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1956/11/20 第25回国会 参議院 参議院会議録情報 第025回国会 農林水産委員会 第2号
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1956/11/20 第25回国会 参議院

参議院会議録情報 第025回国会 農林水産委員会 第2号

#1
第025回国会 農林水産委員会 第2号
昭和三十一年十一月二十日(火曜日)
   午前十時二十六分開会
    ―――――――――――――
  委員の異動
十一月十六日委員横川信夫君辞任につ
き、その補欠として下條康麿君を議長
において指名した。
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     堀  末治君
   理事
           重政 庸徳君
           藤野 繁雄君
           東   隆君
           清澤 俊英君
           島村 軍次君
   委員
           青山 正一君
           秋山俊一郎君
           雨森 常夫君
           佐藤清一郎君
           柴田  栄君
           下條 康麿君
           田中 啓一君
           仲原 善一君
           堀本 宜實君
           安部キミ子君
           北村  暢君
           小林 孝平君
           鈴木  一君
           羽生 三七君
           上林 忠次君
           河野 謙三君
           千田  正君
           北條 雋八君
  衆議院議員
           芳賀  貢君
  政府委員
   農林政務次官  大石 武一君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安楽城敏男君
  説明員
   外務省経済局次
   長       佐藤 健輔君
   大蔵省主計局主
   計官      大村 筆雄君
   農林省農林経済
   局長      渡部 伍良君
   農林省農林経済
   局農政課長   保坂 信男君
   食糧庁長官   小倉 武一君
   食糧庁総務部企
   画課長     中西 一郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○農業委員会等に関する法律の一部を
 改正する法律案(内閣送付、予備審
 査)(第二十四回国会継続)
○農林漁業組合再建整備法の一部を改
 正する法律案(衆議院送付、予備審
 査)(第二十四回国会継続)
○農林水産政策に関する調査の件
 (昭和三十一年度の食糧管理特別会
 計の借入限度等の特例に関する件)
 (昭和三十一年水害、台風被害及び
 冷害等災害対策の件)
 (千九百五十六年の国際小麦協定の
 件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(堀末治君) ただいまから農林水産委員会を開催いたします。
 まず、委員の変更について御報告申し上げます。横川信夫君が辞任されまして、下條康麿君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(堀末治君) 次に農業委員会等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、継続審査)を議題にいたします。
 この法律案は第二十四国会に提出されまして、当委員会に予備付託となり、継続審査に付せられているものであります。本法律案については、すでに第二十四国会で提案理由の説明が行われておりますが、委員会の構成が一変いたしましたので、本日あらためて提案理由の説明を求めることにいたします。
#4
○政府委員(大石武一君) ただいま上程されました農業委員会等に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
 農業委員会は、御承知の通り、昭和二十六年農業委員会法の制定によりまして、従来の農地委員会、農業調整委員会、農業改良委員会の三者につき、それらの職能を総合整備するために、一委員会として統合し、原則として地方自治体の地域ごとに当該地方自治体の機関である農業に関する行政委員会として設置せられたものであります。しこうして同委員会は、農業生産力の発展及び農業経営の合理化をはかり農民の地位の向上に寄与するため、農民の意思と希望を反映し得るよう農民の選挙による委員及び学識経験者たる委員をもって構成され、その職務は、農地、食糧等関係法令に基く所定の事項、農業に関する総合計画の樹立及び実施に関する建議、答申に関する事項等を処理することとせられたのであります。
 かつまた、農業委員会は、当初市町村及び都道府県に設置されたのでありますが、二十九年の改正によりまして都道府県農業委員会はこれが廃止せられ、新たに法人として都道府県農業会議及び全国農業会議所が設けられることになりました。しかしながら市町村の農業委員会につきましては、委員の構成等について若干の変更があったほかはおおむね従前と同様の性格と職務をもって今日に至っているのであります。
 当初においては市町村の農業委員会は、原則として一市町村一委員会の割合で全国の市町村数に準じて約一万一千設置されていたのでありますが、その後全国的に町村合併が急速に実施せられてきたのに対し、農業委員会については、現行法のもとでは、これによる組織その他の実情から直ちに画一的に合併市町村に一委員会の原則を貫くことについては、事態の推移について慎重な考慮を必要とする状況にありましたため、本年三月一日では、市町村数四千七百七十六に対し、委員会数は八千二十六となっている状況にありまして、一市町村一委員会の原則からははなはだしい懸隔を生じている実情にあるのであります。
 しかしながら町村合併の現状にかんがみ、農業委員会が本来市町村の行政機関である性格とその職務の遂行からして、農業委員会は市町村内一体として強力なものであることが望ましく、これによって合併市町村ごとに行政庁に農民の意思と希望を強力に反映して、域内の農業に関する施策を統一的かつ実効的に浸透するため、原則として合併市町村ごとに一個の農業委員会を設置することが適切であり、急速にこれを実現することが必要となったと考えられるのであります。
 しかるに今日町村合併の現状についてみまするに、合併後の市町村の規模は、一般に著しく拡大し、かつその域内の産業等の態様にかなりの変化を来たしておりますので、農業委員会と農民その他関係団体等との結びつきを密接にいたしまして、あわせて農業の地域性及び特殊性に応じて農民及び農業の利害を公正に反映できるように、現行の農業委員会の組織に改正を行う必要があるのであります。
 さらにまたわが国農業の動向と農業委員会の設置及び運営の経緯に照らし、その目的を一そう十分に達成せしめるためには、農業委員会が、各種の行政機関及び農業団体等と力を合せて農業施策を一そう充実させ、またその浸透の徹底を果し得るよう、その所掌事務を必要かつ適正に拡充することが緊要であると考えられるのであります。
 農業委員会について右の改正をいたしますとともに、この際都道府県農業会議の組織及び業務の上において、農業委員会との連絡及び協力を緊密にする所要の改正を行い、全国農業会議所とともにその機能を十全に発揮し得るようにいたしたのであります。しかして右の機関及び団体は、農業協同組合、農業共済組合等の農業団体と協調しておのおのその職分に応じて農業と農民のためそれぞれの機能を発揮することを期待しているのであります。
 以上の趣旨にのっとりまして今般農業委員会等に関する法律の一部改正を行うこととした次第であります。
 以下その内容の主要な点について概略御説明申し上げます。
 第一は、農業委員会は原則として合併後の市町村の地域に合せて設置することとし、その職能の円滑な遂行をはかるため、必要な統合を進めることに関する規定を整備したことであります。
 前に述べましたところにより、合併市町村において農業委員会が職能を極力円滑に発揮するためには、なるべく一市町村一委員会に統合することが望ましいと考えられるのでありますが、現行法においては、農業委員会の統合を進めていくため、これに関する所要の規定が不備でありますので、これを整備いたしたのであります。
 第二は、農業委員会の組織についての改正であります。
 すなわち、現行法においては農業委員会の委員のうち、その根幹となるべき選挙による委員は、農業委員会の全区域を単位として公職選挙法を準用した選挙により十人ないし十五人選出されることとなっております。しかるにさきに申し上げました通り、市町村の地域の拡大とこれに伴う態様の変化に関連しまして、農業委員会の組織は、従前のままでは適切でなくなりましたので、今回これを改め、この種の委員は、おおむねいわゆる部落を基準とした単位区域ごとに選出されることといたしたのであります。
 しかして現行の公職選挙法を多数の右の単位区域に適用いたしますことは、必ずしもわが国農村の実情に即さず、またいたずらに多額の経費が必要となりますので、改正法案においては、市町村条例の定めるところにより、おおむね部落を基準とする単位区域ごとに、その地域内に住所を有する農民が委員となるべき農民を推薦し、その推薦された者につき市町村長が委員として選任するという方法にいたしたのであります。
 また現行法の農業委員会は、選挙によらない委員について、市町村長が五人以内を限り、いわゆる総合農業協同組合または農業共済組合から推薦されたその理事及び市町村議会から推薦された学識経験者の中から委員として選任しているのでありますが、この改正法案においては、農業委員会にいわゆる総合農業協同組合及び農業共済組合の代表者を網羅的に委員として加えるため、これらの団体の推薦したその理事は組合ごとに必ず一人ずつ市町村長が委員に選任し、さらにまた組織の万全を期しまして従来の制度を踏襲し、市町村議会の推薦した学識経験者をも五人以内においてこれまた市町村長が委員に選任する制度といたしております。
 右の結果によりまして、一農業委員会当りの委員の数は現在に比し相当増加することとなりますので、農業委員会の運営を実情に即し適切にするために、新たに常任委員の制度を設けることといたしました。
 すなわち常任委員は、農民の推薦による委員の互選による者が十人ないし十五人とし、その三分の一以内の人数において、条例の定めるところにより、それぞれ農業団体の推薦による委員の互選による者及び学識経験委員の互選による者をもってこれに充てることといたしております。
 この常任委員の設置に伴い農業委員会におきましては、行政庁の諮問に対する答申、農業及び農村に関する振興計画の事務についての基本方針の決定並びに会長の選任及び解任の三事項については、全委員の会議で議決し、その他の事項は、常任委員の会議で議決することとしたのであります。
 第三は、農業委員会の所掌事務について改正を行なったことであります。現行法における農業委員会の所掌事務は、農地法、土地改良法その他の法令により、その権限に属させられた事項を初めとし、農地等の利用関係及び交換分合のあっせん等に関する事務を行い、さらにまた農地、農業技術、農畜産物の処理、農業経営の合理化及び農民生活の改善等にかかわる総合計画の樹立及び実施について、市町村長に建議し、その諮問に応じて答申することとなっているのでありますが、改正法案では、前述いたしました趣旨により、農業委員会の職能を必要かつ適切に拡充することといたしております。なお当然のことでありますが、その際市町村長及び他の執行機関が権限に基いて行う職分との調整に配意し、また各種農業団体との間には適切な協力連絡を保つことを本旨といたしております。
 すなわち、その所掌する事務としましては、農地法、土地改良法その他の法令に基き権限として行う事務は従来の通りとするほか、農地等の利用関係及び交換分合のあっせんに関する事務と農業及び農村に関する振興計画の樹立及び実施の推進に関する事務のほか、農業技術の改良、農作物の病虫害の防除その他農業生産の増進、農業経営の合理化及び農民生活の改善をはかるために必要な事業の推進に関する事務を行い、農業及び農民に関する事項についての調査研究と啓蒙宣伝を行い、さらに農業及び農民に関する事項について、意見を公表し、行政庁に建議し、その諮問に対し答申を行うことができることとしたのであります。
 第四は、都道府県農業会議の組織に関する改正であります。何農業会議は、本改正法案におきましても、従来と同様の性格を有する法人といたしておりますが、その会議員につきましてほ、現行法では当該都道府県の区域をおおむね部別に十から十五に分けて、その区域ごとに都道府県知事の招集する代表者会議で互選された農業委員会の委員または農業協同組合もしくは農業共済組合の理事一人ずつとして、その合計十人ないし十五人のほか、農業協同組合中央会、農業共済組合連合会、省令で定める農業協同組合及び同連合会、省令で定める農業団体等の推薦する者及び学識経験者で会長の指名するものをもって、構成されることとなっております。
 本改正法案におきましては、さきに述べました通り、農業会議と農業委員会の連絡協力の度を増す趣旨に従いまして、各農業委員会の会長はすべて同農業会議の会議員となることとし、その他の会議員は現行通りといたしております。
 その結果、会議員の数が大幅に増加いたしますので、都道府県農業会議の運用を考慮いたしまして新たに常任会議員の制度を設けることといたしました。すなわち農業委員会の会長として会議員となった者の互選によりおおむね十人ないし十五人が常任会議員となり、その他の会議員は、互選によらずそのまま常任会議員に就任し、両者合せておおむね二十人ないし三十人で構成することといたしているのであります。
 しかして都道府県農業会議の業務に関する議決につきましては、少くとも農地法その他の法令により、その所掌に属させられた事項と農業及び農民に関する意見の公表及び行政庁に対する建議についてもっぱら常任会議員の会議で議決することといたしました。
 最後に、この法律の施行についてでありますが、現在の農業委員会の統合を進める道を開き、本改正法案による方法により委員を選任するために、市町村において所要の準備を完了せしめる期間を予定し、さらに農繁期等の事情を考慮しまして、前国会に提案いたしました際は、原則として明年一月一日より施行することとし、委員の各部落等単位区域からの推薦は、本年十二月中に行わせることとしたのであります。しかしながら本法律案が前国会において継続審議になりました関係上、この法律の施行の時期は、所要の準備のため若干延ばす必要があると考えている次第であります。
 以上が本法律案の提案理由及びそのおもな内容であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
#5
○委員長(堀末治君) この法律案の審査は後日に譲りまして、なおその取扱い方等についてもその際お諮りすることといたします。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(堀末治君) 次に、農林漁業組合再建整備法の一部を改正する法律案(衆議院議員芳賀貢君外十二名提出、継続審査)を議題にいたします。
 この法律案も第二十四国会に予備審査のため提出せられ、当委員会に予備付託となり、継続審査に付せられているものであります。本法律案についても、すでに第二十四国会において提案理由の説明が行われておりますが、前の法律案と同じ趣旨に基いて、本日あらためて提案理由の説明を求めることにいたします。
#7
○衆議院議員(芳賀貢君) ただいま議題と相なりました農林漁業組合再建整備法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
 わが国の農林漁業を振興いたすためには、農林漁業組合の整備強化をはかる必要があることは今さら申すまでもないところであります。このため、昭和二十六年四月に農林漁業組合再建整備法を制定いたし、これに基いて今日まで鋭意これが再建整備をはかって参ったのであります。この法律による再建整備措置は、再建整備期間が、指定日から五年ということになっておりまして、本年三月末をもって終了いたしますが、すでに相当の効果を上げるに至っておりますことは御承知の通りでございます。
