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1956/11/27 第25回国会 参議院 参議院会議録情報 第025回国会 農林水産委員会 第3号
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1956/11/27 第25回国会 参議院

参議院会議録情報 第025回国会 農林水産委員会 第3号

#1
第025回国会 農林水産委員会 第3号
昭和三十一年十一月二十七日(火曜
日)
   午前十一時六分開会
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     堀  末治君
   理事
           重政 庸徳君
           藤野 繁雄君
           東   隆君
           清澤 俊英君
           島村 軍次君
   委員
           青山 正一君
           秋山俊一郎君
           雨森 常夫君
           佐藤清一郎君
           下條 康麿君
           柴田  榮君
           田中 啓一君
           仲原 善一君
           堀本 宜実君
           安部キミ子君
           北村  暢君
           小林 孝平君
           鈴木  一君
           羽生 三七君
           上林 忠次君
           河野 謙三君
           千田  正君
           北條 雋八君
  政府委員
   農林大臣官房長 永野 正二君
   農林省農林経済
   局長      渡部 伍良君
   水産庁長官   岡井 正男君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安楽城敏男君
  説明員
   外務省条約局次
   長       高橋 通敏君
   大蔵省主計局主
   計官      大村 筆雄君
   大蔵省主計局法
   規課長     中尾 博之君
   食糧庁総務部企
   画課長     中西 一郎君
   林野庁林政部林
   産課長補佐   平野 孝二君
   林野庁指導部長 仰木 重蔵君
   水産庁生産部海
   洋第一課長   木田  繁君
   日本国有鉄道施
   設局土木課長  高坂 紫朗君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○農林水産政策に関する調査の件
 (日ソ漁業問題等に関する件)
 (冷害等災害対策に関する件)
 (昭和三十一年度の食糧管理特別会
 計の借入限度等の特例に関する件)
○連合審査会開会の件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(堀末治君) それでは、直ちにこれより委員会を開会いたします。
 日ソ漁業問題等の件を議題といたします。
 今国会に政府から、日本国とソビエト社会主義共和国連邦との共同宣言、北西太平洋の公海における漁業条約、海上において遭難した人の救助のための協力協定、及び貿易の発展及び最恵国待遇の相互許与議定書に関する締結あるいは批准につきまして承認が求められ、これらの案件は当院においてただいま外務委員会に予備付託になっておりますが、これらの案件は特にわが国の漁業問題に深い関係があり、当委員会においても事情を明らかにしておくことが適当であると考え、本日議題にして、一応関係当局から説明を伺うことにいたした次第であります。
 本件について政府からの出席は、水産庁長官の岡井正男君、同じく生産部海洋第一課長木田繁君、外務省条約局次長高橋通敏君、お三人が見えております。
 提案理由の御説明をお願いいたします。
#3
○説明員(高橋通敏君) それでは私から、北西太平洋の公海における漁業に関する日本国とソビエト社会主義共和国連邦との間の条約につきまして、御説明さしていただきます。
 この漁業条約は、本年四月二十九日から五月十五日まで、モスクワで、河野農林大臣及び松平カナダ駐在の大使の両政府代表とイシコフ漁業大臣などとの間に行なった交渉によって、成立、署名されたものでございます。
 で、その目的は、北西太平洋の公海におきます漁業資源の保存及び合理的利用をはかることを目的といたしております。そのことは、なかんずく条約の前文に特に規定いたしておりますが、なかんずく各締約国が資源の保存及び増大をはかる義務を自由かつ平等の基礎において負うことを考慮する、また両締約国が関心を有する漁業の最大の持続的生産性を維持する……。
#4
○委員長(堀末治君) 説明書が行っていないじゃないか、いっていますか……。ちょっと待って下さい。今言っている説明書とこれと、合わないじゃないか。
#5
○清澤俊英君 まず説明の順序をはっきりいたしてもらえば、わけがわかるのですが。
#6
○千田正君 ただいま委員長のお話では、本日は政府委員として外務次官が来て日ソ関係四案件の提案理由の説明をするというので、お待ちをしておったところが、何か御用が出て中座された。そのかわりに、条約局次長がかわって説明するというのですか。
#7
○委員長(堀末治君) そうです。
#8
○千田正君 その点は明らかにしておきまして、われわれに配っておりますところの日ソ関係四案件の提案理由の説明、これを最初にやっていただくのか、どうなんですか。
#9
○委員長(堀末治君) 今お話し申した通り、今まで外務政務次官がいらしたのですけれども、ウラン問題でぜひ説明を要するから来てもらいたい。こういうことでございましたから、これは一ぺん本会議で説明もあったことでございまするし、幸いに水産庁の長官も見えておるし、条約局の次長も見えておることだから、ここでの説明は条約局次長から聞いていただきたい、こういうことにいたしたのであります。あしからず御了承をお願いいたします。
#10
○千田正君 そうしますと、われわれ委員に配りました日ソ関係四案件の提案理由の説明は、すでに本会議で説明を終っているから、これはこれとして、今外務当局からさらに何か御説明なさるというのですか。
#11
○委員長(堀末治君) ちょっと、そこの打ち合せが十分じゃなかったのですが、次長としては、これが本会議であったものだから、要するに自分の方で説明しよう、こういうことで、私もどうも、ちょっとその打ち合せが十分じゃなかったのですから、まず、本会議においていたしましたけれども、もう一ぺんこれは委員会としてこれを聞いて、さらに次長からあらためてもう一つの説明を聞くことにいたします。
#12
○説明員(高橋通敏君) ちょっと説明の順序が前後いたしましたので、失礼いたしました。
#13
○清澤俊英君 ちょっと、委員長、説明の前に何を注文しておきますが、説明の大体の順序を一つあなたからはっきりさしておいて、それから説明して下さい。ということは、すぐこれにかかっていくわけだ。これは、本会議に出た日ソ関係四案件の提案理由説明、これは共同宣言なるものがだいぶ入っておるようですが、だから、どういう順序で説明していかれるか。今材料もらいました各案件ごとに説明書が出ておりますから、それとの食い違い等をさらに説明してやっていただかんと、整理していかないとかないません。
#14
○委員長(堀末治君) ちょっと、速記をとめて。
  〔速記中止〕
#15
○委員長(堀末治君) 速記を起して。
 いかがいたしましょうか。この間、本会議で説明のあったうち、漁業関係だけにきょうはとめましょうか。それとも、もう一ぺん日ソ関係の四案件全部聞くことにいたしましょうか。
#16
○島村軍次君 これは一応説明を聞いたのですけれども、順序として、提案理由のうち、漁業に関する問題を提案理由として御説明を願って、それからただいまだしぬけに御説明になりかけた問題を、順序を追うて、どういう理由でこの内容を説明するかという理由から御説明を願うようなことに、お計らいを願いたいと思います。さようなことで一つ、皆さんにお諮り願ったら……。
#17
○委員長(堀末治君) いかがでしょうか。今島村さんからそういう御意見が出ましたが……。
#18
○千田正君 ただいま島村委員の方から、この提案理由の説明のうち、すでに聞いたんだけれども、そのうちでこれが漁業の問題だけ抜粋して説明されて、さらに先ほどから条約局次長が説明しようとするのを、順次御説明願いたい。この案に対しては私、賛成いたします。
#19
○河野謙三君 私、後日のために申し上げますが、こういうような委員会の運営につきましては、理事会をお開きになって……。
#20
○委員長(堀末治君) 開いたんです。今。
#21
○河野謙三君 理事会でもっとよくきめられまして、それに従ってやつでいただかんと、いつもこういう問題になると思うのですよ。理事会はどういう御決定になっているのですか。
#22
○委員長(堀末治君) 時間の都合で少しごてごてして、こういうような順序不同なことになったのですから……。
#23
○河野謙三君 理事会はどうなっているのですか。
#24
○清澤俊英君 理事会は、政務次官が出て説明するということ……。
#25
○委員長(堀末治君) だから、今陳情を聞いているうちに、政務次官がウランの問題で向うへちょっと行ってくるからと、それでこういうことになったわけです。そこで条約局次長が説明したのは、要するにこの問題でなく、自分の関係ばかりの説明になったものですから、ちょっとごてた、こういうことです。
#26
○河野謙三君 委員長、理事会の決定に従ってやって下さい。
#27
○委員長(堀末治君) かしこまりました。
 御賛成が多いようですから、この漁業関係の方だけやって、しかる後あなたのこまかい説明を……。
 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#28
○委員長(堀末治君) 速記を始めて。
#29
○説明員(高橋通敏君) それでは、漁業関係の条約につきまして御説明をさしていただきます。
 この条約は、名称は、「北西太平洋の公海における漁業に関する条約」でございます。この条約は、この水域におきます漁業資源の保存及び発展のため両締約国がとるべき共同措置を合意しまして、条約によって設立される北西太平洋日ソ漁業委員会が必要に応じまして科学的基礎に基きましてこれを修正し、また場合によりましては年間総漁獲量を決定することになっておりまして、そのほか漁業に関する学識経験者の交換をはかるべきことなどを定めておる次第でございます。
 条約は、これらの方法によりまして北西太平洋におきます公海漁業の一方的規制を排除しまして、平等の基礎におきまして、かつ、科学的根拠に基く規制を行い、もって合理的基礎における漁業の発展及び漁業資源の有効な利用をはからんとするものでございます。これによりまして、今後のわが北洋漁業の安全も確保されると考える次第でございます。
 以上簡単な説明でございますが……。
#30
○千田正君 この次に、最後に、海上において遭難した人の救助という問題がありますね。これは漁民の関係するものでありまするが、追って説明していただきたいと思います。
#31
○説明員(高橋通敏君) 海上において遭難した人の救助のための協力に関する協定でございますが、この協定は、日本海、オホーツク海、ベーリング海及び日ソ両国の沿岸に接する太平洋の西北部の水域におきます海難に遭遇した人命救助のための両国海難救助機関の間の協力措置、及び無線連絡方法等を定め、もってこの水域におきます救助活動の迅速化、有効化をはからんとするものでございます。
#32
○島村軍次君 そこで説明されるのに、この印刷物について説明されるのか、あるいは先ほど説明しかけたものについて説明されるのか。これと違っていれば、先ほどの説明をされるものは、印刷したものはないのですか。
#33
○委員長(堀末治君) さっき説明したやつは……。
#34
○島村軍次君 だから、それを委員の人にわかるように説明されたいと希望いたします。
#35
○委員長(堀末治君) ちょっと、をとめて。
  〔速記中止〕
#36
○委員長(堀末治君) 速記を起して。
#37
○説明員(高橋通敏君) それでは引き続きまして、差し上げました北西太平洋の公海における漁業に関する日ソ間の条約の説明を、二の説明書に従いまして御説明さしていただきます。
 そこで、まず第一は、条約の内容で、経緯その他については御承知のことでございます。直ちに条約の内容に入りまして御説明さしていただきますと、まず第二ページでございますが、この条約の内容の前文に、その条約の特徴と申しますか、条約の目的が掲げられている次第でございます。
 この目的としましては、ここにございますように、この条約は、日ソ両国間の共通の関心事でございます北西太平洋の公海におきます漁業の最大の持続的生産性を維持するとともに、漁業資源の保存及び増大をはかるため、両国の間で有効かつ適切な措置を講ずるということがこの目的でございまして、この意味のことがこの前文にうたわれている次第でございます。
 この条約を全体的に申し上げますと、条約の仕組みといたしましては、北太平洋の公海漁業に関する国際条約――いや、捕鯨取締条約の前例にならいまして、条約の本文は、漁業の委員会の設置、その任務、権限等を規定することといたしまして、付属書に具体的措置を掲げまして、この具体的措置の改正は、この委員会が随時修正できるというふうな仕組みになっております。この仕組みは、この種漁業条約一般の仕組みに従った次第でございます。
 そこで内容に入りますと、第一条でございますが、この条約全般に通じる一般的規則、規定でございます。すなわち条約の適用される区域でございますが、区域を北西太平洋の全水域としております。ただし領海を除く。従いまして、領海を除く北西太平洋の全水域、全公海でございます。
 なお、この場合注意書きとしまして、領海の範囲及び漁業管轄権に関する締約国の立場とこの条約との関係につきましては、この条約のいかなる規定も、これらに関する締約国の立場を拘束するものではないというのを、第二項に規定した次第でございます。すなわち、この条約で規定しましょうとも、領海の範囲に関するお互いの主張、すなわちソ側は十二海里を主張しておりますし、わが方は三海里でございます。この問題はお互いの主張を害するものではない。また領海および領水域内に主権に基く漁業管轄権を行使するという権限につきましても、何らこれによって拘束されるものではないという、そういう総則的な一般的規定を設けた次第でございます。
 次に、第二条は付属書についての規定でございまして、漁業資源の保存と発展のため、条約区域においてこの条約の付属書に掲げる共同措置をとることに同意する。前に付属書に掲げてあるような共同措置をとることを約束したものでございます。そうして、この付属書がこの条約と不可分の一体をなしている。すなわち条約と同様であるということの規定でございます。
 第三条は委員会の設置についての規定でございまして、委員会の設置と組織、運営、経費等について規定している次第でございます。すなわち、委員会はそれぞれの締約国が任命する三人の委員で構成される二つの国別になっている。すなわち日本国の委員とソ側の委員という二つの委員からなりまして、少くとも毎年一回会合して、必要な決定、決議、勧告を行うということになるのでございます。その他、議長、副議長の選定の規定や、委員会の公用語や、それから委員会の経費というような、普通の委員会を作る場合に必要な規定についても規定している次第でございます。
 それから第四条は委員会の任務で、第四条はとても重要な規定の一つでございますが、この規定、この委員会の任務のうち最も重要なものとしては、先ほど申し上げました通り、付属書の修正についての規定でございます。すなわち双方の一致によりまして、委員会の一致によりまして、付属書を修正することができる。それからもう一つは、締約国の年間総漁獲量を決定することができる。この二つの決定をする次第でございます。また、そのほか種々の規定、委員会の権限が設けられておりますが、統計資料の種類及び範囲を決定する、あるいは科学的な共同調査計画を作成する、それから委員会が専業の報告を提出するというような、種々の規定を掲げております。すなわち決定といたした場合には、決定することにおいて両締約国が拘束されるほか、勧告というようなこともいたすわけでございます。
 第五条は学識経験者の交換でございまして、漁業に関する学識経験者の交換について原則的にこれに同意する。ただ、交換に際しましては、そのつど双方の合意によって行うことになると思います。
 第六条は、締約国が、条約の有効な実施をするため、適当かつ有効な措置をとるものとするということを規定しまして、すなわち、これで国内にこの条約に沿って必要な措置をとる。のみならず、許可証の規定でございますが、許可証または証明書なるものは、年間漁獲量が決定しました場合に、おのおの締約国がみずからその自国の船舶について発給するということに規定している次第でございます。
 そうしてさらに第七条に参りまして、違反の場合いかなる措置をとるかという規定でございます。違反行為の疑いのある漁船につきましては、他方の締約国の権限ある公務員がその船舶を臨検して捜索することができる、これが第七条の規定でございます。この違反というのは、条約にも特にうたっておりますが、他方の締約国の漁船が現にこの条約の規定に違反していると信ずるに足りる相当の理由があるときは、いわば現行犯の場合に、他方の締約国の権限ある機関はこれを拿捕していいという規定であります。ただ拿捕しました場合も、一方拿捕された船舶の所属国の官憲に直ちにこれは引き渡さなければならない。原則としてその場で直ちに引き渡すわけでございます。ただ、非常な遠隔な地にあるとか、天候とかその他の理由によりまして、すぐ一方の締約国が引き渡しを受けることができない、しかも引き渡しをするように要請をした場合には、拿捕した方の国の官憲はそれを一時自国の領域内で監視のもとに置くことができる、このような規定であります。
 第八条は発効の規定でございまして、日ソ両国間の平和条約が効力を発生する日かまたは外交関係が回復する日に、この漁業条約も同時に発効するという規定であります。また有効期間でございますが、この条約は十年間効力を存続する。その後、一方の締約国が他方の締約国よりこの条約廃棄通告を受領した日から一年間、効力を存続する。すなわち十年間効力がございまして、その後は廃棄を通告することがいつでもできる。ただ、通告した場合には、それから一年間は効力を存続するという規定でございます。
 付属書に至りまして、詳細な規制措置を規定しておりますが、その一つは、サケ、ニシン、それからカニ、この三種類について両国が約束しました規制措置をここに載せた次第でございます。
 以上非常に簡単でございますが、漁業条約の方の説明は終らせていただきます。
#38
○委員長(堀末治君) 続けて……。
#39
○説明員(高橋通敏君) 次いで、海上において遭難した人の救助のための協力に関する日ソ間の協定でございます。
 この協定は、前文、七カ条本文からなり、効力発生に関する再簡及び領海の範囲に関する交換公文がございます。
