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1956/12/05 第25回国会 参議院 参議院会議録情報 第025回国会 本会議 第11号
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1956/12/05 第25回国会 参議院

参議院会議録情報 第025回国会 本会議 第11号

#1
第025回国会 本会議 第11号
昭和三十一年十二月五日(水曜日)
   午後二時五分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
 議事日程 第十号
  昭和三十一年十二月五日
   午前十時開議
 第一 国会法第三十九条但書の規定
  による議決に関する件(在外財産
  問題審議会委員)
 第二 国会法第三十九条但書の規定
   による議決に関する件(結核予
   防審議会委員)
 第三 国会法第三十九条但書の規定
  による議決に関する件(売春対策
  審議会委員)
 第四 商品取引所審議会会長及び同
  審議会委員の任命に関する件
 第五 日本国とソヴィエト社会主義
  共和国連邦との共同宣言の批准に
  ついて承認を求めるの件
  (衆議院送付)(委員長報告)
 第六 貿易の発展及び最恵国待遇の
  相互許与に関する日本国とソヴィ
  エト社会主義共和国連邦との間の
  議定書の批准について承認を求め
  るの件(策議院送付)
          (委員長報告)
 第七 北西太平洋の公海における漁
  業に関する日本国とソヴィエト社
  会主義共和国連邦との間の条約の
  締結について承認を求めるの
  件(衆議院送付)
          (委員長報告)
 第八 海上において遭難した人の救
  助のための協力に関する日本国と
  ソヴィエト社会主義共和国連邦と
  の間の協定の締結について承認を
  求めるの件(衆議院送付)
          (委員長報告)
 第九 在外仏貨公債の処理に関する
  法律案(内閣提出、衆議院送付)
          (委員長報告)
 第一〇 島根県松江地方簡易家庭裁
  判所庁舎新築に関する請願
          (委員長報告)
 第一一 山形刑務所移転促進に関す
  る請願     (委員長報告)
 第一二 大阪府布施市に地方裁判所
  支部設置の請願 (委員長報告)
 第一三 簡易保険の保険金最高制限
  額引上げに関する請願(三件)
          (委員長報告)
 第一四 愛媛県松山市に簡易保険、
  郵便年金加入者ホーム設置の請願
  (四件)    (委員長報告)
 第一五 奈良県吉野町の電信電話局
  統合に関する請願
          (委員長報告)
 第一六 富山県婦中電話局の施設拡
  充等に関する請願
          (委員長報告)
 第一七 福島県会津若松市内合併区
  域の電話交換施設改善に関する請
  願       (委員長報告)
 第一八 高知県安芸市元町に無集配
  特定郷便局設置の請願
          (委員長報告)
 第一九 北海道阿寒村布伏内簡易郵
  便局の無集配特定局昇格に関する
  請願      (委員長報告)
 第二〇 北海道中標津町にNHK釧
  路放送局の中継放送所設置の請願
          (委員長報告)
 第二一 栃木県東那須野郵便局の黒
  磯郵便局統合反対に関する請願
          (委員長報告)
 第二二 宮城県白石市内福岡長袋字
  山の下地区に無集配郵便局設置の
  請願      (委員長報告)
 第二三 大畑鉄道開通促進に関する
  請願      (委員長報告)
 第二四 国鉄赤穂線中日生、伊部両
  駅間開通促進に関する請願
          (委員長報告)
 第二五 国鉄野岩羽線敷設完成促進
  に関する請願  (委員長報告)
 第二六 国鉄石勝線鉄道新設促進に
  関する請願   (委員長報告)
 第二七 国鉄生橋線復旧に関する請
  願       (委員長報告)
 第二八 国鉄篠栗線篠栗駅、山田線
  臼井駅間鉄道敷設に関する請願
  (三件)    (委員長報告)
 第二九 北海道白糠町、足寄町間鉄
  道敷設に関する請願
          (委員長報告)
 第三〇 新庄、余目両駅間等ジーゼ
  ルカー運行促進に関する請願
          (委員長報告)
 第三一 国鉄八戸線中平内外二地区
  に汽動車駅設置の請願
          (委員長報告)
 第三二 国鉄参宮線の複線切替促進
  に関する請願  (委員長報告)
 第三三 国鉄城東線玉造駅貨物取扱
  設備拡張等に関する請願
          (委員長報告)
 第三四 国鉄公安職員を一般国鉄職
  員に繰入れするの請願
          (委員長報告)
 第三五 国鉄米坂線の電化促進に関
  する請願    (委員長報告)
 第三六 北海道室蘭港西ふ頭築造工
  事促進に関する請願
          (委員長報告)
 第三七 北海道羽幌、天売両港修築
  促進に関する請願
          (委員長報告)
 第三八 北海道苫小牧工業港築設工
  事施行促進に関する請願
          (委員長報告)
 第三九 岩手県釜石市に測候所を設
  置する等の請願 (委員長報告)
 第四〇 九州及び山口県地域の気象
  予報業務の整備に関する請願
          (委員長報告)
 第四一 新潟県出雲崎町に新潟海上
  保安部出張所設置の請願
          (委員長報告)
 第四二 岩手県綾里岬灯台に霧笛信
  号を併設するの請願
          (委員長報告)
 第四三 岩手県首崎に灯台設置の請
  願       (委員長報告)
 第四四 機帆船の航行平水区域改正
  に関する請願  (委員長報告)
 第四五 二級国道和歌山松阪線の一
  級国道昇格に関する請願
          (委員長報告)
 第四六 国道整備促進に関する請願
          (委員長報告)
 第四七 新潟県佐渡郡内の駐留軍使
  用道路の損害補償に関する請願
          (委員長報告)
 第四八 長崎県西彼杵半島循環道路
  中三重、式見両村間改良工事施行
  に関する請願  (委員長報告)
 第四九 宮崎県県道都城狭野線中乙
  房、谷頭間路線附替に関する請願
          (委員長報告)
 第五〇 一級国道四号線中一部改良
  工事等施行に関する請願
          (委員長報告)
 第五一 一級国道三十六号線の完全
  舗装に関する請願
          (委員長報告)
 第五二 山形県戸沢村内国道等改良
  工事施行に関する請願
          (委員長報告)
 第五三 災害復旧及び離島振興法に
  よる施設促進の請願
          (委員長報告)
 第五四 新潟県信濃川改良工事促進
  に関する請願  (委員長報告)
 第五五 新潟県根知川災害土木事業
  助成工事施行に関する請願
          (委員長報告)
 第五六 茨城県久慈川改修工事施行
  に関する請願  (委員長報告)
 第五七 新潟県中之島村地内魚野川
  沿岸堤防工事施行に関する請願
          (委員長報告)
 第五八 河川総合開発事業等推進に
  関する請願   (委員長報告)
 第五九 荒川中川総合開発促進に関
  する請願    (委員長報告)
 第六〇 昭和三十一年度公営住宅事
  業実施要領中標準用地取得造成費
  地区別区分表変更に関する請願
          (委員長報告)
 第六一 青森県十和田、岩木川地区
  を国土総合開発法に基き特定地域
  に指定するの請願
          (委員長報告)
 第六二 岩手総合開発事業促進に関
  する請願    (委員長報告)
 第六三 神奈川県辻堂所在駐留軍演
  習地内に観光道路新設等の請願
          (委員長報告)
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議長(松野鶴平君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
#3
○議長(松野鶴平君) これより本日の会議を開きます。
 この際、新たに議席に着かれました議員を御紹介いたします。
 議席第百五十九番、地方選出議員、鹿児島県選出、田中重穂君。
  〔田中重穂君起立、拍手〕
     ―――――・―――――
#4
○議長(松野鶴平君) 議長は、本院規則第三十条により、田中重穂君を法務委員に指名いたします。
     ―――――・―――――
#5
○議長(松野鶴平君) 日程第一、国会法第三十九条但書の規定による議決に関する件(在外財産問題審議会委員)を議題といたします。
 内閣総理大臣から、本院議員小西英雄君、平島敏夫君を在外財産問題審議会委員に任命することについて本院の議決を求めて参りました。両君が同委員につくことに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#6
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本件は、全会一致をもって両君が在外財産問題審議会委員につくことができると議決されました。
     ―――――・―――――
#7
○議長(松野鶴平君) 日程第二、国会法第三十九条但書の規定による議決に関する件(結核予防審議会委員)を議題といたします。
 内閣総理大臣から、本院議員勝俣稔君を結核予防審議会委員に任命することについて本院の議決を求めて参りました。同君が同委員につくことに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#8
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本件は、全会一致をもって同君が結核予防審議会委員につくことができると議決されました。
     ―――――・―――――
#9
○議長(松野鶴平君) 日程第三、国会法第三十九条但書の規定による議決に関する件(売春対策審議会委員)を議題といたします。
 内閣総理大臣から、本院議員一松定吉君、藤原道子君を売春対策審議会委員に任命することについて本院の議決を求めて参りました。両君が同委員につくことに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#10
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本件は、全会一致をもって両君が売春対策審議会委員につくことができると議決されました。
     ―――――・―――――
#11
○議長(松野鶴平君) 日程第四、商品取引所審議会会長及び同審議会委員の任命に関する件を議題といたします。
 内閣総理大臣から、商品取引所法第百三十九条第四項の規定により、向井鹿松君を商品取引所審議会会長に、石黒武重君、柿沼谷蔵君、島剛君、藤田国之助君を同審議会委員に任命したことについて本院の承認を得たい旨の申し出がございました。
 本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#12
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本件は、全会一致をもって承認することに決しました。
     ―――――・―――――
#13
○議長(松野鶴平君) 日程第五、日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との共同宣言の批准について承認を求めるの件
 日程第六、貿易の発展及び最恵国待遇の相互許与に関する日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の議定書の批准について承認を求めるの件
 日程第七、北西太平洋の公海における漁業に関する日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の条約の締結について承認を求めるの件
 日程第八、海上において遭難した人の救助のための協力に関する日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の協定の締結について承認を求めるの件(いずれも衆議院送付)
 以上、四件を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。外務委員長小滝彬君。
  〔小滝彬君登壇、拍手〕
#15
○小滝彬君 ただいま議題となりました共同宣言ほか三件について、外務委員会における審議の経過並びに結果を一括して御報告申し上げます。
 これら四つの文書締結の経緯並びにその内容につきましては、さきに本会議において外務大臣の報告、また、すでに配付済みの関係書類によって御承知願うことといたしまして、直ちに委員会の審議の経過を御報告いたします。
