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1956/12/08 第25回国会 参議院 参議院会議録情報 第025回国会 本会議 第13号
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1956/12/08 第25回国会 参議院

参議院会議録情報 第025回国会 本会議 第13号

#1
第025回国会 本会議 第13号
昭和三十一年十二月八日(土曜日)
   午後零時二十九分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
 議事日程 第十三号
  昭和三十一年十二月八日
   午前十時開議
 第一 電気事業及び石炭鉱業にお
  ける争議行為の方法の規制に関
  する法律附則第二項の規定によ
  り、同法を存続させるについ
  て、国会の議決を求めるの件の
  中間報告
 第二 特殊核物質の賃貸借に関す
  る日本国政府とアメリカ合衆国
  政府を代表して行動する合衆国
  原子力委員会との間の協定の締
  結について承認を求めるの件
 (衆議院送付)   (委員長報告)
 第三 教育公務員特例法及び教育
  公務員特例法第三十二条の規定
  の適用を受ける公立学校職員等
  について学校看護婦としての在
  職を準教育職員としての在職と
  みなすことに関する法律の一部
  を改正する法律案(衆議院提出)
           (委員長報告)
 第四 山林所得税の軽減等に関す
  る請願      (委員長報告)
 第五 在外財産処理促進に関する
  請願       (委員長報告)
 第六 積雪寒冷地帯の不利条件打
  破に関する請願  (委員長報告)
 第七 福岡県添田町国鉄二又トン
  ネル火薬爆発り災被害補償に関
  する請願     (委員長報告)
 第八 ぶどう酒醸造業に対する酒
  造税軽減の請願  (委員長報告)
 第九 国民金融公庫山形支所の資
  金わく増額に関する請願
           (委員長報告)
 第一〇 農民課税の適正化等に関
  する請願     (委員長報告)
 第一一 国民金融公庫に対する財
  政投資資金増額の請願
           (委員長報告)
 第一二 貸金業の金利引下げに関
  する請願     (委員長報告)
 第一三 園芸関係行政機関の整備
  充実に関する請願 (委員長報告)
 第一四 米の配給制度改正反対に
  関する請願    (委員長報告)
 第一五 昭和三十一年四月、五月
  の凍霜害等被害農家に対する経
  営資金利子引下げの請願
           (委員長報告)
 第一六 さめはえなわ漁業の許可
  制度に関する請願(二件)
           (委員長報告)
 第一七 中共くるみ子実輸入反対
  に関する請願   (委員長報告)
 第一八 造林事業費国庫補助増額
  等に関する請願  (委員長報告)
 第一九 林道網の整備拡充に関す
  る請願      (委員長報告)
 第二〇 開拓行政の適正化に関す
  る請願      (委員長報告)
 第二一 林業災害補償制度の合理
  化に関する請願  (委員長報告)
 第二二 森林組合の育成強化に関
  する請願     (委員長報告)
 第二三 公有林の経営合理化に関
  する請願     (委員長報告)
 第二四 治山事業の拡充等に関す
  る請願      (委員長報告)
 第二五 林業指導員の増員等に関
  する請願     (委員長報告)
 第二六 台風常襲地帯に対する特
  別立法措置に関する請願(二件)
           (委員長報告)
 第二七 中海干拓計画に関する請
  願(四件)    (委員長報告)
 第二八 漁業共済制度確立に関す
  る請願      (委員長報告)
 第二九 水産物価格安定に関する
  請願       (委員長報告)
 第三〇 さつまいも価格対策に関
  する請願(二件) (委員長報告)
 第三一 漁港修築予算増額等に関
  する請願     (委員長報告)
 第三二 福島県会津若松市大戸町
  所在林道改修等に関する請願
           (委員長報告)
 第三三 米の統制存続に関する請
  願        (委員長報告)
 第三四 林道開設事業費国庫補助
  増額等に関する請願
           (委員長報告)
 第三五 漁業共済制度確立等に関
  する請願     (委員長報告)
 第三六 岩手県沿岸高冷地冷害対
  策に関する請願  (委員長報告)
 第三七 茨城県鹿島南部地区の農
  業水利事業を国営とするの請願
           (委員長報告)
 第三八 米穀予約売渡制継続に関
  する請願     (委員長報告)
 第三九 農業生産資材価格引下げ
  に関する請願   (委員長報告)
 第四〇 農業改良資金増額等に関
  する請願     (委員長報告)
 第四一 山形県の風水害等の対策
  に関する請願   (委員長報告)
 第四二 有畜農家の家畜導入規準
  改正に関する請願 (委員長報告)
 第四三 冷害凶作に対する緊急救
  農対策の請願   (委員長報告)
 第四四 山形県最上川はんらんに
  よる水害救助の請願
           (委員長報告)
 第四五 農林水産施設等の災害対
  策に関する請願  (委員長報告)
 第四六 岩手山ろく開拓建設事業
  促進に関する請願 (委員長報告)
 第四七 北海道羽幌町築別地区土
  地改良事業促進に関する請願
           (委員長報告)
 第四八 大分県長洲町の干拓事業
  助成に関する請願 (委員長報告)
 第四九 麦類の売渡価格引下げに
  関する請願    (委員長報告)
 第五〇 小麦の払下げ価格引下げ
  に関する請願   (委員長報告)
 第五一 中小企業金融対策に関す
  る請願      (委員長報告)
 第五二 商工組合中央金庫利子引
  下げに関する請願 (委員長報告)
 第五三 北奥羽地域総合開発特定
  地域指定促進に関する請願
           (委員長報告)
 第五四 東北開発推進に関する請
  願        (委員長報告)
 第五五 佐渡海峡海底送電に関す
  る請願      (委員長報告)
 第五六 山形県内地下資源の開発
  促進等に関する請願
           (委員長報告)
 第五七 ココム制限緩和に関する
  請願       (委員長報告)
 第五八 四国通商産業局近永アル
  コール工場存続に関する請願
           (委員長報告)
 第五九 鉱害賠償制度の強化等に
  関する請願    (委員長報告)
 第六〇 沖繩の復帰に関する請願
  (二件)     (委員長報告)
 第六一 沖繩、択捉及び国後復帰
  返還に関する請願 (委員長報告)
 第六二 中国渡航制限緩和に関す
  る請願      (委員長報告)
 第六三 中国渡航制限解除に関す
  る請願      (委員長報告)
 第六四 板付基地にF一〇〇セー
  バー・ジェット機持込み反対の
  請願       (委員長報告)
 第六五 名古屋郵政局庁舎返還促
  進に関する請願  (委員長報告)
 第六六 米国難民救済法による移
  民割当拡大に関する請願
           (委員長報告)
 第六七 日ソ復交促進に関する請
  願        (委員長報告)
 第六八 新潟市にソ連邦領事館設
  置の請願     (委員長報告)
 第六九 合併都市育成に関する請
  願        (委員長報告)
 第七〇 新市町村建設促進法の一
  部改正等に関する請願
           (委員長報告)
 第七一 新町村建設促進等に関す
  る請願      (委員長報告)
 第七二 地方財政の再建に伴う教
  育水準維持の請願 (委員長報告)
 第七三 公債利子の引下げ等に関
  する請願     (委員長報告)
 第七四 昭和三十二年度府県財政
  健全化方策の確立に関する請願
           (委員長報告)
 第七五 地方公務員の給与改訂に
  伴う財源措置の請願
           (委員長報告)
 第七六 市庁舎の建築構造等に関
  する請願     (委員長報告)
 第七七 市町村道整備事業費特別
  長期債等に関する請願
           (委員長報告)
 第七八 町村財政確立に関する請
  願        (委員長報告)
 第七九 造林、林道開設両事業を
  財政再建整備法適用に伴う指定
  事業とするの請願 (委員長報告)
 第八〇 公衆浴場業に対する事業
  税軽減の請願   (委員長報告)
 第八一 遊興飲食税の減免に関す
  る請願(二件)  (委員長報告)
 第八二 主畜酪農用機械に供する
  軽油の軽油引取税免税の請願
           (委員長報告)
 第八三 選挙管理制度の整備に関
  する請願     (委員長報告)
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議長(松野鶴平君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
#3
○議長(松野鶴平君) これより本日の会議を開きます。
 藤田進君から、賛成者を得て、直ちに延会することの動議が提出されました。
 これより本動議の採決をいたします。表決は記名投票をもって行います。本動議に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 氏名点呼を行います。議場の閉鎖を命じます。
  〔議場閉鎖〕
  〔参事氏名を点呼〕
  〔投票執行〕
#4
○議長(松野鶴平君) 投票漏れはございませんか。……投票漏れないと認めます。
 これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
  〔議場開鎖〕
  〔参事投票を計算〕
#5
○議長(松野鶴平君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数  百九十九票
  白色票    七十三票
  青色票   百二十六票
 よって本動議は否決せられました。
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名     七十三名
      大矢  正君    森中 守義君
      北村  暢君    横川 正市君
      鈴木  強君    相澤 重明君
      松永 忠二君    占部 秀男君
      森 元治郎君    鈴木  壽君
      大河原一次君    伊藤 顕道君
      坂本  昭君    木下 友敬君
      平林  剛君    岡  三郎君
      亀田 得治君    秋山 長造君
      久保  等君    柴谷  要君
      大和 与一君    安部キミ子君
      近藤 信一君    戸叶  武君
      大倉 精一君    竹中 勝男君
      田畑 金光君    吉田 法晴君
      中田 吉雄君    荒木正三郎君
      松澤 兼人君    河合 義一君
      江田 三郎君    小笠原二三男君
      藤田  進君    島   清君
      田中  一君    野溝  勝君
      松本治一郎君    三木 治朗君
      岡田 宗司君    岩間 正男君
      長谷部ひろ君    阿部 竹松君
      安部 清美君    松澤 靖介君
      光村 甚助君    鈴木  一君
      湯山  勇君    加瀬  完君
      椿  繁夫君    阿具根 登君
      中村 正雄君    矢嶋 三義君
      相馬 助治君    小林 孝平君
      成瀬 幡治君    永岡 光治君
      松浦 清一君    高田なほ子君
      片岡 文重君    東   隆君
      重盛 壽治君    小酒井義男君
      羽生 三七君    佐多 忠隆君
      曾禰  益君    栗山 良夫君
      山下 義信君    清澤 俊英君
      棚橋 小虎君    内村 清次君
      山田 節男君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名      百二十六名
      森 八三一君    早川 愼一君
      野田 俊作君    中山 福藏君
      田村 文吉君    林田 正治君
      中野 文門君    村上 義一君
      大谷 贇雄君    鹿島守之助君
      川口爲之助君    島村 軍次君
      北 勝太郎君    石井  桂君
      井上 清一君    伊能 芳雄君
      加賀山之雄君    有馬 英二君
      苫米地英俊君    近藤 鶴代君
      上林 忠次君    佐藤 尚武君
      井野 碩哉君    藤野 繁雄君
      谷口弥三郎君    新谷寅三郎君
      森田 義衞君    杉山 昌作君
      後藤 文夫君    高瀬荘太郎君
      一松 定吉君    本多 市郎君
      鶴見 祐輔君    草葉 隆圓君
      仲原 善一君    堀本 宜実君
      前田佳都男君    松村 秀逸君
      手島  栄君    鈴木 万平君
      柴田  栄君    塩見 俊二君
      大谷藤之助君    大沢 雄一君
      西川弥平治君    重政 庸徳君
      白川 一雄君    土田國太郎君
      斎藤  昇君    雨森 常夫君
      迫水 久常君    三木與吉郎君
      田中 啓一君    横川 信夫君
      木島 虎藏君    安井  謙君
      野本 品吉君    秋山俊一郎君
      岩沢 忠恭君    三浦 義男君
      高野 一夫君    宮田 重文君
      小柳 牧衞君    木内 四郎君
      青山 正一君    堀木 鎌三君
      左藤 義詮君    植竹 春彦君
      石原幹市郎君    黒川 武雄君
      重宗 雄三君    苫米地義三君
      中山 壽彦君    泉山 三六君
      平井 太郎君    小林 英三君
      大野木秀次郎君    寺尾  豊君
      大谷 瑩潤君    高橋進太郎君
      松岡 平市君    武藤 常介君
      西田 信一君    稲浦 鹿藏君
      吉江 勝保君    平島 敏夫君
      後藤 義隆君    勝俣  稔君
      小西 英雄君    佐藤清一郎君
      西岡 ハル君    宮澤 喜一君
      吉田 萬次君    横山 フク君
      榊原  亨君    佐野  廣君
      青柳 秀夫君    白井  勇君
      酒井 利雄君    井村 徳二君
      山本 米治君    松平 勇雄君
      寺本 廣作君    剱木 亨弘君
      小幡 治和君    上原 正吉君
      岡崎 真一君    小滝  彬君
      館  哲二君    郡  祐一君
      西郷吉之助君    小林 武治君
      紅露 みつ君    木暮武太夫君
      石坂 豊一君    下條 康麿君
      野村吉三郎君    川村 松助君
      笹森 順造君    林屋亀次郎君
      杉原 荒太君    木村篤太郎君
      津島 壽一君    吉野 信次君
      江藤  智君    田中 茂穂君
     ─────・─────
#6
○議長(松野鶴平君) 日程第一、電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律附則第二項の規定により、同法を存続させるについて、国会の議決を求めるの件の中間報告。
 これより社会労働委員長の中間報告を求めるのでありますが、これに関連して、安井謙君外二名から、賛成者を得て、本日の議事における発言時間は、社会労働委員長の中間報告については一時間、質疑討論その他の発言については一人二十分に制限することの動議が提出されました。
 これより本動議の採決をいたします。表決は記名投票をもって行います。本動議に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 氏名点呼を行います。議場の閉鎖を命じます。
  〔議場閉鎖〕
  〔参事氏名を点呼〕
  〔投票執行〕
  〔「議長、一時間ということないよ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し〕
#7
○議長(松野鶴平君) すみやかに御投票を願います。(「まだ始まったばかりじゃないか」と呼ぶ者あり)、すみやかに御投票を願います。(「まだ時間はたっぷりある」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票願います。(「はい」「やっているじゃないか」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票願います。(「はい」と呼ぶ者あり)
 ただいま行われております投票については、自後十分間に制限いたします。(拍手、「採決」「十分間でいいかどうかを採決しろ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)すみやかに御投票願います。(「はい」「やってるんだよ」と呼ぶ者あり)
 時間が参りますれば、投票箱を閉鎖いたします。(「まだ早い、早い」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)すみやかに御投票願います。(「はい」と呼ぶ者あり)
 時間が参りますれば、投票箱を閉鎖いたします。(「まだまだ」「議長、あしたから五日間あるのに困るじゃないか、早くやったら」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票を願います。(「一週間を一時間にしてしまうのだからひどいじゃないか、全部投票できるように議長も協力してくれ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)すみやかに御投票を願います。
 時間が参りますれば、投票箱を閉鎖いたします。(「議長、ならぬかんにんするがかんにん」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票を願います。(「議長、昨日は生理作用で出していただきましたけれども、腹が減っているのも生理作用ですが、どうして下さいますか」「居眠りしている」「注意しなさい」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)すみやかに御投票願います。(「やっているじゃないか」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
 制限時間に達しました。投棄箱を閉鎖いたします。
  〔投票箱閉鎖〕
#8
○議長(松野鶴平君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
  〔議場開鎖〕
  〔参事投票を計算〕
#9
○議長(松野鶴平君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数    二百票
  白色票   百二十七票
  青色票    七十三票
 よって、本日の議事における発言時間は、社会労働委員長の中間報告については一時間……(発言する者多く議場騒然、聴取不能)……その他の発言については一人二十分に制限することに決しました。(「少いぞ」「言論の自由を封殺することだぞ」と呼ぶ者あり)
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名      百二十七名
      森 八三一君    早川 愼一君
      野田 俊作君    中山 福藏君
      田村 文吉君    林田 正治君
      中野 文門君    村上 義一君
      大谷 贇雄君    鹿島守之助君
      川口爲之助君    島村 軍次君
      北 勝太郎君    小沢久太郎君
      石井  桂君    井上 清一君
      伊能 芳雄君    加賀山之雄君
      有馬 英二君    苫米地英俊君
      近藤 鶴代君    上林 忠次君
      佐藤 尚武君    井野 碩哉君
      藤野 繁雄君    西川甚五郎君
      谷口弥三郎君    新谷寅三郎君
      森田 義衞君    杉山 昌作君
      後藤 文夫君    高瀬荘太郎君
      一松 定吉君    井上 知治君
      本多 市郎君    鶴見 祐輔君
      草葉 隆圓君    仲原 善一君
      堀本 宜実君    前田佳都男君
      松村 秀逸君    手島  栄君
      鈴木 万平君    柴田  栄君
      塩見 俊二君    大谷藤之助君
      大沢 雄一君    西川弥平治君
      重政 庸徳君    白川 一雄君
      土田國太郎君    斎藤  昇君
      雨森 常夫君    迫水 久常君
      三木與吉郎君    田中 啓一君
      横川 信夫君    木島 虎藏君
      安井  謙君    野本 品吉君
      秋山俊一郎君    岩沢 忠恭君
      三浦 義男君    高野 一夫君
      宮田 重文君    小柳 牧衞君
      木内 四郎君    青山 正一君
      堀木 鎌三君    左藤 義詮君
      植竹 春彦君    石原幹市郎君
      黒川 武雄君    重宗 雄三君
      苫米地義三君    中山 壽彦君
      泉山 三六君    平井 太郎君
      小林 英三君    大野木秀次郎君
      寺尾  豊君    大谷 瑩潤君
      高橋進太郎君    松岡 平市君
      武藤 常介君    西田 信一君
      稲浦 鹿藏君    吉江 勝保君
      平島 敏夫君    後藤 義隆君
      勝俣  稔君    小西 英雄君
      佐藤清一郎君    西岡 ハル君
      宮澤 喜一君    吉田 萬次君
      横山 フク君    榊原  亨君
      佐野  廣君    青柳 秀夫君
      白井  勇君    酒井 利雄君
      井村 徳二君    山本 米治君
      松平 勇雄君    寺本 廣作君
      小幡 治和君    岡崎 真一君
      小滝  彬君    館  哲二君
      郡  祐一君    西郷吉之助君
      小林 武治君    紅露 みつ君
      木暮武太夫君    石坂 豊一君
      下條 康麿君    野村吉三郎君
      川村 松助君    笹森 順造君
      林屋亀次郎君    杉原 荒太君
      木村篤太郎君    津島 壽一君
      吉野 信次君    江藤  智君
      田中 茂穂君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名     七十三名
      大矢  正君    森中 守義君
      北村  暢君    横川 正市君
      鈴木  強君    藤田藤太郎君
      相澤 重明君    松永 忠二君
      占部 秀男君    森 元治郎君
      鈴木  壽君    大河原一次君
      伊藤 顕道君    坂本  昭君
      木下 友敬君    平林  剛君
      山本 經勝君    岡  三郎君
      亀田 得治君    秋山 長造君
      久保  等君    柴谷  要君
      大和 与一君    安部キミ子君
      近藤 信一君    戸叶  武君
      大倉 精一君    竹中 勝男君
      田畑 金光君    吉田 法晴君
      中田 吉雄君    荒木正三郎君
      松澤 兼人君    河合 義一君
      江田 三郎君    小笠原二三男君
      藤田  進君    島   清君
      田中  一君    野溝  勝君
      松本治一郎君    三木 治朗君
      岡田 宗司君    岩間 正男君
      長谷部ひろ君    阿部 竹松君
      安部 清美君    松澤 靖介君
      光村 甚助君    鈴木  一君
      湯山  勇君    加瀬  完君
      椿  繁夫君    阿具根 登君
      中村 正雄君    矢嶋 三義君
      相馬 助治君    小林 孝平君
      成瀬 幡治君    永岡 光治君
      松浦 清一君    高田なほ子君
      東   隆君    小酒井義男君
      羽生 三七君    佐多 忠隆君
      曾禰  益君    栗山 良夫君
      山下 義信君    清澤 俊英君
      棚橋 小虎君    内村 清次君
      山田 節男君
     ─────・─────
#10
○議長(松野鶴平君) これより社会労働委員長の中間報告を求めるのでありますが、まだ出席いたしておりません。ただいま出席を求めておりますから、しばらくお待ち下さい。
  〔「暫時休憩」「昼飯はどうするんだ」「このまま漫然と待たせるのか」「議事進行」「議長、議事進行について発言を求められてるじゃないか」「必要なし」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し〕
#11
○議長(松野鶴平君) これより社会労働委員長の中間報告を求めます。社会労働委員長千葉信君。(「登壇々々」「議事進行はどうしました」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
 社会労働委員長の御登壇を願います。(「総理大臣はどこへ行ったんだ」「総理がいないぞ」「議長、議事進行について」「議長、委員長は発言を求めているじゃないか」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
 千葉信君の登壇を求めます。(「社労委員長は事故だよ」「事故の原因はそっちにあるのだ」「十時間のものを一時間に縮めるのだから時間がかかるのは当りまえだ」「議事進行について発言を求めている」「議長、千葉君何ですかと、こう聞いて下さい、議長、話を聞きなさい」「議長、千葉委員長の発言を許しなさい」と呼ぶ者あり)
 千葉信君の登壇を求めます。
  〔「この良心的な姿を見たか」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し〕
#12
○議長(松野鶴平君) 千葉信君。
 〔千葉信君登壇、拍手〕
#13
○千葉信君 ただいま議題となりました電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律附則第二項の規定により、同法を存続させるについて、国会の議決を戒めるの件の中間報告を行うのでありますが、与党諸君は、この瞬間に至るまで、果して委員長自身が報告を行うかどうかということについて、終始見通しに迷われ、あわてふためいた醜状は、今回の動議によっても暴露されております。そうして今この瞬間、ほっとしながら苦笑いを浮べているようだが、その与党席を前にして、私は激しい憤りと、あくまでも冷たい軽蔑の念を押し隠しながら、あえて、厳正公平な態度に終始しつつ、淡々とこの報告を行う覚悟であります。(拍手)
 私の憤らざるを得ない第一の理由は、会期延長の議決状況そのものについては、他院のことでありますから、この際、これに触れることを避けるとしましても、その衆議院における会期延長の端緒となりました本院における常任委員長懇談会を悪用して行われた衆議院への申し入れなるものは、実に陋劣きわまるものと言わざるを得ないのであります。すなわち委員長懇談会においては、十名の委員長は、それぞれ賛成の意見を述べ、四名の委員長は反対の意見を申し述べましたが、社会労働委員長と戸叶運輸委員長とは、いまだ意見の開陳を行なっていないということは、その公開の席上における事実から見ても明らかでございます。しかるに、副議長は議運委員長と通謀して、さながら十人の賛成陳述、六人の反対陳述があったと擬装して、衆議院議長に申し入れをしているのであります。
 第二の点は、委員長事故あるときは理事をして報告を行わしめるという動議が可決されましたが、これは国会役員を侮辱するもはなはだしいのであります。過ぐる第十九回国会におきまして、警察法案に関し地方行政委員会理事が委員長報告を行なったときの動議を先例と言っておりますが、そのときと今回とは全く事情を異にしているのであります。それにもかかわらず、あえてかかる動議をもって臨み、国会役員をも侮辱する措置をとったことは、きわめて遺憾であると言わなければなりません。
 第三に、委員会の審議が厳正公平に行われたことは、与党の諸君も十分認識するところでございます。しかるに与党の方では、委員会においては正々堂々と対処する自信を失い、小策を弄し、委員長及び理事打合会の申し合せにもない案件の審議を委員長に嘆願するというごとき態度を終始し、最後には、委員長及び理事打合会の申し合せを踏みにじって、突如質疑打ち切りの議事進行に名をかりる動議を提出して混乱を生ぜしめる等、終始平穏かつ冷静のうちに審議を続けた社会労働委員会に汚点を残す行動に出たことは、堂々として自信を持って立ち向った野党の立場から見て、まことに冷笑を禁じ得ないものがあります。こういう状態は、これこそ日を追うて転落して行く保守政党の苦悶の姿であり、またそのためのあせりが、ますますその凋落に拍車をかける過程的現象として、すなおにこれを見守るほかはないと思うのであります。(拍手)
 以下、御報告を申し上げます。