 第一条は、この協定の趣旨について述べた次第でございます。すなわち、海難に遭遇しました乗員、これは国籍のいかんを問わない次第でございます。その国籍のいかんを問わず、急速かつ効果的な援助を与えるための協力を可能にするために、このような取りきめを行うものである。第一条は、日本海、オオーツク海、べーリング海及び日ソ両国の沿岸に接する太平洋西北部の水域におきます海難船舶の乗員の救助、及び一定の場合におきます救助のための両国海難救助機関の間の協議について規定している次第であります。すなわち、一つの船舶が以上の水域において海難に遭遇しました場合は、両方の締約国の海難救助機関は、当該船舶の乗員を救助するためにできる限り必要な援助を与える。そして、いずれか一方の海難について通報を受けた場合は、最も適当と認められる救助措置をとるものとする。それから、一方の海難の現場が、他方の締約国の海洋に近い場合、その場合は原則として、他方の締約国の海難救助機関と協議した上救助作業を計画するというふうに、救助のためのいろいろの協議について規定している次第でございます。
 第二条は、領海における救助作業でございますが、それぞれ当該国の法令に従って行われるべきことと定めている次第であります。
 第三条は、救助に参ります場合に、救助機関相互間及び海難船舶との間の無線連絡の方法、周波数を掲げている次第でございます。これによって相手の海難救助機関の呼び出しをして、それと協議をする手続でございます。
 また第四条は、救助作業を完遂するために必要な場合におきまして、両国の海難救助機関の相互間の協力の要請及びその際とるべき措置についての規定でございます。すなわち、第三条の規定に従い協力を要請することができる。すなわち救助作業のときに、お互いに協力を要請する。そうして要請を受けた海難救助機関は、できる限り通報に示された個所に救助のための船舶を差し向けるということになっている次第でございます。
 第五条は、これは国内措置でございますが、両国はその海難救助機関に対してこの協定の実施について詳細な指示を与えることを約束することを定めております。
 第六条は、やはり同種の海難救助のことを定めております国際約定がございますが、その条約はその条約としてもちろん有効であって、それに抵触するものとみなしてはいない。すなわち協定の規定が、海難における救援救助についての規定の統一に関する条約、千九百四十八年の海上における人命の安全のための国際条約、この国際条約に抵触するものと考えられてはならない。
 第七条は、発効規定及び有効期間、廃棄等についての規定でございます。すなわち発効は漁業条約と同じく、日ソ両国間の平和条約の発効または外交関係回復の口に効力を生ずるということでございます。また、この協定が、外交関係回復または平和条約の効力発生の日に効力を生じ、三年間効力を有する。また、いずれか一力の締約国が延長された三年の期間が満了する少くとも一年前にこの協定の廃棄を声明しない限り、そのつど次の三年間効力を存続するものとする。すなわち三年ずつ効力が更新されていくわけであります。
 最後に、この海難救助協定及び漁業条約も、日本の国会の承認が必要であるということをわが方から通報し、向うに了承さしている次第でございます。
 このほか、ここに交換公文がございますが、これは漁業条約の場合の第一条の第二項にも相当する次第でございますが、領海の範囲についての問題に対する締約国の立場に何ら影響を与えるものではないということを、念のために一言書簡を交換している次第でございます。
 以上簡単でございますが、大体の条約の説明を終る次第であります。
#40
○委員長(堀末治君) ただいまの説明に対して御質疑がございましたら、順次御発言を願います。
#41
○千田正君 きょうは、これは当局の説明を聞いて、外務委員会と連合審査の際にわれわれは質疑をただすことになっておったのではないかと思います。
#42
○委員長(堀末治君) 幸い水産庁長官も見えておりますから、その間に多少、今のあなたの予備知識を得るために、お聞きになっておいた方が便宜じゃないかと思います。まだ多少時間もございますから……。
#43
○青山正一君 水産庁長官にお伺いいたしますが、今条約局の次長からいろいろ説明があったのですが、それ以外に、この委員会の委員さんにいろいろ話すべき筋合いのものがありませんですか、どうですか。
#44
○政府委員(岡井正男君) 格別それに足して私から補足説明申し上げるというような事項を、とっさには思い浮ばんのでございますが、先生方の方で御質問いたださましたら、それに応じてお答え申し上げたいと思います。
#45
○青山正一君 それならば、一点だけお伺いいたしたいのですが、これは私は多少認識はあるわけなんですが、ここに掲げてあるサケとかマス、カニ以外のものですね、これは一体どういうふうに考えていけばいいのですか。
#46
○政府委員(岡井正男君) 差しあたり両国間で共通的に関心を持つ魚種というのが、サケ、マス、次いでカニ、ニシン、こういうものが当面論議せられる対象魚であるということを双方も考えまして、こういう魚種を取り上げております。しかし、今後両国の委員会において必要ありと思われる魚種は、追加せられる可能性も生ずるわけでございますが、しかし、さりとて、日本側が魚種を、こういう魚種もどうかというて持ち出すというのはいかがかと考えております。
#47
○青山正一君 たとえばカレイとかタラ、こういったものも、品種的に考えると、数量的には非常に多いようにも思われるわけなんですが、そういうふうな品種に関して、ソ連あたりはこの委員会に、そういう品種も入れるような要請があるような模様ですかどうですか、その点をお伺いしておきます。
#48
○政府委員(岡井正男君) まだ、相手方の出方ですが、まあ奇山先生などくろうとですから、御想像いただけるかと思いますが、むしろ向うの方が積極的に利用していないような魚種で、日本側が相当今後も利用するであろうというような魚種は、今のところ制約を双方ともしていないような魚種につきまして、なまじこちらの方から持ち出すということは、必ずしも日本側に有利ではあるまいという懸念もあります。
#49
○青山正一君 しかし、今度のソ連と日本との魚業条約の問題につきましては、相当外務省あたりは後手をふんだようにも考えられるわけです。そういう点から考えて、どうですか、他種漁業の問題について、向うからまたひどい制限が来るというような空気もあるやに承わっておるわけなんですが、その点、どうでしょうかな。よほどこれは考えなければいかぬと思いますが。
#50
○政府委員(岡井正男君) これは委員会において双方合意によって初めて規制措置がせられるわけでございますので、一方的にソ連から押しつけられましても、条約ができていないときは知りませんが、このような話が進んでいる際におきましては、そういうことはあり得ないと考えております。
#51
○青山正一君 もう一点だけですが、最近拿捕されておる船が相半あるわけなんですが、これはやはり相当違反の果実があっての結果ですか、どうなんですか。その点、一つお伺いしておきたい。
#52
○政府委員(岡井正男君) これは多分領海を侵犯したという理由で、おそらく拿捕されておるのであって、漁業のいわゆる規制もないような魚種、たとえばタラをとったからというような単なる理由で、拿捕されておるとは思っておりません。
#53
○千田正君 これは水産庁長官と条約局長に聞くのですが、非常にわれわれが疑義を持つのは、第一条のうちの第二項ですがね。領海の問題ですね。国際公法の国際的な通念からいうと、大体領海は三海里説を妥当としている、国際間の通念としては。ところが、この間のソ連側の主張するところの領海と、日本の領海とは、はなはだしい差があります。これによってわれわれは、一方的な国がこれだけの領海だといえば、われわれはそれを認容しなければならぬという前例を開くゆえんになる。なぜかというと、われわれ非常に心配するのは、領海を侵した問題として捕えられるという問題も非常に出てくる。もう一つは、日韓問題について、韓国の李承晩が唱えているところの李承晩ラインというものは、彼が常に主張しているのは、これは韓国の領土である、領海であるという主張が行われている。こういう将来に及ぶところの影響を勘案しながら、われわれはこの問題を検討したいと思うのですが、この点については、水産庁長官、自信があって、将来とも、領海は日本は三海胆、この線で十分に漁業行政をやっていける自信がありますか。
#54
○政府委員(岡井正男君) これは日米加の場合の条約におきましても、領海問題には触れないでいるわけでございます。今回の条約におきましても、領海問題には触れないでやっているわけであります。
#55
○千田正君 そこが非常に疑問なんで、触れないということは、ソ連の主張する領海というのは十二海里、日本は三海里だ、この建前でいくとして、お互いに触れないのだ。ソ連は十二海里、日本の漁業者は三海里が自分の領土だと思っているから、ソ連もそうだと思って、三海里近い所まで近接した場合に、向うからいえば領海侵犯だとして拿捕される、そういうことが当然起きてきます。そういうことに対して、この条約が発効すると同時に、十分水産庁としてそういう問題が起きないような措置を講ずるだけのあれがあるか。それだけの自信をもって、これを呑み込んでやっていけますか。
#56
○政府委員(岡井正男君) 現在のたとえば鮭鱒あたりにつきましていいますと、必ずしも十二海里から沖合で繰業いたしましても、従来日本政府として独自の立場から行政措置を行なっていたのは、十二海里まで接近してやってはいない、鮭鱒につきましては。その他の十二海里からむしろ中へ入ってやらなければならないというようなコンブ漁業であるとか、あるいはホタテ漁業であるとかというような問題も、将来問題になるわけであります。こういう問題につきましては、漸次委員会へこれを持ち出して、双方で話し合って、こうという考えは持っているわけであります。
#57
○千田正君 この制限された魚種のうちで、カニ漁などは、おそらく相当十二海里まで行かなければある程度とれない時があり得ると思うのですが、そういう点は御心配要りませんか。
#58
○政府委員(岡井正男君) 心配要らんかといえば、それはまあ自由奔放に接岸してやれるという建前にすれば、一番それは理想でございましょうが、何といいましても、相手があって、こういうふうな協定を結んでやるのでございますから、委員会において最善を尽していくという建前をとる以外には、そう欲ばったようなこともできないのじゃないかという気がいたします。
#59
○千田正君 どうも長官、きょうは別にあなたをいじめるつもりはありませんから、きょうは言いませんが、条約局長、このいわゆる領海の考え方ですね、これは単にソ連の十二海里説というものに対して、日本が認容を与えたということは、私は日本の将来の外交政策の上からいっても、国際法に対する通念の観点をわれわれがのみ込んでおる上からいっても、非常に重大な問題になると思うのです。ソ連は十二海里説をやる、あるいはほかの国は、いや、二十海里だ、あるいは韓国のように無謀な所は、五十海里も百海里も自分のものだと主張する。
 なぜ私はこういう点について疑義を差しはさむかというと、戦争に負けた後の日本というものは、漁業条約によって漁場が次第々々に狭められている。御承知のように、日、米、カナダの漁業条約によって、魚種によっては西経百七十五度以東に行けない。あるいは韓国の李承晩が、ああいう線を引くと、そこへも行けない。だんだん日本の国際法上の公海自由の原則というものは束縛されつつある。そこへまたこういう条約が出てくるということに対して、われわれは非常にこれに対して注意を払うと同時に、日本の将来の漁業に対して、十分なる私は検討を加えなければならん、こういう観点に立っておるのですが、外務省としては、これは領海については触れない。触れないということは、いわゆる相手の主張を認容したということにとって差しつかえないのですか。
#60
○説明員(高橋通敏君) この条約では、相手国の領海の範囲を、お互いに領海の範囲については触れない、すなわち問題にしないということでございまして、従いまして、決してわが方としましても、相手国の十二海里を認めたというわけでは全然ない。実際、ただいま水産庁長官からも御説明のありました通り、この問題には一応ここでは触れずにおいておこう、こういうことでございまして、従いまして、今後ね年一回委員会も開きますし、その他随時委員会、その他学者の交換、その他向うとの交渉の道が開かれて参りましたから、その過程におきまして、将来の問題としてこれを解決するということになると思います。
#61
○千田正君 非常に要領のいい言い回しでありますが、われわれが非常に心配するのは、領海侵犯という問題が過去においてしばしば繰り返されておる。領海侵犯ということによって日本の漁船が拿捕されたり、あるいはその他の、漁夫が拿捕されたり、あるいは場合によっては、遭難によってかじを失って、そうして知らず知らずのうちに、潮流や風浪のために、近接した地区に上陸をしなければならなかった。その場合に必ず領海侵犯という問題が相手国によって強く強調された。そうして拿捕された。そういう問題が将来起る。そういう懸念を非常にわれわれは持つから、これは全然関係しないのだ。それじゃ、近接して漁をやってもいいのか。全然それは領海というものは関係なしに、今後はこの漁に対しては、一応の許可証を持った者、証明書を持った者はどしどし向うまで行ってとって差しつかえないのか、こういう問題が出てきますが、そういう点についてはどういうふうにお考えになっておりますか。
#62
○政府委員(岡井正男君) これは具体的にいいますと、私の方で現在の三つの規制措置を必要とする魚種についての漁法関係におきまして、日本政府側としての行政措置において、十二海里よりも中へ入って許可をするというような今のところは考えは持っておりません。
#63
○清澤俊英君 わしら、漁業問題は全くしろうとだということをまず前提として申し上げますが、わしらの聞きたいことは、かつて船団の問題、それから漁業問題がやかましくなったとき、次長でおられた、今まあ長官になられたが、長官は、当時声を大にして、公海の漁業に対しては全く自由なんだ、こういう主張を強くわれわれの前に展開しておられたのが、今の説明を聞きますと、何か非常に狭められた考えに変っておられるが、それと、その当初の考えとこれとの関連においては、当然相手国もあることだから、長官の言うような自分ひとりよがりのこともできまいと思うが、従って、こういう結果になった実情というものは、長官は始終河野農林大臣について、そこへ補佐役としてついて行っておられるんですから、場合によったら秘密会でもなんでもいいんですが、そういう当初の考え方がこういうふうに変った、制限せられたものに変った点、と同時に、やはり長官自身が、日本から見ての不満の点が非常にたくさん残されていると思う。そういうものを全部聞かしてもらいたいと思います。そういうものがあるかないか。私はあると思う。船団の問題と公海漁業の問題が、論議し合うとき、長官は非常な勢いで、公海の漁業に対しては他の介在を許さない、そういう方針で完全に進むんだと言い切っておられたのであります。ただ、それとこれは違った。これは相手があるから違った。これは相手があるから違ったことはよろしいが、そのいきさつをもうちょっと国民にはっきり知らしてもらいたい。方法はどうあろうとよろしい。
#64
○政府委員(岡井正男君) 今、清澤先生からお話があった点は、たしか次長時代に、むしろおしかりをこうむったわけでございますが、当時清澤先生からは、いわゆる公海自由とはいうものの、あまり多く許可をし過ぎたから、それでソ連の方からも横やりを入れるような原因を日本が招来した行政措置についてはいかんではないかという意味の御質問があったと思います。当時まだソ連と漁業交渉を持たない当時におきましての日本側の考えといたしましては、公海における、自由な操業区域における日本側の行政方針といたしましては、宿命的な四つの鳥にある日本としては、できる限り漁業を伸ばしたいという意思がありまするので、それに基いて、経済的に合う限りにおいて、相当船数をふやすという考え方でいっておりましたというお答えを申し上げたわけでございますが、今もなお生産ベースに合いそうな、協定のない海区における許可方針といたしましては、経済的に行き詰らない限りにおいて、かつ資源的に心配のない限りにおきましては、積極的な考え方を依然として持っておるわけでございます。しかしながら、鮭鱒のように、ソ連側、あるいは海区によりましてはアメリカ、カナダ側、あるいは日本側へも遡上してきますが、いわゆる陸と海と一体をなして、海洋において回遊をし、かつ遡上をして産卵をするという特殊の水族、あるいはまたカニのごとく、沿岸へ来て産卵をして沖合の方で索餌生長するというような魚種について、関係する相手国と合意による日本側の、共存共栄といいますか、資源を保護するという立場上、話し合いがついたという場合には、平等の立場においてお互いに窮屈であっても制約をしようじゃないか、という考え方に合意が成立いたしました場合におきましては、ある程度日本側も不満な点はそれはありましょう。しかし、ソ連側においても不満な点がありましょう。そこは双方適当なところで協調いたしまして、話合いをつけて、委員会で逐次双方の主張で意のあるところは尽して、修正を加えていくというようなことは、これはやむを得ない合法的な措置ではあるまいか、かように思っておりまして、従前と非常に退却したじゃないかというような感じをお持ちかもしれませんが、ある程度の平等の立場に立ち、しかも資源を永久に保護しながらこの生産を永続的に持続するという考えのもとに立った本協定につきましては、事務当局としては、これはこの際としては適当な考え方の措置ではないか、かように思っております。
#65
○清澤俊英君 そうしますと、結論的にいいますと、将来公海における漁業問題に対しては、関係先等と逐次こういうものを積極的に結んで、そして魚族保存並びに漁業の安定という点においてやられるという方針に変っておるのか、それとも、これはたまたま、前の所説はありましたが、ソ連の力から横車を押してきたんだから、仕方がない、こういうことにしたんだ、こういう考えなのか、根本におけるお考えがどうなのか、それをちょっと伺っておきたい。
#66
○政府委員(岡井正男君) これは早晩、早かれおそかれ、鮭鱒漁業のごときで、しかも隣接した双方において利害関係のあるようなものにつきましては、そういうことに将来もしていくのが妥当ではあるまいか、たとえば……。
#67
○千田正君 ちょっと。長官にお伺いしますか、この日、米、カナダの北太平洋の漁業条約並びにラッコ、オットセイ捕護に関するところの国際条約等が、この条約と抵触することなしに結ばれるのか、あるいは平和条約回復後においては、当然ソ連が過去の三カ国条約に参加するという想定のもとにこの漁業条約を結ぼうとしておるのか、どうなんですか。
#68
○青山正一君 ちょっと、その千田君の質問に関連してお聞きしたいと思いますが、速記を止めていただきたい。
#69
○委員長(堀末治君) 速記をとめて下さい。
  〔速記中止〕
#70
○委員長(堀末治君) 速記を始めて下さい。
#71
○政府委員(岡井正男君) オットセイ条約並びに日米加三国条約と本条約との関連性でございまするが、今のところ日本側といたしましては、関連性を持たないという気持でこの条約を御審議願うように提案しておると心得ております。
#72
○千田正君 この論争は、いずれあらためて行いますから、私はこれでやめます。
#73
○委員長(堀末治君) 速記をとめて下さい。
  〔速記中止〕
#74
○委員長(堀末治君) 速記を起して。
#75
○河野謙三君 今の水産庁長官が日、米、加、英国等に関してのみ三海里説は適用されておるけれども、その他の国においてはおおむね、慣例というか、情勢の変化というか、そういう主張はもうほとんど消えているということなんですが、これは政治論としてはむずかしいでしょうけれども、法理論として、国際法もあることだし、法理論としてあなたの御見解を一つ伺いたいのです。