 すなわち、同法の適用を受けました二千四百八十の農業協同組合、五百十九の漁業協同組合、六百四の森林組合、合計三千六百三の単位組合及び百四十二の農業協同組合連合会、三十五の漁業協同組合連合会、三十九の森林組合連合会、合計二百十六の連合会につきまして、法定目標である増資について、その実績を見ますと、二十九年度末までに、農協五十三億円、漁協三十五億円、森林組合三億円、合計して単位組合については九十一億円、連合会については都道府県以上の農協連百八億円、漁連十億円、森連二億円、合計百二十億円の増資が達成されております。従ってすでに再建整備の目標を達成して二十九年度から奨励金の交付を打ち切られたものも相当数に達しております。
 このように、同法の適用を受けた農林漁業組合の大半は、計画通り再建整備措置が進捗いたしまして本年三月末の再建整備期間の終了時には、おおむね再建整備の目標を達成するものと信ぜられるのでありますが、遺憾ながら災害その他の原因によって、本年三月末までに再建整備の目標を達成できない組合もなお相当数存在することは事実でございます。しかし、これらの組合も、再建整備の目標達成が全く不可能というわけではなく、本年三月末までには目標の達成ができないにいたしましても、今かすに一、二年の時をもってし、この再建整備措置を続行いたさせますならば、その大部分は目標達成が可能ではなかろうかと思われるのであります。従って、これらの組合の増資等に対する今日までの努力を無にすることなく、今後もできる限り増資を行わせて、その経営の確立に資しますとともに、国の財政支出の効率化をはかるためにも、この際再建整備期間を二年延長することといたしたいのでございます。
 次に、いま一つの問題でありますが、それは、再建整備の目標達成後の奨励金の償還を取りやめることに関してであります。再建整備の目標を達成した農林漁業組合と申しましても、今般の再建整備措置によりようやく健全な経営の基礎ができ上ったにすぎない実情であって、これをもって直ちに経常の基礎が十分確立できたものと見ることは困難と思われるのであります。従って現行法に基き、再建整備の目標を達成いたしましてから一年の経過後、利息を加えて奨励金を償還させますことは、政府をして償還につき、いかような配慮を加えさせたとしましても、再建整備組合の現状から見て、再びその経営を危うくするおそれなしとしないのであります。よってこの際、これらの農林漁業組合の経営の基礎を確立するため、奨励金の償還はこれを廃止することにいたしたいのであります。
 次に、本法案の内容について御説明申し上げます。
 第四条第一項の改正は、再建整備期間の延長をはかる規定でございまして、現在の五年を二年延長して七年といたすものであります。なおこれは再建整備期間の延長を行うことのみにとどめるのでありまして、三十一年度以降も増資奨励金を交付いたす趣旨ではございません。以下これに関連いたしまして、第十八条第二項、第二十条第一項及び第二十二条第一項の規定をそれぞれ改正いたします。
 第十四条の改正は、奨励金の償還を廃止するために、これを削除することにしたものでございまして、第十九条の改正はこれに伴う規定の改正でございます。
 なお本法は公布の日から施行いたしますが、三月二十一日にさかのぼって適用することにいたしました。
 以上が本法案の内容及び提案理由でございますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたす次第でございます。
#8
○委員長(堀末治君) 本法律案の審査も後日に譲って、なおその取扱い方についてもその際お諮りすることにいたします。
    ―――――――――――――
#9
○委員長(堀末治君) 次に、昭和三十一年度の食糧管理特別会計の借入限度等の特例に関する件を議題といたします。
 去る十一月十三日、内閣から、昭和三十一年度の食糧管理特別会計の借入限度等の特例に関する法律案が予備審査のために提出され、直ちに大蔵委員会に予備付託になりました。本法律案は食糧問題及び災害対策に深い関係があるものと認められますので、当委員会においても事情を明らかにしておくことが適当であると考え、本日議題にして、一応関係当局から説明を聞くことといたしました。本件について、ただいま政府から食糧庁の総務部企画課長の中西一郎君、大蔵省主計局主計官新保君、両人が出ております。なお農林政務次官は先ほど来からおりますから……。
 なお水害、台風被害及び冷害等の災害対策については、いずれ議題をあらためて詳細御審議をお願いいたしたいと存じておりますから、御了承願います。
 まず本件について当局の説明を求めます。
#10
○説明員(中西一郎君) ただいまお話のございました昭和三十一年度の食糧管理特別会計の借入限度等の特例に関する法律案について御説明申し上げます。
 この法案の内容は大別して二点であり、条文は二カ条の簡単なものでございます。第一条の方は、食糧管理特別会計法できめております食糧証券等の借入限度を一千億円引き上げようとするものであります。現行の借入限度は三千五百億円、通例十二月の下旬ころに最高の借入限度になるのでございますが、本年度の見通しでは、十二月下旬に四千五百億円程度になるのではないかという想定のもとに、この第一条の条文ができておるわけでございます。
 それから第二点でございますが、第二点は昨年来予約制を施行いたしまして、農民の予約がございましたときに、政府から石当り二千円の概算金を支払っております。本年北海道の冷害など大きな災害がございまして、通例ならば米の売渡し、政府に対する売渡しによって概算金の分が返還されていくわけでございますが、災害のために米の売渡しができない。そのために政府に概算金を現金で返さなければならない、こういうふうな事態が生ずるものと考えられます。北海道でそういう事態になるのが約十四億円ほどあるのではないかという推定をいたしておりますが、その十四億円を政府に返していただきます際に、概算金を受け取ってからその金を支払う時期までの金利を減免することが、この災害に対処した一つの政策として必要なのではないかと、こういうふうに考えて、第二条ができておるのでございます。
 なお若干詳しく申し上げたいと思うのでございますが、第一条の三千五百億円を四千五百億円にするといたしておりますのは、別に御配付申し上げたはずでございますが、大蔵省と書いてあります資料がございます。先ほど申し上げましたように、十二月末に大体ピークになるのでありますが、歳入が約三千六百七十億円、歳出が約七千九百二十億円、差引で借入金等の現在高ほ四千二百五十億円となる見込みとなっております。予算において予定いたしましたのは、十二月末で三千五百億円、これに比べますと七百五十億円増加するわけでございます。その七百五十億円の内訳は、番号の3のところにございますが、歳出増加が約三百九十六億円、歳入の減少が約三百五十四億円、合せまして七百五十億円ということになっております。その歳出と歳入のそれぞれの内訳が書いてございますが、まず歳出増加の第一の理由は、三十一年産米が予算で考えておりましたよりも買い入れの見込みがふえるということでございます。カッコの中にございますように、予算では二千百二十万石十二月末までに買うという見込みが、二千七百七十万石程度になりそうである。そこで六百五十万石ふえるわけでございます。ちなみに今年の産米の予約数量は三千十九万石でございます。そのうち若干、被害等でその後の出足等から三千十九万石全部が完全に出るというのは少し見通し困難ではないかという感じがいたしておりますが、そういう関係を織り込んで十二月末で二千七百七十万石というふうに見込んでおるわけでございます。
 それから第二の点でございますが、昭和三十一年産の麦の買入数量が減ったことと、それから三十年産米の買入数量の減ったこと、三十年産米は四月以降若干買う予定になっておりまして、その買入数量が減ったものであります。産麦の買入れ減少は、作況等もございまして、予算よりも若干減っております。その関係で百十五億円、それから外国食糧、農産物等、その他による歳出の関係でありますが、約百五十九億円、この百五十九億円は減少分でございます。以上によって差引いたしまして三百九十六億円となるわけでございます。
 それから歳入の減少でございますが、食糧売払数量の減少が二百九十億円、それから農産物等売払数星その他による減少は六十四億円、合せまして三百五十四億円の歳入の減少でございます。
 4にございますように、買入数量にいたしましても、また価格にいたしましても、若干実行上なお変動する面がございます。その場合に本会計の品目も多いですし、金額も巨額になりますので、若干のズレがありますと相当大きな影響を及ぼします。その関係で二百五十億円程度の余裕を見まして、以上申し上げました七百五十億円のほかに二百五十億円を余裕としてプラスしまして、一千億円の限度の拡張をする、こういうふうに考えたものであります。
 なお、限度拡張は以上申し上げましたような理由でどうしても必要であり、早急にこれを実現願いまして、食糧管理運営に遺憾のないことを期したいのでございますが、歳出限度の点は、これは各項目間の移流用を行いますと、現行予算の範囲内でまかない得るのではないかという見込みを立てております。そのことが一番最後のところに少しつけ加えてございます。
 第一条関係はその程度でございますが、第二条には別に資料がございませんので恐縮なんでございますが、先ほど申し上げました七月に予約がございまして、米の売渡しができないほど非常に大きな災害を受けた農家が、十二月になりますと概算金の返納期日が参ります。その返納をいたします際に、予約契約上は日歩二銭五厘の金利をもってもらうことになっております。これは普通の表の金利等を考慮してきめたものでございますが、災害のためにその金利負担が気の毒だという観点からその減免措置を講じようとするものであります。で、まず政令で定める地域内と、こういたしまして地域を指定いたします。それから第二に災害を指定いたします。それから第三番目に返納期日の関係を定めるわけでございます。それから第四番目に減免の関係を明らかにする、こういう四つの点を明らかにしておく必要があると思うのでありますが、第一の政令で定める地域内と申しますのは、現在のところ、農林大臣においてなるべく末端の災害の実態に即した形で地域指定ができるというふうなことを目途にして検討いたしております。たとえば郡単位、北海道で申しますと支庁ということになりますが、そういう単位で災害率が非常に高い、そういうような郡を一つの目安にし、また災害率の非常に高い市町村というものも一つの考えに入れまして、被害の実態に即した地域指定ができるようにいたしたいと考えております。で、この関係では北海道と内地と両方にわたってこういう措置が必要であろうというふうに考えまして、そういう考えのもとに至急成案を得たいと思っております。
 それから第二の災害の関係でございますが、これは五、六月以降数次の各種の災害がございます。はなはだしいのは北海道の冷害、なお九号台風、十二号台風等相当被害の大きいものもございます。そういうものもここで考えて参りたいと思うわけでございます。
 それから第三番目として、先ほど申し上げました返納の期日の問題でございますが、十二月末と先ほど来申し上げておりますが、これは北陸四県、東北六県及び北海道についてが十二月末、その他の地域は一月末でございますが、そういうことを政令で明らかにいたしたいと思うわけでございます。
 それから減免の関係でございますが、利息を免除する場合と軽減する場合を考えております。で、免除いたします場合は、指定地域の中の生産者であることはもちろんでありますが、その生産者の減収が非常に大きくって収穫皆無に近い、今のところ、減収率が百分の九十以上というように考えておりますが、実質的に申しますと収穫皆無というふうなランキングに入る人に対しては全部免除いたしたらどうか。それから軽減でございますが、軽減の関係は天災融資法を参照いたしまして、あちらで三分五厘というふうに指定される場合には三分五厘になるように、六分五厘という場合には六分五厘になるように軽減をいたして参りたいと思うわけでございます。
 以上で第二条の説明は終ります。
 で、この法律は三十一年度の特例というふうになっております。いずれにしましても内容は限度の問題と、それからことしの災害という臨時的な要素に基くものとしての法律構成になっております。
#11
○千田正君 ただいまの第二点の冷害地、あるいは災害地に対する概算払いの返戻に関する問題、御説明は承わりましたが、われわれも今度の国会の目的は、日ソ条約の問題と同時に、この休会期間中に起ったところの災害に対する政府の所信をただしたいという点もありますので、今の御説明になりました資料を農林委員会のわれわれに提出していただきたいと思うのであります。
 それからもう一つは、これは大蔵委員会に提案するようになっております。われわれの委員会としましても、非常にこれは関心を持たなくちゃならないし、農林行政の上についても、われわれは農林省その他に対して一応協力する点もあるし、また鞭撻する点もあるし、そういう点からいいましても、場合によっては大蔵委員会と農林委員会との合同の委員会を持っていただきたいということを御注文申し上げます。
 もう一つ農林政務次官にお伺いしますが、この大蔵委員会に提出しました第一の問題につきまして、歳出の面においてある程度、一千億の拡張を目途とされておるようでありますが、最近のラジオ放送あるいは新聞の報道によると、タイ米の買付に対しまして、日本政府はなるべく買いたくなかった、しかしながら外国貿易の立場からいって、現在起きておるのはタイ国におけるところの日本の商人に対しまして入国を拒絶しようとする状況に立ち至っている、もちろんタイの米を買わなかったら、もう日本の商人は入るな、それほど強硬にタイ側が主張している事情にかんがみまして、いずれはタイ米も輸入しなければならない、そういう場合のことを勘案しまして、この拡張に盛っておるのかどうか、これは全然別個の問題として、これから起る問題として考えておるのか、あるいは現在そういうことが起り得るということを想定してこういう案を提出しておるのか、その点はどうなのですか。
#12
○政府委員(大石武一君) お答えいたします。一千億のこの金額の中にタイ米を買い得る余裕を見込んでおるわけでございます。
#13
○千田正君 そうすると、こういう問題と昨年度の在庫米、さらにまあ今買いたくないようなタイ米でも、貿易関係上やむを得ず買わなくちゃならない、そういう場合に、入ってきて国内の在庫米あるいは農業政策に及ぼす影響も多々あると思うのであります。それでこの案を提出されるに際しまして、大蔵委員会においてもちろん討議されるのはけっこうでありますが、当委員会といたしましても、われわれはその点について、いろいろ農林省あるいは特別会計の問題についてお尋ねしたい点がありますので、この問題については、日を改めまして委員長から特にもう一度聞いていただきまして、御説明をいただくと同時に資料を提出していただきたいと、この点を申し上げておきます。
#14
○政府委員(大石武一君) できるだけ早い機会に提出いたします。
#15
○委員長(堀末治君) 他に御質疑ございませんですか。
#16
○東隆君 今の問題に関連して資料を私はほしいのですが、外米の関係で黄変米の経過、そういうようなものを明らかにした数字をほしいのですが、その資料を要求します。
#17
○委員長(堀末治君) 他に御質疑ございませんですか。……それじゃ御質疑もなければ、本件はこの程度にいたしても差しつかえございませんか。
#18
○清澤俊英君 ちょっと、ただいま千田さんからお話があったように、この国会はいろいろ小麦の協定だとか、その他、他の委員会との関連が非常に多いんです。従ってそういう関連も多いのと同時に、大体が日ソ漁業交渉並びに冷害が中心になっておりまして、日程の組み方について、一応委員長の方で理事会を持って、そうしてこれで見ますと、継続審議の法案というようなものもずうっとやっていかれるような形になっておりますが、これらはまだ衆議院は上っておりませんし、そうせくことはないと思いますので、そういうものをどういうふうに取り扱うか、一応理事会を持ってきめていただきたいと思いますが……。
#19
○委員長(堀末治君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#20
○委員長(堀末治君) 速記を起して。
#21
○安部キミ子君 資料の点で、実は北海道の冷害がひどいので、当然私どももこれは臨時国会を開いてもらいたいというふうに考えておったのですが、参議院は委員会が開かれてないし、本会議があのままになっておりましたので、どうにもならなくて、調査にも出られなかったことは残念だと思います。で、北海道もそうでございますが、山口県の私の方でも大へん塩害がひどくて、まるでソバの色のようになっているあの実情を一目見てもらいたいという農民の声が非常に強かったわけです。けれども委員会も、それから本会議もございませんので、できなかったんですが、資料を整えられますときには、山口県のそうした資料も十分用意していただきたいということをお願いしておきます。
