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1956/11/20 第25回国会 参議院 参議院会議録情報 第025回国会 文教委員会 第2号
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1956/11/20 第25回国会 参議院

参議院会議録情報 第025回国会 文教委員会 第2号

#1
第025回国会 文教委員会 第2号
昭和三十一年十一月二十日(水曜日)
   午後一時三十一分開会
    ―――――――――――――
  委員の異動
十一月十九日委員大谷瑩潤君辞任につ
き、その補欠として郡祐一君を議長に
おいて指名した。
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     岡  三郎君
   理事
           有馬 英二君
           近藤 鶴代君
           矢嶋 三義君
           常岡 一郎君
   委員
           笹森 順造君
           林田 正治君
           林屋亀次郎君
           三浦 義男君
           吉田 萬次君
           高田なほ子君
           松澤 靖介君
           松永 忠二君
           湯山  勇君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       工楽 英司君
  説明員
   人事院給与局次
   長       慶徳 庄意君
   人事院職員局職
   員課長     中村 一成君
   自治庁行政部長 藤井 貞夫君
   自治庁行政部公
   務員課長    角田礼次郎君
   文部省初等中等
   教育局長    緒方 信一君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○教育、文化及び学術に関する調査の
 件(教職員の給与問題に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(岡三郎君) これより文教委員会を開会いたします。
 昨日委員会散会後理事会を開き、今後の委員会の運営について協議を行いましたが、委員会の定例日については毎週火曜、木曜の二日とし、午前一時に開会すること、案件については、本日は教育職員の給与問題について、また次回木曜日は昭和三十二年度文教予算の編成について、文部当局から説明を聴取することに意見の一致を見ました。
 右の通り取り運ぶことに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(岡三郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは教育職員の給与問題を議題といたします。質疑のある方は順次御発言願います。なお念のため説明員の氏名を御紹介いたします。文部省初等中等教育局長緒方信一君、自治庁次長鈴木俊一君、これはまだ見えておりません。それから自治庁財政部長小林与三次君、人事院給与局次長慶徳庄意君。
 それでは御質疑をお願いいたします。
#4
○湯山勇君 地方財政の逼迫に伴いまして、各府県において地方公務員、教職員の昇給昇格の実施の問題がいろいろ取り上げられている状態でございます。特にその中で愛媛県におきましては、予算の縮小に伴って、昇給を実施する人員が約七割しかできないというようなところから、三割を落すということを主なる目的として勤務評定を行うというような実情にありまして、この問題をめぐって愛媛県下全般に大きい問題になっておりますし、同様の問題が全国各府県で今起ろうとしつつある情勢にあります。そこでこういう事態の法的な適否、あるいはこういう措置の適否については、これは単に一府県のケースとしてだけではなくて、全国的な規模においてわれわれで取り上げなくてはならない、こいうふうに考えますので、そういう観点から若干質問をいたしたいと思います。
 まず自治庁にお尋ねしたいのですけれども、お見えになっておりませんから、人事院の方へ先にお尋ねいたします。
 人事院規則の第十の二の第十五条に、あるいはその他の条項にもありますけれども、勤務評定についていろいろ述べてあります。この勤務評定というものとそれから給与とは、どの程度の関連性を持つものか、その点について人事院の御見解をまず伺いたい。
 と申しますのは、この勤務評定の方を主として所管しているのは、人事院では給与局ではなくて、職員局であるというように私ども聞いております。そういたしますと、給与と、あの勤務評定というものとは、さして関連づけるものではなくて、勤務評定というのは、むしろこの人事院規則にあります通りの、「人事の公正な基礎の一つとするために、職員の執務について勤務成績を評定し、これを記録する」その「評定」というのは、能率向上のために行われるものだというようにわれわれは把握しておるのですが、その点について一つ人事院の方から御説明を願いたいと思います。
#5
○説明員(慶徳庄意君) お答え申し上げます。
 御承知の通り人事院としましては、一般職公務員のうち、一般職の職員の給与に関する法律の適用を受けます約三十六万の国家公務員について所管いたしておるわけであります。従ってただ一般職の公務員と言いましても、給与の特例法によって、団体交渉等によってきめられております分は、私どもの所管外でございますので、あくまでもこれからお答え申し上げまするのは、一般職の職員の給与に関する法律の適用を受けるグループを前提としてお答え申し上げますので、御了承願いたいと思います。
 今申し上げた給与法の第八条第四項に、昇給に関する一般的な規定がございます。昇給と一口に申し上げましても、現在の法律の体系としましては、いわゆる普通の昇給の場合と、特別昇給の場合と、それからワク外昇給の場合と、三つに分れております。おそらくそのうち、御質問になりました問題の点は、普通昇給の場合が中心であろうかと思いますが……。
#6
○湯山勇君 さようでございます。
#7
○説明員(慶徳庄意君) この点につきましては、第八条第四項に明文をもちましてはっきり規定いたしておるわけであります。念のためにその条項を読み上げてみたいと思います。第八条第四項には、「職員が現に受けている号俸を受けるに至ったときから左に掲げる期間を良好な成績で勤務したときは、その者の属する職務の級における俸給の幅の中において直近上位の号俸に昇給させることができる。一 現に受ける俸給月額と直近上位の俸給月額との差額が七百円未満である者にあっては、六月以上。二 差額が七百円以上千五百円未満である者にあっては、九月以上。三 差額が千五百円以上である者にあっては、十二月以上」というふうに規定されておるわけであります。更にまた同じ第八条第七項の規定がありまして、「前三項に規定する昇給は、予算の範囲内で行わなければならない。」というふうになっているわけであります。従いまして現在法の建前からいたしますというと、ただいま読み上げました、あるいは六カ月、あるいは九カ月、あるいは十二カ月、それぞれ以上というふうに規定されておりまして、少くともこの最短期間をまず無事勤め上げるということが一つの条件、しかもその期間は良好な成績で勤務した場合、という二つの条件を具備している者が一応昇給の対象に相なるということになっているわけであります。ただこの場合に、七項において読み上げましたように、「予算の範囲内で行わなければならない。」という条項がございまするので、場合によりましては、先ほど申し上げた二つの要件を充たし得ておりましても、予算との関係からいたしまして、若干先に申し上げた二つの要件通りにいかない場合も一応あり得るというのが現在一般職公務員の法体系になっているわけであります。さらに今申し上げましたのは法律の体系でありまするが、それに対応する規則がございまして、人事院規則九の八に第十二条という規定がございます。これも簡単でありまするから読み上げてみますが、「職員を給与法第八条第四項又はこの規則第十四条本文の規定により昇給させるには、その職員の職務について監督する地位にある者から、その者が給与法第八条第四項又はこの規則第十四条に定める期間を良好な成績で勤務したことの証明を得て行わなければならない。」というふうに規定されております。一方先ほど御指摘のありました勤務評定制度というものが国家公務員法第七十二条の規定に基礎をもちまして別途人事院規則を出しております。従いまして給与法でいいますところの勤務成績良好の者と、勤務評定でいうところのいろいろなやり方がありますが、その相関関係が御指摘になった一番問題点であろうかと思います。現在の建前としては勤務評定制度については、公務員法第七十二条に規定してありまするように、それぞれの目的がありまして、ひとり給与行政ばかりでなくして、人事行政全般に関する一つの問題として一種の能率増進計画の一環として作り上げていることは御承知の通りでございます。一方給与法においても勤務成績良好の者について昇給させるという建前になっておりまするので、両者間において全然関係がないとはもちろん、言い得ないと思います。しかしその建前においては先ほど人事院規則九の八の第十二条において読み上げましたように、現在の制度としては若干のズレがございまして、勤務評定即給与法上の昇給に百パーセントこれを活用するという段階に至っていないのが国家公務員の実情でございます。
#8
○委員長(岡三郎君) 先ほど御報告申し上げました説明員の状況について、ここで簡単にお知らせしておいた方がいいと思いますので申し上げたいと思います。自治庁の鈴木君がやはり用務のため出られないので、行政部長の藤井貞夫君が出るそうですが、これはまだ出ておりません。追って参るそうです。なお人事院職員局長の川崎三蔵君、それから自治庁の行政部公務員課長の角田礼次郎君が出席しておりまするので念のため申し上げます。
#9
○湯山勇君 大体御説明の通りに私どもも把握しております。そこでさらにお尋ねいたしたいのは、この給与法による勤務成績良好な者というのは人事院規則の勤務評定におけるどの階級以上をさすか、こういうことについて御見解があれば伺いたい。
#10
○説明員(慶徳庄意君) 先ほど申し上げましたように、勤務評定制度は国家公務員法第七十二条の規定によりまして特にこれは読み上げてみたいと思いますが、国家公務員法第七十二条にはこのように規定いたしております。「職員の執務については、その所轄庁の長は、定期的に勤務成績の評定を行い、その評定の結果に応じた措置を講じなければならない。人事院は、前項の勤務成績の評定及びその記録に関し必要な事項を定める権限を有し、且つ、この法律の趣旨に則って職員の能率の発揮及び増進のためにとるべき措置を関係庁の長に勧告する権限を有する。人事院は、勤務成績の優秀な者に対する表彰に関する事項及び成績のいちじるしく不良な者に対する矯正方法に関する事項を立案し、これについて、適当な措置を講じなければならない。」すなわち勤務評定制度は、先ほども申し上げましたように公務の能率増進計画の一環といたしまして、特に勤務成績優秀な者に対する表彰だとか、あるいはまた不良な者に対する矯正方法を講じまして、全体として公務員の能率発揮に万遺憾なきを期せしめるということが根本趣旨として定められたことは、今読み上げましたものによって明白なことであろうと考えられます。従いまして今読み上げた趣旨に従って人事院規則が別途でき上っておるわけでありますが、当然その中には勤務成績という条項がございますので、給与法との関係が全然ないというふうには参らないということは、先ほど申し上げた通りでございます。