#76
○説明員(高橋通敏君) 私、三海里説はもちろん、御承知の通り、日本の主張でございますし、それから大多数の国がその、二海里説を主張しているわけでございます。しかし正確なことはちょっと思い出しませんが、一九二〇何年かの国際法法典編成会議がございまして、そこで領海の範囲について国際法典を作ろうではないかということがございました。わが方は三海里説を主張したわけでございますが、そこでいざ法典と申しますか、国際法のはっきりした書いた規則を作ろうとなりますと、非常に議論が百出しまして、結局はっきりこうだというふうな結論が出なかった。そこで、そのままになったということを覚えております。しかしながら、われわれとしましては、この三海里説というのが大体において、国際社会において承認された規則であるという主張をとっておりまして、もちろんソ連を初め非常な強い反対の国も、御承知の通り、あるわけであります。それから最近になりまして、大陸だなという主張が非常に盛んになりまして、御承知の豪州のみならず、南米の二、三の国でも百海里だ、やれ二百海里だと、盛んに主張してきた次第でございます。もちろんわれわれとしましても、それが国際法の規則ではまた全然ありませんし、またそのような沿岸国が自分勝手な規則を出すということは、絶対承認できないと主張している次第でございます。しかし、そういう国が大統領や政府の宣言でそういうことを宣言したり、自国の法令にそういうことを持っているという状況でございます。
#77
○河野謙三君 そうしますと、国際法の示すところに基いて三海里というようなことをよくわれわれは耳にしますけれども、それは誤まりなんですね、今のあなたの御説明だと。万国が承認した国際法によって、三海里説というものは一時的にも決定したことば過去においてないのですね、今の御説明だと。
#78
○説明員(高橋通敏君) 御承知の通りに、その国際法とか申しますと、いろいろ書いたものがございませんものでございますから、大体の諸国の慣行と申しますか、それによっている次第でございます。そこでその慣行を見ますと、私どもみな、三海里説が大多数の国家の承認したところである、従ってそれが国際慣習法であろうと考えておる次第でございます。ただ、そういうふうな異論がございますので、その異論の国なんかを集めて、一つの計いたものにしようとすると、なかなかできない。しかし大多数の国の認めた慣習であろうと考えております。
#79
○河野謙三君 あなたに御説明を聞いても無理かもしらんけれども、そうすると、英国、アメリカ、カナダ、日本以外の国でも、かつては三海里説に従って、その慣習に従っておったことも一時的にはあるのですね。それが最近世界の情勢の変化によって、英、米、加、日本以外の国が、いろいろな勝手な説を唱えるようになったと、こういうことなんですか。
#80
○説明員(高橋通敏君) さようでございます。
#81
○安部キミ子君 条約局次長にお尋ねしますけれども、河野さんがこの条約を締結されますに当っては、あなたも当然河野さんと下打ち合せができておったと思うのです。そのときにあなたは、条約の原案を、おそらく日本側の原案としてこういうことは入れてもらいたいというふうなことで、海里の問題にも河野さんに進言されたかどうか。そういう点で、河野さんはその説はだめだ、こういうふうに、そうして向うとの交渉はだめだというふうになったのかどうか。ちょっとその間のことを話していただきたいのです。
#82
○説明員(高橋通敏君) この交渉の始まります前には、水産庁長官、外務省を初め、どういう案でどういうふうなもので行こうかということを、農林大臣の御指示のもとに研究し、われわれとしましては一つの腹案と申しますか、そういうのを作成し、向うに折衝に参った次第でございます。
#83
○田中啓一君 領海三海里論の問題ですが、なかなかはっきりした国際法としてエスタブリッシュされておらないということは、今の御説明でわかりましたが、日本がこれまで結んでおる条約ですね。これを戦前と戦後に分けまして、そうして何かこう相手国が十海里とか、百海里とかいうようなこと、あるいは大陸だなというようなことを主張した前提のもとに出しておる条約、それを暗黙のうちに承認をしてしまったような、現実の妥協をやったような、そういったようなきらいのある条約はございませんか。その点をはっきり一つ伺っておきたい。われわれ長年日本の、四面海をめぐらしておる国の立場から、絶対日本としてはそういうことば屈服しないのだ、今後もそうだというふうに、実は学生時代から教わってきている、私ども国際法で。それをまあ事ごとに何かどうも、戦後弱弱として、そうして現実の問題に妥協して、そうして暗黙のうちに認めてしまったというような……。私はどうも、条約なんというのは、読むと頭痛がして、なかなか実は読めないし、勉強もしておらんで、こういうことを申すのははなはだ恐縮でありますけれども、一つこの際、はっきり御説明を願えれば幸いと存じます。
#84
○説明員(高橋通敏君) ただいまの三海里の主張でございますが、これはわが国としましては、もう伝統的な日本の主張としまして、三海里説をずっと唱えてきておる次第でございます。そこで、大体世界の約半数以上の国がその説に従っております。そこでこれに異論を唱えます国は、あるいは四マイルとか、六マイルとか、十二マイルだとかいうふうな主張をした国もある決算であります。
 それでは、そういうことを明文をもって、または暗黙裏に認めた条約が今まであるかと申しますと、私ちょっと今ここでは不覚にして思いつかないのでございますが、これも御承知の通り、英国とソ連の、正確なことはちょっと調査してみないとわからんと思いますが、北方の水域における漁業でございまして、英国とソ連とやはり十二海里か三海里かという問題で非常に激しく主張が対立し、議論が沸騰したことを覚えております。その際結論としまして、お互いにその主張は譲らない。しかし、ソ連の特定の地域を限りまして、ここについてはお互いの主張はそういう主張だけれども、特定の漁業だけは三海里までやっていいというようなことを認めた条約がございます。
#85
○清澤俊英君 これはちょっとこまかい問題になりますが、条約の七条で、その漁船を拿捕し、その人を逮捕することができる云々と、こうなっておりまして、その人または漁船はすみやかにその所属国に引き渡さなければならない云々、この条項なんですね。これの領海侵犯ですが、この領海侵犯に対してはどういうふうになっておるか。たとえてみれば、日本は三海里というから、向うは三海里近くまで来ても問題はないのだが、こちらは十二海里を入って行けばこの処置がとられる。これはわれわれしろうとから考えてみても、非常に不利だと思いますが、そういう点はどういうふうになるのか、どういうふうにきめられたのか、一つはっきりさしていただきたいと思います。これからきめていくのか、あるいはもう大体これは解決がついて、一応両方が十二海里にしたのか、三海里にしたのかというような点を。これだというと、非常に日本だけが十分に主張しないで、片手落ちになっておるというような結論になってしまう、今の説明を聞いておると。その点を一つ、どういう御交渉があったか。
#86
○説明員(高橋通敏君) 第七条の規定は、いずれか一方の権限を有する公務員が他方の漁船を拿捕する場合でございますが、この領海の問題とは全然別問題でございまして、ここで考えていますのは、この条約の規定に違反したという場合でございまして、従いまして、たとえ十二海里以内に入っていましたとしましても、要するに、この規定に違反して、すなわち付属吾に違反して行われた場合の拿捕の理由でございまして、その際領海に入っていたかどうかということは、全くこの条約とは別個の問題として解決する次第であります。
#87
○清澤俊英君 そうすると、領海侵犯というような問題は出ないのですか。
#88
○説明員(高橋通敏君) それはこの条約とは全然別問題でございまして、もしそういうことをソ側が、十二海里ということで、あるいは領海侵犯の主張で拿捕するかもしれませんが、それは別でございまして、それはそれとしてのいわゆる国際問題となりますし、いろいろ将来の交渉の対象となるものであります。
#89
○清澤俊英君 それはどういうわけでしょう。いろいろ詳しい規定をつける際に、一番肝心な領海問題が取りのけられておったのか、何かいろいろこまかい事情があるのですか。一番簡単で、一番問題がこれに出てきておる、領海侵犯だの、拿捕だの、抑留という問題よ。
#90
○説明員(高橋通敏君) これはおもに公海におきます漁業の規制でございます。従いまして、公海でいかなる規制を行うかというのがこの条約の主体になるわけでございまして、そうしますと、結局その一つの問題として、それでは公海の範囲をどこまでするかということで、沿岸三海里までするか、十二海里までするかというこの問題は、当然御指摘の通り起るのでございますが、それよりも、とにかく公海においてのそういう規制措置ということが主体となっておる。従いまして、これは領海の問題になりますと、その領海における漁業のみならず、またその地域における領海の範囲のみならず、たとえば日本としましては、日本全国の、御承知のように、領海の問題となりますし、ソ側としましては、ソ側の全水域の領海の問題となりますので、この領海の問題を正面ここで取り上げていろいろ論議するということは、ちょっと漁業の保存、増大をはかる措置というのとは観点が違って参りますので、除いた次第であります。
#91
○清澤俊英君 説明はよくわかりましたが、それに対して何かあとでこれに関連して考えておることがありますか。
#92
○政府委員(岡井正男君) 清澤先生の、ソ連がかりに三海里まで日本に来たときにというお話でございましたが、今の三つの魚種では、ソ連側としては日本沿岸へ三海里まで来るという魚種は、今のところ差しあたりはないわけです。
#93
○清澤俊英君 こちらはどうですか。
#94
○政府委員(岡井正男君) こちら側も、今までのところはないわけです。
#95
○安部キミ子君 長官も条約局次長も、この領海の問題は次の委員会できめるというふうな御発言でありましたが、その委員会が開かれる期日はいつごろという見込みなんですか。
#96
○政府委員(岡井正男君) 国会の御承認が済みますれば、さっそくに向うの方へは、なるたけ早く開くようにという希望を申し入れるような段取りになっております。
#97
○安部キミ子君 国会の承認が得られましたら、一応条約は効力を発生するようになりますね。効力を発生しますと、そのときから、実際の漁業なんかはこの条約のもとに行わなきゃなりませんね。そうしますと、条約の発効の時期と委員会の時期がずれるということはありませんか。
#98
○政府委員(岡井正男君) これは付属書で規定されておるように、委員会がさらに両国で資料を持ち合って、そして話し合った結果、お互いの合意によりまして、実際問題といたしましてはそれからやるということに相なろうと思います。
#99
○安部キミ子君 私が申したいことは、そういう重大な問題でありますから、条約か効力を発生しましたときには、もう次の委員会を早く開いてもらうようにあなたたちに努力をしてもらいたい。そうしてそういう心配のないように、しかも日本の国にとっても有利な線で強力にやっていただきたいということが言いたかったのです。
#100
○政府委員(岡井正男君) 今の安部先生のお話、ごもっともでございまして、私どもの方も同様に考えております。
#101
○仲原善一君 ちょっと立場を違えて御質問申したいのですが、それはこの条約と内政問題との関連であります。それでわれわれこの印象を受ける点から申しますと、この条約で非常に利益を得るのは大企業の母船型の会社であるとかいうふうな、そういうふうに世間でも見ておりますけれども、これが締結した暁に、沿岸漁民との関係、そういうものがどういうふうな関係になるのか。非常に有利になるのかどうか。もう少し具体的に申しますと、独航船というような形で従来よく出ておったのですが、特に東北、北陸、東北方面の機船底びきの整理というような関係で、整理によって北洋の方に独航船の形でずいぶん出ておったように考えます。従来と比較しまして、この条約が締結される場合には、そういうように沿岸漁民の対策として、一歩でも前進するのか、あるいはその点は従来よりも非常に不利になるのかどうか、その点を一つお伺いいたしたいと思います。
 それから漁種にはいろいろ制限が多分加えられると思いますが、特にサケ、マスは別でございますが、カニの問題について多分あるんじゃないかと思いますが、もしあるとすれば、これは日本海方面にカニが相当ありますが、これもやはり条約によって制限を受けるのかどうか、そういう点をお伺いしてみたいと思います。
#102
○政府委員(岡井正男君) この条約発効実施後において資本企業の方が得をするのではないかというお説には、いささか意見があるわけでありまして、日本対ソ連の総体的な関係でございますので、独航船関係者におきましても、利益な受ける場合には同様の利益を受けるわけであります。とりわけ四十八度以南の陸地を基地とする、小漁船とソ連側は表現しておりますし、日本も同調をいたしておりますが、小漁船等につきましての規制等につきましては、母船経営の独航船よりもゆるやかにいたようにいたしております。また今後も折衝を重ねてその精神は貫きたいと、かように考えております。
 なおそれ以外の小漁船の出漁につきましては、条約がない場合も仲よく手をつないでいった両国間の間におきましては、いわゆる形に現われないいろいろな点におきまして、やはり小漁業者が決して不利になるとは思いません。また今後色丹、歯舞等が日本へ帰属がはっきりするという場合には、そういう所を中心とする小漁業者が受ける利益は相当大であろうと、かように考えまして、小漁業者もこの協定の実施が一日もすみやかに行われるようにという希望的な意見が、相当われわれの方へも参っておるわけであります。
 なお、カニにつきましては双方話し合って、向うの方の従来の主張からいいますと、いささか混獲の点についてはお話がありますが、お尋ねの日本海区は地理的にははずれておりますので、その点は心配は要らないと思います。
#103
○重政庸徳君 本年度も日ソの漁業条約の仮調印で漁業をいたしたのでありますが、ソ連の領海内において漁獲を自粛したというような何か傾向なり、その状況はどういうようになっておりますか。
#104
○説明員(木田繁君) その点につきましては、ただいままで何らこれについての情報を得ておりません。
#105
○重政庸徳君 それで、これがソ連の領海内だから、こっちがとやかく言う権利はないということになるのだが、そういうことになると、それはもうどうでもいいということになると、公海における漁獲の規制は、僕は領海内の非常に漁獲がふえるんじゃないか。それで悪く考えると、そうすると、領海内においてできるだけ漁獲を多くとるということになると、ソ連は魚族保存の目的で言い出してこういう協定を結んでも、ちっとも、どう言うていいのですか、負担をせぬということになるので、この点は少くとも大きな関心を持ってやっていただかねば、そういうこともわからず、向うは、悪くいえば、とりほうだいになるようであったら、実に妙なことになるのじゃないかと思います。
#106
○政府委員(岡井正男君) いや、御懸念ごもっともでございますが、その点ば全権の方においても十分心配いたしまして、たとえば年々の漁獲量を決定する場合に、委員会等におきましては、ソ連の陸上における漁獲量がどの程度かということを見合いにいたしまして、日本の公海における制約尾数を決定いたすわけでございまして、ソ連がかりに本年よりも来年は非常に多くとるというような場合には、次年度において日本側が多くとるというように、必ず向うの漁獲量とこちらとを天びんにかけるような仕組みにいたしております。なおかつ、向うの方におきましても、あるいは同様な逆に疑問を持って、日本の方が、せっかく自分の方が保存措置をしているのにかかわらず、沖合で日本のやろうがうまいことしてどんどんとって、陸の方に来んようになりはしないか、逆に向うも心配しておるのでございまして、その点で双方その道に詳しい学者あるいは技術者を双方に交換派遣をして、実態を見せ合いっこしようじゃないかという話になっておりますので、その御懸念はまずあるまいか、かように考えております。
#107
○重政庸徳君 そうすると、何ですね、今年度のソ連の領海、陸上における漁獲高がまだわからんということは、ちょっとおかしいことになるので、その点一つと、それからなお、ソ連のことだから、わかるかわからんか知らんが、過去におけるソ連の領海並びに陸上における漁獲高というものが数字に出ているのですか、あるいは日本は大体どのくらいということを押えているのかどうか。
#108
○政府委員(岡井正男君) 私で答え漏れの場合は、主務課長から答弁させます。
 大体におきまして、ソ連は今年の委員会に、いわゆる確実な資料を持って会合に参ずるものと思われます。またそうでなければ、委員会においても広く要求いたしまして、向うの方の的確な資料を私の方は検討するつもりであります。
#109
○重政庸徳君 そうすると、今年度の仮調印というものは、あまり急を要したために、そういうことはちょっとも考慮なしに、とにかく調印したということになるのだが、こう了解していいのですか。
#110
○政府委員(岡井正男君) たしか暫定協定の本年操業した場合におきましては、向うへ行きまして、われわれの方から要求いたしまして、極東における、特に関係区域内におけるソ連の漁携計画というものの提示を求めまして、それをこちらの方がつぶさに検討を加えて、われわれの方として、まあ、ああいうふうな妥協の線になった、かように考えております。
#111
○重政庸徳君 そういうことになると、今年度ソ連の勢力範囲においてどのくらいとったということがわからん御答弁は、おかしいことになるのじゃないですか。
#112
○説明員(木田繁君) 私から申し上げました点では、先ほどの御質問、今年の漁携について計画を知っているかということでございます。その点については、ただいままだ入手していない、こういう御答弁を申し上げたかと思います。
 で、御承知の通り、ソ連におきましては、日本と違いまして、漁獲の時期が大体十一月から十二月にかけて最後になるというようなことになりまするので、ソ連側といたしましては、現在なおこの総体の漁獲量ということについては集計中であろうと考えられるのであります。日本側といたしましては、公海におきまして日本がとっておるこれにつきましては、現在資料をまとめつつあるのでございます。
#113
○重政庸徳君 そうすると、まあ結果はわからんにしろ、仮調印する当時においてどのくらい、向うは陸上で捕獲する数字がどのくらいだ、それが過去における実績とどうということは、おわかりになっておるのじゃないですか。
#114
○説明員(木田繁君) その点につきましては、もちろん当時におきまして、委員会にソ連との話し合いの最中に、ソ連にそういう資料は求めております。その内容につきまして申し上げますと、一九四九年から一九五五年までの資料というものを提出させておるわけであります。それを見ますと、毎年の漁獲高といいますかは、相当上り下りがございます。昨年の漁獲高は一億五千九百三十八万二千尾程度になるというふうに考えられます。
#115
○清澤俊英君 それは日本でしょうか。
#116
○説明員(木田繁君) ソ連側でございます。
#117