 これら四案件は、十一月二十七日衆議院より送付されましたので、委員会は十一月二十八日以来、昨十二月四日までの七日間、日曜も含めて連日にわたり開会し、この間、総理、外務、農林、通産、厚生等の関係大臣及び松本全権の出席を求め、農林水産委員会との連合審査もあわせ行い、慎重審議を行なった次第であります。
 以下、質疑応答の主要なるものを申し上げますと、共同宣言に関するものとして、まず最も質疑の焦点となったものは、領土に関する問題でありました。第一は、領土の継続審議に関する点であります。「共同宣言第九項には、領土に関する交渉の継続を明記していないため、来たるべき平和条約交渉において、果して領土が議題となるかどうかあいまいである。従って歯舞、色丹を除き、領土は将来にわたって放棄されてしまったのではないかとの疑惑を抱くのは当然ある」との趣旨の質問に対して、政府は、「領土に関する交渉経過として、最初の方針としては、平和条約による国交回復を目途としたが、領土問題で双方の意見の一致を見ないために、従来の平和条約方式では、早急には国交回復をはかることが不可能であることが判明したのにかんがみ、今度の暫定方式により、領土の問題に関する交渉は今後に残し、来たるべき平和条約締結のとき、これが取りきめを行うことといたした次第である。しかして平和条約に盛られる最も重要な条項は、領土条項であるし、かつ領土以外に未決のものはほとんどないので、平和条約交渉において領土が取り上げられることは当然である。」また、「宣言と同時に発表された松本・グロムイコ交換公文にもこの了解があるので、歯舞、色丹以外の領土問題全部が継続交渉になることは間違いない」との答弁でありました。この領土の継続審議の問題については、いろいろの角度から、多数委員が熱心な質問を展開せられ、国民の抱く疑問の解明を求められたのでありますが、政府側の解明ぶりについては、本報告で概括的なことを申し上げましては、あるいは正鵠を期し得ないかもしれませんので、委細は会議録によって御判断を願います。
 次に、国連加盟については、「宣言中に、何ゆえに無条件加入とか、抱き合せをしないとかの字句を書けなかったのか」との質問に対しましては、「今度の交渉は、すべて善意と協調の雰囲気のもとに行われ、相互に十分な理解があったので心配はない。鳩山総理もブルガーニン首相に念を押して、先方も誠意を示しているのであるから、大丈夫である」という答弁でございました。また、国連加盟問題に関連して、加盟後のわが国の心がまえとして、「加盟の上は積極的に自主独立の立場をとって活動すべきである。たとえばAAグループと共同行為をとり、今後の外交指針とする等、十分の心がまえが必要である」などの意見が述べられたこともつけ加えておきます。
 次に、抑留者送還の問題については、「宣言第五項に、有罪の判決を受けたすべての日本人を送還するとあるのは、いわゆる戦犯者のみでなく、抑留漁夫等も含めておるのか」との質問に対し、「共同宣言においては、戦争の結果有罪の判決を受けた日本人を対象としたものであるが、今次の河野・フルシチョフ会談の結果、抑留漁夫全部をすっかり帰してもらうように了解ができておる」という答弁でありました。また、「同項の、日本国の要請により調査するという書き方は、わが方提出の個々の生存者名簿に基いて調査するというやり方と見られ、わが国民の要望にこたえて、生存者がないかをソ連がみずから調べてくれることになっていないのは遺憾である」という意見が述べられ、また、「巣鴨等に抑留されておる戦犯の釈放については、国連加盟の機会に、全面的に釈放されるように希望する」との希望も述べられたのであります。また、「宣言第六項は、私有財産の相互放棄と認められるが、これは不当ではないか」との質問に関連し、「これに対しては国内的な補償の措置を十分講ずべきである」との要望も開陳せられ、満州、樺太等でわが国民及び法人が失った財産の評価並びにこれが救済等についても、いろいろ質疑があったのでございます。
 なお、「共同宣言交渉の過程において、原爆実験禁止に関する事項がソ連草案にあったのを、わが方が希望して削ったというが、その理由は何か。むしろこの機会をとらえてソ連の実験を規制する効果を上げるべきではなかったか」との意見も述べられた次第であります。
 次に、通商議定書に関するものとしては、「議定書によれば、相互に最恵国待遇を与える規定があるが、ソ連は国家貿易の国であって、関税制度などはないであろうし、また、共産圏との特殊関係等、ソ連の通商政策の実態が不明である実情から見て、むしろ国交回復後、先方の実情が把握されてから、必要に応じて本件のごとき関税等に関する最恵国待遇の取りきめを結んだ方がよくはなかったか」というような質問もございました。これに対しましては、「これは原則として通商の無差別を定めたもので、手続等に関する最小限度のものを取り上げたにすぎない」との答弁であり、また、「ソ連と通商開始となれば、ココムが問題となろうが、これが取扱いはどうなるか」との質問に対しましては、「ココムは中共に対しては厳格だが、ソ連に対してはきわめてゆるやかで、制限がほとんどないと同じなので問題はないのであるが、念のためにソ連、カナダ間に同趣旨の規定があるので、第二項、すなわち両国いずれかの重大な安全上の利益保護を目的とする禁止または制限を行う権利を害しない趣旨の規定を設け、ココムとの関係で問題を生ずることのないように措置した」との答弁でありました。なお、対ソ通商問題に関連して、「ソ連のシベリア開発計画とわが国の経済自立五カ年計画とは関連しているか」との質問もありました。
 さらに、漁業条約に関するものとしては、「条約では領海に触れずとしておりながら、四十海里の保護区域を認めたことは、事実上領海の問題に触れるのではないか、また、わが方の一方的譲歩ではないか、今日、わが国は、豪州の大陸棚や李承晩ラインで苦しんでいるときに、ソ連の領海主張たる十二海里をさらに広げるようなことになったのはマイナスではないか」というような質問に対しましては、「保護区域は、魚族保護のために双方に必要なものであって、一方的なものではない。また、その対象は鮭鱒のみで、全魚種についてではない」との答弁でありました。
 また、「歯舞、色丹等周辺の近海漁業について話し合ったか」との質問に対しましては、「近海漁業の問題は、公海のそれと違い、領土の問題等にも関連するので、国交回復前には解決困難な事情にあったが、今後話し合いの余地はあると思う」というように答えております。
 また、近海操業の漁船が拿捕される場合、これが引き渡しについて、「拿捕を相手方に通報し、その官憲に引き渡す措置を別途打ち合せた」との政府側の答弁に対しまして、「拿捕のケースは領海侵犯を理由として拿捕された場合が多かったように思うが、これが引き渡しは別個のものではないか」というような、さらに反間があり、これに対しましては、「悪意の領海侵犯であれば拿捕されるのもやむを得ないと思うが、従来も多かったところの、領海内で濃霧等によって遭難したような場合は、海難救助協定により、共同で救助機関によって救助されるので、拿捕事件も今までよりは滅するであろう」との答弁であったのであります。その他、李承晩ラインにおける漁業紛争について、また、韓国抑留者の早期返還の促進等についても熱心に質疑がかわされました。
 最後に、日ソ国交回復の新しい局面に関連して、今後、わが国が当面すべき重要問題について次のような質疑があったのであります。
 第一は、「いかにして日ソ間の親善友好の関係を樹立するか」との問題でありますが、これに対し、政府は、「国と国との関係を緊密にするとともに、国民相互の感情緩和に努める」と答えております。第二は、「ソ連と国交回復後の国内治安対策に遺憾はないか」との質問に対し、総理大臣は、「ソ連と国交を回復しても直ちに共産活動が激しくなるとは思わないが、治安機構を整備し、常に情勢を監視することは適当の措置である」との趣旨の答弁をいたしておるのであります。第三に、通商航海等に関連し、「ソ連人の入国に対するわが方の従来の態度を緩和する必要はないか」との質問に対しましては、「これらのことは、通商条約が締結されたときに、はっきりきめたい」との答弁でありました。第四に、「日ソ国交が回復すれば、引き続いて中共との国交調整を当然考えなければならない。特に中共政府の国連加入が実現すれば、中共との国交回復の段階に進むべきではないか、政府の見解を問う」というような質問があり、これに対しましては、「中共問題は世界の問題であるから、日本だけではとうてい解決し得ない。しかし大勢を動かす努力は現在も続けておる。政治的には、中共との復交はまだ時期ではないので、法規の許すかぎり、通商等の面で積み立て方式をとっておる」という答弁であり、また、中共との国交回復についての法的解釈についても、いろいろ質疑応答がかわされたのであります。
 また、中ソ同盟条約については、「この条約に日本を敵国として明記しておることは不当であり、これは廃止を求めてしかるべきである。政府は、今次交渉中、この問題を突きとめて、同条約の改廃を主張したかどうか」という質問もございました。これに対し政府は、「交渉中にこの点は当方も指摘したところ、先方は、この条項は日本に向けた意味ではないとの説明であったし、元来、交渉の原則は、双方の置かれた国際的立場を変更しないことを前提としておったという関係もあり、国交回復を第一目的とする建前から、これにはこだわらないことにした」旨の答弁がございました。
 以上、審議の経過の概略を申し上げましたが、まだ、その他諸般の質疑応答がございましたので、それらの詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 委員会は、十二月四日質疑を打ち切り、暫時休憩の後、討論に入りましたところ、小林委員は、自民党を代表して四件に賛成した後、自民党、緑風会の共同提案として、宣言に対する付帯決議を付することを提案し、その付帯決議案を左の通り読み上げたのであります。
   付帯決議
  日ソ共同宣言外三件の批准についての承認を与えるに当り次の通り決議する
 一、日ソ共同宣言第九項に規定する平和条約締結に関する継続交渉には国後、択捉を含む領土問題に関する交渉が当然含まれるものと了解する。
 二、政府は日ソ共同宣言第九項に規定する継続交渉において、国後、択捉を含む領土問題についての国民的要望を達成するため最善の努力を尽すべきことを要望する
 右決議する
というものであります。
 次に、曽祢委員は、社会党を代表して、四件に賛成せられました後、付帯決議に反対の理由として、「第一には、衆議院の段階において、政府、与党は付帯決議を行わないことについての社会党との約束があった。その約束に反するものである。第二には、決議案の内容についてであるが、社会党の領土に関する主張は、歯舞、色丹の即時返還、また、いわゆるわが国固有領土である国後、択捉の平和条約に際する返還、さらに千島、南樺太についても、サンフランシスコ条約にかかわらず、日ソ平和条約の際にわが国の領土権を主張すべきであるという点にあるのである。しかるに、小林委員長提出の決議案を見ると、その第一項は、領土の継続審議について鳩山総理の答弁では、ソ連との間に、国後、択捉を含む領土の継続審議については、はっきりと了解ができておるということである。にもかかわらず、依然その点に疑いがあるかの印象を強めるような国会の意思決定をなすことになるので、それは政府の失策をカバーするだけでなく、対外的効果において、かえって日本の主張に暗影を深めることになるおそれがあり、有害無益であるから賛成できない」、こういう趣旨を述べられたのであります。最後に、梶原委員は、緑風会を代表して、四件並びに付帯決議に賛成の意見を述べられました。
 以上をもって討論を終了し、採決を行いましたところ、四件とも全会一致をもって承認すべきものと決定いたしたのであります。次に、小林委員提案の付帯決議を委員会の決議とすることにつき採決を行いましたところ、これは多数をもって可決せられました。次に、つけ加えて御報告いたします。当院農林水産委員長より、外務委員長あて十二月四日付文書をもって、農林水産委員会においては、北西太平洋日ソ漁業委員会に関する決議を行なったのであるが、外務委員会においても、これが実現方につき協力ありたき旨申し入れがあったのであります。次にその決議文を朗読いたします。
   北西太平洋日ソ漁業委員会に関する決議
  今般の日ソ漁業条約が効力発生の上は、次の事項について、政府は遺憾なく措置すべきである。
 一、北西太平洋日ソ漁業委員会日ソ漁業条約においては、北洋漁業の規制に関する重要な具体的措置は北西太平洋日ソ漁業委員会において決定されることになっているが、北洋漁業今後のあり方いかんが、わが国水産業及び関係漁民に及ぼす影響のきわめて重大なるにかんがみ、政府は、北洋漁業発展のため、特に左記事項につき格段の努力を払うべきである。
  (一)西太平洋日ソ漁業委員会を早急に開催すること。
  (二)鮭鱒の年間総漁獲量等の決定及び付属書の修正等、委員会の任務の執行に当っては慎重かつ周到なる用意をもって、わが国北洋漁業進展に必要なる事項の実現に対して万全を期すること。
 二、その他
  国交回復後において、「領海」に関する紛糾の排除及びソ連側に日本の陸上漁業基地の設定等について、すみやかにソ連と交渉し、適切な措置を講ずること。