 ただ現在の制度から申し上げまするというと、勤務評定制度は、原則として年一回これを行うことに相なっております。ところが給与法に基く昇給は年四回いたすことに相なって、おります。従いましてそこに時期的な大きなズレがございます。先ほど申し上げましたように勤務評定制度には、成績の特に優秀な者、あるいは良好な者等といろいろ区別をつけてやっておるわけでありますが、その給与法とのズレがある間におきまして、当初評定いたしましたときに、まあ不良とかりに勤務評定が行われた者でありましても、矯正措置によりまして昇給の時期においては優秀な者になっておる者があるかもしれません。あるいはまたその反対の場合も当然あり得ることでございます。従いまして私ども国家公務員の立場におきましては、勤務評定制度を重要な参考資料にはいたしまするけれども、勤務評定制度即給与法でいう成績良好な者というような直接の結びつけには運用いたしておらないわけであります。またそのような結果、人事院規則九の八の第十二条で、読み上げましたように所轄庁の長の証明によって行うというような運用をいたしておる次第でございます。
#11
○湯山勇君 御説明よくわかりましたが、そうすると給与法でいうところの勤務成績良好な者というものと、勤務評定の勤務実績の良好な者というものとは、実際の扱いにおいては別であるというように把握してよろしゅうございますか。
#12
○説明員(慶徳庄意君) どうもまことにその点になりますと、非常にデリケートな問題がございまして、はっきり別とまでここで断言し得るかどうかということになりますと、いささかちゅうちょせざるを得ないのでありますが、私どもの方の運用の実態は、あくまでも勤務評定制度を重要な参考資料といたしまして、しかしながらそれのみによらずに、任命権者の証明、あるいは判断というような要素も入れて運用しているという実態でございます。どうもその点ははっきりしないような答えになりそうでありますが……。
#13
○湯山勇君 それは先ほどの御説明では、私はかなりはっきりしておったと思います。勤務評定のよしあしというのは、昇給の条件となる勤務成績の良否ということとは必ずしも一致しない。そこで必ずしも一致してないものがこういう重要な昇給の資料となるということには問題があって、あなたがおっしゃったように、これは任命権者が別途にそういうものをする、こういうお話ですから、つながりがあるなしということよりも、建前からいえばそれとこれとは別だと、別だけれども、それを参考にすることはあり得る、こういうことの方が正しいと思いますが、どうでしょうか。
#14
○説明員(慶徳庄意君) 法律的に申し上げまするならば、先ほど申し上げましたように、勤務評定制度は国家公務員法第七十二条の規定に基礎を有し、かつまたその用います範囲が人事行政各般に共通する事項として用いられる、ところが給与関係においては、いわゆる励みのある給与制度を作り上げ、かつそれをまた実行に移していこうという角度において考えておりますので、建前上からいえば、これは別個のものであると考えて誤まりはないと思います。ただ実際の運行上におきましては、うらはらの関係に立つ部分がでて参りまするので、まあ私の先ほどお答え申し上げたような、若干もやもやがあるといえば語弊がありますけれども、もやもやした面が実際上の面においてはあると了解いたしております。
#15
○矢嶋三義君 関連して。ということは、こういうふうに了承していいわけですね。職員の給与に関する法律の中にある、良好な成績云々と、すなわち、昇給するために必要条件となる、かような良好な成績を判定するために勤務評定という制度は、そういう目的をもって設けたのでないということがいえるわけですれ。
#16
○説明員(慶徳庄意君) 先ほど申し上げましたように、給与法を直接運用することのみを目的として勤務評定制度ができ上っていないということははっきりお答え申し上げられると思います。
#17
○湯山勇君 そこでお尋ねいたしたいのは、給与法で言うところの勤務成績良好という内容です。これは各県の人事委員会等の解釈によれば、給与における勤務成績良好というのは、定められた期間をまあ、悪い成績という言葉はいけないですけれども、まず普通に勤めた者は良好とみなす、つまり大体満足すべき状態で勤めたものは給与法における勤務成績良好ということに該当するのだということが各県の人事委員会の解釈として出ておりますが、この点に関する人事院の解釈は、いまだ明確に出たことがないように思います。これは一体人事院としてはどういうふうに把握されておるのか、つまり、まあ勤務成績の普通な者、欠勤もほとんどない、そして仕事はまあとにかく無事にやっておる、こういう者は勤務成績良好の範疇に入るのか、入らないのか。ついでにお尋ねいたしたいのは、人事院規則の、先ほどの勤務評定の項に、五つの段階に分けておりますけれども、この五つの段階に分けた中で、一番いいのは、勤務実績が抜群、その次は、勤務実績が特に良好、第三番目、通常勤務成績普通と思われる段階にある者に人事院としては勤務実績が良好という評価がたされております。そうするともこれとのからみ合いにおいて、人事院として考えておる勤務成績良好というのは、大体普通の成績で勤務をした者、これを良好とみなす、こういうふうに私どもも解釈するのが妥当だと思いますが、この点いかがでしょう。
#18
○説明員(慶徳庄意君) ただいまの御質問の点は、実際の運行面からいたしますると、非常に率直に言いましてむずかしい問題であろうと思います。で、人事院といたしましては昭和三十一年の七月一日付の給実甲第百十六号というものによりまして、一応の、各省庁に共通する原則的なものと申しますか、ということを通達をいたしております。その表現は特にややこしくできておりまするので、ポイントだけを申し上げさせていただきたいと思います。この給実甲という通達は、先ほど読み上げました人事院規則の第十二条の規定の実施のいわば基準とでも称すべきものを通達の形において各省庁に出しているものでございます。で、これによりますと、まず勤務評定制度におきまして、勤務成績が良好と認められた方ばもちろんその範疇に入るわけであります。ところが勤務評定につきましては、先ほど申し上げました時期的なズレ等がございまして、そこで勤務評定のみに上ってやるということもできませんので、勤務評定制度においてはっきりしていないようなものについては任命権者の承認に基いて――しかしその場合にどのような者を昇給させない、むしろ昇給させない方を今申し上げた給実甲第百十六号においては具体的に列挙いたしまして、言葉をかえて言いますると、列挙したものに該当しない者は一応昇給の対象に相なるという考え方をとっております。その昇給の対象にならないものをまず申し上げまするというと、年次休暇で休んでおりまするのは、これは問題の外でございます。それから公務傷病によって休んでおります者もこれは問題の外でございます。特別休暇、たとえば公民権の行使であるとか、あるいは裁判所等の証人に出ているというような場合にやる特別休暇も問題の外にいたしております。それから生死不明、所在不明というような場合がありますが、この生死不明、所存不明というような場合においても、その原因が公務上のものと認められる場合にもこれを問題の外にいたしております。それから同じ休職でありましても公務傷病によるところの休職も問題の外にいたしております。今申し上げましたところの五つの条項を除いたものは、一応昇給の昇給期間を計算いたします場合に、昇給期間のやっぱり計算の基礎に入れてよろしい、しかもその入れる中には、勤務日の六分の一以上に相当する日数を勤務しなかった職員についてのみである。言葉をかえて言いますと、六カ月で昇給いたしまする人は、一カ月間、今申し上げたような事由のために休んでいる者は昇給の対象から除いていくんだ、九カ月の場合は一月半、一カ年の場合には二月、つまりそれ以上の者は昇給の対象から除くということにいたしております。それからもう一つは、停職、減給、戒告処分、一種の懲戒処分に相当するものでありますが、これは昇給の対象からはずすということにいたしております。
 今申し上げたのが給実甲第百十六号の通牒でございます。従いまして裏を返して申し上げまするならば、先ほど御指摘の、普通の勤務といったものは、一応昇給の対象に相なる――という御趣旨の御質問があったわけでありますが、そういうことは端的に言うておりません。言うておりませんけれども、今申し上げた通牒の判読、判読といえば語弊がありますが、見まして裏を返して申し上げまするならば、普通の状態で瑕疵なく勤務した者は一応昇給の対象に入るものであるという考え方をとっておるわけであります。ただこれには先ほど申し上げました、これが一つの基本原則でございまして、給与法第八条第七項に規定してありまするように予算の範囲内において行わなければならないという条項がございますので、これとの調整の関係においてやや問題になる場合があるということをつけ加えてお答え申し上げておきたいと思います。
#19
○湯山勇君 それで非常に明瞭になりましたから、今裏を返して御説明がありましたから、私はもう一つその裏を聞きたいんですが、それは今のお話で結局昇給の対象にならない者は六分の一以上を勤務しなかった者とそれから停職、減給、懲戒、そういう処分に付せられた者、こういう御説明でございますから給与法で吾うところの勤務成績良好な者というのは、この二項に該当しない者は給与法で言う勤務成績良好な者であると、こういうふうに人事院は認めておる、こういうことになると思いますが、これは法の建前から、その裏の裏はそうなると思うんですが、いかがですか。
#20
○説明員(慶徳庄意君) 給与法の適用を受けるグループの、しかも先ほど言いました給与法第八条第四項の規定の適用に関する限りは御指摘の通りであるとお答えして誤まりがないと思います。
#21
○湯山勇君 非常に明確に御答弁いただきましたので満足いたしております。そこでお尋ねしたいのは、この人事院規則における第十五条の勤務評定におけるこの評語です。今のいずれにも該当しないで――たとえば四のDです。勤務実績がやや良好でないという評語がかりにつけられたとしても、これは勤務評定におけろ評価であって給与法の建前からいけば今おっしゃった通りにこの二つの項目に該当しなければやはり給与法においては勤務成績良好な者ということが一応言える、こういうことになると思いますが、念のためにお尋ねいたします。
#22
○説明員(慶徳庄意君) 再三申し上げますように勤務評定制度は年一回の評定でございます。給与法としては年四回の昇給期を設けてございます。従いまして勤務評定が実施されたときと給与法上の昇給の時期とは食い違って参っておりまするので勤務評定において勤務実績がやや良好でないというふうに判定された者が果して昇給期においてその通りであったかどうかということになりますとやや疑問が残って参ります。従いましてその辺の運営になりますと一般的なまた抽象的な総合調整ではとてもできませんので、一にあげて任命権者の御判断にまかせるような趣旨のもとに運用いたしております。