○青山正一君 ちょっと、水産庁長官にお伺いしたいのですが、ソ連で陸上でとるという漁、これは水産庁長官はそういう点まで十分に御検討願っておると思いますが、産卵のためにいわゆる川に上る魚を実際はとっておるのじゃないかどうか。その点が日本人として非常に疑問になっておるわけです。つまり広い海でとる、いわゆる公海の漁業についてですね、とるのが資源保護か、それから産卵のために川に上っていく魚をとるのが資源の保護か、そういう点、ソビエトあたりと十分折衝しておられるだろうと思いますが、そういう点を御研究になっておりますかどうですか、その点をお伺いしたいと思います。
#118
○政府委員(岡井正男君) 索餌回遊中にとる方が、資源の保護の関係からいえば、若干薄いのじゃないかという感じはわれわれもかねてから持っておるのであります。せっかく沖合で産卵を用意して川に上ってきた魚をとる方が、資源保護上は若干はマイナスではあるまいかという、抽象的な考え方はずっと持っておるわけです。しかし、それをさて計数的に、それではどういうふうに表わすかということし歌では、学者の方でもまだまとまっておりません。
#119
○田中啓一君 私は非常にしろうと論で雑駁でありますが、しかし、この条約の根本について非常に疑義を持っておる。というのは、公海でありますから、日本が自由に漁業ができる所へ、ロシヤがいきなり、ここの中では魚をとってはいかん、これはまあ領海説何海里を主張したところで、とても及ばんようなところにすじを引いて、そうして禁止をやる。それで日本が理不尽じゃないかというと、いや、お前の国とは戦争状態だから、戦時法規が適用されるので、おれの方は幾らでも禁止できる。やってくれば、つかまえてぶち込む。殺してしまう。戦時だから当然だろう、こういう主張をしておる。仕方がないから、背に腹はかえられんから、農林大臣が行って、哀訴嘆願をして、そうしてまあ暫定的な条約を結んだ。それがまあ平和条約と一緒に効力を発するのだ。で、どうすればいいんだというふうなことを議会で今相談している。考えてみると、平和条約ができれば、いわば国交を回復すれば、ロシヤとの間が戦時状態でないことば明瞭である。そうするとなると、こっちが公海自由の原則に復帰して、もうやめろ、禁止など、というのがまず第一じゃないか。
 それから魚族保護の問題などのこれこれ、それはまあお互い魚というものは、もとを絶やさんようにとっていくのがいいのだから、何らか相互に得になるような条約を結ぼうかというような話になるべきで、いきなりこの保護法を発効するというのは、何かどうも、どうしても私には筋が通らんような気がするのですが、そういうことはございませんか。条約局次長にお伺いしたい。
#120
○説明員(高橋通敏君) われわれの主張といたしましては、いかなる国も、自国の領海の範囲以上に広げまして、漁業の規制措置を一方的に強行するということは、明らかに公海の自由に反しますし、国際法に違反する問題であると考えております。ただ一方、魚族保護という、ほんとうに科学的な基礎資料に基きまして、魚族保護という見地で規制する以上は、これはそういう魚族の保護発展のために必要であろうと考えておりますが、ただ、この規制措置も、いずれか一方の国が一方的にやるべきではなく、国際協定、合意の上で、自由かつ平等な基礎の上で、両方が合意をしてやるべきであるというふうな考えをいたしているわけであります。
#121
○東隆君 私は今、田中さんの御質問で非常に疑問を持つのは、北洋漁業の問題、特にソ連が制限を加え出したのは、私はやはりアメリカの南西太平洋の方の実験、あれを契機にして、日本が実験の中止方を申し入れ、それに対して、やるんだとこういう回答をしたときに、ソ連が北洋漁業の制限を加えた。それからその答えに従って、そいつがなお具体的な形でぶつかってきた。アメリカが公海の自由をたてにとって実験をやり出すと、直ちにソ連がああいうことをおやりになってきた。その犠牲になっているのは、日本が犠牲た。こういう形が出ていると思う。
 それで、あすこのところに根本的な問題があるのであって、私はこの問題を解決するのに、河野さんにしても、鳩山さんにしても、帰るときに必ずアメリカに寄って、それはごきげんとりか何か知りませんが、やってきている。そんなような関係が、私はどうも関連をしているのじゃないかと思う。この点はどうなんですか。北洋漁業、ことに太平洋のこの条約をきめる場合に、アメリカに非常に気がねをしている点があるのじゃないんですか。なおかつ……。アメリカにもう少し強力にぶつかることによって、もっといい解決の方法ができたのじゃないですか。そういう点はどうですか。
#122
○政府委員(岡井正男君) たしか、漁業暫定協定を受けて、帰りに河野大臣がアメリカへ寄って話をしたという点は、むしろそういうことではなく、日本の北洋への出漁計画船が西カムチャッカ方面とオホーツク方面と、いわゆる日米加条約の関係地区とのふり合いの船数が、画定協定に基きまして、オホーツク方面の母船の若干を日米加協定の区域に近い方へ回す、今まで日本がかつて行政措置で許していなかったところをプラスして、新しいいわゆる日米加協定の区域に近いところへそれをプラスして移送するという点につきまして、いわゆる外交上の仁義といたしまして、従来あの線に近い方へは日本は許していなかったが、今年は暫定的に移送をプラスして許しましたということを、一方的にあいさつ程度にお話をしてお偏りになったと、記憶いたします。
#123
○東隆君 今の問題、私はやはり南方の方の実験ですね、それとソ連の難くせをつけてきたこの関係ですね。これはどうなんです。私は非常に関係があると思うのですが、率直にお考えになっているところをお聞きしたいのですが、速記を別にしてお聞きしたいのですが、いかがですか。
  〔「それは政治問題だから、事務当局の答弁じゃ無理ですよ」と呼ぶ者あり〕
#124
○清澤俊英君 資料として、何かいろいろ領海の問題を書かれている区域がわからないんだ。それで、できたら、簡略でもいいし、詳細でもいいが、図面を一つちょうだいしたいと思うのです。ということは、ここにも条約適用水域内と書いてある。適用水域内と領海との関係において、われわれは了解をするのに困るのですが、領海とこれは関係があるとかないとかということになりますと、まことに困りますので、最も明快な、色かなんか塗った何を一つちょうだいできないか。お諮りをお願いしたいと思います。
#125
○委員長(堀末治君) できますそうです。
#126
○秋山俊一郎君 私も一つ資料をお願いしたいのですが、これはもうこの会議ではやりませんか。
#127
○委員長(堀末治君) まだ今日はやります。
#128
○秋山俊一郎君 そうすれば、資料をお願いしたいのは、戦前から日本はあの方面で相当に漁業をやっておりましたが、いわゆる公海における漁業、日本がやっておった漁業ですね、漁業による漁獲局、それから日本がカムチャッカ方面でロシアの漁場を借りてやっておった。ああいったときにとった日本の鮭鱒の漁獲量というものがわかれば、できるだけ、まあずっと何十年もさかのぼらなくてもいいが、戦前の分から戦後にかけての日本内地でとっておった量、そういうものの数字を表にしていだたきたいと思います。もしわかれば、ソ連の分もほしいのですが、わからなければやむを得ませんが、そういうものを年次別に、一つできるだけ数字を整えて、いただきたい。
#129
○千田正君 歳出進行について。この漁業問題については、また連合審査においてなお外務大臣、あるいは総理大臣、農林大臣にお尋ねしたいと思いますから、今日はどうなんですか。
#130
○委員長(堀末治君) 午前はこの程度でやめたいと思っております。
#131
○千田正君 それでは、そういうことにお諮り願いたいと思います。
#132
○委員長(堀末治君) それでは、今御発言のございました連合審査の件についてお諮りいたします。本院規則第三十六条に基いて、ただいま御説明を願いました日本国とソビエト社会主義共和国連邦との共同宣言の批准について承認を求めるの件外三件について、外務委員会と連合審査会を開会することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#133
○委員長(堀末治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたし、ただいまの決議に基いて委員長は外務委員会に申し入れることといたします。
 午前中は、これで終ります。
   午後零時五十六分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時二十九分開会
#134
○委員長(堀末治君) それでは、午前に引き続き委員会を再開いたします。
 冷害等災害対策の件、並びに議題に追加いたしまして、昭和三十一年度の食糧管理特別会計の借入金等の特別法案の件を、一括して議題にいたします。これらの件につきましては、去る十一月二十日の委員会で一度問題となったのでありますが、さらに東委員、清澤委員、安部委員その他から発言が求められておりますので、この際議題として御質疑を願うことといたします。
 それから本件について、府政から出席は、ただいま農林大臣官房長の永野君、農林省農林経済局農政課長の保坂君、同じく金融課長の和田君、大蔵省主計局主計官大村君、それから同じく法規課長が参っております。どうぞ御質疑をお願いいたします。
#135
○北村暢君 北海道冷害地緊急救急救農対策の中で、資料の四という中に、「土地改良その他生産基盤の整備、畑作及び酪農の振興、水稲作の安定、これに伴う試験研究機関の整備拡充等、寒冷地農業安定のための恒久対策を別途講ずるものとする。」ここにこういうふうにうたってあって、今度の冷害に対する緊急の措置は、行政措置でできるものについては、ほとんどこれを実施すると、こういうような報告があったわけでございますが、この中で私は、特に開拓営農の関係で、戦後の開拓農業が、政府の施策というものが非常に不徹底であり、しかもその保護政策というものが非常に徹底しなかったために、今度の冷害によって特にひどい被害を受けているのは、この開拓関係にあるところが特にひどい被害を受けている、こういうふうに思われるのです。それに対しては、普通の救援対策ではとうていこの今日の冷害に対して立ち上ることはほとんど不可能なような状況にあると思うのであります。それで、これに対して恒久対策があるということを言っておるんだが、一体その恒久対策というものは、どんな内容のもので、いっことを実施する意思があるのか、その点について見解を承わりたいと思います。
#136
○政府委員(永野正二君) 営農の基礎が固まっておりません開拓者に対しまして、冷害その他の災害が特に非常な影響を及ぼすことは、ただいま北村委員の御指摘の通りでございます。本年の冷害の実情を見ましても、北海道あるいはその他内地の一部におきましても、高冷地に入植をいたしました開拓者の入植地帯が、非常な激甚な災害をこうむっておる。またその開拓者自体が、従来の開拓あるいは営農入植のために相当額の負債を負うておりまして、この両方の重圧から、非常な苦況に立っておられまする実情にある場合が多いのでございます。これにつきましては、従来といえども、開拓者の営農資金等につきましては、特に普通の資金よりも長期な、また低利な資金を融通するように努めて参っておるのでございますが、今回の冷害を契機といたしまして、今後これらの開拓者が入植地の営農を継続していきますためには、相当抜本的な対策を講ずる必要があるという点は、私どもも痛感をいたしておるのでございます。従来不振開拓地区の対策が必要であるということがよく言われておりますが、農林省といたしましては、具体的に、各入植地の営農形態というものがいかがあったらよろしいかという見地から、不振開拓地の対策を具対的に立てることで調査を進めて参っておるのでございます。北海道等におきましても、各入植地それぞれの立地条件その他を十分に調査をいたしまして、不振入植地がどういう対策を講ずれば開拓地として成功していくかという具体的な対策を、地区別に立てることになっておるわけでございます。
 農林省といたしましては、そういう不振開拓地区の対策の確立と並行いたしまして、たとえば土地改良の事業でございますとか、あるいは営農形態の検討でございますとか、具体的な施策を地区ごとに講じて参りたいというふうに、ただいま計画を立ててやっておるわけでございます。非常に困難な事業でございまして、どうしても、営農形態の再検討をしても、ここでは入植が不可能だというような場合も、極端な場合にはあり得るかと思います。そういう場合には入植地の再選定というような問題も起るかと思うのでございまして、非常に困難な問題でございまするが、至急具体的に計画を立て、それに伴って施策を講じて参りたい、こう考えておるわけでございます。
#137
○北村暢君 開拓営農振興臨時措置法といったようなものを立案中ということを伺っているんですが、今説明のあったのは、そういう趣旨のものと考えて差しつかえないですか。
#138
○政府委員(永野正二君) ただいま申し上げましたような内容で具体的に施策を進めたいと実は考えておるのでございまするが、その関係でもし立法措置をすることが適当であるということになれば、当然これの立案をいたさなければならんと思いまして、目下原局でその点を検討中の段階でございます。
#139
○北村暢君 それは来年度の予算とも関連して、年度内にその考え方を立法化するとかなんとかの適当の処置を講ずるという意思があるのかどうか、この点。時期の問題ですね。検討中とおっしゃられるけれども、これはもう開拓農民は非常に苦しんでいる実態からして、早急にこれを実施しなければならないと考えるんだが、年度内にその立案の見通しがあるのかないのか。検討中ということは、どういう時期的な問題として考えておられるかをお尋ねしたい。
#140
○政府委員(永野正二君) 先ほどお答え申し上げましたように、不振開拓地区の根本的な対策として、来年度予算にも、そういう調査計画を立てるための費用なり、あるいはこれの振興対策としての長期低利の資金の供給なりということについては、予算上の要求をいたしておるのでございますが、なお立法措置を必要とするかどうかという点について、ただいま検討をいたしておるのでございまして、もし必要とするということであれば、本年の通常国会に提案をいたすようにできるだけ準備を進めることが適当ではないか、こう思っております。
#141
○安部キミ子君 山口県は今度の九、十二号台風で、冷害にもひっかかっているし、塩害にもひっかかっており、水害にもひっかかっているわけなんですが、その中で一番大きな被害の塩害について、水稲とそれから蔬菜の面で、約二十一億円の被害を受けているわけなんです。その塩害の措置についての政府の金融と、それから補助の政策については、北海道の冷害に準じてやってもらえばいいと思いますが、ただ、ここで柑橘類ですね、大高郡等における柑橘類の対策でございますけれども、柑橘は、ことし一年だけ肥料を多くやったとか、あるいは対策をしただけでは、来年には実らないのです。少くとも四年、五年ぐらいの期間で、ごとしの災害に対する対策を立てなければ、りっぱな収穫は得られないというわけで、被害もそういう年数をかけた意味での被害をと申しますと、相当な数に上っておる。被害面積は三割以上で、被害の面積は四百町歩以上に上っておる状態でありまして、これに対して千五百万円ぐらいの冷害になっておるのでございますが、政府の方ではどれくらいの補助を出すお見積りでございますかどうか、その点ちょっと聞きたいと思います。
#142
○政府委員(永野正二君) 御指摘がございましたように、水稲等につきましては農業共済の制度がございまして、こういう災害に対する一応の救済措置というものが法的に制度ができ上っておるわけでございまするが、柑橘でありますとか、その他の果樹につきましては、同様な制度がないわけでございます。ただ、われわれといたしましては、この果樹の経営が非常に経営上大きなウエートを占める場合に、これの被害が農業経営に非常に大きな、激甚な影響がいくという場合には、当然これに伴う対策を考えなければならないと思うのでございます。私どもといたしましては、これらの農家に対しましては、今後の営農に必要な営農資金を低利で融資をする道を考えたい、こう考えておるわけでございます。
 なお、そのほか非常に御要望が強い点は、果樹の災害、被害に対しまして、今後の樹勢を回復させるための肥料でございますとか、あるいは今後の病害を予防いたしますための薬剤の関係で、補助をしろという御要望が非常に強いのでございます。これらにつきましては、実ば農林省、大蔵省の間では非常に従来交渉して難航をいたしておる点でございまするが、私どもといたしましては、一定限度以上の被害地に対しましては、御要望のような肥料及び薬剤の補助をいたしたいという考え方で、目下大蔵省へは予算を要求をいたしておりますけれども、まだこれか話し合いがついておらない状態でございます。
#143
○安部キミ子君 その要求額を何ぼ出しておられますでしょうか。
#144
○政府委員(永野正二君) 台風九号、十二号の被害の対策としての予備費要求の中で、果樹につきまして、肥料の補助金といたしまして五言九十七万円、薬剤の補助金といたしまして七百六十九万円を一応計上いたしております。
#145
○安部キミ子君 防風林ということを政府はお考えになっておられませんでしょうか。
#146
○政府委員(永野正二君) 台風の対策といたしまして、防風林を備えておきますことが非常に有効なことは、台風のしばしば襲来いたします地帯におきましてはすでにその備えがあることでもわかりますように、非常に有効なことでございます。これらにつきましては、端末の各県の指導等とも相待ちまして、できるだけの奨励措置を考えていきたい、こう考えております。
#147
○安部キミ子君 今、果樹の方では五百九十七万円と、薬剤の方では七百六十九万円というふうなお答えでございましたが、この要求に対して大蔵省はどの程度、何ぼくらい出される話までいっておりますか。
#148
○政府委員(永野正二君) まだ話がついておりません。
#149
○安部キミ子君 全然ついておりませんか。
#150
○政府委員(永野正二君) ええ。
#151
○安部キミ子君 それじゃ、見込みがないということになるのですね。
#152
○委員長(堀末治君) 大蔵省が来ているから、お聞きになれば……。
#153
○清澤俊英君 官房の中に対策委員会なるものが別に……。
#154
○政府委員(永野正二君) 私、経済局長が参りますまでに、大体存じておる限りを申し上げたわけです。
#155
○安部キミ子君 それじゃ、大蔵省に伺います。お答えいただきたい。
#156
○説明員(大村筆雄君) お答え申し上げます。実は農薬につきましては、従来農薬の使用を奨励する意味もございまして、災害等の場合におきまして相当補助して参ったのでございますけれども、これは主として水稲――果樹あたりは従来からも農薬を使用するのは相当普及しておりましたけれども、水稲に対しましては終戦後、主として二十五、六年以来、費薬の使用を促進普及するために、相半補助して参ってきております。主として災害の場合でございますけれども、今日水稲栽培に当りまして、農薬の使用は、相当これは、肥料と同じように、広範に普及されるようになっておりまして、そういう見地から、もう災害の場合も農家経営に対する損失補てんという性格を持ってきておりますので、災害対策といたしましては、先般の中小企業その他の災害対策もかね合いまして、私経営に対する損失補償までは今のところ災害対策とは考えるわけには参りませんので、一般に農薬、肥料等につきましては特に補助するというのは、ほかの中小企業に対する災害対策のバランス上そこまでは考えていないのじゃないかというので、今のところはお断りさしております。
#157