 電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律、すなわちスト規制法は、過ぐる昭和二十八年八月、第十六回国会で成立を見た法律でありますが、その主たる内容について申し上げますと、この法律は、電気事業及び石炭鉱業の労働者が、労使対等の立場に立って労働条件等を決定するに際し、必要な争議行為の方法に、重要な制限を加えたものであります。すなわち電気事業について言えば、争議行為として電気の正常な供給を停止する行為や、その他電気の正常な供給に、直接障害を生ぜしめるような行為を禁止し、また石炭鉱業においては、鉱物資源を滅失し、擁護の荒廃等の結果を生ずるおそれがあるものとして、保安要員の提供拒否等に関する争議行為は、正当性の範囲を逸脱するものであるとの理由により、いかなる事情があるとも、これをやってはならないこととしておるのであります。この法律は、その附則第二項におきまして、法律施行の日から起算して三年を経過したとき、その経過後二十日以内に、もしその経過した日から起算して、二十日を経過した日に国会が閉会中の場合は、次期国会の召集後十日以内に、政府は、法律を存続させるかどうかについて、国会の議決を求めなければならないと規定いたしておりますので、この規定に基き、政府は去る十一月十二日、今国会の劈頭、「同法を存続させるについて、国会の議決を求めるの件」として国会に提案して参ったのであります。
 次に、政府の提案理由について申し上げます。政府の説明によりますと、労使関係に関する事項は、法をもって抑制し規律することは、できる限り最小限にとどめ、労使の良識と健全な労働慣行に待つことが望ましく、この法律において規制されている争議行為のごときは、労使間に健全な良識及び労働慣行が確立されておれば、当然行われるはずがないのであって、三年という期限を付したのも、この期限内に健全な労働慣行が確立されることを期待したからである。しかしながら、法律施行後三年を経過して、電気事業及び石炭鉱業における労使の現状を見るに、まだ健全な労働慣行が十分確立されたとは認めがたい状態にあるということと、この法律が電気事業、石炭鉱業、この二つの産業の有する特殊性並びにその国民経済に対する重要性にかんがみ、公共の福祉を擁護せんとして、社会通念上、争議行為の方法として行うべきでない必要最小限のものを明確にしたものであって、不当に労働者を抑圧しようとしたものではないということを考えあわせ、法律を引き続きなお存続させる必要があるのであって、存続させることについて国会の議決を求めたということであります。
 以上、議案の内容及び政府の提案理由について申し上げたのでありますが、次に、委員会における審議の経過、おもなる質疑の要旨について申し上げます。
 まず、委員会の経過でありますが、社会労働委員会には、御承知のごとくスト規制法存続議決案のほか、健康保険法の一部を改正する法律案を初め、多数の法律案が付託され、また重要な調査案件を持っております。その中には、政府提出の法案で、前国会から懸案になっておったものもあり、また議員提出の健康保険法の一部改正案のごとき、差し迫った重要事案もあります。スト規制法存続議決案が本審査のため委員会に付託されましたのは、去る十一月二十六日夜遅くであり、本委員会の運営に関しましては、すべてあらかじめ理事に諮り、公平円滑に審議が行われるよう努めたのでありますが、当初の委員長及び理事打合会の申し合せでは、この存続議決案の取扱いにつきましては、予備審査中は提案理由の説明を聞くにとどめて、その間、ただいま申し上げましたような他の重要な事案に関して審査または調査をすることといたしまして、木付託になりましてからは、スト規制法存続議決案を主として、これは他の事案をやらないということではないことは、申すまでもないことですが、存続議決案を主としてやるということとし、大体次のような日程で十二月三日まで審議が進められて参ったのであります。すなわち十一月二十四日、存続議決案に関する政府の提案理由の説明を聴取し、十一月二十六日、この議決案が付託されまして後は、十一月二十七日、二十八日、二十九日、連続して同案に対する質疑を行いましたが、二十八日及び二十九日においては、特に鳩山内閣総理大臣の出席を求めて、主として総理大臣に対する質疑を行なったのであります。それから十一月三十日及び十二月一日午前にわたり公聴会を開いて、労使関係者及び学識経験者十六名の公述人から意見を聴取したのであります。さらに十二月一日社会労働・法務連合審査会を、十二月三日社会労働・商工連合審査会を開いて、それぞれ関係各大臣及び政府委員に対して質疑を行い、本案の審議を続けて参ったのであります。
 審議経過は以上の通りでありますが、十二月三日の委員会終了後における委員長及び理事打合会におきましては、翌四日は、午前十時に開会し、スト規制法存続議決案を審査することとし、その申し合せに基いて、十二月四日午前十時過ぎに委員長において開会を宣したところ、自由民主党の安井委員から、劈頭、議事進行について発言があり、「本件の審議につきましては、一つ午前中くらいで質疑を打ち切って、午後三時から討論採決に入る。こういうような段取りをつけていただきたいと思います」)と発言したため、委員会が紛糾いたしましたので、委員長は暫時休憩を宣したのであります。
 次に、委員会及び連合審査会における質疑の内容についてその概要を申し上げます。
 審議経過については、先ほど申し上げましたが、十一月二十七日の社会労働委員会においては、自由民主党及び緑風会所属委員の質疑がなされ、そのあとは、おもに社会党所属委員の質疑がなされましたので、まず、二十七日の自由民主党及び緑風会所属委員の質疑を一括してその要点を述べることとし、次いでその後の委員会の質疑の状況、連合審査会、公聴会について御報告申し上げることといたします。
 十一月二十七日における自由民主党、緑風会所属委員の質疑の第一点は、「政府は、スト規制法の存続を国会に求めるに当って、委員会の審査を省略するようあわせて要求したが、あとになって方針を変更し、審査省略要求書を撤回した。その理由、経過について説明されたい」ということでありましたが、これに対して労働大臣は、「この議決案は、法律上国会において継続審査することを許さないものである。今回の臨時国会は期間が非常に短かい。また、現在大きな労働組合においては秋季闘争をやり、各地で問題が起き、抗議スト等も行われると伝えられている。労政当局としては、一日も早くこのような情勢が安定することが望ましいし、また、議案の内容は、今ある法律をただ存続させようというだけのものであるから、政府としては審査省略を要求した。しかしその後、与野党の折衝により、委員会にかけた方がよいということになり、政府の見解を求めてきたので、その旨を了とし、撤回することに決した」旨、答弁いたしました。
 第二点は、「この法律は、労働者の基本的人権を制約するものであるという意見を述べる者があるが、この点についての政府の見解はいかん」ということでありましたが、労働大臣は、これに対して、「憲法第二十八条に保証する労働者の団体行動権等の規定は、憲法二十九条の財産権の保障に関する規定が、公共の福祉のために制限を受けるということをうたっているのと異なり、何も制限規定がないから、何らの制約を受けるべきものでないと主張する者もいるが、憲法十二条及び十三条の公共の福祉ということは、すべて市民権の自由なる行動に対して一応優先するものである。憲法二十八条の勤労者の団体行動権等は、あとう限り守られなければならないが、この法律で規制している行動は、やはり公共の福祉という立場から、争議行為としてもなすべからざるものであると考える」旨の答弁がありました。
 第三点は、「争議権と公共の福祉の調和の必要性は、電気、石炭の両産業の場合のみに限った問題でなく、他産業にも関連があると思うが、これについて政府はどう考えるか」と質問したのに対して、労働大臣は、「政府としては、いろいろ意見があるが、他産業に拡大する意思はなく、この法律自体も、よき労働慣行が確立したら廃止したい」旨、答弁がありました。
 第四点は、「石炭の場合、労働者は、保安要員を引き揚げることを禁止されているが、経営者に対しては何の義務も課せられておらず、野放し状態であるという意見があり、使用者がロック・アウトを行なった場合に、労働者は労務提供を拒否できるのではないかという意見がある。これについてどう思うか」という質疑があったのでありますが、これに対し、労働大臣は、「わが国では、法律上労働者が争議行為として労務を提供しない場合でも雇用関係は持続しており、かかる関係にある者は、争議行為としてでも溢水やガス爆発等の発生のおそれある行為はできない。職場に戻ることを希望しない労働者が、職を辞して立ち去ることは契約自由の原則により別の話である。経営者は、鉱山保安に関し必要な措置を講ずるよう義務づけられているのであるから、労働者だけが義務をしいられ、片方は野放図であるということはできない。またロック・アウトの場合は、保安要員に対してはロック・アウトをしてないのであるから、労働組合はこれについて労務の提供を拒否し得ない」旨、答弁がありました。
 第五点は、「スト規制法は、その附則で、存続に関し年限を付しているが、今回、政府の出したのは恒久立法とするような形になっている。その理由はいかん」という問いに対し、労働大臣は、「第十五国会に提出した政府原案には期限はつけていなかったが、衆議院の決定もあり、第十六国会には、それを取り入れて、三年の間に労使間によい労働慣行の作られることを期待したのである。今回かかる形で提案したのは、手続に関するこの法律の規定上、期限つきにするには別の立法措置を必要とするからであります。しかし、法律というものは、国会で廃止しようと思えばいつでも廃止できるので、必ずしもこれを恒久化しようとする意図でない」旨、答弁したのであります。
 次は、第六点ですが、「このスト規制法で規制されたような争議行為をあえて行なった場合、労働法上の保護を受けられないとか、その他いろいろ法律上の措置があるが、それ以外、この法律によって組合員の利益というようなものが何かあるのではないか」という質疑に対し、労働大臣は、「この法律に規制されたような行為を争議行為として行なったならば、迷惑をこうむるのは国民大衆であり、それを行なった労働組合は大衆の憎しみを受けることになる。そうしてそれは、せっかく戦後順調に発展してきた労働運動の芽をつみ取るような結果を招くことになり、この法律は、さような悲しむべき事態が発生しないよう、争議行為の正当性の限界を明確にした」と答弁いたしました。
 第七点は、「労働大臣は、しばしばよき労働慣行の確立を期待すると言われるが、よき労働慣行の確立とは、この法律で規制されているような争議行為をやらないという約束が労使間にできることを言うのであるか、それとも違反事実が発生しないような状態をさすのであるか」という質問でありましたが、これに対し、労働大臣は、「労働省としては、本年度、少い予算であるが、労使協議会を作ることを勧奨するため必要な費用を計上し、繊維、電力等の産業では現にそういう催しを作っておる。日本経済の発展いかんは、労働者にとっても、使用者にとっても、共通の利害を有するものであるから、その労使がお互いに話し合い、理解し合う共通の広場を持ち、また、いわゆる経営の倫理化を進めて行こうという意見も出ておるので、そういう事情を総合し、労使間によき慣行が生まれるよう努力している」旨、答弁がありました。
 以上は、二十七日の委員会における質疑応答のおもなものでありますが、次に、二十八日以降行われた社会労働委員会及び法務委員会並びに商工委員会との連合審査会における社会党委員等によるおもな質疑応答について、その要旨を御報告申し上げます。
 質疑の第一点は、「政府は今回の議案を提出するに当って、衆議院のみならず、参議院に対しても委員会の審査省略を求めて来たが、これは手続上違法な措置であり、重要議案の取扱い方としては全く軽率なやり方だった。これについて参議院議院運営委員会で、十一月十五日、委員会の決定をもって、法規的に疑義があるから本要求を撤回するよう申し入れることとし、翌十六日、内閣はこの一要求を撤回したのである。政府はなぜかかる措置をとったのか、また、政府はかかる違法な措置を立法府に対しあえて要求したことについて、いかなる責任を感じているか」という質疑であります。これに対し、総理大臣から、「最初はあれでよいと思ったが、疑義が起きたので撤回した」旨の答弁があり、また、内閣法制局長官からは、「参議院規則の解釈については、従来の取扱いから疑義があったが、あれは予備審査の省略を求めたものではなく、議案が衆議院から参議院に移された際に、委員会の審査省略ということをお願いする趣旨で提出した。しかし、議院運営委員会の勧告があったので取り下げた」旨の答弁がありました。
 第二点は、「総理大臣は日ソの外交関係におけると同様に、内政問題に関し野党と共同の広場を持って話し合うことを歓迎されたが、スト規制法のごとく、勤労者が全面的に反対している法律を存続させるかどうかについて、やはり十分話し合うべきであると考えるがどうか」という質疑でありましたが、これに対して総理大臣は、「関係大臣において、いろいろ配慮があったものと考えるが、事実としては委員会審査省略等の問題で間隙が大きくなったのは残念に思う」旨、答弁せられたのであります。
 第三点は、「新聞の論調は世論の反映であるということについては総理も認められたが、三年前と今日では世論に非常に変化がある。今日の新聞の論調を詳細に検討してみると、三年前と異なり、この存続議決案を無条件で是認しているものはほとんどない。総理大臣はこの事実を認識されているのかどうか」という質疑でありましたが、総理大臣は、「各方面の意見を聞いたが、みんなこれに反対しているとは思わない、新聞は反対しているものもあるし、賛成しているものもある」と答弁いたしましたが、質疑者はこれに納得せず、さらに徹底的に究明したい旨の意見が述べられ、委員長において善処することになっているのであります。
 第四点は、「スト規制法は非常に欠陥の多い法律であるということは、三年前この法律が成立する際、当時これを支持した保守政党においても認められた有力な意見であった。倉石労働大臣は、衆議院労働委員として、この法律の国会における討論に当って、政府はこのような間に合せの立法で満足することなく、」――議長、居眠りしておられますから、注意して下さい。――「政府はこのような間に合せの立法で満足することなく、すみやかに労働政策を確立し、経営者もまた、かくのごとき政治の恩恵に安眠をむさぼることなく、放漫なやり方をしないよう警告を発しておったし、鳩山総理大臣が当時総裁であった日本自由党の委員は、痛烈に吉田内閣の労働政策を攻撃し、こんな法律の存続期間は一年とすべしと言っておる。しかるに、今日に至るも当の鳩山内閣は、何ら労働政策を持たず、しかも、この法律をそのまま恒久化しようとしている現状に対して、総理大臣は一体どう考えるか」という質疑であったのでありますが、総理大臣はこれに対して、「スト規制法は労働者を抑制するものではない、また三年間によき労働慣行ができなかったら、存続の必要がある」旨述べたのでありますが、質疑者はこれに満足せず、さらに問いただしましたが、明確な答弁はなかったのであります。
 第五点は、「企業の数は年々増加し、昭和二十四年に比べると、今日では倍くらいに増加しているが、労働基準法の実施を監督する監督官の数は相変らず二千四百何人かであって増加していない。現在では一監督官が五百の事業所を受け持つという現状であり、監督官の能力の限界から見て、とうてい十分に労働者の保護ができるわけではない。政府は争議行為は抑制するが、労働者の保護政策、賃金問題等についてはどうか」という質疑でありましたが、総理大臣は、「労働基準法の適用については適正な運用をはかるよう努力したい、また賃金の問題については、賃金は労働の対価であり、それによって生活を維持するものであるから、公正な賃金が支払われることが必要である、最低賃金制については労働省で研究中である」旨の答弁がありました。
 第六点は、「スト規制法の立法の目的は公共の福祉を守るためにあるのであるから、電気の例で言うならば、電気の供給がとまらなければ、労務の提供を拒否してもこの法律の趣旨に反しないではないか」と問いただしたのに対し、政府側から、「公共の福祉に反するかいなかは行為の性格によって定まるのである、停電スト等は、当事者が受ける損害より第三者たる国民に迷惑をかけることが多いのであるから、さような行為は性質上許されない。だから、たとえば電気の供給に支障が生じなくても許されず、スキャップ等によって給電が継続されるようなことがあっても、それは偶然の結果であるから、行為の反社会性を変えることはない」旨の説明がありました。
 なお、別の機会でありましたが、これに関連した問題といたしまして、鳩山総理大臣に対し、ある委員から次のような質疑をいたしたのであります。すなわち、「日本中の石炭鉱業の労働者が全部保安要員を出さないというのであれば、公共の福祉に相当関係が出るかもしれないが、ある小さなやまで、局地的に紛争議が起き、そこで保安要員が出なかったからといって、一体公共の福祉にどういう影響があるのか」という質疑がありましたが、これに対し総理大臣は、「公共の福祉に影響があるというような認定がなければ、この法律の適用はないと思う」と答え、重ねての追及に対しては、「ある局地の炭鉱におきましても、保安要員を引き揚げれば、国家資源の維持、職場復帰の可能性の破壊、法益不均衡というような観点から、石炭産業の保安要員の引き揚げは、性質上公共の福祉に影響がある」と補足答弁をしたのであります。総理大臣のこの答弁については、その意味するところが従来の法規解釈に重要な影響を与えるものとして、各委員が追及したのでありますが、間もなくでき上ったこの点に関する速記の内容に関し、各委員から発言があり、結局、委員長は、少くとも重大な疑義がある問題であるから、あらためて総理大臣の出席を願い、この問題について十分審議を尽すということにいたしたのであります。
 第七点は、「争議行為が行われ、そのために国民の経済生活が著しく危険に陥ったというような場合については、労働関係調整法には緊急調整制度があり、内閣総理大臣は、その権限で争議行為を禁止することができるようになっておる。公共の福祉はこれによって擁護できるのであるから、争議権と公共の福祉の調和をはかると称して、特に電気及び石炭の両産業についてだけ、二重に法律をもって規制する必要はないではないか」という質疑があったのでありますが、これに対して内閣総理大臣は、「この法律は争議行為の限界を定めたものであるから必要である」旨を答え、また労働大臣からは、「緊急調整は正当な争議行為により業務が停滞し、それが正常な国民経済に重大な支障を生ぜしめるおそれがあるという場合に関するものであるが、スト規制法は、争議行為としてでもなし得ないような違法な行為を規制しているので、立法の趣旨を異にする」旨、答弁がありました。しかしながら、なお質疑者は、「労働関係調整法による緊急調整で、国民の経済生活に影響のあるような争議は禁止できることになっているから、それで十分であり、何ゆえ国民経済に影響を及ぼさないような小規模のストライキをも禁止するようなスト規制法のごときものを存続させる必要があるのか」と、激しく追及したのに対し、総理大臣は、「労使関係の現状から見て必要である」と答弁したのでありまして、この問題に関する質疑を、次の機会に譲ることといたしたのであります。
 第八点は、「政府は、スト規制法は公共の福祉を擁護するため、電気事業及び石炭鉱業における争議行為について、必要最小限度の範囲で、若干の行為を争議行為としてでもなし得ないよう規制しているだけであって、決して争議権を全面的に剥奪しようなどと考えているものではないと言っているが、これは納得できない説明である。すなわち労働者の行う争議行為とは、労働関係調整法第七条に規定しているごとく、同盟罷業、怠業その他労働者がその主張を貫徹することを目的として行う行為であって、業務の正常な運行を阻害する行為、すなわち発電所に働く労働者なら、電気の正常な供給に障害を生ぜしめるような行為にほかならないはずなのである。もし国鉄における機関車労組のごとく、電気事業関係労務者の中に、発電部門、変電部門だけの労働組合ができたならば、ここに働く労働者には一体いかなる方法の争議手段が残されているというのか。政府は、かかる争議手段の一部について、従来から違法と認められたものを規制するにすぎないというが、これではストライキは一切できないということではないか、全然まる腰で強力な経営者に対抗しろというのと同じではないか」との質疑でありました。これに対し労働大臣は、「日本の労働組合はいわゆる企業別組合で、いろいろな職種の労働者が集まって組織されているから、発電部門以外の他の職種の者が争議行為を行える」旨、答弁したのでありますが、「日本の労働組合法のもとでは、職種別、産業別、企業別等、いかなる形態の労働組合でも自由に組織できる建前になっているのであるから、発電や変電部門だけの組合を組織することも可能である。現実に機関車労組のごときものがあるような状態で、かようなところに働く労働者に対しては、争議権を全面的に剥奪することになる」旨、強調したのであります。
 なお、これに関連して、「争議権を奪えば、これにかわるべき保護的措置を講ずることは当然のことである。たとえば公共企業体等労働関係法、これについては根本的に、特に争議権を剥奪したことに対しては全く賛成できないのであるが、関係労働春から全然争議権を奪いっ放しにできないところから、時の政府は形式的に、これによって労働者の立場を考慮するような形をとって切り抜けてきた。しかるに、発電所労働者に対しては奪いっ放しで、何らの考慮も払われないのは一体どういうわけか」と追及したのであります。
 第九点は、「電気事業の経営者が、石炭が高いため買い入れを怠り、その結果、予定の電力量を確保できないことと、労働力の値段が折り合わないで、そのため労働者が労務の提供を拒否し、その結果、予定の電力量に達しなかったことと、一体どこが違うか。一方が野放しにされ、一方が規制されるという理由いかん」という質疑でありましたが、これに対し政府側は、「スト規制法は争議行為を対象とし、争議行為の目的からいって、やはりやってはいけない行為の範囲を規制しているので、石炭の購入困難の場合とは同じ尺度で比較できない」旨、答弁がありました。
 第十点は、具体的な事例をあげて、次のような点を追及いたしたのであります。すなわち、「福岡県のある石炭会社の経営者が、そこの労働組合との協約で、事業の譲渡合併等、組合の利益に重要な関係のある処分を会社が行うようなときは、組合と協議する旨約束しておきながら、無断で、石炭合理化法に基く買い上げの申請をした。これを知った組合では、会社再建案を作って、経営者に事業の継続を求めたが、経営者はこれを受けつけなかった。しかるに使用者は、石炭鉱業整備事業団の方で組合の了承がなければ買い上げの決定ができないという事情であることがわかると、今度は、この労働者九百人の全員を解雇し、新たに保安要員を雇い入れるという暴挙に出たので、これに対抗する必要上、労働組合は保安要員を引き揚げるほかはないと決定した事例がある。経営者は事業継続の意思なく、買い上げてもらうときの値段を有利にすることの目的にだけ保安要員の提供を組合に求めてきているのに、これでも組合が最後の手段に訴え、経営者の翻意を求めることが、なぜ公共の福祉に反することになるのか、経営者の利益追求にのみ奉仕しなくてはならないのか」と質疑したのに対し、労働大臣は、「かような場合でも、保安要員の引き揚げは許されない」旨、答弁があったのであります。
 第十一点は、「石炭鉱業の場合であるが、経営者は自分の手で他から保安要員を確保し、すでにそこで働いている当該労働組合側の保安要員の就労を拒否することができるにもかかわらず、争議中の労働組合が保安要員の差し出しを拒否することは違法であるとして、これを規制しようというのは、経営者本位の片手落ちの立法と言わなくてはならないと思うがどうか」という質疑でありまするが、これに対して政府委員は、「鉱山保安法の規定では、経営者に、当該労働組合に属する者の保安提供を拒否しても、保安の確保のため必要な措置をとれば同法の違反にならない。それが組合員であることによって不利益な取扱いをしたというのであれば、労働組合法第七条の不当労働行為を構成し、また経営者といえども、保安要員に対するロック・アウトはできないのであるから、さようなことをすることは正当な争議行為とは言えない。また当該労働組合に属する保安要員が、職員組合の者またはその他の者に頼んで保安業務をやってもらい、引き揚げることは、スト規制法第三条にいう正常な保安業務と言えないから、さような行為は違法である」旨の答弁がありました。
 第十二点は、「争議中のため坑内事情が悪化した場合、保安要員が坑内に下ることは非常に危険だから、保安業務につくことができないと拒否することは、スト規制法の違反になるか」との質疑でありますが、通産省の政府委員は、「保安管理者は坑内をそのような状態におくとは考えられない」とし、また労働省政府委員は、「スト規制法に関する限り、この法律は、争議行為の方法を規制しておるのであるから、そのような個々の具体的な事情がほんとうにあるのなら、就労拒否は本法の対象にならない」旨、答弁いたしました。そこで質疑者は、さらに、「それでは坑内がそのような状態にあるかどうかは、だれが認定するのであるか」と質疑したところ、「第一は、直接の保安管理者、次は鉱山保安監督部で、最終的には裁判所の認定による」旨、答弁がありました。しかしこれについては、「今危険が間近に迫っている労働者が切実に訴えているのに、他の者が、それが正しいかどうかなどと責任をもって判断できるか、事故があって、死亡でもした場合、そういう人たちは一体どういう責任を持つというのか」という見解を述べられたのであります。
 第十三点は、「スト規制法施行後の三年間を振り返ってみるとき、労働者の行為による災害の発生はないが、その他の原因によって大きな労働災害がたくさん起きている。政府はこれに対して一体どういう手を打ってきたか」という質疑でありましたが、労働大臣はこれに対して、「労働省としては、さような事態に対しては、通産省に対し警告し、また労働省の所管に関する事項については、基準局を督励して、事故の発生をなくするよう努力したい」旨、答弁いたしました。
 第十四点は、「政府は、スト規制法は、従来から争議行為としてなし得ない行為を宣言的にそのまま規定しただけであって、これによって今まで許されてきた行為を禁止するものではないと説明しているが、これは停電スト等に関する裁判において判示された見解と相違するものであって、誤まりであると思うがいかん」という質疑であります。これは、昭和二十七年秋行われた電産の電源スト、たとえば東北電力大谷発電所事件に関し、去る七月、東京高等裁判所が、第一審が水利妨害罪及び威力業務妨害罪の成立を認め、有罪と判決したのをくつがえし、電源ストが争議行為として正当であること、そのためにストに突入するに当り、会社の発電施設をとめ、一時管理する状態に立ち至っても、正当な争議手段であること等を理由として、無罪の判決を下した例を初め、福岡においても、高知においても、同様の事件に関し、ほとんどすべての判例が、停電スト等を違法ではないと言っているのに、ひとり政府のみが、こういう争議手段は、従来の法秩序のもとで当然許されないのだと言っているのは、独断もはなはだしいではないかと追及したものでありまして、これに対して法務大臣は、「電気事業法違反及び公益事業令違反に問われた事件が、最高裁判所において、実体判断をすることなく、裁判時においてすでに刑が廃止されたものとして免訴の判決を下したことを理由に、判例というのは最高裁判所のものをいうので、実は最高裁のものがないので困っているのだ」と答弁しました。これに対して委員はさらに追及し、「すでに高等裁判所が違法でないと判示しているのに、それもたよりにしてはいけないというのでは、国民は一体何を基準にしたら安定した法律生活を営めるのか」と問いただしたのであります。これに対して法務大臣は、「そのような混乱が生ずることは、国民に迷惑をかけるものであるから、最も正しい方針を明らかにするため、この法律が必要である」旨答えたのであります。
 次に、本議決案の重要性にかんがみ、十一月三十日及び十二月一日の両日にわたり開会した公聴会の状態について申し上げます。
 公聴会には、労働組合、事業主の各代表者、学識経験者等十六名の公述人を招き、本案に対する意見の陳述を求めました。各公述人はみな本案に重大な関心を持ち、それぞれの立場からきわめて貴重な意見の陳述がありました。本法の存続に賛成された諸君は、その理由として、「本法により規制せんとしておる争議行為は、公共の福祉に重大な影響を与えるものであって、元来違法なものであり、争議行為としてでもこれをなすことは不当なことである。今ここで本法を廃止すれば、これらの違法な争議行為が正当適法なるものと誤解されるおそれがあること、また本法施行以来三年間は本法に触れる争議行為が行われなかったから存続の必要はないというが、それは本法があるからであり、さらに実際には、本法において規制している行為とすれすれの争議行為も行われたことがあり、炭労では、保安放棄の指令を出したり、保安放棄は違法でないことを再確認しているような状態であるから、将来に対して安心できない。まだ、本法で期待しているような健全なる労働慣行が、十分確立されているとは認めがたい状態にある」等の理由をあげております。
 これに反して本法の存続に反対された諸君は、その理由として、「本法は、元来憲法第二十八条に認められた労働者の権利を公共の福祉に名をかりて不当に侵害するものであり、特に電気関係の労務の提供拒否等の単独な争議は、それのみでは、現在まで大部分の裁判所の判決によれば無罪となっているから、本法による争議行為の規制は不当なものであり、また本法は、労働者のみに一方的に争議行為を規制している片手落のものであり、特に電源関係の職場の労働者には、争議行為は全く禁止され、これに対しての何らの救済措置も講じられていない。実際電気関係の労働者は、本法施行以来三ヵ年間に、諸般の労働条件は著しく低下した。さらに本法施行以来今日までの三年間に、一回の違反事件も起っていないことは、労働基準法等の違反事件に比較すれば注目に値することである。本法制定当時の目的は十分達せられていると考えるべきである。労使関係も次第に健全な方向に進んでいる事実は何人も否定できないことである。本法を廃止しても、直ちに公共の福祉を阻害するような争議行為が行われるとはどうしても考えられない。本法の存在は、かえって健全なる労使慣行の確立に有害である」等の理由をあげているのであります。
 右の公述人のうち、特に学識経験者として意見を陳述された早稲田大学教授の野村平爾君及び弁護士の沢田喜道君の御意見を御紹介いたします。
 まず、早稲田大学教授の野村平爾君は、「三年前と同様、本法に反対であり、従って本法の存続に反対する。本法は限時法としての性格を持っており、今ここでこれの延長をはかり、その上恒久法とするならば、政府はさらに積極的な理由を示すべきであるのにかかわらず、何ら説明をしていない。しかもこの三年間、本法に触れるべき事件は一件もなかったのであり、炭鉱の場合、保安放棄等の指令は出されたことはあっても、実際にはその危険性は全くなかったのみか、このような指令の出た場合は、すべて経営者側に相当な責があったからである。一方この三年間に、二十七年当時の電気関係における争議に対する判例が出されて、単純な停電ストは違法性がない旨の判示がなされている。公共の福祉に反するため基本的人権を制限できる場合は、本法規定の場合より、もっと程度の高い場合でなくてはならない。さらに政府の言うごとき健全なる労使慣行は、今のごとく労働者の争議行為を制限し、禁止している場合においては育ちようがない。各国の例を見ても、その確立のためには、長い年月を要しているのであり、争議の方法もいろいろこの中から民衆の批判を受け、戦術の転換を行うものであり、国民も労働権を認め、相互にこの権利を尊重するような寛容の精神を養うようになるのである。それにはやはり行動の自由というものを、ある程度認めるという状態において初めて可能になるものであり、よき労使の慣行育成の点から見て賛成できかねる」旨、陳述されたのであります。