#23
○湯山勇君 ちょっとわからないんですがね、今の御説明は……。それはさっきの非常に明確な御答弁によってお述べになった二つの項目以外のものは給与法における勤務成績良好とみなすと、そうするとかりに昇給の時期においてこの勤務評定がやはりこのやや良好でないという状態であったとしても、かりにそういう状態であったとしても――私はそういう場合はあり得ると思います。あるいはまた勤務評定の時期とそれから昇給の時期とが一致しておったとしてもここに勤務実績がやや良好でないということになったからといって給与法における欠格条項にはならない、これは原則的に言えると思うんですが、間違いでしょうか。
#24
○説明員(慶徳庄意君) まああえて私形式論を申し上げるつもりは毛頭持っていないのでありますが、何回も申し上げまするように、給与法においては勤務成績良好な者という建前をとっているわけであります。ところがこの勤務評定制度の方においてただいま御指摘のものは勤務実績がやや良好でない、大へん表現が両者大きな食い違いがあるようにもお見受けするわけであります。従いましてこの辺になって参りまするというと、果して勤務評定という勤務実績がやや良好でないという者が給与法上で言う勤務成績良好な者に該当するかどうかということになりますと、個々人に対する判断というような問題になって参りますので、私ども総合調整の責めは負うておりまするけれども、この人間関係の微妙なところまで総合調整としていたしかねますので、先ほど申し上げましたように、この辺の判断は良識ある任命権者に御判断を願うという運用をいたしておるということも申し上げたつもりであったのでございます。
#25
○湯山勇君 大体お話わかりましたから、今度は逆にお尋ねいたしますと、それならお答えいただけると思いますから、それでは勤務評定における勤務実績がやや良好でないというものは、必ずしも給与法における勤務成績良好でないということにはならない、そういうことならばいいのでございますか。もう一度申しましょうか。私がさっきお尋ねしたのは、あなたの御答弁から考えてみますと、ここで勤務成績がやや良好でないというものもすべて勤務成績、給与法で言う勤務成績良好に入るというような尋ね方をいたしました。それに対して、確かにその通りは言い切れないという御答弁でございましたから、それは了承いたします。それではここで言う勤務成績がやや良好でないというもののすべてが給与法で言う勤務成績良好でないと、こういうことにはならない、今のお話から言ってもですね、こういうことならば、意見の一致をみると思うのですが、いかがでしょう。
#26
○説明員(慶徳庄意君) 何回も申し上げますように、勤務評定の実施の時期と給与法の昇給の時期が違いますもので、その時期のズレの関係からいたしまして、ただいま御指摘のものも、勤務実績がやや良好でないというものが給与法で言う勤務成績良好なものに全部が該当しないのだというふうにならない場合があり得ることは当然であろうと考えます。
#27
○委員長(岡三郎君) いかがですか。
#28
○松永忠二君 今の点でございますが、勤務評定においては各評語の十分の一以内及び十分の三以内というような割合をつけておるわけでございます。今のお話で昇給については六分の一以上の欠勤をした者であるとか、あるいは懲戒処分を受けた者を除外するということになると、その割合はこれとは全く該当しておらないので、勤務評定の評語と、それから昇給のときの良好だという評語は矛盾をしてくるというふうに解釈されるわけですが、その点についてはどういうふうな見解をお持ちですか。
#29
○説明員(慶徳庄意君) ただいま御指摘の勤務評定という十分の一と言いますることは、ここに書いてありまするように評語が五つございます。つまり勤務実績が抜群である、勤務実績が特に良好である、勤務実績が良好である、勤務実績がやや良好でない、勤務実績がよくないという五つに分れておるわけでありますが、先ほど御指摘の十分の一ないし十分の三以内という問題は今五つの分類のうちの勤務実績が抜群であるという方面のグループなのであります。従いまして給与法で言う六分の一ということとは全然また別でございまして、給与法ではいわば何といいますか、私傷病等によって休んだ期間が勤務日の六分の一未満の場合においては昇給の一応の対象になる、より以上のものは昇給の対象に入れないということでございまして、大へんここは実際は違うように思うのでございます。
#30
○松永忠二君 私がお伺いしたのは、そういうふうな今の御説明であるので、勤務実績が良好であるということと、勤務成績が良好な成績ということは合致をしておらないというふうに解釈をしていいかどうかということを聞いておるのであります。
#31
○説明員(慶徳庄意君) 先ほどの御質問と大へんちょっと角度が違いまするようで、あるいは私誤まってお答え申し上げるかもしれませんが、まあ平たく申し上げますというと、勤務評定制度のCグループ、すなわち、勤務実績が良好であるというグループ以上のものは、これはいわば端的にいうと文句なしに給与法上で言う勤務成績良好な者に該当するというふうに見て誤まりがないだろうと思います。ただ、先ほどの御質問のときには、勤務実績がやや良好でないという評語を中心としての御質問でございましたので、やや私の答弁が違った角度でお答え申し上げましたが、勤務成績が良好である以上の分は、給与法においてもやはり良好なグループに文句なしに入ると考えて誤まりがないと考えます。
#32
○松永忠二君 もう一度ちょっと、少し理解できなかった点があるものですから……その下の勤務成績がやや良好でないというような評語とそれから給与法における昇給基準の良好な成績というものが該当する場合もあり得るという解釈は成り立つわけですね。
#33
○説明員(慶徳庄意君) その通りでございます。
#34
○湯山勇君 そこで次にお尋ねしたいのは、勤務成績のいい方はそれぞれ十分の一とか十分の三とか、大体率が目標として示されております。悪い方に率を目標として示されなかった理由はどういうところにあるのでしょう。
#35
○説明員(中村一成君) 勤務評定制度におきまして、DとEにつきましては別に数の制限はいたしておりません。そもそもA、B、C、D、E全般に関しまして制限をするということは、本来はできない筋合いのものであろうかと思います。
#36
○湯山勇君 ちょっと待って下さい。今の点もう少しはっきり言って下さい。
#37
○説明員(中村一成君) DとEにつきまして数の制限はいたしておりません。そもそもA、B、C、D、Eに関しまして一定の制限を設けることは本来からいたしましてもできないことかと存じます。それぞれの省庁によりまして、非常にいい者もあれば悪い者もある、違うというわけでございます。ただAとBにつきましては、これは非常に甘くつけるということが人情でございますので、それでAとBにつきましては一応制限をいたした、こういうことであります。
#38
○委員長(岡三郎君) 念のためお知らせいたしますが、先ほどまでおいでにならなかった自治庁行政部長の藤井貞夫君が見えております。なおただいまの説明者は人事院職員局職員課長中村一成君であります。
#39
○湯山勇君 非常に明快な御答弁をいただいてよくわかりました。そこでちょっと別なことになりますけれども、職員課長の方にお尋ねしたいのは、これは国家公務員法の方ではどこにあるかちょっと記憶にありませんが、昇給をさせないだけじゃなくて降給させてもいい、あるいは免職させてもいいという条項の中に、地公法では第二十八条になっておりますが、あの勤務実績が良好でない者は降給させてもいいし、それから免職してもよろしい、することができるという条文があります。それに該当するものはこの勤務評定の四、五、これは良好でないうちに入りますから、こういうことになりますか。もっと言えかえれば、この勤務評定において四、五、つまりD、Eをつけられた者は、これは勤務成績が良好でないということになりますから、そうすると、降給の対象にもなるし、さらに免職されても文句は言えない、法的に条件がそろってくる、こういうことになるかどうか。
#40
○説明員(中村一成君) 国家公務員法におきましては、七十八条におきまして勤務実績がよくない場合は職員を降任し、または免職をすることができるということになっております。そしてこの条項につきましては人事院規則があるのでございますが、この勤務実績がよくない場合を判定いたします場合の勤務評定の使い方につきましては、先ほど給与局次長が申しましたと同じような考えでございまして、結局は任命権者の方の御判断によりまして、この勤務評定が御参考になるわけでございまして、このA、B、C、D、Eの一体どこからが免職になり、どこからが降任になるということは別にきまっていないわけでございまして、一に任命権者の御判断によって処理される問題でございます。
#41
○湯山勇君 私が人事院にお聞きしたいことは、全部それでわかりましたし、あとなくなりましたから、自治庁の方へ聞きたいと思うのですが、自治庁はだれでしたかね、見えておるのは……。
#42
○委員長(岡三郎君) ちょっと速記をやめて。
  〔速記中止〕
#43
○委員長(岡三郎君) それじゃ速記を起して。
#44
○湯山勇君 行政部長にお尋ねいたしたいんですが、それはこの地方財政再建整備法の適用を受ける自治団体に対して、その公務員の昇給等について自治庁はどういう一体指導をしておるか、あるいは指導をしてきたか、それをお伺いいたしたいのと、それから特に愛媛県等の場合においては、その他の県においてもそうだと思いますけれども、該当者の七割とか、あるいは八割とかいうような程度の昇給予算しか組まれないようにしておる。これはしておるという言葉は語弊があるかもしれませんけれども、実際は法の建前によって自治庁長官の承認を得ることになっておりますから、承認を得る過程において自治庁はいろいろ指導もし、それから実際問題としては、こう言ったけれども自治庁の方の了承が得られなかったというような事例もたくさんありますから、あえてそういうふうに申し上げたわけですが、御了承願いたいと思います。で、そういうふうに地方公共団体の公務員の昇給が実際は適格者について全部行われないというような状態になるような指導をしたのかどうか。愛媛県の場合、お前のところは七割以上さしちゃいけないというようなことを指導し、あるいはそういうことを助言したかどうか。それらの点について伺いたいと思います。
#45