 右決議する。
  昭和三十一年十二月四日
      参議院農林水産委員会
 以上をもって私の報告を終ります。(拍手)
#16
○議長(松野鶴平君) 四件に対し討論の通告がございます。順次発言を許します。小林武治君。
  〔小林武治君登壇、拍手〕
#17
○小林武治君 私は、参議院自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となっております日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との共同宣言の批准について承認を求めるの件ほか三件は、いずれも承認を与うべきものであるとの意見を表明せんとするものであります。
 討論に入るに先だちまして、私はまず、鳩山首相を初めとする日ソ交渉の全権団が、たび重なる折衝に非常なる努力を払われ、その交渉の妥結を見るに至りましたことに対して敬意を表し、特に、鳩山首相が不自由な体を押してみずからモスクワにおもむかれ、ソ連の首脳者と直接に折衝せられて、日ソの国交を正常化することによって、世界の平和に寄与するという宿願を達成された、その熱意と御辛労に対しまして、われわれは国民とともに感謝の意を表するものであります。
 わが国は、昭和二十七年四月、サンフランシスコ条約の発効によりまして、戦後の被占領状態を脱却し、独立国として国際社会の中に新しい一歩を踏み出したのでありました。その後数年、わが国経済の伸張、国力の充実に伴いまして、国際社会におけるわが国の権威と実力も無視することができないものとなったのでありまするが、それにもかかわらず、国際社会の公式な話し合いの場である国際連合への加入がいまだに認められず、世界平和に貢献し得る基盤を欠いておったのであります。
 顧みますれば、戦後十一年、世界の情勢は大きく変転して参りました。東西両陣営の対立、冷たい戦争が、局地的には、たとえば朝鮮戦争におけるがごとく熱い戦争となり、時には第三次大戦の勃発を予想させる場面も幾たびかあったのでありまするが、両陣営の為政者、いな、世界各国民の良識は、幸いにしまして、人類を滅亡のせとぎわから救い出し、若干の局地的小ぜり合いの中に、国際間の緊張は、ようやく緩和の方向に転じておるのであります。
 しかしながら、不幸にして、なお中東における今日の情勢は、この趨勢に背馳する方向をとっておりまするが、米、ソ、英、仏為政者は、中東の緊張が第三次世界大戦の発火点となることを防止するだけの良識を持ち合せておることをわれわれは信じて疑いません。この緊張も、結局は局地的な小ぜり合いに終り、東西両陣営間の緊張緩和という国際間の基本的動向は、多少の紆余曲折があったといたしましても、やはり動かすことのできない一つの大勢であると信ずるのであります。また、われわれもそうでなければならないと考えるのであります。
 こうした情勢の中にありまして、日本とソ連との間に、戦争状態が戦後十一年間依然として継続しておるということは、いかにも不自然なことであり、ここに世界平和にとっての一つのしこりが残されておるのであります。このしこりを解きほぐすことは、国際間の緊張の緩和を助けるものであり、世界平和への重大なる寄与であることは申すまでもありません。これこそは、日ソ国交回復の歴史的な意義であり、日ソ共同宣言にわれわれが賛意を表する第一の理由となるのであります。
 また、日ソの国交回復によりまして、わが国は、久しく待望しておりました国連への加入が可能となって参ったのであります。交渉に当られた全権各位の説明によりますると、ソ連の首脳部は、日本の国連加入を支持する態度をとることを確約したということでありまするが、われわれはこの確約を心から信頼いたしたいと思うのであります。日本の国連加入を支持させることが日ソ交渉の大きな目標の一つであったことは言うまでもありません。幸いにして、この目標は、わが方の希望通りに達成せられました。残るところは、本年中に現実に国連への加入が実現されるということだけであります。国連に加入いたしますれば、国際社会における日本の地位は全く一変すると申しても差しつかえないのであります。国連に加わらないで行う外交と、加盟した後の外交は、いわば次元を異にするのであります。一国あるいは数国を個別的に相手として行う外交と、国連という共通の広場を舞台とする外交と、両者の間には雲泥の相違があるのであります。日本が国連の舞台に自由に出入し、一票を行使することは、第一に日本の国際的地位を格段に高めることは言うまでもありません。また、日本が国連に加入することによって、経済上、文化上、国際社会のために果す役割もまことに人なるものであることを忘れてはなりません。
 最近、中東及びハンガリーにおける緊迫した状態が発生するに及びまして、平和維持の機関としての国連の権威は一時失われたかに見えたのでありますが、やがて、国連は適切な介入を行い、その効果はようやく明らかとなり、国連の真価についての世界各国民の認識を新たにしつつある状況であります。国連を尊重し、すべての国際紛争を国連のワク内において解決することこそが、世界の平和を維持する最も効果的な、また唯一の方法であることは言を待たないところであります。われわれが日ソ共同宣言の利点の一つとしてこの宣言に賛意を表する第二の理由は、この国連加入の実現にあるのであります。
 次に、この共同覚書の結果として、十年余の間、不当にも抑留されていた同胞が、今やわれわれのもとに帰ってこようとしておるのであります。日ソ友好条約に反してわが国に宣戦を布告したソ連は、数日間の参戦によって数十万の同胞を捕虜とし、その後数年にわたってこれを酷使いたしたばかりでなく、千余名の者に対しましては、十分な裁判手続を経ずして、一方的な判決によって、長きは二十五年に及ぶ長期刑を課し、これらの同胞は、酷寒の僻地に名状しがたい苦難をなめてきたのであります。このような不当な抑留は、ポツダム宣言に違反するものであり、きわめて非人道的なやり方であるのであります。われわれは、ソ連のこのやり方を決して忘れるものではありません。
 政府は、昨年六月のロンドン交渉以来、抑留者の送還は、人道上の問題でありまして、国交回復の交渉とは別個のものであるという立場をとり、われわれもまたこの立場を強く支持して参ったのであります。しかも、これは世界各国に共通した、いわば国際世論でもあったのであります。しかるに、ソ連は、こうした人道上の非難を無視し、抑留者を日ソ交渉に有利に展開するための人質として利用いたしたのではないかと思われるのでございます。われわれは、このソ連政府の態度を深く遺憾とするものであります。ただ、いかにわれわれが人道上の非難を繰り返してみたところで、現実に彼の手中にある抑留者は帰って参りません。われわれとしては、これらの同胞を異郷の果てに朽ち果てさせるわけには参りません。残された親兄弟は、もとよりこれら不幸な人々が再びわれわれのふところに帰ってくることを一日千秋の思いで待ちわびておるのであります。
 われわれは、政府が抑留者送還問題を国交回復と切り離すことに払った努力を多とすると共に、ついに彼の主張をいれざるを得なかった点を深く残念に思うものであります。ともかく今日、これにより十年余風雪の中に限りない苦難をなめてきた千余名の抑留者が年内にわれわれのもとに帰って参るのであります。われわれが日ソ共同宣言に賛成する理由の第三はここにあるのでございます。しこうして、この場合さらにわれわれが強調いたしたいことは、消息不明の日本人についての調査が至急行われ、生存者の帰還を実現するよう最善の努力を払うことを政府に強く要望するものであります。
 次に、私は、日ソ交渉の最大の眼目でありました領土問題に触れたいと存じます。周知の通り、日ソ交渉の過程を通じまして、領土の問題は、国後、択捉等南千島の帰属にしぼられて参ったのであります。われわれもまた、この両島の運命に最大の関心を抱かざるを得ないのであります。御承知の通り、第二次世界大戦の末期に、英、米、華三国の首脳者がカイロにおいて会談し、戦後処理の方針として発表したいわゆるカイロ宣言の中には、三国は領土拡張の念を有しない旨がうたわれております。この領土不拡大の原則は、ソ連も参加したポツダム宣言の中で、「カイロ宣言の条項は履行せらるべく」という形で確認されており、日本が米、英、ソ、華の四国に対する降伏文書に署名いたしましたのも、このポツダム宣言の条項、すなわち領土不拡大の原則が適用せられることを条件としてであったのであります。すなわちわが国は、歴史的に見て、日本固有の領土はわれわれの手に残されることを条件として降伏文書に署名したのであります。国後、択捉の両島がまさにそうした日本固有の領土であることは、古くからの歴史的事実に徴しましてもきわめて明瞭であり、われわれはカイロ、ポツダム両宣言の領土不拡大原則を基礎として、国後、択捉の返還をあくまで主張するものであります。なお、その他の領土については、国際間の取りきめによって措置すべきものであると信じます。
 今回の共同宣言には、歯舞、色丹を平和条約締結の後に引き渡すという規定があるだけで、国後、択捉を含むその他の領土の処理方法については何らの規定がありません。政府は、平和条約による国交回復の道を選びましたのは、領土問題は全部あと回しである、平和条約交渉の際には、当然に国後、択捉その他の領土が問題として取り上げられるのであるという解釈をいたしておるのでありますが、われわれは自由民主党の党議の線が明瞭に出されておらず、また国民の間には、この点に相当の不安が残されておるということを認めなければなりません。
 この点にかんがみまして、外務委員会は、ただいま外務委員長の報告にありました通り付帯決議を決議いたしたのであります。われわれはこの付帯決議に対しまして、趣旨が全面的に政府によって貫かれることを期待いたすものであります。すなわちこれによりまして、ソ連政府をして、領土に関するわが国民の熾烈なる要望を再認識せしむべきであります。
 以上、端的に申しまして、この宣言は、決して私どもは日本の成功とは思わないのでありまするし、鳩山総理としてもおそらく同感であろうと思うのであります。これは全く今日の国際環境上、やむなくこの結果を来たしたものと思うのであります。いわば日本の国力の限界を遺憾ながら示したものと考えなければなりません。従いまして、今日の結果につきましては、われわれは決して満足するものでないことをここにあらためて政府に申し上げるとともに、われわれ国民としても、深く思いをここにいたし、古い言葉を引用するまでもなく、国民は一致して、まずもって国力の回復をほからねばならぬと信ずるものであります。
 これを要するに、共同宣言につきましては、私は全体を通じまして、内外の情勢に照らし、また大局的見地よりいたしまして、われわれはここに深い感懐をこめて、この批准に承認を与うべきものであると認めるものであります。
 共同宣言以外の三件につきましては、いずれも日ソ国交回復に伴い、調整ないし措置を要する事項についての取りきめでありまして、共同宣言同様、その批准に承認を与うべきものであると認めます。
 以上をもちまして私の賛成討論を終ります。(拍手)
    ―――――――――――――
#18
○議長(松野鶴平君) 佐多忠隆君。
  〔佐多忠隆君登壇、拍手〕
#19
○佐多忠隆君 ここに上程されました日ソ共同宣言等四件について、私は日本社会党を代表して賛成の意を表します。
 第一に、日ソ間の戦争状態が終結をし、両国の平和を通じて国際緊張の緩和に寄与するからであります。今日まで、日ソ間は国際法上はいまだ戦争状態に置かれ、両国政府は、お互いに相手国の軍国主義と侵略の危険を憂える状態でありました。が、この日ソ共同宣言によって、日ソ間の戦争状態は終了し、両国の間に平和と友好親善関係が回復され、外交関係が成立することになりました。そして国際紛争は、武力を用うることなく、平和的手段によって解決することを約束しております。従って両国は、相手の国内事項に干渉することなく、平和的に共存をし、それによって国際緊張を大いに緩和することとなります。平和的共存、国際緊張の緩和の必要が強く叫ばれながら、ややもすればそれに逆行する事態が起りがちな昨今、この順調な方向が推し進められましたことの歴史的な意義は、特に大きいと言わなければなりません。(拍手)
 第二に、いまだソ連に抑留されているわが同胞のすべてが、この共同宣言の効力発生とともに釈放され、木国へ送還をされることとなるからであります。一千名をこえる抑留者たちが、十年以上にわたって、異郷に刑罰を受けつつ呻吟している状態を、これ以上続けさせることは何としても忍べません。彼らにいま一度冬を越させることなく、彼らを年内に釈放し、送還しなければならないことは喫緊の要務であります。この必要を要請した鳩山首相の手紙に対して、ブルガーニン首相が直ちに返書をよこし、すべての抑留者の年内送還のため必要な準備手続をとっている旨を伝えてきたことは同慶にたえません。両国最高首脳者の間に、かかる了解が成立した以上、政府は直ちに、ソ連において必要な準備手続が具体的にいかに進捗しておるかを詳細に問い合せ、話し合いをし、それをさらに進捗せしめると同時に、わが方においても、それに対応する準備手続を十分に整えなければならないはずであります。しかるに政府との質疑応答を通じて、それが十分に整えられていないことが明らかになったことはまことに遺憾であります。私は政府がすみやかに万全の措置を講ずべきことを強く要求いたします。
