届を全部調査されて、どれだけ門前拂いを食わせたかということを御調査願いたい。何がゆえに却下したかということを、厚生大臣において十分御調査願いたい。
#19
○一松國務大臣 いろいろ例をあげて御質問でありましたが、その御指摘の點については、大いに傾聽に値する點がたくさんありました。しかし、なるほど申請された書類について、許可されなかつたというものは、厚生省に備えつけの書類を見れば、もちろんわかりましよう。ただ私の申し上げたのは、いわゆる門前拂いを食わした書類については、厚生省にもないだろうということを思つたから、具體的にお示しを願いたいと申し上げたのであります。しかしいまのことは門前拂いでなく、不許可になつたという點について云々ということでありますから、それはひとつよく調べまして、もしそういう不都合なことが過去にあつたといたしますれば、これはただちに是正しなければならぬ。かように考えております。以前いろいろなことがあつたということは、有田代議士の御指摘のことでありますから、この點について、反證をもつておりませんから、かれこれ辯駁はいたしませんが、しかしながら、そういうことがかりにあつたとしても、將來はそういうようなことを是正して、まつたくなからしむべく努力していくという、私の誠意のあるところだけは、ひとつ御了承を賜わりたいのであります。新憲法實施後における國民の權利義務の規律、明治憲法の當時に比して非常に尊重しなければならないこと、官吏は國民の公僕であるという心得をもつて仕事に從事しなければならないということ等から考えれば、今あなたの御指摘になつた通り、そういうような方針をもつて私もやりますし、また私の部下もそういう考えをもつて、將來は事務の取扱いをいたす、かように考えておりますから、御了承を賜わりたいのであります。私から申し上げる點はこれだけのことでありますが、ただ特にお願いしておきたいことは、有田君のように製藥に御關係であります方が、あなたの申請ばかりでなく、あなたの友人、故舊等において、そういうような事實を御了承の際は、ひとつ遠慮なく私まで申出ていただければ、私自分から進んでそういうようなことの有無を調査して、ほんとうに國家、民人のために厚生行政というものを明朗に推進していきたいと考えるのでありますから、どうぞ今後ともそういうようなお考えをもつて、ひとつ國家のために御協力をお願いしたいということを、特にお願いしておきます。
#20
○有田委員 ただいま大臣から懇切な御答辯を頂戴いたしまして、まことに感謝する次第であります。とにかくこういつた事實は御了承を願いたいのであります。大臣からそういつた事實があつたら、もつてこいとおつしやいますが、業者は非常に製藥課をこわがつているのであります。三菱化成も、私がまいりました時に、どうかこれは問題にしてくださるな、後からわかつたとき、製藥課からにらまれて、必ず敵討ちをされるから、どうか三菱化成の名前は出さぬでくれというお話があつたのであります。今まで長い間業者はこういつた人たちに痛めつけられたきたのであります。この點は例をもつてこいということを申されますが、私は例は知つておりますが、皆さんがあとを非常に恐れておつしやらないのでありまして、この點はひとつこういつたことを未然に防いでいただくように、大臣に御協力願いたいと思う。
 さらにお尋ねいたしたいのは、D・D・Tの問題であります。これもやはり統制になつたのでありますが、今日發疹チブスその他のものにD・D・Tはぜひなければならない。このD・D・Tが統制になりましたために、ほとんど私どもはこれを見ることができないような状態になつてまいつたのであります。これにはそれぞれ原因があることとは思いますが、なんとか私どもの手にD・D・Tがはいるように、ひとつ御協力願いたいと思いますし、このD・D・Tがどういう状態になつたかということを、醫務局長に御質問する次第であります。
#21
○神谷説明員 D・D・Tの生産と配給取締りの方は、ただいま生産の方は製藥課、配給の方は藥務課である私の方でやつております。大體從來のいきさつを一まとめに申し上げますと、終戰後、從來蚤、しらみ等を退治いたしますものといたしましては、皆さんよく御承知の除蟲菊の製劑を使つておりました。ところが、D・D・Tという非常に有效なものができて、それで國内でも方々でメーカーの方々が製品ができるということで、一時製品が市販にも出たのであります。このD・D・Tは現在非常に日本は醫藥品に缺乏しているのでありますが、殊に重要醫藥品をつくる原料であるベンゾール等を非常にたくさん消費する關係等で、一時つくれなかつたのですが、その後國内で正式にD・D・Tをつくつてもよろしいということになりまして、現在では原藥を輸入いたしまして、これを内地でもつてタルクを混ぜまして一〇%のD・D・Tの粉末にいたしております。それからまた日本のメーカーとしても、何がしかのものをつくつております。また液状のスプレーと申しておりますが、これもただいまつくつております。先ほど申しますように、一般の市販にさせないように、この理由は繰返し申しますように、資材が非常に重要醫藥品と競合するものがあるので、さりとてたくさん輸入はできない。そこでこれをどうしても必要最小限度確保するためには、貿易計畫を遂行する上に最小限度確保するためには、一般に市販にしては重點的に使うことはできないから統制にしろ、こういう意味でございます。