○安部キミ子君 今、農薬で、主として水稲を対象にしてお答えになっているのですけれども、今秋のお尋ねしているのは、柑橘のそういう五年もかかってやっと回復するというような、長い間の補助に対して、この際何とか政府の方で考えていただかないと、だめになってしまうのですよね。御承知のように、虫はつくわ、それから塩害がひどいのはもう葉がみな落ちてしまいまして、全く今度新しく芽が出ても、花は咲きません。その気力といいますか、その気力が回復するには、どうしても五年はかかると、これはまあ専門家もおいでになるでしょうから、おわかりになると思うのですが、そういうものに対しては、恒久的なある程度の対策がなければだめだということなんですよ。
 それであなたの方は今、大蔵省のあれですね。実は塩害に対して、先ほどから鉄道管理局の方に来てもらうように申してあるのですが、その方がおいでになりましたら、またあらためて質問いたしますけれども、塩害で被害が大きくなったということは、鉄道が、山口県は毎年のように常襲地帯でございまして、災害があるわけですが、その本年度の塩害がひどかった原因は一体何によるかというので、農民大会がしばしば開かれまして、考究されたわけです。その結論として、富海とか――そういう所は御存じかどうか知りませんけれども、大体知っておいででしょうけれども、官海とか三田尻、下松、それから徳山、ずっと瀬戸内海の鉄道線路というものは海のそばにあるわけです。毎年もう被害になりますので、建設省でも鉄道省でも、その波を防ぐ高い防波堤を作られたわけなんです。ところが、今度は災害が、以前はそんなに高くなかった防波堤がうんと高くなったものですから、そこに強い波風が当ったとき、その飛沫が、高さに応じて、そこまで飛沫を導いていくというわけなんですね。でありますから、一里も奥の山がその塩害のために、ことに今年は塩害のあと雨が降らなかった、ですから、そのまま塩になって樹木にかかって、稲なんかソバのような色になって、殻だけになった。それから松とか杉とか、相当喰い木でも、みな枯れてしまって赤くなっておる。それの一番早い例がこの柑橘なんですが、大島郡のあの一帯は、そういう関係でみな葉が落ちてしまって、みな枯れたようなわけになっておるのですよ。そういうこともありますので、この対策はおそらく運輸局の方でも、私がこういうように申しましたら、富海とか沿岸の鉄道に対して、いろいろ専門的に、何といいますか、塩をよけるために捨石を二段も三段も海の中に捨て、そうして波の勢いを弱めるという、それは専門的な技術的なことがあるらしいのですが、そういうことをしなければ、これは毎年大なり小なり、形こそ違ってきても、被害をこうむるというわけでして、どうしても大蔵省の方でそういう予算を組んで、まあ一ぺんでできなければ年次計画でもして、順次やってもらわなければ困るというふうな実情なんですが、そういうことに対して、今あなたのお話だと、こうした現状を見て見ぬふりでもありますまいけれども、実際には何ら措置もとられていない、それからそういうことも実際には考えていないというような御答弁のように伺えますけれども、そういうことでは困るのです。そこで大蔵省の意向をお尋ねしたいと思っています。林野の方からこういう要求が出ておりますかどうか、それも重ねてお答え願います。
#158
○説明員(大村筆雄君) お答え申し上げます。要求はたしか、柑橘でございますと、林野でございませんで振興局になると思いますが、ただいま官房長の御説明がございましたように、(清澤俊英君「いや、二つだ。柑橘は振興局かもしれないが、松や杉なんかみなあるわけですから」と述ぶ)林野からは要求は出ていなかったかと思いますが、たしか果樹類は振興局に出ておると思います。それで被害を受けた方はお気の毒かと思いますけれども、同じように、やはり中小企業なんかでも、水びたしとかあるいは火事でやられたという場合には、経営費の損失補償のために別に補助も何もやっていない。融資でめんどうを見ておるわけです。特に農林業者の場合は、国民金融公庫とか、中小公庫等より安い利子で、それからそれより若干長期の利子補給をいたしまして、それで災害を受けたあとにおけるそういう経営費の必要経費につきましては、資金のめんどうを見てやることにしております。たしかそのワクが全体で六億程度見る、さようにいたしております。農薬あるいは肥料につきましては、これは経営費の一反当りにおきましてごくわずかな金でございます。従いまして、かたがた従来からもそういう零細の補助金につきましては、県債等の手段もございますし、むしろ他の災害対策、中小企業災害対策との均衡もございますので、せめてそういう点は低利の資金でもって利子補給の措置でやって参りたい、かようは考えております。
#159
○安部キミ子君 融資のことは大へんありがたいのですけれども、農家にとってはまたその金を、少々利子が安くとも、返さなければならない負担があるわけです。そこでそれじゃ当歴はしのげるでしょうけれども、あとへ尾を引いてしまって、いつまでたっても片しみをますます深めるという結果になる。そういう意味で、そうした被害の甚大な所では、これは今度の水稲や蔬菜全部含めての災害の額は、山口県では二十五億七千万円に上っているのです。これはおそらくあなたの方にも出ているかと思いますけれども、これだけの災害というものを農民がしょって立つということは、できないのですよ。ですから、どうしても補助というふうなものをしてもらわなければならない。根本的なものの考え方を、融資でごまかすという意味でもありますまいけれども、融資やそこらでは、これだけのものは立ち上がれないものなんです。これだけの大きな被害に融資だけでは、あとへ尾を引きます。融資だけでは、あとで金を返さなければならん。農民がそんなに一攫千金というような夢はありっこないんですから、いつまでもそれだけの借金をしょって、孫子の末まであとを引いて、それを背負っていくということは、堪えられないことじゃないかと思います。ですから、これを救うにはどういう形で救うかということですね。農林省でも考えていただきますでしょうから、あなたの方で、こういうことは、農民を救うという根本的なものの考え方で、融資という形でなしに、補助という形で早く救うてもらわなければ困るというのが、農民の声なんです。柑橘だけでもこういうふうに申しましたが、災害のことについては今、あと全部を入れて、二十五億円も山口県はあるのです。農災だけで。ここにデータの出ているのは農災だけなんですから。これに対して何ほか補助というものを組んでいただいて、そのあとで融資をその残りの分にしていただいて、何とか立ち上れるわけです。そういうことなんでございますからね、ぜひそういう私どもの意向を聞いてもらえるかどうかという、その一点だけをきょうお伺いしたいと思います。
#160
○説明員(大村筆雄君) お気持は実際よくわかるのでございますけれでも、先ほど申し上げました通り、何分にもそれは、補助と申しましても、先ほど官応長御説明されましたように、農林省から要求なさっておりますのが、農薬で五、六百万円、肥料を合せまして千万円そこらでございます。これももちろん山口県ばかりではなくて、全国の災害地を対象としての話でございますから、ほんとうに農家二月当りにしますと、ほんの小さな金でございます。しかも、そういう補助金としての資金的な効果というのは、ほんとうにこれはわずかなものでございますし、しかも、ほかの中小企業とのバランスなどもございまして、むしろ国の資金でそういう金の利子補給をするとしましても、やはり相当な金が要るわけでございます。そちらの方でできるだけ手厚いようにめんどうを見て差し上げる方かいいのじゃないかというので、われわれ補助というのは一応ごかんべん願いたいと思います。
#161
○清澤俊英君 今の関連質問ですがね、安部さんの説明を聞いていると、振興局長がおられれば一番いいと思うけれども、官房長でもいいが、これは鉄道が工作物を作ったためにできたものなら、水稲の損害賠償が要るのじゃないかと思う。普通にいう災害じゃないたろう。工作物によってそこにしぶきが出て、それが噴霧となってかかって災害を起したならば、その工作物が原因となるのだから、これは運輸省がどういう見解を持つかということ。私は当然損害賠償が成立するのだと思うが、官房長は、どうだ。
#162
○政府委員(永野正二君) もう少し検討いたしませんと、ちょっとただいま即座にどうであるというようなことは、お答えできかねると思います。
#163
○清澤俊英君 今聞いた範囲でということなんです。結果はもちろんですが、聞いた範囲ならば、そういうふうに解釈はできるかどうか、こう伺っているのです。
#164
○政府委員(永野正二君) 今お伺いいたしました範囲で、もう少し考えてみないと、どうという……。
#165
○清澤俊英君 どうも、官房長と議論しても始まらないが、これは重大問題だと思うね。ただいま、あとの対策等は十分各関係者で考えていただくが、こういう問題は始終これからも起きて参りますよ。他の何というか、その管轄違いの省の責任において被害をこおむるなんということは、これは始終あるわけなんだ。
 ことに、それを強く主張したいことは、これは水産問題で内水面並びに沿岸漁業等を審議していく際に、商工関係などと非常に重要なギャップが出ると思うのです。そっちの方は無制限に汚毒を流して、これは農民の関係も出て参りますが、そういうようなことで沿岸漁民が現に六十万も首つりしているというようなデータが出ている。そうすると、これは重要問題だと思うのだが、こういう管轄違いの点については……。だから、そういうことを今お伺いしたのですが、御研究は官房で責任を持ってやっていただけますか。
#166
○政府委員(永野正二君) 検討いたします。
#167
○清澤俊英君 なるべく早い機会に一つ、結論を出していただきたい。
#168
○安部キミ子君 清潔先化から御援助、御後援をいただきまして、ありがとうございます。実は八十くらいのおじいさんの話によりますと、今まで私が小さいときから、生まれ落ちるときから百姓をして生きてきたその人の話では、今まで防波堤があんなに高くないときには、ひどいあらしや何かがあっても、ほとんど近くで済んだというのですよ。せめて一山越すまでは、その間でみんな被害が済んだというのですよ。ところが、鉄道省が高くされたばっかりに、遠くまで飛んだと。こういうことは物理的に研究されたらすぐわかると思うのですよ。官房長はよく研究しなければ答えが出ないとおっしゃいますが、こういうことは、実物を見なくても、現地を見なくても、物理でいってもよくわかることだと思うのですよ。だから、この問題を研究資料として私の方で提起をしますから、至急にこの問題について適当な措置をなさるようにお願いしたいと思います。
#169
○政府委員(永野正二君) ただいま損害賠償の責任が国鉄側にあるかどうかという問題でございますので、十分研究をいたしました上で発表いたしたいと思います。
#170
○安部キミ子君 そういうふうな実情でありますから、今度の供米についての予約も破綻にしなければならんということになるのですが、そこで米を審査するときに、等外米というのがほとんど出る。まあ、まともな米はできていないという実情なんです。等外米の売込数量を、政府の方では規格を従来のような形でとっておいでになると思うのですが、この見込みは、普通のように、従来のような検査をなさいますと、非常にからくなりますから、実際よくできていないのだから。ですから、等外米がたくたんできるから、その米に対しての政府の補助をぜひ要望したいと、こういうことをお願いしておるのでございますけれども、政府の方ではどういう考えでいらっしゃいますか。
#171
○政府委員(永野正二君) 米の検査等級の問題は、米の品質を改善して農家の収入をよくしていくために必要な制度でございます。この検査等級は、相当技術的に客観的にきめられておるわけでございます。ただいま御指摘のように、災害で米作に支障がございまして、相当等級が落ちるというような事実があると思うのでございまするが、私どもといたしましては、検査の等級をそれに応じて動かしていくというような考え方でなしに、等級の検査はやはり一定の客観的な基準というもので律していくことが適当ではないかと思うのでございますが、これによりまして農家の収入が減ります分につきましては、共済の場合の判定なり、あるいはその他の災害対策なり、あるいはまた政府が米を買い上げます際の災害米の取扱いなり等で、できるだけの対策をしていくことが適当ではないか、こういうふうに考えておる次第であります。
#172
○安部キミ子君 あとの災害の対策につきましては、北海道の例に準じて山口県のことを考えていただいてけっこうでありますので、一応私の質問はこれで打ち切りたいと思います。
 国鉄の方が……。
#173
○委員長(堀末治君) 国鉄の方が見えましたから、さっきの御質問をもう一ぺん、お二人繰り返していただいてけっこうです。国鉄の施設局の土木課長の荷坂さんです。
#174
○安部キミ子君 ただいま官房長にもお話ししましたが、山口県でこのたびの九号、十二号の台風で非常に農害がひどかった。その原因はいろいろございます。冷害、水害、災害もありますけれども、一番大きなウエートを持っているのは塩害だったわけです。その塩の害も、堤防を破ったとかあるいはせきを切って塩水が入ったとかいうことじゃなくて、御承知の通りに、光、富海、福川、徳山、下松、岩国からずっと、瀬戸内海沿岸の鉄道線路が海のそばにあるわけですね。毎年鉄道が被害を受けておりますので、その防波堤といいますか、波を防ぐための高いコンクリートができたわけです。今度も山口県では二十五億円の農書があったわけですが、その農書の大部分がそういった塩害だということになっております。
 各地方で農民大会をしばしば開かれまして、私も三カ所ほど参加しました。その農民の声を聞きますと、八十にも年をとった人たちは、今まで内分はここまで生きてきたけれども、こんな大きな被害はなかった。なるほど海の潮が丘に上ったという例はあるけれども、昔は鉄道線路のあの防波堤が低かったので、被害はほんとうに近くて済んだ。塩水に浸されても、それで済んだというわけです。ところが、五十メートル、四十メートルの風速で、そうして高い潮波が海から押し害せたときに、相手の防波堤が荷いものですから、それに勢いにまかせてぶつかって行って、その飛沫が一里も二里も向うの方まで飛んで行っちゃって、そうして松のようなあんな強い木でも、赤く枯れた。杉など……。というようなことでありますから、ときわ木みたいな木がそんな実情でありますから、まして水稲や菜園が被害をこうむるのは当然です。柑橘などの被害が出ているわけです。結局、農民の声は、国鉄や運輸省があんな大きなことをするからと、農民の立場でいえばそう言っている。それから災害に会った山口県の地元の人、あるいは日本国民の大きな立場から立てば、やはりあれをああしておったおかげで鉄道の災害は免れた、こういうわけなんですね。そこで今大蔵省の方にもお尋ねしたのですけれども、鉄道、運輸省が、今農林省の立場に立ちまして、その農民の立場に立って、運輸省に災害の弁償をさせることが成り立つかどうかという、今話だったわけなんですが、そういう法的な問題は、官房長は十分研究してと、こういう答弁だったのですけれども、どうでしょうか。そういうことに対して国鉄の、しかも土木課長であるあなたは、どういう見解を持っていらっしゃいますか。
#175
○説明員(高坂紫朗君) ただいまお話しの光、下松、あるいは官海、三田尻、あの辺の鉄道線路が海岸に接近しておりまして、しかもほとんど毎年のような災害を受ける場所です。ずっと在来護岸があったのでありますが、ことしも、また昨年も、被害を受けております。列車をとめておりますので、ことしから継続工事で護岸工事を始めたわけです。今お話しの波が非常に高く飛び上って、それが風のために飛ばされるということも、私もよく承知しております。しかし私の方で考えております波による被害と申しますと、やはり線路だけ考えまして、農民の方はどうでもいいということじゃありませんけれども、まず線路ということで自衛的に考えているものですから、高さの関係、それから湾曲の関係ですね、鉄道を守るためというようなことで設計しておりますのですが、今までの護岸擁壁は海の方へ向ってつらが非常に、直角といいますか、鉛直に近いのです。最近やっております護岸は、いろいろ研究しまして、波を上に上げないで前の方へはね返えそうという設計になっているわけです。こういう工合に曲っておりまして、一度来た波が返りまして、次に来る波にぶつかって、お互いにけんかをさせようという設計になっているわけです。今までありました擁壁の格好と高さより少し高くしておりますけれども、非常に波の、何といいますか、波の持つエネルギーを使いまして、そのエネルギーを使って次の波のエネルギーを消そうという設計になっております。ことしから始めました護岸擁壁の設計も、今申しましたような波の、波返しと言っておりますが、それのついておる護岸でございます。これができ上りますと、今までのように波がまっすぐ高く水柱になって上へ上がるということは、おそらく少くなるだろう、こう思っております。
 まあ私の方も、最近山陽線の電化というような問題もありまして、電化して架線した場合にしふきが来ますと、非常に電気的に困るわけなんです。農民の方と同じことになりましょうけれども、なるたけしぶきも、今まで考えておりましたのは、列車に危険を及ぼすような波のかたまりといいますか、水の量を考えておったのですが、最近はしぶきのことも非常に考えるようになりました。できるだけ電化の架線を張ったところに塩けのしぶきが来ないようにという設計をしているわけです。これでいけなければ、捨石でもやろうかということも言っているわけです。非常に予算が食いまして、今のところは擁壁を取りかえるときに、なるたけ波が上って飛ばないような波返しのついた擁壁にしようというので、今年から始めております。これができ上りますと、今までのように高く上に上げるということはずいぶん減るのじゃないかと思うのですが、なおそれで非常にまだしぶきが飛ぶようですと、ほかのことも研究しなければいかんと思いますが、今のところは捨石というようなことも考えておるだけでありますけれども、まだ予算的に何も手を打っておりませんし、来年あたりからやるということもお約束できないのですが、案としてはあると思います。
#176
○清澤俊英君 よけいなことを言うようだが、今安部さんの質問していられるのは、さつき私の言ったのは、今年のやつはどうするか、本年し、ふきが当って――今、お話を聞くと全くけっこうなことで、一日も早くやってもらいたいと思いますが、それに達しない今年、その高さを高くしたために、あなたが御承認なさる通りの状態ができ、そうして一里も先の杉、松が侵され、柑橘類その他が侵される。当然耕作物も侵される。そういうことで非常な損害を受けておるが、それは何とか考えられんか、こういうことなんです。当然考えらるべき性質のものだ、こう思われる。
#177
○説明員(高坂紫朗君) 今お話しの、私の方の護岸のために農作物に被害を受けたということですが、どの程度その原因になっておるかということなのですが、しぶきを飛ばしたのは、私の方の護岸で飛んだわけですけれども、それが私の方の責任にたりますかどうか、これは帰りましてよく相談しませんと……。
#178
