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1956/05/06 第26回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第026回国会 海外同胞引揚及び遺家族援護に関する調査特別委員会 第13号
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1956/05/06 第26回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第026回国会 海外同胞引揚及び遺家族援護に関する調査特別委員会 第13号

#1
第026回国会 海外同胞引揚及び遺家族援護に関する調査特別委員会 第13号
昭和三十二年五月六日(月曜日)
    午後一時四十九分開議
 出席委員
   委員長 廣瀬 正雄君
   理事 木村 文男君 理事 中馬 辰猪君
   理事 中山 マサ君 理事 堀内 一雄君
   理事 山下 春江君 理事 櫻井 奎夫君
   理事 戸叶 里子君
      臼井 莊一君    辻  政信君
      原 健三郎君    保科善四郎君
      眞崎 勝次君    受田 新吉君
 出席政府委員
        外務政務次官  井上 清一君
        外務事務官
        (アジア局長) 中川  融君
    ―――――――――――――
五月六日
 南西諸島在住者等に関する在外公館等借入金整
 理準備審査会法特例法案(内閣提出第一五六
 号)
四月三十日
 海外抑留同胞救出運動等の強化拡充に関する請
 願(植原脱二郎君紹介)(第二九〇九号)
 同(松平忠久君紹介)(第二九三二号)
 同(吉川久衛君紹介)(第二九五九号)
 同(原茂君紹介)(第二九九〇号)
 同(下平正一君紹介)(第二九九一号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 南西諸島在住者等に関する在外公館等借入金整
 理準備審査会法特例法案(内閣提出第一五六
 号)
    ―――――――――――――
#2
○廣瀬委員長 これより会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。本日、本委員会に南西諸島在住者等に関する在外公館等借入金整理準備審査会法特例法案が付託になりましたので、直ちに本法案を議題とし、審査いたしたいと思いますが御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○廣瀬委員長 御異議なきものと認め、それでは直ちに南西諸島在住者等に関する在外公館等借入金整理準備審査会特例法案を議題といたし、本法案の提案理由の説明を求めることといたします。井上外務政務次官。
#4
○井上(清)政府委員 在外公館等借入金整理準備審査会法特例法案の提案理由及びその内容を御説明申し上げます。
 この特例法案は、沖繩に在住していたため、審査会法第五条第一項に規定する借入金の確認を請求する権利を行使する機会が与えられなかった者に対し、当該借入金の確認を請求することができるようにしようとするものであります。
 その第一の理由は、審査会法は、日本がまだ占領下にあった昭和二十四年に立法されたもので、当時の特殊事情から、同法第一条に規定する借入金の提供者でも、沖繩等日本の行政権の及ぶ範囲以外の地域に引き揚げた者については、借入金提供の事実の有無、その者の戸籍関係等を調査することもできず、実際上救済の方法がなかったのであります。そのため請求の手続をきめた当時の政令中においても、何ら沖繩等に在住していた該当者を救済する不当がなされていなかった次第であります。
 第二には、本邦内地在住の当該借入金提供者については、審査会法は公布施行後今日まで前後三回にわたる法律改正により確認請求期限を昭和三十年十二月三十一日まで延長し、今日まで約二十一万六千件の確認請求書を受理し処理してきました結果、現在においては、未処理件数約二千件を残すのみで、大体本年度内には一応の処理が完結する予定になっております。
 第三には、その後公布施行された法律では、たとえば、戦傷者戦没者遺族等援護法や、目下国会において審議中の引揚者給付金等支給法案等も、沖繩の在住者をも救済するよう立法される機運となったのであります。
 以上、第一から第三までの理由で、審査会法についても沖繩に在住していたため当該借入金の確認を請求する権利を行使する機会が与えられなかった者について、確認請求期限を延長する特例法を制定して、救済することとしたい次第であります。
 次に、この特例法案の内容について、簡単に御説明いたしますと、第一に、本特例法は沖繩に在住していたため、確認請求できなかった者及びその者の相続人を救済する趣旨であります。次には、沖繩に在住していた者でも、この特例法案施行後百五十日の期限経過後は請求権を失うこと、及び審査会法第四条の審査会の審査権限等がこの特例法案にも及ぶことを規定したものであります。以上をもちまして、この特例法案の提案理由及び内容の概要の説明を終ります。何とど慎重御審議の上、すみや託に御採択あらんことをお願いいたします。