○説明員(藤井貞夫君) 再建同体に対するいろいろな面の指道管の関係でございますが、これは申し上げますまでもなく、最近いろんな面から地方財政が窮迫をいたしておりまして、特に自己財源等が貧弱な地方団体におきましては累年赤字が激増していく、こういう状況になりまして、何とかこれに対して抜本的な対策を講じないことには地方財政の立て直しができないという趣旨から、財政再建法が成立をいたしたような次第でございます。で、その際に地方団体側といたしましては、法律にもいろいろ規定をしてございまするような各般の分野にわたって合理化を推進し、また経費の節減をはかっていくという自己努力をいたさなければならないということは当然でございますが、われわれといたしましてはこの節減のための合理化なりというような努力は、これは地方団体が経費の負担をいたしておりまする行政各般、事業の万般にわたって地方団体の特殊性もございますが、そういう事情をにらみ合せてその合理化を推進をしていくべきである。従いましてその経費節減、あるいは財政再建というもののしわ寄せを、単に人件費のみにこれを求めていくということは適当でないというような考え方で、今まで対処をして参っておるような次第でございます。
 ただ、今申し上げましたように、赤字債の処理その他につきましては、国においても相当の負担をいたしまして財政再建をはかって参るということでもございまするので、指定されました再建団体等におきましては、いろいろな面において経費の節減方策を進めて参らなければならないということは、これまた当然のことでございます。人件費には絶対にしわ寄せが寄らないようにするということも、実情から申して早く財政を再建をして、人件費等につきましても適正な運用がはかれますようにすみやかに持って参りまするためには、職員についても、ある程度のしんぼうをしてもらわなければならないという基本的な立場でおるわけでございます。ただ繰り返して申し上げまするように、われわれといたしましては、財政再建のしわ寄せが人件費だけに参るということは、これは適当でないということで今までも考えておりますし、そういう線に沿ってやって参っておるような次第でございます。ただ愛媛県の場合に、何割という点については、実は私まだ最近こちらに参りましたようなこともございまして、具体的な再建計画の内容等については承知をいたしておりませんので、何割というような点については、ちょっと申し上げかねますけれども以上のような態度で財政再建団体の指導には当っておるという点を申し上げておきたいと思います。
#46
○矢嶋三義君 湯山君が人事院関係の質疑を終ったそうですから、湯山君の自治庁に対する質疑が展開されていく前に、私ほんの一、二点ですから、この際人事院側に承わっておきたいと思います。
 わが国の公務員制度は国家公務員法並びに地方公務員法の両法で組み立てられているわけですが、その両法の間には関連性があり、また国家公務員に対する人事院、それから地方公務員に対する都道府県の人事委員会、こういう組み立て方になっており、その関連というものはきわめて深い。そこで給与の問題一つ取り上げて考えた場合に、国家公務員に対してあるいは給与に対する勧告をするというような場合には、国家公務員に準じて地方公務員関係を取り扱っているというのが建前になっておると思います。従って地方公務員に対する勤務評定制度等を制定するに当っては、国家公務員に対して人事院が考慮されているそれに準じて取り扱わるべきもので、違った角度からこの都道府県人事委員会が扱うのは、私は今の国家公務員並びに地方公務員制度の組み立て方からとるべき姿でない。簡単に言うならば国家公務員に対するあなたのところの人事院の見解に準じて都道府県人事委員会は地方公務員に対して対処さるべきである。これは私は建前になっていると思うのでございますが、これに御異議ございませんか。
#47
○説明員(慶徳庄意君) 確かに御指摘の通り国家公務員法と地方公務員法と別立てになっておりまして、さらにそれぞれの権限も国家公務員については人事院という官署があり、地方公務員については地方のそれぞれの人事委員会があるという独自の立場に立っております。国家公務員といい、地方公務員といい、ひとしくこれは公務員でありまする以上は、その公務員に共通する基盤は、でき得べくんば国家公務員たると地方公務員たると同じであるべきであるということは、理想論として正しいであろうと思うのでありますが、ただ現在の自治法との関連その他からいたしまして、しかも権限が必ずしも渾然一体をなしていないような関係からいたしまして、必ずしも理想通り参っていない点があるのではなかろうかというような感じをいたすのでありますが、一応以上のようなことでお答えといたします。
#48
○矢嶋三義君 理想通りに進んでいないの、ではないかと思っているがと、そういうことでなくて、国家公務員と地方公務員、並びに人事院、都道府県人事委員会のこの公務員制度の組み立て方ですね、これからその角度からあるべき姿というものを私は伺っているわけです。これは次長さん、そう長らくお考えになるまでもなく、私は即座にお答えできることだと思う。具体的に勤務評定制度ら、B、C、Dについての見解をずっと出されたわけですが、こういう制度、その見解というものは、これはあなた方が話されるのは国家公務員に対して言われているわけですが、それのみならず、この流れをくむ、あなた方の指導を受けてできているところの都道府県人事委員会においてもそういう考え方と準じた考え方で取り扱われるべきものであるということは、これは私はもっともだと思うのです。その点を私は伺っているのです。今どうなっているかどうかというその事実を伺っているのでなくて、あるべき姿というものを伺っているわけで、これは明快だと思うのですが、念のため伺っておきます。
#49
○説明員(慶徳庄意君) 確かに御指摘の通り、あるべき姿については全く御指摘の通りであると思います。ただ、もっともそこに、ただと申し上げては恐縮でありますが、国家公務員の場合におきましても、たとえば給与の昇給にしましても一応予算の範囲内において、という別の面がございまするし、それに対応する地方の実情ということは私どもよく存じておりませんので、基本線としては御指摘の通りであると考えます。
#50
○矢嶋三義君 さらにその点もう少し突っ込んで伺うのですが、あなたは非常に昇給とかいう大蔵省の政府委員が考えられるように予算面というものが非常に頭にこびりついているようですが、私はそういう面からはずして、たとえば勤務評定制度というものは、これは人事院としては専門的に研究し、非常に関心を深くされることなんですが、その勤務評定制度を予算と分離して、そのものについての考え方を承わっているわけでして、あなたのところで国家公務員を対象としてお考えになる勤務評定に対する考え方と、それから、地方公務員を対象として考えるところの、あなた方の指導を受けているところの都道府県人事委員会が、異なる角度から考えるというようなことは、私はあり得ぬと思うのです。その点伺っているわけです。大筋がですね。
#51
○説明員(慶徳庄意君) 勤務評定制度の基本線は、御指摘の通りだと思います。
#52
○矢嶋三義君 もう一つ伺わしていただきたい。
 そこでまあ具体的に、勤務成績の評定――地方公務員法の第四十条の二項です。「人事委員会は、勤務成績の評定に関する計画の立案その他勤務成績の評定に関し必要な事項について任命権者に勧告することができる」という条項を適用するに当っては、あなた方が先ほど来見解を表明されたその線に準じてやらるべきものであると、こういうことが、ただいまの答弁によって確認されたと思うのですが、そうでございますね。
#53
○説明員(慶徳庄意君) 私は、あるべき姿、基本線として申し上げたのでありまして、果して、地方公務員法に規定されておりますことを実行に移す場合には、地方の人事委員会がいたすのでございまするから、いわゆる理想論といいますか、基本線といいますか、その精神にすべてがのっとって実行されてあるかどうかというところまでは、私ちょっと答弁いたしかねまするので、お許しを願います。
#54
○矢嶋三義君 もう一つ、あなたのさっきの答弁で明快になったと思うが、それでは裏からお伺いしますが、勤務評定制度にかかわりませんよ。国の公務員制度に関することで、国家公務員を対象としてあなた方がお考えになっていることとばらばらなことが全国の地方公務員を対象としていろいろ解釈され、行われているときに、地方公務員に対しては国家公務員に準じて取り扱うというその筋を生かした場合に、あなた方は指導されるに当って、全く無関与ではいないと思うんですが、その点どうですか。さらに裏から聞けば、あなた方の御見解等と非常に異なるような条例がこしらえられるとか、あるいは解釈が行われるというようなことが、各都道府県人事委員会においてなされている事実があるかどうかですよ。そういうあった場合に、あなた方は何らの指導助言もなされないかどうか。
#55
○説明員(慶徳庄意君) どうも、ただいまの問題は、地方の人事委員会の問題のようでございまするので、遺憾ながら現在の人事院といたしましては、全然権限を持っておりませんので、まあ逃げるようでありますが、自治庁の方からでも話していただいたらどうかと思いますが。
#56
○湯山勇君 自治庁としても、人事院の精神を無視するようなやり方はなさらないと思います。これは問題外として、部長が先ほどお答えになりましたように、実際は人事の面だけしわ寄せをするということはいけない、しかし、実情としては昇給昇格も十分やれないような実情にある場合もある。これは、私も事実としては認めます。その場合に、お前のところは七割、お前のところは六割というような状態であるときに、その昇給をどうすればいい、こういうことについて、具体的にどういう協議をしておるか、そのケースですね、どういう指導をしておるか、そういういろんなケースがあると思いますから、それらについて、一つ例をあげて御説明願いたいと思います。
#57
○説明員(藤井貞夫君) ただいまの御質問でございますが、先刻も申し上げましたように、われわれといたしましては、財政再建のためにやむを得ないという場合におきましても、それらの経費節減の対象というものを人件費だけに求めるということは、これは適当でないという考え方をもってやって参っておるような次第でございます。その場合に、昇給財源等につきましても、具体的に例でお示しになりましたように、たとえば七割くらいしかやれないというような場合も事実上としてはあり得るわけでございまするけれども、しかしながら、そのような場合に、しからば七割しか上げられない、そういうふうになると、三割は結局にあとに残されるということになって参るわけでございますが、その場合に七割の取り方はどうして行くんだというようなことまでは、この点は財政再建の計画等をやりまする場合におきましては、これは具体的には協議等には応じておらないわけであります。
#58
○湯山勇君 幸い、自治庁の公務員課長ですか、お見えになっておるそうですから、今の点について公務員課長からお尋ねいたしたいと思います。具体的に協議を受け、あるいは指導した、そういう事実はありますか。
#59
○説明員(角田礼次郎君) 再建団体におきます再建計画の承認は、直接公務員課の関係でございませんで、御承知のように、調査課なり再建課のほうで扱っております。私どもとして再建計画を承認する段階におきまして、今行政部長から御答弁申し上げました通り、財源がとにかく足りない、何らかの形で昇給制限を行わざるを得ないという場合に、たとえば延伸をしたらいいだろうとか、あるいは一部の昇給額の放棄をしたらいいとか、あるいは半額の昇給をやったらいいとか、いろいろ現実の現われた形を申し上げたわけです。そういういずれかの方法をこういう方法をとったらいいというようなことは、全然指導いたしておりません。すべてそういう財源のワクの範囲内において再建計画の承認ということを再建課なり調査課でやっております。公務員課といたしまして特にたとえばそれが公務員法に照らしまして違法というようなやり方になる場合は、これは相談を受けることになりますが、普通の昇給の制限の場合には、相談を受けたこともございませんし、また、そういう方法を指示するというようなこともありません。