○清澤俊英君 これはおかしな話ですね。あなたは今こういう状態でしぶきが飛んだ、自分自身のレールまで、鉄道施設まで災害がかくかくあったから、これから施設してそれを防ぐといっておられる。弊害のあることはもう認めておられる。その弊害がたまたま遠くに及んだ。そんなことは松の木や杉の木の枯れ方によっても想像ができると思います。もっと、同じ国の中のことでありますから、誠意のある御答弁をいただきたいと思います。大田のところに来ても、それはどうもおれの力のことではないというようなことを言わないで、農林省と立ち会ってよく調べればわかるのですから、金はどこから出ようと同じなのですから、もとにいけば、農林省の力から出ようと、あなたの方から出ようと、それは同じだと思いますが、今それを農林省に持ってきて、こういう被害があったからといって、被害全部の総額を弁償しろといっても、それを受け付けるわけがない。だから、あなたの方でそれを承認していただけば、それはしていただけることになると思います。それにこしたことはないのですから、これは善意で解決するという腹を持ってやってもらわなければ、うまくいかんだろうと思う。方々にそういうことで行き違いを生じて、何かしら責任のなすり合いをやっておることが往々ある。困るのは農民ばかりです。
#179
○説明員(高坂紫朗君) ただいまのお話は、今年あるいは昨年の災害で被害を受けたことを認めたといいますのは、実は私の方の線路に対する被害がありましたので、今そう申しましたが、農作物の被害ということにつきましては、よく農林省の力とお話いたしませんというと、どこがどうなったためにそうなったかということは、私もよく存じておりませんので、今ここで御返事するわけにはいかんと思います。
#180
○安部キミ子君 今、高坂課長さんがおっしゃいましたように、今年今新しい設計の仕方も考えておる。そのほかに捨石ということも考えておられるが、予算がないというような御答弁だったと思うのですが、実は地元の人たちも、昔は捨石がたくさんあったので、そのために被害が少かった、こういうふうに年とった人たちは経験を通して言っておられるわけであります。それでこうした専門的のことは、あなたもどうしたらいいかということを十分考えていただけると思いますが、今年今考えておるだけでは、来年また、もしそういう災害になったときに、やはり同じようなケースで被害をこうむるということになるのですが、どうしても来年度予算にこれが対策の予算を組んで、日本の鉄道線路は長いですが、一番被害の多い所は富海のあの辺だと思います。あの辺だけまっすぐに堤防が築かれてありましょう。あれをすぐに直してもらいたいと思いますが、そういう御意思はありませんか。
#181
○説明員(高坂紫朗君) 今年からかかっておりますのは、戸田、富海、三田尻は工事に着手しております。光、下松の方は、それに関連した道路工事がありますから、これの方との協議を今進めておりますが、来年は少くともかかりたいと思っております。それから戸田、富海の今年から始めましたのはもちろん来年まで継続しまして、あの辺の全線の護岸を全部取りかえたいと思っております。
#182
○安部キミ子君 大蔵省の方にお願いするのですけれども、今お話がありましたような実情でありますので、どうしてもこの被害の補償については、運輸省の方でもああいう気持でおられますから、何とか考えてもらって、予算を組んでもらいたいと思うのですが、どうですか。努力していただけますか。
#183
○説明員(大村筆雄君) 今国鉄の補償問題が出ましたのですが、多少まだ国鉄の問題がございますようでございますので、実は国鉄予算は国鉄の中でやるようになっておりまして、国鉄の予算の編成の際に問題にたるかと思いますが、国鉄の方でどういう御結論をお出しになりますか、それによって私どもの関係の主計官によく連絡をしたいと思っております。
#184
○安部キミ子君 もうちょっとはっきりしたお答えがほしいのですが。
 運輸省の方はもちろん、来年の予算でどういうふうなことをしようとなさるか、それは当りまえと思うのですよ。ところが、現実に農民がこういう大きな被害をこうむっておるわけですから、この農民を助ける救済の方法をどうしても大蔵省に依存しなければ、だれも助けてくれる人がないと思うのですよ。私どもがどんな甘い言葉を言っても、これは何にもならんことでありますので、あなたの口からはっきりそういうことに対して、大蔵省で考えよう、こういうお答えがほしいと思って、今再度ですけれども、御答弁いただきたいのです。
#185
○説明員(大村筆雄君) 実は国鉄の予算は農林省予算と違いまして、国鉄の内部で……。
#186
○安部キミ子君 それでなくて、農民のこの本年度の被害ですよ、農業災害ですよ。農業災害のこの被害について予算を考えて下さいというのですよ。
#187
○説明員(大村筆雄君) 国鉄の施設に伴う補償につきましては、先ほど申しましたように、国鉄の内部で処理される問題でありますので……。
#188
○安部キミ子君 それはいいの、だけれども、農民の方の農業災害の予算をどうして下さるかというのです。
#189
○説明員(大村筆雄君) そちらの方は、先ほども申し上げましたように、低利の利子補給の力を、天災融資法に基き、営農資金でもってできるだけのめんどうを見て差し上げたいと、かように考えます。
#190
○安部キミ子君 農林省は少し強くなって、折衝して下さい。いろいろ申したいこともありますけれども、この話はこの程度にしておきましょう。ありがとうございました。
#191
○清澤俊英君 この予約米の利子ですね、補正予算によって生ずる償還の問題ですが、これは借りかえを一応中金からして、その利子を補給してくれる、この大体政令を出すと言っておられるが、これは大蔵省が出すのですか、農林省が出すのか、食管が出すのか、どちらがその政令を出すのですか。
#192
○政府委員(永野正二君) 問題点は二つございまして、予約に対しまして概算金を払いましたが、それが米の売り渡しができないためにその概算金を返納しなければならん。その返納時期までに、今の制度でございますと、一定の金利がつくことになっておりますので、その金利の減免が災害地に対しては必要ではないかということが一つでございます。それからもう一つは、概算金が農民の力ではなかなか返すことができませんので、集荷機関等がそれの代位弁済をするということに相なると思いますので、それについての融資並びに利子補給をしなければならないのじゃないかという、問題が二つあるわけでございます。
 前者につきましては、今国会に提出をいたし失した食管会計の臨時措置に関する法律、正確な件名を申し上げますと、昭和三十一年度の食糧管理特別会計の借入限度等の特例に関する法律案、この法律案に基きまして、どの程度の被害地に対しましてどういう減免の措置をするかという政令を出すわけでございます。それから後者の方につきましては、現在のところ、特に政令を出す必要があるかどうか、あるいは実際の行政措置でもってできるのではないかと考えておりますが、被害の程度に応じまして、どういう金利の程度まで利子補給をするか、またその償還期限は何年にするかというような点につきまして、制度をきめまして、通達をして実施をしていくということに、実はこう考えております。
#193
○清澤俊英君 大体私の見方によっては、その二つは区別せられないんじゃないか、こう思う。大体においてはっきり分れていないんじゃないかと思うのですが、大体一緒になるんじゃないかと思う。そうして結局元金もとらなければ、もちろん利子も何とか下げてもらわなければならない、こういう、問題がこう二つ並んでいると思うが、二つに分けておられれば分けておられるに違いないと思うが、だから私の伺うのは、そういうものを政令を出されるのは大体どっちが出されるのですか。食管に出されるのか、あるいはこの法案が大蔵省から出ているのですから、大蔵省で出されるのか、農林省で出されるのか、どっちで出されるのか。まず、それを伺いたい。
#194
○政府委員(永野正二君) 先ほどの利子の減免措置の政令は、法律と同様に、大蔵省所管の政令でございますので、大蔵省になっております。
#195
○清澤俊英君 大蔵省にちょっとお伺いいたしますが、その政令はできましたか。できたら、それをもらった方が一番早いのですが。
#196
○説明員(中尾博之君) 政令はできましたかというお尋ねですが、実はまだできておらないのでございます。ただいま検討いたしまして……。この政令ができませんとこの法律が実施できませんので、それから法律の審議を願うにいたしましても、どういうことをやるかということにつきましての御了解がなくては、御審議ができないわけでございますので、大蔵委員にお願いいたします際にも、あらましきまったところまでは申し上げておるわけでございます。政令と申しましても、今の関係で申しますと、概算金を返納いたしますまでにつきまする利子の減免の分……。
#197
○清澤俊英君 それは案でもいいですから、もらえれば非常に都合がいいと思うが、至急明日あたりまでに出していただけますか。
#198
○説明員(中尾博之君) 実はその案文がなかなかまとまらないのですが、案文そのものはまとめる段階になればまとまるのですが、問題はその中身でございまして、あらましは確定しつつありますが、まだなお検討をいたしておりますので、それを成文化して明日までにお手元に差し上げまする段階には、まだなっておらん状態でございます。
#199
○清澤俊英君 それで、なぜそういうことを言うかといいますと、この間は、大体こんな方針で減免をやっていきたいと、基準などをお示しになったが、その中で、ちょっとあなたに言うのは無理かもしれないけれども、考えていただきたいと思うのは、結局九割以上の凶作地帯とでもいいますか、収穫皆無の場合は減免する、利子の問題だけでしょう、減免すると。それ以上のものは六分五厘、三分五厘に、三つに分けてやられる、こう言われておりますが、あなたがどうもまだ、わしら耳が遠いし、はっきりしないのだが、そういうものを大体、どれくらいのところでどうだというものをもらっておけば、もっと明確になると思うのだけれども、それでわしが考えていただきたいと思うのは、大体そういう減免をしてやるということをお考えになったことは、まことにありがたいことですが、どういうものを基本にしてそういう段階をつけられたか、そういうことであります。九割以上の凶作地帯といいますか、減収地帯に対して、これは免除する。何割以上の収穫減退地帯に対しては、どれだけの利子補給をしていくということになるのです。ですから、その基本はどういう考え方で出されたかということはですね、九割以上のものは全然利子はなせない。利子どころじゃない、元金もなせない。それ以外のものは、これくらいはなせる、こういう考え方でやられておるのかどうか。われわれの考えるところによれば、もう常襲災害地帯、ことに冷害地帯というものは、大体全国的にきまっているのです。固定しておると思ってもいいと思う。そういうところに生じましたものは、もう大ていここらで参っておる。五割以上もの減収で、参っております。それを九割と定められたところに、どうもおかしいところがあるのじゃないかと、こう思われるので、それでどういう考えを中心に九割以上ということを考えられたのか、こういうことなんです。
#200
○説明員(中尾博之君) 本件措置は、もちろん北海道だけではございません。内地もあるわけでございますが、災害というものがございまして、減収がございまして、それを契機といたしまして、当然やらなければならんことであると考えられます。これはもちろん災害の問題として考えておるわけであります。今の利子の問題は、その一環として考えられましたのでございます意味におきましては、これは災害対策と申せば申せると思いますが、しかし、それ自体が実は食糧管理特別会計におきます事業の約束によりますと、ちょうだいいたすということになった利子を、負けるという関係でございます。そこは食糧管理の関係から申しましても、食糧をお作り願っておるところの生産者方に前貸しをいたしたその結果、その利子を負担させるということに相なる。それが現在の災害の事情に照らしまして非常に苦しいということになりますと、将来の収穫、年産というものを継続していく上に非常に障害であるということであれば、これはやはり食糧管理の面からいいましても考えなければならん。こういうようないろいろな要素が入っておるわけでございます。従って、どういうことで減免をするかということの考え方と申しますれば、その二つにつきるわけでございます。
 ただ、九割がどういうことかという点でございます。これは実はいろいろ農林省との話し合いがございまして、最初は全部収穫のない力ということであったのでありますが、まあ九割以上ということは全部に近いというようなところから、やってきておるわけです。あとの六割五分、三割五分の点は、同じような前払いの概算金というものは、必ずしも融資措置はございません。実質において、経済には非常にそれに相当する措置に近いものになっておりますが、天災融資等の場合も考えまして、そういう線を引きたいという点で考えております。
#201
○清澤俊英君 これは大体食管のあれだと思うがね。食管で来ておられんようだから、経済局長、どうですか。あなたの考え方としては、あるいは官房でもよろしいが、どうも九割に対してこれだけは減免だというのはおかしいと思うのだ。もっと複雑な事情がその中に折り込まれなければならんと思う。もう通常災害地といわれるような六百メートルとか、四百メートル以上の所では、ずっと三回も、これでやられておる。実際、参っておる。三割くらいの減免で、全く参っておる。
 あなた方、新聞で御承知だと思うけれども、わしら新潟県ですが、ほんの一部落ですよ。あとでその取扱いもお伺いしますが、一部落、大体平場地帯においては、平年作あるいはそれ以上参っているかもしれません。この地帯は、もう両三年ずっと過去の冷害に、いずれも三割以上、五割、皆無というような三段階にあれを受けて、村側では、他にどこかへ行こう、全村で移民しようというので、全部出る支度をしたらしい。村一つつぶしてしまおう、これほど考えている。役場としましてなかなかこの取扱いをしない。なぜしないかといいましたら、これで営農資金でも貸したら、また役場がしょい込まなければならんだろう。それで非常にサボっている。そうして現在八十六軒の農民で八十二町歩かなんか、もっと少いのですが、耕地を持っておって、そうして他の山間地帯と違って、山が浅いので、山仕事はできない。町へは一里半から二里ありますので、中学校の生徒は寄宿舎に入っている。出かせぎもうまくいかないというような所ですから、現在借金だけ、二千万円ある。これをどうしてなすか。まあその借金を早目になして、何とかしてなして、全村八十何軒全部が外地にでも飛んでいこう、こういう計画を最近しているのですが、そういうような所は、それは九割行かなくても、なぜませんよ。実際元金だってなぜ、ないだろうと思う。いわんや、そういう所に対しては、当然、私は利子の減免の措置が講じられるべきが正当であろう。それに近寄ったものはたくさんあります。方々にあるだろうと思いますそうすると、九割ということで限ることなく、もっと細かしい条件を入れてお考えになって、作っていただくことが、実際に即した御親切な方法じゃないかと、こう思うのでありますが、それで私はこれを一応こちらで審議して、大蔵委員会との合同審査にしたいということを、皆さんの了解がついたら……それであなた方に、今考えておる原案というものがあれば、それを何とか方向を定めて、大蔵委員会に送りたい。皆さんの御賛同を得て送りたい、こういう考えがあるから、早く出していただきたい、こういうことを言うのですが、これは考えていただきたい。
 実際問題としてそういう場合、あるいはただ九割以上だから減免してやるのだ、五割以上だから三分五厘にするのだ、三割だから六分五厘にするのだ。これでは全く他の県とのにらみ合せがなくて、新潟県のごときは、大して、全体から見れば、どなたの郷里より悪いとは言われない。県全体からみれば、悪いということは言われない。だけれども、特殊地帯というものはどこの県にもあるのじゃないか。それが一番困っているのだ。こういうことについて大いにあっせんして、一つやっていただく方法を考えていただきたいと思います。あなたに今そういうことを幾ら言ったって、どうするということは言われまいと思う。
#202
○政府委員(永野正二君) 食糧庁長官から御答弁になるのでございますが、ただいまちょっとよそへ参っておりますので、私かわってお答えを申し上げたいと思いますが、先ほど大蔵省からも御答弁がございましたように、今回の利子の減免措置を適用する災害の程度、どの程度の災害の農家に対しては減免をする、どの程度の災害の農家についてはどう軽減をするという適用の仕方につきまして、まあざっくばらんに申し上げまして、今まで大蔵省と折衝いたしておるわけでございます。できるだけ農民各位の御要望に沿うような点で話し合いをつけたいと思って、食糧庁の方でも目下折衝いたしておる最中であります。できるだけ早くきめたいと思っております。
 それからもう一つの問題は、個々の農家に対して適用するわけでございますが、やはりこれは一定の地域をきめまして、その地域内におけるそういう被害を受けた農家に対しての減免措置をやるということにいたさざるを得ないと思うのであります。その地域の問題があるのでございます。その地域は、従来でございますと、市町村単位で、米の減収が何割というようなものさしの引き方でございますけれども、本年の冷害の実情が相当局限されているようなことも考え合せまして、できるだけ市町村の中の旧市町村の区域であるとか、あるいは大字の区域であるとか、小さな区域でそういう減収があった場合にも適用して参りたいと思っておりますが、この点を大蔵省と目下折衝中であります。
#203
○東隆君 今の十二月までのものについての金利の免除の問題、これは一つ代位弁済をしたもの全額について減免をする、こういう線で一つお願いを申し上げたいと思います。
 私は、概算金に関係したことでありますが、この資金はどういう性質の資金をお出しになるのですか。この概算金の代位弁済その他に使う資金、それは天災融資関係か、あるいは食管会計で特別に考えた資金を出すつもりか、どういう性質の資金のおつもりなんですか。
#204
○説明員(中尾博之君) 今の概算金は、もうすでに食管から支払われておるわけであります。それを前払いの概算払いをする。その金は払われております。その金に利息をつけて返していただくというのが、本来の格好になっておるわけであります。その場合の利息を減免いたすということでありまして、金は入るべきものは入らんことになっております。そういうわけで、資金に相当する部分は動かないわけであります。
 それから元金のその概算払いの点につきましては、代位弁済になります。なりますが、その支払い能力は要するにないわけでありますから、それは金融をつけなければいかんということになっております。それは農林中金の方の金融措置をもちろん必要といたしております。その金によって支払いをいたす、こういう形になります。あとはその金融につきまして、これが直ちに生産者の方にかかっていかないように、その期間を延ばすなり、それから利率を下げるという措置が加わっておるわけであります。
#205
○東隆君 代位弁済なる資金は、おそらく農林中金その他のものに対して国、か利子補給の形でもって安くするのじゃないかと思うのですが、その場合に全額を国が利子補給するのですか。どういう形になっておるのですか。
#206
○説明員(大村筆雄君) お答え申し上げます。本件につきましては、目下農林省ともまだ最終的に打ち合せが終っておりませんけれども、一応の筋としては、道負担という考えでございます。天災融資と同じように、やはり道負担を伴う天災融資と同じ格好でいったらどうかということを考えております。
#207