#22
○委員長(堀末治君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#23
○委員長(堀末治君) 速記を起して。
 本件について他に御質疑ございませんですか……それじゃ本件に関してはこの程度でとめて差しつかえございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#24
○委員長(堀末治君) 御異議ないものと認めます。
    ―――――――――――――
#25
○委員長(堀末治君) 次に、昭和三十一年水害、台風被害及び冷害等災害対策の件を議題にいたします。
 水害、台風被害及び冷害等各種災害につきましては、たび重なることでありますので、はなはだ遺憾なことでありますが、被災者に対してまことにお気の毒に存じ、すみやかに適切な対策を立て、強力に実施されることを推進して参ったのでありますが、政府において今までに実施し、また今後も実施しようとする処置を明らかにするとともに、さらにその強化、充実を推進するため、本件を議題にいたした次第であります。まず当局の説明を求めることといたします。
#26
○説明員(保坂信男君) 本年の台風並びに冷害等の災害関係につきまして、その概況と、今日まで検討いたして参りました対策の状況等について御説明を申し上げます。
 資料を、お手元に「昭和三十一年災害対策について」というのが御配付申し上げてあると思いますが、それによりまして御説明を申し上げたいと思います。
 まず台風関係につきましては、八月十七、八日に九号台風、九月の九日、十日の十二号台風、九月二十六、七日の十五号台風と、三回の台風の被害を見たわけでございますが、九号、十二号につきましては、九州、四国、北陸地方の一部について、十五号台風につきましては、四国、東海地方について被害を生じたのであります。特に九号、十二号等で重なりました長崎、佐賀等の九州の一部の地帯につきましては、その被害が激甚であったのであります。その裏面にございますように、被害の額の総額といたしましては、九号台風につきましておよそ百三十億、十二号台風につきまして百三十二億、十五号台風は若干被害が軽微でございまして、四十二億、合せまして三百五億程度の被害を数える状態であったわけでございます。
 これにつきまして、それぞれ農林省におきましても、被害直後には現地に係官を派遣いたす等の方法によりまして、被害の実況を調査をいたしますと同時に、これが対策につきましては、財政当局ともいろいろ御協議の上、取り進めて参ったのでありますが、台風関係の対策といたしましては、まず第一に、台風による農林水産業の施設関係の災害復旧についてでございますが、農地、農用施設その他漁港、林業施設等につきましては、農林水産業の施設の災害復旧に関する暫定措置法に基きまして、それぞれ被害の実情を調査いたしまして、緊急査定を実施をいたして参ったのであります。その結果に基きまして逐次予備費支出をいたして参ったのでありますが、農地、農用施設につきましては、九号、十二号台風の一部について査定を終りました分につきましては、すでに予備費から一億八千六百万円を支出をいたしました。なお査定の未了のものにつきましては、今後査定が完了し次第、同様予備費の支出を行う計画になっております。漁港関係につきましても、現在までに一億一千七百万の予備費支出をいたして参った次第であります。なお治山、林道等の山林関係の施設については査定が進行中でありまして、近々その完了を待って、同様予備費支出の方法をとろうといたしておる次第でございます。その他共同利用施設関係につきましては、各県からの事業計画概要の提出を待って、これまた査定の上、予備費支出を行う計画でございます。
 第二に、金融関係の対策でございますが、天災法に基きまする経営資金につきましては、被害農林漁業者に対しまして、九号までの分とそれ以後の分と二回に分けて政令を閣議決定いたしたわけでございますが、九号までの分につきましては、それ以前の東北、北陸方面の水害と合せまして十六億円の資金ワクを決定をいたしまして、これをすでに配分を各県にいたしたわけでございますが、その後、十二号、十五号台風分につきましては、十一月十四日に政令を改正をいたしまして、その九号関係の政令の一部を改正をいたしまして、さらに六億円の融資ワクを追加をいたしまして、該当県に配分を行いました。さらに個人施設の災害復旧関係につきましては、農林漁業金融公庫の資金によって融資を行うことといたしまして、これにつきましては、公庫の主務大臣指定の災害復旧の資金ワクを活用をいたしたのでありますが、これについては、当該台風の対象といたしましては畜舎、堆肥舎、農舎、製材工場、網干場、水産倉庫、漁船等につきまして告示をいたしたのであります。十二号、十五号台風につきましては、若干おくれまして、十一月十七日に同様の指定を行いまして、公庫の資金ワクから融資によって救済の方法を講ずることにいたしました。なお耕地その他の公共施設の災害復旧につきましては、農林漁業金融公庫からも約六億円融資を行うように措置をいたして参ったわけでございます。さらに自作農維持創設資金につきましては、本年度自作農維持資金ワクを当初二十五億と想定をいたしまして、上半期には十六億を配分済みでございました。その後災害関係の発生に伴いまして、残りの九億の資金ワクに二億のワクを追加をいたしまして、そのうち四億を災害関係といたしまして、各県に配分を実施をいたした次第でございます。農業共済金の関係につきましては、農業災害補償法に基きまして、水稲の被害農家に対して、すみやかに共済金が支払われますように、それぞれの該当県につきましては、当該連合会が支払いを行うに必要な資金といたしまして、農業共済基金から、その資金を該当県に融通をいたしまして、その金額が六千八百万円余りになったわけでございます。その資金の融通を行いました該当県といたしましては、福島、富山、石川、佐賀、長崎等に相なっております。その他の台風対策といたしましては、国会方面におかれましても関係委員会等におかれましていろいろ御審議が行われまして、その趣旨等をもそんたくし、また関係県の要望等も考慮をいたしまして、現在資料一の七ページから記載をしてございますような内容によりまして、予備費支出について大蔵省と協議中でございます。そのおもな内容は、果樹、桑等に対する樹勢回復の肥料なり、病害虫防除用の農薬、あるいは病害虫防除機具の購入費の補助等について要求をいたしておるわけでございます。その他営農指導関係の改良普及員の活動費なり、蚕業技術員の活動費なり、指導に要する経費について要求をいたしておるわけでございます。その他開拓地、あるいは干拓地等の住宅の復旧等につきましては、補助の基準等につきまして、大蔵当局とも協議を重ねて参りまして、前回のものについて、一定の基準をもって補助を交付する方針のもとに、ただいま被害地の実情を調査して査定中でございまして、このまとまり次第、要求を計上いたす考えでおります。大体台風関係の対策といたしましては以上のような経過に相なっております。
 次に、北海道等の冷害関係について御説明を申し上げますが、北海道につきましては、六月中旬から八月にかけまして非常な低温寡照に見舞われましたために、各種の農作物について著しい被害を受けたのでありまして、特に冷害が障害型の冷害、遅延型の冷害と重なったような深刻な冷害の様相を生じたのでありまして、これにつきましては地元の御連絡とともに、農林省といたしましても、九月の終りには経済局長以下関係各課長が調査に参りましたし、十月に入りましてからは、中旬に高碕大臣初め官房長、関係課長が現地に出向きまして、直接いろいろ被害の実情を調査いたしますと同時に、その対策につきましては、地元の道庁と密接な連携を保ちまして、いろいろ考究を重ね、その対策の措置を講じて参ったわけでございますが、その被害の実情は、道庁の報告によりますと、三百九十六億円程度に上る被害の報告が参っておるわけでありますが、統計調査部の報告によりましても、ほぼ近い被害程度でございまして、水陸稲につきましては、統計調査部の指数にいたしましても、四七程度の指数でございまして、五割以上の被害、半作以下という実情でございます。地域によりましては、ほとんど収穫皆無であるという網走地区管内、あるいはその北部の地方という地方はそうした深刻な状態でございまして、水陸約合せまして荷五十三億、大小豆等の雑穀二十五億、その被害は三百億をこえる被害額に達しておるわけでございます。
 なお、北海道における冷害と同時に、内地におきましても、青森、岩手、その他東北各県、長野、岐阜等の方面におきましては、高冷地等におきまして冷害の発生を見たのでありまして、その被害は水陸合せまして稲の関係で約五十四億、雑穀等を含めまして、目下の推定によりますと、五十六億余りの被害額に達しておるのであります。
 これを二十八、九年当時の冷害と対比してみますると、二十八年度におきましては百十九億、二十九年度におきましては二百二十八億、これは北海道についての数字でありますが、それに比べますと、北海道におきましては本年度はさらに深刻な被害であると考えられるのであります。特に北海道は二十八、九年の冷害よりも非常に上回った被害を生じたわけであります。内地につきましては、二十九年度の内地の冷害被害金額は百八十八億程度でございますので、内地につきましては北海道とは若干違いまして、当時から比べますと、被害は全国的に見ますと、比較的軽いと言えると考えるのでありますが、しかしながら、地域的には高冷地なり、あるいは青森県の上北、下北の沿岸地方とか、部分的には非常に深刻な被害を受けているようでございます。
 この被害状況に対しまして、北海道につきましては、先般申し上げましたように、いろいろ調査をいたしますと同時に、その対策についていろいろ検討をして参ったのでありますが、内閣におきましても各省のこれが対策についての連絡協議会を設置をいたされまして、その協議会におきましても、各省その対策を持ち寄りましていろいろ検討を進めて参ったわけでございます。
 なお、高碕大臣が調査に参られまして、その結果について閣議においていろいろ御報告になりました趣旨に基きまして、対策について措置をして参ったのであります。
 まず第一に、救農土木事業関係につきましては、北海道開発庁なり、建設省なり、その他の関係各省と打ち合せの結果、被害の状況と地元の要望とを参酌をいたしまして、地元現金収入額三十二億余りを必要とするという考えのもとに、いろいろその対策を協議をいたしました結果、農林省関係におきましては、既定経費の中から六億四千万円、予備費の中から五億五千万円、計十一億九千万円余りの事業を今後北海道において行い、これによって地元現金収入をはかる方途を講じたのでありますが、全体として考えますと、事業費といたしまして、農林省関係では十九億九千百万円、このほか農林省の国有林関係で六億二千百万円――これは書いてございません。建設省関係で十四億九千七百万、運輸省関係で二千万、計、事業費総額といたしましては、四十一億二千九百万程度の事業を行いまして、そのほか民間事業による現金収入を若干見込みまして、地元現金収入三十二億五千万程度を落すことによって、被害農家等の対策を考えたわけでございます。
 次に、営農資材対策といたしましては、稲、雑穀、飼料作物、あるいは種バレイショ等の種子の確保用といたしまして、その種子のかかり増の経費等につきまして七千百万円余り、炭がま構築費の補助といたしまして七百十二万五千円、計七千九百十一万六千円を予備費から支出することにいたしたの
 でございます。
 次に、金融関係の対策といたしましては、天災融資法に基きます政令を十一月十四日から施行いたしまして、その経営資金のワクといたしまして、新規貸出分並びに旧災、過去の災害によります経営資金の借りかえ資金とを合せまして、百五十億のワクを決定いたしたのであります。なお、三分五厘の地域指定については、目下道の資料の提出を願いまして検討いたしておる次第でございますが、北海道の深刻な事情にかんがみまして、三分五厘の地域指定が相当広範囲に行われることと考えておるわけでございます。
 なお、自作農維持創設資金関係につきましては、先般申し上げましたように、当初ワク二十五億円ありましたが、北海道につきましては、先般の水害対策と別個に、冷害対策関係といたしまして七億八千八百万円のワクを追加いたしまして、自作農の維持に資するように措置をいたしたわけでございますが、さらに伐採調整資金といたしましてね、北海道分といたしまして四千七百万円のワクを追加いたした次第でございます。
 さらに、農林漁業金融公庫関係といたしましては、さきに申し述べました救農土木事業の地元負担分について、農地関係あるいは林業関係合せまして二億六千八百万円の八割について、さらに北海道の道単事業分について一億一千四百万円、公庫から支出をいたすように取り計らった次第でございます。
 そのほか農業共済金の支払いにつきましては、地元側からも本年内の早期支払いについて切実な要望があったのでございますが、これは農林統計調査事務所の調査報告の最終の報告をすみやかに検討をいたしまして、できる限り年内に支払い得るように、地元関係各機関、道の共済組合連合会等とも密接な連絡をとりまして、万全の措置をとるように取り進めておる次第でございます。
 なお、六に書いてございます予約米の概算金の問題につきましては、先ほど食糧庁からも御説明のあったことにも関係をいたしておるわけでございますが、予約概算金を受領したものでその返納の困難なものにつきましては、十二月までの利子についての減免の措置、さらにその後の措置といたしましては、指定集荷業者が農家にかわって政府に代理弁済をしました際の必要な融資、それに対する利子補給という措置につきまして、ただいま財政当局とも検討をいたしておる次第であります。すみやかに結論を得て、措置をしたいと考えておるわけでございます。
 そのほか、米の需給関係等につきましては、毎月三万トンなり二万トンなりは輸送ができますように、いろいろ対策を講じましたし、さらに薪炭原木の払い下げ等につきましても、国有林関係につきまして措置をいたして参った次第であります。
 内地の冷害関係につきましては、被害の概要は先ほど申し上げました通りでありますが、これに対しましては、天災融資法に基きます営農資金といたしまして三億円程度を、北海道の冷害の政令を措置いたしました際に、同時に資金ワクの決定をいたしましたが、その他救農事業等の関係につきましては、関係各県の被害報告の提出が若干時期がおくれましたこと、あるいは農林省関係の統計調査事務所におきましても、県全体の把握といたしましては、各県とも相当水陸稲の作柄におきましては良好の状態を示しております。特に、若干の県におきましては、被害の深刻であった面ももちろんあるわけでございますが、そうした事情から、町村ごとの細目な資料の提出、それによる実情の把握によって対策を講じなければならないわけでありまして、被害が局地的でありますので、その実情の把握等に若干時日を要しました関係上、ただいまそうした局地的なひどい被害地域の実情把握と、それによる救農土木事業等の大きさと申しますか、規模を算定中でございまして、おおむねそのめどを立てまして、これが対策を関係方面ともいろいろ協議を進めて、検討をしておる最中でございます。
 あと、添付いたしております資料は、先ほど大体概要を申し上げました細目の点であります。資料四は、大臣の視察の後の報告の際に閣議で行われました対策の措置でございます。
 先ほど来申し上げました予備金支出等の細部の点につきましては、資料五に細目計上をいたしてございます。この資料についての説明は省略をさせていただきたいと思いますが、大体台風関係並びに冷害関係の被害の概要及びこれが対策についてとって参りました経過は、以上の通りでございます。
#27
○委員長(堀末治君) ただいまの説明に対して御質疑がございましたら。
#28
○千田正君 政務次官並びに農林省当局に伺いますが、ただいままでにとられた臨時措置によって、新年度の実行予算が実施されるまで、こうした措置で大体格好がつくのかどうか、そういう目安がついているのかどうかという点と、それから北海道の現地からは特別立法をしてもらいたい、こういう陳情がわれわれのところに来ております。政府としましてはこうしたことに対して特別な措置法を国会に提案する考えを持っているかどうか、この二点。