#60
○湯山勇君 実は、あなたにお聞きしたのは、あなたが愛媛県へこの夏ですか、いらっしゃって、そうして勤務評定をやって制限をせよというサゼッションをしたということが、これは公式の席でも言われております。そこで今のようなお尋ねをしたのですけれども、今のあなたの御答弁では、そういう事実はないということでございますが、間違いございませんか。
#61
○説明員(角田礼次郎君) 私、その問題につきましてこういう機会を与えられたことを、実は非常に感謝しておるわけであります。さきほど慶徳次長からいろいろ国家公務員の給与制度と勤務評定制度についての御見解をお述べになったわけであります。その中におきまして、ごく基本的に申し上げますと、勤務成績というものと昇給制度というものが理論的に基礎的には関連があるということは、これはだんだんの御質問なり御答弁においてそういう線が出ております。しかし、具体的に勤務成績の評定を定期昇給の制度にいかに結びつけるかというようなことについては、いろいろ見解の対立があると思います。それでたまたまお話がございましたから率直に事実を申し述べたいと思いますが、私はそういう勤務成績評定というものと、あるいはもっといえば勤務成績というものと昇給制度というものを結びつけるということは一つの人事管理上の見解であると思います。そういう見解を私は持っております。そういう私が見解を持っておりますから、ある県で、その県の当局者の、これは最高の当局者ですが、座談の席上におきまして、私はそういう見解が一つの人事管理上の見解としてあるということをある県の首脳部に申し上げた。その首脳部に申したということを愛媛当局のある座談の席上で申したわけです。で、具体的なケースといたしましては愛媛の県当局は、私からサゼッションを受けたなどということはゆめにも考えていない。特に事実として申し上げれば、私が参りましたのは夏の八月でございます。ところが愛媛の勤務成績評定の問題は、四月の県会において、すでに昇給等の関連におきまして何らかの形でそれをやらなければいかぬということを――私は速記録を見たわけではございませんが、県会の席上において公式に述べております。その後愛媛でああいう事件が起りましたので、私が、座談の席上においてさえも、そういう一つの見解として私は自由に述べ得ると思いますが、そういう見解を述べたことが何らかの形で刺激をしておるのじゃないかということは、一応お話がありましたときに私は事実を調べたいと、で、その事実を調べましたところ、むしろ県当局は非常に意外な面持で、私がそういう話をしたということによって刺激を受けたなんということは全然考えていない。むしろ公務員課長の思い過ごしであるという態度であった。従いまして、従来私の発言いたしましたことにつきまして、いろいろうわさが出ております。むしろ私は率直に申しまして自分の思い過ごしであったくらいに思っております。また県当局からの説明におきましても、もっとはっきり申せば、私が申したことさえも大部分の人は記憶していないという程度だそうでございます。以上この席上からはなはだあれでございますが、事実を申し上げておきます。
#62
○湯山勇君 そこで先ほども人事院の見解もお聞きいただいたのですが、この勤務評定によって、勤務成績不良者を、こういう勤務評定によって、給与法に言う勤務成績不良者を出して、その者を昇給のワクから除外するというやり方は、これは部長の方から御答弁を願いたいのですが、いいやり方かどうか、そういうことはあっていいものかどうか、こういうことについての部長の御見解を伺いたいと思います。
#63
○説明員(藤井貞夫君) 先刻来からもお話が出ておったようでございますが、御承知のように勤務評定制度というものは、これは地方公務員法においても、制度としては採用する建前であるように規定をいたしておるのであります。これに従いまして、各県におきまして、勤務評定制度というものを現実問題としてしっかりとした基礎の上に築き上げておるところもございますし、まだ特に勤務評定制度が、いわば職階制度というものとも関連があるということもございまして、まだ現実に実施しておらないところもあるわけでございます。ただ私から申し上げるまでもないことでございますが、勤務成績の評定というようなのは、これは人事管理上の非常な有効な一つの参考資料と申しますか、そういうように利用されることが多いために実施せられる制度であるというふうに考えます。たとえば勤務評定の結果人事管理のやり方自体がやっぱりまずいということについて、あるいは職場環境の整備等について反省しなければならぬということに対して任命権者に示唆を与えるというような点もございましょう。さらには昇格をせしめる、ある職員を昇進をせしめるというような場合にも一つの選考の際の基準というようなことに利用される場合もあり得ると思うのであります。さらには今当面御議論に相なっておりまする昇給というような場合におきまして、これが全部について昇給ができる財源が確保されておりますれば大した問題はないわけでございまするけれども、その点は予算の都合上もあってそこに昇給の対象というものをある程度しぼって参らなければならぬということになりますると、勤務成績の評定ということが外船の場合においても一つの基準になり得るというふうに私といたしましても考えている次第であります。
#64
○湯山勇君 非常に重要なことをお聞きしたのですが、この勤務評定が、先ほど人事院の方からの見解があったように勤務評定が昇給の、今部長は一つの基準になるということでありましたが、果して基準になるでしょうか。勤務評定における成績が良好でないという者が必ずしも給与法における勤務成績良好でないという者とは一致しないということは明確に述べられているのです。そういう段階において勤務成績が――今のお言葉の間違いじゃないかとも思うのでございますけれども、一つの基準になるということは私はちょっと了解しかねるのですが、参考になるとかいうことならばまた別ですけれども、これはいかがでしょう。
#65
○説明員(藤井貞夫君) 基準という言葉を非常に強い意味でおとり願いまするならばこの点は私の言葉の使い方の誤まりでございまして、もちろん勤務評定によっていろいろ出て参りまするものと、給与法による成績良好というような場合とはこれは直接にそのままで結びつく筋合いのものではございません。従って勤務成績として出ているものも昇給の場合等について判定をする際の任命権者の一つの参考資料とはなり得るのじゃないか、そういう意味でございます。
#66
○湯山勇君 それでわかりましたが、それでは今の人事院の方の見解も、この勤務評定を段階に分けて、その段階にそれぞれワクづけをするということはできないのだということを明瞭に人事院の方は言っております。たとえばある地方で勤務評定をやって、それをそれぞれ五つの段階に率をきめた、こういうことがあったとすれば今の御説明との関連においてこれは適当だと御判断になりますか、あるいはそれは不適当だと御判断になりますか、いかがでしょうか。
#67
○説明員(藤井貞夫君) 実はこの点率直に申しまして、勤務評定制度自体につきましては先刻も申し上げましたように職階制というものともきわめて密接な関係がございます。ところで職階制度自体がまだいろいろな情勢からほんとうに落ちついたものとして実施をされておらない段階でございまして、この点は御承知のように国の制度におきまする給与制度との関連においての十五級の職級の分け方というものに大体準じた措置として地方公務員の場合においても採用いたしているのであります。そういうような点からわれわれといたしましてもまだ自信のある勤務評定制度と銘打ってこれを具体的に指導していくというところまでの段階には実は至っておらないわけであります。ただそれぞれ地方片々におきましては従来からも考課制度というふうに呼ばれた一種の勤務評定制度がございました。ただこの考課制度というものと現在の制度のもとにおける勤務評定制度というものとはだいぶ考え方というようなものが違ってくると思うのでありますが、いずれにいたしましても勤務評定制度自体についてなお確信を得た制度的な裏づけができておらないということは、これは率直に申してここで申し上げても差しつかえがない事柄ではないかと思うのであります。ただ地方地方におきましては、先刻も申し上げました、従来の考課制度等のこともございまして、なお公務員法に書いてありまする勤務評定制度の性格、あるいは制度の運営の具体的な効用というような点をにらみ合せまして、それぞれ地方団体独自の見解をもって制度を実施をいたしておるところもあるわけであります。その場合に、五つに分けるやり方というものがいけないかどうか、あるいは三つに分けたらそれはかまわないというような点につきましては、これは地方団体個々の人事委員会なり、あるいは任命権者なりの考え方によるものでございまして、一般的に五つに分けるからいけない、あるいは三つだからよろしいというふうにはちょっと私といたしまして申し上げかねる問題ではないか、かように考えます。
#68
○湯山勇君 ちょっと私の質問の趣旨を取り違えておられると思うのです。私は三つの段階に分けるとか、あるいは五つの段階に分けることの当否を申し上げてお尋ねをしておるのではなくて、その最初の段階はたとえば一割と、第二の段階は三割というように、これにある程度ワクづけをすることは、先ほど人事院の御説明によって、人情としてなるべくよくしようという傾向があるから、いい方は一応ワクづけをしてやる、しかしそれ以下のものについても今のような率によってワクづけというものは、これはできないということを人事院で明瞭に言っております。ところが、あるところでは、それに対して五つのグループならグループに分けて、そのグループは何割、これは何割というように五つそれぞれにワクづけをして、そうして全部を足せば十割あるいは一〇〇%になるものにしている、こういうような勤務評定というものは一体適当と思うかどうか。今部長の御説明によれば、自治庁としても勤務評定についての自信が持てないということでございますが、それはごもっともだと思います。しかし、これが一番いいのだというものができていなくても、そういうやり方はよくないという判断はお互い下せるわけですから、そこで今のそういうやり方についての一つ部長の見解を伺いたい。
#69