○東隆君 天災融資と同じ方法で利子補給をすることになりますると、国とそれから北海道でありますと道負担金、こういうことになって、災害でもって、地方財政が枯渇をしているものが、一そうひどいことになってくる。そういうやり方をやって、それが耐えられるか、こういう問題は、もう常識的に考えてもおわかりになると思う。そこで天災融資の関係によらないことを前提にしたのは、私はやはり国が全額利子補給をする、こういう線を考えての考え方でないか。従って、天災融資の方法でもってやるなら、何も別に食管会計から頼まなくても、天災融資の関係のものでやればいいんで、その際考えなければならんことは、地方財政に対して補給をする道があれば、これはまた別です。道負担の分についてそれを補給する道があるなら、これは話が別ですけれども、それがない以上は、一本で国でもって補給をする、こういうふうに考えるのが筋じゃないか。従って、天災融資のようなやり方でもってやるというなら、ただ三分五厘と六分五厘ですか、この段階を分けるのは意義があると思う。しかし利子補給の問題について考える場合に、それを道の負担に持っていく、これは私は意味をなさんと思う。もし道の負担にするということを考えるならば、交付金その他のそれに相当する部分を地方財政に交付しなければならん、こういう問題になると思うのですが、この点はどうお考えですか。
#208
○説明員(大村筆雄君) お答えをいたします。この問題、実は非常に考え方がむずかしくて、いろいろ考えているところでございますけれども、結局この代位弁済しましたところの一部負担が、最終的に農家が負担するということに着目いたしまして、農家経営の安定とか、農家生活の安定という観点に立ちまして、農業政策をやるといたしますと、これはむしろ地域団体である道がまず実施するのが筋ではないかと思います。そういう場合は、災害を受けているため相当地方財政も苦しいのだから、そういうことになるんじゃないかと思いますけれども、これは今の政府の仕組みといたしましては、そういう災害の場合も地方団体の財政需要につきましては、特別交付税でめんどうを見ていくという仕組みになっておるのでございます。ただ、その特別交付税は果してどの程度来るかということで心配されて、道負担は困るという御意見もあるようでございますが、その他いろいろのに方もございますけれども、慎重に検討いたしたいと思う次第でございます。
#209
○東隆君 道負担の分に相当する交付税、これをはっきりと分けてお示しになる意思がありますか。そうでないと、これはどうも問題にならんと思う。その点を、もしできるならば、そういう形にしてもらえるという場合には、今のようなこともいいと思いますが、そいつがなかなか困難だという場合には、どうせ国から出るのですから、一本にしてお流しを願った力がいい、こういう考え方になると思います。同じことですが……。その点一つ十分お考えを願いたいのですが、もしお考えがございましたら……。
#210
○説明員(大村筆雄君) 特別交付をいたします場合は、これはその交付の要領につきましては、別途地方自治庁におきまして総理府令が出ることになっておりますが、その算定のやり方といたしましては、まず災害に伴う収入の減、それから災害に伴う財政需要を、府県の、それぞれ加えまして差引いたしまして、それで所要額全体で幾らかというのを出しまして、交付するという仕組みになっておるわけであります。ここにこの方について幾らというのは、その算定の過程において出て参りますが、個々ばらばらに切り離してはやり得ない仕組みになっております。
#211
○東隆君 くどいようですけれども、この三分五厘とそれから六分五厘の利子補給をするところの三年あるいは六年ですか、五年ですか、この分ける地帯は、これは天災融資の場合には政令によって地区をまずきめるようになっておりまして、おそらく今回の災害には、別な資金だとすれば、そういう問題はこれは考えられないと思いますが、そこで非常に混乱が起きてくると思う、この問題はですね。従って、継続災害にぶつかった所と、三年あるいは四年もぶっ続けておる所があるのですから、そういうような地帯、そういうものを一つ考えた場合に、地区の指定、そういうような問題はどんなふうにお考えになるのですか、利子の補給をする場合に。
#212
○説明員(大村筆雄君) 代理弁済の地域の基準は、天災融資法に準ずる規定の仕方を大体考えております。
#213
○東隆君 そうすると、まあ法律の基礎も何もないのですが、大蔵省とそれから農林省の方で折衝をされて、そうしてこれに関連をした融資のいろいろな関係を考えると思うのですが、まず利子補給に関して特別なものを、規定を考えられますか。これは別途食管会計のこの中にそういうことを規定することをきめて、政令で定める、そういうようなことにするのですか。
#214
○説明員(大村筆雄君) 本件の措置につきましては、予算措置でもってやりたいと思っております。
#215
○北村暢君 今の問題とも関連しますが、天災融資法の改正について、地方公共団体の利子の負担の分の低下についての要求と、それから利子補給の場合の国と地方庁の分担の歩合について、これを軽減してくれということが要請されていると思うのですが、この問題について天災融資法の改正について検討をされておられるかどうか、これをまずお伺いいたしたい。
#216
○政府委員(渡部伍良君) 天災融資法に基きまして融資する資金源のコストの低下に伴いまして、そのコストをこえて低下をどこで考慮するか、こういう問題でありますが、具体的には、中金の金利が一割一分五厘から一割五厘に下りまして、その一分をどこで引くかという問題でございます。私の方では、府県及び市町村、すなわち地方公共団体の負担分を減額したいと思いまして、通常国会にその天災融資法の関係条項の改正案を出したいと思っております。
#217
○東隆君 天災融資法によるのですか、その天災融資法を改正して、それによってやるというのですか、どっちなのですか、このやり方は。代位弁済に使う資金は、それの利子補給は。
#218
○説明員(大村筆雄君) 天災融資法にはよりません。よりませんが、準ずる措置として、予算措置としてやるということでございます。
#219
○東隆君 そうすると、別にその法律をいじらないで予算でもってやると、予算措置でもってやると、こういうお考えですね。
#220
○説明員(大村筆雄君) さようでございます。
#221
○東隆君 そうすると、利子補給の問題はこれは継続になるわけですね。三カ年なりあるいは五カ年なりの継続ということになりますが、そういう問題は、これは予算の措置でもって簡単にやれるのですか。
#222
○説明員(大村筆雄君) その問題につきましては、実は債務負担行為が要るわけでございます。その債務負担行為につきましては、予算総則におきまして、緊急な場合は、いわゆる予備費が一般会計にことしでも八億ございますが、それと同じような債務負担行為に予備費的なものが、たしか三十億でございますが、とってございます。それに該当するかどうかという問題はございますが、債務負担行為、そういうような予算的な措置の裏づけをやっぱり必要といたします。
#223
○東隆君 そうすると、今の債務負担に関するものは出さないで、やはり予算の措置でもってやる。そうして将来に向ってのものについても、まあやり得る自信があるという、そういう考え方ですか。これは継続審議みたいなそういうようなことにもなりましようし、政府に将来のものについてまで権限を与える問題にもなりまするし、むずかしい問題になろうと思う。そこでこの問題を予算措置でおやりになってですね、そして道負担の分については地方財政の交付金でもってそいつをやるのだと、こういう簡単なお考えでもってやられても、今の将来に向っての負担行為については自身があると、こういうことは言えるかもしれませんけれども、財政交付金の方の関係は、これはなかなか、そこまではお考えになっても、こいつは実現の可能性がない。私はこれはもう非常に困難な問題が起きてくると思う。あのときはそういうふうに答えたけれども、これはもうだめですと、こういう、そのことで済みそうなおそれもありますし、これはこの際はっきりと、国だけでもって、予算措置でもっておやりになり得るのですから、それでもってやった方が、これは手の中の一羽のスズメの方が飛んでいる十羽のスズメよりも私はいいと思いますが、それをできるだけ一つ一本にして、そうして国の負担にするようにお考え願いたい、こう思うわけです。あとのことは約束が履行されることはない。そこでその点を一つ考えていただきたいと思います。
#224
○説明員(大村筆雄君) 御意見の点につきましては十分御参考にさせていただきたい、かように考えておりますが、交付金につきましては、これは地方財政の特別交付金につきましては、これは来年以降の問題につきましても、実は災害の場合にも財政需要のあとに尾を引く問題がございますし、天災融資法に基く営農資金にも同じような問題があるのでございますが、これは翌年度以降におきましても、当該災害県の財政需要は当然計算に織り込んで算定しております。ただ、どの金がそれだと言われますと、ああいう金でございますので、計算の過程にただ入っておるわけでございまして全体としては、財政需要と財政収入を計算した結果、全体として該当県に行くんだということだけでございまして、多少それはひもがついてないので、心細いという点はありますけれども、一応計算の過程においては、この年度に行く金が、一応これは約束されるのだというふうに御了解願っても、差しつかえないかと思います。
#225
○清澤俊英君 今年共済の方で、たまたま虫害と冷害が重なった場合がある。直なって両方の害がある。その場合、冷害の方を非常に薄く見て、ウンカの害だということについてそれを重く見られて、免責要項か何かで、損害金が出ない場合が相当あるのですが、それで共済の方の考え方としては、そういう場合には他の条件から見て、この地帯が冷害地帯ということははっきりわかるのだから、そういう場合には、私は両方が出た場合には、やはり冷害地帯として全体を取り扱って、払い戻して、共済金を交付することが正しいのじゃないかと思うが、そう取り扱われておらない場合が非常に多いと思いますが、そういうことに対する方針はどういうふうにきまっておりますか。
#226
○政府委員(渡部伍良君) お話の通りでありまして、もしそれと違っていることがありますれば、御注意願えれば、直します。最終的の被害で共済掛金を支出することにいたしております。
#227
○清澤俊英君 これは非常に極端な例ですが、届出収穫を二石六斗三升としておる。それが今年、われわれの目から見たら、八斗くらいじゃないかと見るわけですけれども、自分では三石と言うておるのですが、これにかからない。なぜかからんかというと、いわゆる免責要項でいくと、かからんということになる。これはウンカだからかけない。ところが、その地帯は完全な冷害地帯で、両方が並行し、時期も同じだ。ただ、そこでちょっと工合の悪いのは、ちょうど養蚕の上族期と防除期が一緒になっておる。そこで防除期を少しはおくらした。これだけの問題です。それで現実に八斗しかできないものが、もらえない。
#228
○政府委員(渡部伍良君) 今の点は、具体的に承わって、よく調べたいと思います。おそらく共済組合の中で見るに見かねて、そういう免責要項を発動したのではないかと思います。今のお話を伺ってみましても、共同防除でやるのであれば、本人が出ることができなければ代人を出すとか金を出すとかそれに相当するつき合いがあるわけです。それもやらないで防除がおくれて、ウンカの害が非常に多かった。そこで組合の中の何といいますか、一つの自治的の統制として、そういうことをやったんじゃないかと思われますが、その点はもっと具体的に町村の名前をあとで伺いまして、よく調べます。
#229
○清澤俊英君 一部でない、全体です。共済は調査してきましたが、よく取り扱われておらなかった。具体的なものを出して調査していただきたい。調査は済んでおりますが……。
#230
○東隆君 私は、少し話が別になりますが、今年の災害で、北海道の北見地方その他の農民大会で、実は政府がたくさん黄変米を持っております。あれを一つ無償で災害地帯に配給をしてくれないかというのです。聞いている人はみんな笑ったのです。ところが、そのあとでよく考えてみると、笑い事ではないわけなんです。というのは、畑作地帯における主食になる麦類その他は、これはみんな湿害でやられて、カビがはえている。それで燕麦なんか、馬が食うと腹痛を起す。農民は小麦を食べると、腹を痛くする。こういうようなものを持っておって、そうしてそれはもちろん少ししかとれませんし、それを売っても商品にはならない。こういう状態の農家、ことに開拓農家、そういうような農家のこれは言葉なんです。黄変米は一回に食べても死なないだろうから、そこで黄変米を無償で配給してほしい、こういう要求なんです。私、実のところ、それを聞いて最初は笑ったのですけれども、しかし、その次には笑うことができなかった。皆さんも想像はつくだろうと思います。従って、私は、この問題は、政府はどういうふうに黄変米を実はお取り扱いになるかわかりませんけれども、実はだいぶ農林省の倉庫の中にあって、そうしてそれに毎年倉敷をかけて、そうして実際上の寝ておる価格というものはものすごい価格になっているのじゃないかと思います。従って、それ左何らかの形でもって、たとえば食糧以外のものに払い下げた場合、国損という非常に大きなものになって、そうしてそれがみんな国民にひっかかってくる。そういうようなことを考えて参りますると、私はこの際出せるものならば一つお出しになる必要がある。しかも無償で出す。そうして、それについて、これは大丈夫なんだ、ある程度ついて、そうして障害がないのだというものについては、この際すみやかに放出してもらいたい。こういうことを決意されても私はいいじゃないか。それからもし長いこと置くつもりならば、私は海の中へでも投げちまった方がいいと思う。いたずらに倉庫業者が倉敷料をもうけるばかりで、そんなものを長いこと置いておく必要はないと思う。こういう考え方が起きてくるわけです。それで凶作地帯の開拓農家を初めとして、その他の食糧のない農家に、黄変米のあまり悪くないやつ、これを私は搗精をよくして配給するということは、私はかえって人道上そっちの方がヒューマニズムに立った考え方になるのじゃないか、こういうことを考えるのです。
 この点を一つお考えになって、急速に一つ措置を講じていただきたいと思うのですが、これははなはだむちゃなことを言うようでございますけれども、現地でそういう声を聞いたので、そしてもし政府はそれをそのまま、今の黄変米をそのまま長いこと持って、そして菓子屋だの、そうしてその他のものへ非常に安い価格でもって配給をして、そうしてその間倉敷だの何だのかけて、そして実際に非常に高い倉敷を払って長いこと持つ必要はない。私はそういう考え方を持ちますし、それから戦後の食糧が非常に不足であったときに、買手市場であった場合には、黄変米の黄の字も出なかった。ところが、売手市場になってから、黄変米の問題が出て、それから黄変しない、ただ病変米だと、こういうものまで文句がつく。しかも、これは向うの値段をたたくために大きく動いた節がないとはいえない。そういうふうに考えてきたときに、私はこの問題を、多少肝臓に悪いとかなんとかいういろいろな話もありますけれども、しかしそんなような簡単なものでないのです。北海道における凶作地帯の開拓農家や、その他の地帯の食糧問題は、麦一つとったってそうだし、それからジャガイモやその他のものも問題たし、それからトウキビなんかは、実が熟さないのですから、これはもう三月までには完全にカビがいってしまいます。未熟なトウキビは全部カビがいってしまう。こんなものを食べたら、これこそもう肝臓どころの騒ぎじゃない。そういう問題にぶつかっておるのですから、これは緊急な問題で、そうして実に生かすか殺すかの問題にかかっている問題であります。黄変米一つ取り上げて、そしてあんなに問題になっているのに、政府がなかなか断行できないというのは、私はわかっています。わかっていますけれども、しかし、こいつをやるのが私は善政になると思う。そういう状態です。だから、私はそういうことを、前提に置いていろいろな災害関係の問題を審議しておるわけですが、そういう点とかね合せて、この問題、一つ食糧の問題を何か……。
#231
○政府委員(永野正二君) 開拓地その他非常な激甚な災害地におきましては、飯米、家畜の飼料等について、非常に困窮しておられる実情にあると思います。飯米につきましては、御承知の通り、さっそく食管会計において、代金を延納いたしまして受け払いをするという措置を講じておるわけでございます来年の出来秋以降に代金を払っていただくというお約束で、道その他の公共団体があっせんをいたします分について、代金延納で払い下げをするという措置を講じておるわけであります。その中には、もちろんできるだけ低廉な外米等も含めておるわけであります。
 黄変菌の認められる米を飯米川に流すことにつきましては、これはまた別途な見地からいろいろ問題があると思いますので、これは相当慎重に検討を要すると思います。飼料用としてそういう黄変菌があるということで、普通の食用にできない米を充てたらどうかという問題は、実は従来も研究はいたして参っておるのでございます。なかなか家畜に対してどういう影響があるかということは、そう短時間に正確な結論ば出ないのでございますが、問題は無償で譲渡ができるということになりますれば、相当な希望があるかと思いまするが、その点にはまた別途、私どもといたしましては、食管会計の関係で問題が出てくるわけでございます。従来こういう米の処理につきましては、できるだけ国損を少くするような方法で、また健康を害しない方法で処理を急ぐということでやって参ったのでございまして、これを無償で譲渡をするということになりますと、これはまた別途な問題が出てくるわけでございます。ただいまの提案と申しますか、お話につきましては、なお十分検討いたしまして措置をして参りたい、こう思います。
#232
○島村軍次君 直接冷害には関係がないことですが、黄変米の問題が出ましたから、適当な機会にこの資料を出してもらいたいと思います。それは、先般詳しく新聞へ、農林省の御意見も食糧庁の意見も出るし、それから厚生省の意見もついて出ておったようです。最近の黄変米処置に関する新しい考え方に検討を加えておられると思うんです。これは東氏の御意見の通りに、やはりわれわれは決算委員会を通じて、相当重要に取り扱ってきた問題でありますから、食管会計の審議に当っても重要な問題だと思いますから一それらの関係の事項を、黄変米の処置、それから現在までどのくらい残っているか、そうしてその保管料はどうであるか、それからその金額はどういうふうになっているか、そうして最近の学者の意見もある程度加えて、一つ資料を出していただきたいと思います。それをお願いいたしたいと思います。
#233
○政府委員(永野正二君) 御要望によりまして、今まで提出いたしておりません分は、至急ととのえて提出いたします。
#234
○東隆君 今の資料に関連して、澱粉その他の買い上げしたもので保管をしているものがあると思います。それについての、何といいますか、かかった費用、それからそれの倉敷、そういうようなものを加えて、黄変米だの、そういうようなものの金額がどれくらい、何というんですか、普通寝ているというんですか、そういうようなものをはっきりさして、この食管会計の審議の資にしたいと思いますから、その資料をほしいんです。
#235
○政府委員(永野正二君) できるだけ至急にととのえまして、提出いたします。
#236
○北村暢君 林野庁の指導部長が見えておりますので、薪炭材の払い下げの件についてお伺いいたしますが、この資料によると、救農土木事業のあとの所に、「国有林野による薪炭立木の払下等極力副業収入の増加を図る措置を講ずるものとする。」こういうふうに公告されているわけでありますが、その具体的な内容についてちょっと御説明を願いたいと思います。
#237
