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1956/12/04 第25回国会 参議院 参議院会議録情報 第025回国会 本会議 第10号
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1956/12/04 第25回国会 参議院

参議院会議録情報 第025回国会 本会議 第10号

#1
第025回国会 本会議 第10号
昭和三十一年十二月四日(火曜日)
   午後零時三分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
 議事日程 第九号
  昭和三十一年十二月四日
   午前十時開議
 第一 公安審査委員会委員長及び同
  委員会委員の任命に関する件
 第二 公正取引委員会委員の任命に
  関する件
 第三 中央更生保護審査会委員の任
  命に関する件
 第四 中小企業の年末金融緩和に関
  する決議案(松澤兼人君外十八名
  発議)
    (委員会審査省略要求事件)
    ━━━━━━━━━━━━━
○議長(松野鶴平君)諸般の報告は、朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
#2
○議長(松野鶴平君) これより本日の会議を開きます。
 この際、御報告いたします。
 内閣総理大臣から、北海道開発審議会委員東隆君の任期満了に伴う後任者を指名されたいとの申し出がございました。
 つきましては、この際、日程に追加して、その選挙を行いたいと存じますが、御異議ございまいせんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。
#4
○小酒井義男君 ただいまの選挙は、その手続を省略いたしまして、議長において指名せられんことの動議を提出いたします。
#5
○宮田重文君 私は、ただいまの小酒井君の動議に賛成いたします。
#6
○議長(松野鶴平君) 小酒井君の動議に御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。
 よって議長は、北海道開発審議会委員に東隆君を指名いたします。
     ―――――・―――――
#8
○議長(松野鶴平君) 日程第一、公安審査委員会委員長及び同委員会委員の任命に関する件を議題といたします。
 内閣総理大臣から、公安審査委員会設置法第五条第三項の規定により、山崎佐君を公安審査委員会委員長に、広瀬豊作君、正木亮君、矢部貞治君、山名義鶴君を同委員会委員に任命したことについて本院の承認を得たい旨の申し出がございました。
 本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#9
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本件は、全会一致をもって承認することに決しました。
     ―――――・―――――
#10
○議長(松野鶴平君) 日程第二、公正取引委員会委員の任命に関する件を議題といたします。
 内閣総理大臣から、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第三十条第四項の規定により、塚越虎男君を公正取引委員会委員に任命したことについて本院の承認を得たい旨の申し出がございました。
 本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#11
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本件は、全会一致をもって承認することに決しました。
     ―――――・―――――
#12
○議長(松野鶴平君) 日程第三、中央更生保護審査会委員の任命に関する件を議題といたします。
 内閣総理大臣から、犯罪春予防更生法第五条第三項の規定により、大竹武七郎君を中央更生保護審査会委員に任命したことについて本院の承認を得たい旨の申し出がございました。
 本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#13
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本件は、全会一致をもって承認することに決しました。
     ―――――・―――――
#14
○議長(松野鶴平君) 日程第四、中小企業の年末金融緩和に関する決議案(松澤兼人君外十八名発議)(委員会審査省略要求事件)
 本案は、発議者要求の通り委員会審査を省略し、直ちにその審議に入ることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。よって本案を議題といたします。
 まず、発議者の趣旨説明を求めます。松澤兼人君。
    ―――――――――――――
  〔松澤兼人君登壇、拍手〕
#16
○松澤兼人君 ただいま議題となりました中小企業の年末金融緩和に関する決議案の趣旨を御説明いたします。
 まず、決議案の全文を朗読いたします。
   中小企業の年末金融緩和に関する決議案
  最近におけるわが国経済の全般的好調にもかかわらず、中小企業の困難性は必ずしも解消せず、ことに年末を目前に控え、中小企業特に零細企業の金融を緩和することは喫緊の要事となっている。
  よって政府はすみやかに左の対策を講ずるとともに、あわせて恒久対策を確立すべきである。
 一、市中金融機関に対し、年末に際し特に中小企業への融資を積極化するよう強力に指導すること。
 二、政府金融機関は勿論、民間中小企業金融機関の資金源を増強することとし、資金運用部資金の貸付増加若しくは政府資金の大幅預託を実施するとともに、生命保険会社、損害保険会社の中小企業への資金供給の途を講ずること。