○説明員(藤井貞夫君) この点はきわめてむずかしい問題でございまして、人事院当局においてもお話にも相なっておりましたように、いろいろ段階を分って、そこに率をそれぞれ当てはめていくというやり方が実際問題といたしまして非常に不合理な、あるいは人情に反したと申しまするか、そういうような点があり得ることも想像せられるのであります。ただ先刻来申し上げておりまするように、勤務成績の評定というものは、勤務成績の評定自体が実は目的ではないわけでありまして、これをどういうふうに利用していくかということに評定制度の一つのねらいがあり、また効用があるのではないかというふうに考えられるわけでございます。ただいま御指摘に相なっておりまするのは、おそらく具体的な問題として愛媛の例についてお述べになっておられるのではないかというふうに考えるわけでありますが、この問題につきましては、われわれといたしましてもまだ詳細な内容等につきましては、私自身まだ実は検討を加えておらないわけでございまして、それに対してここで暫定的に結論づけて意見を申し上げる実は自信がないわけでございまして、この点につきましては、段階を分けるということ、またその段階別にそれぞれのパーセンテージをつけて割り振りをしていくというやり方自体につきましても、これを利用する面から見まして、どういうような意味を持って参るかというような点につきましても関連をつけていろいろ考慮をして参らなければならぬと思うのであります。愛媛の場合におきましては、要するに努力はしてみたけれども、昇給財源というものは全部にわたっては行きわたらない、その場合に何割かについてあとに回さなければならぬものが出てくる、そういう際におきましては、やはりただ単に恣意的にそれぞれの主管の任命権者等が、言葉がわるいですが、でたらめにそいつを選んでくるというようなことも困りますので、そういう点で一つの参考になる目安というようなものを得たいというようなことで本制度を実施したのではないかというふうにも想像せられるわけでありまして、それらの点を考慮をいたして総合的に検討すべきものでございまして、私といたしましては、この点について、必ずしもそれが絶対にいけないというような言い方をいたすことはいかがであろうか、かように考えておる次第であります。
#70
○矢嶋三義君 ただいま湯山委員が行政部長に質疑をされておりますが、それに対する行政部長の答弁の言葉数は多いけれども、湯山委員の質問のつぼをはづれた答弁をされていると思います。その答弁が展開されていく前に私はここで関連して先ほどの湯山委員に対する答弁に関連して一、二点伺います。
 あなたは先ほどまあ答弁されておりましたが、愛媛県当局としては、ある場所におけるあなたの発言に示唆を与えられて、そうしてこの勤務評定制度というものを手をかけてきたというふうに愛媛県当局は言っておる、こういうわけですが、それでその経緯はさっきお答えいただいたわけです。
 私伺いたいのは、あなたはそれでは今愛媛県で考えられておる勤務成績評定の荒筋というものを御承知になっておられるかどうか、それを伺います。
#71
○説明員(角田礼次郎君) ちょっと前段の方にお言いになったことは逆でございますから、その点はちょっと……。私は愛媛県当局が私がサゼッションをしたことによってああいうことを思いついたというような事実はその後の調査の結果全然ないということを申し上げたのです。前段におっしゃいましたことは私の申したことと違いますから……。
 それから後段の御質問にそれじゃお答えいたしますが、私は愛媛県で行なっておる勤務成績の評定についてはこまかいことは承知いたしておりませんが、先ほど申し上げたような問題に関連いたしまして、一応大体のことは聞いております。
#72
○矢嶋三義君 先ほどの質問の前段はくつがえっても私の質問は筋は通るわけなんですが、それでは先ほどあなたは人事管理の見解から云々ということを申されておりました。それで偶然にあなたの人事管理の考え方と愛媛県当局の勤務評定制度云々というのがちょっと合致した形になっているわけなんですね。
 そこで私承わりたい点は、愛媛県当局が考えておる概要を知っておられるとすれば、あなたが人事管理上、予算との関連でこういうあり方があり得るという御見解をある自治体の首長と話されたというそのときのあなたのお考えですね、それと今愛媛県が考えているというのは、こういう形が考えられる、こういうものが出てくるだろうというようなお考えがあったのか、今愛媛県で考えられておるというのは、その内容面は今若干湯山委員からぽつぽつ出てきつつあるわけなんですが、あなたが人事管理を考えられておった線と、今愛媛県が考えられておる線とは合致するものか、あなたのお考えと若干大きな数字は合っておっても、かなり違っている点があるのか、その点と、あるとすればどういう点について若干あなたの意見を異にするか、その点を承わっておきます。
#73
○説明員(角田礼次郎君) 私の考えと愛媛県が現実に用いました勤務成績の評定の方法、いや、昇給と結びつけた方法というのはどう違うかという御質問でございますが、これは違うも違わないも実はないのであります。と申しますのは、私はそういう具体的な方法などについては全然いかなる場所においても申したことはございません。ただ私はこういう気持を申し上げたのであります。その気持といいますのは、これもいろいろ見解はあると思いますが、ともかく何と申しますか、働いても働かなくても、もっと率直に言えば、怠けていても怠けてなくても、みんな一緒に昇給をするというような制度が現実に行われている場合に、果してそれが正しい人事管理であるかどうかということについて私はかねがね疑いを個人的に持っておった。むろん現在もいろいろ公務員の給与が非常に何といいますか貧しい現在において、定期昇給制度の場合に、まあほとんどすべての公務員がまじめに働いているということを前提としてみんな完全な昇給をしていくというのがこれは望ましいことであり、またそうなってほしいと思います。しかし今申し上げたように、そういう疑惑といいますか、自分自身の公務員としての信念というものも一方において持っておった。そういうことから現実の制度の運用の場合において、まあ一つの面として、一つの方向として勤務成績というものと、それから何と申しますか、昇給という問題を結びつけて考えるという考え方もありはしないかということを申し上げたのであり、勤務成績の評定とその昇給制度をああいうふうに具体的に結びつけるとか、そんなことは私はそのとき考えもいたしませんでした。考えもいたしませんというのは、否定的な意味じゃなくて、そのときに思いついておりません。ただ勤務成績がいい者はやはり月紬が上っていくと、そうでない者はやはりなかなか月給は上らないというのが本来の給与法なり給与条例の大きな線としてはあるのじゃないかという私の個人的見解を申し上げたのであります。勤務成績の評定などという話は少しも出ておりません。
#74
○矢嶋三義君 人事院の見解並びに愛媛県当局が企図されている内容等についてはこれから湯山委員が掘り下げて質問されていくと思います。私ども若干違っている点があると思っておるわけですが、私ここで部長並びに課長に要望しておきたい点は、今のわが国の給与制度というものは非常に複雑になっている。さらに給与制度そのものは国家経済並びに国民経済とわが国の社会経済状態とも関連して、いかなる制度をとるべきかというのは非常に私は重大にしてむずかしい問題だと思うのです。それらの所管するところの行政府というものは別にあるわけなんですね。それが一つと、それから最近自治庁の地方自治体に対する行政指導というのは非常に強化されてきた。またあなた方の見解、発言というものの影響性ですね、これは非常に強くなってきているわけなんですね。従って、財政的立場から立った給与制度のあり方というものに対する御発言というものはよほど私は慎重になさるべきものじゃないかと、さようにしていただきたいということを強く要望するわけなんです。でないと、あなた方はあまり大したことでないと思ってお話になっても、今の地方自治体と自治庁との関連からいって非常に指導性と影響性が強いわけなんですから、あなた方が予想しないところの結果というものが出てくるおそれがありますので、そういう問題については今後慎重に対処していただくように、要望いたしておきます。
#75
○委員長(岡三郎君) ちょっと速記をとめて下さい。
  〔速記中止〕
#76
○委員長(岡三郎君) 速記を始めて下さい。
#77
○湯山勇君 今のさきの部長の御答弁ですね、これは私は非常にまた問題だと思う。それは勤務評定というのは目的によってあるべきものであって、目的いかんによってはその内容も変るというような意味の御発言がありました。そうして愛媛の場合は財政上の理由で勤務評定をやるということを部長も端的におっしゃった。そうすると予算が七割しかないから勤務評定によって三割落せ、こういうことも現実の問題としてはあり得るかどうか、勤務評定というのはそういう性質のものじゃなくて能率増進ということが本来の建前で、そういう立場から見た人事管理、これに使うのが建前なので、今おっしゃったように、たとえば各段階において何割何割というのをきめるということもまああり得るんじゃないかという、肯定するかのごとき発言がありましたけれども、目的が今のように七割しか昇給できない、三割落すためにそういうことをするということは、私はそういうことをもし肯定するとすれば非常に問題だと思うのでこれをお聞きしたいのと、それから今の課長の御答弁をこれへ結び付けていえば、怠けている者とそうでない者とを一緒に昇給さすことはどうか、これも勤務評定で今のように、一、二、四、二、一というような率を設けた場合には、そうすると怠けている者をそれぞれの職場において三割ずつ作らなくちゃならない、こういうこともまたおもしろくないと思うのですが、端的に一つ御見解を伺いたい。
#78
○説明員(藤井貞夫君) 先刻申し上げました点がなお言い回しがあるいはまずいために誤解をお与えしているということであればおわびを申し上げたいのですが、今御指摘になりますように、勤務評定制度というものはこれは先刻も申し上げましたように、職場の能率なり何なりを向上せしむるというようなことも一つの大きなねらいでございます。ただ勤務評定制度というものが的確に行われる、やり方自体がきわめて問題でございます。やり方において適正なものが出てきて、ここに勤務評定制度というものが確立せられるということになりました場合に、その勤務評定制度の結果というものをいろいろな人事管理の面から利用していくという点はこれはあり得るのではないか、そういうことを申し上げている次第でございます。先刻公務員深長が申し上げたのもそういうつもりでございます。
#79
○湯山勇君 そこで今のようにそれぞれの段階へ何割々々というようなのをきめていくというやり方はどうかという問題に返ってくるのです。これはどうですか。
#80
○説明員(藤井貞夫君) その点まだ私自身が不勉強のために、愛媛の勤務評定制度の内容というものを具体的に検討いたしておりませんので、ここではっきりとその点についてお答えをいたすことができない次第でございます。
#81
○湯山勇君 愛媛を見る見ないじゃなくて、今のような御趣旨からいって、それぞれの五つの段階なら段階に率をきめるということはいいかどうか、一般論です。愛媛がどうなっている、こうなっているの問題ではありません。
#82
○説明員(藤井貞夫君) この点につきましては一がいにそういう区分けをすることが絶対に悪いということも言えないのではなかろうか、かように考えております。
#83
○湯山勇君 おかしいな、それは。そんなでたらめなことはない。
#84