 次に、弁護士の沢田喜道君は、「本法を存続することに賛成、本法所定の禁止事項は本質的に違法な行為を規定したものであり、労務提供拒否の範囲を逸脱したもので、法益権衡の原則を破るものである、正常な争議行為は、労使ともに、自己の処分し得る範囲において自由に処分するという限界においてのみ認められるものである。また、電気の場合においては、電源等における労務の拒否は、生産即消費という電気の特殊性よりして法益の権衡をはかるという観点から見ると、本法規制の対象とすることが妥当である。また、石炭鉱業においても、保安を放棄する争議行為は、争議行為によって獲得する利益に比べ、国民経済または国民の日常生活に与える実害の程度が大き過ぎる、前者の利益のために後者の実害を忍ぶことは是認しがたく、さらに、本法を現状に照らしてなお存続すべきと考える理由は、まず、本法を廃止することにより、元来違法であるものを適法と誤解されるおそれがある、現に炭労大会等の確認事項等を考えると、このおそれは十分にある。また、電気関係についてみても、電労が、電産から分離して今日優勢な組合となっているので、電気事業に関する限り違法な争議行為をやる心配はないというが、電労と電産は、目下のところ互いにその勢力の伸張に終始し、労使の交渉の部面においてもたびたび牽制し合っている事態であるから、過去三年間の電労の事態だけをもって将来を安心することはできない。次には、わが国は、国民一般の民主化の底が浅いから、世論をもって不当な争議行為を抑制するほど国民は成長していない。次に、停電スト等の争議行為に対する下級審の判例は現在まだ帰一するところがない、最高裁判所の判例ができるまでは、停電スト等の争議行為は違法性がないということはできない。今ここで本法を廃止すれば、この本法所定の争議行為は、今後適法であるというような観念を関係者に与えるおそれのあることを懸念する」と陳述されたのであります。
 次に、今回の公聴会におきまして特に申し述べたいことは、公聴会の公示に応募された方で、本法の存続に賛成される意味の意見を持ったものとして選出しました京都の土木技術者の河井芳雄君は、次のように、京都を出るまでは賛成であったが、当公聴会に出席して、急に自分の見解の間違っていたことに気がつき、本法の存続に反対するという注目すべき陳述が行われました。その要旨を御紹介しますと、「現在京都に住んでいる一土木技術者でありますが、近く炭鉱に仕事を持つ関係から本法には重大な関心を持っていた、炭鉱労働者が争議行為によりて炭鉱の保安を放棄し、よってこれを放棄破壊するがごとき行為にはとうてい賛成できないと考え、本法の存続に賛成であった。しかし、本公聴会における公述を前に、炭鉱労働者においてそのおそれのないことを知り、一般社会が被害を受けるようなことがないとわかったので、本法の存続の必要はない」旨、陳述がありました。
 以上、委員会及び公聴会等における審議経過に関し御報告申し上げたのでありますが、さらに二、三の点について御説明いたします。
 まず第一点は、委員会の運営についてでありますが、委員長としては、委員会の審議の予定は、すべて委員長及び理事打合会においてあらかじめ十分協議し、円滑に進行するよう努力し、実際においても十二月三日までかかる方針のもとに、きわめて和気あいあいの雰囲気のうちに審議が進められて参ったのであります。しかるに、十二月四日に至り、この日は、スト規制法存続議決案について、午前十時から質疑を続行することが、あらかじめ委員長及び理事打合会において決定されておったのでありますが、開会直後、まだ質疑を始めない前に、突然、自由民主党の安井委員から、議事進行について、午前で質疑を打ち切って、午後三時ごろから討論採決に入る段取りをつけてもらいたい旨の発言があったのであります。私は今までの委員会の運営方針から言えば、かようなことは、当然、委員長及び理事打合会において、事前に協議されるのが物事の順序であると考えておるのでありますが、果せるかな、委員会の審議は紛糾するに至り、休憩するのやむなき結果になったのであります。しかしながら、スト規制法存続議決案のみならず、健康保険法の改正案など重要議案をかかえておる当委員会の委員長としては、その当時まだ残された会期もあったわけでありますから、委員会の審議を軌道に乗せ、十分に審議を尽すことが任務であると考え、四日及び五日の両日、前後四回にわたって委員長及び理事打合会を開き、審議を軌道に乗せるよう努力いたしたのであります。しかし、それにもかかわらず、意見の一致を見るに至らなかったので、やむなく職責を果すため、委員長の職権に基いて、五日午後五時五十分、委員会を開会することとし、所要の手続をとったのでありますが、自由民主党及び緑風会の所属の委員が全員出席しなかったため、所定の定足数に達せず、委員会を開会するに至らず、午後六時二十五分に至り、むなしく流会せざるを得なかったことは、まことに残念なことと言わなくてはなりません。
 第二点として、私はさらに審議を続行することについて努力した理由について、御説明申し上げたいと思います。
 委員会の審議経過について、さきに報告した通りに、重要な点について、まだまだ疑義が解明されず残されておるのであります。たとえば、公共の福祉に影響がない場合、スト規制法の適用がないという総理大臣の発言については、その発言の重大性にかんがみ、さらに総理大臣の出席を願って審議することになっておったのであります。また、世論がこの法律について、三年前と今日では違ってきているではないかという質疑に対する総理大臣の答弁は、事実に反するからというので、さらに究明することになっていたのであります。これらはいずれも今日までそのまま放置されております。しかも総理大臣は、当初、十一月二十八日の社会労働委員会に出席されたとき、社会党の藤田進委員から、「あと会期も余すところ多くないのでありまして、少くとも最終段階においては、ぜひ総理に締めくくりの意味で質疑をいたしたいと考えておりまするから、ぜひ御出席をいただきたい。この点について、どのようにお考えか、お伺いいたします。」という質疑をしたのに対し、鳩山総理大臣は、「私もできるだけ出席いたしたいと思っております。」と答弁し、さらに藤田進委員が、「それでは、最終段階でもぜひ来てくれますね。」と念を押したところ、鳩山総理大臣は、「ええ、そのつもりでおります。」と明確に答えております。従って委員長としては、最終段階において、当然、総理大臣に委員会に御出席を願って、審議をしなくてはならないと考えておったのであります。私が委員会を軌道に乗せて審議を進めたいと思って努力し、十二月五日、職権をもって開会手続をとったのも、実はかような理由があったからであります。
 スト規制法存続議決案が、十一月十二日内閣から国会に提出されたとき、政府が、委員会審査の省略をもあわせて要求したことから、本国会は冒頭から順調な歩みを見せず、短期国会であるにかかわらず、当初の五日間を空費し、結局政府が委員会審査の省略要求書を撤回することによって、十一月十七日に至り正常な審議に返ったことは周知の通りであります。また、参議院の議院運営委員会が、この問題について全会一致で法規的に疑義があるとして撤回を申し入れたことも、すでに御承知のところであります。
 私は社会労働委員会の審議を、慎重かつ条理を尽して順調に進めて参ったにもかかわらず、突如として質疑打ち切りの発言が提出されて紛糾し、しかも与党がその後の委員会に欠席する挙に出たため、審議は中断されたのであります。
 顧みれば、三年前スト規制法が審議されたとき、時の労働委員長が、中間報告を求めらるるような事故がないと主張したにもかかわらず、中間報告を求めて委員会の審議を強引に打ち切ったことがございましたが、今日、再び中間報告を求めるの挙に出られたことは、以上の経過から見て納得できないところであり、本院のため、まことに遺憾にたえない次第であります。(拍手)
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
     ―――――・―――――
#14
○議長(松野鶴平君) 藤田進君から、賛成者を得て、昼食のため暫時休憩することの動議が提出されました。
 これより本動議の採決をいたします。
 表決は記名投票をもって行います。本動議に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 氏名点呼を行います。議場の閉鎖を命じます。
  〔議場閉鎖〕
  〔参事氏名を点呼〕
  〔投票執行〕
#15
○議長(松野鶴平君) 投票漏れはございませんか。……投票漏れないと認めます。
 これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
  〔議場開鎖〕
  〔参事投票を計算〕
#16
○議長(松野鶴平君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数  百七十八票
  白色票    六十六票
  青色票    百十二票
 よって本動議は否決せられました。(拍手)
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名     六十六名
      大矢  正君    森中 守義君
      北村  暢君    横川 正市君
      鈴木  強君    藤田藤太郎君
      相澤 重明君    松永 忠二君
      占部 秀男君    鈴木  壽君
      大河原一次君    伊藤 顕道君
      坂本  昭君    木下 友敬君
      平林  剛君    岡  三郎君
      亀田 得治君    秋山 長造君
      久保  等君    柴谷  要君
      大和 与一君    安部キミ子君
      近藤 信一君    千葉  信君
      大倉 精一君    竹中 勝男君
      田畑 金光君    吉田 法晴君
      中田 吉雄君    荒木正三郎君
      河合 義一君    江田 三郎君
      藤田  進君    島   清君
      野溝  勝君    三木 治朗君
      岡田 宗司君    岩間 正男君
      阿部 竹松君    安部 清美君
      松澤 靖介君    光村 甚助君
      鈴木  一君    湯山  勇君
      加瀬  完君    椿  繁夫君
      阿具根 登君    海野 三朗君
      中村 正雄君    矢嶋 三義君
      小林 孝平君    成瀬 幡治君
      永岡 光治君    松浦 清一君
      天田 勝正君    高田なほ子君
      東   隆君    小酒井義男君
      羽生 三七君    曾禰  益君
      栗山 良夫君    山下 義信君
      清澤 俊英君    棚橋 小虎君
      内村 清次君    山田 節男君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名     百十二名
      前田 久吉君    早川 愼一君
      中山 福藏君    豊田 雅孝君
      田村 文吉君    林田 正治君
      中野 文門君    村上 義一君
      廣瀬 久忠君    大谷 贇雄君
      川口爲之助君    島村 軍次君
      北 勝太郎君    石井  桂君
      伊能 芳雄君    加藤 正人君
      梶原 茂嘉君    加賀山之雄君
      堀末  治君    有馬 英二君
      苫米地英俊君    近藤 鶴代君
      上林 忠次君    藤野 繁雄君
      谷口弥三郎君    新谷寅三郎君
      杉山 昌作君    後藤 文夫君
      一松 定吉君    井上 知治君
      本多 市郎君    草葉 隆圓君
      仲原 善一君    成田 一郎君
      堀本 宜実君    前田佳都男君
      松村 秀逸君    手島  栄君
      鈴木 万平君    柴田  栄君
      塩見 俊二君    大谷藤之助君
      大沢 雄一君    西川弥平治君
      重政 庸徳君    白川 一雄君
      高橋  衛君    土田國太郎君
      斎藤  昇君    雨森 常夫君
      永野  護君    迫水 久常君
      三木與吉郎君    田中 啓一君
      横川 信夫君    木島 虎藏君
      安井  謙君    関根 久藏君
      秋山俊一郎君    岩沢 忠恭君
      三浦 義男君    高野 一夫君
      宮田 重文君    小柳 牧衞君
      植竹 春彦君    石原幹市郎君
      黒川 武雄君    中山 壽彦君
      泉山 三六君    平井 太郎君
      小林 英三君    大野木秀次郎君
      寺尾  豊君    大谷 瑩潤君
      高橋進太郎君    伊能繁次郎君
      武藤 常介君    西田 信一君
      稲浦 鹿藏君    吉江 勝保君
      平島 敏夫君    後藤 義隆君
      勝俣  稔君    西岡 ハル君
      宮澤 喜一君    吉田 萬次君
      横山 フク君    榊原  亨君
      佐野  廣君    青柳 秀夫君
      山本 米治君    寺本 廣作君
      剱木 亨弘君    小幡 治和君
      小滝  彬君    館  哲二君
      郡  祐一君    西郷吉之助君
      小林 武治君    紅露 みつ君
      木暮武太夫君    石坂 豊一君
      下條 康麿君    野村吉三郎君
      川村 松助君    笹森 順造君
      杉原 荒太君    青木 一男君
      木村篤太郎君    吉野 信次君
      江藤  智君    田中 茂穂君
     ─────・─────
#17
○議長(松野鶴平君) ただいまの中間報告に対し質疑の通告がございます。順次発言を許します。大河原一次君。
  〔大河原一次君登壇、拍手〕
#18
○大河原一次君 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま行われました千葉委員長の中間報告に対しまして、二、三の質問を申し上げたいと存じておる次第であります。
 ただいま委員長の中間報告を聞きまして、委員会における審議の経過と結果、並びにスト規制法案の持つ諸般の疑点について、いろいろと説明が行われましたのでありまするが、委員長の報告をしさいに検討いたしますときに、まだまだ疑点が残っておるやに考えられますので、その点を申し上げたいと考えておるのであります。
 思うに、言うまでもなく、スト規制法延長議決案は、第二十五国会における与野党論争の中心であり、これが帰趨については広く国民の注目しておるものであることは、今さら論議の余地のないところであると考えておるのであります。従いまして、この議決案の取扱いは慎重に慎重を重ね、これが審議に当っては一点の疑いもないほどまでに徹底的に究明され、事理を明らかにするのが国会の任務であり、議会政治の正しいあり方であると確信しておるのであります。しかるに私の深く遺憾とするところは、政府与党は当初から採決のみにあせり、まじめに法案審議に取り組むところの熱意が欠如しておったのではないかと思うのであります。
 従いまして、まず第一点に委員長にお尋ねいたしたいことは、社会労働委員会における審議は十分に尽されたものであるかどうかということであります。もし十分に審議が尽されていないという点があるならば、一体その原因はどこにあるかということを、委員長に十分にお伺いしたいと思うのであります。
 さらに第二点といたしましては、この法案存続の理由でありますが、さきに倉石労働大臣は、その存続理由として、いわゆるこの法案を存続せしめなければならないというその理由といたしまして、すなわち労働慣行は、これは倉石労働大臣が言われておる言葉であります。「労働慣行は徐々に成熟の方向を歩んでおるようであるが、いまだ十分とは言えない。すなわち炭鉱の場合においては、一部組合の中から保安要員の引き揚げという指令が出され、あるいはその一歩手前で食いとめられたという事実があるから、これが万全を期するためには、依然としてこの法律が必要である」というようなことを、まことしやかに言われておるようでありまするが、すなわち、問題はここにあるのであろうと私は考えております。私は過ぐる二十四国会におきまして、わが党の多賀谷真稔君の質問に答えて、このようなことが言われているのを私は記憶しておるのであります。それはすなわち、労働大臣は、「私は労働関係法というもの人間対人間、人と人との関係を規制するものであるから、やたらに法律や規則をもってこれを縛るということは、私の望むところではない」ということをはっきり言われておることは、皆さんも御承知の通りであると考えておるのであります。さらにまた倉石労働大臣は、「炭鉱の場合には、このような法律がなくても別な法律があるから、それによって取締ることができるのであって、いわば屋上屋である」というようなことを言われていることも私は記憶しておるのであります。そしてその中で、「労働慣行というものは、何といっても労使の自主的な解決によって、あらゆる労働問題は、両者の自主的な解決のこの積み上げによって、いわゆる近代的な労働慣行が成熟されるものである」ということを、それとなく倉石労働大臣は、はっきり一言っているのであります。すなわち労働慣行の成熟に当っては、まず労組、資本家、経営者の自主的な解決の積み上げであるということが、それとなく言われていることは今申し上げた通りでありますが、従ってやたらに法律によってこれを拘束するということは、真の労働慣行の成熟にはならないと私は考えておる一人であります。むしろ、このような法律をもって規制することによって、労使の対立を激化せしむるであろうということが私は強く考えられるのであります。およそ一国の政治が、曲りなりにも民主的な方向がとられておる社会におきましては、社会におけるところのいわゆる立法行為というもの、立法の建前というものは、すなわち犯罪や罪悪が行われるということを予想し、これを前提として立法されるべきものではないと私は考えております。法違反や、あるいはまた犯罪が出ないような、そういう政治や政策を確立するという、そういう建前に立たなければならないと私は考えておるのであります。今日の現状を見ますると、残念ながら政治の貧困からくる法違反が跡を断たない。こういう現状であることは世論がひとしくこれを認めておるところでございます。その他法違反が、今日まで絶え間なく行われているこの現状において、三年間という長い期間において、いまだかつて一度も、この法律に違反したということのないこの事実は、まさに驚くべき事実であると考えております。私はかつて経営者の方々、経営者団体の名前は忘れましたけれども、労働組合は、いわゆる一つの団体である。こういう団体は、ややもすると法違反を犯すものであるというふうなことをそれとなく言われておりまするが、私は反対に考えておるのであります。ところが経営者の方々は、団体行動の中に行き過ぎがあり、法違反を常に犯すものであるということを断定されておるようでありまするけれども、そういうことの場合に立って考えるならば、今日、三年間の間に、労働組合の中から法違反が行われていなかったというこの事実は、私は重視しなければならない。従って今後のこの法案を存続するかどうかについては、これは大きな重要なるところの要素でなければならないと考えておるのであります。先ほど倉石労相の言葉を引用して申し上げましたけれども、すなわち私は、労働関係というものは、やたらに法律規則で縛るべきものではない、こういう言葉と、全く矛盾すると思うのであります。こういう法案の存続の決定に当っては、この重要な問題が十分に論議されたかどうか、特に今後、この法案存続に当って、重要な今日の社会情勢、そうしたものを十分に取り上げられて、そうしてその中で、労働情勢の中で、こういう、三年間におけるところの法違反が行われていなかったというこの事実を中に含めて、十分な論議がされたかどうかということについて、私は御説明を願いたいと思いますし、特にこの法案存続を強く主張されておるところの自民党の方々のいわゆる社会労働常任委員会の方々が、どのような論議をなされたかということ、意見が述べられたかということも、あわせて御説明を願いたいと存じておる次第であります。これが私の第二の質問であります。
 さらに私は、第三点の質問を申し上げたいと考えております。政府は、もし炭鉱の場合において、組合の指令するところの保安要員の引き揚げが行われた場合は、人命に危害を与え、国の資源を滅失し、公共の福祉を阻害することになるからと言われておりまするが、私にはこのような事態は考えられないところであります。仮定のことを申し上げて、はなはだ恐縮であると考えておりまするが、もしかりに、二、三の組合の指令によって、二、三の炭鉱が実質的に保安要員の引き揚げが行われたということを想定した場合において、果して人命に危害が与えられるような、そういう事態が起きるのであるかどうかということを申し上げたいと考えておりまするが、これは全然ないということであります。保安要員が引き揚げられるということは、当然いわゆる坑内に働いておる方々が全部引き揚げられ、同時にまた電気や、あるいはまた排水その他の問題については、表の方からいろいろな設備が作られておるのでありまするから、全然人命には危害がないということは、現場の現状をわかっておる方々は、十分に認識がいかれると思うのでありまするが、全然さような事態はない。ただ起り得るのは、いわゆるこのことによって炭鉱が水没し、あるいはまた、そのことによって資源が滅失するということは、これはあり得ると考えておりまするけれども、しかしながら、この問題、二、三の、もしかりに事実このようなことがあったということを私は申し上げるよりかも、むしろこのことによって、公共の福祉が阻害されるというふうに断定されるならば、私はあえて申し上げたい。
 そればすなわち、かつて、御承知のように炭鉱の国家管理ということが取り上げられました。昭和二十三年であると記憶しております。すなわち当時、片山内閣の傾斜生産方式が取り上げられまして、炭鉱国管ということが取り上げられました。当時の民主党でありまするか、その方々が非常に反対されまして、炭鉱国管を主張するものは国賊であるとまで、強く取り上げられまして反対されましたが、この炭鉱国家管理法が作られまして、当時のいわゆる石炭増産に邁進しなければならないということで、炭鉱国家管理法というものは、実質的には増産法になったということまで言われておるのであります。このような炭鉱国家管理、すなわち傾斜生産方式がとられたのでありまするが、後におきまして、このような炭鉱国家管理は、経営権の侵害であると断定されました。経営権の侵害であるからということが第一番の要点になりまして、この法律が最終的にはなくされました。傾斜生産方式から集中生産方式がとられたことは、皆さん御承知の通りであると考えております。このことによりまして、かつてありました炭鉱のいわゆる配炭公団がなくされたために、中小炭鉱は、配炭公団の買い上げにならぬということも取り上げられました。私は数字を用意しておりませんから申し上げませんけれども、数多くの炭鉱が、数百の炭鉱がなくなりまして、同時にまた、十万に近いところの北海道、九州、常磐から失業者が出されまして、このことによりまして、社会不安が助長されましたことは皆さん御承知の通りであります。とにかく先にこのような政治の方式がとられたために、炭鉱が政府の意思によってつぶされ、このことによって公共の福祉はまさに阻害されたと言っても過言ではございません。さらにその後、二十六年におきまして、朝鮮動乱のはね返りの中から、これまた数多くの炭鉱がつぶされ、数多くの失業者が街頭にほうり出されました。そのことによって、一方におきましては、失業者の増大によるところの社会不安がかもし出され、一方においては数多くの炭鉱が埋没され、しかもそのことは資本家の、あるいは経営者の利潤追求からくる問題であります。思うようにもうけがないという場合においては、彼らの自由意思によって、資本家や経営者の自由意思によって、この国家資源である炭鉱が勝手につぶされていったのであります。
 こういうことを思い合して考えましたときに、一、二の炭鉱において、保安要員の引き揚げが公共の福祉に反するものであるからということで、これを強く一方的に法律によって規制をし、先ほど言ったような、労働慣行を無視するような状態をとっておりながら、一面において経営者のいわゆる放恣、自由勝手なこの意思をそのまま認めて、国家資源を埋没せしめて、公共の福祉を阻害するような、こういう事態に追い込んでおる、この事態に対して何らの法的な措置もとられていない。政治政策においても何らかの方式がとられていない。場合によっては、中小炭鉱の融資の道を考えておるなんて言っておられまするけれども、今日、中小企業に対する融資はほとんどなされていないというような現状にある。最終的には企業の診断を行う。企業の診断を行なって、本当に融資を受けるものは、わずかの数にしか上らないというような、こういうような方式がとられておるのであります。こういうことを考えましたときに、このような一方的な、片手落ち的な、いわゆる法の措置というものは、とうていわれわれは考えることができないのであって、まさに一方的な、政府と資本家の間に結びつけたところの考え方に立った法の制定であるというふうに考えておりまするが、この点、こういう片手落ちな方式が十分に委員会の中で論議されたかどうかということについて、私は第三点の質問として申し上げた次第であります。
 さらに私は、最後に申し上げたいのは、私は社会労働常任委員ではありませんから、委員会の空気は十分に了承しておりません。ただ二言申し上げたいことは、たまたま政府で口にすることは、すなわち労働者のいわゆる基本的権利を要求すること、いわゆる権利の追求ということと、公共の福祉ということとは、何か相離れた、相反したもののように考えられておるのであります。いわゆる権利の要求と公共の福祉というものは、相対立する観念であるかのような印象を私は承わっておるのでありまするが、私をして言わしむるならば、そうではなくて、一人々々の労働者、一人々々の人間の権利、人権が要求され、そのことによって幸福が追求されること、むしろそのことが、公共の福祉に合致するものであると私は考えておるのでありますが、その点についても十分な論議がかわされたかどうかについて、私は御質問申し上げたいと考えておるのであります。
 以上、雑駁でありまして、きわめて常識的な質問であったかもしれませんけれども、このきわめて常識的な私の質問は、しかしながら、一方においては、今後あらためてこの法律を継続せしめるかどうかに当って、重要な要素になっていると私は考えておりますので、以上、十分に御説明下されることをお願い申し上げる次第であります。(拍手)
  〔千葉信君登壇、拍手〕
#19
○千葉信君 大河原議員に対してお答えを申し上げます。
 御質問の第一点は、スト規制法の性格と審議の経過についての委員長の所感を求めるとのことでございます。本法は、第十六国会におきまして、本院で審議の際から、すでに労働者の人権を不当に侵害する憲法違反の疑いあるものとして問題になっておったことは御承知の通りであります。何よりもその証拠には、たとえば電気関係においての停電、電源ストの場合、単純な職場放棄は、現在までの裁判所の判例では、一、二の例外はありますが、ほとんど違法性がないと判示されております。
 審議の経過も、中間報告で申し上げました通り、不当な質疑打ち切りが出たため波乱を生じましたが、まだ審議すべきことも多く残されているので、このことについては、与党の理事といえども認めざるを得ないところであると存じますし、また鳩山首相も委員会に出席をして御答弁に当られるという約束をしておりますので、この中間報告を機会に再び軌道に乗せ、十分慎重な審議を続けたいと思うのであります。(拍手)このまま本会議で質疑を行うようなことがあっては絶対ならないと存じます。(「その通り」と呼ぶ者あり)
 御質問の第二点は、スト規制法を今日でもなお存続を必要とするかどうかについて、十分な審議を行なったかという御質疑かと存じますが、この点に関しましては、現在の労働組合の実情、実際の世論、三年間本法に違反した事実がないこと及び裁判所の判決、その他公聴会における公述人の陳述に関連して、十分審議をしなければならないと存じますが、残念ながらまだ今十分な審議をしておらないことは、はなはだ遺憾でございます。
 御質問の第三点は、石炭鉱業においては、労働者は、小炭鉱でのわずかな保安要員引き揚げでも、公共福祉に重大な影響があるとしてこれを禁止して、一方経営者側は、自己の利潤追求のためには廃山も平気で行なっている点に関して、十分な審議を行なったかということであったと存じますが、この点に関しましても、委員会におきましては、鳩山総理大臣、倉石労働大臣並びに石橋通産大臣等に質疑を行いましたが、必ずしも統一ある答弁が得られず、炭鉱の実情をへ全く御存じのない状態で、また電気事業につきましても同様な状態で、そういう状態での答弁もありまして、政府の統一ある答弁を求めて、今後さらに具体的事例と本法との関係を明白にするため、さらに委員会において十分審議すべきであると考えておる次第でございます。
 以上、お答えいたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#20
○議長(松野鶴平君) 大矢正君。
  〔大矢正君登壇、拍手〕
#21
○大矢正君 私は、参議院本来のあり方を忘れて、言論の府であるこの国会、この参議院という、こういう立場を忘れて、多数の暴力をもって強引に求められました千葉委員長に対するただいまの中間報告に対し、社会党を代表いたしまして質問をいたすものであります。(拍手)
 質問の第一点は、去る三日まで私も社会労働委員会の一員といたしまして、本案審議に参加をいたして参ったのでありますが、この委員会を通じまして考えましたことは、このような委員会の質疑の内容をもってして中間報告を求め、あるいは委員会の審議を打ち切るならば、将来この法律の運営、あるいはこの法律の実施に際して、非常に多くの疑義が残り、このことによって国民の多くに、炭鉱の労働者や、あるいは電気産業の労働者が迷惑を及ぼすのではなくて、自民党や、ないしは政府のこの運営によって迷惑を及ぼす結果になるのではないかと考えまして、この点に対して、千葉委員長の説明を求めたいと思うのであります。