 第三に、わが国の多年にわたる宿願である国連への加盟が実現し、わが国の国際的地位を高める契機が与えられるからであります。国際紛争を平和的に解決するための話し合いの場所として国連が存在をし、その国連がその機能をますます有効に発揮し、その重要性を大いに高めつつある昨今、日本がこれに早急に加盟しなければならぬことは論を待ちません。世界は一つという考え方、国連の世界性から言えば、各独立国はその政治体制のいかんを問わず、少くとも平和愛好国であるならば、すべて無条件に加盟を許さるべきであります。それなのに、日本はこれまで両陣営の抗争にはさまれ、これに災いされて加盟ができませんでした。特に日ソの国交未回復がその障害となっておりました。が、この共同宣言によって国交が回復をし、日本の国連への加盟を支持することが約束されたのでありますから、近く加盟が実現することにはもはや問題はありません。問題は、いつどんな手順によってそれが円滑になされるかであります。そのすみやかな円滑な解決は、世界各国の、特にアジア諸国の積極的な支持を必要といたします。わが日本社会党は、十一月初めにインドのボンベイで開かれたアジア社会党会議にこの問題を提議をいたしまして、「会議は日本の国連加盟が他の国の同時加盟と関連せしめられることなく、また憲章の受諾以外のいかなる条件とも関連せしめられることなく、直ちに承認されることを勧告する」という決議を参加諸国の全会一致のもとに採択せしめたのであります。これに応じて、ビルマ、インドネシア、パキスタン、ラオス等の国々の代表が、十一月末の国連総会で、日本の国連加盟に対する支持の態度を表明をいたしております。(拍手)政府は、現在の国連内の空気、国連における各国の動向を詳細に、しかも正確に探知しつつ、加盟に必要な準備と手続を進めていなければなりません。現在の状況で、宣言の批准後直ちに日本加盟を討議する情勢であるかどうか、国連加盟の提案国の交渉や一国連の議事日程に載せる打ち合せを、どの程度に進めておるのか等に対して、外務委員会において追及をいたしましたが、政府は明確な、具体的な答弁ができず、その怠慢を暴露いたしました。まことに遺憾であります。私は、政府が国連に対する遅滞なき準備を急ぐべきことをあらためて切望してやみません。
 第四に、ここに提案されております北西太平洋の公海における漁業条約と海難救助協定の発効によって、北洋における漁業の安全性と合理性が確保されることとなるからであります。この条約に基いて、この海域における魚類その他の水産動物の資源の状態を科学的に調査し、その保存と増大をはかり、その資源を有効に利用し、ここの漁業の最大の持続的生産を維持することが緊急に必要であります。これによって初めて合理的基礎に基く漁業の発展が期せられます。そして、これによる限り、ここの漁業の操業の安全性は確保されます。また、この協定によって、この水域において海難にあった乗組員は、すみやかに効果的に救助されるために両国が協力することとなりますから、操業の安全性はますます大きくなります。しかしこの条約と協定にも、いまだかなりな欠陥があることが、委員会の質疑を通じて発見をされました。従ってその運用には万全の措置を講ずべきことを切に望みます。
 第五に、この共同宣言と貿易の議定書は、日ソの貿易の発展に資するところが大きいからであります。共同宣言は、両国の貿易、海運その他の通商の関係を安定し、友好的にするために、条約や協定を締結する交渉をできるだけすみやかに開くことを約束をいたしております。さらに議定書は、条約か協定が結ばれる以前にも、両国は貿易の発展に努力をし、相互に最恵国待遇を与えることを定めております。日ソ両国の国父が回復された以上、両国の友好親善関係をさらに促進をしなければならぬことは論を待ちません。それには、両国の貿易を発展をさせることがそのかなめであることも自明の理であります。この点についてソ連側は、先の日ソ交渉の際に、すでに非常な熱意を示しております。そしてシェピーロフ外相は、国交回復後の五年目には十億ルーブル、約二億五千万ドルの取引ができる貿易計画を提示してきました。しかるに、わが方はこれに対して何らの熱意も示さず、ほとんどこれを無視し、あまつさえこれが何らかの陰謀を含むものであるかのごとき誹謗さえ放たれたと伝えられます。ここに至っては、政府の無知愚昧のほどには、はかり知れざるものを感じます。日ソの貿易もこれを積極的に推進をするならば、相当に望み多いものとなるでありましょう。ことに、今後大規模に行われるはずのシベリアの開発計画を考慮に入れるならば、望みはさらに大きくなりましょう。ソ連は、シベリアの建設に当って日本から資材が供給されることを希望しております。ソ連に対して、船舶はもちろん、それ以外に港湾の設備、車両、発電資材、建設資材の輸出が相当大量に望まれる見込みであります。一部日用品の需要すら考えられます。これに対して、ソ連からの輸入品としては、木材や石炭のほかに、鉄鉱原料、マンガン、クローム鉱、燐鉱石から綿花や穀物に至るまでの物が見込まれます。そして日ソ貿易会の作った貿易計画案によりますと、国交回復後の五年目には、貿易額が片道一億六千万ドル程度に達すると計算をされております。シェピーロフ外相の十億ルーブル取引案も夢ではありません。この案をいたずらに陰謀呼ばわりせずに、政府自身が、まじめに取り上げて検討をしなければなりません。まず何よりも、両国の間にすみやかに暫定的な貿易協定と貿易計画が取りきめられることが必要でありましょう。その貿易計画の中には、なるべく多くの取引品目が組み入れらるべきであります。同時に、適正な貿易方式や支払い方法が政府間で取りきめられることを必要といたします。また、両国間で商談をすみやかに具体的に進めるために、両国の貿易代表団を取りかわすこと、特にソ連から貿易代表を呼ぶことが適当と思われます。それまでに指紋の問題を解決しておかなければならぬことももちろんであります。両国貿易の発展のために、以上述べましたことを、政府が直ちに積極的に実行することを、この際特に切望をいたします。
 第六は、領土の問題についてであります。日ソの国交回復は、本来ならば、領土問題を最終的に解決をして平和条約方式でなすべきことはもちろんであります。しかし交渉の過程において、政府の数々の不手ぎわも加わって、それが不可能になったことはまことに遺憾であります。しかし現在の状態において、日本側の主張をそのまま領土条項の内容として平和条約を結ぶことは不可能なことが明白になり、それにもかかわらず、日本側の主張を固執するならば、決裂以外にないといたしますならば、次善の策として、領土条項は懸案のまま暫定協定方式によらざるを得ません。それは決裂によって両国の戦争状態が終了をせず、抑留者は帰れず、国連加盟は実現せず、北洋漁業は不安にさらされ、国交未回復の状態が続くことは、もはや許されないからであります。(拍手)また、領土条項がソ連の主張の通りに確定をするくらいならば、むしろこれを懸案として他日に譲る方がましであるからであります。以上の事態は、幸か不幸か、わが社会党がすでに早くから正確に見通した通りであります。また、最後の段階においては、社会党がみずから強力に推進をいたしたコースであります。この見通しを正確につけることができず、従って、それに基く的確な準備も何らなく、この大事な日ソ交渉が、ひたすら党内派閥抗争に利用され、政府と自民党は不手ぎわの限りを尽しました。これがわが国の外交史上ぬぐうべからざる汚点を残したことは遺憾しごくであります。政府と自民党の責任を断固として糾弾をいたします。(拍手)鳩山・ブルガーニン交換公文と、松本・グロムイコ交換書簡に明記されております「領土を含む」という文句が、歯舞、色丹島の引き渡しをきめる交渉過程で削られた不手ぎわは、政府の責任として致命的であります。外務委員会における同僚曽祢委員の最終質問に対して、河野全権は、「領土問題を含むという文句は落ちたが、領土問題に関する双方の意見は明らかになっており、また、もともと今回の交渉に入ったのは、鳩山・ブルガーニン交換公文、松本・グロムイコ交換書簡によって、平和条約締結の際は、領土の継続交渉をすることに合意しての上のことである。また、今や日ソ間に残された問題は、領土問題だけであり、平和条約は、当然に領土問題の解決を含むものであるから、実体に変りはない」と答えております。また鳩山首相は、委員会における最終の答弁で、「国後、択捉を含む領土の継続審議については、先方と十分話し合った結果、双方において継続審議を了解をいたしております」と確信をいたしました。
 われわれは、鳩山、河野、松本三全権の、特に、総理の本国会における特になされた確言をそのまま信用いたしまして、それを内外に対する確定解釈として受け取ります。(拍手)従って政府みずから確言をし、これを内外に宣明した以上、自民党と緑風会がつけた付帯決議の第一項、すなわち「宣言の第九項に規定する平和条約締結に関する継続交渉には、国後、択捉を含む領土問題に関する交渉が当然含まれるものと了解する」という文句は蛇足にすぎません。いな、むしろこれをつけることによって、政府の解釈、確言を弱める反作用すら考えられます。(拍手)また、付帯決議は、従来原則として全会一致で、従って他党に対して十分に相談をし、打ち合せ、理解と納得と合意の上でなされて参りました。しかるにこのたびは、わが社会党を無視して、付帯決議をつける不信行為に出たことは何としても許せません。しかもこの付帯決議が、自民党と緑風会の党内事情の考慮からだとさえ伝えられております。とすれば、遺憾きわまりないことであります。かかる付帯決議が無理につけられることは、百害あって一利もありません。参議院の良識にかけて、これがすみやかに撤回をされることを希望いたします。(拍手)
 わが党は、領土条項を含む平和条約の締結が、なるべく早い機会になされることを望みます。そうしてその交渉において、わが党は、サンフランシスコ条約において、保守党とその政府によって、簡単に千島、南樺太等が放棄された不合理を糾弾しながら、その返還を要求いたします。(拍手)そのためには、しかし南の方、小笠原や沖繩が返還をされなければなりません。また、日米安保条約が解消をされ、アメリカ駐留軍が撤退をし、軍事基地が撤去されることを必要といたします。同時に、これに関連して、日ソ友好同盟の対日条項が削らるべきでありましょう。(「中ソ、中ソ」と呼ぶ者あり)……中ソ友好同盟の対日条項が削らるべきでありましょう。これには日本の外交方針が大きく転換をし、国際緊張が強く緩和されることが必要であります。社会党は、世界が逐次ではあるが、確実にそうなることを確信し、その実現のために全力を尽します。(拍手)
 これまで、私は共同宣言等に基く日ソの国交回復に賛成する一つ一つの理由について申し述べて参りましたが、最後に、最も重要な点は、この国交回復がわが国の全面講和、自主独立の確立、国際的地位の向上への転回点となることであります。わが国は、サンフランシスコ条約によって講和を結び、独立を達成したと称しましたが、同時に安保条約や行政協定によって対米隷属の方向が指示をされました。その後の日米関係は、それを弱めるどころか、むしろ強化をいたして参っております。政府が、世界の平和への方向、特にアジア諸国の動向に逆行をし、ひたすら対米追随に努めたからであります。わが国はこの政策を改めて、二大陣営の他の陣営である共産圏諸国とも国交回復をし、友好関係を増進し、これらとも平和的に共存をしなければなりません。これを通じてわが国の独立が完成の道を歩くこととなります。日ソの国交回復は、この転回点とすべきでありましょう。従って、これに引き続き東欧諸国等の復交が急がれなければなりません。これがまた、最近の東欧諸国が切望をしておりますところの民主化と自由の機運を円滑に進める道の一つともなるでありましょう。が、最も重要なことは、日ソに引き続き、日中の国交回復が直ちに積極的に着手されることであります。日中間には、すでに貿易、漁業の民間協定が成立をし、その他、科学、技術、文化の交流が逐次行われ、人的な交流も、政府がいろいろこれを阻害するにかかわらず、逐次盛んになりつつあります。今こそ、政府がみずから国交回復の折衝を引き受けなければならない段階にきております。この年末に渡米をする予定のインドのネール首相は、中・米間の融和のあっせんすら考えておると伝えられております。日本も、政府が直接に国交回復の予備折衝に着手すべきでありましょう。わが日本社会党は、政府の動き離すのを待たずして、周恩来首相の要請にこたえて、来年早々、党代表をかの国に派遣し、それらの話し合いをやることを決定をいたしております。(拍手)政府もこれに続くことを望みます。(拍手)が、それが自民党の政府には、もはやできないというのならば、いさぎよく社会党に政権を譲るべきでしょう。(拍手)わが党は、わが社会党政権は、これを慎重な準備のもとに大胆率直に、そして積極的にやり遂げます。(拍手)