 最後の一点は、寒冷地帯、特に東北におけるところの青森、あるいは秋田、岩手、山形というような方面におきましては、ことに山間地帯が非常にえらいそうで、その山間地帯の人たちの現金収入であるところの薪炭並びに果実類、こうしたものの輸送ができなくて、新聞で御承知の通り、各駅滞貨の山である。そのために、果実そのものが腐ってしまう。それからまた、薪炭もどんどん、金融関係からいえば、マイナスの方向に進んでいく。伝うるところによるというと、林野庁は、今まで保管しておったところの木炭を消費地に放出することによって、この冬の燃料対策をやろうとしている。そういうことは、冷害地におけるところの影響は非常に大きいと思う。それ千農林当局としましては、現在滞貨の山になっているところのこうしたものの疎通の措置をとっているかどうか。
 この三点について、特に農林省の方から政府の所信をただしたいと思う。
#29
○政府委員(大石武一君) お答えいたします。一応の応急措置としては、今まで農政課長から申し上げましたことを基準としまして、一応の応急的な措置はできていると考えております。
 なお、今後ともこのような冷害がたびたび起るといたしますれば、これに対する処置というものを恒久的に考えなければならぬ、こう覚悟しておる次第でございます。
 次に、立法措置につきましては、概算金の取扱いに関する問題、その延納並びに利子補給につきましては、当然立法の必要はございますけれども、それ以外につきましては、今のところ別に立法的措置を講ずる考えはございません。
 それから滞貨の処置につきましては、これは困ったことだと思います。で、直接の関係省である運輸省並びに国鉄とも十分連絡いたしまして、そのような滞貨のないようにということを努力いたしておる次第でございますが、今後ともできる限りの措置を講じまして、現金収入は少しでもあるようにというふうに努力いたす考えでございます。なお、林野庁において、その持っておる薪炭を消費地に放出して燃料の確保をはかるという話は、まだ聞いていません。そのような話があれば、そのようなこともけっこうでございましょうけれども、それによって冷害地が悪い影響を受けることがあってはいけませんから、十分にそれを考えまして、悪い影響を与えないように努力いたす所存でございます。
#30
○千田正君 抽象的なお答えでありますが、特に立法措置のうちで、概算払いの問題等についてはやっておる。ほかに開拓民への貸付金に対するところの支払いの延期とか、いろいろな問題がありますね。こういう問題はおそらく大蔵省で御検討なされておるとは存じますが、すでに償還期限が来ておって、それがとうてい払える状態にない、こういう問題がもちろんあります。
 それから今の滞貨の問題は、これは少しも次官がおわかりにならないとすれば、それでけっこうでしょうが、私の聞くところによれば、林野庁として、そういうことを一度新聞とかラジオで発表していますよ。これは一応おただし願いたい。
 それから滞貨の山は、これは例年のことでありますから、特に今年のような冷害を含んだ現地にとりましては、非常にこれは大事であります。でありますから、運輸省との間の折衝をもっと本腰を入れてやっていただきたい。これは特に希望しておきます。私は、この次の委員会なり、そのときにおいて、あなた方の方でどういう一体方針で、どういう交渉したのか、こういう点までもお聞きいたしますから、十分その資料を持ってきてお答え願いたいと思います。
#31
○委員長(堀末治君) 本件については、この程度にとどめたいと思いますが。
#32
○安部キミ子君 ちょっと補足して……。ただいま当局の方から、局地的な被害地域の調査はまだ結果的には十分出ていないから、もっと正確な調査が出てから、いろいろ考慮するというような意味のお話だったと思いますが、そういうことであれば、私は山口県の実情については、今ここでは申しませんが、そちら様で十分被害の精密な調査ができました上で、またあらためて質問いたしたいと思います。
 そこで、この資料はもう大体調査済みの資料でしょうか、まだ十分でないという前提に立った資料でしょうか。
#33
○説明員(保坂信男君) ただいまお尋ねのことについてお答えを申し上げます。私どもの統計調査事務所内の被害調査におきましては、県全体としての被害数量なり資料なりは、大体まとまっておるわけでございますけれども、救農事業をいたしますような場合におきましては、そのたとえば町村ごとの地域において、特にひどい被害を受けた、何割以上の被害を受けたというような、局地的な概況がまだまとまっておりませんので、なお県からも、先般も衆議院の方におきましても、いろいろ山口県等の実情につきましては御陳情を受けまして、その次第を承知をいたしておるわけでございますが、県当局からもその細目にわたったいろいろな資料の提出をまだいただいておりませんので、そういうことができましたならば、救農土木事業につきましてはどの程度の規模で、どういう地域にやろうというような、具体的な対策ができていくかと考えておるわけでございます。そういう点の検討整備を心がけておるわけでございます。
#34
○安部キミ子君 政令による地域指定の中で、山口県が入っておりますでしょうか。
#35
○説明員(保坂信男君) 今のお尋ねは、天災融資法に基く通常の場合は六分五厘で農家が借り受けられるように措置をいたしておるわけでございますが、被害の程度の激甚な地域につきましては、三分五厘を指定する。その地域指定のことであろうと思いますが、その点につきましても、関係各県とただいま打ち合せ中でございます。その細目な資料につきましても、町村区域ごとの詳細な資料の御提出を願ってやっておるわけでありまして、山口県につきましても、該当事項があるであろうと思いますが、詳細なる地域は、ここでは記憶いたしておりませんし、まだ結論は出ていませんので、お答えできかねますが、該当地域があろうかと思います。
#36
○安部キミ子君 それでは私の方から県事務所の方へ申しまして、事前に資料提出するように申しますので、あらためて検討していただきたいと思います。
 それから先日各地方でいろいろの決議が、災害対策に対しての要望の決議がなされております中で、収穫皆無の被害激甚農家に対する災害跡用地種子購入資金については特別助成の措置を講ぜられたいという要望があるわけです。この話をあなたの方に申し入れたところが、望みがないという御返事があったというようなことを聞いておりますが、おそらく誤解に基くのじゃないかと思いますけれども、ちょっとその点伺っておきます。まだ、そこのお話は出ておりませんか。
#37
○政府委員(大石武一君) おそれ入りますが、もう一ぺん……。収穫皆無の被害……。
#38
○安部キミ子君 激甚農家に対する災害跡用地種子購入資金については特別助成の措置を講ぜられたい。助成金をもらいたいということなんでございますので、そのことを交渉しましたら。
#39
○政府委員(大石武一君) もちろん災害激甚につきましては、でき得る限り助成なり、援助と申しますか、そういうことはいたす方針でございますが、ただ具体的にこまかい点につきますと、どの点まで現地の要望をいれることができますか。たとえば種もみの問題もあるようですが、内地では種もみは入手が非常に困難でございませんので、北海道のように種もみに政府が高い補助金を出して買って分けるということは、内地では考えられないような状況でございますので、すべての点について御希望をいれるかどうかということはわかりませんが、営農資金といいますか、そういうものもお貸ししまして、あるいは三分五厘の地区指定になりますから、安い金利の営農資金も貸しまして、営農資材を購入できるとか、あるいはものによっては営農資材の助成金も出し得る次第でありますので、できる限りのことはやる方針でございます。全然できないというのは誤解でなかろうかと思います。
#40
○安部キミ子君 以上を含めまして、再検討していただけるということでございますね。ありがとうございます。
#41
○重政庸徳君 北海道の冷害に対する救農土木事業ですが、せっかく大村主計官が来ておられますので、大蔵省の方に伺いたい。
 たとえていえば、農業土木の排水事業、土地改良、あるいは河川とか道路というようなものが入っとるのだろうと思うが、結局農林関係と大蔵関係に主として分ける、その主要なものは。ところが、それを大体金額で適当に分けておるように僕は感ずるのですね。どういう観点に立脚して、この事業を採用する、この事業を採用するのであるという、その観点はどういうところから、基本において採用せられたか、ということをちょっと……。
#42
○説明員(大村筆雄君) お答え申し上げます。実は北海道冷害対策としての救農土木事業につきましては、いろいろな事業を考えるわけでございますけれども、まず継続事業に重点を置くことにいたしまして、農林関係と建設関係をどういうふうに割り振るかということにつきましては、まず現地の実情がどうかということに主眼を置きまして、従いまして、北海道開発庁に特別に主催していただきまして、特に関係各省にお集まり願いまして、それで各現地の必要度に応じまして、また適当な聖業をまず優先するという見地から、河川をやるとか、道路をやるとか、あるいは土地改良事業をやるとか、具体的に計画を持ち寄りまして、そして具体的に検討した結果、農林省は幾ら、建設省は幾らというふうにきめた次第でございます。
#43
○重政庸徳君 私は党として視察に行ったのですが、そのときの感じは、理事者は多く、あるいは継続事業の河川とか道路とかいうようなものを希望しておる。ところが、農民はそうではない。農民は来たるべき災害が、冷害があった場合、少しでもその災害を、冷害を軽くする事業、と申しますと、大体排水事業――暗渠排水とか、いわゆる排水事業、そういうものを非常に望んでおる。だから、政府に反映しておる希望と申す事業は、私は間違っておるのじゃないかと思う。この点、私は大村主計官が行かれたときに一緒に参ったのですが、特によくお話ししておったのです。これは、私は配分の観点が間違っておるように感ずるのですがね。要するところ、中央に希望してくる者は、あるいは北海道知事とか、あるいは市町村長とかいうふうな人が、大体道路、河川とかいうものを非常に希求しておる。だから、その点を最も、私は当時視察したときに注意しておった。ところが、配分の結果を見ると、大体建設省と農林省と適当に配分しておるように感ずるがね、この数字の上からみても。だから、地方々々によってその事業はもちろん異なるんだが、あの広い北海道においてこの排水事業を農民が希望せぬという所は、私は実際ないように思う、実際。この点が、私はせっかく救農――もちろん賃金を与えるのが主ですけれども、もう一つ今度は来たるべき冷害に少しでも損害の少い事業をやるのが、これは当然じゃないかと思う。この点どう考えられますか。
#44
○説明員(大村筆雄君) お答え申し上げます。実は冷害が起りまして、それでもう十一月には雪が降る時分でございますので、急にすみやかにやらなければならんという問題が片方にございますので、事業の選択としましては、どうしてもすでに継続的にやっているようなところ、従って計画がきまっているようなところでありませんと、もう十一月から着工というわけには参りません。従いまして、新規にやるというところは、どうしても、幾ら早くても、計画を立ててやりますと、数カ月あとになりますので、なるべく継続事業を主にしたという点がございますので、今御指摘ございましたように、白紙の上で事業の計画を立てるというわけに参らんという点も実はございました。しかし、できるだけそういう、御指摘の点につきましては、そういう原則のもとではありながら、できるだけ暗渠排水とか、冷害に役立つような事業を拾ってもらうように、農林省でも努力してもらっております。
#45
○重政庸徳君 これは一たん割当が済んだのだから、今さらどうこうというのではないのですけれども、今主計官のおっしゃったことも、多少急を要するという点もあるのだが、しかし客土とかそういう性質のものは、そんなに大して設計が要るわけじゃない。姓は全部これを望んでいる。しかも来たるべき冷害に非常に効果的である。そういうものは今直ちにでもできるのですよ、これは。こういうようなこともあるので、これは将来一つ、やはり相当この排水とかこういうものは考えていただかなければならんということを申し上げているのです。
#46
○東隆君 時間もだいぶ過ぎているようですけれども、だいぶありますが、どういうふうにしますか、午後。
#47
○委員長(堀末治君) 午後もやりますから、もし何なら、午後お聞き下すってもけっこうです。
#48
○東隆君 では、午後……。
#49
○委員長(堀末治君) それでは、午前中はこれで休憩いたしまして、午後一時から再開することにしましょう。暫時休憩いたします。
   午後零時七分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時五十三分開会
#50
○委員長(堀末治君) それでは、これから、委員会を再開いたします。
 午前に引き続いて、災害対策の件を議題といたします。
#51
○東隆君 私は、冷害、特に北海道の冷害を中心にして、お伺いをいたしますが、ことしは北海道は非常な災害でございます。そこで九月の二十八、九日ごろに実は取りまとめまして、そうして中央に対するいろいろな陳情その他、九月の下旬から始まったわけで、そうしてそれに対するいろいろな緊急対策その他を講ぜられたことに対して、私は感謝をするものでありますが、できました対策について、私ども非常にまだ足りない点があるので、そういうような点についてお伺いをいたしたいと、こう思うわけであります。
 まず最初に、私が、冷害というのは、これはやはり北海道のような北辺に位するところはもちろんのことでありますが、日本の国内においても、岳麓地帯であるとか、そういうような所は当然これは冷害を受けるので、そういうような地帯で一番大きく対象になるものは何であるかと申しますと、これは水田経営ではないわけであります。水田経営は、もちろんことしはやられましたが、水田がやられれば、それ以上に畑の方がやられているわけであります。そこで農林省の方、あるいは大蔵省の方において、災害の度合いを査定をされる場合に、非常に私は間違いを起しておるのではないか、こう思っておるわけであります。たとえば配付になりました資料の二を見ましても、すぐわかるのでありますが、北海道から申し出ておる災害の額は約三百九十七億であります。それくらいになっておるわけであります。その当時、作物統計所から出ましたものが三百三十億くらいでなかったかと思います。ところが、これを見ますと、三百三億と、こういうことになって、だいぶ減って参っております。それの主たるものは何かと申しますと、主として畑作関係のものでありまして、麦類を初め、それからバレイショであるとか、あるいはその他これは主として畑の関係のものを全部取り上げられて、そうしてそれを差し引いて考えられておる。
 そこで私は畑の方について考えますと、北海道では水田の面積が十七万町歩そこそこでありますが、それの四倍か五倍になっているわけであります。それだけの畑の面積があって、そうしてしかもそこに栽培されているものは、これは麦が災害のうちに入っておらぬようでありますけれども、実はことしは非常に作況がおくれてしまいまして、私どもが九月の末に参りましたときに、まだ燕麦を刈らない所がある。それから大麦や小麦その他を見ましても、これは積んだまま雨のために芽が出て、そうして食いものにならない。そういうようなものばかりなんであります。従って、一番苦しんでおるのは畑の地帯でありまして、この畑作に関しては災害補償法によるところの共済の面もありますが、唯一の麦がはずれてしまっておるわけで、従って、共済関係でもって救われるものは、これは家畜の方は別といたしまして、全然ない、こう考えてもいいのが、これがこの数字を土台にして立てられたところの災害に関する対策の、私は大きな欠点でないかと。ことに冷害ということを中心にして考えられたときに、水稲はこれは基準なんでありまして、水稲が悪ければ畑は悪い。これはもう当然なんであります。その点がだいぶ欠けられておると、こういうふうに言わざるを得ないわけであります。
 そこで、私はどういうわけでこのような数字を基礎にされたか、その点を一つお伺いいたしたいのであります。
#52