 私は去る二十九日の委員会におきまして、鳩山総理に対し、大要次のごとき質問をいたしました。「政府が本法延長の基礎として考えているものは、公共の福祉である、こういう立場から、この法律の適用をされる炭鉱を考えてみた場合に、今までの政府の行なってきた施策を考えてみても、必ずしも炭鉱すべての資源や、あるいはその他一切の人命を含めた内容を擁護しておるとは考えられないのではないか。去る国会においては、合理化法案を提出して、むしろ炭鉱をつぶしていっているというこの現状から考えて、少くとも全部の炭鉱が、一斉に保安要員の引き揚げや差し出し拒否という事態が起った場合においては、なるほどこれは当然政府の言う通りに、公共の福祉ということに該当をし、公共の福祉に影響を与えるという結果になるかもわかりませんけれども、一、二の炭鉱において、保安要員が引き揚げられた、あるいは差し出しが拒否をされたからといって、そのことによって国民に重大な影響を与え、国民の福祉にこれまた影響を与えるというような結果は出てこないのではないか」という私の質問に対し、鳩山総理は、「それは公共の福祉に影響があるというような認定がなければ、この法律は適用はないと思います」という答弁をいたしておるのであります。もし、この鳩山総理の答弁をして今後のこの法の運用や解釈に当てたといたしますれば、私どもは非常に多くの混乱が残るであろうと思いまするし、巻き起るであろうと判断をいたすものであります。私はこのような立場からいたしてみましても、まだまだ委員会においては解明をされなければならない数々の点がありまするので、当然社会労働委員会において、再びこの法律の具体的な解明に対する論議をすべきであると、かく考えるが、この点に対する千葉委員長の回答をお願いをいたしたいと思う次第であります。
 次に第二点といたしましては、去る三十日、さらにまた一日と、二日間にわたりまして公聴会が開会をされました。この公聴会を開催した趣旨というものは、各公述人の意見を十二分に参考に供し、この意見によってこの法律をどう判断すべきであるか、あるいはどのように処理をすべきであるかというように考えるのが当然だと、私どもは思っておったのであります。ところが不幸にいたしまして、この公聴会開会以降において、社会労働委員会を開催されておらないのであります。私はこの公聴会に出られた公述人各位に対しましても、何ら公述人の意見を社会労働委員会の中において論議をせずして、この法案が中間報告を求められるということは、非礼もはなはだしいと考えるのであります。少くともこの公聴会におきましては、非常に有益な公述人の意見を私は聞き取ることができました。たとえば、この法律は憲法の違反になるのではないかという意見もありました。あるいはまた、政府の言う公共の福祉という、こういう立場だけですべての問題を処理する、具体的には、労働基本権というものを一切侵害するという、こういうような立場は再考慮すべきではないかという意見もありました。あるいはまた、高級あるいは下級各裁判所におけるところの判例というものは、そのほとんどが無罪ないしは却下という内容になっておるということも、十分熟知することができたのであります。あるいはまた、この法律が三年前において論議されました折は、三年たった以降においては、この法律は当然これはやめるべきであるという趣旨が、法律制定の当時にはあったというような意見もございました。あるいはまた、この法律はあまりにも経営者を擁護する結果になるという意見もありました。これは単に当日出席をした労働者のみが、かく答えておるのではなくて、公平な学者がこのように答えておるのであります。あるいはまた、保安要員を引き揚げた、だからこの法律は必要なんだということを、経営者やあるいは自民党の諸君はよく言うけれども、実際的にこの法律ができた以降において、保安要員が引き揚げられて、果して事故があったかどうかということに対しては、絶対、事故が起っておらないということを、この公聴会の中において明確にされておるのであります。あるいはまた、この法律ができて以降において、労働者の全体的な水準はどのようになっておるかということに対しては、この法律ができて以降は、明らかに労働者の労働条件というものは低下をいたしておるということも、明瞭に公述人の意見を通じて明らかにされたのであります。私は、このようにして非常に多くの公述人の意見を拝聴いたしまして、これは当然この意見を基礎として、社会労働委員会において、もっともっと真剣な論議をし、そうして一方的に労働者のみを束縛し抑圧するような法律であった場合には、いかようにしてそういう人々の立場を擁護するかという点においても、論議をすべき必要性があることを痛感をいたしたのであります。私は単にこれだけではありません。まだまだ数多くの貴重な意見を拝聴をいたしました。従って、こういうような貴重な意見を何らそんたくすることなく委員会を打ち切ろうとする、こういう考え方や、あるいは判断に対しては、もちろん反対をいたすものでありますと同時に、非常に貴重な時間をさいてこの公聴会に出られた公述人の各位に対して、まことに非礼きわまりないものであると、かく考えるが、千葉社会労働委員長のお考えはどのようなものであるかということを、第二点としてお伺いをいたしたいと思うのであります。(拍手)
 次に第三点といたしまして、私は、二十七日に本法案が参議院に回りまして以降、社会労働委員会の中で論議をいたしましたその審議の時間というものを調べてみましたところが、合計八時間しかないのであります。わずか八時間の時間をもって、これで委員会の論議が事足り得るという考え方が、自民党の諸君や、あるいは緑風会の諸君の中にあるように私は判断をするのでありますが、もしそうだといたしまするならば、これはあまりにもひどい仕打ではないか。少くとも国会議員に本来与えられたわれわれに対する審議権の放棄にもなるのではないかと、私は考えるのであります。この法律というものは、少くとも非常に多い幾十万という労働者に対し、今後とも多大の影響ないしは生活を根底からゆすぶるような重大な内容を持った法律でありまするがゆえに、やはり私は、もっともっと委員会において審議をいたしまして、明確に論議の焦点を明らかにすると同時に、この内容を国民一般に周知させ、その中で正しい採決をこの議場においてすることのみが、私ども参議院に課せられた任務であると私は考え、このことに対する千葉委員長の判断をお願いいたしたいと思う次第であります。
 以上をもちまして私の質問を終ります。(拍手)
  〔千葉信君登壇、拍手〕
#22
○千葉信君 大矢委員の御質問に対してお答えいたします。
 御質問の第一点は、鳩山総理の答弁で、法律に対するその解釈に疑義が起きているので、このままでは国民に混乱を与えるから、もっと論議を尽すべきではないかとのことでございますが、全く御意見の通りで、先ほど私が申し上げましたように、総理は最終の総括質問に出席をして答弁されることを約束しておりますし、当然私はこの点が十分明確にされるはずであると考えたのでございます。私は委員会の紛糾後におきましても、数回にわたり、委員会の開会のために努力をいたしましたことは、先ほど申し上げた通りでございますが、与党並びに緑風会の方々の御協力が得られないままに、とうとうこの重要な問題についての質問も行うことができないで、そして法の適用の限界について、重大な疑惑と混乱を残したまま今日に至りましたことについては、衷心より遺憾に存じている次第でございます。
 御質問の第二点は、公聴会を開催して、その後委員会を開かないのは、公述人に失礼ではないかとのお話でございますが、ごもっともでございまして、私ども日程作成上の関係から、公聴会における公述人の御意見等を十分参酌して、そしてその公述人の方々、たとえば労働組合の関係の諸君、事業主あるいは学識経験者等、この案件に重大な関心をお持ちになっておられるそれぞれの立場からのきわめて貴重な意見、しかもその御意見を承わって、なお、先ほど申し上げましたように、公述人河井君のことにつきましては、先ほどふれましたけれども、このほかの公述人の方々からも、私どもは全く知らない事実、非常にこの問題に重要な関係を持っている幾多の事実を陳述されまして、そこで私どもとしては、こういう事実に基いて、なお、具体的に法の解釈について疑義をただすことが、私どもの義務であり、同時に責務であるということを痛感したのでございますが、そういう点について、とうとう触れることなしに今日に至りましたことを、まことに申しわけない次第であると考えておるのでございます。
 御質問の第三点は、社会労働委員会での審査が、あまりにわずかな時間では、国民に対して申しわけないではないかとのことでございますが、御意見の通りでありまして、今期国会は、もちろん短期の臨時国会であります上、御承知のように、提案の際、政府は委員会の審査省略要求という暴挙に出られましたために、衆議院は混乱を続けて貴重な数日を空費しましたことは、すでに御承知の通りでございます。しかもまだ参議院におきます審議については、三日間というようなかなりの余裕があり、もしも慎重に、真剣にこの日程を利用することになりますと、私どもとしては、これらの疑点について十分国民の納得を得るような審議ができるという、その日程が、突如として行われましたあの動議によりまして――私どもは動議とは考えておりません。ああいう動議は、形の上からも内容からも動議ではないと私は考えております。しかもそういうものを突如として全く一方的に出してきたことによりまして、今日の事態になり、日数でもないならとにかく、日数があるのに今日に至り、しかも特に現在の段階に至りましては、会期も延長されたというような、こういう事実については、私どもさらにこの法律案についての疑点を、その期間を有効に利用して、委員会において審議をしなければならない。本会議等におきまして、全くおざなりの答弁に終始して、あとは野となれ山となれという格好の答弁で、それで一体真剣にその疑義が究明されるかどうかということは、すでに私ども期待を持てないことは御承知の通りであります。私は委員長といたしましても、その責務の点から言いましても、国民の期待に反しない慎重なる審議を今後も行うべきであるという意見を、この際、率直に御答弁申し上げたいと思う次第でございます。(拍手)
     ―――――・―――――
#23
○議長(松野鶴平君) 宮田重文君外一名から、成規の賛成者を得て、質疑終局の動議が提出されております。
 これより本動議の採決をいたします。本動議の表決は記名投票をもって行います。本動議に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 氏名点呼を行います。議場の閉鎖を命じます。
  〔議場閉鎖〕
  〔参事氏名を点呼〕
  〔投票執行〕
#24
○議長(松野鶴平君) 投票漏れはございませんか。……投票漏れないと認めます。(「まだある」と呼ぶ者あり、投票を執行)……投票漏れないと認めます。
 これより開票いたします。投薬を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
  〔議場開鎖〕
  〔参事投票を計算〕
#25
○議長(松野鶴平君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数  百八十六票
  白色票    百十六票
  青色票     七十票
 よって質疑は、終局することに決しました。(拍手)
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名      百十六名
      前田 久吉君    早川 愼一君
      中山 福藏君    田村 文吉君
      林田 正治君    中野 文門君
      竹下 豐次君    大谷 贇雄君
      川口爲之助君    島村 軍次君
      北 勝太郎君    小沢久太郎君
      石井  桂君    井上 清一君
      伊能 芳雄君    加藤 正人君
      梶原 茂嘉君    堀  末治君
      苫米地英俊君    上林 忠次君
      藤野 繁雄君    西川甚五郎君
      谷口弥三郎君    新谷寅三郎君
      杉山 昌作君    後藤 文夫君
      高瀬荘太郎君    一松 定吉君
      井上 知治君    本多 市郎君
      鶴見 祐輔君    草葉 隆圓君
      仲原 善一君    成田 一郎君
      堀本 宜実君    前田佳都男君
      松村 秀逸君    手島  栄君
      鈴木 万平君    柴田  栄君
      塩見 俊二君    大谷藤之助君
      大沢 雄一君    西川弥平治君
      重政 庸徳君    白川 一雄君
      高橋  衛君    土田國太郎君
      斎藤  昇君    雨森 常夫君
      三木與吉郎君    横川 信夫君
      木島 虎藏君    安井  謙君
      関根 久藏君    野本 品吉君
      秋山俊一郎君    岩沢 忠恭君
      三浦 義男君    小柳 牧衞君
      木内 四郎君    青山 正一君
      堀木 鎌三君    左藤 義詮君
      植竹 春彦君    石原幹市郎君
      黒川 武雄君    重宗 雄三君
      苫米地義三君    中山 壽彦君
      平井 太郎君    小林 英三君
      寺尾  豊君    大谷 瑩潤君
      伊能繁次郎君    武藤 常介君
      西田 信一君    稲浦 鹿藏君
      吉江 勝保君    後藤 義隆君
      勝俣  稔君    小西 英雄君
      佐藤 清一郎君    西岡 ハル君
      宮澤 喜一君    吉田 萬次君
      横山 フク君    榊原  亨君
      佐野  廣君    青柳 秀夫君
      白井  勇君    山本 米治君
      松平 勇雄君    寺本 廣作君
      剱木 亨弘君    小幡 治和君
      小滝  彬君    館  哲二君
      郡  祐一君    西郷吉之助君
      小林 武治君    紅露 みつ君
      木暮武太夫君    石坂 豊一君
      下條 康麿君    野村吉三郎君
      川村 松助君    笹森 順造君
      林屋亀次郎君    杉原 荒太君
      青木 一男君    木村篤太郎君
      吉野 信次君    江藤  智君
      田中 茂穂君    天坊 裕彦君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名      七十名
      大矢  正君    森中 守義君
      北村  暢君    横川 正市君
      鈴木  強君    藤田藤太郎君
      相澤 重明君    松永 忠二君
      占部 秀男君    鈴木  壽君
      大河原一次君    伊藤 顕道君
      坂本  昭君    木下 友敬君
      平林  剛君    山本 經勝君
      亀田 得治君    秋山 長造君
      久保  等君    柴谷  要君
      大和 与一君    安部キミ子君
      近藤 信一君    千葉  信君
      戸叶  武君    大倉 精一君
      竹中 勝男君    田畑 金光君
      吉田 法晴君    中田 吉雄君
      荒木正三郎君    松澤 兼人君
      河合 義一君    江田 三郎君
      小笠原二三男君    藤田  進君
      島   清君    野溝  勝君
      松本治一郎君    三木 治朗君
      岡田 宗司君    岩間 正男君
      長谷部ひろ君    阿部 竹松君
      安部 清美君    松澤 靖介君
      光村 甚助君    鈴木  一君
      湯山  勇君    加瀬  完君
      椿  繁夫君    阿具根 登君
      中村 正雄君    矢嶋 三義君
      小林 孝平君    成瀬 幡治君
      永岡 光治君    松浦 清一君
      天田 勝正君    高田なほ子君
      東   隆君    重盛 壽治君
      小酒井義男君    羽生 三七君
      曾禰  益君    栗山 良夫君
      山下 義信君    棚橋 小虎君
      内村 清次君    山田 節男君
     ─────・─────
#26
○議長(松野鶴平君) 安井謙君外二名から、賛成者を得て、社会労働委員長から中間報告があった電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律附則第二項の規定により、同法を存続させるについて、国会の議決を求めるの件は、議事日程に追加し、直ちにその審議を進めることの動議が提出されました。(「反対々々」「だめだ、だめだ」と呼ぶ者あり)
 藤田進君から、賛成者を得て、ただいまなされた中間報告に基き、電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律附則第二項の規定により、同法を存続させるについて、国会の議決を求めるの件は、十二月十二日までに社会労働委員会で審査を了することの動議が提出されました。
 まず、藤田進君提出の動議を議題といたします。
 これより本動議の採決をいたします。表決は記名投票をもって行います。本動議に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 氏名点呼を行います。議場の閉鎖を命じます。
  〔議場閉鎖〕
  〔参事氏名を点呼〕
  〔投票執行〕
#27
○議長(松野鶴平君) 投票漏れはございませんか。……投票漏れないと認めます。
 これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
  〔議場開鎖〕
  〔参事投票を計算〕
#28
○議長(松野鶴平君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数   二百二票
  白色票    七十三票
  青色票   百二十九票
 よって本動議は否決せられました。(拍手)
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名     七十三名
      大矢  正君    森中 守義君
      北村  暢君    横川 正市君
      鈴木  強君    藤田藤太郎君
      相澤 重明君    松永 忠二君
      占部 秀男君    鈴木  壽君
      大河原一次君    伊藤 顕道君
      坂本  昭君    木下 友敬君
      平林  剛君    山本 經勝君
      岡  三郎君    亀田 得治君
      秋山 長造君    久保  等君
      柴谷  要君    大和 与一君
      安部キミ子君    近藤 信一君
      千葉  信君    戸叶  武君
      大倉 精一君    竹中 勝男君
      田畑 金光君    吉田 法晴君
      中田 吉雄君    荒木正三郎君
      松澤 兼人君    河合 義一君
      江田 三郎君    小笠原二三男君
      藤田  進君    島   清君
      野溝  勝君    松本治一郎君
      三木 治朗君    岡田 宗司君
      岩間 正男君    長谷部ひろ君
      阿部 竹松君    安部 清美君
      松澤 靖介君    光村 甚助君
      鈴木  一君    湯山  勇君
      加瀬  完君    天坊 裕彦君
      椿  繁夫君    阿具根 登君
      中村 正雄君    矢嶋 三義君
      小林 孝平君    成瀬 幡治君
      永岡 光治君    松浦 清一君
      天田 勝正君    高田なほ子君
      東   隆君    重盛 壽治君
      小酒井義男君    羽生 三七君
      曾禰  益君    栗山 良夫君
      山下 義信君    清澤 俊英君
      棚橋 小虎君    内村 清次君
      山田 節男君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名     百二十九名
      前田 久吉君    早川 愼一君
      野田 俊作君    中山 福藏君
      豊田 雅孝君    田村 文吉君
      林田 正治君    中野 文門君
      竹下 豐次君    廣瀬 久忠君
      大谷 贇雄君    鹿島守之助君
      川口爲之助君    島村 軍次君
      北 勝太郎君    小沢久太郎君
      石井  桂君    井上 清一君
      伊能 芳雄君    加藤 正人君
      梶原 茂嘉君    堀末  治君
      有馬 英二君    苫米地英俊君
      近藤 鶴代君    上林 忠次君
      藤野 繁雄君    西川甚五郎君
      谷口弥三郎君    新谷寅三郎君
      杉山 昌作君    後藤 文夫君
      高瀬荘太郎君    一松 定吉君
      井上 知治君    本多 市郎君
      鶴見 祐輔君    草葉 隆圓君
      仲原 善一君    成田 一郎君
      堀本 宜実君    前田佳都男君
      松村 秀逸君    手島  栄君
      鈴木 万平君    柴田  栄君
      塩見 俊二君    大谷藤之助君
      大沢 雄一君    西川弥平治君
      重政 庸徳君    白川 一雄君
      高橋  衛君    土田國太郎君
      斎藤  昇君    雨森 常夫君
      迫水 久常君    三木與吉郎君
      田中 啓一君    横川 信夫君
      木島 虎藏君    安井  謙君
      関根 久藏君    野本 品吉君
      秋山俊一郎君    岩沢 忠恭君
      三浦 義男君    高野 一夫君
      宮田 重文君    小柳 牧衞君
      木内 四郎君    青山 正一君
      堀木 鎌三君    左藤 義詮君
      植竹 春彦君    石原幹市郎君
      黒川 武雄君    重宗 雄三君
      苫米地義三君    中山 壽彦君
      泉山 三六君    平井 太郎君
      小林 英三君    大野木秀次郎君
      寺尾  豊君    大谷 瑩潤君
      伊能繁次郎君    松岡 平市君
      武藤 常介君    西田 信一君
      稲浦 鹿藏君    吉江 勝保君
      後藤 義隆君    勝俣  稔君
      小西 英雄君    佐藤清一郎君
      西岡 ハル君    宮澤 喜一君
      吉田 萬次君    横山 フク君
      榊原  亨君    佐野  廣君
      青柳 秀夫君    白井  勇君
      山本 米治君    松平 勇雄君
      寺本 廣作君    剱木 亨弘君
      小幡 治和君    上原 正吉君
      小滝  彬君    館  哲二君
      郡  祐一君    西郷吉之助君
      小林 武治君    紅露 みつ君
      木暮武太夫君    石坂 豊一君
      下條 康麿君    野村吉三郎君
      川村 松助君    笹森 順造君
      林屋亀次郎君    杉原 荒太君
      青木 一男君    木村篤太郎君
      吉野 信次君    江藤  智君
      田中 茂穂君
     ─────・─────
#29
○議長(松野鶴平君) 次に、安井謙君外二名提出の動議を議題といたします。
 これより本動議の採決をいたします。
 表決は記名投票をもって行います。本動議に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 氏名点呼を行います。議場の閉鎖を命じます。
  〔議場閉鎖〕
  〔参事氏名を点呼〕
  〔投票執行〕
#30
○議長(松野鶴平君) すみやかに御投票願います。(「はい」「早いぞ」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票願います。(「腹が減って歩けぬ」「労働大臣がおらぬじゃないか」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票願います。(「昼飯だ、昼飯だ」と呼ぶ者あり、笑声)すみやかに御投票願います。(「はい」と呼ぶ者あり)
 ただいま行われております投票については、自後十分間に制限いたします。すみやかに御投票願います。(「もう一ぺんはっきり言って下さい」と呼ぶ者あり)すみやかに御登壇を願います。(「賛成々々」「みんな登壇々々」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票を願います。(「登壇と言ったじゃないか」「登壇だ、登壇だ」「腹を減らせて無理をするから、そういうことになるんだ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
 登壇と申し上げましたのは間違いでありますから、すみやかに御投票願いますと訂正いたします。(拍手、「名議長」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票を願います。(「はい」と呼ぶ者あり)
 時間が参りますれば、投票箱を閉鎖いたします。
 制限時間に達しました。投票箱閉鎖。
  〔投票箱閉鎖〕
#31
○議長(松野鶴平君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
  〔議場開鎖〕
  〔参事投票を計算〕
#32
○議長(松野鶴平君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数   二百二票
  白色票   百二十九票
  青色票    七十三票
 よって、電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律附則第二項の規定により、同法を存続させるについて、国会の議決を求めるの件は、議事日程に追加し、直ちにその審議をすることに決しました。(拍手)
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名      百二十九名
      前田 久吉君    早川 愼一君
      野田 俊作君    中山 福藏君
      豊田 雅孝君    田村 文吉君
      林田 正治君    中野 文門君
      竹下 豐次君    廣瀬 久忠君
      大谷 贇雄君    鹿島守之助君
      川口爲之助君    島村 軍次君
      北 勝太郎君    小沢久太郎君
      石井  桂君    井上 清一君
      伊能 芳雄君    加藤 正人君
      梶原 茂嘉君    堀末  治君
      有馬 英二君    苫米地英俊君
      近藤 鶴代君    上林 忠次君
      藤野 繁雄君    西川甚五郎君
      谷口弥三郎君    新谷寅三郎君
      杉山 昌作君    後藤 文夫君
      高瀬荘太郎君    一松 定吉君
      井上 知治君    本多 市郎君
      鶴見 祐輔君    草葉 隆圓君
      仲原 善一君    成田 一郎君
      堀本 宜実君    前田佳都男君
      松村 秀逸君    手島  栄君
      鈴木 万平君    柴田  栄君
      塩見 俊二君    大谷藤之助君
      大沢 雄一君    西川弥平治君
      重政 庸徳君    白川 一雄君
      高橋  衛君    土田國太郎君
      斎藤  昇君    雨森 常夫君
      迫水 久常君    三木與吉郎君
      田中 啓一君    横川 信夫君
      木島 虎藏君    安井  謙君
      関根 久藏君    野本 品吉君
      秋山俊一郎君    岩沢 忠恭君
      三浦 義男君    高野 一夫君
      宮田 重文君    小柳 牧衞君
      木内 四郎君    青山 正一君
      堀木 鎌三君    左藤 義詮君
      植竹 春彦君    石原幹市郎君
      黒川 武雄君    重宗 雄三君
      苫米地義三君    中山 壽彦君
      泉山 三六君    平井 太郎君
      小林 英三君    大野木秀次郎君
      寺尾  豊君    大谷 瑩潤君
      伊能繁次郎君    松岡 平市君
      武藤 常介君    西田 信一君
      稲浦 鹿藏君    吉江 勝保君
      後藤 義隆君    勝俣  稔君
      小西 英雄君    佐藤清一郎君
      西岡 ハル君    宮澤 喜一君
      吉田 萬次君    横山 フク君
      榊原  亨君    佐野  廣君
      青柳 秀夫君    白井  勇君
      山本 米治君    松平 勇雄君
      寺本 廣作君    剱木 亨弘君
      小幡 治和君    上原 正吉君
      小滝  彬君    館  哲二君
      郡  祐一君    西郷吉之助君
      小林 武治君    紅露 みつ君
      木暮武太夫君    石坂 豊一君
      下條 康麿君    野村吉三郎君
      川村 松助君    笹森 順造君
      林屋亀次郎君    杉原 荒太君
      青木 一男君    木村篤太郎君
      吉野 信次君    江藤  智君
      田中 茂穂君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名      七十三名
      大矢  正君    森中 守義君
      北村  暢君    横川 正市君
      鈴木  強君    藤田藤太郎君
      相澤 重明君    松永 忠二君
      占部 秀男君    鈴木  壽君
      大河原一次君    伊藤 顕道君
      坂本  昭君    木下 友敬君
      平林  剛君    山本 經勝君
      岡  三郎君    亀田 得治君
      秋山 長造君    久保  等君
      柴谷  要君    大和 与一君
      安部キミ子君    近藤 信一君
      千葉  信君    戸叶  武君
      大倉 精一君    竹中 勝男君
      田畑 金光君    吉田 法晴君
      中田 吉雄君    荒木正三郎君
      松澤 兼人君    河合 義一君
      江田 三郎君    小笠原二三男君
      藤田  進君    野溝  勝君
      松本治一郎君    三木 治朗君
      岡田 宗司君    岩間 正男君
      長谷部ひろ君    阿部 竹松君
      安部 清美君    松澤 靖介君