 また、東南アジア諸国と提携をし、その中立外交と歩調を合せることが絶対に必要となって参ります。国連加盟後の日本の外交方針は、武力を持たない中小国のそれとして、武力拡充政策を否定をいたさなければなりません。無定見に大国のしり馬に乗ってそれに依存をし、その威力をかりて実力以上の力を発揮しようとする愚をやむべきでありましょう。国連を中心として、それに重点を置くならば、必ずそうならなければなりません。アメリカですらアイゼンハワー再選後は、ダレスの戦争せとぎわ政策、武力を表面に押し出す政策から、アイクの武力否定政策、国連重点主義、しかも国連におけるAAグループとの提携へ転換をいたしつつあります。われわれは社会党の年来の主張である両陣営のいずれにも属せぬ中立平和外交、自主独立の政策を、今こそ高調せざるを得ません。(拍手)しかもこの自主独立は、アジア・アフリカ諸国との同調、両陣営諸国との平和共存、友好親善関係の増進に努力する限り、決して孤立ではなく、むしろ世界における強力な輝かしい存在をかちとるゆえんであります。(拍手)そして東西両陣営のかけ橋となりつつ、両陣営の対立の緩和に、AAグループ諸国とともに主導的な役割を果すことこそ、日本の歴史的使命であります。(拍手)私は今度の日ソ国交回復が、かかる歴史的転換点になるであろうし、そうしなければならないことを確信をいたします。(拍手)
 この四案件に積極的に賛成をするゆえんであります。(拍手)
    ―――――――――――――
#20
○議長(松野鶴平君) 梶原茂嘉君。
  〔梶原茂嘉君登壇、拍手〕
#21
○梶原茂嘉君 ただいま議題となりました、日ソ共同宣言案ほか三件につきまして、緑風会の多数の意見を代表いたしまして、(「多数とは何だ、会派の代表じゃないか」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)賛成の討論をいたします。(「何のために付帯決議をつけたんだ」「会派の代表だ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多く、議場騒然)
 ただいまの私の発言は取り消しをいたします。
 ただいま議題となりました日ソ共同宣言案ほか三件につきまして、緑風会を代表して賛成の討論をいたします。(拍手)
 日ソ交渉開始のそもそもの初めから、モスクワにおける調印までの経過なり経緯を顧りみますると、納得のいかない点、あるいは遺憾の念を禁じ得ないものも少くないのであります。しかしながら私は、ここで今それを論じようとは思いません。日ソ両国間の戦争状態の終了、国交の再開及び平和の回復ということは、終戦の処理として一つの段階であります。時期あるいはよろしきを得ないとかどうとかの問題はあるといたしましても、今日これを拒否する何らの理由はないのであります。他面、わが国は今回の日ソ国交再開を契機といたしまして、独立国としての正常な地位を国際的に占め得ることになるのであります。これが現在の世界情勢のもとにおいて、わが国にとり、いかに重大な意義を持つものであるかということは、多言を用いないところであります。私は、本件日ソ共同宣言に賛意を表しまする最大の理由をここに見出すものであります。
 わが国の国連加盟の問題は、本来、日ソ国交再開と相関連すべきものではないのであって、今日までその実現を見なかったことは、まことに遺憾なことでありました。しかしこの際、問題解決の見通しを得るに至りましたことは喜びにたえないところであります。
 抑留同胞送還の問題も、事は人道問題でもあって、国交再開の条件となすべき何らの妥当性はないのであります。それはともかくといたしまして、本宣言によって抑留同胞の多年にわたります犠牲と苦難がここに解けて、年内帰還の見通しを持つことができるに至りましたことは、何といたしましても喜びにたえないのであります。しかしながら、この喜びの背後には、永遠に祖国に帰る日を持たない、きわめて多数の同胞とその遺家族の悲しみのあることを、私は忘れ得ないのであります。
 次に、漁業条約に関してでありますが、北西太平洋の漁場は、世界的の水産の宝庫であります。その資源の重要性にかんがみまして、その保存及び発展をはかりますことは、これは日ソ両国にとりまして、その共同の責任と言うべきであります。しこうして、北洋漁業の最大の持続的生産性を維持するためには、わが国の水産におきまする科学的施策の積極的な推進が急務であります。政府においては、その万全の用意がなくてはならぬと考えるのであります。
 日ソ国交再開に伴って、両国間の貿易の増進をはかることはきわめて必要なことであり、また望ましいことであることは言うまでもありません。従って、貿易の発展及び最恵国待遇の相互許与に関しまする今回の議定書も、その必要性はもちろんこれは認めなければなりません。ただ、自由諸国と共通の基盤に立っておりまするわが国と、国家貿易を基礎といたしまするソ連とでは、貿易の性格なり態様はおのずから異なるものがあるのであって、ソ連の貿易事情の実体が、いまだ明確に把握されていない今日、本議定書の運営には十分な用意が望ましいと考えます。
 共同宣言の眼目は、国交の再開と領土問題の処理に存することは言うまでもありません。しこうして領土問題の中心が、平和条約の継続交渉の対象に国後、択捉等のわが領土の問題が含まれているのかいないのかという点にあることも明らかなところであります。従って、また国民の関心も疑念も主としてここにかかっているのであります。鳩山総理の訪ソに当りまして、われわれは率直に申しまして、少からず危惧の念を抱いたのでありますが、訪ソが決定いたしました以上は、歯舞、色丹の即時返還と、国後、択捉等の領土の継続交渉を総理に期待し、その成功を祈念いたした次第であったのであります。結果は、不幸にしてこれに反して、歯舞、色丹の引き渡しは平和条約締結のあとになり、国後、択捉等の領土の問題は、その継続交渉の文字も、今回の共同宣言にはその影を消しているのであります。従って、国民の憂慮するのもまことに無理のないところと思うのであります。この問題に関し、いやしくも疑問が残るようなことがあってはならない、断じてあいまいなところがあってはならないと私は信ずるのであります。「日ソ共同宣言第九項に規定する平和条約締結に関する継続交渉には、国後、択捉を含む領土問題に関する交渉が当然含まれるものと了解する」ということは、共同宣言の批准に対し、これを承認する上におきまして、不可欠の前提要件であります。この点は外務委員会の審議の過程において、特に最終の段階において、社会党の曽祢君の質問に対し、鳩山総理の言明によって明らかになったのであります。しかしながら、事は将来にわたりまして重大な問題でありますがゆえに、政府の所信と相待って、国会の機関であります外務委員会が、その立場において、本件に賛成をする前提であるこの基本的な要件を明らかにすることは、委員会の当然の責務と考えるのであります。(拍手)と同時に、国民の疑問と関心にこたえるゆえんと信ずるのであります。なおまた、わが領土に対します正当な国民の要望は、でき得る限りすみやかにこれを達成されなければならないのであります。単に「国際情勢の変化に待つ」というがごときことでは相ならぬ。そのためには不断の、そうして最善の努力が払われなければならないのであります。このことは、鳩山内閣としても、また他の保守党の内閣にいたしましても、さらに社会党内閣であっても、一貫して変るべきものではないのであります。緑風会がこの委員会において付帯決議の提案を必要とし、提案をいたしました趣旨も、これによるのであります。あの付帯決議の内容といたしまするところは、党派によって意見の異なるべき道理は私はないと信ずるのであります。(拍手)従いまして、われわれ緑風会といたしましては、自民党、社会党相携えて、一致してこの決議を提案したいと念願いたしたのであります。しかしながら、その運びに参らなかったことは私の非常に遺憾とするところであります。
 平和外交という言葉に、だれしも異論はない。しかし平和も、従ってまた平和外交も、正義を基調として初めて成り立つものと思うのであります。国力の相違であるか、あるいは国際情勢によるのか、わが正しい要求が達成せられず、わが領土、特に歯舞、色丹の島々までも、理由なしに占拠せられております状態を認めざるを得なかったこの共同宣言をもってして、果して共同宣言第一項にうたってありまするところの平和回復、また善隣友好ということが、真の平和であり、真実の善隣友好を期待し得るのか、疑念なきを得ないのであります。われわれは日ソ間に真実の平和とほんとうの意味での友好の実現をはからなければならない。そのために国交正常化の道はあるいは遠いかもしれない、かつは非常に困難を伴うものとも思われるのでありますけれども、政府はもちろん、われわれ国民全体の真剣な努力が今後要請せられるものと信じます。
 この共同宣言の発動を機として、わが外交は、ここに新たな時代を画することになるのであります。東西対立の激動するただ中に一歩を進めるのであります。その際に、あくまでわが国の外交は、国際連合を中核として、慎重に、正義を基調といたします平和外交の堅実な伸張をはかり、日本の国際的地位の向上を期すべきものであると私は思量するのであります。
 以上をもって賛成討論を終ります。(拍手)
    ―――――――――――――
#22
○議長(松野鶴平君) 千田正君。
  〔千田正君登壇、拍手〕
#23
○千田正君 私は、このたび議題となりました日ソ関係の四案件に対しまして、賛成の意を表するものであります。
 なぜならば、これは過去十一年の間、終戦と同時にわれわれが長い間望んでおりましたところの平和への道は、ようやくピリオドを打って国際間の孤児から、一人前の日本国として加入できるという一つの窓と、もう一つは、長い間われわれの同胞が抑留されて、しかも帰ることができ得なかったというこの問題が一つ解決することと、もう一つは、漁業という一つの日本の大きな産業が閉鎖されつつあったところから、また一個の窓をあけたという面であります。顧みましてこの四案件を見ましたときに、その間を貫くところの最も重大なる問題は、このソ連に抑留されておったところの抑留者の釈放と、さらに北洋漁業の再開という問題と、さらに国際間に参加するところの、いわゆる国連加入への問題と、この三つに局限されておると言うても、あえて過言ではないのであります。しかしながら、私はこの四案件に賛成すると同時に、私は政府並びに与党の諸君に要請してやまないのは、このたびの問題がこれによって十分解決されたということは、私は断言でき得ないと思うのであります。これからが問題である。たとえば引揚げ問題につきましても、現在戦犯者として抑留されておるところの千数十名の人たちが帰れば、それで終りではありません。終戦と同時に数万の人たちが、あのシベリアの荒野において、あるいは命を失い、あるいは行方不明になっておる人たちがたくさんある。その問題はいまだに解決されておりません。しかも死亡されたその人たちの氏名さえも十分ではない。こういう問題は、この外交問題の進捗につれて、当然明らかにされなければならないにもかかわらず、この問題はいまだに調査という名前のもとに残されておる。この問題の解決は、将来において大きな、われわれ日本国民の道義の立場からも、世界の道義の立場からも主張しなければならない重大な問題であります。
 次に、漁業問題につきましては、公海の自由の原則は、申すまでもなく国際法の建前から言いましても当然でありまするが、このたびは魚族資源の保護という美名のもとに、われわれは公海の中にさらに制限区域を設けられたという点であります。この点につきましては、河野全権からも答えがありましたように、暫定措置である。暫定措置であるが、いずれ将来においてこの問題の解決が、日本の主張するような方向に向うであろうというようなことを言っておりますが、これまた日本の国民としましては、終戦後におけるところの公海の漁業の自由の原則は次へ次へと押えられてきておる。私が申し上げるまでもなく、李承晩ラインしかり、日米カナダ条約におけるところのラインしかり、あるいは原子爆弾の実験によって抑制されるところの公海の自由の原則の制限、あらゆる点において日本民族の海への窓が閉ざされておるという今日、この問題について、さらにわれわれは一つのなわ張りを与えられたという点について、私は決して満足するものではありません。この問題の解決を、私は将来におけるところの大きな一つの日本の外交の重大な、重点として考えてもらわなければならぬのであります。
 第三の国連加入の問題、これは長い間われわれは主張してきておった。しかも世界平和の原則を貫くためには、かつてのウィルソンが主張したような国際連盟ではなく、新たなる国際連合の立場において、全世界の平和を求めようとする気持が、日本人、もちろんわれわれ国民の総意でありまするけれども、最近の国際のこの緊迫した状況は、果して国際連合の力で、この緊迫した世界の平和を保持できるかどうかというところに、われわれは多大の疑問を残さざるを得ないのであります。現在におけるところの東南アジアの問題、あるいは近東の問題、エジプトの問題、次から次へと国際間の緊張した問題が起きてくるときに、辛うじて日本は世界の孤児からようやく国際間の一人として加入することができたのは、喜びであると同時に、これからの日本の行くべき道に対しては、相当イバラの道があるということを覚悟するとともに、これに善処するだけの十分なる覚悟があるかどうかということについては、はなはだ疑問を生ぜざるを得ないのでありますが、とにもかくにも幾多の問題をはらんだこの日ソ間の問題は、ようやくわが参議院におきましては、付帯決議という、まことに私にとっては納得のいかない点もありますけれども、そういう問題を付して通過の運びに至ったということは、御同慶の至りでありますので、私は賛成の意を表しまして、私の討論を終りといたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#24