○説明員(渡部伍良君) 災害対策を立てるための基礎の数字についての御質問でありますが、被害の実態を調査することは、御承知のように、非常に困難であります。しかし調査をいたさなければ対策は立ちませんので、ある時点をもととしまして、そのときの状態を調べ、それから実際収穫までの将来の予測をある程度頭に描きながら、被害額というものを出すのであります。これはたとえば農業共済制度で損害評価をやる場合に、相当綿密な調査をいたしましても、なかなか、ちょっとしたさじかげんといいますか、思惑の累積で非常に大きい数字の出入りが出てくるのであります。ことに、農林省に出します都道府県の数字が、まあほとんど全部といっていいのでありますが、農林省の統計調査部で調べます数字に比べますと、相当に大きい開きがあるのであります。これは県によりまして、この開き方が違います。長年の統計をとってみますと、私の方では毎年都道府県の報告と統計調査部の報告との比率中を調べますと、大体吹っかけ方もきまっておるようでありますか、そこで逆に、統計調査部の調べのこれほ大体間違いないなというふうな、逆の自信もつけるようなことになるわけであります。今回の冷害につきましては、特に北海道につきましては、私の方でも、八月の終りからまず豆類の成長が悪い、九月に入ってから稲も悪いということでありましたので、北海道内四カ所の統計事務所に特別に慎重な調査指令をいたしまして調べたのであります。お話のように、地元の要求に比べますとある程度の開きがあるのでありますが、ことしの北海道の調査は、北海道庁の方といたしましても非常に慎重でありまして、例年にない北海道庁と農林省統計調査部の統計の開きが少く、ただ先ほど御指摘になりました金額の開きにつきましては、これは相当はっきり言えるのでありますが、北海道庁の方は相当早く三百九十億という数字を出しております。その後、九月の天候回復等で豆類等もある程度回復したようであります。そういうもの、調査の時点の相違である程度の開きが出ているように考えるのであります。
 お手元に配付しております実際の調査あるいは推定の数字というものを見ていただきますと、私の方といたしましては精一ぱいの調査でありますので、これをもとにしていろんな対策を立てるより仕方がないのでありまして、その点は御了承を得たいと思います。
#53
○東隆君 私は、今経済局長からお答えがありましたが、実はある時点を中心にして調査をされたので、結局、麦類は夏作であるから、そこでこれは関係がないのだ、こういう関係で省かれたのだ、こういう想定もできるわけであります。しかし、ごらんになったろうと思うのでありますが、麦は刈られてあるものはほとんど「にゅう」のままで、雨のためにカビが生えてまっ黒になっている。実が入っていない、そういうようなものばかり。しかも九月の終りに行っても、まだ燕麦が刈られておらない。十月になってまだ畑にある。こういうふうな異常な形でもって伸びてしまっているわけであります。従って、畑地帯におけるところの中心の食糧というのは麦なんであります。その芝が全然問題にならない状態に置かれているときに、私は、その麦を省いてしまって、そうして数字を出されるのは、これは非常に酷な話です。しかも北海道でもって問題になっているのは、畑の地帯で一番深刻な状態が現われている。トーキビも実りませんし、カボチャも実らないし、ジャガイモはこれは澱粉にするのが多少できておりましょうが、食糧の方とこれとは別ですけれども、澱粉にするイモを作っている。しかしそれも決してよくできておりません。そういうような状態を考えたときに、この数字は実に畑方面に対しては冷酷きわまる数字で、事実を見ない統計だと、こういっても私は差しつかえないと思う。だから、当然、これは農林省で査定をされたのか、あるいは大蔵省でもって特にこういう数字を財務局その他でもって作られてぶっつけられたのか、その辺はどういうことになっておりますか。
#54
○説明員(渡部伍良君) 麦類、バレイショにつきましては、お配りしてある表で、カッコの中に推定ということになっておりますが、これは実は麦類、バレイショについては実収高調査の進行中であるのであります。従って、最終的な実収高調査ができていないけれども、相当正確な実収高調査をもとにしてここへ出しておるのであります。従って、このバレイショ、麦類についての被害を考えに入れないで対策を立てているというわけではありません。お説のように、私も、九月の二十五日から二十九日まで、北見、網走、宗谷の方まで参りましたが、中には、お話のように、所々に燕麦の残っている所もありました。あるいは刈って倉に積んでおるのもあったのであります。バレイショも、至るところで車を降りて掘ってみました。相当いいイモが腐っている。あるいは日照が不足で、ぶよぶよのイモというのもたくさん見ました。そういう点もこの被害の調査では、十分統計調査部の方によく話しまして、調べてもらったのであります。お話にありますように、大蔵省から作ってもらった数字というようなものでは絶対ありません。私どもの方の統計調査部で各事務所を督励して調べた数字であります。
#55
○東隆君 私は、ちょうど経済局長のやっておる統計関係がありますから、申し上げるのですが、統計調査部のこの数字のうちで相当信を置けるものは、私は水稲関係だと思う。それから畑作関係になりますると、府県の方の麦やその他のものは別といたしまして、北海道における畑作関係、一毛作地帯におけるところの畑作関係の統計におけるところの調べというものは、これはもう実にラフなものなんです。ことにジャガイモ一つ取り上げてみても、あの数字の基礎にして立案をされるというのには、私は非常に乱暴な人員その他が配置されているのじゃないか、こう思うわけで、従って、私どもはいつも凶作その他に見舞われたときの経験を持っておりますから、数字を取り上げるときに三つほど数字が出てくるわけである。というのは、町村を通して出てくるところの数字、これは凶作の場合にポリティカルな、政治的な意味を持ちます。多少これはふくらんだりなんかするのであります。それからもう一つは、食糧事務所が中心になって調べた数字がある。これは実のところ申しますと、農林省の方ではこの調査をだいぶしないようになんかしておるようでありますけれども、この数字は、これは出回り数量とそれから農家の保有量とを加えたものが生産壁になるのでありますから、これは多年経験をした、そして食糧の統計事務所の人よりもたくさん道内に事務所を持っておる人たちが、経験を通して作り上げますし、この数字はこれは相当信を置くべき数字である。この数字と、それから統計調査部の数字と、こう三つ出てくるわけです。で、統計調査部のものは、これは立毛の場合における調査でありまして、その後におけるところの変化についてきわめてこれは粗雑になっておる。従って、私はとるべき数字というのは、かえって食糧事務所でもってまとめた数字が、これがいつも近いので、しかも凶作のときにはどういうことになるかというと、たとえば水稲でありますと、小米のようなものも生産の中に数えられる、そういうような形でもって、完全なものはこれは非常に少い。価格にこれを形成した場合に、これは非常に違いが出てくる。こういうような問題がずっとからんで参ってくるわけで、私は、そういうような意味で、畑のものについての想定というものはこれは非常に困難でありますけれども、しかしそれをこの場合にお考えになっておると言いますけれども、全体の数字から避けられて、そして基本的な数字をこしらえられておる、こういうような点でもって、私は非常に残念に思います。そういうような点で、今後のいろいろな問題があると思いますが、お考えを願いたいことと、それからことしの北海道における数字というのは、これは三百九十七億ですか、この数字というものは、これは例年政治的災害であるとかなんとかいうようないろいろな批評を受ける、こういうので、九月の下旬にまでまとまりませんでしたが、これはそういうような点を非常に考えて、そして道一本にして、村でもってまとめ上げたものを支庁経由でもってまとめ、それを道でまとめ、あらゆる当時におけるところの人員を動員してまとめ上げた数字、従って、そうポリティカルの意味を持っておらんわけであります。そういうふうな関係の場合に、私は畑作地帯について、特にこういうようなものをネグレクトされておるというのは非常に残念だと思いますので、私は今後とも一つ大きく考えていただきたい、こういう希望です。
 それからこれに関連をして、私は畑作地帯に対して、たとえば共済関係なんかの問題、これは麦が多少あるわけでありますが、それがこんなふうな扱いをされておるのですが、従って、どんな形が出てくるのかこれはわかりませんが、こういうような点について今後の問題がありますから、その点をどういうふうにお考えになっておるか、この点を一つお答えを願いたいと思います。
#56
○説明員(渡部伍良君) 共済関係では、米麦以外はいわゆる任意事業として行うことができることになっておるのであります。現在は北海道ではまだやっていないはずであります。これは全国的に被害の統計がありませんので、全国一律の共済の対象にし、あるいは国の再保険の対象にするという基礎数字がないからなのであります。内地では菜種などをやっておるところもあります。これもうまく行っておりません。共済制度をやるためには共済の掛金のもとになる被害の、米麦では二十年の過去の統計をもとにして、二十年で過不足、掛金ともらう金とのバランスをとる長期均衡を期しておるのであります。米麦以外については、そういう基礎データがないので、やっていないのであります。今すぐ任意共済の対象にするかどうかということについても相当慎重に考えなければ、北海道だけで独自にやるとすれば掛金も相当高くなる。相当高くなることは言えるけれども、的確にどのくらいもってくればいいというふうなことも今すぐなかなか結論が得られない、こういうところからやっていないのであります。さらに最近の状況を見ますと、相当冷害が頻繁に起っておりますので、共済制度を、最近だけの統計で見ますと、やっても成り立たない、こういうふうにすら考えられます。その点、北海道の農業をどういうふうに持っていくかという点とも合せて考えなければ、解決できないのじゃないかと思いまして、農林省としましても、現在非常に頭を悩ましておるような状況であります。
#57
○東隆君 私の言い方が悪かったかと思いますが、麦の共済は、北海道でやっておる場合に、実は農林省の方で省かれておりますから、こういうように考えておられませんから、実は北海道独自でやらなければならん形になるのでしょう。共済の中に入っているはずです。従って、これは問題がまだたくさんあるわけであります。
 そこで、私はもう一つ、冷害関係で北海道でやはり畑を中心に考えたときに、水田の方で種もみのことでだいぶ御心配をこうむっておるわけであります。それから畑の方では、それに関連をして、豆類その他についてのいろいろなことをお考えになっておりますが、北海道で非常に昔から作ってきて、そしてしかも国やあるいは道があまり力を入れないで、会社が独自でもってやってきた工芸作物、それは亜麻でありますが、この亜麻は実は昨年は茎の方はよくとれましたけれども、雨害その他のためで種がとれなかったわけであります。そこで足りない分を、これは作っておる所がございませんから、そこで海外から求めなければなりませんが、海外から求めると相当高い金額になりますし、また数量も、種類が違いますので、よけい輸入をしなければならぬ。そこで冷害をこうむった農家に、国内で、道内で生産をされたものと同じ価格でもって配給できるように、足りない分だけ一つ補助をしてほしいと、こういう要請をいたしておるわけであります。ところが、これに対して改良資金から金を借りたらいいじゃないかと、こういうふうにきまっておるようでありますが、亜麻というものについての考え方は、これはやはり畑作農業というものを農林省がお知りにならない関係で、私はこういうような措置をとられたんじゃないかと、こう思うわけなんであります。なぜかと申しますと、亜麻は、これは一番先にお金になる作物で、農家が、これが一番先に金が入るので、喜んで実は戦争中からずっと作っておったわけであります。来年はもちろん非常に、ことしの災害の関係でもって、お金がほしくて仕方がないのでありますから、当然これは相当量作って、そして来年のお盆のときのお金にしたい、こういう考え方でもって作る作物なのであります。この作物を、何とかして冷害にあった苦しんだ農家にも同じ価格でもって配給をしろ、こう言っておるのでありますが、これの準備は会社その他でもって進めている。それが個々の農家が借りるのだ、資金制度から借りるのだと、こういうようなことをやっている。事実はこれは役に立たない金になります。そういうような考え方を私は非常に残念に思いますが、これは一つ何らかの形で差額だけを補給をすると、そういうような形にこれは改めてもらわないと、資金制度でもって借りるとしても、個々の農家に金を貸してみたところで仕方がないので、これは種を用意して農家に渡すのですから、従って、外国から購入してそしてやるというのに、一々必要量を資金制度でもって借りてやれなんという、そういうやり方をしたのでは、問題にならんわけであります。そういう考え方で、種麦の方については非常にお考えになっておりますけれども、畑のものについては考えておられないわけであります。せっかく考えておることが、実のところを申しますと、何の役にも立たない。使い道のないやり方でやっているのが亜麻だと。亜麻は、これはほんとうに、道も国も力を入れないで――戦争中はこれは戦争作物のような格好でもって軍の非常な奨励その他がありましたから、どんどんこれは作りましたけれども、今は、実のところを申しますと、亜麻界の方は、麻の方は、非常に、どっちかというと、経営が不振であります。そういうような場合にぶつかっているのでありますから、私はこの際、畑というものについて、これが畑作農家というものについてこの点は、これはよくお考えにならなければならん。これはどんなお考え方で改良資金の方に持ち込まれましたか、これを一つ解明をお願いしたいと思います。
#58
○説明員(渡部伍良君) 亜麻につきましても、ほかの種子と同じように、検討を重ねたのでありますが、亜麻につきましては輸入種子の方が非常に優良なのであります。単位当りの価格はなるほど高いのでありますけれども、種がいいから、結局内地の種とその金を払っても同じ効果がある、こういうことが一つわかったのであります。なおかつ、これは会社と耕作者との特約栽培でありますから、非常に密接な栽培計画というものはできるわけであります。ほかの種子のように、いわゆる普通の種の価格と今回高くなるだろうという種の価格の差額を補給するということをやらないでも、会社の指導がよく徹底いたしますから、改良資金で農家が買う金を融通してやればそれで効果が出てくる、こういう考え方から、改良資金の方に入れたのであります。
#59
○東隆君 経済次長は、北海道においでになって、そうしていろいろ事情をお調べになったのでありましょうけれども、そのときはもう亜麻は抜かれてしまいまして、つまれてありますから、あまり知らないと思うのでありますが、実のところを申しますと、外国産の亜麻種は実は粒が大きいのであります。そうして反当の収量も――道内でできるものよりも、サギノーやペルノーなんかよりも、向うから来るものは大きい種で、ます目がたくさん要るのであります。そして値段が高いのであります。相当な開きがあるわけであります。従って、今お話しになったことから考えると、いかにもいいようでありますけれども、しかし、オランダやベルギーや、あっちの北欧の方から入れまして、そしてそれをまくのでありますから、私はある程度の危険も考えなければならない。そういうようないろいろな問題があるのでありまして、決してそう簡単に、種子がよくて収穫が確かにいいんだからというふうに判断をされて、そして改良資金に移したという、そういうような釈明は、弁明には私はならんと思うのであります。私は亜麻をよく知っておりますし、だから、申し上げるのですけれども、そういうものじゃないのです。
 それからこの亜麻作そのものは、これは戦争中のことを申しますと、はなはだ勝手でありますけれども、ほんとうにこれは戦闘艦を一隻作るのには二町歩の亜麻畑が必要だというので、一生懸命これは奨励をして、そしてやった作物なんであります。こういう経過をもって、今戦争だの何だの、そういうことは目的ではありませんけれども、国内における繊維資源として、私は、綿がとれないときに、亜麻のこの資源というものは、これは農林省が相当助長してやるべきものではないか。ことに台湾もだいぶ減って参りましたし、従って、この麻資源、これをやはり原料にして、海外へ輸出をする。そしてまた自衛隊だの何だのの方にどんどん使わせる。こういうようなことも、これは考えてもいい作物である。そういうように、実に国内におけるところの繊維資源に重大な関係があり、かつ輸出にも向けられる、こういうようなものなのであります。
 それからまた、先ほど申したように、早く金が入って、そして非常にお金のほしい農家のふところを潤すと、こういう関係の作物でありますから、私は改良資金の中に入れて、個々の農家が金を借りたらいいじゃないかと、こういうようなお茶をにごすようなやり方でこれをやるべきじゃない、こういうことなんでありますので、これは私はもう一度考えなおされて、そしておやりになることがいいのじゃないかと、こう思います。亜麻については一つ、もう一度お考え直しになって、そして助成金その他をもう一度お考えになって、そしてわが国の繊維資源の生産をふやすと、こういうようなことにも一つお考えを願いたいと思います。