○矢嶋三義君 関連して部長に承わりますが、あなた今行政部長ですが、その前は大阪府の総務部長さんで、これから部長から局長へといろいろポストをかわっていかれる。そのポストに自分がついたときに、自分の部下をかりにA、B、C、D、Eと五階段に分けてAは一割、Bは二割、Cは三割、Dが二割、Eが一割、そういうふうに自分の部下を、あなたがAからBなるポストにずっとかわっていったときに、そのいったところで自分の部下を必ず五段階に、しかも一、二、三、二、一割というようなふうに評定することはあなたできますか、どうですか。自分がなったときのことを考えてごらんなさい。私はかつて旧制中学校から高等学校の教員を十五年ほどやったのですが、私が校長のときに、自分が次々と学校をかわっていく、そのときに自分が使っている部下をどこにいってもそういうふうに五段階に、一、二、三、二、一というふうに五段階に分けろといっても私はやり得ないと思う。あなたは今そういう立場に立っておるのですが、そういうことを自分の立場に立った場合にやり得るかどうか、適正にやり得るかどうかという立場に立ってお答え願えば明確だと思う。
#85
○説明員(藤井貞夫君) この点につきましては、私も今までいろいろの仕事もやって参り、人を使ってやってもきたわけでありますが、今のように非常にこう突き詰めてお尋ねになりますと、これはきわめて常識はずれと申しますか、そういうような面も割合出てくるのじゃないかということは申し上げられると思います。ただ勤務評定制度自体の立て方につきまして、そこに何らかの等級をつけていく、またその等級自体も何らかの客観的な基準がございまして、任命権者がこれについて全部一覧をした場合におのずからその中で等級というものを見出し得るような状態になっていく。そういうような場合は、これは事実あり得るのじゃないか。そういうような場合にもそういうような格差をつけ、そこに何割、何割ということを当てはめること自体は問題かもしれませんが、全体として若干のそこに格差がつく。ある人はこういう人だ、また他の人はこういう人だというふうに、その勤務評定制度自体をながめる人、あるいは、これを利用して参考にしていく人という建前からみまして、この角度からそこにおのずから段階が生じてくるということはやむを得ないことじゃないか、かように考えております。
#86
○湯山勇君 おっしゃる通りで、そういうふうに個人々々について観察をした結果、おのずからできてくるものは、これは当然学校だってそうなんで、初めっからこのクラスは三割落第させるというようなことで教員が点をつけるわけではありません。たまたまいろいろやった結果これは落第させるというのが出てくるのは、これは異論がないわけです。しかしあらかじめ三割は落第させるということで五つの段階に分けて、その下の二つの段階、つまり三割は落第させるというようなそういうワクづけ、そういう場合も含めてそれぞれの階級に割合をきめていくということは、これはもう部長の御答弁の通りよくないと私どもは判断しておるのですが、よろしゅうございますか、同じ見解でしょうか。
#87
○説明員(藤井貞夫君) 問題が非常に微妙な点もございますので、先刻私が申し上げましたところの趣旨というものを、一つおそれ入りますが、おくみ取りの上で御判断をいただきたいと思います。
#88
○湯山勇君 御判断ではなくて、これについては部長はやはり責任ができてくるのです。この問題はですね。地方財政計画については、地方財政計画は自治庁が責任をもっておやりになるし、それから再建団体の予算については承認を与えておる。当然その予算執行についてもある程度責任を持っておるはずですから、一つ御判断してくれだけでは困るので、その辺の態度を明確にして、そうしてあなたの見解と違ったようなことが行われている場合には、やはり自治庁として何らかの措置をとらなくちゃならない、こういうので、わざわざ御足労願ってきているわけですから、一つ見解を明確にしていただいて、その上でまたお尋ねしたいことはお翼ねするし、御要望申し上げることは御要望申し上げたい。こういうことですから、一つ明確にしていただきたいと思います。
#89
○説明員(藤井貞夫君) この点につきましては、先刻来のどうも繰り返えしになって恐縮でございますが、勤務評定のやり方自体の点につきまして、そもそも、たとえば五段階なら五段階に分けて、そうしてこれに何割というような当てはめ方をやること自体は先刻申し上げましたように、これはあまり適当なやり方じゃないという気持はいたします。ただ、具体的に、また愛媛のことを申して恐縮でありますが、他のいろいろの要請がございまして、そこに何らかの段階をつけざるを得ない。段階をつける際に、ある程度の客観的な資料、単なる任命権者の恣意的な資料だけでは困る。そこに何らかの客観的な資料というのを参考にしたい。そういうような考え方がそこに関連をいたしておりまするような場合におきましては、一がいにこれは絶対に不当なるやり方であるというような言い方をするのもいかがであろうかと、こういう気持をもっている次第であります。
#90
○湯山勇君 大へんくどくなりますけれども、もう一ぺんだけお許し願いたいのは、今の客観的なというものは別にします。これは問題があると思いますけれども……。むしろ私はそういうふうに何割々々という割合をきめることが客観的でなくて、そのこと自体が人為的だと思うのですけれども、これはまあ見解の相違かもしれませんから、それはそれとして、今のこれをやる意図が、三制昇給させないために率を設けるということを端的に表明してくればどうですか、それじゃあ……。
#91
○説明員(藤井貞夫君) これも一般論として申し上げます。そういうような意図のもとに勤務評定制度自体というものを合せて行くということは、勤務評定制度自体のあり方といたしましては、適当じゃない、かように考えております。
#92
○湯山勇君 一応私は終ります。
#93
○矢嶋三義君 ちょうどいい機会だから、今度は緒方初等中等局長に伺いたいと思いますが、自治庁は財政的な考慮のことから、いろいろお考えになっておたてになっているのですが、これは率直に局長に伺いたいのですが、それは愛媛のケースのように小学校が、学校別に、先ほど湯山君が述べられたような意図のもとに、A、B、C、D、E五段階にして、Aが一割、Bが二割、次が三、二、一割というようにワクをきめて、勤務評定をする、かような教職員の指導管理方式というものは好ましいのか、好ましくないのか、またできるのかできないのか、適当か、不適当か、そういう点を文部当局としてどうお考えになるか、承わりたい。もうちょっと説明しますと、まあ大きい学校も、小さい学校もありましょうし、それから職員全般として、非常に能率をあげている、意欲の盛んな学校と、しからざる学校と、学校差が若干ある場合もありましょう。これはどの社会、どの部門においてもそうだと思います。どういうところに行っても、そのうちの一割は成績不良だという、その五段階に必ず一割は格づけされるとすれば、どういうことになりますか。どうせがんばってもだれかこの仲間の中から一割は成績きわめて不良という烙印を押されるというように、初めからワクをきめてあるというような教職員の指導管理方式というものはどうですかね、文部当局としてどうお考えになるか、お答え願いたい。
#94
○説明員(緒方信一君) ただいまの御質問は割当は五段階なら五段階の率を割り当てることについてどうかという御質問かと思いますが、ただ現実の愛媛の問題といたしましては、私も実は詳細に検討いたしておりません。従いまして具体的な問題としてはお答えしにくい点がございますけれども、しかし先ほど来自治庁からもお話がありましたように勤務評定をいたします場合に、その任命権者が一応目途を立ててその勤務評定をやらせる、これは私は必ずしも間違いじゃない、むしろその方が評定をいたしますものといたしましてはやりやすい場合もあるじゃなかろうか、かように考えます。ただきょういただきました資料によりましても非常にこれがそのまま事実かどうか私も存じませんけれども、かりにお話のように小、中学校ごとに各学校ごとに段階を分けて、あるいは率を割り当ててやるといたしましてもいろいろこれに調整をするようなことも考えられておるようでございまして、おそらく勤務評定するものはこれは市町村の教育委員会と思います。そこで学校ごとから出て参りましたものをそのまま利用していくかどうか、その辺の考え方もあろうかと思います。従いまして前に申しましたように私も愛媛県の実際にやろうとされておる方法につきましては、まだよく検討し尽しておりませんが、この程度のお答えで御了承いただきたいと思います。
#95
○矢嶋三義君 少し話を広げますが、今質疑の対象になっている愛媛の問題も地方財政の窮迫という副産物として出て来ているわけなんですが、全般的にこの再建整備法を適用される地方自治体には教職員の定員減とか、あるいは昇給、昇格に関連してこれに類似のものがたくさん出て来ているわけですが、いずれこれは文部大臣に伺わんならぬと思いますが、あの再建整備法が国会で審議されている当時に、文部省と自治庁の間では十分話し合いをして教育に支障がないように取り運ぶのだということを当時の文教委員会において答弁されているわけですね、ところが実際、法が施行されてみますと、おそらく文部当局も承知していると思いますが、相当数の県で地方財政再建のしわ寄せが教育予算に持ってこられて、教員の定員減、あるいは昇給等の問題でずいぶん問題が起っているわけです。ところが先般人事院から内閣並びに国会に勧告された給与改訂に関するところの勧告によるというと、民間給与と公務員給与は一%も差が生じて来ている、金額にして約千九百十円の差が生じて来ている、これを是正すべきだという勧告が内閣及び国会に出されているわけですが、教職員の場合はベース・アップどころじゃなくて、今言った教育を守るための定員、それ自体も危機にさらされている、昇給、昇格さえできないという状況になっている。かような強力なる行政指導を自治庁当局はやっている。間違いなくやっている。それに地方自治体の首長は屈して、そしていざこざを各自治体に起しているわけです。一体文部省はこういう実情を把握されているのかどうか、また自治庁当局と教育を守る立場からどの程度再建法の精神に基いて話し合いを進めておられるのかどうか、いずれ大臣の見解を聞くけれども、事務当局の責任者としての緒方局長はそれらについて詳細な資料と識見を持っておられると思いますので、この際お答えをいただきたい。
#96