○議長(松野鶴平君) 八木幸吉君。
  〔八木幸吉君登壇、拍手〕
#25
○八木幸吉君 私は本案に反対であります。
 理由の第一は、戦争責任の所在が明らかにされておりません。一九四五年八月八日、モスクワで佐藤大使に、翌九日より戦争状態に入る旨の通告がありましたが、電報不着のため、ソ連の参戦を知ったのは、ポツダム宣言受諾の申し入れを、スイス並びにスエーデン国政府を通じて連合国側に伝達し、降伏の意思表示をした後であります。当時は日ソ中立条約有効期間中で、満州国への領土不可侵をも確約しておったにもかかわらず、ソ連は千島、南樺太、満州、北鮮を侵略し、数十億ドルの権益を略奪し、数十万の邦人を拉致し、耐えがたき苦痛を与えました。これが日ソ戦争の実態であります。私ども日本国民は、この事実を深く脳裏に刻み込んでおります。日ソの国交を回復し、善隣友好の関係を樹立せんとせば、国際道義に反したこの事実に対し、まずソ連が厳粛に反省、釈明すべきであります。もししからずして、単に力の関係で、形式的に国交が回復しましても、心の融和なくしては、とうていその永続は望めないのであります。今回の交渉は、この点について何ら考慮が払われていないのは、きわめて遺憾であります。
 第二は、領土問題の取りきめの不明確なことであります。歯舞、色丹は、共同宣言では平和条約締結後引き渡すことになっております。しかしながら、松本・グロムイコ交換公文に明記してあった領土問題の字句を、ソ連の強硬な主張により、共同宣言から取り除いたいきさつから見まして、国後、択捉を放棄せざれば、歯舞、色丹の返還さえ実現困難であります。鳩山総理も、「他の領土を全部放棄しなければ、歯舞、色丹は、日本に引き渡しません」と明言をしておられます。またわが国固有の領土たる国後、択捉は、共同宣言に明確にソ連領にあらざる旨の留保条項を付さざる限り、国交回復と同時に、軍事占領は終了し、国際法の通念に従ってソ連領に確定せざるを得ません。
 次に、北千島、南樺太の帰属は、日ソ両国間で決定し得るとの政府の見解でありますが、これまた留保条項を付せざる限り、ソ連領たることを黙認し、かつサンフランシスコ条約に抵触するもので、サンフランシスコ条約調印国に対し、重大なる背信行為であります。現にアメリカは、日本がサンフランシスコ条約で放棄した領土主権を、他に引き渡す権利はないと発表いたしております。要約すれば、将来平和条約交渉のときに、ソ連に残された領土問題とは、国境線確定のことのみで、択捉、国後以北は絶望と見なければなりません。私は事実上、国後、択捉以北の放棄を黙認し、サンフランシスコ条約に抵触する本案のごときは絶対反対であります。
 第三は、邦人抑留問題であります。終戦当時、ソ連により強制労働に服さしめられた邦人は五十七万五千人、ソ連占領下の死亡者は約十八万三千人、収容所内での死亡した者は四万一千五百八十八名、現在は抑留邦人、消息不明者を含めて一万五十二名、しかるに、ソ連は抑留者一千五十三名と発表をいたしております。また、日ソ開戦の実情から、日本に戦犯者はないのに、ソ連は共同宣言において、「有罪の判決を受けたすべての日本人の釈放」と規定しております。私はかかる屈辱的な文句を日本全権が承認したことを遺憾とするものであります。鳩山内閣が南千島放棄に踏み切るなれば、ロンドン交渉で昨年すでに抑留者の返還は実現を見たはずであります。しかるに、今日まで交渉を延ばし、鳩山訪ソによって急遽豹変したのは、引退の花道妥結であって、対内工作のために外交を利用したもので、断じて許すことはできないのであります。ポツダム宣言九は、「日本国軍隊ハ完全ニ武装ヲ解除セラレタル後各自ノ家庭ニ復帰シ平和的且生産的ノ生活ヲ営ムノ機会ヲ得シメラルベシ」と規定しております。ソ連はこの宣言に違反し、重大な人道上の罪を犯しております。
 第四に、共同宣言6に、ソ連の賠償請求権放棄の規定があります。しかし、侵略者たるソ連が、わが国に損害賠償を請求する何らの理由もありません。また同項に、戦争請求権相互放棄を取りきめております。ソ連に略奪をされた数十億ドルに上る満州その他の権益をそのまま認めれば、わが国が損害を賠償すべき各国とは、はなはだしき不権衡となるのであります。桑港条約第二十六条に反し、国際道義の上からも許しがたきことであります。
 第五に、その他国連加盟の問題にしても、人口一億になんなんとするわが国の参加は、国連の世界的性格並びに使命から、各国の希望するところであります。現在まで実現を見なかったのは、ソ連が外蒙と抱き合せたために、国民政府の反対を招いたからであります。
 また、漁業制限の問題は、公海自由の原則をほかにしましては、サケ、マスの漁獲量が、わが国総漁獲量の一%以下であります。金額は二%にすぎず、領土とは比較にならないのであります。両問題とも、ソ連の国交回復促進のための援護射撃であります。
 これを要するに、抑留邦人の返還、漁業条約の発効、国連加盟の支持、いずれもソ連が開戦の責任を回避して、わが国に国交回復をしいんがための方の政策にすぎません。終戦以来十一年、日ソ交渉開始以来一年有半、何を苦しんでかくのごとき屈辱的妥結を、今日となって急いで取りきめる必要がありましょうか。ソ連の熱望する国交回復は、わが国唯一の対ソ外交の武器であります。
#26
○議長(松野鶴平君) 時間が参りました。
#27
○八木幸吉君(続) この武器をソ連に与えて、領土の解決を、国際情勢の変化に待つとは何事でありましょうか。アメリカ上院では、桑港条約批准のときに、ヤルタ協定が何らソ連に有利なる条件を与えざる旨の付帯決議をいたしました。
#28
○議長(松野鶴平君) 時間が参りました。
#29
○八木幸吉君(続) ヤルタ協定が上院の同意を経ざる秘密協定のため、上院独自の見解を示したものであります。鳩山訪ソは、党議をまとめず、閣議決定による行政権の行使であります。国会は、独自の判断を下すべき権利と義務を有します。欠席は卑怯であります。不正、不当のかくのごとき本案は、すべからくこれを否認し、国内体制を整え、世界の世論に訴え、国際情勢の好転を待って、おもむろに日ソ国交は調整すべきであります。今日の妥結は、国家の喜び事として恩赦等を行うべき筋合いでは断じてないことを申しまして……。
#30
○議長(松野鶴平君) 降壇を命じます。
#31
○八木幸吉君(続) 私の討論を終ります。
    ―――――――――――――
#32
○議長(松野鶴平君) 岩間正男君。
  〔岩間正男君登壇〕
#33
○岩間正男君 私は日本共産党を代表して、日ソ共同宣言ほか三件に賛成するものであります。
 ソヴィエト同盟、中華人民共和国との国交を回復し、全面講和を達成することは、終戦以来国民のやみがたき念願でありました。それはわが国が戦争と敗残のなまなましい苦しみを、再び繰り返さないことを深く覚悟したからであります。そしてそのためには、悪夢のような帝国主義的軍国主義と永久にたもとを分ち、ポツダム宣言の精神にのっとって、世界のすべての国、すべての民族と友好親善関係を結び、平和、独立、民主の口承を実現しようと決意したのであります。
 このような国民の決意は、ここ数カ年圧倒的な下からの世論となり、全国民の要求となって鳩山政府をゆり動かしました。従って、今ここに承認を見ようとしている日ソ共同宣言は、この国民の固い決意の現われであり、世論の勝利を示すものにほかなりません。こうした力に支えられた日ソ共同宣言こそは、日本を平和共存の方向にはっきりと第一歩を踏み出させ、民族の独立と主権を回復させるための力強い条件となるものであります。これはアメリカの押しつけによって結ばれ、日本を今日の従属状態に陥れているサンフランシスコ条約とは根本的に異なり、ポツダム宣言と平和五原則によって貫かれ、日ソ両国民の平和と友好精神を正しく反映していることは、今や何人も疑うことのできない事実であります。ここに日ソ共同宣言の本質的な意義があり、われわれ日本共産党が、平和と独立を求めるすべての国民とともに、その成立を心から喜ぶ理由もここにあるのであります。
 ところで、このような意義と内容を持つ日ソ共同宣言であればこそ、今日これに対して依然としてデマと策謀を繰り返し、平和と独立への国民の決意を鈍らせ、国民の友好感情に水を差し、誤まった方向にこれを導こうとする一部の勢力があります。言うまでもなく、その先頭には、アメリカの軍国主義的支配者があり、また、これと手を切ることのできない国内の反動勢力があるのであります。このような反動勢力の策動が続けられている今日、政府と国民にとりまして最も大切なことは、日ソの国交回復を単なる空文に終らせることなく、これが完全実施に向って絶えざる努力を積み重ねることであります。そのためには、平和共存と親善友好を深める方向で、貿易、漁業、文化、学術、人的交流など、当面するあらゆる施策を具体的に発展させることであります。しかるに政府は、このような努力を怠っている。このことは、日ソ貿易に対する政府の消極的で、しかも姑息きわまるやり方一つを見ましても明らかであります。それのみか、日ソ国交回復後の治安対策に名をかりまして、公安調査庁関係の人員をふやしたり、あるいはソヴィエト同盟を中傷するデマ文書を配らしたりしているのであります。また、砂川の基地拡張に対する態度にもこのことは、はっきりと現われているのであります。このようなやり方こそは、日ソ国交回復の意義を実質的に弱め、反動勢力のぶちこわし策動に力を貸す結果となるのであります。私は、政府がこのような誤まった態度を率直に改め、国民の世論を尊重して、日ソ国交回復のあかしを確実に実行することを要求するものであります。そしてこのことはまた、今日この宣言に賛成されるすべての同僚議員諸君の深い責任でもなければならないと思うものでございます。かつてサンフランシスコ条約によって、千島、樺太の放棄に賛成の白票を投じた自民党や緑風会の諸君が、今日自己欺瞞的な付帯決議に努力しているといったような矛盾した政治行動は、繰り返してはならないと思うのであります。これこそは政治的自殺行為の現われであります。
 われわれ日本共産党は、今、歴史的なこの一票を行使するに当りまして、賛成の各党各派のあらゆる諸君とともに協力し、また、平和と独立を求めるすべての国民とかたく結合し、祖国の繁栄と独立、平和のために、今後ますます戦い抜くことを誓うものであります。
 さらに、アジア並びに世界の諸国民の力を合わせ、国際緊張の緩和、アジアの集団安全保障態勢確立のため、中華人民共和国との国交を一日も早く回復するために、全党の力をあげて努力することを誓うものであります。
 以上をもちまして、私の賛成討論といたします。
#34
○議長(松野鶴平君) これにて討論の通告者の発言は、全部終了いたしました。討論は、終局したものと認めます。
 これより四件の採決をいたします。
 四件全部を問題に供します。表決は記名投票をもって行います。委員長報告の通り四件を承認することに賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 氏名点呼を行います。議場の閉鎖を命じます。
  〔議場閉鎖〕
  〔参事氏名を点呼〕
  〔投票執行〕
#35
○議長(松野鶴平君) 投票漏れはございませんか。……投票漏れないと認めます。
 これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
  〔議場開鎖〕
  〔参事投票を計算〕
#36
○議長(松野鶴平君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数 二百二十七票
  白色票  二百二十四票
  青色票      三票
 よって四件は、承認することに決しました。(拍手)
 ただいまの投票に関し、各派代表の演説と投票との関係につき問題がありました。この点については後刻善処いたします。
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名      二百二十四名
      森 八三一君    宮城タマヨ君
      早川 愼一君    野田 俊作君
      中山 福藏君    常岡 一郎君
      田村 文吉君    林田 正治君
      中野 文門君    竹下 豐次君
      村上 義一君    廣瀬 久忠君
      大谷 贇雄君    鹿島守之助君
      川口爲之助君    島村 軍次君
      高良 とみ君    北 勝太郎君
      小沢久太郎君    石井  桂君
      井上 清一君    伊能 芳雄君
      梶原 茂嘉君    加賀山之雄君
      奥 むめお君    堀末  治君
      有馬 英二君    苫米地英俊君
      近藤 鶴代君    上林 忠次君
      河野 謙三君    佐藤 尚武君
      井野 碩哉君    藤野 繁雄君