      光村 甚助君    鈴木  一君
      湯山  勇君    加瀬  完君
      天坊 裕彦君    椿  繁夫君
      阿具根 登君    中村 正雄君
      矢嶋 三義君    相馬 助治君
      小林 孝平君    成瀬 幡治君
      永岡 光治君    松浦 清一君
      天田 勝正君    高田なほ子君
      東   隆君    重盛 壽治君
      小酒井義男君    羽生 三七君
      曾禰  益君    栗山 良夫君
      山下 義信君    清澤 俊英君
      棚橋 小虎君    内村 清次君
      山田 節男君
     ─────・─────
#33
○議長(松野鶴平君) 電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律附則第二項の規定により、同法を存続させるについて、国会の議決を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。
#34
○議長(松野鶴平君) 本件に対し質疑の通告がございます。順次発言を許します。吉田法晴君。
 〔吉田法晴君登壇、拍手〕
#35
○吉田法晴君 いわゆるスト規制法といわれるこの法律の存続議決に関連をいたしまして、私は社会党を代表して、総理及び関係大臣に質問をせんとするものであります。ただ、この質疑の時間が大へん残っておるにもかかわりませず、この本会議で質問をしなければならぬということを大へん残念に思います。しかも与えられております質問の時間は、二十分にしかすぎません。十分この法案の憲法の違反性、あいまいさ、問題の多い点等にかんがみて、委員会で質疑をいたしたいと考えましたが、院議によって、制限せられた時間に質問をいたしますので、総理及び関係大臣から、丁寧な、はっきりした答弁を願いたいと思います。
 まず、総理にお尋ねをいたしたいのでありますが、総理の横に総裁心得がおられるようでありますが、補足御答弁は差しつかえございません。鳩山総理は、日ソ国交回復のため力を尽し、日本の自主独立、平和外交の第一歩を進められ、その日ソ共同宣言批准のため、この臨時国会を召集せられました。
 〔議長退席、副議長着席〕
 日ソ共同宣言の批准は、社会党の協力によって無事終り、批准書の交換を待つばかりであります。しかるに、この批准の国会にスト禁止法の存続議決案を出して、この国会を必要以上に混乱させました。首相はかつて本法の審査省略の要求を出したことを迷惑に思う旨の発言をせられました。この辺が総理のほんとうの心境であろうかと思うのでありますが、こういう手荒な方法で、問題の多いこの限時法を恒久法とすることに、総理としてどういう工合に思っておられるか、はっきり御答弁を願いたいと思います。
 第二点は、鳩山総理は、日ソ共同宣言を通じて、外交方針としては、話し合いによって国際緊張の緩和、平和への貢献という態度を打ち立てられました。ところが、国内政治についてはどうですか。このスト禁止法の存続議決に対する態度に集中的に現われておりますように、今日の二大政党のもと、相手の政党の主張もよく聞き、話し合いをして行くという態度ではないではありませんか。(拍手)今国会冒頭から、不当、不法な審査省略要求をつけて出す、委員会の審議が残っておるにかかわらず、審議の打ち切りを策する、会期の延長に当っては予鈴も鳴らさずに、社会党の議員が入っておらぬ、速記もつけないで、延長議決をするというような、違法、無効な方法によって会期の延長がはかられ、そしてその延長をしたと称する国会の冒頭において中間報告を求めるというような、ごらんのような手荒な方法をとられておる。まさに国会の言論の制限であり、国会審議権の政府与党側からするじゅうりんでありますが、これが鳩山総理の当初言われた、鳩山総理が政権を取って最初に、この壇上から約束をせられた民主主義のルールの確立ということでございましょうか。民主主義のルールの確立のため自民党に反省を求め、こういうやり方をやめさせるという御意思であるか、国際緊張の緩和、平和外交を進められた鳩山首相が、なおここに総理あるいは総裁となっておられますが、こうしたやり方をなお続けられるかどうか、この点をはっきり、残っておられる総裁、総理のお立場から、御答弁を願いたいと思います。まさに引退の花道を汚すものと言わなければなりませんが、はっきり御答弁を願いたい。
 第三は、学界、言論界の論調、その他世論は、前回以上にこのスト禁止法の存続議決に対して反対をいたしております。この法律の恒久化に反対をいたしております。与党の議員も個人的には同様の意見を述べられております。民主政治のもと、国民の声を聞いて政治をしようというのならば、この憲法違反の法律の恒久化に再検討を加え、態度を改めるべきではないかどうか、この点を総理に明確に御答弁を願いたい。
 第四は、鳩山総理と倉石労働大臣に、鳩山内閣の労使関係に対する態度についてお伺いをいたしたい。言うまでもなく、日本国憲法の基本原則は、かつてのように資本の絶対主義ではなく、資本の絶対主義を押えて、弱者である労働者の団結権、団体行動権を認め、これによってバランスをはかっておるのであります。前にこの法律が国会で審議された当時、日自党として日本自由党の諸君は、吉田内閣批判の立場のせいもございましたけれども、資本家及びこの法律に対する批判を含む発言をせられておられます。先ほど委員長の中間報告の中にもございましたけれども、倉石労働大臣自身が、衆議院の労働委員会で発言をしておられる、あるいは日自党として、一年間にこの法律をすべきである、こういう修正を出されたことも、まだ明らかにわれわれの記憶に新たな事実であります。しかるに、この法律を存続する議決に関連しては、労働者を押えるだけでありませんか。保安要員の引き揚げは、ロック・アウトに対してとられる戦術でありますが、労働者の方だけ押えて、資本家のロック・アウト戦術に対しては全然押えようとせられぬではありませんか。電気産業の労働者に対して、事務ストやあるいは集金ストが残っておる、とこう言われますけれども、ストライキというのは生産をとめることであります。働くことをやめることであります。生産のストップという普通の意味におけるストライキの方法が、どういう工合に残っておるか。労使関係の中で、資本家のために労働者を押える、こういうのが、中立であるべきはずの政府の態度であるかどうか。先に日自党としての労働大臣の個人の態度、国が、政府が労使関係にあるべき態度にかんがみて、この法律を存続しようとする、この法律では、完全に労働者だけを押え、資本家の方に対しては何も押えようとしない。その労働者だけを押えて、むしろ資本家のために労働者を押えようとするのが政府の態度であるかどうか、方針として、はっきり承わりたいと思います。
 第五に、本法は憲法に保障された団体行動権を制限する法律であり、憲法違反の疑いがあるというので、先に三年の限時法にせられたのであります。日自党はその当時一年と主張された、これを今度は期限のない恒久法にするのでありますが、議決で、法案の修正をせずにやるということは、私は全く新しい立法だと思います。期限は、憲法違反の疑いがあるから期限を付して、その間に慣行を作るようにしたい、こう言われ、あるいは解釈法規だと言われるのと、期限を付せないで立法をいたしますのとでは、私は完全に違うと思うのでありますが、そのことば、運用に当っても、従来の法の適用に当っては、憲法違反のおそれがあるというので遠慮があった。実際には適用がなかった。ところがこの法律は、期限がない、恒久法であるのか、やめるとしても、いつやめるのか。恒久法とするならば、従来の法律のように遠慮がなくて、憲法違反がどしどしやられるおそれがあるのではないか、この点首相にもお尋ねをいたしますが、労働大臣等から明白に説明を願いたい。
 第六に、公共の福祉と団体行動権ということであります。日本国憲法では、旧憲法の時代においては戦争中でもありますが、この旧憲法のときのように国家のために個人の権利が無制限に奪われたり、制限したりすることはできないという原則が確立されております。一銭五厘で人の生命をたやすく奪うということはできない。企業全体あるいは金属類等を、ただで国家のためということで取り上げた、そういうことはもう許されぬというのが、これは新憲法の精神であります。しかるにこの憲法に保障された権利がはっきりしない。いわゆる常識で制限ができるかどうか、社会通念、社会通念と言われますが、判例は、政府の言う社会通念とは違って、停電、電源ストの場合、普通の職場放棄は違法性はないと言っております。この判例と法律の関係は、委員会で答弁が明らかでございませんが、明らかに願いたいと思います。ストが悪いという、常識によるというならば、それならばスト権全部が奪われるかどうか。それは憲法に禁止されておる、明白に禁止されているところであります。この憲法に保障されたスト権、団体行動権が制限されると考えるならば、判例等も考え合せて明白に答弁を願いたいと思うのであります。この公共の福祉と団体行動権について、政府が考えている限界に関連してでありますが、小炭鉱の多い区域で、炭鉱をつぶしたり、あるいは人命に関係のない程度の保安要員の引き揚げが、この法律に触れるかどうかという質問に対して、政府の答弁は明確でなかった。こういう場合の保安要員の範囲、限界あるいは水力発電所の塵芥を除去せぬ行為が、この法律に触れるかどうかについても、政府の答弁は明確でなかった。この点は、委員会等で詳細にしなければ困難のところでありますが、これらの点についての政府の答弁を明らかにし、従来の矛盾を矯正し、政府の統一ある見解として明確にされなければならぬと思います。こういう公共の福祉と団結権の限界が交錯するところは、明白でないのは当然であります。政府の見解においても明白にならぬのは当然であります。明白でないということの結果、法の適用において拡大解釈をするおそれがあることは、これは明白であります。はっきりしておらぬところは、行政権の解釈で行われて参りまするならば、法の乱用、権利のじゅうりん、憲法違反という心配の点が出てくるおそれがありますことは、一般的にこれは強調せられて参ったところであります。この不可能に近い限界を事例であげましたが、明白にし得るというならば、一つここで明白に願いたいと思います。また、今後拡大解釈をいたして、労働運動を制限、抑圧しないと明言ができるかどうか。三年間の実績、三年間適用しなかったという実績、現状をもってすれば、本法適用は、将来に当ってもないと考えるが、通産大臣、労働大臣、法制局長官の見解を求めます。
 なお、明らかでなかったところは、再質問の機会を留保いたしまして、一応六点にわたって質問をいたします。
 〔国務大臣鳩山一郎君登壇、拍手〕
#36
○国務大臣(鳩山一郎君) 第一の御質問は、本法提案の理由についてでございました。この法律を存続させることは、すでに他の機会にも説明をした通り、現下の労働情勢上必要と考えたのであります。
 第二の御質問は、外交では話し合いを主張しながら、なぜ本法について、話し合いでやる機会を作らなかったのかというような御質問でありました。本案件の審議の進行の状態では、今期中に審議を終ることができないと認めまして、また、他にさらに審議を要する案件もありましたので、政府としては会期の延長を要請したのでありますが、国会においても、その必要を認め、会期延長を決定されたものと承知をしております。本議決案を本会議で審議されることは、本院が決定されたことでありますが、政府としても時宜に適した御処置であると考えております。
 学界、言論界で反対であるのに、なぜこういうことをやったのかということでありますが、これもお答えいたしました。委員長の報告の中にもありましたが、世論のすべてが反対だとは思っておりません。この法律は、憲法違反ではない。将来必要がなくなれば、そのときに改廃を考えるべきであると思っております。
 労働政策の根本方針いかんというような御質問もありました。労働者の生活を豊かにいたしまして、その地位の向上をはかりますことは、政治として最も重要なことであるのは当然であります。従って、そのために政府といたしましては、労働運動の健全な発達を衷心から願っておるところであります。しかしながら、労働運動といえども、公共の福祉を無視して、何をやってもよいというようなことはもちろん許されません。国力の充実、国民の生活の向上と相伴って、これと調和を保ちつつ労働者の地位の向上をはかることが、労働政策の根本であると考えております。
 最後に、憲法に関しての御質問がありましたが、第二十八条の団体行動権でも、公共の福祉に反してはならないという制約があるものと考えております。憲法は、無制限な権利を認めたものではないという考え方をしております。
 その他の御質問に対しては、適当な大臣から答弁をいたします。(拍手)
 〔国務大臣倉石忠雄君登壇、拍手〕
#37
○国務大臣(倉石忠雄君) お答えいたします。
 政府の考えております労働政策につきましては、ただいま総理大臣から申し上げました通りでございますが、特にここに議題になっております法律の目的は、社会公共の福祉のために、国民の与えられておる自由権は制限をされるという建前で、争議行為としてでもやってはならないということを規定いたしておる一つの手段にすぎないわけでございます。そこで、政府の考え方としては、経営者側または労働者側に偏することなく、厳正中立の立場に立って、よき労働慣行が成熟されるように期待をいたすのが、政府の労働政策の基本方針であります。(拍手)
 第二は、本法がここで可決されれば、恒久立法になるではないかというお話でございますが、恒久立法と申しましても、しばしば私が委員会で申し上げております通りに、よき労働慣行の成熟が行われるようになりましたならば、国会の意思によって、このような法律が廃止されることはあり得ることでございます。
 そこで、憲法違反の問題につきましては、憲法に違反するではないかという問題につきましては、今、総理大臣から申し上げました通りでありますが、吉田法晴氏は、判例にそういうようなものがあるかというお話でございますから、一つ申し上げます。昭和二十四年五月十八日最高裁判所の判決、昭和二十五年十一月十五日最高裁判所大法廷の判決、昭和二十八年四月八日の国鉄弘前の判決を、一つ簡単に読んでみます。「憲法二八条が保障する勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利も公共の福祉のために制限を受けるのは已を得ないところである。」との精神でございます。(拍手)
 そこで、今回の範囲の限界を示せということでございますが、範囲の限界につきましては、しばしば委員会においても論議された通りであります。たとえば電気においては正常なる電気の供給を阻害する行為は、これは本法に抵触すると言っているのでございますから、範囲の限界はきわめて明白でございます。拡大解釈はしないかという仰せでございますが、政府は拡大解釈はいたしておりません。
 それから他の産業にこういう法律を及ぼす意思はないかというお尋ねでございますが、ただいまのところは、さような意思を政府は持っておりません。(拍手)
 〔政府委員林修三君登壇、拍手〕
#38
○政府委員(林修三君) 私に対する御質問は、将来この法律を適用する機会があるかというような御質問でございました。もちろんこの法律は、この法律の目的及び文理に従って解釈し、厳正な解釈をして適用されるべきものでございまして、そういう意味におきまして、そういう事態に当るような事態が起ればもちろん適用されます。そういう事態がなければ、従来通り適用しない、かように考えております。(拍手)
 〔国務大臣石橋湛山君登壇、拍手〕
#39
○国務大臣(石橋湛山君) すでに総理大臣及び労働大臣等からお答え下さった通りでありまして、別段つけ加えることはございません。(拍手)
 〔吉田法晴君登壇、拍手〕
#40
○吉田法晴君 答弁をいただきましたけれども、用意がないせいもございますか、ほとんどピントはずれの答弁でございます。こう思うのでありまして、大へん残念に思います。鳩山首相にお尋ねいたしました第二は、国際政治の面では、話し合い、緊張緩和という方針を打ち出されたが、国内政治では、約束された民主主義のルールの確立、こういうものは全然今のところ望めないのではないか。いろいろあげましたけれども、こういう政府与党の態度で、それが果して民主主義の確立ですか。国内でも政党間で話し合いをして行く、こういう態度がなくて、どうして民主主義が国内政治の面で確立されるか。そこでこれは現在は、まあ期間が長くないかもしれませんけれども、総理、総裁としておられる。特に総理が、総理としてこの演壇に立たれた最初に約束された民主主義の確立という、民主主義ルールの確立という約束でありますから、その点ははっきり、一つ鳩山総理として最後の御答弁を願っておきたいと思います。
 それから労働大臣からの御答弁がございましたけれども、これはまあ総理にも尋ねたのですけれども、主として労働大臣からの答弁がありましたが、法が予定しておるような保安要員の引き揚げに対して、労働者に争議行為としてそれはやっちゃいかぬ、こういう法の精神だが、しかし保安要員の引き揚げの問題が起って参りましたのは、ロック・アウトという戦術をとるからであります。全部の労働者は、これは就業をする必要がない、工場、事業場内には、炭坑内には入る必要がない、こういう態度を表明しておりながら、従業員の中の、労働者の中の保安要員だけは、ぜひとも就労をしてもらいたい、こういう選択をした態度をとりながら、その中で就労できない作業場に対して、ほかの労働者も一緒に就労をしない、それがなぜいけないか、こういう感情がございます際に、ロック・アウトはさせるけれども、保安要員の引き揚げは、これは公共の福祉に関係のないような事態であろうとも、あるいは保安には関係がない、あるいは炭鉱のつぶれるとか、そういった問題については全然関係がない、こういう事態のときにも、それは違法である、こういうのは、これは片手落ちではないか、しかもそういう点について、労働者の団結権、団体行動権も制限するのだ、こう言うて反対をし、すべて反対をしている。基本的な問題について反対をしている。片方は、資本家団体は日経連を通じて、この法律を作ってもらいたい、自由党には、あるいは申し出があったでしょう、あるいは献金があったかもしらぬ。あるいはそれは総裁選挙にからんだ資金になっているのかどうかは知りませんけれども、そういう新聞記事がございますが、それはともかくとして、労働者のやろうとすることは押える、しかし資本家のものについては、全然これを押えない。完全に資本家団体の要望を、政府が、法律を通じてでございますけれども、やろうとする、そういうことが、政府として許されるか。完全な政府が資本家団体の利益団体であれば別であります。労働大臣が、あるいは政府が、鳩山内閣全体が、資本家団体のこれは政府であるというならば別であります。実態はどうあろうとも、建前としては、これは公平なものでなければならぬでしょう。労働者について、多少の注文をされるとしても、しかし資本家に対しても、当然資本家のロック・アウトや、あるいは炭鉱をつぶしている、あるいは先ごろにおいては、電気事業について資本家団体のサボがありました。停電の大部分の原因は、これは電力会社の責任であったことは、当時明らかになっております。停電の時間が、どっちが長かったか、明らかな事態であります。ところが、そういう点について、日本自由党の時代には、多少それらしい、公平らしい装いをした発言があったけれども、あれはうそであって、今のような資本家のために労働者を押える、こういうことが今の政府の方針なのか、労働大臣の態度なのか、この政府の労働政策のはっきりした点を答弁願いたい、こういうことを求めておるのであります。
 こまかい点については……。
#41
○副議長(寺尾豊君) 吉田君、時間が参りました。
#42
○吉田法晴君(続) こまかい点については、なお質疑をいたしたいが、こういう席上で、時間がありませんし、できません。大へんその点は、委員会審議でない点を残念に思いながら、なお、その他の点についても答弁が食い違っておる、あるいはされておらぬ点を指摘して、再答弁の機会に、なお答弁せられることを求めて降壇をいたします。(拍手、「答弁々々」「総理、自席でいいぞ」と呼ぶ者あり)
#43
○副議長(寺尾豊君) 自席で答弁を願います。
#44
○国務大臣(鳩山一郎君) 御了承を得まして、それではここで答弁をさしていただきます。
 ただいま吉田君の言われました通りに、民主主義のルールをだんだん積み上げて行くということは、民主政治の発達のために非常に必要であるということは同感であります。私はその民主主義のルールに従ってとるべき道を歩んだものと思っております。
  〔国務大臣倉石忠雄君登壇、拍手〕
#45
○国務大臣(倉石忠雄君) 吉田さんのお尋ねの点は、本法の一番大切なところでございまして、なるべく丁寧にお答えいたします。
 保安要員の引き揚げにつきましてお話がございました。保安要員引き揚げということは、先ほど委員長報告の中で、きわめて明快に、私が申しておりますことの御報告がございました通り、保安義務を持っている者は、御承知のように事業主でございます。そこで事業主は、今までどういうことが現実に行われているかと申しますと、炭鉱において部分ストが行われたものでありますから、これに対抗する手段としてロック・アウトをいたしましたが、事業主は保安義務者でございますから、ロック・アウトを保安要員にまでいたすことはいけないのであります。違反であります。従って保安要員は引き揚げることはできないわけであります。同時にまた、雇用契約を継続いたしております従業員は、その保安業務を放棄することは許されないことでございますから、現在の法律上も、実際上も、やはり保安要員は引き揚げてはならない。そこで保安要員を引き揚げるということがほんとうに行われて、それが放置された結果はどうなるかと言えば、電気においては世の中がまつ暗になって、事業主が迷惑をするよりも、その事業及び労働争議に何の関係もない国民大衆に莫大なる不利益を与えることでありますから、そこで憲法に規定いたしております公共の福祉を守るためには、争議手段としてそういう行為は許された行為ではないと、こういう行き方をいたしておるのが本法の目的であります。そこで、従って本法を制定いたします主たる目的は、つまり事業主の利益なぞを考えておるわけではございませんで、その争議行為が行われました結果、影響するところ、第三者である国民大衆の利益を保護するのが本法の目的であることは、しばしば申し上げておる通りであります。(拍手)また、私ども労政を担当いたしております者から見まして、もしかりに、ここに規定いたしておるようなことをかりにやって、世の中をまっ暗にしたり、炭鉱の爆発があるというふうなことになれば、そういう争議行為を行いました労働者に対する国民の反感が激発するのでありますから、政治活動にしても、労働運動にしても、やはり国民大衆の理解ある同情がなければ、その行動は成功しないのでありますから、(「労働者が一番よく知っている、そういうことは」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)そこで、労働者のためにも、やはり本法が存在することが利益のことである、こういうふうに私は考えておるわけであります。
    ―――――――――――――
#46
○副議長(寺尾豊君) 藤田藤太郎君。
 〔藤田藤太郎君登壇、拍手〕
#47
○藤田藤太郎君 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題になっております、略称スト規制法について、政府に対して、二、三の質問をいたしたいと思います。
 要するに、スト規制法の審議につきましては、本法が基本的人権、公共の福祉に関し、憲法精神をいかに体得し、いかに生かすかという憲法上の重大問題を含んでおります。従ってまた世論及び学界、ほかの有識者の強い反対があるにもかかわらず、政府がこれを強引に存続を押し通そうとしている事実の前に立ちまして、参議院社労委といたしましては、慎重審議を尽すとの方針のもとに、これを審議し始めたのであります。
 すなわち社労委におきましては、このスト規制法の問題は、いろいろの角度、たとえば一といたしまして、この存続立法化が、政府労働政策の欠陥、使用者擁護の偏向政策でないか。二には、この法律が労使対等のバランス、憲法で保障された近代社会の原則を破る片手落ちな法律ではないか。三には、憲法に保障された基本的人権の侵害の点、四には、スト規制法の内容についての法律上の諸点の解明、五には、電源ストの合法性について二十五の裁判例をもととした法的解釈について、六には、政府が不当に使用している公共の福祉の概念規定と適用範囲その他について、七には、政府のこの法律に対する拡大解釈の態度について、八には、労使慣行の成熟という政府の言葉の意味、判定の基準及び政府の労使慣行の成熟を育成する態度について、九には、緊急調整との関係について、この、今申し上げましたように、まだほかにありますが、いろいろの角度から審議を加えてきました社労委の一人でございます。これら重要な問題点の解明と、結論を得ていない察議経過におきまして、四日に自民党側より突如として質疑打ち切りの動議が出されました。(「らしいものだ」と呼ぶ者あり)らしいものが出されました。(「そうだ」と呼ぶ者あり)また昨日、今国会を延長しました最初の日に、委員長中間報告の挙に出ましたことは、私も最も遺憾とするところでございます。
 そもそも、労働行政の基本的理念というものが、労働組合の民主的発展と労働組合活動の展開を保護育成し、労働者のために適正なる労働条件を維持保護する一方、雇用の安定に意を用いて、失業対策にも救済体制を確立することにあることは明白な点であります。しかもこれらの基本的問題が、今日の社会情勢、労働情勢の中において、当面の緊急なる政府の課題、責務であることは判然としている点であります。国民の大多数を占める労働大衆から、切実なる要求と希望を寄せられているにもかかわらず、労働者のための労働政策を放置して、反対に、下から盛り上ってきている労働組合の健全な発展を押しつぶそうとする事実が見えるのは、私としても、最も許しがたいことに思うのであります。
 本臨時国会におきましても、多くの勤労者が最も切実に、しかも早急の解決を望んでいるところの労働行政上の根本問題で、次にあげます諸点を全然顧みずして、世論と専門的見地に立つ法律学者の幅広い反対の声を押しのけて、スト規制法を存続させ、さらに恒久立法化して、これで政府の労働行政の事なれりとうそぶいている政府の態度こそ、現政府の誤まりの根本原因の最たるゆえんであると思うのであります。
 争議行為を禁じているもとにおいて、争議に関する慣行というものが、論理的に言っても育つはずがないのであります。私としてはこれこそ、今日の政府の労働行政が、上からの抑圧の政策に終始する昔と相も変らぬ絶対主義国の政治の端的な現われであると痛感するものであります。
 私は質問を順次続けて行きたいと思います。まず、質問の第一点に行きまして、政府は、今まで三年間一件も違反事例がないのに、労働者の基本的権利を剥奪し、制限するスト規制法の存続にやっきとなっています。反対に、労働者の権利と生命を守る労働基準法関係では、年間数十万件にわたって違反行為が行われているはずであります。こうした多くの基準法の違反の陰には、全国で一千何百万以上に上る労基法適用下の労働者の中で、どれほど多くの者が劣悪なる労働条件下において苦しい思いをし、また悲しい思いをしているかわからないのであります。ところが、こうした日の当らない暗い谷間にいる多くのしいたげられておる労働者の声が、倉石労働大臣や政府にとっては一顧だもする価値を持たず、少数の産業用電力需要者の資本家の、また独占資本家の要請によるスト規制法存続の願いが、唯一無二の政策となっているのが実情でないかと思います。私はここ数年間において、労基法対象下の事業場と労働者数が大幅にふえているのに対して、これらの違反を監督する監督官が、もともと五百事業場に対して一人ぐらいの少い数であります。全然増員されてはおらず、監督行政は縮小され、さらに減っている現状で、労働基準法の完全実施に対する政府の適切なる施策がなく、政府及び労働大臣の重大な失政であると思うのであります。この点はいかがでございますか。
 次に、関連いたしまして、現在の近代国家では、最低賃金制の入っていない労働基準法は、とてもいばれたものではないと言われています。わが国におきましても、今春以来、わが党はもとより、日本の労働組合、労働者が一致して、国際的にもあまりにも安くて劣悪な日本の賃金の向上のために、生活を守るという最低賃金制の確立を要望しておるのでありまするが、この点についても、政府の考え方はどうですかとお尋ねしたいのであります。
 これに関連いたしまして、本年三月三十一日、人事院勧告において、官公労働者の賃金は、民間労働者の賃金より二千百円も低い、これを何とかせなきやならないと、人事院が政府に勧告をいたしておるのであります。ところが、元来官公労働者の給与、労働条件は、人事院において考案し、これを尊重して政府が行う、これが建前になっておるのでありまするが、官公労のベース・アップをどうするのか。また年の瀬の迫っておりまする今日の官公労働者の低賃金の中で苦しんでいるこの人たちの年末資金に対して、政府はどう考えているか。
 また、もう一つ関連した問題を私はお尋ねしたいのであります。一千万人をこえる顕在潜在の失業者が、今日の生活苦にあえいでいるのが日本の現状でございます。政府はこの失業救済の根本政策に触れず、労働者の権利を剥奪することにのみ進んでおるのであり、だからスト規制法のごとき、多くの国民が納得しない、憲法で保障された行動権を取り上げる行為に出てきているのであります。失業者の一部の対策である緊急失業対策事業法の日雇い労働者が、一日三百円足らずの賃金で、それも月中働く仕事のない状態に置かれている労働者が、年末十日分の資金を政府に要求しているが、貧しい気の毒なこの労働者に対してどう処置をするのか、私は政府の労働行政の問題について、以上の点を質問いたす次第でございます。
 第二の質問でございます。政府はスト規制法制定に当り、公共の福祉を守るために、この立法化をしたと言っておりますが、憲法二十八条は、労働者の団結権、団体交渉権、行動権の保障を明確にしているのであります。憲法二十九条は「財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。」とある。この二つの条文を比較するとき、財産権は、公共の福祉のために法律の規定によって制限することができるとあり、二十八条の規定は、その制限の規定がない。これは労働者の権利は法律をもってしても侵すことのできない天賦の権利とし、ただ、その乱用に及ばないように、憲法十二条、十三条において労働者の自主的抑制を求めているのである。この点、本法は憲法の精神と相いれない立法であると考えるがいかがであるか。さらに、公共の福祉をもって基本的人権を制限し得ると、かりに百歩を譲って議論するとしても、本法一条は、「公共の福祉を擁護するため、」とあり、第二条、第三条の行為は、そのまま本法違反になるのでなく、公共の福祉を阻害する限度において違法になると考えるが、このことはいかが。このことは鳩山総理が大矢委員の質問に対して、はしなくも小やまの保安放棄は本法の適用がないと言ったのは、率直に本法解釈の精神を表わすものではないか、この点詳しく御答弁を願いたいと思います。
