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1956/12/12 第25回国会 参議院 参議院会議録情報 第025回国会 文教委員会 第8号
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1956/12/12 第25回国会 参議院

参議院会議録情報 第025回国会 文教委員会 第8号

#1
第025回国会 文教委員会 第8号
昭和三十一年十二月十二日(水曜日)
   午後一時四十七分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
十二月七日委員石原幹市郎君辞任につ
き、その補欠として三浦義男君を議長
において指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     岡  三郎君
   理事
           近藤 鶴代君
           矢嶋 三義君
   理事
           笹森 順造君
           林田 正治君
           吉田 萬次君
           安部 清美君
           高田なほ子君
           松澤 靖介君
           松永 忠二君
           湯山  勇君
  政府委員
   自治政務次官  早川  崇君
   自治庁財政部長 小林與三次君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       工楽 英司君
  説明員
   文部省初等中等
   教育局長    内藤誉三郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○教育、文化及び学術に関する調査の
 件
 (地方教職員の昇給、昇格に関する
 件)
 (地方教職員の期末手当に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(岡三郎君) それでは、これより文教委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。十二月七日石原幹市郎君が辞任され、三浦義男君が選任されました。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(岡三郎君) まず地方教育公務員の昇給昇格問題に関する件を議題といたします。本件に関しましては今期国会開会以来愛媛県における問題等を含んで種々論議を重ね、政府の意見及び措置等についても慎重に検討を加えて参ったのでありますが、昨日の委員長及び理事打合会においてこの際本件について委員会の意見をまとめ、関係方面に要望することにしてはどうかという意見が提出され、結局期末手当の問題を含め左のような要望を提出することにし、意見の一致を見たわけであります。
   要望書(案)
 一、今回国家公務員に対して期末手当の増額が行われるが、地方教職員に対しても同様の措置が遅滞なく行われるよう、政府において万全の措置を講ずること。
 二、近時、地方公共団体が財政的理由により、地方教職員の昇給昇格の停止を行い、あるいはその定数の減員を行いつつあることは、教育上重大な支障を来たすにとどまらず、一面国及び地方を通じて一般公務員との不均衡をも招来するおそれなしとしない。
   よつて、地方公共団体におけるこれらの措置が速かに是正され、円滑な昇給昇格が実施されるとともに、教員の定数が確保されるよう、政府において善処すべきこと。
  右要望するものである。
   昭和三十一年十二月十二日
        参議院文教委員会
 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#4
○委員長(岡三郎君) 速記を起して。
 お諮りいたします。ただいま朗読いたしました要望案を、本委員会の要望として決定し、関係当局に要望することとして、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(岡三郎君) 御異議ないと認めます。
  ―――――――――――――
#6
○委員長(岡三郎君) 次に地方教育公務員の年末手当に関する件を議題といたします。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#7
○委員長(岡三郎君) 速記を起して。
 質疑のある方は順次御質問を願います。
#8
○矢嶋三義君 政務次官にお伺いしたいと思いますが、昨日閣議決定されました年末手当増加支給の件は地方公務員にも同様の率で増加支給するという方針で閣議決定されたものと思いますが、さよう了承してよろしゅうございますか。