○説明員(緒方信一君) 再建整備の計画を立てます場合には、あの法律によりましても、まず教育委員会の意見を十分聞いた上で計画を立てる、かようなことに実は再建整備法は修正になりました。従いまして地方団体におきましては再建整備の計画を立てます場合には、その県におきます教育の管理執行の任に当る教育委員会が十分意見を述べる、こういう体制になっておることは御承知の通りであります。第一段階といたしましてはさようなわけでございますが、文部省といたしましても、これは具体的な問題につきましては、自治庁といろいろお話をしましてやっておるわけでございます。ただしかし全体の考え方としましては、何と申しましても、教職員の給与や教育費を向上いたしまして、教育水準を向上していきますためには、地方財政そのものが健全にならなければいけない。これは明らかなことであろうと存じます。各団体が再建整備の努力をいたします場合に、これが教育の面だけにしわ寄せになってくる、こういうことはあってはいけないのでございますけれども、しかし団体全体が財政再建にあげて協力していくという場合に、やはりある程度の教育に対しまする影響というものは、これはある程度協力していかなければならぬ、こういう立場でなければならぬと思います。愛媛で問題になっておりますことは、これはだんだんお尋ねがあるかと思って控えておりましたけれども、愛媛におきましては定員の整理という問題はないようです。昇給の財源が足りないので、それをどうやっていくかということで問題が起きておる。昇給昇格というものは教育の士気をあげ、あるいは教育効果を上げる上に必要でございますので、私どもとしましては、財源が少しでもよけいにとれまして、少しでも多い教員がその恩典に浴することを衷心念願いたしますけれども、しかし愛媛としまして全体として、財政再建の努力のために、これは教員と言わず、ほかの職員におきましても七割しか財源がないということで、それをどうやっていくかという場合におきましては、やはり協力していく面がなければならないのではないかと、かように考えます。
 そこで、これはお尋ねがないのに申し上げることはいかがかと思いますが、愛媛でば成績を加味してやっていく、こういうことであろうと存じます。私が聞いておりますところによりますと、この間、教育長から聞いた話でございますけれども、勤務評定の結果を参考としてやっていく、こういう線が一つ出ておる。一面予算が七割しかないという一つのワクをかぶっておるということのようでございます。そこでその両者の間には必ずしも私は関連がないように聞いております。としてやっていく、こういうふうに私は聞いておるわけでございます。これから先ほ私見でございますけれども、その七割を昇給させる場合に、成績を加味してやっていくということであれば、やはり成績のいいものからとっていく、その方法はむずかしいかもしれませんが、その考え方は私は是認してもいいのではなかろうか、かように考えております。
#97
○矢嶋三義君 私が今聞いておるのは、愛媛に限った問題でないのです。だから私は少し話を広げてと言ったわけでありますが、勤務評定の問題については、人事院の見解と、愛媛の当事者が考えられておるのとは相当に私はズレがあるときょう感知いたしました。従ってこれらの問題はさらに追求して参らなければならぬと思いますが、今私がちょっと話題を広めて伺っているのは、自治庁当局は地方自治体の財政再建についていろいろと御心配なさっておられる点は了とするわけですが、いずれにしても相当の圧力が実際は加わっているのでしょう。君のところはもう少し教員を減らさなければいかぬ、あるいは昇給昇格をずらしたらいいじゃないかというのは陰に陽にその力が加わっていることは、これは否定できないのです。これはたくさんの知事から聞いている、やらざるを得ない。その知事の名前をここで言うと工合が悪いから言わないですけれども、それは財政的な面からは事実なんです。ところが文部省からは教育の最低水準を守るために教職員はこの程度確保しなければならぬ、あるいはあなたが今肯定された教職員に気を持たせるために昇給昇格はやらなくちゃいかぬという立場からそれをやれるようにしなくちゃならぬというような助言とか指導とか、そういうようなものはほとんどといっていいほど力となって流れていない。だからこの各自治体においては財政再建をイージーゴーイングで教員が減れば一番簡単だといって、現に大分県あたりでは四百四十四名ですか、その整理なんかさせて、もうここ一カ月ばかり全県が大きい政治問題になっている。また昇給昇格の問題にしても、おそらくあなたは資料を持っておられると思うのですが、この次また日をあらためてお伺いしたいのですが、四月以来昇給のできていない県というのはずいぶんあるのです。これらについてはいずれまたお伺いしますが、そういう点について私は自治庁と文部省との自治体に対する指導というものが非常にアンバランスになっている。その結果というものがこの教育伸展に支障を来たしているということを私は指摘しているわけなんです。たとえば教育の機会均等というけれども、僻地の中学校は一年から三年まであって一人の先生で授業しているじゃないですか、幾らもその実例はありますよ。これは皆地方財政関係から来ているのですよ。中学校はどんな教科内容か、あなた御存じじゃないですか、幾ら人数が少いにしても、一年から三年までの教育をたった一人の先生、こういうことでは全くかわいそうと思いませんか。一体教育の機会均等というものがどこで保障されていると言えますか。そういう傾向が地方財政の再建計画とからんで自治庁の行政上の強化とともにさらに強くなっている。それらを食いとめるべき努力を一体どの程度しているか。過去自治庁長官と文部大臣がどういう交渉をしてやったか、そういう点については次回にお伺いしますから文部大臣にお伝えおき願いたいと思います。きょうはもう時間も来ていますから、私はそういう問題があるということを提示しておきたいと思います。
 なお私は委員長に申し上げたいのですが、この勤務評定の問題については、これは愛媛県だけの問題ではなくて、非常に今後の日本の給与制度に大きな私は影響を与えると思います。さらに湯山委員から掘り下げて質疑があると思いますが、私は本日の委員会に臨んで、どうも愛媛県当局はどういうお考えのもとにやられているか、その点察知しかねる点があるわけです。財政再建に当って自治庁とどういう交渉を持っておられるか、または勤務評定をどういうようにお考えになってその内容をどうされているのか、それ次第では人事院、あるいは文部省との見解とちょっとずれておるようですね。この審議の経過次第ては直接私は愛媛県当局のあるいは知事とか、あるいは教育委員長とか、人事委員長としてはどういうお考えを持っているかということをお聞かせいただく必要が生じてくるのではないか、かように私は本日の委員会で強い印象を受けましたので、今後の審議次第において委員長において然るべくお取り計らい願いたいということを要望しておきます。
#98
○委員長(岡三郎君) 今の矢嶋委員の方から要望があったわけですが、委員長として議事進行している立場からのこれは感想ですが、自治庁の方も文部省の方もまあ一般論としてお答えが出ておるわけです。まあ愛媛という問題にしぼってということになると、いろいろとまだ調査不十分であるという御見解が披瀝されたと思うのです。それですからさらに文部当局、自治庁当局の方で御調査、御検討をしていただいて、そうしてもう少し端的にしぼって問題の本質を御審議いただいた方がいいんじゃないかというふうに実は考えておるわけです。この点についてまあさらに湯山委員の方から発言があったわけですが、また追ってあまりゆうちょうにできないような御様子ですが、次回は木曜日に文部大臣並びに文部当局から予算の編成の質問というふうにまあ日程が組んであるのでそのときにあわせてこの問題についてのもう少し突っ込んだというか、具体的に文部省、自治庁の方からお答えができるような準備をしていただいてやった方が能率が上るのではないかとこう思っておるわけですが、いかがでしょうか。よろしゅうございましょうか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#99
○湯山勇君 それではあと二、三点緒方局長にお尋ねいたしますが、局長の今の御答弁ははなはだ心外に私は思います。それは私が聞いておるのは緒方さんを応援しておるのです。実はほんとうの気持はそうなんで、あなたもそういうことを言われるということはまことに心外だと、それでなるほどそれはこの地方財政も考慮に入れなくてはなりませんけれども、そういう考慮は別にする機関があります。あなたはそういうことではなくて、やはり正しい昇給昇格が行われるという、成績の不良の者まで上げということを全然申しておりません。法律通り勤務成績の良好な者については昇給昇格を実施すると、そして、勤務成績良好な者とは先ほど人事院の御見解の通りです。文部省においても確かに勤務評定をやっておられるけれども、悪い方の率はきめていないはずです。文部省の評定も御存じでしょう。上の方は一割とか三割とかあるけれども、勤務成績の悪い者というものの率は何割と出さなくちゃならないということはありません。で、そして愛媛県のことを特におあげになりましたけれども、三割上らない勤務評定を参考にするということを言われましたが、事実だけ申し上げますからなおお調べ願いたい。それは勤務評定を実施することによって四千名の昇給できない教員が出るということをはっきり言っております。録音もとっておりますので何だったらお聞きいただいてけっこうです。それから下の方の者に率を設けることもいたし方ないじゃないかというようなことをおっしゃいましたけれども、これはもう少し御研究を願いたい。そういうことができるかできないか。そしてもしこの昇給とのからみ合いにおいて勤務成績良好でないという判定が下されたならばその三割の者は昇給ができないだけではなくて下げることもできます、地公法によって。下げるだけではなくて免職もできる、こういうことになるのです。ですからあなたがお考えになっているように、あるいはあなたがお聞きになったように、そんなにばく然とした、ただ単に参考にするといったような性質のものでないということも十分お考え願いたいと思います。それからそれよりもっと根本的な問題は、小、中学校の、大学もやることになっておりますが、おそらくやっていないと思いますが、教職員のそういう形における勤務評定が可能なものかどうか、これは人事院もそれはおそらく不可能だろうと言っております。五十人の子供を教えている先生と、三十人の子供を教えている先生とは勤務評定というものは実績によるのですから、勤務成績はどちらが上か、これは工場とか、その他の事業場であれば、それは五十やった方が三十やった方より上だということは言えますけれども、教育において五十と三十のそういう比較ができるかどうか、あるいは五年生の担任と、一年生の担任とどうかとか、こういう客観的な材料を積み上げて、勤務実績がなければ勤務評定はできぬわけですから、そういう実績の積み上げにおいて、果して評価をして、そうしてその評価の結果、これらの教員は昇給もできないのみならず、良好でないという評定のもとに降給もできる、さらに免職もできる、地公法二十八条によってそういうこともできる、ここまでいくと、私はそういう勤務評定はおそらくできないと思います。できるのであれば、具体的に御説明願いたい思いますけれども、そういう点についても、一つお聞きしたいと思いますから、この次までに十分お調べ願って御答弁願いたい。
 で、私は実はきょう緒方局長には質問しなくても、先ほど来の人事院に対する質問や、自治庁に対する質問をそこで全部お聞きになったから、局長はもうちゃんとおわかりになっておると思ったのですけれども、どうもあまりおわかりになっておらないようですから聞かなばければならないのを、非常に残念に思います。
#100
○委員長(岡三郎君) それでは先ほど私が申し上げました通りに、次回にこの問題を譲っていただきまして、相当時間も経過しておりまするので、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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