 三、商工組合中央金庫の貸付金利の引下につとめしめるとともに、同金庫の代理業務を一層拡大し、その資金を広汎に中小企業へ浸透せしめるようつとめること。
 四、特に年末に際し、零細企業金融の緊急性にかんがみ、国民金融公庫の貸付に際しては、小口金融に格段の考慮を払うこと。
 五、前各項のほか、中小企業年末金融円滑化のため政府機関支払の敏速化、融資手続の簡素化、下請代金支払の促進その他適当な施策を早急に講ずること。
 右決議する。
 以上が決議案の全文でありますが、この決議案を提出するに至った動機と決議案の内容について御説明申し上げます。
 御承知のように、中小企業は、わが国の産業構造の中で非常に重要な地位を占めていることは、今さら申し上げるまでもないのであります。最近、金融情勢はようやく安定、正常化したようでありますが、この金融事情緩和の恩恵に浴しているのは、比較的大企業または系列化された企業だけであって、一般中小企業、特に零細企業の金融難は依然として解消されていないのであります。しかも、年末を目前に控え、中小企業の金融難は例年と大差なく、困難な事情が見られますので、これが恒久対策はもちろん必要でありますが、さしあたっては年末金融を緩和し、円滑にするために、政府に積極的な努力を要請する必要があると存じまして、ここに決議案を提出するに至った次第であります。
 そこで、決議案において強調しております第一の点は、市中金融機関における年末の中小企業融資の促進であります。もちろん市中金融機関も中小企業の融資は行なっているのであり、中小企業の金融の大部分は銀行にたよっているのでありますが、今や、銀行に手元資金繰りの余裕が見受けられる現状となりましたにつきましては、この際、大企業偏重の融資ばかりでなく、むしろ大口融資をある程度抑制しても、中小企業向けの融資を熱意をもってさらに積極的に行なってもらいたい、また、これを行わせるように政府が指導することを要望したいのであります。
 次に、中小企業の金融がいつも不遇な取扱いを受けて、金融難に苦しんでいるとき、最もたよりになれるのは中小企業関係の政府金融機関でありますが、現状の資金量では、これを十分にまかない切れない、いつも融資申し込みの非常に多くの部分を断わっている現状でありますから、この際、中小企業金融公庫、国民金融公庫、商工組合中央金庫等の政府関係金融機関に対し、資金源を増強してほしいのであります。政府は、来年度の投融資において、出資金あるいは貸付金の増加を企図しているようでありますが、もちろんそれは来年のことで、差し迫った年末金融には間に合いません。そこで資金運用部資金からの貸付の増加をはかるとか、租税の自然増収もあることでありますから、政府の余裕金を指定預金として中小企業向け金融機関に預託してほしいのであります。現在指定預金として中小企業金融の緩和に役立ってきておる商工組合中央金庫等への預託金の引き揚げは行わないことはもちろん、さらに大幅に預託するように努力すべきであります。なお、中小企業向け資金源確保の一手段として、生命保険会社、損害保険会社の資金を中小企業へ供給できるような方途を講ずるよう要請するものであります。
 次に、商工組合中央金庫の貸付金利は、ほかと比べて割高となっております。これは中小企業の組織化を奨励する実情から見て矛盾もはなはだしい。従ってその金利を引き下げるよう格段の努力をなすようにすべきであります。この点、前に申し上げました資金量の確保とも関連のあることでございまして、貸付金利の引き下げをはかるためにも、資金量は増強すべきであります。また、商工中金は店舗網が不足しているため、中小企業の便宜をはかる観点からも、その代理業務を、たとえば系統機関である信用協同組合に取り扱わせて、その資金を広く中小企業へ浸透せしめるよう措置すべきであります。
 次に、年末に際しては、規模の小さいものほど金融に困るのでありますから、零細企業金融を主として扱うところの国民金融公庫は、その貸付に当って特に小口金融に重点を置き、その円滑化をはかるよう考慮すべきであると思うのであります。
 以上、金融機閥に対する措置を問題として来ましたが、これらのほか、中小企業金融として大きな問題は、下請代金の支払いの促進に関する問題であります。特に年末を控え、政府契約の相手方企業に対する支払い促進はもちろんのこと、さらに政府契約の相手方の下請への支払い促進をはかるとともに、第二十四国会において制定された下請代金支払遅延等防止法の運用によって、一般に親企業の下請代金支払い促進をはかるべきであります。また、いつものことながら、金融機関の中小企業への融資に際し、貸出し手続の簡素化を要求したいのであります。特に年末の融資手続は簡素敏速なることを要すると思います。また、ここに申し上げました諸対策につきましても、いたずらに評定をしていて、実施が来年になったというようなことでは役に立たないのであります。政府が迅速果敢に断行して初めて価値を生ずるのであります。政府はわが国中小企業の持つ重要性と必要性とに深く思いをいたし、真剣な努力と熱情を傾倒して、その実現をはかられんことを強く要請してやまない次第であります。
 以上、簡単ながら提案趣旨の御説明を終ります。何とぞ御賛同あらんことをお願い申し上げる次第であります。(拍手)
#17
○議長(松野鶴平君) 本案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。西川彌平治君。
  〔西川彌平治君登壇、拍手〕
#18
○西川彌平治君 私は、ただいまの決議案に対し、自由民主党を代表して賛成の意を表するものであります。