      西川甚五郎君    谷口弥三郎君
      新谷寅三郎君    森田 義衞君
      杉山 昌作君    後藤 文夫君
      高瀬荘太郎君    石黒 忠篤君
      一松 定吉君    井上 知治君
      本多 市郎君    鶴見 祐輔君
      草葉 隆圓君    仲原 善一君
      成田 一郎君    堀本 宜実君
      前田佳都男君    松村 秀逸君
      手島  栄君    鈴木 万平君
      柴田  栄君    塩見 俊二君
      大谷藤之助君    大沢 雄一君
      西川弥平治君    重政 庸徳君
      白川 一雄君    高橋  衛君
      土田國太郎君    斎藤  昇君
      雨森 常夫君    永野  護君
      迫水 久常君    三木與吉郎君
      田中 啓一君    木島 虎藏君
      安井  謙君    関根 久藏君
      野本 品吉君    秋山俊一郎君
      最上 英子君    岩沢 忠恭君
      三浦 義男君    高野 一夫君
      宮田 重文君    小柳 牧衞君
      木内 四郎君    青山 正一君
      堀木 鎌三君    左藤 義詮君
      植竹 春彦君    石原幹市郎君
      黒川 武雄君    重宗 雄三君
      苫米地義三君    中山 壽彦君
      泉山 三六君    平井 太郎君
      小林 英三君    大野木秀次郎君
      寺尾  豊君    大谷 瑩潤君
      高橋進太郎君    伊能繁次郎君
      武藤 常介君    西田 信一君
      稲浦 鹿藏君    吉江 勝保君
      平島 敏夫君    後藤 義隆君
      勝俣  稔君    西岡 ハル君
      宮澤 喜一君    吉田 萬次君
      榊原  亨君    佐野  廣君
      青柳 秀夫君    白井  勇君
      酒井 利雄君    井村 徳二君
      山本 米治君    松平 勇雄君
      寺本 廣作君    剱木 亨弘君
      小幡 治和君    上原 正吉君
      古池 信三君    小滝  彬君
      館  哲二君    郡  祐一君
      西郷吉之助君    小林 武治君
      紅露 みつ君    木暮武太夫君
      石坂 豊一君    下條 康麿君
      野村吉三郎君    川村 松助君
      笹森 順造君    西田 隆男君
      林屋亀次郎君    杉原 荒太君
      青木 一男君    津島 壽一君
      吉野 信次君    大矢  正君
      森中 守義君    北村  暢君
      横川 正市君    田中 茂穂君
      鈴木  強君    藤田藤太郎君
      相澤 重明君    松永 忠二君
      占部 秀男君    鈴木  壽君
      大河原一次君    伊藤 顕道君
      坂本  昭君    木下 友敬君
      平林  剛君    山本 經勝君
      岡  三郎君    亀田 得治君
      秋山 長造君    久保  等君
      柴谷  要君    大和 与一君
      安部キミ子君    近藤 信一君
      千葉  信君    戸叶  武君
      大倉 精一君    竹中 勝男君
      田畑 金光君    吉田 法晴君
      中田 吉雄君    荒木正三郎君
      松澤 兼人君    河合 義一君
      江田 三郎君    小笠原二三男君
      藤田  進君    島   清君
      田中  一君    加藤シヅエ君
      三木 治朗君    岡田 宗司君
      市川 房枝君    岩間 正男君
      江藤  智君    長谷部ひろ君
      阿部 竹松君    安部 清美君
      松澤 靖介君    辻  武寿君
      竹中 恒夫君    白木義一郎君
      光村 甚助君    鈴木  一君
      湯山  勇君    加瀬  完君
      大竹平八郎君    北條 雋八君
      千田  正君    椿  繁夫君
      阿具根 登君    山口 重彦君
      中村 正雄君    矢嶋 三義君
      相馬 助治君    小林 孝平君
      成瀬 幡治君    永岡 光治君
      松浦 清一君    天田 勝正君
      高田なほ子君    片岡 文重君
      東   隆君    重盛 壽治君
      小酒井義男君    羽生 三七君
      佐多 忠隆君    曾禰  益君
      栗山 良夫君    山下 義信君
      清澤 俊英君    棚橋 小虎君
      内村 清次君    山田 節男君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名      三名
      加藤 正人君    八木 幸吉君
      天坊 裕彦君
     ─────・─────
#37
○議長(松野鶴平君) 日程第九、在外仏貨公債の処理に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。大蔵委員長廣瀬久忠君。
  〔廣瀬久忠君登壇、拍手〕
#38
○廣瀬久忠君 ただいま議題となりました在外仏貨公債の処理に関する法律案について、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 四分利付仏貨公債は、明治四十三年五月、日本政府がフランス国において総額四億五千万フラン発行した外債であります。その後買い入れ消却等により元本額は減少して、現在未償還額は約三億八千三百万フランでありますが、そのうち国外所在分は一億八百万フラン程度で、別に未払い利子六千七百万フラン程度があるのであります。この在外仏貨公債は、第二次大戦の勃発により、昭和十五年五月十五日より元木及び利子の支払いが中断されたのであります。戦後、平和回復に伴い、平和条約第十八条の規定の趣旨に従い、日本政府とフランス有価証券所持人全国協会との交渉の結果、在外仏貨公債の支払い再開の条件を取り定めた四分利付仏貨公債に関する協定が本年七月二十七日に成立したのであります。この協定を実施するに当りましては、公債の原契約による支払い条件を改定する必要があり、その結果、債務負担額の増大を伴うこととなるため、所要の立法措置等を講ずる必要があるのであります。
 次に、本法案の内容を申し上げますと、第一に、この法律案の対象となる四分利付仏貨公債は、日本人に属せず、日本国に所在しない在外仏貨公債についてであります。第二に、在外仏貨公債の元本の償還期限は昭和四十五年になっておりますが、今回さらに十五年間延長し、昭和六十年五月十五日にいたそうとするものであります。第三に、元本の償還及び昭和十五年十一月十五日より昭和六十年五月十五日までに支払い期日が到来した、もしくは到来する利子の支払いには、その額面金額または利札の券面金額を支払うほか、調停に基いてそれぞれ十一倍に相当する金額を交付いたそうとするものであります。その他国債関係法令の適用上の特価を規定いたそうとするものであります。
  〔議長退席、副議長着席〕
 なお、四分利付仏貨公債に関する協定により本年度の財政負担は約二十一億円程度でありまして、この予算措置は、昭和三十一年度国債整理基金特別会計に計上せられている国債償還に必要なる経費及び国債利子支払いに必要なる経費のワク内における措置等により充当せられることとなっておるのであります。
 委員会における審議におきましては、十二倍を支払う根拠いかん、東京都仏貨債の処理等について質疑応答がなされたのでありますが、その詳細は会議録によって御承知を願いたいと存じます。
 かくて質疑を終了し、討論採決の結果、全会一致をもって衆議院送付案通り可決すべきものと決定いたしました。
 右、御報告申し上げます。(拍手)
#39
○副議長(寺尾豊君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。
 本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#40
○副議長(寺尾豊君) 総員起立と認めます。よって本案は全会一致をもって可決せられました。
     ―――――・―――――
#41
○副議長(寺尾豊君) 参事に報告させます。
  〔参事朗読〕
本日委員長から左の報告書を提出した。
 昭和三十一年度の食糧管理特別会計の借入限度等の特例に関する法律案可決報告書
 在外公館の名称及び位置を定める法律の一部を改正する法律案可決報告書
     ―――――・―――――
#42
○副議長(寺尾豊君) この際、日程に追加して、昭和三十一年度の食糧管理特別会計の借入限度等の特例に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#43
○副議長(寺尾豊君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。大蔵委員長廣瀬久忠君。
  〔廣瀬久忠君登壇、拍手〕
#44
○廣瀬久忠君 ただいま議題となりました昭和三十一年度の食糧管理特別会計の借入限度等の特例に関する法律案について、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 この特例法案の内容の第一点は、食糧管理特別会計の証券、借入金及び一時借入金の限度額三千五百億円を、昭和三十一年度に限って四千五百億円に引き上げようとするものであります。この会計の借入金等はおおむね十二月が最高となるのが例でありますが、本年度は米穀の買い入れ数量が増加したこと等のために、十二月末には限度額三千五百億円に対して七百五十億円増加されることが予想されるのでありまして、これにさらに余裕を見込んで四千五百億円にしようとするものであります。
 第二点は、昭和三十一年度産米について事前売り渡し申し込みをして、その代金の概算払いを受け、その後冷害その他特定の災害のために減収となった特定の地域の生産者が、事前売り渡し申し込み数量の変更を受けた結果、米穀の引き渡しを要しなくなった場合、または変更を受けた数量の米穀を政府に引き渡した場合には、概算金の全部または一部を返納することとなるのでありますが、その返納金に加算される利息について、この際減免しようとするものであります。
 委員会の審議におきましては、借入金等の限度引き上げと災害対策とを一つの法律案として提出した形式は妥当ではない、借入金等の限度引き上げとこの会計の赤字問題について疑義があるがどうか、この法律案施行のための政令の内容はどうか等の質疑がありました。これに対し、それぞれ詳細の答弁がありましたが、これは会議録によって御承知願います。
 質疑を終り、討論に入りましたところ、江田委員より、「この会計の赤字問題と関係ある借入金等の限度引き上げという根本的な事項と、冷害等の災害対策とを一つの法律案として提出しているが、今後はそのようなことのないようにされたい」との要望があり、さらに「米穀の減収が平年度の収穫量の七割以上の農家に対して利息全免の措置を講ずることはもちろん、これに該当しないものでも飯米を確保するに至らない農家に対しては、右に準じ措置すること」という付帯決議案が提出されました。
 討論を終り、採決の結果、全会一致をもって衆議院送付案通り可決すべきものと決定し、江田委員提出の付帯決議案も、全会一致をもって委員会の決議とすることに決定いたした次第であります。
 右、御報告申し上げます。(拍手)
#45
○副議長(寺尾豊君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。
 本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#46
○副議長(寺尾豊君) 総員起立と認めます。よって本案は、全会一致をもって可決せられました。
     ―――――・―――――
#47
○副議長(寺尾豊君) この際、日程に追加して、在外公館の名称及び位置を定める法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#48
○副議長(寺尾豊君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。外務委員長小滝彬君。
  〔小滝彬君登壇、拍手〕
#49
○小滝彬君 ただいま議題となりました在外公館の名称及び位置を定める法律の一部を改正する法律案の外務委員会における審議の経過と結果を御報告申し上げます。