 ことに亜麻は、これは酪農に非常に関係がある。亜麻はこれは連作がきかない作物であります。これにクローバーを混播をしてやることによって、北海道の飼料作物の大宗であるクローバー、これが確実に畑作農業の中に入っていくものにもなるわけで、そういうような関係で、非常にこれは酪農との関係がある。農林省が畑作農業を中心にして酪農を奨励するだの何だのとお考えになるならば、亜麻というものを仲介にしてクローバーをかけて、そして飼料作物を、牧草をふやしていくと、こういうようなことを考えなければならない。これは当然これと関連してできておる作物でありますから、一応特に北方の作物としてこれは工芸作物の中に入っておりますけれども、そういう関連を持っておりますから、そこでもっとお考えにならなければならないと、こう思うわけであります。
#60
○説明員(渡部伍良君) お話のように、亜麻は北方農業の適品種であるということは間違いないのであります。しかし亜麻の用途は相当限定されておるのでありまして、ただいまお話がありましたように、幾ら作ってもそれが全部売れるということではないのであります。そういう点も考え合せて奨励をしないと、奨励をした、値段が下った、何だと、こういうことになるのであります。私の方でも北海道に対しては、バレイショ、ビート糖、亜麻、それと酪農というふうなものをうまく結びつけて、いわゆる耐冷農業、そういう経営組織を確立したいと思っておりますけれども、まだ北海道の農事試験場のいろいろなデータ、あるいは北海道の土地の状況等についても十分な調査ができておらないし、これに対する土壌改良あるいは土地改良の問題についてもまだ十分な調査ができておらない、そういうようなところから、思い切った対策というものが今まで出てきておらないのであります。こういうふうに何年も引き続いて冷害がありますので、これは絶対にほうっておけない、早急にそういう問題を総合的に解決する策を立てなければならないということで、今度の冷害対策の緊急対策にはさんで、恒久的な対策についても至急検討いたしたい、こういうふうに考えます。
#61
○東隆君 私は、亜麻は来年一番早くお金になる作物だということと、それから酪農に関連することと、こう申しましたところが、経済局長はあまりたくさんとれたら困るのだ、こういうようなお話ですが、実は生産が足りなくて、台湾の方から――実は台湾の山の高い所に作っておるわけですが、そいつを一つ輸入しようか、こういって台湾に調査に行っておるような状態であるし、従って、この亜麻の資源はそうたくさん国内にないのでありますから、決して御心配がないのであります。どんどん一つふやしていって差しつかえないし、それから決してこれは毎年連作がきかない作物ですから、そんなにたくさん作れないのでありますから、ある一定の作付を前提において、これだけ足りない、こういって数字も出ておるようですから、従って、外国から入ってこなければそれだけ国内におけるところの悪い種子がまかれる、国内の実の入らない、そしていたんだ傷を受けたものを無理にまかなければならん、そういう問題が出てきますから、これはよっぽど考えてもらわなければならん。あまり亜麻ばかり言っていると時間がかかりますから、この程度にしておきます。これはもう一度お考えになって、やりかえを一つ願いたい。
 それから病虫害の防除関係でございますが、これは私は、府県の方の台風その他についての関係の方面においては、病虫害の防除に関して補助金が出ておるのでありますが、しかし北海道の方はいろいろたくさん災害が錯綜しておりますから、従って、お考えから省かれてしまっているわけですが、私はやはり病虫害関係の費用、これは水稲の方面は相当熱心にやりまして、しかし雨のために効果がなかった。それから畑の方は、ジャガイモはもう農家が非常にやりまして、しかし八月の初めごろになりますか、三日ほど日照がありまして、非常に天気のいい日がありまして、それ以外の日は全部雨降りばかり続いて、従って、防除をしたけれども薬の効果がない。そうしてその三日続いた天気の後に全部疫病にやられて、そうして北見その他の方におけるところのジャガイモは大減収をした。そういうような形において使っておる。非常にたくさん使っておりながら効果をあげておらない、そういうようなものであります。そういうようなものについて、府県の方においてお考えになっておるようですけれども、北海道の方においても私はお考えを願うべきじゃないか、こう考えるのであります。これはどういうようなことでお省きになっているのか、北と南の方とでこれは共通しておるような問題でありますから、その点をお伺いいたします。
#62
○説明員(渡部伍良君) 病虫害防除費につきましては、内地の台風関係のものも出ておらないのであります。病虫害の防除費だけは大蔵省がどうしても認めないので、まだ話し合いがつかないのであります。北海道だけを特に出さないというのではなく、全体の問題として残っておるのであります。
#63
○千田正君 今の東委員の質問に対してのお答えですね。病虫害の農薬、これは南方各地における風水害、それから冷害、こうした病虫害防除に対する農薬に対する点について、大蔵省は納得いかないという点は、どういう点なのですか。
#64
○説明員(渡部伍良君) これは病虫害の防除費、農薬代が非常にかさむということ、それから個々の農家にやるということ、それから二十九年にこの費用を出して以来出していない、すなわちもうすでに補助奨励の段階を過ぎている、そういう観点から、この問題については大蔵省は非常に強く反対をしておるのであります。
#65
○千田正君 どうもその論点が、はなはだ私はわからないのですね。大村さんもいるから、一つ農地をよく見ていただきたい。というのは、たとえば病害が出てきた、そういうときに、篤農家は三回も四回も農薬を自分の手で買って、そうして防除しておる。防除して、なおかつ十分でない。しかも東北、北海道あたりの今度の問題にいたしましても、篤農家であればあるほど、自分の力でとにかく農薬を買ってやっておる。全然農薬を施さない方はぼう然自失した格好で、ほとんど立ち枯れであり、続いて病虫害が発生しておる。非常な打撃をこうむっておる。一生懸命虫害を防除した農家は、何らそれに対する政府の施策が認められないで、なおかつ苦しんでおる。こういう実情はよく見ていただきたいのですがね、そういう点は。前にやったから助成はやらないのだ、いい加減にこの程度で切り上げようじゃないかという点は、私は納得いかないのですが、二十九年度以降出していない、それで病虫害が起きたらば、各自農家の自主性にまかすより手がないと、こういうわけですか。もう少しはっきりしてもらいたい、そういう点は。
#66
○説明員(渡部伍良君) 農林省としましては、御趣旨のような点を何とか実現したいと思いまして、一回防除分の費用を大蔵省に要求しておるのであります。またこうやって張り合って、いつまでも片づかないのも困るというので、あるいは来年から改良基金の中へ入れて、無利子の金で長期で貸し付ける、こういうふうなことも考えておりますが、まだ張り合っておる段階であります。
#67
○千田正君 政務次官に伺いますが、これは農林省の問題じゃありませんけれども、災害が起きたあとの伝染病その他が蔓延するおそれがあるという場合に対しても、やはり同じような手を打って、もう大蔵省はその点は知らんのだと、厚生省の方の執行で各自治団体がやれと、こういう形をとっておるのですか、どうなのですか。
#68
○政府委員(大石武一君) お答えいたします。どうもこれは所管外のお尋ねでありますが、根が医者であるからのお尋ねだと思いますが、やはり伝染病は国費、県費をもって、どんな費用であってもこれは応じなければならないのであります。これは仰せの通りであります。これは私、一政治家としての意見だと思うのでありますが、確かに農林省としてはできるだけ、ただいまのような病虫害防除の場合の費用なんかも、二回も三回もかけるのでありますから、一町四、五反の田ならばおそらく一万幾らの費用がかかると思います。それだけの費用はなるべく出してあげれば、それに越したことはないと思うのであります。農家も非常に助かると思います。しかし、なかなかそういう費用も、御承知のように、何もかも費用を出してあげるというのも非常にむずかしいだろうと思うのでありますし、またそうやって防除の手を尽せば、それだけの効果が上って、それだけの米がとれるのでありますから、それだけの点を考えると、むしろ防除だけにたよらないで、融資のような面でやった方がいいのじゃないか。実は農林省では来年度からば農業改良基金の方にこの病虫害の費用を入れようと考えております。さっき医者の話になりましたけれども、私たちが丈夫で一生懸命働いているうちは文句ないのでありますけれども、非常に忙しくなって働きます間に、やはりビタミンを飲んだり栄養をとったりいたしますけれども、やはりそういう方の費用は役所の方ではくれないのじゃないかと思うのであります。そういうたぐいじゃないかと思うのであります。
#69
○千田正君 どうも観点が違いますので、恐縮なのですが、私の言うのは、常に人間も、病気にかかりたくないから、自分でビタミンをとったり、あるいはホルモンを注射したりやっております。ただ、天災地変によって受ける災害に対して、国は何もみないのかと、私は聞いている。今農薬の問題に対して、二十九年以降助成を出しておらんと。今天災地変によって、風水害であるとかあるいは冷害であるとかいう、そういう天災によって病虫害が発生した場合において、国は何もみていないのか。しょっ中これは、各自農家はやっております。われわれがからだを保持すると同じようなことをやっている。天災地変によってそういうことがなされた場合に、何か手を打たないのか。それに対して大蔵省はなかなかこれは合点がいかぬと言うから、おかしいのじゃないかと私は聞いている。
#70
○政府委員(大石武一君) なるほど私の勘違いでございました。おっしゃる通り、非常な天災による場合の異常発生に対しては、ある程度の手を打つべきだと思うのであります。これに関しては、経済局長の観点とわれわれは同じであります。
#71
○東隆君 農薬に対しては補助はしないと、これは改良基金の中に入れてやる、こういうお話であります。実は台風関係で防除機具購入費補助、これは一台当り三万二千七百七十八円、二百五十台と備考に載っておりますが、これは補助ほ二分の一のようでありますが、これは資料の八ページであります。そこでこれは台風関係の方で、ここでは果樹その他の方面に特別にお出しになるように考えますが、私は、本年度における冷害地方におけるジャガイモの収穫が減じた理由は、これはやはり薬剤の防除をやりましたけれども、病害の防除をやったけれども、雨のためにだめだった。それは結局機械を使って大じかけにやれなかった。畜力撒布機だとかその他いろいろなものがあるのでありますが、そういうようなものに対してお考えになれますか、北海道について。特にジャガイモの防除をやる場合、これは非常に大きな面積要るのでありまして、そして大てい畜力利用噴霧機を使っております。こういうようなものに対して補助をお考え下さいますか。と同時に、足りない分は改良基金制度の方から借りまして、もう一つ進めば、私は、個人が持つよりもやはり実行組合のようなものが持つような態勢にすれば、これは公庫の方からも考えて大きなやつができる、そういうようなものについてもお考えが願えますか。これは台風関係にはここに、少しですけれども、出ております。それでことしの作況から考えて、畑作地帯では病害虫の防除というものはこれは毎年やっておるんですが、そいつを効果あらしめるためには、相当無理をしても開墾地としてやるのじゃないか、こう思いますが、そういう点、お考え、どうですか。
#72
○説明員(渡部伍良君) ただいま御指摘の八ページの、これは六ページの終りに説明がついておりますように、現在大蔵省に予備費の支出を要求しておるので、まだきまっていないのであります。こちらの方で何か、病虫害関係はいろいろな原因で出てくる異常発生に対する対策全般として載っておるわけであります。今御指摘のやつ、まだ要求中の資料でありますから……。
#73
○東隆君 全部要求ですね。この金額未定というだけじゃなくて。
#74
○説明員(渡部伍良君) 六ページの終りに書いてありますように、現在予備費要求中の事項並びに金額は資料一の通りであって、要求金額はほぼ六千二百万円、こういうことで、ただいま大蔵省に出して折衝を重ねておる数字であります。
 なお、防除機具につきましては、防除機具の整備計画をここ数年やっております。県有、町村有、そういうもの、相当数を一般予算でやっておるのであります。さらに共同施設としてやるのであれば、これは公庫の方から金を出します。
#75
○千田正君 簡単に私はお伺いしますが、さっき重政委員もお尋ねしておりましたが、救農土木事業の目標とするのに、農業関係のいわゆる土地改良の面、たとえば客土事業、あるいは温水溜池であるとか、そうした土木事業、農林関係の面と、それから建設省関係の道路であるとか、港湾であるとかいう、こういった面とのウエイトと、救農土木事業と銘をうたって今度の予算に計上したウエイトとは、どういう割合になっておりますか。
#76
○説明員(渡部伍良君) 救農土木事業は大体三十二億五千万円の現金収入を農家に与えるという観点から、農林省関係、建設省関係、運輸省関係、そういうものを全部合せまして出したのであります。総額では四十一億になります。そのうち農林省関係、これは国有林事業を含めまして二十六億になります。建設が約十五億というふうになっております。
#77
○千田正君 運輸省は……。
#78
○説明員(渡部伍良君) 運輸省は二千万円、端数がちょっと合わないかもしれませんが、切り上げたり切り下げたりして話しております。
#79
○千田正君 これは従来の継続事業に関しての面と、それからほんとうに新しく救農土木として見ておる割合は、どうなんです。新しい面はパーセンテージは少いでしょう。
#80
○説明員(渡部伍良君) 農林省の分につきましては、二十四ページを見ていただきます。二十四ページです。これはただいま申しました分の国庫負担分を計上しておるわけであります。農林省関係の一般会計の分で十二億八千万円出したうち、六億四千万円を予備費、既定経費から六億四千万円と、こういうふうになっております。
#81
○千田正君 新年度の計画の中には、これはまあ応急処置でしょうが、三十二年度の予算の中にもちろんこの救農対策としてのアイデアを持っているのでしょうけれどもね、その点は十分勘案されますかどうか。
#82
○説明員(渡部伍良君) もちろん考えております。
#83
○東隆君 私はもう少し続けていきたいのですが、簡単にいたしますと、今回の関係でもって法律をだいぶ臨時国会にお出しを願いたいと、私はこう思うのですが、一つは昭和三十一年度の米穀予約概算金返納等に関する法律、これはまだ未定のようであります。それからほぼ構想はお聞きをいたしておりますけれども、しかしこれは、たとえば皆無作に近いようなものだけ利子の減免をする、こういうような工合になっておるのですけれども、こいつをもう少し、やはり大体二割以下というようなものまでくらいに広げなければ、実際のことをいいますと、保有米を売るものは一つもないと思うのです。そういうような状態のものに、せっかくの金利減免の問題なんか全部ひっかかってくるわけです。従って、食管会計が私は金融機関のようなことはやる必要はないと、この際われわれが皆さんに要求をしておるような態勢でもって作り上げていってほしいということ。それから天災等による被害の関係、融資の関係なんか、私はこの際牛や馬を持っているものはもう少し、総額の限度を五万円とか、あるいはそういうふうに引き上げる必要があると思う。従って、これは特に北海道のような所で、酪農を中心にしたり、あるいは畜産を中心にしてやっておるような所では、そういう形を取り入れられてこそ初めて法律が生きてくるのでありますから、そういう点なり、だいぶ法律を中心にして考えますと、たくさんあるのであります。従って、そういうようなものについて、とりあえずこの臨時国会に早急に一つお考えを願いたいと思う。そして態勢を確立していただきたいと思います。私どもはほぼ八つほど法律の改正あるいはその他を考えております。申し上げてもようございますけれども、すでに皆さんの方には数字等がありますが、その点についてどういうふうにお考えになっておりますか、お伺いをいたします。
#84
○説明員(渡部伍良君) 予約米の概算金の利子免除の法律ほ、ただいま国会に出ております。それで不十分であるというお話でありますが、食糧庁の企画課長が見えておりますから、あとで御説明を願いたいと思います。
 天災融資法の家畜保有者に対する貸付限度を三万円を五万円に上げるという問題でありますが、これは私どもも、乳牛を持っておるものについては、そうした方がいいと考えますので、通常国会においてそういう措置を講じたい、こういうふうに考えております。
#85