#9
○政府委員(早川崇君) 地方公務員法その他の規定によりまして当然地方公務員の給与あるいは期末手当もこれに準じてやるという法律になっておりまするので、地方団体は自治体で、形式上は強制力はございませんが、自治庁といたしましてはこれに準じてやるように指導いたしたい、こういうように考えております。
#10
○矢嶋三義君 内藤局長に伺いますが、その〇・一五の半額は申すまでもなく義務教育半額国庫負担法によって自治体が増加支給した場合には、政府側から支給される、文部省関係としてはかように了承してよろしゅうございますね。念のために伺っておきます。
#11
○説明員(内藤誉三郎君) さようでございます。
#12
○矢嶋三義君 早川政務次官に伺いますが、〇・一五の残りの半額については財源をいかようにお考えになっておられるか、伺っておきたいと思います。
#13
○政府委員(早川崇君) 約八億一千一百万円は国で負担していただくことになると思いますが、地方は、これに見合う分は、たとえば東京とか、あるいはその他の富裕団体の場合には自治体みずからでまかなうことになろうと思いますが、再建団体その他で非常に財源が苦しいという場合には特別融資の方法をとりあえず講じまして、あとの財源措置はケース・バイ・ケースによりまして交付税の増収等を財源といたしまして措置いたしたい、かように考えております。
#14
○矢嶋三義君 短期融資をされるといいますが、その短期融資された後においてこれは何か肩がわりされることをお考えになっておられるかと思うのですが、少し具体的に伺いますならば、昨年度取り扱われたように通常国会において補正予算を組むとか、あるいは来年度の予算編成に当って考慮するとか、そういう具体的な方途によって最終的に〇・一五の二分の一についてはその財政措置についてめんどうを見る、かように私は了承したいのですが、そうだと思いますが、その点のところ伺いたいと思います。
#15
○政府委員(早川崇君) 御存じの通り閣議決定は国の節約ということを主に考えておりまするので、全然もう節約なしにということはわれわれとしては好ましいことではございません。しかしながら地方府県その他の赤字再建団体におきましては十分な財源の余裕が現在ありませんので、従ってたとえば交付団体の約三十億円程度のこれによる増額分というものに対しましては大体これを全部そのままということはわれわれとしては申し上げられませんが、昨年の二十億でございましたか、二月でありましたか、全部一時融資をいたしまして、あと財源措置をいたしたと同じようなことで、御指摘のように補正予算がもし通常国会で組まれるとか、あるいはそれがない場合には交付税の自然増収というものが昭和三十二年度末まで持ち越すことが可能でありますので、そういった措置によりまして御要望に沿いたいと、かように考えております。
#16
○矢嶋三義君 政務次官にもう一点伺いたいのですが、それは再建団体においては再建計画の変更というものを伴ってくるかと思いますが、これは事後承認という形をとられるのでございましょうか。どういうふうにお考えでしょうか。
#17
○政府委員(小林與三次君) 今矢嶋委員からお尋ねのありました再建団体における措置でございますが、今お話の通りこれは特別の事情があるようなものでございますから、とりあえず再建団体が始末して、あとから事後の手続をとるようにいたしたいと思っております。
#18
○矢嶋三義君 財政部長にもう一点伺いたいと思いますが、再建団体は節約の余地はないほどの封建計画を立てられているわけですから、かような、ことに困窮しているような地方自治体に対しては、さらに特別交付税等によって考慮されるものと、かように考えられるわけですが、その点はいかがでしょうか。
#19
○政府委員(小林與三次君) 矢嶋委員のおっしゃいましたように、再建団体は必ずしも他の団体のように税にゆとりがあるとは思いませんが、しかしできるだけ再建団体におきましても税の自然増収もありましょうし、ものによっては経費の切りかえ等も考えられるのでございますから、そういうことで自主的に考えるだけ考えて、どうしても財源に都合がつかない分につきましては、交付団体では財源を交付税に求めても差しつかえない、こういう方針でございます。
#20
○矢嶋三義君 十二月十五日支給になっているわけですが、この閣議決定の内容は自治庁並びに文部省当局において、それぞれその趣旨を地方自治体末端に一日も早く徹底するように通牒その他で措置されると思いますが、いつどういう形でこの趣旨の徹底をはかられるか。自治庁並びに文部当局の御答弁を願います。
#21
○政府委員(小林與三次君) とりあえず閣議決定になりました部分につきましては、その趣旨をきのう十一日付で地方に連絡してございます。正式にこの法律が確定すればこの法律の運用に伴う、今矢嶋委員のいろいろおっしゃいました趣旨のことを、われわれ積極的に地方に示達するのが、適当だと考えておりますので、法律の成立と同時に即座に通牒をいたしたいと、かように考えております。