 日ソ共同宣言が発効すると、同宣言第二項の規定により、大使の資格を有する外交使節を遅退なく交換することになるのでありまして、近く批准書の交換が行われ、右の共同宣言が効力を発生すると同時に、日本政府は直ちにソ連邦に大使館を設置する義務を負うことになるのであります。よってそれが法律上の措置といたしまして、在外公館の名称及び位置を定める法律の一部を改正して、在ソ連邦日本国大使館を新設しようとするのが本法律案の趣旨でございます。
 審議の際、大使館の構成、予算措置等につき質疑がございましたが、詳細は会議録に譲りたいと存じます。
 委員会は、十二月五日、質疑に引き続き討論を経て、本案の採決を行いましたところ、全会一致をもって政府原案通り可決いたした次第でございます。
 右、御報告申し上げます。(拍手)
#50
○副議長(寺尾豊君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。
 本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#51
○副議長(寺尾豊君) 総員起立と認めます。よって本案は、全会一致をもって可決せられました。
     ―――――・―――――
#52
○副議長(寺尾豊君) 日程第十より第十二までの請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#53
○副議長(寺尾豊君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。法務委員長山本米治君。
  〔山本米治君登壇、拍手〕
#54
○山本米治君 ただいま議題となりました請願に対する法務委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。
 請願第三十六号は、松江地方簡易家庭裁判所庁舎新築に関するもので、同庁舎は明治二十三年に建築されたものでありますが、地盤軟弱の上、長年月にわたる腐朽はなはだしく、危険な状態となり、しばしば補強工作を施して、辛うじて倒壊を免れている実情でありますから、ぜひとも昭和三十二年度には同庁舎が新営されるよう予算措置を講ぜられたいというものであります。
 請願第百二十三号は、山形刑務所の移転促進に関するものでありまして、山形刑務所の移転については、さきに法務省当局の候補地実地視察が行われたのでありますが、山形市としても当刑務所の移転に必要な具体的措置について、できる限りの便宜供与をなし得る態勢にありますから、一日も早く山形刑務所を移転させるよう格段の措置を講ぜられたいとのものであります。
 次に、請願第百二十四号は、大阪府布施市における地方裁判所支部設置に関するもので、大阪府中河内地区は大阪市の東部に位置し、近年中小企業の発展と、都市からの人口の移動によって急激に発展し、これに伴って裁判事件もまた増加の一途をたどり、民事事件数においては、堺、岸和田の両地区をしのぐ現状でありますが、木地区には布施簡易裁判所しかないために、事件発生のつど、大阪地方裁判所まで出向かねばならない実情であります。そのため地区内住民の時間的、経済的損失が甚大でありますので、本地区の実情と住民の要望を考慮して、ぜひとも大阪地方裁判所支部を布施市に設置せられたいとのものであります。
 以上の請願につき、当委員会におきましては、関係当局の意見を聞き、慎重審議の結果、願意はおおむね妥当なものと認め、これを採択し、議院の会議に付し、かつ内閣に送付すべきものと決定いたした次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#55
○副議長(寺尾豊君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 これらの請願は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#56
○副議長(寺尾豊君) 総員起立と認めます。よってこれらの請願は、全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
     ―――――・―――――
#57
○副議長(寺尾豊君) 日程第十三より第二十二までの請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#58
○副議長(寺尾豊君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。逓信委員長剱木亨弘君。
  〔剱木亨弘君登壇、拍手〕
#59
○剱木亨弘君 ただいま議題となりました請願につきまして、逓信委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本件請願は、簡易生命保険金の最高額を引き上げられたいとするもの三件、郵便年金加入者ホームを設置せられたいとするもの四件、町村合併に伴い電信電話施設を改善せられたいとするもの三件、無集配特定局を設置せられたいとするもの二件、送放局の中継放送所を設置せられたいとするもの一件及び郵便局の統合に反対するというもの一件の十五件であります。
 委員会におきましては、以上諸件につき、慎重審査の結果、いずれも願意を妥当と認め、これを採択し、議院の会議に付し、かつ内閣に送付すべきものと全会一致をもって決定した次第であります。
 右、御報告申し上げます。(拍手)
#60
○副議長(寺尾豊君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 これらの請願は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#61
○副議長(寺尾豊君) 総員起立と認めます。よってこれらの請願は、全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
     ―――――・―――――
#62
○副議長(寺尾豊君) 日程第二十三より第四十四までの請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#63
○副議長(寺尾豊君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。運輸委員長戸叶武君。
  〔戸叶武君登壇、拍手〕
#64
○戸叶武君 ただいま議題となりました日程第二十三から日程第四十四までの請願につきまして、運輸委員会における審議の結果を御報告申し上げます。
 日程第二十三から日程第二十九までの請願は、鉄道新線建設、または開通の促進、復旧促進に関するものでありまして、日程第二十三は、青森県大畑−大間間の新線建設、日程第二十四は、赤穂線日生−伊部両駅間開通促進、日程第二十五は、野岩羽線中、今市市−滝の原間の新線建設と塩原町より西那須野町、または塩原町より矢板町に至る分岐線の鉄道敷設法別表予定線編入に関するもの、日程第二十六は、北海道における新得、金山、紅葉山、追分、千歳を結ぶ石勝線の新線建設、日程第二十七は、岩手県と秋田県にまたがる雫石−橋場間撤収区間の復旧と、橋場−生保内間の建設促進に関するものであり、日程第二十八は、福岡県篠栗線篠栗駅、山田線臼井駅間の新線建設、日程第二十九は、北海道白糠町−足寄町間の新線建設に関するものであります。
 委員会におきましては、慎重に審議いたしました結果、産業、経済の発展、資源の開発、文化の向上、民生の安定等の見地から、いずれも願意を妥当と認めました。
 次に、日程第三十は、新庄−余目両駅間、酒田−温海両駅間にディーゼルカー運行の件、日程第三十一は、八戸線平内地区ほか二地区に汽動車駅設置の件であり、日程第三十二は、参宮線の複線化に関する件、また、日程第三十三は、大阪の城東線玉造駅の貨物取扱い設備能力が不足し、一般利用者の不利不便が多いので、すみやかに改善拡張するとともに、将来適地に大貨物駅設置の要望に関する件であります。
 委員会におきましては、サービスの向上の見地から、いずれも願意を妥当と認めました。
 日程第三十四は、国鉄はダイヤ改正等により輸送量が増大しているが、直接輸送に従事する職員に不足を来たしているので、国鉄公安職員を一般国鉄職員に繰り入れて低しいというのであります。日程第三十五は、米沢−坂町閥は利用者も多く、沿線には森林、地下資源も豊富であるから、すみやかに全線を電化し、産業開発、輸送力の増強をはかってほしいというのであります。
 委員会におきましては、慎重審議の結果、いずれも願意を妥当と認めました。
 次に、日程第三十六、第三十七、第三十八は、北海道の室蘭、羽幌、天売、苫小牧港等の港湾修築促進に関するものであり、その重要性にかんがみ、願意は妥当であると認めました。
 日程第三十九は、岩手県釜石市に測候所を設置して、釜石港沿岸水域の船舶航行、漁船の操業の安全をはかられたいというのであります。日程第四十は、中国の気象管制の解除に伴う西日本における気象業務の整備拡充に万全の措置を講ぜられたいというのでありまして、右、いずれも願意は妥当であると認めました。
 日程第四十一は、新潟県出雲崎町に海上保安部の出張所を設置し、巡視船を配属し、海難救助、密漁船の取締りを強化せられたいというのであります。
 日程第四十二は、岩手県綾里岬に霧笛信号を併設し、第四十三は、首崎に灯台を設置せられたいというのでありまして、右は、いずれも願意は妥当であると認めました。
 日程第四十四は、機帆船が最近向上してきているので、その航行平水区域を、和歌山市から徳島県吉野川河口に至る線、愛媛県喜多郡長浜町から福岡県門司市に至る線内に改正せられたいというのでありまして、願意は妥当であると認めました。
 以上、二十四件につきまして、委員会において審議いたしました結果、全会一致をもちまして、議院の会議に付するを要し、内閣に送付するを要するものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#65
○副議長(寺尾豊君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 これらの請願は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#66
○副議長(寺尾豊君) 総員起立と認めます。よってこれらの請願は、全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
     ―――――・―――――
#67
○副議長(寺尾豊君) 日程第四十五より第六十三までの請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#68
○副議長(寺尾豊君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。建設委員長中山福藏君。
  〔中山福藏君登壇、拍手〕
#69
○中山福藏君 ただいま議題となりました日程第四十五から第六十三に及ぶ請願十九件について、建設委員会の審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、道路に関するものは九件でありますが、そのおもなる内容は、二級国道和歌山−松阪線の一級国道昇格と国道整備に関するもののほか、新潟県内における駐留軍使用道路の損害補償と、長崎県、宮崎県、岩手県、北海道、山形県内の国道及び県道の改良工事の促進と舗装工事施行等に関するものであります。
 次に、河川に関するものは、長崎県内の災害復旧及び離島振興法による施設の促進と、新潟県信濃川、根知川、茨城県久慈川及び新潟県魚野川の改良工事の促進と災害土木助成並びに堤防工事の施行及び河川総合開発事業等の推進、荒川、中川総合開発の促進に関するものであります。その他、昭和三十一年度公営住宅事業実施要領の中の標準用地取得造成費地区別区分表の変更に関するもの、青森衆十和田、岩木川地区を特定地域に推定するもの及び岩手県総合開発事業の促進に関するものであります。
 なお、神奈川県辻堂所在駐留軍演習地内の観光道路新設等に関する件のうち、湘南海岸地区一帯を国立海岸公園に指定する点については、今後十分なる調査を要するので、「この点を除く」との意見書案を付し、以上、いずれもこれを妥当と認め、これを採択して議院の会議に付し、内閣に送付すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#70
○副議長(寺尾豊君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 日程第六十三の請願については、意見書案が付されております。日程第四十五より第六十三までの請願は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#71
○副議長(寺尾豊君) 総員起立と認めます。よってこれらの請願は、全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
 議事の都合により、これにて暫時休憩いたします。
   午後五時十二分休憩
  〔休憩後開議に至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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