#5
○廣瀬委員長 これにて提案理由の説明聴取は終りました。これより本法案に対する質疑に入ります。櫻井奎夫君。
#6
○櫻井委員 この法案につきましては、かねがね本委員会が強く要望をしておった点でありまして、私どもといたしましても、この法案については、工面的に賛意を表するにやぶさかでないわけであります。この趣旨の一から一、三まで、いずれも同感でございます。ただしかし、これは施行後百五十日の期限が限られておるわけであります。従いまして、この百五十日の期間内に、今までこの法案の恩恵を受けられなかった沖繩地区の人々に対して、この法案の趣旨を周知徹底せしめることが第一の条件かと思うのであります。せっかくこのりっばな法案ができ出しても、何ら該当者が、こういうもができたということを知らずに請求をしないという場合があったときには、せっかくの親心がむだになるわけでありますので、これらの周知徹底の具体的な方法をどのように考えておられるか。特に沖繩地区は行政権もアメメカにあるような今の状況下において、いろいろと予想される困難な事情もあろうかと思いますので、この法案の周知徹底方についての具体的なお考えがあるならば、お聞かせを願いたい。
#7
○井上(清)政府委員 お答えを申し上げます。御質問の点、まことにごもっともでございます。できるだけこの期間内に本法案の趣旨を十分に徹底させたいと考えております。それには新聞記事としてこの問題を取り上げてもらいまして、皆さんに十分御了解を願うという方法、それからまた新聞の広告も利用したいと考えております。なお、これが徹底につきましては、各種引揚者団体に対しまして協力を懇請いたしまして、その団体のルートを通じて、十分趣旨の普及徹底をはかっていきたい、そうしたことで万遺憾なきを期して参りたい、かように考えております。
#8
○櫻井委員 一応了承いたしましたが、現在沖繩地区に居住しておるような人がこの適用に当る場合、沖繩地区に住んでおる人には、どのような徹底の方法を考えておられますか。
#9
○井上(清)政府委員 ただいま申し上げましたような点を沖繩におきましても徹底いたしまして、沖繩における新聞の広告、または沖繩の新聞にできるだけこのことを記事として取り上げてもらうようにやっていきたい、かように思っております。
#10
○櫻井委員 せっかく本委員会の私どもが要望してきた点が、ここでりっぱな政府提案として法案になったわけでありますから、この未処理件数二千件をできれば一件も余すことなくこの際御処理を願いたいと思います。それには政府当局の今後の趣旨徹底方に一段の御努力を要望いたしまして、私の質疑を終了いたします。
#11
○廣瀬委員長 山下春江君。
#12
○山下(春)委員 沖繩に在住いたしておりました在外公館にお金を出しておりました人たちの請求権が確認されていなかったことに対して、非常に気の毒に思いまして、委員会が外務省に要求をいたしました結果、外務省は直ちにこれをお取り上げになりまして、法律をお出し願って、この問題の処理に当るという熱意をお示しいただいたことを、まことにありがたく思います。ただ、今回お出しになりましたこの法律案が、在外公館等借入金整理準備審査会法の一部を改正して問に合うものであるにもかかわらず、それからその請求権を確認さしてやりたいと思う人は、われわれは沖繩だけのようにきょうまで考えて参りましたところ、今回出ました法律は、南西諸島在住者、こういうことで特例法を単独立法でお出しになりましたのはどういう意味だったのでございましょうか、あるいはこの南西諸局という地域をどのように外務省が線を引いておられるのか、沖繩以外の南西諸島に対してはまだやってなかったので、それをも含めてこの際やろうという御意図でこういう名前をおつけになったのでございましょうか、その点を伺いたい。
#13
○井上(清)政府委員 お答え申し上げます。本法案の南西諸島という意味は、従来の沖繩県を意味するものと御了承願いたいと思います。
#14
○山下(春)委員 単独立法でこの特例法でお出しになったのには、何か意味があったのでございましょうか。
#15
○中川(融)政府委員 従来三回ほどこの法律附則に掲げております年月日を修正いたしことがあったのでありますが、その際、いずれも附則修正ということで、一部改正という形をとって出しまして、国会の御審議を得ましたことは、御指摘の通りでございます。しかしながら、今回の措置は、初めこの法律が考えておりました、つまりいわゆる内地だけでなくて、沖繩にこれを適用しようということを趣旨とするものでございますので、従来三回でやりました例、単純に申請の時期だけを三回にわたって延長するというそれとはちょっと趣旨に違いが出てきた。つまり、いわば初め予想しておりました気質を若干変える、あるいはこの法律を適用する範囲を従来よりも非常に広くするという内応のものでございますから、法律的なことをいろいろ法制局と研究いたしました結果、やはりこれは一つの特例法、いわば単独の法律を出すという形の方が実質にそぐわしいものであるという法律的見解の一致を見ましたので、今回、一部改正ではなく、特例法という形にしたのでございます。この前例といたしましては、かつて奄美大局が日本の行政権に復帰いたしました際に、この審査会法を含めまして、いろいろな法律を奄美大島にも適用するという意味での特例法を出したことがあるのでございまして、その際の例にならいまして、今回は特例法という形にしたわけでございます。