 次の点でございます。次に、政府は石炭臨時措置法によって、炭鉱の三百万トン分のやまを買い上げ、炭鉱の買い上げの手続をとっております。今日百十万トン、そのうち二十七万トンは買い上げたのであります。これが政府の措置法における、資本家の利益を守るためには、こういう措置がとられる。また鉱山の資源の滅失ということが問題になりました。ところが、どうでございましょう。事業者は、自分の利益のためには自由に廃休山してよい、これが論議の中で中心になりました。労働者は保安を守らなければ罰せられる、こういう片手落ちな法律はないではないかという追及をわれわれはいたしたのでございます。ところが、とことんへ行きましても、片方には資本家の利益のために、経営上とか、自分の勘定のためにつぶれるのはやむを得ないと言って、労働者の保安要員引き揚げだけを制圧するような答弁、そういう形で生まれてきたのであるが、本日は、根本的にこの問題について、片手落ちではないかということを、私はさらに御質問申し上げたいのであります。そこから生れてくる失業者について、どんな処置をとったか、この点もお尋ねいたしたいと思います。
 次の質問であります電源ストの合法性については、すでに釧路地裁網走支部の判決より、東京の高裁判決、最高裁の免訴、または検事控訴の棄却に至るまで、二十五判例において、すでに明らかになっております。たとえば昭和二十七年の七月三日の東京高裁の判決をお知らせすると、これは電源ストは、生産管理であり、違法であるという検察官の主張を退けた一審の無罪判決に対して、検事側が控訴したのですが、東京高裁は、「争議行為によって業務の正常な運営は当然に阻害せられるに至るものであり、従ってこの間において使用者の発する労務指揮、または業務命令が、労働者によって拒否せられることも起り得ることであるから、かかる事態が発生したとしても、これがために何ら争議行為の正当性を否認する理由とならないことはもちろんである。また、これがために使用者に財産上の損害を生ずるに至ることも当然であって、所論のように財産権の侵害を伴う争議行為なるがゆえに、正当な争議行為でないと断定することはできない」として、電源ストは適法だと判断し、検事控訴を棄却したのであります。
 もう一つの例を申し上げますと、昭和三十年四月二十三日の高知地裁の判決では、裁判所は、「資本主義ないし私有財産制度の根幹を否定するごとき傾向のある争議でない限り、相手方のある程度の自由を阻害し、またはある程度の経営権を制限する結果が生じても、法はこれを認容すべき分野がある」として、「会社側が業務命令をもってストに対し、発電機運転のまま引き継ぐ旨を要求しても、ストに入った以上、会社の指揮命令を離れるので、右業務命令に従わなければならない義務はないし、電源職場組合員が職場放棄と同時に、それまで運転していた発電機を停止するだけのことは、いまだ会社の施設管理権を奪ったものと解せられない、スイッチ切断の戦術はまことにやむを得ざる手段である」として無罪と判定し、電源ストの合法性を判断しておるのであります。これに関して政府はどう考えるか。それらの判例を明らかにして、それら裁判の結果を尊重するかどうかをお答えいただきたいのであります。
 政府がいかにごまかしても、このスト規制法は明らかに労使対等のバランスを打ちくずし、資本家の利益擁護のために行われたに違いないのであります。この出発があればこそ、結果として、電気産業及び石炭産業の労働者がスト権を取り上げられたあとに、どれだけ労働条件及び地位について、従来、スト規制法制定前の三年間と変更があったか問題があります。十一月三十日の小川照夫公述人の言を借りれば明らかなように、協約、賃金、退職金が引き下げられているということを政府はどう考えているのか、労働者の生活と労働条件を、結果的にせよ悪くさせるスト規制法を悪法と思わないのか、この点について、お答えを願いたいのであります。
 次に、政府はもとより、自民党の諸君は、労働問題を知らな過ぎると私は思っております。これは一つの私は参考までに申し上げておきたいと思うのであります。これによって生ずる誤解や極論は、実に大きな国民大多数、労働者の権利や福祉を奪っているのを思って、実に寒心にたえません。ゆえに、私は先ほど労働行政上の問題として、政府の使用者側に対する労働教育の手ぬかりを追及したのでありまするが、労働三法に盛り込まれた精神、憲法精神に守られている基本的人権等の根本的な理解だけは私はしてほしい。これだけを申し上げておきたいのであります。
 終ります。(拍手)
 〔国務大臣鳩山一郎君登壇、拍手〕
#48
○国務大臣(鳩山一郎君) 労働基準法について御質問がありました。労働基準法は、もちろん厳正に適用して行く方針であることはもとよりであります。
 最低賃金制については、労働省において目下研究中でございます。
 憲法の基本的人権について再び御質問がありましたが、ただいまの御質問の趣旨に対して答弁いたしておきます。憲法第二十八条の団体行動権が公共の福祉に従うということは、先刻申した通りでありまして、憲法第十二条、第十三条の趣旨から、明瞭であると考えております。
 その他は、適当の大臣から答弁いたします。(拍手)
 〔国務大臣倉石忠雄君登壇、拍手〕
#49
○国務大臣(倉石忠雄君) 基準行政と最低賃金のことにつきましては、総理がお答えいたしました。
 人事院勧告について申し上げます。人事院勧告のお尋ねがございましたが、人事院勧告の趣旨は、政府としてもこれを尊重いたす建前で、ただいま関係方面と寄り寄り折衝中でございまして、なるべく早くその結論が出るようにいたしたいと存じます。
 年末手当につきましては、ただいまのところ、政府は昨年増額いたしました、つまり一・五以上に支給をすることを考えておりません。それから日雇いのことがございましたが、日雇いは御承知のように、昨年両院の方々のお骨折りによりまして、予算措置をいたしまして、就労日数六日にいたしましたが、本年はやはり昨年度と同様に取り扱う考えであります。
 憲法の二十八条と二十九条の基本的労働権のことにつきましても、総理大臣から申し上げました通りでございますが、私どもといたしましては、遺憾ながら藤田さんのお説のように、二十八条というものは、いかなる国民の自由権にも優先するのであるという御意見には同調いたしかねるわけであります。御承知のように憲法の十三条は、「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」と、これでございます。私どもの精神はこの一点に尽きるわけでございます。
 裁判例についてお話がございました。御承知のように停電ストにつきましては、裁判例は、いずれも本法施行前に発生いたしました争議行為に対する裁判例はございますが、本法違反についての最高裁判所の判例は御承知のようにまだ出ておりません。従ってそういうことについては、なお今日確定判決というものはない次第でございまして、私どもは本法に規定いたしておることは、これは、なしてはならない、争議行為としてでもやってはいけないものであるということを言っておるわけであります。(拍手)
 〔国務大臣石橋湛山君登壇、拍手〕
#50
○国務大臣(石橋湛山君) 私に対する質問は、いろいろ多岐にわたっておるようでありますが、炭鉱の例の合理化法での買い上げが、事業者擁護で、労働者には何か片手落ちのことのようにおっしゃるが、そうじゃありません。これは事業者擁護では決してないのでありまして、もしその炭鉱に従事している従業者が、十分生活できるような炭鉱の状況であるなら買い上げしないのですから、つまりその経営が成り立たない、従ってそこにおったら、今現に買い上げします三十万トンばかりの炭鉱は、いずれも給料なんぞ遅配、欠配で、その炭鉱を買い上げた費用によって、労務者に今までたまった給料を払うというような状況にあることを思ってもわかりますように、決して片手落ちの仕事じゃありませんから、さように御承知願いたい。元来、現在の労働者が、事業者よりも弱者だということは、これは昔の、主権在民時代以前の思想であって、今日は決して弱者ではありません。かように御了解願います。(「これはおかしいぞ、今の答弁最後の方」と呼ぶ者あり)
#51
○副議長(寺尾豊君) 法務大臣は答弁はございません。(「おかしいじゃないか」「なぜだ」と呼ぶ者あり)
 宮田重文君外一名から、成規の賛成者を得て、質疑終局の動議が提出されております。
 これより本動議の採決をいたします。本動議の表決は記名投票をもって行います。本動議に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 氏名点呼を行います。議場の閉鎖を命じます。
  〔議場閉鎖〕
  〔参事氏名を点呼〕
  〔投票執行〕
#52
○副議長(寺尾豊君) 投票漏れはございませんか。……投票漏れないと認めます。(「あるよ」「わからぬのか、議長は」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票願います。(「まだいるよ」と呼ぶ者あり、投票を執行)……投票漏れないと認めます。
 これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
  〔議場開鎖〕
  〔参事投票を計算〕
  〔「閉鎖をしていないのだ」「やり直せ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し〕
#53
○副議長(寺尾豊君) ただいまの議長の発言は、これを取り消します……念のため申し上げます。議長の先ほどの発言には誤まりがないと信じます。
 あらためて申し上げます。議長の発言に間違いはございません。(拍手)
 投票の結果を御報告いたします。
  投票総数  百八十四票
  白色票   百二十一票
  青色票    六十三票
 よって質疑は終局することに決しました。(拍手)
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名     百二十一名
      森 八三一君    早川 愼一君
      野田 俊作君    中山 福藏君
      田村 文吉君    林田 正治君
      中野 文門君    竹下 豐次君
      大谷 贇雄君    鹿島守之助君
      川口爲之助君    島村 軍次君
      北 勝太郎君    小沢久太郎君
      石井  桂君    井上 清一君
      伊能 芳雄君    梶原 茂嘉君
      加賀山之雄君    有馬 英二君
      苫米地英俊君    近藤 鶴代君
      上林 忠次君    藤野 繁雄君
      西川甚五郎君    谷口弥三郎君
      新谷寅三郎君    杉山 昌作君
      高瀬荘太郎君    一松 定吉君
      井上 知治君    本多 市郎君
      鶴見 祐輔君    草葉 隆圓君
      仲原 善一君    成田 一郎君
      堀本 宜実君    前田佳都男君
      松村 秀逸君    手島  栄君
      鈴木 万平君    柴田  栄君
      塩見 俊二君    大谷藤之助君
      大沢 雄一君    西川弥平治君
      重政 庸徳君    白川 一雄君
      高橋  衛君    土田國太郎君
      斎藤  昇君    雨森 常夫君
      迫水 久常君    三木與吉郎君
      田中 啓一君    横川 信夫君
      木島 虎藏君    安井  謙君
      関根 久藏君    野本 品吉君
      秋山俊一郎君    高野 一夫君
      宮田 重文君    小柳 牧衞君
      木内 四郎君    青山 正一君
      堀木 鎌三君    石原幹市郎君
      黒川 武雄君    重宗 雄三君
      苫米地義三君    中山 壽彦君
      平井 太郎君    小林 英三君
      大野木秀次郎君    伊能繁次郎君
      松岡 平市君    武藤 常介君
      西田 信一君    稲浦 鹿藏君
      吉江 勝保君    平島 敏夫君
      後藤 義隆君    勝俣  稔君
      小西 英雄君    佐藤清一郎君
      西岡 ハル君    宮澤 喜一君
      吉田 萬次君    横山 フク君
      榊原  亨君    佐野  廣君
      青柳 秀夫君    白井  勇君
      井村 徳二君    山本 米治君
      松平 勇雄君    寺本 廣作君
      剱木 亨弘君    小幡 治和君
      上原 正吉君    古池 信三君
      小滝  彬君    館  哲二君
      郡  祐一君    西郷吉之助君
      小林 武治君    紅露 みつ君
      木暮武太夫君    石坂 豊一君
      野村吉三郎君    川村 松助君
      笹森 順造君    林屋亀次郎君
      杉原 荒太君    青木 一男君
      木村篤太郎君    津島 壽一君
      吉野 信次君    江藤  智君
      田中 茂穂君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名      六十三名
      大矢  正君    森中 守義君
      北村  暢君    横川 正市君
      鈴木  強君    藤田藤太郎君
      相澤 重明君    松永 忠二君
      占部 秀男君    鈴木  壽君
      大河原一次君    伊藤 顕道君
      坂本  昭君    平林  剛君
      山本 經勝君    岡  三郎君
      久保  等君    柴谷  要君
      大和 与一君    安部キミ子君
      近藤 信一君    千葉  信君
      戸叶  武君    大倉 精一君
      竹中 勝男君    田畑 金光君
      吉田 法晴君    中田 吉雄君
      荒木正三郎君    江田 三郎君
      小笠原二三男君    藤田  進君
      島   清君    田中  一君
      三木 治朗君    岩間 正男君
      阿部 竹松君    安部 清美君
      松澤 靖介君    光村 甚助君
      湯山  勇君    加瀬  完君
      椿  繁夫君    阿具根 登君
      中村 正雄君    矢嶋 三義君
      小林 孝平君    成瀬 幡治君
      永岡 光治君    松浦 清一君
      天田 勝正君    高田なほ子君
      東   隆君    重盛 壽治君
      小酒井義男君    羽生 三七君
      佐多 忠隆君    曾禰  益君
      栗山 良夫君    山下 義信君
      棚橋 小虎君    内村 清次君
      山田 節男君
     ─────・─────
#54
○副議長(寺尾豊君) 暫時休憩いたします。
   午後六時三十六分休憩
     ―――――・―――――
   午後七時四十五分開議
#55
○議長(松野鶴平君) 休憩前に咲き続き、これより会議を開きます。
 藤田進君から、賛成者を得て、直ちに散会することの動議が提出されました。
 これより本動議の採決をいたします。表決は記名投票をもって行います。本動議に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 氏名点呼を行います。議場の閉鎖を命じます。
  〔議場閉鎖〕
  〔参事氏名を点呼〕
  〔投票執行〕
#56
○議長(松野鶴平君) 投票漏れはございませんか。……投票漏れないと認めます。
 これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
  〔議場開鎖〕
  〔参事投票を計算〕
#57
○議長(松野鶴平君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数  百八十四票
  白色票    六十五票
  青色票    百十九票
 よって本動議は否決せられました。(拍手)
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名      六十五名
      大矢  正君    森中 守義君
      北村  暢君    横川 正市君
      鈴木  強君    相澤 重明君
      松永 忠二君    占部 秀男君
      大河原一次君    伊藤 顕道君
      坂本  昭君    木下 友敬君
      平林  剛君    山本 經勝君
      岡  三郎君    亀田 得治君
      秋山 長造君    久保  等君
      柴谷  要君    大和 与一君
      安部キミ子君    近藤 信一君
      千葉  信君    戸叶  武君
      大倉 精一君    竹中 勝男君
      田畑 金光君    吉田 法晴君
      中田 吉雄君    荒木正三郎君
      河合 義一君    江田 三郎君
      小笠原二三男君    藤田  進君
      田中  一君    野溝  勝君
      松本治一郎君    三木 治朗君
      岡田 宗司君    岩間 正男君
      阿部 竹松君    安部 清美君
      松澤 靖介君    光村 甚助君
      椿  繁夫君    阿具根 登君
      矢嶋 三義君    相馬 助治君
      小林 孝平君    成瀬 幡治君
      永岡 光治君    松浦 清一君
      高田なほ子君    東   隆君
      重盛 壽治君    小酒井義男君
      羽生 三七君    佐多 忠隆君
      曾禰  益君    栗山 良夫君
      山下 義信君    清澤 俊英君
      棚橋 小虎君    内村 清次君
      山田 節男君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名      百十九名
      早川 愼一君    野田 俊作君
      中山 福藏君    田村 文吉君
      林田 正治君    中野 文門君
      竹下 豐次君   廣瀬 久忠君
      大谷 贇雄君    鹿島守之助君
      川口爲之助君    島村 軍次君
      北 勝太郎君    小沢久太郎君
      石井  桂君    井上 清一君
      伊能 芳雄君    梶原 茂嘉君
      堀末  治君    有馬 英二君
      苫米地英俊君    近藤 鶴代君
      上林 忠次君    藤野 繁雄君
      谷口弥三郎君    新谷寅三郎君
      杉山 昌作君    一松 定吉君
      井上 知治君    本多 市郎君
      鶴見 祐輔君    草葉 隆圓君
      仲原 善一君    成田 一郎君
      堀本 宜実君    前田佳都男君
      松村 秀逸君    手島  栄君
      柴田  栄君    塩見 俊二君
      大谷藤之助君    大沢 雄一君
      西川弥平治君    重政 庸徳君
      白川 一雄君    高橋  衛君
      土田國太郎君    雨森 常夫君
      迫水 久常君    三木與吉郎君
      田中 啓一君    横川 信夫君
      安井  謙君    関根 久藏君
      野本 品吉君    秋山俊一郎君
      三浦 義男君    高野 一夫君
      宮田 重文君    小柳 牧衞君
      木内 四郎君    青山 正一君
      堀木 鎌三君    左藤 義詮君
      植竹 春彦君    石原幹市郎君
      黒川 武雄君    重宗 雄三君
      泉山 三六君    平井 太郎君
      小林 英三君    大野木秀次郎君
      寺尾  豊君    大谷 瑩潤君
      伊能繁次郎君    松岡 平市君
      武藤 常介君    西田 信一君
      稲浦 鹿藏君    吉江 勝保君
      平島 敏夫君    後藤 義隆君
      勝俣  稔君    小西 英雄君
      佐藤清一郎君    西岡 ハル君
      宮澤 喜一君    吉田 萬次君
      横山 フク君    榊原  亨君
      佐野  廣君    青柳 秀夫君
      白井  勇君    井村 徳二君
      山本 米治君    寺本 廣作君
      剱木 亨弘君    小幡 治和君
      上原 正吉君    古池 信三君
      小滝  彬君    館  哲二君
      郡  祐一君    西郷吉之助君
      小林 武治君    紅露 みつ君
      木暮武太夫君    石坂 豊一君
      下條 康麿君    野村吉三郎君
      川村 松助君    笹森 順造君
      林屋亀次郎君    杉原 荒太君
      青木 一男君    木村篤太郎君
      津島 壽一君    江藤  智君
      田中 茂穂君
     ─────・─────
#58
○議長(松野鶴平君) 電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律附則第二項の規定により、同法を存続させるについて、国会の議決を求めるの件に対し討論の通告がございます。順次発言を許します。山本經勝君。
  〔山本經勝君登壇、拍手〕
#59
○山本經勝君 私は日本社会党を代表して、電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律附則第二項の規定により、同法を存続させるについて、国会の議決を求めるの件に対しまして、反対の意を表明せんとするものでございます。(拍手)
 まず、私は討論に先だちまして、本法の議会審議がきわめて非民主的な運営によって一方的に強行されている事実に直面いたしまして、その糾弾をいたす重大なる義務を感ずるものでございます。(拍手)政府は十二日、開会劈頭、スト規制法存続の決議案を国会に提出するに際しまして、委員会の審査を省略して直ちに本会議で採決するよう、国会に要求したのでございます。本院におきましても、予備審査に当りまして委員会審査省略を付議して、これが違法であるということが明らかになり、与野党ともこれを認めることとなって、ついに撤回するという、まことに不手ぎわな状態を示したのでございます。(「醜態だよ」と呼ぶ者あり)この状態は、この考え方は明らかに委員会中心主義という現行国会法の精神をじゅうりんするものであり、しかも国民の基本的人権を制限する法律案を、かかる簡易な方法において審議終了を要求するという態度は、これまさに労働基本権をじゅうりんするだけではございません、国会の審議権を無視したファッショ的なやり方であると断ぜざるを得ぬのでございます。(拍手)しこうして、本月四日以来、社会労働常任委員会は真摯な検討を続けて来たのでございますが、御承知の通り、委員長が数回にわたって委員会の招集をしたにもかかわりませず、与党及び与党会派の諸君は、これに応じませんでした。そうして中間報告を求め、本会議において一挙、上程可決せんとするがごときは言語道断と言わなければなりません。(拍手)与党及び与党会派の諸君も、このことについて内心じくじたるものを感じられておることと存じまするが、さらに会期延長は、衆議院では、予鈴もなく、だしぬけに本会議が開かれ、速記者も間に合わないうちに、議長がさっと延長を宣するという。国会法及び議院規則並びに慣行を無視した暴挙をあえてしたというがごときは、議会政治を否認するものであると言わなければなりません。(拍手)昨日の朝日新聞の社説は、「何のための会期延長か」と題しまして、本会議開会の手続も、疑いを残すような、慣行を無視した与党のやり口は、議会政治のために、はなはだ遺憾とせざるを得ないと論じているのでございます。かくしてたび重なる法を無視した本議案が、よし本院を通過可決されたといたしましても、労働者に対して法の順守を強制する資格が一体どこにあるでしょうか。(「その通り」と呼ぶ者あり)
 第一の問題点として申し上げたいのは、本法は元来臨時立法として制定し、三ヵ年の間に労使の慣行の成熟に期待するといったのでございますが、果して政府はそのような慣行の成熟に努力したであろうか。労使のよき慣行につきましては、二つの大きな基本問題があることを忘れてはなりません。その第一は、労働者は生活の安定のために職場及び賃金その他の労働条件の安定を必要とするのでありまして、すなわち労働者は好んで労働争議をやっておるのではない。やむにやまれぬ生活の要求から、これが満たされないために争議が発生しているという事実を見のがしてはなりません。しかも今日一千万になんなんとするところの失業者をかかえ、現在でもさらに資本家は企業の合理化と称して、賃下げに、首切りに、次々と資本攻勢をもってのしかかっておるのでございますが、労使のよき慣行を来たいする前に、政府みずから健全な、そうして強力な労働政策を確立せられなければならないのではないかと私は考えます。(拍手)強力な労働政策が何ら行われずに、ただ一方的に労働争議に対する労働者の基本的な権利を圧殺するということは、不当もまたはなはだしいと言わなければなりません。(拍手)こういう一方的施策を怠っておるところに根本的な政府の無能が暴露されている。
 第二には、現行労働法が示しておりまするように、団体交渉から争議に至りまする一連の話し合いが、労使対等の立場で自主的な解決への道が発見されなければなりません。このような労使の対等の立場の確保ということは、法的な保証がなければ堅持はできません。そこに労働法の重要性を感ずる次第でございます。こういう問題の労使の慣行について、十一月三十日の社会労働常任委員会におきまする公聴会で、野村公述人は次のような貴重な意見を述べられている。「炭鉱内の保安を放棄する状態まで導かないようにして行くということは、やはり労使の良識と――これは労働者側だけに要求されるものではなくて、同時に、争議をやっております相手方、すなわち使用者側であるのですから、労使双方に求められてしかるべきではないか」ということが述べられております。以上述べました通り、本法の成立によって、政府は労使の対等の立場に立つ自主的解決への努力とよき慣行を、使用者側のみを一方的に保護することによって破壊してきたと言わなければなりません。スト規制法によって炭鉱労働者の得たものは、あの悲しむべき全山ロック・アウトのみにすぎないのでございます。
 第二の点について申し上げたいのでございます。今日この法律を恒久的な立法として存続する必要が果してどこにあるのでしょうか。三年間にこの法律の適用を受けた事件が一件もなかったということは、何ものにもまして雄弁にその不必要性を立証するものでなくてはなりません。政府が真に、労働関係に関する事項については、法をもってこれを抑制し、規律することは、でき得るだけ最小限度にとどめ、むしろ労使の良識と健全なる労働慣行に待つことが望ましいと考えているものでありまするなれば、この際、当然本法を廃止すべきであると信じて疑わぬものでございます。政府は、労働組合の現状を資本家的な色めがねをもって偏見し、労働界の情勢は、安心できる要素は何一つ見えていないということを申しておりますが、これは全く事実を歪曲したものであると断ぜなければなりません。過ぐる三日の社会労働委員会に、法務、通産それぞれ連合審査をやったのでございますが、この席上におきまして、牧野法務大臣が、「労働者は何をやらかすかわからぬ」こういう暴言を吐いておりますが、このことは、全くただいま申し上げました政府の一貫した考え方であり、保守陣営の一貫した判断であると解さなければなりません。本法存続賛成の労働法学者が日本におりますなれば、あるいはどこにおるであろうか。本法の公聴会に際し、学識経験者として、賛成の学識経験者を招かんとして笛や太鼓で探したけれども、ついに招致することができませんでした。検事出身の弁護士でお茶を濁さざるを得なかったではありませんか。日本の大学で労働法講座を担当している学者で、一人でも本法存続賛成の学者がおるなればお目にかかりたいのでございます。先般の公聴会において、第三者である土木技術者河井芳雄君は次のように述べているのであります。「私は、京都の家を出ますまでは、この法案に賛成しておったのでありますが、その後、この公聴会に出ていろいろ意見を聞くというと、私は心境が変化した、反対の意見を述べる」と、あの公けの公聴会において、公然とこれを物語っておるのでございます。かように賛成者の少い悪評紛々たる法案は存続を認めがたいのであります。
 第三の点につきましては、本法は、公共の福祉に名をかりた憲法違反の法律であるという点でございます。日本国憲法は、基本的人権を侵すことのできない永久の権利として、現在または将来の国民に与えられていると述べております。さらに、「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。」、こういうふうにうたっております。基本的人権を、法律でもって侵すことのできない最高の権利としているのでございます。しかして労働三法の制定を見、ここに日本の民主的な基盤が成立して参ったのでございます。この労働関係法の一条々々は、先進欧米諸国の労働者の血と汗の闘争によって色どられ、闘争の記録の集積であり、かつ歴史的な所産であることは申すまでもございません。しかるに吉田、鳩山両保守政権は、さきに公務員法を作り、公務員の労働権を剥奪し、公企労法を作って、国鉄や全逓、全電通などの争議権を奪い去り、さらに労調法を改正して緊急調整なる制度を設け、あくなき反動政治を強行して参り、さらに、その上にスト規制法を永久立法化せんとしておるのでございます。先輩労働者の闘争と、敗戦によってあがない得た日本の民主的労働法体系も、崩壊の一途をたどっている事実を見逃すわけに参りません。われわれはこの基本的人権が、もし制限されることがあるとしますなれば、基本的人権と基本的人権が衝突する場合の調節的機能としてのみ制限されるものであることを強調しなければなりません。しかるに、資本家擁護に終始する本法のごときは、憲法の精神をじゅうりんするもはなはだしきものであると断ぜなければならないのでございます。