○説明員(仰木重蔵君) 北海道の冷害地区に対しましては、七十万石の薪炭材の払い下げをなすべく計画をして、各営林局にそれぞれ指示しておるようなわけであります。その払い下げにつきましては、六カ月以内の延納を認め、それから担保は免除いたして参りたい、かように考えておるような次第であります。
#238
○千田正君 関連しまして……。今のは薪炭材を払い下げて、救農のあれとして現金収入を考えての御処置だろうと思います。さらに燃料の補給の問題に関して、昨年の風倒木の跡始末はどのようについておるのか、あるいはそういうものを利用して今度の冷害対策方面に何か利用する方法があるのかどうか、そういう点はどういうふうになっておりますか。
#239
○説明員(仰木重蔵君) 風倒木につきましては、直接この冷害に対しましては関連を持つということではなく、やっておるわけであります。
#240
○千田正君 別個のことはもちろんよく承知していますけれども、こういう風倒木を利用して、その処置を現金収入その他に何らかの方法を講じてやる方途がないかどうかということです。これはもう全然別個に考えて、今まで通りの処置方針に従ってやって、これはもう冷害とは関係ないのだから、今まで通りの方針で進むのだ、こういうようにお考えでございますか。
#241
○説明員(仰木重蔵君) 風倒木の伐採その他に伴いまする冷害地の現金収入ということについては、十分考慮しております。
#242
○北村暢君 今の、六カ月以内の延納ということだったのですが、そうすると、払い下げを受けるのが、現在十月とか十一月に払い下げを受けて、それの後六カ月延納する、こういうことになる場合と、来年の三月ころ払い下げを受けて六カ月後に延納するという場合とでは、非常に違ってくるのじゃないかと思うのです。それて先ほどの配給米の代金の延納も出来秋まで延納するということがいわれておるのでありますが、そうしますと、十月に払い下げを受けたものを六カ月以内に払うということになるというと、まだ罹災農家としては現金収入の道も何もないときに支払わなければならないということが起り得ると思うのです。従って、この六カ月以内の延納ではせっかくの趣旨が生きてこないのだと思うのでございますが、これを一年間の延納というわけにいかないのかどうか、これを一つお伺いいたします。
#243
○説明員(仰木重蔵君) 一応われわれの方では六カ月以内と考えて、現在では進んでおります。
#244
○東隆君 関連して。木材業者に払い下げをするときに、北海道のものについては何かも、少し長くしておる例があるのじゃないですか。一年のやつをもう少し延ばしたような例はございませんか。
#245
○説明員(仰木重蔵君) 非常に量の多い分については、一カ年以内に延ばしておるものもあるわけであります。
#246
○田中啓一君 若干関連するのですが、この際に農林省当局にただしておきたいと思いますが、冷害対策として救農土木事業的な考え方で、炭を焼いて小業の足しにしようということは、非常にけっこうだと思うのでありますが、実は前々から山村民が一様におひえております問題があります。木炭について。それは中華民国から木炭が入ってくるのではないか、どこでそういったうわさが出だしたのか、実は私はよく実相を知らないのでありますが、しかし農協などは会合のあるたびに反対決議をやって、われわれのところへも、ことしの夏あたりからしきりに言うてくるわけです。それからまた山村を歩いてみますると、山村民から一路にそういった陳情を受けるわけであります。まさか農林省が進んで、木炭需給の緩和をはかるために、中共から木炭を入れるというようなことを考えられるわけもないと思うのでありますが、しかし戦前の例を申し上げますると、漢口木炭と称する、非常に大きな俵に入っている木炭でありますが、安は木炭が相当来ておったことを私は記憶しております。何でもかでも中共貿易をふやせばいいのだという筆法で、どうも中共貿易というものが必ずしも日本の国民経済全般の総合的に考えた見地からやるのではなくして、何でもとにかくふやしたいというような傾向がかなりあるのではないかと心配している。その一環として私は心配するのであります。でありますから、一度正式の席において農林省の所見をただして、決してそのようなことはないという実は言明を得ておきたいと思っておったわけであります。でありますから、一つはっきりその点を、官房長なり経済局長から、お答えを願いたいと思います。
#247
○説明員(平野孝二君) 林野庁の林産課の平野でございます。ただいまの中共木炭の問題につきましては、うわさではないのでございまして、現実にその計画があるのでございます。そのいきさつについて御説明を申し上げたいと思うのでございますが、この中共炭の要求がございましたのは、二硫化炭素の原料となる木炭の需要でございまして、二硫化炭素用の木炭は主として白炭を使うのでありますが、この白炭の需要につきまして、化繊関係の原料となりまする一硫化炭素が、化学繊維関係の需要が急激に伸びて参りました関係上、それに必要な二硫化炭素の生産をふやさなければならない現状になったわけでございます。一方、現在木炭の状況から申し上げますというと、昨年来の需給関係からいたしまして、木炭の需給事情が、昨年の年度末あたりから在貨量が減って参りまして、木炭の需給関係におきまして、多少逼迫を来たしたような実情にあったわけでございます。
 従って、ちょうどそのような状態が出て参りました現状と、二硫化炭素川の木炭が不足して参りました現状とがかち合いました関係上、二硫化炭素工場方面からの要求が強く出て参りまして、中共方面にありますところの白炭を輸入したいと、こういう要求があったわけでございますが、林野庁といたしましては、木炭の生産者の立場、並びにまたその数量からいたしましても、輸入をする必要はないということで、一応は話し合っておったわけでございますが、だんだんとその実情につきまして調べて参りましたところが、やはり二硫化炭素刑に向けますところの白炭のその規格におきまして、その規格に合いますところの木炭を十分に供給するという態勢が、十分に生産者側においてとれておりませんので、しかもまた二硫化炭素工場方面におきましても、どこの工場も全部不足しておるというわけではございませんので、いろいろと産地側と工場側の両方の実情を慎重に調べました結果、主として瀬戸内海方面の二硫化炭素工場に対しますところの木炭の供給がやや心配される面もございますので、二千トンを限りまして、一応瀬戸内海方面の工場に向けて緊急的な、一時的な応急措置として入れると。しかし、その後におきましては、木炭の生産関係からいたしましても、決して日本の木炭の生産量が不足しておるわけではございませんので、今後は二硫化炭素工場と生産者側の方と十分話し合いの上で供給をいたしますれば、その需給は円滑に参ると、こういうような行政指導をして参っておる次第でございまして、二千トンを限りまして十二月を限って入れると、こういうことで処置をいたしたような次第でございます。数量的には確かに、決して需要が不足しておるようなわけではございませんけれども、その品質、規格という面になりますと、急に二硫化炭素工場の需要がふえました関係上、その要求にマッチして供給することができないというような現状を考えまして、入れたような次第でございます。
#248
○田中啓一君 すでにもう既成事実になってしまっておるようでありますが、まあ最近まで農協側は、地力会を初め一向その辺の事情も知らないで、まあ山村至る所、河野農政の一端なりと称して、攻撃至らざるない。私ども往生している。でありますから、やむを得ない――またそれぐらい許してもらっても、二千トンというのは約十二、三万俵になると思うのでありますが、なかなか木炭としては軽視すべからざる量だと私は思うんです。まあ二千トンを限ってということなら、一応決定済みのことでありまして、今さら何とも仕方がないと思いますが、しかしもう白炭がそれほど逼迫するとは思われない。
 私は非常に輸入政策で一般的に心配しておりますのは、業者というものが言ってくるんです。おそらく今ごろはアズキを輸入しろといって農林省へ迫っておる。そうすると、勘定すれば、アズキも今年は冷害で不作に違いないのでありますから、値段も高いし、それなら一つ二千トンぐらい入れようかというような話がすぐ出てくると私は思う。これはよほど私はお考え願わなければいかんと思います。でありますから、もう私は、二千トンでしっかり打ち切りにして、今後はめったに一つ入れないようにしっかりたがを締めていただきたいと思います。そうでなければ、とにかく一ぺん歩いてごらんなさい。とてもわれわれたまらないのです。で、もう木炭はやむを得ませんが、だんだん飛び入りしてアズキにまで及びましたが、アズキはまさか輸入計画はないでしょうね、この点一つ。
#249
○政府委員(渡部伍良君) アズキその他雑豆の輸入につきましては、本年度の北海道その他の不作の事情を加味しまして、八万トン内外の不足という数字を出したのであります。それの輸入計画を今実施中であります。その中にアズキも含まれております。アズキはたくさんありませんが、菜豆、雑豆が主であります。ビルマ、中東の方から入っております。
#250
○清澤俊英君 ちょうどついでですから……。コカコーラは、だいぶ入っております。これはどれぐらい入れられたのか。それと、僕らがちょっと不思議に思っておりますのは、あのコカコーラが入ったとき、あれほど騒いだのに、黙っているのだな。関係者がちっとも動かないのだ、国会始まっても。何かからくりがあるのじゃないですか。なかったら、これは大騒ぎがでんぐり返っていいのじゃないかと思っておりますけれども、何もないところをみると、ちょっとおかしいと思う。数量においても不審な点があるし、もっと詳しく……。
#251
○政府委員(渡部伍良君) コカコーラ等の輸入につきましては、この秋から、コカコーラ及びペプシコーラ、駐留軍に対する納入権が、従来は向うの生産者が直接駐留軍に納入しておったのが、日本の会社に納入権が譲渡になったわけであります。それを機会に、日本に在住する外人の分につきまして、許可してほしいと、こういう話がありました。そして外国為替資金の事情も勘案し、貿易関係も非常に拡大してきておりますので、一定の限度ならば、許可をしてもいいじゃないかという説が出てきたのであります。そこで私の方では、従来の経緯にかんがみまして、もしほんとうに外人だけに限定される方法があるのならば、その分を許可することをいつまでも拒否する理由はないと、こういうので、外国の日本における公館、それから外国人の宿泊するホテル、それから外国の船舶で日本の港に入ったもの、そういうものを、場所を限りまして、かつ日本に来る人の数がわかりますから、それを算定したその数量の範囲内におきまして、許可する方針を閣僚審議会にかけましてきめたのであります。
 その際に、われわれの方では横流れがあるかないかということが非常に問題になりますので、従来のやり方でいきますと、卸、小売、それからそういった場所に流されるので、その間にわからなくなるというのが通例でありましたが、今度はそういう卸、小売じゃなくして、納入権の譲渡を受けた人が直接店舗等に持ち込むならば、その範囲内で許可して参りたい、こういう方針をきめておるのであります。従って、これを一般的に流すということでなくして、今言ったような場所を指定しまして数量を限って納入することにいたしたのであります。もしそれで心配があるということならば、いつまでも取り消すと、こういう考えでございます。
#252
○田中啓一君 今経済局長のお答えを伺いますと、アズキ、菜豆等、雑豆八万トンということでございます。八方トンというと、石数に直しますと、約五十万俵であります。数字が違いやしませんか。五十万俵というのは実に大した数量だと思うのですね、アズキと菜豆で。
#253
○政府委員(渡部伍良君) 五十万石です。
#254
○田中啓一君 そうですか。
#255
○政府委員(渡部伍良君) ですから、今年の北海道の減産額は、通称、もっと大きい量があげられておりますが……。
#256
○田中啓一君 さあ、どうだかね。
#257
○委員長(堀末治君) 局長にお尋ねしますが、価格はどんなことになるのですか、値段は。現在の市価との価格は、豆であろうが大豆であろうが。
#258
○政府委員(渡部伍良君) 豆の価格は、現在のところはまだ品質を見なければわかりませんが、品質の格差を見ましても、現在の内地の相場、たとえばアズキ、今八千円、九千円か、一万円になりましたですね。そんなにまではなりません。六、七千円ぐらいのところになるのじゃないかといっております。しかし質が悪いですから、そのものをよく見ないとわかりませんが、名目だけではそういうふうになっております。
#259
○委員長(堀末治君) さっきの炭の値段はどうですか。
#260
○説明員(平野孝二君) 輸入の値段でございますか。
#261
○委員長(堀末治君) 価格差ですね。
#262
○説明員(平野孝二君) だいぶ安くなるようでございます。今のところ、まだ入っておりませんので、いかようなことになるかはっきりしたことはわかりませんけれども、一応向うの最初の商談ができますというと、百円ぐらい違うかもしれませんね、一俵に直しまして。
#263
○委員長(堀末治君) 一俵ですか。
#264
○説明員(平野孝二君) 一俵に面しまして、内地より安いと思います。
#265
○清澤俊英君 木炭が内地より、安い……。
#266
○説明員(平野孝二君) 百円くらい安いと思います。
#267
○東隆君 今の菜豆その他の輸入問題に関連してですが、優先外貨がだいぶプレミアムが上っておるということを聞いておるのですが、これが下期の外貨割当、菜豆その他の割当がもうきまったのじゃないかと思いますが、それと同時に、優先外貨を獲得するために狂奔した日本の商人や外国商人がおると思います。それでこの際農林省は、田中さんじゃないけれども、輸入をチェックすることを考うべきであって、通産省の方は輸入の方を考えてもいいと思うのです。これは貿易だのなんだのとの関係がありまして、そんなような関係で、通産省の方は私は輸入を非常に考えていくのは当然なことじゃないかというような気がいたしますが、農林省はこの際チェックしていかなければならないと思う。ことに輸入をする時期ですね、そういうような問題なんか大いに関係があると思うのですが、ことし辛うじてとれたものがとんでもない安い値段にたたかれるようなことになっても大きな影響がありますし、そこで輸入はいつごろやられるのか。少しできたやつを処理した上で、絶対不足量を輸入でもって補充をしていく、こういう態勢をとらなければならないと思います。出来秋にぶつかって輸入をする、ちょうど今ごろからどんどん入ってくるなんということになると、問題である。そんなようなことと、それから先ほど言ったプレミアムがついて、そうしていくと、結局輸入したものを安く売るわけにいかないわけですね、プレミアムがついているのですから。従って、外国から入ったものが高い。それは北海道のような産地ではこれはいい影響を及ぼすかもしれませんけれども、おそらく国民全体とすれば非常な迷惑な話です。それからプレミアムがついて高くなっているというのは、そこへ一手でもって独占的に輸入をやろうという、そういう動きが当然背後に考えられるわけです。そういうような点も私は十分に農林省は考えて、この問題に当らなきゃならんと思う。その辺はどんなふうになっておりますか。
#268
○政府委員(渡部伍良君) お話のような事情は十分私どもの方では考えております。北海道の冷害の調査で、私の方で、豆の平年収量に比べての減産額を、大豆では四十缶石、アズキでは二十九万石、菜豆では十九万石、そういうふうに見ておるのであります。そのほかの地方等の状況を合わせますと、菜豆として八万トンということはむしろ相当内輪に見積った数字と承知しております。
 それから第二に、いつごろ入るかという問題でございますが、これは御承知のように、ビルマ方面、中共方面では秋の収穫時期になっておりますので、どんなに早く入れようと思いましても、うまく入らないのでございます。それからまた私の方でも内地の出回り期を避けて荷物が到着するようにということをねらいまして、大体三月以降に入ってくる腹づもりで区切って為替の許可をしております。
 それから第三のプレミアムの問題でありますが、これは御承知のように、現在の制度でいきますと、内地の需要が非常に強いのでありますから、いかなる割当方法をしましても、割当をやる限り、どこかでプレミアムが出てくるのであります。今度の場合はいわゆる特割制度で輸入権を持っておる者の権利を買うことになりますから、ある程度のプレミアムがついております。現在の制度でそういう余剰利益を特別にとるという制度がない限り、いわゆる需要者側の満足いくようにAA制にするとか、あるいは量をうんと増すという以外には、プレミアムの問題は解消できません。しかし量を増すことは直接農家の販売に影響いたしますから、量は増すわけにいきませんから、どうしてもある程度中間でプレミアムは出てくる、これは現在の制度では避け得ない、こういうふうに考えております。
#269
○堀本宜実君 コカ・コーラ問題なんですが、いずれゆっくり伺おうと思いましたが、御発言がございましたので、関連性がございますので、資料をお願いしたいと思います。許可にされたというふうに伺いましたが、許可にされたのならば、いつ許可にされ、どういう数量を許可され、どういう条件で許可にされたか、それを資料を御提出願いたいと思います。
 なお重ねて、場所及びその販売する対象等について限定をしておるとおっしゃいましたが、汽車の中で売っておる。しかも現実に購入したのでありますが、そういう現実の問題から考えると、特定の人を対象として販売するのではないというふうに考えられるのでありますが、その点についての御説明を願いたいと思います。
#270
○政府委員(渡部伍良君) 資料につきましては、あとで調査して届けさせます。
 それから現に汽車の中で売られておるじゃないかというお話ですが、これは今度許可しようというのは、一般にはまだ出ておらないわけです。軍以外には出てないわけです。ですから、軍の方から横流れがあればあったのだと思いますが、今当該の問題になっておるコカ・コーラとペプシ・コーラについては、そういうことはないはずです。ほかにそれに似たミッション・コーラとか、いろいろなコーラがたくさん出ております。それはみんな何といいますか、イミテーションでありまして、びんも同じであるし、私も現にこれを見て、出ているじゃないかと言って恥をかいたことがあります。よく見れば違うのであります。しかし現実にそういうものが横に流れておるということがありますれば、これは実物、場所をお知らせいただければ、これは調べます。みんなイミテーションで、ほんとにたくさん出ております。
#271
○堀本宜実君 そうすると、現物を持ってこなければだめだと……。
#272
○政府委員(渡部伍良君) いや、場所。そこへ出ているのは、大ていルートがありますからね。
#273
○堀本宜実君 汽車の中なんですがね、福島から東京へ来る間の汽車の中で、現実に買うた人がおられるわけです。コーラと書いてある……。
#274
○政府委員(渡部伍良君) コーラというのは、たくさん種類があるわけです。
#275
○堀本宜実君 いずれゆっくりこの問題については、あとで質問いたします。
#276
○委員長(堀末治君) ちょっと、速記をとめて。
  〔速記中止〕
#277
○委員長(堀末治君) 速記を起して。
 本日は、これで散会いたします。
   午後四時五十三分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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