 今年の年末は、御承知の通り比較的順調に推移しております。あるものは戦後最良の年末景気であると申しております。しかしこれは、大企業やこれに連なる一連の人たちでありまして、中小企業や、そこに働く労働者たちは、必ずしも年末景気に酔うことはできず、やはり年末の金繰りに奔走しております。私も、こういう中小企業者や下請業者を多数に存じておるのであります。この好景気でさえ中小企業が困るということは、徹底した恒久的対策を要請せざるを得ないのでありますが、差し迫った問題としては、この年末の中小企業金融、ことに零細企業の金融をいかにして緩和してやるかということであります。
 元来、金というものはほしいところに集まらず、要らないところに集まるという癖を持っております。(笑声)
 預金は大銀行へ大銀行へと集中し、大銀行は中小金融に熱心でなく、中小金融に熱心な金融機関には金がない。そこで大銀行も中小企業金融に熱心になってもらうこと、また中小金融機関への資金源を豊富にすること、これが必要なのであります。大銀行が中小企業を敬遠するのは、中小企業の良否を鑑別する明識がなく、ただ、めんどうだから中小企業に貸さないということが多いのであります。しかしながら、中小企業の金融を担当しておるのは、どうしても銀行が最も多いのでありまして、中小企業融資残高で見れば全体の約六割は銀行の貸し出しであります。それだけに銀行の中小企業融資に対する態度の是正、これを年末に際し特に希望する次第で、政府の適切な指導を要請してやまない次第であります。
 次に、その資金の流れの問題であります。さきに申しましたように、中小金融機関には、残念ながら資金が集まらない。商工中金でさえも預金はほとんどなく、資金源にいつも悩んでおる状態であります。従って、これらを初め民間の金融機関に対しても、資金を供給して、中小金融の円滑化に役立たせてほしいのであります。それには政府の信用で集めた金、すなわち資金運用部資金の貸付を増加するとか、政府の絶大な支援のもとに資金を集める保険会社の資金を、中小企業に向けさせるようにすることが必要であります。ところが、この資金にしてもどうも比較的規模の大きい方へ流れたがるのであります。零細金融を建前とするところの国民金融公庫でさえ、だんだんに貸付が大口になりたがるのであります。そこで年末、特に小口金融に重点を置いてもらいたいと決議案で強調するものであります。
 また、中小企業、ことに零細企業は、規模が小さいだけに借りる金額も少い。従って手続が煩瑣であったり、借りるために遠方まで行かなければならないというのでは、事実上金は貸さないというにひとしいのであります。そこで手続の簡素化、商工中金の代理店の拡大を主張するのであります。商工中金法第三条に、中小企業等協同組合、銀行または信用金庫は商工中金の業務の一部を代理することを得るとしておりながら、この条文は全く活用されていないのでございます。従って、もし信用協同組合を系統機関として代理業務を行わせ、活用するならば、商工中金の資金を広く浸透せしめることができる。決議案がこの趣旨をうたっておるのは、まことに当然のことと思うのであります。
 さきにも申し上げました通り、今年は、戦後今までに見ない最良の年末になるかもしれない。それだけに、大企業に心配はございません。従って、今年こそは中小企業、特に零細企業に力を入れて、最良の年たるの恩恵に浴することができるようにし、もってわが国中小企業の本質を改善し、その基礎を確立できるようにしてほしいのでございます。これが私の本決議案に賛成するゆえんでございます。(拍手)
#19
○議長(松野鶴平君) これにて討論の通告者の発言は終了いたしました、討論は、終局したものと認めます。
 これより本案の採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#20
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案は、全会一致をもって可決せられました。
 ただいまの決議に対し、通商産業大臣及び大蔵大臣から発言を求められました。石橋通商産業大臣。
  〔国務大臣石橋湛山君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(石橋湛山君) ただいま当院において議決されました金融の案件は、政府におきましても、かねがね苦心をいたし、努力いたしておるところでありまして、現にこの年末に際しましては、中小企業金融公庫あるいは国民金融公庫等の融資ワクは相当増しました。前者においては百億円の予定でありましたのを百二十五億円、後者においては百七十九億円の予定でありましたのを百九十五億円というふうに増額し、なお不足いたしますれば、第四四半期における分を繰り上げて融資等をいたす覚悟であります。そのほかの問題につきましても、御決議の趣旨は、かねがねわれわれの苦心しておるところでありますから、十分尊重いたしまして、この年末金融あるいは恒久的金融について遺憾なきを期したいと考えております。
 どうもありがとうございました。(拍手)
#22
○議長(松野鶴平君) 一萬田大蔵大臣。
  〔国務大臣一萬田尚登君登壇、
  拍手〕
#23
○国務大臣(一萬田尚登君) 中小企業の年末金融につきまして、政府といたしましては、その緩和、疎通につきまして、各般の措置をただいま講じつつあるのでありまするが、ただいま御決議の趣旨を体しまして、一そう遺憾なきを期したいと思います。(拍手)
#24
○議長(松野鶴平君) 議事の都合により、これにて暫時休憩いたします。
   午後零時二十八分休憩
     ―――――・―――――
   午後八時二十九分開議
#25
○議長(松野鶴平君) 次会の議事日程は、決定次第公報をもって御通知いたします。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後八時三十分散会
ソース: 国立国会図書館
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