#22
○説明員(内藤誉三郎君) 文部省は明日多分通るだろうと期待しておりますが、法律が通り次第、法律とそれに伴う財政措置も考えまして、ただいま大蔵省と折衝しておりまして、第四・四半期からの負担金の繰り上げ交付を折衝しておりますから、それをまとめて出すようにいたしたいと考えております。
#23
○矢嶋三義君 最後に政務次官に伺いますが、現実的には十二月十五日に全国的に支給されると、かように見通しは判断してよろしいかと思いますが、いかがでございましょうか。
#24
○政府委員(早川崇君) 自治体のことでございますから百パーセントと申し上げかねますが、大体その線でいけることを自治庁としては期待しております。
#25
○湯山勇君 政務次官にまずお尋ねいたしたいのは、この再建計画を立てる場合に大体その税収の自然増というものは見込んで、相当窮屈な計画の中で当然自然増があるだろうから、その場合にそれでこういうことをやるというふうな、大体の含みが了解されて承認されている計画が多いと思うのです。それを新たに今回の〇・一五の財源として使っていけばそういうことに支障を来たすわけでして、その面がまた別な方面にしわ寄せができるというようなことも心配されるわけですけれども、そうだとすればこれはやはり今のお話のようにこの分については国がある程度責任ある措置をなすって自然増等は当初再建計画において大体了解された方向へ使うというふうにしていただくことが私は妥当ではないかというように考えますが、御所見を伺いたいと思います。
#26
○政府委員(早川崇君) 先ほど申し上げましたように国の方で措置し得るものは主として交付税でございますが、これはむろん国の方の自然増収という面から裏づけできるわけでありますが、地方税関係、自主財源におけるいろいろな自然増収というものの見込みは今御指摘のようにこういった〇・一五の期末手当というようなものを予想しての財源としてはおそらく先まで考えてないだろうと思いますので、さればといって国家公務員の方は節約でいけと、こうなっているので、やはり先ほど小林部長の言われましたように節約できる面はできるだけそういった努力はやはりしてもらわなければいかんとわれわれは思っておるのでございます。
#27
○湯山勇君 節約できるといっても再建計画ですから節約の幅というものは非常に小さいと思いますので、それはもう政府もよくおわかりのことですから、これはぜひ一つ適正な措置をお願いいたしたい。
 続いてこれは文部省の方にお尋ねしたいのですが、今度〇・一五を各地方自治団体で出した場合に、義務教育国庫負担金の持ち出しがその半額ある、それによって現在の予算に赤字ができるという懸念はないか、ありとすればそれは文部省としては補正予算で要求するという考えがあるかどうか、その辺の見通しを伺いたいと思います。
#28
○説明員(内藤誉三郎君) 今回とりあえず地方が出しやすいように第四・四半期から繰り上げ支給をするつもりでございますので、その分については穴があくわけですけれども、これは予算全体の経理を見なければわかりませんので、不足いたしますれば、補正の必要がございますればまっ先に補正予算に計上していただくべく大蔵当局と交渉するつもりでございます。
#29
○湯山勇君 見通しはどうですか。もう大体第三・四半期も終ったのですから、これは赤字になるとかならないとかいうのはわかりませんか、まだ。
#30
○説明員(内藤誉三郎君) いろいろな要素がございまして、特に退職手当その他もございますので、正確な見通しは今のところつきかねますが、赤字がございますれば補正予算の機会に必ず何とか処理していただくように努力いたします。
#31
○湯山勇君 それからもう一つ伺いたいのは、昇給昇格がこれは御存じのように行われていない府県が相当たくさんございます。そこで期末手当の率がふえましてもその基盤になる昇給昇格が行われていないということは、実質的には地方公務員にとってはきわめて不利なことになると思いますが、そこでこの今回の期末手当の支給に伴ってこの際そういう問題も全国的に一つ解消するための努力をこれは自治庁、文部省ともに願わなければならないと私は考えるわけなので、そういう点について何か対策あるいは措置をお考えになっておられるかどうか、あるいはそういうことを今後――今の十二日付で通牒なさったし、法律が通れば直ちにあらためて各府県にいろいろな通牒等をお出しになるそういう際にぜひ一つこれを解決して昇給昇格の実施されてないことが地方公務員に不利にならないように措置するような、そういうことをやっていただけるかどうか、これは政務次官からお伺いしたいのでございます。
#32