そこでただいまでは法令によらずして、一手に政府が買取りまして、これを全國八箇所の倉庫に備蓄いたしまして、そこでたとえば九州地方に危險な状態が起つたという場合には、九州の倉庫に指令を出して、たとえば熊本縣、福岡縣に出荷する。あるいは多數のそういうおそれがある歸還者のたくさん入港したというような場合には、それぞれの港へ必要な量を出すというようなやり方をいたしておるのであります。非常に一般の人もこれを欲しがつているのでございますが、ただいまのところでは、今申しますように、統一的な貿易計畫遂行上、最小限度のものを確保するのに止まるのでございまして、一般に市販するまでには至つておりません。あるいは將來一般の醫藥品の生産等も上昇し、この方の生産もかなり見込みが立つというときになつたならば、ただいまお話のようなことになつてまいるかと思うのでございます。ただいまのところは、私が申し上げたような状態でございます。
#22
○飯村委員 ただいま有田委員の御質問で、有田代議士がうるさいからこれを許可した、あるいは許可しないというようなお話がありましたが、厚生當局は實際にそういう事實があつたのですか。
#23
○一松國務大臣 厚生省のこの問題の取扱い方は、いかなる權威者が參りましても、それが許可すべきものでないというときには許可いたしません。またいかなる力のない人が參りましても、これは正しいことであるという時分には許可いたします。ゆえに有田代議士の懇請によつて、もしくはうるさい申出によつて、これをうるさいから許可したとか、あるいは許可しないというがごときことは斷じてありません。
#24
○飯村委員 そうすると、ただいまの有田代議士の質問は詭辯を使つたということになりますか。
#25
○有田委員 ただいま私が御説明いたしましたように、一丁田厚生技官と八日に會つたときに、スルフアチアゾールは許可するが、スルフアクアニジンは許可しないという話があつた。その後にスルフアクアニジンは許可する方針である、こういうふうになつた。そこで私は一丁田技官と相當意見を鬪わしたのであります。ただいま申すスルフアクアニジンの原料がそろつた場合に、三菱化成においてスルフアクアニジンができないというような事態が起きた場合にどうなるか。厚生省も悪いところは改めなければならぬということは、相當そこで申し上げたのであります。とにかく私がそういうふうに説明したから許可するようになつた、説明をしなければ許可されないというようなことでなく、もつとはつきりし――先般醫務局長から御答辯があつたのでありますが、厚生省には製藥課という藥をたくさんつくるための課が置いてある。しかも今日官吏は國民の公僕であることをはつきり肝に銘ずるならば、こういつたことはない。あなたが私の言葉尻をつかまえての御質問でありますが、私は藥をつくるために厚生省はもつと積極的にやつていただかなければ困るということを申し上げたのであります。私が説明したから、私の説明によつてこれは許可しなければ困るとお思いになつたのでしようが、許可になつた。つまり、有田代議士が説明しなければ許可にならないというようなことではなく、醫務局においてはつきり方針をきめて、こういうものは許可してもいい、こういうものは許可しないという確たる方針がきまつておるならばいいのでありますが、今日までは製藥課においては大體一つの案があります。一つの工場は百坪以上でなければならぬというものはありますけれども、まだ全局長が集まつて、また大臣みずからもそれにタツチして、こういうものは許可していいけれども、こういうものは許可してはいけないというような御方針が、厚生省それ自體としても、まだきまつていない。そこで有田代議士が説明に行つて、許可するものと許可にならないものとできるというようなことは不合理である。大臣の御方針も今申されたように、權威あるものにしたい。私も厚生省の製薬方針が權威あるものたらしめたいという考えから、そういつたことを私は申し上げた。その言葉によつてあなたが御質問になつたと思うのでありますが、私はあくまでも藥をつくるということに厚生省は全面的に御努力になつて、國内の需要を充たし、海外まで輸出され得るように、ぜひ御努力願いたい、かように考えて申し上げたので、御了承願いたいと思います。
#26
○飯村委員 有田委員のただいまのお話、また厚生大臣のお話で大體意味はわかりました。しかし私の質問したことは、決して言菓尻をとらえてというような意味でなく、あるいは實際にそれが行われたとすれば、これは大きな問題であると思つたからであります。從つて有田委員の先ほどの質問中には、こういうような言葉が出ておりますから、委員長において速記録を見て、訂正していただくようにお願いしたいと思います。
#27
○小野委員長 委員長に、というお話でありますが、大した言葉でもなさそうであります。しかしなお讀んでみてその通りであれば、直すことにいたします。大した問題でもないので、あまり争うことでもなさそうであります。
 それでは災害救助法案の取扱い方について全員協議會を開きますために、懇談會に入ります。
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    〔午後二時四十五分懇談會に入る〕
    〔午後三時五十分懇談説を終つて散會〕
ソース: 国立国会図書館
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