 次に第四の点は、本法を恒久化するには、あまりにずさんであり、疑義が多いままで議了するわけにはいかないのであります。十一月の二十九日の大矢委員の質問に当って、小やまの保安放棄は公共の福祉に影響ないと思うがという趣旨の質問に当って、本法の適用があるかどうかを問うたのでございます。ところが、鳩山総理は率直に、本法の適用はないとお答えになっておる。このことは、従来の政府の答弁とは全く異なったものである。これは内閣の不統一を暴露するものであるとともに、本法の解釈の矛盾を露呈したものであると言わなければなりません。本法第一条は、「公共の福祉を擁護するため」と規定して、ゆえに、第二条の電源スト、あるいは停電スト・第三条の保安放棄も、公共の福祉を阻害するという尺度内において禁止せられるものと解釈せられるのが当然であります。この点、総理の答弁は解釈上正しいと言わざるを得ない。水力電源のストライキも、火力発電を動かせば、全然消費者に迷惑はかけないように行える。あるいは炭鉱において、職員その他の労働者を使えば、何ら保安に支障が起らない。これらの、何ら公共の福祉に関係のない場合においても、本法違反になり、刑罰の対象になるというがごときは、拡大解決もはなはだしきものであると言わなければなりません。しかも本法は、ずさんにして、「正常」とか、「直接」とかいうきわめてあいまいな言葉を使い、拡大解釈のおそれのある危険立法であると言わざるを得ないのであります。さらに最近、水力発電の場合、枯れ葉を除去すること、貯水池に枯れ葉があった、これを除去するということを拒否する、そうしたことも、本法に抵触するごとく考え、炭鉱の保安炭搬出の問題についても、本法の拡大適用をせんとする意図のあることを、これは明らかに立証しておるものでございます。基本的人権の制限をする場合のとるべき立法技術ではないと言わざるを得ません。
 第五の点につきまして申し上げます。本法の恒久化を要求しているのは、国民の世論ではない、政府と一握りの資本家であることを指摘しておかなければならぬのであります。(拍手)朝日新聞の社説は、スト規制法を提出すべきでないと論じて、労働法学者は、あげて本法の不当性を突き、全国の労働者は熾烈な反対運動を展開しております。自民党の党内にも、良識ある人々もありまして、本法存続の提出を見合わすべきであるという御主張がなされておったと承わります。(「それはあるだろう」「その通り」と呼ぶ者あり)しかるに、政府はあえてこれを提出し、炭労、電産の諸君が今にも電気を消し、電車をとめ、炭鉱を爆発さすがごとき逆宣伝を行なっておる。なかんずく、倉石労働大臣に至っては、ラジオ放送によって全く横暴な、暴戻なる表現で、このことを国民に扇動いたしておるのであります。「この法案が否決されれば炭鉱は爆発し、電気は消え、ラジオも聞けなくなりますよ」と国民にあおっておる。これまさに扇動でなくて何でございましょう。(拍手)一体政府は、何のためにかような扇動をするのか。聞くところによりますというと、後継総裁選挙をめぐりまして、自派に有利に導くために、きそって資本家にこびを売っておると言われております。あるいはまた資金の援助を仰ぐためのものではないかという、うわさも飛んでおります。国民のために、保守党のためにも、このような悲しむべき事柄は、よくよく慎しんでいただきたいのでございます。(拍手)
 私は最後に、次のことを想起いたします。それはわが国の希代の悪法と言われました治安維持法制定の過程でございます。時は大正十一年の二月、時の政友会内閣は社会運動者を弾圧するために、過激社会主義運動取締法案なるものを提案したのでございます。院の内外における反対により、ついに審議未了となりましたが、しかし政府及び当時の官僚は、なおもひるむことなく、翌年の大正十二年九月一日の関東大震災を契機に、九月の九日、治安維持に関する緊急勅令なるものを出し、ついにそのあとを追って治安維持法にすりかえ、拡大解釈をして、私たち及び私たちの多くの先輩、社会運動者、労働運動者はおろか、キリスト教の牧師に至るまで、これを取り締り、投獄したのでございます。このことは単に私のみならず、ここにおいでの多数の皆さんが経験され、そうしていまだ打ち消すことのできない悪夢として残っておるのでございます。(拍手)
 昭和二十七年に、炭労、電産の争議の経験にかんがみと称して臨時立法を設け、従来違法としたものを明確化するにとどむるものであると言っておりますが、国会及び国民を欺瞞して制定し、三年たつや一挙にまた委員会審査を省略するという暴挙をあえてして、非合法的なやり方でもって会期を延長し、六日間もあるのに中間報告を本日この会議に要求して、そうして一気に本会議において可決せんとするということは、議会政治を否定したものであり、これこそまさに、国会議員の審議権を無視するのみならず、ファッショ化への第一歩であると断言してはばからぬものでございます。(拍手)しかもこれを恒久立法にすりかえ、拡大解釈するという態度は、民主政治の上に断じて許すことができません。(拍手)政府のいう公共の福祉はファッションの福祉論であり、かつての東条内閣の公益優先となり、ナチス・ドイツの基本的人権圧殺のための、公益は私益に優先すると、全く同じ言葉になり終ったのでございますが、本法は、公益の福祉の名において日本の民主主義を破壊する法律であることを強調し、院外における手数百万の勤労大衆の怒りを代表いたしまして、私の討論を終らせていただきたいと思います。(拍手)
    ―――――――――――――
#60
○議長(松野鶴平君) 安井謙君。
  〔安井謙君登壇、拍手〕
#61
○安井謙君 私は、参議院自由民主党を代表いたしまして、ただいま上程されております本議決案に対しまして賛成の意を表するものであります。(拍手)
 御承知の通り、本案は、昭和二十七年のあの電産、炭労の争議が、国民の公益に、はなはだしい影響を与えた事実にかんがみまして立法されたものでございます。(「何を言うか」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)三年間たちました今日、これを存続させることについての院の議決を政府が承認を求めに参った法律でございます。(「全然研究してない」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)従いましてこの法律の審議は、普通の新しい法律の制定とか、改正とかと異なりまして、おのずから審議の様式も単純化さるべき性質のものであったのであります。(拍手、発言する者多し)御承知の通り、衆参におけるこの法律の審議日程は折半されたわけでございます。折半されたにもかかわらず、衆議院におきましては、これも皆さん御存じの通り、六日間の実動審議をもちまして、本会議の討論、採決まで終って、本院に送られて参ったものでございます。参議院におきましても、社会労働委員会におきまして、委員諸君の熱心な御質問の結果、七日間にわたりまして連日審議が続けられました。予定の通りの公聴会も終り、連合審査会も終りまして、本格的な総括質問及び討論、採決の段階に至るというわれわれ与党の見解と、そうして、さらに関係大臣を次々に招致をいたして、今後も一般質問をいたしたいという野党の諸君との意見の対立をみて、これが紛糾の種になり、本会議に持ち込まれましたことは、私ども深く遺憾に思っている次第でございます。
 私がこの案に賛成いたします第一の理由は、本案は、いわゆる労働争議権と社会の公益との調和をはかり、もってこの公共の福祉を擁護せんとする必要最小限度の公益保護法であるという点であります。(拍手)本法の性格につきましては、制定当時、すでに十分の論議が行われて参っております。また、その必要性は、広く国民の各層から支持されたところでございますが、今、若干この点について顧みたいと思います。
 まず、電源ストについてでありますが、御承知のごとく、電気というものは他の産業と違って、供給と消費が直結をいたしており、争議行為としてこれが停止された場合は、何らの対応措置が残されていないのであります。しかも、その被害をこうむる者は、争議の相手方である経営者のみでなく、一般の家庭であり、商店であり、農家であり、工場であり、一般国民の大衆であります。単なる組合の争議手段のために、かかる取り返しのつかぬ打撃を広く国民の生活に与えることは、憲法第十二条、第十三条の精神からみまして、当然許すべからざるところでございます。(拍手)
 また、石炭鉱業において、争議手段として保安業務を放棄し、ために温水、落盤、自然発火、有毒ガスの充満等の危険が生じ、その結果、人命の危険、石炭資源の滅失ないし炭鉱の破壊を招くに至る行為は、争議行為としての正当性の範囲をはかるに逸脱をするものでありまして、本来、争議手段として認めるべからざる反公益的行為であることは申すまでもありません。本来、争議行為は賃金引き上げを目的とするものであり、それによって打撃をこうむるのは、当然その直接経営者でなければなりません。しかるに本法が禁止する電源スト、あるいは保安放棄が与える打撃は、社会公共的利害にまで拡大され、あるいは事業の存続自体を破壊するに至るものでありまして、法益の均衡上とうてい許さるべきことではございません。すなわち以上の電源ストあるいは保安放棄は、本法のあるなしにかかわらず、本来正当な争議手段とは言えないものでありましで、この意味において、よく言われますいわゆる緊急調整制度とは、その趣きを異にしておるものであり、緊急調整制度と相待って、公共の福祉を擁護せんとするものであります。本法については、これが労働基本権の制限であり、あるいは憲法違反ではないかとの説があります。一体、憲法が国民に保障する基本的人権は、本来無制限に行使し得るものではなく、公共の福祉に反しない範囲において行われるべきであります。憲法第十二条、第十三条は、この趣旨を述べているものにほかならないのであります。この趣旨は、第二十八条についても、当然当てはめることができるのでありまして、争議権と公共の福祉との調和ということは、憲法の当然に予想するところであり、従って、争議行為の方法についても必要な限界を画し、もって公共の福祉を擁護することは、何ら憲法違反でないことは明らかであります。(拍手)ただ単に、労働組合に強力な争議権を付与せんとはかるのあまり、公共の福祉を破壊するの危険を顧みない態度こそ、憲法の精神に違反する無責任な態度と言わなければなりません。
 本存続議決案に賛成をいたします第二の理由は、本法施行後三年を経過した今日、電気事業及び石炭鉱業における労使関係の現状は、遺憾ながら本法を必要としない情勢になったとは認めがたいことでございます。さすがに、本法が制定されました昭和二十八年以後は、組合の内部においても反省が行われ、あるいは組織の解体等が行われたことは事実でありますが、組合としてこういう戦術は、法律がなくとも、本来行なってはならないのである、今後行わないのだと、こうはっきりと言明をしておる組合は、今日いまだないのであります。なるほど電気については、現在の組合が、かつて電産が行なったような停電ストを直ちにやるとは考えられません。しかし今日、それかといって、一度禁止が解けた場合、今後あのような事態が全然起らないという保証はまだないのであります。また石炭鉱業におきましては、争議行為中の保安を確保するということは、労働協約としても労働慣習としても、いまだかつて確立されたことがないばかりでなく、実際に幾たびか保安業務の放棄が指令をされ、実施され、またいつでも争議戦術として取り上げられる情勢に今日あるのであります。
 本議決案に反対する人の中には、三年間に、本法に違反した行為は一つもないと言っておる人がありますが、これは全くの誤まりでございます。すなわち昭和二十八年の本法制定以来、同年十二月には、賃金交渉の時に保安放棄を指令、二十九年十二月、期末手当交渉のときに、重点スト中の三菱高島炭鉱で保安放棄を実施、三十年二月、三月、賃金交渉時に保安放棄を指令、さらに三十年七月、北炭二山に指令、三十一年一月、北炭、住友、古河、雄別に指令、三十一年二月、三月、賃金交渉時に大手十四社に指令、三十一年七月、古河大峯ストで保安放棄を決定と、以上のように、しばしば保安放棄の戦術が指令されておることは事実でございます。(拍手)ことに昭和二十九年末の三菱高島炭鉱の争議におきましては、保安出炭を放棄したため、坑内に火災を生じ、廃坑を生ずるに至ったのは、争議に興奮した組合員が、いかに危険な事態を生ぜしめて顧みないかの最もはなはだしい事例でございます。(拍手)幸いにいたしまして、以上の争議の大部分は、経営者側の譲歩と、あるいは組合側の戦術の転換のため大事に至らず済んでおるのでありまするが、ここに特に注意しなければならないことは、炭労が今日までなお保安放棄を正当な戦術とし、争議戦術としての保安放棄をいまだ断念をしていないということであります。(拍手)
 すなわち炭労は、昭和二十八年三月、第七回定期大会の賃金闘争自己批判書におきまして、これを読み上げますと、「戦術が総合的かつ有機的に駆使され、さらに保安要員引揚げ体制が確立されてこそ、闘いは勝利に向って前進するものと確信する」とうたってあるのであります。(拍手)さらに三十一年五月の第十五回大会で決定された昭和三十一年度行動方針においては、次のごとく述べられております。「今次闘争において、われわれが既定方針であった保安要員差出し拒否の方針の実施を避けたのは、あの当時の条件のもとにおいては、それを採用することは適切ではないと判断したからであった。この方針を放棄したからではもちろんなく、それは最後の手段として今後なお残されているものであることは再確認されねばならない。その実施については、彼我の条件を慎重に考慮し、その実施方法についても画一的なやり方の是非については十分検討さるべきである」と、こう述べられておるのであります。(拍手)かくのごとく石炭従業員の大多数を傘下におさめる炭労は、公然と保安放棄の戦術の採用を決定いたし、保安放棄戦術は本来正当な戦術であるから、必要となればいつでもやるんだと繰り返し強調をしておられるのであります。(拍手)本法が存在する現在でさえこのありさまでありまする以上、本法を廃止してこれを野放しにすることは、責任ある政治家として、とうていなし得ないところであります。(拍手)
 また反対論者の中には、本法の制定により、経営者はあらゆる労働組合の要求に対して、ノーと言う自由を獲得し、組合はこの三年間、手足をもがれて弾圧をされたと言っておりますが、これも、はなはだ実情をわきまえないものであります。本法制定後も、労働組合が労使間の交渉で、毎年の賃金引き上げに相当の成果をあげておることは、総評自身が、ある程度成功したと認めておる点から見ましても否定できません。ことに最近の労使交渉は、ほとんど中労委の調停に至らぬ段階で自主的に解決されておるものも数多いのであります。これは本法が存在をいたしましても、経営者は決してこの上にあぐらをかいて、一方的に強権を発動する必要はなく、誠意をもって交渉に当っておる証拠であります。本法が存在するため労使間に不均衡が見られるなどとは決して言えないのであります。もとより労使関係については、法をもってこれを規律することはできるだけ避け、むしろ労使の良識と健全な労働慣行に待つことが望ましいことは言うまでもありません。しかしながら、以上のような労働情勢の現実を直視するならば、公共の福祉を尊重する労働慣行が確立されるまでは、遺憾ながらなお幾多の時日を要するものと見なければなりません。(拍手)一部の無責任な扇動者のために国民の生活が破壊され、日本経済の再建が挫折されることのないために、今日においては、なお本法は必要最小限度の公益保護法として、ぜひとも存続させることが必要であると思うものであります。
 私は最後に申し上げたいのでございまするが、この法案の存続に反対をなさっていらっしゃる多くの方の根拠に、世論の反対をあげていらっしゃいます。私ども社会労働委員会は、先日公聴会を開きました際に、朝日新聞を通じまして、全国にこの公述人の公募をいたしたのであります。全国の国民の中から、この告示を見て応募をしてこられました方が、書面で十八通ございました。この十八通の書面は、ほんとうに国民の素朴なる真意の現われであるとわれわれは思っておりますが、その十八通の中で、本法の存続に、明快な反対を積極的に意思表示されたものは、わずか五通にすぎなかったのであります。(拍手)私はこれをもって、世論の代表であると存じておる次第であります。
 これをもって私の賛成討論を終らせていただきます。(拍手)
    ―――――――――――――
#62
○議長(松野鶴平君) 阿部竹松君。
  〔阿部竹松君登壇、拍手〕
#63
○阿部竹松君 私は日本社会党を代表いたしまして、さいぜんのわが同僚議員山本經勝君同様、今回、政府が本院に出しておりまする電気事業並びに石炭鉱業に対するところのスト規制法案に、断固反対の意見を申し述べるものであります。(拍手)
 御承知の通り、昭和二十八年にこの法律ができましてから、足かけ四ヵ年間、当時の政府は、労使の安定をはかるとか、あるいはまた将来の労使の均衡をはかるとか、あるいはまた調整をするとか、こういうような幾多の答弁が委員会あるいは本会議でなされたのでありまするけれども、その政府の委員会答弁、あるいはまた本会議における答弁は、何一つとして現在まで実施されなかったのであります。特に電気産業におきましては、実質的な争議権を剥奪され、あるいはまた経営参加制度のような代償も得ておらない。むしろ既得権でありました若干の経営参加権すら奪われてしまう、あるいはまた協約も漸次改悪されて、当然、生活給的賃金は逆に安くなってしまう。あるいは電気事業が九分割の状態となりましたので、遺憾なくこの欠陥を露呈いたしまして、たとえば東京電力と東北電力、あるいはまた関西電力と北陸電力のごとく、各企業間におけるところのアンバランスが出て参りまして、賃金、労働条件の差がだんだんと生じて参ったのであります。
 一方、石炭産業におきましては、これまた一昨年、今の石橋湛山通産大臣の前の通産大臣は、自由党の愛知揆一さんでございました。この愛知さんが、皆様方御承知の方があるかもしれませんけれども、二十九年の三月に、通産省の決定として、本年度は石炭は四千八百万トン必要だ。三ヵ月もたったら、今度は四千六百万トンしか要らない。あるいはまた、もう三ヵ月たったら、今度は四千三百万トンで、十二月になったら、実際の石炭の量は三千九百五十万トンであるという、まことにでたらめきわまる通産行政であったのでございます。(拍手)こういうような状態でありますから、昨年、政府は、石炭産業合理化法案というものを出して、それぞれの石炭産業のやまを買い上げた。五百に余るやまは、次から次へとつぶれて行き、十万に近い炭鉱労働者が路頭に迷う。こういう状態が続きまして、あらゆる日本の国民各位から救済物資をいただきました。あるいはまた、はるばる太平洋を越えて、アメリカのサンフランシスコから日本の横浜まで船に積んで、日本の炭鉱労働者諸君を助けて下さいといって救済物資が来たけれども、通産大臣あるいはまた時の政府は、何ら手を打ってくれなかったということは、皆様方よく御承知の通りだと思うわけであります。(拍手)
 こういう状態の中に電気産業の労働者あるいはまた石炭産業の労働者を置いておきながら、炭鉱労働者に与えたものは一体何であるか。二年間に与えたものは、たった一つ、全山ロック・アウトというものを与えたわけであります。こういうような状態でありますから、政府の石炭政策あるいはまた電気政策に対するところの無定見が、一切労働者にしわ寄せされるという状態が今日まで続いておるということは、自民党の皆さんといえども肯定されることであろうと私は思うのであります。(拍手)
 次に、自民党を代表して安井謙君が、これは違法であるとか何とかいう五つ六つの例証をあげて言われました。私はその点、一点だけ反駁するわけであります。数点あげられたわけでありまするけれども、これは川崎発電所の問題であります。これは東京高等裁判所の――これはいかに自民党の皆さん方も否定しないでしょう。高等裁判所ですからね。(笑声)この東京高等裁判所の横浜地裁の判例を一つ読んでみます。「重大なる事故発生の危険を伴いやすい職場放棄等の手段を避け、比較的安全にして効果的な停電ストに出たことは、電気事業の性質上機宜に適した措置であったものというべく、従って本件停電ストをもって必ずしも正当な争議行為の範囲を逸脱したものであるとは認められない」、これは牧野法務大臣も、これは違法であるということはおっしゃらないと思うわけであります。こういうような状態で、安井謙君のは、一つ一つ爆撃したいわけでございまするけれども、おとなげないわけでございまするから、若干、政府が二つの根拠をもって、この法律を主張しておりますので、二つの根拠について、若干わが日本社会党の見解を申し上げたいと思うわけであります。
 第一番、政府の考え方は、政府は提案当時、本法案は創設的な立法でなくして、解釈的立法であり、宣言的立法である。従って、従来社会通念上、違法または不当な争議行為を明確化したにすぎないと言っていたが、果してそうであるかどうかということは非常に疑問であります。従って、ストライキを行なった場合に、迷惑をこうむった公衆の気持の中に、ストライキというものは、まことに悪いという若干感情があるということは私も認めるわけであります。あるいはまた、第三者は、当然当事者に比べて、比較的に判断を下しやすい立場にあるわけでありますが、一方、冷酷で無責任な批判者の立場に回ることもあるわけであります。従いまして、労働者が自分でストライキをやっている場合には、これは問題がなくして、よそがストライキをやっているというときには、非常に不平を言っている人もあるということも率直に認めなければなりません。しかしながら、その最大理由は、現在の民主主義というものは非常におくれている。従って、認容の精神が足りないということも申し上げなければなりませんし、ただこれだけによって社会通念であると断言することは、はなはだ不穏当であろうと考えるわけであります。従いまして、いまだストライキをもって罪悪であるというように見る人もございまするし、あるいはまた、手段だけを判断いたしまして、これはまことにけしからぬという方も若干おられるということは、われわれといえども認めるわけであります。しかしながら、労働法は御承知の通り、本来労働者の闘争の歴史の遺産であって、血と汗によって色どられて今日できた動的法律であるということも、皆さんは当然お考えになると思うわけでございます。従って裁判所は、相次いで起りまするところの停電スト、あるいはまた電源ストを全く合法なりと判定を下しているわけであります。これは明らかに、この争議行為というものが、当然社会通念上合法的なものであるということを示すものでありまするし、立法当時、政府の言っておられましたところの社会通念上の違法、あるいはまた不当であるという考え方は政府の独断的解釈であったことを証明するものであろうかと信ずるわけであります。この点だけでも当然、政府は責任を感じて廃止すべきであるにかかわらず、依然として解釈立法なりとして欺瞞的言辞を弄しまして、恒久立法にし、新たに争議行為を弾圧せんとするこの行為に至っては、断じて許すことができないわけであります。(拍手)
 皆さん方御承知の通り、一方石炭事業におきましては、坑内労働者の昭和二十四年より五ヵ年間の統計を若干申し上げてみたいと思います。これは倉石労働大臣のところの労働省の統計と全く一緒でありまして、平均一年間に坑内労働者が一千名について二・三八名ずつ犠牲者となって死んで行くわけであります。あるいはまた負傷者は一千名に対して四百六名の多きに達しておるわけであります。すなわち坑内労働者は二カ年半には、必ず一回ずつ負傷するという統計、九年に一回は生きるか死ぬかという運命をたどっているというのが炭鉱労働者の実態であります。従いまして、炭鉱に一生を捧げる労働者は、三十五年間勤務するならば、十四回の負傷を受けて、四回の重傷を負って、その中に一割に及ぶ人が幽明境を異にして、なくなって行くというのが実態であります。現在までの統計によりますると、百万トンの石炭を出すためには十八人の死亡者が出るわけであります。従って三千二百名の負傷者が出る。こういう実態が石炭従業員の実態であります。従いまして、自民党の皆さんといえども、緑風会の皆さんといえども、お聞き願っていただきたいことは、ストーブに石炭をくべると、石炭が赤々と燃えるわけであります。しかしこの赤々と燃える石炭は必ず、石炭だけの赤い炎でなくして、炭鉱労働者の血と肉のかたまりであるということも、心の中に銘記していただきたいわけであります。
 従って、この法律は公共の福祉という美名に隠れて政府は出しておられるのでありますけれども、これは憲法二十八条に基本的人権をうたっておりますし、基本的人権は侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来に与えようとしております。不断の努力によってこれを保持しなければならないということもうたっているわけであります。ところが、二十八条の権利は二十九条の財産権と異なるということも皆様方御承知の通りであります。従いまして、法律では制限することができないということを明確に規定しているのでありまして、ここに新憲法の意義があるということは、皆様方御承知の通りであります。昔の明治憲法は、いかなる問題も、法律の範囲内において国民の権利を縛ることができた。あるいはまた国民の自由を侵害することができた。しかしながら、新憲法は明治憲法と異なりまして、法律によってわれわれの自由を縛ることができない、あるいはまたわれわれの権利を縛ることができないということが、新しい憲法の精神でございます。従いまして、もし政府が公共の福祉という名前をもって、基本的人権を自由に制限し得るという万能薬と考えるならば、それは明治憲法と何ら変ることのない憲法になってしまうわけであります。人権の自由を制限したり、あるいはこれを万能薬と考えている自民党の諸君といえども、国会の多数派であるという理由で、多数の国民の意思であるという考え方で、それを公共の福祉に適するものであるとして、自由に憲法に保障された権利が侵害できると考えているようでありますけれども、これは思い上りも全くはなはだしいものであります。(拍手)有名な、かのジャクソン判事は、次のように言っているのであります。すなわち、「権利章典の真の目的は、ある事柄を政治的な争いの渦中から引き離して、多数派や官僚の支配できる範囲の外に置き、かつそれを裁判所の適用すべき法原則として樹立するところにあった。基本的人権は投票に左右されるものではなく、選挙の結果に依存するものではない」と、つまり法律というものは、選挙によって自由になったり、あるいは多数派によって憲法が変えられたり、法律が変えられたりするものではないということは、ジャクソン判事が、皆様方御承知の通り明確に言っておるわけであります。こういう言葉を日本の政府並びに自民党の皆さん方はよく心に銘記していただきたいと思うわけであります。(拍手)
 倉石労働大臣が担当の大臣として委員会に出られまして、再三答弁をお伺いしたことがございます。その点に若干触れてみたいと思うわけでございます。倉石労働大臣は参議院で、私が出たときは三回であります。衆議院ではおそらく五、六回お話になったかもしれません。それはこの問題が論議されたとき、スエーデンの例を取り上げて、皆さん、スエーデンを見なさい、スエーデンというところは昔は牢獄であった、しかし今は博物館になっておる、スエーデンというところは全くいいところである、こういうように社会福祉を作りたい、このように三回私は聞きました。しかし倉石労働大臣は、そこまでおっしゃってあとは言わない、あと知らないためにおっしゃらないのか、意識的におっしゃらないのかわかりませんけれども、スエーデンの政権は社会党政権である。(拍手)日本の政権も社会党政権になったならば、スエーデンと全く同じようになるということを倉石労働大臣は知らないか、意識的に言わないか、どっちかであります。(拍手)もう一点は、ドイツの炭鉱労働者と日本の炭鉱労働者との違い、ドイツの炭鉱労働者はストライキをやらない、日本の炭鉱労働者は保安放棄などというストライキをやる、ドイツの炭鉱労働者を見なさい、こういうことを倉石労働大臣がぬけぬけと申しました。皆さん、今より十一年前に、日本は戦争に負けた、ドイツも負けた。そのときに、日本と同じくアメリカから復興のために金を借りようとしたことは事実であります。ところが、ドイツの炭鉱には、共同決定法というのがあって、炭鉱経営の中には労働者の代表が入ることになっている。そこでアメリカがドイツに金を貸そうとしたときに、アメリカの政府は、ドイツの国に金を貸すのはけっこうであるけれども、労働者が入って経営に参加しておるような法律があれば貸すことができない、従ってその法律を国会で破棄してしまいなさい、そうすればドイツの復興資金を貸すであろう、こういうようにアメリカの政府からドイツの政府に連絡があった。ドイツの政府からドイツの炭鉱経営者に連絡があった。ところがドイツの炭鉱経営者は、わが国の国内において炭鉱を経営する場合に、労働者が入ってこようが、政府が入ろうが、われわれが入ろうが、これはドイツの国内の問題であってアメリカの関与は一切受けません。従って、われわれ戦争に負けて苦しいけれども、こうした事情でアメリカの金を借りれば将来の大問題になるから、アメリカの金は借りることができない、炭鉱労働者諸君、苦しいががんばってくれといって、一切の財産を投げ出して炭鉱労働者と手を握ってたたかった。日本の政府は、日本の経営者は、アメリカの金を借りてどういうことに使っておるかということをここでお話しするよりも、皆さん方がよく知っておるはずであります。