○説明員(中西一郎君) 今朝法案について御説明申し上げたのでございましたが、利子の免除をいたします対象として現在考えておりますのは、災害を受けた農家の皆様それぞれお気の毒でございますが、その中で特に収穫皆無という農家に対しては全部免除する、そういうふうな考え方で現在のところおります。収穫皆無のところという判定をいたします場合に、どういうものさしで判定いたすかということにつきましては、一応百分の九十、九割以上の減収があったということで認定をいたそうかと考えておるわけであります。その考え方は、農業共済の場合と同様の基準であります。それからそれほどの減収はないけれども、利子を免除でなくって軽減をいたす。その軽減のいたし方については、天災融資法の例にならいまして、三分五厘のものに対しては三分五厘になるように、六分五厘のものに対しては六分五厘になるように、それぞれ利子の軽減をはかる、そういうふうな考え方をいたしております。
#86
○東隆君 今の問題は、何分作だのなんだのというのは、これは非常に変なものでありまして、一反から五升だの八升だのというような数字を取り上げてみても、これはてんで問題になりませんし、それからとれたところのものが米にならないわけであります。米にならないのですから、だから、種もみにして辛うじて流れていくようなものは、これは実際のところ米にならない。種もみになっても、米にならない。そういうものを、種もみがたくさん出たからといって、計算をされたりなんかいろいろのことをされたら、これはもうとんでもない問題が起きてくるのです。だから、何分作だのなんだのというのは、これは共済の方なんかでもそんなことは言っていない。結局実収量を出して、そしてそれを基礎にして計算するのですから、従って、その場合もその基準反収によって見るとか、いろいろなことにやっておるのです。そんな関係で、何分作だのなんだのというのは何を基準にしておるのかわからなくなってしまう。だから、私は非常に、こういうやり方でもって金の出し方を締めれば締めるほど、皆無作という中でもって区別をしなければならんという問題が起きてくるから、いろいろな問題が出てくると思う。現実に幾ら出したからといって、それが何分作に相当してるかも知れませんし、一体どういうことを標準にしてやるのか、これはちょっと見当がつかんと思います。ですから、こういうふうな場合にもう少し広げておいて、実際においてその農家が保有して、そして小麦でもなんでも食わなければならん場合が起きてくるのですから、そういうようなことを考えて、もう少し潤いのある形でもって考えていかなければならん。そうして減免をするものは六月から十二月の分についての減免であり、借りておるものについてはその考えになっておるのですから、この間も減免をする。それくらいの、国にそれだけの涙がないような法律の改正をやるというようでは、これはおかしな話じゃないか。払えないものにやる。払えるものに払ってもらったものはいい。事実は代位弁済なんかまでして、そして金を払うのですから、その期間のものは免除をする、こういうところまで出ていけば、これは借りたものに対して非常に助かる。払ったものは十分恩典に浴しておるわけです。そういう点を考えて、これだけを免除するだけの何をやっても、そんな大きい金額にならんと思うのです。これは食管会計がひっくり返るような、そんな予定に入れられないものではない。ことに国内の米をたくさん買うよりも、海外から安い米を入れた方が、食管会計が黒字になると思う。何もそんなに遠慮する必要はないと思うのですが、どうですか。
#87
○説明員(中西一郎君) 今御指摘のように、全部免除をいたしましても、金額としてそれほど大きなものではないと思います。ただ、考え方としまして、非常な災害によって、天災措置法の発動もあり、また代位弁済いたすにしても必要な融資の資金もある。その際の支出も考えなければならぬ。かつ七月から十月までの利子負担分の軽減も考える。そういうふうに考え及びますと、いずれもこれ北海道においては冷害対策の一言に尽きると思うのです。それぞれその対策の部門は三つに分れますけれども、対策の内容としてはバランスのとれた対策で、一つの対策としての価値あるいは使命は果し得るのではないか、こういうふうな考えに立っておるわけです。ただ、その場合に、先ほど申し上げました九割以上というふうに、非常に大きな被害のあったところの農家については、これは何としてもお気の毒だから、特に全免したらどうか、そういう考え方に立っておるわけです。
#88
○河野謙三君 私、農林委員会に出戻りで、しばらく御無沙汰しておりましたので、事情が暗いので、ちょっとお尋ねしますが、被害調査はだれをしてやらしめるか、どういう方法で被害調査をするか、どういうふうにお考えになっておるか、これを伺いたいと思います。
#89
○説明員(渡部伍良君) 全般的の被害調査ですか、今の……。
#90
○河野謙三君 今の……。
#91
○説明員(渡部伍良君) 企画課長から……。
#92
○説明員(中西一郎君) 実は法案の第二条で適用する地域を定めるという建前をとっております。そこでその地域を定めるわけでございますが、やはりわれわれとしましては、統計調査部の資料に第一に依存せざるを得ない。もっとも正確には全国ベースということになりますけれども、郡単位なりあるいは市町村単位なりの統計調査部の資料をもとにしまして、それをわれわれの参考にして、それぞれの地域の指定を行なっていきたい、こういう考えでおります。
#93
○河野謙三君 そうすると、参考資料として統計調査部の調査数字を使う、こういうことですか。最終的の決定は、統計調査部の資料というものは単に参考にすぎないということですね。
#94
○説明員(中西一郎君) と申しますのは、有権的に、しかも確度の高い官庁統計としては、実は統計調査部のものしかございません。そういう意味で、非常に大きな部分をそれに依存せざるを得ないと思うわけです。ただ、その場合に、市町村別の資料になって参りますと、全国ベースなり、郡ベースに比べまして、確度がやや落ちる。これは市町村の数等でやむを得ないところかと思います。で、その点については、その郡内の各市町村間の事情を別に食糧庁の方でも調べまして、その上で最終的判断をしなければならない面があるのではないかというふうに考えております。その場合にさほど違った数字が出なければ、統計調査部の数字をそのまま私の方で使うことになるし、その方が望ましいことであるというふうに考えております。
#95
○河野謙三君 そういたしますと、農業共済の方の数字とはおのずから別個のものが出てくると、こう解釈してよろしいですか。
#96
○説明員(中西一郎君) 実は、資料としてできるだけ多面的な資料が利用できれば幸いでありますが、概算金返納の時期が十二月の末ということに原則としてなっております。で、それまでにわれわれとして利用し得る資料は、ただいま申し上げました資料以外にはすぐつかみ得ないんじゃないかと勘案しております。
#97
○河野謙三君 私は何も、別に意地悪くお尋ねしているつもりはないんですが、私は一言つけ加えますが、従来こういう災害対策の場合に、いつもわれわれが非常に苦々しく思うのは、災害に便乗する傾きが非常に多いんです。水害にいたしましても、その他の災害にいたしましても、大よそ、一、二の例外はありますけれども、災害というものは一つの点であり、線であります。そう広範囲にわたって平面的に起る災害というものは非常に少いのであります。点であり、線であるべき水害対策等につきましても、非常に結果的には便乗派が出てきている。ほんとうに被害を受けた農家には徹底的な救済ができないで、かえってその周囲の方によって非常に災害対策が薄められている。結果的には非常に不徹底に終っている。こういうのが、私は、ほとんど例外なしに過去の水害なりその他の災害の場合の政府の対策だったと思うんです。従って、そういう便乗派を防ぐために、ほんとうに被害を受けた農家を徹底的に救済するために、その基礎は災害の調査というものが一番大事であります。それをある情実によって動かしたり、ある機関と機関との衝突によって妥協点を出したり、そういうことでやるべきではないと思う。そういう意味合いにおいて私は今お尋ねしているわけで、今度の場合も、どうぞ将来におきましても、そういう弊害のないようにということを特に御考慮されまして、基本的な災害調査に対する態度を一つ、農林省で一本にしぼっていただきたい。共済の場合とか、政府自体が調査する場合とか、いろいろな場合、また郡の調査、県の調査、国の調査、これがそれぞれ違いまして、単に安易な妥協によって、また政治的な配慮によって、厳粛であるべき数字が左右されることのないようにということを、私は特にお願いしたい意味でお尋ねしたのでありますから、どうぞその点、とくと御考慮願いたい。
#98
○政府委員(大石武一君) ただいまの御質問、御趣旨はよく了解いたしました。おっしゃる通り、十分に正しい決定をいたしまして、そうして便乗するものがないと同時に、十分に被害者にもその利益を享受させるようにいたしたいと考えます。
#99
○東隆君 私の話は実は便乗するようなそういうつもりで……(河野謙三君「いや、そんなことを言っているんじゃないんだよ。それは違う。そう邪推されちゃ困る」と述ぶ)実際のことを申しますと、今回の災害の場合に、国として、六月から十二月までの代位弁済をした分に対しては、その分について、金利を取るというわけなんです。そこで金利を取るということを前提に置きますと、どういうことになっておるかと申しますと、供出を少くすれば、結局たくさん金利を払わなければなりません。しかし、供出をしないことが結局根拠になるわけですね、実際のことをいうと。作況の根拠になるいろいろなファクターが働くのですが、やみに流れるものはこれは非常にふえてくると思う。というのは、ことしの作況が悪いものですから、完成品がありません。完熟した稲がありませんから、従って、検査を受けると等級外になる、そういうような率も非常に多いし、かたがた外へ流れる分が非常に多い。そうすると、どういうことになるかというと、やみに流してそうして何にも出さないというような者がかえって減免の措置を受けるというようなことも出て参ります。それからいろんな問題が出て参りますから、これをあそこに線を引くことそのことが非常に無理なものである。それよりも、できるだけ供出をさせる、そうして代位弁済をする量を少くしていくための方策をした方がいいのであって、そのためにはたくさん出させんければならん。そういうことを考えると、あそこに線を引くことはかえって農家につまらないことを考えさせることにもなるし、それから政府としてもそんなに利益になるものじゃありません。また大きな金額でもないはずでありますから、そこでこの際、六月から十二月までの代位弁済をした分については減免をする、こういう形でもって、それからあとの分はこれは正式にお借りをするのですから、これについては金利を払う、こういうことをすれば、私は食管会計はこれでもって大穴があくとは考えられない。そういうふうに法律の改正をしていただいて、そうしてあまり調査をやるのは、これはごく少数の人はやるかもしれませんけれども、なかなか権威あるものをやるわけにもいかない。そうして問題があとに残ってくる。問題の残らないようにするために、私はやる必要があると思う。
 それから、ことしの作況というのは、おそらく金利を取るなんというようなことを条文に生かしておる理由は、これはとれたけれどもやみに流したりなんかして、そうしてむちゃなことをやるやつが出てきた場合の懲らしめのためにこの条文がついておる。そういうようなことを考えるときに、ことしの北海道における冷害というのは、これは農林省が農家を欺いているのじゃなくて、お天道様が日照をよこさなかったのです。契約されているのは、農家と農林省がやっているのではなくて、お天道さんと契約をしているのではないか、こう考えるわけであります。そういうような意味で、決して農家にそういうけじめをつける必要はないと思います、こういうような場合に。従って、六月から十二月までの金利は、代位弁済をした者の借りた金額については減免をする、全免をしてしまう、こういう形にして、そしてその後のものについては、それは私は米穀法によって北海道に米を送れないというようなものも簡単に解決がついたようでありますが、私はそれくらいの人情味があってもこれはしかるべきものだと考えるのです。食糧長官が見えましたから、一つこの辺のところをお考えになってお答えを願いたいと思います。
#100
○説明員(小倉武一君) ただいま概算金の代位弁済につきましての二銭五厘のうちの全免の問題はどうかということでありますが、冷害等によりまして非常に減収を受けた農家はまことにお気の毒で、その方々が米の金でもって概算金を返さなければならない、こういう事態になってきたわけでありますが、その間におきましてできるだけ御趣旨のようなことの措置を講じてみたいということをいろいろ検討いたしまして、ただいま大体考えておりますところは、もうすでに御案内のことと思いますが、できるだけ利子の減免をするということに尽きるわけでございまするが、全部利子を全免するということにつきまして、私どもも考えないわけではなかったわけでございますが、概算金の性格、性質から申しまして考えてみますと、どちらかと申しますと、米を政府に売ってもらう、予約通り政府に米を売却してもらうということの奨励的な意味合いをもちまして、米を出していただかん方には利子を考えるということでございますので、その他のいろいろな原因がございましょうが、もちろん御本人の怠慢といったようなことではなくて、それから不可抗力、今回のような災害による不可抗力というような原因による場合もございますが、そういう場合にも一応妥当と認められる金利相当分はやはりお返し願う。見方によりますれば一種の前渡しであり、性格の一部としては金融的な性格もございますので、そういう建て方になっているわけでございます。従いまして、災害ということに原因いたします場合でも利子を返していただく。その利子は二銭五厘でございますので、必ずしも非常に安いというわけではございませんが、農村の金利から申しまして、ことに罰則的な高い金利には実はなっておらないのでございます。従いまして、私どもといたしましても、できるだけ軽減はするけれども、全部負けるというわけにはいかない性質のものではないか。ただ、非常な凶作地帯でありまして、収穫皆無に近いような所、その他につきましては、全免という措置も実行して参りたい。こういうふうで、多少そこに先ほどの御意見とは食い違っておる点もあるかと思いますが、趣旨といたしましてはそういうことで御承知願いたいと、こういうのがただいまのところの考え方であるのであります。
#101
○東隆君 私は、キャンセルしたのは農家じゃなくて太陽だと思っております。太陽と農林省は契約はできんから、そこで農家と契約したというような形になるし、私は、キャンセルしたときに、問題は農家がああいうような場合にぶつかるのはお天道さまにぶつかっていくより仕方がない。不可抗力だ。普通の場合における、悪意でもって供出をしない、こういうような場合と全然違うのですから、多少その解釈、法文の解釈というものは、私はいかようにもできる。ごく少数の悪意のある者が供出をしない、契約をして前渡金だけを取って、そうして品物を出さないのだ、こういう場合ならば、これは強硬なやり方によってやって差しつかえないと思いますけれども、そうではなくて、農家が春早くから一生懸命にかせいで、収穫を得ようとして一生懸命にやりながら、とれなかった。そのために供出できない、こういうような事態に遭遇しておるときに、前渡金を払わないというならこれは別ですが、前渡金は代位弁済でもって払うのですから、そこまで努力をして、そうしてなおそいつに金利を返してもらわなければならん、こういう考え方は、これは非常に、ほかにいろいろな補助だのなんだのいろいろな手を尽されたことが、これによって一ぺんでもって、食管会計の冷酷きわまることが一ぺんにこれはわかってしまうのじゃないか。私はそういうような考え方は、これはやはり法文の解釈のしようによって解決のつく問題でありますから、減免の条項を改正いたしまして、はっきりとそいつはやっていただくと同時に、できるだけ供出をさして、そうして代位弁済の金額を少くしていただく、農家の借入金を少くすることを考えなければならん。これが私は大きく見れば利口な考え方であると、こう思うわけです。そういう点を先ほどからだいぶ申し上げたのですけれども、だいぶ考え方がコンクリートになってしまって、こいつはこわせないような状況にあるので、がんばられておるのでありますけれども、私はこれから法律の改正に入るのですから、この際一つもう一度考え直されて、そうして供出をできるだけさして、そうして代位弁済の金額をできるだけ少くするために、金利の免除、そういうような点も考える、こういうことをうたって、一つ法律の改正の原案を作っていただきたい、こう思うわけです。