#16
○山下(春)委員 御説明のような状況でございますれば、私どもそれで安心でございますが、特例法ということで、何か従来の審査会法よりもワクが狭まったり、あるいは他に意味があったりしては大へんだと思いましたから伺ったわけでございます。中川局長御説明の通り行われるものと了承いたしまして、その点は納得いたしました。
 それから、今、井上政務次官の櫻井委員に対するお答えの中に、周知徹底の方法をどうするかということがございました。新聞広告あるいは新聞記事等をもって、内地とそれから沖繩と両方に周知徹底なさるように聞いたのでございますが、内地にはその必要はございませんので、そういうむだなお金をぜひ沖繩へ全部お使い下さいまして、できるだけ周知徹底を、沖繩に向ってはかっていただきたいと思いますが、いかがですか。
#17
○井上(清)政府委員 お答え申し上げます。まことにごもっともでございます。内地には、ほんのごくわずかしか関係者がないわけでございますので、内地の方は、主として引揚者団体に御協力を願う、それで新聞の記事とか、あるいは新聞広告は、沖繩の方にもっぱら主力を注いで参りたいと、かように思います。
#18
○山下(春)委員 どうぞそのようにしていただきまして、これは外務省の提案の理由の中に、その遺族の生活をも幾らか潤すという意味で、非常に社会政策的考えをも含めてお出し願ったこと、時宜を得たものと考えますので、ぜひすみやかにこの人たちが救済されますように、御配慮をいただきたいことを申し添えまして、質問を終ります。
#19
○戸叶委員 先ほどの櫻井委員の質問の中にも、未処理の件数二千件をなるべく早く善処してほしい、こういうふうなことがございましたが、今度の特例を出すことによって、この二千件というものは、もう少しふえるようなことがあるんじゃないかと思いますが、そういうことはないのでしょうか。
 それから、ついででございますから、もう一点伺いますけれども、この沖繩関係は大体どのくらいとごらんになっておるか、その点を伺います。
#20
○井上(清)政府委員 未処理件数は大体二千件でございますが、今度の法律の施行によって、あるいはふえやせぬかという御質問でございますけれども、そう数の増減はないというような見込みでございます。
 なおまた沖繩関係はどのくらいかということでございますが、そのうちの約半分、約千件が沖繩関係だというふうに見ております。
#21
○中馬委員 一点伺いますが、この金額はどのくらいですか。
#22
○中川(融)政府委員 金額は、現実に申請が出てみないと、もちろんはっきりした額はわからないわけでございますが、今まで一応わかっておりますのは、沖繩関係で二百件ほどすでにわれわれにもわかっておるのがございます。しかしながら、これが周知徹底することにより、もっとふえるだろうと期待しておりますが、幾らふえましても千件どまりぐらいだろうと思っております。金額にいたしますと、これは一定の換算表ができておりまして、それによって換算するわけでございますが、従来の実績によりますと、一件当り大体四千六百円平均になっております。たといこれを千件といたしましても五百万円、走ら多目に見ましても千万円足らずで全品それは処理されるのじゃないかと思います。
#23
○廣瀬委員長 ほかに御質疑はありませんか。――御質疑がなければ、本法案に対する質疑はこれにて終局いたしました。
 これより本案に対する討論に入ることになりますが、別に討論の通告もありませんので、これを省略するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#24
○廣瀬委員長 御異議なければ、討論は省略することに決しました。
 直ちに本案に対する採決を行います。南西諸島在住者等に関する在外公館等借入金整理準備審査会法特例法案を可決すべきものと議決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔総員起立〕
#25
○廣瀬委員長 起立総員。よって、本法案は原案の通り可決すべきものと決しました。
 この際、お諮りいたします。ただいま議決いたしました法案に対する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#26
○廣瀬委員長 御異議なければ、さよう決します。
 次会は公報をもってお知らせすることといたします。
 これにて散会いたします。
   午後二時八分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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