○政府委員(早川崇君) 現在の府県における定期昇給の実情は、正常昇給が大体二十四で、未実施が九県、延伸等を伴う不正常実施が十三県、こういう実情に三十一年の七月分はなっております。この問題は御承知のように国家公務員と地方公務員が一時的に地方公務員の方が高い面もございまして、また国家公務員より市町村というのは非常に低い、そういった地ならし的な問題もからみまして、こういった制度が実施できるところとできないところとできておるわけであります。また各府県の財政の実情が非常に違いまするので、非常に赤字のひどいところにおきましては、定期昇給というものがおくれておるという実情になっておるのでありまするが、われわれといたしましては、府県の職員、市町村の自治体の職員のことでありますから、あくまで自主的に決定すべきことですが、われわれとしても定期昇給という軌道に進むように指導していきたいと考えております。しかし今回の期末手当の不利と関連せしめて特に何らかの措置をとるということは現在まだ考えておりませんのであります。
#33
○湯山勇君 これは政務次官のおっしゃったように国家公務員との均衡上そういうふうになっているという事例も幾つかはあるかと思います。
 それからまあ今の地方財政の赤字が非常に多いというところからきておるものもあると思いますけれども、先ほどのお話のように、相当今回の場合は交付税における増収も考えられるし、それから地方税関係でも相当増収が考えられる、でそういう見通しがつくまで見送っておる県も私は相当あると思います。そこで期末手当にしても、次官のおっしゃるような建前からいえば地方でやることなんで、別にこれについてとやかく言う筋合いはないという理論も成り立つわけですけれども、この分についてはせひ早くやるように手回しよく昨日から手を打っていただいておるというようなことから考えれば、私はこの際やっぱりそういうこともやっていただくことが今後のこういう問題を少しでも解決する足場にもなるしするので、ぜひやっていただきたいと思うのですけれども、一つお約束をしていただけないでしょうか。
#34
○政府委員(早川崇君) 二つ問題があると思うのでありますが、今言ったように国家公務員よりも低い市町村職員を何とか国家公務員並みに引き上げたいというのが私のより重大な第一の関心事であります。と同時に定期昇給というような正常な状態に府県の職員、特に府県でございますが、府県の職員をもっていきたいということはこれは当然のことでありまして、財政再建の場合にはむろんそういうことも含めて計画を指導しておるわけでありまして、今御指摘の点はごもっともでありますので、なお御趣旨に沿うように自治体を指導していきたいと、かように考えております。
#35
○松永忠二君 文部省にお伺いしたいのであります。いろいろ文部省あるいは自治庁としての財源的な面も考慮されるので、本年〇・一五については大体年度内に教職員の手元にこれが渡るというようなことは確実だというふうに思うわけであります。そういう点見通しについてはまそ大体そういうことで誤まりはないわけでありますか。
#36
○政府委員(小林與三次君) これはもう教職員だけの問題でない、市町村、都道府県全部の職員の問題でございますが、大体において、私は年内においてはそういうことが可能になるだろうと存じております。先ほど政務次官から申しました通り、さしあたり資金の都合の悪いところは必要に応じてこちらで心配するということにいたしておりますし、それぞれの団体におきまして事さえ運べば問題はないと存じております。またわれわれといたしましても、どうせ公務員でやる以上、全地方公務員にも行き渡るというようにできるだけの指導もいたしたい、こういうふうに考えております。
#37
○松永忠二君 その点については一つそういうふうに実施を願うように、特に前年のたとえば増額分についても、非常におくれた県のごときは、二月になってから教職員の手元に渡っておるという実情であるし、年内に渡っておるところは三分の二ぐらいではなかろうかと私は思うわけです。せっかく財源等についてもそういうふうな考慮も払われておるわけでありますので、そういうまあ年末手当として出される趣旨から考えてみて、年内にこれが確実に教職員の手元に渡るように、特に格段の御配慮をいただきたいと思うわけであります。
#38
○委員長(岡三郎君) ほかに御質疑はございますか……。
 それではちょっと速記をとめて。
   午後二時二十三分速記中止
   ――――・――――
   午後二時四十分速記開始
#39
○委員長(岡三郎君) 速記を起して。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時四十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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