#102
○委員長(堀末治君) いかがでございましょうか。なかなか今日だけでこの御質疑が終るまいと思います。なかなか重大な問題でございますから、今日の本件はこの程度でとめまして、政府の方にもどうか、委員会の経過にかんがみまして、十分一つ遺憾のない措置をとられることを特に希望いたして、本件を終ります。次回に譲ります。
    ―――――――――――――
#103
○委員長(堀末治君) それでは、次に、「千九百五十六年の国際小芝協定の件」を議題にいたします。
 これは、去る十一月十二日内閣から、千九百五十六年の国際小麦協定の受諾について承認を求めるの件が、参議院先議をもって提出され、翌十三日外務委員会に付託されております。
 本件は、わが国の食糧問題及び農業問題に関係が深いものと認められますので、当委員会においても事情を明らかにしておくことが適当であると考え、本日の議題として、一応関係当局から説明を聞くことといたしました。
 まず、当局の説明を求めます。
#104
○説明員(佐藤健輔君) 御説明申し上げます。
 わが国が当事国でございました旧国際小麦協定は、本年七月末をもちまして効力を失効いたしました。それに先だちまして、旧協定を修正更新するために、この春から国際連合主催のもとに、ロンドンにおいて国際小麦会議が開催いたされまして、その会議におきまして、四月二十五日に、お手元にさし上げました協定が採択され、すでに四十カ国によって署名されてございます。
 この協定の目的は、小麦の需給を輸出入保証数量制度を通じまして、調整するとともに、最高、最低価格制によりまして、小麦の適正かつ安定した価格を維持することにあるのでございまして、従って、わが国は、この協定に参加すれば、わが国の小麦の通常輸入数量の約半額に相当いたします百万トンの買付保証をすることによって、この百万トンの小麦を、世界の需給事情の変化にかかわらず、安定した価格をもって買い入れることができるようになり、このことは、小麦の大口輸入国であるわが国にとりまして、大きな利益になるものと考えるわけでございます。
 政府におきましては、このような見地から、本年五月十五日にこの協定に署名いたしたのでございます。
 この協定第二十条の規定によりますと、協定の受諾期限は一応七月の十六日となっておりますが、もし同日までに受諾を行うことができない署名国は、本年十二月一日までに協定を受諾する意向を有する旨の通告をあらかじめ米国政府にしておき、その後十二月一日までに正式の受諾を行えばよいことになっておりますので、この規定によりまして、政府はとりあえず七月の十三日に右の通告を米国政府に行なった次第でございます。従いまして、わが国がこの協定に正式に参加いたしますためには、来たる十二月の一日までに受諾を行わなければならないのでございます。このような事情から、短期の臨時国会にもかかわらずこの協定の御審議をお願いする次第でございます。
 つきましては、以上の点を御了察願いまして御審議の上、すみやかに御承認下さらんことを希望する次第でございます。
#105
○委員長(堀末治君) ただいまの説明に対して御質疑がございましたら……。
#106
○千田正君 参考までに伺っておきたいと思いますが、第三条に規定されているところの買入保証数量、この買入保証数量がきめられるわけですね。それでこの条文から見るというと、申し入れた数量の三分の二以下は一応責任を持たなければならないというふうにも見られるのですが、その点はどうですか。
#107
○説明員(佐藤健輔君) この最低価格一ブッシェル・一ドル五十セントを下りましたときに、もし輸入国がまだ義務を満たしておらない場合に、輸出国が買ってくれといった場合には、その義務の未済量だけを買わなければならない、こういう義務だけでございます。従いまして、三分の二とおっしゃるのはちょっとわからないのでございますが……。
#108
○千田正君 ここにあるワン・サード・トータルというのは価格でしょう。
#109
○説明員(佐藤健輔君) 三分の二の数量を持っている国が署名したときに効力を発生すると、効力の発生要件だと思いますが。
#110
○千田正君 これによって特に縛られるという問題は別にありませんか。たとえばわが方は年々の数量の約半分であるところの百万トンを申し入れてある。ところが、幸いにして国内において小麦は豊作であった、申し入れだけの数量は要らないのだ、がしかし、協定に参加している以上はある一定の限度の数量を購入しなければならない、そういう点はありませんか。
#111
○説明員(佐藤健輔君) 御指摘の点は、小麦のここに標準価格が書いてございますが、もしカナダのマニトバ一号の価格が一ブッシェルにつきまして一ドル五十セントより下った場合には、輸入国から買い入れの申し込みがあった場合には買い入れなければならない。従いまして、標準価格が一ドル五十セントを割りません場合には、何らの義務はないわけであります。
#112
○東隆君 昭和二十九年ですか、英国が協定の中に加入しないときがありましたね。その理由は、この協定に入らないでフリーで買った方が安く買えるからという事情がありましたが、そのときに日本は率先して入った。そうして続けてきておるわけですが、数字はどんなふうになっておるかおわかりですか、その価格です。
#113
○説明員(佐藤健輔君) 価格といいますと、現在の一般的な……。
#114
○東隆君 この協定に入っておる価格と、英国のようにこの中へ入らないで自由に買い入れるという場合は、これはやはり問題は価格でないかと思うのです。そこで、そういう価格の開きがどんなふうな足取りをしておるか、そういうふうなことがおわかりでしたら……。
#115
○説明員(佐藤健輔君) もし間違っておりましたら、農林省の方から御訂正願えれば幸いなんでございますが、この協定によりますと、最高価格は、御承知の通り、二ドル、最低が一ドル五十セントになっておりますが、それをトン当りの価格に直しますと、最高が七十三ドル四十八セント、最低が五十五ドル十一セントに相なりますが、ただいまの一般的に買い入れている価格はちょうどそのまん中にございまして、大体六十五ドルで各国が買っているという状況でございます。
#116
○千田正君 あの米国の余剰農産物の日本側の買い入れと、それからこの国際小麦協定の中にある百万トンの申し入れのワクとは、全然違うのか、あるいはその百万トンの中に余剰農産物の分も入っているのかどうか。
#117
○説明員(小倉武一君) アメリカから買います余剰農産物の余剰部分は、小麦協定の保証数量には入りません。
#118
○千田正君 そうしますというと、アメリカ側が日本に売り渡すといういわゆる余剰農産物は、国際小麦協定の価格に準拠することなしに、自由契約の価格によって日本は賢い取らなくちゃならないと、こういうことになりますか。参考要因にはなるかもしれませんが、国際小麦協定の価格の価格標準は参考になるかもしれませんが、この申入価格とは全然別個の自由契約ということになるわけですね。その点はどうですか。
#119
○説明員(小倉武一君) お尋ねの通りでございます。
#120
○羽生三七君 小麦協定を結ぶ当時の事情は相当、まあ一般の市場価格から見て、長期に見て妥当であろう、有利であろうということで、私たちも賛成したのです、この協定の当時において。その後の経過からして、この契約、この小麦協定に加入して買付をした方が有利なのか、それからフリーで、拘束なしに買った方が有利なのか。個々のトン当り最高最低幾らというようなことでなしに、一年を通じて見て、百万トンの輸入という総体から考えて、有利か不利か。そういうこと、何か計算をなさったことあるでしょうか。
#121
○説明員(小倉武一君) ちょっと御質問の趣旨と違うお答えになるかもしれませんが……。
#122
○羽生三七君 違っちゃ困るのだよ。
#123
○説明員(小倉武一君) 小麦協定の最高価格、最低価格の、実はその範囲内で、先ほど外務省からもお答えがございましたが、最近はみな買ってございます。従いまして、この協定によって最高価格を適用して買うとか、あるいは最低価格を保証して買うというような事態に、まだ日本は当面しておりません。従いまして、お尋ねのような比較が現実的にはできないのでございます。国際価格が非常に上ると、こういったことを予想いたしますれば、最高価格で保証する、買い入れると、こういうことが大きな日本にとっての利便でございますが、これはいわば潜在的な利益でございます。そういう現実にまだ当面しておりませんので、ちょっとお答えはしにくいのでございますが。
#124
○羽生三七君 それで、今すぐにそういう計算をしろといっても無理でしょうが、長い目で見て、二カ月、三カ月は別として、一年なり二年なり、一年と限定しなくても、二年でもよろしい。この協定の性質というものは長期のものですから、それはすぐとは申しませんが、しかしそれは一応やはりフリーで買った方がいいのか、協定をして買った方が日本に有利なのか、全体的な方策を一度考えて、考えてというか、試算をしてみる必要があると思う。お答えは今すぐでなくてもよろしいですけれども。
#125
○千田正君 今、羽生さんの御質問に対しては、私もそういう疑義を持つのですが、最近の世界の小麦のプロダクションはオーバー・プロダクションのはずなんです。それで国際マーケットにおけるその標準が果して、日本の国内のあれと比較して、妥当であるかどうかということは、もちろん農林省なり、外務省なりが研究しておるものと思うのだが、そういうことがありますれば、一応参考までに聞かしていただきたい。きょうじゃなくてもいいですよ。ここの二、三年は、おそらく世界各国はオーバー・プロダクションですよ。
#126
○羽生三七君 それからもう一つ、外務省でも、農林省でもいいですが、こういった場合に一体、最近のこの小麦協定の現状からして、これは輸出国に有利なウエイトになっているのか、あるいは輸入国に有利なウエイトになっているのか。その辺の価値判断はどうでしょうか、最近の傾向から見てです。
#127
○政府委員(大石武一君) 私は、今外国では小麦が余っているわけですから、買手の方が有利だろうと考えます。最近私も九月にアメリカでちょっと小麦の状況を見て参ったのでありますけれども、大体ことしの九月の小麦の刈り入れましたものを、これをC・C・Cで売ったある農民に聞きましたが、一ブッシェル・二ドルで売っております。実際の手取りは、運賃とかその他倉敷料、利子も取られますので、C・C・Cというのは一時金を借りるわけでございます。その利子を引かれまして、一ドル八十六セントくらいで現金を手に入れたわけでございますが、政府にいわゆるその小麦を担保にして借りた金は一ブッシェル・二ドルでございます。これが大体ナンバー・ツーくらいの品種でございますから、おそらくこれより、一時的でしょうけれども、高くなる可能性があるだろうと思うのです、ことにアメリカでは余剰農産物に関しましては、非常に政府から補助がありまして、九月四日からその補助の制度がなくなりましたので、一時小麦値段は上るだろうというようなわけで、おそらく二ドルをこす場合が相当あるだろうと思います。従いまして、最高二ドルと制限しておりますが、これは日本にとって楽だろうと思いますし、おそらく一ドル五〇セントを割る小麦の値段は下らないだろうと思います。
 もう一つは、余剰農産物に関係する問題でありますが、アメリカは小麦の生産のピークは過ぎております。今アメリカでは非常に余剰農産物を持てあまして、いろいろ策を講じまして、作付制限をいたしました。ことにベーシック・クロップと申しますか、米と小麦とコーンと南京豆とタバコと綿花と、これだけは非常に作付制限というようなことを講じているわけでございますが、それで確かに生産はあまりこの二、三年ふえておりません。ことにことしは、御承知のように、土地銀行、ソイル・バンクの成立が通りましたので、これで幾らか作付制限することができますので、おそらくアメリカの小麦の生産というのは二、三年前よりはずっと下っていくだろう、こう考えられるわけでございますので、おそらく小麦協定に入って日本は損なことはないと考えます。
#128
○東隆君 今のお話の何から、前段の方の考え方からいくと、売手市場じゃなくて買手市場だから、フリーで、入らない方がいいというふうになると思うのですが、あとの方だと入った方がいいというふうに聞かれるのですが、私は仮定をして早晩計算をされるときに一つ、小麦の中にハードとそれからソフトと二つある、その二つについて考えてもらって、この協定でもってやるのはおそらくハード中心になるのじゃないかと思うのですが、余剰農産物の方はほとんどソフトが九〇%以上入っています。そこでハード中心にして考えたときと両方ですね、そういうような数字を一つほしいと思います。
 先ほどの資料と、もう一つ合せて、価格の足取をお示し願いたい。
#129
○政府委員(大石武一君) ハードとソフトの問題でございますけれども、余剰農産物はアメリカ合衆国から買っているわけでございますが、これはアメリカから来るのはソフトが多いわけでございます。日本に参りますのは、オレゴン州、ワシントン州のような大体一番日本に距離的に近い、運賃の安い所から参っております。これはほとんどソフト・ホイートの産地でございます。ハードも、アメリカではモンタナ州とか、ミネソタ州とか、そっちの方はハードがたくさんとれるわけでございますが、運賃の関係で、国内で消費されまして、こっちへ参りません。そんなわけで、アメリカから来るのはほとんどソフトが多いのでございまして、カナダからはほとんどハードという形になっております。
#130
○河野謙三君 ちょっと、外務省に伺いたいのですがね。小麦協定外にある英国ですね、この小麦協定に入った国との損得の話が出ましたが、私は一つ大きな参考になると思いますが、ソ連が英国その他に相当取引があると思います。このソ連の対外的の取引価格並びに対外的に国別にどのくらいの取引がなされているかという、何か資料はできておりますか。
#131
○説明員(佐藤健輔君) ただいま私持ち合せがございませんが……。
#132
○河野謙三君 ただいまお持ちになっておらんということは、役所に帰れば、あした持ってこられるということですか。
#133
○説明員(佐藤健輔君) そういう調査をしておりますかどうかも、私実はうかつで存じませんが、もしありましたら、お手元に差し上げます。
#134
○河野謙三君 もしなければ、これから調べれば、十日なり十五日のうちには、そういう資料も、ある程度、ラフでもけっこうです、ととのえてくる自信があるのか。
#135
○説明員(佐藤健輔君) その方のあれがございませんので、それができるかどうかは自信がございませんのですが……。
#136
○河野謙三君 ソ連に在外公館がなくても、ソ連と取引している国はたくさんあるわけですね。取引先を通じての調査というのもできると思うのです。それから、FAOあたりでは当然そういう資料もあると思うのですがね。そういう資料は、単なる参考でなくて、小麦協定を中心にしての非常に重要な参考資料だと思いますが、いかがでしょう。
#137
○千田正君 今の河野君に関連して……。私もそう思うのですが、在外公館におけるところの、たとえばソ連が東南アジアに放出の小麦がどういう値段で取引され、どういうふうなことにでき上っているかということは、在外公館はわかっているはずですよ。そんなデータが入らないはずはないと私は思う。もしあったら、外務省、怠慢ですよ。これはエジプトにしろ、どこにしろ、在外公館において、ソ連の政策がどういうふうな方向に行っておるか、そういう穀物の応援政策をやったり、あるいは価格において協定したりしたものが、これはあるはずですよ。ないというのは、おかしいですよ。
#138
○説明員(佐藤健輔君) ある部分はあるかもしれませんが、全体としてはむずかしいと思います。
#139
○千田正君 全部でなくてもという意味でしょう。
#140
○説明員(佐藤健輔君) できるだけ調べます。
#141
○河野謙三君 それでは、ある部分はもちろん御提出願いますし、ない部分は、最善を尽して資料をととのえて、われわれの方にお示し願うことを、委員長を通じて要求いたします。
#142
○委員長(堀末治君) それでは、どうぞそういうことにお願いいたします。
 いかがでしょう、本件に関してはこの程度にとどめてお差しつかえございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#143
○委員長(堀末治君) それではそういうことにいたします。
 残余の議案は後日にいたしまして、本日はこの程度で散会いたします。
   午後三時五十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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