 こういう状態でありまするから、炭鉱の実態とか、あるいはまた電気産業の実態を皆さん方が少しでも御理解していただけるならば、ここにおられまする鳩山内閣総理大臣以下、時の政府、私は自民党の皆さん方の中にも必ず、安井君のような人ばかりだとは思わない。従って、私は最後に政府にお願いすると同時に、自民党諸君に訴えるわけでありまするけれども、私は鳩山さんの四十年の政治生活で、鳩山さんは非常に民主主義者だと言われておって、いよいよ最後の政治界から静かに消えて行くといったら言葉が悪いのでありまするけれども、とにかくおやめになるそうであります。非常に鳩山さんは開放的で民主的な人だと、このように聞いて参ったが、いよいよ最後の総理大臣をやめるときに、たった一つくらいは、いい法律を作りそうなものであるにもかかわらず、なぜ弾圧法案を作るかというところで、四十年前の当時は帝国議会にいっておりましたが、当時の帝国議会から四十年前からの速記録を調べてみたところが、鳩山さんがかつて少壮政治家と言われたときに、ここにおられまする牧野法務大臣が青年政治家と言われたときに、こういう問題が一つある。(拍手)これは普選法案が国会に出ては否決され、出ては否決され、出ては否決され、普選法案というものは、まことにけしからぬものであると、こういうことで、今の内閣総理大臣が若かりしころ大反対だった。それが今から三十五年前の十一月であります。その鳩山さんの演説が、外国において労働争議が起きる、これは大問題だ、外国で労働争議が起きて、てんやわんや、やるということは、政治をとにかく全部の国民にゆだねておるから争議が起きる。従って私は普選を実施することは大反対だ、こういうように鳩山さんがおっしゃって、われわれ一般国民に選挙権を与えることに大反対の演説をやった。それに賛成したのがここにおられる牧野法務大臣、(拍手、笑声)牧野法務大臣は、今から五日前の、今より五日前です。五日前の法務委員会と社会労働常任委員会の連合の席上で、そのぐらい炭鉱労働者にほざくのであれば、そのぐらい石炭が重要であれば、石炭国営にしたらいかがですかと、牧野法務大臣に聞いたら、全く私は石炭国営法案に賛成ですと。自民党が、もう少し党ががっちりしておれば、牧野法務大臣は直ちに除名されるかもしれない。しかしながら、牧野法務大臣は、自民党の政策として石炭国営のコの字も言われない。私はお酒にお酔いになっておるようでしたから、私はあまり質問しなかったのでありますけれども、そういうことを言って、その委員会だけのがれようとしている。その牧野法務大臣が、今より三十五年前の帝国議会において、鳩山さんと政治戦線を張って反対討論をやっている。三つ子の魂百まで、こういうことが日本の国の言葉にあります。そこで、こういうことで、私はやはり鳩山さんの政治というものは、牧野法務大臣の政治というものは、終始一貫、口ではいかにりっぱなことを言っても、そういう精神が太平洋戦争を通じて流れておる、こういうことを皆さん方にまず申し上げたい。それと同時に、鳩山さんがそういう演説をして国会が解散になった、閉会になった、そこがまた問題である。そこをちょっと読んで見ます。これは速記録でありますから、いいですか。これは鳩山さん、あるいはここの牧野さんが国会で反対して、そうしてそれが閉会になった。その閉会後の問題がここに詳細に書いてある。いいですか、これは「七時二〇分に散会してのちの巷は、ついに血に彩られた。その日、憲政会本部に普選請願書の交付を受けにあつまった民衆の数は一二万といわれたが、議会散会のときもなお本部には民衆がむらがっていた。「議会はただいま散会になりました」との報告が民衆につたえられた。民衆は表と裏の両門からナダレをうって退出しはじめた。裏門には正力官房主事」――正力国務大臣のことです。「正力官房主事、表門には井平駒込署長が多数の警官を指揮して厳戒していたが、民衆が退出してくるとみるや、でてくる民衆を誰彼とかまわず寄って集ってなぐる、ける、言語に絶した暴力をあびせたうえ、かたっぱしからくらやみを幸に検束しはじめた。たちまち六〇名が拉し去られた。とみるうちに佐々木監察官は約一〇名の制服と同数の私服をつれて門内に突入し、玄関前にいた多数の民衆をひきずりだそうとした。民衆は本部のなかにのがれた。警官は追跡して当るを幸いに鉄拳を振った。かくて憲政会の本部は」大乱闘に陥ったのである。これがとにかく鳩山さんとか、あるいはまた法務大臣、あるいはここに来ておりませんけれども、正力国務大臣の今まで、三十年前にとってきた方法であります。こういう精神が流れておるから問題になって参るわけであります。従いまして、私はもっと申し上げたいのでありまするけれども、ただいま申し上げました通り、安井謙君の言われるような、われわれの気持もわかってくれる、電気産業労働者の、あるいはまた石炭産業の実態ということも十分知っていただける自民党の皆さん、あるいはまた緑風会の皆さんがおるということを信じて、特に鳩山総裁には、最後の花道でありまするけれども、どうぞまた、今からでもおそくない、という言葉があります。どうぞ鳩山総理の責任において、この法案を引き下げられるよう特に強調いたしまして、反対討論を終るわけでございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#64
○議長(松野鶴平君) 早川愼一君。
  〔早川愼一君登壇、拍手〕
#65
○早川愼一君 私は緑風会を代表いたしまして、本法の存続に賛成するものであります。(「大多数の意見か」と呼ぶ者あり)
 本法の実体的内容につきましては、第十六国会におきまして、しさいに検討され、十分な審議が尽されておるのでありまするから、(「状況が変っている」と呼ぶ者あり)ここで再びこれを繰り返す必要はないと思うのであります。そこで、ここにおいては本法施行後三年にわたる実情にかんがみまして、本法を必要としない社会情勢が出てきたか、あるいはよき労使間の慣行が成熟して、世間の人が民生の安定で、安心ができるような状態になっておるかどうかということを、厳密に検討してみることが肝要ではなかろうかと思うのであります。
 去る二十七年の秋に行われました電産並びに炭労の長期のストライキの結果、わが国の労働融合運動の分野に画期的な変化があったということは注意すべきことであります。それは、この二つの争議を契機といたしまして、総評の内部において、批判の声が起り、ついに海員、全繊等の四つの単産が総評から脱退して、民主的労働組合活動を標傍いたしまして、全労会議が結成され、日本の労働組合運動の分野が二分されるに至ったということであります。これに並行いたしまして、また当時の急進的な電産はその勢力を喪失いたしまして、これにかわって新たに民主的な企業別組合主義の立場に立つ電労連が誕生して、電気産業従業員の圧倒的多数を傘下に擁するに至ったという事実であります。かくのごとくにしまして、二十七年の秋の争議に対する強い反省は、日本労働運動の内部において、かなり顕著に表明せられるに至ったことは事実であります。しかしながら、その反面におきまして、依然として本法の存続をしなければならぬという、この安心できぬような遺憾な傾向が存在する事実を無視することはできないのであります。たとえば、先ほどもお話がありました石炭労働者の多数を支配下におさめているところの日本石炭労働組合は、二十七年の秋以降、年次大会におきましても、保安放棄戦術の採用を公然と決定しております。保安放棄戦術は、組合として、いつでも必要になればこれを実行するということを繰返して強調いたしておるのであります。また十一月十四日の東京新聞によりますと、炭労の中央執行委員の原君が、「保安放棄戦術は、もともと組合にとっては正当な戦術である。スト規制法がことさらにこれを不当祝しているのだから、これを是正するのだ。」ということを言っておるのであります。すなわち言いかえますならば、保安放棄は正当な労働争議の行為であるにもかかわらず、国会の審議を経て議決された法律が間違っているということを言っておるのであります。こういう考え方だからこそ、本法施行の後におきましても、先ほど安井議員が言われたような実例がたくさんございます。その他電気産業につきましても、ここにことさらあげることはやめますが、それらの実例が現存しておるのであります。しかしながら、同時に考えなければならないことは、本法案はわずか三ヵ条から成り立っている立法であり、特に罰則もなく、ただ炭鉱の保安放棄と電気事業における停電ストを不当な労働行為に規定しているところの、いわば宣言立法であります。しかも二十七年秋の長期ストの影響に対する応急的な対症立法であるというこの性格はぬぐうことができないのであります。関係法規の関連も必ずしも明確ではございません。法律の形も、その法律の名称も、まことに長ったらしい、すっきりしていないことは私が申し上げるまでもありません。従って第十六国会の審議の過程におきましても、三ヵ年という時限がつけられた理由というのは、またここにあるのであります。もしも本法の存続が、この国会で議決されますれば、一応は、本法は恒久法としての性格を持つことになるのであります。しかしながら、本来、政府は当然よき労働慣行の成立するように行政的なあらゆる指導をし、またさらに現行法におきましても、労調法の第五章には、争議行為の制限禁止のことが書いてあります。これらに関連いたしまして、あるいは鉱山保安法に関連し、あるいは電気事業に関連しまして、その関係法規の改正をはかられるということ、かような抜本的な方法、恒久的な方策が、必要なものであろうと考えておるものであります。こういう立法上の不満にもかかわらず、われわれがあえて本法の存続に賛成する理由は、先にも述べました過去三ヵ年の実績に徴して、いまだに両産業の労使間に良識ある慣行が成熟したとは判断し得ないからであります。ただ最近におきまして、東北電力株式会社と東和電力労組と、その労働協約の中におきまして、電気事業の公益性にかんがみ、義務の履行は信義を尊び、権利の行使は公共の福祉に従うものであるということを、労使間において協定をいたしました。この労使間の紛争に新しい秩序を樹立しようとする努力が現われて参りましたことは、わが国の産業にとりましても、また労働運動の今後のあり方のためにも、まことに喜ばしいことと存ずる次第であります。
 しかしながら、石炭産業におきましても、電気産業におきましても、まだかくのごとき良識ある慣行が成熟するには、いまだ遺憾ながらほど遠いのでありまして、ここに私は、先ほど山本議員が引例されました公聴会の一部に、野村早稲田大学教授が、「良識とか、慣行とかいう問題は、争議行為を禁じているもとにおいては育ちようがない」こういう御発言がありました。なるほど、この点につきましては一応の理論としては承服するのであります。しかしながら、また早稲田の教授の引例の中には、「どこの国でも、従来から争議行為というものは行われた歴史は長いのである。やはり初めのうちは非常に乱暴であった。アメリカでも、英国でも、そういう争議行為をやっているうちに、だんだん良識というものは、公衆からの批判が反映して生まれてくるものである」と、こういうふうにおっしゃったのであります。この点は、私どもも傾聴するに足る理論でありますが、遺憾ながら日本では、戦後急速に発展した労働運動でありますために、かくのごとき長い歴史を経た労働慣行を、今にわかに日本に樹立することは、はなはだ困難であると断ぜざるを得ないのであります。(拍手)
 私は最後に、わが国の産業界の発展のために、進んで労使間に健全なる慣行がすみやかに成熟いたしまして、かくのごとき法律が不必要となる時期が、一日も早く実現することを望んでやまないものであります。(拍手)特にわが国の基幹産業でありますところの石炭と電気産業におきまして、この労使双方の関係者が絶大なる努力を払われまして、すべて労使間の紛争は、双方が信義誠実のもとに、相手方の立場を尊重しつつ話し合うならば、必らずや本法を不必要とするような時代がくるのも遠くはないと信じて疑わないのであります。
 この点を付言いたしまして私の賛成討論を終ります。(拍手)
#66
○議長(松野鶴平君) 富田重文君外一名から、成規の賛成者を得て、討論終局の動議が提出されております。
 これより本動議の採決をいたします。(「反対」と呼ぶ者あり、その他発言する者多く、議場騒然)
 本動議の表決は記名投票をもって行います。本動議に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 氏名点呼を行います。議場の閉鎖を命じます。
  〔議場閉鎖〕
  〔参事氏名を点呼〕
  〔投薬執行〕
  〔「小会派を無視しているぞ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し〕
#67
○議長(松野鶴平君) 投票漏れはございませんか。……投票漏れないと認めます。
 これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
  〔議場開鎖〕
  〔参事投票を計算〕
#68
○議長(松野鶴平君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数   二百七票
  白色票   百三十三票
  青色票    七十四票
 よって討論は、終局することに決しました。(拍手)
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名     百三十三名
      森 八三一君    早川 愼一君
      野田 俊作君    中山 福藏君
      田村 文吉君    林田 正治君
      中野 文門君    竹下 豐次君
      村上 義一君    廣瀬 久忠君
      大谷 贇雄君    川口爲之助君
      島村 軍次君    北 勝太郎君
      小沢久太郎君    石井  桂君
      井上 清一君    伊能 芳雄君
      梶原 茂嘉君    加賀山之雄君
      堀末  治君    有馬 英二君
      苫米地英俊君    近藤 鶴代君
      上林 忠次君    井野 碩哉君
      藤野 繁雄君    谷口弥三郎君
      新谷寅三郎君    杉山 昌作君
      後藤 文夫君    高瀬荘太郎君
      一松 定吉君    井上 知治君
      本多 市郎君    鶴見 祐輔君
      草葉 隆圓君    仲原 善一君
      成田 一郎君    堀本 宜実君
      前田佳都男君    松村 秀逸君
      手島  栄君    鈴木 万平君
      柴田  栄君    塩見 俊二君
      大谷藤之助君    大沢 雄一君
      西川弥平治君    重政 庸徳君
      白川 一雄君    高橋  衛君
      土田國太郎君    斎藤  昇君
      雨森 常夫君    永野  護君
      迫水 久常君    三木與吉郎君
      田中 啓一君    横川 信夫君
      木島 虎藏君    安井  謙君
      関根 久藏君    野本 品吉君
      秋山俊一郎君    三浦 義男君
      高野 一夫君    宮田 重文君
      小柳 牧衞君    木内 四郎君
      青山 正一君    堀木 鎌三君
      左藤 義詮君    植竹 春彦君
      石原幹市郎君    黒川 武雄君
      重宗 雄三君    苫米地義三君
      中山 壽彦君    泉山 三六君
      平井 太郎君    小林 英三君
      大野木秀次郎君    寺尾  豊君
      大谷 瑩潤君    高橋進太郎君
      伊能繁次郎君    松岡 平市君
      武藤 常介君    西田 信一君
      稲浦 鹿藏君    吉江 勝保君
      平島 敏夫君    後藤 義隆君
      小西 英雄君    佐藤清一郎君
      西岡 ハル君    宮澤 喜一君
      吉田 萬次君    横山 フク君
      榊原  亨君    佐野  廣君
      青柳 秀夫君    白井  勇君
      井村 徳二君    山本 米治君
      松平 勇雄君    寺本 廣作君
      剱木 亨弘君    小幡 治和君
      上原 正吉君    岡崎 真一君
      古池 信三君    小滝  彬君
      館  哲二君    郡  祐一君
      西郷吉之助君    小林 武治君
      紅露 みつ君    木暮武太夫君
      石坂 豊一君    下條 康麿君
      野村吉三郎君    川村 松助君
      笹森 順造君    林屋亀次郎君
      杉原 荒太君    青木 一男君
      木村篤太郎君    津島 壽一君
      吉野 信次君    江藤  智君
      田中 茂穂君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名      七十四名
      大矢  正君    森中 守義君
      北村  暢君    横川 正市君
      鈴木  強君    藤田藤太郎君
      相澤 重明君    松永 忠二君
      占部 秀男君    鈴木  壽君
      大河原一次君    伊藤 顕道君
      坂本  昭君    木下 友敬君
      平林  剛君    山本 經勝君
      岡  三郎君    亀田 得治君
      秋山 長造君    久保  等君
      柴谷  要君    大和 与一君
      安部キミ子君    近藤 信一君
      千葉  信君    戸叶  武君
      大倉 精一君    竹中 勝男君
      田畑 金光君    吉田 法晴君
      中田 吉雄君    荒木正三郎君
      松澤 兼人君    河合 義一君
      江田 三郎君    小笠原二三男君
      藤田  進君    田中  一君
      野溝  勝君    松本治一郎君
      三木 治朗君    岡田 宗司君
      岩間 正男君    長谷部ひろ君
      阿部 竹松君    安部 清美君
      松澤 靖介君    光村 甚助君
      鈴木  一君    湯山  勇君
      加瀬  完君    千田  正君
      椿  繁夫君    阿具根 登君
      矢嶋 三義君    相馬 助治君
      小林 孝平君    成瀬 幡治君
      永岡 光治君    松浦 清一君
      天田 勝正君    高田なほ子君
      東   隆君    重盛 壽治君
      小酒井義男君    羽生 三七君
      佐多 忠隆君    曾禰  益君
      栗山 良夫君    山下 義信君
      清澤 俊英君    棚橋 小虎君
      内村 清次君    山田 節男君
     ─────・─────
#69
○議長(松野鶴平君) 藤田進君から、賛成者を得て、表決の慎重を期する必要上、二十分間休憩することの動議が提出されました。
 これより本動議の採決をいたします。表決は記名投票をもって行います。本動議に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 氏名点呼を行います。議場の閉鎖を命じます。
  〔議場閉鎖〕
  〔参事氏名を点呼〕
  〔投票執行〕
#70
○議長(松野鶴平君) 投票漏れはございませんか。……投票漏れないと認めます。
 これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
  〔議場開鎖〕
  〔参事投票を計算〕
#71
○議長(松野鶴平君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数   二百七票
  白色票    七十三票
  青色票   百三十四票
 よって、本動議は否決せられました。
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名     七十三名
      大矢  正君    森中 守義君
      北村  暢君    横川 正市君
      鈴木  強君    藤田藤太郎君
      相澤 重明君    松永 忠二君
      占部 秀男君    鈴木  壽君
      大河原一次君    伊藤 顕道君
      坂本  昭君    木下 友敬君
      平林  剛君    山本 經勝君
      岡  三郎君    亀田 得治君
      秋山 長造君    久保  等君
      柴谷  要君    大和 与一君
      安部キミ子君    近藤 信一君
      千葉  信君    戸叶  武君
      大倉 精一君    竹中 勝男君
      田畑 金光君    吉田 法晴君
      中田 吉雄君    荒木正三郎君
      松澤 兼人君    河合 義一君
      江田 三郎君    小笠原二三男君
      藤田  進君    島   清君
      田中  一君    野溝  勝君
      松本治一郎君    三木 治朗君
      岡田 宗司君    岩間 正男君
      阿部 竹松君    安部 清美君
      松澤 靖介君    光村 甚助君
      鈴木  一君    湯山  勇君
      加瀬  完君    椿  繁夫君
      阿具根 登君    矢嶋 三義君
      相馬 助治君    小林 孝平君
      成瀬 幡治君    永岡 光治君
      松浦 清一君    天田 勝正君
      高田なほ子君    東   隆君
      重盛 壽治君    小酒井義男君
      羽生 三七君    佐多 忠隆君
      曾禰  益君    栗山 良夫君
      山下 義信君    清澤 俊英君
      棚橋 小虎君    内村 清次君
      山田 節男君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名     百三十四名
      森 八三一君    早川 愼一君
      野田 俊作君    中山 福藏君
      田村 文吉君    林田 正治君
      中野 文門君    竹下 豐次君
      村上 義一君    廣瀬 久忠君
      大谷 贇雄君    川口爲之助君
      島村 軍次君    北 勝太郎君
      小沢久太郎君    石井  桂君
      井上 清一君    伊能 芳雄君
      梶原 茂嘉君    加賀山之雄君
      堀末  治君    有馬 英二君
      苫米地英俊君    近藤 鶴代君
      上林 忠次君    井野 碩哉君
      藤野 繁雄君    谷口弥三郎君
      新谷寅三郎君    杉山 昌作君
      後藤 文夫君    高瀬荘太郎君
      一松 定吉君    井上 知治君
      本多 市郎君    鶴見 祐輔君
      草葉 隆圓君    仲原 善一君
      成田 一郎君    堀本 宜実君
      前田佳都男君    松村 秀逸君
      手島  栄君    鈴木 万平君
      柴田  栄君    塩見 俊二君
      大谷藤之助君    大沢 雄一君
      西川弥平治君    重政 庸徳君
      白川 一雄君    高橋  衛君
      土田國太郎君    斎藤  昇君
      雨森 常夫君    永野  護君
      迫水 久常君    三木與吉郎君
      田中 啓一君    横川 信夫君
      木島 虎藏君    安井  謙君
      関根 久藏君    野本 品吉君
      秋山俊一郎君    三浦 義男君
      高野 一夫君    宮田 重文君
      小柳 牧衞君    木内 四郎君
      青山 正一君    堀木 鎌三君
      左藤 義詮君    植竹 春彦君
      石原幹市郎君    黒川 武雄君
      重宗 雄三君    苫米地義三君
      中山 壽彦君    泉山 三六君
      平井 太郎君    小林 英三君
      大野木秀次郎君    寺尾  豊君
      大谷 瑩潤君    高橋進太郎君
      伊能繁次郎君    松岡 平市君
      武藤 常介君    西田 信一君
      稲浦 鹿藏君    吉江 勝保君
      平島 敏夫君    後藤 義隆君
      勝俣  稔君    小西 英雄君
      佐藤清一郎君    西岡 ハル君
      宮澤 喜一君    吉田 萬次君
      横山 フク君    榊原  亨君
      佐野  廣君    青柳 秀夫君
      白井  勇君    井村 徳二君
      山本 米治君    松平 勇雄君
      寺本 廣作君    剱木 亨弘君
      小幡 治和君    上原 正吉君
      岡崎 真一君    古池 信三君
      小滝  彬君    館  哲二君
      郡  祐一君    西郷吉之助君
      小林 武治君    紅露 みつ君
      木暮武太夫君    石坂 豊一君
      下條 康麿君    野村吉三郎君
      川村 松助君    笹森 順造君
      林屋亀次郎君    杉原 荒太君
      青木 一男君    木村篤太郎君
      津島 壽一君    吉野 信次君
      江藤  智君    田中 茂穂君
     ─────・─────
#72
○議長(松野鶴平君) これより本件の採決をいたします。本件を問題に供します。表決は記名投票をもって行います。
 電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律を存続させることに賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 氏名点呼を行います。議場の閉鎖を命じます。
  〔議場閉鎖〕
  〔参事氏名を点呼〕
  〔投票執行〕
  〔「議長、さっき言ったのは短かかったぞ」「一行抜けている」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し〕
#73
○議長(松野鶴平君) 投票漏れはございませんか。……投票漏れないと認めます。
 これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
  〔議場開鎖〕
  〔参事投票を計算〕
#74
○議長(松野鶴平君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数  二百十二票
  白色票   百三十八票
  青色票    七十四票
 よって、電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律は、これを存続させることに決しました。(拍手)
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名     百三十八名
      森 八三一君    早川 愼一君
      野田 俊作君    中山 福藏君
      常岡 一郎君    田村 文吉君
      林田 正治君    中野 文門君
      竹下 豐次君    村上 義一君
      廣瀬 久忠君    大谷 贇雄君
      川口爲之助君    島村 軍次君
      北 勝太郎君    小沢久太郎君
      石井  桂君    井上 清一君
      伊能 芳雄君    梶原 茂嘉君
      加賀山之雄君    堀末  治君
      有馬 英二君    苫米地英俊君
      近藤 鶴代君    上林 忠次君
      井野 碩哉君    藤野 繁雄君
      谷口弥三郎君    新谷寅三郎君
      杉山 昌作君    後藤 文夫君
      高瀬荘太郎君    一松 定吉君
      井上 知治君    本多 市郎君
      鶴見 祐輔君    草葉 隆圓君
      仲原 善一君    成田 一郎君
      堀本 宜実君    前田佳都男君
      松村 秀逸君    手島  栄君
      鈴木 万平君    柴田  栄君
      塩見 俊二君    大谷藤之助君
      大沢 雄一君    西川弥平治君
      重政 庸徳君    白川 一雄君
      高橋  衛君    土田國太郎君
      斎藤  昇君    雨森 常夫君
      永野  護君    迫水 久常君
      三木與吉郎君    田中 啓一君
      横川 信夫君    木島 虎藏君
      安井  謙君    関根 久藏君
      野本 品吉君    秋山俊一郎君
      三浦 義男君    高野 一夫君
      宮田 重文君    小柳 牧衞君
      木内 四郎君    青山 正一君
      堀木 鎌三君    左藤 義詮君
      植竹 春彦君    石原幹市郎君
      黒川 武雄君    重宗 雄三君
      苫米地義三君    中山 壽彦君
      泉山 三六君    平井 太郎君
      小林 英三君    大野木秀次郎君
      寺尾  豊君    大谷 瑩潤君
      高橋進太郎君    伊能繁次郎君
      松岡 平市君    武藤 常介君
      西田 信一君    稲浦 鹿藏君
      吉江 勝保君    平島 敏夫君
      後藤 義隆君    勝俣  稔君
      小西 英雄君    佐藤清一郎君
      西岡 ハル君    宮澤 喜一君
      吉田 萬次君    横山 フク君
      榊原  亨君    佐野  廣君
      青柳 秀夫君    白井  勇君
      井村 徳二君    山本 米治君
      松平 勇雄君    寺本 廣作君
      剱木 亨弘君    小幡 治和君
      上原 正吉君    岡崎 真一君
      古池 信三君    小滝  彬君
      館  哲二君    郡  祐一君
      西郷吉之助君    小林 武治君
      紅露 みつ君    木暮武太夫君
      石坂 豊一君    下條 康麿君
      野村吉三郎君    川村 松助君
      笹森 順造君    林屋亀次郎君
      杉原 荒太君    青木 一男君
      木村篤太郎君    津島 壽一君
      吉野 信次君    江藤  智君
      田中 茂穂君    大竹平八郎君
      北條 雋八君    天坊 裕彦君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名     七十四名
      大矢  正君    森中 守義君
      北村  暢君    横川 正市君
      鈴木  強君    藤田藤太郎君
      相澤 重明君    松永 忠二君
      占部 秀男君    鈴木  壽君
      大河原一次君    伊藤 顕道君
      坂本  昭君    木下 友敬君
      平林  剛君    山本 經勝君
      岡  三郎君    亀田 得治君
      秋山 長造君    久保  等君
      柴谷  要君    大和 与一君
      安部キミ子君    近藤 信一君
      千葉  信君    戸叶  武君
      大倉 精一君    竹中 勝男君
      田畑 金光君    吉田 法晴君
      中田 吉雄君    荒木正三郎君
      松澤 兼人君    河合 義一君
      江田 三郎君    小笠原二三男君
      藤田  進君    島   清君
      田中  一君    野溝  勝君
      三木 治朗君    岡田 宗司君
      岩間 正男君    長谷部ひろ君
      阿部 竹松君    安部 清美君
      松澤 靖介君    光村 甚助君
      鈴木  一君    湯山  勇君
      加瀬  完君    千田  正君
      椿  繁夫君    阿具根 登君
      矢嶋 三義君    相馬 助治君
      小林 孝平君    成瀬 幡治君
      永岡 光治君    松浦 清一君
      天田 勝正君    高田なほ子君
      東   隆君    重盛 壽治君
      小酒井義男君    羽生 三七君
      佐多 忠隆君    曾禰  益君
      栗山 良夫君    山下 義信君
      清澤 俊英君    棚橋 小虎君
      内村 清次君    山田 節男君
     ─────・─────
#75
○議長(松野鶴平君) 本日は、これにて延会いたします。
 次会の議事日程は、決定次第公報をもって御通知いたします。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後九時四十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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